学術学会の研究等の紹介コーナー

　
生体電磁気学会BEMSの会員ニュースや論文誌の概要を紹介　

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BEMS会員ニュースからの抜粋

１．ＢＥＭＳ　Ｎｅｗｓｌｅｔｔｅｒ　Ｊｕｌｙ／Ａｕｇ 1996の概要

１Ａ．ＢＥＭＳ　Ｎｅｗｓｌｅｔｔｅｒ　Sept/Oct　1997年の概要

２．ＢＥＭＳ　Ｎｅｗｓｌｅｔｔｅｒ　Jan／April　合併号1998年の概要
２Ａ．BEMS　Ｎｅｗｓｌｅｔｔｅｒ　July／Aug　1998の概要
２Ｂ．BEMS Newsletter Sept/Oct　1998の概要
２Ｃ．BEMS Newsletter　Jan／Feb　1999の概要

３．ＢＥＭＳ　Ｎｅｗｓｌｅｔｔｅｒ　March/April 2000の概要
３Ａ．BEMS Newsletter May／June　2000の概要
３Ｂ．ＢＥＭＳ　Ｎｅｗｓｌｅｔｔｅｒ　July/Aug 2000の概要
３Ｃ．ＢＥＭＳ　Ｎｅｗｓｌｅｔｔｅｒ　Ｓｅｐｔ／Ｏｃｔ　2000の概要　
４．ＢＥＭＳ　Ｎｅｗｓｌｅｔｔｅｒ　Nov/Dec　2000の概要

５．ＢＥＭＳ　Ｎｅｗｓｌｅｔｔｅｒ　Jan/Feb 2001の概要
６．ＢＥＭＳ　Ｎｅｗｓｌｅｔｔｅｒ　March/April2001の概要
７．ＢＥＭＳ　Ｎｅｗｓｌｅｔｔｅｒ　May/June 2001の概要
８．ＢＥＭＳ　Ｎｅｗｓｌｅｔｔｅｒ　July/Aug 2001の概要
９．ＢＥＭＳ　Ｎｅｗｓｌｅｔｔｅｒ　Sept/Oct 2001の概要
１０．ＢＥＭＳ　Ｎｅｗｓｌｅｔｔｅｒ　Noｖ/Dec 2001の概要

１１．ＢＥＭＳ　Ｎｅｗｓｌｅｔｔｅｒ　Jan/Feb 2002の概要
１２．ＢＥＭＳ　Ｎｅｗｓｌｅｔｔｅｒ　March/April 2002の概要
１３．ＢＥＭＳ　Ｎｅｗｓｌｅｔｔｅｒ　May／Jun　2002の概要
１４．ＢＥＭＳ　Ｎｅｗｓｌｅｔｔｅｒ　Ｊｕｌｙ／Ａｕｇ　2002の概要
１５．ＢＥＭＳ　Ｎｅｗｓｌｅｔｔｅｒ　Ｓｅｐｔ／Ｏｃｔ　2002の概要

１６．ＢＥＭＳ　Ｎｅｗｓｌｅｔｔｅｒ　Ｍａｒｃｈ／Ａｐｒｉｌ　2003の概要　．
１７．ＢＥＭＳ　Ｎｅｗｓｌｅｔｔｅｒ　Ｍａｙ／Ｊｕｎｅ　2003の概要　

１８．ＢＥＭＳ　Ｎｅｗｓｌｅｔｔｅｒ　Sept／Oct　2003の概要


１９．　ＢＥＭＳ会員ニュース　2006年Ｊａｎ／Ｆｅｂ号から

１９Ａ．ＢＥＭＳ　Ｎｅｗｓｌｅｔｔｅｒ　Ｍａｒｃｈ／Ａｐｒｉｌ 2006の概要　

1９Ｂ．ＢＥＭＳ　Ｎｅｗｓｌｅｔｔｅｒ　Ｊｕｌｙ／Ａｕｇ　2006の概要　
２０．ＢＥＭＳ会員ニュース　2006年Sept／Oct号から
２１．ＢＥＭＳ会員ニュース　2006年Ｎｏｖ／Ｄｅｃ号から

２２．ＢＥＭＳ　Ｎｅｗｓｌｅｔｔｅｒ　April／May　2007の概要
２２Ａ．ＢＥＭＳ　Ｎｅｗｓｌｅｔｔｅｒ　May／Ｊｕｎｅ　2007の概要
２３．ＢＥＭＳ　Ｎｅｗｓｌｅｔｔｅｒ　Sept／Oct　2007の概要
２４．ＢＥＭＳ　Ｎｅｗｓｌｅｔｔｅｒ　Nov／Dec　2007の概要

BEMS論文誌の概要

１．Bio ElectroMagnetics No.1 1994 論文誌の概要．
1A．Bio ElectroMagnetics No.2 1994 論文誌の概要．
１B．Bio ElectroMagnetics No.3 1994 論文誌の概要．
１C．BioElectroMagnetics No.4 1994 論文誌の概要．
２．Bio Electro Magnetics No.3 1996 論文誌の概要．
２Ａ．Bio Electromagnetics No8, 1997に掲載された論文の概要
２Ｂ．Bio ElectroMagneticsNo.3 Ａｐｒｉｌ　1999年　論文誌の概要

３．Bio Electromagnetiｃｓ No.8 DEC.1999年 論文誌の概要
３Ｂ．Bio Electro Magnetics No.3 April 2000 論文誌の概要
４．Bio Electro Magnetics No.8 DEC．2000 論文誌

４Ａ．Bio Electromagnetics誌No.1 Jan 2008論文誌に掲載された9件の論文の概要とその傾向

５．Bio Electromagnetics誌No.8 ＤＥＣ 2010論文誌に掲載された論文

６．BEMS Vol. 37 No. 6　2016年9月　論文誌に掲載された論文


ＢＥＭＳ総会予稿集から　

1．BEMS1999年総会予稿集から
1Ａ．BEMS2000年総会予稿集から
2．BEMS2001年総会の予稿集から　
3. BEMS 2002年　年次総会の予稿集から
４. BEMS 2012年総会の予稿集から

１．ＢＥＭＳ　Ｎｅｗｓｌｅｔｔｅｒ　Ｊｕｌｙ／Ａｕｇ １９９６の概要

米国生体電磁気学会（BEMS)のニュースレター９６年７・８月号から２点ほど紹介。

１。電磁波の生体影響等の国際会議、　
　１０月３０日からオランダのアムステルダムで開催。主催はＩＥＥＥ。　
　低周波電磁界のセッションも独立して、設けられています。　

２。ＩＥＥＥにおける電磁波と生体影響の論文査読結果　

各種論文のデータベースを作る目的で過去の論文を査読しているそうです。
一偏の論文を２名の専門家が読んで、データベースに残すべき信頼できる良い研究報告書か、疑問の残る為にデータベースには採用できない研究報告書かの判別を行なっている。

２名の判定が大きく異なる論文は３人目の専門家が査読して　判定するというルールで行なっている。　

第１回の査読で　IN VITRO（細胞レベル、試験官内でのテスト等）の研究：　
論文４３件中３３件がｏｋ、（ｏｋ率　７７％）　　

IN VIVO (生体全体でのテスト等）の研究：
報告書３７件中２７件はｏｋ　（ｏｋ率７３％）　

疫学の研究：　
報告書１４件中４件がｏｋ　（ｏｋ率２９％）　
という結果だったそうです。　

このように研究論文は書かれて公表すればそれで全てが信頼できる正しい研究であると認めてもらえるとは言えないようです。　

私は疫学研究のデータベースに採用される割合が低いのが気になります。　
疫学調査というものはそれだけ誤差が大きかったり、色々に複雑な条件の整理が大変で、傍からみると研究が不十分とけちを付けられ易い手法だったりするのかもしれません。　
疫学をやっている方には申し訳ないことですが。

色々な研究結果を読む時に、１００％正しいと信じきっては駄目で、多少なりとも疑ってみる必要が有ります。

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１Ａ．ＢＥＭＳ　Ｎｅｗｓｌｅｔｔｅｒ　Sept/Oct　１９９７年の概要　

＊磁界は医療の診察や治療に利用されている。その国際会議がカナダで開催された。

＊Nancy　Wertheimer（1979年に小児がんと磁界の関連を示唆した論文を書いた研究者）からのコメント

磁界と小児がんなどの疫学調査で、よく2mGカットポイントにして解析が行われているが、このカットポイントは2mGではなく、3mGで行うべきである。

Wertheimerの論文では、ワイヤ・コードで解析を行っているが、3mG以上云々とカットポイントとして3mGを提唱している。

この3mGというカットポイントで他の疫学結果をメタ解析で行えば、磁界が小児がんを誘発しているという結果が得られる。

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２．ＢＥＭＳ　Ｎｅｗｓｌｅｔｔｅｒ　Ｊａｎ／Ａｐｒｉｌ　合併号１９９８年の概要

１）BEMSの会長M. Blankからの報告

1997年にLINETによってN. E. J of Medicineに発表された送電線からの磁界と小児癌の関係の報告書に関連して、従来はこうした疫学調査ではカットオフ点を２ミリガウスに設定して来たが、色々な過去の研究からみれば、このカットオフ点は３ミリガウスにしたほうが良い。

この考え方に立てば、磁界は小児癌と関係ないと研究者が結論をだした研究でも「磁界は小児がんに関連する」という結論に置き換えられる。

　

Ｌｉｎｅｔの研究：高圧送電線からの磁界を受けている子供を対象とした研究。

２ミリガウス以上の曝露群とそれ以下の曝露群に分けて検討した結果では、２ミリガウス以上の磁界曝露では癌を増加させないことがわかった、ということから、磁界は健康影響を引き起こしていない、という結論をだした。

しかし、３ミリガウス以上曝露群と以下の曝露群に分けて計算すると、３ミリガウス以上の磁界曝露は、小児癌を増加させる恐れがあると読める研究である。

（BEMSJコメント：カットオフ点の選択で、疫学調査の結論が左右されることになるが、もっと大切なことは、研究対象と考えた磁界が、ドミナントな曝露源になっているかの検証をおこなうことである。

赤ん坊だけを対象とすれば家の近傍にある送電線からの磁界だけを受けていると推定出来るが、大きくなれば家での生活時間外の時間でどういう磁界に曝露しているか個々人によって大きく異なってくるので、単純に自宅での送電線からの磁界だけではすまなくなる。）

２）BEMSの会員は、国会関係者に向かって、「Rapid計画が1998年で終了しないで、電磁波の生体影響の研究を継続すべき」という手紙を書きましょう。

（BEMSJコメント：BEMSの会員も研究資金が枯れては困るのであろう。）

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２Ａ．ＢＥＭＳ　Ｎｅｗｓｌｅｔｔｅｒ　JULY／AUG　1998の概要

１）オーストラリア政府が電磁界の健康影響に関する研究に注力
今後4年半の間で、４・５百万ドルを準備。　
携帯電話のハンドセットと中継塔からの電磁波に関する健康影響に関心が 高まっていることからスタートした。 研究と同時に一般市民に情報を提供する。

２）ＲＡＰＩＤ報告書　
ＢＥＭＳの会員は、ＲＡＰＩＤ計画の報告書を、単にニュースリリースを読むだけではなく、報告書の原文を読むべきである。　

３）ＢＥＭＳの活動　
ＢＥＭＳとしては、電磁界の健康影響を研究する（いわゆる電磁波の悪い面）だけではなく、非電離放射線の医療への応用も研究すべし（いわゆる電磁波の良い面）。

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２Ｂ．BEMS Newsletter Sept/Oct　1998の概要

１）NATOのRF電磁波曝露に関するワークショップ開催

1998年10月12−16日　スロベニアで開催。

　　

２）ECでの研究

1997ー2000年にかけて、鉄道関係者の疾病の研究を行う。

鉄道に絡む電磁波の影響は、あまり注目を浴びてはいないが、神経系や心臓病との関係を調査する。

スイスの鉄道従業員を対象としたコホート研究（18000人、1972−1993年）で、機関手に心臓の冠状動脈の疾患が多いと言う研究がある。
これらの疾病と磁界の影響を調査する。

ロシアの鉄道（直流電化）と、スイスの鉄道（16Hzの交流電化）で磁界曝露を調査開始している。

これらから得られた曝露条件を基に、動物実験や人に曝露した時の影響を研究していく。

（BEMSJコメント：直流磁界も研究の対象に取り上げている、これは直流でも時間変動があるからと推定）

３）送電線と女性の乳癌の関係　by Roger Santini（イタリー）

（１）最近のFeychtingの報告（Epidemiology, 1998年）によれば、送電線の磁界（１ミリガウス以上）を受けている女性で、Estrogen receptor-Positiveな女性に、乳癌の相対危険率を見つけた、という研究がある。

（２）1994年のRieterの報告で、送電線からの磁界はメラトニンを低下する、という研究がある。　

（３）1982年のDanforthの報告によれば、Estrogen receptor-Positiveな乳癌の女性は、夜間のメラトニンの量が対象に比べて低い、という研究がある。

　こうしたことから、 Estrogen receptor-Positiveな女性の乳癌のメカニズムに、送電線の磁界が影響していると考えられる。

（１）に紹介した1998年の研究の原著を読んでみたい。健康なEstrogen receptor-Positiveな女性とそうでない女性の２群をあらかじめ設定して、2群ともに送電線の近くで5年ないし10年住み続けた。
その結果として、2群の間の発病した乳癌に差違があったというのであれば、研究はうなずける。
乳癌になってしまった人と健康な人の間で、 Estrogen receptor-Positiveな女性の割合が多かったという疫学調査であれば、疫学調査の精度や限界を考慮しなければならない。）

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２Ｃ．BEMS Newsletter　Jan／Feb　1999の概要

この号では、Rapidレポートに関して、98年7月のDraftに続いて、98年12月にDraft-2が出た、という情報等が掲載されている。

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３．ＢＥＭＳ　Ｎｅｗｓｌｅｔｔｅｒ　March/April 2000の概要

Bio　Electromagnetics Society(BEMS)の会員向ＮｅｗｓｌｅｔｔｅｒでMarch／April　2000の概要を参考までに紹介します。

１）　会員ニュースの新編集者の挨拶から　
BEMSはその活動開始の２０年以上前は、マイクロ波等の高周波の熱作用といった生体影響から研究学会活動が始まった。その後低周波電磁界の研究を行い、今は再びかつての高周波に関する研究（携帯電話等）に戻りつつある。

（RAPID報告が発行されたので、学者の興味は携帯電話の電磁波の研究に興味の方向が変更されたというか、研究資金を得られるテーマの方向が変わったということになる。）　

２）　欧州の動向　
ICNIRPのガイドリアンにEU等は追従しようとしているが、欧州の一部の国はICNIRPによらず、更に厳しい暴露基準を提案している。　EBEA（欧州の生体電磁気学会）として宣言を出そうとしてみる。　
以下のWEBに宣言案を提示してあるので、賛成する方は電子サインで参加して欲しい。
　　http://www.ebea.org/EBEA/menu.html　
また　ECの電磁波関連は以下のWEBに在る。　
http://europa.eu.int/comm/off/com_health_consumer/precaution.htm

3） ＥＣの電磁波の生体影響の研究　
５件のテーマで研究される。　この５件とも全て携帯電話関連の高周波電磁波の研究であり、低周波の研究テーマはない。　

４）　オーストリアのザルツブルグで携帯電話の電磁波の健康影響に関する国際会議が６月に開催される。　

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３Ａ．BEMS Newsletter May／June　2000の概要

　BEMSの会員ニュースで、興味のあるポイントを紹介します。

１．RAPID計画の報告書

＊NIEHSは電磁界の健康があったとしても小さいと信じている。

＊過去の疫学調査で健康影響が示唆されたが、実験室での研究（細胞実験、動物実験など）では疫学調査の結果を支持する結果は得られていない。

＊しかし、疫学研究の結果を完全に無視することもできない。

＊高圧送電線からの磁界などを小さくする努力が必要である。

＊RAPIDの作業部会報告（電磁界は2Bの発ガン性ありと提唱）が完成後にアメリカ各地で公聴会を開催し、色々な意見を聞いた。

これらの公聴会の結果は、

電磁界の発ガン性として、Known（既知）でも、Proven（証拠だてられた・確定した）でも、Probably（高い確度で可能性がある）であることも、否定された。

そして、電磁界の発ガンとの因果関係・関与は排除され、「電磁界の発癌性はPossible（低い確度で可能性がある）である」となった。

注：公聴会が開催されたことは知っていたが、どういう論議が行なわれたのか定かではなかったが、この会員ニュースでは、それが少し明らかになっている。

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３Ｂ．ＢＥＭＳ　Ｎｅｗｓｌｅｔｔｅｒ　July/Aug 2000の概要

生体電磁気学会ＢＥＭＳの会員向けＮｅｗｓｌｅｔｔｅｒ　Ｊｕｌｙ／Ａｕｇ　2000の概要を紹介します。

１）電磁界防護規格の動向　
非電離放射線防護委員会ＩＣＮＩＲＰの電磁界曝露ガイドラインに対して、更に厳しく無線塔等からの電磁界放射を規制する動きがある。　
例；　スイスとイタリアである。
一方、ＩＣＮＩＲＰのガイドラインをそのまま受け入れる国、例えば　ニュージーランドがある。

２）低周波磁界と小児ガンのプール解析　
カロリンスカのＭ．Ｆｅｙｃｈｔｉｎｇ等は、最新の9件の疫学調査をまとめて解析を行った。　
結果は、０．４マイクロテスラ（４ミリガウス）以下の磁界に曝露しても、小児ガンの危険性は増加しないことが判った。　

この０．４マイクロテスラを超える磁界曝露を受け割合は全体の０．８％に過ぎない。　従って、送電線があっても９９．２％の子供には危険性はない。　

（逆にいえば、０．８％の子供は０．４マイクロテスラを超えているので、危険であるということは、この会報では述べられていない。この研究はBritish Journal of Cancerに発表しているので、この原著を読む必要がある。）　

３）英国の動き　
英国では50Ｈｚ等の低周波電磁界のレビューを行った。　
結果は、これらの電磁界は、検出できるかできないかの瀬戸際にある程度の小さい健康影響がある可能性がある。　

現時点ではどういうメカニズムでそうした健康影響があるのか判っていない。　
携帯電話等の高周波の電磁界の健康影響に関する研究とともに、研究を続ける必要がある。　

４）国際的に電磁界曝露基準を統一する動きがある。　
ＷＨＯを中心に動きが始まっている。　

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３Ｃ．ＢＥＭＳ　Ｎｅｗｓｌｅｔｔｅｒ　Ｓｅｐｔ／Ｏｃｔ　2000の概要

BEMSの会員ニュースで、興味のあるポイントを紹介します。
１．アメリカの電磁界の生体影響に関する研究者Ｄｒ．Ｐｏｌｋが死亡した。　
２．国際ガン研究機関（ＩＡＲＣ）の動向
　ＩＡＲＣは2001年6月にＤＣからＥＬＦの電磁界に関する発ガン性の評価を行う。
　この評価の結果は多分　2002年1月にＩＡＲＣから刊行物として発行する。

　（アメリカのＲＡＰＩＤの報告から、今度は国際的な機関が評価を行うことになりました。どうなるか楽しみです。）
　以上　

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４．ＢＥＭＳ　Ｎｅｗｓｌｅｔｔｅｒ　Nov/Dec　２０００の概要

興味のあるポイントを紹介します。

１）ＩＥＥＥとＩＣＮＩＲＰの連携
今後　この2団体は共同ワークショップを開催するなどで、電磁界の曝露に関して連携を深めていくことに合意した。
ＩＥＥＥはアメリカの規格制定団体です。ＩＣＮＩＲＰは非電離放射線防護委員会でＷＨＯ等と協調関係にあって、電磁界（電磁波）の曝露基準などを提案しています。
この２団体が協調すれば、国際的な電磁波曝露規定の決定に大きな影響力をもつようになるでしょう。

２）ＥＵの動き　
科学とリスクに関するコンファレンスを開催した。その概要はＷＥＢで公開　
http://www.jrc.es/sci-gov/sumcon.html

科学とリスクに関しては3つの課題がある、１）食料の安全性　２）遺伝子　３）携帯電話からの電磁波　である。

４）ＷＨＯの国際ＥＭＦプロジェクトは各国の電磁界規制状況を調査　
＊ドイツ　電磁界曝露規定を2001年6月までに改正する。　
50Hzの磁界に関しては学校などの地域に対しては「予防措置」を選択。どこまで厳しくするかは不明です。
＊フィンランドではICNIRPのガイドラインを基本とする。
＊スウェーデンではICNIRPとEUの規定を受け入れるかも知れない。　
＊ロシア　国際的な規定への調和のテンポが遅い。　

５）スウェーデンで電磁波過敏症に関する調査結果を纏めた。　
＊スウェーデン語で書かれている。6ページの英文要約もある。　
＊電磁波過敏症は電磁界が関連しているという考えを支持する科学的な研究はなかった。　

＊ＩＣＮＩＲＰやＥＵが規定している電磁界曝露規定をより厳しく改正する必要であるという科学的なサポートは不足（Ｌａｃｋ）している。
＊研究者は携帯電話が健康に影響を与えるという確証を見出せなかった。　

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５．ＢＥＭＳ　Ｎｅｗｓｌｅｔｔｅｒ　Ｊａｎ／Ｆｅｂ ２００１の概要

　　　　　　　　　　　　　作成：　２００１―８−８　
特記事項なし

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６．ＢＥＭＳ　Ｎｅｗｓｌｅｔｔｅｒ　Ｍａｒｃｈ／Ａｐｒｉｌ　２００１の概要

　　　　　　　　　　　　　作成：　２００１―６−２５　
BEMSの会員ニュースでから興味のあるポイントを紹介します。

１．ロシアのセントペテルスブルグで2000年10月に開催された国際電磁波ワークショップ講演集Ｐｒｏｃｅｅｄｉｎｇが完成した。　スウェーデンのＮＩＷＬのＷＥＢで公開してある。　ＵＲＬはhttp://www.niwl.se/arb/2001.htm

２．EUでは携帯電話の電磁波の健康影響研究を推進。

３．イギリスのNRPBは　3月6日「低周波電磁界の発癌」に関する専門家グループの報告書を公表した。
　「実験室での研究は、疫学研究で得られる低周波電磁界が発癌性を持っているということを明確に指示してはいない。しかし、疫学調査で小児癌の増加の小さいリスクになっている。

　大人の癌に関する疫学調査、動物実験や細胞実験等によって明確な確証が得られていないので、疫学研究結果で結論を出すには不十分である。今後の研究によって、今までの成果が偶然や何かの要因で起こったことであると判っても、長期の暴露が小児癌のリスク増大の可能性は残る。」

