電磁波過敏症に関するコーナ

電磁波過敏症

電子機器や電気機器などから放射される電磁波に対して異常なまでも過敏となり、さまざまな病状を呈する人がいる。どの周波数の電磁波なのか等は不詳である。
そうした過敏な人に対して、本人には判らないように電磁波を曝露したり、させなかったりして、病状や電磁波の曝露の有無を自覚できるかを調査しても、ほとんど再現に成功していない例が多い。

電磁波過敏症であることを本人がそのように信じ、病状が発現していることだけは事実である。
海外の研究論文の中にはＥｌｅｃｔｒｉｃ　Ｈｙｐｅｒ　Ｓｅｎｓｉｔｉｖｉｔｙ　Ｓｅｌｆ　Ｒｅｐｏｒｔｅｄ（自分でそのように報告をしている電磁波過敏症）という表現も見受けられます。
まったく電磁波過敏症の人が存在しないということも断定はできない。　

電磁波過敏症に関する研究には、二重盲検法が最低限度必要な調査・判定条件となる。　

注：この頁は、電磁波過敏症や化学過敏症であると主張している方やその支持者には不評のようです。

進化論と創造論についての掲示板ログ307
http://members.jcom.home.ne.jp/natrom/board050525.html＜リンク切れ＞では以下のコメントをいただいています。
Re：カビンショー　投稿者：大文字ナン投稿日： 2005年05月25日14時42分

http://homepage3.nifty.com/~bemsj/hyperSens.htm

　↑ググった　だけですが、ここは客観的に電磁波過敏症を取り上げていますね。

＊B34. スペインの電磁波過敏症として労働裁判所で初認定　2011年
＊B35. スペイン2016年電磁波過敏症で労災認定

＊B36. 国会議員自身が電磁波過敏症と国会で発言
＊B37. 電磁波過敏症であると発言している長野県伊那市の議員2009
＊B38. 元WHO事務総長Brundtland電磁波過敏症の情報まとめ
＊B39. スウェーデンの電磁波過敏症者スガベック

＊B40. 不安が病気の元になる　という医学研究から
＊B41. 電磁波過敏症の人に好適な場所　アメリカのグリーンバンク？
＊B42. アメリカのグリーンバンクが2015年9月放映のTBSTV「林先生が驚く初耳学」でも取り上げられた。

１．電磁波過敏症に関するスウェーデンの報告

作成：　２００１－１０－３　
スウェーデンのNational Institute of Working Life （国立産業衛生研究所とでも翻訳？）が1998年に発行した報告書の英文要約部分を入手しています。

スウェーデン語の報告書のタイトル
Electromagnetiska Falt, eloverkanslighter och neurologisk sjukdom-en kunnskapsoversikt 1998:23
英文名：Electromagnetic fields, electromagnetic hypersensitivity and neurological disease- a review 1998:23

英文3頁の要約の概要です。
＊199年秋に専門家のグループが組織され、電磁波過敏症などの調査を行うことになった。
＊電磁波過敏症は、皮膚異常、頭痛などの症状を呈するものを取り上げる。まだ正確な電磁波過敏症の診断基準は確立していな　い。様々な症状がある。
＊最も簡単な電磁波過敏症は、VDT作業によって中程度の顔面皮膚異常を呈するケースである。この場合はそれ以上の深刻な症状には至らない。

＊電磁波過敏症の人と、関連する要素との密接な関連性は見つかっていない。　電磁波過敏症の人に、自律神経に不安定な人がいるが、全てではない。
＊VDT作業の要素の他に、蛍光灯ランプによって影響を受けることがある。
＊VDT作業による電磁波過敏症は、物理的な、人間工学的な、精神的な要素等、多彩な要素が絡んでいる。ある研究によれば高室温、低湿度の部屋での作業が、また、作業に関連するストレスが要素ではないかとなっている。

＊VDT作業に於ける電磁波の影響は、疑わしい。
＊VDTからの低周波電磁界の電磁波が電磁波過敏症の要素になっているとは、これまでの検察や実験では支持されていない。
＊VDT作業に関連する電磁波の中で、電界が影響しているのではないかという研究がある。まだ結論は出ていない。

＊VDTからの高い周波数の電磁界が影響しているかどうかも、まだ結論が出せるほどに研究は進んでいない。
＊不眠等の症状が、低周波電磁界によって引き起こされるという研究もあるが、まだそのメカニズムが判っていない。物理的もしくは生理学的な要素と電磁波の不安感が関連している可能性もある。

＊電磁波過敏症と照明ランプの点滅（光の変化、変調）に関する興味深い事実がある。
＊電磁波に関する不安感が、症状を呈している原因である可能性もある。
＊色々な研究があるが、結論を出すにはまだ不十分である。
＊とりあえず、そうした症状が出たら、早めに対処を考えることが肝要である。

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２．Proceedings from the International Workshop: Clinical and physiological investigations of people highly exposed to electromagnetic fields：St. Petersburg, Russia, 16–17 October, 2000 の概要

　　作成：　２００１－８－１２
ロシアとスウェーデンの電磁波過敏症などに関する共同研究ワークショップ、その論文集から研究のタイトル・研究者名と概要を纏めた。
概要の（　）内は私のコメント。

P7
The problem of estimation of biological effect of chronic exposure
by Yuri Grigoriev
ロシアでは低レベルの電磁界暴露の生体影響に関するレポートを作り、WHOやICNIRPに提出する。　低レベルの電磁界への長期暴露の研究を行っている。

P10
Investigation of the effects of mobile phone use on tympanic membrane, skin temperature and critical flicker fusion
by Monica Sandström, Vasily Klucharev, Kjell Hansson Mild and Eugene Lyskov
携帯電話の使用によって耳の部分の温度上昇があるが、これはRF電波によらず、ハンドセットの温度上昇によるものと推定

P13
Clinical neurophysiological characteristics of persons exposed to 10 μT, 60 Hz, magnetic field during different functional conditions
by Eugene Lyskov, Monica Sandström and Kjell Hansson Mild
電磁波過敏症といわれる20名を対象に60Hzの磁界10μTを暴露した。
結果は過敏であるということは無かった。　
電磁波過敏症といわれる人は、物理的な、精神的な外部要因に敏感である。

P14
Long-term parallel monitoring of electromagnetic field exposure and physiological processes in individuals with perceived electrical hypersensitivity
by Vasily Klucharev,　 Monica Sandström，Kjell Hansson Mild，Eugene Lyskov
電磁波過敏症といわれる人と通常の人が、心電図計と電磁波測定器を24時間携帯して測定。
電磁界暴露と心電図の変化を観察した。
2つのグループ間で磁界暴露の差異は無く、心拍数にも差異は無かった。
　心拍の変動に差異があった。　　
（過敏症の人は影響を受け易いという意味？）

P15
Aspects of electromagnetic hypersensitivity.
By A. Wojtysiak, J. Reißenweber, B. Grothus and E. David
電磁波過敏症の人を対象に50Hzの磁界10μTを暴露したが、感知しなかった。
　電磁波過敏症はマスメディアの影響が強く出ていると推定。

P16
Dysregulation of autonomic control of cardiac function and shift of diurnal rhythms of blood pressure in workers exposed to RF electromagnetic fields.
By S. Szmigielski, E.Sobiczewska and R. Kubacki.
RF送信局などに勤務して電磁界に暴露している人を対象に研究。
　暴露量は人によって大きく変動する。　心拍数や血圧に影響が見られる。
（電磁界に暴露する場所に勤務しているから電磁界の暴露で血圧に変化があるといえる？）

P32
Hygienic, clinical and epidemiological analysis of disturbances induced by radio frequency EMF exposure in human body
By V.N. Nikitina

マイクロ波やHF帯の無線に従事している人を対象に健康調査を行った、異常が多い。
特異的に250V/mという電界に暴露している人もいる。　
（これらは電磁界の影響と断定できる？その他の作業環境因子は？）

P39
Occupational and residential health monitoring on people exposed to electromagnetic fields in RF range. Clinical observations of 12 patients exposed to EMF.
By V.V. Posokhin. I. M. Suvorov.
かなり強烈な電磁界暴露を受けた事例、異常が発生している。

P45
Health surveillance of RF/MW exposed personell – adequacy of methods used and the need for protocol unification
by Vlatka Brumen, MD, PhD
クロアチアで進めている長期電磁界暴露の影響調査のプロトコールを紹介。

P48

Assessment of immunotropic effects of long-term exposure to radio frequency and microwave radiation.
By E. Sobiczewska, M.P. Dabrowski, W. Stankiewicz, S. Szmigielski
電磁界の長期暴露の影響を調査しようとすれば、個々人の免疫機能によって受ける影響が異なると予想される。　結果は大きくばらつくことになる。

P56
Magnetic Field Exposure of Train Engineers
By Yuri Kopytenko, St. Petersburg
電車の運転手に比べて、電気機関車の運転手に心臓病のリスクが2倍である。　
DC及び交流の磁界の影響を考慮する必要がある。

P58
Do MF fields influence on locomotive engine drivers?
I. Nikeshina, V. Mikhailov, G. Sokolov, N. Ptitsyna, A. Vishnevskiy, E. Lyskov, by M. Chernyshov
電気機関車の運転手に心臓病が多いので、国際プロジェクトで研究。　
電気機関車での磁界暴露を模した状態で試験を行った。　
心拍数に少し変化が見られたが、その他に磁界の影響は見られなかった。

P59
Chromosomal aberrations in peripheral lymphocytes of train engine drivers
by Kjell Hansson Mild, Monica Sandström, and Ingrid Nordenson
スウェーデンの電気機関車の運転手に癌が多いことから研究。　
磁界の影響が考えられる。　
運転手は平均して２－15μTの磁界を受けている。

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３．スウェーデンＶＤＴに関する電磁波過敏症の研究　１９９６年

これはスウェーデンの研究です。これによれば電磁波過敏症と思われる人を集めても、電磁波は感知できないようです。

原著論文の概要：
研究者：　B. Andersson et al:　
論文名：A Cognitive-Behavioral Treatment of Patients Suffering from "Electric Hypersensitivity"　
掲載雑誌：　JOEM. Vol. 38, No. 8, 1996　

この文献は、VDT作業などに関連して電磁波過敏症となった患者を集めて行った実験結果です。

１．VDTを電源ONかOFFか判らないように二重盲検法でおこなった。
患者が電源はONかOFFかを当てる事ができるか、　という再現実験を行っています。
　１６名中１名は４回中４回　当てる事ができた。　
　その他の人は駄目で１６名の正解率は　４１／８０　とほぼ５０％。
　よって、こうした患者は、ＶＤＴの電磁波の有無を、当てる事ができないと結論。

　使用したＶＤＴからの電磁界の強さは
　磁界　５Ｈｚー２ｋＨｚでは　２４５ｎＴ（２．４５ミリガウス）
　　　　２ｋＨｚ－４００ｋＨｚで　１９ｎＴ
　電界　５Ｈｚー２ｋＨｚで　７Ｖ／ｍ　
　　　　２ｋＨｚ－４００ｋＨｚで　１０Ｖ／ｍ　　　
　これらのデータからＭＰＲ－２に合致していない古いモニタを使用したと推定できます。

２．その他に、実験の前後でアンケートを取った。
　患者が、電源がＯＮと感じた時は、患者が感じる不定愁訴などが有意に増加。　
　しかし、実際に電源が入っていたか否かで解析をすると、データに変化は現れない。　

　また　血液検査で分析しても、電源のＯＮ、Ｏｆｆのテストでは　データに変化は見られない。　

３．患者の半数に対して、カウンセリングなどの治療を行った。おこなった結果、患者の愁訴は有意に減少した。　
　　カウンセリングを行った患者も、電磁波を検出する事はできなかった。　

この事から、電磁波過敏症の患者は、電磁波の直接的な影響ではなく、精神的な要素が大きな要素を占めているかもしれない。　という研究です。

上記に記した程度の電磁界を、電磁波過敏症と思われる多くに人が、直接検知できなかったことになります。　検出は、個々の患者が感じる事ができるか否かの、自己判断で行われています。

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４．城内博の研究報告1999年から　　

論文名：職場における電磁場環境間題
研究者：域内博
掲載雑誌：プラズマ・核融合学雑誌　第75巻1号　1999年1月

この報告書の中に「VDT作業と電磁波過敏症」の項がある。過敏症に関する記述を引用する。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　引用　＊＊＊＊＊＊＊＊＊

VDT作業に関連した皮膚障害などはいわゆる「電磁場過敏症」としてとらえられ,その事例は主にスウェーデンから報告されている.
電磁場と皮膚症状の関係を二重盲検法などにより調査しても,因果関係は認められなかったという報告が多い.

VDT作業についても電磁場と健康影響について明確な因果関係を得ることは容易ではないように思われる.

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　　　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

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５．　電磁波の感受性の試験結果　

平成１５年３月　財団法人　未来工学研究所　発行　
試行的研究　プログラム　ー　新パラダイム創生に向けて　ー　研究報告書　　報告書番号　１４－０２２－０１

に　記載されている研究で　
特殊感覚の医学利用に関する基礎的研究　
　担当　福岡博史　医療法人　明徳会　主任研究員　　からの抜粋です。

試験条件など
＊今回使用した設備は、基本的に電子機器にこれらの電磁波を当てて、電子機器が誤動作しないかを確かめるための装置で、国際的に設備や試験条件などが標準化されている。
これらの設備を流用して、人体への放射を試みた。
電子機器程度の大きさの空間の範囲では電磁波の強度は均一であるが、人体の大きさに対しては不均一な空間分布となってしまうが、これはやむをえないことである。

＊実験は、電波暗室と呼ばれる外部に電磁波（電波）が漏れないし、外部からも入ってこない特殊な部屋（一種独特な雰囲気がある）で行った。
30MHzから1000MHzの範囲の電磁波（電波）に対しては、外に漏れない、外から入ってこないように、電波暗室の性能は保証されている。
これ以外の周波数帯に関しては、正式な保証の数値はないが、外部とは遮断されているので、今回の試験条件としては、満足のいくものであると判断した。

＊低周波磁界の発生装置　今回の試験は交流50Hzで行った。
磁界発生コイルは、横1.5m　縦1mの角型のループコイルである。
この角型コイルに、安定化交流電源（一定の周波数で、一定の電圧を、精度よく供給できる装置）から50.0Hzで、一定の電圧を供給して行った。

＊試験　条件その１
コイル面を垂直に配列し、コイルの中心軸上に被験者が立ち、コイルとの距離と磁界を受ける体軸を回転させて、実験を行った。コイルはグランド面に40cmの高さの木製の台を置き、その上に設置した。
被験者と同時に験者も磁界に暴露する。
そこで、験者の磁界の影響をできるだけ少なくするために、験者は磁気発生コイルから少しでも離れるようにした。　

　　　　　　図６　磁界コイル垂直配列　

　表―１１：コイルとの距離を変えた時のグランド面からの高さにおける人体が受ける磁界の大きさ　
　磁界の単位　μＴ　（ミリガウスへの換算は１０倍する。　１μＴ＝１０ミリガウス）　

距離	30cm	60cm	100cm	150cm	200cm
高さ 115cm	0.84	0.51	0.31
高さ 90cm	0.96	0.54	0.22	0.11	0.07
高さ 65cm	0.84	0.51	0.31

表－１１にまとめた磁界の大きさに人体は暴露している。

記載していない頭部など全身が磁界に暴露しているが、上記高さ以外の空間分布は今回測定していない。

＊判定方法　　O－リングというヒトをセンサとした判定方法

結果：その１、感受性の閾値の調査結果　
条件その1の配列で、被験者のみが、磁界発生コイルを背中に向けて、コイルから30cmの位置に立ち、どのように反応するか試験を行った。
また、どの地点でO－リングテストにて反応が出るか、その閾値についても調べた。
　

	A,被験者	B,験者	閾値		A,被験者	B,験者	閾値
①	HK	SY	1.85m	⑤	YK	SY	1.63m
②	AF	SY	1.65m	⑥	ST	SY	1.85m
③	MY	SY	1.62m	⑦	HF	SY	1.75m
④	MS	SY	1.50m	⑧	MM	SY	1.68m

このことから、ヒトは０，１μテスラ程度の５０Hz磁界を感知していることがわかる。
（注：この実験は、他の電磁界ノイズが無視できる状態で、すなわち、日中は雑音が多く、時計の音が聞こえないが、深夜になって静かになったときに、部屋の時計の音が聞こえる、こういう状況でのテストである）

結果　その２：盲検法
条件１の配列で、磁界コイルから30cmの所に被験者がコイルに相対して立つ。
磁界発生コイルへの電力供給装置は10mほど離しておき、電力供給装置の操作の状態が被験者、験者には見えないように仕切りを設け、また電力供給装置のオン・オフは音が発生しないように切り替え操作を行った。
5組の被験者・験者が各々10回磁界の影響を受けるか否かの試験を繰り返した。
磁界発生装置の操作者は、予め50回分の試験条件（発生装置から磁界を発生させるか、させないか）をさいころで無作為で定めた。

Ｏリングのコントロールを取る時は、磁界の発生はないが、試験時は、盲検法で試験を行った。
全50回の試験終了後に、試験結果と磁界の発生条件を照らし合わせた。

	ORT結果	電磁波発生装置	正誤結果	験者被験者　正解率
1	0	OFF	正	A,被験者：MY 　　B,験　者：SY　　　　　正解率……　6/10
2	0	ON	誤
3	－3	ON	正
4	－3	ON	正
5	0	OFF	正
6	0	OFF	正
7	0	ON	誤
8	－3	ON	正
9	－3	OFF	誤
10	－3	OFF	誤
11	－3	ON	正	A,被験者：ST B,験　者：AF 　　　　正解率……　7/10
12	－2	OFF	誤
13	0	OFF	正
14	0	OFF	正
15	－3	OFF	誤
16	0	OFF	正
17	－3	ON	正
18	0	ON	誤
19	－3	ON	正
20	－2	ON	正
21	0	OFF	正	A,被験者：YK 　　B,験　者：MS 　　　　　　　正解率……　　7/10
22	－3	OFF	誤
23	0	ON	誤
24	0	OFF	正
25	－3	ON	正
26	0	OFF	正
27	0	OFF	正
28	－3	ON	正
29	－3	ON	正
30	0	ON	誤
31	0	OFF	正	A,被験者：MS 　　B,験　者：HF　　　　　　　　　正解率……　7/10
32	－3	OFF	誤
33	0	ON	誤
34	－3	ON	正
35	0	ON	誤
36	－3	ON	正
37	0	OFF	正
38	0	OFF	正
39	－3	ON	正
40	0	OFF	正

41-50回目は験者、被験者ともに強く肉体的疲労を感じていたため、正しいテストができず、評価から除外した。

盲検法における正解率は６８％であった。

これらから、BEMSJのコメントとして
ヒトは0.1マイクロテスラ（1ミリガウス）程度の５０Hz磁界を感知している。盲検法でも確認できた。
この感知していることと、過敏症などの症状発生とはとは別の問題である。　といえる。　

興味のある方は、この報告書の全文を入手して読んでください。
この実験の磁界などの条件設定にBEMSJは関与しました。

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６．北里大学と日本子孫基金の電磁波過敏症研究に関する疑問　

日本子孫基金と北里研究所の研究成果として、マスコミでも報道された。
2003年9月号の日本子孫基金発行の「食品と暮らしの安全」に掲載された電磁波過敏症の研究結果を基に、疑問点を紹介します。
この疑問点に関しては2003年9月に関係者へ電子メールを出しましたが、まだ返信はありません（2005年5月26日現在でも、返信はありません。）返信があれば、この解説を修正・加筆します。
追記：2011年8月17日になっても、返信は着ていないことを、追記として注記します。

今回の過敏症の研究で、ひとつの鍵になるのが、電磁波の暴露条件である。16Hz、50Hz, 30kHz、100kHz、1000kHzと周波数を変えて検討されていることはすばらしい。
どの程度の微弱な電磁波（磁界）に過敏症の方が反応するかに関心が集まる。

記事によれば、コイルの部分で16mG 頭部の部分で5mGとある。それ以上の情報は開示されていない。この曝露強度は、試験を行った各周波数で、共通なのか？　（疑問点その1）

50Hzで5mG程度の磁界暴露で過敏症の方が反応したとすれば、意味のあるデータとなる。
ICNIRPなどの暴露基準では50Hzでは1ガウスという値になっているので、0.5%程度の強度で過敏症の方は反応しているといえるからである。

ところで、ICNIRPの一般公衆の暴露規定では、1000kHzでは最大9.2mGとなっている。
したがって、過敏症という研究に際しては、1000kHzでは　9.2mGの0.5%の強度で試験を行えば、周波数に依存した過敏症の定量的なデータが得られることになる。
周波数に応じて、暴露磁界強度を変化させることも必要になる。

また1000kHzでも頭部で5mG、コイルの部分で16mGであれば、コイルの部分（すなわち、実験でコイルを首にかけているのでコイルに接する首の部分では、16mGの磁界強弩となり、局所的であるが、ICNIRPの暴露基準を超えることになる。

今回の試験で、どのようなインフォームドコンセントを得られたのかわからないが、通常は、ICNIRPの暴露基準を超えない低いレベルで電磁界をかけるので・・・・・という条件ではないかと、想像する。

下手をすれば、今回の実験では、周波数が高い場合には、人に明らかな健康影響を与える恐れのあるレベルを超えた実験を行っていることになる。
多分、大学の研究者が行なっている研究であるから、そうしたことはありえないと思うが、どうなのだろうか？（疑問点その２）　

疑問点その3として、

5mG、16mGという値は、16Hzから1000kHzにわたる試験条件で、どのような測定器で、磁界強度の確認を行われたのか？　また、その時の磁界センサの大きさはどの程度だったか？

今回の試験コイルは首に密着して置いているので、コイルのごく近傍では不均一で距離によって大きく変化する磁界分布となる。もし直径約10cmの測定センサを用いたのであれば、コイルの近傍の磁界を正確に把握することは困難となる。

コイルの極近傍では、局所的に大きな磁界になっていないか、それが、ICNIRPなどの規定値を超える恐れがなかったか、確認されたのだろうか？

参考までに、筆者が、手元の電磁界数値解析シミュレータで、1000kHzで、コイルは30cm四方の角型コイルとし、コイルに50マイクロワットの電力を供給したとして磁界強度を計算してみた。
コイルの中央部では　21mG、コイルの中心軸でコイル面から20cmの場所（頭部に相当する箇所）では5.6mGとなり、記事にある条件に近い数字が得られた。しかし、コイルから1cmの場所では124mGという局部的にはかなり大きな磁界強度となった。

したがって、首に巻きつけたコイルから1cmの首の内部では、場合によっては124mGという強い局部磁界を暴露していることになり、もし周波数が1000kHzであれば、ICNIRPの規定9.2mGの13倍も強い磁界を印加したことになり、首から脳へ行く血流などに影響が出てもおかしくはない、状況になる。

第4の疑問点、
雑誌に掲載された被験者の写真を拝見すると、首に巻きつけた磁界コイルへの2本の電力供給線（周波数が可変できる適当な発信機に接続されている）はツイストペア線になっていません。
2本の線が「ばらけた」状態になっている。

以下に雑誌に掲載された事件状況の写真を転載する。

こうなると、このバラけた線からの磁界漏洩が無視できなくなる。
このばらけた線は体の他の部位に接しており、これらの部位も何らかの磁界の影響を受けていることになる。
ばらけた線を被験者によって、異なる部位に接するようにして試験を行ったとすれば、暴露条件の精度の観点で、疑問が出てくる。

ということで、この研究は、いかに厳格な曝露条件を設定して、行なっているのか、情報開示されないと、なんともいえない。

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７．国立環境研究所の磁界曝露研究から

国立環境研究所特別研究報告　ＳＲ－３５－２００１　「超低周波電磁界による健康リスクの評価に関する研究（特別研究）　平成９－１１年度」に以下のような研究成果が報告されている。
興味のある方は原著を入手し、読んでください。

50Ｈｚ交流磁界に暴露したときの人のメラトニンへの影響などの研究を行った。
この時の磁界暴露は20μＴ（200ｍＧ）を中心に、実験条件によっては5倍程度の強さに、また場合によっては高調波やバースト波形を重畳して行っている。
この試験結果で、被験者の自覚症状に関する報告として、以下が記載されている。

「2.1.2　結果と考察　　(1)自覚的所見
実験1の被験著30名のいずれも各セッションでの磁界負荷のタイミングを感知することはできなかった。
同様に、実験2、3の被験者のいずれも、どの実験時に磁界が負荷されたかを感知することはできなかった。
また、暴霧実験中、実験後に何らかの自覚的な身体変化を訴えたものはいなかった。
ただし実験1において、上記の被験者以外の1名(35歳女性)が暴露実験中に片頭痛を訴えたため、実験を中断した。
磁界負荷との関連が否定できなかったため、後日、同様の暴露実験を当人に試みたが、片頭痛は再現されなかった。

電磁界の生体影響に関して、一部の研究領域では、「電磁界過敏症」と呼ぶべき症候群が存在する可能性について議論されている。
しかしながら、この症状に関する報告は自已申告によるもので、実験で感受性を確認したという報告はいまだない。
今回の研究結果はヒトの電磁界感受性に関して否定的なものであった。」

この実験結果では、普通の人は、交流５０Ｈｚの磁界を人は感知していないといえる。

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８．2005年英国の電磁波過敏症に関する報告

英国のＮＲＰＢは組織名が変更となりＨＰＡ－ＲＰＤとなった。
ここから2005年10月に電磁波過敏症に関する報告書が発行された。　　
　　　作成：　２００５－１１－１０　　一部修正：２００９－１２－１

文書は：「HPA-RPD-010　　Definition, Epidemiology and Management of Electrical Sensitivity
Report for the Radiation Protection Division of the Health Protection Agency
ｂｙ　N Irvine 　」　である。

この文書原文を入手した。
その中で、特記すべき点を如何に示す。　（興味のある方は、詳細は英文の原文を読んでください。）

「Summary of Findings 　概要」の中に

「This review considers electrical sensitivity (ES) in terms of the subjective attribution of symptoms to electric and magnetic Fields and radiations (EMFS), at levels below those shown to cause adverse health effects.
The use of the term ES in this review does not imply the acceptance of a causal relationship between symptoms and attributed exposure.
健康影響に悪影響を及ぼすとされるレベルより低い電磁界への暴露で、主観的な症状としての電磁波過敏症についてのレビュー（報告）である。
電磁波過敏症ＥＳという用語の使用は、症状と関連するとされる電磁界への暴露との間に因果関係があることを認めたことを意味しない。」という記述がある。

また最後の方に
「5.2 Po1icy/management options　方針・監理の選択
Given that the project did not specifically address the question of etiology, it is unable to inform policy in terms of setting exposure guidelines. However, a precautionary approach has been advocated in another similar situation - namely that concerning children and mobile phone exposure.
この調査では病因学的な疑問に答えていないので、暴露指針の設定に関する方針を述べることはできない。
しかし、子供や携帯電話の電磁界暴露に関する状況と類似の予防原則の適用は提唱されている。

Ｔhere is also little evidence to guide the management of affected individuals.
関係する個々人に対する監理指針の為に確証はない。

A: The few relevant published studies identified do not provide robust evidence in support of the electromagnetic hygiene/avoidance strategies widely advocated by sufferers and their support groups.
これまでに刊行された研究によれば、電磁波過敏症を懸念する人と、そうした人を支持しているグループが提唱しているような電磁界に関する健康・予防計画を支持する強固な確証はない。

これらの原文を読んだ限りでは、
以下のガウス通信75号（2005年10月17日発行）に記載されている記事
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　　　　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

英国政府「電磁波は健康に悪い」を認める
2005年9月、英国政府は、携帯電話、電柱、パソコンの画面などから出る電磁波に曝されることによって吐き気、頭痛、筋肉の痛みなどを引起こす可能性があることをはじめて認めた。
電気エネルギに過敏に反応することで「電磁波過敏症」と呼ばれるこの症状は、これを契機に身体的障害として扱われることになるだろう。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　　　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
と、大きく内容が異なる。

ガウス通信の記事は、報告書が正式に発行される前（1ヶ月前）に、「・・・・になるだろう」という推測、もしくは一部のリークされた情報に基づいて書かれた英国の新聞記事を元ネタにしている。

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９．イギリスの電磁波過敏症に関する研究

概要に仮訳をつけた。　作成：２００５－１２－９　　　一部修正：２００９－１２－１

掲載誌；Psychosomatic Medicine 67:224-232 (2005)
タイトル；Electromagnetic Hypersensitivity: A Systematic Review of Provocation Studies　
電磁波過敏症：再現実験のレビュー
研究者：G. James Rubin, PhD, Jayati Das Munshi, MBBS and Simon Wessely, MD
Institute of Psychiatry and Guy's, King's and St. Thomas' School of Medicine, King's College London, UK.

目的
この研究の目的は、弱い電磁界に対して過敏であると報告している人々が、過敏症ではない人々に比べて、盲検法、もしくは2重盲検法で、より電磁界を感知するかを評価し、かつ、電磁界によって報告される症状が増加するかを試験することである。

方法
盲検法もしくは2重盲検法での再現実験を抽出するために広範囲な検索を行った。
これには、幾多の文献ＤＢや会議の予稿集の検索、そしてレビューと研究報告の中に引用されている文献の調査を含む。

関連する研究の結果は表にまとめ、過敏症と対象群が擬似曝露と電磁界曝露を検知できるかの割合を比較するための、メタ解析を行った。

結果
31件の研究で、725人の電磁波過敏症の試験結果を得た。
24件の研究では生理・医学的な過敏症の存在を支持する確証は得られなかった、7件の研究では何らかの関連性が報告されている。
7件のうちの2件は同じ研究者グループによる報告で、追試の結果、再現が得られなかった。
3件の研究では、結果は陽性（ＢＥＭＳＪ注：電磁界を感知した、影響があることが認められた）であるが、統計的にアーチファクト（ＢＥＭＳＪ注：実験などの過ちの可能性）があると見られた。
最後の2つの研究は、矛盾のある結果であった。

我々のメタ解析結果は、過敏症患者による電磁界の感知能力を保証する確証は得られなかった。

結論
「電磁波過敏症」不安者によって表現される症状は、シビアで時には人を不具にする。
しかし、盲検法で行った結果ではそれらの症状が電磁波によって引き起こされることを示すことは困難であることが確認された。
この結果は、電磁波過敏症は電磁波の存在に無関係であることを示唆している。当然、この現象に関する継続した研究が必要ではある。

関心のある方は、全文・原文を入手して読んでください。

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１０．ＷＨＯ2004年ワークショップにみる電磁波過敏症の見解

１）WHOは2004年10月、プラハ（チェコ共和国）において、過敏症に関するワークショップを開催した。

以下は会議の報告書の表紙。

２）ワークショップの概要

以下の様な報告がある。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
2004 年にプラハで開催された WHO の電磁過敏症に関する国際ワークショップでは、ワーキンググループレポートとして各国の政府は本態性環境不耐症を呈する人たちが本当に症状に苦しんでいることを無視すべきではないと報告書に記載しています。

このワークショップの報告書では、「現在までのところ、電磁界ばく露と電磁過敏症を結びつける科学的根拠はないが、政府は本態性環境不耐症を呈する人たちの症状が実在することに留意すべきであり、新しい技術で問題を未然に防止し、適切なリスクコミュニケーションを実施し、バランスのとれた情報を提供し、関連する課題に関する対話を促進すべき」と報告しています。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
WHOの国際EMFプロジェクトは、EHSとされる体調不良に悩まされている人々が世界中にいることから、世界の研究者・専門家等の関係者によるワークショップを 2004 年にチェコ共和国のプラハで開催し、電磁過敏症に関する様々な研究調査等の精査、ならびに状況改善に向けた検討を行いました。

そしてその結果をファクトシート 296（Backgrounder）として 2005年に公表しています4。世界で実施された様々な研究調査で得られた知見は、WHOの統一的な見解としてこのファクトシートに取り纏められたことになります。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

以下はBEMSJのまとめ
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
WHOはこのワークショップ後、以下のような結論を下した。
＊電磁波過敏症は人によって異なる様々な不特定の症状を呈すると、特徴付けられる。
＊そうした症状は実際に発生しているものであるが、それらと電磁界曝露との因果関係についての科学的証拠はない。
＊電磁波過敏症という用語を診断上の分類に用いることに関する根拠はない。
（ＢＥＭＳＪ注：非常に回りくどい言い回しであるが、ＷＨＯとしては、電磁波暴露との因果関係が立証されていない電磁波過敏症という用語を、医療の診断名に用いるべきではない・・・と言っているように感じる。）
＊国際的に受け入れられている電磁界限度値を下げることにより、電磁波過敏症と関連する症状の有病率が低下するという兆候はない。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

興味のある方は、ＷＨＯのＷＥＢを参照してください。
ということで、WHOのファクトシートを参照すべき、となります。

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11. WHOの電磁波過敏症文書

WHOの国際EMFプロジェクトから、2005年12月に電磁波過敏症EHSに関する文書　Fact Sheet 296が刊行されました。

結論の部分だけを紹介します。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
結論
EHSは、多様な非特異的症状として特徴づけられ、症状は人によって異なっています。
症状は確かに存在していますが、その重症度は非常に広い幅があり、どのような症状を引き起こすにせよ、影響を受ける人にとってEHSは、日常生活に支障をきたす可能性のある問題です。

EHSは、明確な診断基準を持たず、EHSの症状が電磁界曝露と関連するような科学的根拠はありません。
さらに、EHSは医学的診断でもなければ、単一の医学的問題を表しているかどうかもはっきりとしていません。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　　　　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

関心のある方は、全文・原文を入手して読んでください。

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１２．環境省Ｈ17年度報告書にみる電磁波過敏症

作成：２００６－１２－１１
環境省「平成17年度一般環境中電磁界暴露に係る情報収集　報告書」平成18年3月　　には、以下の報告があります。
関心のある方は報告書の全文を入手し、読んでください。

ＷＨＯの会議に参加した報告で、電磁波過敏症に関する項目を抜粋しました。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　　　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
電磁界過敏症２００４年１０月、プラハ会議の報告から

スウェーデンのMild氏が報告した。電磁界への過敏は一般的に電磁界過敏症、あるいは電気過敏症と呼ばれてきた。
頭痛、倦怠感、ストレス、睡眠障害などの神経系症状、チクチク感や火照り、発疹などの皮膚症状、筋肉の痛み、その他多くの症状がある。
この病気を訴える人にとっては生活に支障が出るほどなのであるが、それらの人の住環境の電磁界レベルは通常のものと変わらない。
国際的に容認されている許容基準値の数桁以下である。

このワークショップの目的はそれまでの知見を再検討し、参加者の討議を通じて今後の対処を探ることであった。

ワークショップの結論は、症状は人によってさまざまに異なる非定型的なものだが、確かに症状は出ていて重症度も変化する。
生活を変えなければならない人もいる。
ワーキンググループは、電気過敏症という用語はこれらの症状の発症と電磁界に因果関係があると認めていることになるので「電磁界に起因する特発性環境不耐症(Idiopathic Environmental Intolerance (IEI) with attribution to EMF)」と変更することが提案された。

実験室での刺激誘発試験ではこれらの人はそうでない人同様、ＥＭＦ刺激を認識できなかった。
十分な計画のもとに行われた二重盲検試験でも症状発現はＥＭＦ暴露と関連していなかった。

電磁界過敏症（２００４年１０月２５－２７日、プラハ）
ＥＭＦ－ＮＥＴ、ＣＯＳＴ２８１、ＥＣ、チェコ共和国保健省が共催した。電磁界に過敏なため暴露により症状を呈する人たちについての科学的検証が目的であったが、結論としては、これらの反応や症状が電磁界によるという科学的証拠はないというものであった。

今後の研究の優先度：

いわゆる電磁界過敏症 (EMF hypersensitivity）はこれまでの研究で因果関係が明らかにならなかったという理由で更なる研究は推奨されなかった。
また、携帯電話基地局の研究も優先順位が低いとされた。

各国の動きから
チェコ：電気過敏症（こう呼ぶことになった）の存在は否定されたが、それらの人たちは必ずしも納得していない。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　　　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

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１３．イギリスの電磁波過敏症に関する政府報告

英国のＮＲＰＢは組織名が変更となりＨＰＡ－ＲＰＤとなった。
ここから2005年10月に電磁波過敏症に関する報告書が発行された。　　　　
　　　　　　　作成：　２００５－１１－１０　　

文書は
「HPA-RPD-010　Definition, Epidemiology and Management of Electrical Sensitivity Report for the Radiation Protection Division of the Health Protection Agency
N Irvine 　」　である。

この文書を入手した。　その中で、特記すべき点を如何に示す。　
関心のある方は、詳細を、原文を入手して、読んでください。

「Summary of Findings 　概要」の中に
「This review considers electrical sensitivity (ES) in terms of the subjective attribution of symptoms to electric and magnetic Fields and radiations (EMFS), at levels below those shown to cause adverse health effects.
The use of the term ES in this review does not imply the acceptance of a causal relationship between symptoms and attributed exposure.

健康影響に悪影響を及ぼすとされるレベルより低い電磁界への暴露で、主観的な賞状としての電磁波過敏症についてのレビュー（報告）である。
電磁波過敏症ＥＳという用語の使用は、症状と関連するとされる電磁界への暴露との間に因果関係があることを認めたことを意味しない。」という記述がある。

また最後の方に
「5.2 Po1icy/management options　方針・監理の選択
Given that the project did not specifically address the question of aetiology, it is unable to inform policy in terms of setting exposure guidelines. However, a precautionary approach has been advocated in another similar situation - namely that concerning children and mobile phone exposure.
この調査では病因学的な疑問に答えていないので、暴露指針の設定に関する方針を述べることはできない。
しかし、他の状況と同じく、子供や携帯電話の電磁界暴露に関して、予防原則の適用を提唱する。

There is also little evidence to guide the management of affected individuals.
関係する個々人に対する監理指針の為に確証はない。

A: The few relevant published studies identified do not provide robust evidence in support of the electromagnetic hygiene/avoidance strategies widely advocated by sufferers and their support groups.
これまでに刊行された研究によれば、電磁波過敏症を懸念する人と、そうした人を支持しているグループが提唱しているような電磁界に関する健康・予防計画を支持する強固な確証はない。

これらの原文を読んだ限りでは、
ガウス通信75号（2005年10月17日発行）に記載されている記事
「英国政府「電磁波は健康に悪い」を認める
2005年9月、英国政府は、携帯電話、電柱、パソコンの画面などから出る電磁波に曝されることによって吐き気、頭痛、筋肉の痛みなどを引起こす可能性があることをはじめて認めた。
電気エネルギーに過敏に反応することで「電磁波過敏症」と呼ばれるこの症状は、これを契機に身体的障害として扱われることになるだろう。」
というこの報告書に関する報道と大きく異なる。

すなわち、「電磁波過敏症という用語は認めるが、そうした症状が電磁波によるものとはまだいえない、確証はない、したがって、まだまだ「症状を身体的な障害として認める」とはいえない、という状況」といえる。
マスコミなどに流れる情報を全て鵜呑みにするだけではなく、原著を読まなければ正確な情報は得られない、一例と思われる。

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１４．2007年4月の総務省報告にみる過敏症研究

平成１９年４月２７日発表の総務省「生体電磁環境研究推進委員会報告書」にみる電磁波過敏症関係の研究
この報告書に中に、「2.2.1.2 携帯電話基地局からの電波による症状に関する研究」という項目がある。
一部を引用して紹介する。

（１）研究課題選定の背景
多くの人と違い自称電磁過敏症という人は、フィンランドの一般人口を対象とした研究では、全体の約１．５％に当たるとされている。

と、「自称電磁波過敏症」という表現が用いられている。

（２）研究の目的・概要
本研究では、電波に対して過敏性がある方ではなく、携帯電話基地局・携帯電話端末使用により通常でない症状を呈する方（携帯電話に関連した症状を出す方：Mobile Phone Related Symptoms（以下、「ＭＰＲＳ」という。））の一般人口における実態を把握することと、電話により症状を呈するとはいったいどういう現象か、症状のあるグループと症状のないグループでの差異は何かを検討する事を目的とした。

電磁波過敏症と言っている人ではなく、一般の公衆の中から、携帯電話に関連した症状を持っていると答えた方と、症状はないと答えた方を対象として研究を行っている。

② 電波ばく露実験の方法
ア電波ばく露装置の開発
図2.2.1.2.2にばく露システムの概略図を示す。本ばく露システムは人体に２ＧＨｚ帯Ｗ－ＣＤＭＡ方式の電波を１０Ｖ／ｍの強度で照射するためのものである。
（略）
また、どの条件のばく露を行っているかを検者・被験者ともにブラインドにして、最後の解析までブラインドを維持することとした。

ブラインドでのテストを行っているので、正しい研究手法といえる。

② 電波ばく露実験の結果
（略）
イ主観的評価による電波感知の正解率
被験者が電波の有無を正確に感知出来たかを調べる目的で、間欠ばく露条件での電波ばく露に関する回答の正解率を、コントロール群とＭＰＲＳ群で比較した。
コントロールの正解率５２±８％、ＭＰＲＳ群は４９±５％であり、両者で差がなかった。
この値は、全く電波を感知できず、すべての時に電波を感知しないと答えたときの正解率５０％とほぼ同じであった。

携帯電話の電波を感知することはできなかった　という結果である。

（５）結論及び今後の課題
（略）
今回の結果を全体としてまとめると、電波と無関係に、ＭＰＲＳ群はコントロール群より、施行中の違和感・反応時間の遅れなどを呈したということになる。
すなわち、ＭＰＲＳ群は特に電波を感知しているとは限らず、タスク施行などというストレスに影響を受けやすいということが示唆された。

今回の我々の結果はこれまで報告されている一部の結果と一致しており、オランダで最初に報告された携帯電話基地局からの電波が反応時間に影響したという報告[Zwamborn, Vossen, et al, 2003]の再現実験でも､有意な差異はなかったとされていて[Regel, Negovetic, et al, 2006]、今回の研究結果はこの所見と一致する。

少なくとも、今回の研究結果では、いわゆる携帯電話基地局・端末で症状が出現したと訴えている方の訴えが電波により生じているという証拠は見出せなかった。

むしろ、ＭＰＲＳ群の方々は他の多くのストレスに弱い傾向があるのかもしれないという結果を得た。

この結論は携帯電話端末から発生する電波に関するHietanenら(2002)の結論と一致している。ＭＰＲＳ群の人数が少ないということもあり、確実な結論とはいえないが、現在のところ、携帯電話基地局・端末使用に伴い発生する健康障害に関係するＭＰＲＳが、電波ばく露と関連があるとの証拠は得られなかった。

関心のある方は、総務省のＷＥＢにあるこの報告書をダウンロードして読んでください。
電磁波過敏症に関しては、20ページ程度の分量です。

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１４A．Furubayashiら2009年の研究

記：２００９－８－６

１４．2007年4月の総務省報告にみる過敏症研究　が、学術雑誌に掲載されました。
掲載誌：Bioelectromagnetics 30:100‐113 (2009)
タイトル：Effects of Short-TermW-CDMAMobile Phone Base Station Exposure onWomenWith or Without Mobile Phone Related Symptoms
研究者：Toshiaki Furubayashiら

概要：
携帯電話に関連する症状を持つ人が、対照群に比べて、携帯電話基地局から発信される電波に対して、より感受性があるか確認するために、2重盲検法で、実験を行った。

5000人の関東・甲信越地方に住む女性にアンケートを送り、結果として43名の対照群（携帯電話の使用時に症状のない群）と11名の感受群（携帯電話を使用して、症状を訴えている群）の参加協力を得た。
実験は、他の電磁波を遮断したシールドルーム内で、連続・断続・擬似曝露・音声ノイズという条件で、行った。
電磁波の強度は、2.14ＧＨzで１０V/mと、通常の携帯電話基地局からの曝露電波強度より強い強度で行った。
心理・認知に関連する要因、自律神経機能を実験前と後で測定を行った。
実験への参加者は、実験中に不快感の度合いと、電磁波の感知を報告した。

感受群の電磁波曝露の検知能力は、対照群と変わらなかった。電磁波曝露の検知は共に焼く５０％で偶然の確率と同じ程度であった。
感受群の不具合度合いを感じる程度は、自律神経の機能測定では、特異な変化は無いにも係わらず、電磁波の曝露に無関係に、常に高かった。
結論として、携帯電話基地局からの電磁波曝露と電磁波過敏症との関連性は見られなかった。

関心のある方は、上記の論文（全文・英文）を入手して、読んでください。

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15. Rubinの２００６年携帯電話の研究　

　概要の部分を仮訳した。　　　　作成：２００７－６－２２

掲載誌：BMJ　2006;332:886-891
タイトル：Are some people sensitive to mobile phone signals? Within participants double blind randomised provocation study
携帯電話の信号に人々は感受性を持つか？2重盲検法による無作為再現性試験
研究者：G James Rubin, ら　

概要
目的：携帯電話の電波に過敏であると報告する人々を対象に、携帯電話のパルス性電波（信号）が、擬似電波や非パルス性電波に比べて、より多い症状を呈するかを実験する。
研究設計：2重盲検法、無作為、協力者を対象とした再現実験
設定：ロンドンのキング大学の専用設備で、2003年9月から2005年6月まで

協力者：　ＧＳＭ携帯電話を使用した場合、20分以内に頭痛のような症状を呈すると報告している感受性のある60名と、そうした症状を訴えない60名の対照者。
介在：　協力者は以下の3条件に各50分間曝露、１）９００ＭＨｚＧＳＭ携帯電話の電波、２）パルス変調のない搬送波のみ、３）擬似曝露として電波の発信のない条件
主要な評価指数：　０－１００までのスケールで判定した頭痛のひどさの判定、その他の6つの主観評価、電波の曝露の有無を感知できるか、　

結果：　頭痛のひどさは曝露中に増加し、その後は即座に減少した。しかし、症状のひどさに関しては明確な差異は無かった。両群の間にも差異は無かった。
感受性のある群での試験結果で、ＧＳＭ電波発信中にその電波が存在すると感じた割合は６０％であり、擬似曝露（電波の発信のない）場合の６３％とほぼ同じであった。

結論： 携帯電話の電波に感受性があると自己申告している人々はそうした電波を感知することができるという確証は得られなかった。
また、電波曝露によって症状がひどくなるということもいえなかった。
ある協力者は、擬似曝露（電波発信なし）で明らかな症状の劣化を呈しているので、心理的な要素がこの問題の重要な要素になっているかも知れない。

関心のある方は、原著全文を入手して読んでください。

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１６．Ｏｆｔｅｎｄａｌの2007年携帯電話の研究

　　作成：２００７－６－２３　　概要を仮訳した。

掲載誌：Cephalalgia 2007 May; 27(5):447-55.
タイトル：Mobile phone headache: a double blind, sham-controlled provocation study.
携帯電話と頭痛：2重盲検法による擬似・対照再現実験
研究者：Oftedal G, Straume A, Johnsson A, Stovner LJ.

概要：
本研究の目的は、携帯電話の高周波電磁界曝露が頭痛や不快の原因となるか、一般的な電磁波ではなく、携帯電話に関連した症状における生理学的指標に影響しているか、を調べることである。
オープンな再現実験でそうした症状を呈した17名の個人は、2重盲検法で、クロスオーバー手法で無作為再現研究に参加した。
65組の高周波電磁界曝露と擬似曝露が行われた。

電磁界曝露における頭痛や不快のアナログスケールにおける増加は１０．１であり。擬似曝露での増加は１２．６であった。
心拍数の変化や血圧は両群の曝露間で差異は無かった。
この研究では携帯電話の高周波電磁界が頭痛や不快感、生理学的指数へ影響するという確証は得られなかった。
こうした症状は心理的な、ノーシーボ効果と見られる。

注：ノーシーボ効果：
偽薬効果（ぎやくこうか）、プラセボ効果とは、偽薬を処方しても、薬だと信じ込む事によって何らかの改善がみられる事を言う。
偽薬によって、望まない副作用(有害作用)が現われることをノセボ効果（ノーシーボ効果、反偽薬効果、nocebo effect）という。副作用があると信じ込む事によって、その副作用がより強く出現するのではないかと言われている。

関心のある方は、この研究の原著全文を入手して、読んでください。

この研究は以下に示す学会でも発表されています。
EBEA2007（欧州生体電磁気学会の2007年総会）のレジメにあった内容
　　作成：２００７－８－２０

タイトル：MOBILE PHONE HEADACHE: A PROVOCATION STUDY OF SUBJECTS ATTRIBUTING SYMPTOMS SPECIFICALLY TO THE PHONES
携帯電話による頭痛；携帯電話による症状であると訴える人々の再現実験
研究者：Gunnhild Oftedal1, Aksel Straume2, Anders Johnsson2, Lars Jacob Stovner3

目的：携帯電話の使用で日常に頭痛などの症状を経験している個人に対して、携帯電話に使用している無線周波数電磁界が痛みや不快感を発生させるか、再現実験を行った。

高度にそうした症状を呈する人々をあつめた。
電波曝露と擬似曝露で実験。
ダイポールアンテナから発信される電波によるSARは1.0W/kgである。盲検法で実験した。
アナログスケールで頭痛などの程度を判定、血圧と心拍数も測定した。

結果：症状は軽く、実際の携帯電話使用時の症状に似ていた。症状は曝露時に発生し、また曝露時に最悪となっていた。
症状の程度は曝露と擬似曝露では有意な差異はなかった。
血圧と心拍数に関しても、曝露中、曝露後とも、曝露・擬似曝露間に有意な差異は無かった。

結論として、検出可能と思われる人を対象に実験を行ったにも係わらず、携帯電話から輻射する無線周波数電磁界が頭痛や不快感の発生や、心拍数や血圧に影響するという確証は得られなかった。
これらはブラシボ効果といえる。

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17. 2007年Ｈｉｌｌｅｒｔらの携帯電話と頭痛の研究

概要を仮訳した。　作成；　２００８－１－１９　

掲載誌；Bioelectromagnetics (2007)　on lineで事前公開　20071128
タイトル：The Effects of 884 MHz GSM Wireless Communication Signals on Headache and Other Symptoms: An Experimental Provocation Study
884MHzのGSM携帯通信信号が頭痛やその他の症状との関係：実験的再現研究

研究者： Lena Hillert　ら　Department of Public Health Sciences, Division of Occupational Medicine, Karolinska Institutet, Stockholm, Sweden

概要：
携帯電話の使用と可能性のある健康・生理学的な影響に関するこれまでの研究は、一貫していない。再現実験での曝露時間はかなり短く、被験者の状況に関しても厳密に定義づけられていなかった。

自己申告された症状および長時間曝露での電磁界の感知と無線周波数電磁界との関係を、携帯電話の使用で症状を訴える人を含めた厳格な被験者群を対象として、研究した。

研究手法は、2重盲検法で、3時間の長時間ＧＳＭ携帯電話端末に曝露と擬似曝露という試験条件で横断的な再現実験である。
被験者は18歳から45歳の71名、この中に携帯電話の使用で頭痛やめまいを報告している群（症状群）として38名、そうした症状を訴えていない人（非症状群）33名を含んでいる。

曝露前、曝露開始1時間半、2時間45分後に、症状を7段階の指数で評価した。
被験者は電磁波に曝露しているか（感知しているか）否かを報告した。

結果は、擬似曝露に比べて、曝露開始後に共通して頭痛の指数は増加した。
携帯電話で頭痛などの症状を呈していないと報告している群において増加していた。
どちらの群においても、高周波電磁界曝露を偶然の確率を超えて、感知することはできなかった。

電磁界の感知は、皮膚の症状と関連していた。高周波曝露の終わりにおける携帯電話で頭痛などの症状を呈していないと報告している群における頭痛の高い傾向から、生理学的な相関の可能性があり、更なる研究が必要と判断する。

この研究結果は。携帯電話の曝露研究における研究対象群の性格などの厳格な把握が必要であること、症状を訴える人とそうでない人の差異を明確にすることが必要であることを示している。

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18. 韓国Kimらの2008年、携帯電話使用と電磁波過敏症の研究

作成：２００９－２－２６

以下の研究が行われたことを、Power　Watchのサイトで見つけました。

掲載誌：Conf Proc IEEE Eng Med Biol Soc. 2008;2008:2322-5.
タイトル：Physiological effects of RF exposure on hypersensitive people by a cell phone.
研究者：Kim DW, Lee JH, Ji HC, Kim SC, Nam KC, Cha EJ.
　Dept. of Medical Engineering, College of Medicine, Yonsei University, Seoul, Korea.

概要の一部を紹介します。　仮訳です。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　　　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
この研究では、電磁波過敏症と自己申告した18名と、比較対照として19名に対して、CDMAの携帯電話の電磁波を30分間、曝露した。
そして、生理学的な因子として、心拍数、呼吸数、心拍数の変動を調べた。

結果として、CDMAによる高周波電磁界曝露による生理学的な因子の変化は、両群においても、見られなかった。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　　　　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

関心のある方は、原文全文を入手して、読んでください。
私は概要を読んだだけで、原文全文は読んでいません。

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１９．スウェーデン1996年Ａｎｄｅｒｓｓｏｎの研究

作成：2000-3-14 　　ＷＥＢ公開；２００９－１０－２８

研究者：B. Andersson et al:
タイトル：A Congnitive-Behavioral Treatment of Patients Suffering from "Electric Hypersensitivity"
掲載誌：JOEM. Vol. 38, No. 8, 1996

この報告は　VDT作業などに関連して　電磁波過敏症となった患者を集めて行った実験結果です。

１）VDTを電源ONかOFFか判らないように、二重盲検法で　患者が　電源がONかOFFか　当てる事ができるか　という再現実験を行っています。
１６名中１名は４回中４回　当てる事ができた。
その他の人は駄目で１６名の正解率は　４１／８０　とほぼ５０％。
よって、こうした患者は、ＶＤＴの電磁波の有無を、当てる事ができない。
＜ＢＥＭＳＪのコメント：電磁波過敏症の人の中には、稀に、本当に電磁波を検知できて、過敏になっている人がいるのかも知れない。＞

　　使用したＶＤＴからの電磁界の強さは
　　磁界　５Ｈｚー２ｋＨｚで　２４５ｎＴ（２．４５ミリガウス）　２ｋＨｚ－４００ｋＨｚで　１９ｎＴ
　　電界　５Ｈｚー２ｋＨｚで　７Ｖ／ｍ　　２ｋＨｚ－４００ｋＨｚで　１０Ｖ／ｍ

　　これらのデータからＭＰＲ－２に合致していない古いモニタを使用したと推定できます。

２）その他に　実験の前後でアンケートを取った。
　　患者が　電源がＯＮと感じた時は　患者が感じる不定愁訴などが有意に増加。
　　しかし　実際に電源が入っていたか否かで解析をすると　データに変化は現れない。

　　また　血液検査で分析しても、電源のＯＮ、Ｏｆｆのテストでは　データに変化は見られない。

３）患者の半数に対して　カウンセリングなどの治療を行った。
　　おこなった結果、患者の愁訴は有意に減少した。
　　カウンセリングを行った患者も　電磁波を検出する事はできなかった。

この事から　電磁波過敏症の患者は　電磁波の直接的な影響ではなく、精神的な要素が大きな要素を占めているかもしれない、という研究です。

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２０．2006年のオーバーフェルドらの研究

記：２０１０－６－２６

以下の雑誌への投稿欄に、2006年の投稿として、2017年には５０％の人が電磁波過敏症になると推定できる　とする投稿があります。

投稿の書誌：
掲載誌；Electromagnetic Biology and Medicine, 25: 189–191, 2006
タイトル：Letter to the Editor: Will We All Become Electrosensitive?
　　　　編集者への手紙（投稿欄）：我々は全員が電磁波過敏症になるか？
研究者：ORJAN HALLBERG AND GERD OBERFELD

図をこの投稿から抜粋して紹介します。

2017年には全人口の５０％が電磁波過敏症になると推定している。

さて、この投稿は2006年になされている、そして、現在2010年である。2010年現在、この推定カーブにあるように、全人口の３０％を超える人が電磁波過敏症になっているであろうか？
もしこの投稿の推定が正しいとすれば、現在、3人に1人、即ち、3人家族であれば、全家庭で1人は電磁波過敏症になっていなければならない。
また両隣り3軒の家で、どこかの家で全員が電磁波過敏症になっていなければならない。　

こうした現実を踏まえると、この2006年の投稿にある推定は、現実と乖離しているということができる。

追記：２０１２－１２－１６
2012年12月の日弁連主催の電磁波シンポジウムのレジメ集の中に、スウェーデンでの電磁波過敏症の情報が記載されていました。
後記参照。
「これによれば、スウェーデンでは1999年と2007年にアンケート調査を行っているが、電磁波過敏症を訴える人は共に３％で、変わりはない、」と。

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２０A．臨床環境医学　２０１２年　北條祥子ら研究　「電磁過敏症に関する最新知見と今後の課題」より

以下の研究がある。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
掲載誌：臨床環境医学　２０１２年
タイトル：電磁過敏症に関する最新知見と今後の課題
研究者：北條祥子ら　

要約
電磁過敏症（電磁波過敏症、EHS）は.国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)のガイドラインで定められた安全基準より遥かに低いレベルの電磁界に曝露されることにより、頭痛、睡眠障害、疲労感.耳鳴り,めまい、記憶障害、不整脈および皮膚症状など全身に非特異的症状を発現する健康障害である。
これまで欧米を中心に多くの研究が行われてきたが、その病状や発祥のメカニズムなどはほとんど不明であり診断基準も定まっていない。
特に日本は、欧米諸国と比較して、この分野の研究が遅れている。
そこで、筆者らは日本におけるEHS患者の疫学調査を開始した。

この総説では、まず、EHSに関する世界的最新情報をレビューする。
次に.欧米尾諸国などで実施されている予防原則的取り組みを紹介しながら、今後の日本におけるこの問題への取り組み方について考察する。
最後に.筆者らが日本のEHS患者の実態解明のために開始した電磁過敏症の疫学研発の一端を紹介する。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

関心のある方は、原書論文を入手して読んでください。

この論文には、表２として「各国の電磁波に過敏な人の有病率」が掲載されている。
この表より作表したものを下図に示す。
「２０．2006年のオーバーフェルドらの研究」と比較すると面白い。

BEMSJコメント：
これらの有病率の推移の動向は、年代によって研究の数、研究の手法が異なり、このグラフを単純に数学的に考えることはできない。

見方によれば、年年有病率は増えてきているということも可能であるが、別の見方をすれば、有病率は増加しておらず、様々な研究手法が試行されてきているので、最近の研究結果が大きく変動しているだけである　という見方も可能である。

BEMSJコメント追加：

上に示した電磁波過敏症例増加のカーブを、その傾向をそのまま現在までに延長してみると、以下の図となる。2020年という年を考えると、２０％の人、すなわち5人に1人は電磁波過敏症になっていなければならない。
身の回りを見渡しても、そういう状況にはない。
と言うことは、「電磁波過敏症が年々増加してきている」という北條らの仮説は、的を得てはいない、と言える。

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２０B．電磁波過敏症は減少しているとする台湾の2018年研究

記：２０１９－１２－１２

掲載誌： Environ Health 2018; 17 (1): 5
タイトル：Representative survey on idiopathic environmental intolerance attributed to electromagnetic fields in Taiwan and comparison with the international literature.
台湾における電磁界を原因と考える本態性環境不耐症についての代表調査及び国際的な文献との比較
研究者：Huang PC, Cheng MT, Guo HR

台湾における電磁界を原因と考える本態性環境不耐症（IEI-EMF、いわゆる電磁過敏症）についての2007年の調査では、IEI-EMFの有病率は13.3%で、これは先行研究で示された数値よりも高く、また女性でより高かった。
この研究は、IEI-EMFの有病率が増加しているかどうかを評価し、そのリスクが女性でより高いかどうかを検証するため、台湾全土で2007年の研究と同じ手法でアンケート調査を実施した。
また、世界中での有病率の変化を評価するため、文献レビュー及びメタ分析も実施した。

その結果、3303人の代表サンプルに基づき、台湾におけるIEI-EMFの有病率は過去5年間で13.3%から4.6%に低下したことがわかった。
文献レビューでは、予想に反して他の国々でも有病率の低下が見られた。

文献データのメタ分析から、女性は男性よりもIEI-EMFに罹りやすいことが示され、オッズ比は1.19（95%信頼区間 1.01-1.40）であった。
IEI-EMFの有病率の低下につながる原因を探求するための更なる研究は、公衆、科学界、他の環境曝露に対する不耐症を扱う政府の助けになるであろう、と著者らは結論付けている。

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２１．電磁波過敏症に関する2004年ＷＨＯ国際セミナーの結論

記；２０１０－１１－１７

平成22年11月4日（木）日本科学未来館　みらいCANホールで開催された電磁界情報センター特別講演（ICNIRP議長パオロ・ベッキア氏）「超低周波電磁界に関するガイドラインの改定について」の講演から抜粋
以下の研究が紹介された。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　　　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

電磁過敏症に関するWHO国際セミナーおよびワーキンググループ会議
2004年10月　プラハ（チェコ）で開催　

電磁波過敏症に関する結論
・大部分の研究は、「電磁過敏症」の人は、そうでない人に比べて高い精度で電磁界（EMF）曝露を検知することはできないことを示唆している。
・統制された二重盲検研究は、症状はEMF曝露と相関しないことを示している。

・症状は、EMF 曝露そのものではなく、EMFの健康影響を確信し、それを心配する結果としてのストレス反応や予め存在していた精神医学的状態によるかも知れない。
・電磁過敏症は、医学的診断として使用されるべきではない。その理由は、現在のところ、症状がEMF曝露と関連する科学的根拠は何もないからである。
「電磁過敏症」の用語の使用は止めるべきである。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　　　　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

関心のある方は、２００４年のＷＨＯセミナーの原情報にアクセスしてください。

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２２．ノルウェーでのEHS調査

記：２０１１－１－３１
EMFact 1344 　http://www.emfacts.com/weblog/?p=1398　にあった内容　

ノルウェーで電磁波過敏症の人に対するアンケート調査が行われ、１８４名からの回答が得られた、
詳しくはノルウェー語で書かれた報告書を読むことになるが、以下は、英文の要約から、ＢＥＭＳＪがさらに抜粋を行った。

診断：電磁波過敏症は診断名としては認定されていないので、病欠のための診断書には別の病名が記載されている。
診療：歯科治療：２９名の回答者の多くは歯科治療で金属もしくはアマルガムを取り除いた。５名はそうした削除を行っても効果はなかった。
意見：約半分の人からの回答では、電磁波過敏症は彼らのホームドクターは電磁波過敏症のことを理解していない。

関心のある方は、全文を読んでください。

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２３．2011年のMcCartyらの６０Hz電界の影響(電界を感知した)に関する研究

記；２０１１－９－２６　全面的に書き換え：2015-10-10

＊Pubmedにあった概要
掲載誌：Int J Neurosci. 2011 Dec; 121(12):670-6.
タイトル：Electromagnetic hypersensitivity: evidence for a novel neurological syndrome.　電磁波過敏症：新奇の神経学的疾病の確証
研究者：McCarty DE, Carrubba S, Chesson AL, Frilot C, Gonzalez-Toledo E, Marino AA.