報告書の「結論と今後の課題」の部分はNRPBのWEBで公開。　URLは　http://www.nrpb.org.uk/

４．バチカンラジオ放送の電磁界問題の概要
　概要が紹介されています。　以下はその概要の概要です。

＊ローマの北３０ｋｍの所にバチカンラジオ放送の放送タワーがある。
　29のアンテナで、FM放送2波、短波放送27波で、全世界に向けて放送を行っている。
　送信電力は　FMが最大５００ＫＷ、短波が最大６００ｋＷ。　
　送信局の外縁で、送信電力最大の時の電界強度は１５−２０Ｖ／ｍという測定結果。

＊バチカン放送は、ＩＣＮＩＲＰのガイドラインを受け入れる事にしていた。
＊しかし、イタリアが1998年ＩＣＮＩＲＰより低い電界の最大値６Ｖ／ｍを規定した。
＊そして、バチカン放送とイタリア政府との間で問題となった。
＊その後、メディアがこの問題に火をつけた。

＊疫学調査の結果
過去に向う後ろ向きの疫学研究で、過去14年間の間、送信塔の周囲１０ＫＭに住む子供には小児白血病のリスク増大はなかった。

しかし、距離との相関が見られた。
０−２ｋｍの範囲ではリスクは約６、　２−４ｋｍでは約２、　４−６ｋｍでは約１．５であった。
リスクが6となった０−２ｋｍでは症例数は僅か１（期待値は0.16）,
リスクが2となった２−４ｋｍでは症例数は２、　４−６Ｋｍでは症例数が５であった。
６−１０ｋｍの地点では症例はゼロであった　（期待値は４）。
送信塔からの距離と電界強度とは相関がとれなかった。
（コメント：症例数が小さい）

小児白血病は時として地域的にまた時間的に、集中して発生する。
４−６ｋｍで発生した５件の症例のうち４件はある小さな村に集中していた。

市民や地方政府の要求で電界強度を測定した、最大は１７Ｖ/ｍでＩＣＮＩＲＰの推奨値を超えていなかった。
４件集中発生した村での２４時間測定結果では、電界強度の最大は２Ｖ/ｍであった。

＊バチカン放送は出力を下げるなどを行うといっているが、６Ｖ/ｍ以下を遵守できるかは定かではない。

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７．ＢＥＭＳ　Ｎｅｗｓｌｅｔｔｅｒ　Ｍａｙ／Ｊｕｎｅ　２００１の概要

　　　　　　　　　　　　　　作成：２００１―８−７　
BEMSの会員ニュースでから興味のあるポイントを紹介します。

１．オランダの電磁波報告
6月に最新の報告書を発行した。
送電線からの磁界や携帯電話の中継塔からの電波は、現在の科学的な知見では問題はない。
英文の報告は、http://www.gr.nl/engels/publications/Reports/frameset.htmに公開してある。

２．国際がん協会IARCの報告
IARCは　低周波電磁界は発癌の可能性ありとの結論。
小児白血病と0.4μテスラ以上の磁界との疫学調査による。
同時に、小児脳腫瘍やその他の癌とは関係するという確証はなし、
大人の癌とも確証なし、

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８．ＢＥＭＳ　Ｎｅｗｓｌｅｔｔｅｒ　Ｊｕｌｙ／Ａｕｇ　２００１の概要

　　　　　　　　　　　　　　作成： ２００１―１０−４　
BEMSの会員ニュースでから興味のあるポイントを紹介します。

１．英国ＮＲＰＢの新報告書

携帯電話の電磁界の健康影響などに引き続いて、「ＴＥＴＲＡ（Terrestrial　Trunked Radio 和訳は？　陸上移動無線の中で業務用のややハイパワーな無線？）からの電磁界と健康影響の関する報告書を纏めた。報告書はＷＥＢで公開されている。

この無線は一般用とは言えず、業務用で、ＩＣＮＩＲＰの電磁界暴露基準は職業人を対象とした規定が適用される。　送信出力は１Ｗや３Ｗで、ＩＣＮＩＲＰの規定には合致している。
しかし、送信出力が１０Ｗで、操作者の頭部がアンテナに近接していれば、暴露基準を超える恐れがある。使用や今後の機器設計に注意が必要。

２．ドイツの携帯電話の健康影響に関する研究
2005年まで巨額を費やして研究を行う。

３．ノルウェー海軍の研究

電子機器や無線機器を多用した軍艦（大電力のアンテナやレーダなども装備）に乗船して勤務している軍人への電磁波の影響に関する調査研究を行う。この研究の為に、海軍は、独立した第3者を招くことにした。
1997年の調査では、乗組員の子供が何らかの異常をもって生まれた割合が85名中14名であった。

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９．ＢＥＭＳ　Ｎｅｗｓｌｅｔｔｅｒ　Ｓｅｐｔ／Ｏｃｔ．２００１の概要

ＢＥＭＳ会員ニュース２００１年Sept/Oct号が届きました。気のついた点を紹介します。

１。スウェーデンの研究者Ulf Bergqvist氏死亡。

この９月になくなったそうです。死因等は判りません、記事にありません。
私が（我々が）調査団でストックホルムに行った時に意見交換を行った研究者です。

２。 意見表明として以下の内容が掲載。
スウェーデンの代表的な新聞に２００１年９月掲載された内容を、許可を得て転載。
Opinion- Experts who talk rubbish たわごとを話す研究者
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
　医学の研究者は真実を、研究成果を刊行する自由を持つ。彼らは意図をもってマスメディアに声明を出したりするが、研究テーマに必ずしも専門家ではない場合がある。　こうしたことはマスメディアも公衆も注意すべきである。

多くの研究者はまじめで、信頼でき、公平である。　しかし、ある研究者は意図的にマスメディアに情報を流している。　ある場合にマスメディアをたきつけて、より多くの研究資金が入手できるようにたくらむ。

マスメディアへの情報提供や声明発表に好ましくないケースがある。
１。あきらかな偽り
２。不完全な、もしくは論文として刊行されていない研究成果に基づいたり、色々な研究の中から特定の成果だけを選択したりした声明
３。研究成果を誇張して説明する。
４。自分の専門領域以外の分野での専門家の振りをした推測

例えば１のケースでは、スウェーデンのある癌の研究者は、癌の研究をでっち上げたとして学会から追放された、

２のケース：　ある研究者はＮＭＴ携帯電話が脳腫瘍を起こすと言う研究をマスメディアに研究成果を流した。この研究はまだ論文として刊行されていない。　従って、この研究が正しいのか誰も検証できない。

３のケース：　携帯電話が脳腫瘍を起こすと言う研究成果を発表した。　この研究は小規模な予備的な研究であり、研究全体をみれば大きなリスクではないことがわかる。
この発見は若しかして、偶然の結果かも知れないのに、研究者は携帯電話を使用していた脳の側に脳腫瘍が発生すると述べている。

疑義のある研究者は度々マスマメディアに登場し、携帯電話の健康影響に関する警告を、たわごとを述べることが多い。 予備的な研究に基づいてマスメディアで論議を行うことは正しくない。これらは、研究の全容が明確になってから論議すべきである。

４のケースでは、ある研究者はスウェーデンの代表的な新聞に、狂牛病は携帯電話の使用が原因だと、発表している。彼はその道の専門家ではない。

あるスウェーデンの科学者は一連の警告を発表した。人工甘味料のAspartameは発癌性をもつ、携帯電話は脳腫瘍の原因、母乳に含まれる毒素が乳児を癌にする、アルコールが癌の主要な原因である、等と。

公衆やマスメディアに情報を流す事に関して、それらが正しいことであるということを確認する手段を開発しなければならない。

今はインターネットの時代で、色々な情報がＷＥＢで入手できる。誰か疑義ある声明を見た時は、ＷＥＢを調べて、研究者が本当にその道の研究者であるかどうかは調べることができる。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
という内容です。　ちょっと難しい英文で、多少意訳した所もあります。

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１０．ＢＥＭＳ　Ｎｅｗｓｌｅｔｔｅｒ　Ｎｏｖ／Ｄｅｃ　２００１の概要

ＢＥＭＳ会員ニュース２００１年Nov/Dec号が届きました。気のついた点を紹介します。

１．英国NRPBの報告
2001年11月8日に、「電力周波数の電磁界はアルツハイマー病との　明白な確証はえられなかった。但し、研究すべき課題は残っていると」という報告を出した。

２．電磁界に関する欧州議会報告に関する反論
ICNIRP、EBEA（欧州の生体電磁気学会）、COST281（欧州の電磁波に関する共同研プロジェクト）は共同で反論を出した。　その反論はWEBで公開。Http;//www.cost281.org

３．カリフォルニアEMFリスク評価
1993年にカリフォルニア州法で始まったプロジェクト。諮問委員会の長は疫学者である。
2002年1月にFinal　Draftのレビューを行う。

現時点でのFinal　DraftはWEBで公開している。　http://www.dnai.com/~EMF/research.html
カリフォルニア州厚生省は2002年2月に一つの固まった最終報告を出す予定で、それは多数意見にもよらず、少数意見にもよらないものとなる。

４．英国で携帯電話からの電磁波の研究　
7百万ポンドの基金で研究、政府と通信機業界が折半。

５．アメリカの特殊レーダ（Pave Paws, フェーズアレイを利用したアンテナを回転させないレーダ、10階ほどの高さに建造物）による住民の健康影響を調査することになった。

６．低周波電磁界のペースメーカへの影響
二つの研究で問題がないとはいえなかった。
ドイツの研究では、50Hzの電界が影響、フランス研究では電力周波数の磁界で研究を行った。

７．パルス性電磁界に健康影響に関する国際ワークショップが2001年12月にドイツで開催された。

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１１．ＢＥＭＳ　Ｎｅｗｓｌｅｔｔｅｒ　Ｊａｎ／Ｆｅｂ２００２の概要
ＢＥＭＳ会員ニュース２００２年Jan/Feb号が届きました。気のついた点を紹介します。

1. 会員の研究の紹介　
F. Pratoらの研究で、「Shielding, but not zeroing of the ambient field reduce stress induced analgesia in mice。」　環境電磁界をゼロではなく、減らすと、ラットのストレスによって誘起される痛覚欠如が減る　という研究がある。 WEBに公開、www.pubs.royalsoc.ac.uk

2. オーストラリア・ニュージーランドの動向
北シドニーにおける無線塔の周辺における疫学研究など、盛んに議論が行われている。

ニュージーランドでの環境裁判の結果、クリストチャーチ市当局は、小学校の隣に建設予定の携帯電話の電波塔の建設に関して、反対されていたが、裁判では勝訴、建設されることになった。 この裁判には多くの専門家の意見が提出され、結果としてはPseudo-Standard（仮の規定、予防的に厳しく規制するという案のこと？）は退けられた。

3. オランダの状況　
オランダのHealth Council(健康省?)は、携帯電話の電磁波の健康影響に関する最新報告を1月に発表した。 現在の科学的な知見から、健康影響はないと、また。子供の携帯電話使用を規制する必要もないと。

4. ドイツの規格制定
低周波・高周波の電磁界曝露に関して、研究と規格設定に関する会議が開催された。 現在有効な規定を変更する必要はないと、なった。 小児癌と低周波磁界の疫学研究は、結論を出すには不十分で、更なる研究が必要。と。

５．予防原則
＊アメリカ政府は「予防原則」を支持する。 しかし、「世界で統一的な予防原則」には賛成しない。
＊ゼロリスクはありえない.
＊予防原則をやりすぎると、技術の進展が不可能になる。1850年を思い出せば、リスクが皆無であることが判るまで何もしな いというのであれば、今の技術の進歩（電気、内燃機関、医薬品など）はなかったであろう。

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１２．ＢＥＭＳ　Ｎｅｗｓｌｅｔｔｅｒ　Ｍａｒｃｈ／Ａｐｒｉｌ　２００２の概要

作成： ２００２ー６−１　
BEMS会員ニュース2002年March/April号が届きました。　気のついた点を紹介します。

１．IARCの低周波電磁界モノグラフ　第80巻が発行された。
低周波磁界の発がん性2B判定に関するモノグラフが発行された。　合計４２９ページ。
アメリカでは50ドルで購入可能。　

２．最近の電磁波と妊娠異常の疫学研究に対する英国Dollのコメント
Epidemiology　（疫学）　1月号に発表されたLeeらの研究に関して、英国NRPBはコメントを発表した。
この疫学調査は、3,400名を対象とした研究。TWA（時間で重み付けを行った曝露平均値）では、妊娠への影響はみられなかったが、最大磁界曝露を指標とすれば、16ミリガウスより大きい瞬間的な最大曝露を受けた人では、すべての流産に関しては、リスクは1.8倍（ CI 1.2-2.7）で有意な影響が見られた　という報告である。　

注：　私はまだこの原著を読んでいない。

この研究では、参加率が低い。 症例では呼びかけに対して51%が研究に応諾し、対照では55%が応諾しているに過ぎず、セレクションバイアスが排除されていない。　症例では、応諾した人の16.1%は高ワイヤコードに住み、協力しなかった人の7.3%は高ワイヤコードに住んでいた。　対照では、13.2%と11.7%と大差はなかった。　

この研究は、コホート研究で、TWAと妊娠を研究すべく、磁界の曝露調査などを行った。
TWAでの磁界曝露では、3ミリガウス以上曝露していた場合のリスクは1.2 (CI 0.7 – 2.2 )であり、有意な影響は見られなかった。

しかし、この疫学調査研究者は、これでは面白くないとして、当初の計画にはない他の曝露条件との関連性を探り、最大曝露値との関連を見出した。　この手法はコホート研究としては正しい手法とはいえない。

3番目の欠点は、異常妊娠した症例の半分以上が、異常妊娠を起こしてから磁界曝露量を測定しているので、正しいコホート研究ではない、セレクションバイアスが排除されない。

３．IEEEの動向
IEEEは0 – 3 kHzの電磁界曝露に関する規定（Draft Standard PC95.6）を作成中。 今年の最終四半期には発効される。

注：これまでのIEEEの電磁界曝露規定は３ｋＨｚより高い周波数に限定。

４． IEEEとICESの動き　人体曝露に関する委員会の動向
＊非熱効果はまだ確立されたとはいえない、規格制定の論拠としては不十分で、熱効果が規定の論拠となる。
＊高周波領域に関する曝露規定は国際的に調和を計るべき。
＊職業的な曝露と一般公衆の曝露の違い、平均とピークに対する規定の違いに関しては、これらは2段階に別けるべきかに関して、再検討を行う。

５．英国の携帯電話中継塔からの電波実態調査結果
英国では中継塔が近くにある100の学校で、電波強度の実測を行った。結果はWEBでも公開されている。
この調査を受けて、LondonのFinancial Times は「携帯電話中継塔からの電磁波に関する不安は和らいだ(Allayed)」と報じている。

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１３．ＢＥＭＳ　Ｎｅｗｓｌｅｔｔｅｒ　May／Jun　２００２の概要

　BEMSの会員ニュースMay/June　2002号が届きました。

内容は　
BEMSの新会長に東大の上野照剛さんが選出されました。　

その他は特記事項がありません。　

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１４．ＢＥＭＳ　Ｎｅｗｓｌｅｔｔｅｒ　Ｊｕｌｙ／Ａｕｇ　２００２の概要　

ＢＥＭＳ会員ニュース２００２年July/Aug号が届きました。　
　　作成：　２００２−１２−２２　　
特記事項は以下の点です。

＊IEEEが3kHz以下の周波数に関する暴露基準を制定。
今までのIEEEの電磁界暴露基準は3kHz以上の周波数が対象で、低周波の規定はありませんでした。2002年9月に新規定が承認された。　規定はC95.6でこれから印刷に入る。　

BEMS会員ニュースにはその一部が掲載されている。　低周波の電界の規定の紹介はない。
低周波の磁界の規定の紹介があり、それを見ると、ICNIRPと比較して、一般公衆の磁界暴露限度値は、0.5Hzから2Hzの範囲ではわずかにICNIRPより厳しいが、その他の周波数帯域ではICNIRPより甘い。　50Hzでは0.1mT（ICNIRP）に対して、図から読み取ると0.9mT（IEEE）となっている。　この磁界暴露の図を以下に示す。

　　　　　　　

　　　　　　　　　引用：ＢＥＭＳ会員ニュースから　
　　　　　　　　　　　　　　　　ＩＣＮＩＲＰ　public; 一般公衆　
ICNIEP workers;　職業的な暴露　
IEEE public:　一般公衆　
IEEE Contr.env:　職業的な暴露　

ここからは筆者のコメント：　
0.4μテスラ以上で小児癌の増発ということからＩＡＲＣでは発がん性２Ｂという判定を下している。　そうした状況にありながら、新しく作成されたアメリカの基準では、ＩＣＮＩＲＰの値より甘い磁界暴露限度値に規格が制定されている。　
これは何を意味するか？？
０．４μテスラ云々という疫学調査結果は、まだこうした暴露基準の策定に反映するような「科学的な知見」にはなっていないと、見られている、ということもいえる。

＊スウェーデンのSSIで携帯電話の電磁波の健康影響に関する報告をまとめた。
　結果は、携帯電話の電磁波が発ガンの因子になるという確定した証拠はない。　
　報告書はSSIのWEBで公開されている。

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１５．ＢＥＭＳ　Ｎｅｗｓｌｅｔｔｅｒ　Ｓｅｐｔ／Ｏｃｔ　２００２の概要　

２００２−１２−２１　
ＢＥＭＳ会員ニュース２００２年Sept/Oct号が届きました。
ＢＥＭＳの創立２５年記念などの会の記事などがある。　特記事項はない。　

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１６．ＢＥＭＳ　Ｎｅｗｓｌｅｔｔｅｒ　Ｍａｒｃｈ／Ａｐｒｉｌ　２００３の概要　．

作成；２００３−６−２０　

ＢＥＭＳ会員ニュース２００３年March/April号が届きました。

この中で　興味を持ったのは1点　です。

現在13カ国で共同研究が行われている携帯電話の使用と脳腫瘍の疫学研究ですが、この研究で症例としてリストされた件数が予想より少ない。従って、携帯電話の使用による脳腫瘍などのリスク増加を検出するパワーが小さくなる可能性がある、と。　

　なかなか　この国際研究もうまく言っているとはいえない　状況のようです。この研究には日本も参加しています。

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１７．ＢＥＭＳ　Ｎｅｗｓｌｅｔｔｅｒ　Ｍａｙ／Ｊｕｎｅ　２００３の概要　

ＢＥＭＳ会員ニュース２００３年May/June号が届きました。
この中で　興味を持ったのは以下の点です。

１．英国はＩＣＮＩＲＰ基準を採用　
ＵＫは電磁界曝露基準を、従来のＮＲＰＢ規定から、ＩＣＮＩＲＰの基準に調和させた規定にする。ドラフトを5月発行し、コメントを7月28日まで受け付けている。その後に発効となる。
基準値はＩＣＮＩＲＰ基準に調和しているが、職業的な曝露で局所曝露に関しては、ＩＣＮＩＲＰ基準値ではない（甘い規定？）。

注：英国ではこれまではＩＣＮＩＲＰより甘い曝露基準であった。

２．ＣＯＳＴ２１　欧州の電磁波に関する共同研究推進　
　ダブリンで2003年5月にＷｏｒｋｓｈｏｐが開催された。アブストラクトはwww.cost21.orgからダウンロードできる。

３．オーストラリアの新しい無線周波数電磁界曝露規定　
2003年3月に発効となった。無線通信塔からの電磁界曝露などに適用。基準値は「最新の科学による」（詳細の数字などは、ニュースレターには紹介がない）　

４．カリフォルニア州の電磁界報告に対する反論　
ミネソタ州の保健省は4月「there is no scientific consensus at this time on the California report’s conclusion（カリフォルニア州の電磁界曝露に関する結論は、現時点では科学的なコンセンサスを得ていない）」という報告を発表した。
報告書はwww.health.state.mn.us/divs/eh/radiation/emf/caemf.htmでダウンロード可能。

注：カリフォルニア州では「低周波電磁界は危険」という趣旨の報告書を発行しています。

５．英国では携帯電話の基地局からの電波による健康影響に関する疫学調査を行う。

　　　以上　作成：　２００３−７−１１　

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１８．ＢＥＭＳ　Ｎｅｗｓｌｅｔｔｅｒ　Sept／Oct　２００３の概要

ＢＥＭＳ会員ニュース２００３年Sept/Oct号が届きました。　作成： 2003-12-3

この中で　興味を持ったのは以下の点です。
１．IEEEのCOMAR（人体影響を論議する委員会）は2002年10月に　電磁波過敏症に関する声明を出している。　
　　（筆者浦注：機会をみてこの声明を入手してみたい）

２．IEEEの無線携帯機器からの防護評価の規定
IEEE 1538　として、携帯電話やその他の携帯機器からの測定法などの規定が承認された。対象周波数は３300MHzから3GHｚ。

３．ICNIRPの動向
ICNIRPは低周波電磁界の曝露規定に関して見直しを開始した。（詳細は不詳）

４．中国で開催された第三回国際電磁界セミナー
・WHOからはレパチョリ、スウェーデンからSalfordなどが出席。
・中国では、問題がなかったという研究報告は刊行されない傾向にある。WHOプロジェクトでは色々な研究報告をレビューするが、中国の場合は問題があったという報告だけが刊行されるので、中国の研究をWHOのレビューに含めることが困難となっている。
・中国では細胞実験などが行われている。50Hzの磁界を曝露した細胞実験では1mT（10ガウス）を超えると磁界の影響が見られる。
・中国としてはICNIRPの曝露規定の半分（正確にはどの程度かはまだいえない）という規定を考えている。
以上

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１９．ＢＥＭＳ会員ニュース　2006年Ｊａｎ／Ｆｅｂ号から

作成：　2006-4-6　

BIOELECTROMAGNETICS　NEWSLETTER •　NUMBER 188　JANUARY /FEBRUARY 2006
BEMSの会員ニュース188号　2006年1−2月号が届いています。

この中に、特記すべきというか、気のついたニュースを以下に紹介します。

＊EMF NET EVIDENCE EVALUATIONS PUBLISHED
EUのEMF-NETは、最近RF，ELFの研究状況に関する報告書のほかに、中間周波数IFに関する調査報告書も刊行した。
（ＢＥＭＳＪ注：中間周波数に関する研究は少ないので、このEMF-NETがまとめた報告書の内容に関心があります。PDFファイルでこの報告書をダウンロードしました。まだ読んでいません。）

＊SWISS WORKSHOP FOCUSED ON QUALITY IN EMF RESEARCH
2005年11月21-24日、スイスでEMF研究に関する国際ワークショップが開催された。
（ＢＥＭＳＪ注：日本からはNICTの渡辺氏が出席）

このワークショップの詳細は後日、EMF-NETに報告書として報告される予定。
プログラムや一部の講演内容のPPTファイルは、WEBに公開されている。

最終日に論議されたトピックスとして、電磁界によるDNA損傷の研究がある。

REFLEX計画の幹事であるAdlkoferは、ELFに関する実験結果として、50Hz 1mTの磁界に24時間、断続的な曝露（5分ON，10分OFF）をした場合、ヒト線維芽細胞にDNAの1重及び2重螺旋に損傷が起こることを見出した。

続いてイタリアのScarfiは、DNAの螺旋損傷を再検証することができなかったと述べた。彼らは、Rudigerらの実験とできるだけ同一にし、コメットアッセイ法で4回繰り返し実験をしたが、どの要素も増加することはなかった、と。

彼女は、オリジナルの研究成果の追試に失敗した場合、両方の試験機関に交絡因子があるか、まだ判らない、検出されていない実験手法などの差異があるのであろうと、述べた。

バーゼル大学のScharらは、REFLEX計画のRudigerらの研究の追試を行い、ELF電磁界にヒトの細胞を曝露した場合に、DNA螺旋に損傷が起こることを確認した。

Scharは、一般の生活条件で、ヒトの細胞のDNAの1重螺旋の損傷は毎日1万件位定常的に発生している。それらの1重螺旋の損傷は修復機能によって、修復されている。DNAの2重螺旋の損傷は稀であり、重大である。

Rudigerらの実験に用いた同じ装置で、同じ細胞を用いて、ScharらはRudigerらと同じ結果を得た、50Hzの磁界の連続曝露ではDNA損傷は発生せず、15時間の断続曝露で、DNAの螺旋の損傷率の増加を見出した。

（ＢＥＭＳＪ注：50Hzの連続曝露では影響がなく、断続曝露で影響が出たということから、これらの曝露装置の断続は、ゼロクロスになっている？もしゼロクロスになっていないとすれば、断続の都度、かなり大きいdB/dtによる誘導電流の発生による影響が懸念される。）

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１９Ａ．ＢＥＭＳ　Ｎｅｗｓｌｅｔｔｅｒ　Ｍａｒｃｈ／Ａｐｒｉｌ　２００６の概要　

ＢＥＭＳ会員ニュース２００６年　Ｍａｒｃｈ/Ａｐｒｉｌ号が届きました。
特記事項はない。

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１９Ｂ．ＢＥＭＳ　Ｎｅｗｓｌｅｔｔｅｒ　Ｊｕｌｙ／Ａｕｇ　２００６の概要　

ＢＥＭＳ会員ニュース２００６年July/Aug号が届きました。
特記事項はない。

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20．ＢＥＭＳ会員ニュース　2006年Sept／Oct号から

作成：　20068-1-11　

ＢＥＭＳ会員ニュース２００6年Sept/Oct号をようやく読み終わった。
特記して紹介する事項はない。

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2１．ＢＥＭＳ会員ニュース　2006年Ｎｏｖ／Ｄｅｃ号から

　作成：２００８−１−１１

＊ＥＭＦ−ＮＥＴ（ＥＵの電磁波関係情報公開サイト）、ＦＧＦ（ドイツの無線関係研究協会）が高周波電磁界と電磁界の子供への影響に関するワークショップを開催。2006年11月末に開催予定。
以下のサイトに情報が公開されている。http://www.fgf.de/

ＢＥＭＳＪ注：実際のこのワークショップにScope, Program, Abstracts and Presentations は以下のサイトにある: http://www.cost281.org　　
多数の発表があり、読みきれない。

＊韓国の電磁界の研究状況
この中で、２０ＫＨｚの磁界曝露の研究を行っていることが紹介されている。

韓国のＭＯＣＩＥ商業・工業・電力省は2004年に規定を改定し、次に定めた。　
　６０Ｈｚ　電界　３．５ｋＶ／ｍ（住居環境）　７．０ｋＶ／ｍ（非住居環境）
　６０Ｈｚ　磁界　８３３ｍＧ（一般公衆）

＊ＥＭＦ−ＮＥＴは2004年10月プラハで開催された電磁波過敏症に関する国際ワークショップの講演集を纏めた、18ページの文書として。
　参照ＵＲＬ：http://www.jrc.cec.eu.int/emf-net/

この文書の中で、以下のサマリーが記載されている「電磁波過敏症は病態である、今後は「電磁波に関連する本態性環境非寛容症（IEI）」と命名すべきである。
なぜならば、この種の症状は電磁波との確定した因果関係がないからである。」と。

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２２．ＢＥＭＳ　Ｎｅｗｓｌｅｔｔｅｒ　April／May　２００７の概要　

２００７−５−２６　
ＢＥＭＳ会員ニュース２００７年April/May号が届きました。
特記事項はない。
しかし、EBEA2007年に発表されたREFLEXプロジェクトの一環として行われた100μT５０Hzの磁界の影響に関する研究の紹介が掲載されている。

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２２Ａ．ＢＥＭＳ　Ｎｅｗｓｌｅｔｔｅｒ　May／Ｊｕｎｅ　２００７の概要　

ＢＥＭＳ会員ニュース２００７年May／Ｊｕｎｅ号が届きました。
金沢でＢＥＭＳの総会が開催された。その中での発表論文の紹介等

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２３．ＢＥＭＳ　Ｎｅｗｓｌｅｔｔｅｒ　Sept／Oct　２００７の概要　

２００７−１２−２５　
ＢＥＭＳ会員ニュース２００７年Sept/Oct号が届きました。
特記事項はない。
2007年に金沢で開催されたBEMSの年次総会の紹介記事が掲載されている。

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２４．ＢＥＭＳ　Ｎｅｗｓｌｅｔｔｅｒ　Ｎｏｖ／Ｄｅｃ　２００７の概要　

ＢＥＭＳ会員ニュース２００７年Ｎｏｖ/Ｄｅｃ号が届きました。
特記事項はない。

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１．Ｂｉｏ　ＥｌｅｃｔｒｏＭａｇｎｅｔｉｃｓ　Ｎｏ．1　１９９４ 論文誌の概要．

94年1号

1) J. D. Sahl et al: Exposure to 60Hz Magnetic Fields in the Electric Utility Work Environment.

　米国の電力作業従事者の暴露量を測定。最大の暴露を受ける職種での99%パーセンタイルの最大磁界強度は29μTである。

　(BEMSJ注：0.3ガウスの交流磁界、思ったより少ないのではないだろうか?)

2) W. T. Kaune et al: Development of a Protocol for Assessing Tine-Weighted-Average Exposure of Young Children to Power Frequency Magnetic Fields.

　W/Leeperの暴露コードと実際の磁界暴轟とは相関が採れていないことが判明した。

3) D. L. Nadar et al: A Model for Characterizing Residential Ground Current and Magnetic Field Fluctuation.

　カナダの電力会社の研究。実際の家庭での発生交流磁界強度は、シミュレーションによれは、交流配電線路や家庭電器機器から大地に漏洩している大地電流値の値およびその大きな変動によるものと推定できる。

4) M. Reito et al: Sleep Inducing Effect of Low Energy Emission Therapy.

　27MHz電磁波の医療応用の研究。

5) E. M. Goodman et al: Magnetic Fields after Translation in Escherichea Coli.

　骨折治療に使用すると同じ波形のパルス磁界(15ガウスのピーク値)を大腸菌（細胞）に印加したら.蛋白質に影響が出た。

6) F. L. Tabran et al: Enhanced Mutagenic Effect of a 60Hz Time-Varying Magnetic Field on Numbers of Azide-Induced TA100 Reverting colonies.

　2ガウスの60Hz磁界を細胞に印加。Azide(活性剤)を入れた場合に磁界によるコ・プロモター効果が検出された。Azideを入れないと磁界による効果が出てこない。

(BEMSJ注：これは重要な知見ではないか?より低レベルの磁界ではどうか?) )

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1A．Ｂｉｏ　ＥｌｅｃｔｒｏＭａｇｎｅｔｉｃｓ　Ｎｏ．2　１９９４ 論文誌の概要．

94年2号

7) H. Lai et al: Microwave irradiation Affects Radial-Arm Maze Performance in the Rat.

　2450MHz, 60V/m (1mW/cm2のANSIの許容レベル)を印加。

　事前の注入した薬品によって、ラットの行動への影響度が異なる。

8) T. A. Litovitz et al: Superimposing Spatially Coherent Electromagnetic Noise Inhabits Fields-Induced Abnormalities in Developing Chick Embryos.

　鶏小屋プロジェクトと同じパルス磁界(ピーク磁界1μT、立ち上り・立下がり時間2μS)を印加した時は異常発生、しかし、同様な磁界強度値に保ちながらランダムなノイズ磁界を重畳した時は、細胞の感受性におけるS/N比が劣化した為か、影響が現われなかった。

(BEMSJ注：dB/dT＝0.5T/Sでかなり大きい。これではかなりの大誘導電流が流れて影響が出てもおかしくない。)

9) N. Guzelsu et al: Effect of Electromagnetic Stimulations with different Waveforms on Cultured Chick Tendon Fibroblasts.

　細胞に三角波の磁界を印加、同じ波形でも正負に反転する場合と一方向に一定の場合で比較。

(BEMSJ注：よくわからない. )

10) S. N. Ayrapeetyyan et al: Magnetic Fields alter Electrical Properties of Solutions and their Physiological Effects.

　アルメリアの研究。DC20-500ガウスの磁界は溶液・血液の性質を変える効果があり、Na, K, Clイオンは無変化、Caイオンは影響を受ける。

　(BEMSJ注：この実験が正しければ、日本の磁気マグネットの治療効果の要因が判明する。)

11) D. O. Brown et al: Characteristics of Microwave Evoked Body Movements in Mice.

　大電力のパルスレーダ電力(160W〜KWのオーダ)を印加した時の鼠の挙動を調査。

体温の温度上昇値が0.05℃に相当する大電力印加でも影響が現れるので、これは一つの非熱効果である可能性がある。

　(BEMSJ注：非熊効果といいながらもかなりの大電力印加時である。)

12) J. A. D'Andrea et al; Rhesus Monkey Behavior during Exposure to High Peak Power 5.62MHz Microwave Pulse.

　SARが4W/kgを越えると影響がでる。ピーク電力が異なっても平均値でのSARが同一であれば猿の挙動に対する影響度は同じである。

(BEMSJ注：よって、マイクロ波ではSARで考えればよい。)

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１B．Ｂｉｏ　ＥｌｅｃｔｒｏＭａｇｎｅｔｉｃｓ　Ｎｏ．3　１９９４ 論文誌の概要．

94年3号　　　　　.

13) C. G. Liddle et al: Alteration of Life Span of Mice Chronically Exposed to 2.45GHz CW Microwave.

　ネズミの寿命に対する影響度を研究、3mW/cm2迄は問題なし、10mW/cm2では問題である。

　BEMSJ注：(閾値があることが判明。)

14) T. M. Phllippova et al: Influence of Microwaves on Different Types of Receptors and the Role of Peroxidation of Lipids on Receptor-Protein Shedding.

　ロシアの研究　　　　.

　900MHzマイクロ波の研究。

(BEMSJ注：よくわからない。 )

15) D. A. Savitz et al: Correlation among Indices of Electric and Magnetic Field Exposure in Electric Utility Workers.

　電力従事者の曝露は90%パーセンタイルで2μTと以外に少ない。

　この研究には日本の電力中研も参画している。

16) C. Grant et al: Protection against Focal Cerebral Ischenia Following Exposure to a Pulsed Electro Magnetic Field.

　脳内の病巣に対する治療方法。75Hz, 28ガウスの磁界。

17) J. P. Blanchard et al: Clarification and Application of an Ion Parametric Resonance Model for Magnetic Field Interactions with Biological Systems

　DC磁界と交流磁界強度と周波数、影響を受けるイオンの間にIPR共鳴で説明できることの理論を提唱。

18) C. F. Blacknan et al: Empirical Test an Ion Parametric Resonance Model for Magnetic Fields Interactions with PC-12 Cells.

17)の理論を実験的に証明。

　(BEMSJ注：これが真実であれば、漏洩磁気の周波数成分と地磁気強度の関連でどのようなイオンに影響がでてもおかしくなくなる。昔提唱されたサイクロトン共鳴はうまく実証されなかったが、今回のIPRは可能性が高い。）

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１C．Ｂｉｏ　ＥｌｅｃｔｒｏＭａｇｎｅｔｉｃｓ　Ｎｏ．４　１９９４ 論文誌の概要．

ＢＥＭＳ論文誌　１９９４年第４号の概要

１）W. T. Kaune et al:

Simplification of the Wertheimer-Leeper Wire Code

ワイヤコードに関する提案。

最初にWerthemerらによってDenver地区でWire　Codeが提案され、それに基づいて小児癌と送電線由来の磁界との関連性が示唆されたが、Denver地区の送電・配電のやり方はアメリカの他の地区と大きく異なる面をもっていた。

２) A．W．Kropinski et al:

Sinusoidal 60 Hz Electromagnetic Fields Failed to Induce Changes in Protein Synthesis in Escherichia Coli(大腸菌)

60Hz　3mTの磁界に曝露、大腸菌のたんぱく質合成に対して、温度を+/-0.1度にコントロールすれば、磁界の影響は無かった。 温度乗上昇があれば、たんぱく質合成に変化が出る。

３) I. Nordenson et al:

Chromosomal Aberration （染色体異常）in　Human Amniotic Cells after Intermittent Exposure to Fifty Hertz Magnetic Fields

50Hz　30マイクロテスラの磁界への連続曝露で染色体に影響がでた、

しかし、300マイクロテスラの磁界への連続曝露では影響は出なかった。

50Hz　30マイクロテスラの磁界への間欠（On/Off）曝露では影響がでた。

実験装置はゼロクロススイッチにはなっていない。

（実験条件が何か不安定さを持っている？　磁界の時間変化dB/dtが影響している？）

４) A. Orlando et al:

Effect of Microwave Radiation on the　Permeability（透過力）of Carbonic Anhydrase（脱水酵素） Loaded Unilamellar Liposomes(脂肪小体)

2.45GHzのマイクロ波　6W/kgを印加、120分後にマイクロ波の影響がでた。

５) J. Bruno et al:

Synthesis of Diazoluminomelanin (DALM) in　HL-60 Cells for Possible Use as a Cellular-Level Microwave Dosimeter

2.45GHz 0-20Wでテスト。　難解で理解できず。

６) S. Gold et al:

Exposure of Simian Virus-40-Tranformed Human　Cells to Magnetic Fields Results in Increased Levels of T-Antigen mRNA and Protein.

60Hz 8マイクロテスラPeakで細胞に影響がでた。　(かなり微弱な磁界でも細胞実験で影響がでた）

７) J. L. Borghesi et al:

Development and Evaluation of a Location-Specific Wire Code

Wertheimer-Leeperのワイヤコードはそれなりの意味を持っているが、有意なオッズ比として１．９を超える研究を行なう為には、症例４２０以上、対照８４０以上が必要となる。

（特定の癌でこれだけの症例を集めることができるか？）

８) C. L. Kowalczuk et al:

Effects of Prenatal（出生前） Exposure　to 50 Hz Magnetic Fields on Development in Mice. 1. Implantation Rate and Fetal Development.

50Hz 20mTの磁界を鼠に親鼠に印加、生まれてきた子鼠に少しは変化が現れたが、結論としては磁界の影響がない。

この研究は盲検法（ブラインド）でテストを行なっている。

９) Z. Sienkiewicz et al:

Effects of Prenatal Exposure to 50 Hz　Magnetic Fields on Development in Mice. �U．Postnatal（生後） Development and Behavior.

８と同じ研究、生後の発育や行動などに影響は見られない。

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２．Ｂｉｏ　ＥｌｅｃｔｒｏＭａｇｎｅｔｉｃｓ　Ｎｏ．３　１９９６ 論文誌の概要．

BEMS論文誌に掲載された電磁波の研究：
アメリカの生体電磁気学会の論文誌９６年第３号を読みました。　その内容を簡単に紹介します。英文の専門論文を理解できた部分を紹介します。

1）　D. Miller ;
Miniature-Probe Measurements of Electric Fields induced by 60 Hz Magnetic Fields in Rats.

２ｍｍの空間分解能をもつアンテナを作成して、鼠に外部から６０Ｈｚ、１ミリテスラの磁界を印加した時に、体内に誘導される電界を実測。　
ファントム等でのシミュレーションで得られた理論的な電界値に比べて、概して小さい値であった。
これは鼠の体内の構成臓物が電気的に全く均一な特性ではないことに起因すると思われる。　

（このことはシミュレーションの方が厳しく出るので、シミュレーションさえきちんと行なえば、人体等の影響は想定できるということ？かもしれない。）　

2）. B. Wilson et al;
Magnetic Field Characteristics of Electric Bed-heating Devices　

電気毛布等の磁界強度を測定、以外と磁界強度は低い。　
測定例として従来型の電気毛布では0・5から2・5ｍＧの間を常に変動して、その重み付けをした平均値は1・12ｍＧ。　

低電磁界タイプと言われる新型の電気毛布は常に約１ｍＧ程度を漏洩して、その重み付けをした平均値は1・12ｍＧという例が紹介されている。　

これらのデータはカルフォルニアの疫学調査（こうした電気毛布等が異常妊娠と関係しているかの研究）の基礎資料となる。　

（電気毛布は電界は強いが磁界は弱いのではないかと私も感じていましたが、まさにその通りのデータでした。こうした磁界の測定データを基にした妊娠との疫学調査結果が公表されるのを待ちましょう。）　

3） Z. Sienkiewice et al;　
Acute Exposure to Power-Frequency　Magnetic Fields Has No Effect on the Acquisition of Spatial Learning Task By Adult Male Mice.　

鼠を使って、脳の動作への影響を研究。 訓練作業が５０Ｈｚ磁界により影響があるかを調査。　
５マイクロテスラ（50ミリガウス）から５ミリテスラ（50ガウス）の暴露では異常はない。　

4）.J. L. Kirschvink;　
Microwave Absorption by Magnetite,　a possible Mechanism for Coupling Nonthermal Levels of Radiation to Biological System　

人体の脳の中にマグネタイトがあることを見いだした研究者による提案。　
マイクロ波はマグネタイトがあればそこで沢山の電力を吸収する　
（携帯電話の使用周波数を含む0・5ー10ＧＨｚでは特に考慮が必要）。

従来研究はこの点を考慮して来なかった。　
比較的微弱なマイクロ波電力の生体影響はマグネタイトが起因するかもしれない、今後研究していくべきである。　

例えば走磁性菌とよばれマグネタイトを体内に含む微生物と、磁気を含まない微生物にマイクロ波を印加して、ＤＮＡ等の変化を調べたりすれば、体内のマグネタイトが電磁波影響の基になっているか否かがわかるはず。　

5.） C. K. Chou et al;　
Radio Frequency Electromagnetic Exposure: Tutorial Review on Experimental Dosimetry.

ＲＦ周波数の電磁波暴露に関するレビュー。　

鼠などの小動物に電磁界を印加して影響度のテストをすることが多い。　
この場合、鼠の姿勢・動きによって鼠の受けるＳＡＲは電磁界と体軸との関係で大きく変動し、20倍も変化する、　

一定の暴露量を与えることは不可能に近い。一定の暴露量にする為に鼠の姿勢を拘束すれば、この拘束がストレスとなってどのような影響がでるかわからない。　
こうした点も研究時に注意すべき。　

最近の研究によって、骨の電気的特性が従来の値と異なっていることがわかってきた。　
従来の数字ではＲＦ波に対するドシメトリーの研究結果が、過大に厳しく評価されていた可能性もある。と。　

（携帯電話等の安全性の研究に関連、常に最新の研究では従来の暴露基準からより厳しい方向に改正される傾向にあるが、
この研究によれば、緩和される可能性も残している、ことになる。）　　

6） Jon Reitan et al;　
High-Voltage Overhead Power lines in Epidemiology: Patterns of Time Variations in Current Load and Magnetic Fields.　

ノルウェーの研究。送電線の送電電流の年・月・日による変動は大変大きい。　
オスロ市全体の電力消費の過去の推移（右肩上がりに単調に増加）に対して、今回の調査で取りあげた山の方にある発電所からの送電線と、川の方にある発電所からの送電線のそれぞれの送電電流の推移は、ある範囲で増減を繰り返している。　

疫学調査でスポット的に磁界を測定しても、必ずしも全体像を把握できない。　
夜間の送電電流は昼間に比べて低い、すなわち夜間は漏洩磁界が低下する。　
磁界がメラトニンの量に影響しているという研究もあるが、こうした夜間の磁界量の低下という面でもみる必要がある。　

7）　Qing-Yu Fan et al ;
Preliminary Report on Treatment of Bone Tumors with Microwave-induced Hyperthermia　

２４５０ＭＨｚのマイクロ波の骨の癌に対する医療応用で良い成績を納めた。　

8） E. Khizhnyak et al;　
Temperature Oscillations in Liquid　Media Caused by Continuous (Non-modulated) Millmeter Wave-length Electromagnetic irradiation. 　

５８ー７８ＧＨｚというミリ波を培養液に照射したところ、培養液の温度上昇は単純ではなく、上昇・下降を繰り返す発振現象を

呈したりする場合があることがわかった。　
電力や周波数の窓効果かもしれないといわれている実験結果はこうした温度上昇の異常さに起因するかもしれない。　

9）　J. Blondin et al;　
Human Perception of Electric Fields and Iron Currents Associated with High-Voltage DC Transmission Lines.　

カナダで計画されている直流の高圧送電線の電界に関して、ボランテァを募ってどの程度の電界強度で電界を感知するかを調査、　
送電線からのイオン電流も関係してくることがわかった。
感じ易い人は１０ｋＶ／ｍ程度で感じる。　
感じない人は５０ｋＶ／ｍでも感じない。個体差が大きい。　
この研究成果は将来のカナダでの直流高圧送電線の建設に役立てられる。　

10） R. Adair;　
Didactic Discussion of Stochstic　Resonance Effects and Weak Signals.

微弱な電磁界の影響が、研究によってはなぜ検出されたり、検出されなかったりするのかに関する仮説の提唱と思われるが、難解で理解できず、紹介できません。　

11） E. Elekes et al;　
Effect on the Immune System of Mice Exposed Chronically to 50 Hz Amplitude-Modulated 2.45 GHz Microwaves.