Abstract　概要

OBJECTIVE:
We sought direct evidence that acute exposure to environmental-strength electromagnetic fields (EMFs) induce somatic reactions (EMF hypersensitivity).
目的：環境レベルの電磁界への急性曝露は身体が反応することを示す直接的な証拠をみいだした。

METHODS:
The subject, a female physician self-diagnosed with EMF hypersensitivity, was exposed to an average (over the head) 60-Hz electric field of 300 V/m (comparable with typical environmental-strength EMFs) during controlled provocation and behavioral studies.
方法：対象は自ら電磁波に過敏であると称している女性の医師は、制御された再現実験と反応に関する研究として、60Hz、平均強度300V/m（典型的な環境下に存在する強度：頭部における曝露強度）の電界に曝露した。

RESULTS:
In a double-blinded EMF provocation procedure specifically designed to minimize unintentional sensory cues, the subject developed temporal pain, headache, muscle twitching, and skipped heartbeats within 100 s after initiation of EMF exposure (p < .05).
The symptoms were caused primarily by field transitions (off-on, on-off) rather than the presence of the field, as assessed by comparing the frequency and severity of the effects of pulsed and continuous fields in relation to sham exposure. The subject had no conscious perception of the field as judged by her inability to report its presence more often than in the sham control.
結果：非意図的な感知を避けるべく特段に設定された電磁界曝露に関する2重盲検法下で、被験者は側頭部の頭痛、頭痛、筋肉のけいれん、心拍の乱れを、曝露開始から100秒以内に、感じた。
これらの症状は、疑似曝露に比べて連続曝露やパルス的な曝露への辛さの変化や頻度と比較した時に、電磁界の継続的な曝露時と言うよりは、電界のONからOff、OffからOnへの過渡的な変化時に、発生していると言える。

DISCUSSION:
The subject demonstrated statistically reliable somatic reactions in response to exposure to subliminal EMFs under conditions that reasonably excluded a causative role for psychological processes.
考察：この被験者は、心理的な影響を合理的に排除した条件下で、意識しない電磁界曝露に、統計的にも、信頼性もある身体反応を示した。

CONCLUSION:
EMF hypersensitivity can occur as a bona fide environmentally inducible neurological syndrome.
結論：電磁波過敏症は、真実の環境誘導性神経症として発生する。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

＊曝露条件などの検討
詳細を知りたい。この論文はFull TEXTを購入できるが、高価であるので、あきらめた。
EMF-Portalのサイトに曝露条件と結果の概要が紹介されている。宇川報告にも一部が引用されているので、それらをまとめてみる。

実験条件

曝露値

結果

曝露電磁波 1: 60 Hz

曝露期間：100秒（パルス印加）10回

実験1

電界強度: 300 V/m 平均値頭部

電界強度: 1000V/m 尖頭値頭部

電界強度: 50V/m 最大値身体の部

反応した

曝露電磁波2： 60 Hz

曝露期間：100秒（連続）5回

実験2

電界強度: 300 V/m 平均値頭部

電界強度: 1000V/m 尖頭値頭部

電界強度: 50V/m 最大値身体の部

反応せず

曝露電磁波3： 60 Hz

曝露期間：100秒（パルス印加）5回

実験2

電界強度: 300 V/m 平均値頭部

電界強度: 1000V/m 尖頭値頭部

電界強度: 50V/m 最大値身体の部

反応した

曝露電磁波4： 60 Hz

曝露期間：2秒ON（パルス印加）10秒OFF　30-50回

実験3

電界強度: 300 V/m 平均値頭部

電界強度: 1000V/m 尖頭値頭部

電界強度: 50V/m 最大値身体の部

反応せず

曝露電磁波5： 1kHz

曝露期間：2秒ON（パルス印加）10秒OFF　30-50回

実験3

電界強度: 300 V/m 平均値頭部

電界強度: 1000V/m 尖頭値頭部

電界強度: 50V/m 最大値身体の部

反応せず

曝露電磁波5： 10kHz

曝露期間：2秒ON（パルス印加）10秒OFF　30-50回

実験3

電界強度: 300 V/m 平均値頭部

電界強度: 1000V/m 尖頭値頭部

電界強度: 50V/m 最大値身体の部

反応せず

曝露電磁波5： 100kHz

曝露期間：2秒ON（パルス印加）10秒OFF　30-50回

実験3

電界強度: 300 V/m 平均値頭部

電界強度: 1000V/m 尖頭値頭部

電界強度: 50V/m 最大値身体の部

反応せず

曝露電磁波5：500kHz

曝露期間：2秒ON（パルス印加）10秒OFF　30-50回

実験3

電界強度: 300 V/m 平均値頭部

電界強度: 1000V/m 尖頭値頭部

電界強度: 50V/m 最大値身体の部

反応せず

結果：
After initiation of the electric field, the subject developed somatic reactions such as temporal pain, headache, muscle twitching and skipped heartbeats　with a significant difference to sham exposure conditions.
電界曝露によって被験者は、疑似曝露に比較して有意に。頭痛などで身体に反応がでた。

In the second experiment, the test person reported significantly more intense symptoms during　exposure to a pulsed field in comparison to the sham exposure, while the symptoms during exposure to a continuous field did not differ significantly from　the sham exposure.
実験2では、被験者は疑似曝露に比較してパルス曝露に対しては、より重篤な症状を呈した。
一方で、被験者は疑似曝露に対して連続曝露に対しては有意な差異はなかった。

However, the third experiment showed that the subject was not able to percept the electric field consciously.
さらに、実験3では、電界を意識して感知することはなかった。

＊BEMSJの纏め
以上のことから、パルス印加はどのような条件下は論文全文を読まないと判らないが、
・電界を連続して曝露しても感知しない。
・電界をON-OFFを繰り返す形でのパルス印加に対して、2秒間の曝露では感知しないが、2秒を超えて100秒間の間に、曝露を感知する。
・曝露電界の周波数を変えても、高くしても被験者は曝露を感知しない。

ということから、曝露装置から、電界をON-OFFパルス的に断続した時に過渡的に発生する何かに反応をしているのかもしれない。

実験のための曝露装置がゼロクラスになっていないので、過渡的に何か大きな誘導電流でも流れているのかもしれない。
原著を読んで、どのような曝露装置で実験を行ったのか、確認できればもっと有益な情報となる。

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２４．COST（欧州科学技術研究協力機構）からの電磁過敏症に関するファクトシート公表

記：２０１２－１－２６

以下はCOSTの公表文書の一部、結論の部です。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　　　　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
2011 年12 月15 日
COST Action BM0704：新興のEMF 技術と健康リスク管理　
ファクトシート
電磁界を原因と考える本態性環境不耐症（IEI-EMF）または“電磁過敏症”

結論
近年、いくつかの科学委員会と研究グループは、全ての入手可能な研究を踏まえて、問題の全体像の見きわめを行っています[SSK 2008; ICNIRP, 2009; HCN 2009; van Rongen et al. 2009; Rubin et al., 2010; ICNIRP 2010;Rubin et al., 2011] 。
それらは、これまでに述べた事実をもって、一致した結論に達しています。
すなわち、EMFばく露と症状との関連は確立されておらず、感知および生理学的反応に関する研究はEMF と症状の出現の因果関係を裏付ける証拠を提供していないという事実です。
EMF ばく露と症状の出現の因果関係を示す科学的証拠がないため、“電磁過敏症”の診断基準はなく、これを医学的状態として認めたEU 諸国は1つもありません。

それはそれとして、EMF がそのような不健康状態の原因であるか否かとは関係なく、自分の症状の原因をEMFと考える患者には真の医学的治療がぜひとも必要であることは広く合意されています。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

この見解の日本語訳は、電磁界情報センタのWEBに公開されています。
関心のある方は、電磁界情報センタのサイトにアクセスしてください。

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２５．２００８年調査にみるスウェーデンの電磁波過敏症に関する実情

記；２０１２－５－２０

以下の報告書の中に、スウェーデンにおける電磁波過敏症の状況の調査報告があります。

報告書：平成20年度電力設備電磁界情報調査提供事業（情報調査事業）調査報告書
　　　平成21年3月
株式会社　野村総合研究所

3．スウェーデンにおける電磁過敏症に関する状況

平成19年度報告書では電磁過敏症に関して、主にケア面に絞った状況を整理した。
その中で、同分野の取り組みに対しスウェーデンにおいて比較的進められていることが示唆された。
これを受けて、本年度調査では、冊0国際電磁界プロジェクト電磁界過敏症に関する国際ワークショップ（2004年10月25～27、プラハ）において、特性化・診断・治療分科会の座長を務めたスウェーデンカロリンスカ大学病院　Lena Hillert博士にヒアリングを行った。

以下にヒアリング結果の概略を整理する。
（1）ヒアリング方法
　野村総合研究所（以下NRI）にてヒアリング項目を作成し、これに委員の方から追加事項をいただいた上で先方に事前送付し、ヒアリングを行った。

（2）ヒアリング結果の概要
（EHSを訴える患者さんに対する政府の対応について）　　　　
・EHSを訴える方へのケアに対し中央政府は、自治体や開業医等からの要請に応えてガイドラインを出している。
・政府はEHSを重要な問題だとは考えているが、ケア面の体制構築にまで踏み込んだ積極的な対応をしているわけではない。
・EHSへのケア体制は県単位の公衆衛生センタで検討しており、一次医療（primary care）を各開業医や産業医、二次医療をカロリンスカ病院等の専門機関が受け持っている。
・スウェーデンにおいてもEHSは診断基準として認められていない。

（EHSを訴える患者さんへの対応上の留意事項）
・一つの要因のみを考えるべきではない。患者さん、医師の双方とも何が原因なのかという思考方法から脱却し、症状に焦点をあてるよう誘導すべきである。
・（中核的なケア組織として）学際的な対応チーム（医学者、医者、臨床心理士、職業衛生士等〉の設立が重要。
チームでの対応により、患者さんに対して「ここで治療ができるという」安心感や臨床心理士に対する患者さんの抵抗感を減らすことができる。

以下は詳細解説からの抜粋
Q．スウェーデンではEHSを医学的診断基準として認定しているのですか？
A．いいえ。そのような質問を国内外からしばしば受けるのですが、本ガイドラインにも記載があるとおり、電磁界とEHSとの間に対し科学的な因果関係は認められておりません。
機能的疾病（Functional　illness）としては認定しておりますが、症状の原因については言及されておらず、EHSは診断基準ではありません。

私の博士論文の中に、このような疾病を特徴づける方法について記載しております。
症状、患者さんの信念、きっかけとなる因子、疾病の持続性、患者さんの行動等が考えられます。
我々は疾病の症状に焦点をあてていますが、症状が患者により多様であり症状から疾病を定義できないため、患者さんが自覚（Belief）により電磁界が原因であると訴えている症状という意味で、EHSと呼んでいます。

なお、スウェーデンでEHSを診断基準としているという誤ったメッセージの他に、スウェーデン政府の考え方としてしばしば誤解されて報じられていることが他に二つありますので事実関係を申し上げたいと思います。

一つは、1996年に発行された政府の5機関連名での予防原則についてのガイダンスについて、この根拠にEHSがあるかのようなメッセージです。EHSは科学的根拠が立証されておらず、本ガイダンスの勧告の根拠としないということが文書中に明記されています。

もう一つは、政府機関がEHSの市民団体であるFE8（The　Swedish　Association　for　the　Electro-Sensitive）に資金援助していることをもって、　EHSを診断基準として認めているというものです。
NBHWは障害組織（disability　organization）に対して財政的支援をしており、障害組織とは、NBHWによれば、組織に属するメンバー（少なくともメンバーの多くの人）が何らかの障害により日常生活において深刻な問題に直面しているような組織と解釈されています。
従って、NBHWはFEBに対して、他の障害組織と同様に、苦しんでいる方々が存在しているという観点に基づいて補助を決定しているのであり、電磁界のような障害の原因を基に決定しているのではありません。
今回のヒアリングの中心はELFとされていますが、現在は3G形式の携帯電話基地局が建設されていることもありRFに関して議論されることが多いです。
電磁界との関係においてEHSを定義づけることができない状況ですから、ましてやELFとRFとの違いについても定義づけることができません

Q．EHSの方への対応にあたり留意すべき点は何でしょうか？
A．私たちのこれまでの経験から二つの点が指摘できます。
まず、第一の大原則は、一つの要因のみ考えるべきでない（You　should　not　focus　on　one　factor．）ということです。
EHSだと言ってくる患者さんの症状は人により非常に多様です。
私は全てのEHSの患者さんを診断したわけではないので、100％EHSは存在しないとはいえません。

しかし、　EMFのせいでEHSになっているとおっしゃる方の全てがEMFのせいでなっているわけではないというのは過去の診察経験でも間違いないことで、EMFが原因であると間違った判断を自分で下してしまったがために、子供や家族に迷惑をかけたり、多額の費用を費やしたりしてしまうケースがあります。
間違った判断をしてしまったために失うものの大きさを伝える必要があります。
それでもEMFが原因だと信じ込んでしまっている人については、「EMF全てから同じように影響が出るのですか？影響を受けず、頭痛などを感じなかったときもあったでしょう。なぜ影響を受けなったのでしょう。」と状況を自身で再現してもらい、気づきを促します。

行政機関がEHSを訴える人から問い合わせを受けた場合も、やはりリスク・コミュニケーションの基本に戻って、きちんと聞いてあげることが必要。
「あなたが困っているのはよくわかりました。同じような症状を訴える方はいらっしゃいます。しかし、科学的な因果関係はありません。病院で検査を受けて医師に相談してください。」と伝えます。
医師に相談しないと、貧血、甲状腺の疾病、がんなど、もっとずっと重要な疾病があるのに見逃してしまうことになりかねません。
私達の経験ではEHSを訴えてきた方のうち約20％の方がEMFとは関係ない既往の疾病です。

Q．シンポジウム等の場で、心理的な要因について触れると抵抗感をもたれる方が出るのですが、どのように説明したらよいのでしょうか？
A．その際もやはり、一つの原因のみ考えるべきでない（You　should　not　focus　on　one　factor）という大原則が重要。
EHSの症状は一人一人全く異なり、社会心理学的な原因もあれば、蛍光灯のちらつきなどの視覚的な原因などもあり、曝露水準にもバラつきがあります。
「心理的なもの」というように特定の要因を示すのではなく、逆に、いろいろな要因が考えられるので一つの要因のみに絞って考えないよう知らせた方が良いと思います。
一人一人を個別に見て、どのような介入を取るべきかを考えていく必要があるのです。
我々が目指すのは患者さんが日常生活に復帰できることであり、EHSの治療ではありません。

関心のある方は、上記の報告書は経産省のＷＥＢで公開されているので、全文をダウンロードして、読んでください。

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２６．2011年調査報告書にみる電磁波過敏症関連情報

記；２０１２－５－２１

経産省の委託による調査結果の報告書
平成２３年度電力設備電磁界情報調査提供事業（情報調査事業）調査報告書
平成２４年２月
株式会社野村総合研究所にあったもの　からの抜粋です、

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　　　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
欧州委員会は2011年11月16～17日、「2011年電磁界と健康に関する国際学術会議」をブリュッセルにて開催した。

（３）会議の結論
11月18日には科学運営グループ会議（座長 Paolo Ravazzani イタリア国立研究審議会）が開催され、そこでのインプットをもとに欧州委員会保健・消費者総局は今後の電磁界のリスクアセスメントに対して次の主要の結論を11月22日に発表した。

① リスク評価の要となるのは研究である。
② 電磁界と健康の研究における不確実性の大きな部分を占めるのが曝露量（ドシメトリ）と曝露評価である。

③ 電気過敏症に大きく寄与しているのは、ノシーボ効果（何かが有害であると見聞きしたり思い込んだりすることで出るマイナスの効果）である。

④ 電磁界が及ぼす健康への潜在的な悪影響（小児白血病や神経膠腫など）の証拠は主として疫学（症例・対照研究）によるものだが、これまでのところ疫学以外の証拠で確証されていない。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
欧州委員会の結論として、上記に電磁波過敏症の関する見解が記述されています。

また、

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　　　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
欧州科学技術研究協力機構（COST）8の電磁界と健康アクション（BM704）は、2011年11月15日に「電磁界を原因と考える本態性環境不耐症（IEI-EMF）或いは「電磁過敏症」（Idiopathic Environmental Intolerance attributed to electromagnetic fields (IEI-EMF) or .electromagnetic hypersensitivity.）」9と題する4枚ものの文書を発表した。

結論　＜の項だけを抜粋して紹介する。＞

近年、いくつかの科学委員会や研究グループが入手可能なあらゆる研究をもとに全体像を評価してきました[SSK 2008; ICNIRP, 2009; HCN 2009; van Rongen et al. 2009; Rubin et al., 2010; ICNIRP 2010; Rubin et al., 2011]。
これらの結論は上述の事実と一致したものとなっています。
すなわち、電磁界曝露と症状との間の関連性は立証されておらず、認知や生理学的反応に関する研究では電磁界と症状の発生との間に因果関係を支持する証拠を提示していないというものです。

電磁界曝露と症状の発生との間の因果関係を示す科学的証拠がないため、「電磁過敏症」に対する診断基準はなく、これを医学的状態として認知しているEU諸国はありません。

それでも、電磁界がそのような不健康状態の原因になっているかどうかとは関係なく、ご自身の症状を電磁界が原因であると考える患者さんには純粋な健康管理がぜひとも必要であることについては広く合意されています。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

関心のある方は、この経産省委託の調査報告書の全文を読んでください。

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２７．Sandstromらの1997年の研究

このページへの公開：２０１２－７－１１　

＊以下は、ニフティの自然環境フォーラムに投稿した記事です。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
情報提供者　：　BEMSJの電磁波健康影響レポート
提供日付　　：　1998/03/15 15:02
登録経由地　：　自然環境フォーラム未来への海図 #17611

本日は、研究者から直送で入手した研究論文の概要を紹介します。

原著；M. Sandstrom, E, Lyskiv et al: Neurophysiological Regrets of Flickering Light in Patients with Perceived Electrical Hypersensitivity.
掲載誌：JOEM誌　Vol 38, No. 1, Jan 1997に掲載

概要：
スウェーデンでは、電気、電磁気に関して過敏な人が増えていると言われている。
パソコン作業や蛍光灯の光、その他の電気機器に対して、皮膚の異常等の症状を訴えている。

このような症状を訴える人を集めて電磁界を暴露させるという再現実験を行なっているが、1つの報告を除いて、再現に成功をしていない。（すなわち、電磁波に過敏と訴えた人を集めて、そうした人に、電磁波を浴びせても、症状は起きない、という不思議なことがある。）

又、スウェーデンでは過去5年間、パソコンのモニタからの電磁波はガイドラインに従って、対策がとられ、低い電磁波に押さえられてきている。
しかしながらまだそうした対策を行なった機器に対しても、皮膚異常等の症状を訴える人がいる。（私が読んだ他の報告では、従来の電磁波の対策を行なっていなかったパソコンでは症状がでなかったのに、新しい電磁波対策のモニタに変えた途端に症状が現れたといケースも紹介されています。）

従って、こうした過敏症の場合は電磁波以外の何かの要素があると考えられる。
そこで、この研究では光の点滅・フリッカに着目した。

パソコン・TV・蛍光灯等に対して過敏な人（症例）10名の協力を得た。
対照として、健康な人10名の協力を得た。

スクリーンの反対側に光の投射機をおいて、光の点滅の周波数や変調の程度を変えることが出来るようにした。　
症例・対照の人の脳波を測定。光の点滅の周波数を20Hzから75Hz迄変化させた時にERGに関しては差異がなかった、
VEPは症例が有意に高い値を示した。
また光の点滅の度合い（変調度）を変化させた時は、ERG・VEP共に症例が健常な人に比べて、高かった。

このことから、過敏症の人は、光の点滅等に健常な人に比べるとより反応する、感度が高いということが判った。
この研究から、結論は出せないが、一つの面白い研究である。

コメント：
電磁波過敏症という言葉が日本でも使用されるようになってきているが、スウェーデンでのこうした厳密な研究から言えば、電磁波過敏症と言っても何に過敏かはまだまだ判らない、というのが実情のようです。
パソコン作業等の現場では症状がでて、電磁波過敏症と言っても、再現テストではでないということはその他の要因、仕事に関するストレス等の要因も考えられます。　　　以上

＊EMF Portalサイトには、同じ研究が紹介されている。
追記：２０２０－４－１４

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
掲載誌: J Occup Environ Med 1997; 39 (1): 15-22
タイトル：Neurophysiological effects of flickering light in patients with perceived electrical hypersensitivity.
電磁過敏症患者における光のフリッカリングの神経生理学的影響
研究者: Sandström M, Lyskov E, et al;

スウェーデンで電気に敏感であると訴える人々が増加している。
これらの患者は、計算機、蛍光灯や電気製品近くに立つと、皮膚に加え、神経系の失調を訴えている。
これらの製品から出る電磁界での誘発試験では、僅か1例を除き、全員がネガティブで、報告されている疾病をもたらす自律神経/中枢神経系に影響を与える事務所環境での他の要因である可能性を示している。

点滅している光もそのような要因の一つであることから、個々での研究のばく露パラメータとして選択した。
電気過敏症を訴えている10名の患者と同数の健康なボランティアを対照被験者として、振幅変調照明にばく露した。
この種の視覚刺激に対する脳の応答・感度を客観的な電気生理的な方法、網膜電位図、視覚誘発電位などで実験した。

すべての刺激周波数で脳の大脳応答が、対照の被験者と比較した場合に、統計的に有意なレベルでより大きい応答が見られた。
一方、網膜での応答には、違いは見られなかった。

曝露条件：
The participants were exposed to flash stimulation at frequencies of 20, 25, 35, 45, 55, 65, and 75　flashes per second. The depth of modulation was investigated at 100, 75, and 50 % modulation at 45 Hz.
被験者は点滅する光、1秒間に20、25、35、45、55、65、75回に暴露した。光の変調度は45Ｈｚの点滅では、100、75、50％で実験を行った。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

BEMSJ注；フリッカーの変動が50%・・・とかなり大きいので、普通の人でも気になる位の照明光のフリッカー（ちらつき）ではないかと思う。

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２８．BEMS総会2000年の予稿集から

記：２０１２－７－１２

BEMS総会2000年の予稿集の中から電磁波過敏症に関する発表を取り出しました。
その概要を紹介します。
BEMSはアメリカに本部をもつ電磁波の生体影響に関する専門学術学会の名称です。

原典：
Abstract collection
Bio Electromagnetics Society
Annual Meeting, June 9-16, 2000.　Munching, Germany

15-4 PROJECT NEMESIS: DOUBLE-BLIND STUDY ON EFFECTS OF 50HZ EMF ON SLEEP QUALITY AND PHYSIOLOGICAL PARAMETERS IN PEOPLE SUFFERING　FROM ELECTRICAL HYPERSENSITIVITY.
Ch.H. Mueller, H. Krueger and Ch. Schierz

概要
電磁波過敏症といわれる人の睡眠への影響を調査。
20ガウスから60ガウスの50Hz交流磁界を2重盲検法で印加したら、翌朝の気分などに影響が現れた。

（コメント；20ガウスの交流磁界では体内に誘導電流が流れるので、健常人にも影響が出る？）

15-5　PREVALENCE OF REPORTED HYPERSENSITIVITY TO ELECTRICITY IN A POPULATION-BASED SURVEY
L. Hillert, N. Berglind, B.B. Arnetz

概要
ストックホルムでアンケート調査を実施したら電磁波に過敏であると回答した割合は1．5%に上った。

（コメント：アンケートでは何を過敏症といっているのか個々の回答者によって異なるので、もう少し厳密な調査、再現実験などが必要）

15-6 PROVOCATIVE TESTING OF HYPERSENSITIVITY TO CELLULAR PHONES
M. Hietanen and A.-M. Hamalainen

概要
携帯電話の電磁波に過敏であると訴える人を対象に再現実験を行った。
結果、過敏というヒトは携帯電話からの電波が出ていることを正確に当てることは出来なかった。

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２９．BEMS2001年総会の予稿集から

予稿集は全231ページ　PDFファイルで約2.7MBと膨大、
1件の電磁波過敏症に関する研究が発表されます。　
BEMSは電磁波の生体影響に関する世界で唯一の専門学術学会です。

6-5:
24H HOLTER ECG RECORDING AND PARALLEL MONITORING OF ELF MAGNETIC FIELD EXPOSURE IN PERSONS WITH PERCEIVED ELECTRICAL HYPERSENSISTIVITY.
M.Sandstrom, K.H. Mild, R Hornsten, E. Lyskov

概要：電磁波過敏症といわれる人と健常者が心電図と電磁界曝露計を24時間携えて測定した。
両グループの間に暴露した電磁界に差異はない。
過敏症の群に心電図のデータが健常群と異なる。

（コメント：心電図のデータに差異があるからといって、過敏な人は電磁波の影響を受け易いといえるのか？？）

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２９A．BEMS2002年総会の予稿集から

以下の研究がある。
タイトル：1-4：EFFECTS OF ELF AND MICROWAVES ON HUMAN LYMPHOCYTES FROM HYPERSENSITIVE PERSONS.
電磁波過敏症者のヒトリンパ球への低周波とマイクロ波の影響
研究者：I. Belyaev, L. Hillert, C. Tamm, M. Harms-Ringdahl, et al:
Department of Genetic and Cellular Toxicology, Stockholm University, Stockholm, Sweden;

OBJECTIVE：目的
Here, we used specific conditions of exposure to ELF to investigate if the response of lymphocytes from hypersensitive persons is different as compared to healthy subjects.
We also used GSM modulated microwaves, which have been previously shown to affect brain blood barrier in rats.
我々は、電磁波過敏症者のリンパ球の応答が健康な人の応答と差異があるかを実験するためにと久場綱低周波電磁界曝露条件を設定した。
また、我々は、過去の実験でラットの脳関門に影響が見られたGSM携帯電話の電波も用いた。

MATERIALS AND METHODS: 実験方法
Fresh blood samples from two groups of donors, 7 persons reporting electro sensitivity and 7 healthy controls matched by gender, age and smoking habits were coded and all data were analyzed in blind.
新鮮な血液を2群の提供者から得た、電磁波過敏症と主張している7名と、性別・年齢・喫煙状況を一致させた7名の健常者から、全ての血液はコード化し、盲検法で実験を行った。

Sinusoidal magnetic field (8Hz, 30mT amplitude or 50Hz, 15mT amplitude) was applied using Helmholtz coils.

Installation employing GSM signal, 915 MHz, all modulations included, SAR=1-2mW/g in the TEM cell was used. All exposures were 2h.
ヘルムホルツコイルを使って正弦波の磁界（８Hz 30mT もしくは50Hz 15mT）を曝露した。
915MHz、すべての変調を含めて、SARは1-2mW/gのGSM電波を、TEMセルを用いて曝露した。

CONCLUSIONS: The data suggested that ELF magnetic fields and microwaves under specific conditions of exposure affect lymphocytes from healthy and electrosensitive donors.
低周波電磁界とマイクロ波電波への曝露は、健常者と電磁波過敏症者からの血液への曝露は影響があったというデータであった。

ELF under specific conditions of exposure resulted in apoptotic DNA fragmentation.
特異な条件下の低周波曝露は、アポートシスしたDNAの破砕という結果であった。
These effects differ at different frequencies and vary between donors.
この変化は周波数によって異なり、血液の提供者間でも異なった。

In some cases, cells from electrosensitive donors responded stronger than cells from gender- and age-matched control subjects, but the results need to be confirmed in a larger study group.
幾つかのケースでは、電磁化過敏症者からの血液が、性別・年齢を調和させた対照者よりも、強い反応を示したこともあり、より大きな集団での確認実験が必要であるという結論である。

BEMSJ注：電磁波過敏症の研究としては、低周波磁界強度15ｍＴ（150ガウス）は強すぎる。
ICNIRPの50Hz磁界曝露基準値0.2mTの75倍も強い、これでは健常者でも影響を受けることになりかねない。

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３０．VDTニュース1995年の電磁波過敏症－1

このページへの公開：２０１２－７－１７

以下はNiftyの自然環境フォーラムに投稿した内容です。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
情報提供者　：　BEMSJの電磁波健康影響レポート
提供日付　　：　2002/02/02 00:12
登録経由地　：　自然環境フォーラム未来への海図 #27636

VDT News95年1ー2月号の内容を紹介します。
この号では沢山電磁波過敏症の記事が掲載されています。

SWEDENのJohansson博士の電磁波過敏症の研究ですが、予備研究の段階のものです。

VDTの影響で皮膚異常をきたすかに着目した。
原因はテクノストレスと呼ばれる精神的な因子だけとは信じられず、電磁波等も考えられるので研究を行なう。

健常な15人に対して、VDT作業で皮膚異常を訴えた15人の皮膚を調査すると、Mast Cell（マスト細胞、真皮の中にある細胞、具体的にはどのような細胞組織？）の数が多い、又、皮膚のすぐ内側にNerve Fiber（神経繊維。これも具体的には何？）がある。　
こうした要因を持っている人が皮膚異常を訴えると考えることができる。

しかし、電磁波が皮膚異常の原因になっているのか、その他の因子が原因となっているのかはまだ断定できない。　研究を継続する。　と。
この研究の最新情報は残念ながら把握していません。

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３1．VDTニュース1995年の電磁波過敏症-2

このページへの公開：２０１２－７－１７

以下はNiftyの自然環境フォーラムに投稿した内容です。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
情報提供者　：　BEMSJの電磁波健康影響レポート
提供日付　　：　2002/02/02 00:12
登録経由地　：　自然環境フォーラム未来への海図 #27637

VDT　News95年1ー2月に掲載されている電磁波過敏症関係の記事の紹介を継続します。

この号は電磁波過敏症の特集号と言えます。

研究状況のレビューの記事から；
"WWDU94という国際会議でSWEDENの研究発表によれば、1991年に111人の電磁波過敏症と思われる人がいて、57%の人は皮膚の異常（赤くなる、はれる、痛い等）を訴えており、36%の人は神経系に問題を抱えていると報告。

電磁波過敏症の原因は色々考えられる、電磁波が原因ではないということはできないが、その他に湿度、照明光線、ストレス、ホルモン、アレルギ、目の疲れ、コンピュータからの化学物質、歯に詰めたアマルガム等も考えられる。"　と。

このことから、電磁波過敏症といえば、かつてTV朝日かどこかの番組・スクープ？で電磁波問題を紹介した時、TVカメラを近づけてもその電磁波によって体調がおかしくなる云々と大変な症状を持っている人ばかりと思っていましたが、
必ずしもそうした重傷の人だけが電磁波過敏症と呼ばれるのではなく、ちょっと鼻の頭がかゆくなるというレベルの人も電磁波過敏症の中に含まれることになる。

"電磁波を感知できるかの研究も行なっている。
結果は可・不可が混在している。

1991年のNIOHの研究では、14人の電磁波過敏症の人の中の2名は明らかに50Hzの磁界を感知できた。
1987年の英国の研究でも特定の電磁波を感知できた。

1991年のアメリカの研究でも同様であった。
しかし、1994年のSWEDENの研究では30名中誰も電界・磁界を感知できなかった。"　と。

これらの研究は、電磁波に過敏と思われる人を集めて、その人に電磁波を当てて、電磁波を感知できるか否か等を、実験室レベルで再現を試みているものと思われます。

実際の研究の原著を読んだこともありますが、なかなか再現実験は難しい様です。
こうした再現実験の難しさから、こうした過敏症は電磁波が原因とは思えないと疑う研究者も出てくる訳です。
まだまだ電磁波過敏症のことは良くわからない、研究に着手したばかりと言えるかも知れません。　

いつかのTV番組、ザスクープ（？）で紹介されたある会社では電磁波の完全シールドされたオフィスを作っている等と紹介された会社の実情です。
Ellemtel（Ｅ社）は通信関連のシステムの開発を行なっている会社で、当然パソコンやその他の電気機器が沢山あります。
"1988ー90年に約1000名の従業員の中の27名がパソコンや電気機器の側で仕事をすると皮膚がほてってくる、痛い、吐き気がすると言った症状を訴え始めた。
最終的には50名に達した。会社のトップの方針で対応が始まった。
詳細はSWEDEN語のフルレポートもしくは82頁の英文の抄録をみて欲しい。対応はうまくいって、殆どの人は仕事ができるようになった。

1980年代の中頃、軽い症状を訴える人がいたがVDTのフィルタを付けたり、静電防止スプレーを使用することによって解決できていたが、しかし、なぜこの会社に一度に多数の過敏症が集中したのかはわからないと会社の対応担当はいっている。
この問題は物理的（電磁波も含む）な要因、生理学的・精神的な要因、個々の従業員の性格等の相互作用によってもたらされていると思うが、会社として対応してきた。

過敏症を訴える人は電磁気が要因と考えているので電磁界を低くした事務所や場合によっては従業員の自宅まで改造した、50Hzの磁界は2ミリガウス以下に、電界は20V/m以下にした。
完全シールドされた事務所も作成し、0・2ミリガウス以下にした。
1992年の終わりに49名の過敏症者の35%は完治、59%は症状が改善6%（2名）は改善されなかった。
Ｅ社は1993年までにこうした対応に90万ドル費やした。　
更に追加の研究基金（1200万ドル）を得て、大学などの研究者による研究も行われた。　

しかし、研究の結果では、研究者の間で、電磁界が要因であるという説と、生理・精神的なもしくはその他の因子が原因であるという説とが対立したままで結論は得ていない。"　と。
英文抄録はEllemtel, P.O.Box 1505, S-12525　Alvsjo, SWEDEN に問い合わせて下さい、約13ドル。

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３２．電磁界情報センタ　第7回電磁界フォーラム「電磁過敏症：臨床および実験的研究の現状」参加の記

纏め：２０１２－１０－２１

1．主催者の開催案内から

開催のご案内
電磁界情報センタでは、電力設備や家電製品などから発生する50／60Hzの電磁波（電磁界）に関して、さまざまな視点から議論する機会を設け、10回シリーズの電磁界フォーラムを開催しています。
第7回のテーマは「電磁過敏症：臨床および実験的研究の現状」です。非常に弱い電磁界に曝露されても、なんらかの身体症状が出ていると訴える人々がいます。
このような症状は、一般的に電磁過敏症（EHS）と呼ばれていますが、そもそも発症と電磁界の関連はあるのか、電磁過敏症に関する研究の状況はどうなのか、その対策など、専門家を招いて説明いただくとともに、パネルディスカッションにより参加者の皆さまと共に考え、理解を深めたいと思います。
なお、本フォーラムは、できる限り多くの質問を効率的に回答させていただくため、「事前質問」の形式をとります。当日会場からの口頭質問は予定しておりませんので予めご了承ください。

記
会　場　日本科学未来館　みらいCANホール
日　時　平成24年7月20日（金）13：00～15：30

≪プログラム≫
・13：00－13：05　開会挨拶・事務連絡　電磁界情報センタ　事務局
・13：05－13：25　講演　フォーラム開催の背景　電磁界情報センタ所長　大久保　千代次
・13：25－13：55　講演　携帯電話端末からの電波による症状に関する研究　福島県立医科大学　医学部教授　宇川　義一
・13：55－14：25　講演　プロス・アンド・コンスから見た「いわゆる電磁過敏症」　東海大学　医学部専任教授　坂部　貢
・14：25－14：40　休憩
・14：40－15：25　パネルディスカッション　司会　シーアンドピートレーディング株式会社　伝　理奈　
・15：25－15：30　閉会挨拶　　電磁界情報センタ　事務局

2．気の付いた点等
１）開会挨拶　小路
・本日の論点は、電磁波過敏症は有るのか（電磁波曝露と疾病の関係は有るのか？）、研究の状況、その対策は何があるか？である。

２）講演　フォーラム開催の背景　大久保千代次
・1997年に欧州の電磁波過敏症（電磁過敏症、EHS）に関する報告書が出た。
2004年WHOがプラハで電磁波過敏症に関する国際会議を開催した。
結論は同じなので、本日はWHOの電磁波過敏症に関する2005年発行のFact　Sheetの内容で説明する。

・臨床医に対する勧告として、職場や家庭の電磁波の曝露低減を図って欲しいという人々の認知上の要求に焦点を当てるべきではない、とWHOは言っている。
・Roosiliの2008年の研究。電磁波過敏症の人は電波への感受性が高いのかを研究。結果は電磁波過敏症の被験者の正答率は偶然よりも高いことを示す証拠は得られなかった。
電磁波過敏症の人々の大多数は、実験室内での2重盲検法の条件下では感知できないことが示された。

・Rubinの2010年の研究、システムレビューがある。広汎な文献を調査。
結果として、電磁波過敏症の患者は自身の症状が電磁波曝露によって誘発されると確信していたが、反復実験では管理環境下で、この現象を再現できなかった。

・2011年12月、EU欧州はCOST計画の報告書を発行。電磁波曝露と症状の出現の因果関係を示す科学的な証拠がないために、電磁波過敏症の診断基準はない。
まだ、これを医学的状態として認めたEU諸国はない。
・その他はレジメ参照。

３）講演　携帯電話端末からの電波による症状に関する研究　宇川義一
・携帯電話基地局、携帯電話端末からの電磁波放射を擬似した条件下で、実験を行った。
・結果は、携帯電話基地局からの電波曝露が、感受性があるという方々に、何らかの影響をしているという客観的な効果は認められなかった。
携帯端末からの電波曝露に関しても同様の結果であった。

４）講演　プロス・アンド・コンスから見た「いわゆる電磁過敏症」　坂部貢
・プロス・アンド・コンスとは「肯定・否定」という意味。
・電磁波過敏症に関しては、早稲田大学のグループが社会学的なアプローチをふくめて、研究を開始している。
・講演者はこの講演の中で、電磁波過敏症の患者を「Self-reported Electro-Hyper-Sensitivity」(自称電磁波過敏症・自己申告電磁波過敏症)と表現した。

・シックハウスの研究の歴史をふりかえると、電磁波過敏症の研究の方向性が見えてくると思われる。
・その他はレジメを参照

５）パネル討議
司会：司会を務める「つたえ・りな」です。事前質問を盛り込んでパネル討議を行う。
司会：本日の講演内容を振返る。大久保先生はWHOの報告などを、宇川先生は国内で実施した実験の内容を、坂部先生は今後の研究方法に関する提案などを、話をしてもらいました。

司会：ノセボ効果とは？　大久保先生。
大久保：Rubinの研究で、症状は全てではないが、一部にノセボ効果があるとされる。ノセボ効果とは実際は曝露していないが、何かあると思うだけで症状が出てくること。
ドイツでｆMRIを使用した実験では、携帯電話の電波を出していないにも関わらず、「電波を出しますよ」と言っただけで、電磁波過敏症患者は反応を示した。
Rubinの2011年BEMSに発表した研究がある。システムレビューである。

司会：大久保先生。日本では電磁波過敏症は診断名ではない。スウェーデンは電磁波過敏症に関する国家補償が充実している・・・・とネットでは紹介されているが？
大久保：スウェーデンでも電磁波過敏症は診断名ではない。政府はケアについてガイドラインを出し、ある種の身体障害者として扱い、補助金も出ている。
スウェーデンでは、1次対応は地方の医療機関で、2次対応はカロリンスカ病院が担当している。
ストックホルムではEHSと症状名として記載されれば、そうした人（年に20名程度）に補助金を出している。
スウェーデンの例：2009年、ある患者を電磁波過敏症とし、それ故に適切な医療を行わなかったとして、その他にも適切な医療を行わなかった例があるということで、最高裁での判決で、医師免許が剥奪された例もある。
電磁波による過敏症であるとして、適切な医療を受けない事例も発生している。

司会：事前質問からの質問。電磁波過敏症の割合は1.2%から10%と言われるが？
大久保：年々数字は変わってきている。スウェーデンはVDTによる過敏症から始まっている。
定義によって数値は変わる。1.2%というのは携帯電話に関する過敏症の数字であろう。

司会：講演の中で、電磁波過敏症は診断名としては未認可とあった。なぜか？
宇川：診断名と症状名とは異なる。電磁波過敏症はdisease（疾患）にはなっていない。

司会：電磁波過敏症はどのような周波数の電磁波が関係しているのか？
坂部：50Hzの低周波磁界、携帯電話の電波があり、そのように訴える人はいるが、診断は現実には困難。
北里大学には各地で「お手上げ」になり、紹介されてくる例がある。
すべて自己申告でしかない、これが現実的な対応である。
化学物質過敏症で経験した例であるが、引っ越してからふらつくようになった中年の女性の場合、神経内科で見てもらったら脳腫瘍がみつかった。引越しのタイミングでたまたま症状が出た。症状に隠れた重篤な疾病がある場合もある。

司会：日本子孫基金が北里大学と共同で電磁波を感知するか、脳の血流の変化を調べる研究を行った。電磁波過敏症の人に変化が見られたと報告。
2重盲検法で行ったのか？査読付き学術論文として刊行したのか？
坂部；かなり前のPilot研究であった。2重盲検法で行った。この研究は電磁波過敏症を決定づけたものではない。
H17年の厚労省の委託研究でシックハウスに関する研究報告の中で、電磁波過敏症に関して3-4頁記述した。子孫基金で記事にしたので、学術論文にはしていない。

司会：宇川先生の研究では？
宇川：2009年に基地局の電磁波に関する過敏症の研究を行い、論文にした。携帯電話端末に関する研究は刊行の準備中。

司会：北里研究所病院は？
坂部：マスコミ情報が先行しているきらいがある。北里にある診療科は化学物質に関する外来である。
電磁波過敏症は、化学物質過敏症が先行している例がある。臨床的には、電磁波源から遠ざかれ、と言っている。
化学物質過敏への対応をすれば、電磁波の過敏も解消する例がある。

司会：北里研究所病院は今もそうした診療を行っている？
坂部：そうです。今も外来は受け付けています。拒否できません。
但し、他の医療機関の紹介を受けての診断に限定している。

司会：其の他のクリニックでの対応は？
坂部：国立病院機構で環境医学を扱っている場合は、対応している。

司会：何か、電磁波関連の事業者として対応すべきことは？
坂部：仮に電磁波過敏症が解明されたとしても、携帯電話の利便性からなくすことはできない。
リスクと利便性から、どのように携帯電話を使用していくかが課題となる。
宇川：説明もできないので、報告されている学術論文などを紹介すべきであろう。
大久保：電磁波過敏症の人に直接話をしても、信用してもらえない。第3者的な機関の情報、WHOや各国の見解等を伝えるべきである。

司会：行政は何をすべきか？
坂部：研究のすそ野を広げることを促進。研究者を増やす。
宇川：同じ、できる事ならば。
大久保：これまでにかなりの研究報告が出ている。
人口の1%、2%の人が対象と考えれば、一般医からは見捨てられている、割合から言えば無視できない。身障者として手を差し伸べるというのが個人的な希望です。

司会：最後に何か？
司会：なければ、これにて終了。

関心のある方は、このフォーラムのレジメ集を入手して、全文を読んでください。

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３３．ＢＥＭＳ2012年　年次総会での研究

記：２０１２－１１－１７

以下の研究が報告

11. Session O8: Human & Clinical　O8-1
Perception of RF Fields Emitted from Smart Phones.
スマートフォンからの高周波電磁界の感知

Min Kyung Kwon1, 2, Joon Yul Choi1, 2, Sung Kean Kim1, 3, Tae Keun Yoo1, 4 & Deok Won Kim1, 2, 3, 4
1：Department of Medical Engineering, Yonsei University, Seoul, Korea, 120-752

In this double-blinded study, we investigated perception with sham and real exposures in 15 electromagnetic hyper-sensitivity (EHS) and 17 non-EHS subjects using a wideband code division multiple access (WCDMA) module inserted a dummy phone.
Experiment was conducted using the module with average power of 24dBm at 1950 MHz and the specific absorption rate of 1.57 W/kg using a headphone for 32 min.
As conclusion, there was no evidence that the EHS group perceived the electromagnetic fields better than the non-EHS group.

この2重盲検法による研究では、15名の電磁波過敏症者と17名のそうでない人に、W-CDMA方式の電磁波を模擬した電話を用いて、疑似曝露と電磁界曝露における電磁界の感知を調査した。
実験は模擬装置を用いて、1950MHz、平均電力は24dBm、SARは1.57W/kgの条件で、32分間行った。
結果として、電磁波過敏症のグループは非電磁波過敏症のグループに比べて、電磁界を感知するという確証は得られなかった。

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３４．2012年12月日弁連の電磁波シンポジウムのレジメ集から

記；２０１２－１２－１６

以下のシンポジウムが開催された。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
電磁波問題シンポジウム‐予防原則と人権保障の観点から
平成24 年12 月15 日
於：千代田区立日比谷図書文化館
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

以下の基調報告があった。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
４）基調報告：電磁波問題に関するスウェーデン・スイス調査報告　中西良一
・世界的に電磁波問題では先駆的とされるスウェーデン、スイスを訪問した。
・スウェーデンでの政府の対応は、日本と同じであった。
・スウェーデンの市民団体との交流では、「自治体の中に一定の支援を行っている場合もあるが、政府としては動いていない」とあった。
・スウェーデンでは、マツ氏と交流した。「市内に低電磁波区域を作ろうとして、携帯電話基地局を規制したが、政府の基準に適合しているという観点から、裁判に訴えられ、敗訴してしまった。
国会議員になり、動かそうとしたが、駄目であった。」と。
・詳しくはレジメにある報告書を読んで欲しい。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

基調報告での後述では言及されなかったが、講演終了後にレジメを読んだBEMSJが重要と感じた個所を、以下に列記。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
・最初の訪問先である労働環境機関でショックだったのは、スウェーデンにおいても政府の電磁波問題に対する考え方が日本とあまり変わらない、ということでした。

・電磁波過敏症に対するスウェーデン政府・自治体の対応：
スウェーデンでも、電磁波過敏症という病名が認められているわけではありません。
したがって、電磁波過敏症にかかったことによって、仕事を休んでも休業補償を受けられるわけではなく、その場合は別の福祉制度で生活費の保障を受けなければならないそうです。
もっとも、自治体には全ての人に適切な住宅を提供する義務があるので、電磁波過敏症の人でも住みやすい住宅にするための支援はしているということでした。

・電磁波過敏症患者は増えているか。：
（スウェーデンの）トンデル氏は、電磁波過敏症の患者はこの10年間で増えていないといいます。
同氏によれば、スウェーデンでは1999年と2007年にアンケート調査を行っているらしく、この結果を基にすすれば、いずれの調査でも電磁波過敏症を訴える人は3％位ということで変わりがないとのことでした。
また、同氏によれば、似たような調査をした幾つかの国があって、それらの調査結果でも電磁波過敏症を訴えた人は2～8％とされていて、電磁波過敏症患者の増加を示すものはないということのようです。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

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３５．Black on Whiteスウェーデン電磁波過敏症調査2002抜粋　

気の付いた点を抜粋し、仮訳した。　２０１２－１２－２０　

BLACK ON WHITE
VOICES AND WITNESSES ABOUT ELECTRO-HYPERSENSITIVITY　
THE SWEDISH EXPERIENCE
黒と白
電磁波過敏症に関する証言と意見‐スウェーデンでの経験

This text was originally published in Sweden in 2002.
このテキストは2002年にスウェーデン語で刊行された。

The English version has been made possible thanks to the generosity of anonymous donors. A pocket book version is due in the fall of 2004.
英語版は不特定の貢献者による寛大な行為によってなされたことに感謝する。2004年秋にポケットブックとして刊行された。

以下はインターネットに公開されたPDFフィアル、143頁に及ぶ膨大なテキストの中から、気の付いた点を抜粋する。

a hearing to be held in the auditorium of Norra Latin on March 8, 2000 at which anyone who wished would be allowed to make a statement of no more than ten minutes, or to submit a written report no longer than two A4 pages to RALF.
公聴会は2000年3月8日ストックホルムの学校の講堂で行われ、10分以内に状況を説明することができ、もしくは、担当のRALFにA4で2頁までのレポートを提出することができた。

以下はそれらの記録である。

Computers are the dominating triggering factor when it comes to electro-hypersensitivity.
Computer filters etc. were of little help.
パソコンは電磁波過敏症をもたらした契機となった主要な要因である。
パソコンの画面フィルタなどは解決手段に何らも効果もなかった。

I worked in an ordinary office, sitting in front of a computer monitor　throughout the working day and I became sick.
私は普通の事務所で働き、勤務時間のほとんどをパソコン用モニタの前に座っていて、病気になった。

My real health problem began when I installed a store computer system.
私の実際の健康障害は店のコンピュータシステムを導入した時に始まった。

My symptoms began during a programming course.
私の症状はパソコンのプログラムの訓練中に始まった。

My condition worsened steadily when working with a computer, although not so much on the outside as inside my head.
私の状況は、パソコンで仕事をするとどんどん悪くなる、事務所の中にいるより外ではさほどではない。

I trained as a film editor for five months, sitting daily in front of three large monitors in a small room with poor ventilation.
私は、喚起の悪い部屋で、3大の大きなモニタの前に1日座り、5か月間映画の編集者としての訓練を受けた。　そして発症した。

My employer paid for the replacement of fluorescent lamps in my classroom, from regular fluorescent lamps to special fluorescent lamps with a so-called HF system; they aren’t good but are better than the old ones, which I absolutely wouldn’t have been able to stand.
私の雇用主は私の教室の蛍光灯照明を、通常のものから高周波点灯の蛍光灯照明に取り換えてくれた。
完璧ではないが、古い照明の時よりは症状は良くなった。
古い照明の時は、その部屋で立つこともできなかった。＜蛍光灯照明のちらつきに関連する過敏症と推定される。＞

A few months before the trouble started I had begun a major programming assignment, which meant that I spent much more time than normal working on my PC.
症状が現れる数か月前から、私はコンピュータプログラムを担当するようになり、通常の作業よりも多くの時間をその作業に当てた。

Electro-hypersensitivity is often triggered when a person who previously worked with computers without problem gets new computer equipment.
電磁波過敏症はしばしば、従来のパソコンでの作業では問題はなく、新しいパソコンで作業を始めた時に発症している。

In March 1996, we switched computers at work. It was as if they had placed a gigantic monster in front of me. I felt the emissions with my hands.
1996年3月、事務所のパソコンを更新した。巨大なお化けみたいな機器の前に座ることになり、手に電磁波を感じた。・・・・そして電磁波過敏症になった。
＜1996年であれば、スウェーデンで販売されているパソコンはMPR規格による低電磁波対応が実施されていると思われる。＞

The problem came in 1993 when we installed new computer equipment at work.
事務所に新しいパソコンを導入した時（1993年）に、症状が出始めた。

After more than ten years of working as a computer instructor, I came down with electro-hypersensitivity in 1993.
This occurred when I was working in a poorly ventilated computer room with twenty new computers.
10年以上パソコンのインストラクターとして働いた後、1993年に電磁波過敏症となった。
これは、20代以上の新しいパソコンが設置された換気の悪い部屋で働いて、発症した。

Continued removing the amalgam with a different dentist who had protective equipment, one filling was removed every sixth week, and this time it worked better.
防護策を講じてくれる歯科医のよって歯のアマルガム除去を行い続けた。1週間に1個の割合で、そして電磁波過敏症は改善した。

It began in connection with a change-over to new computers in 1996.
1996年に新しいパソコンに切り替えた時に、発症した。

Company bought new computer equipment in 1989. Within two weeks,
会社は1989年に新しいパソコンを買ってくれた、そして、その２週間後に、発症した。

electro-hypersensitivity since March 1996.The triggering factor was a computer course
１９９６年３月に電磁波過敏症となった。契機はパソコンの訓練コースを受講した時である。

My workplace became computerized in 1990 and equipped with electrical apparatus in a much different way than before. In February 1991,
私の職場は１９９０年にパソコン作業化され、それまでの作業とは全く異なる電子機器を使うようになった。そして、１９９１年２月、電磁波過敏症となった。

By coincidence, I discovered that the power mains for two apartment buildings were located in the basement under my bedroom.
I moved my bed to the living room, which helped reduce the symptoms.
偶然に、私のアパートの寝室の下に２軒のアパ―トの交流電源設備があることが判り、ベットを居間に移したら電磁波過敏症の症状は軽快になった。

It is not only electromagnetic influences but chemical influences as well that are brought up as factors that triggered electro-hypersensitivity.
電磁波の影響だけではなく、化学物質の影響も電磁波過敏症発症に関連している。

At times, so many potentially harmful factors can appear simultaneously so that large numbers of employees become ill:
時には、幾多の可能性のある危険因子が、同時に起こり、多くの従業員が同時に病気になる。

The microwaves from mobile phones or cellular base stations may have triggered electro-hypersensitivity.
携帯電話の基地局からのマイクロ波曝露が電磁波過敏症のトリガーになっているかもしれない。

Other high frequency radiation has also been reported as causing electro-hypersensitivity
其の他の高周波電磁界曝露が電磁波過敏症の原因と報告されている。

dental work triggered electro-hypersensitivity:
歯科治療が電磁過敏症のトリガーになっている。

電磁波過敏症となった契機となった要素

１．パソコン　２．歯科治療におけるアマルガムの埋め込みもしくは除去　３．汎用電気＋蛍光灯照明＋省エネ電球　４．携帯電話・携帯電話基地局、５．化学物質　６．コピー機

When I got my TV back, I watched for an hour. There was a prickling feeling in my hand at the time, and the day after I wasn’t able to get out of bed.