50Hzの矩形波で変調した2・45GHzのマイクロ波を鼠に照射。　
0・1mW/cm2（約20V/mの電界強度）という比較的低レベルの照射であるが、メス鼠では異常は無かったが、オス鼠ではPFC/Spleenに影響が出ている。　
比較的低いマイクロ波でも生体影響があるという報告。　

(この報告書での数値をみれば、本来ほぼ変動のない値であるはずのコントロール（対照群）のデータが２倍以上に変動しているので、実験手法等に疑問が残る。　又　鼠のオスとメスでなぜ影響が出たり、出なかったりするのかわからない。)　

12） Z. Sciekiewicz et al　
;Prenatal Exposure to a 50 Hz Magnetic　Field has No Effect on Spatial Learning in Adult Mice.　

５０Ｈｚ５０ガウスの正弦波磁界を鼠に照射。　
脳の機能への磁界影響を学習機能の変化を利用して調査。　結果は問題が無かった。

(３も１２も同じ研究者の報告です。磁界によるメラトニンの量への影響が報告されていますが、脳神経系には５０ガウス程度の交流磁界では影響が現れないようです。)　

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２Ａ．ＢＥＭＳ論文誌Vol.18, No. 8, 1997に掲載された論文の概要

作成：1997-4-30　WEB公開；2014-2-24

1） M. Yasui et al: Carcinogenicity Test of 50 Hz Sinusoidal Magnetic Field in Rats.

OECDによって規定された方法で、50Hz正弦波の交流磁界が発ガン性を有するか否かの検証を行った。　
5ガウス、50ガウスの磁界を5ｰ109週にわたってネズミに曝露。
シャム曝露と比較して、発ガン性は検出出来なかった。

　50ガウス程度の交流磁界は、発ガン性はないと言える。

2) V. Sollazzo et al: Response of Human MG-63 Osteosarcoma Cell Line and Human Osteoblast-Like Cells to Pulsed Electromagnetic Fields.

　ピーク値23ガウス、繰り返し周波数75Hz、パルス幅1･3msの磁界を細胞に引加。パルス磁界と細胞の関係は、培養条件によって著しく変化する。

また使用した細胞の種類によって、影響度は大きく変化する。　継続研究が必要。

3) G. P. Pessina et al: Short Cycles of Both Static and Pulsed Electromagnetic Fields Have No Effect on the Induction of Cytokineses by Peripheral Blood Mononuclear Cells.

直流磁場30ガウス、パルス磁場（ピーク30ガウス、繰り返し周波数50Hz、デューティ比0･4、立ち上がり120ナノ秒、立ち下がり100マイクロ秒） を末梢血由来の細胞に引加。
引加した磁界によって細胞の異常増殖は見られなかった。

4) J. D. Harland et al: Environmental magnetic Fields Inhibit the Antiproliferative Action of Tamoxifen and Melatonin in a Human Breast Cancer Cell Line.

　過去の研究でメラトニンの存在しない条件では、磁界は細胞（MCFｰ7）の成長に影響を与えなかった。

　60Hz12ミリガウスといった低いレベルの磁界での研究、メラトニンを加えた細胞実験では、磁界によってメラトンニンの動きが抑制された。

　この研究から、環境にある磁界は、薬品やメラトニンの機能に影響を与えている可能性が示唆される。

5) E. D. Mantiply et al: Summary of Measured Radio Frequency Electric and Magnetic Fields (10 kHz to 30 GHz) on the General and Work Environment.

　色々な環境での電磁界の曝露条件を纏めた。

6) P. J. Riu et al: A Thermal Model for Human Thresholds of Microwave-Evoked Warmth Sensations.

　10GHz以上のマイクロ波になれば、人体の表面の温度上昇が、電磁波検知の決め手になる。

7) I. L. Beale, et al: Psychological Effects of Chronic Exposure to 50 Hz Magnetic Fields in Humans Living Near Extra-High-Voltage Transmission Lines.

NZにおける送電線の近くに住む人を対象とした研究、送電線由来の磁界以外の住民の電磁波曝露、職場での電磁波曝露は無視した。
色々な生体機能のテストでは磁界との影響は見られないが、自己判定による質問表等の解析結果では、送電線由来の磁界との関連が見える。

8) I. Ihrig et al: Alterations of Intercellular Calcium Concentration in Mice Neuroblastoma Cells by Electrical Field and UVA.

過去に細胞に電磁波を引加した時の細胞からのカルシウム流出の研究報告が行われている。
これらの実験は、電磁波の影響ではなく、実験に使用した蛍光ランプの紫外線の影響の可能性が大きい。

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２Ｂ．Bio ElectroMagnetics 論文誌　Vol.20 No.3 1999の概要

1．M. Repacholi et al: Interaction of static and extremely low frequency electric and magnetic fields with living systems: health effects and research needs.

WHOの国際ＥＭＦプロジェクトのレパチョリが概要を纏めている。　本文だけで22ページの大作。
低周波電磁界に関しては、強い電磁界強度では影響があるが、低いレベルや生活環境下に存在する比較的低いレベルの電磁界の影響は、まだ確固たるものがない。
低レベルの低周波電磁界に関しては、再現実験を行う必要のあるものもある。
静磁界に関しては2テスラ以下の強度では、健康影響はない。

2．H. Okano et al: Biphasic effects of static magnetic fields on cutaneous microcirculation in rabbits

1mT（10ガウス）の静磁界をウサギの耳にあてた。抹消血管の血流に変化が現れた。
（これはビップエレキバンの効果の論証となる？ビップエレキバンの関係者も参加した研究）

3．F. Cara et al: Different effects of microwave energy and conventional heat on the activity of a thermophillic B-galactosidase from Bacillus acidocaldarius

単純な熱を加えた時と、同じ温度になるように制御して10.4GHzのマイクロ波電界を印加した時と細胞に変化があるかを調べた。
電磁界によるSARは1.1W/kgと1.7W/kgである。
電磁界の影響が現れた。
（電磁界で熱が発生してもそれを強制的に冷却して下げて行うテストで、非熱効果の実験）

4．M. Mattei et al: Correlation between pulsed electromagnetic fields exposure time and cell proliferation increase in human osteosarcoma cell lines and human normal osteoblast cell in vitro.

2.3mTの磁界、75Hzの繰り返し周波数、パルス磁界を細胞に印加。細胞に影響がでた。
（この時のdB/dtはどの程度か?　パルス磁界の立ち上がりと立ち下がりの時の磁界の時間変化で、細胞にどの程度の誘導電流が流れたのか?　論文にはその記載がない。）

5．W. Pickard et al: Simplified model and measurement of specific absorption rate distribution in a culture flask within a transverse electromagnetic mode exposure system.

電磁界暴露にあたって、フラスコや細胞を入れた溶液などの電気的な特性を十分に加味してどの程度の電磁界、SARが印加されているかを評価しないと、いけない　ということを提唱。
難解で理解できず。

6．M. Bier et al: Kinetics of sealing for transient electropores in isolated mammalian skeletal muscle cells.

超難解、何の論文かもわからない。
Electroporesgは辞書に載っていなく、意味不明。

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３．Ｂｉｏ　Ｅｌｅｃｔｒｏｍａｇｎｅｔｉｃｓ　Ｖｏｌ．２０　Ｎｏ．８ ＤＥＣ． １９９９年 論文誌の概要

1）H. A. Kues at al:
Absence of ocular effects after either single or repeated exposure to 10mW/cm2 from a 60 GHz CW source
ウサギの目に60ＧＨｚの電磁界を暴露、片目に電磁波、他方はコントロールとして比較の対象とした。 結果としては、影響は見られなかった。

２) M. Crasson et al: 　
50 Hz magnetic fields exposure influence on human performance and pyschophysiological parameters: two double blind exposure studies.
ヒトに５０Ｈｚ　１００μＴの磁界を印加、頭部に磁界を印加。 二重盲検法で試験。　同時に脳や精神の機能を測定できる色々なテストを行い、磁界の暴露でそうした機能に影響が出た。　　（難解で機能テストの方法などがよくわからない。）　

３) E. Schienfold et al:
Magnetic fields exposure assessment: A comparision of Various Methods.
Long Island の磁界と乳がんの関係の予備研究。　31名の乳がんになっていない女性を対象に、自宅での24時間磁界測定、ワイヤーコード、接地電流、24時間個人暴露などを調査。　
著者は24時間個人暴露と自宅での磁界強度に相関がとれているといっている。　

（しかし、実際のデータを見ると私の目には相関は薄いと見える。）　家庭での磁界には、交流電源から接地線へ漏洩する電流値が大きな影響をもっている。　この接地線電流は、磁界と乳がんの研究に盛り込む。　

４) K. W. Linz et al:　
Membrane potential and currents of isolated heart muscle cells exposed to pulsed radio frequency fields. 　
細胞レベルの研究。900MHzと1800MHzのマイクロ波（携帯電話の電波を想定）、電力は80mW/kgから880mW/kg。短時間暴露である。　非熱効果の領域を狙った研究。　
結果としては、低SARでも高SARでも共に影響は見られない。 　

５) K. Andrews and D. Savitz:　
Accuracy of industry and occupation on death certification of electric utility workers: Implications for Epidemiologic studies of magnetic fields and cancer.　
死亡証明書の情報による疫学と、実際の暴露条件などを精査した。　
死亡証明書に記載された事項を基に電磁界暴露量を推定して行う疫学調査では、十分な研究成果が得られない。　
（過去の研究に、死亡証明書の情報に基づいてJob−Exposure Metricsを作成して行った電気関連の職業従事者はガンのリスクが高いという研究もあるが、それらは信頼性に欠けるということか？） 　

６) H. Miki et al: 　
Effects of environmental level magnetic field exposure on transcription of CMV immediate early promoter DNA in　a cell-free in vitro transcription system. 　
６０Ｈｚ磁界、１０μＴから１００μＴを暴露、ＲＮＡの合成に影響は見られない。　

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３Ａ．Ｂｉｏ　Ｅｌｅｃｔｒｏｍａｇｎｅｔｉｃｓ　Ｖｏｌ．２１　Ｎｏ．３ Ａｐｒｉｌ ２０００ 論文誌の概要

１）　Z. J. Sienkiewicz et al: Low-level exposure to pulsed 900 MHz microwave radiation does not cause deficits in the performance of a special leaning task in mice.　

２０００年１月号に記載されたＬａｉの研究と対をなす研究（ＳＡＲは非熱効果といわれる範囲であるが、この研究よりは大きいＳＡＲを鼠に暴露、脳の記憶力に影響が出ている）といえる。
９００ＭＨｚのデジタル携帯電話の方式の電磁界をねずみに暴露、ＳＡＲは０．０５Ｗ／ｋｇと、実際の携帯電話の電力に近い低いＳＡＲの電磁界を暴露させた。この場合はねずみの脳の記憶力に影響は出なかった。　

２）J. R. Jauchem et al: Cardiovascular and thermal effects of microwave irradiation at 1 and/or 10 GHz in anesthetized rats.

人の電磁界暴露は単一の周波数だけではなく、同時に複数の電磁界に暴露している。そこで同時に１ＧＨｚと１０ＧＨｚの電磁界を暴露した時に、鼠に何か起こるかテストした。　結果は単一周波数暴露に比べて、複数の電磁界暴露では、特異な現象は見つからなかった。　　

３）M. A. Stuchly et al: Inter-laboratory comparison of numerical Dosimetry for human exposure to 60 Hz electric and magnetic fields.　

５０Ｈｚ電磁界の暴露に対して人がどの程度の影響を受けるかドシメトリーの研究が盛んである。　このような研究を行っている研究所間で、解析結果に差異があるか検討した。少し異なる点があることが判った。

４）A. Wieraszko: Dantrolene modulates the influence of steady magnetic fields on hippocampal evoked potentials in vitro.

直流磁界　２−３ミリテスラが何かに影響を与えているという研究、難解で理解できず。

５）S. Ichioka et al: High-intensity static magnetic fields modulate skin microcirculation and temperature in vivo.　

　鼠に８テスラという強い直流磁界を暴露、血流に影響が出たが、可逆的な変化で、磁界暴露から離れると元にもどる。

６）L. A. Coulton et al: The effects of static magnetic fields on the rate of calcium/calmodulin-dependent phosphorylation of myosin light chain.

ＤＣ　０−２００μＴ（２ガウス）の直流磁界を細胞に暴露。過去に行われた研究では、この磁界で変化が現れた。　過去に行った研究者と情報交換を行いながら、再現実験を行ったが、変化は検出できず、再現実験に失敗した。

７）W. T. Kaune et al: Rate of occurrence of transient magnetic field events in U.S. residents.

アメリカの住宅で、過渡的な磁界をどの程度受けているか、家庭に置かれる電気機器からの放射ではなく、特に商用周波数電源に着目して実測された。　１２０Ｈｚや１８０Ｈｚの磁界が多い。　これは照明の調光システムの動作によるものと思われる。

８）W. T. Kaune et al: Children’s exposure to magnetic fields produced by US television sets used for viewing programs and playing video games.

ＴＶを視聴している時と、ＴＶゲームをしている時に、子供がどの程度の磁界を浴びているか調査。　ＴＶを見ている時のＥＬＦ磁界は、０．００９マイクロテスラ（０．０９ミリガウス）、ＴＶゲームをしている時のＥＬＦ磁界は０．０２３マイクロＴ（０，２３ミリガウス）であった。

９）T. Ikehara et al: Effects on RH+(k+) uptake of HeLa cells in a high K+ medium of exposure to a Switched 1.7 Tesla magnetic field.

１．７テスラ（１７０００ガウス）の直流磁界をＯｎ　Ｏｆｆしたテスト。　細胞レベルの研究。　難解で理解困難。　（大きな誘導電流が流れるので何か影響があっても良い実験条件である。）

１０）W. Sontag: Modulation of cytokine production by interferential current in differential HL-60 cells.

４ｋＨｚＡＭ変調の電流を細胞に流す。　２．５Ａ／ｍ２の誘導電流が流れた時に、大きな細胞の免疫機能に変化がでた。　培養条件で影響は異なる。　（誘導電流が１００ｍＡ／ｍ２を超えると電磁波の影響が出てくる研究が多いので、これも変化があって当然の研究といえる。）

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４．Ｂｉｏ　Ｅｌｅｃｔｒｏｍａｇｎｅｔｉｃｓ Ｖｏｌ．２１　Ｎｏ．８　Ｄｅｃ．２０００論文誌の概要

　　　　　　　作成：　２００１−１−３１　
ＢＥＭＳ論文誌の概要です。

１）A. Libiff et al: New Model for Avian Magnetic Compass
鳥類の磁気コンパスはどのような原理であるか？　地磁気と電界成分を鳥の中にあるマグネタイト（生物磁石）で感じ、イオンの共鳴現象から地磁気を判定しているのではないか、という仮設の提案。

２）M. Bornhausen et al: Prenatal Exposure to 900 MHz, Cell-Phone Electromagnetic Fields Had No Effects on Operant-Behavior Performance of Adult Rat.
親鼠に子鼠が生まれる前の妊娠の状態で９００ＭＨｚ携帯電話の電波に相当する電磁波を曝露させた。　曝露強度は０．１ｍＷ／ｃｍ２と携帯電話の中継塔から人間が受ける強度とした。　生まれた子鼠の行動には、電磁波の影響は見られなかった。

３）J. Gray et al: In Vivo Enhancement of Chemotherapy With Static Electric or Magnetic Fields.
鼠に発癌物質を投与。　その部分に１５ＫＶの電圧を印加した金属プレートを置き、１）5秒間隔でプラス１５ＫＶからマイナス１５ＫＶ、そしてプラス１５ＫＶと変化させた、２）連続で４５０ｋＶ/ｍの電界を印加、３）１１０ｍＴ（１１００ガウス）の直流磁界を曝露させた。　結果は癌を抑制した。　電磁界には癌抑制作用がある。

４）Y. Nakaoka et al: Effect of a 60 Hz Magnetic Field on the Behavior of Performance.
60Ｈｚの磁界をゾウリムシに曝露。　ゾウリムシは外部環境の変化に非常に敏感に反応する。　結果、４０００ガウスを超えるとゾウリムシの行動に変化が出た。　

５）A. Maes et al: Cyrogenetic Effects of 50Hz Magnetic Fields of Different Magnetic Flux Densities.
５０Ｈｚの磁界に細胞を曝露。６３マイクロテスラから２５００マイクロテスラに曝露させた。　結果は、ＤＮＡに変化は無かった。

６）V. Veiga et al: Cellular Damage and Altered Carbohydrate Expression in P815 Tumor Cells Induced by Direct Electric Current: An In Vitro Analysis.
ＤＣ２mＡを流すことで癌治療に役立つ可能性がある。　ＤＣの電極のカソード側とアノード側では効果が異なった。

７）P. Galloni et al: Effects of 50 Hz Magnetic Fields Exposure on Tumor Experimental Models.
磁界50Ｈｚ２ｍＴ（２０ガウス）を鼠に曝露、癌の増発は無かった。　ポジテブコントロールとして行なったＸ線照射では、癌は増発した。

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４Ａ．Bio Electromagnetics誌2008年1号に掲載された9件の論文の概要とその傾向　

記2008-4-16　WEBへの公開：2014-11-25
概要の概要だけは記入した。
陰性効果・陽性効果・実態調査などが行われている。陽性効果だけが発表されているのではない。
陽性研究：電磁界は悪影響を及ぼす　という結果の研究
陰性研究：電磁界は悪影響を及ぼさない　という結果の研究
中性研究：電磁界の実態や、曝露評価の詳細などの研究　　に分類する。

関心のあるかたは、原文全文を入手して読んでください。

1：携帯電話GSM実機を使用した実験、脳波EEGのアルファ波に影響　　　陽性研究
タイトル：The effect of mobile phone electromagnetic fields on the alpha rhythm of human electroencephalogram
ヒトの脳波EEGのα波への携帯電話電磁波の影響
研究者：R.J. Croft ら

概要：Mobile phones (MP) emit low-level electromagnetic fields that have been reported to affect neural function in humans; however, demonstrations of such effects have not been conclusive.
The purpose of the present study was to test one of the strongest findings in the literature; that of increased alpha power in response to MP-type radiation.
Healthy participants (N = 120) were tested using a double-blind counterbalanced crossover design, with each receiving a 30-min Active and a 30-min Sham Exposure 1 week apart, while electroencephalogram (EEG) data were recorded.
Resting alpha power (8-12 Hz) was then derived as a function of time, for periods both during and following exposure.
Non-parametric analyses were employed as data could not be normalized.
Previous reports of an overall alpha power enhancement during the MP exposure were confirmed (relative to Sham), with this effect larger at ipsilateral than contralateral sites over posterior regions.
No overall change to alpha power was observed following exposure cessation; however, there was less alpha power contralateral to the exposure source during this period (relative to ipsilateral).
Employing a strong methodology, the current findings support previous research that has reported an effect of MP exposure on EEG alpha power.

2：P11-19:携帯電話に関してボランティアによる研究、セットアップによって局所的なSARが異なる。中性研究
タイトル：Dosimetric evaluation and comparison of different RF exposure apparatuses used in human volunteer studies
ヒトのボランティア研究による高周波電磁波曝露装置の違いによる曝露評価とその比較
研究者：Clémentine M. Boutry ら

概要：The aim of this study was to provide the information necessary to enable the comparison of exposure conditions in different human volunteer studies published by the research groups at the Universities of Turku, Swinburne, and Zurich.
The latter applied a setup optimized for human volunteer studies in the context of risk assessment while the first two applied a modified commercial mobile phone for which detailed dosimetric data were lacking.
While the Zurich Setup exposed the entire cortex of the target hemisphere, the other two setups resulted in only very localized exposure of the upper cheek, and concentrated on a limited area of the middle temporal gyrus just above the ear.
The resulting peak spatial SAR averaged over 1 g of the cortex was 0.19 W/kg of the Swinburne Setup, and 0.31 W/kg for the Turku Setup, compared to 1 W/kg for the Zurich Setup.
The average exposure of the thalamus was 5% and 9% of the Zurich Setup results for the Swinburne and Turku Setups, respectively. In general, the phone-based setup results in only reasonably defined exposures in a very limited area around the maximum exposure; the exposure of the rest of the cortex was low, and may vary greatly as a function of the setup, position, and local anatomy.
The analysis confirms the need for a carefully designed exposure setup that exposes the relevant brain areas to a well-defined level in human volunteer studies, and shows that studies can only be properly compared and replicated if sufficiently detailed dosimetric information is available.

3：P20-28：ノルウェーにおける50Hz磁界の実態調査、冬の道路上で9mG　　中性研究
タイトル：ELF-magnetic flux densities measured in a city environment in summer and winter
夏と冬における都市内の超低周波磁界の測定
研究者：Aksel Straume ら

概要：Epidemiological studies have indicated a connection between extremely low frequency magnetic flux densities above 0.4μT (time weighted average) and childhood leukemia risks.
This conclusion is based mainly on indoor exposure measurements.
We therefore regarded it important to map outdoor magnetic flux densities in public areas in Trondheim, Norway.
Because of seasonal power consumption variations, the fields were measured during both summer and winter. Magnetic flux density was mapped 1.0 m above the ground along 17 km of pavements in downtown Trondheim.
The spectrum was measured at some spots and the magnetic flux density emanated mainly from the power frequency of 50 Hz.
In summer less than 4% of the streets showed values exceeding 0.4 μT, increasing to 29% and 34% on cold and on snowy winter days, respectively. The average levels were 0.13 μT (summer), 0.85μT (winter, cold), and 0.90 μT (winter, snow), with the highest recorded value of 37 μT.
High spot measurements were usually encountered above underground transformer substations.
In winter electric heating of pavements also gave rise to relatively high flux densities.
There was no indication that the ICNIRP basic restriction was exceeded. It would be of interest to map the flux density situation in other cities and towns with a cold climate.

4：P29−38：50Hzの磁界、350μTで、癌の促進作用はない　　　　陰性効果
タイトル：Lack of promotion effects of 50 Hz magnetic fields on 7,12-dimethylbenz(a)anthracene-induced malignant lymphoma/lymphatic leukemia in mice
マウスにおける7,12-dimethylbenz(a)anthraceneで誘導した悪性シンパ腫・リンパ性白血病に対する50Ｈｚ磁界の促進効果は見られない。
研究者：Tadashi Negishiら

概要：New-born CD-1 mice were initiated with a single subcutaneous injection of 60 μg 7,12-dimethylbenz(a)anthracene (DMBA) within 24 h after birth.
After weaning, the mice were randomly divided into five groups of 100, 50 males and 50 females each. One group served as a cage control.
The other four groups of mice were exposed to either 0 (sham-exposed), 7, 70, or 350 μT(rms) circularly polarized 50 Hz magnetic fields (MFs) for 22 h/day, 7 days/week for 30 weeks.
Animals were observed daily and the development of malignant lymphoma/lymphatic leukemia was examined histopathologically.
The experiment was conducted twice.
There was no observed sexual difference in the cumulative proportions of mice with malignant lymphoma/lymphatic leukemia and a 3-way analysis of deviance using the Cox regression model revealed no interactions between experiment, sex, or group.
The cumulative proportions of mice with malignant lymphoma/lymphatic leukemia in the MF-exposed groups were not significantly higher than those in the sham-exposed group of each sex in individual experiments and in males and females combined in each experiment, and in all the animals from the two experiments combined.
These data provide no evidence to support the hypothesis that power frequency MFs is a significant risk factor for hematopoietic neoplasia.

5：P39-46：直流100ガウス磁界は成長を促進　　磁界の良性効果
タイトル：Effects of magnetic field on the antioxidant defense system of recirculation-cultured Chlorella vulgaris
再循環培養した普通のクロレラの抗酸化防護作用における磁界の効果
研究者：Hai-Ying Wangら

概要：Little is known about the influence of magnetic fields (MF) on growth of microalgae such as Chlorella vulgaris, which has been consumed as health food for various nutritional and pharmacological effects.
His preliminary study investigated whether static MF can modulate the antioxidant system in C. vulgaris by exposing the cells to static MF generated by dual yoke electromagnets with magnetic flux density of 10-50 mT for 12 h. After exposure to 10-35 mT for 12 h, the activity of superoxide dismutases and peroxidase increased significantly compared to control cells.
However, a remarkable increase of catalase activity occurred at 45 and 50mT.
The lipid peroxidation of algae cells determined by production of thiobarbituric acid-reactive substances was much increased when exposed to 35, 45, and 50mT of MF.
The scavenging ability of 2.2-diphenyl-1-picrylhydrazyl radical was decreased markedly while there was no variation of total carotenoids content in C. vulgaris cells.
Assay of specific growth rate in 72 h cultivation after MF exposure was also conducted. In groups after exposure to 10-35 mT of MF, specific growth rate was significantly increased.
These results suggest that 10-35 mT of static MF exposure could promote the growth of C. vulgaris and regulate its antioxidant defense system to protect cells efficiently, which could possibly enhance the growth of C. vulgaris in industrialized cultivation by MF.

6：P47-54：歯に金属を用いた場合、直流電流は細胞の死を増加させる。　　　医療効果？陽性効果？
タイトル：Direct current electrical fields induce apoptosis in oral mucosa cancer cells by NADPH oxidase-derived reactive oxygen species
直流電界は、NADPH oxidaseによって誘導された反応的な酸化種による口腔粘膜癌細胞におけるアポートシスを増加させる。
研究者：Maria Wartenberg ら

概要：The presence of more than one dental alloy in the oral cavity often causes pathological galvanic currents and voltage resulting in superficial erosions of the oral mucosa and eventually in the emergence of oral cancer.
In the present study the mechanisms of apoptosis of oral mucosa cancer cells in response to electromagnetic fields was investigated.
Direct current (DC) electrical fields with field strengths between 2 and 16 V/m, applied for 24 h to UM-SCC-14-C oral mucosa cancer cells, dose-dependently resulted in decreased cell proliferation as evaluated by Ki-67 immunohistochemistry and up-regulation of the cyclin-dependent kinase (CDK) inhibitors p21cip1/waf1 and p27kip1, which are associated with cell cycle arrest. Electrical field treatment (4 V/m, 24 h) increased apoptosis as evaluated by immune-histo-chemical analysis of cleaved caspase-3 and poly-(ADP-ribose)-polymerase-1 (PARP-1).
Furthermore, robust reactive oxygen species (ROS) generation, increased expression of NADPH oxidase subunits as well as Hsp70 was observed.
Electrical field treatment (4 V/m, 24 h) resulted in increased expression of Cu/Zn superoxide dismutase and decreased intracellular concentration of reduced glutathione (GSH), whereas the expression of catalase remained unchanged.
Pre-treatment with the free radical scavenger N-acetyl cysteine (NAC) and the superoxide dismutase mimetic EUK-8 abolished caspase-3 and PARP-1 induction, suggesting that apoptosis in oral mucosa cancer cells is initiated by ROS generation in response to DC electrical field treatment.

7：P55-64：2.1GHz電磁界曝露0.8W/kgで細胞の分化に影響なし　　陰性効果
タイトル：Mobile phone base station radiation does not affect neoplastic Transformation in BALB/3T3 cells

携帯電話基地局からの電磁波はBALB/3T3細胞における腫瘍性分化に影響を与えない。

研究者：H. Hiroseら

概要：A large-scale in vitro study focusing on low-level radiofrequency (RF) fields from mobile radio base stations employing the International Mobile Telecommunication 2000 (IMT-2000) cellular system was conducted to test the hypothesis that modulated RF fields affect malignant transformation or other cellular stress responses.
Our group previously reported that DNA strand breaks were not induced in human cells exposed to 2.1425 GHz Wideband Code Division Multiple Access (W-CDMA) radiation up to 800mW/kg from mobile radio base stations employing the IMT-2000 cellular system.
In the current study, BALB/3T3 cells were continuously exposed to 2.1425 GHz W-CDMA RF fields at specific absorption rates (SARs) of 80 and 800 mW/kg for 6 weeks and malignant cell transformation was assessed.
In addition, 3-methylcholanthrene (MCA)-treated cells were exposed to RF fields in a similar fashion, to assess for effects on tumor promotion. Finally, the effect of RF fields on tumor co-promotion was assessed in BALB/3T3 cells initiated with MCA and co-exposed to 12-O-tetradecanoylphorbol-13-acetate (TPA).
At the end of the incubation period, transformation dishes were fixed, stained with Giemsa, and scored for morphologically transformed foci.
No significant differences in transformation frequency were observed between the test groups exposed to RF signals and the sham-exposed negative controls in the non-, MCA-, or MCA plus TPA-treated cells.
Our studies found no evidence to support the hypothesis that RF fields may affect malignant transformation.
Our results suggest that exposure to low-level RF radiation of up to 800 mW/kg does not induce cell transformation, which causes tumor formation.

8:P65-70：ミリ波帯域における浸透深さの研究　　　中性研究
タイトル：Millimeter wave dosimetry of human skin ヒトの皮膚におけるミリ波の曝露評価
研究者：S.I. Alekseevら

概要：To identify the mechanisms of biological effects of mm waves it is important to develop accurate methods for evaluating absorption and penetration depth of mm waves in the epidermis and dermis.
The main characteristics of mm wave skin dosimetry were calculated using a homogeneous unilayer model and two multilayer models of skin.
These characteristics included reflection, power density (PD), penetration depth (), and specific absorption rate (SAR).
The parameters of the models were found from fitting the models to the experimental data obtained from measurements of mm wave reflection from human skin.
The forearm and palm data were used to model the skin with thin and thick stratum corneum (SC), respectively.
The thin SC produced little influence on the interaction of mm waves with skin. On the contrary, the thick SC in the palm played the role of a matching layer and significantly reduced reflection.
In addition, the palmar skin manifested a broad peak in reflection within the 83-277 GHz range.
The viable epidermis plus dermis, containing a large amount of free water, greatly attenuated mm wave energy.
Therefore, the deeper fat layer had little effect on the PD and SAR profiles. We observed the appearance of a moderate SAR peak in the therapeutic frequency range (42-62 GHz) within the skin at a depth of 0.3-0.4 mm.
Millimeter waves penetrate into the human skin deep enough ( = 0.65 mm at 42 GHz) to affect most skin structures located in the epidermis and dermis.

9:P71-80：携帯電話　補聴器への影響　温度は0.3度上昇
タイトル：Assessment of SAR and thermal changes near a cochlear implant system for mobile phone type exposures
携帯電話による電磁波曝露に対する蝸牛のインプラントシステム近傍におけるＳＡＲと温度変化に関する評価
研究者：Robert L. McIntosh ら

概要：A cochlear implant system is a device used to enable hearing in people with severe hearing loss and consists of an internal implant and external speech processor.
This study considers the effect of scattered radiofrequency fields when these persons are subject to mobile phone type exposure.
A worst-case scenario is considered where the antenna is operating at nominal full power, the speech processor is situated behind the ear using a metallic hook, and the antenna is adjacent to the hook and the internal ball electrode.
The resultant energy deposition and thermal changes were determined through numerical modelling.
With a 900 MHz half-wave dipole antenna producing continuous-wave (CW) 250 mW power, the maximum 10 g averaged SAR was 1.31 W/kg which occurred in the vicinity of the hook and the ball electrode.
The maximum temperature increase was 0.33℃ in skin adjacent to the hook.
For the 1800 MHz antenna, operating at 125 mW, the maximum 10 g averaged SAR was 0.93 W/kg in the pinna whilst the maximum temperature change was 0.16℃.
The analysis predicts that the wearer complies with the radiofrequency safety limits specified by the International Commission on Non-Ionizing Radiation Protection (ICNIRP), the Institute of Electrical and Electronics Engineers (IEEE), and the Australian Radiation Protection and Nuclear Safety Agency (ARPANSA) for 900 and 1800 MHz mobile phone type exposure and thus raises no cause for concern.
The resultant temperature increase is well below the maximum rise of 1℃ recommended by ICNIRP. Effects in the cochlea were insignificant.

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５．BEMS Vol. 31 No. 8 2010年12月　論文誌に掲載された論文

記：２０１１−４−２６

簡単な概要とAbstractの原文を以下に示す。
時間の制約からAbstractの仮訳はできませんでした。
関心のあるかたは、以下の英文を読むか、原文全文を入手して読んでください。

タイトル：Radiofrequency interaction with conductive colloids: Permittivity and electrical conductivity of single-wall carbon nanotubes in saline (pages 582–588)
研究者：H. Michael Gach, Tejas Nair

Abstract
Conductive nanoparticles may enhance tissue heating during radiofrequency (RF) irradiation.
Specific absorption rate (SAR) is known to rise with the electrical conductivity of tissue.
However, no studies to date have measured the relationship between complex permittivity and nanoparticle concentration in tissue-like samples.
The complex permittivities of colloids containing single-wall carbon nanotubes (SWCNTs) in normal (0.9%) saline were measured from 20 MHz to 1 GHz.
Carbon concentrations ranged from 0 to 93 mM (0.06% volume), based on SWCNT weight per volume.
Measurements were made with 0.02% Pluronic F108 surfactant added to the colloids to prevent SWCNT flocculation.
The data were fit to the Cole–Cole relaxation model with an added constant phase angle element to correct for electrode polarization effects at low RF frequencies. Electrode polarization effects increased with carbon concentration.
The real parts of the permittivities of the colloids increased with carbon concentration.
The static conductivity rose linearly with carbon concentration, doubling from 0 to 93 mM.
The SAR of the colloids is expected to increase with RF frequency, based on the properties of the imaginary part of the permittivity.
医療用ハイパーサーミアに関する研究

タイトル：Confirmation studies of Soviet research on immunological effects of microwaves: Russian immunology results (pages 589–602)
研究者：Yury G. Grigoriev, Oleg A. Grigoriev, Alexander A.et al:

Abstract
This paper presents the results of a replication study performed to investigate earlier Soviet studies conducted between 1974 and 1991 that showed immunological and reproductive effects of long-term low-level exposure of rats to radiofrequency (RF) electromagnetic fields.
The early studies were used, in part, for developing exposure standards for the USSR population and thus it was necessary to confirm the Russian findings.
In the present study, the conditions of RF exposure were made as similar as possible to those in the earlier experiments: Wistar rats were exposed in the far field to 2450 MHz continuous wave RF fields with an incident power density in the cages of 5 W/m2 for 7 h/day, 5 days/week for a total of 30 days, resulting in a whole-body SAR of 0.16 W/kg.
Effects of the exposure on immunological parameters in the brain and liver of rats were evaluated using the complement fixation test (CFT), as in the original studies, and an additional test, the more modern ELISA test.
Our results, using CFT and ELISA, partly confirmed the findings of the early studies and indicated possible effects from non-thermal RF exposure on autoimmune processes.
The RF exposure resulted in minor increases in formation of antibodies in brain tissue extract and the exposure did not appear to be pathological.
In addition, a study was conducted to replicate a previous Soviet study on effects from the injection of blood serum from RF-exposed rats on pregnancy and foetal and offspring development of rats, using a similar animal model and protocol.
Our results showed the same general trends as the earlier study, suggesting possible adverse effects of the blood serum from exposed rats on pregnancy and foetal development of intact rats, however, application of these results in developing exposure standards is limited.

ラットに2450MHzの電磁界を全身に曝露、SARは0.16W/kgで、過去と同じ影響があるというデータを再現した、という研究結果。
原文を読むと、ラットは1日7時間電磁界に曝露していて、電磁界への曝露中は、飲み水と餌は制限したとある。
そのために、体重は通常の飼育箱で飼育した群に比べて、低くなっている。こうした影響もあったのかもしれない。
曝露強度として全身平均SARは0.16W/kgであるが、頭部の局所SARのピークは1W/kgである。

研究者はこれがNon-thermal 効果であると記述しているが、ICNIRPの一般公衆への曝露基準では全身曝露は最大0.08W/kgである。


タイトル：Extremely low-frequency electromagnetic fields affect the immune response of monocyte-derived macrophages to pathogens (pages 603–612)
研究者：Zafer Akan, Burak Aksu, et al;

Abstract
This study aimed to determine the effect of extremely low-frequency electromagnetic fields (ELF-EMF) on the physiological response of phagocytes to an infectious agent.
THP-1 cells (human monocytic leukemia cell line) were cultured and 50 Hz, 1 mT EMF was applied for 4–6 h to cells induced with Staphylococcus aureus or interferon gamma/lipopolysaccharide (IFγ/LPS).
Alterations in nitric oxide (NO), inducible nitric oxide synthase (iNOS) levels, heat shock protein 70 levels (hsp70), cGMP levels, caspase-9 activation, and the growth rate of S. aureus were determined.
The growth curve of exposed bacteria was lower than the control. Field application increased NO levels.
The increase was more prominent for S. aureus-induced cells and appeared earlier than the increase in cells without field application.
However, a slight decrease was observed in iNOS levels.
Increased cGMP levels in response to field application were closely correlated with increased NO levels. ELF-EMF alone caused increased hsp70 levels in a time-dependent manner.
When cells were induced with S. aureus or IFγ/LPS, field application produced higher levels of hsp70. ELF-EMF suppressed caspase-9 activation by a small extent. These data confirm that ELF-EMF affects bacterial growth and the response of the immune system to bacterial challenges, suggesting that ELF-EMF could be exploited for beneficial uses.
50Hz 1mTの磁界曝露で影響を見つけた。


タイトル：A numerical coefficient for evaluation of the environmental impact of electromagnetic fields radiated by base stations for mobile communications (pages 613–621)
研究者：P. Russo, G. Cerri and V. Vespasiani

Abstract
The aim of this study is the development of an Electromagnetic Environmental Impact Factor (EEIF).
This is a global parameter that represents the level of electromagnetic impact on a specific area due to the presence of radiating systems, such as base station (BS) antennas for mobile communications.
The numerical value of the EEIF depends only on the electromagnetic field intensity, a well-defined physical quantity that can easily be measured or computed.
The paper describes the significant parameters of the field distribution adopted to evaluate the EEIF, and the assumptions used to develop a proper scale of values.
Finally, some examples of application of the EEIF method are analyzed for real situations in a typical urban area.
イタリアの法律に基づく携帯電話基地局から発信される電波曝露の数値計算による評価法に関する研究


タイトル：Effect of static magnetic fields on the budding of yeast cells (pages 622–629)
研究者：Shigeki Egami, Yujiro Naruse and Hitoshi Watarai
Abstract
The effect of static magnetic fields on the budding of single yeast cells was investigated using a magnetic circuit that was capable of generating a strong magnetic field (2.93 T) and gradient (6100 T2/ m).
Saccharomyces cerevisiae yeast cells were grown in an aqueous YPD agar in a silica capillary under either a homogeneous or inhomogeneous static magnetic field.
Although the size of budding yeast cells was only slightly affected by the magnetic fields after 4 h, the budding angle was clearly affected by the direction of the homogeneous and inhomogeneous magnetic fields.
In the homogeneous magnetic field, the budding direction of daughter yeast cells was mainly oriented in the direction of magnetic field B.
However, when subjected to the inhomogeneous magnetic field, the daughter yeast cells tended to bud along the axis of capillary flow in regions where the magnetic gradient, estimated by B(dB/dx), were high.
Based on the present experimental results, the possible mechanism for the magnetic effect on the budding direction of daughter yeast cells is theoretically discussed.
３Tという強い静磁界にイースト菌を曝露した研究。

タイトル：Effects of a 300 mT static magnetic field on human umbilical vein endothelial cells (pages 630–639)
研究者：Lucia Potenza, Chiara Martinelli, Emanuela Polidori et al;
Abstract
This study describes the effects of a static magnetic field (SMF) on cell growth and DNA integrity of human umbilical vein endothelial cells (HUVECs).
Fast halo assay was used to investigate nuclear damage; quantitative polymerase chain reaction (QPCR), standard PCR, and real-time PCR were used to evaluate mitochondrial DNA integrity, content, and gene expression.
HUVECs were continually exposed to a 300 mT SMF for 4, 24, 48, and 72 h.
Compared to control samples (unexposed cultures) the SMF-exposed cells did not show a statistically significant change in their viability.
Conversely, the static field was shown to be significant after 4 h of exposure, inducing damage on both the nuclear and mitochondrial levels, reducing mitochondrial content and increasing reactive oxygen species.
Twenty-four hours of exposure increased mitochondrial DNA content as well as expression of one of the main genes related to mitochondrial biogenesis.
No significant differences between exposed and sham cultures were found after 48 and 72 h of exposure.
The results suggest that a 300 mT SMF does not cause permanent DNA damage in HUVECs and stimulates a transient mitochondrial biogenesis.
300mTの静磁界曝露によって細胞に影響を見たが、一時的な変化で、永久的な変化ではなかった。


タイトル：Effects of 180 mT static magnetic fields on diabetic wound healing in rats (pages 640–648)
研究者：Da Jing, Guanghao Shen, Jing Cai, Feijiang Li, Jinghui Huang et al;
Abstract
Diabetic wound (DW) problems are becoming a formidable clinical challenge due to the sharp increase in the diabetic population and the high incidence of DW.
Static magnetic field (SMF) therapy, an inexpensive and accessible noninvasive method, has been proven to be effective on various tissue repairs.
However, the issue of the therapeutic effect of SMF on DW healing has never been investigated.
The objective of this study was to systematically evaluate the effect of a 180 mT moderate-intensity gradient SMF on DW healing in streptozotocin-induced diabetic rats.
Forty-eight 3-month-old male Sprague–Dawley rats (32 diabetic and 16 non-diabetic rats) were assigned to three equal groups: normal wound, DW, and DW + SMF groups.
An open circular wound with 1.5 cm diameter was created in the dorsum.
The wound was covered with a dressing and the magnet was fixed on top of the dressing.
On days 5, 12, and 19, four rats of each group were euthanized and gross wound area, histology and tensile strength were evaluated.
The wound area determination suggested that SMF significantly increased the healing rate and reduced the gross healing time.
This result was further confirmed by histological observations.
The wound tensile strength, reflecting the amount and quality of collagen deposition, increased to a larger extent in the DW + SMF group on days 12 and 19 compared with the DW group.
The results indicated that 180 mT SMF presented a beneficial effect on DW healing, and implied the clinical potential of SMF therapy in accelerating DW repair and releasing the psychological and physical burdens of diabetic patients.
180ｍT静磁界は医療（治療）に有効かもしれない　という研究。


タイトル：Reduction of the earth's magnetic field inhibits growth rates of model cancer cell lines (pages 649–655)
研究者：Carlos F. Martino, Lucas Portelli, Kevin McCabeet al;
Abstract
Small alterations in static magnetic fields have been shown to affect certain chemical reaction rates ex vivo.
In this manuscript, we present data demonstrating that similar small changes in static magnetic fields between individual cell culture incubators results in significantly altered cell cycle rates for multiple cancer-derived cell lines.
This change as assessed by cell number is not a result of apoptosis, necrosis, or cell cycle alterations.
While the underlying mechanism is unclear, the implications for all cell culture experiments are clear; static magnetic field conditions within incubators must be considered and/or controlled just as one does for temperature, humidity, and carbon dioxide concentration.

細胞実験において、地磁気（静磁界）成分の有無で、細胞の成長が影響を受ける。
通常の地磁気の強さに対して、地磁気がない状態にすると、細胞の成長が抑制される。
実験による閾値は20μTであり、これより低いと成長が抑制される。
したがって。細胞実験を行う場合は、温度や湿度の管理に加えて、地磁気に関する配慮が必要になってくる。
以下にデータの一部を引用する。
45μTの通常の地磁気に比べて、低い場合の細胞数に違いが出ている。

　　　

タイトル：Protein changes in macrophages induced by plasma from rats exposed to 35 GHz millimeter waves (pages 656–663)
研究者：Roza K. Sypniewska, Nancy J. Millenbaugh, Johnathan L. Kiel　et al;
Abstract
A macrophage assay and proteomic screening were used to investigate the biological activity of soluble factors in the plasma of millimeter wave-exposed rats. NR8383 rat macrophages were incubated for 24 h with 10% plasma from male Sprague–Dawley rats that had been exposed to sham conditions, or exposed to 42 °C environmental heat or 35 GHz millimeter waves at 75 mW/cm2 until core temperature reached 41.0 °C.
Two-dimensional polyacrylamide gel electrophoresis, image analysis, and Western blotting were used to analyze approximately 600 protein spots in the cell lysates for changes in protein abundance and levels of 3-nitrotyrosine, a marker of macrophage stimulation.
Proteins of interest were identified using peptide mass fingerprinting.
Compared to plasma from sham-exposed rats, plasma from environmental heat- or millimeter wave-exposed rats increased the expression of 11 proteins, and levels of 3-nitrotyrosine in seven proteins, in the NR8383 cells.
These altered proteins are associated with inflammation, oxidative stress, and energy metabolism.
Findings of this study indicate both environmental heat and 35 GHz millimeter wave exposure elicit the release of macrophage-activating mediators into the plasma of rats.