テレビを１時間見ていて、手に刺すような痛みを感じ、それ以降ベットから起きることができなくなった。

When I removed the clock radio from my bedside table, the breathing difficulties and the morning tiredness disappeared.
ベットサイドのテーブルから目覚ましラジオを取り除いたら、呼吸困難と起床時のだるさが消えた。

January 1996, I turned on a monitor and it looked like a stroboscope. It was frightening, but it was also a great relief: so the cause of all my misery was flickering monitors! I was able to continue working fulltime with a 100 Hz monitor.
I worked with no problem as a programmer using LCD monitors　and halogen lamps.
１９９６年１月モニタをONすると画面はストロボスコープのようにみえた。
ぎょっとしたが、それが大きな助けであった。私の苦しみはモニタのちらつきが原因であった。
モニタのリフレッシュ周波数を100Hzに設定して、フルタイム働き続けることができるようになった。
ハロゲンランプを用い、モニタをLCDに代えて、プログラマーとして問題なく働いている。

At work, I experienced twitching in my face. I then continued my work at home. They had disappeared on the way home, but returned in front of the computer.
仕事中に顔がぴくぴくした。家で仕事を続けようとして、帰宅の途中にピクピクは収まった。パソコンの前に戻ると顔のぴくぴくさが再発する。

I was placed on sick leave for a while and my problems disappeared, but the redness in my face remained. When I returned to work and used the monitor, the problems also returned.
病欠で症状が消えたが、顔の赤らみは残っていた。
仕事に戻り、モニタを使うと症状が再発した。

New symptoms appeared during the winter of 97-98. I suddenly developed skin problems from working with my computer.
症状は１９９７－９８年の冬に現れた、パソコン作業で皮膚疾患になった。
（BEMSJ注：１９９７年であればMPR2対応で低電磁波、モニタの静電気帯電防止も実施済みのはず。）

I was supposed to go on vacation. The sun was shining when I got on the train. As soon as the train pulled out of the station, the regular symptoms began.
バケーションに行こうとした。列車に乗った時、太陽光が輝いていた。駅を出発すると、いつもの症状が出てきた。
＜BEMSJ注：太陽光に過敏で、駅に停まっている列車内で直射日光が差し込んでこないのでOKで、駅を出て車内に太陽光が直射すると症状が出る　ということ。＞

My misfortunes began in the spring of 1988 and were probably caused by a combination of a new computer, a great deal of overtime and a tooth infection that resulted in a root filling.
不幸は１９８８年春に始まった、たぶん、新しいパソコンと残業と、歯科治療の組み合わせで、過敏症になった。

Many letter writers develop severe symptoms from all forms of light．
多くの書簡報告者は、全ての形式の光によって疾病が起きていることを報告している。

In the autumn of 1998, I began studying at an adult education center, at which time I brought new rental computer home, with a large 17“ screen monitor. I spent long evenings in front of the computer, which made the problem worse.
1998年秋、成人教育センタで研究が始まり、その時に１７インチの大型モニタ付の新しいパソコンをレンタルした。
毎夕、長時間、パソコンの前で過ごし、症状を劣化させた。

The oversensitivity towards light got rapidly worse and in the spring of 1999 resulted in her only being able to stay in totally darkened rooms – where it was pitch dark, you can't see your hand in front of your face.
光りに対する過敏症が酷くなり、１９９９年春には真っ暗な部屋にいなければならない状態になった。
その部屋では、目の前に置いた自分の手が見える程度の暗さである。

I have now had the amalgam removed from my teeth, which was the best thing I've ever done.
私の歯からアマルガムを除去したら、かつてない位に良くなった。

This dentist quickly removed twelve amalgam fillings without taking any safeguards whatsoever.
On one occasion, he removed four fillings. After a while, I became extremely weak, tired and sick.
I　also developed severe electro-hypersensitivity．
歯科医が防護策を講じずに、12のアマルガムの詰め物を歯から除去した。
しばらくして、私は著しく病弱で、疲れやすく、病気になった。そして電磁波にも過敏になった。

Removing the amalgam made me very sick．
歯のアマルガム除去が私を病人にした。

The house is heated by means of firewood. We've purchased a gas camping stove and a battery-driven TV.
電磁波過敏症の為に、家では木材で暖をとり、ガスのキャンプ用ストーブを購入し、バッテリーで駆動するテレビを購入した。
＜BEMSJ注：バッテリーでテレビを駆動すれば、テレビから様々な電磁波が漏洩するが・・・・・＞

However, sometimes not even extensive EMF-reduction helps:
しかしながら、ある場合は電磁波曝露の低減は効果がない。

I did not receive an allowance for home equipment to lower the EMF of my home, so I appealed all the way up to the Supreme Administrative Court, but was not granted a review permit.
私は自宅の低電磁波のために家庭用機器の手当てを受けることができなかった。
行政最高裁まで控訴したが、許可の見直しは認められなかった。

I wear a protective suit under my regular clothes.
私は通常の衣服の下に電磁波防護服を着ている。

It could be of interest for those who are starting to have problems with redness of the face when working with a monitor.
興味あることに、モニタを見る作業で顔が赤らむことが、問題の出発点になっていることである。

After a few months I began EMF-reduction, but it didn't seem to be of much help.
電磁波の低減を始めて数か月たつが、それらは大きな効果を上げていない。

My condition didn't improve during the first period of my sick leave, either. But during Easter, when my neighbor turned his two DECT telephones off, I could start thinking again after about 45 minutes.
症状は病欠の最初の期間では改善は無かった。
イースターの時、近所の人がDECT（無線でつながる親子電話？）をOffにしてくれたら、45分はものを考えることができるようになった。

Even a transistor radio at a distance of 3-4 meters causes problems, as do cellular phones.
トランジスタラジオを３－４ｍ離しておいても症状が出る、携帯電話も同じ。

Despite the EMF-reduction of our house, I still didn't feel well in that environment.
自宅を低電磁波にしても、この環境下では安楽を感じられない。

The closest mobile telephone mast needed to be almost ten kilometers away for me to be able to sleep at night.
Despite our protests, an 85-meter mast was built two kilometers from our cottage.
最も近い場所に立つ携帯電話基地局は、10km以上離してくれないと、私は夜眠れない。
私の小屋から2kmの距離に高さ85mの基地局がある。

NN became electro-hypersensitive after having his amalgam removed.
NNさんは歯からアマルガムを除去してから電磁波過敏症になった。

My life changed in 1997. After a long process with the typical symptoms for electro-hypersensitivity, I received the diagnosis "computer monitor dermatitis" from an understanding doctor at the occupational health center.
1997年に人生が変わった。
長い典型的な電磁波過敏症の症状を経て、職業保険センタで著名な医師から「パソコンモニタによる皮膚炎」という診断を得た。

Although not with the diagnosis “electro-hypersensitivity“, because according to the National Board of Health and Welfare, that illness doesn’t exist.
Instead of a diagnosis, my doctor merely listed my symptoms.
スウェーデン健康保険省がそうした疾病は存在しないということから、電磁波過敏症とは診断されていない。
私の主治医は診断の代わりに、私の症状を記載している。

There are no uniform rules to guide the regional social insurance offices.
Some municipalities pay compensation and others do not. A uniform code of regulations must be established.
地域社会保険事務所への統一的な指針がない。
ある自治体は補償金を支給し、ある自治体は支給しない。統一的な法的指針が必要である。

Borrowing books from the library is almost impossible what with all the fluorescent lamps in the ceiling everywhere.
本を借りるために図書館にも行けない。なぜならば蛍光灯の照明がいたるところに有るからである。

Since there is no scientific proof that our electric environment can be hazardous to one’s health, the National Board of Health and Welfare cannot require County Councils and public health boards to perform EMF-reduction of rooms at our hospitals.
我々の電気環境が健康に障害を与えるという科学的な証拠がないので、スウェーデン健康保健省は地方自治体と公衆衛生局に対して病院での低電磁波対策を講ずべしという要求を出すことができない。

My electro-hypersensitivity came during one week in connection with dental treatment．
私の電磁波過敏症は歯科治療に関連して、発症した。

One example is our new TV set from 1999 (Grundig ST 70-715 NIC/TOP). It brings out symptoms in me after five minutes and is more or less unbearable after about twenty minutes.
I can normally endure our old TV from the beginning of the 80s (Luxor type 18067181 Rigoletto) for an entire evening with only mild symptoms.
1999年の新しいテレビは5分後に症状が出て、25分後には耐えられなくなる。
古いテレビは少し軽い症状が出るが、夕方一杯見ることができる。

The new car, a Volvo S40 that we bought in 1999, produced severe problems, and I don’t like to ride in it for longer than 20-25 minutes.
Our old car, a Volvo 360 from 1985, caused only mild symptoms, and I could even take longer trips in it.
1999年に購入した新しい車は深刻な問題が出て、20－25分以上乗ることができない。
1985年の古い車では軽い症状が出るが、かなり長い距離を旅することができる。

I have been able to use my older computer with a LCD monitor from 1988, often during the entire workday, after a simple screening of the monitor.
The computer and monitor from approx. 1998 that now comprise our “standard workplace“ produce powerful and unpleasant symptoms after only 5-10 minutes.
1988年に古いLCDモニタのパソコンでは、簡単な画面フィルタを付けて、勤務時間の全てで働くことができる。
我々の職場の標準的な環境を構築している1998年の新しいパソコンでは、５－１０分後には強力で不快な症状が出る。

It is a mystery to me that no one in Sweden has been able to conduct provocation tests that establish a connection between electricity and illness.
スウェーデンで電気と病気の関係を確立する再現実験を誰も行うことができないのは、私にとっては不可解である。

I have been undergoing acupuncture treatments all these years and that amounts to quite a lot of money.
電磁波過敏症の為に、この数年間、私は鍼治療を受けている、かなり高額な治療費を払っている。

The regional social insurance office withdrew my sickness benefit for a while.
They suddenly decided that my illness was not scientifically confirmed.
I had to turn to the County Administrative Court, and they reinstated my sickness benefit.

地方社会保険事務所は、病気補償を取り消した。
私の病気は科学的に確認されていないと判定した。
地方行政裁判所に提訴し、私の病気補償を回復した。

Even though the majority of electro-hypersensitive persons contracted their illness at work, electro-hypersensitivity　is not accepted as an industrial injury:
多くの電磁波過敏症者が仕事での病気としても、電磁波過敏症は労災補償として受理されない。

For the handicapped, Sweden is a leading country - housing, elevators, sidewalks, store entranceways and so on – everything is adapted to a wheelchair.
But the electro-hypersensitive do not even have a free zone.
身体障害に関してスウェーデンは世界をリードしている国で、住宅、エレベーター、歩行者通路、商店の入り口などなど、全てで車いすが認められている。
しかし、電磁波過敏症者のためのフリーゾーンはない。

FEB’s comments: In the environmental health survey -97, Stockholm’s County Council reported 1.5 %, 19,000 persons were electro-hypersensitive.
FEBのコメント：環境保健調査1997年によれば、ストックホルム郡での電磁波過敏症者は１．５％、19,000人と報告されている。

とかなり中身の濃いものです。
関心のある方は、長文の英文報告書を入手して読んでください。

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３６．2012年オランダ国立機関からの電磁過敏症に関する文書の概要

記；２０１３－１－１１
オランダの電磁環境の健康影響に関する情報プラットホーム（Dutch Knowledge Platform on Electromagnetic Fields and Health）は、2012年4月に情報ノート「電磁過敏症」を公表した。
オランダの電磁環境の健康影響に関する情報プラットホームは、この分野の科学情報の社会的価値と重要性を評価するために知識・情報を共有する6つの国立機関の専門家達の組織であり、その協議結果にはオランダ保健評議会（HCN）が助言を与えている。

公表された文書は、下記URLで確認することができる。
URL：http://www.kennisplatform.nl/Files/2012-08-31KnowledgeNoteonElectrosensitivity.pdf

「オランダの電磁環境の健康影響に関する情報プラットホーム」
全56頁

本プラットホームの結論としては、「電磁過敏症の人が体験している不定愁訴は実際にあるものであり、重症であるかも知れず、彼らの生活に悪い影響を与えているかも知れないが、このような不定愁訴の原因について、科学研究による解明は未だなされていない」、しかし、「電磁過敏症での不定愁訴のタイプ、不定愁訴が体験される発生源のタイプが非常に多様であるため、原因を探る研究が困難であり、今後の研究で、原因に関して短期的に明快な答えが提供されるとは思われない」と述べている。

また、対処については、認知行動療法・電磁界以外の原因の調査などの選択もあり得るが、電磁過敏症の人々および医療関係者に誤解や無理解といった感情問題が生じないように慎重に手段を選ぶ必要があると述べている。

関心がある方は、当該の原著を入手して読んでください。

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３７．2002年のIEEE COMARの電磁波過敏症の関する見解

記：２０１３－３－３０
アメリカの電子通信学会IEEEの中で生体への電磁波の影響を担当しているCOMAR（現在は組織名などが変更しているはず）が以下の見解を出しています。
以下にその一部を紹介します。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
タイトル：COMAR Technical Information Statement Electromagnetic Hypersensitivity
COMARの技術情報声明：電磁波過敏症
掲載誌：IEEE Eng. Med. Biol. Sept/Oct 173-175, 2002

Provocation Studies　再現性の研究
At least 9 provocation studies have been reported on electromagnetically hypersensitive individuals.
The studies have been overwhelmingly unsuccessful in being able to link EHS symptoms in these subjects to exposures to electric or magnetic fields.
少なくとも9件の電磁波に過敏である人々に関する再現実験などの報告がある。
これらの研究では、電磁波に曝露することによっておこる人々への電磁波過敏症候との関連性を、圧倒的に、見つけることに不成功に終わっている。

One early study, by Rea and colleagues (1991) did elicit responses from electromagnetically hypersensitive individuals by exposing them to magnetic fields at levels comparable to those found in many ordinary environments.
In that study, electromagnetically hypersensitive individuals were exposed to magnetic fields over a range of frequencies (from 0.1 Hz to 5 MHz), from a coil positioned 0.3 meters from their feet.
However, other investigators criticized that study because of the possibility that the coils produced audible cues, and other technical problems (Bergqvist 1993).

一つの、初期の研究として、1991年のReaらの研究では、電磁波過敏症者が、通常の環境下にあるレベルと同じ磁界への曝露で、反応を示すことを見出している。
この研究では、電磁波過敏症者は、足元から0.3mの距離に置いたコイルから発生する磁界（周波数は0.1Hz　から5MHz）に曝露している。
しかしながら、他の研究者は、このReaらの研究には、コイルからの可聴音を検知しているのではないか、また、その他に実験に関する技術上の問題があるのではないかと、指摘している。

As recommended by the Bergqvist committee, this should be done in close co-operation between
・Physicians (for handling the medical aspects of the symptoms)
・A hygienist (for identifying and if necessary controlling factors in the environment that are known to have adverse health effects of relevance to the patient) and
・A psychotherapist, where appropriate.
電磁波過敏症に関する対応として、スウェーデンのBergqvist委員会は、以下の共同作業をすべきと、推奨している。
・医師は訴える人の症状に関して医学的に対応する
・職場の衛生技師・労働衛生技師は、訴える人に関連して、健康への悪影響があるとわかっている環境因子を調べたり、また、必要に応じて、対策を講じたりする、
・心理療法士も、　もしふさわしければ

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

関心のある方は、全文を入手して読んでください。

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３８．式部啓ら編「電磁界の健康影響　その安全性を検証する」１９９９年文光堂発行から

記：２０１３－４－３
以下に関連する記述だけを引用して紹介する。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
5．人体に対するその他の影響
発がん以外の健康影響については、疫学的にも信頼性の高い研究はほとんどなく、実験研究も本格的な報告はない。
1998年9月にオーストリアで、電磁界の非特異的健康影響に関するシンポジウムが開かれ、著者は参加したが、明確な健康影響の報告はなかった。
論議を呼んだ報告は、不眠、頭痛などの影響を訴える人の大半は、そんなことは起こり得ないと説明すると症状が消えるが、知的に優れている人ほど症状が続くと訴える、とのスウェーデンの研究や、腕を環状の電磁界発生装置に入れて磁束密度を上げていくとある密度で磁界の存在を感じる人が5％ほどあるとのオーストリアの研究等であった。
いずれも健康影響を示すとはいえないと発表者は述べていた。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

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３９．カロリンスカ報告書：2001年Ｈｉｌｌｅｒｔらによる電磁波過敏症の研究

記：２０２０－２－２９

以下の研究がある。

掲載報告書：Department of Public Health Sciences,
Division of Occupational Medicine,
Karolinska Institutet, Stockholm, Sweden
Stockholm 2001

タイトル：Hypersensitivity to electricity; symptoms, risk factors and therapeutic interventions
　　電磁波への過敏症：症状・リスク要因・治療への介入
研究者：Lena Hillert

ABSTRACT 概要

Persons reporting nonspecific health complaints attributed to activated electrical equipment have been a growing concern in Sweden in the last decades.
増加する電気機器に関連する特異な健康に関する苦情を主張する人が、過去10年間にスウェーデンで増えている。

The aims of this thesis were to investigate possible risk factors (personal and work-related), symptoms, and complaints associated with reported hypersensitivity to electricity (HE) and to test hypotheses concerning possible biological mechanisms and effective treatments.
この学位論文の目的は、可能性のあるリスク要因を調査（個人的な、職業的な）し、症状と電力に過敏との報告に基づく苦情を調査し、そして可能性のある生体の機序と効果的な治療法の仮説を試みることである。

In a survey of an unselected population in Stockholm County, 1.5% of the respondents reported hypersensitivity to electric or magnetic fields.
ストックホルム群で無作為に抽出した人口調査によれば、回答者の1.5％が電気もしくは磁界に過敏であると報告している。

In selected populations, for example, IT companies, the proportion who reports HE may be substantially higher.
IT企業を対象としたというような例の、作為的に抽出した人口調査では、過敏症と報告する割合は確かにより高くなっている。

Reported HE is associated with higher prevalence of complaints with regard to symptoms, other hypersensitivities and traditional allergies and disturbances from different environmental factors, compared to groups not reporting HE.
過敏症と答えた人は、過敏ではないと答えた人に比べて、症状・他の過敏性・これまで知られた伝統的なアレルギ・他の環境因子への障害をより強く訴える傾向にある。

Reported asthma and hay fever were also more common in the HE group.
過敏症と答えた人ではより過敏症と答えた人に、喘息・花粉症という報告が多い。

No specific symptom constellation was identified.
特定の症状群は見つからなかった。

Persons who report HE seem to be characterized, at least in early stages, by skin complaints.
過敏と報告する人は、少なくとも初期の段階で、皮膚に異常を訴えているという傾向にあった。

Fatigue was, except for skin complaints in the group that reported HE, the most commonly reported complaint in the HE group and in referents who did not report this syndrome.
過敏と答えなかった人に比べて、皮膚障害を除けば、過敏症と答えた人の疲労が最も一般的な愁訴であった。

General but not physical fatigue was associated with the perceived influence of electromagnetic fields.
肉体的な疲労を除けば、一般的に、電磁界の関知に伴う影響に関連していた。

Scores on sleep indices and sleep quality were similar in cases of HE and referents.
睡眠指標と睡眠の質の数値は、過敏症と答えた群とそうではない群で同じであった。

The hypothesis that fatigue in HE might be due to a decrease in cholinesterase activity wasn’t confirmed.
過敏症における疲労はコリンエストラーゼの減少によるものとする仮説は確認できなかった。

Persons who reported HE did not differ from referents with regard to mental wellbeing, personal traits, anxiety or psychosocial work characteristics.
過敏と答えた人は、過敏と答えなかった人に比べて、精神的な安寧・個々人の特徴・不安感・心理社会的な仕事に関する特性に関しては、差異はなかった。

Patients who reported HE scored within the normal range in questionnaires on symptom dimensions (SCL-90), alexithymia (TAS-20), attributional style (ASQ) and sense of coherence (SOC) according to the evaluation guidelines for these respective instruments.
過敏症と答えた人は、関連する測定法の評価ガイドラインによる首尾一貫性・帰属性・失感情症・症状の程度に関する典型的な質問票で、数値で答えた。

Two interventions were evaluated.
二つの介入調査を行った。

In a randomized controlled clinical trial, antioxidant supplementation wasn’t shown to reduce symptoms and ill health in HE.
無作為の制御された臨床試験の中で、抗酸化剤の追加は過敏症者の健康状態と症状を低下させなかった。

Cognitive therapy was offered as part of a multidisciplinary team program.
多くの学問領域にわたるチームでのプログラムの中で、認知治療が提案された。

The prognosis of HE seems to be good in most cases, at least in case of early intervention based on a broad approach.
電磁波過敏の予知は、少なくとも広範なアプローチの中の初期介入の場合は、多くのケースで効果的とみられた。

Cognitive therapy may further reduce perceived hypersensitivity to electricity.
認知治療は電気への過敏性の関知をさらに抑制するかもしれない。

Clinical studies on HE has revealed that the group of persons reporting this syndrome is very heterogeneous.
過敏に関する臨床研究は、過敏であると答えた人々は非常に異質であると言えることが確認された。

A multidimensional characterization (including symptom indices, belief, reported triggering factors, temporal aspects and behavior) is proposed to facilitate comparisons between study groups.
多次元的な特性（症状指標・信念・報告された始まりの要素、時間的な経過、行動）は研究グル―プ間の比較推進のためとして、提案された。

Individuals who report HE seem to be suffering from an increase in ill health and report a wide range of complaints.
過敏と答えた個々人は、病態・健康の悪化を恐れ、様々な愁訴を報告している。

The nature of associations and interactions between different observations and complaints isn’t known.
他の観察と愁訴間の関連と相互作用の現象（実態？）は不祥である。

Some observations may represent risk indicators for a vulnerable group, while others may be consequences of long-time suffering from ill health.
幾つかの観察研究では、感じやすいグループにリスク要因があるかもしれないとし、一方では病態・健康への長期にわたる不安感による結果かもしれないと、なっている。

Individually determined response to different kinds of stressors in everyday life is discussed.
毎日の生活における様々な種類のストレスに対する個々の応答についても論議する。

Medical, psychosocial and environmental factors of possible importance should be considered in the investigation of patients who report HE.
重要となると思われる医学的・心理社会的・環境といった因子は、過敏症と報告する患者の調査の中で、考慮しなければならない。

In case of persisting symptoms, individual recommendations should be given based on this broad evaluation.
持続する愁訴に関しては、個々への推奨はこの広い範囲の評価に基づかなければならない。

More research is motivated to increase our knowledge on the background for the reported complaints and ill health.
更なる研究は、報告された愁訴と病態・健康に関する背景に関する知識を増加させると、機体される。

この報告書は全64頁と膨大です。関心のある方は全文を読んでください。

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３９A．2001年Ｈｉｌｌｅｒｔらによる抗酸化サプルメントの効果研究

記：２０１３－４－６

以下の研究がある。

掲載誌：Medscape General Medicine. 2001;3(1)
タイトル：The Effect of Supplementary Antioxidant Therapy in Patients Who Report Hypersensitivity to Electricity: A Randomized Controlled Trial
電磁波への過敏を訴える患者に対する抗酸化サプルメントによる効果：無作為でコントロールした試行実験
研究者：Lena Hillertら

この研究はスウェーデンのカロリンスカ研究所などによって行われたものです。
概要が作成されていないので、概要の部分の翻訳はできません。

原著を一読してみると
・電磁波の健康影響は、電磁波による酸化ストレスによるものと言う説がある。
・16名の電磁波に過敏と訴える人を対象に、抗酸化作用のあるビタミンＣ・Ｅのサプルメントを服用してもらい、その効果を血液検査などで確認を行った。

・結果は、抗酸化作用のあるサプルメントによる効果はなかった。
という内容です。

関心のある方は、原著論文を読んでください。

参考：酸化ストレスに関する解説　（Wikipediaより）
酸化ストレスとは活性酸素が産生され障害作用を発現する生体作用と、生体システムが直接活性酸素を解毒したり、生じた障害を修復する生体作用との間で均衡が崩れた状態のことである。
生体組織の通常の酸化還元状態が乱されると、過酸化物やフリーラジカルが産生され、タンパク質、脂質そしてDNAが障害されることで、さまざまな細胞内器官が障害を受ける。
ヒトの場合、酸化ストレスは様々な疾患を引き起こす。
たとえば、アテローム動脈硬化症、パーキンソン病、狭心症、心筋梗塞、アルツハイマー病、統合失調症、双極性障害、脆弱X症候群、慢性疲労症候群などに酸化ストレスが関与している。

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４０．レアらの電磁波過敏症に関する最初の論文1991年の概要

記；２０１３－４－１１

電磁波過敏症の実在を初めて証明したとされるレアらの1991年の論文です。
電磁波過敏症に関しては、元祖と言うべき論文でしょう。

掲載誌：the Journal of Bioelectricity, 10(1&2), 241-256. 1991
タイトル：Electromagnetic Field Sensitivity
研究者：William J. Rea　（Environmental Health Center, Dallas）ら

Abstract 概要
A multiphase study was performed to find an effective method to evaluate electromagnetic field (EMF) sensitivity of patients.
電磁界に過敏な患者を評価するために。効果的な手法として、多段階実験を行った。

The first phase developed criteria for controlled testing using an environment low in chemical, particulate, and EMF pollution.
第1ステップでは、化学物質と電磁波が低減された環境でコントロールされたテストの評価基準を考案した。

Monitoring devices were used in an effort to ensure that extraneous EMF would not interfere with the tests.
監視機器は、電磁波が実験に妨害を与えないことを確認するために用いた。

A second phase involved a single-blind challenge of 100 patients who complained of EMF sensitivity to a series of fields ranging from 0 to 5 MHz in frequency, plus 5 blank challenges.
第2ステップでは、0から5MHzの周波数の電磁界に過敏と訴える100名の患者に対して、5回の疑似曝露実験を含めて、1重盲検法で行った。

Twenty-five patients were found who were sensitive to the fields, but did not react to the blanks.
電磁界を検知し、かつ疑似曝露は検知しなかったのは25名であった。
These were compared in the third phase to 25 healthy naive volunteer controls.

第3ステップでは、25名のボランティを対照群と比較をおこなった。
None of the volunteers reacted to any challenge, active or blank, but 16 of the EMF-sensitive patients (64%) had positive signs and symptoms scores, plus autonomic nervous system changes.
対照群では誰も曝露に反応せず、疑似曝露にも反応しなかった。しかし、電磁界に過敏とされる患者の中の25名中の16名（64％）は、陽性の反応を示し、症状を訴え、自律神経に変化が現れた。

In the fourth phase, the 16 EMF-sensitive patients were re-challenged twice to the frequencies to which they were most sensitive during the previous challenge.
第4ステップでは、16名の電磁界に過敏な患者を対象に、前回の実験で最も感度良く感知した周波数の電磁界で、2回、再度の実験を行った。

The active frequency was found to be positive in 100% of the challenges, while all of the placebo tests were negative.
実験で100%感知し、疑似曝露では感知しない周波数の電磁界を見出した。

We concluded that this study gives strong evidence that electromagnetic field sensitivity exists, and can be elicited under environmentally controlled conditions.
我々はこの研究が電磁界に過敏な人が存在することを示す強力な確証になり、環境的にコントロールされた条件下で導き出すことができた、と結論付けた。

以下は、本文の中の関心の深い部分のみを抽出して、紹介する。
・電磁波の発生源は矩形波の発信機を用いた。
・実験は、鉄鋼の上に磁器をかぶせた壁で囲まれた部屋で行った。
・実験室の背景曝露として存在する電磁波は電界0－100V/m、次回20-200nT（0.2-2ミリガウス）であった。被験者の近傍では20nTであった。

・電磁波の周波数は0.1Hzから5MHzである。
・被験者は椅子に座り、電磁波の発生器は2m離れた机の上に置き、直径6cm、高さ15cmのコイルを被験者の足元から0.3m離れた床の上に置いた。

・発生磁界は床面で2.9μT（29ミリガウス）、被験者の椅子と膝の所では350nT（3.5ミリガウス）、手の部分では70nT（0.7ミリガウス）であった。
・テストは各回約3分間の曝露で行った。

・100名の電磁界に過敏と訴える患者に対して、1重盲検法で、0.1, 0.5, 1, 2.5, 5, 10, 20, 40, 50, 60,100 Hz; そして1, 5, 10, 20, 35, 50, 75, 100 KHz; さらにI、5MHz.で実験を行った。
・100名中の電磁界を感知した25名と、25名の対照群を対象に、2重盲検法での実験に進んだ。
・2重盲検法の実験では、25名中の16名は電磁界を検知した。この16名を対象にさらに確認実験を続けた。

BEMSJ注）
・応答した人だけを選んで、次の実験に進んでいる、最初100名の自称過敏者、最後は16名でテスト。6人中1人だけが、この実験で過敏症と判定される条件を満たしている。

・ICNIRPの1998年ガイドラインによれば、一般公衆の5MHzでの曝露参考値は0.184μTである。
このReaらの実験ではもしかして5MHz（矩形波なので、更に高調波を考えると・・・・）で350nT(0.35μT)を人体の膝の部分に曝露させている。

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４１．土田の２００８年電場対策の論文から

記：２０１３－４－１６

以下の論文がある。
掲載誌：臨床環境医学　第17巻１号　2008年
タイトル：家庭内電磁波による健康障害を訴える患者への有効な対策とその評価
研究者：土田　直樹

要約
モデル室内の配線を測定した結果、電場は空間よりも床、さらに人体表面に強く検出された。
そのために、4名の電磁波過敏症患者のための対策として、自宅室内における有機導電性シートとアースを使用した電場対策を行った。
そして、電磁波対策前後の自覚症状の変化を、事前に用意した問診票により調査した。
その結果、4名中3名には大幅な症状の改善が認められた。
電磁波過敏症患者治療の手段として、有機導電性シートとアースを使用した電場対策は、有効な治療法であった。
以上の結果は、磁場の発生が少ない環境の中で生活している電磁波による健康障害を訴える患者が、電場により大いに悩まされている可能性を示すと同時に、議論の多い電磁波過敏症患者が実際に存在している可能性を示した。

この論文には以下のことが書かれている。
化学物質過敏症とは異なり、電磁波過敏症の愁訴の国際的問診票はいまだなく、各自自由に作成している状況である。
今回もこれまでの経験を基に、北里研究所病院臨床環境医学センター専門医師と相談の上、問診票を作成し、電磁波対策前後の症状の比較を行った。
その結果、今回の電磁波対策で症状を軽減せしめることが出来た（図6）。
もちろん70歳台女性の症例のように改善が見られなかった例もある。
この患者は化学物質過敏症も並存していたために、有機導電性シートという合成繊維製品に反応を示していた可能性も考慮しておく必要があるかも知れない。
またさらに、条件付けともいう、電磁波への恐怖が先行している状態となっていた可能性も考える必要があるかもしれない。

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４２．化学物質過敏症に関する2012年の吉田らの研究

記：２０１３－４－２０

以下の研究がある。
電磁波過敏症ではないが、以下の研究も参考になる情報である。
関心のある方は、論文の全文を読んでください。

掲載誌：日本職業・災害医学会会誌JJOMT Vol. 60, No. 1　2012
タイトル：特発性環境不耐症（いわゆる「化学物質過敏症」）患者に対する単盲検法による化学物質曝露負荷試験
研究者：吉田辰夫1），平田衛1），小川真規2）
1）関西労災病院環境医学研究センター・シックハウス診療科
2）自治医科大学保健室

要旨：
【目的】シックハウス症候群と混同されることもある特発性環境不耐症（IEI，所謂「化学物質過敏症」）の患者における化学物質曝露との関係を明らかにする目的で、トルエン（T）とホルムアルデヒド（FA）の曝露負荷試験をおこなった。

【方法】来院したIEI患者のうち、同意を得られた7名（女性5名、男性2名）にFAを、11名（女性9名、内1名はFAにも曝露、男性2名）にTを単盲検法で曝露した。
影響指標として、自覚症状、瞳孔反応検査、視標追跡眼球運動検査（ETT）、および症状に伴う血圧、脈拍数、SPO2の変化を観察した。

【結果】FA曝露およびT曝露において、何らかの症状を示した患者は皆無であり、症状に伴うバイタル検査の変動は観察されなかった。
また、陽性評価基準を超えて瞳孔反応検査指標が変動し、あるいはETT においてサッケードが25％を超えて増加し、かつ0ppb曝露での有意な増加が観察されないなどの矛盾がない患者は皆無であった。

【結論】IEI患者の症状等が化学物質によらない可能性が示唆された。
このことは海外の先行研究と一致していた。
国内の先行研究でも用いられた瞳孔反応検査は、測定値が個人間、個人内で大きく変動する検査であり、慎重な取扱が必要である。

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４３．ドイツ研究2013年　電磁波の感受性に関するノセボ効果

記；2014-12-7

１）http://keitai119.jp/dhnews_k1353200039.html　2013-9-17のログ

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
電磁波に関するニュース
ノセボ効果、健康リスクへの不安が本当の痛みにつながる (2013年05月11日)
ヨハネス・グーテンベルク大学マインツの研究

電磁波による健康リスクへの不安が、特定の人に対し、客観的な理由もなく本当の肉体的苦痛をもたらすことがあると、ドイツのヨハネス・グーテンベルク大学マインツの研究で明らかになった。
研究チームは、被験者154人の頭にアンテナを取り付け、電波の流れていない無線LANシグナルを送信。被験者の54%に不安感や集中力の低下、指や腕、足などがむずむずするという症状が現れた。

ノセボ効果
以前の研究で磁気共鳴映像装置(MRI)により、このような状況下で、実際に痛みを処理する脳領域が活性化することが示されている。
研究に携わったミヒャエル・ヴィットヘフト博士は、「このような症状は”ノセボ効果”と呼ばれており、健康被害への心配や思い込みだけで痛みや不快感を引き起こす」と語った。
一般に、ノセボ効果の反対の症状を示すプラセボ効果(効果のない物質を効果のある薬物として患者に投与すると、ときに心理効果により症状を軽減することがある)が、知られている。ヴィットヘフト博士によると、健康リスクの報告が多くの人々に影響を与えている可能性が高いという。
それゆえに、メディアと科学は協力し合い、常に健康リスクに対する最新の正しい情報を発信する必要がある、と強調した。

2）Pubmedにあった原著論文と思われる論文

掲載誌：J Psychosom Res. 2013 Mar; 74(3):206-12
タイトル：Are media warnings about the adverse health effects of modern life self-fulfilling?; An experimental study on idiopathic environmental intolerance attributed to electromagnetic fields (IEI-EMF)
現代生活における健康障害に関するメディアの警告は自己達成するか？：電磁波に関する本態性環境非寛容症の実験的な研究　

研究者：Witthöft M, Rubin GJ.

Abstract 概要：

OBJECTIVE: 目的：

Medically unsubstantiated 'intolerances' to foods, chemicals and environmental toxins are common and are frequently discussed in the media.
医学的に実証されていない食物・化学物質・環境にある毒素への不寛容（過敏性）は、ありふれて、そしてしばしばメディアで話題される。

Idiopathic environmental intolerance attributed to electromagnetic fields (IEI-EMF) is one such condition and is characterized by symptoms that are attributed to exposure to electromagnetic fields (EMF). In this experiment, we tested whether media reports promote the development of this condition.
電磁波に対する本態性環境非寛容症はそうしたもののひとつであり、電磁波への曝露に関連する症状として記述される。
本研究で、我々はメディアの報告がこの状況を促進しているか否かを実験した。

METHODS: 方法；

Participants (N=147) were randomly assigned to watch a television report about the adverse health effects of WiFi (n=76) or a control film (n=71).
実験参加者は無作為にWiFiが健康に悪影響するというテレビ番組を見る群（76名）と、普通の映像を見る群（71名）に分けられた。

After watching their film, participants received a sham exposure to a WiFi signal (15 min).
映像を見てから、実験参加者は15分のWifiの擬似曝露を受けた。（15分のWifi電磁波への曝露と言いながら、実際は電磁波を曝露しなかった、という意味）

The principal outcome measure was symptom reports following the sham exposure. Secondary outcomes included worries about the health effects of EMF, attributing symptoms to the sham exposure and increases in perceived sensitivity to EMF.
疑似曝露後に症状に関する告知を持って、基本的な実験データとした。
電磁波の健康影響に関する不安感と、疑似曝露に関連する症状、電磁波の感知が増えるかも、2次的な実験データとした。

RESULTS: 結果

82 (54%) of the 147 participants reported symptoms which they attributed to the sham exposure.
The experimental film increased: EMF related worries (β=0.19; P=.019); post sham exposure symptoms among participants with high pre-existing anxiety (β=0.22; P=.008); the likelihood of symptoms being attributed to the sham exposure among people with high anxiety (β=.31; P=.001); and the likelihood of people who attributed their symptoms to the sham exposure believing themselves to be sensitive to EMF (β=0.16; P=.049).
147名の実験参加者の中の82名（54%）は疑似曝露に関連する症状を訴えた。
映像を見ることで、不安感が増加し、より不安を・・・・・（意味不明）、より不安感を強く抱いていた人の中に疑似曝露による症状の増加がみられ、自分で電磁波に過敏であると信じている人が疑似曝露を受けたことによって生じた症状であると、思われる。

CONCLUSION: 結論

Media reports about the adverse effects of supposedly hazardous substances物 can increase the likelihood of experiencing symptoms following sham exposure and developing an apparent sensitivity to it.
Greater engagement between journalists and scientists is required to counter these negative effects.
危険と推定されるものの健康障害に関するメディア報告は、疑似曝露（曝露していない）によって症状が増加するとみられる、そして、見かけ上それらの感知を増加させている。
ジャーナリストと科学者の間の協力が、これらの陰性効果に立ち向かうことに関して必要である。

関心のある方は、原著全文を入手して、読んでください。

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４４．本堂毅2012年論文にみる電磁波過敏症

記：２０１４－１２－７

以下の研究があります。
気のついた点のみを抜粋して紹介します。
関心のある方は、原著全文を入手して読んでください。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　　　　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
掲載誌：臨床環境21：152～160，2012年
タイトル：電磁場過敏症研究：物理学者からみた課題
研究者：本堂毅　宮田英威

要約
電磁場（電磁波)過敏症と呼ばれる症候群がある。
しかし現状では,症状の多様性,その原因として疑われている電磁場（電磁波）の多様性もあり.専門家間でも理解が十分に進んでいるとは言えない。
著者らは.その大きな原因に、電磁場の物理的特性が研究手法や解釈に.必ずしも適切に反映されていない点をみる。
この問題は.専門家だけでなく、患者自身の症状把握にも影響し、疾患の的確な理解の妨げになっている。
そこで、本稿では電磁場（電磁波）過敏症と呼ばれる疾患群を研究・理解するために必要と思われる概念としての電磁場の性質を、この疾病に関する研究知見を参照しながらまとめてみたい。
また、アメリカの原子力物理学者.ワインバーグが摘摘した、トランス・サイエンス概念に関わる論点を紹介することで、電磁場過敏症に関わる議論が、今後より的確かつ建設的に進むための条件を論ずる。

その他に、以下のような記述がある、
・電磁場過敏症を訴える者の多くは、マイクロ波曝露などを正しく知覚できると語る者が多いが、盲験法で曝露を行うと、個々の患者の訴えは必ずしも正しくないことが多い。
・電磁場曝露を患者に知らせた上で実験を行うと、実際には電磁場曝露がない場合でも、統計的有意な水準で、症状を訴える患者が増える例が報告される（ノセボ効果）。
・近くの携帯電話から生ずるマイクロ波曝露などを常に知覚できるとする訴えは少なくないが、この訴えが多くの場合、必ずしも正しくないことは、これまでの諸研究で繰り返し示されてきた。筆者自身もこれを確認している。

・非熱的効果の場合に用量反応関係が常に成り立つと考えることの方がむしろ困難である。

この点に着目した実証的研究は多い。

たとえばスウェーデン・ルンド大学の物理学者、Eckhardtらのチームは、ほうれん草の細胞膜におけるカルシウムチャンネルの透過性を、周波数、磁場強度の双方を変化させながら調べた。

その結果、低周波磁場の周波数と強度の双方に共鳴的応答を返すことを確認している。

・渡り鳥は、いわば「磁場コンパス」を持ち、活用しているのである。
一連の研究からは、さらに興味深い知見も見つかる。
地球磁場を磁場コンパスで知覚する鳥は、その地球磁場より２〜３桁低い強度の磁場を持つ電磁波（0.1〜10MHz の電波帯）を浴びると、その磁場コンパス機能が損なわれるという。
この実験はまるで、電磁場過敏症のモデル研究のようだが、目的は鳥が磁場を感知する「メカニズム」の解明であった。
鳥の身体の中に磁石（magnetite）のような物質が存在しているのか、あるいは、化学反応が磁場によって変化することが素過程なのか、というメカニズム論争への解を調べる目的で行われた研究の結果である。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

BEMSJのコメント：
最後の項の渡り鳥の研究は、以下の研究である。

掲載誌：Nature. 2004 May 13;　429(6988):177-80.

タイトル；Resonance effects indicate a radical-pair mechanism for avian magnetic compass.
研究者：Ritz Tら　

Full Textを入手し、読んでみた。
地磁気46μTに対して、外乱ノイズ0.1-10MHz（周波数を徐々に変化させたのか、様々な周波数を同時に照射したのか、論文では明記されていない）では磁界強度0.085μT　単一磁界7MHzでは0.47μT　という磁界を照射している。
この高周波電磁界の照射で、鳥の方向感覚が鈍った、という研究である。

磁界曝露なので、鳥の体内に誘導電流が流れる。
ICNIRPの1998年ガイドラインで、電気刺激作用に関する制限値は7MHzでのヒト（公衆）への曝露限度値は0.13μTである。
ICNIRPのこの規定は、この磁界によって体内に誘導する電流が流れ、それが体内に存在する神経電流などを擾乱しないレベルに抑えることを目的にしている。

鳥は小さいので、誘導電流はヒトの場合よりは少ないとしても、実験条件の0.47μTは、それなりの大きな誘導電流を鳥に流していることになる。
何か影響があってもおかしくはない。
鳥に地磁気を感じる組織があって、それから脳へ信号電流が流れる。
その信号電流を擾乱するような高周波磁界による誘導電流が流れれば、鳥の磁気感知機能は擾乱される　と見ることができる。

鳥の場合は磁気コンパス機能による信号電流を擾乱するだけの高周波磁界に曝露するので、磁気コンパス機能が損なわれるのであって、このことから、ヒトが微弱な磁界を感知できるかもしれない・・・・と論を展開するのは、大きな過ちではないだろうか。

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４５．EBM誌 Johanssonの2006年電磁波過敏症の研究

記；２０２０－６－７

以下の研究がある。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
掲載誌：Electromagnetic Biology and Medicine, 25: 245–258, 2006
タイトル：Electro-hyper-sensitivity: State-of-the-Art　of a Functional Impairment
電磁過敏症：機能障害の現状

研究者：Olle Johansson

概要
Recently, a new category of persons, claiming to suffer from exposure to　electromagnetic fields, has been described in the literature.
最近、電磁波曝露に不安を訴えるという人という新しい属性が、文献の中に登場するようになった。

In Sweden, electro-hypersensitivity (EHS) is an officially fully recognized functional impairment (i.e., it is not regarded as a disease).
スウェーデンでは、電磁波過敏症は、病気としてではなく、機能不全として公式に認定されている。

Survey studies show that somewhere between 230,000–290,000 Swedish men and women report a variety of symptoms when being in contact with electromagnetic field (EMF) sources.
研究によれば、２３万から２９万人のスウェーデンの男女が電磁波発生源に近接した時に様々な症状を訴えている、

The aim of our studies has been to investigate possible alterations, in the cellular and neuronal systems of these persons’ skin.
我々の研究の目的は、これらの人々の皮膚の細胞や神経系に変化が現れるかを、調査することである。

As controls, age- and sex-matched persons, without any subjective or clinical symptoms or dermatological history, served. Immunohistochemistry using antisera to the previously characterized marker substances of interest has been utilized.
年齢・性別にマッチし、臨床的な症状や皮膚学上の履歴を持たない対照群を得た。
抗血清を用いた免疫組織化学で解析を行った。

In summary, it is evident from our preliminary data that various alterations are present in the electro-hypersensitive persons’ skin.
結果として、電磁波過敏症の人の皮膚に様々な変化が存在するという初期的なデータを得た。

In view of recent epidemiological studies, pointing to a correlation between long-term exposure from power-frequent magnetic fields or microwaves and cancer, our data ought to be taken seriously and further analyzed
電力周波数の磁界やマイクロ波とガンの関連性を示す最近の疫学研究を見ると、我々のデータは「重篤」とすべきである、さらなる解析が必要である。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

概要では何か実験をやったようであるが、概要ではその詳細は示されていない。

Full textを読むと
・健康なボランティアの皮膚の中の表皮内神経細胞の存在を調査した。
・この細胞は電磁波の影響を受けやすいと思われる。

ということはわかるが、具体的な実験方法、実感結果のデータに関しての記述はない。

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４５Ａ．臨床環境医学誌２０１２年に掲載された加藤やすこの電磁波過敏症に関する論文

以下の論文がある。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
掲載誌：臨床環境医学　2l巻　P123-130.　 2012年
タイトル：電磁波過敏症発症者の現状：　症状、電磁波発生源、経済的・社会的問題と予防原則
研究者：加藤やすこ、Olle Johansson

要約
携帯電話や無線Lanなど無線通信機器の普及と共に、電磁波過敏症　（EHS)を発症したと訴える人が増えている。
EHSの主な症状は、目眩、耳鳴り、吐き気、倦怠感、頭痛、不眠等だ。
しかし、日本での有病率は不明である。
私たちの郵送アンケート調査は、EHSのために働けない、交通機関を利用できないといった数多くおの経済的・社会的問題を明らかにした。

日本の電波防護指針の１万分の１、または1,000万分の１も低い曝露制限を採用している国や自治体もある。
そのため、指針値の見直しと曝露削減策実施は急務である。
日本でも、予防原則の観点から、早急な電磁波曝露対策を行うべきだと考える。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

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４６．臨床環境医学誌２０１２年に掲載された宇川義一の電磁波過敏症に関する論文

以下の論文がある。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
掲載誌：臨床環境医学　2l巻　P:161-170　2012年
タイトル：ヒトの中枢神経への影響:人での携帯電話による電磁場曝露実験より
研究者：字川　義一

要約
我々がこれまで行って、携帯電話または基地局アンテナを模倣した曝露装置での電磁場曝露のヒトの中枢神軽に対する影響の実験結果をまとめて概説した。
聴覚脳幹誘発電位、体性感覚誘発電位、運動誘発電位とも、一発刺激の反応も2連発刺激でのGABA動性抑制性介在ニューロン機能の評価も影響を受けなかった。
上肢の反応時間タスク、何種類かのサツカード眼球運動も影響されなかった。
いわゆる電磁波過敏症に関しては、アンケート調査を施行したところ、日本では男女とも一般人口の約1．2％が自分は携帯電話からの電磁場で健康被害を被っていると考えていた。
この過敏症群とコントロ‐ルの郡を対象に. 3種類の電磁場曝露と騒音曝露の4種類の曝露実験を試行し、自立神経反応.上肢反応時間タスク・電磁波を感じたかの質問・気分に関する質問を施行した。
騒音は有意に不快感を誘発、電磁場は誘発しなかぅた。
睡眠脳波のよる睡眠構築に関しても、3時問の電磁場曝露が影響する証拠はなかった。

関心のある方は、原著全文を入手して読んでください。

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４７．臨床環境医学誌２０１６年に掲載された北條祥子の電磁波過敏症に関する論文

以下の研究がある。

掲載誌：臨床環境医学第25巻第2号2016年
タイトル：新たな健康リスク要因としての電磁場－電磁過敏症の疫学研究からの問題提起－
研究者：北條祥子

概要：
筆者らは、米国のMillerとPrihodaが化学物質過敏症（MCS）用問診票として開発し、多くの国で使用されているQuick Environmental Exposure and Sensitivity and Inventory（QEESI）を用いて、日本のMCS やシックハウス症候群（SHS）の疫学調査を行ってきた。

その過程で、MCSやSHS患者の中には身の周りの様々な電磁場発生源（パソコン、携帯電話、携帯基地局、テレビ塔など）からの電磁場に電磁過敏（EHS）を訴え、化学物質対策と共にEHS対策をしないと症状が改善しない患者が存在することを経験した。

この点を確認するために、筆者らは、英国のEltitiらがEHS評価用に開発した“EHS問診票”を日本語訳の上、日本人の生活スタイルに合わせて若干の改定した“日本語版EHS問診票”を作成し、この問診票とQEESIを併用した様々な調査を実施している。

本稿では、筆者らが国際学術雑誌に発表した最新論文“日本語訳版EHS問診票の作成とその信頼性と妥当性の確認”の概要を紹介しながら、新たな健康リスク要因としての電磁過敏症問題の解決に向けた今後の課題について考えたい。

関心のある方は、原著を読んでください。

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４７Ａ：2016年の北條らの論文

＊最初に

以下の報道があった。
河北新報　2016年8月26日の記事

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
＜電磁過敏症＞日本人の3.0〜4.6％に症状

北條祥子尚絅学院⼤名誉教授（環境医学）が代表を務める早稲田大応用脳科学研究所の研究グループが、電磁波にさらされると頭痛や皮膚症状などが起こる「電磁過敏症」について、日本人の３．０〜４．６％が症状を訴えているとの研究結果をまとめた。

調査を今後も続け、診断基準や治療法の開発につなげたい考えだ。
国際学術雑誌「バイオエレクトロマグネティックス」の最新号に論文が掲載された。
英国では、２万人を対象にした調査で人口の４％に電磁過敏症の症状が見られるとの報告があり、日本人も同様の高率で症状を示す人がいる可能性が出てきた。

実態調査は１２〜１５年、北條名誉教授らが開発した問診票を３２都道府県の⼀般市民２０００人と、電磁過敏症を自己申告している自助組織メンバー１５７人に送付して実施。
症状の有無や電磁波を出す家電製品などとの関連を尋ね、それぞれ１３０６人、１２７人から有効回答を得た。
研究グループは、「電磁波の発生源とその症状を二つ以上記述している」といった暫定基準を設定し、超えた⼈を「自己申告患者」と同等の症状を訴えていると判定。

⼀般市民のうち６０人が基準を超過した。

６０人が訴えた症状は、鬱（うつ）や集中力の欠如などの神経症状が最も多かった。
吹き出物や腫れ、赤みといった皮膚症状、頭痛、筋肉・関節症状が続いた。
症状と電磁波を出す機器などとの関連に関しては、自助組織の回答者１２７⼈のうち７６⼈（複数回答）が家電製品を一番に挙げた。

次いで携帯電話（７４人）、パソコン（５３人）、携帯電話基地局（３９人）、テレビ（２４人）、蛍光灯（２３人）、送電線（１６人）、電⼦レンジ（１５人）、ラジオ・テレビ塔（７人）の順だった。

自助組織メンバーはアレルギ疾患の既往率が６５％と高く、その８０％以上がシックハウス症候群や化学物質過敏症を併発していた。

電磁過敏症は発症の仕組みがよく分かっておらず、診断基準も定まっていない。
北條名誉教授は「電化製品のあふれた現代では誰がいつ発症してもおかしくない。
アレルギのように患者が急増しないうちに何らかの予防策を提案できるよう、さらに調査を進める」と話す。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

＊実際の刊行された学術論文は以下である。

掲載誌：Bioelectromagnetics. 37:353–372, 2016.
タイトル：Development and evaluation of an electromagnetic hypersensitivity questionnaire for Japanese people
日本人を対象とした電磁波過敏症に関する質問票の開発と評価
研究者：Sachiko Hojo, Mikiko Tokiya, Masami Mizuki et al:

Abstract 概要

The purpose of the present study was to evaluate the validity and reliability of a Japanese version of an electromagnetic hypersensitivity (EHS) questionnaire, originally developed by Eltiti et al. in the United Kingdom.
本研究の目的は、英国のＥｌｔｉｔｉｔらが開発した電磁波過敏症に関する質問票の日本語版の信頼性と有効性を評価することである。

Using this Japanese EHS questionnaire, surveys were conducted on 1306 controls and 127 self‐selected EHS subjects in Japan.
この電磁波過敏症の質問票を用いて、日本における自己認定電磁波過敏症者127人、対照群1306人に対して、調査を行った。

Principal component analysis of controls revealed eight principal symptom groups, namely, nervous, skin‐related, head‐related, auditory and vestibular, musculoskeletal, allergy‐related, sensory, and heart/chest‐related.
基本要因解析は、神経質、皮膚関連、頭部関連、聴覚および前庭、筋骨格系、アレルギ関連、感覚、心臓・胸関連の8つの基本症状グループを明らかにした。

The reliability of the Japanese EHS questionnaire was confirmed by high to moderate intraclass correlation coefficients in a test–retest analysis, and high Cronbach's α coefficients (0.853–0.953) from each subscale.
日本語版電磁波過敏症質問票の信頼性は、それぞれのサブ指数において、試験―再試験解析における相関係数と、Ｃｒｏｎｂａｃｈのα係数が高度から中度であることから、確認した。

A comparison of scores of each subscale between self‐selected EHS subjects and age‐ and sex‐matched controls using bivariate logistic regression analysis, Mann–Whitney U‐ and χ2 tests, verified the validity of the questionnaire.
bivariate logistic regression解析、Mann–Whitney U‐ and χ2テストを用いた自己認定電磁波過敏症者と年齢・性別をマッチさせた対照群との間のサブ指数の数値の比較で、この質問票の有効性を確認できた。

This study demonstrated that the Japanese EHS questionnaire is reliable and valid, and can be used for surveillance of EHS individuals in Japan.
この研究で、日本語版電磁波過敏症質問票は有効であり、信頼できることが示された。そして、日本における電磁波過敏症者個々の確認に有効であることが示された。

Furthermore, based on multiple logistic regression and receiver operating characteristic analyses, we propose specific preliminary criteria for screening EHS individuals in Japan.
さらに、multiple logistic regression解析とreceiver operating characteristic解析に基づき、日本における個々の電磁波過敏症者の判定に使う1次判定に使うことを、我々は提案する。
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河北新報の記事と、刊行された論文の概要では、かなりニュアンスが異なる。
この論文は、公開されているので、このＷＥＢでも紹介する。　　こちらへ

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４７B．臨床環境医学誌２０１８年に掲載された北條祥子らの環境過敏症に関する論文

記；２０２０－３－２

以下の研究がある。

掲載誌：臨床環境医学（第27巻第2号）2018年
タイトル：疫学調査からみた日本の環境過敏症患者の実態と今後の展望
研究者：北條祥子ら

抄録
近年、先進国を中心に、環境過敏症（環境不耐症）と呼ばれる健康障害を訴える人の増加が報告され始めている。
環境過敏症とは、通常では感じないレベルの微量化学物質（建材、受動喫煙、農薬、殺虫剤、芳香剤、柔軟剤由来）や物理的要因（音、パソコン・携帯電話・携帯基地局等からの電磁波（場））により多臓器に多彩な症状が発現する健康障害の総称である。

代表例は、シックハウス症候群、化学物質過敏症、電磁過敏症等であり、アレルギ疾患と密接な関係があると考えられているが、その病態は科学的に未解明なことが多い。
このような健康障害の病態解明や予防対策は、患者を抱える国々が、自国の患者の実態に関するエビデンスを集積し、情報交換・共有しながら検討する以外ない。

そこで、ここでは、北條らが約30年間実施した日本における環境過敏症の疫学調査結果、殊に最新の疫学調査の概要を中心に示しながら、この問題の解決に対する今後の展望について述べた。

本文を見ると
・北條は、1990年から、厚生労働省のシックハウス病態解明検討委員会（石川班3期、相澤班2期）、シックハウス問題対策検討会（代表；吉野博）の中で、米国のMillerとPrihodaが開発したQuick Environmental Exposure Sensitivity Inventory（QEESI）の和訳版の信頼性・妥当性を確認した。
そして、QEESIを用いて、日本におけるシックハウス症候群SHS、化学物質過敏症MCSに関する疫学調査を実施してきた。

これらの調査過程で、SHS患者やMCS患者の中には、身の周りの様々な微弱な電磁波（場）に過敏反応を訴え、化学物質対策だけでは症状が軽減しない患者の存在を知った。
そこで、これらの患者の電磁過敏性を評価するために、北條らは英国のEltitiらが開発した問診票を和訳し、さらに日本人の生活スタイルに応じて改定した。
EHS問診票を作成した。

そして、2010年からは、QEESIとEHS問診票を併用した環境過敏症に関する疫学調査を実施している。

（6）結論
この10年間の日本人の生活スタイルの急速な変化に伴い、日本人の日常的微量化学物曝露状況も大きく変化しており、それが日本のMCS患者の重篤化に反映していると考える。
一方、一般人群では、現状では症状はマスキングされているが、何らかのきっかけで過敏反応が顕在化し、MCSを発症する可能性があるので、早急な予防対策が求められると考える。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

電磁波過敏症に限定した記述は少ない。
関心のある方は、原著全文を読んでください。

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４８．2015年のEUの電磁波過敏症見解

記：２０１７－７－２２

以下の見解が示されている。

No 6/2015

23 January 2015

Electromagnetic hypersensitivity: EESC urges主張する continuance of the precautionary principle through regulation and advisory work

電磁波過敏症：EESCは法規制と勧告作業を通しての予防原則の継続を主張する。

At its January plenary session, the EESC adopted an opinion on electromagnetic hypersensitivity syndrome (EHS) which recognises the distress being suffered by people in Europe who believe they are affected.
1月の総会で、EESCは、自ら影響を受けていると信じている欧州の人々が不安を感じている苦痛とされる電磁波過敏症の関する提言を採択した。

The opinion, which was adopted by 136 votes to 110 with 19 abstentions, calls for sympathetic and appropriate treatment and support for this condition.
この提言は、19の棄権と、136対110の投票の結果として、採択された。この状態に関する思いやりと適切や治療と支援を呼びかけている。

Although the EESC opinion says that radiofrequency exposure is not causally linked to EHS symptoms, it urges continuance of the precautionary principle through regulation and advisory work, particularly as further research is still needed to accumulate evidence concerning any potential health impact from long-term exposure.
EESCの提言は、電磁波暴露は電磁波過敏症と因果関係がないとしているが、法規制と勧告の作業を通して予防原則の継続を強調しており、特に、さらなる研究による長期暴露による健康影響に関する確証の集積が必要であると。

The EESC opinion on electromagnetic hypersensitivity syndrome points out that further substantial research is ongoing to understand the problem and its causes.
It also notes that the European Commission’s Scientific Committee on Emerging and Newly Identified Health Risks (SCENIHR) has performed an extensive analysis of this issue and will shortly be completing its latest opinion which draws on a broad public consultation.