35GHzをラッとの血漿に曝露した実験、41度Cまで温度上昇させての熱作用に関する研究。

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６．BEMS Vol. 37 No. 6　2016年9月　論文誌に掲載された論文

記：２０１８−５−５

１）北條らの電磁波過敏症に関する研究

掲載誌：Bioelectromagnetics. 37:353–372, 2016.
タイトル：Development and evaluation of an electromagnetic hypersensitivity questionnaire for Japanese people

　日本人を対象とした電磁波過敏症に関する質問票の開発と評価
研究者：Sachiko Hojo Mikiko Tokiya Masami Mizuki et al:

Abstract 概要
The purpose of the present study was to evaluate the validity and reliability of a Japanese version of an electromagnetic hypersensitivity (EHS) questionnaire, originally developed by Eltiti et al. in the United Kingdom.
本研究の目的は、英国のEltititらが開発した電磁波過敏症に関する質問票の日本語版の信頼性と有効性を評価することである。

Using this Japanese EHS questionnaire, surveys were conducted on 1306 controls and 127 self‐selected EHS subjects in Japan.
この電磁波過敏症の質問票を用いて、日本における自己認定電磁波過敏症者127人、対照群1306人に対して、調査を行った。

Principal component analysis of controls revealed eight principal symptom groups, namely, nervous, skin‐related, head‐related, auditory and vestibular, musculoskeletal, allergy‐related, sensory, and heart/chest‐related.
基本要因解析は、神経質、皮膚関連、頭部関連、聴覚および前庭、筋骨格系、アレルギ関連、感覚、心臓・胸関連の8つの基本症状グループを明らかにした。

The reliability of the Japanese EHS questionnaire was confirmed by high to moderate intraclass correlation coefficients in a test–retest analysis, and high Cronbach's α coefficients (0.853–0.953) from each subscale.
日本語版電磁波過敏症質問票の信頼性は、それぞれのサブ指数において、試験―再試験解析における相関係数と、Cronbach　のα係数が高度から中度であることから、確認した。

A comparison of scores of each subscale between self‐selected EHS subjects and age‐ and sex‐matched controls using bivariate logistic regression analysis, Mann–Whitney U‐ and χ2 tests, verified the validity of the questionnaire.
bivariate logistic regression解析、Mann–Whitney U‐ and χ2テストを用いた自己認定電磁波過敏症者と年齢・性別をマッチさせた対照群との間のサブ指数の数値の比較で、この質問票の有効性を確認できた。

This study demonstrated that the Japanese EHS questionnaire is reliable and valid, and can be used for surveillance of EHS individuals in Japan.
この研究で、日本語版電磁波過敏症質問票は有効であり、信頼できることが示された。そして、日本における電磁波過敏症者個々の確認に有効であることが示された。

Furthermore, based on multiple logistic regression and receiver operating characteristic analyses, we propose specific preliminary criteria for screening EHS individuals in Japan.
さらに、multiple logistic regression解析とreceiver operating characteristic解析に基づき、日本における個々の電磁波過敏症者の判定に使う1次判定に使うことを、我々は提案する。


２）携帯電話の電磁波による精子への影響に関する研究

掲載誌：Bioelectromagnetics. 37:373–381, 2016.
タイトル：Effects of 1950 MHz W‐CDMA‐like signal on human spermatozoa
1950ＭＨz　W-CDMA類似の信号の人の精子への影響
研究者：Setsu Nakatani‐Enomoto, Miho Okutsu, Yoshikazu Ugawa et al:

Abstract 概要
There are growing concerns about how electromagnetic waves (EMW) emitted from mobile phones affect human spermatozoa.
携帯電話から輻射される電磁波による人の精子に影響を与えることに関する不安が広がっている。

Several experiments have suggested harmful effects of EMW on human sperm quality, motility, velocity, or the deoxyribonucleic acid (DNA) of spermatozoa.
人の精子の質・運動力・速度や精子のDNAへの電磁波の健康影響が、幾多の研究によって示唆されている。

In this study, we analyzed the effects on human spermatozoa (sperm motility and kinetic variables) induced by 1 h of exposure to 1950 MHz Wideband Code Division Multiple Access (W‐CDMA)‐like EMW with specific absorption rates of either 2.0 or 6.0 W/kg, using a computer‐assisted sperm analyzer system.
本研究で我々は、コンピュータ支援の精子解析装置を用いて、SARが2.0もしくは6.0W/kgの電磁波、この電磁波は1950ＭＨzのW-CDMA方式で、1時間の曝露によって、精子（運動力と運動変数）への影響を調査した。

We also measured the percentage of 8‐hydroxy‐2′‐deoxyguanosine (8‐OHdG) positive spermatozoa with flow cytometry to evaluate damage to DNA.
DNAの損傷を調べるために流動細胞計測法を用いて、８-OHdG陽性精子の割合を測定した。

No significant differences were observed between the EMW exposure and the sham exposure in sperm motility, kinetic variables, or 8‐OHdG levels.
精子の運動力、運動変数、８-OHdGに関しては、電磁波曝露群と対照群の間に統計的な有意差はなかった。

We conclude that W‐CDMA‐like exposure for 1 h under temperature‐controlled conditions has no detectable effect on normal human spermatozoa.
我々は、制御された状態での1時間のW-CDMA類似の電磁波曝露は、一般の人の精子の検出可能な影響はみられなかったと結論付けた。

Differences in exposure conditions, humidity, temperature control, baseline sperm characteristics, and age of donors may explain inconsistency of our results with several previous studies.
湿度、温度制御、基本となる精子の性質、提供者の年齢などの曝露条件の差異が、幾多のこれまでの研究と我々の研究が一致しない理由であるかもしれない。

３）携帯電話の電磁波曝露で、基地局からの電磁波曝露より、端末からの曝露が大きいという研究。

掲載誌：Bioelectromagnetics. 37:382–390, 2016.
タイトル：Comparison of average global exposure of population induced by a macro 3G network in different geographical areas in France and Serbia
フランスとセルビアという異なる地理学上の地域における携帯電話のマクロ３G通信網によって発生する平均的な人々の曝露の比較
研究者：Yuanyuan Huang, Nadège Varsier, Stevan Niksic et al:

Abstract 概要
This article is the first thorough study of average population exposure to third generation network (3G)‐induced electromagnetic fields (EMFs), from both uplink and downlink radio emissions in different countries, geographical areas, and for different wireless device usages.
本稿は、第3世代の携帯電話通信網で発生する電磁波の住民の平均曝露を、アップリンク（携帯電話端末から基地局に向けての無線通信）とダウンリンク（携帯電話基地局から発信される無線通信）の両方に関して、地理学的に異なる国で、用いている無線装置が異なることを念頭に、最初の徹底的に行った研究である。

Indeed, previous publications in the framework of exposure to EMFs generally focused on individual exposure coming from either personal devices or base stations.
実際に、電磁波の曝露に関するこれまでの刊行物では、個人で使用する装置からか、もしくは基地局からの曝露のいずれかに焦点を当てていた。

Results, derived from device usage statistics collected in France and Serbia, show a strong heterogeneity of exposure, both in time, that is, the traffic distribution over 24 h was found highly variable, and space, that is, the exposure to 3G networks in France was found to be roughly two times higher than in Serbia.
フランスとセルビアで収集された統計を用いた解析から得られた結論は、曝露の強い不均質が見られ、時間でも見られ、すなわち、24時間のトラフィック（通信量）の分布は高度に変化し、場所でも変化している。フランスにおける３G通信網による曝露量は、セルビアにおける量の約2倍であることが判った。

Such heterogeneity is further explained based on real data and network architecture.
そうした不均質さは実際のデータと通信網の構成によるものと、説明される。

Among those results, authors show that, contrary to popular belief, exposure to 3G EMFs is dominated by uplink radio emissions, resulting from voice and data traffic, and average population EMF exposure differs from one geographical area to another, as well as from one country to another, due to the different cellular network architectures and variability of mobile usage.
結論のひとつとして、我々は、一般の人の思いに反して、３Gによる電磁波曝露では、音声とデータ通信時に発生するアップリンク無線通信による曝露が主要な曝露であり、そして、平均的な人々の電磁波曝露量は地理学的な領域によって異なる（国によっては異なり、携帯電話通信網の構築や携帯電話の使用の頻度の違いなどによる）ことを示す。

BEMSJ注：携帯電話からの電磁波曝露で、ダウンリンク（携帯電話基地局から発信される無線通信）より、アップリンク（携帯電話端末から基地局に向けての無線通信）による曝露が大きいという結果は、注目すべきである。

４）無線周波数電磁界はマウスの記憶障害を悪化させない　という研究

掲載誌；Bioelectromagnetics. 37:391–399, 2016.
タイトル：1950 MHz radiofrequency electromagnetic fields do not aggravate memory deficits in 5xFAD mice
1950MHz無線周波数電磁波は5xFADマウスの記億障害を悪化させない。
研究者：Yeonghoon Son, Ye Ji Jeong, Jong Hwa Kwon et al:

Abstract 概要
The increased use of mobile phones has generated public concern about the impact of radiofrequency electromagnetic fields (RF‐EMF) on health.
携帯電話の使用の増加は、一般公衆に、無線周波数電磁波の健康への影響に関する不安をもたらしている。

In the present study, we investigated whether RF‐EMFs induce molecular changes in amyloid precursor protein (APP) processing and amyloid beta (Aβ)‐related memory impairment in the 5xFAD mouse, which is a widely used amyloid animal model.
本研究では、電磁波によって、5xFAD マウスにおけるAPP（アミロイド先駆体たんぱく質）の加工とアミロイドベータ関連記憶障害に分子の変化が誘発されるか、すなわち広く使用されているアミロイド動物モデルを用いて、調査を行った。

The 5xFAD mice at the age of 1.5 months were assigned to two groups (RF‐EMF‐ and sham‐exposed groups, eight mice per group).
1・5か月齢の5xFADマウスを無線周波電磁波曝露群と、疑似曝露群に、各8匹、割り当てた。

The RF‐EMF group was placed in a reverberation chamber and exposed to 1950 MHz electromagnetic fields for 3 months (SAR 5 W/kg, 2 h/day, 5 days/week).
電磁波曝露群は、電波暗室の中に置かれ、1950MHzの電磁波を3か月間曝露した（SARは5W/�s、1日2時間、週5日）。

The Y‐maze, Morris water maze, and novel object recognition memory test were used to evaluate spatial and non‐spatial memory following 3‐month RF‐EMF exposure.
Y型迷路、モリス水盤迷路、そして著名な認識記憶検査を電磁波曝露3カ月後に、空間認識及び非空間認識記憶の評価のために、行った。

Furthermore, Aβ deposition and APP and carboxyl‐terminal fragment β (CTFβ) levels were evaluated in the hippocampus and cortex of 5xFAD mice, and plasma levels of Aβ peptides were also investigated.
さらに、5xFADマウスの海馬と大脳皮質において、Aβ堆積、APPとCTFβレベルを評価し、そして、Aβペプチドの血漿レベルも評価した。

In behavioral tests, mice that were exposed to RF‐EMF for 3 months did not exhibit differences in spatial and non‐spatial memory compared to the sham‐exposed group, and no apparent change was evident in locomotor activity.
行動力のテストでは、3カ月電磁波に暴露したマウスは、疑似曝露群と比較して、空間及び非空間記憶に差異は生じなかった。そして、外観上の変化はないのが歩行活性の確証であった。

Consistent with behavioral data, RF‐EMF did not alter APP and CTFβ levels or Aβ deposition in the brains of the 5xFAD mice.
行動力のデータと一致して、電磁波曝露は5xFADマウスにおける、APPとCTFβレベルもしくはマウスの脳におけるAβ堆積を変化させなかった。

These findings indicate that 3‐month RF‐EMF exposure did not affect Aβ‐related memory impairment or Aβ accumulation in the 5xFAD Alzheimer's disease model.
これらの結果は、3カ月の無線周波電磁波曝露が、記憶障害に関連するAβに影響を与えず、また、5xFADのアルツハイマー病モデルにおけるAβ集積に影響を与えないことを示している。


５）100ｍT（1000ガウス）の静磁界が植物の発育に有効　という研究

掲載誌：Bioelectromagnetics. 37:400–408, 2016
タイトル：Pre‐sowing static magnetic field treatment for improving water and radiation use efficiency in chickpeaヒヨコマメ (Cicer arietinum L.) under soil moisture stress
土壌の水分状況におけるひよこ豆の、水と照射の効率改善のために、種まき前の静磁界への曝露
研究者：Nilimesh Mridha, Sudipta Chattaraj, et al:

Abstract
Soil moisture stress during pod filling is a major constraint in production of chickpea (Cicer arietinum L.), a fundamentally dry land crop. We investigated effect of pre‐sowing seed priming with static magnetic field (SMF) on alleviation of stress through improvement in radiation and water use efficiencies.

Experiments were conducted under greenhouse and open field conditions with desi and kabuli genotypes.

Seeds exposed to SMF (strength: 100mT, exposure: 1 h) led to increase in root volume and surface area by 70% and 65%, respectively.
This enabled the crop to utilize 60% higher moisture during the active growth period (78–118 days after sowing), when soil moisture became limiting.
Both genotypes from treated seeds had better water utilization, biomass, and radiation use efficiencies (17%, 40%, and 26% over control).
Seed pre‐treatment with SMF could, therefore, be a viable option for chickpea to alleviate soil moisture stress in arid and semi‐arid regions, helping in augmenting its production.

it could be a viable option to improve growth and yield of chickpea under deficit soil moisture condition, as the selection and breeding program takes a decade before a tolerant variety is released.


６）静磁界に関する研究

掲載誌：Bio electromagnetics. 37:409–422, 2016.
タイトル：Dielectric polarization transients in biological tissue moving in a static magnetic field
静磁場中を移動する生体組織における誘電分極の過渡現象
研究者：Kari Jokela, Ilkka Laakso

Abstract

Movement of a body in a static magnetic field gives rise to the Lorentz force that induces in the medium both electric currents and dielectric polarization.

It is usually assumed that the conductivity of biological tissues is sufficiently high in order to neglect dielectric phenomenon arising from non‐equilibrium of polarization charges. However, the permittivity of biological tissues is extremely high and the relaxation time of free charges is relatively low. In this study, we examined the effect of dielectric polarization on the electric field (EF) induced by human movements in a strong magnetic field (MF). Analytic equations for brain and bone equivalent spheres translating and rotating in a uniform MF were derived from Maxwell equations.

Several examples were computed by using Fast Fourier Transform to examine transient dielectric effects in a time domain.
The results showed that dielectric polarization transients do arise, but in the case of homogeneous medium, they are vanishingly small.
In contrast, the local dielectric transients are not vanishingly small in heterogeneous medium.
However, due to limited acceleration and deceleration of normal human movements, the transients are relatively small, at maximum a few dozen percent of the EF induced by the change of the magnetic flux.

Taking into account the high uncertainty in numerical simulation, the dielectric transients can be neglected in the case of biological materials but not in the case of many non‐biological materials of low conductivity.

BEMSJ注：難解。

７）400kV高圧送電線下での作業の安全性

掲載誌：Bio electromagnetics. 37:423–428, 2016.
タイトル：Current densities and total contact currents during forest clearing tasks under 400 kV power lines
400 kVの電力線の下で森林伐採作業中の人の電流密度と総接触電流
研究者：Leena Korpinen, Harri Kuisti, Jarmo Elovaara

Abstract 概要
The aim of the study was to analyze all values of electric currents from measured periods while performing tasks in forest clearing.
この研究の目的は、森林伐採の作業を実行しながら測定を行った期間で得られたすべての電流値を解析することである。

The objective was also to choose and analyze measurement cases, where current measurements successfully lasted the entire work period (about 30 min).
目標は、作業期間全体（約30分）に首尾よく継続した測定できた電流測定値を、選択と分析を行うことでした。

Two forestry workers volunteered to perform four forest clearing tasks under 400 kV power lines.
2人の林業従事者が、400kVの電力線の下で4回の森林伐採作業を行うことを志願した。

The sampling frequency of the current measurements was 1 sample/s.
電流測定のサンプリング周期は、1秒間に1回とした。

The maximum values of the current densities were 1.0–1.2 mA/m2 (calculated internal EFs 5.0–12.0 mV/m), and the average values were 0.2–0.4 mA/m2.
電流密度の最大値は1.0–1.2 mA/m2 (計算による体内電界強度は5.0–12.0 mV/m)、平均値は0.2–0.4 mA/m2であった。

The highest contact current was 167.4 μA.
最も高い接触電流は167.4μAであった。

All measured values during forest clearing tasks were lower than basic restrictions (0.1 V/m and 0.8 V/m) of the International Commission on Non‐Ionizing Radiation Protection.
森林清掃作業中の全ての測定結果は国際非電離放射線防護委員会の基礎指針（0.1V/m、0.8V/ｍ）より低かった。

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１．１９９９年生体電磁気学会の年次総会から

６月にアメリカで開催される年次総会のプログラムが届いた。
講演される演題を眺めてみた。

１）VDTやパソコンからの電磁波に関する論文は,以下の１点に過ぎない。
但し、フランスのテクノAO関連でTV受信機を用いた動物実験の報告が２項にリストする物がある。

論文：W. T. Kaune et al: Children’s exposure to magnetic fields produced by television sets used for viewing programs and playing video games.

２）テクノAO絡みと思われるTV受信機を用いた動物実験の報告がある。
ポスター展示： L. Bonhomme-faivre et al: Hematological effects of low doses of television emitted radiation in mice：:A parallel study with protective equipment.
論文発表： L. Bonhomme-faivre et al: Control variations observed in mice placed in front of a color TV screen:　a feedback control?

３）日本からの研究報告がある。
兜先生も参加した研究もある。
ポスター展示：Y. kurokawa. M. Kabuto et al: Acute effects of 50 Hz magnetic field on heart rate and cognition/performance tests in Humans.

４）特記すべきは、送電線からの磁界と小児がんの関連を示唆する疫学で用いられたワイヤーコードと交通量の関係を示す研究が報告される予定。
論文：H. Wachtel et al: Traffic density and wire codes may be risk cofactors for childhood cancer.
ポスター展示：R. Pearson et al: Wire codes and traffic density are associated on a citywide basis.

５）特記すべきは、日本の久光先生は数年前の研究で磁気で癌細胞を殺す効果を発見しているが、その再現実験なのか、ドイツ／アメリカから類似の研究発表がある。
G. Nindl et al: Electromagnetic 60 Hz fields increase apoptosis of lymphocytes-A new area for possible therapeutic employment of EMFs.

論文・ポスター展示では、低周波の電磁界、携帯電話等の高周波電磁波等、多岐にわたる研究成果が発表される予定。

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１Ａ．BEMS2000年総会予稿集から

予稿集の中から電磁波過敏症とVDTに関する発表を取り出しました。　その概要を紹介します。　

原典：　Abstract collection　Bioelectromagnetics Society　Annual Meeting, June 9-16, 2000.　Munchen, Germany　

15-2）300ガウス、3000ガウスという強い靜磁場はヒトの血流に影響を与える。

CHANGES IN OXYGEN SATURATION LEVEL IN BLOOD DUE TO EXPOSURE TO STATIC MAGNETIC FIELDS

T.D. Kutrumbos* and F.S. Barnes

CONCLUSION: An array of strong magnets may change the SpO2 levels in blood in either the positive or negative direction.　

15-3）ロシアの鉄道員に心臓疾患が多いことから電気機関車の直流・交流磁気の影響を考えた。
直流と交流を重畳した磁界を健康なヒトに印加して心拍数などの変化を調査。
結果は磁界暴露によって少ないが有意な変化が現れた。　

IS THERE PHYSIOLOGICAL RESPONSE TO COMBINED DC/AC MF EXPOSURE WITH　PARAMETERS "SIMULATING" ELECTRIC ENGINE CONDITIONS?
E. Lyskov, M. Chernyshov, I. Nikeshina, V. Mikhailov, G. Sokolov and A. Vishnevskiy.

CONCLUSIONS: Data do not conflict with main project hypothesis. However, more pronounced CNS and ANS "stress" responses would be　expected, in context of possible links between MF exposure and chronic cardiovascular disorders.

This work was supported by European Commission (contract　NERBIC15-CT96-0303).

15-4）電磁波過敏症といわれる人の睡眠への影響を調査。
20ガウスから60ガウスの50Hz交流磁界を2重盲検法で印加したら、翌朝の気分などに影響が現れた。　
（コメント；20ガウスの交流磁界では体内に誘導電流が流れるので、健常人にも影響が出る？）　

PROJECT NEMESIS: DOUBLE-BLIND STUDY ON EFFECTS OF 50HZ EMF ON SLEEP QUALITY AND PHYSIOLOGICAL PARAMETERS IN PEOPLE SUFFERING　FROM ELECTRICAL HYPERSENSITIVITY.
Ch.H. Mueller, H. Krueger and Ch. Schierz 　

RESULTS: 　
There was a significant overall effect of the EMF-provocation on subjective parameters in the morning: p=0.042. The EMF-provocation　 affected the emotional scores pleasure and arousal in the morning (pPleasure=0.011; pArousal=0.046), the sleep quality score was not　affected. 90 Further inspection of the results revealed a trend　towards a positive correlation between the EMF-provocation and　well-being in the morning.

15-5）ストックホルムでアンケート調査を実施したら電磁波に過敏であると回答した割合は１．５％に上った。
（コメント：アンケートでは何を過敏症といっているのか個々の回答者によって異なるので、もう少し厳密な調査、再現実験などが必要）　
PREVALENCE OF REPORTED HYPERSENSITIVITY TO ELECTRICITY IN A POPULATION-BASED SURVEY.
L. Hillert, N. Berglind, B.B. Arnetz

RESULTS: Of all respondents, 1.5 % reported hypersensitivity to electric or magnetic fields. The prevalence was higher in women than in men and the syndrome was most common in the age group 60-69 years (2.1 %). 　

15-6 ）携帯電話の電磁波に過敏であると訴える人を対象に再現実験を行った。
結果、過敏というヒトは携帯電話からの電波が出ていることを正確に当てることは出来なかった。

PROVOCATIVE TESTING OF HYPERSENSITIVITY TO CELLULAR PHONES
M. Hietanen and A.-M. Hamalainen：Finnish Institute of Occupational

RESULTS: All of the test persons had more or less severe subjective symptoms during the provocative tests. However, none of them could correctly differ a real exposure from a sham exposure. Hence, the results of these experiments did not demonstrate clear connection between perceived health problems and　the RF field exposure.　

P-205） テクノAOの効果の検証実験、106日後の副腎皮質ホルモンはTVの前で飼育した場合は変化せず、別室で飼育した対照群とテクノAOをつけたTVで飼育した鼠の変化は同じ傾向であった。このことからテクノAOはテレビからの影響を防護していると。　
（コメント：Cortisolはcortisoneのこと？　副腎皮質ホルモン。副腎皮質ホルモンは鼠の成育でどのように変化するのが正しい？それによってこの研究が正しく鼠を飼育していたか、研究成果が信頼できるかがわかる。）　

CORTISOL ALTERATIONS OBSERVED IN MICE PLACED IN FRONT OF A COLOR T.V SCREEN : A PARALLEL STUDY WITH A PROTECTIVE EQUIPMENT.
L. Bonhomme-Faivre R. Santini , S. Orbach-Arbouys　

CONCLUSION: Several studies have shown a decrease in cortisol values after exposure to ELF. It could be objected that light from the TV screen could have had an influence on cortisol secretion. 　
It seems however more likely that the effects on cortisol are due to EMF since it has already been reported (1,2) and since cortisol　is not diminished in antenna protected mice placed under day light.　

CORTISOL VALUE ng/ml: DAY 21 DAY 106　
CONTROL 5.9 ± 3.5 35.5 ± 14.8 　
EXPOSED 10.7 ± 5.4 15.4 ± 10.5 　1,　2　
EXPOSED-PROTECTED 8.9 ± 4.9 31.6 ± 19.9　
Student's t test: p<0.05 : 1 - compared to control, 2 - compared to exposed protected.

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２．BEMS2001年総会の予稿集から　

全231ページ　PDFファイルで約2.7MBと膨大、　その中から関係しそうな論文だけを抜き出した。
濃茶色の部分はBEMSJが重要と思う個所、　各論の最後に、概要と筆者のコメントを追記した。

１．VDU, TV, Miscarriageという用語は予稿集には登場せず。　

２．VDTという言葉が登場した唯一の研究　
P63：SYMPTOMS EXPERIENCED BY USERS OF DIGITAL CELLULAR PHONES.
R. Santini, M. Seigne*, L. Bonhomme-Faivre*, S. Bouffet*, E. Defreasne*, M. Sage*.　

RESULTS: No significant difference is observed between non-users and users of cellular phones for general symptoms.

This result has to be put in perspective with the facts that:　
- a/ non-users are in reality exposed to electromagnetic sources they know (70 % of them are exposed to VDT) or they don't know (microwaves from base stations, ELF from electrical wiring .... ) 　

- b/in our study, the use of cellular phones by users is not important: for example, the mean for the number of calls per day is < 5 and the mean of calling time per day is < 15 minutes.
Cellular phone users significantly (P < 0.05) more often complain of discomfort, warmth and pricking on the ear during communication, in relation with calling duration ( > 2 minutes) and number of calls ( > 2 calls) per day. 　

The type of antenna has no significant effect on frequencies of complaints reported by cellular phones users. Users of 1800 MHz significantly (P<0.05) complain more often of concentration difficulties than 900 MHz users.　

The use of both cellular phone and VDT significantly (P < 0.05) increases concentrating difficulties. In users of cellular phones, women significantly (P < 0.05) complain more often of sleep disturbances than men. This sex difference for sleep disturbances is not observed between women and men non-users of cellular phones.　

CONCLUSION: Some of our results are new, compared to Mild report (2), as for example, sex difference for complaints about sleep disturbances, 1800 versus 900 MHz users difference for concentrating difficulties, ....　

We think that the warmth sensation on the ear reported here by digital cellular phones users during communication, is the result, at the skin level of microwave cerebral hyperthermia, because microwaves increase temperature of a material from inside to outside (3) and because warmth receptors are in the skin.　

Thus the warmth sensation on the ear might be a signal for users indicating that it is time to stop the call.

概要：　アンケートで携帯電話利用者と非利用者の症状を聞いた。
結果、携帯電話とＶＤＴを使用している人に集中力散漫というケースが多い。
　女性の携帯電話使用者に夜眠れないという愁訴が多い。　
耳の所が携帯電話の使用で携帯電話の電波で熱く感じるのは、電話をすることを止めろという合図かも知れない。　
（コメント；携帯電話の電力程度で耳の部分の温度が上昇する？）　

３．電磁波過敏症に関する研究　

6-5:24H HOLTER ECG RECORDING AND PARALLEL MONITORING OF ELF MAGNETIC FIELD EXPOSURE IN PERSONS WITH PERCEIVED ELECTRICAL HYPERSENSISTIVITY. 　
M.Sandstrom 1 , K.H. Mild 1,2 , R Hörnsten 1,3 *, E. Lyskov 1 .　

METHOD: We have used 24h Holter recording (Tracker 2, Reynolds Medical Ltd UK, two channels 24 hour ambulatory tape recorder) to monitor the basic autonomous nervous system processes - ECG, HR and heart rate variability(HRV) - which are the most sensitive integral parameters of central and autonomous regulation. 　

The EMF monitoring was done by using EMDEX II instruments. The participant wore the ECG and EMF recorders for 24 hours during a typical working day and maintained a concurrent diary of the activities during that time.

The ECG recording have been analyzed for possible transient abnormalities of neuro-cardio-vascular regulation (arrhythmia's, extrasystols etc.) and quantitative assessment of ongoing balance of sympatho-parasympathetic regulation.　

A standard program was used to detect and calculate pathological events as well as the dynamic of HR and HRV.　

Two groups of subjects (14 persons in each) was included in the investigation. Patients with perceived EHS symptoms was selected from the Departments of Occupational Medicine and Dermatology at the Norrland University Hospital (Umeå, Sweden). Age and sex matched healthy people were used as controls.　

RESULTS and DISCUSSION: The magnetic field recording showed the normal variation during the 24 h with low values during night time and occasionally high values were encountered in daytime.

No differences were found between the two groups, neither for the mean values of the broadband recording (0.09 and 0.11 µT for the patients and the controls, respectively) nor the harmonic content (corresponding values here were 0.03 µT for both groups).

We found no difference between the groups in the mean HR for the 24 h, nor was there any difference during night time. 　

However, the HRV analyses showed that the ratio LF/HF ( LF= 0.05 – 0.15 Hz, HF= 0.15 – 0.30 Hz) was higher for the patient group over the 24 h period than for the control group.

The difference between the groups was in the ratio LF/HF was even larger during night time. The higher ratio indicates a higher symphaticus activity. This findings is in accordance with the results from previous clinical investigations of patients with perceived EHS.

概要：　電磁波過敏症といわれる人と健常者が心電図と電磁界曝露計を24時間携えて測定した。
両グループの間に暴露した電磁界に差異はない。過敏症の群に心電図のデータが健常群と異なる。
（コメント：心電図のデータに差異があるからといって、過敏な人は電磁波の影響を受け易いといえるのか？？）

４．疫学研究から　

3-1:A NATIONWIDE GERMAN POPULATION-BASED CASE-CONTROL STUDY ON CHILDHOOD LEUKEMIA AND RESIDENTIAL MAGNETIC FIELDS.　
J. Schuz 1 *,J.P. Grigat 2 *,B. Stormer 2 *,K. Brinkmann 2 ,J. Michaelis 1 *.

OBJECTIVES: We investigated whether exposure to residential power-frequency (50 Hz) magnetic fields above 0.2µT increases a child’s risk of leukemia. One major task of this study was to confirm or to reject a finding of a previous German study on this topic which reported an increased leukaemia risk with exposure to stronger magnetic fields during the night [1].

RESULTS: Magnetic fields above 0.2µT were a relatively rare event in Germany (only 1.5% of the study population) [2]. 　
Less than one third of all median magnetic fields above 0.2µT were produced by high-voltage power lines. Childhood leukaemia and 24 hours median magnetic fields were only weakly related (odds ratio 1.55, 95% confidence interval 0.65-3.67).

Based on 12 exposed cases and 12 exposed controls, a statistically significant association was seen between childhood leukaemia and magnetic field exposure during the night (3.21, 1.33-7.80).

A dose-response-relationship for night-time exposure was observed after combining the data of all German studies on magnetic fields and childhood leukaemia (p for trend <0.01) [3].

CONCLUSIONS: The evidence for an association between childhood leukaemia and magnetic fields in our study comes from a measure of the child’s exposure during the night. Albeit the large size of this study, the results are based on small numbers of exposed children. If the observed association stands, the effect on a population level in Germany would be small.

概要：　24時間子供の寝室及び長い間すごす部屋の磁界を測定。　
24時間の磁界平均値と小児白血病のオッズ比は1.55(CI 0.65-3.67),夜間の磁界値と小児白血病のオッズ比は3.21（CI 1.33-7.80）と増加。　
（コメント：症例が12とは少なすぎない？　）　　

3-2：MORTALITY FROM NEUROLOGICAL DISEASE IN A COHORT OF ENGINEERING　INDUSTRY WORKERS EXPOSED TO ELF MAGNETIC FIELDS.
N. Hakansson： P. Gustavsson： C. Johansen： B. Floderus

METHODS: The study was based on a cohort with an increased prevalence of resistance welders (highly exposed to ELF MF). In order to establish the cohort, we identified branches of industries where resistance welding could take place. 　

The second step was to identify work places within these branches of industries during the study period (1985-96). Finally, we identified 537 692 men and 180 529 women employed at the selected work places.

The cohort was matched against the Causes of Death registry and the three most recent censuses. Levels of ELF MF exposure were obtained from a job exposure matrix.

Based on occupation according to the censuses, four levels of exposure were used (low, medium, high and very high exposure). We analyzed both underlying and contributing causes of death. Relative risk estimates (RR) were based on Cox regression.　

RESULTS: No association was found for all neurological diseases combined.

There was an elevated risk among both men and women for Alzheimer’s disease and the risk tended to increase with increasing exposure level for both sexes. 　
Furthermore, we found an elevated risk for amyotrophic lateral sclerosis (ALS) and also for this disease there was a suggestion of an exposure-response relationship.

We found no association for Parkinson’s disease, multiple sclerosis or epilepsy. e did not find any association.

DISCUSSION: The findings in this study are in line with previous reports of an increased mortality and risk for Alzheimer’s disease and ALS among employees occupationally exposed to ELF MF.　

An advantage of this study is the possibility to evaluate exposure-response relationships due to the increased prevalence of high exposed subjects.

An important limitation is that the analyses were based on mortality data. The relationships between exposure to ELF MF and neurodegenerative diseases should be further verified, preferably based on morbidity data.　

概要：　ドイツで溶接工の様に磁界暴露の多い職業では、他の研究と同じく、アルツハイマー病等のリスクが増加している。　
（コメント；アブストラクトには増加したリスクの大きさや信頼性区間がなく、どの程度の大きさのリスクなのか判断できない。）　

3-3：CANCER AND HIGH VOLTAGE POWERLINES WITH RESPECT TO WIND DIRECTION.
A. Preece, M.G. Wright*, G.R. Iwi*, E. Dunn*, D.J. Etherington*

BACKGROUND: The past 20 years has seen considerable research into the health effects of exposure to power frequency magnetic fields, where a number of studies, notably those near high voltage power lines　have suggested an association with childhood leukaemia 1 .

These studies have looked at cases of cancer within 50m of power lines (the range of the magnetic field)2 and have considered only distance and not prevailing wind direction; at these distances any wind direction effects are likely to be obscured.

Recent studies have suggested that aerosols produced by very high voltage lines might combine with pollutants and indirectly might be a mechanism for increased cancer rates 3.　

RESULTS: The ratio of the observed to expected number of cancer registrations up or down wind with the 95% confidence intervals were compared for different cancers (Table 1).

There is a statistically different incidence (raised) downwind compared to upwind for mouth and respiratory cancer, but no differences for combined stomach and colorectal cancer.　

For the "false lines", the only significant result is a lower incidence downwind for stomach and colorectal cancers. As can be seen in Figure 1, there are some small differences in the age distribution of the two populations when down and up wind are compared as a ratio.　

There are similar problems with considering socio-economic status. This and age has implications for smoking behaviour. This study is now being expanded to cover the complete South and West Cancer Intelligence Unit region - population 4.9 million compared to 1 million in Avon. 　

The resulting increase in cancer registrations should reduce the confidence intervals and allow correction factors to be added to account for the different age distributions.

		“False lines" in Avon	Cases	Real lines in Avon County	Cases
All Cancers	Downwind	0.97 (0.94-1.00)	4113	1.05 (1.02-1.08)	4028
	Upwind	1.00 (0.97-1.03)		1.00 (0.97-1.03)
Mouth	Downwind	1.04 (0.80-1.28)	58	1.43 (1.15-1.71)	43
C00-C14	Upwind	1.00 (0.73-1.27)		1.00 (0.71-1.29)
Respiratory	Downwind	1.04 (0.96-1.12)	559	1.11 (1.02-1.20)	530
C30-C37	Upwind	1.00 (0.91-1.09)		1.00 (0.92-1.08)
Digestive	Downwind	0.91 (0.84-0.98)	802	0.98 (0.91-1.05)	762
C15-C26	Upwind	1.00 (0.93-1.07)		1.00 (0.93-1.07)

Table 1: The incidence of cancer upwind or downwind of high voltage powerlines. Observed/expected (95% C.I.) based on an estimate of population (with the statistically significant differences in bold)　

概要：　送電線からのエアロゾルの影響で発癌リスクの増加がないか研究、送電線の風上に住む人に比べて、風下に住む人に僅かな癌のリスク増加が見られる。　リスクは1.05、1.11、1.43と大きくはない。　　

3-4:THE PLAUSIBILITY OF CO-CARCINOGENS FROM COMBINED EXPOSURE TO　AUTOMOTIVE EMISSIONS AND ELECTROMAGNETIC FIELDS.
H. Wachtel l , R.I. Pearson 2 . 　

BACKGROUND: Several studies have linked proximity to high ampacity power lines [very high current configuration (VHCC) wire codes] with elevated childhood cancer risk—and thus implicated 60 Hz electromagnetic fields (EMF) as the causal agent.

However, in these studies (Denver and Los Angeles) direct measurements of EMF did not confirm this implication. This "wire code paradox", as well as the failure to find associations of childhood leukemia with wire codes in subsequent studies (in other cities), has cast considerable doubt on the notion that power line EMFs are a risk factor unto themselves.

However, our recent observation of the interaction of traffic density and wire code as risk factors (for childhood cancer) could explain both the wire code paradox and the disparate results seen in studies based in different cities.　

A combined high exposure to EMF and a plausible initiator—such as mobile source volatile organic compounds VOCs—may be better captured by the VHCC metric than by the measured EMF levels. 　

his co-exposure also may not be as prevalent in some cities (e.g., eastern USA) as it is in others (e.g., Denver and Los Angeles).　

We are thus led to hypothesize that the basis of the elevated childhood cancer risk is the combination of EMF with another factor, most likely related to air pollution.

The purpose of the current exploration is to probe the extent to which this hypothesis is supported—or refuted—by experimental results.　

RESULTS: There are several plausible models, derivable from whole animal, tissue and cellular studies, that could explain co-carcinogenesis from combined exposure to VOCs and postulated promoters such as EMFs. Such models would apply not only to 60 Hz fields, but, perhaps more so, to RF and microwave fields.　

CONCLUSION: The biological plausibility of co-carcinogenesis from combined exposure to VOCs and a variety of EMFs (ELF, RF, microwave, etc) appears to be more cogent than the notion of EMFs as a carcinogen per se. 　

In addition to perhaps explaining the inconsistencies of the power line epidemiological studies (the "wire code paradox" and the disparate outcomes in different cities) this type of combined effect may pertain to other "EMF plus VOC" exposure situations. 　

For example, it may imply elevated cancer risks for hand-held cellular phones used in the midst of high traffic or for locations proximal both to RF transmitters and high traffic (or other air pollution) corridors.　

概要：　ワイヤコードを用いた送電線由来の磁界と小児癌の増加は、実測の磁界では検証されない。　
環境における交通量に関連してベンゼンなどの発癌物質による発癌と磁界の相互作用によるものであるかも知れない。　そうなると送電線由来の電磁界だけではなく､交通や空気汚染と携帯電話からの電磁波との相互関連などの問題も出てくる可能性がある。　

3-5:A METHOD FOR ASSESSING OCCUPATIONAL EXPOSURE TO POWER-FREQUENCY　MAGNETIC FIELDS FOR ELECTRICITY GENERATION WORKERS.
D. Renew, R.F. Cook*, M.C. Ball*. 　

METHOD: The exposure assessment method for power station workers is based, not on job title alone, as in many previous methods, but also on where they worked in relation to the major sources of magnetic field.　

As a result account is taken of differences in power station layout and of differences in operation conditions across the years. The most important source is the very large current flowing in the main generator connections, and in nearby overhead circuits. 　

Using the 3D magnetic field computer program, EM2D, the average magnetic fields resulting from these currents in specified areas of the power station were modeled assuming rated currents were flowing. 　

The average exposure of individuals within a particular job category, during a particular year, takes account of the percentages of their time spent in each area, the average magnetic field in each area and the load factor for the year relative to continuous operation at rated load.　

CONCLUSION: The new method for assessing both current and historical magnetic field exposures in power stations has been devised which takes account of not only what job the person was doing but also where they worked in relation to the major sources of magnetic field.

It has been demonstrated to give a good prediction of exposures and is therefore suitable for estimating historical exposures for occupational epidemiological studies.　

概要：　電力会社に勤務する人の低周波磁界暴露量の評価は、単に職務表によらず、磁界源があるどこで働いていたかを考慮すべきである　

3-6:MAGNETIC-FIELD EXPOSURES OF GARMENT WORKERS: RESULTS OF PERSONAL AND SURVEY MEASUREMENTS AND A PILOT INTERVIEW STUDY. 　
M.A. Kelsh 1, T.D. Bracken 2, J.D. Sahl 3, M. Shum 1, K. Ebi 4.

METHODS: We measured exposures of garment（衣服）worker to a range of extremely low magnetic fields (MF) at a small sample-making facility in Southern California and at a pants-making facility in New York.

In addition, we measured staged MF exposures near older sewing machines at a used sewing machine distribution center in Los Angeles.　

Personal exposure (PE), and survey measurements were collected at all three sites. Fixed-location transient measurements were collected at two of the three sites.　

PE measurements were collected simultaneously at the waist and chest areas; survey measurements were made at four body locations (head, chest, waist, and knees) near 77 sewing machines of various types: machines with alternating-current (AC) and direct-current (DC) motors, machines with both 110-V and 220-V motors, and near machines when idling and sewing.　

We conducted a pilot interview survey among 25 Chinese-speaking garment workers at the New York facility to assess how well they could recall and report past work with sewing machines. Workers were asked questions about how long they have worked in the garment industry, hours worked per week, the types of products they have made, and about characteristics of the machines they used.　

RESULTS: Average personal exposure (PE) and survey measurements at the waist ranged from 0.04 to 3.1 mT.　

Average PE measurements at the waist were higher at the used machine shop than at the sample sewing facility and pants facility (1.17 vs. 0.15 and 0.45mT, respectively).　
MF levels were higher for AC machines than the levels for DC machines. 　

The field intensity increased moving down from the head, to chest, to waist, to knees during both idling and sewing. 　
Mean 60 Hz survey measurements for AC machines were 1.71, 1.22 and 0.46mT for the used machine shop, the sample sewing facility, and the pants facility respectively.

Among the Chinese garment workers interviewed, the mean age when workers first started a sewing-related job was 30 and the mean number of years worked in a sewing-related job was 13 years.　

These workers reported working an average of 37 hours per week. Sewing activities consisted mainly of setting zippers and pockets, sewing skirts and pants, and sewing waistbands. 　

Although, most workers were able to distinguish whether the machines they had used were automatic or not (a proxy for DC or AC technology), they were not able to describe the voltage, motor type, or recall brand names of machines.　

概要：　ミシンを使用している衣服産業に働く人の低周波磁界暴露を調査した。腰の所で測定して、平均は0.04 から 3.1 mTであった。　　（コメント：ICNIRPの一般公衆に対する磁界暴露限度値0.1mTを超えている）　

５．職業的な暴露に関する研究の中から　

6-7: INVESTIGATION OF STRESS PARAMETERS IN WORKERS WITH OCCUPATIONAL EXPOSURE TO STATIC AND 50 HZ MAGNETIC FIELDS.
B. Haugsdal, T. Tynes. 　

MATERIALS and METHODS: Two groups of healthy men, all working in short shift cycles, took part in this study. During work hours, all participants were equipped with a magnetic field monitor, HI-3550　(Holaday Industries, Inc.), integrating either static or 50 Hz fields respectively.

In the first group (Plant A) the participants (n=9, mean age 47.0 +/- 7.9 years) were exposed to static magnetic fields under two conditions. During one period, while working in the pot room, individual mean levels of exposure were in the range of 2.3 - 4.9mT. During another period, while working in the control room, the corresponding levels were 0.58 - 2.0mT.

In the second group (Plant B), the study subjects (n=13, mean age 37.9 +/- 10.5 years) were exposed to 50 Hz magnetic fields with individual mean levels of exposure in the range of 3.1 -78.8 µT.

At both plants urine was sampled daily at four time intervals, three consecutive days with work at night, and one follow-up day with sleep at home.

In addition, a "control day" sampling was taken during a non-working period separated by two weeks from the night work period.

The urine volume from each interval was measured and recorded, and a pair of 15 ml samples were transferred to coded bottles and frozen for later analysis. From each pair of samples one was assayed for aMT6s in our previous study.　

In the present study the other one was assayed for two species indicative of oxidative stress from lipid peroxidation (an isoprostan) and cellular immune activation (a pterin), respectively. The isoprostane, 8-epi-prostaglandin F2 alpha (8-epi-PGFa), is formed from the free radical-catalyzed peroxidation of arachidonic acid, mainly via a non-cyclooxygenase pathway. 　

The pterin, neopterin, is an end product in a chain starting with the activation of T-cells by stimuli like mitogenes and antigens, including oxidation products from free radical reactions with low density lipoproteins. 　

The levels of 8-epi-PGFand neopterin were determined by enzyme-linked immunosorbent assay (ELISA). Statistical analysis was performed by the mixed procedure, SAS version 6.12 (SAS institute, Cary, N.C).　

RESULTS: For workers in plant A, a significant (p=0.003) elevation in levels of 8-epi-PGFwas found in the samples collected during the night work period in the pot room, but not in the control room. 　

The elevation did not correlate with the level of static magnetic field exposure. No significant changes in neopterin were observed in samples from any of the work places with exposure to static fields.　

For workers at plant B, exposed to 50 Hz magnetic fields, a significant elevated level (p=0.04) of neopterin（ネオプテリンとは何？） but not 8-epi-PGF was found.　