電磁波過敏症症候群に関するEESCの提言は、問題と原因の理解のために更なる実のある研究が進行中であると、指摘している。
また、EESCの緊急・新規検出健康リスに関する科学委員会（SCENIHR）はこの課題に関する広範な解析を行っており、広範な公共会議で導き出される最新の提言を、近々、まとめる予定である。

The opinion will soon be adopted and will be published on the SCENIHR website
http://ec.europa.eu/health/scientific_committees/emerging/index_en.htm).
この提言は、近々に採択され、以下のSCENHIRのWEBサイトに公開される予定である。

注：EESCは1月22日に開催された総会で、電磁過敏症（EHS）に関する提言を採択しました。
これは、先月提出された予備的提言草案に対する別のグループが提出した逆提言（Counter‒Opinion）です。

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４９．２０１７年電磁波過敏症シンポジウムの概要

記：２０１７－１０－２０

シンポジウムの開催案内と電磁波研会報第107号2017/7/30にあった内容とから編集

＄１．開催要項から

第26回⽇本臨床環境医学会学術集会
⽇時：2017年６⽉24⽇－２５日
場所：東海⼤学⾼輪校舎２号館

プログラムから
15:25 - 16:15一般講演4 座長本堂毅（東北大学）
O-17 脳脊髄液減少症と化学物質過敏症および電磁波過敏症の関連性に関する調査研究～薬剤師からみた脳脊髄液減少症の症例報告～（第1報）
鈴木高弘（日本調剤薬剤本部）ら
O-18 脳脊髄液減少症と化学物質過敏症および電磁波過敏症の関連性に関する調査研究～薬剤師による問診票を用いたスクリーニング～（第２報）
中里直美（国際医療福祉大学熱海病院薬剤部）ら
O-19 携帯基地局周辺の家屋における電磁波低減対策
吉富邦明（九州大学日本エジプト科学技術連携センタ、早稲田大学応用脳科学研究所・環境と健康研究会）
O-20 低周波磁場が株化マクロファージRAW264 に及ぼす細胞生物学的影響の検討
宮田英威（東北大学理学部物理学科）ら

9:00 - 9:40 一般講演6 座長石竹達也（久留米大学）
O-27 電磁場不耐症臨床研究の自動化アルゴリズム設計と開発（経過報告）
本堂毅（東北大学大学院理学研究科）ら
O-28 電磁波過敏症をめぐる各国の動向：学校Wi-Fiと子どもへの影響を中心に
加藤やすこ（いのち環境ネットワーク）
O-29 バイオマーカーを用いた電磁過敏症診断の可能性
上田昌文（NPO法人市民科学研究室）

市民公開シンポジウム
シックハウス症候群・化学物質過敏症・電磁過敏症の最新知見と今後の展望
コーディネイター：北條祥子［早稲田大学応用脳科学研究所招聘研究員（生活環境と健康研究会代表）］
日時：2017 年6月25 日（日）13:15-16:15
場所：東海大学高輪キャンパス2号館・2B101教室
主催：日本臨床環境医学会
共催：早稲田大学応用脳科学研究所
協賛：全国保険医団体連合会、室内環境学会、日本環境学会、東海大学

13:15 開会の挨拶北條祥子（早稲田大学応用脳科学研究所・生活環境と健康研究会代表）
13:20 話題提供座長：相澤好治 (北里大学名誉教授)、吉野博（東北大学総長特命教授）
1）疫学調査からみた現状と今後の展望北條祥子（早稲田大学応用脳科学研究所招聘研究員）
2）アレルギ専門医からみた現状と今後の展望西間三馨（国立病院機構福岡病院名誉院長）
3）成人過敏症患者の診療現場からみた現状と今後の展望水城まさみ（国立病院機構盛岡病院呼吸器科専任部長）

4）小児過敏症患者の診療現場からみた現状と今後の展望角田和彦（かくたこども＆アレルギークリニック院長）
5）過敏症患者の歯科診療現場からみた現状と今後の展望青木真一（秋田県協和町歯科診療所院長）
6）看護相談室の看護師からみた現状と今後の展望今井奈妙（三重大学大学院医学系研究科看護学専攻教授）
7）環境システム工学から見た現状と今後の展望柳沢幸雄（東京大学名誉教授）
8）健康リスク学から見た現状と今後の展望東賢一（近畿大学医学部環境医学・行動科学教室准教授）
9）法律家からみた現状と今後の課題中下裕子（コスモス法律事務所弁護士）

15：35-15：45 休憩
15:45 総合討論（会場との質疑応答など）
座長：坂部貢 (東海大学医学部長)、石川哲（北里大学名誉教授）
16:10 開会の挨拶石川哲（北里大学名誉教授）

＄２．電磁波研会報第107号2017/7/30の記事から

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臨床環境医学会での研究発表より

化学物質過敏症に関する研究が多く発表される「日本臨床環境医学会」の第26回学術集会が6月24、25の両日、東海大学高輪キャンパス（東京都）で開催されました。
電磁波、電磁波過敏症（EHSまたはES）に関する発表の中から、筆者が特に印象的だったものをご紹介します。

新しい方法の曝露試験を準備
東北大学大学院の本堂毅准教授（共同研究者は、かくたこども＆アレルギークリニックの角田和彦さんら）が、EHS（本堂さんは「電磁場不耐症」と呼称）発症者に対して二重盲見による曝露試験を行いEHSの存在を証明するための新たな手法の開発について経過報告しました。

昨年の同集会で角田さんが、赤外線酸素モニタ(NIRO)による脳血流変化の観察と起立試験を組み合わせる方法によって、電磁波曝露による他覚的変化を高感度で捉えることができることを報告しました。
しかし、角田さんによる従来の方法は被験者を起立させるタイミングを医師が決めているため、二重盲見ではありません。

本堂さんは、電磁波（50Hz、10μT）の曝露や偽曝露、起立・着席などを、すべてコンピュータが判断、指示する手法を開発。
この研究がうまくいけば、EHSを客観的に証明できる可能性があります。
本堂さんによると、今後「健常者」に対する曝露試験を経て、2年後ぐらいに発症者に対する試験を行いたいとのことでした。

小学生、電磁波環境と体調など関連
近藤加代子・九州大学教授らは、九州のある小学校の全校児童600名にアンケートを配布し、以下の項目などを質問しました。
・SDQ（子どもの行動上の問題に関するスクリーニング尺度）
・既往・現病歴
・家庭内の無線LAN・IHヒーター・コードレス電話・ゲーム機などの有無
・家族および子どもの携帯・スマホの使用の有無
・携帯電話基地局との距離
・新築・改築・塗装（３年以内）の有無
・殺虫剤・防虫防かび剤・芳香剤の使用頻度
・受動喫煙の頻度

回答を分析したところ、「体がだるい」と「基地局から300m以内」、「目の充血」と「防虫剤の使用」、「口内炎」と「IHヒーターの使用」、SDQ「支援の必要あり」と「家族のスマホ利用あり」との関連が強く見られました（オッズ比4以上、統計学的有意）。

脳脊髄液減少症で起こる過敏症
国際医療福祉大学熱海病院の中里直美さんらは、同病院で受診した脳脊髄液減少症患者75名を対象とした問診票調査を行い、同症患者の50.7%にMCSの疑い、33.3%にEHSの疑いがありました。
さらに、音過敏を57.5%が、光過敏を59.7％が訴えました。
化学物質や電磁波への曝露以外の引き金で過敏症が起こり得ることを筆者は初めて知りました。
過敏症の発症メカニズム解明につながるかもしれないと思いました。

携帯基地局からの電波をシールド
吉富邦明・九州大学教授は、宮崎県延岡市大貫町の携帯電話基地局からの電波により健康影響が出るため使用できなくなっていた事務所で以下の通り電磁波シールド対策を行い、使用できるようになったと報告しました。
（1）窓ガラスに電磁波遮蔽フィルム（住友スリーエム社製LE35AMAR）を貼付
（2）内壁にアルミニウム遮熱シート（ライフテック製サーモバリアスリム）を貼る
（3）上記遮熱シートを合板で覆い、合板にシールドペイント（YSHIELD社製HSF54）を塗布
（4）上記遮熱シートと上記シールドペイント塗布面にアース接地板を取り付け、地面のアース棒とアース線で接続
以上により、窓を開けたとき最大4.953μW/cm2、窓を閉めたとき最大0.0126μW/cm2となりました。

ただし、シールド後の測定で事務所内のコードレス電話周辺で高い電磁波が計測され、電話をオフにすることで電磁波が低下したとのことです。

（略）
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５０．Ashildらの2013年ノルウェーでの電磁波過敏症研究

記：２０１８－１－２８

以下の研究がある。
掲載誌：Journal of the Royal Society of Medicine Short Reports; 4(11) 1–8 (2013)
タイトル：Electromagnetic hypersensitivity (EHS) in the media – a qualitative content analysis of Norwegian newspapers メディアにおける電磁波過敏症：ノルウェーの新聞の定性的な記事の解析
研究者：Ashild Huiberts et al;

Summary　抄録
Objectives: Electromagnetic hypersensitivity (EHS) is a condition characterized by experiencing symptoms after perceived exposure to weak electromagnetic fields (EMFs).
目的：電磁波過敏症は微弱な電磁界への曝露に気が付いた後に経験する症状として特徴づけられる状況である。

There is substantial debate concerning the etiology of EHS, but experimental data indicate no association between EHS and actual presence of EMFs.
電磁波過敏症の因果関係学に関する多くのデータベースがあるが、実験データは実際の電磁波の存在と電磁波過敏症の間に関連性はないということを示している。

Newspapers play a key role in shaping peoples’ understanding of health-related issues.
新聞は健康関連の事項を、人々が理解を進めるために、カギとなる役を担っている。

The aim of this study was to describe the content of newspaper articles concerning etiology and treatment of EHS.
この研究のねらいは、因果関係学と電磁波過敏症の治療に関する新聞記事の内容を取りまとめることにある。

Design: Qualitative content analysis of newspaper articles.
研究方法：新聞記事の定性的な内容解析

Setting: Norwegian newspaper articles were identified using a comprehensive electronic media archive.
設定：包括的な電子的なメディアのアーカイブを利用して、ノルウェーの新聞記事から抽出した。

Participants: Norwegian newspaper articles published between 1 February 2006 and 11 August 2010.
対象：2006年2月1日から2010年8月11日までの間に刊行されたノルウェーの新聞記事。

Main outcome measures: Statements coded according to source of information, whether it was pro or con scientific evidence on EHS etiology, and type of intervention presented as treatment option for EHS.
主な成果の指針：電磁波過敏症の因果関係学の科学的な確証の有無と電磁波過敏症の治療にオプションとして介入があるかに関して、情報源ごとに記事をコード化した。

Results: Of the statements concerning EHS etiology (n=196), 35% (n=69) were categorized as pro evidence, 65% (n=127) as con evidence. Of the statements about EHS interventions assessed, 78% (n=99) were categorized as ‘radiance reduction’, 4% (n=5) as ‘complementary medicine’, and 18% (n=23) as ‘other’.
Cognitive behavioral therapy (CBT) and psychotropic drugs were never presented as possible treatment options for EHS.
結果：電磁波過敏症の因果関係学に関連する記事196件では、35％（69件）は賛成の確証群、65％（127件）は反対であった。
電磁波過敏症に関する介入にまで至った記事では、78％（99件）は「電磁波軽減」、４％（5件）は「代替医学」、１８％（23件）は「その他」であった。
CBT（認知行動療法？）と向精神性薬は電磁波過敏症の可能性のある治療としては、使用されていなかった。

Conclusions: The newspaper media discourse of EHS etiology and recommended treatment interventions is much in conflict with the current evidence in the field.
The majority of statements concerning etiology convey that EHS is related to the presence of weak EMFs, and radiance reduction as the most frequently conveyed measure to reduce EHS-related symptoms.
結論：電磁波過敏症の因果関係学に関する新聞メディアの論述と治療としての介入の推奨は、現在の確証とは大きく反するものであった。
因果関係に関する多くの記述では、電磁波過敏症は微弱な電磁波の存在に関連しているとし、そして電磁波過敏症に関連する症状を減らすために多くの場合は電磁波曝露を低減すると、伝えている。

関心のある方は、原著全文を入手して読んでください。

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５１．吉田らの化学物質過敏症に関する研究2012年

記：２０１８－２－３

以下の研究がある。

掲載誌：日本職業・災害医学会会誌Vol.69 No.1 11-17 2012
タイトル：特発性環境不耐症（いわゆる「化学物質過敏症」）患者に対する単盲県検法による化学物質被曝負荷試験
研究者：吉田　辰夫ら

要旨：
【目的】シックハウス症候群と混同されることもある特発性環境不耐症（IEI，所謂「化学物質過敏症」）の患者における化学物質曝露との関係を明らかにする目的で、トルエン（T）とホルムアルデヒド（FA）の曝露負荷試験をおこなった。

【方法】来院したIEI患者のうち、同意を得られた7名（女性5名、男性2名）にFAを、11名（女性9名、内1名はFAにも曝露、男性2名）にTを単盲検法で曝露した。
影響指標として、自覚症状、瞳孔反応検査、視標追跡眼球運動検査（ETT）、および症状に伴う血圧、脈拍数、SPO2の変化を観察した。

【結果】FA曝露およびT曝露において、何らかの症状を示した患者は皆無であり、症状に伴うバイタル検査の変動は観察されなかった。
また、陽性評価基準を超えて瞳孔反応検査指標が変動し、あるいはETTにおいてサッケードが25％を超えて増加し、かつO ppb曝露での有意な増加が観察されないなどの矛盾がない患者は皆無であった。

【結論】IEI患者の症状等が化学物質によらない可能性が示唆された。
このことは海外の先行研究と一致していた。
国内の先行研究でも用いられた瞳孔反応検査は、測定値が個人間、個人内で大きく変動する検査であり、慎重な取扱が必要である。

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52．室内環境学会2018年のセミナー

新聞赤旗2018年12月25日の記事
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
柔軟剤・芳香剤・微弱電磁波などで健康障害
広がる環境過敏症

通常では問題にならない柔軟剤、芳香剤、殺虫剤などの超微量な化学物質や、パソコン、携帯電話、家電製品などの微弱な電磁波等によっておこる健康障害を環境過敏症といいます。
6－7日に聞かれた室内環境学会学術大会で環境過敏症分科会がセミナーを開催しました。

大会初日の環境過敏症分科会設立記念キックオフ会では、分科会世話人の早稲田大学応用脳科学研究所の北條祥子さんが分解設立趣旨について報告しました。
（略）
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関心のある方は、この新聞の全文を読んでください。

今後、どの様な研究がおこなわれていくのでしょうか？

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53．電磁波で痛みの2016年研究、撤回された研究

記；2019-7-16

Gigazineのサイトにあった内容
https://gigazine.net/news/20160205-electromagnetic-field-pain/
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
2016年02月05日
携帯電話基地局による電磁場は⼿⾜の切断部に「痛み」を生み出してしまう
By Timothy Vogel

携帯電話基地局などの電磁エネルギーを放出する施設により生み出される「痛み」の存在を示す論⽂を発表しました。
論文は電磁場と痛みの関係を科学的に示したものとして注目を集めています。

PLOS ONE: Anthropogenic Radio-Frequency Electromagnetic Fields Elicit Neuropathic Pain in an Amputation Model
http://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0144268
Study Uncovers How Electromagnetic Fields Amplify Pain in Amputees - News Center - The University of Texas at Dallas
http://www.utdallas.edu/news/2016/2/3-31891_Study-Uncovers-How-Electromagnetic-Fields-Amplify-_story-wide.html?WT.mc_id=NewsHomePageCenterColumn
Electromagnetic Fields Shown to Produce Pain in Amputees | Medgadget
http://www.medgadget.com/2016/02/electromagnetic-fields-shown-to-produce-pain-in-amputees.html

電磁場の⼈体への影響は以前から議論されていたところで、その中には⼿術で⼿⾜を切断された⼈が携帯電話基地局の周囲で切断部分に神経痛を感じるという報告が相次いでいたそうです。
こういった報告を受けて、テキサス⼤学の研究チームは「負傷により切断された手足に時折発生する末梢神経の炎症(神経腫)が電磁場に反応しているのではないか」という仮説を立て、電磁場と切断部の神経痛の関係を明らかにすべく実験を行いました。

研究チームは20匹の実験用マウスを「足の切断手術を受けたのと同じような状態の神経損傷が与えられたグループ」と「ニセの治療が施されたグループ」の2つに分けて実験を行いました。
実験は全てのマウスを1週間に一度10分間だけ、無線周波数電磁界を作り出すアンテナ付近にさらして、体に起こる変化を調べるというものです。

アンテナによる電磁場は、携帯電話基地局から39m離れた場所と同じ強さに調節されていたとのこと。

実験開始から4週間後、神経損傷が与えられたグループの88％で神経痛の反応が確認され、健康体のグループでは1匹だけに神経痛と同じ反応が確認されました。
その痛みに対する反応は手足を切断した際の神経損傷の結果として発生し、激しい痛みをうみだす「神経腫」が確認された後も続いていたそうです。

実験を率いたRomero-Ortega博士は「我々が行った実験では、神経腫の発症前に電磁場による神経痛が確認されました。
また、ほとんどのマウスは実験開始直後から神経痛に対する反応をみせました」と話し、「実験は携帯電話基地局の電磁場が痛みをもたらすことを証明する初めての証拠になるでしょう」と話しています。

今回の実験では、あくまでも「マウスの場合、電磁場により神経痛が引き起こされている」ことが示されたわけで、人体でも全くおなじことが起こるかと言うと、それを証明する研究は記事作成時点でないようです。
もし、電磁場が手足の切断を余儀なくされた⼈たちに痛みを与えているのであれば、それを証明するさらなる研究に期待がかかります。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

「電磁場の人体への影響は以前から議論されていたところで、その中には手術で手足を切断された人が携帯電話基地局の周囲で切断部分に神経痛を感じるという報告が相次いでいたそうです。」ということは「手術で手足を切断された人は、携帯基地局の電波（電磁波）」を感じることが出るとということであろうか？

この研究は、ネズミでの実験であるが、そうした可能性を示唆する研究ということができるのであろうか？

関心事は、曝露したネズミの電波強度である。
Gigazineのサイトでは「アンテナによる電磁場は、携帯電話基地局から39m離れた場所と同じ強さに調節されていたとのこと。」とあるだけで、定量的な説明はない。

そこで、原著論文を読んでみた。
掲載誌：PLOS ONEIDOI:10.1371/journal.pone.0144268 January 13, 2016
タイトル：Anthropogenic Radio-Frequency　Electromagnetic Fields Elicit N0europa Pain in an Amputation Model
研究者：Bryan Black et al;

原著を読むと曝露条件は以下とある。

「animals were exposed to a circularly polarized RF antenna (915MHz at 756±8.5mW/m2 during RF EMF exposure revealed a transient increase of 2.1 ± 0.7℃ during stimulation.
動物は円偏光高周波アンテナで曝露（915MHz　756mW/m2）、曝露刺激時の過渡的な温度上昇は2.1+/-0.7℃であった。」
この温度上昇はかなりおおきく、これでは電波曝露による熱効果ではないかと思われる。

さらにこの原著論文を見ると、
この研究は発行元によって、２０１８年にretraction（撤回）という扱いになっていた。
Retraction: Anthropogenic Radio-Frequency　Electromagnetic Fields Elicit Neuropathic Pain in an　Amputation Model
The PLOS ONE Editors
Published: January 5, 2018
撤回の理由は、論文にある温度測定と電磁波の曝露評価に疑問があり、そうした疑問による結論は疑問となる、という理由である。

ということは、この研究は、廃棄される対象と言える。

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５４．携帯基地局からの電磁波に過敏となっているか、再現実験結果2007年

記：２０１９－１０－１９

掲載誌：Environ Health Perspect: 2007 Nov; 115(11): 1603–1608.
タイトル：Does Short-Term Exposure to Mobile Phone Base Station Signals Increase Symptoms in Individuals who Report Sensitivity to Electromagnetic Fields? A Double-Blind Randomized Provocation Study
携帯電話基地局からの電磁波への短時間曝露は、電磁界に過敏と訴える人々の症状を増加させるか？無作為な２重盲検法による再現実験
研究者：Stacy Eltiti, Denise Wallace, Anna Ridgewell et al;

Abstract　　　概要
Background: 背景
Individuals with Idiopathic Environmental Illness with attribution to electromagnetic fields (IEI-EMF) believe they suffer negative health effects when exposed to electromagnetic fields from everyday objects, such as mobile phone base stations.
電磁界に関連する本態性環境非寛容症（IEI）の人々は、携帯電話基地局などの日常的なものから放射される電磁界に暴露すると、健康に悪影響を受けると信じている。

Objectives: 目的
This study utilized both open provocation and double-blind tests to determine if sensitive and control individuals experience more negative health effects when exposed to base station-like signals compared to sham.
本研究では、基地局からの電磁波に類似の曝露時と疑似曝露時を比較して、過敏な人と対照群がより多くの健康への悪影響を受けるかを実験するために、オープン再現実験と２重盲検法を用いた。

Methods:方法
56 self-reported sensitive and 120 control participants were tested in an open provocation test.
f these, 12 sensitive and 6 controls withdrew after the first session.
The remainder completed a series of double-blind tests.
Subjective measures of well-being and symptoms, as well as physiological measures of blood volume pulse, heart rate and skin conductance were obtained.
過敏と主張する56名と対照群として120名は公開された再現実験に臨んだ。
しかし、過敏と主張する12名と、対照群の6名は最初の実験の後に、不参加となった。
残る対象者で、2重盲検法による実験を完遂した。
症状と安寧に関する主観的な評価と、皮膚の導電率・心拍数・血流量の生理学的な指標を測定した。

Results:結果
During the open provocation, sensitive individuals reported lower levels of well-being in both the Global System for Mobile Communication (GSM) and Universal Mobile Telecommunications System (UMTS) compared to sham exposure, while controls reported more symptoms during the UMTS exposure.
オープン再現実験で、過敏と主張する群は対照群に比べて、GSM方式とUMTS方式の携帯電話の電磁波曝露において、共に、安寧に関する指標は低かった。一方で、対照群ではUMTS方式への曝露で、より多くの症状を報告した。

During double blind tests the GSM signal did not have any effect on either group.
Sensitive participants did report elevated levels of arousal during the UMTS condition, while number or severity of symptoms experienced did not increase.
Physiological measures did not differ across the three exposure conditions for either group.
2重盲検法の実験で、GSM方式への曝露では両群ともに影響はなかった。
過敏と主張する群はUMTS方式への曝露で、覚醒のレベルの高まりが報告したが、症状の数や深刻さは増加しなかった。
生理学的な評価では、両群共に、これらの曝露での差異はなかった。

Conclusions:　結論
Short-term exposure to a typical GSM base station-like signal did not affect well-being or physiological functions in sensitive or control individuals.
GSM方式の携帯電話基地局からの電磁波への短期間曝露は、対照群にも電磁波に過敏と主張する人々にも、安寧と生理学的な指標に影響しない。

Sensitive individuals reported elevated levels of arousal when exposed to a UMTS signal.
過敏と主張する人々は、UMTS方式の電磁波に暴露した時、覚醒のレベルが増加することが判った。

Further analysis, however, indicated that this difference was likely to be due to the effect of order of exposure rather than the exposure itself.
継続した研究が必要であるが、この差異は曝露そのものの影響ではなく、本実験の曝露の順序による効果であるように見える。

本文を読むと、
・オープン再現テストでは、被験者は電波の曝露か、疑似曝露（実際は電波は発信していない）がわかっている状態で、実験を行う。
・2重盲検法の実験では、被験者も験者も、電波に暴露しているのか、してないのかわからない状態で実験を行う。
・GSM方式（900MHz, 1800MHz）電波曝露量は各5ｍW/m2（＝0.5μW/cm2）
・UMTS方式（2200MHz）電波曝露量は10mW/m2(=1μW/cm2)

・電磁波に曝露しているかしていないかの判定テスト結果：正答率は
　過敏と主張する群　5分テストで55.2%　50分テストで59.8％
　対照群　5分テスト：51.4%　50分テスト：50.1%
<BEMSJ注；ほぼ半分、ということはほとんど電磁波が出ていることを正確に感知していない。>

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５５．電磁波過敏症の治療例2018年土方ら

記；２０２０－2－24

以下の研究がある。

掲載誌：日東医誌　Kampo Med Vol．69 No．17－14，2018
タイトル：化学物質および電磁波過敏症が疑われた患者の長年の多愁訴に補陽還五湯加減と黄耆建中湯エキスの併用が奏功した一症例
研究者：土方康世　ら

要旨
目的：電磁波過敏症合併化学物質過敏症が疑われた患者に有効漢方処方の検討。
方法：症状を中医学的に血瘀．陽虚、脾虚と弁証し、中国で半身不随に処方されてきた補気・活血・適格作用のある補陽還五湯と補陽作用のある肉桂・炮附子を加えた補陽還五湯加肉桂、附子を投与。残存する下痢などの脾虚症状に、補脾作用のある黄耆建中湯を追加投与した。

結果：長期にわたる頭痛、脱力発作、不眠などのQOL低下が速やかに改善した。
考察：補陽還五湯加肉桂、炮附子で補気・活血・適格・補陽して先瀉し、黄耆建中湯で後補して、化学物質過敏症および電磁波過敏症による諸症状改善に対し、有効である可能性が示唆された。

以下は本文からの抜粋

症例
患者：64歳女性
主訴：化学物質・電磁波に暴露した際の頭痛，脱力発作．不安感。不眠症。

生活歴：初潮：13歳．閉経：52歳。酒．煙草は飲まない。

現病歴：幼少時は自営の油脂工場が遊び場であった。
38歳、プール飛び込み事故で頭部皮下血腫をおこしたが放置していた。
40歳、新築の家に移った後から、原因不明の蕁麻疹が半年続いた。

45歳、改築マンションに引っ越し、壁紙臭が気になり、易疲労や頭痛が出現し継続した。
54歳、自宅の壁紙を張り変えた後、症状が悪化した。
56歳、米国デトロイトに半年間滞在中は頭痛発作が消失したが、帰国後に再発した。
57歳、近医で頭痛に対して五苓散や芍薬甘草湯を投与されたが、無効であった。

60歳、左手足に突然脱力麻痔が起き、約30秒間続いた後消失した。
以後も時々同様の脱力発作や、頭痛発作をくり返した。
その後は、着衣の金属、衣服の洗剤・化粧品曝露、レストラン内食事にてあくび、頭痛、気分不快などの症状が出現し、医療機関受診時にも同様の症状がみられた。
外出時には、原因不明の頭痛・不快感などが頻発するため、極力ひかえていた。
さらに夜間電灯がつくと気分不良となるため、夜は暗所で過ごした。
眼鏡装着時に悪寒を伴う頭痛が出現した。
精神不安も悪化し、初診の1週間前から突然、食思不振、心臓や鳩尾の締め付け感、一人になると耐えられない不安感などを覚えたため、漢方治療を希望してⅩ年4月8日（64歳）に当院を受診した。

西洋医学的診断：
MCSの診断に米国の「コンセンサス1999を用いた。
本患者では、新築の家やマンションの壁紙などで頭痛が出現し、症状の再現性、微量かつ関連性のない多種類の化学物質に反応（着衣の金属・ある種洗剤・化粧品曝露・香水など）し、又、夜間電灯点灯下では気分不良で暗所で過ごした。
原因除去で改善傾向、慢性的状態、多臓器にまたがる症状（日常的な下痢、易怒、不安感、不眠、肩こり、筋肉痛、眼痛、頭痛、ドライアイなど）の6条件を全て満たすため、患者の症状は化学物質過敏症が関与するものと考えられた。
また医療機関受診時、電灯下でも同症状が出現することによりEHSの合併も強く疑われた。

（略）
ただし、ここで注意しなければいけないことは、MCS・EHS患者にとっては漢方薬自体がノセポ効果の対象になりうることである。
これを防ぐためには、薬剤を安易に投与せず、まず時間をかけて患者との信頼関係を構築し、その上で漢方薬の安全性（自然の生薬から構成されており化学物質とは異なる）を十分に理解してもらい、不安を取り除いた後に方剤を投与することが大切と考えられる。

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５６．Havasの2010年Oncol誌電磁波過敏症の論文

記：２０２０－３－９

以下の研究がある。

掲載誌：Eur J Oncol 2010; 5:273–300.
タイトル：Provocation study using heart rate variability shows microwave radiation from 2.4 GHz cordless phone affects autonomic nervous system
心拍数の変動を利用した再現実験は、2.4GHzコードレス電話からのマイクロ波曝露が自律神経に影響することを示した。
研究者：Magda Havas, Jeffrey Marrongelle et al;

Abstract概要
Aim: The effect of pulsed (100Hz) microwave (MW) radiation on heart rate variability (HRV) was tested in a double-blind study.
目的：心拍数の変動にパルス性（100Hz）マイクロ波電磁界の効果を２重盲検法で実験を行う。

Materials and Methods: 実験方法
Twenty-five subjects in Colorado between the ages of 37 to 79 completed an electro-hypersensitivity (EHS) questionnaire.
コロラド地区の３７－７９歳の２５名は、電磁波過敏症の質問表に回答した。

After recording their orthostatic HRV, we did continuous real-time monitoring of HRV in a provocation study, where supine subjects were exposed for 3-minute intervals to radiation generated by a cordless phone at 2.4 GHz or to sham exposure.
彼らの起立性心拍変動を記録した後、再現実験で連続したリアルタイムの心拍変動を計測した。仰向けになった被験者は、３分間隔でコードレス電話の曝露か、疑似曝露をした。

Results: Questionnaire:　質問票における結果
Based on self-assessments, participants classified themselves as extremely electrically sensitive (24%), moderately (16%), slightly (16%), not sensitive (8%) or with no opinion (36%) about their sensitivity.
自己申請によれば、被験者は、非常に電磁界に過敏（24％）、中程度に過敏（16％）、少し過敏（16％）、過敏ではない（８％）、無回答（36％）であった。

The top 10 symptoms experienced by those claiming to be sensitive include memory problems, difficulty concentrating, eye problems, sleep disorder, feeling unwell, headache, dizziness, tinnitus, chronic fatigue, and heart palpitations.
上位10位の症状は、過敏に加えて、記憶力、集中力低下、目、不眠、感覚異常、頭痛、めまい、耳鳴り、慢性疲労、動悸などが含まれる。

The five most common objects allegedly causing sensitivity were fluorescent lights, antennas, cell phones, Wi-Fi, and cordless phones.
上位5位の共通する曝露源は、蛍光灯、アンテナ、携帯電話、WiFi、コードレス電話である。

Provocation Experiment:　再現実験
Forty percent of the subjects experienced some changes in their HRV attributable to digitally pulsed (100Hz) MW radiation.
被験者の40％は、デジタルパルス性マイクロ波電磁界曝露による心拍変動に変化が現れた。

For some the response was extreme (tachycardia), for others moderate to mild (changes in sympathetic nervous system and/or parasympathetic nervous system).
and for some there was no observable reaction either because of high adaptive capacity or because of systemic neurovegetative exhaustion.
幾つかの反応は激し（頻脈）く、他は中程度から軽度（交感神経もしくは副交感神経の変化、）であった。
そして、幾人かは、高い適応能力の為か、交感神経の疲労の為か、変化は観察されなかった。

Conclusions: 結論
Orthostatic HRV combined with provocation testing may provide a diagnostic test for some EHS sufferers when they are exposed to electromagnetic emitting devices.
再現実験と組み合わせた起立性心拍変動は、電磁波輻射装置に曝露した時に苦しむ電磁波過敏症の診断テストとして、使えるかもしれない。

This is the first study that documents immediate and dramatic changes in both Hearth Rate (HR) and HR variability (HRV) associated with MW exposure at levels well below (0.5%) federal guidelines in Canada and the United States (1000microW/cm2).
この研究は、アメリカ・カナダの連邦ガイドライン値（1000μW/cm2）の0.5％という低いマイクロ波曝露レベルにおける、心拍と心拍変動の即時で劇的な変化を示す最初の研究である。

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５７．Havasの2013年REH誌電磁波過敏症の論文

記：２０２０－３－８

以下の研究がある。

掲載誌：Rev Environ Health 2013; 28(2-3): 75–84
タイトル：Radiation from wireless technology affects the blood, the heart, and the autonomic nervous system
無線通信システムからの電磁界は血液、心臓、自律神経に影響
研究者：Magda Havas

Abstract: 概要
Exposure to electrosmog generated by electric, electronic, and wireless technology is accelerating to the point that a portion of the population is experiencing adverse reactions when they are exposed.
電気・電子・無線通信によって発生する電磁汚染への曝露は、曝露した時に異常な反応を示す人々の割合を増加させている。

(略)
Provocation studies presented in this article demonstrate that the response to electrosmog is physiologic and not psychosomatic.
ここで紹介する再現実験は、電磁汚染への反応は生理的であり、精神的なものではないことを示している。

Those who experience prolonged and severe EHS may develop psychologic problems as a consequence of their inability to work, their limited ability to travel in our highly technologic environment, and the social stigma that their symptoms are imagined rather than real.
長期にわたり、深刻な電磁波過敏を経験したヒトは、働くことができない・高度な技術環境下では旅行ができないなどの結果として生理学的な問題を発生させたものかもしれず、そして、彼らの症状は現実ではなく、想像によるものという社会的な汚名を着せられているかもしれない。

概要には、電磁波過敏症の研究の詳細・結果が記載されていない。

原著全文を読むと、

To test the effect of electrosmog on the heart, Havas et al. (11) designed a simple experiment where subjects were exposed to electromagnetic radiation generated by the base of a cordless phone.
電磁汚染の心臓への影響を実験するために、Havasらの2011年研究は、被験者はコードレス電話の親機から発信される電磁波に暴露するという簡易な方法で行った。

This was a double-blind study with randomized real and sham exposure.
この実験は2重盲検法で、無作為に曝露・疑似曝露で行った。

A cordless phone base station was selected as the source of exposure because the base emits a constant beacon signal when it is plugged into an electrical outlet.
コードレス電話の親機を、電話機が電源に繋がっている時は一定のビーコン信号を発信しているからという理由で、選択した。

The beacon signal in this case was a pulsed frequency of 2.4 GHz, the same frequency used in WiFi.
ビーコン電波は2.4GHzのパルス性電波で、WIFIと同じ周波数である。

In the original study (11), 25 subjects from Colorado were tested, and although most subjects did not react adversely to the radiation from the cordless phone base station (see Figure 5, subject A), a few did react with either tachycardia (rapid heart rate) or arrhythmia (irregular heart rate) (Figure 5, subject B).
11の原資料によれば、コロラドからの25名の被験者を対象に実験した；そして、図5の被験者Aに示す様に、ほとんどの被験者はコードレス電話の親機からの電磁波に異常な藩王は示さなかった：しかし、図5のBに示す様に、数人は頻拍（急速な心拍）もしくは不整脈のいずれかを起こした。

The reaction was often immediate and coincided with exposure to the radiation.
電磁界曝露と同時に、即座に反応を示した。

When the radiation ceased, the heart returned to normal．
電磁界曝露を停止すると心臓は正常に戻った。

図５　

The level of radiation in this experiment was well below international guidelines. Subjects were exposed to 3μW/cm2.
この実験で用いた電磁波強度は。国際規格に対して十分に低く、3μW/cm2である。

The cordless phone provocation study has since been repeated for a larger group of subjects and shows similar results (12)
コードレス電話機での再現実験は、より多くの被験者を集めて追試が行われ、文献12に示す様に、同様な結果が得られている。

Additional testing of higher levels of radiation at the sensor did not affect the heart rate variability (HRV) of a subject who was nonresponsive to the original levels. (12).
文献12に示すが、追加の実験として、最初の実験での曝露強度で反応を示さなかった人を対象に、さらに強い曝露で実験を行ったが、心拍数変動に何も反応はなかった。

引用文献
11）Havas M, Marrongelle J, Pollner B, Kelley E, Rees C, et al.
Provocation study using heart rate variability shows microwave radiation from 2.4GHz cordless phone affects autonomic nervous system. Eur J Oncol 2010; 5:273–300.
12.) Havas M, Marrongelle J. Replication of heart rate variability (HRV) provocation study with 2.4GHz cordless phone. Electromagn Biol Med 2013; 32:1–14.

この12番の文献は、問題があるとして、取り消された文献である。

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５８．Havasの2013年EBM誌電磁波過敏症の論文：取り消された論文

記：２０２０－３－９

１）以下はEMF　Portalのサイトにあった研究概要である。

掲載誌：Electromagn Biol Med 2013; 32 (2): 253-266
タイトル：Replication of heart rate variability provocation study with 2.4-GHz cordless phone confirms original findings (RETRACTED).
2.4GHzのコードレス電話による心拍変動の誘発研究の再現実験は最初の結果を確認＜取り消された＞
研究者：Havas M, Marrongelle J

この研究は、69人の被験者（26-80歳；女性73%）の頭部近くにコードレス電話本体からの電磁界（2.4 GHz; 3-8mW/cm2）を3分間のばく露または擬似ばく露をランダムな順番で与え、その間の心拍変動（HRV）を分析した。

実験は米国・カナダの6箇所の、協力を得られる一般家庭や医院で行った。
これらの実験箇所は、元来、電磁界のバックグラウンドレベルが低い（その測定データを示している）が、汚い電気（dirty electricity）を低減するためにGraham Stetzerフィルタを設置した場合もあると述べている。

その結果、HRV分析による分類では、7%が“中－高度の感受性”、29%が“低－中度の感受性”、30%が“感受性なしか少々あり”、6%が“不明”、であった。
事前に調査した電磁過敏症の自己申告は、24%がHRVの結果と一致、32%が自己申告の方が過剰見積もり、40%が自分は電磁過敏症か否か分からない、であった
電磁過敏の体験を報告した39人の被験者のうち、36%がコードレス電話に感受性を示し、かつ心臓の症状を体験したと述べた、などを報告している。

２）この論文は、ヒトを対象とした研究実施に関して、所属の大学の倫理委員会の許可を得ていなかったとして「取り消された」。

従って、この論文の原著全文は、入手できない。
以下は取り消されたことを示す画像。

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５９．関西医療大学紀要2018年亀の電磁波過敏症論文

記：２０２０－３－１２

以下の論文がある。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

掲載誌：関西医療大学紀要, Vol. 12, 2018
タイトル：人工電磁波がもたらす健康影響について―電磁過敏症をめぐる諸問題―
研究者：亀　節子　関西医療大学保健医療学部

要　旨
近年、オール電化、送電線、電気自動車、スマートメーター、携帯電話、Wi-Fi 等、激増する人工電磁波がもたらす環境変化は、EHS（電磁過敏症）患者の発生を増やし続けている。それは、頭痛、耳鳴り、ふらつき、めまい、睡眠障害、血行不良、動悸、関節痛などの症状を呈することが多い。

EHSのメカニズムは不明であり、治療方法も確立されておらず、特定の物質で対応しようとする従来の近代西洋医学的なアプローチのみでは限界がある。

EHSに関する研究としては、例えば、携帯電話で現在使用される人工マイクロ波（主に700MHz ～３GHz）は人体に有害であるという研究報告も無害であるという研究報告もある。
だが、こうした研究を参考にするには、研究者の意向や研究資金の提供者の存在も考慮に入れなければならない。

本稿では、EHSをめぐるこうした諸問題を取り上げ、さらに、その治療方法として、身体の波動性という視点を交えながら統合医療の可能性を考察する。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

どの様な治療方法か？本文を読んでみると：

『東洋医学や手技療法など、いわゆるEBMの対象となりにくい療法も積極的に活用しようとする統合医療は、EHSの治療にとっては、期待される選択肢である。
鍼灸や気功など専門的な代替医療をはじめ、入浴、腹式呼吸、発声や音楽療法等、日常的に対応できるものも取り入れていく姿勢が求められる。
他に効果の可能性を見込める療法として、頭蓋-仙骨療法等による身体のアラインメントの調整、及び適した波動調整水（正常な生命信号に戻す作用を有する水）の摂取が挙げられる。

後者は、私たちの身体の約3分の2が水分であることを考慮しても、波動調整作用の優れた水の摂取は、EHSのみならず、多くの症状改善にも有効であると推察される。
但し、波動調整水の性質の見極めが重要なことは論をまたない。』　とある。

BEMSJ注：
『波動調整水の性質の見極めが重要なことは論ずるまでもないが、波動調整水の摂取はEHSのみならず、多くの症状改善にも有効であると推察される』という論は、特に後半の部分には、大きな疑問をBEMSJは感じる。

別ページでも触れているが、波動水・波動調整水は、似非科学であると言える。
2000年頃に波動ブームが起こったが、波動の欺瞞性が判り、現在では波動はすたれたと思っている。
2018年の論文に書かれているとは、ちょっとした驚きである。

この論文は大学の紀要に掲載されたもので、査読などはないと思われる。
査読付き学術雑誌への投稿ではたぶん、論文としては受理されないものであろうと、思われる。

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６０．電磁波過敏症本堂の見解の精査-1

記：２０２０－４－６　

１）電磁波問題市民研の会報にあった争点
電磁波研会報121号　2019年11月24日　電磁波問題市民研究会・発行　に以下の記事があった。
一部引用

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
「電磁界情報センタ」所長　大久保千代次氏はどこが間違っているか　　東北大・本堂毅さんに聞く

化学物質過敏症（MCS）、電磁波過敏症（EHS）の診療、研究を行う医師や研究者も多数会員になっている日本臨床環境医学会の第28回学術集会が6月、都内で開かれました。
第1日の冒頭、大久保千代次・電磁界情報センタ所長が「教育講演」の講師として登壇し、EHSはノセボ効果（後述）によるもので電磁波曝露のせいではないなど持論を展開しました（会報119号既報。なお、この病気の呼称は様々ありますが、ここではEHSとします）。

電磁界情報センタは「中立的な機関」と白己紹介していますが、それはウソで、電磁波問題の利害関係者である電力会社からの出向者らで運営され、資金を出す賛助会員もその多くは電力会社などであると見られます。

当然、電力会社などに不利になる情報があっても、それを積極的に広報して市民に注意を呼びかけたりはしません。逆に、経済産業省から委託を受けたり、または独自に、全国各地で講演などを行い「電磁波による健康影響は確認されていない」と説いています。

そのような組織の代表者を、なぜこの学会が招いたのか、学会内外にさまざまな憶測を招いたようです。
大久保さんの講演後の質疑応答の際、東北大学の本望毅さんが大久保さんに質問や反論をしましたが、問題点が多過ぎて時間が足りませんでした。

学会で発表するレベルではない
そこで、大久保さんの講演への見解について、本堂さんにインタビューさせていただきました。
本堂さんは、講演について全体として「学会で発表する水準には到底達していない。大久保さんには、電磁場や科学の専門家としての学識がない」と厳しく批判しました。

ここでは、本堂さんが当日指摘した論点ごとに、その問題点などをまとめました。【網代太郎】

電磁波過敏症発症者への曝露実験の評価
大久保さんは、電磁波とEHSの因果関係について、いくつかの論文を示しました。
その中で、スイスのRoosliによる2008の論文も取りあげました。
Roosliを大久保さんは「ルースリー」と読みましたが、本堂さんoにはウムラウト（上に点二つ）が付いているので「レスリー」が正しいと指摘しました）。

Roosliは、過去8件行われた電磁波曝露実験結果のデータをまとめて再分析するシステマティック・レビューを行いました。
曝露実験とは、EHSを訴えている人たちと、そうでない人たちに対して、実験室で電磁波曝露とニセ曝露を繰り返すような実験です。
EHSの被験者がそうでない被験者よりも弱い電磁波を正確に感知できるか、またはEHS被験者が弱い電磁波に曝露されたときだけに症状が出るかなどを調べます。

ほとんどの実験は二重盲検法（実験者も被験者も、電磁波とニセのどちらが曝露中なのか分からないようにして実験する）で行われました。
このRoosli論文の図１によるとEHS被験者トータルで電磁波曝露について、誰でも偶然に正答できることよりも７％正しく答え、EHSでない被験者は２％正しく答えたという結果でした。

大久保さんはこの結果について「EHS被験者の正答率が、偶然よりも高いことを示す証拠は得られなかった」、「(EHS発症者が電磁波を）感知できないという事実に基づけば(EHSの）自己出告は有益な予測因子ではないことが示唆される」などと述べ、この論文をEHSと電磁波曝露の因果関係が存在しない根拠の一つとして紹介しました。

これに対して本堂さんは「私も論文を読んでいますし、Roosliさんと直接お会いしたこともありますが、彼が言っていることは（大久保さんの説明とは）違うと思います。（論文の図1で）ほとんど（統計的）有意ぎりぎりの水準で値が出ている」と反論しました。大久保さんは「それはそうですが（統計的有意でなければ認められないというのは）科学の約束事ですから」と答えました。

私のインタビューに対して本堂さんは、論文の図1から「EHS被験者が電磁場を感知している可能性がけっこうある、と読み取ることができる」という見解を示しました。

「統計的有意」への誤解
なぜ大久保さんと本堂さんの見解が正反対なのか。それは本堂さんによると「統計的有意」についての理解の違いです。
統計的有意とは、データA（例：電磁波曝露についてのEHS被験者の正答率）とデータB（例：だれでも偶然に正答できる率）との違いが誤差で起こる可能性は低いと言えるための統計学的な一定の水準を満たしているという意味です。

しかし「統計的有意でなければAとBに違いはない」という考え方は「科学の世界で議論の余地がない間違い」だと本堂さんは指摘します（「（特定の確度以上で）違いがあるとは言えない」が正しい）。
統計学をきちんと勉強する余裕がなかったためか、そのような初歩的な間違いをしている研究者も多いと言います。

この間違いに基づく誤用が研究論文の中にも多く見られ、そのことが科学に深刻な損害をもたらしていると警鐘を鳴らす科学者800人超による声明が、英科学論文誌「Nature」に今年3月に掲載されました。
声明は、統計的有意を満たすかどうかの二分怯ではなく「統計の不確実さを受け入れる必要がある」とした上で「（統計有意差ではなく）信頼区間を使うべきだ」などと指摘しています。

本堂さんは「大久保氏が言う『約束事』などない。『リスク・コミュニケーション』を標榜する電磁界情報センタの所長が、このような初歩的な間違いをしていることは許されないのではないか」と指摘していました。

２）Roosliの2008年論文の概要

概要を以下に示す。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
掲載誌: Environ Res 2008; 107 (2): 277-287
タイトル：Radiofrequency electromagnetic field exposure and non-specific symptoms of ill health: A systematic review.

無線周波電磁界ばく露による非特異的な症状：系統的レビュー
研究者: Röösli M

本論文では、無線周波数電磁界（RF-EMF）に毎日ばく露することが何らかの症状の原因となるか否か、および人によっては低レベルRF-EMF（ICNIRP [国際非電離放射線防護委員会]ガイドライン値以下）を検知できるか否かについて体系的レビューを行う。

2007年秋以前に公表された査読付き論文を体系的文献検索により同定した。
メタ分析の手法を用いて、RF-EMFの有効なばく露と擬似ばく露を識別する能力を調査した研究の結果をプールした。

RF-EMFの識別力は、7件の研究で調査されており、それらの研究全部合わせると、自らを電磁過敏症（EHS）と申告した人が182人、そうでない人が332人になった。
プール分析の結果、電磁界検知の正答率は、偶然による期待値より4.2％高かった（95%信頼区間: ‐2.1 to 10.5）。

EHSの人は、そうでない人よりも、RF-EMFの有無の検知がより正確にできるという証拠は全くなかった。
実験室において、EHS 194人と非EHS 346人を調査した8件の無作為化試験の結果に基づけば、携帯電話または基地局への短期的ばく露が症状の原因となるという証拠は殆どなかった。

ノセボ（反偽薬）効果があったという証拠を示した試験がいくつかあった。
日常環境でのRF-EMFばく露と症状との関連は、住民調査研究で何度も観察されている。
今回のレビューによれば、低レベルRF-EMFを検知できると主張している人の大部分は、二重盲検法の条件下では、そのようにできなかったことが示された。
もし、検知できる人が存在するとしても、そのような人は非常に少数派であり、これまでに確認されたことはない。
現在までの観察による研究からは、EMFの生物物理学的効果とノセボ効果に区別をつけることはできない。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

３）Roosliの2011年研究

以下の研究もある。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
掲載誌: Wien Med Wochenschr 2011; 161 (9-10): 240-250
タイトル： Wireless communication fields and non-specific symptoms of ill health: a literature review.
無線通信の電磁界と非特異的不健康症状：文献レビュー
研究者: Röösli M, Hug K

この論文は、2007年8月までに公表された研究を含めた、無線周波電磁界（RF-EMF）ばく露と健康からみた生活の質（QOL）との関連に関する前回の体系的レビュー（Roosli 2008）を更新したものである。
前回のレビュー後に、9件の無作為化試行研究が、携帯電話のように身体に接近するRF-EMF発生源からの短期ばく露に取り組み、2件の観察研究が、健康関連のQOLに対する携帯電話の影響を調べた。

6件の無作為化試行研究が、例えば携帯電話基地局からの遠方電磁界の短期ばく露に取り組み、8件の研究が環境中のRF-EMF遠方電磁界ばく露の影響を評価した。

無作為化試行研究の大半において、ばく露-反応関係は観察されなかった。
散発的に報告されている関連性は、症状のタイプまたは影響の方向（増加または減少）に関して一貫したパターンを示さなかった。
同様に、最近の観察研究の大半は、RF-EMFばく露と非特異的症状との関連を示さなかった。

しかしながら、ばく露の変化度は小さく、ばく露後分類の可能性がこれらの研究の限界となっている。
長期的研究と小児および青年期における研究は不足している。
要約すると、最近の研究は、我々の日常環境におけるRF-EMFばく露により健康からみたQOLが影響を受けることを示していない。

さらに言えることは、自己申告の電磁過敏症（EHS）である人がその他の人よりRF-EMFへの感受性がより高いことを示した研究はない。

それでもやはり、急速な技術開発とばく露レベルの予想される増加を考えれば、より一層の長期研究を実施することは是認される。
無線通信技術の広範な利用により、潜在的な健康への悪影響は主要な公衆衛生問題であると思われる。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

4）BEMSJの中間のまとめ

本堂は「Roosliの2008年論文を見ると、ＥＨＳ被験者トータルで電磁波曝露について、誰でも偶然に正答できることよりも７％正しく答えられ」、「（統計有意差ではなく）信頼区間を使うべきだ」と主張している。
７％の値の信頼区間を見ると、下限：－2、上限：＋17となっている。

一般的に科学的な判断では、下限値がゼロを超えてプラス側になければ、その研究結果は仮説を肯定することにはならないとされる、もしくは、確証としては不十分とされる。

従って、Roosliの2008年研究は、大久保が主張するように「統計的な有意差」がないとともに、本堂が主張する「信頼区間も下限値が低く、信頼性が欠ける」という結果になっている。

本堂はこの研究を読んで、信頼区間の下限値が「－２」になっていることに気が付いていないのであろうか？ということで、本堂の主張は「当を得ていない」と言える。

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６１．電磁波過敏症本堂の見解の精査-2

記：２０２０－４－７

電磁波問題市民研の会報にあった争点
電磁波研会報121号　2019年11月24日　電磁波問題市民研究会・発行　に以下の記事があった。
以下は電磁波研会報の記事の引用である。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
「電磁界情報センタ」所長　大久保千代次氏はどこが間違っているか　　東北大・本堂毅さんに聞く

電磁波過敏症はノセポが原因であることを示すとした実験

EHSの原因が電磁波でないのならば、何なのか。
それはノセボ効果であるというのが、大久保さんの主張です。
大久保さんは「興味ある報告」としてドイツのLandgrebe（ラントグレーベ）らによる実験を紹介しました。
これも曝露実験なのですが、Roosli論文の実験のように電磁波やニセ電磁波を曝露させるのではなく、ニセ電磁波と熱を曝露させました。

実験開始前に被験者は、ニセでなく本物の携帯電話電波を曝露されると告げられました。
熱は左手首に固定した装置で42 ~ 48℃の熱刺檄が与えられました。
実験中、熱と携帯電波（実はニセ電波）のどちらに現在曝露中なのかは、被験者にアイコン（絵）で通知されました。
そしてファンクショナルMRIで、痛みなどを感じたときに活性化することが知られている大悩の帯状皮質という部分の活性化の程度を調べました。

実験の結果、熱を与えられたときの活性化はEHS群と対照群(EHSでない人々）との間で差はほとんどなかった一方、ニゼ電波を曝露されたときの活性化の値については、EHS群は対照群電磁波に比べて統計的有意に大きくなりました。

大久保さんは「実際にEHSの方々は脳の中で変化が起こっている。つまり実際に苫しんでいる人がいるということです。ただし、それは、携帯電話の電波が発信されているという情報だけで起きている。これがノセボ効果ということになるわけです」と解説しました。

ノセボ効果とは、危険性がないものを体に取り込むなどしたときに危険だと信じることで健康に悪影響が出ることを言います（逆に、薬効はないものを展用したときに効くと信じることで健康に良い影響が出る場合が「プラセボ効果」）。

本堂さんは「ノセボと実曝露（実際の電磁波曝露）を比較する研究デザインになっていない」と批判。これに大久保さんは「どうしていけないのか、逆におうかがいします」と逆質問しました。

本堂さんは「ノセボと実曝露の違いを見ることが必要な研究であって『（医薬品研究の場合に）プラセボが存在するから、すべてプラセボだ』と言うことと同じになってしまう」と説明。
大久保さんは「EHSでない人と比較している。EHSの人であれだけ活性化しているので、完全なノセボ」と議論は並行線でした。

ニセ曝露時の「ノセボ」は電磁波が原因であることを否定しない
この大久保さんの説明がおかしいことは、少し考えれば私にも分かりました。
ニセ曝露のときにノセボ効果によって症状が出ることが仮に正しいとしても、本当の曝露のときに電磁波によって症状が出ることとは矛盾なく両立するからです。

日頃から電磁波で苫しんでいるEHSの方々にとっては、実際に曝露していなくても「今、電磁波を浴びせられている」と思うだけで強いストレスになることをLandgrebeの研究は示しているのかもしれないと私は思いました。

インタビューで私が本堂さんに上記の通りの理解で良いか確認したところ、それで良いとのことでした。
本堂さんは「EHSの症状の原因が電磁場ではない証拠であるかのようにこの研究について説明することは、ウソをついていることと同じだ」と批判していました。

MRIからの電磁波は？
さらに学会当日に指摘しなかった疑問点を本堂さんは付け加えました。
MRIは強い電磁波を出す装置です。これを使いながらの実験は、本当にニセ曝露と言えるのでょしうか。
EHSの被験者はニセ電波によるノセボ効果ではなく、MRIからの実曝露によって症状が出たのかもしれないのです。

２）Landgrebeの原著は　以下である。

掲載誌：NeuroImage 41 (2008) 1336–1344
タイトル：Neuronal correlates of symptom formation in functional somatic syndromes: A fMRI study
研究者：Michael Landgrebe et al;

この論文の概要及びその和訳は割愛。

３）BEMSJのコメント

上記に紹介してあるLandgrebe論文の図２のＢをよく見てみる。
本堂は「MRIは強い電磁波を出す装置です。これを使いながらの実験は、本当にニセ曝露と言えるのでょしうか。EHSの被験者はニセ電波によるノセボ効果ではなく、MRIからの実曝露によって症状が出たのかもしれないのです。」と主張している。

熱に暴露した場合は、対照群でもEHS群でもそれぞれ0.6、0.55と反応している。

もしも、本堂の説が正しいとすれば、
a）対照群は「熱曝露」に反応し、MRIからの電磁波には反応していないので、反応は0.6である。
ｂ)EHS群は熱曝露にも反応し、MRIからの電磁波にも反応するので、反応度は、0.6を超えてそれなりに大きくなっていなければならない。
ｃ）しかし、実験結果はEHS群では熱曝露時に反応は増えておらず、MRIからの電磁波曝露に反応しているとは言えない。

電磁波曝露時に、EHS群は、電磁波曝露時の反応は0.72程度であり、熱曝露時の反応0.65より若干反応は増えてはいる。
本堂の仮説が正しいとすれば、電磁波曝露時の反応は、「ＭＲＩからの電磁波のみ」の反応でなければならなくなり、熱曝露時は「熱曝露」と「MRIからの電磁波曝露」による反応となり、熱曝露時の反応は、0.55ではなく、0.72より大きくなってしかるべきである。

こうした蓋然性と一致しないので、本堂の主張・仮説は、「当を得ていない」と言える。

このＬａｎｄｇｒｅｂｅの研究から、
a)少なくとも電磁波過敏症と自称する人々は、電磁波への曝露はなくても、曝露していると思うだけで、体が反応を起こしている、ということは確かであるといえる。
b)「電磁波が過敏症の原因ではない」と断定することはできない。
c)「電磁波が過敏症の原因である」と断定することはできない。

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６２．耳鳴りと電磁波過敏症の研究Ｌａｎｄｇｒｅｂｅ2009年

記：２０２０－４－７

以下の研究がある。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
掲載誌: PLoS One 2009; 4 (3): e5026
タイトル：Association of Tinnitus and Electromagnetic Hypersensitivity: Hints for a Shared Pathophysiology?
耳鳴りと電磁過敏症との関連性：共有された病態生理学へのヒント？
研究者: Landgrebe M, Frick U, Hauser S, Hajak G, Langguth B

【背景】
耳鳴りは、高い罹患率をもって頻繁に起こり生活の質の障害となる。
その病態生理学はまだ不完全にしか理解されていない。
電磁界が耳鳴りの多因的な発病に関与していることが議論されているが、この関連性を証明するデータはごく限られたものである。
電磁界(EMF)によって起こり得る健康被害は長い間議論されてきた。
特に、自分たちは、EMFばく露に起因する様々な曖昧な症状に苦しむ電磁過敏症であると主張している人がいる。

この研究の目的は、症例対照デザインを使って、EMFばく露、電磁過敏症および耳鳴りの間の関連を解明することであった。

【方法】
耳鳴りの発生と重症度が、年齢、性、住居環境および職場を適合された89人の電磁過敏症患者と107人の実験対照者とでアンケートによって評価された。
ロジスティック回帰分析法を使って、耳鳴りの発生に対する潜在的リスク因子が評価された。

【結果】
耳鳴りは、電磁過敏症グループ（50.72％ vs.17.5％）において非常に頻繁に見られたが、一方、耳鳴りの期間と重症度は、両グループ間で異なることはなかった。
電磁過敏症と耳鳴りは、睡眠障害に対しては無関係のリスク因子だった。
例えば携帯電話使用のような個人的EMFばく露量の計測は、耳鳴りとの如何なる関連性も示さなかった。

【結論】
我々のデータは、耳鳴りは電磁過敏の主訴と関連性があることを示唆している。
活性化しすぎて疲労してしまった皮質神経回路に起因すると思われる個々人の脆弱性は、電磁過敏と耳鳴りの両方に関与していると思われる。
したがって、治療効果は、この機能不全となった疲労した神経回路を正常化することを目指した治療法(例えば、認知行動療法)に焦点を合わせるべきである。

本文を読むと

・Furthermore, incremental electromagnetic field exposure in addition to the one acquired in subjects’ working and living environment was quantified by the degree of utilizing a mobile phone and could not be shown to influence the risk of tinnitus (p = 0.5116).
さらに、被験者が職場や生活空間において収得した分に加えての電磁界曝露の増加を携帯電話の使用頻度として数値化したが、耳鳴りのリスクへの影響度は見られなかった。

・Since an association between tinnitus and sleep disorders is well　known, we estimated to which extent the reduced sleep quality　in the EMF-sensitive group is explained by the increased　prevalence of tinnitus in this group by performing a linear　regression analysis with the PSQI as the dependent variable.
耳鳴りと睡眠障害の関係は良く知られてことである。
そこで、我々は、電磁波過敏症群における睡眠障害の程度が、この群における耳鳴りの増加で説明できるかを、独立変数としてのＰＳＱＩで線形解析を行った。

The　interaction ‘‘group membership*tinnitus’’ proved　not to be significant (p = 0.60) indicating that claiming oneself as electromagnetic hypersensitive and suffering from tinnitus are independent risk factors for sleep disturbances with electromagnetic hypersensitivity exerting an even greater influence on sleep quality than tinnitus.
「群と耳鳴り」の相互作用は統計的に有意であることは示さず、電磁波過敏症は耳鳴りよりも睡眠障害に大きな影響を示しているにも関わらず、電磁波に過敏であるとの自己認証と耳鳴りの不安は独立したリスク要因であることを示し（ＢＥＭＳＪ注：すなわち、電磁波への過敏と耳鳴りは直接の関連はないということ）ている。

ＢＥＭＳＪ注：この文章は難解。耳鳴りと電磁波過敏症とは無関係であることが判った、という意味と思われる。

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６３．Kotelesらの2010年研究、過敏症はノセボ効果かもしれない

記：2020-7-19

以下の研究がEMF Portalのサイトにある。

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掲載誌：Int Hyg Environ Health 201O; 213 (5): 387-394

タイトル：Polluted places or polluted minds? An experimental sham-exposure study on background psychological factors of symptom formation in 'Idiophatic Environmental Intolerance attributed to electromagnetic fields'

汚染されているのは場所か心か？「電磁界を原因と考える本態性環境不耐症」における症状形成のバックグラウンドの心理学的要因についての実験的偽曝露研究

著者: Szemerszky R, Koteles F, Lihi R, Bardos G

研究目的（著者による）

本研究の狙いは、1)50Hz電磁界曝露について報告されている身体的症状におけるノセボ効果の重要な役割を証明すること（それぞれ、低及び高強度の電磁界があるという示唆を伴う偽曝露による）；2)電気過敏症の心理学的リスク要因としてのノセボ関連の人格特性を調査すること、であった。

詳細情報

健康な被験者40人（大学生）が参加した。

著者らは、自身が電気過敏症だとする評価が高い被験者ほど、また、より高い強度の電磁界の存在が推定されるほど、症状ならびにばく露の存在の高い認知が報告されるであろうという仮説を立てた。

加えて、実験中のより高い身体化及び体性感覚の増幅スコア、より強い不安、ならびに、より低い楽観スコアが、症状の報告及び電気過敏症の自己評価の増加と相関しているとの仮説が立てられた。

影響評価項目

過敏症／主観的不定愁訴:自覚症状、異なる人格パラメータ及び電磁界の認知

曝露装置

曝露の発生源／構造：ヘルムホルツコイル

曝露装置の詳細：test person sitting on a chair above Helmholtz coils which were only virtually connected to the power supply and therefore could not emit any field; test persons believed to be exposed to a weak field during the first 10 min and to a high intensity field for the last 10 min

被験者はヘルムホルツコイル上の椅子に座った。ヘルムホルツコイルは電源に接続している様に見えているだけで、電界も磁界も発生していない。
被験者には、最初の10分は弱い電磁界に曝露、その後の10分は強い電磁界に暴露すると告げて、信じこませた。

方法

影響評価項目／測定パラメータ／方法

過敏症／主観的不定愁訴:自覚症状（中枢神経系に関するもの（例：頭痛、目眩、けん怠感）、内臓機能に関するもの（例：吐き気、筋肉の緊張、息切れ）、感覚器官に関するもの（例：口の乾燥、耳鳴り）、皮膚の問題に関するもの）；電磁界の認知；異なる人格パラメータ（電気過敏症であるとの自己評価；協調への動機付け、身体症状の予測；状態不安；楽観傾向；身体化（最も一般的な身体症状の有病率；体性感覚の増幅（体性感覚を経験する傾向性））；異なる心理学的アンケート

研究の主なアウトカム（著者による）

電気過敏症の自己評価のスコアがより高い被験者は、より多くの症状を予測し、経験した。

より強い電磁界曝露の示唆は、想定上の弱い曝露と比較して、より高い症状のスコアと、電磁界の認知の強化を生じた。

経験した症状のスコアは主に身体化のスコアと相関していたが、電気過敏症の自己評価は体性感覚の増幅スコアと相関していた。

結論として、この知見は、50Hz電磁界に関する症状の報告には、相当なノセボ効果があることを確認するものである。

電気過敏症は、高いリスク認知や予測、自己モニタリング、身体化、体性感覚の増幅といった、心理社会的要因を通じて形成されるようである。

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６４ ．Kotelesらの2013年研究、50Hz磁界を感知するか

記：２０２０－４－１３

以下の研究がある。

掲載誌: Int J Hyg Environ Health 2013; 216 (3): 362-370
タイトル：Idiopathic environmental intolerance attributed to electromagnetic fields (IEI-EMF) and electrosensibility (ES) - are they　connected?
電磁界が起因と信じられている本態性環境不耐症（IEI-EMF）と電気的敏感さ（ES）－両者はつながっているか？
研究者: Koteles F, Szemerszky R, et al;

この研究は、IEI-EMFと自己申告した29人と対照者42人を対象とし、健康に関する質問票調査および磁界の感知に関する誘発試験を行った。
まず、（1）ベースライン調査として、IEI-EMFの自己評点化とパーソナリティ検査票（SSAS、MHW-R、STAI-S）、症状の予期（これから行う実験中に不快な症状が現れると予期するか否かの質問）を行い、次に（2）感知実験として、50Hz、0.5mT磁界（MF）の存在の感知実験（ヘルムホルツコイルの間に右手を入れた状態で、1分間のばく露・擬似ばく露を各10回ランダム試行）と不安度検査票（STAI-S）、最後に（3）体験した症状についての質問票検査を行った。

心電図はベースライン値を記録後、感知実験中も記録を続けた。
その結果、IEI-EMF群は対照群に比べ、偶然よりも高い確率で磁界を感知した；感知に関し正しい判断をした後の方が、間違った判断をした後に比べ、心拍変動パラメータが高いという特徴があった；実験中の症状を予期すると回答した人およびIEIEMF群に属することは、その後のばく露実験で報告される症状の有意な予測子であった、などの所見を報告している。

これまでの二重ブラインド試験の結果ではIEI-EMFの人は電磁界の存在を感知できないとされているのに対して、今回得られた結論が一致しないことに関して考察した他、MFが原因とされた症状は主として心理的原因によるものであるとも述べている。

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６５．Kotelesらの2015年研究、50Hz磁界を感知するか、再現実験

記：２０２０－４－１４

以下の研究がある。

掲載誌: Int J Behav Med 2015; 22 (6): 755-763
タイトル：Is there a connection between electro-sensitivity and electro-sensibility? A replication study
電気過敏性と電気感受性の間につながりがあるか？：再現研究
研究者: Szemerszky R, Gubanyi M, Koteles F et al;

この研究は、電磁界を原因と信じる特発的環境不耐症（IEI-EMF）の人々において、50Hz、0.5mTの磁界（MF）を偶然より高い確率で感じ取る能力や、対照群より多くの体験をする傾向について報告した先行研究（2013年）に着目し、実験デザインに変更を加えた上で、それらの研究結果の再現を試みた。

誘発実験の参加者は、IEI-EMFであると自己申告した49人と対照57人である。
身体感覚増幅尺度（SSAS）、現代健康不安尺度のうちの放射線サブスケール（MHWS Radiation）などの質問票記入の後、右腕に向けたMFの存在の検出実験を行った（１分間セッションを20回連続）。

その結果、IEI-EMFの人では、対照群に比べ、偶然よりちょっとだけ高い確率の磁界の検出力が示されたものの、信号検出理論におけるバイアス（被験者の反応における刺激の有無による偏り）には両者に差異がなかった；症状の報告は、曝露しているとの認知と関連していた、と報告している。

何か、よくわからない・わかりにくい点がある。
原著全文を入手したので読んでみると

・Conclusion： People with IEI-EMF might be able to detect the presence of the MF to a small extent; however, their symptom reports are connected to perceived exposure.
結論：電磁波過敏症者は低い程度であるが、磁界の存在をより感知しているかもしれない。報告される彼らの症状は、＜実際に曝露しているかではなく＞、曝露しているとの認識に関係していた。

In a double-blind provocation experiment, individuals with　IEI-EMF as opposed to controls were able to detect the presence　of a 500-μT 50-Hz MF to a small extent (i.e., their accuracy　was not far from　random　guessing).
2重盲検での再現実験では、対照群に比べて電磁波過敏者群は、50Hz500μＴの磁界をわずかな程度であるがより感知した、それは偶然の判定結果から遠くない程度であった。

However, no direct　connection between IEI-EMF (electro-sensitivity) and detection　performance (electro-sensibility) was found.
しかしながら、電磁波過敏症と電磁波の感受性との直接的な関係は見つからなかった。

As for reported　symptoms, (1) actual presence of the　MF had no impact on　symptom reports, (2) more symptoms were reported in the　believed presence of the MF (i.e, hits or false alarms) in both　groups, and (3) people with IEI-EMF reported more symptoms　than controls, particularly when they believed that the　MF was present.
報告された症状として　（1）実際に磁界への曝露と報告された症状は無関係、（２）両群共に、磁界に暴露していると認識した時に、より多くの症状が報告された、（３）電磁波過敏症群では、対照群よりより多くの症状を報告している、特に彼らが磁界に曝露していると認識した場合にはより多くの症状を報告している。

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６６．Belpommeらの2021年電磁波過敏症の研究

記：２０２３－３－２６

掲載誌: Int J Mol Sci 2021; 22 (14): 7321
タイトル：The Critical Importance of Molecular Biomarkers and Imaging in the Study of Electro-hyper-sensitivity. A Scientific Consensus-International Report
電磁過敏症の研究における分子バイオマーカーおよびイメージングの重要性：科学的コンセンサス国際報告
研究者: Belpomme D, Carlo GL, Irigaray P, Carpenter DO, Hardell L, Kundi M, Belyaev I, Havas M, Adlkofer F, Heuser G, Miller AB, 　et al;

この論文の研究者らは、電磁過敏症（EHS）の研究における「科学的コンセンサス国際報告」として、以下のような主張を行っている。
臨床的観察ならびに生物学的および放射線学的所見を通じた疾病の客観的な同定および特徴付けを目的とする臨床研究は、客観的な診断基準および治療を確立する際に必須な研究の第一歩である。

そのような診断基準を最初に定義できないと、病因についての研究は深刻な交絡バイアスと間違った医学的解釈につながるおそれがある。
EHSは特にこれに該当し、EHSの原因ではなく、EHSに関連する特定の（人工的な電磁界への過敏症を呈する）環境不耐性状態を調べる、いわゆる「誘発試験」は正にそうである。

但し、そうした試験は複数の電磁界関連の物理的および生物学的パラメータに依拠し、客観的にEHSであると定義されていない、および／または適切なエンドポイントがない患者において実施されてきたため、現在では妥当な病因研究手法とみなすことはできない。

結果的に、そうした試験で得られた陰性の結果は、EHS患者における症状のトリガとしての電磁界曝露の役割を排除していない。

更に、EHSの症状またはEHSそれ自体が、精神身体的効果またはノセボ効果によって生じるという証明はない。この国際コンセンサス報告は、EHSを明確な神経病理学的障害として認定し、世界保健機関（WHO）の国際疾病分類（ICD）に含めることを求めている。

概要を仮訳すると
Abstract　概要
Clinical research aiming at objectively identifying and characterizing diseases via clinical observations and biological and radiological findings is a critical initial research step when establishing objective diagnostic criteria and treatments.
臨床観察や生物学的・放射線所見により疾患を客観的に同定・特徴づけることを目的とした臨床研究は、客観的な診断基準や治療法を確立する上で重要な初期研究ステップです。

Failure to first define such diagnostic criteria may lead research on pathogenesis and etiology to serious confounding biases and erroneous medical interpretations.
そのような診断基準を最初に定義しないと、病因と病因に関する研究が深刻な交絡バイアスと誤った医学的解釈につながる可能性があります。

This is particularly the case for electro-hypersensitivity (EHS) and more particularly for the so-called “provocation tests”, which do not investigate the causal origin of EHS but rather the EHS-associated particular environmental intolerance state with hypersensitivity to man-made electromagnetic fields (EMF).
特に電気過敏症(EHS)の場合はこれに該当し、EHSの原因起源を調査するのではなく、人為的電磁界(EMF)に対する過敏症を伴うEHS関連の特定の環境不耐性状態を調査する、いわゆる「再現テスト」の場合に当てはまる。

However, because those tests depend on multiple EMF-associated physical and biological parameters and have been conducted in patients without having first defined EHS objectively and/or endpoints adequately, they cannot presently be considered to be valid pathogenesis research methodologies.
ただし、これらの検査は複数のEMF関連の物理的および生物学的パラメータに依存しており、EHSを客観的および/またはエンドポイントを適切に定義せずに患者で実施されているため、現時点では有効な病因研究方法論とは見なされません。

Consequently, the negative results obtained by these tests do not preclude a role of EMF exposure as a symptomatic trigger in EHS patients.
したがって、これらの検査によって得られた否定的な結果は、EHS患者の症候性の引き金としてのEMF曝露の役割を排除するものではありません。

Moreover, there is no proof that EHS symptoms or EHS itself are caused by psychosomatic or nocebo effects.
さらに、EHS症状またはEHS自体が心身症またはノセボ効果によって引き起こされるという証拠はありません。

This international consensus report pleads for the acknowledgement of EHS as a distinct neuropathological disorder and for its inclusion in the WHO International Classification of Diseases.
この国際的なコンセンサス報告書は、EHSが明確な神経病理学的障害として認められ、WHO国際疾病分類に含まれることを嘆願している。

BEMSJ注；この論文は難解です。論文の概説や概要を見ても、判りにくい。

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６６A．Irigaray, Belpommeらの2018年電磁波過敏症の研究

記：２０２３－３－３０

掲載誌: Int J Mol Med 2018; 42 (4): 1885-1898
タイトル：Oxidative stress in electrohypersensitivity self‑reporting patients: Results of a prospective in vivo investigation with comprehensive molecular analysis
電磁過敏症を自己申告する患者における酸化ストレス：包括的な分子解析を含む前向きイン・ビボ調査の結果
研究者: Irigaray P, Caccamo D, Belpomme D

この研究は、電磁過敏症（EHS）を自己申告する患者32人について、酸化ストレス及び抗酸化ストレス応答の評価のための前向き調査を実施した。
脂質過酸化について血漿中の全てのチオバルビツール酸反応性物質（TBAR）、特にマロンジアルデヒド（MDA）を測定し、酸化ストレス評価についてチオール基分子の総量、還元型グルタチオン（GSH）、酸化型グルタチオン（GSSG）を測定し、過酸化亜硝酸による酸化／ニトロソ化ストレスの指標であるニトロチロシンを測定した。
更に、赤血球中のCu-Znスーパーオキシドジスムターゼ（SOD1）の活性、ならびに赤血球及び血漿中のグルタチオンリダクターゼ（GR）及びグルタチオンペルオキシダーゼ（GPx）を測定した。

その結果、検討したバイオマーカーによっては、EHS自己申告患者の30-50%で、健康な対照群から取得した正常値と比較して、TBAR、MDA、GSSGの血漿中の平均レベルの統計的に有意な増加が認められた（P<0.0001）。

対象的に、GSH、GSH/GSSG比、グルタチオン総量（GluT）、GSH/GluT比の血漿レベルは、正常な範囲の上限を超えておらず、これらのGSH関連バイオマーカーの数値は20-40%の患者で統計的に有意に低下した（P<0.0001）。
更に、赤血球中の平均SOD1及びGPx活性の統計的に有意な上昇が、それぞれ最大60%及び19%の患者で認められた（P<0.0001）が、赤血球中のGR活性の上昇は6%の患者でしか認められなかった。

この研究は、EHSを自己申告する患者の最大80%が、末梢血中の1つ以上の検出可能な酸化ストレスのバイオマーカーを呈することを初めて報告するものであり、新たな病理学的障害の実在することを示すものである、と著者らは結論付けている。

BEMSJ注：Full Textを見たが、電磁波過敏症と自己申告した人の抹消血中の各種バイオマーカーを測定したら、一般的な標準値に比較して、特徴ある変化が観察された、というだけの情報である。
そうした変化が観測されたバイオマーカーが、電磁波過敏症患者の電磁波曝露との関係を調査したという記述は全くない。これでは、「電磁波曝露によってバイオマーカーが変化した」ということはできそうもない。

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６６B．Belpommeらの2018年電磁波過敏症に関する研究

記：２０２３－３－３０

掲載誌：Functional Foods in Health and Disease 2018; 8(2):122-144 Page 122 of 144
タイトル：Beneficial effects of a Fermented Papaya Preparation for the treatment of electrohypersensitivity self-reporting patients: results of a phase I-II clinical trial with special reference to cerebral pulsation measurement and oxidative stress analysis
電磁波過敏症の自己申告患者の治療のための発酵パパイヤ製剤の有益な効果:脳脈動測定と酸化ストレス分析を特に参照した第I-II相臨床試験の結果
研究者：Irigaray Philippe, Garrel Catherine, Houssay Carine, Mantello Pierre, Belpomme Dominique

ABSTRACT　概要
Background:　背景
Electromagnetic Field Intolerance Syndrome (EMFIS), also termed Idiopathic Environmental Intolerance (IEI) attributed to Electromagnetic Fields (IEI-EMF) by WHO, is a newly identified pathological disorder occurring in electrohypersensitivity (EHS) self-reporting patients.
電磁波不耐症症候群(EMFIS)は、WHOによって電磁波に起因する特発性環境不耐症(IEI)とも呼ばれ、電時は過敏症(EHS)の自己申告患者に発生する新たに特定された病理学的障害です。

To date, there has been no recognized treatment of this disorder.
今日まで、この疾病のために認定された治療法はありません。

We have shown that EHS self-reporting patients experience some degree of oxidative stress, inflammation, and autoimmune response.
EHS自己申告患者は、ある程度の酸化ストレス、炎症、および自己免疫反応を経験することを示している。
Additionally, Fermented Papaya Preparation (FPP) has some antioxidant, anti-inflammation, and immuno-modulating properties.
さらに、発酵パパイヤ製剤(FPP)には、抗酸化作用、抗炎症作用、免疫調節作用があります。

The objective of this phase I-II clinical trial was thus to test whether FPP treatment is well tolerated, can improve clinical outcomes, and can normalize biological abnormalities.
そこで、この第I-II相臨床試験では、FPP治療の忍容性が高く、臨床転帰を改善でき、生物学的異常を正常化できるかどうかをテストすることを目的とした。

Methods: 方法
32 EMFIS-bearing patients were serially included in this trial, among which 26 and 16 of them were evaluable after 3 and 6 months of FPP treatment, respectively.
32人のEMFISを有する患者がこの試験に連続して参加し、そのうち26人と16人はそれぞれ3か月と6か月のFPP治療後に評価可能でした。
Clinical assessment was conducted during a specific face to face interview by using a validated pre-established questionnaire.
臨床評価は、検証済みの事前に確立された質問票を使用して、特定の対面インタビュー中に実施された。

Biological assessment consisted of measuring intracerebral tissue pulsometric index (PI) in the temporal lobes with ultrasonic cerebral tomosphygmography (UCTS), in addition to oxidative stress and inflammation with a battery of oxidative stress and inflammation-related peripheral blood tests.
生物学的評価として、一連の酸化ストレスおよび炎症関連の末梢血検査による酸化ストレスおよび炎症に加えて、超音波脳トモスフィグラム(UCTS)による側頭葉の脳内組織脈動指数(PI)の測定を行った。

Results: 結果
Overall, clinical improvement was obtained in 50-60% of the cases, among which 20-35% presented major improvement that mainly consisted of the regression of cognitive symptoms such as loss of short term memory, concentration, attention deficiencies, insomnia, and fatigue.
全体として、臨床的改善は症例の50〜60%で得られ、そのうち20〜35%は主に短期記憶の喪失、集中力、注意欠陥、不眠症、疲労などの認知症状の退行からなる大きな改善を示しました。

This clinical improvement was objectively supported by a statistically significant normal recovery of mean PI in the temporal lobes and by a FPP-related antioxidative effect, evidenced by a statistically significant decrease in malondialdehyde levels in the plasma (p<0.0001) and increase in the Glutathione peroxidase activity in red blood cells (p<0.01) in patients experiencing oxidative stress.
この臨床的改善は、酸化ストレスを経験している患者に、側頭葉の平均PIの統計的に有意な正常回復と、血漿中のマロンジアルデヒドレベルの統計的に有意な減少(p<0.0001)および赤血球におけるグルタチオンペルオキシダーゼ活性の増加(p<0.01)によって証明されるFPP関連の抗酸化効果によって客観的に裏付けられました。

Moreover, this trial evidenced some degree of FPP-related anti-inflammatory effects by demonstrating a statistically significant decrease in histamine (p=0.049) and HSP27/HSP70 chaperone proteins (p=0.007) in the peripheral blood of patients with initial increased values of these inflammation-related biomarkers.
さらに、この実験では、これらの炎症関連バイオマーカーの初期値が上昇した患者の末梢血中のヒスタミン(p=0.049)およびHSP27/HSP70シャペロンタンパク質(p=0.007)の統計的に有意な減少を示すことにより、ある程度のFPP関連の抗炎症効果が証明されました。

Conclusion:結論
The results suggest a beneficial clinical and biological therapeutic effect of FPP in EHS self-reporting patients.

この結果は、EHS自己報告患者におけるFPPの有益な臨床的および生物学的治療効果を示唆しています。
However, the precise underlying mechanism has not yet been elucidated.
しかしながら、この効果の正確なメカニズムは未だ解明されていません。

Full　Textを読む。
・使用したFPPは
「Fermented Papaya Preparation (FPP) is a recent biotechnology product resulting from yeast fermentation of the non-genetically modified medicinal plant Carica Papaya Linn, which was initially developed by Osato Research Institute in Japan and is currently marketed as a 100% natural dietary functional health supplement under the brand name Immun’Âge in Europe, Asia, and the United States.
発酵パパイヤ製剤(FPP)は、日本の大里総合研究所によって最初に開発され、現在、ヨーロッパ、アジア、および米国でImmun'Âgeというブランド名で100%天然の栄養機能健康補助食品（サプルメント）として販売されている、非遺伝子組み換え薬用植物カリカパパイヤリンの酵母発酵から生じる最近のバイオテクノロジー製品です。」とある。

・以下の記述もある。
「Since we were not able to measure precisely the EMF tolerance threshold in the patients included in this study and provide the supporting evidence that symptoms may have occurred in the case of weak EMF intensity, we preferred to use the more general term EMFIS to qualify the clinical and biological pathological condition these patients were associated with.
この研究に含まれた患者のEMF耐性閾値を正確に測定し、EMF強度が弱い場合に症状が発生した可能性があるという裏付けとなる証拠を提供することができなかったため、これらの患者が関連する臨床的および生物学的病理学的状態を認定するために、より一般的な用語EMFISを使用することを好みました。」と。

・この研究の資金の提供元は、
「Acknowledgements and Funding: This work was supported by a specific grant provided by the Osato Research Institute and by the ARTAC, the Association for Research on Treatment Against Cancer which is a non-profit private research center.
謝辞と資金提供:この研究は、大里研究所と非営利の民間研究センタであるARTACによる特定の助成金によってサポートされました。」とある。

・研究者は、
「Conflict of interest：At the exception of Dr. Pierre Mantello, who is in charge with the marketing and communication of Immun’Age, all the authors declare no financial conflict of interest.
利益相反:Immun'Ageのマーケティングとコミュニケーションを担当するピエール・マンテロ博士を除いて、すべての著者は金銭的利益相反がないと宣言しています」とある。

・偽薬による対照群の設定による比較の実験が行われていない。対照群・・・の記述がない。
・2重盲検法で行った・・・の記述がない。

BEMSJ注：１）パパイヤのサプルメントは生体指標に変化・効果はあるのかもしれない。２）電磁波過敏症の患者の生体指標はサプルメントによって、変化・効果はあったであろう。３）しかし、生体指標がサプルメントによって改善された結果、電磁波曝露に強くなり、例；携帯電話を使えなかった患者が携帯電話を使用できるようになった・・・・・といった肝心の疾病・電磁波過敏状況の改善に関して、何も記述がなされていない。これでは、電磁波過敏症に対して明白にパパイヤサプルメントは効果があるということはできそうもない。サプルメントの開発組織の費用で、組織の人も参加したこの研究論文という側面からは、公正な、第3者による効果検証の研究とはみなされない。

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６６C．大里研究所のFPPパパイヤサプルメントを効能検証というプレスリリース

記：２０２３－３－３１

以下のプレスリリースは、上記のBelpommeらの2018年研究に関するものです。
＠プレス（プレスリリースの紹介サイト）https://www.atpress.ne.jp/news/153970　にあった情報の一部引用

＊＊＊＊＊＊＊　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
診断・治療法の確⽴していない「電磁波過敏症」に対する FPP(パパイヤ発酵⾷品)による臨床的改善、および脳⾎流低下の正常化を示す論⽂を発表
2018.04.10 10:30

⼤⾥研究所(所在地：岐⾩県揖斐郡、理事⻑：林幸泰)は、フランス、パリ⼤学のドミニク・ベルポン教授(Prof. Dominique Belpomme)による「電磁波過敏症」を⾃⼰申告している患者を対象にしたFPP (パパイヤ発酵⾷品)の研究において、全体の50〜60％のケースで臨床的改善が得られ、そのうち20〜35％は、主に短期記憶の喪失、集中・注意不⾜障害といった認知的症状、不眠症や疲労などの軽減に⼤幅な改善を示し、⾎液検査や超⾳波脳内脈断層撮影(UCTS)による側頭葉における脈動指数(PI)の測定からも有意な正常化が確認されたことが、2018年2⽉28⽇、学術研究誌「Functional Foods in Health and Disease」Vol.8, No.2(2018)において臨床論⽂として発表されたことをご報告いたします。

近年、私たちの⽣活はさまざまな電⼦機器なしには成り立たなくなっており、電波・電磁波の発⽣源が多様化する中で、⼀般に「電磁波過敏症」と称され、電磁波および電磁場に由来する過敏症に悩む⼈が増えてきています。その症状は⼈により異なるうえ、重症度には広い幅があり、影響を受ける⼈の中には⽇常⽣活に⽀障をきたす⼈もいます。

しかし、「電磁波過敏症」には医学的診断基準がなく、その症状を電磁波と関連付ける明確な科学的根拠はありません。WHO(世界保健機関)も、組織の加熱を生じることがない低いレベルの電波曝露による健康への悪影響について、研究による⼀貫性のある証拠は⽰唆されていないという⾒解を示しています。

未だ病気としては認定されておらず否定的な⾒⽅がある⼀⽅で、症状は確かに存在しており、症状に苦しむ⼈のためにも診断・治療法の確⽴が必要とされています。フランス、パリ⼤学のドミニク・ベルポン教授(Prof. Dominique Belpomme)は、「電磁波過敏症」を⾃⼰申告している患者を対象にしたFPPの研究において、全体の50〜60％のケースで臨床的改善が得られ、そのうち20〜35％は、主に短期記憶の喪失、集中・注意不⾜障害といった認知的症状、不眠症や疲労などの軽減に⼤幅な改善を示し、⾎液検査や超⾳波脳内脈断層撮影(UCTS)による側頭葉における脈動指数(PI)の測定からも有意な正常化が確認されたことを臨床論⽂として発表しました。

FPPは、⽇本の⼤⾥研究所により開発された抗酸化・抗炎症および免疫調整の特性を有する⾷品で、「電磁波過敏症」を⾃⼰申告している患者さんの多くが酸化ストレス、炎症、⾃⼰免疫応答を示していることから今回の臨床試験が⾏われました。

FPPの摂取による効果と安全性を検討するため、1⽇9g(4.5gx2回)のFPPを継続して摂取した32名の被験者に対し、3ヵ月後、6ヵ月後の評価を⾏いました。問診で臨床評価を行った他、酸化ストレスと酸化ストレスによる炎症、及び炎症関連末梢⾎液検査に加え、超⾳波脳内脈断層撮影(UCTS)を⽤いて側頭葉における脈動指数(PI)も測定しました。

略

注⽬すべきは、問診による臨床的改善が、側頭葉における脈動指数、及び抗酸化作⽤等の測定といった科学的データにより客観的に裏付けされたという点です。

慢性的に脳の⾎流量が低下し、酸素や栄養が脳へ⼗分に行き届かなくなることは認知機能障害の発症因⼦の一つであることが指摘されてきました。本研究における「電磁波過敏症」患者の脳⾎流低下の正常化を示すデータ(【図1：本サイトでは割愛】参照)は、FPPが「電磁波過敏症」の治療のみならず認知症予防に役立つ可能性を⽰唆しています。

⼤⾥研究所では、これから増えるであろう「電磁波過敏症」や「化学物質過敏症」などの環境因⼦に起因する“環境病”の治療法確⽴の⼀助となればと願い、FPPの臨床的改善のメカニズムの研究を進めるとともに、⾼齢化社会における認知症予防に向けた研究に⼀層注⼒していきたいと考えております。

略

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

関心のある方は、オリジナルのサイトにアクセスして下さい。

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６６D．大里研究所のFPPパパイヤサプルメントアメリカ特許というプレスリリース

記：２０２３－４－１

以下は@プレスにあった情報の一部
https://www.atpress.ne.jp/news/259856

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
2021/5/24 電磁波過敏症の治療や認知症の発症予防に朗報FPP(パパイヤ発酵⾷品)を⽤いた治療法が⽶国特許を取得｜⼤⾥研究所のプレス…

⼤⾥研究所(所在地；岐⾩県揖斐郡、理事⻑：林幸泰)は、2021年5⽉4⽇、FPP (Fermented Papaya Preparationパパイヤ発酵⾷品)を⽤いた電磁波過敏症の治療法が、⽶国特許商標庁に特許登録(特許番号US10,993,980 B2)されたことをご報告いたします。
本特許は、フランス、パリ⼤学のドミニク・ベルポン教授(Prof. Dominique Belpomme)による「電磁波過敏症」を⾃⼰申告している患者を対象にしたFPPの臨床研究に基づくものです。

■FPPの可能性
スウェーデンなどの欧⽶諸国では、電磁波は⼈体に影響があるものと認識され、⽇本よりも厳しい安全基準や規制が設けられています。また、コロナ禍のライフスタイルの変化により、テレワークによる在宅勤務やオンライン授業などに加え、外出⾃粛の⻑期化に伴い動画鑑賞やオンラインゲームの利⽤など様々な場⾯でスマートフォンやパソコンを利⽤する時間が増加し、電磁波過敏症など健康障害の顕在化が懸念されています。

このような状況下で、従来の医学的アプローチである特定の症状のみを緩和する治療薬や治療法等では解決できない電磁波過敏症を治療・予防するための⾷品としてFPPを提供できることが本特許により認められたことは、電磁波による不定愁訴に苦しむ方々にとって朗報となるでしょう。

ベルポン教授によるFPPの臨床研究では、短期記憶の喪失、集中⼒・注意⼒低下といった認知機能に加え不眠症や疲労に顕著な改善を認めました。また、⾎液検査や超⾳波脳内脈断層撮影(UCTS)による側頭葉における脈動指数の測定から認知機能障害発症の⼀因となる脳内の⾎液量低下も回復することから、電磁波過敏症だけではなく認知症予防の可能性も期待されます。

■特許情
特許番号：US10,993,980 B2
特許登録⽇：2021年5⽉4⽇
発明の名称：FPP(パパイヤ発酵⾷品)を⽤いた電磁波過敏症の治療⽅法
発明者：林幸泰、ドミニク・ベルポン
出願⼈：株式会社⼤⾥インターナショナル
概要：問診、⾎液検査、超⾳波脳内脈断層撮影(UCTS)によって解析を実施、電磁波過敏症に対するパパイヤ発酵⾷品を摂取後の有効性が評価されました。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

当該の特許書のトップページ

この特許は日本の特許も得ている。　以下に特許書のトプページのみ

BEMSJ注：注意すべきは、特許は「他に類似のないものを発明したとし、その独占権」を認定したものであって、中に書かれた「医学的な効能」を認定・保証している訳ではない。
医学的な効果の認定は特許ではなく、医薬品などとしての申請で認定されなければならない。

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以下は、情報コーナです。

＊B1. 電磁波過敏症で敗訴

ＶＤＴｎｅｗｓの１９９４年１１―１２月号の紹介です。

Ｓｗｅｄｅｎの最高裁（翻訳としては最高裁でよい？）での判決として、あるユーザが皮膚障害はＶＤＴ（パソコン用モニタ）が原因として、訴えていたが、敗訴した。

この敗訴によって、他の３０以上の電磁波過敏症に関連する訴訟に影響がでると。
裁判所では皮膚障害の事例はあるが、ＶＤＴが原因と断定する証拠がない、として訴えを退けた。

カロリンスカ研究所等の研究によれば、
こうしたＶＤＴ作業に関連する皮膚障害は電磁波が原因というよりは、むしろストレス反応によるものであろう、となっている。　

こうした裁判の結果によって電磁波防護対策を行なうことによって、仕事ができる様になったケースがあるが、
今後は事務所の従業員はそうした特殊な電磁波防護を要求しなくなってくる可能性があると、　報じています。

＊＊＊＊＊

以上のように簡単な紹介記事ですが、日本国内ではこうした情報はあまり流れていません。
裁判に訴えたという記事はあるのですが、その結果がどうなったかを報じてくれるケースは日本のマスコミでは稀です。　

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＊B2. VDTニュースの電磁波過敏症

ＶＤＴｎｅｗｓ９５年１-２月号の内容を紹介します。　
この号ではたくさん電磁波過敏症の記事が掲載されています。　

ＳｗｅｄｅｎのＪｏｈａｎｓｓｏｎ博士の電磁波過敏症の研究ですが、予備研究の段階のものです。
ＶＤＴの影響で皮膚異常をきたすかに着目した。　
原因はテクノストレスと呼ばれる精神的な因子だけとは信じられず、電磁波等も考えられるので研究を行なう。　

健常な１５人に対して、ＶＤＴ作業で皮膚異常を訴えた１５人の皮膚を調査すると、
Ｍａｓｔ　Ｃｅｌｌ　（マスト細胞、真皮の中にある細胞、具体的にはどのような細胞組織？）の数が多い、　
又、皮膚のすぐ内側にＮｅｒｖｅ　Ｆｉｂｅｒ　（神経繊維。これも具体的には　何？）がある。　
こうした要因を持っている人が皮膚異常を訴えると考えることができる。　

しかし、電磁波が皮膚異常の原因になっているのか、その他の因子が原因となっているのかはまだ断定できない。　研究を継続する。　と。
（注：　筆者はこの研究の最新情報は残念ながら把握していません。）　

ＶＤＴｎｅｗｓ９５年１-２月に掲載されている電磁波過敏症関係の記事の介を継続します。
この号は電磁波過敏症の特集号と言えます。

研究状況のレビューの記事から；
"WWDU94という国際会議でＳｗｅｄｅｎの研究発表によれば、1991年に111人の電磁波過敏症と思われる人がいて、57％の人は皮膚の異常（赤くなる、はれる、痛い等）を訴えており、36％の人は神経系に問題を抱えていると報告。

電磁波過敏症の原因は色々考えられる、電磁波が原因ではないということはできないが、その他に湿度、照明光線、ストレス、ホルモン、アレルギ、目の疲れ、コンピュータからの化学物質、歯に詰めたアマルガム等も考えられる。"　と。

このことから、電磁波過敏症といえば、かつてＴＶ朝日かどこかの番組・スクープ？で電磁波問題を紹介した時、ＴＶカメラを近づけてもその電磁波によって体調がおかしくなる云々と大変な症状を持っている人ばかりと思っていましたが、必ずしもそうした重傷の人だけが電磁波過敏症と呼ばれるのではなく、ちょっと鼻の頭がかゆくなるというレベルの人も電磁波過敏症の中に含まれることになる。

　"電磁波を感知できるかの研究も行なっている。結果は可・不可が混在している。

1991年のNIOHの研究では、14人の電磁波過敏症の人の中の２名は明らかに50Hzの磁界を感知できた。
1987年の英国の研究でも特定の電磁波を感知できた。
1991年のアメリカの研究でも同様であった。

しかし、1994年のＳｗｅｄｅｎの研究では30名中誰も電界・磁界を感知できなかった。"　と。

　これらの研究は、電磁波に過敏と思われる人を集めて、その人に電磁波を当てて、電磁波を感知できるか否か等を、実験室レベルで再現を試みているものと思われます。

実際の研究の原著を読んだこともありますが、なかなか再現実験は難しい様です。
こうした再現実験の難しさから、こうした過敏症は電磁波が原因とは思えないと疑う研究者も出てくる訳です。
まだまだ電磁波過敏症のことは良くわからない、研究に着手したばかりと言えるかも知れません。　　　　　　　

いつかのＴＶ番組、ザスクープ（？）で紹介された「ある会社では電磁波の完全シールドされたオフィスを作っている」等と紹介された会社の実情です。

Ｅｌｌｅｍｔｅｌ（Ｅ社）は通信関連のシステムの開発を行なっている会社で、当然パソコンやその他の電気機器が沢山あります。
　"１９８８ー９０年に約１０００名の従業員の中の２７名がパソコンや電気機器の側で仕事をすると皮膚がほてってくる、痛い、吐き気がすると言った症状を訴え始めた。
最終的には５０名に達した。会社のトップの方針で対応が始まった。
詳細はSｗｅｄｅｎ語のフルレポートもしくは８２頁の英文の抄録をみて欲しい。対応はうまくいって、殆どの人は仕事ができるようになった。

１９８０年代の中頃、軽い症状を訴える人がいたがＶＤＴのフィルタを付けたり、静電防止スプレーを使用することによって解決できていたが、しかし、なぜこの会社に一度に多数の過敏症が集中したのかはわからないと会社の対応担当はいっている。
この問題は物理的（電磁波も含む）な要因、生理学的・精神的な要因、個々の従業員の性格等の相互作用によってもたらされていると思うが、会社として対応してきた。

過敏症を訴える人は電磁気が要因と考えているので電磁界を低くした事務所や場合によっては従業員の自宅まで改造した、５０Ｈｚの磁界は２ミリガウス以下に、電界は２０Ｖ／ｍ以下にした。　
完全シールドされた事務所も作成し、０・２ミリガウス以下にした。
１９９２年の終わりに４９名の過敏症者の３５％は完治、５９％は症状が改善、６％（２名）は改善されなかった。

Ｅ社は１９９３年までにこうした対応に９０万ドル費やした。　更に追加の研究基金（１２００万ドル）を得て、大学などの研究者による研究も行われた。　
しかし、研究の結果では、研究者の間で、電磁界が要因であるという説と、生理・精神的なもしくはその他の因子が原因であるという説とが対立したままで結論は得ていない。"　と。

英文抄録はEllemtel, P.o.Box 1505, S-12525　Alvsjo, Sweden に問い合わせて下さい。

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＊B3. Hot Wired newsにあった電磁波過敏症の症例　

一部のみ抜粋して紹介。詳しくはHot Wired Newsを読んでください。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　　　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
「危険な電磁波一掃運動」を主張する団体(上)　Julia Scheeres
2002年1月22日 2:00am PST

アーサー・ファーステンバーグ氏(51歳)は、ニューヨークを離れ、カリフォルニア州メンドシノに越してきた。
カリフォルニア州北部にあり、古風なビクトリア朝の趣をもった岩場の多いこの海辺の町に移り住んだのは、無線の電磁波から逃れるためだ。
電磁波は健康を害すると、ファーステンバーグ氏は確信している。

ファーステンバーグ氏は、自分が電磁波過敏症なのだと言う。
ヘアドライヤから電線にいたるまで、ありとあらゆるものから発せられる電磁波を感じ取ることができるし、電磁波によって健康を害されているというわけだ。

「危険な電磁波一掃運動」を主張する団体(下) Julia Scheeres
2002年1月22日 2:00am PST 　

電磁波過敏症は、米国の医療機関では病気と認められていない。
ファーステンバーグ氏は身体障害者所得補償手当の支給を受けているが、支給を認められた際の診断書の公表を拒んでいる。
同氏は、化学物質過敏症でもあると言うが、これに関しても根拠がないと否定する医師は多い。

＊＊＊＊＊＊＊＊　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

ここで気になるのは、アメリカの医療機関では電磁波過敏症は病気と認められていない　ということです。
この情報を信じるとそうなります。アメリカの医学関係には確認はとっていません。

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*B4. 人の電流感知　

人はどの程度の電流が体に流れたら電気が流れていると感じるのであろうか？　
家庭や事務所などにある電気・電子機器に触れた時に感電が起こらないように、安全な設計がなされているが、この場合は交流５０Ｈｚや６０Ｈｚからの感電は０．５ｍＡ以下になるように設計されている。

1969年という今から30年以上前に、誠文堂新光社から発行された大滝淳著「中学生のための　電気工学から電子工学への歩み」という本の中に、中学生42名が実験を行って結果が紹介されている。　交流では危険なので、直流で実験を行った。ほとんどの人は１ｍＡもしくは１．５ｍＡで感じている。　

そして、最も奇妙に思えるのは、電流がゼロ、流れていないにもかかわらず、電気を感じた人が、42命中2名もいたということである。　
この本の著者は、このことに対して「電流が体に流れていないのに、ビリビリ感じたという生徒です。　
この生徒は、病的なほど、電気を恐れていた生徒でした」という説明を行なっています。

このことは、この実験に立ち会っていないので、詳細はわかりませんが　
１．　電流計が触れない微小な電流で、この2名は電気の流れを感じた。　
２．　電気を恐れるあまり、電気が流れていないにもかかわらず、実験装置に触れただけで、電流が流れたと、思い込んだ。　　
のいずれと思われます。　

電磁波過敏症の方を集めて、盲検法で、こうした感知レベルの研究を行なうことも、必要ではないでしょうか？　
本当に微小な電流にも果敢に反応するのか、本人の思い込みが強いのか。　

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＊B5. 光線過敏症　

産経新聞2000年11月9日の記事にあったものです。
「体の悩み　聞いて　効く」というコーナで、「直射日光に当たると頬を赤くはれるようになりました。
レジャーどころか生活紫外線だけで、症状がでるので困っています。
37歳　男性」の悩みに対する医師の回答で、
「普通の方ではなんともない程度の日光照射でも、皮膚に何らかの異常が起こる場合、光線過敏症と総称します。原因は色々ですが・・・・・・」という回答が掲載されています。

ここで、光も電磁波一種であるので、　この光線過敏症は「電磁波過敏症の一部」となります。　
でも、医学関係者は誰も、光線過敏症を電磁波過敏症とは言わないでしょう。　

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＊B6. 環境省で電磁波過敏症の研究を実施？

あるＷＥＢ（電磁波の測定器や防護材料などを販売しているサイト）にあった内容です・

http://www21.ocn.ne.jp/fXXXXXX/
＜日本も現在、環境省が認定した電磁波過敏症患者に対し、
＜モニタを実施している。

この記述は、どのような情報源から得られたものでしょうか？
ちょっと疑問というか興味を感じましたので、私は　環境省のＷＥＢの質問コーナを利用して、問い合わせて見ました。

そうしたら、

＜環境省では、超低周波電磁界の個人曝露量の把握に関する調査研究や文献調査は行っておりますが、
＜ご指摘いただきました、「環境省が認定した電磁波過敏症患者に対し、モニタを実施している」と
＜いう事実はございません。
＜　環境省環境安全課　
というメールが返ってきました。

さて、これはどのように解釈すべきでしょうか？
ＷＥＢの記述が誤りか？　
環境省のＷＥＢ質問コーナへの質問程度では、まともに相手にはしてもらえず。
研究は行っているが、結果が出るまでは情報の公開をしないで、隠しているのか？？？？

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＊B7. 2004年5月日本テレビでの「電磁波過敏症」特集
改訂：２０１１－８－１８（番組の概要を追記した）

2004年5月4日の夜11時からのニュース番組「今日の出来事」の特集で電磁波過敏症の報道がありました。
2例の電磁波過敏症の症例（小学生くらいの女子、老齢な男性の税理士）が紹介されています。

番組の概要

番組の冒頭

電磁波過敏症の症例と、電磁波過敏症の研究者が１名　登場しました。

＊症例１　小学生くらいの女子（仮名で登場）
学習机の蛍光灯スタンドからの電磁波で発症したと。
　学習机から蛍光灯ランプははずされていた。

少女の学習机からは蛍光灯が外されていた。

家庭内の電磁波対策を行い、症状は軽快したと。
家の中の電磁界をトリフィールドメータで測定している。

テレビから３ｍ離れて１ｍG以下の条件でテレビを見ている

症例１の女子はテレビから３ｍ離れて見ている。
それでも2時間テレビを見ると翌日学校へ行けないくらい体調に影響が出ると。

BEMSJ注：体調を崩した本当の理由は何か？　
テレビから３ｍ離れ、１ｍG以下の条件でも2時間テレビを見ても翌朝学校へ行けない　というのは磁界の影響？？

＊おもしろ科学実験で有名な国際基督教大学高校の滝川洋二教諭が登場

BEMSJ注：滝川教諭のプロフィール：滝川洋二（たきかわようじ、1949年-）は、東海大学教育開発研究所教授で、理科教育のカリキュラムの研究者。
ＮＰＯ法人理科カリキュラムを考える会理事長、NPO法人ガリレオ工房理事長。
埼玉大学理工学部物理学科卒業。国際基督教大学大学院博士課程修了。1979年より国際基督教大学高等学校教諭。
2006年より2010年まで東京大学教養学部客員教授。2010年より現職。

テレビの直前で１００ｍGといった磁界を検出

滝川教諭のテレビからの磁界の測定、　テレビの直前では磁界は１００ｍGを超えると。

BEMSJ注：ビジョン受信機に電磁界測定器を近づけて、測定を行なう場面が放映された。
この場合の測定器はトリフィールドメータであり、テレビジョン受信機に近接時はトリフィールドメータの最大値１００ｍＧを振り切れる。
（トリフィールドメータの特性から、当然の結果、好ましくない内容ではある）。
トリフィールドメータでは、こうしたテレビからの磁界測定では真値２ｍGであってもトリフィールドメータの特長から１００ｍGを超える磁界として表示される。

＊症例２　鎌倉市に在住のかなり老齢な男性税理士（佐野睦男：多分実名）
パソコンもコピー機もなくして、電卓だけで税理士の仕事を継続。
自宅の天井灯は蛍光灯からの電磁波が駄目なので、笠もない白熱電球を使用。
自宅では、アルミ箔をいれた帽子をかぶっている。
蛍光灯の下では効果がないが、白熱電球使用などの環境下では、電磁波の防護効果があると、信じている。

白熱電球のスタンドでの仕事

照明を蛍光灯から白熱電球に変え、帽子の中にアルミ箔を貼っている。

BEMSJ注：アルミ箔では電界は抑制できるが、磁界の遮断は不可能。
帽子の中にアルミ箔を貼ることで対処できているとすれば、電界に感受性があり、電界の影響を受けていると見ることができる。
白熱電球スタンドから漏洩する電界をこのアルミ箔でどの程度遮断できているか？？
アルミ箔は大地に接地していないので、本当に電界の遮断ができているかも疑問である。

外出すると、街路にある配電線のしたでは、電磁波を感じるといい、体の不調を訴える。

配電線の下で、体調不調を訴える。

BEMSJ注：しかし、この配電線の下の電磁波（もしかして電界？）と、自宅での白熱電球スタンドによって発生する電界とでは、どちらが大きい？？

外出時にトリフィールドメータを持ち歩き、電車の中で３５ｍＧあることを示す。
本人は磁界が１ｍＧ程度の座席を見つけて、そこに座っている。

　
電車の座席の磁界を測定して低い場所を探す。

BEMSJ注：一般的な列車の運転では、駅を発車し一定の速度まで加速すると惰行（惰性走行）運転する。
加速している時間はモータから磁界は発生する。
しかし、惰行に移行すればモータからの磁界の発生はなくなる。
電車に乗ってから磁界を測定し、低い磁界の席を探している間に、電車は加速（力行）から惰行に移行した時に、低い磁界の席を見つけた　と勘違いすることもあり得る。

鎌倉から電磁波のない環境に引っ越すことを検討中、山里の人のいない場所にある住居内ではＯＫであるが、近隣に配電線があれば、駄目である。

磁界の低い宅地を見つけても、近隣に配電線があるとダメ。

＊慢性疲労症候群を研究している医師、小川良一（神戸市の小川クリニック）は、慢性疲労症候群の患者の大多数が電磁波過敏症であると、述べる。
電磁波によって脳内血流に影響が現れる　という。
携帯電話を30秒間使用しただけで、脳内血流が大幅に低下するという場面もある。（BEMSJ注；この実験は盲検法をまったく考慮していない。）

番組を見てからのコメント
以下の2点は、ちょっと考慮する必要があります。

１）トリフィールドメータ

この番組の中で、家庭内のテレビジョン受信機に電磁界測定器を近づけて、測定を行なう場面が放映されました。この場合の測定器はトリフィールドメータであり、テレビジョン受信機に近接時はトリフィールドメータの最大値100mGを振り切れています。
このトリフィールドメータは、製造元の独自な発想から通常の測定器とは大きな違いがあります。

通常の測定器では、磁界の周波数が50Hzでも500Hzでも1ミリガウスは1ミリガウスと表示されます。このトリフィールドメータでは、50Hzでは1ミリガウスですが、500Hzでは10倍の10ミリガウスと表示します。
従って、テレビジョン受信機のように、少し高い周波数で動作している機器をこのトリフィールドメータで測定を行なえば、5ミリガウス程度の磁界が正しい値であるにも関わらず、100ミリガウスといった大きな値を示します。トリフィールドメータの測定結果で、一喜一憂してはならないのです。

従って、公正な科学の目で見れば、トリフィールドメータでの測定値には注意が必要であり、今回の日本テレビの番組では、視聴者に誤った情報を提供していることになります。

このトリフィールドメータの測定器に関しては、私の他の頁を参照。　こちらへ

追記：

このテレビ番組では、電磁波過敏症の方が登場し、トリフィールドメータを持って、電車にのり、磁界の少ない場所を探して座るという状況が放映されました。
これに関連して、2004年5月30日　横浜方面に外出時に、電車の中で磁界の測定を行ってみました。
磁界測定器はトリフィールドメータと、疫学調査などで使用されている精度のあるEMDEXライトです。

測定結果：
JR南武線稲城長沼から稲田堤の間で測定　座席に座って測定器はひざの上に置く。

・稲城長沼で電車が停車中は、トリフィールドメータは9～14mGで変動、EMDEXライトでは10mG程度。　ほぼ等しい値を示す。
・運行中　EMDEXライトでは10mG程度　加速時に最大で20mG程度　トリフィールドメータでは、20～40mGで2～4倍の値となる。　加速時では100mG以上で振り切れている。これはEMDEXライトの5倍以上の値を示す。

東急　田園都市線　武蔵溝口からあざみ野へ　ここでも座席に座って測定器はひざの上に置く。
・電車の運行中の磁界は、EMDEXライトで8～11mGで変動。　トリフィールドメータでは15mGから35mGで、2～3倍大きい値を示す。

東急　田園都市線の　あざみ野駅のプラットホームで測定、電車から降りて、電車が発車してから30秒程度の時間が経過してから、
測定器を手に持って測定。　EMDEXライトでは1mG程度、　トリフィールドメータでは10mG～12mGと、10倍の大きさを示す。

トリフィールドメータは、その独自の設計から、周波数が高くなるとそれに比例して大きな値を示すように設計されている。
したがって、EMDEXライトの測定値に対して、2倍であれば50Hzの2倍の100Hzの磁界が、10倍であれば500Hzの磁界がそこに存在すると推定できる。

最近の電車は、架線からは直流で電力を受電しているが、駆動モータは可変電圧・可変周波数で動作している。　すなわち電車の運行状況に応じて周波数は時々刻々変化している。
もし、トリフィールドメータで電車の中の磁界を測定したとして、同じ50mGであっても、あるときは50Hzの50mGであり、ある時は、500Hzの10mGが真値であることになる。測定器の指示値を鵜呑みにはできない、一喜一憂してはならない、ことがわかる。

テレビに登場した電磁波過敏症の方が、50Hzの磁界に比べて、500Hzの磁界に対しては10倍過敏である　ということが明確であれば、このトリフィールドメータの指示値で、判断することは正しいことになる。

このように考えると、電磁波過敏症の調査などは、難しい側面を抱えている。

２）盲検法でのテストの必要性

慢性疲労症候群の治療研究者で、電磁波過敏症の研究も行なっている小川クリニックの医師の談も放映され、実験風景が登場しました。
電磁波によって脳内の血流量が影響を受けるというのがこの先生の論です。

実験は、最初に何もしないで脳内血流を測定、引き続いて30秒間、携帯電話を被験者の耳の近くに置いてから、再度脳内血流測定を行なって、大きな変化があると、解説されています。
これは事実かもしれませんが、放映された風景を見ると、携帯電話はそのまま何も隠さずに被験者の耳に近づけています。
もし、この被験者が携帯電話の使用に敏感になっているとすれば、携帯電話が頭部に近づけただけで、精神的にも肉体的のもなんらかの反応が起こるかもしれません。

これは、相性の悪い隣の部署の部長が自分の部屋に入ってきただけで、嫌な気分になり、仕事に集中できなくなったりします。
これと同じことがこの実験でも起こっているとすれば、携帯電話のハンドセットから発生する電波（電磁波）の影響なのか、精神的な反応なのか、断定できなくなります。

こうした実験を正確に行なうには、2重盲検法で行なう必要があります。
被験者も試験を行う医師も、ともに、携帯電話の電源が入っているかいないかわからないようにして、実験を行なうのです。

３）鎌倉市の佐野睦夫の転居
この番組で、引っ越しを検討中とあるが、　左野睦夫は以下の新聞記事にも登場している。

毎日新聞2005年1月13日の東京夕刊に掲載された記事
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　　　＊＊＊＊＊＊＊＊
暮らしＷＯＲＬＤ：
未解明部分多い「電磁波過敏症」　予防を呼びかける専門家も

◇自覚症状以外ない診断基準
家電製品や携帯電話などから出るわずかな電磁波を感じて体の異常を訴える「電磁波過敏症」と呼ばれる人たちがいる。
まだ診断が難しく、症状と電磁波の因果関係は未解明な部分が多いが、予防や対策を呼びかける専門家もいる。【大森泰貴】

●引っ越し５回
「電線の下を通るだけで激しい頭痛がする」というのは、千葉県富津市に住む税理士、佐野睦男（さのむつお）さん（７０）。
９３年から、胸が焼けるような原因不明の痛みが続いた。
当時住んでいた神奈川県鎌倉市から東京都三鷹市の病院などに通ったが、電車に乗るのも苦しい。

９６年に知人から「電磁波のせいでは」と言われ、思い当たる節があった。
自宅１階を食堂などに貸しており、２階の寝室は１階の営業用冷蔵庫や蛍光灯の真上。窓のすぐ外には高圧線があった。
「床を通じてかなりの電磁波を浴びていたわけです」と佐野さん。

こうした環境から逃れるため、５回の引っ越しを繰り返した。
家の中でも電磁波測定器の針の振れが少ない所で寝る生活。
昨秋、今の自宅にようやく落ち着いた。
痛みからは解放されたが、用心して眠る時は家の電源ブレーカーを落とす。
「電磁波を感じて」パソコンが使えないため、仕事は電卓で。
電車は床下にモータがない車両に乗り、町では頭上に高圧線がないことを確認して歩く。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

富津市の佐野睦夫は、以下の住宅地からはかなり離れた山の中に住んでいるとみられる。

４）鎌倉市の佐野睦夫の他界
電磁波市民研究会会報113号（2018年7月29日）に以下の報告がありました。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
電磁波過敏症の夫が住んでいた家をお譲りします。
私の夫は、長年にわたり電磁波過敏症に苦しんでおりました。
電磁波過敏症を1993年頃に発症してからというもの、私達夫婦は11年間も転居を繰り返して安住の地を求めで放浪を続けてき、発症当時は神奈川県鎌倉市に住んでいたのですが、同市内での転居を数回続け、静岡県伊豆半島に数年の間避難していた事もあります。
その他、関東圏内で電磁波の少ない土地を必死に探し続けていました。
（略）

そのような状況のなかで過去に一度も視察した事ない千葉県に着目して、藁をもすがる思いで物件を探すことになりました。
（略）
ようやく現在の我が家に行き当たりました。
夫は、当地に視察に訪れた際かつて経験した事が無いほどに体の痛みから解放されたようです。
「気持ちがいい」と晴れやかに私に告げた事をよく覚えております。
（略）
　
集落から離れた場所で私道の突き当りに位置する為に電磁波が少ないのではないか、との事でしたが定かではありません。
転居した当初から頭痛と胸の苦しみが弱くなっていき、2年ほど過ぎた頃には過敏症の症状がほとんど感じられないレペルにまで回復しました。
（略）
夫は、残念ながら2013年にくも膜下出血で他界しました。
（略）
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

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＊B8. 「電磁波過敏症治療最前線」を読んで

まとめ：２００４－１０－３１

電磁波問題市民研究会発行「電磁波過敏症治療最前線　ダラス環境医学治療センタ（以下に関連情報あり）訪問調査報告　2003年12月」を読んでの感想です。

アメリカのテキサス州ダラスまで行って調査してきた努力は認めましょう。
この報告書の中で、以下の2点に疑問があります。

１．ダラスで行っている治療の中で，「ＥＭＦ　アンテナ効果を最小化するためには地面に身体をつけると良い。地面とは土のこと。多くの電磁波で困っている人は芝生や草の上を裸足で立ったり、寝転ぶと良い」とある箇所です。

郵政省（現在：総務省）の電波防護指針などを見れば判ることですが、電磁波の曝露限度値は周波数によって異なるので、代表的な周波数帯域だけで書きますが、「通常の状態で３０ＭＨｚから３００ＭＨｚの電波を一般の人が受ける限度は２７．５Ｖ／ｍですが、人体の非接地状態を満たさない場合（すなわち、裸足で大地に立っている場合）は３０ＭＨｚから１００ＭＨｚの電波の一般の人が受ける限度値は、なんと　９Ｖ／ｍと３分の１になっています。（その他の周波数に関しては割愛）」

この暴露規定に示すように、裸足で大地に立てば、電波を受けたときにより多くの電流が体に流れるようになり、電波（電磁波）の影響を受けるようになるのです。

電磁波過敏症のように、過敏になった人に、このような施術を行うことは、純粋な電気工学の観点からは、疑問が出ることになります。
私がダラスに行ったのであれば、この点を「意地悪質問」します。
電磁波過敏症の人を、電波（電磁波）の影響をより強く受けやすい状況に追い込んでいる　ということになります。

一方、ダラスの医師は西洋医学以外の代替医学も行っています。
この代替医学の中に、大地に裸足で立つことによって自然に回帰し人間の自然治癒力を回復させる　という手法があります。
人類はもともと大地に裸足で歩くことから始まり、文明の発達によって靴をはき、大地から離れた生活を行うようになり自然から離れている。
そこで自然に回帰する　というのが代替医療の一派の手法です。
ダラスではこの自然治癒力の回復を優先させているのだと、私は解釈します。

２．ダラスでは、EMF分析をパン氏が行っていますが
「電磁波をカットした部屋で　　金属のベッドに寝かせ　　色々な種類の周波数をかけて　反応を見る　」とあります。

電磁波をカットした部屋で診断を行うことは　正しいことです。
色々な種類の周波数をかけて検査を行う　ことも正しいことです。

でも、金属のベッドの上にヒトを寝かせた場合はどうなるか、ヒトに色々な周波数の電磁波を照射した場合、金属製ベッドの金属の影響が大きく出て周囲の電磁界の分布が大きく乱され、どのようになっているかわからなくなります。これでは厳格な判定はできなくなります。
こうした実験では、金属ではない木製のベッドを用いることが電磁波の測定・評価の世界では常識になっています。

もう少し厳密に言えば、ヒトが電磁波を感知するかの実験をおこなう場合、金属製のものは身に着けない状態にする必要があります。身に着けている金属によって、電磁波の影響が影響を受けるからです。

これが、世界をリードしている電磁波過敏症の診療機関の状況と判明し、私は正直に言って、がっかりしました。
それだけ、電磁波過敏症というのは、わかっていない面があり、試行錯誤を繰り返しているといえるのかも知れません。

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＊B9. ダラスの環境医学治療センタのレイ(Rea)医師の医師免許が？

　　　　作成：２００７－１２－６

食品安全情報blog 　にあった内容を一部引用して紹介します。
参照：　http://d.hatena.ne.jp/uneyama/20070921#p8

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　　　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

William Rea医師への懲戒請求
Quackwatchの裁判ウォッチから

Disciplinary Action against William Rea, M.D　　September 16, 2007更新
http://www.casewatch.org/board/med/rea/complaint.shtml

テキサス州ダラスで環境健康センタを運営しているWilliam J. Rea医師が、医師免許を取り消されるかもしれない懲戒処分請求に直面している。
テキサス州医事当局が彼を以下の罪で懲戒請求した。
(a)疑似科学的検査法を用いた。
(b)正確な診断を行わなかった。
(c)「無意味な」治療を行った。
(d)彼の治療法に根拠がないという情報を患者に提供しなかった。
(e)彼が訓練を受けていない分野の治療を行った。
(f)米国内科医認定機関が認めていないのに自分は認定された医師であると称していた。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　　　　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

関心のある方は、上記参照URLを覗いてください。

追記：２００８－４－１６　
この懲戒請求はまだ決着が付いていないのでしょう。
2008年3月20日のアメリカのABC放送のニュースで、とりあげられたようです。
番組を見ることはできませんが、以下のABC放送のサイトに、番組の案内が掲載されています。

＞Controversial（物議をかもす） Clinic for the 'Chemically Sensitive'
＞Texas Doctor Target of State Medical Board for 'Environmental Medicine'
＞　By TERRY MORAN and MARY-CLAUDE FOSTER
＞March 20, 2008
http://abcnews.go.com/print?id=4489265　に案内がありますので、関心のある方は覗いてみてください。

追記：　２０１０－６－２
この件が決着したのか？と、Ｔｅｘａｓ　Ｍｅｄｉｃａｌ　Ｂｏａｒｄに問い合わせのメールを入れてみました。
返信によれば、「still pending」まだ係争中　ということです。

追記；２０１３－４－２０
この件は、決着していました。
2010年6月29日、和解が成立しています。
レイ医師は、患者へのインフォームドコンセントの用紙を修正して、１）治療法などはアメリカのFDA食品薬品局の認可を得たものでない、２）化学物質に過敏か否かのテストをする試料は、元の物質の電磁波（波動？）を取り込んだもので（「排気ガス」という試料の場合でも、実際の排気ガスではなく、安全である）あることなどを盛り込むことになっている。
医師免許の剥奪にはならなかったようです。

追記２０１９－２－１７
レイ博士の死亡
以下の情報が電磁波市民研究会の会報11６号（２０１９－１－２７）にありました。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　一部引用　　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
ＥＳ（電磁波過敏症）とＣＳ（化学物質過敏症）の研究と治療の第一人者であったウィリアム・Ｊ・レイ博士（写真）が昨年（２０１８年）逝去されました。
レイ博士は「ＥＨＣ－Ｄ」（Enviromental Health CenterーDallas ＝直訳でダラス環境健康センタ、意訳するとダラス環境医学研究治療センタ）の元院長です。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　　　＊＊＊＊＊＊＊＊

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＊B10. スウェーデンの2005年電磁波研究から

　　作成：２００５－５－２６
先週とどいたＢｉｏ　ＥｌｅｃｔｒｏＭａｇｎｅｔｉｃｓ誌　2005年4月号に、I. Belyaevらによる「915 MHz Microwaves and 50Hz Magnetic Field Affect Chromatin Conformation and 53BPI Foci in Human lymphocytes from Hypersensitive and Healthy Persons」という論文が掲載されていた。

読んでいる途中であるが、電磁波過敏症と普通の健康人から血液を採取して、盲検法で、血液に電磁波曝露したときの状況を報告している研究である。
7名の電磁波過敏症の人がこの研究に参加している。　その中の一人は、この研究論文に書かれた記述によれば、「Ｒｕｒａｌ（田舎）で、Ｃｏｔｔａｇｅ（家）を立てて、電気のない生活をしている」とあります。　それ以上の記述は論文には有りません。

ここからＢＥＭＳＪの疑問です。この方は電力を使用しないので、５０Ｈｚや６０Ｈｚの電界、磁界への曝露は少ないと思いますが、その自宅にはテレビやラジオ放送の電波（電磁波）は届かない地域なのでしょうか？
その他の無線電波（電磁波）は皆無な地域なのでしょうか？？

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＊B11. 日本のＮＩＣＴでの電磁波過敏症の研究

2005年11月にスイスで電磁界の健康影響に関する国際ワークショップが開催されました。

その講演などの資料の一部がＷＥＢで公開されています。
ＵＲＬはhttp://www.itis.ethz.ch/mv です。　英文のサイトです。

その中で、私が見つけたものは、日本の独立行政法人・情報通信研究機構ＮＩＣＴの渡辺さんが行ったプレゼン「日本における研究状況」を報告する資料です。

この中に、電磁波過敏症の研究が含まれていました。
携帯電話の電波を人に当てて、感ずることができるか否かの研究を行なおうとしている・・・という報告です。
オランダのＴＮＯの研究の追試のようです。

ＮＩＣＴの研究では、外部から電波が入ってこないシールドルームに人が入り、そこにアンテナからの電波を当てて、調査を行なうというものです。
発表には、実験の手法だけが開示され、結果に関しては、何も記載されていません。

そのうちに、何かの機会に、実験が終われば、発表されるでしょう。

　　　　　記：２００６－４－６

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

ＮＩＣＴの研究に関連する情報です。
ＮＩＣＴにおける電磁波に関する過敏性の研究が進展しているのでしょう、その結果が発表されます。

来る6月11日からメキシコでＢＥＭＳ（生体電磁気学会）の年次総会が開催されます。
プログラムが届いています。

その中で、ちょっと注目すべきが、以下のＮＩＣＴの研究発表です。
ポスターセッションでの発表です。
　Studies on hypersensitivity to non-thermal radio frequency electromagnetic fields in Japan: second report　 by Y. Ugawa et al.　

どのようなことをこの学会で発表するのか楽しみです。
　　　　　　　
　　　　記：２００６－５－６　　

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＊B12. 電磁波過敏症（アレルギ）は気から・・・・かもしれない事例

　　　記：２００７－５－６

以下は「【仮称】毎日おなかｲﾊﾟｰｲdeR」ブログにあった記事で、ブログのオーナの了解を得て、ここに一部を転記します。
関心のある方は、以下のブログを見てください。
http://blog.so-net.ne.jp/rouxchan/2007-04-19;jsessionid=63C6AAEED2BF3A9C9838F47C03B7BF87

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　一部　転載　　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
電磁波アレルギおばあさんに遭遇しちゃいました。

ある日の東横線で。「あなた！いま携帯使って　たでしょ！！」
ボックス席に座っていたら、斜向かいに座っていたおばあさんがいきなり物凄い剣幕で捲くし立ててきた。
一体何が起こったのやら。カバンに入れて　た　携帯のメールチェックした　だけ　なんだけど。
びっくりしたついでに、いやいや電源を切っただけですよーと　嘘の説明をしたら　素直に信じてくれた。　
やれやれ～。

話を聞くとそのおばあさん、電磁波でアレルギが出るという。
そして医者から貰ったという電磁波チェッカーで、常日頃電磁波チェックをしているそうだ。

電車に乗るとアレルギがひどくてひどくて・・・と訴えてきた。それは難儀ですなあ。
電子レンジも使えないそうだ。

そうこう話をしている間にも携帯を持ったお嬢さんを見つけると怒鳴り散らす。　　
そこまでしなくても・・・（＾＾；）　

電磁波でアレルギ起すなんて、本当かどうか分からないけど、　そういうアレルギ体質の人が増えるなら、私は安全の為にウイルコムでも使おうかな。
実はウイルコムのＰＨＳは携帯電話より電磁波が微弱なんですよ。
ウイルコムのサイトをチェックして初めて知ったけど、人体や医療機器への影響も少ないというし、これだったらそのおばあさんのアレルギも軽くなるかもしれない。

でもその前に、アレルギおばあさんに『携帯電話』とウイルコムの『ＰＨＳ』の区別が付くのかどうか甚だ疑問。

だって、そのおばあさんのそばで話している間ずーっと私の携帯は、電源ONだったのですから。
メールも着信してたしー。　「病は気から」っていいますからね～。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　　　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

このブログを読んでのＢＥＭＳＪの感想：

第１に、このおばさんの使用している医者から貰った電磁波チェッカーは、どの周波数帯域の電磁波（磁界か電界かも含めて）を検知できるものかを確認しなければならない。

５０Ｈｚ等の磁界に感受性が高く、５０Ｈｚの磁界チェッカーを持ち歩いており、携帯電話の９００ＭＨｚといった高周波の電波（電磁波）には過敏でなければ、ブログのオーナが携帯電話の電源をＯＮにしておいたとしても、大丈夫といえる。
医者に貰った電磁波チェッカー　・・・ということから、医者はこのおばさんがどの周波数帯域の電磁波に過敏なのか、低周波磁界であると断定してそれらを検出できるチェッカーを貸したのであれば、身の回りの様々な周波数の電磁波のうち、どれとどれに注意すべき・・・と患者に説明すべきである。
そうしたことをきちんと行わないと、「気のせい」といわれてしまう。

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＊B13. 宮田幹夫氏、化学物質過敏症の専門クリニックを開業

記：２００９－６－２２

電磁波問題市民研究会の「電磁波研会報」No.５８　2009年5月31日発行に紹介されていた記事です。
北里大学の宮田幹夫氏は、東京・荻窪に専門クリニックを開業する。

記事によれば、
「室内空気の化学物質汚染を極力低減するように努力した本格的な施設です。
微量化学物質に鋭敏に反応を示す患者様方にも、診察時の負担は少ないと思います。
主な診療対象はシックハウス症候群と化学物質過敏症などの環境起因性疾患です。
電磁波過敏症の診察確定技術がありませんので、診断書はお出しできません。」
とある。

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＊B14. 札幌に電磁波過敏症のクリニック2015年開設

記：２０１９－４－３０

https://hibikinomori.org/2015/05/02/「帯電障害・電磁波過敏症相談室」開設のご案内　　にあった内容。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

「帯電障害・電磁波過敏症相談室」開設のご案内
2015-05-02

最近、極端な疲れやだるさ、肩こり、頑固な冷えを訴える方が増えています。
一般の検査では異常が見つからないため、「うつ」と診断されるケースも少なくありません。
このような症状は、電磁波被爆による身体の帯電が原因であることがあります。

当クリニックでは、身体に貯留している電気量を計測し、帯電量の多い方はアースシートで体内の電気を抜くことが可能です。
その場で症状の改善が認められる方は電磁波の被爆が原因と考えられます。
さらに進むと家電や携帯などの磁波発生源の近くで具合が悪くなり生活に支障を来す電磁波過敏症になる可能性があります。
電磁波過敏症は、化学物質過敏症の約3割に併発するといわれ、かなりの方が電磁波で苦しんでいると思われます。
しかし、国内では正式な病名として認められていないため、通常は医療の対象にはなりません。

対処方法としては、身体に帯電した電気を抜くことと、環境からの電磁波の被爆を最小限にすることが必要です。
そのためには家庭環境での電磁波被爆状況を実際に測定し対処することが重要です。
そこで、この度クリニック内に「帯電障害・電磁波過敏症相談室」開設し、帯電や電磁波過敏症により、日常生活での苦痛と困難を抱えている人々に、改善に向けた支援を行います。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊：

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＊B15. ＷＥＢにある電磁波過敏症関連の情報　2000年4月の調査

　WEBで　電磁波過敏症というキーワードで検索しました。
22件ヒットしたので各サイトの内容をチェックしました。

殆どが　測定器やグッズの販売WEBでした。
その中で、1名　社会学者と名乗る人がVDTからの電磁波で　体調を崩したという自称電磁波過敏症を訴えるWEBがありました。

　　以下にその調査結果を示します。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　　　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
アット・ニフティ
キーワード：電磁波過敏症
10件 (1 ～ 10) 表示 / 22件ヒット

1：　電磁波から身を守るには？～パソコンによる電磁波過敏症とは？
電磁波被曝を避けるには～電磁波過敏症とは？ホームへ戻る電磁波とは？マイクロ波とは？電磁波は遮断できるか？被曝量と発病率紫外線住宅環境盗聴・盗撮の実態測定器・探知器最新情報電磁波被曝を避けるには電磁波は電場(電界)と磁場(磁界)が直交した波動です。
確認：http://ww1.sphere,ne.jp/furumoto/protect.htmで、フルモト商事という会社のHP、電磁波の測定器を販売している。

2：　見えない危険電磁波汚染
生活環境研究所はアレルギやシックハウス、化学物質過敏症の予防や改善のアドバイス、掃除機、浄水器、空気清浄機等の改善機器、化学物質センサ等の測定機器を扱う。
確認：http://www.sei-ken.co.jp/\goods7.htm で、生活環境研究所のHPで、電磁界測定器を販売している。

3：　電磁波とは？～電磁波の有害性とは？
電磁波とは？ - 電磁波は何故有害か？ホーム電磁波は遮断できるか？マイクロ波とは？被曝量と発病率電磁波から身を守るには？紫外線住宅環境盗聴・盗撮の実態測定器･探知器最新情報電磁波とは？電磁波は電気と磁気の波です。電気の流れるところ、電波の飛び交うところには必ず
確認：１）と同じ会社のHP

4：　JCA-NETイベント集会情報2000年3月
2000年3月5日(日) 【東京】ワークショップ「ジェンダーから見直す地球環境」第2日目【東京】隠された健康障害―電磁波過敏症ネットワーク結成記念集会【東京】創るつながる輝く女たちの21世紀へ 2000年3・8国際女性デー
確認：http://www.jca.ax.apc.org/evemts/200003/05.html で、市民運動の動きの紹介WEBに、ガウスネットワークの動きが紹介されている。

5：　市民研究会の足跡
電磁波問題市民研究会＜足跡＞ --- 1996.10.26. ガウス・アクション（仮称）結成。 1996.12.08. 結成記念講演会「電磁波被害の現実！」東京都千代田区：神田パンセ。参加者：約２００名 1997.02.08. 朝日新聞夕刊第２社会面に
確認：１）と同じWEBで４）と同じ内容

6：　電磁波測定器～手のひらサイズ．軽量．低価格
電磁波被曝を避けるには：＜全画面でご覧下さい＞電磁波は電場(電界)と磁場(磁界)が直交した波動です。電場は電気エネルギーで磁場は磁気エネルギーです。電場は防げても磁場を防ぐことは極めて難しく、困ったことに生体に悪影響を及ぼすのがこの「磁場」です。磁場は紙．木．プラスチック．
確認：１）と同WEB

7:　自然素材
１ｂ・「ひと」と「環境」に負荷をかけない＝バウビオロギー・エコロジー「ひと」＝生物としての人間「環境」＝地球の環境、地域の環境負荷をかけない＝健康、優しい・科学で考える＋伝統に学ぶ＝科学と伝統の融合科学＝高断熱・高気密伝統＝自然素材を使った情緒あふれる日本古来の建築手法
確認：http://www.shirakami.or.jp/~nis93/sizen.html　建築資材の会社、化学過敏症や電磁波過敏症があるので、自然素材を使しましょう　という内容。

8：　イベント情報
主に化学物質問題／環境問題についての各種イベントを紹介しています。掲載したいイベントがありましたらメールまたは FAX で連絡下さい。メール syasuma@tc4.so-net.ne.jp FAX 045-364-3123 連続講座「ヘルシーな室
確認：http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/eents/events.ht,ml　市民運動の紹介WEB.　内容は４）に同じ　

9：　http://web.orange.ne.jp/~furuhasi/anketo.html
竹炭・竹酢アンケート結果おハガキによるものご飯、水が美味しくなった。自分が素直になった。ヒザの腫れが和らいだ。落ち込まなくなった。疲れがなくなった。よく眠れるようになった。アトピーの症状が改善された。大事故・災
確認：竹炭などの販売会社のWEB.　竹炭のグッズが誤って電磁波の防護に有用と説いている。

10：　ダビデ＆スパイラル
新製品のご案内 ■ 新たな環境汚染に対処するために ■ 無数の電気機器に取り囲まれた環境に住む私達現代人は、２４時間常に電磁波の影響に曝されています。特に、携帯電話の急激な普及に伴い強力な電磁波による環境汚染が深刻化し、原因不明の頭痛や、めまい、動悸などを訴える"電磁波過敏症"
確認：http://www.tecnet.or.jp/shopping/computer/dabide/　欺瞞のある電磁波防護の波動グッズを販売しているWEB。

11：　http://www.nttl-net.ne.jp/imai86/profile/yunomi0607.htm
アトピー性皮膚炎は生活環境病？平成１１年６月７日苫小牧民報「ゆのみ」より高血圧や糖尿病などかつての成人病は、ライフスタイル（生活習慣）が大きく関係し、その改善が重要だという理由で最近「生活習慣病」と呼び方が変
確認：新聞記事の紹介。電磁波過敏症ということも紹介されているだけ。

12:　http://web.orange.ne.jp/~furuhasi/canketo.html
竹炭・竹酢アンケート結果竹炭・竹酢アンケート結果おハガキによるものご飯、水がおいしくなった。自分が素直になった。ヒザの腫れが和らいだ。落ち込まなくなった。疲れなくなった。よく眠れるようになった。アトピーの症状が
確認：　９）と同じ

13：　2000年第11週
2000年第11週 (3月5日～３月11日) ５日（日）【東京】ワークショップ「ジェンダーから見直す地球環境」第2日目【東京】隠された健康障害―電磁波過敏症ネットワーク結成記念集会【東京】創る　つながる　輝く女たちの21世紀へ
確認：４）と同じ

14：　Socius_電磁波被曝に気をつけて(Internet and Citizenship:64)
このページは社会学者・野村一夫による社会学ウェッブサイト「ソキウス」(Socius)のコンテンツです。ここでは、上記タイトルのテーマについて解説してい
確認：　http://honya.co.jp/contents/knomura/on/on64.html で、パソコンで本執筆中に体調を崩し、VDTからの電磁波と思い込んでいる、電磁波過敏症であると主張している症例。

15：　Ｋ．Ｈｉｒｏｓｅ’ｓＨｏｍｅｐａｇｅ
地球環境と自然農法のページ。人間の生き方を考える。目先の損得、自分さえよければ、今さえよければいい、そういったものの考え方。果たしてその先に本当の喜びがあるのだろうか。本当の幸せがあるのだろうか
確認：http://www-ya.magma.ne.jp/~hiroseko/index.htm アクセスしたがどこに電磁波過敏症という言葉が出てくるのか。ついに探し出せなかった。

16：　バウビオロギーの説明
［１］ａバウビオロギーと環境ホルモン、化学物質過敏症１９６２年にレイチェル・カーソンが世界で初めて環境汚染を「沈黙の春」の出版で警告してから３６年たち、また、数限りある資源の宇宙船地球号と言われてから久しいです
確認：７）と同じWEB

17：　Socius_Current Issues06
このページは社会学者・野村一夫による社会学ウェッブサイト「ソキウス」(Socius)のコンテンツです。ここでは、上記タイトルのテーマについて解説しています。
確認：１５）と同じWEB

18:　２１世紀情報社会を生きる - 電磁波
電磁波最近、パソコンから出る電磁波が健康によくない等ということをよく聞きます。マスコミでは、電磁波が危ないなどと言われていますが、実際はどうなのでしょうか。今回は、電磁波とはどういう物で、どんな現状なのか、調べてみたいと思います。電磁波については、資料も難しくなかなか理解できませんの
確認：http://www.takenet.or.jp/=ryuuji/natsu/na98/electromagnetics　個人のWEBで夏休みの課題に電磁波の生体影響を調査したという内容。

19：　http://www.ckp.or.jp/satonao/column/zatsudan/text/99/0222.html
嫌煙はやめようよ嫌煙はやめようよ山下達郎の7年ぶりのライブに行ってきたことを書こうと思ったんだけど、前回の日記に書いたタバコの話になんだかシビアなメールがいろいろ来たので、そっちを書くことにしよう。
確認：個人の日記のWEB、一言電磁波過敏症ということが出てくる。

20：　http://ckp.or.jp/satonao/column/zatsudan/text/99/0222.html
嫌煙はやめようよ嫌煙はやめようよ山下達郎の7年ぶりのライブに行ってきたことを書こうと思ったんだけど、前回の日記に書いたタバコの話になんだかシビアなメールがいろいろ来たので、そっちを書くことにしよう。
確認：個人の日記のWEB、一言電磁波過敏症ということが出てくる。

21：　JCA-NETイベント集会情報2000年3月
2000年3月３月１日（水）【大阪】アレン・ネルソンさんのお話しとブルース… ちょっぴりワイン【東京】このままでいいのか！？参政権法案【佐賀】広瀬隆講演会原子力の時代は終った―東海村臨界事故を徹底検証【東京】非核
確認：４）と同じ

22：クロス・カレント電磁波複合被曝の恐怖
クロス・カレント電磁波複合被曝の恐怖ロバート・O・ベッカー著／船瀬俊介訳（訳者解説の抜粋）電磁波が、癌や白血病などと密接な関係があるということは、欧米ではすでに多くの人々にとって“常識”と化しつつある。「高圧送電線
確認：http://www.ubc.co.jp/zone/dennjiha.htm 　電磁波防護グッズの販売会社のWEB.

以上　　確認の項目はBEMSJが各WEBを見て、内容をチェックした。

22件の電磁波過敏症というキーワードで検索結果があっても、電磁波測定器やグッズの販売目的の頁と、市民運動を紹介してくれる頁、ちょっと文章に化学物質過敏症と並んで電磁波過敏症という言葉が出てくる程度。　唯一　1名の電磁波過敏症であると主張する症例が掲載されているに過ぎない。

2009年、2010年と10年経過後に、同様な調査をやれば、時代の変化が読めるかも知れない。　

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＊B16. ＷＥＢにある電磁波過敏症関連の情報　2010年1月の調査

記：２０１０－１－２０

「電磁波過敏症」をキーワードにＷＥＢ検索　　2010年1月20日
10年前の検索では22件程度のヒットであったが、今回の検索ではグーグル検索で「54500件」もヒットするようになっている。
よって、トップ20のサイトの状況を以下に纏める。

１．電磁波過敏症ネットワーク
電磁波問題とは. 電磁波過敏症. 電磁波計測. 各地の反対運動. 電磁波Q&A. 入会申込み・・・・・一体電磁波過敏症とはどういうものなのでしょうか。

電磁波過敏症のネットワークの頁　http://www.gsn.jp/kabinsho.htm　

２．電磁波過敏症 – Wikipedia
電磁波過敏症（でんじはかびんしょう）とは、「ある程度の電磁波を浴びると、身体が鋭敏に反応する症状」を指すが、明確な定義はない。

解説の頁、　http://ja.wikipedia.org/　

３.電磁波過敏症とは何ですか？
博士によると、電磁波過敏症の患者の特徴は、最初に目、皮膚、神経に症状が現れます。そして次に呼吸困難や動悸、めまいや吐き気などの症状が現れてきます。

電磁波防護グッズなどの販売サイトの頁　http://ktai-denjiha.boo.jp/faq/answer/kabinsho.html　

４．ガウスネットワーク
ガウスメーターの選び方、各地の反対運動、電磁波過敏症ネットワークの案内。

1と同じ頁　解説の頁：http://www.gsn.jp/

５．急増する電磁波/化学物質過敏症・花粉症・アレルギ対策
「電磁波過敏症」は1980年頃から世界的に急増しているハイテク病で、アメリカの医学者・・・・電磁波過敏症患者で最も顕著に変化が現れたのは、脳の血流量が健常者に比べて・・・・

電磁防護グッズなどの販売サイトの頁：http://www21.ocn.ne.jp/~furumoto/es.html　

６．電磁波過敏症:babycom ecology/電磁波専門家インタビュー4
最も新しい現代病「電磁波過敏症」の治療法はあるのでしょうか? ・・・・日本で電磁波過敏症が認知されるためにはどうすればいいのか?・・・・・

解説の頁：http://www.babycom.gr.jp/eco/denjiha/sp4.html

７．電磁波なび - 電磁波による健康への影響について情報を収集
健康に関わる電磁波のニュース、電磁波から身を守る方法等。・・・・・電磁波過敏症No.4(2006年4月) ・・・・

解説の頁：http://www.denjiha-navi.com/

８．髮サ逎ウ「驕取撫逞_
中でも、電磁波は視覚も嗅覚も利きませんから、過敏症を自覚すること自体に困難が大きいといえます。
・・・・医学、心理学などの専門家が協力して、過敏症患者に作用している電磁波の実態を把握するところからスタートするしかないでしょう

クリニックの解説の頁：http://homepage2.nifty.com/midoriyama/denjiha.htm

９．電磁波被害を防ぐ!電磁波対策先進国ドイツの最新グッズを独占輸入・販売
妊娠されている方、電磁波で困っている方、長時間パソコンなどを使用する方、IH調理器などで料理をされる方、電磁波過敏症の方にお勧めです。

電磁波防護グッズ等の販売サイトの頁：http://www.emf110.com/

１０．電磁波なび:電磁波MonthlyWatch:現代の病!? 電磁波過敏症に
もし「あ、そうかも」と思い当たるところがあれば、電磁波過敏症のおそれがあります。
・・・では、電磁波過敏症・・・・米国の医学者であるウイリアム・レイ博士によって「Electrical Hypersensitivity(電磁波過敏症)」と命名されました。

7と同じサイト、解説の頁：http://www.denjiha-navi.com/watch/backnumber200509.html

11．電磁波過敏症とは
電磁波過敏症は、アメリカの医学者ウィリアム・レイ博士によって命名されました。
・・・・日本ではまだ認知されない病気ですが、スウェーデン、デンマークでは電磁波過敏症は認知され、公的保険の対象となっています。

電磁波測定器の販売サイト：http://www.e-arcadia.jp/denjiha/denjiha-kabin.html

１２．過敏症
電磁波過敏症であることを本人がそのように信じ、病状が発現していることだけは事実である。
・・・・まったく電磁波過敏症の人が存在しないということも断定はできない。

解説の頁。この私のサイトです。12位でヒットするのは光栄です。
http://homepage3.nifty.com/~bemsj/hyperSens.htm

１３．ヘルスネットメディア
WHO(世界保健機関)のブルントラント事務局長、「電磁波過敏症」に・・・「スウエーデン、デンマークでは電磁波過敏症はES(エレクティカル・センシティビティ)として認知されている。

解説の頁　http://www.health-station.com/new12.html

１４．電磁波過敏症
パソコンや携帯電話の普及により、現代の慢性疲労性症候群患者の９５%は、電磁波過敏症によるものだという報告があります。
電磁波により、携帯電話を耳に３０秒あてることにより、脳血流が４分の１に減ってしまう報告もされています。

解説の頁：http://www.holistic-dental.com/emi/denjiha.html

１５．電磁波過敏症対策|先進国ドイツの電磁波防止最新製品を独占輸入・販売
スウェーデンでは、電磁波過敏症は病気の症状として社会的に認知されていますが、日本は病気の症状としては認知されていません。

９と同じサイト、電磁波防護グッズ等の販売サイトの頁：http://www.emf110.com/forPersonal/8.html

１６．電磁波過敏症・電磁波症候群の症状解消改善オルゴール療法
その原理を基にしたオルゴール療法で電磁波過敏症他様々の病気を完治しています。.

解説の頁：　http://www.musicbox.jp/rei/denjiha/index.html

１７．電磁波過敏症電磁波症候群の症状対策対処法改善解消オルゴール療法
電磁波過敏症と教わり、はじめてこんな病気があることを知りました。
・・・症９変電所の近くに引っ越して来て電磁波過敏症になりました・・・.

解説の頁　16と同じサイト：http://www.musicbox.jp/rei/denjiha.html

１８．電磁波過敏症の症状とその判別方法について
下記記述は、あくまでも電磁波過敏症・・・・近年日本でも「電磁波環境での過敏症」と呼ばれるようになってきています。

電磁波防護グッズの販売サイト：http://kanemasa-web.hp.infoseek.co.jp/data4/kabin3.htm

１９．『電磁波シンドローム』健康,人間,過敏症
パソコンやテレビなどの様々な家庭用電化製品の発する電磁波が,生体に及ぼす影響の危険度を5段階で評価。
自分で簡単に出来る電磁波過敏症対策を詳細に説明。

本の販売サイト：http://www.ningen-rekishi.co.jp/details/4-89007-154-7.htm

２０．電磁波過敏症は存在する
電磁波過敏症(electro-magnetic hypersensitivity)の症例が報告されている。
・・・そこで、北里大学北里研究所病院臨床環境医学センターの宮田幹夫先生に「電磁波過敏症」について話を聞き、改めて身体総負荷量の仕組みを考えた。

自然食品などの販売サイト：http://www15.ocn.ne.jp/~honpo/el-mg-hsens.doc

20件中8件がグッズ等の販売サイトでしたが、残りは何らかの形で電磁波過敏症に関する解説サイトでした。
10年前に比べて、電磁波過敏症に関する解説のページが増えていることは良いことです。

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*B17. 電磁波による体調悪化と苦情したが、そうではなかった事例

記：２０１０－１－１９

Gizmodoのサイトにあった内容の一部を紹介します。
http://www.gizmodo.jp/2010/01/off.html にあった内容

＊＊＊＊＊＊　一部　引用　　　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
村人、電波塔が原因で体調が悪化と苦情→その電波塔はずっと電源OFF
掲載日時：2010.01.18 14:00
（略）
南アフリカはクレーガヴォンで、とある電波塔の近くに住む人々が、非常に体調が悪くなることが多発したそうです。
彼らは体調悪化の原因を、その塔から出る電波なり電磁波なりだと確信し、その塔を所有するiBurst社に、意を決して、クレームをつけました。
以下がその回答です。

現時点においては、お客様の体調について、当社の塔が関与している可能性はないものと考えております。

なぜならばこの塔はすでに何週間も使われておらず、電源も入っておりません。
塔との距離で体調が変わるとのことですが、再度ご確認いただけますようよろしくお願いします。

（略）
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

この情報だけではわからないので、この元ネタを探してみました。
日本語で検索すると、このＧｉｚｍｏｄｏの記事とその引用先しか出てきませんでした。

英文で検索して、以下の関連する情報を見つけました。
どうやら以下に示す南アフリカのマイ・ブロード・バンド・ニュースのサイトにあった記事が元ネタになっているようです。
英文で、翻訳しきれませんので、ＵＲＬとタイトルの部分だけを紹介します。
関心のある方は、夫々のサイトを覗いてください。

＊１：http://mybroadband.co.za/news/Wireless/9584.html　にある記事　
iBurst tower battle heats up
13 September, 2009
Information related to recently erected iBurst tower raises questions about objections

＊２：http://mybroadband.co.za/news/Wireless/10528.html　にある記事
War erupts over iBurst tower
19 November, 2009
The race is on to establish whether iBurst tower causes health problems as alleged by residents
According to Van Zyl he recently had the signal level measured, by an independent company, at the closest property to the Craigavon/Four ways Memorial mast, and the results show that the radiation level was 0.0049 V/m.
This level is over ten-thousand times below the ICNIRP safety limit of 58 V/m and is the same level as the 2G and 3G signals present at the site before the iBurst tower was constructed.

＊３：http://mybroadband.co.za/news/Wireless/10739.html　にある記事
iBurst tower battle ‘only beginning’
07 December, 2009
At the meeting Van Zyl agreed to turn off the tower with immediate effect to assess whether the health problems described by some of the residents subsided.
What Craigavon residents were unaware of is that the tower had already been switched off in early October – six weeks before the November meeting where residents confirmed the continued ailments they experienced.

＊４：英国のテレグラフ紙のサイトにもこのニュースがあります
http://blogs.telegraph.co.uk/technology/iandouglas/100004561/mobile-phone-masts-and-health-in-the-news-again/　
Mobile phone masts and health in the news again
January 15th, 2010
この記事はmybroadband.co.zaを参照している。

＊５：南アフリカの新聞　The Starにも記事がある。サイトは　www.thestar.co.za/
検索をしたら1件の記事がある。
2009年9月18日のThe Starの記事で
Broadband tower sparks outrage in community　というタイトル。
詳細は「過去の記事で削除済み」というエラーメッセージが出て、読めない。

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＊B18. 電磁波過敏症対応住宅建設の事例2011年

記：２０１１－１１－１９

以下の解説記事を見つけた。
掲載誌：建築技術　2011年1月号
タイトル：電磁波過敏症対応住宅
筆者：空設計工房　江藤眞理子

詳しくはこの雑誌を見ていただくこととし、
＊クライアントは見晴らしの良いマンションに住んでいたが、景色の中に4か所の携帯基地局が見えていた。これが原因で電磁波過敏症となった。
＊マンションの居室に高周波電波のシールド加工を施した。　
＊それでもだめとなり、高周波電波の届かない場所を探し、新たな住宅を建てることになった。
＊低周波電磁界にも配慮し、見えるところや触る場所には金属を使用しないようにした。　
＊屋根や壁には金属メッシュで高周波電波のシールドを施すことになっていたが、施工の直前になって、「気持ちが悪い」として、取りやめになった。
＜BEMSJ注：ということは、高周波の電波はシールドされないことになる。＞
＊こうした新築で、クライアントは満足した生活を送れるようになった。

という内容です。
かなり疑問の残る事例です。

この空設計工房は、ネットで検索を行った結果、福岡市にある設計事務所と判りました。

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＊B19. フランスの事例　電磁波恐怖症2012年

記；２０１２－１－２３　

http://karapaia.livedoor.biz/archives/52062321.html　にあった事例です。
関心のある方は、当該のサイトにアクセスしてください。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　　　　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
２０１２－１－２２
電磁波から逃れる為に洞窟の中で暮らす「電磁波恐怖症」の女性たち（フランス）

海外でも電磁波に過敏反応する人も多く、フランスでは2人の女性が、電磁波から逃れる為に3年前から電気のまったく通っていない洞窟の中で暮らしているという。
フランス、ヴェルコール高原の端、Beaumugneの町の片隅にある洞窟の中で暮らすのはアン（52歳）とベルナデット（66歳）。

ニース大学の元従業員だったアンは2009年に大学構内に無線LANシステムが導入された時から体調を崩したという。
全身に湿疹ができ、めまいや頭痛、吐き気に襲われたそうで、それから電磁波に対する恐怖は強まり、ついには家で眠ることもできず、しばらくの間郊外の駐車場で彼女の車の中で夜を過ごしたという。

電磁波に対する恐怖はどんどん増長され、ついには電気のあるところでの生活がままならなくなったアンはこの洞窟に移り住むことを決意。
しばらくして同じ症状に悩むベルナデットが参加した。

洞窟内では完全に電気を遮断している為、空調設備がなく新鮮な空気が入ってくることもなければ、太陽の光も入ってこない。
天井にはプラステチックのシートが張られている為湿度も高い。
それでも彼女たちにとっては快適のようだ。
食料は洞窟の外でりんごなどを栽培し無農薬で育てているという。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　　　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

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＊B20. 英国過敏症の例2016年12月

記：２０１６－６－３０

http://www.excite.co.jp/News/world_clm/20161225/Techinsight_20161225_330730.html　にあった内容
一部引用して紹介
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
Wi-Fiアレルギの女性、片頭痛や痺れ、深刻な神経疾患で引きこもりに（英）
Techinsight Japan 2016年12月25日

Wi-Fiアレルギにより体調を崩した女性（出典：http://www.somersetlive.co.uk）

ネット社会に生きる我々は、公共の場でインターネットやスマホが使えるWi-Fiエリアをつい探してしまう癖がついている。
ところが便利なものであるはずのWi-Fiの電磁波によって片頭痛を起こし、家から出られなくなってしまった女性がいるという。

英サマセット州のチャードに暮らすキム・デ＝アッタさんは、Wi-Fiやスマホ、テレビなどの電磁波によって片頭痛などの体調不良を引き起こす「電磁波過敏症」だ。

携帯電話のシグナルなどほんの少しの電磁波にも反応してしまうキムさんは、滅多に外出することができない。
家族や友人などにも会うことができず、旅行とも縁がない生活を送っているのだ。

(略)

10代の頃、南ロンドンに住んでいたキムさんはテレビが自分の体に不調をきたすことに気付いた。
後に看護師として働き始めて携帯電話を所有したが、使うたびにその電磁波が頭に激しい痛みをもたらしたという。
「（携帯電話を）初めて使った時は、頭にレーザーが走ったような衝撃を受けたわ。」
それ以降もキムさんの症状は悪化。

30歳になった時に自然が広がり“聖地”と呼ばれるグラストンベリーへ、瞑想と東洋哲学を教えるために引っ越した。
電磁波を避けるためでもあった転居だが、数年後にはその中心部に携帯電話基地局が建てられ、電波が行き届くようになってしまった。

「図書館にいたら、腕が痺れて顔が焼けるように熱くなったの」とその頃のことを語るキムさん。
片頭痛や痙攣、痺れ、感染症や神経疾患に悩まされるようになり、医師は「『電磁波過敏症』だろう」と診断した。
しかし動悸、耳の痛み、腰痛まで発症したことから、キムさんはグラストンベリーに住み続けることも困難になってしまった。

（略）

その後キムさんは、いとこにお金を援助してもらい、グラストンベリーを出て電波の届かない場所を求めて世界中を旅した。
しかしどこに行っても携帯電話基地局が建てられており、電磁波を避けて暮らすことは難しいと悟った。
帰国後、電波が弱く制限された場所にしか届かないチャードという町に暮らすようになり、今もそこで生活をしているが、それでもまだキムさんの症状は治まっていない。
(略)

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

以下は英文の元ネタにあった情報の一部

英サマセット州のチャードに暮らすキム・デ＝アッタ（Kim De'Atta, from Chard, Somerset）
頭にかぶっているのは電磁波シールドネットということ。

ＢＥＭＳＪ注：上の写真にあるような電磁波シールドネットの電磁波防護効果は？？？

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＊B21. 気功での電磁波過敏症克服例

記；2012-6-4

以下のサイトに化学物質過敏症と電磁波過敏症を気功で克服した例が紹介されていました。
http://www.daimeikikou.com/taikendan15.html　にあった情報から、一部を抜粋して紹介します。
関心のある方は、当該のサイトを見てください。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
大明気功院　会員体験談　－15－
化学物質過敏症・電磁波過敏症克服の体験談＜６＞

「化学物質過敏症」「電磁波過敏症」との5年間　　山中里子(元教員）2008年3月25日

2003年の3月末に化学物質過敏症を発症してから間もなく丸５年になります。
4年半を経過した昨年の10月に初めて青島先生の施術を受け、７回、４ヶ月ほどでほとんど以前の状態に戻り、夢のようです。

履歴：
2003年3月化学物質過敏症
職場で改修して間もない建物に移った日に発症、可能な限り古い建物で仕事をしたが、改修後の建物に３０分もいると頭が重くなり１～数時間いると激しい頭痛。
夜、背中や肩が痛く、翌朝は疲労・脱力感でなかなか起きられない状態が続いた。

2005年3月に退職することに決めた。
避難場所にしていた古い建物の改修が迫って本当に居場所がなくなる、扶養家族はなく、年金の受給資格もあるなどの理由で決断は速かった。
たとえ治療費用が出るにしても、これといった治療法もなさそうだし、診断も難しそうだし、何よりも、手続きをやり通す自信がなかったので、労災の申請はしなかった。

2005年3月に退職後、自宅にいた間は時々散歩などもしてほとんど問題なかったが、父の入院の付き添い（７月）、葬儀（８月）などで悪化

電磁波過敏症も発症
2006年6月7日、帰省先で思いがけず頭痛、吐き気などで体調不良になり、９日に帰宅後、「電磁波・化学物質過敏症対策」の電磁波の部分を読んで（化学物質の部分は約１週間前に読んだ）、これだと思った。
しかし、携帯電話もかかりにくいような所でなぜ？と思ったが、無線LANを使っていたことが後で分かり、そのせいではないかと思った。

2006年6月15日（木）
朝、頭頂部が重い。磁場測定器（TRACER　micro ELF）を借りて測ると、電子レンジの近く、ラジオの電源のすぐそばは非常に高いが、その辺にいても格別の症状は出ない。
（電気関係の補足：洗濯機、電気釜、テレビなどはずっと支障なかった。電子レンジはオーブン機能だけ使用、電気こたつは一時期使用中止。冷蔵庫など常時通電が必要なものは一つのブレーカーにまとめて、それ以外のいくつかは必要に応じて通電。蛍光灯を白熱灯に替えた。）

2006年6月21日（水）
夕方、電波探知器着（送料共27,140円）。２階は全部高い。階下、金属製の長いひさしのある座敷（仏壇がある）で寝る。
（徐々に分かったことだが、主に北東と西側300～2キロ位の所に携帯電話の中継塔〔郊外用の高くて強力なもの〕が10本ほどある｡二階の窓からも数本見える｡）

2007年5月10日（木）
数時間街へバスで出かける。送電線の下でモワーッとした。右側頭部に朝も夜も違和感。

2007年3月下旬に『電磁波過敏症』を再読、アースによってパソコンもかなり使えるようになったので、インターネットで検索して青島先生のご著書を購入、大明気功院のホームページで福田純子さんのノーカット版の体験記も読んだ。
3月末に青島先生のDVDも買ったが、実際に大雁功短縮版の練習を始めたのは6月7日。初めは短縮版のみ約30分、７月上旬までに一通り大雁功も覚えて、朝晩約40分行った。
徐々に体調も回復し、少しずつ外出もしてみて大分自信がついたので、9月の中頃思い切って気功院に予約をお願いした。

2007年10月9日（火）　第１回施術：

2007年10月17日（水）　第２回施術：
電波探知器で測ったら、東京駅と横浜駅のホームは非常に強かった（前回は電池切れで測れなかった）。
私はその場では何も感じなくても後で症状が出ることが多いのだが、問題なかった。（以後、電波探知器は休眠状態）。

2007年10月30日（火）　第３回施術：

2007年11月20日（火）　第４回施術：
青島先生にトニックと化粧品の匂いの話をしたら「避けていると治らないよ」とおっしゃったので、（風邪で２日間寝込んだ後）11月28日に新築の図書館で１時間過ごしたが、症状は出なかった。（壁面は少ないが、木製の階段付近はかなり臭いがした。）
12月6日には同図書館で４時間半（大部分は自習室のような比較的狭い部屋で）過ごし、帰省先で使っていて最も苦手な合成洗剤トップを買って帰って洗濯をし、居間に干した。翌朝、静功の時、途中から右肩中心に重く、不快になったが、終わり頃にはすっかり軽くなった。

2007年12月11日（火）　第５回施術：

2008年1月9日（木）　第６回施術：

2008年2月7日（木）　第７回施術：
デパートの化粧品売場の香りが楽しいくらいになった。
発症前にほぼ戻ったような感じがする。外出の翌日などに、眠りが少し浅かったり、トイレに起きたりすることがあるが、さほど困るほどではない。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　　　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

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＊B22. サンデー毎日2001年の電磁波過敏症記事

このページへの公開：２０１２－７－１３

以下はNiftyの自然環境フォーラムに投稿した内容です。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　　　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
情報提供者　：　BEMSJの電磁波健康影響レポート
提供日付　　：　2001/07/14 23:30
登録経由地　：　自然環境フォーラム未来への海図 #27383

先日、書店で週刊誌サンデー毎日の2001－7－1号を買いました。
中に4頁の記事で、電磁波過敏症の例が紹介されています。
症例としては3例ほど紹介されています。

私も1例、自称電磁波過敏症の人の面倒を見たり状態を調査したりして相談にのってあげたことはありますが、正直に言って、ちょっと信じられないという感じです。
全く電磁波過敏症が存在しないとは言い切りませんが。

ビタミンC、Eがこの電磁波過敏症の防護に良いそうですが・・・・・・・これもそのまま信じることは出来ません。

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＊B23. 親の危篤に際して飛行機に乗れなかった電磁波過敏症の例

記；２０１３－１－１２

加藤やすこ著「電磁波・化学物質過敏症対策」の中にあった事例を紹介します。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
飛行機の電磁波

飛行機の場合も、エンジンに近いほど電磁波が強くなります。
機種によってエンジンの位置は変わるので、予約時に確かめ、エンジンから一番離れた席を指定しましょう。
エンジンから発生する音や振動も体調悪化の原因になるので、注意してください。
機種にもよりますが、最前列か最後列なら比較的楽なようです。

ちなみに、「電磁波過敏症なのでエンジンから遠い席にしてほしい」と頼んだある患者さんは、「飛行機に乗っても大丈夫だという医師の診断書はあるのか」と開かれ、診断書を出すように空港で要求されました。
結局この方は、親が危篤だったのに飛行機に乗ることができなかったそうです。

「飛行機で移動するだけの体力はあるが、エンジンから離れた席に座りたい」という場合は、電磁波過敏症という病名を出さない方が無難かもしれません。
航空会社としても、耳慣れない病気なので慎重にならざるを得ないのでしょうが、もう少し病名が認知されれば、航空会社の対応も変わるかもしれませんし、そうなるように期待したいと思います。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

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＊B24. 加藤やすこ著「電磁波・化学物質過敏症対策」2004年緑風出版より発行を読んでの感想

記；２０１３－１－１５

P28に「動物実験では4ミリワット/cm2　のマイクロ波にマウスを被爆させると筋肉細胞が収縮することが確認されています。」とある。　
周波数にもよるが、ICNIRPの一般公衆への電磁界曝露では、400MHzでは0.2mW/cm2が限度値である。
この限度値の20倍となり、もしかして、何らかの影響が出てもおかしくないような実験条件での実験結果なのかもしれない。

この研究の原論文を読んでみたい。
上記に紹介された研究の　研究者名と論文のタイトル、掲載雑誌名と発行年　が判れば、原文を入手可能である。筆者にメールを出した。

P41に
「携帯基地局で発ガン率が増加
スペインでは、小学校の近くに携帯電話中継基地局が建てられてから18ケ月間で、全校生徒450人のうち3人が小児白血病に、１人がホジキンリンパ腫（悪性リンパ種）になった。
一般的な小児白血病の発症率は10万人に1人。
ところが、この学校では150人に1人が白血病を発症していることになる。」　とある。

小児白血病の場合はどうか、詳細は知らないが、何らかの原因がって、癌として発症するまではかなりの年数がかかるとされるのではないか？
わずか18か月、1年半で発症するとは疑問がある。
この元ネタはスペインの新聞記事が英国のガーディアン紙に転載された2002年1月12日の記事である。
スペインでの一般駅な発症率は、元ネタでは10万人に14名となっており、加藤署では桁が誤っている。

P65に、
「抗酸化力のある飲料水
ビタミンやミネラルの他に、抗酸化力のある飲料水も販売されている。
「EM-X」（168頁参照）や「月華波動バランスα」などだ。月華波動バランスαは、腸内細菌などの働きを助ける微生物培養エキスに、有機栽培玄米やビワの菓・種の抽出液と、昔ながらの炭焼き方法で焼いた「月華波動竹炭」の波動を転写したミネラルウオータをブレンドし、熟成させたもの。
これらの抗酸化飲料水を飲んで、体調が改善したという過敏症患者もいる。」　とある。

なんと、偽善に満ちた波動グッズをこの加藤やすこは推奨している。

P89には
「ホメオパシーの理論では、原物質の分子の情報が水に記憶され、その情報が患者の体内で自然治癒力を引き出すから、と考えられている。
なお、水が物質情報を記憶することを科学的に証明した、という報告もある。」とある。

水が物質情報を記憶するとは・・・・・とんでもない誤りを加藤やすこは記述していることになる。
どのような科学的な論文を読んで、このような記述を行ったのであろうか？

P127に
「電磁波シールドの注意点
自然界にあるシューマン波は、地球上の生物が生きていく上で欠かせない電磁波で、宇宙飛行士の健康を維持するために、宇宙船にはシューマン波発生器が積まれているほど。
分厚い鉄で囲んだ建物は、人工的な電磁波を遮断できるが、シューマン波も入らなくなる。」とある。

さて、宇宙船とは具体的にどのような宇宙船なのであろうか？
また、この宇宙船にシューマン波発生器が積まれているか、宇宙関係の専門家に聞いてみたいものです。

P169には
「EMは善玉菌のかたまり
EMとは琉球大学の比嘉教授が開発した有用微生物群のことで、Effective Microganismという造語の略です。
乳酸菌や酵母、光合成細菌など、働きの違うさまざまな微生物が数十種類含まれていて、生活環境に存在する有害な微生物の繁殖を抑え、善玉菌を活性化させます。
また、有害化学物質を吸着・分解することもできるので、農業や工業、医療など多彩な分野で幅広く利用されています。
EMには、好気性や嫌気性の微生物を培養したEM-1や、雑菌の繁殖を抑える力の強いEM‐W、抗酸化力が強い漂飲料水EM‐X、EM‐Xを粘土に入れて焼いたEMXセラミックスなどさまざまな種類があります。」　とある。

EM菌という微生物の効果に関しては、私は専門外なので、何とも言えないが、最後に「EM‐Xを粘土に入れて焼いたEMXセラミックスなど」という記述があることは疑問である。
EM菌が有用としても、粘土に入れて、数千度という温度で焼いたセラミックスには、EM菌が生き残っているとは思えない。
EMセラミックスにはEM菌の効果が残っているとは言えない。
そうした効果の疑問があるグッズを、電磁波・化学物質過敏症者に推奨することは、正しいとは思えない。

と言うことで、この本は、必ずしも正確に記述しているとは言えない。

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＊B25. あるネットの質問箱にあった電磁波過敏症に関する質問と回答から：2011年

記；2013－3－12

以下の質疑応答は、参考になる情報と思い、一部を抜粋して、紹介します。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
質問
5年前から原因不明の不調が始まり、いろいろな病院に行きましたが、今も病名が無いままです。
ある大学病院で「たぶん、電磁波過敏症」と言われましたが、治療法が無いので、「電気もガスもないようなところに行って抜くしかない」と言われました。
投稿日時 - 2011-03-05 11:54:56

回答：
いわゆる電磁波過敏症は、スウェーデンでは、事実上、心身症の一種として、保険適用が認められているので、保険の範囲内で、
・症状の原因を調査する診療（電磁波以外の原因を見つける）
・見つからない場合、認知行動療法（心理療法）
を受けることができます。

スウェーデン保健省：
http://www.socialstyrelsen.se/sosfs/1991-6/andringdforeskrift1998-3

現地の患者さんたちは、これを不服として、「認知行動療法以外に効く療法がある」とする調査結果を公表していますが、調査の主体（出資者）も客体（患者）も自分たちでやっているので、現地でも学術的には相手にされてないのが実態です。
投稿日時 - 2011-03-05 22:20:55

お礼：
電磁波の影響を指摘している人たちの伝え方では「スウェーデンでは、保険適用が認められている」となりますが、実際には、「その他の原因を詳しく探る」ことに保険が適用ということのようですね。思ったより否定的ですね。
投稿日時 - 2011-03-05 23:55:52
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

上記の回答の中に紹介されていたスウェーデン保健庁のガイダンスの紹介：

http://www.socialstyrelsen.se/sosfs/1991-6/andringdforeskrift1998-3にあった内容、2013年3月のログ

スウェーデン保健庁のサイトにあった勧告。
この勧告は本文にも明記されているがスウェーデンの電磁波過敏症などの研究者であるカロリンスカ研究所のOlle Johanssonも、スウェーデンの電磁波過敏症に関する市民団体であるthe Association for Electrical and Display Damaged (FEB)も参加して、作成されていることは注目に値する。

Constitutional Amendment（法改正）　SOSFS 1998:3

National Board guidelines on treatment of patients relate their problems to amalgam and electricity　Recommendation

アマルガムと電磁波の問題に関する患者の取り扱いに関するスウェーデン保健庁ガイドライン　（勧告）

長くなるので、別ページにこの勧告の全文を紹介します。
原文はスウェーデン語、これをWEB翻訳で英訳したものです。　こちらへ

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＊B26. ニフティの2001年の電子会議室にあったＡｉｒＨ端末による過敏症？

記；２０１３－６－４

ニフティの電子会議室にあった発言のログです。
一部のみを引用します。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

電子会議の発言表示
--------------------------------------------------------------------------------
    フォーラム名：＜ISDNスーパーユーザーズフォーラム＞
    会議室名    ：（ 16 ）【ISDN-PHS】DDI POCKET'Sユーザーズ会議室
    発言番号    ：16907（発言番号16905へのコメント）
    発言者      ：・・・・・・・・
    題名        ：RE^8:つなぎ放題@nifty
    登録日時    ：01/09/21 23:48

みなさんこんにちは。
その後のairＨ”ですが、ニフティが言っていたように、２０日以降急速に回線環境が良くなりました。
（略）

ところで、airＨ”を使い始めてから、頭痛やめまいがするようになりました。
有害電磁波かもしれませんが、だんだんとあまり感じなくなってきました。
あるＨＰに似たようなことが書いてありましたが。ちなみに電磁波はＰＨＳより携帯の方がはるかに強いそうです。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

この掲示板にあるAirH　とは、

ウイルコムの前身であるDDIポケットが提供していたPHS通信網を利用したデータ通信サービス。
2001年6月サービス開始。
パケット方式とフレックスチェンジ方式がある。パケット方式では32kbpsと128kbpsを選ぶことができ、完全定額制の料金コースが利用できる。
2005年2月2日をもって、ウイルコム「AIR-EDGE」に名称変更。

です。

ＰＨＳなので、電波発信は20ｍＷと微弱です。
それでも、頭痛やめまいを感じています。

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＊B27. 電磁波過敏症の労災認定フランス2014年4月

記：２０１４－２－２３　追記：２０１４－４－２６

１）ケアニュースのサイトにあった情報です。
http://www.caretomo.com/carenews/602

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　　一部　引用　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
電磁波過敏症に対する初めての保障フランス
2014-04-20 20:00

エソンヌ県に住む30代の電磁波過敏症患者

フランスのパリ郊外、イル＝ド＝フランス地域圏に属するエソンヌ県(Essonne)に住む30代の電磁波過敏症の男性が、県の障害児・者センタMDPH（Maison départementale des personnes handicapées）より、補助金を受け取ることになった。
電磁波過敏症が、障害と認められ、フランス国内で、障害保障を受けるのは、これが初めてである。

エソンヌ県南部に住む32歳のこの男性は、数年前、職務中に大きな電磁波にさらされ、それ以後、電磁波に対し過敏になり、休職していた。
金額はまだ明らかになっていないが、エソンヌ県の障害児・者センタは、この男性に、補助金を支払う決断をとった。
（略）
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

２）エソンヌ県の障害時児・者センタMDPHのサイトにあった情報

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
This is a landmark decision.
The departmental House Disabilities Essonne has awarded for the first time material assistance to electro-Essonne（原語のフランス語表記でも「electro-Essonne」、Essonne地区の電力会社）.

これは歴史的な決定である。

エソンヌ県の障害者センタは、エソンヌ電力会社に対して、初めての資材援助を授与した。
（略）
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

簡単な報告しか、このサイトでは触れていない。

3）フランスの電磁波過敏症のグループのサイトにあった情報
http://www.electrosensible.org　からの抜粋、フランス語を機械英訳した。

・電磁波過敏症として認定を受けた人は、フランスの電磁波過敏症のグループの会員である。

・職場での強い磁界曝露を受けたことから過敏症となった。
・携帯電話からの電磁波に過敏なために、働くことができなくなっている。

・ビデオ動画がこのサイトに公開されており、以下の画面はその動画からの抜粋

認定を受けた電磁波過敏症の男性、家の中は金属製？のシールド材で覆われている。

金属製？のシールド材で覆われた住居の内部、
詳細は不詳であるが、住居内に家電製品が皆無という訳ではなさそうである。

住居の中で、ノートパソコンを使用している。

手には大地とのアース接続のためのリストバンドを取り付け、画面との距離は大きくしてある。

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＊B28. フランスで電磁波過敏症による労災・障害者手当を受給　２０１５年８月

ＡＦＰ通信にあった内容
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
「電磁波アレルギ」に障害者手当の受給認める、仏裁判所
2015年08月27日 16:13　発信地：トゥールーズ/フランス

【8月27日 AFP】フランスの裁判所はこのほど、携帯電話など身近な電子機器から発せられる電磁波が原因で重度のアレルギに悩まされていると訴えていた女性に、障害者手当の受給資格を認めた。

申し立てを行った元ラジオドキュメンタリー番組プロデューサのマリーヌ・リシャール（Marine Richard）さん（39）は、電磁波過敏症（EHS）に苦しむ人々にとって「突破口」になったと判決を歓迎している。

EHSはフランスを含む大半の国々で、医学的疾患として認められていない。
しかし、患者だという人々は携帯電話や無線ルータ、テレビなどに近くで接することで、軽い不快感から生活に支障が出るほどの身体的障害までさまざまな症状が引き起こされると主張している。
科学的研究では、電磁波への暴露と、頭痛やうずき、疲労感、吐き気、動悸などの症状との関連を示す証拠は発見されていない。

リシャールさんは、仏南西部の山あいで世捨て人のような生活を送ることを選んだ。
納屋を改装した自宅には電気製品はなく、飲料水も井戸水を利用しているという。

仏南部トゥールーズ（Toulouse）の裁判所は先月、リシャールさんが訴える症状が仕事の妨げとなったと判断し、毎月約800ユーロ（約11万円）の障害者手当を3年間受給する権利を認めたものの、EHSを疾病と認定はしなかった。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

３年間の障害者手当の支給は認めたが、電磁波過敏症EHSを疾病とは認定しなかった、というところがポイントでしょう。

　Marine Richard.さん

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＊B29. スウェーデンで「電磁波過敏症」で勝訴の例2002年

記；２０１２－５－１０

古庄弘枝著「見えない汚染　「電磁波」から身を守る」講談社＋α新書２０１０年発行を読んで、以下の情報がありました。

Ｐ９３以降　スウェーデンの電磁波過敏症の実例から：
・スウェーデンには電磁波過敏症の人が共同生活をしている家（古い家を利用）がある。そこの住民の一人がエセル・ヨハンソンという女性の議員。
・２００２年１月、夫が買ってきたパソコンに電源を入れた途端に暑さを感じ、それ以来、電磁波過敏症になった。家族と離れて電磁波のない場所を探した。
・電磁波が原因で家族と共に暮らせなくなったので、「家族と共に暮らす権利」を主張して、居住地の地方行政府を訴えて、勝訴した。
地方行政府は彼女に8000ユーロを支払うと共に、彼女が住む家の家賃を、彼女が生きている限り、７５％負担する約束をした。

という裁判の勝訴の例がありました。
この事例の詳細を知りたいものです。
本日、数時間費やして、日本語・英語で関連しそうなキーワードで更なる情報を探したが、見つからなかった。

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＊B30. スウェーデンでの電磁波過敏症で敗訴の例

記：２０１２－７－１２

以下の本がスウェーデンで発行され、英訳版があります。
スウェーデンで行われた電磁波過敏症に関する調査報告で、電磁波過敏症者からの手紙の一部が引用しながら、まとめたものです。

「BLACK ON WHITE

VOICES AND WITNESSES ABOUT ELECTRO-HYPERSENSITIVITY

THE SWEDISH EXPERIENCE

Compiled and commented by　Rigmor Granlund-Lind and John Lind

This text was originally published in Sweden in 2002 under the title:

“Svart på vitt - Röster och vittnesmål om elöverkänslighet”

The English version has been made possible thanks to the generosity of anonymous donors. A pocket book version is due in the fall of 2004.
2002年にスウェーデンで発行、英訳版は2004年の作成」

この中に、以下の電磁波過敏症と裁判に関する情報として、僅かな行であるが、掲載されている。

「I did not receive an allowance for home equipment to lower the EMF of my home, so I appealed　all the way up to the Supreme Administrative Court, but was not granted a review permit. (Letter 1)」

事例：手紙１　私は自宅の電磁波の低減するための機器に対する補助を得ることができなかった。
そこで最高裁まで提訴を行ったが、最下の見直しは認められなかった。

という、これだけの情報です。

スウェーデンでは様々なハンディキャンプに対して補助が得られるので、電磁波過敏症であるとして、自宅の低電磁波対策の費用の補助をたぶん居住地の行政府に申請したが、認められなかった。
そこで、行政府の裁可を不服として裁判所に提訴。
しかし、最高裁まで行ったが、居住地の行政府の裁可の見直しは認められなかった。　と言うことの様です。

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＊B31. スウェーデン　電磁波過敏症裁判で敗訴1994年

VDT　newsの1994年11―12月号の紹介です。
Swedenの最高裁（翻訳としては最高裁でよい？）での判決として、あるユーザが皮膚障害はVDT（パソコン用モニタ）が原因として、訴えていたが、敗訴した。
この敗訴によって、他の30以上の電磁波過敏症に関連する訴訟に影響がでると。
裁判所では皮膚障害の事例はあるが、ＶＤＴが原因と断定する証拠がない、として訴えを退けた。

カロリンスカ研究所等の研究によれば、こうしたＶＤＴ作業に関連する皮膚障害は電磁波が原因というよりは、むしろストレス反応によるものであろう、となっている。　

こうした裁判の結果によって電磁波防護対策を行なうことによって、仕事ができる様になったケースがあるが、今後は事務所の従業員はそうした特殊な電磁波防護を要求しなくなってくる可能性があると、　報じています。
＊＊＊＊＊

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＊B32. オーストラリアの裁判で、電磁波過敏症の労災認定

記：２０１３－６－８

http://www.gsma.com/publicpolicy/australian-government-ordered-to-compensate-worker-with-electromagnetic-hypersensitivity　にあった内容　２０１３－６－８のログ

＊＊＊＊＊一部　引用＊＊＊＊＊＊＊＊＊　

Australian government ordered to compensate worker with electromagnetic hypersensitivity
オーストラリア政府は電磁波過敏症による労災に補償を命じた
jrowley April 10, 2013

The Administrative Appeals Tribunal of Australia (AAT) has approved workers compensation for a man who claims he can no longer work due to electromagnetic hypersensitivity (EHS) even though EHS is not a recognized medical condition.
Mr. JW. Constance ruled in the case, handed down on 28 February 2013.
オーストラリアの行政裁判所は、電磁波過敏症は医学では認定されていないが、電磁波過敏症によって働くことができなくなったと訴える人に、労災補償を認めた。
コンスタンス氏はこの裁判を担当し、2013年2月28日判決を下した。

（略）
Under Australian law where an injury to an employee results in a permanent impairment, Comcare is liable to pay a lump sum compensation as well as a payment for pain and suffering
永続的な障害をもたらす勤務による損傷に関するオーストラリアの法の下では、Comcare（労災保険支払者）は痛みや不安に対する費用と共に、一括した補償金を支払う責任がある。
（略）
The Tribunal did not recognize electromagnetic hypersensitivity as a medical condition,
裁判所は医学的な条件として、電磁波過敏症を認定しなかった。
（略）
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

関心のある方は、上記のサイトで全文を読んでください。
また、以下のサイト（Australasian Legal Information Institute）にこの裁判の判決文が公開されています。
http://www.austlii.edu.au/au/cases/cth/aat/2013/105.html　

これらのサイトの情報から、この裁判の概要は
・原告には13歳の頃から偏頭痛があった。
・原告はDr. Axander McDonaldで、1994年にオーストラリアの研究所（CSIRO）で働き始めた。
・彼は、電磁波に過敏と言うことで、特別の処遇を得てきた。パソコン作業は行わなくても良い・・・等。
・しかし、2005年、研究所の組織の変更、勤務地の変更、彼の職位の変更などがあり、彼の特別な処遇は行われなくなった。
パソコンを使用する職場環境になった。彼の症状は悪くなった。

・2005年4月から7月にかけて、彼はシールドルームでパソコン、PDAなど様々な電子機器を用いた実験を行うように、命じられた。
パソコンの電源を入れて、数分後に気分が悪くなった（病気になった）。
・彼はメルボルンの市内に住んでいた、家には電磁波を遮蔽する塗料を塗った。
塗った時は症状が改善したが、やがて劣化した。彼はWIFIなどの電磁波が原因だろうと考えた。

・2009年末、メルボルンの市内から、彼は田舎に引っ越した。
彼は電磁波への曝露を制限し、家から外出する時は電磁波防護服を着た。そして、彼の健康状態は回復に向かった。
・余暇として、田舎から軽飛行機でのフライトを行った。
GPSやレーダーなどの航法装置は使用しなかった。彼は、飛行機のコックピットの電磁波は低いと思った。そして、飛行中は症状が現れなかった。
（BEMSJ注：軽飛行機のコクピットは電子計器が多く、通常の家庭環境に比べて、電磁波の量は多いと想像できる。）

・2008年Hocking博士（BEMSJ注：オーストラリアの電磁波の健康影響に関する疫学研究などを行った研究者と推定、1996年放送塔の近隣に白血病が多いという疫学研究を発表）は彼の職場を調査した。
彼は平面ディスプレィ（BEMSJ；たぶん液晶ディスプレィ）を机の下にパソコンを置いていた。
電磁界の測定結果は、30Hz-400kHzの帯域で1mと2mの距離で0.04μT、10kHz‐18GHzの帯域では0.001479V/mであった。
Hockingは彼の電磁波過敏症を疑い、そして再現実験を行えばはっきりするだろうと、述べた。

・病欠をとった。2009年が彼の仕事の最後であった。
・労災申請を行い、拒絶されたので、行政裁判所に原告は提訴した。
・裁判では、原告の症状が電磁波によるものと認めなかったが、オーストラリアの法律では勤務によって永続的な障害があれば労災補償を行うことになっているので、原告に補償金を支払うことを命じた。

追記：２０１４－５－２５
McDonaldの画像がネットにありました。
背景にあるものは、電磁波シールドの為の銅の板でしょう。　
詳細は不詳ですが、家の中は銅の板で覆ってあるのでしょう。

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＊B33. ドイツ電磁波過敏症で労災認定　

記：２０１４－８－１２

EMFactのサイトにあった情報から、以下に一部を引用して紹介する。

1．勝利したと報告する情報
http://www.emfacts.com/2014/07/germany-important-court-victory-for-electro-hyper-sensitivity-victim/　にあった内容　２０１４－７－２９のログ

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊一部引用＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
Germany – Important Court Victory for Electro Hyper Sensitivity Victim
ドイツ：電磁波過敏症の被害者の重要な訴訟における勝利

EHS of a former German Army Radar-mechanic acknowledged as occupational disease by the court of appeal for administrative litigation in German state Schleswig-Holstein
元ドイツ陸軍のレーダー保守担当者は、ドイツSchleswig-Holstein州の行政訴訟に関する控訴審で、職業的疾病であると認定された。

The plaintiff worked for the German army from 1970 to 1992 as a mechanic for Radar systems. While working he was exposed to ionizing and non-ionizing radiation. Since 1973 the plaintiff suffered from inflammation, infectious diseases and palpitations. From 1976 he also suffered from agitation, sleep disorders, fatigue, lack of concentration and extreme forgetfulness, extreme headaches, disorder of the immune system, food allergies and other allergic symptoms, non-functioning eyesight, sweats, exhaustion until mid 90ies.
原告はレーダーシステムの保守担当として1970年から1992年の間、ドイツ陸軍で働いた。
勤務中に、彼は電離放射線と非電離放射線に曝露した。
1973年以降、彼は炎症、伝染性の疾患、動悸などを経験した。
1976年からは、動揺、睡眠障害、疲労、集中力の欠如、・・・・なども経験し、1990年代、まで続いた。

The plaintiff was diagnosed with EHS and treated in two clinics in 1993. In 1994 the Federal Republic of Germany as his employer rejected to acknowledge his illness as an occupational disease claiming there is no proof that his symptoms are caused by the exposure. In 1994, the plaintiff was pensioned off.
原告は1993年に2か所の診療所で電磁波過敏症と診断され、治療を受けた。
1994年、彼の雇用者としてのドイツ連邦は、彼の症状は曝露によるものであるという確証が無いとして、職業的な疾病であることの認定を退けた。
1994年、原告は年金などの支給を受けることで退職させさせられた。

The plaintiff filed a law-suit against the Federal Republic as his former employer to the court for administrative litigation in Schleswig to get this acknowledgement.
原告は元の雇用者であるドイツ連邦を相手に、職業的な疾病であることの認定を求めて、Schleswigの行政裁判所で、訴訟を起こした。

EHS of a former German Army Radar-mechanic acknowledged as occupational disease by the court of appeal for administrative litigation in German state Schleswig-Holstein．
元ドイツ陸軍のレーダー保守担当の電磁波過敏症者は、Schleswig-Holstein州の行政裁判控訴審で、職業的な疾病であることが認定された。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

2．同じサイトに数日後に掲載されたA. Philips（イギリスの電磁波に関する市民団体のリーダ）のコメント

http://www.emfacts.com/2014/07/alasdair-philips-on-last-post-germany-important-court-victory-for-electro-hyper-sensitivity-victim/　にあった内容　２０１４－７－３０のログ
＊＊＊＊＊＊＊＊＊一部引用＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

Alasdair Philips on last post: Germany – Important Court Victory for Electro Hyper Sensitivity Victim
July 30, 2014 in -Mailing List, Electromagnetic Hypersensitivity by EMFacts
「ドイツ：電磁波過敏症の被害者の重要な訴訟における勝利」に関するA. Philipsの最近の投稿
2014年7月30日

I have some doubts about aspects of this news.
私はこの報道に関する見地に幾つかの疑問を持っている。

The judgment is for loss of earning capacity due to occupational exposure to x-rays from working close to a 24 MW (yes, megawatt!) pulsed magnetron in military attack radar units – which would also have exposed him to excess microwave RF energy, but the judgment was (cleverly) just for damage due to ionizing x-ray exposure above the allowed occupational limit in Germany.
この判決は、軍用攻撃レーダー装置に組み込まれたパルス動作のマグネトロン（24MWに近い状態で動作する）からのX線の職業的な曝露によって稼ぐことができなくなったことに関するものである。
その装置によって彼はマイクロ波による曝露も受けた。
しかし、この判決は賢くも、この障害はドイツの職業曝露としての許容値を超える電離放射X線によるであるとしている。

He claimed EHS (as we know it) but the judgment was specifically not for that as I understand it and I believe hypersensitivity due to non-ionizing RF was not formally investigated by the court.
原告は電磁波過敏症と訴えているが、判決では、私の理解としては、電磁波過敏症に関しては触れていない。
また、非電離放射線による電磁波過敏症に関して、この裁判では正式に審議を行っていないと、私は信じている。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

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＊B34. スペインの電磁波過敏症として労働裁判所で初認定　2011年

記：２０１４－１２－１０

www.next-up.org/Newsoftheworld/2011.phpにあった情報
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
Hypersensitivity to the waves produced by mobile phones becomes a new cause of permanent disability
携帯電話からの電磁波への過敏は永続的な障害の新たな原因

Spain, September 2011
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

このサイトの記述は判りにくいので、関連する別のサイトの情報を探すことにした。

Food Matterというサイト
一部を、仮訳をつけて引用

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　　　　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
http://www.foodsmatter.com/es/health_risks/articles/es_disablity_spain_09_11.html　

Electro-hypersensitivity is declared a cause of permanent disability in Spain – but still not recognized elsewhere
電磁波過敏症はスペインにおいて永続的な障害の原因であると宣言された。しかし他の国ではまだ認定されていない。

In a landmark ruling the Labor Court in Madrid has declared that a college professor who suffers from chronic fatigue and environmental and electromagnetic hypersensitivity (EHS) should be classed as permanently disabled.
歴史に残る顕著な裁定として、マドリッドの労働裁判所は、慢性疲労、環境と電磁波への過敏に苦しんだ大学の教員を永続的な障害者であると認定すべきであると、認定した。

Spain, September 2011

This has been ruled by the Labor Court to declare Madrid 24 permanent incapacitation of a college professor who suffered from chronic fatigue and environmental and electromagnetic hypersensitivity.
慢性疲労、環境・電磁波への過敏に苦しんだ大学教員の永続的な非勤務に対して、マドリッドの労働裁判所所によって、認定された。

The ruling is unique in this regard, and make a precedent for future conditions related to hypersensitivity to these waves.
この裁定はこの種の案件としてはユニークで、電磁波による過敏症に関する将来の裁判の判例となる。

The verdict was issued on 23 May and gave the teacher 100% of his base salary, which amounted to 1640.80 euros.
教師に基本給の100%、すなわち1640.80ユーロを支払うように、5月23日、裁定が下った。

以下　略
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

また、以下のサイトで、認定を受けた教師の氏名が判明した。
EMF & Electrosensitivity Up date のサイト
http://www.royriggs.co.uk/www.royriggs.co.uk/Electrosensitivity.html

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
First EHS person with disability allowance in Spain

スペインで最初に電磁波過敏症で障害手当を受けた人

The FarodeVigo on 26th October carried a long interview with Palomar Minerva, the first Spanish person with judicial recognition of permanent EHS disability.
10月26日　FarodeVigoは永続的な電磁波過敏症による障害に関して、スペインで、裁判で認定を受けた最初の人であるPalomar Minervaに長時間のインタビューを行った。

以下　略
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

Palomar Minerva名前で検索すると、以下のサイトで、本人の画像を見つけることができた。
http://www.antena3.com/noticias/sociedad/minerva-palomar-altos-niveles-radiacion-hacen-perder-memoria_2011071800034.html　

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
antena3.com | Madrid | Updated 18/07/2011 at 11:28 pm
Minerva Palomar: "High levels of radiation make me lose my memory"
Minerva Palomar：高レベルの電磁波は私の記憶を失わせる

The first woman in Spain who receives a pension for life by electromagnetic hypersensitivity in Public Mirror told how she faces her daily disease.
スペインで初めて電磁波過敏症によって生涯の補償金を受けることになった女性は、公開の場で、如何に彼女は日常の弊害に面しているかを、語った。

（以下　略）

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

追記：２０１７－７－３０
別のサイトでは、以下の情報もあった。

「Against this resolution, an appeal can be filed before the Superior Court of Justice of Madrid.
この決定に反して、マドリッドの最高裁に上告がなされた。」　と。

ということで、上記の判決は、まだ確定していない、ことになる。

ネットでさまざまに検索を行ったが、これら最高裁云々の情報は見つからなかった。

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＊B35. スペイン2016年電磁波過敏症で労災認定

記：２０１７－６－２５

以下のサイトに電磁波過敏症で労災認定された事例が紹介されていた。
http://mieuxprevenir.blogspot.jp/2016/08/spain-high-court-of-madrid-ruling.html　

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊一部　仮訳付きで引用　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
Towards Better Health

Spain: High Court of Madrid Ruling Recognizes "Electrosensitivity" as Grounds for Total Permanent Disability
スペイン：全永続的障害の原因として電磁波過敏症がマドリッドの高裁で認定

A statement considers for first time "electrosensitivity" as grounds for total permanent disability
全永続的障害の原因として電磁波過敏症が初めて考慮された声明
ｂy Patricia Esteban,
3 August 2016

A recent ruling by the High Court of Madrid, No. 588/2016 dated 6 July 2016 (rapporteur Mr. Miguel Moreiras Cabellero) has recognized for the first time a situation of total permanent disability for the exercise of the profession of a telecommunications engineer suffering from a rare syndrome, "electrosensitivity syndrome (EHS)", which prevents him from working in environments with electromagnetic fields.
It does not recognize, however, an absolute permanent disability.

最近のマドリッド高裁（他の文面では最高裁となっている）の決定（Ｎｏ．５８８／２０１６　起草者：Miguel Moreiras Cabellero氏）では、珍しい症状である電磁波過敏症に対する不安から通信技術者の職業的な業務による全終身障害を初めて、認めた。電磁波暴露の職場環境から彼を守るべきであった。
電磁波過敏症とは認定されなかったが、終身障害は認定された。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

ネットのタイトルでは、電磁波過敏症を認定したとあるが、本文を読むと、電磁波過敏症とは認定されず、職場における障害として労災認定されたものである。

判決文を入手、読んだが、よくわからない。

原告の名前は、Mr. Luis Antonio, born on 1969　と判明。　スペインのエリクソンに勤務、
その他に格別の情報はヒットしない。

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＊B36. 国会議員自身が電磁波過敏症と国会で発言

記：２０１３－７－２０

以下の国会での論議の議事録によると、参議院の櫻井充議員は、自ら「電磁波過敏症である」発言しています。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
165 参議院教育基本法に関する特別委員会　平成18年11月27日　の議事録

櫻井充君　
まあぼつぼつ出始めていって、最近出てきた話では、ちょっとこれ原本当たってないので、ちょっとこれは違っているかもしれませんけれども、脳血流が五分の一ぐらいになるというふうにおっしゃっている方もいらっしゃるんですね。

ちなみに、私は化学物質過敏症で、電磁波過敏症で、僕はカメラ付きの携帯が使えません。
カメラ付きの携帯を使うと目まいがしてきて、体が動かなくなるような症状が出てきて、私は正直なところ使えません。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

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＊B37. 電磁波過敏症であると発言している長野県伊那市の議員2009

記：２０１５－１１－７

以下の市議会の議事録の中に、ありました。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
平成２１年３月
伊那市議会定例会会議録（５―３）
１．開会平成２１年３月５日（木曜日）午前１０時００分
（略）

○議長（中村威夫君） 11番、前澤啓子議員。（11番前澤啓子君登壇）

○11番（前澤啓子君）私は通告してございます大きく３つの問題について、質問をさせていただきます。

（略）
私は自分自身が幸運なことに軽度の化学物質過敏症であります。
また電磁波過敏症でもあります。
ですからホルムアルデヒドによって目がちかちかしたり、トルエンによって呼吸が苦しくなったり、携帯電話の長時間の使用によって頭痛や吐き気が起こることを、体をもって知っております。
また学会などでも研究を聞いてきております。
携帯電話の電磁波の人体への害は、既にたくさんの論文が出ております。
また同時に害がないという論文もまたたくさん出ております。

（略）
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

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＊B38. 元WHO事務総長Brundtland電磁波過敏症の情報まとめ

記；2013‐07‐2　　

WHOの元事務総長は、自ら電磁波過敏症と言ったことに関する情報の纏めです。

1）2002年にノルウェーの新聞紙上で公表

＊電磁波過敏症ネットワークのサイトにあった内容

http://www.gsn.jp/news020309.htm　
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
ノルウェーの「Dagbladet」紙2002年3月9日の第1面のニュースから　
ＷＨＯの長官で前ノルウェー首相も電磁波過敏症　携帯電話の近くにくると頭痛が

彼女は、具合が悪いと感じるのを止めるために彼女の4メートル以内の人々が携帯電話をオフにしなければならないほど電磁波に対して敏感である状態になった。
電話がオンにされているだけで、使用していなくても頭痛を引き起こした。

彼女は、携帯電話を決して持っていなかった、しかし、同僚は、持っていて、彼女は、それらの電話をしばしば受け取ったものだった。
「初めに、私の耳の周辺のエリアは、暖かくなった。
しかし、更に強くなって、苦痛は、更にひどくなり、そして、私は、携帯電話を使うたびに、頭痛が始まった」とグロ・ハルレム言う。

彼女は、電話で彼女が費やす時間を減らすことによって苦痛を避けるだろう、と考えた。
しかし、それは、役立たなかった。

私は、いくらかのテストを行った:人々は、彼らのポケット、または、バッグにそれらの携帯電話を隠した状態にして私のオフィスにいた。
電話がかかっていたかもしくは、かかっていなかったかどうかを知らせずに、私の反応をテストした。
電話がかかっていたとき、私は、常に反応し、オフのときは反応しなかった。

従ってこれは疑いない。彼女が電磁波から得る頭痛は被曝が止まった後で30分～ 1時間以内に消える。
DECTコードレス電話 ( 携帯電話と同程度のマイクロ波を出す ) に彼女が触ると即時に反応する。

グロ・ハルレム・ブルントラントは、言う、我々は慎重である理由があり、必要性よりも携帯電話を使用しない、と思う。
そして若いあなたがたは更に多くの理由で、このことを深刻に受け止めて、予防原則に従うべきである。
何人かの人々は、携帯電話やパソコンのような設備から電気過敏症 ( ES ) を発症する。

グロ・ハルレム・ブルントラントが画面を読みとろうとラップトップパソコンに触れるとき「私は自分の腕を経て感電するように思う」と言う。

この電磁波過敏症が癌や他の病気のような健康への悪影響につながるかどうかはまだわからない。
しかし、それは、ますます電気に汚染された世界で非常に効率化されたライフスタイルにおいては確かにありうることである。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

＊ノルウェーの新聞記事の全体の和訳は、以下のサイトに公開されている。

電磁波から健康を守る全国連絡会のサイト
http://denziha.net/shiryou/020309.html　
＊＊＊＊＊＊＊　一部　引用　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
2002/3/9
ノルウェー紙『Dagbladet』
情報源：Translation of Cover story in Norwegian newspaper "Dagbladet" of March 9, 2002

グロ・ハルレム・ブルントラントにインタビュー
WHO事務局長と携帯電話問題
ノルウェー前首相でWHO事務局長のグロ・ハルレム・ブルントラントは携帯電話を使うたびに頭痛がしている。

携帯電話の電磁波がグロ・ハルレム・ブルントラントに頭痛を引き起こす

WHO事務局長グロ・ハルレム・ブルントラント（62）は、携帯電話で通話すると頭痛がします。
それだけではありません。彼女の近くにいる人々は、彼女の苦痛を防ぐために、携帯電話をオフにしなければなりません。

（略）

「しばらくして私は電磁波に過敏になったと感じました。
そして、ヒステリーのためであると思われないように－そうだと信じる人がいるだろうと、まさに私にも想像できました－私は、いくつかのテストをしました。
私の事務所の中で、人々にポケットやバッグの中に携帯を隠し持ってもらいました。
それがオンなのかオフなのかを知らされずに、私は自分の反応をテストしました。
私は常にオンの時に反応し、オフでは決して反応しませんでした。ですから、疑いはありません」

パソコンはどうですか？
－「スクリーンの表示を読むためにラップトップパソコンを持つと、腕に感電したように感じます…」。
携帯電話からの電磁波による彼女の頭痛は、被曝がやむと30分から1時間で軽くなります。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

＊このノルウェーの新聞記事は、以下に示すようにイギリスのBBCでも報道された。

http://news.bbc.co.uk/2/hi/health/2082310.stm　
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
Tuesday, 2 July, 2002, 11:51 GMT 12:51 UK
Mobile fears of world health leader
携帯電話は世界保健機構のリーダの恐怖

Gro Harlem Brundtland does not own a mobile phone and has banned anyone from using them in her Geneva office.
ブルントラントは自分の携帯電話は持たず、ジュネーブのWHOの彼女の執務室での携帯電話の使用を禁止した。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

＊そして、以下のサイトの記述にあるように、電磁波過敏症の世界的な代表例として、世界中に広まっていると言える。

http://homepage3.nifty.com/vocemf/link1.2.html　にあった内容
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
WHO前事務局長で医師のブルントラントさんも、電磁波過敏症を発症したことを新聞の取材で明らかにしています。
ノートブック型のパソコンを使うと腕に電気的な刺激が走ったそうです。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

２）その後の経緯　2012年の情報

＊ノルウェーの新聞社のサイトにあった記事、ノルウェー語を機械英訳したので、正確な意味はつかめないが、以下のようなことが書かれている。
http://www.aftenbladet.no/nyheter/innenriks/-Jeg-tilbod-meg-a-undersoke-Gro-Men-hun-ville-ikke-hore-snakk-om-det-2956175.html　にあった内容　2013-7-2のログ

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
I offered to examine Gro. But she would not hear of it
Published: April 12, 2012
2012年4月12日の記事「わたしはグロに実験をすることを提案したが、聞き入れてもらえなかった」
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

・WHOのEMFプロジェクトリーダーであったレパチョリ氏とのインタビュー記事である。
・10年前にグロ・ブルントラントは電磁波過敏症であることをノルウェーの新聞で公表した。
・この新聞記事を読んで、レパチョリはブルントランドに実験を行うことを提案したが、事務総長のブルントランとはレパチョリより３－４ランク上位の職位にあり、どうしようもなかった。
・その後、EMFプロジェクトとして、科学に基づいた電磁波過敏症に関する声明やファクトシートの案は、事務総長によって、全て、拒否されて、発行できなかった。

＊同じく、ノルウェーの新聞社のサイトにあった記事、ノルウェー語を機械英訳したので、正確な意味はつかめないが、以下のようなことが書かれている。
http://www.aftenbladet.no/nyheter/lokalt/--Gro-har-skapt-mobilfrykt-i-befolkningen-2955702.html　にあった内容　2013-7-3のログ
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
- Gro has created mobile fear in the population
Published: April 12, 2012
2012年4月12日の記事「グロは一般公衆に携帯電話の恐怖を引き起こした」
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

この記事の中で、
・ブルントラントは、過去10年間、彼女の電磁波過敏症に関しては、何も語ってきていない。
黙秘というか沈黙を守ってきている。

３）その後の経緯：2013年の情報

＊ノルウェーの新聞社のサイトにあった6月28日の記事、ノルウェー語を機械英訳したので、正確な意味はつかめないが、以下のようなことが書かれている。
http://www.aftenbladet.no/nyheter/lokalt/stavanger/--Gro-Harlem-Brundtland-har-begynt-a-bruke-mobiltelefon-3206402.html　2013-7-2のログ
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
- Gro Harlem Brundtland has begun to use mobile phone
Published: June 28, 2013
2013年6月28日の記事「グロ・ハルレム・ブルントラントは携帯電話を使用し始めた。」
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

・この記事は、Jonas Gahr Støreが語った話をまとめたものである。

彼はWHOではブルントラントの下で働き、現在はノルウェーの健康大臣である。
・1990年代の後半、WHOでブルントラントの下で働いたが、電磁波過敏症と言うことで、彼女の執務室では携帯電話は使用禁止であった。
・ブルントラントは現在、携帯電話を使用している。

＊マイクロ・ウェーブ・ニュースのサイトにあった2013年6月28日の記事
http://microwavenews.com/short-takes-archive/brundtland-now-using-cell-phoneにあった内容
2013-6-29のログ
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
Brundtland Now Using a Cell Phone
So Says Norwegian Health Minister
June 28, 2013
2013年6月28日の記事「ブルントラントは現在、携帯電話を使用中、ノルウェーの健康大臣の談」

The world's best-known electrosensitive, Gro Harlem Brundtland, is now using a mobile phone, according to a former top aide.
The news, which will likely undermine the credibility of this controversial condition, was reported today by Thomas Ergo in the Norwegian newspaper Aftenbladet. Ergo quotes Jonas Gahr Støre, the minister of health, saying that these days Brundtland talks on a cell phone and surfs the Internet.

世界で最も電磁波過敏症者として知られているグロ・ハルレム・ブルントラントは、現在携帯電話を使用している、元の彼女の補佐官は語った。
物議を醸している状況の信頼性を本当に傷つけるようなこのニュースは、本日、ノルウェーの新聞Aftenbladetに、Thomas Ergoによって、報告された。
Ergoは健康大臣　Støreの談として、ブルントラントは携帯電話で通話を行い、インターネットサーフィンを行っている、と。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

＊ノルウェーの新聞社のサイトにあった6月28日の記事、ノルウェー語を機械英訳したので、正確な意味はつかめないが、以下のようなことが書かれている。
http://www.aftenbladet.no/nytte/livsstil/--Jeg-unngar-a-snakke-i-mobilen-3207225.html　2013-7-2のログ
ノルウェー語のサイトを機械英訳　
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
- I avoid talking on mobile phone
Published: June 30, 2013
2013年6月30日の記事「わたしは携帯電話での通話は避けている」
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

この記事の中で
・この記事は、2012年のブルントラントが新聞上に電磁波過敏症であると公表して以来、長い間の沈黙を破るでき事である。
・ブルントラントの広報担当の談として、先日の記事に関する確認が取れた。
・ブルントラントは、無線ネットワークの使用は避け、携帯電話での通話はできるだけ避けていると、
・ブルントランドは携帯電話での通話は避け、利用するとしても、たまにしか利用しない。
・ブルントラントのパソコンには無線LANではなく、有線LANを利用している。携帯電話の使用は電子メールの為である。
・ブルントランドは、2012年カナダで開催された会議で電磁波過敏症に関して、語っている。

＊マイクロ・ウェーブ・ニュースのサイトにあった2013年7月1日の記事
http://microwavenews.com/short-takes-archive/brundtland-speaks-herself　にあった内容
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
Brundtland Responds: Rarely Uses a Cell Phone
Her PC Is Cabled, Not Wireless
July 1, 2013
2013年7月1日の記事「ブルントラントからの返信：携帯電話の使用は稀、パソコンは有線LANで無線LANではない」
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

この記事の中に、ブルントラントの広報担当の談として
・ブルントラントの日常作業に使用するパソコンには、有線LANが接続されており、無線LANではない。
・ブルントラントの使用している携帯はBlackBerryで、電子メールに使用している。携帯電話での通話は避けているが、稀には通話を行っている。

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＊B39. スウェーデンの電磁波過敏症者スガベック

記；２０１９－６－１４　

１）2003年日本のテレビに登場
2003年3月1日に放映された日本テレビの「ウエイクアップ」の電磁波特集番組で、スウェーデンの電磁波過敏症となったスガベックが、外出時に電磁波防護服を着用している場面です。　　

　　　　　日本テレビの放映画面をデジカメで撮影　

２）ポピュラーサイエンスに掲載　2010年　スウェーデンの電磁波過敏症者の現状も含めた情報

http://www.popsci.com/science/article/2010-02/disconnectedにあった内容の一部転載
2010年2月の記事です。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
タイトル：The Man Who Was Allergic to Radio Waves　無線電波にアレルギを起こす人

パー・セガベック（Per Segerbäck）は、ストックホルムから北西に７５マイル離れた、自然に囲まれた質素なコテージで生活している。
そこでは、狼やヘラジカやヒグマが、自由に家の前を咆哮し徘徊する。
セガベックは、普通の人間社会から距離をとって暮らしている。

セガベックの住む家

ろうそくの明かりで生活

なぜかといえば、人間社会のテクノロジーが彼の体を蝕むからだ。
どのように蝕むかというと、昨夏、彼が散歩中に彼の数少ない隣人に出くわした。
その隣人は彼の家から１００ヤードほどの所にコテージを構えている。
隣人とおしゃべりをしていると、隣人の携帯電話が鳴った。
５４歳になるセガベックはとたんに吐き気に襲われた。
そして数秒後に意識不明になった。

セガベックは電磁波過敏症（ＥＨＳ）である。
ＥＨＳとは、普通の電気製品、たとえばコンピュータ、テレビ、携帯電話といった製品から出る電磁波（電磁放射線）に身体がひどく反応してしまうことだ。
症状としては、皮膚が燃えるように熱くなったりひりひりしたりすることからめまい、吐き気、頭痛、睡眠妨害、一時的記憶喪失まで様々だ。
セガベックのように重症になると、呼吸困難､心悸高進､意識不明に陥る。

携帯電話は、電話をかける時や受ける時または相手を探している時、放射線レベルが最大になる。
だから隣人が携帯電話を受信した時、意識不明になった。
携帯電話が繋がっている時は、放射線レベルはそれほど強くないので、セガベックは意識を失わない。
電話の音が影響するわけではない。

＜BEMSJ注：この非電化住居の付近でも携帯電話の通話は可能なように、携帯電話の電波が弱いかも知れないが、通話可能なレベルで、届いている。
テレビ受信機からの微弱な電磁波の漏洩にも耐えられないとするのであれば、セガベックが真に電磁波過敏症で、微弱な強度の携帯電話の周波数帯の電波にも過敏だとすれば、近傍で携帯電話ハンドセットからの電波発信が行われる場合だけではなく、かなり微弱かもしれないが常に伝播してきている携帯電話の基地局からの伝播で、影響を受けていなければならないはずである。
携帯電話の着信音を聞いてから、異常が発生しているとすれば、それなりに強い電波に過敏になっているか、音を聞くことによる心理的な反応と思える。＞

携帯電話から出る非電離放射線の身体への影響は、ほとんど知られていない。
事実、非電離放射線の効果を認めている唯一の大学は、非電離放射線が近くの細胞に、非常に弱い熱をもたらすことを認めているにすぎない。
ＦＣＣ(米連邦通信委員会)は携帯電話の電磁波基準を設定している。
ＳＡＲ(特異吸収比)で測定し、この基準値以下なら問題ないとしている。
セガベックや他のＥＨＳが訴える症状は誤診か思い込みのどちらかだと、多くの研究者はみている。

ある専門家たちはこう示唆する。
セガベックのような人たちはおそらく気の病か、“nocebo”効果、つまり、なにかが病気にさせると考えると実際にその病気になってしまうことがあるが、その類だろうとみている。
昨年生体電磁学ジャーナルで発表されたレビューでは、過敏症の人がＥＭＦを探知する能力を有するという証拠は無かったとしているし、そういう人たちに“nocebo”効果があるとする証拠を発見した研究があるとしている。

セガベックは、かつて、通信技術エンジニアのエリートであった。
スウェーデンの通信業界の巨大なエリクソングループの会社Ellemtelに勤務し、20年以上にわたって、通信システムの試作機の為に集積回路の設計を行う技術部門のリーダであった。
彼は、最新で、最も進んだ可能なコンピュータや通信機器を使うことができた、それらはエリクソンとスウェーデンの軍関係者のみが利用できるものであった。
かれはそうした環境下で仕事をした。

通信に関する研究に従事していた時代の、1980年代の後半に、彼はめまい、吐き気、頭痛、ほてりなどを感じ始めた。
20人程度の彼のグループの殆ど全員といえる（2名を除き）人が、同じ症状を訴えた、最も症状が激しかったのは彼であった。彼の電磁波過敏症は悪化していった。

セガベックは彼の事務所には電磁波の嵐が吹きまわることと、最新のコンピュータからの有害性な可能性のある蒸発気が、原因だと確信を抱いた。
会社の産業医は何が起こっているのか理解しなかった、と彼は言う。

最も重い症状の人の為に新しい事務室が作られ、約半ダース（6名？）の人は完全にシールドされた部屋に入った。
その他の人は、別のコンピュータに変えた。
残る人は、画面を見て行う作業時間を少なくした。
全てはこれまでの様には行かなかった。

エリクソンはセガベックに格別の対応をとった、なぜならば、彼は機器設計チームの主軸となる技術者であったからである。

会社は彼が電磁波の曝露を受けずに眠れるように彼の寝室を金属製のシールドで覆った。
彼の外出の為に、医学関係者は活線の高圧送電線や送信中の無線塔の近くで作業を行うために用いる電磁波シールド服を、提供した。
さらに会社は車（ボルボ）も改造し、通勤に使えるようにした。

しかし、こうした通勤は、1990年代のなかばにストックホルム地域に携帯電話基地局が林立するようになった時に、終止符をうった。
彼は森の中の隠れ家に移動せざるを得なくなった。

1993年エリクソンは、セガベックの事務所で何が起こったのかについての「作業所における過敏症」という報告書を作成した。

1年後にエリクソンはセガベックのグループが働いていた事務所（研究室）を閉鎖した。
会社は1999年にセガベックを解雇した。
セガベックは解雇に関して労働裁判所に訴えたが、敗訴で終わった。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

３）ガウス通信41号2000年2月15日にあった記事

「会社は1999年にセガベックを解雇した」に関する詳細な情報として、以下の記事が掲載されている。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
スウェーデン　電磯波過敏症を理由に技術者を解
　－エリクソンの経営に重度の機能障害が進行か一

電磁波過敏症の一人である設計技師のPer Segerback氏がエリクソン社から解雇された。
90年代の初め、12のワークグループ中で彼の他に9人が電磁波過敏症になった。
P氏は家で仕事を続けたが、10月（99年）モデム関連の部門が会社から切られたのだった。
エリクソンの労働組合は法的対策で彼への支援を続けていくもよう。

彼はエリクソン社で長いこと、99年の11月22日まで自宅で働いていたのだが突然解雇されたのである。
「電磁波過敏症」という理由によって。
スウェーデンでは、雇われた者の健康上の問題やハンデキャップを理由としての解雇はまれなことである。
ハンデキャップを理由とした解雇は人への差別としてまったく違法なのである。
「スウェーデン障害者オンブズマン」も同様に語るだろうことは疑いない。
こうしたわけで、スウェーデン最大の日刊紙「Dagens　Nyheter」99年11月25日号にはスウェーデンの企業としてはこの異常な姿勢について大きな記事でとりあげた。
他の新聞やラジオや通信社もまたこのことを伝えた。

エリクソン社のスポークスマンは、新聞の取材に対して、P氏がその仕事場で電磁波過敏症になり、もはや働くことができないということは認め、「彼は家で仕事をしなければならなかったが、チームで働かなければならず、家からまったく出ないことを許可されたのではない」と述べた。
しかしP氏は、常にチームの中におり、この10年ずっときちんと働いてきたのに、会社の方針が急に変わったことは理解できないことだし、ショックを受けた、とFEBに語っている。

労働組合SIFのスポークスマンは報道記者に、P氏はエリクソン社の困難な要求に対してもまさに高精度な仕事をこなしてきたのであり、オフィスで働けるようにせずに、解雇するなどは不合理だ、と憤慨して語っている。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

４）VDT　News の情報　1995年

VDT News Jan/Feb. 1995にはスウェーデンの電磁波過敏症のケースとしてＥｌｌｅｍｔｅｌは色々手段を講じたが結局は原因が断定できなかった・・・・英文報告書発行された、とある。

BEMSJはこの英文報告書は入手したはずだが、出てこない。見つかれば、その概要を紹介する。

５)大久保貞則「電磁波の何が問題か」緑風出版2016年より

以下の記事がある。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
セガベックさん（有名な過敏症患者）のその後

拙著「誰にでもわかる電磁波問題」（緑風出版）で「世界一有名な電磁波過敏症」として紹介した。
スウェーデン人のパー・セガベックさんは、今年（2010年）54歳になる。
2010年3月、久しぶりに海外メディアにセガベックさんが登場した。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

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＊B40. 不安が病気の元になる　という医学研究から

記：２０１３－１１－１４

古いビデオであるが、1998年5月31日　日本テレビで放送された「特命リサーチ」の「気功、虫歯」に関する番組の中で、以下の情報があった。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
東京医科歯科大学の助教授　志村則夫の研究によれば、「日常生活での不安が多いと、虫歯を発生しやすくする」　という研究結果が紹介されている。

　放送の画面から

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

不安が虫歯の原因になると言うのであれば、「不安」が電磁波過敏症の発生に関係しているかもしれない、と、この番組を見て、BEMSJは感じた。

追記：２０１３－１－６
志村則夫の「不安と虫歯」の研究論文を読んでみようと、ネットで検索を行ったが、それらしい論文は見つからなかった。
以下は、志村則夫の関連しそうな研究論文である。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
掲載誌：　心身医・1984年　2　月・第24 巻第1号
タイトル：小学校高学年の性格，不安度，生活のリズムについて
研究者：東京医科歯科大歯学部予防歯科 ○中村千賀子　平山　康雄　米満　正義　志村　則夫

現在，登校拒否などが大きな問題とされているが，心理的アプローチが強調される一方，生理的側面についての検討が少ない。
今回，身体の成長発達の著しい10歳から12歳の児童を対象に，生体の恒常性を保つための適応反応としての行動様式を性格と考え，性格特性，不安度，生活のリズムを調査した。
即ち，小学4年生から6年生に至る時期に，性格特性の変動は大きく，不安度も上昇する。
しかし，夕食時間，就寝時間の規則正しい児童には不安度が低く，不規則な児童には高いことがみられた。
性格特性については，女子は，情緒不安定，社会的不適応，内向性の傾向が顕著になり，その変化は男子に比べて著しいものであった。
また，一般活動性としての活発さ，ほがらかさ，身体を動かすことについては，男女とも著しい低下がみられた。
性格の変動は，不安度を介して生活リズムからくる生理的因子が関与していることが示唆された。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

もしかすると、以下の論文かもしれない。
品田佳世子, 平山康雄, 志村則夫：児童のライフスタイルとう蝕との関連性について，口腔衛生学会雑誌，46(4):418-419,1996
概要だけでもどこかのＤＢで公開されていないか・・・・ネットで探してみたが、見つかりませんでした。

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＊B41. 電磁波過敏症の人に好適な場所　アメリカのグリーンバンク？

記：２０１４－３－１３

http://japanese.ruvr.ru/news/2014_03_11/268831197/　にあった内容です。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　一部　引用　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
２０１４－３－１１

電磁信号アレルギに苦しむ米国人　Wi-Fiのない町に移住

電磁信号アレルギに苦しむ米国人数十人が、ウエスト・ヴァージニア州の小都市グリーンバンクに移住した。

彼らは、自分達をWi-Fi難民と呼んでいる。
ちなみに同市では、携帯通信やテレビ、ラジオの使用が禁止されている。
新聞「The Daily Mail」によれば、この「静かな町」には、昨年36人が移り住んできた。
これによって「難民」の総数は147人となった。
電磁信号によるアレルギでかかる病気は様々で、例えばデボラ・クニーさんは、隣の家に設置された無線LAN親機（ルータ）のせいで「緩慢な中毒」を起こしているように感じてきたという。彼女は「絶えず耳鳴りがして、自宅ではゆっくり寝ることもできず、絶えず調子が悪かった」と語っている。
（略）
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

アメリカのグリーンバンクには大型の電波天文台があり、この観測をさまたげないように、周囲では無線通信の利用が制限されている。

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＊B42. アメリカのグリーンバンクが2015年9月放映のTBSTV「林先生が驚く初耳学」でも取り上げられた。

実際の放映は2015年9月27日9：15ＰＭスタートの番組の中で、アメリカの電波望遠鏡のあるグリーンバンクは観測に電波ノイズを与えてはならないとして、電波規制を行っている。
携帯電話の使用などが規制されている。この町に、電磁波過敏症の患者が移住してきている。
そうした患者も登場する、という番組であった。

以下はテレビの画面をデジカメで撮影した画像。

観測の妨害となるので、電磁波が厳しく規制されている。携帯電話が禁止の町。

最近、電磁波過敏症の人たちがこの町に引っ越してくるようになった。

因果関係ははっきりしないが、電波の無い町で症状が改善した人も

電磁波過敏症という人。　電磁波の影響で脳がやられて、勝手に手が震えるのです。

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＊B43. 大久保貞則著「誰でもわかる電磁波問題」に紹介された電磁波防護グッズが電磁波過敏症に効果のあった事例

記：２０１４－１０－７

以下の件が紹介されている。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　引用　　＊＊＊＊＊＊＊＊
黒嶋自身は車を運転するといつも頭痛と腰痛が出たし、長時間運転する時、「心臓がでんぐり返しするような」不整脈状態になることもあった。
行きつけの自然食品の店で電磁波の情報を教えてもらうようになり、その店で電磁波防護グッズを売っていたので、「予防のために買っておくか」位の軽い気持で防護グッズを購入し、化製品に付けたり、身にも付けてみた。
小さなプレート状の「有害電磁波中和製品」なるものを身につけたり、車に置いて車を運転すると頭痛や腰痛が出なくなった・・・・・（略）。

黒嶋はセラミック製の防護グッズが電磁波にも低周波音にも効-というのでそれも置いてみた。
ここまで対策をとったら大分、電磁波被曝量も減り、ようやく黒嶋の気分も落着いてきた。
「防護グッズがどうして効くのか原理はわからない。
それと始めのうちは効くがそのうち効かなくなってくる」と黒嶋は語る。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

BEMSJコメント：

電磁波防護グッズは、電磁波の防護効果は無い。
こうしたグッズで、電磁波過敏症が一時的にでも軽くなったということは、電磁波過敏症と電磁波曝露とが直接結びついていない可能性が高いことを意味する。

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＊B44. 液晶モニタからの電磁波に過敏という事例

公開：２０１５－２－２

以下は、2003年7月にアクセスした「電磁波に過敏とされる方のWEB」からの転載です。
http://www.hoteagle.org/emw/source/s001.html＜2015年2月時点ではこのサイトは閉鎖されたらしく、開けなくなっている。＞

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
電磁波撃退
Sony Vaioに付いてきた液晶ディスプレィSDM-M81
正面以外のどこにいてもだめ。
1.4mほど離れると、やっとすわっていられる状態になります。

CRTでは数々報告されているが、液晶でも出るとは！

しかし、某所のすぐ隣に設置されている同じSonyの液晶ディスプレィ「CPD-L150」は、感動するほどぜんぜん平気です。
直裏にいても平気。

付属品と別売りの違いか、はたまた、大きさの違いか。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

上のサイトに登場するソニーの液晶ディスプレィの仕様を調べてみました。
SDM-M81は、サイズは18インチ、電磁波に関してはTCO99とMPR-2に対応
CPD-L150は、サイズは15インチ、電磁波に関してはTCO95とMPR-2に対応　とあります。

TCO95でもTCO99でも電磁波に関する規定は同じです。
従って、2種の液晶ディスプレィから漏洩する電磁波に関しては、同じレベルであると言えます。

画面を見ていて影響が出たり、出なかったりするのであれば、液晶のサイズの違い、明るさの違いなどから目の疲れなどが異なる可能性はあります。
でも、正面は大丈夫という記述からは、15インチと18インチの液晶ディスプレィの後ろや側面での感じ方が大きく異なる、というのですから・・・・・・電磁波の影響とは思えない。

何が影響しているのか？
上記のサイトは閉鎖されているので、これ以上の調査はできません。

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＊B45. 今泉征子の2005年解説に疑問

＊消費者連盟「消費者レポート」第1286号　2005年2月17日発行　に以下の記事が掲載された。

＊＊＊＊＊＊＊一部　引用　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
電磁波で家族全員体調不良
長野県高遠町・天然酵母石窯パン屋経営

携帯電話基地局から出る電磁波は人体に有害か否か、判断する確固たる証拠は現在ありません。
しかし、基地局が建ってからの4年半と、圏外（カバーエリア外）に引っ越した後半年の私たち家族の健康状態の変化には、興味深いものがあります。

1999年2月、家から約250mの裏山に基地局が建ちました。
（略）
同年6月以降、家族全員が原因不明の体調不良となりました。私は6月に流産（3週目）。のどの痛み、頭痛、足がつる、不安感、筋肉の痛み、飛蚊症、食欲がなくやる気が起こらない等、一日中伏せることが多くなりました。

長男は、足の痛みと不快感、ひざの裏のじくじくしたでき物、手指には次々とイボができました。
長女は、靴下の刺繍・縫い目を異常にいやがるなどの触覚防衛、聴力があるのに聞こえにくい聴力LD、落ち着きのない注意欠陥多動障害、心因性視覚障害、遠視性乱視、弱視、アトピー、首顔頭にかけての不快感、イライラ、眠りが浅い、抜け毛、お腹の内側がかゆく泣き叫ぶなど、心身ともに悪化し、不登校になりました。

夫は、眼痛、頭痛、吐き気の発作、脈拍の急激な変化（ 60→90）。
じくじくしたでき物が、首から頭にかけてできました。夫の発作は2回3回と増え、ついに自営業のパン焼きも断念し、04年7月、携帯電話の通じない圏外へ引っ越しました。

引っ越し後、すぐに変化が見られました。
イボ、アトピー、じくじくしたでき物は新しい物ができなくなり、一番多かった長女の症状も、半年経ちましたが、一度も発症することなく、長女の心因性視覚障害は消えてしまったのです。
（略）
神経眼科専門医師から、別記のコメントをいただきました。

神経眼科専門医師今泉征子さんのコメント
心因性というのは屈折上も異常なく、網膜の出来不出来にも関係なく、これら器質的障害がないのに支障があるということを示します。
網膜機能、または前眼部か後頭部の視中枢の機能を低下させる血流障害を起こさせていた何ものかがあったということになります。

ことに電磁波は、膵臓、胆のうに障害を起こさせ、その分泌を少なくし、それにつれて心臓の働きを低下させ、同時に首から上の血流を減らします。そのため多量の電磁波〈7ミリガウス（50／60Hz）以上〉をあびている場合、健康な人ほどその人そのものがメータとなり、その障害状態が、曝露している電磁波による人体への影響を示すものとなります。

長女さまの視力障害・・・・器質的なものが何もなく、視力障害がある場合を弱視と言う。
２〜５歳に網膜機能は大変進化するし、13歳までに加療、正しい機能状態にして、ハリ刺激などや理学療法で回復するみこみがある。

ご主人さまの吐き気、嘔吐、脳血管障害と胆すい機能低下・・・もうひとつほかの有機リン障害もあるかもしれないが、電磁波という化学物質の障害にまちがいなく、その障害を獲得した体は、次に微量でも自律神経失調症状態が出現する。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

＊BEMSJの疑問

長野のパン経営者一家の症状に関しては、格別の論議は行わない。

ここで興味深いのは、今泉征子医師の談にある「電磁波は、膵臓、胆のうに障害を起こさせ、その分泌を少なくし、それにつれて心臓の働きを低下させ、同時に首から上の血流を減らします。そのため多量の電磁波〈7ミリガウス（50／60Hz）以上〉をあびている場合、健康な人ほどその人そのものがメータとなり、その障害状態が、曝露している電磁波による人体への影響を示すものとなります。」という箇所である。

この箇所の論に関して、今泉医師に以下の問い合わせを行った。
『ここで述べられている電磁波の影響「電磁波は、膵臓、胆のうに障害を起こさせ、その分泌を少なくし、それにつれて心臓の働きを低下させ、同時に首から上の血流を減らします。・・・・」は、今泉様の研究結果なのでしょうか？それとも他の研究者・医学者の研究成果なのでしょうか？
この研究に関する医学論文を読んでみたいと思います。
この研究が掲載されている論文の論文名、研究者名、論文の掲載雑誌名と発行年月を教えていただけないでしょうか？　
そうした情報がわかれば、文献複写サービスなどを利用して、論文を入手します。』

これに対して、今泉医師からの返答は
・自分の研究ではない。
・オーリングの大村恵昭の研究報告にあった論である。
・今泉は大村恵昭の教えを受け、電磁波の無い環境でオーリングによる診察などを行っている。
ということであった。

大村恵昭のオーリングでは、電磁波のない環境下でオーリングの診察を行う必要があると、されている。
ただし、BEMSJの観点からみれば、オーリングで気にしている電磁波の定義が見えない。
電磁波はＸ線、可視光線、赤外線などからマイクロ波などの電波、低周波の電磁界までを含む幅広い意味を持つ用語であるからである。

また、オーリングによる医療は、一部の熱心な医師が診察に用いていることは確かであるが、現在の医学会で主流になっている見解とは言えない側面を持っているので、上記の今泉談には疑問が残る。

大村恵昭のオーリングに関しては、別ページに論文の概要を示す。　こちらに。

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＊B46. １０億円で電磁波過敏症の為のアパート

INTERFERENCE TECHNOLOGY日本版 2015年9月号／No.52　にあった内容
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
電磁波過敏者が安住できるアパート860万ドル

米カリフォルニア州サンフランシスコJackson通りUnit 4、2170のアパートが現在860万ドル（約10億7千5百万円）で売り出されている。
報道によれば、そこは電磁波過敏者にとって安全な場所であるという。
「電磁波過敏者」とは、様々な症状に悩まされており、その原因が電子機器（例えば電話、コンピュータまたはワイヤレス・ルータなど）から放射される電磁波によるものと考える人のことである。

アパートにはベッドルーム３部屋とトイレが４つあるが、電磁波過敏者にアピールするのはそこではない。
このアパートは、電磁波を阻止するために、半導体のグラファイトが厚く塗られている。
またワイヤ・テープストリップでシールドされ、あらゆるウインドウはEMFシールドポリマーでコーティングされている。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

BEMSJのコメント：

果たして、これで過敏症が完治するか？
完治したという実例を知りたいものです。

追記：２０２０－４－１７
この住宅の状況を調べてみました。

・この物件は2016年2月　$5,700,000(1ドル＝110円として、6.3億円)で売りに出た。

2015年の$8,600,000(=10億円)から値下げしたのかもしれない。
・この物件は、2016年5月　$5,200.000（1ドル＝110円として、5.7億円で売れた。
・この物件は、2020年4月のアクセスでは、$5,767,449（1ドル7＝110円として、6.3憶円）で売りに出ている。

この物件では、室内で携帯電話は利用できないでしょう。
そうなれば、本当に電磁波に過敏で、携帯電話は全く使用しない人しか、住めないでしょう。

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＊B47. ハンガリーで電磁波シールド付アパートを建設　

記：２０２０－４－１７

１）最初に　2007年に見つけた情報

http://www.caboodle.hu/nc/news/news_archive/single_page/article/11/special_buda/?cHash=d0159b14ce

にあった情報　

New Budapest building shields residents from electrosmog　
ブタペストに新たに建設された電磁波スモッグから住民を防護するシールド機能つきアパート
By: All Hungary News
2007-02-26 09:46:00

Hungary's first building to protect its residents from electrosmog and radon gas was completed in November 2006. Residents report feeling more relaxed and better rested than they did in their previous homes.
ハンガリーで初めて、住民を電磁波スモッグとラドンガスから防護するアパートが2006年11月に完成した。住民はこれまでに住んでいた家に比べるとこの新しいアパートはよりリラックスでき、より休養が取れると感じていると、報じている。

Electrosmog is caused by everyday electronic devices such as radios, television sets, computer monitors and microwave ovens.
電磁波スモッグは日常の電子機器、例えばラジオ、テレビ、パソコン用モニター、電子レンジなどから発生している。

The invisible electromagnetic field emanating from these and similar devices is known to increase the chance of developing health problems.
こうした機器・その他の機器から放射される目に見えない電磁波は健康に悪影響を及ぼす可能性を増長するとされる。

Radon is a radioactive gas released from soil and rock under buildings, and is known to increase the risk of lung cancer.
ラドンは放射性のガスであり、建物の下の岩や土から漏洩していて、肺がんのリスクを増加させているとされる。

The building on Berzenczei utca 39-41 in Budapest's District IX, was designed and constructed by Quadrat Kft.
ブタペスト第4地区に建てられたアパートは、 Quadrat Kftによって設計と施工が行われた。

The company used a system developed in-house known as the "Quadrat System" to protect residents in the 34 apartments from harmful radiation.
この会社は、有害な放射線から34の住居に住む住民を防護するために、 Quadratシステムと呼ばれるシステムを導入した。

The company has submitted the technology to the Hungarian Patent Office.
この会社はハンガリーの特許庁にこの技術の特許を申請した。

Residents of the Quadrat building are protected from the negative effects of electrosmog by cables, walls, wallpapers and paint that shield them from radiation.
このアパートに住む住民は放射線をシールドする塗料・壁紙・壁・ケーブルによって防護される。

The walls of the building also block external radiation caused by transmission sites, for example and various automatic devices were built into the apartment floors to provide further protection.
このビルの壁は外部の無線局からの電磁波などを防護する、また、このアパートの床下には自動制御機器が装置され、更なる電磁界防護が可能になっている。

One of these devices cuts off unnecessary power in bedrooms after everyone has gone to bed, said Ferenc Zettisch, head engineer of Quadrat Kft.
Quadrat Kft社の技師長Ferenc Zettischは、これらの自動制御機器の一つは、住民の全員が就寝した後は、寝室の不要な電源をオフにする機能を持っている。

Flats protected by Quadrat's system cost two to four per cent more per square meter than regular flats.

Quadrat
システムを装備したアパートのコストは、一般のアパートに比べて、2から４％のコストアップとなる。

Éva Székely Varjasné, managing director of the company, said that prospective buyers were informed about the special qualities of the building before they purchased their homes.
この会社の会長Éva Székely Varjasnéは、将来の買い手は彼らの家を購入する前に、建物の特殊な機能に関して説明を受けるだろう　と語った。

"We have performed initial tests, and they have shown that radiation is considerably lower in these apartments.
The Quadrat System is working well, and some residents have said they sleep better than earlier," she added.
「我々は最初の試行を行った。そしてそれらのアパートの中では十分に低いレベルの電磁界であることが判った。Quadratシステムは良く機能し、幾人かの住民は以前の住居の時に比べるとよく眠れるようになったと語っている」と会長は語った。

Residents have also volunteered to undergo medical tests to monitor their health.
住民はボランティアとして、彼らの健康状態をモニタする医学的検査を実施している。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

２）追加情報の探求
・2015・2016年に本件に関する追加情報を探したが、適切な情報は見つからなかった。
・2017年にハンガリー語のサイトを機械英訳しながら、ネット上で情報を探し、それなりに情報はあったが、纏まらなかった。
・2020年、ようやく本件をまとめることができた。

３）本件の場所の確認

・このシールド加工された住居の住所は、Berzenczei Utica 39番地と判明。
以下にその場所をグーグルのストリートビューから、示す。

1階は商店？　２階以上の部分が電磁波シールドを施したアパートである。

４）施工主

・このアパートの電磁波シールドを施工したのは、ハンガリーの会社で、Quadrat Kftである。
２０２０年のネット検索では、この会社は現在も存続している。
・会社のサイトにはこのシールドアパートに関する記述は見当たらない。
過去の建設工事の実施例の写真集を見ても、このシールドアパートは掲載されていない。

・この会社に「その後も類似の建設工事を行いましたか？」というメールを入れても、返信はない。

従って、この種のシールドアパートの建設は、なかったと推定することができる。

部屋の壁などにシールド塗料を塗り、大地にアース接続することで、屋上に携帯電話基地局があっても、住居内には入ってこない、というのがこのシールドアパートの基本的な原理。

＜ＢＥＭＳＪ注：住居内の家庭電器製品からの電磁波曝露は防げない。室内では携帯電話の電波が入ってこないので、ベランダに出れば、携帯電話は使える。しかし、その場合は、基地局からの電波に暴露する。よって、電磁波曝露を避けようとしても、この住居では中途半端に終わる。電磁波過敏症の人が住居内に無線機器も家電機器もない状態で住むのであれば、電磁波曝露から逃れることができるかもしれない。＞

５）シールド材の提供者
このシールドアパートのシールド材の製造会社は以下に示す様にドイツのYShieldという会社である。

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＊B48. 市民団体が電磁波過敏症に関する要望書を提出したが、ダメだった事例：2009年

http://homepage3.nifty.com/vocemf/　にあった内容（２０１０－１－２７のログ）を一部抜粋・編集して紹介します。
関心のある方は、上記のサイトを覗いてください。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
国交省へ要望書を提出

電磁波過敏症発症者の多くは、交通機関の中で使われる携帯電話の電磁波に苦しんでいます。
そこで、今年3月31日、国土交通省へ要望書を出し、電車や地下鉄などに「携帯電話の電源オフ車両」を設けるよう、事業者に知らせることや、ガイドラインを設けることを求めました。

『2009年3月31日
国土交通大臣金子一義様
公共交通機関における携帯電話の使用に関する要望

私たちは、家電製品や携帯電話から発生する電磁波で体調を崩す、いわゆる「電磁波過敏症」の発症者の支援や、電磁波の健康影響を懸念し、より安全で安心できる生活環境を目指して活動している団体です。
国土交通省としてお取り組みいただきたく、下記の通り要望いたします。

記
1. 鉄道・地下鉄事業者等が、携帯電話の使用を全面的に禁止する「携帯電話の電源オフ車両」を最低1 両以上導入することを定めたガイドライン等を作成してください。なお、その際、走行用エンジンやモータ、パンタグラフの無い車両を、できるだけ充てるよう明記してください。

2. バス車内では、携帯電話の電源を切るよう、ガイドライン等を作成してください。

3. バス停留所や駅舎、ホーム、待合室等では、携帯電話の電源を切って待つよう、ガイドラインを作成しください。

4. 公共交通機関事業者に、電磁波過敏症という病気の存在と、発症者が公共交通機関で使われる携帯電話電磁波によって体調を崩していることを周知させてください。

5. 携帯電話の電源オフが必要な理由について、ホームページ、広報等で一般に広く周知させてください。

6. 飛行機内で携帯電話等の電子機器の使用は現在、禁止されていますが、引き続き使用禁止措置をとるようガイドライン等を作成してください。』

しかし、国土交通省は、「電磁波問題は総務省の所管で、国土交通省独自の対応はとれない」として、心臓ペースメーカーの方のためにすでに行なっている対策について答え、電磁波過敏症のための対応については回答していただけませんでした。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

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＊B49. ブログにあった北海道での電磁波過敏症の事例

とあるブログにあった内容から、一部を引用して紹介します。
このブログの他の書き込みから、「雪国に在住・・・・・」と、たぶん北海道に住んでいる方と思われる。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
電磁波について

昨年のことになりますが、うちの管理するマンションに新しく入居された方に言われたことがあります。
「ここのマンションは電磁波が強く自分の体に影響が出てきた、もうここには住めない」正直『えっ？？』って思いましたが、この入居者の方のお話を聞いているうちに「う〜ん、確かに電磁波の影響はあるかも・・・」と気づいた点がありました。

それはすぐ近くに送電線があり高圧線がマンションのかなり近くを通っていること。

入居者の方の申し出で北電に電磁波を測ってもらいました。
電磁波はマンション室内ではまったく問題がありませんでした。
しかし結局その入居者さんは1ヶ月後に引っ越してしまいました(涙）。

このマンションは築20年、今までこのような苦情（？）を言われたのは初めてで戸惑いましたが、北電の方の話によると電磁波を心配する方が結構いらっしゃるとのこと、賃貸マンションなら引っ越せばよいが分譲となるとそうはいかないので分譲マンションを購入予定の方に電磁波の測定や影響などの説明の要望が多いそうです。

（略）

初めの話に戻るが、引っ越してしまった入居者の方、引っ越す前に部屋を見せてもらうと換気口をすべてビニールでふさいでいた・・・それはなぜか？と聞いたら、風が電磁波を運ぶから・・・だそうで(汗）換気口をすべて閉じてしまった鉄筋コンクリートのマンションの部屋は空気が淀んでいた。
そのような部屋に電化製品がたくさん並べてあり電気が使われているのだ。
家電から出る電磁波の方がよっぽど強いのではないかと思った。

電磁波に対しての過度な恐怖はかえって自分自身を追いこんでしまうのではないかと喉まで出てきた言葉を飲みこんだのを今でも覚えているが、ここまで病的になってしまった人の心を動かすことはできないと観念し、逆に引っ越しを薦めてしまった自分であった。

（略）

2010-04-19
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

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＊B50. 宇都宮市市会議員が電磁波過敏症として、宇都宮市を提訴

＊始まり

がうす通信第136号(2015/12/12)に以下の記事があった。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
電磁波過敏症で裁判　　　西房美宇都宮市議が市を訴え

２０１５年3月２５日、宇都宮市議会議員西房美さんは、自身の電磁波過敏症で健康被害を生じたことついて、市の「安全配慮義務」が果されていない結果として市に対し賠償金５５０万円の支払いを求め提訴した。

原告の西さんは市議会でその会期中、他の議員らの携帯する「携帯電話」の電磁波によって、頭痛・発熱・下痢・のどの渇き、などの症状に苦しんでいた。

西さんは２００７年に心臓ペースメーカーを挿入し、それ以降携帯電話の電磁波にさらされると、頭痛や耳鳴りなどの体調不良を起すようになり、２０１４年には前橋市の青山医師より電磁波過敏症と診断され、仙台市の丸山アレルギークリニックで診断書も入手した。

西さんは２００８年ごろ、当時の市議会議長や議会事務局長に、会議中は携帯電話の電源を切るよう指示することを求めたが聞き入れられなかった。

また２０１０年８月には友人に依頼して「会議中の携帯電話の電源をオフにする規則制定を求める陳情書」を提出してもらったが、この陳情は採択されなかった。
翌９月には「宇都宮市議会傍聴規則の一部改正」の要望書を提出して、傍聴規則に携帯電話の電源を切ることを盛り込むように求めたが、これも実現には至らなかった。

市議会では傍聴者向けに「携帯電話の電源をお切り下さい」という掲示パネルを設置しているが、議員の使用は制限されておらず、傍聴者が電源オフしているかどうかも確認していない。
訴状では、本来なら議場入口で携帯電話を一時預かるなど、議場に携帯電話を持ち込ませない対策を取るべきだった、と指摘している。

西さんはこのように電磁波過敏症であることを市に伝え、電磁波対策を求めていたが何の対策もとられていない状態が続いて来た。
このことから働く人の健康や生命を危険から守るように配慮する「安全配慮義務」に違反している、としている。
１２月２４日には第3回目の口頭弁論が開かれる。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

＊川崎和代による意見書の提出

この裁判に、原告の西房美の主張を裏付けるための意見書が、大阪夕陽丘学園大学の川崎和代教授（法学）によって提出された。
以下は、川崎和代の論文の一部を紹介する。
＜関心のある方は、原著全文を入手して、読んでください。＞

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
掲載誌：大阪夕陽丘学園短期大学　紀要　第59号　2016
タイトル：電磁波過敏症議員の議会活動の保障

研究者：川﨑和代

１．はじめに
宇都宮市議会に通算16 年、議員をつとめる西房美（以下、西議員という。）という男性がいる。
彼は、心臓疾患のため、2007年11月にペースメーカー植込み手術を受けたが、その直後から、ペースメーカー周辺がチクチク痛むようになった。
その1、2年後には、近くで携帯電話が使用されると胸に疼痛を感じ、以降頭痛、耳鳴りも起こり、体調はどんどん悪化していった。
とりわけ議場や委員会室のような閉鎖的な場所において感じる苦痛はひどく、これに耐えていると意識がもうろうとするようになった。

彼は、そのような症状の原因は、他の議員が使用する携帯電話等にあると考え、議長に対し、会議中、携帯電話の電源を切ることを指示するよう求めたが、聞き入れてはもらえなかった。

2014 年になって、彼は複数の医師から電磁波過敏症（electromagnetic hypersensitivity，以下EHSという。）との診断を受けている。
しかしそれ以後も、議会において携帯電話等の電磁波を遮断するための有効な対応がとられないため、最近では、議場や委員会室に在室し続けることが困難な状況にある。

WHOは、国際的なガイドラインを下回る強度の電波により、健康に悪影響を及ぼすという証拠はない、したがって携帯電話端末や携帯電話基地局の発する電磁波曝露によるガン誘発等の健康被害や、その他の健康への重大な影響があるとはいえない、という見解を示しながらも、EHSの具体的症状が存在することは承知している。

つまり現実に、携帯電話のみならず家電製品や送電線等から発する電磁波に鋭敏に反応し、頭痛、吐き気、めまい、耳鳴り、筋肉や関節の痛み等種々の症状に苦しむ人たちがいることを認識しているのである。

EHSはアメリカでも問題になっており、アメリカ建築交通バリア・コンプライアンス委員会は、2002年、EHSをADA（アメリカ障害者法）の障害者に含まれるとし、公的･商業的施設をEHSの人が利用できるようにするガイドラインを示している。
また欧州評議会議員会議は、加盟国に対し、2011年5月、子どもや若者の電磁波曝露を減らすためのあらゆる合理的対策をとるよう勧告している。

日本弁護士連合会も、EHSに苦しむ人たちが健康で文化的な生活を営む権利を侵害されているという人権保障の観点から、2012年、電磁波対策に関する意見書を発表している。

このようにEHSが重大な問題になりつつあるにもかかわらず、西議員の主張するところによれば、宇都宮市議会では、EHSに苦しむ彼に対して、有効な｢配慮｣が提供されず、その結果、彼は、日本国憲法により保障されている表現の自由や参政権を行使できないだけでなく、住民の意思を代表する市議会議員としての職責を全うするという点においても極めて不利益な状況におかれているという。
かかる状況は、障害者差別解消法（以下、差別解消法という。）にいう「合理的配慮の不提供」にあたる可能性や、障害者の公的･政治的活動を保障する障害者権利条約（以下、権利条約という。）にも抵触する恐れがある。

本稿は、西議員の現状を紹介し、そこから市議会の対応が日本国憲法、差別解消法等に違反するか否かを検証しようとするものである。
(略)

＊本稿は、2016年8月25日付けで宇都宮地方裁判所民事部2係に提出した「意見書」を元に、加筆･修正したものである。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

＊地裁の判決

ガウス通信148号2017年12月8日に以下の記事がある。

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「携帯電話の会議中禁止を」裁判　宇都宮市議　西さん高裁へ控訴

宇都宮市議会での携帯電話使用の制限を求め、西市議が宇都宮市を訴えた裁判で、10月12日宇都宮地方裁判所は原告の訴えを退ける判決を下した。
これに対して、原告の西市議は18日東京高裁に控訴した。
以下　略
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＊市議選で落選
・2019年4月の市議選で、西房美は落選した。

＊高裁の審議状況
・2020年7月になっても、高裁での審判がどうなったのか、情報はありません。
・2020年7月のアクセスで、西房美のブログというかWEBサイトは閉鎖されたようで、開くことができません。
　以下は、閉鎖される前の西房美のブログの1頁です。

＊長周新聞　2020年6月10日に裁判に関する情報が掲載

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議場内の「携帯電話電源オフ」を求めて裁判

西　房美さん

2015年3月25日、宇都宮市を提訴した。

同市がEＨS患者である西さんに対して、安全配慮義務ないし健康配慮義務があるにもかかわらず、不十分な対応しか行わなかった。

結果、市議会の会期中に電磁放射線による耳鳴り、頭痛、意識もうろうなどの症状に苦しんだとし、身体的・精神的損害の補償として550万円及び遅延損害金の支払いを求めたのだ。

しかし、2017年10月３日、宇都宮地方裁判所は西さんの訴えを棄却した。

「体調不良の原因は精神的な不安感」「携帯電話の電磁放射線が体調不良を起こしたという科学的根拠がない」などという理由からだった。

同年10月18日、西さんは直ちに東京高等裁判所に控訴した。

しかし、2018年4月26日、控訴は棄却される。

同年5月7日、最高裁判所に上告するも、同年11月15日、上告は棄却された。

西さんの敗訴が確定した。
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＊B51. 無線外付けHDの電磁波で気分が悪くなった例の調査

記：２０１９－５－６　

１）はじめに

以下のブログの記事があった。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊一部　抜粋して　引用　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
• 2012.11.9
電磁波過敏症ではない私でも高周波にヤラレた︕NASの外付け無線ハードディスクにご注意

電磁波過敏症ではない私でも高周波に被曝してバタンと倒れてしまったお話しです。

私は保存してある写真データ数が多いので、外付けハードディスクが必要です。小さい容量のものだと、すぐにいっぱいになってしまいます。
写真容量が増えていくたびにまた買い替えるのも面倒だから、⼀番大きな容量の外付けHDを買おうと決めて、大好きなヨドバシアキバ店に出向きました。
そこで６テラバイトもある⼤容量の外付けハードディスクを発見︕︕

そのハードディスクは、⼤容量６テラバイトもデータを入れる事ができるのですが、ケーブルで繋げず、無線でパソコンと通信するタイプでした。

『NAS』（Network Attached Storage）と呼ばれる無線外付けハードディスクです。
無線LANなら、パソコン周辺も少しはすっきりしそうですし、お店の人もすすめてくれたので、購入しました。

さっそく写真ソフトと連結させるために、帰宅してすぐセッティング。
ところが電源をオンにしてから少しして、たおれてしまいました。
この具合の悪くなり方は尋常ではありません。
体験したことがない感覚で、しいて言えば…

「大腸からゲロを吐きそうな感じ」「頭がかきまわされる感じ」といった表現になるようなものすごい具合の悪さ。
それは、それは、尋常ではない不快な感覚で、座っている事もできなくなくなり、横にバタンと倒れてしまいました。

一番最初は「たまたま偶然、何か悪い食物でも食べてあたったのかしら」と思っていました。
だから、後日またオンにして作業をしました。
しかしやはり同じことが起こってしまったのです。

今度は、NASの本体を自分から6mほど遠くに離してみました。でも結果は同じ…
その後、あと３回試してみましたが、いずれもバタンと倒れてしまい、朝まで起きられなかったのです。

NASのメーカーさんに電話をして、今回体験したことを話してみました。
返答は予想どおりなのですが、「そういった話しは聞いたことがない」と訝しげに告げられて終わりでした。
ま、当然そう答えるでしょうね。
パソコン会社にも電話して質問してみたのですが、やはり同じような回答でしたね。

でもでも、しばらくしてから奇跡の出会いがあったのです︕
参加した懇親会で、たまたまお隣に座った人と名刺交換したら、なんと︕携帯会社に勤務している方で、しかも『Wi-Fiの開発事業部』に所属し通信や電波の研究をしている専門家だったんです︕
なんという偶然。ガチで専門家の人とお話しをする機会に恵まれました。
私が体験した「NASをオンにした時の不思議な症状」について詳しくお話してみたんです。
するとその専門家の方は、『あぁ、それは高周波だよ』と、即答︕︕︕︕︕
サスガ専門家です︕︕
そのWi-Fi専門家のお話しによると、６テラバイトもある大容量だとかなり強い高周波が出てしまうディバイスができあがってしまうのだそうです。
「でも、もう少し容量が少なめならばその種の高周波を出さないから、”そういった症状はでないよ”」と教えてくれました。
そしてさらに、「無線Wi-Fiより有線の方がそういう問題おこらないよ」、という情報もいただきました。

この６テラバイトのNASはけっこう高額だったので悩みましたが、やはり別のものに買い替えました。
新たに手に入れたのは、３テラバイトの線で繋げるタイプのハードディスク。こちらはもちろん問題はなく、オンにしてもぜんぜん大丈夫です。
この無線外付けHDの件は、あくまでも私の個人的な体験です。
だから、メーカーの名前を出すことも写真を掲載することもできないのが残念。

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２）調査とその結果

「６テラバイトの無線外付けHD、NAS」とはどのようなものか、調べてみました。
「6テラバイト　無線　外付けHD」をキーワードに検索しても、適切な情報は見つかりません。
外付けHDに無線LANの機能が付いたようなモデルは、見つかりません。

以下の情報が見つかりました。
＊＊＊＊＊＊＊＊一部　抜粋して　引用　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
無線で接続するのとはちょっと違いますが、LANに接続するタイプのハードディスクが便利です。
通称　NASといいます。
ルータにLANケーブルで接続するハードディスクです。

LAN上のどのパソコン＆スマホからもアクセスできるので、写真や動画、音楽の共有ができます。
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BuffaloのサイトにあったNASの例です。

前述のブログの主は、Buffaloのモデルか否かはわかりませんが、類似の６TBの「リンクステーションネットワークハードデスクドライブ」を購入したのでしょう。

このリンクステーションは、パソコンとは直接接続はしません。
リンクステーションと無線ルータ間をLANケーブルで接続します。

こうするとパソコンのデータは、無線LANの電波を経由して無線ルータに届き、無線ルータからケーブルでリンクステーションハードデスクドライブに伝送されることに「なります。

６TBのリンクステーションハードデスクには無線電波を出す機能はありません。
リンクステーションからは、何らかの電磁波は漏洩するでしょう、しかし、多くのこの種のリンクステーションハードデスクは外来の電波ノイズなどによる誤動作を防ぐために、かなり頑丈な金属（アルミ）などで覆われています。電磁波の漏れはあってもかなり微小でしょう。
リンクステーションハードデスクと無線ルータを結ぶケーブルからも多少の電磁波の漏洩はあっても、微小でしょう。

したがって、６TBリンクステーションハードデスクを購入し、設置し、動作させた時に、体調を崩すことがあったとしても、これらの追加設置機器からの電磁波による影響とは、考えにくい。
「電磁波への過敏」ではないと思われる。

もしかして、購入した機器の内臓の冷却ファンの音・振動や、ハードディスクの回転などに伴う音・振動があり、耐えられなかったものと思うわれる。

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＊B52. 電磁波過敏症という塩田一家の情報

記：２０１９－１０－１５

黒藪哲哉著「電磁波に苦しむ人々」花伝社2014年発行に以下の紹介がある。黒藪は2013年7月伊那市の塩田家を訪問し、その結果を本に記している。
また、塩田家は「野良屋」というパン工房のWEBサイトを運営しているので、そのWEBにあった履歴を合わせて、一部を抜き出して、時系列的に、まとめてみた。

・野良屋の原点
野良屋が活動を始めたのは1992年。
生まれ育った埼玉県の里山に家と畑を借り、畑の片隅で開店しました。
畑仕事をしながら、天然酵母パン、野菜、雑貨などを並べ、甘酒も出したり、パン屋というよりは「茶屋」状態でした。
屋号も、パン屋をやめても野良仕事はやめないだろうからという理由でつけました。

・パン屋になるため、長野へ
しばらくして石窯で焼いたパンのおいしさを知り、石窯焼き天然酵母のパン屋として本格的に始めようと考えました。そこで、お店を始めるのにちょうど良い土地探しから始めました。
1994年には長野県高遠町の田んぼの真ん中に家を買い、独学でパンの勉強をしながら、自分たちで石窯もつくりました。
また、家の修理や開店のための大工仕事もやったり、そのころは大忙しでした。
やっと準備が終わり、1998年にパン屋として開店。
広い畑を利用して「野良まつり」というイベントを開催し、自家栽培小麦のパンを焼いて振る舞うなどの活動もしました。

・1999年1月、伊那市高遠にあった自宅兼パン工房から250m離れたところに、ＮＴＴドコモが携帯電話基地局を設置した。
・家の近くにNTTドコモの携帯基地局ができてから、体調に異変をきたした、
・1999年5月、妻・三枝子は流産、その後、体調が悪化。
・2000年4月長女・実杜、7歳に、症状が出始めた、聴力は正常なのに聞きとれない等
・2000年秋、夫・永に症状が出始めた、眼痛・頭痛・嘔吐。　長男・素也に症状、煩雑に鼻血。
・2002年5月　知人から「マイクロ波による影響、引っ越しを勧められる」。

・2004年6月　基地局にFomaのアンテナも増設
・家の近くにNTTドコモの携帯基地局ができてから、体調に異変をきたしたので、それが理由で、携帯電話の「圏外」を求めて移転した。
・2004年7月、引っ越し。荊口地区へ、「圏外」の地区であった。2階建ての自宅兼パン工房とした。
・荊口地区は長野県伊那市の山間部にあり、国の僻地法の対象となる地区。
・引っ越してから一家の体調は改善。素也は鼻血を除いてほぼ消えた。実杜の症状は良くなった「視力の低下」が、メガネなしに快癒。

・2010年、国の携帯電話不通地区解消策に応じて、荊口地区にNTTドコモが基地局を計画。塩田家から1.7㎞先に建設予定。地域での反対運動がおこったが、結果として基地局は建設された。
・2010年8月、基地局の稼働開始しないことを求めて、塩田家から東京のNTTドコモ本社まで、抗議の長距離ウォークを実施。
・長距離ウォークの3日後に基地局は稼働開始。

・塩田家は「圏外」地区に住むことを奪われた。不幸中の幸いで、基地局から1.7㎞離れているために、直ちに症状が出る事態だけは回避できたが、自宅で携帯電話を持つ訪問者に対応すると、塩田家の人々には以前の様な症状がたびたび現れる様になった。
・2013年春、三枝子は大腸がんを発症。
・2014年4月、三枝子は乳がんの手術

・一家は、携帯電話の「圏外」を求めて流浪の旅を強いられてきた。

野良屋から南に約2㎞　「ストーブキッチンゲストハウス」の近くに基地局がある。

野良屋の一帯はNTTドコモのサービスエリアになっている。

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＊B53. Yahooニュース2021年5月にあった電磁波過敏症の事例

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最終更新: 5/17(月) 9:06　日刊ゲンダイDIGITAL　からの転載

5Gスマホ戦争の盲点「基地局」新設で電磁波過敏症の症状が…
（斎藤貴男／ジャーナリスト）
5/17(月) 9:06 配信

体調悪化の原因は新設の「基地局」だった。
大通りに面した民家の駐車場に、先端にアンテナのついた、高さ７〜８メートルほどの鉄塔が、天に向かって伸びている。
基地局という。スマホや携帯電話と交換局とを結ぶ、電波の中継施設だ

群馬県某市―。
付近に住む主婦のＡ子さん（61）が語る。
「去年の10月20日ごろに発見しました。少し前から頭痛や息苦しさ、胸の圧迫感など体調がすごく悪かったのですが、あれが原因だったようです」

というのにはワケがある。
学校教員だった彼女は、めまいに悩まされた末、定年を待たずに退職した。
パソコン仕事がつらかったためだが、代わりに始めたパート先で電子レンジを使ったところ、「ヤリの束が頭にザーッと降ってきたみたいな、強烈な頭痛に襲われて以来、パソコンやスマホはもちろん、テレビの画面さえ見られません。

家の照明は部屋の端に移しました。
外でも電線の下がダメなので、ヘルメットと電磁波シールドが欠かせないんです」。
いわゆる電磁波過敏症（EHS）の症状が一気に噴き出した。

それでも一軒家でひっそり暮らしていれば、一定の体調を保てもしたが、新しい基地局は直線距離で約130メートルの地点にあった。
Ａ子さんの夫は現役の保健所医師である。
苦しむ妻を見かねた彼は駐車場の地主に相談。
すると翌々日、基地局の主の側から電話がかかってきた。

楽天モバイル、三木谷浩史氏率いる楽天グループの移動体通信部門だ。

Ａ子さんの話。
「専門家のＳと名乗る男性が、その距離なら電磁波の影響はないはずだと断じました。
それでも基地局のせいだと言うなら、医師の診断書を出せ、と」

楽天モバイルは回答拒否
実はＡ子さん夫妻と楽天との交渉は、半年以上も前のこの時点から、一歩も進んでいない。
診断書はかかりつけの医師に、「楽天の嫌がらせや総務省の圧力が怖い」という、奇妙な理由で断られた。

以下　略
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＊B54. 電磁波防護シールド頭巾の効果と電磁波過敏症者の使用例

記：２０２０－７－２３

１）電磁波防護シールド頭巾の効果はない

＊防護グッズなどの評価を行っているサイトから　効果のなさ

＊販売サイトの主張
・Ideal for microwave protection outside the house.
屋外でのマイクロ波電磁波の防護に最適。
・The silver bobbinet material is woven using silvered strands and nylon strands of yarn.
この銀を撚りこんだ素材は、銀を含めた撚り糸とナイロンの撚り糸を織り糸に織り込んだものである。

・Protection from before conception will give your baby the best chance in life from the very moment his or her life begins.
受胎前からの防護により、あなたの幼児は生命の始まりの始まりから最適な条件下に置かれる。

＊専門家の見解

・Head-nets, protective mesh clothing, carbon paint, canopies for beds, films for the window... all these try to imitate a Faraday cage – a continuous cage of metal that stops some EM radiation from coming through.
頭巾、防護メッシュ衣服、カーボン塗料、ベッドの天蓋、窓に貼るフィルム・・・・等多くはファラディゲージを模擬しようとしたものである、ファラディゲージは到来する電磁波を停止させるための金属製の（隙間なく）連続した箱である。

For a Faraday cage to work it needs to completely surround you and have no large gaps, unlike these products, so most of these products will have limited efficacy in keeping out radiation and none when it comes to static magnetic fields.
ファラディゲージとして機能するためには、これらのグッズとは異なり、隙間なく、周囲を完全に囲まなければならない。
これらのグッズの殆どは、電磁波防護効果は限定的であり、静磁界には効果がない。

The netting could provide protection from mosquitoes, etc. for which the silver wire is unnecessary and simply adds to the cost.
ネットは蚊の対策には適しているが、銀線は不要であり、コストがかかるだけである。

Generating fear and anxiety can have pervasive effects on psychological and physical wellbeing.
恐怖と心配があると、精神的・肉体的な安寧に広範な影響が出てくる。

This claim is particularly damaging because it implies that the unborn child is surrounded by constant danger that can only be controlled by use of this product.
この販売者の主張は、このグッズの使用によってコントロールできる一定の危険性にまだ生まれない子供が晒されているということを意味しているので、大きな障害を与えている。

Are we to assume that women are somehow bad mothers unless they use it?
このグッズを使わなければ世の中の女性は何か悪い母であるとでも言えるのか？
As often is the case, no data is presented to support the claim.
このようなことはしばしば見受けられるが、販売者の主張を支持するデータはない。

＊販売元の現況
・販売元のサイト：www.emfshield.org を見ると、2020年6月の時点では、電磁波防護グッズの販売ページは見られない。電磁波の測定器などは販売中。よって、MummyWrapsといったグッズの販売は行っていないと思われる。

・もう一つの販売元のサイト：www.mummywraps.comのサイトは開けない。このサイトの名称は売りに出ている。このことから、販売元のサイトは完全に閉鎖されたものとされる。

・「Mummy Wraps」をキーワードにネットで検索したが、2020年6月の時点では、何もヒットしない。
よって、このグッズは2008年頃に販売していたと思われるが、効果に欺瞞性があり、売れなくなり、販売会社もそのサイトも現在では完全に市場から消えたと言える。

２）2005年MITでの実験　ホイル帽子の電磁波遮断効果

INTERFERENCE TECHNOLOGY日本版２０１３年３月より一部抜粋
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ホイルの帽子は防止効果なしと証明：
RF「マインドコントロール」軽減に効果？

典型的なホイルの帽子は、ファラデーケージがそうでないのと同様、人間の頭を完全には囲まないので、無線周波数電磁波放射を防ぐ効果はない。
２００５年、MITの学生グループは、アルミホイルの層から成る３種類のヘルメットを設計・作成し、様々な無線周波数を妨げるかどうかホイル・ヘルメットの効果を試験した。
無線周波数信号発生器と受信機を使って、調査対象の頭の様々な部位に着けた受信アンテナで、学生はその電磁波の透過量を調べた。

その結果、ヘルメットは試験電波の大部分から着用者をシールドしたが、携帯電話や衛星放送に割り当てられている2.6GHz帯、航空無線航法バンドに割り当てられている1.2GHz帯などを含む特定の周波数は増幅＜BEMSJ注：これは逆効果という意味と思われる＞することがわかった。

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関心のある方は、INTERFERENCE TECHNOLOGY日本版を読んでください。

３）長周新聞　2020年6月10日に掲載された電磁波過敏症者

関心のある方は、当該の新聞を読んでください。

４）２００４年５月日本テレビ「電磁波過敏症」特集の番組から

照明を蛍光灯から白熱電球に変え、帽子の中にアルミ箔を貼っている。

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＊B55. 電磁波過敏症の医師の診断書の事例2008年

記；２０１９－１０－１５

黒藪哲哉著「電磁波に苦しむ人々」花伝社2014年発行には、神戸市北区の住民が、近隣のマンションに建設された携帯電話基地局からの電波(電磁波)によって健康に影響を受けたという事例が紹介されている。

この住民は、以下に示す様な北里研究所病院の宮田幹夫医師による診断書を入手し、黒藪本に紹介している。
電磁波過敏症という病名は厚労省が認めていないので、診断名は化学物質過敏症となっているが、所見には電磁波過敏症と判断した根拠が書かれている。

＊B56. 電磁波過敏症の医師の診断の事例2021年

記：２０２１－７－９

もう一度「DXCC de JF1HYG/JR0ELG

dxccagain.cocolog-nifty.com/blog/2021/05/post-1557dd.html　にあった内容の一部引用

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2021年5月30日 (日)
電磁波過敏症　その後
5月29日（土）。

以前より予約していた電磁波過敏症を診てくれるクリニックの予約の日。
予約は14:30。場所は東京・荻窪。
(略)

クリニックでは最初に「平衡機能検査」「瞳孔反応検査」「眼球追従運動検査」の3つを受けて、その結果でもってある程度判断するらしい。

結果から行くと「平衡機能検査」では、目を閉じたときの体の重心の移動が大きく、「瞳孔反応検査」では、暗闇で急に光を見た時の瞳孔の収縮が標準より早く、回転する光の点を目で追う「眼球追従運動検査」では目の動きがきれいなsinカーブにならず、ところどころ追従できずにスキップしてしまうという結果が出た。

これらは自律神経失調様の症状であり、電磁波過敏症と言ってよいということであった。
（「言ってよい」というのは、現時点では正式な病名として認められていないから）「瞳孔反応検査」は電磁波過敏と思い込んでいる人を排除するのに良いそうで、私の場合は思い込みでも何でもない、ということだった。

さて対処方法であるが、主に以下の3つが有効であるという。
（１）体内のカルシウム（Ca）代謝を正常化するためにビタミンDを1000IU／日摂取する。
（２）体内の活性酸素を除去するためにビタミンCを1g/毎食摂取する。
（３）マグネシウム（Mg）を摂取する。

（１）は神経細胞中の情報伝達物質であるCaが電磁波により細胞からたたき出されてしまい、神経細胞間の情報伝達がうまくいかなくなるので、Caの代謝を正常化するのにビタミンDがよいとのこと。

（２）は電磁波により体内に活性酸素が生成されてしまうので、抗酸化作用のあるビタミンCが良いとのこと。

ビタミンCは動物の体内ではブドウ糖から生成できるらしいのだが、サル以上の高等生物ではブドウ糖はそのまま脳で使うことになって自分で生成できなくなっているとのこと。
だからサルは餌から5g/日程度は摂取しているらしい。人間もそのくらいは摂る必要があるとのこと。

（３）Mgは詳しい説明は聞けなかったが、最初に電磁波過敏を研究した人が発見した有効な物質がMgであるらしい。
ニガリをスーパーで買ってきてみそ汁にでも入れてみろということだった。

他にもグルタチオン、カロテン、ポリフェノール、ω3脂肪酸、亜鉛も良いという話だったが、ここまでくるとバランスよく食事しろと言われているのと同じような気もした。

（略）
それから寝るときは金属のシートの上に寝て「体をアースする」といいとも言われた。
シールドではなくアース？
シールドももちろん有効らしいが、まず「アース」と言われたのでちょっと半信半疑である。
アースと言っても電気工事用の保安用アースでいいのか、通信用のアースがよいのか不明なのだが、ドクターの話は３Ｐコンセントの話だったので、保安用アースのことを言っているのだろう。

風呂に入っている間も配管などを通じてアースにはなるのですよ、という話も出た。
半信半疑ではあるが、アースバンドでも買ってきて保安用のアースにでもつなげてみようか…。
ということで、自分的にはまずビタミンＤをやってみようかと思う。
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関心のある方は、原文のブログにアクセスして全文を読んで下さい。

BEMSJのコメント
その1：「（１）は神経細胞中の情報伝達物質であるCaが電磁波により細胞からたたき出されてしまい、神経細胞間の情報伝達がうまくいかなくなるので、Caの代謝を正常化するのにビタミンDがよいとのこと。」とある。

この説の元になっているのは、「細胞に電磁波を当てた時に、細胞の信号伝達に係るカルシウムチャンネルに影響がでて、細胞の内と外のカルシウムイオン濃度に変化を与えたという実験報告がある」こととおもわれる。

この研究は再現実験などに成功してはいないと思われ、知見とは言えない。
この実験では「細胞の内外のカルシウム濃度が変化、内側から外側に流れて」のであって、「カルシウムイオンが体の中から消滅した」訳ではない。
また、「カルシウムイオンの影響が、ビタミンDの付与によって改善された」などの実験報告は見たことがない。
よってこのクリニックの「カルシウム・・・・ビタミンD・・・」は空論と言えるかもしれない。

その2：
「それから寝るときは金属のシートの上に寝て「体をアースする」といいとも言われた。」とある。
この論拠は、「電磁波は体に蓄積する、よって裸足で土の上に立って、体にたまった電磁波をアースして除去する」という説によるものとおもわれる。電磁波は、静電気を除けば、体に蓄積することはない。よって、アースしても効果はない。

クリニックの説は、大地にアースする代わりに、金属シートの上に寝て、体をアースすることとおもわれる。

これも、意味のない空論と言える。

その3：「（３）マグネシウム（Mg）を摂取する。」この論拠を知りたいと思った。
ネットで検索すると、以下の情報が見つかった。このクリニックの医師の弁である。

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https://dennjiha.org/?page_id=7585
電磁波過敏症って何？－対処法を考える集い(上)　宮田幹夫先生ご講演

スウェーデンの報告では、電磁波過敏症の人に一番効くのはマグネシウムだそうです。
一番良いのはにがりを少し多めにとっていただくこと。
スーパーで安く売っていますし、お豆腐屋さんでも分けてくれます。
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スウェーデンの研究は？
学術論文DBのPubmedと、EMF　Portalのサイトで、「Magnesium Electro-Hypersensitivity」をキーワードに検索したが、何もヒットしません。

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＊B57. 電磁波過敏症の医師の診断書の事例2002年

Flash（2003年2月25日号）という雑誌に載った記事から
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12軒中7人　「高圧線下で肝臓がん多発」の恐怖
　　　　　　　　　　　　郡司和夫＆本誌取材班

千葉県市川市福栄地区。東京電力の27.5 万ボルト送電線に隣接し、12軒の－戸建て住宅が建ち並んでいる。この住　宅地で、住民を不安にさらす異常な現象が起こっていた。なんと、この20年間で12軒の家族から、7人もの肝臓ガンによる死亡者が出ているのだ。

詩人・阿賀猥さん（59）の夫もその一人だった。2本の鉄塔の間、送電線がやや垂れ下がったところに、阿賀さんの旧自宅はある。夫の遺影を胸に阿賀さんが証言する。
「夫は96年12月、55歳で亡くなりました。毎月の検診では異常もなく、タバコもお酒もやりませんでした。それが、10月にガンが発覚、それから2カ月で亡くなってしまったんです。」

阿賀さんがある恐るべき事実を知ったのは、夫の死からさらに4年後、2000年のことだった。
「本や雑誌で電磁波のことを知り、病気との関連を疑うようになったんです。そこで自宅の電磁波を計測したところ、あまりの数値の高さに驚きました。」
それまで気にもとめていなかった、屋根の上方の高圧線。それが、電磁波の原因だったのだ。時を同じくして、阿賀さんの4人の子供たちが視力障害を発症。一家は一昨年の12月、逃げるように転居した。しかし子供の一人は転居後、顎の骨を壊疽のため切除し、現在も脳腫瘍の疑いで治療中だ。

「私自身、3年くらい前から、心臓が締めつけられるような痛みと、内臓が石のように重い感じが続いていました。それで診察を受けたところ、『電磁波過敏症による自律神経失調』と診断されたんです。」
（略）

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＊B58. 電磁波過敏症と宮田医師が診断した事例2015年

記：２０２０－４－１５

電磁波問題市民研究会の会報122号2020年1月26日に掲載された電磁波過敏症の事例　

＊＊＊＊＊＊＊＊一部引用＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
電磁波過敏症、私の症状と対応
私は5年程前に電磁波過敏症を発症しました。
なり始めのころは、頭がボーッとして耳の後ろあたりや耳の中が痛く、体がだるくて仕方ない、そんな状態でした。これはおかしいと思い、すぐ医者にもかかりました。耳鼻科、脳外科、脳ドック、アレルギ科、眼科、精神科。精神科では環境不耐症であると診断されましたが、処方された薬も私には合わず吐いてしまい、身体が拒絶していました。

最終的に、そよ風クリニックの宮田先生のところへ行き電磁波過敏症だと診断されました。

まず、家の中で困った事は、家電が使えなくなってしまった事でした。
掃除機、トイレの温水洗浄便座、ガス式の床暖房、冷蔵庫、食器洗浄機、ガスコンロも反応してしまい、キッチン周りは特にひどいです。
何を使っても吐き気と後頭部をぐっとしめつけられる様な感覚、胸が苦しくなる感覚になりました。

他には、クーラーの室外機、洗濯機、電話、テレビ、パソコン、プリンター、こたつ、ファンヒーター、ドライヤー・・・・。テレビは電源が切れて画面が黒い状態でも待機電力のためなのか、ぞうきんがけをすると後頭部からしめつけられるような感覚がするので、すばやくそうじしています。

（略）

帰宅後には、体に帯電した電気をアーシングできる布（レジナ製「アースインナーニット　ダブルサイズ」）にアースできるプラグ（同「エルマクリーン11」）をつないで30分～1時間その上で裸足になって横になります。
このアーシングをすると少し楽になるので、私には必需品です。
パソコン、スマホを長日寺間使ってしまいそうな時も、この布をイスに敷いて使っています。
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関心のある方は、会報の全文を読んでください。

この事例を読んで、後半の「アーシングで楽になる」という箇所に疑問がわきました。
家電からなど放射される電磁波は、決して人体に帯電はしません。
従って、帯電していないものをアーシングで除電したつもりでも、電磁波の観点では何も変わりません。
それでも、本人は「楽になる」と言っています。
なぜでしょうか？？？？？　　

また、人が裸足になって大地に立つ（大地にアーシングする）と、遠くにある携帯電話基地局から発信されている電波（電磁波）を、人の体は、裸足で立っていない人に比べて、より多く電磁波を吸収します。
したがって、アーシングを行えば、携帯電話などの高周波の電波（電磁波）をより強く受けることになります。
この事例では「スマホ」を使っていますので、携帯電話の電波は、届いているはずです。
この点も、疑問です。

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＊B59. カリフォルニア学校での過敏症裁判2021年

記：２０２１－３－２９

http://emfsafetynetwork.org/califonia-Court-ruling-upholds-Wi-fi-disability-Case/
電磁波研会報第129号　2021／3／28　にあった情報を一部修正して引用

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California court ruling upholds Wi-Fi　disability case
カリフオルニア州の裁判で、Wi-fiによる障害訴訟を認定する判決

A California appeals court has ruled that Wi-Fi sickness, also known as EHS, merits disability accommodation.
カリフォルニア州の控訴裁判所は、電磁波過敏症（EHS）としても知られるWi－Fi病は、障害の認定には有効であるとの判決を下した。

2021年2月18日、カリフォルニア州控訴（第2地区第8部）裁判所において、ブラウンさん対ロサンゼルス統一学区（LAUSD）の裁判に判決が下された。
裁判所は、「障害に対する合理的な配慮が提供されなかったというブラウンさんの訴えには十分な理由がある」と結論づけ、LAUSD勝訴の下級裁判所の判決を覆した。

ブラウンさんは、LAUSDの学区で教師をしてきている。
学校がWi－Fiシステムをアップグレードした後、ブラウンさんは「慢性的な痛み、頭痛、吐き気、かゆみ、皮膚の焼けるような感覚、耳の問題、息切れ、炎症、動悸、呼吸器系の合併症、頭がぼ―とする、疲労感など、すべてのマイクロウエーブ病または電磁波過敏症の症状」を経験した。

ブラウンさんは、合理的な配慮を得るための努力が実らなかったため、LAUSDを訴えた。
第一審裁判所では、LAUSDを支持する判決が下された（原告の主張が通らなかった）。
ブラウンさんは、その判決を不服として控訴し、今般、勝訴した。

控訴裁判所は、米国障害者法（ADA）とは独立して、またそれを超えて障害者保護を提供するカリフォルニア州の公正雇用住宅法（FEHA）に基づいて判決を下した。

（以下略）
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判決文を読むと
・被告は、連邦裁では「電磁波過敏症は認められていない」と主張した。
ということはわかるが、原告が働くことができなくなった原因は電磁波であり、原告が電磁波過敏症になったことを裁判官が認めるとか認めないという記述はない。

・働くことができなくなった原告に対して、労災補償金を支払うという記述もない。職場の原因となったWifi無線を撤去せよとか、どうしろという記述もない。

・この判決は、被告が職場で働くことができなくなったのは、「Disability（障害）にあたる」と認定されただけのことかもしれない。

・判決文をよく読むと、She has been a teacher employed since 1989.とある。原告は学校に1989年から雇用されて、教師を務めてきて、現在も務めている、という英文、現在完了形の表現である。
原告が体調に異変が起きたのは2015年のWi-fiシステムの更新時以降である。

このことから、原告は勤務先を裁判に訴えながら、その勤務先で教師を続けていているし、現在も務めているということになる。
問題となった勤務先のWifiをやめる・・・と言った判決にはなっていないので、多分、勤務先でのWi-fi環境は変わっていないのであろう。2015年から2021年まで、環境が変わらずに勤務してきている・・・・・。

・このように考えると、この裁判の意味が判らなくなる。　労災認定の裁判でもない。

ネットでこの裁判に関連する情報を探しても、これ以上の情報はヒットしない。
被告となった学校は、その規模がカルフォルニア州では1位、全米でも2位の大規模な学校である。

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＊B60. 英国、行政審判所が電磁波過敏症の１３歳女子生徒の学校対応などを義務付け　2022年

記：２０２２－１２－３０

以下は電磁波研会報第138号20220925にあった情報の一部

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行政審判所が電磁波過敏症の１３歳女子生徒の学校対応などを義務付け
英国で「世界初」

(略)

英国では、障害を持つなど特別な支援を必要とする子どもやその保護者は、その子のための「ＥＨＣ計画（Education, Health, Care Plan）」を自治体に作らせて、その計画に基づいた支援を受けられるよう、特定の学校　
（略）

女子生徒は電磁波過敏症で、特に無線ＬＡＮに敏感でした。
そこで、学校教育に電磁波が少ない環境が必要だとして、２０１７年８月にＥＨＣ計画の策定を求めました。
しかし、策定の最初のプロセスであるＥＨＣアセスメントすら不要だと自治体当局は判断。
女子生徒側が不服申立てを行い、第一層審判所は２０１８年７月、アセスメントを行うよう当局へ指示しました。
審判所に従って当局はアセスメントを行いましたが、そのうえで２０１９年２月、既存のサポートで対応できるのでＥＨＣ計画は必要ないと決定しました。

女子生徒側が不服を申し立て、２０１９年１１月、第一層審判所は当局の決定を取り消しました。
その後約２年間の経緯について報道発表文は触れていませんが、２０２１年になって子ども側は、これまでとは違う自治体を相手取って第二層審判所へ申立てを行い、勝利しました。
そして今年８月、女子生徒はようやくＥＨＣ計画を獲得することができたのです。

ＥＨＣ計画によって、この生徒へ具体的にどのような支援がなされるのか、報道発表文には記載がありません。
また、そもそも、ＥＨＣ計画なしには女子生徒が学校に通えなかった理由、たとえばＷｉ－Ｆｉのない教室の用意を求めたが学校が拒否したというようなことがあったのかなど具体的なことは書かれていません。
女子生徒のプライバシーを守るために、あえて具体的な内容を公表しなかったのかもしれません。

報道発表文を出した「ＰＨＩＲＥ」は、電磁波の健康影響に関する教育の改善を目指す医師、専門家らによるグループだそうです。
英国に拠点がありますが、他国からも参加しています。
携帯電話と脳腫瘍の疫学調査をリードしているスウェーデンのLennart Hardell（ハーデル）や、電磁界医学学会２０２１（会報第１３５号参照）の講師の一人であるErica Mallery-Blythe（マレリーブライズ）もメンバーとなっています。

以下、この報道発表文[3]の一部をご紹介します。文献リストを含む全文は、原文をご覧ください。

原文：[3]Education Health Care Plan (EHCP) awarded (Aug 2022) for UK child on the basis of Electromagnetic Hypersensitivity (EHS).

報道発表文（プレスリリース）　プレスリリース２０２２年８月
報道関係者問い合わせ先：phiremedia@protonmail.com

電磁波過敏症（ＥＨＳ）を理由に英国の子どもの教育保健介護計画（ＥＨＣＰ）を獲得（２０２２年８月）

両親、子どもからの声明、および３回の審判所審理の抜粋を以下に掲載します
このたび、ＥＨＳの子どもたちを学校が受け入れるために、両親が二つの自治体に対して５年にわたる法的闘を展開し、勝利した。
両親は第二層審判所で勝利し、この決定は先例となった。
これは、ＥＨＳの子供を受け入れるために、行政機関に電磁波の少ない教育設備を用意することを法的に義務付けた、世界初のケースだと考えている。

このご家族は、お子さんのプライバシー保護のため、匿名を希望されているが、この決定により、他のＥＨＳのお子さんや大人の方々のより良い未来につながることを願っている。

両親は、以下の通り述べている。
（略）
私たちは、娘がいかに前向きであり続けたかを誇りに思っています。
現在、英国では、ＥＨＳの子どもたちが学校に通えず、家庭学習グループでさえ、Ｗｉ－Ｆｉや携帯電話の普及によりアクセスできないことがあるため、深刻な孤立状態にある子どもたちがいることを私たちは知っています。
これらの被曝により、深刻かつ衰弱した形で悪影響を受ける子供がいることを法的に認めることは、デジタル時代のすべての生徒にとって学校をより健全なものにし、深刻な影響を受ける人々にも平等な機会を与えるための第一歩です」。

その女子生徒は、他のＥＨＳの子どもたちに自分の考えを伝えたいと、以下の通り述べている。
「私は１３歳のＥＨＳの女の子です。Ｗｉ－Ｆｉや他の種類のＥＭＦ（電磁場）にさらされると、時々、頭痛や不眠症などの症状が出ます。これらは非常に深刻になることがあります。
これを読んでいる人は、自分もこのような症状を経験しているかもしれませんし、自分もこの病気かもしれないと思い始めているかもしれませんし、この病気の存在すら疑っているかもしれません。
私も、実際に体験していなければ、そう思っていたかもしれません。
ＥＨＳは私の人生に劇的な影響を及ぼしましたが、皆さんが思っているような形ではありません。
もちろん、行けない場所や持っていないものはありますが、ほとんどの点で非常に『普通』の生活を送っています。

メールやスカイプは長時間使わなければ有線で友達にメッセージを送れるし、学校もＷｉ－Ｆｉや携帯電話のない環境になったから通えるようになりました。
もっと重症のＥＨＳで、ほとんどの人が当たり前にやっているこれらのことができない人もいるのです。
その方々の苦しみは大変なものですが、そのような方でも電磁波の少ない環境であれば回復することができると信じています。
私は、多くの人が感じられないものを感じ、察知することができます。
これは私の健康を守ってくれるものであり、スーパーパワーだと思っています。
もちろん、眠れなかったり、学校に行けなかったりするときは、そう感じないこともありますが、好調なときは、ある意味すごいことだと思っています。以前、私が通っていた学校はＷｉ－Ｆｉを入れていたため、学校に行くことができませんでした。
しかし、私たちの状況がどんなに奇妙でクレイジーであっても、人々は私のために戦い、私を慰め、私を迎えてくれたのです。その人たちは私の家族であり、友人であり、先生であり、時には見ず知らずの人たちでした。
彼らは私のためだけでなく、ＥＨＳを持つすべての人のために戦ってくれました。
彼らは、私たちがもっと必要とする人たち、心を開いた人たちなのです。
すべての人に、感謝しています。
もしあなたがＥＨＳの患者さんで、健康を維持するのに苦労していたり、学校や職場に行くことができなかったりしても、あきらめないでください。
この病気に対する人々の意識は高まっていますし、今は何も変わらないように思えても、すでに変わっているのです」。

（略）

２０２２年決定文（第二層審判所）より抜粋
審判所は、子どもが平等法第６条と第２０条(2)(b)の定義における障害者であると判断した。
私はその分析を受け入れ、採用する」
「本規定によれば、この児童の問題は、次の点にある。
(a)教師とではなく、プログラムを通して行われるコミュニケーション(6.28項)、
(b)コンピュータの使用を妨げたり、じゃまするセンソリーニーズ（sensory needs）（6.34項）。
コンピュータとそのプログラムの利用は、今や学校での教育のあり方に不可欠な要素となっている。

その利用は、もはや周辺的なものでもなんでもない」「電磁波の問題は、子どもの生活全般に影響を与え、通常の日常生活を制限するものである。
これは、学校でも、家でも、社会に出たときにも当てはまる。
学校では、コミュニケーションやコンピュータの使用に関する彼女の問題は、学校で無線ＬＡＮを使用したことが直接の原因である。
唯一の解決策は、学校内で提供されなければならない。
他の場所で同じことをする必要があるかもしれないが、他の場所には移せない。
この問題を回避し、その結果を克服するために、他のどのような対策が有効なのか、私にはわからない。これは、単に体調が悪くて集中できないといったケースではない。
二人の教育心理学者の証言があり、二人とも、彼女とその両親の症状の説明は信用できると述べている。
審判所は、彼らの証拠も受け入れ、彼女の症状は『発症すると衰弱する』ものであり、その症状は『１学年の間、教育を受けられなかった』ほどであったと述べている。
これらの症状は、学校という環境に特有のものではなかった。
しかし、そのような環境下で発生した場合、教育を提供するための手段を学校が選択したことに起因している。
そのような状況では、教育を効果的にするために何らかの規定が必要である。
これらの理由を総合して、私は、その子が特別な教育的措置を必要とすると判断する。
私の分析では、どの要素も決定的なものではなく、個々の要素に特別な意味を持たせていない」「決定は、『地元当局は、子どものためにＥＨＣ計画を作成し、維持することを義務付けられる』である」

（略）
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＊B61. アメリカ、電磁波過敏症（Wi－Fi）の息子に関する裁判　2019年

記：２０２２－１２－３０

１）裁判の始まり

ABCニュースにあった提訴の情報
https://abcnews.go.com/Health/wi-fi-lawsuit-claims-electromagnetic-radiation-exposure-caused/story?id=33336635

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Wi-Fi Lawsuit Claims Electromagnetic Radiation Exposure Caused Syndrome
Wi-Fi訴訟で電磁波曝露による疾病群を主張
By　GILLIAN MOHNEY
August 27, 2015, 5:17 AM

A lawsuit filed by a Massachusetts couple claiming that a school's Wi-Fi network is harming their son is drawing attention to a condition that is so controversial that many in the medical community even question its existence.
マサチューセッツ州の夫婦が学校のWi-Fiネットワークが息子に害を及ぼしていると主張する訴訟では、医学界の多くがその存在に疑問を呈するほど物議を醸している論点に注目を集めています。

The parents filed a lawsuit claiming that the Fay School in Southborough has "high-intensity Wi-Fi emissions" that have harmed their son, identified in the lawsuit only as "G" because he is a minor. The parents are also not identified in the lawsuit to protect the identity of their son. "G" he has a condition called Electromagnetic Hypersensitivity Syndrome (EHS), according to the lawsuit, filed on Aug. 12 in state court.
両親は、サウスボロのフェイスクールには息子に危害を加えた「高強度のWi-Fi放射」があり、訴訟では未成年者であるため「G」とのみ表記されていると主張して、訴訟を起こしました。両親はまた、息子の身元・プライバシーを保護するために、訴訟では特定していません。彼は「G」と仮称されている。8月12日に州裁判所に
提出された訴訟によると、彼Gは電磁過敏症(EHS)とされる。

（略）
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＊判決の結果

以下はhttps://www.telegram.com/story/news/local/east-valley/2019/07/19/appellate-court-upholds-decision-in-favor-of-fay-school-in-wifi-illness-case/4652341007/にあった情報の一部

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Appellate court upholds decision in favor of Fay School in WiFi illness case
控訴裁判所は、WiFiで病気の裁判で（被告側の）フェイスクールを支持する決定を支持した。
Family claimed school refused to make accommodations for student
家族（原告側）は、学校（被告側）が学生のための設備を作ることを拒否したと提訴していた。
Scott O'Connell
2019-July-19

A federal appellate court has upheld a U.S. District Court’s decision last year to toss a family’s lawsuit against the Fay School in Southboro, which the parents accused of refusing to accommodate their son’s alleged wireless Internet-caused sickness.
連邦控訴裁判所は、両親が息子のワイヤレスインターネットによって引き起こされたとされる病気に対応することを拒否したと非難したサウスボロのフェイスクールに対する家族の訴訟をトス（硬貨なげで）で決着させたという昨年の米国地方裁判所の決定を支持しました。

The opinion of the U.S. Court of Appeals for the First Circuit, which was filed on Wednesday, according to online court records, finds the plaintiffs, identified in the original complaint as only "Mother," "Father" and son "G," had no legal recourse to continue to seek compensatory damages in the case once G became too old to re-enroll at the school.
オンライン裁判記録によると、水曜日に提出された米国第1巡回区控訴裁判所の意見は、元の訴状で「母」、「父」、息子「G」のみとして特定された原告は、Gが学校に再入学するには年を取りすぎたので、この事件で補償的損害賠償を求め続ける法的手段がなかったと認定しました。

The family’s lawsuit, which dates to August 2015, alleged G, then 12, suffers from a condition known as electromagnetic hypersensitivity (EHS), which causes him to feel ill when exposed to WiFi.
2015年8月にさかのぼる家族の訴訟は、当時12歳だったGが電磁過敏症(EHS)として知られる状態に苦しんでいると主張し、Wi－Fiにさらされると気分が悪くなりました。

The Fay School, like most schools, had wireless Internet, and according to the plaintiffs refused to switch it off in classrooms where G was assigned or provide other sufficient accommodation, which the family saw as a violation of his rights under the Americans with Disabilities Act.
フェイスクールは、ほとんどの学校と同様に、ワイヤレスインターネットを備えており、原告によると、家族が障害を持つアメリカ人法に基づく彼の権利の侵害と見なしたGが割り当てられている教室でインターネットをオフにしたり、他の十分な施設を提供したりすることを拒否した。

The scientific evidence for EHS is not universally accepted, however, and a U.S. District Court judge in a 2017 order dismissed a bulk of the family’s case, finding the Fay School had not legally erred in its handling of G.
しかし、EHSの科学的証拠は普遍的に受け入れられているわけではなく、2017年の判決で米国地方裁判所の裁判官は、フェイスクールがGの取り扱いに法的誤りを犯していないと判断し、家族の訴訟の大部分を却下しました。

A retaliation claim that survived that initial decision was also dismissed last June, based on G, by then enrolled at another school, having effectively aged out of the kindergarten-through-ninth grade boarding school, rendering any possible injunctive relief moot.
その最初の判決で生き延びた報復請求も、Gに関しては昨年6月に却下され、それまでに別の学校に在籍し、幼稚園から9年生の寄宿学校で年齢を重ね、差し止めによる救済の可能性を無意味にしました。

G and his parents appealed the rulings a couple weeks after that final judgment was entered.
Gと彼の両親は、その最終判決が下されてから数週間後に判決を不服として上訴した。

The appellate court opinion affirmed the District Court’s decisions this week．
控訴裁判所の判決で、今週、地裁の決定を支持した。
（略）
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電磁波過敏症に関するコーナ

１．電磁波過敏症に関するスウェーデンの報告

２．Proceedings from the International Workshop: Clinical and physiological investigations of people highly exposed to electromagnetic fields：St. Petersburg, Russia, 16–17 October, 2000 の概要

３．スウェーデンＶＤＴに関する電磁波過敏症の研究 １９９６年

４．城内博の研究報告1999年から

５． 電磁波の感受性の試験結果

６．北里大学と日本子孫基金の電磁波過敏症研究に関する疑問

７．国立環境研究所の磁界曝露研究から

８．2005年英国の電磁波過敏症に関する報告

９．イギリスの電磁波過敏症に関する研究

１０．ＷＨＯ2004年ワークショップにみる電磁波過敏症の見解

11. WHOの電磁波過敏症文書

１２．環境省Ｈ17年度報告書にみる電磁波過敏症

１３．イギリスの電磁波過敏症に関する政府報告

１４．2007年4月の総務省報告にみる過敏症研究

１４A．Furubayashiら2009年の研究

15. Rubinの２００６年携帯電話の研究

１６．Ｏｆｔｅｎｄａｌの2007年携帯電話の研究

17. 2007年Ｈｉｌｌｅｒｔらの携帯電話と頭痛の研究

18. 韓国Kimらの2008年、携帯電話使用と電磁波過敏症の研究

１９．スウェーデン1996年Ａｎｄｅｒｓｓｏｎの研究

２０．2006年のオーバーフェルドらの研究

２０A．臨床環境医学 ２０１２年 北條祥子ら研究 「電磁過敏症に関する最新知見と今後の課題」より

２０B．電磁波過敏症は減少しているとする台湾の2018年研究

２１．電磁波過敏症に関する2004年ＷＨＯ国際セミナーの結論

２２．ノルウェーでのEHS調査

２３．2011年のMcCartyらの６０Hz電界の影響(電界を感知した)に関する研究

２４．COST（欧州科学技術研究協力機構）からの電磁過敏症に関するファクトシート公表

２５．２００８年調査にみるスウェーデンの電磁波過敏症に関する実情

２６．2011年調査報告書にみる電磁波過敏症関連情報

２７．Sandstromらの1997年の研究

２８．BEMS総会2000年の予稿集から

２９．BEMS2001年総会の予稿集から

２９A．BEMS2002年総会の予稿集から

３０．VDTニュース1995年の電磁波過敏症－1

３1．VDTニュース1995年の電磁波過敏症-2

３２．電磁界情報センタ 第7回電磁界フォーラム「電磁過敏症：臨床および実験的研究の現状」参加の記

３３．ＢＥＭＳ2012年 年次総会での研究

３４．2012年12月日弁連の電磁波シンポジウムのレジメ集から

３５．Black on Whiteスウェーデン電磁波過敏症調査2002抜粋

３６．2012年オランダ国立機関からの電磁過敏症に関する文書の概要

３７．2002年のIEEE COMARの電磁波過敏症の関する見解

３８．式部啓ら編「電磁界の健康影響 その安全性を検証する」１９９９年文光堂発行から

３９．カロリンスカ報告書：2001年Ｈｉｌｌｅｒｔらによる電磁波過敏症の研究

３９A．2001年Ｈｉｌｌｅｒｔらによる抗酸化サプルメントの効果研究

４０．レアらの電磁波過敏症に関する最初の論文1991年の概要

４１．土田の２００８年電場対策の論文から

４２．化学物質過敏症に関する2012年の吉田らの研究

４３．ドイツ研究2013年 電磁波の感受性に関するノセボ効果

４４．本堂毅2012年論文にみる電磁波過敏症

４５．EBM誌 Johanssonの2006年電磁波過敏症の研究

４５Ａ．臨床環境医学誌２０１２年に掲載された加藤やすこの電磁波過敏症に関する論文

４６．臨床環境医学誌２０１２年に掲載された宇川義一の電磁波過敏症に関する論文

４７．臨床環境医学誌２０１６年に掲載された北條祥子の電磁波過敏症に関する論文

４７Ａ：2016年の北條らの論文

４７B．臨床環境医学誌２０１８年に掲載された北條祥子らの環境過敏症に関する論文

４８．2015年のEUの電磁波過敏症見解

４９．２０１７年電磁波過敏症シンポジウムの概要

５０．Ashildらの2013年ノルウェーでの電磁波過敏症研究

５１．吉田らの化学物質過敏症に関する研究2012年

52．室内環境学会2018年のセミナー

53．電磁波で痛みの2016年研究、撤回された研究

５４．携帯基地局からの電磁波に過敏となっているか、再現実験結果2007年

５５．電磁波過敏症の治療例2018年土方ら

５６．Havasの2010年Oncol誌電磁波過敏症の論文

５７．Havasの2013年REH誌電磁波過敏症の論文

５８．Havasの2013年EBM誌電磁波過敏症の論文：取り消された論文

５９．関西医療大学紀要2018年亀の電磁波過敏症論文

６０．電磁波過敏症本堂の見解の精査-1

６１．電磁波過敏症本堂の見解の精査-2

６２．耳鳴りと電磁波過敏症の研究Ｌａｎｄｇｒｅｂｅ2009年

６３．Kotelesらの2010年研究、過敏症はノセボ効果かもしれない

６４．Kotelesらの2013年研究、50Hz磁界を感知するか

６５．Kotelesらの2015年研究、50Hz磁界を感知するか、再現実験

６６．Belpommeらの2021年電磁波過敏症の研究

６６A．Irigaray, Belpommeらの2018年電磁波過敏症の研究

６６B．Belpommeらの2018年電磁波過敏症に関する研究

６６C．大里研究所のFPPパパイヤサプルメントを効能検証というプレスリリース

６６D．大里研究所のFPPパパイヤサプルメントアメリカ特許というプレスリリース

＊B1. 電磁波過敏症で敗訴

３．スウェーデンＶＤＴに関する電磁波過敏症の研究　１９９６年

４．城内博の研究報告1999年から　　

５．　電磁波の感受性の試験結果　

６．北里大学と日本子孫基金の電磁波過敏症研究に関する疑問　

15. Rubinの２００６年携帯電話の研究　

２０A．臨床環境医学　２０１２年　北條祥子ら研究　「電磁過敏症に関する最新知見と今後の課題」より

３２．電磁界情報センタ　第7回電磁界フォーラム「電磁過敏症：臨床および実験的研究の現状」参加の記

３３．ＢＥＭＳ2012年　年次総会での研究

３５．Black on Whiteスウェーデン電磁波過敏症調査2002抜粋　

３８．式部啓ら編「電磁界の健康影響　その安全性を検証する」１９９９年文光堂発行から

４３．ドイツ研究2013年　電磁波の感受性に関するノセボ効果

＊B3. Hot Wired newsにあった電磁波過敏症の症例　

*B4. 人の電流感知　

＊B5. 光線過敏症　

＊B15. ＷＥＢにある電磁波過敏症関連の情報　2000年4月の調査

＊B16. ＷＥＢにある電磁波過敏症関連の情報　2010年1月の調査

＊B19. フランスの事例　電磁波恐怖症2012年

＊B28. フランスで電磁波過敏症による労災・障害者手当を受給　２０１５年８月

＊B31. スウェーデン　電磁波過敏症裁判で敗訴1994年

＊B33. ドイツ電磁波過敏症で労災認定　

＊B34. スペインの電磁波過敏症として労働裁判所で初認定　2011年

＊B40. 不安が病気の元になる　という医学研究から

＊B41. 電磁波過敏症の人に好適な場所　アメリカのグリーンバンク？

＊B47. ハンガリーで電磁波シールド付アパートを建設　

＊B60. 英国、行政審判所が電磁波過敏症の１３歳女子生徒の学校対応などを義務付け　2022年

＊B61. アメリカ、電磁波過敏症（Wi－Fi）の息子に関する裁判　2019年