概要：　靜磁界2.3 - 4.9mTに暴露した場合は磁界の影響は見られなかったが、交流磁界3.1 -78.8 µTに暴露している群ではネオプテリンに変化が見られた。　

P-16:VALIDATION OF AN EXPERT JUDGEMENT ASSESSING OCCUPATIONAL EXPOSURE TO 50 HZ MAGNETIC FIELDS USED IN AN EPIDEMIOLOGIC STUDY CONCERNING REPRODUCTIVE DISORDERS IN RELATION TO PARENTAL OCCUPATION.
K.G. Blaasaas 1,　T. Tynes 2. 　

The objective of this study is to validate an expert judgement assessing occupational exposure to 50 Hz magnetic fields used in an epidemiologic study concerning reproductive disorder in relation to parental occupation.　

In order to assess the parents occupational exposure, we organized an expert panel to assess exposure to magnetic fields using a practical modification of a method described by Flynn et al. (1991) adapted to Norwegian conditions.

The expert panel consisted of one occupational physician, one physicist and two industrial hygienists, all with several years of experience in use of measurements of electromagnetic fields and occupational exposure. 　

The members of the expert panel first made their own classification of combinations of industrial branch and occupation into one out of three exposure levels quantified by hours per week in a potential magnetic field above a background level. 　

The following exposure categories were used: less than four hours per week, 4 - 24 hours per week and above 24 hours per week above background level. 　

The panel then met and discussed their results.. The background field was not quantified, but was expected to be similar to office environments or homes, in Norway approximately 0.1 mT (Vistnes et al. 1997). 　

To validate these expert judgments we let workers in selected occupations wear an Emdex II Standard dosimeter in a belt around their waist during full working shifts. 　

The Emdex II Standard dosimeter measures magnetic fields in the range 0.01 to 300 mT with bandwidth 40 - 800 Hz. We use a sampling rate of 10 seconds, and only the resultant field is monitored. 　

Until now 15 different occupations have been measured; six from the lowest exposure category, five from the intermediate category and four from the highest category. 64 different workers carried the dosimeter through 133 working shifts. 　

The analysis so far indicates that some of the occupations are classified in a too low exposure category by the expert panel.　

概要：　各種職業に関して低周波磁界暴露量の調査を行っている最中である。　

６．その他　興味のある研究から　

＜ヒトのメラトニン＞　
SESSION 6: HUMAN STUDIES　
6-1:NOCTURNAL PLASMA MELATONIN LEVELS IN HUMANS ARE NOT REDUCED UNDER　THE INFLUENCE OF WEAK 50 HZ MAGNETIC FIELDS AND MUSIC WHEREAS THEY ARE UNDER THE INFLUENCE OF LIGHT.
J. Reißenweber, R. David*, E. David, M. Pfotenhauer*.　

METHODS: 20 healthy volunteers of both sexes, aged from 21 to 34, were included into the study and exposed during one night from 9 p.m. to 6:30 a.m. to a circularly polarized 50 Hz sinusoidal magnetic flux　density of 100 microtesla. During another night they slept without field (control night).

Blood samples were taken at 10 p.m., 2 a.m. and 6:30 a.m. by antecubital venipuncture during exposure and control nights.　

PMLs were measured by radioimmunoassay (RIA) kits. Additionally, 7 healthy volunteers of both sexes, aged from 21 to 32, were – instead of magnetic fields - exposed to light-at-night of an illumination intensity of 200 lux and 6 healthy volunteers of both sexes, aged from 22 to 32, were - instead - exposed to music of a sound pressure level of 60 dB (A), respectively.　

RESULTS and DISCUSSION: The results show that neither at 10 p.m. nor at 2 a.m. nor at 6:30 a.m. a significant reduction of PMLs can be observed under field exposure condition versus control nights and　versus music of a sound pressure level of 60 dB (A).

Light-at-night, however, is able to significantly reduce PMLs – an expected finding which confirms the validity of the experimental design used. These results do not support the melatonin hypothesis of electromagnetic field effects in humans and are compatible with many fold findings of Graham et al. in 60 Hz magnetic fields.　

CONCLUSION: Radio-immunologically determined nocturnal plasma melatonin levels in healthy human volunteers are not reduced under the influence of 50 Hz magnetic flux densities of 100 mT and music of a sound pressure level of 60 dB (A) whereas they are lower under the influence of light (illumination intensity: 200 lux) – as was to be expected from the physiological point of view.　

概要：　50Hz 100μＴの磁界に夜間暴露しても、ヒトの血中メラトニンのレベルは変化しない。　これは他の研究結果を支持しない。　

＜0.1μTという微弱な磁界への影響の研究＞

8-2:BEHAVIOURAL STRESS RESPONSES OF MICE MAY BE SENSITIVE TO WEAK, AMBIENT ELF MAGNETIC FIELDS ON THE ORDER OF 0.1uT
F.S. Prato, E. Choleris*+, A.W. Thomas*, G.R. Moran*

概要：鼠は0.1μT以下の微少な交流磁界に感受性を持っている可能性がある。　

P-10:LUNG CANCER (肺がん)RISK ESTIMATE IN PEOPLE LIVING NEAR HIGH VOLTAGE POWERLINES.
P. Fews, R.J. Wilding*, N.K. Holden*, P.A. Keitch*, D.L. Henshaw. H H Wills 　

RESULTS: Space charge measurements near power lines suggest a lower limit to charge densities in the atmosphere in the range 2,000 – 3,000 cm -3 , corresponding to respective lower and upper limits to aerosol　charging of 7% and 42%.

A charge density of 2,500 cm -3 and aerosol density of 15,000 cm -3 would correspond to 17% charging to which the population near power lines might on average be exposed.

The 99 results of Cohen et al (1988) suggest that single charges on 125 nm aerosols might lead to a 2-fold increase in total lung deposition.

If this result is applied to all aerosols in the peak of the number distribution, lung cancer risk might be similarly increased.

For 17% aerosol charging, the increased lung cancer risk would lie　in the range 34% to 57%.

Extrapolated across the UK this corresponds to between 255 and 428 lung cancer cases annually assuming exposure out to 400 m downwind of power lines. Such an effect might be detectable in an epidemiological study.　

概要：　高圧送電線からのエアロゾルで、肺がんを誘発するのではないか　という研究。　（この予稿集だけでは　よく判らない。）　

P-11:CHILDHOOD CANCER, LEUKAEMIA AND PROXIMITY TO CELL PHONE BASE STATIONS IN SOUTH-WEST ENGLAND.
E. Dunn, M.G. Wright*, J. Eavis*, A.W. Preece.

METHODS: A case-control format is being used with 130 recently diagnosed childhood brain tumour and leukaemia cases, with their controls (matched by gender, ethnicity and age), in the South West of England.　

The main phase of data collection occurred with a visit to the family home using interviews, questionnaires and a field survey. Exposure is categorized in two ways.　

1. A comprehensive measurement of the radio-frequency field levels for a 10% subset of the subjects at different distances from base stations. 　

A spectrum analyzer is used to measure open air exposure of the residence from all sources of RF (broadcast and cell phone) and an internal survey of the home to examine the attenuation due to the fabric, compared with data supplied by the phone providers of estimated field strength at that grid reference. 　

The feasibility of using a modified Nokia cell phone, with digitally reported signal strengths will be examined, using a card for each of the four UK providers.　

2. All postcodes within 1km of residences (case and control) will be compared with company databases for the presence of base stations together with the date of commencement of operation. An in-house software package will compute distance of the residences to all base stations.

DISCUSSION: It was observed during the ELF study data collection that base stations were of particular concern to the parents of case children.

This concern has been prompted largely by the media and the recommendations of the Stewart Committee 3 that base stations should not be sited on schools (even though this recommendation is for risk perception and public acceptability purposes). 　

In addition an investigation into the risk perception of base stations completed in this department showed that those with most concern lived near an existing site. This work is currently ongoing and we would welcome comments on the methodology.

概要：　イギリスにおいて携帯電話の中継塔からの電磁波と小児癌の関係の症例対照研究を始めた。　

＜日本の研究、携帯電話の電磁波の発ガン性＞

P-48:1.5 GHZ ELECTROMAGNETIC NEAR FIELD DOES NOT PROMOTE 7, 12-DIMETHYLBENZ[A]ANTHRACENE - INITIATED MOUSE SKIN CARCINOGENESIS.
K. Imaida*1, K. Kuzutani*1, J. Wang*2, O. Fujiwara*2, T. Shirai*1.

Effects of 1.5GHz electromagnetic near field, used for cellular phone, were examined on mouse skin carcinogenesis initiated by 7,12-dimethylbenz[a]anthracene (DMBA).　

ICR-1, 10-week-old, female mice were treated with a single application of DMBA on shaved back skin by painting at concentration of 100 mg / 100 ml acetone per mouse. One week later, mice were divided into 4 groups, electromagnetic field exposure (EMF) group, sham-exposure group, 12-O-tetradecanoylphorbol-13-acetate (TPA, 4.0 mg / 200 ml acetone / mouse) as a positive control group of skin tumorigenesis, and non-treatment control.　

EMF near field exposure conditions are as follows: skin local peak specific absorption rate (SAR) 2.0 W/kg, whole body average SAR 0.084 W/kg (ratio of peak to average SAR is 24), 90 minutes exposure/day, 5 days/week, for 19 weeks. 　

The incidences of skin tumors in DMBA-EMF, DMBA-Sham, DMBA-TPA and DMBA-control are 0/48, 0/48, 29/30 (96.6%) and 1/30 (3.3%).
The incidences of papillomas and squamous cell carcinomas in DMBA-TPA and DMBA-control groups are 29/30 (96.6%) and 2/30 (6.7%), respectively.　

The numbers of tumors per mouse (multiplicity) in these groups are 18.8 + 13.4 and 0.1 + 0.5, respectively.　

EMF exposure did not exert any enhancing effect on skin tumorigenesis compared to sham group, although TPA, a positive control, clearly showed promoting effects.　

These data clearly demonstrated that 1.5GHz EMF, used for cellular phones, did not promote mouse skin tumorigenesis initiated by DMBA.　

概要：　携帯電話の電磁波は発癌性がなかった。　

P-72:DOUBLE-BLIND CONTROLLED TRIAL OF A MAGNETIC BRACELET CLAIMED TO REDUCE PAIN ASSOCIATED WITH ARTHRITIS. 　
R. Coghill. Coghill Research Laboratories, Lower Race, GWENT, NP4 5UH, UK.　

Clinical trials of magnetic fields of less than 2T on human subjects or patients are few in the West, but have been reported widely for some decades in the former USSR, other eastern bloc countries, and in the far East.　

In the US, apart from the early work of the Barnothys at University of Illinois physics dept., research has largely focused on alternating fields.

This study examined the effectiveness of a static magnetic bracelet in reducing pain from arthritis(関節炎) in 47 subjects. 　

Given the promise of static magnets indicated by cellular and live animal studies and their comparative absence of side-effects, coupled with the large number of eastern bloc clinical studies reporting significant benefits and the variety of devices on the market place, it is surprising that so few trials have been conducted. This study aimed to begin filling this gap in scientific knowledge.　

RESULTS: The results suggested that the effect of the magnetic bracelet on pain severity is confined largely to locations nearest the bracelet, with more distant locations being less affected. 　

Statistical analysis:　
The null hypothesis applied was that there should be no difference between the extent of subjective improvement on any part of the body if the effect is a purely placebo effect.

The alternative hypothesis is that those parts nearest the magnetic fields should show the greatest reduction in pain intensity. 　

It was assumed that wrist, arm, and hand are nearer and ankle, knee, and back are distant for the purpose of analysis:　

Table 1 Comparison of locations exposed nearest the bracelet with those more distant

a) Nearer locations:	At outset	At completion	% change
Means:	2.90	1.92	-33.8
Std. Devn.	0.27	0.36	9.5
b)More distant locations:
Means:	3.04	2.55	-16.1
Std. Devn.	0.41	0.33	11.5

CONCLUSIONS: The constant use for three weeks of a proprietary gold-plated bracelet containing static magnets with a field strength of around 100-260 gauss on average appears to exert a statistically significant localized pain relief effect compared with a wide variety of existing medications which panel members continued to take during the trial three week period.

The most pronounced improvements in pain relief were experienced in locations nearest to where the bracelet was worn (hands, wrists and arms), showing an162 average reduction in pain intensity of approximately one third compared with a pain reduction of approximately one sixth to the more distant body locations (knee, back, and ankle). 　

The reduction in pain relief does not appear to be related to the level of magnetic field strength of the bracelet, which possibly indicates the value of continuously wearing a product which creates a magnetic field for the wearer.

The study had sufficient statistical power to detect a 50 percent difference, indicating that the results shown by this study were significant. 　
I am grateful to Magna Jewellery Ltd. for financial assistance with this research.　

概要：１00―260ガウス程度の靜磁気で痛みが和らいだ。　
（コメント：　日本の磁気ネックレスの効果と同じこと。　但し本来のこの種のテストは二重盲検法で行う必要がある。）　

14-2:SHIELDING EFFECTIVENESS OF RF PROTECTIVE CLOTHING NEAR AN AM RADIO TOWER: USEFULNESS OF BODY CURRENT EVALUATIONS.
D. Conover.

Workers are commonly exposed near AM radio antenna towers. Workers receive the highest exposure when they are close to these RF sources, e.g., in the cases of antenna tower climbers and other maintenance　workers, who must work very close to the RF antenna.

RF protective clothing is sometimes used to reduce worker exposure from AM towers. However, standardized methods do not exist to determine the shielding effectiveness of RF protective clothing.

In addition, existing exposure assessment methods (i.e. field strength measurements) provide erroneous results when evaluating the shielding effectiveness of RF 80 protective clothing.

Induced body current technology shows promise for determining the shielding effectiveness of RF protective clothing.　

RESULTS: The survey results indicate that the RF protective clothing is effective in reducing worker exposure (ankle and wrist current).

Wearing the protective suit, socks and gloves reduced the ankle current by a factor of 2.6X (8.3 dB). In addition, adding the hood further reduced the ankle current [up to 4.3X (12.7 dB)].

Wrist current was reduced by a factor of 3.5X (10.9 dB) when wearing the suit, socks and gloves. For some exposure conditions, ankle and wrist current reduction factors could not be determined because current readings were not detectable (i.e. below approx. 1mA). 　

CONCLUSIONS: Using an induced body current method provided convenient and reliable evaluations of shielding effectiveness for one brand of RF protective clothing tested. 　

In contrast, existing field strength methods cannot be used to evaluate the shielding effectiveness of RF protective clothing because these methods have consistently given unreliable results.　

Induced current measurements indicated that the RF protective clothing was effective in reducing worker exposure (ankle and wrist current). 　

Improved current detection sensitivity is needed so that shielding effectiveness can be determined for exposure conditions with low induced current (i.e. below approximately 1 mA).

This is particularly true when determining wrist current reduction and when wearing full protective clothing (suit, socks, gloves and hood). 　

In addition, further study is needed on the variation of shielding effectiveness with the degree of contact (snugness of fit) and amount of overlap between the pant leg and conductive sock as well as between the sleeve and conductive glove. 　

Finally, more field testing is needed to address additional RF sources and exposure conditions as well as the effectiveness of other types of RF protective clothing material.　

概要：　放送タワー等の保守の為に強い電界に暴露する作業者の為の防護服の防護機能を如何に測定するかを検討した。　誘導電流を測定するのが良い。　

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3. BEMS 2002年　年次総会の予稿集から

記：２０１９−１２−２１

興味深い研究等を紹介する。

その1）
タイトル：1-2：PHOSPHORYLATION OF HSP27 - THE MOLECULAR MECHANISM FOR MOBILE PHONE RADIATION-INDUCED INCREASE IN BLOOD-BRAIN BARRIER PERMEABILITY.
HSP27のリン酸化：携帯電話の電波によって誘起される脳関門透過性の分子レベルの機序
研究者：D. Leszczynski.
Bio-NIR Research Group, Radiobiology Laboratory, STUK - Radiation and Nuclear Safety Authority, Helsinki, Finland

OBJECTIVE: 目的
To determine whether physiological responses of endothelial cells, which are associated with the hsp27 phosphorylation and might affect permeability of blood-brain barrier (stability of stress fibers, cell size/shape), occur in the mobile phone radiation exposed cultures of human endothelial cells.
ヒトの内皮細胞の培養に携帯電話の電磁波を漠とした時、Hsp27のリン酸化に関連する内皮細胞の生理学的な応答か、脳関門透過性に影響するのか、いずれかであるのか研究する。

METHODS: 方法
Human endothelial cell line EA.hy926 cells, grown on microscope cover slides, were exposed for 1h to 900MHz GSM signal at an average SAR of 2W/kg.
顕微鏡用のプレパラート（ガラススライド）の上に培養したヒト由来の内皮細胞EA.hy926を平均SAR2.0W/kgの900MHzGSM電話の電波に1時間曝露した。

Temperature of cell cultures remained throughout irradiation period at 37+0.3℃ thus the effects reported here are of non-thermal nature.
培養器の温度は、曝露中を通して37+0.3℃に制御したので、ここでは非熱効果を調べる。

RESULTS AND DISCUSSION: 結果と考察
As expected, 1h exposure of cells to mobile phone radiation increased expression of hsp27.
However, in order to increase hsp27 expression by heat shock was required 3h incubation of cells at 43℃ (1h exposure had no effect).
予想どおり、細胞への携帯電話の電波曝露1時間で、HSP27の発現は増加した。
熱ショックによるHSP27の増加は、43℃の細胞培養器で3時間を要する（1時間では影響はない）。

This observation, together with the measurements showing that temperature of medium was throughout RF-EMF exposure period at 37+0.3℃, suggest that the observed here effects are of non-thermal nature.
本実験は曝露中を含む実験中は培養液の温度を37+/-0.3℃に制御したので、この実験結果は非熱効果と言える。

BEMSJ注：非熱効果というが、冷却しなければこの曝露で細胞の温度はどの程度まで上昇するのであろうか？単純に熱の発生のない状態での実験結果なのか、細胞は温度が上がるが、冷却によって温度は一定に保たれたので結果であろうか？この論文だけではわからない。


その2）
タイトル：1-4：EFFECTS OF ELF AND MICROWAVES ON HUMAN LYMPHOCYTES FROM HYPERSENSITIVE PERSONS.
電磁波過敏症者のヒトリンパ球への低周波とマイクロ波の影響
研究者：I. Belyaev, L. Hillert, C. Tamm, M. Harms-Ringdahl, et al:
Department of Genetic and Cellular Toxicology, Stockholm University, Stockholm, Sweden;

OBJECTIVE：目的
Here, we used specific conditions of exposure to ELF to investigate if the response of lymphocytes from hypersensitive persons is different as compared to healthy subjects.
We also used GSM modulated microwaves, which have been previously shown to affect brain blood barrier in rats.
我々は、電磁波過敏症者のリンパ球の応答が健康な人の応答と差異があるかを実験するためにと久場綱低周波電磁界曝露条件を設定した。
また、我々は、過去の実験でラットの脳関門に影響が見られたGSM携帯電話の電波も用いた。

MATERIALS AND METHODS: 実験方法
Fresh blood samples from two groups of donors, 7 persons reporting electro sensitivity and 7 healthy controls matched by gender, age and smoking habits were coded and all data were analyzed in blind.
新鮮な血液を2群の提供者から得た、電磁波過敏症と主張している7名と、性別・年齢・喫煙状況を一致させた7名の健常者から。全ての血液はコード化し、盲検法で実験を行った。

Sinusoidal magnetic field (8Hz, 30mT amplitude or 50Hz, 15mT amplitude) was applied using Helmholtz coils.

Installation employing GSM signal, 915 MHz, all modulations included, SAR=1-2mW/g in the TEM cell was used. All exposures were 2h.
ヘルムホルツコイルを使って正弦波の磁界（８Hz 30mT もしくは50Hz 15mT）を曝露した。
915MHz、すべての変調を含めて、SARは1-2mW/gのGSM電波を、TEMセルを用いて曝露した。

CONCLUSIONS: The data suggested that ELF magnetic fields and microwaves under specific conditions of exposure affect lymphocytes from healthy and electrosensitive donors.
低周波電磁界とマイクロ波電波への曝露は、健常者と電磁波過敏症者からの血液への曝露は影響があったというデータであった。

ELF under specific conditions of exposure resulted in apoptotic DNA fragmentation.
特異な条件下の低周波曝露は、アポートシスしたDNAの破砕という結果であった。
These effects differ at different frequencies and vary between donors.
この変化は周波数によって異なり、血液の提供者間でも異なった。

In some cases, cells from electrosensitive donors responded stronger than cells from gender- and age-matched control subjects, but the results need to be confirmed in a larger study group.
幾つかのケースでは、電磁化過敏症者からの血液が、性別・年齢を調和させた対照者よりも、強い反応を示したこともあり、より大きな集団での確認実験が必要であるという結論である。

BEMSJ注：電磁波過敏症の研究としては、低周波磁界強度15ｍＴ（150ガウス）は強すぎる。
ICNIRPの50Hz磁界曝露基準値0.2mTの75倍も強い、これでは健常者でも影響を受けることになりかねない。

その３）
タイトル：STATIC MAGNETIC FIELD HAS LITTLE EFFECT FOR GENE EXPRESSION AND LIGATION EFFICIENCY IN INVITRO.
静磁界は遺伝子発現とインビトロにおける結紮効率に影響しない。
研究者：T. Nakahara1*, M. Yoshida*, J. Miyakoshi.
Department of Radiation Genetics, Graduate School of Medicine, Kyoto University, Kyoto 606-8501, Japan.

注：ligation：結紮（けっさつ）は、医療においては、外科的処置の際に用いられる身体の一部や医療機器を縛って固定する技術のこと。字の意味は「むすび、からげる」ことであるが、医療においては特定の技術を示す。

OBJECTIVE: 目的
Firstly, we attempt to clear whether strong SMF can affect a specific gene expression.
We have done DNA microarray analysis.
最初に我々は強い静磁場が特定の遺伝子発現に栄養するかを明らかにすることにした。
我々はＤＮＡマイクロアレイ解析を用いた。

Then, one of gene expressions changing by exposure to strong SMF is analyzed by RT-PCR and western blotting.
To clear mechanisms enhancing the X-ray-induced micronucleus formation by exposure to strong SMF, we have examined effects of SMF on ligation reaction in in vitro．
そして、強い静磁場への曝露によって遺伝子発現が変化した遺伝子を、PT-PCR法で解析を行った。
Ｘ線で誘導された微小核形成が強い静磁場曝露によって強調されるメカニズムを明確にするために、インビトロにおける結紮効率の静磁場による影響を検討した。

METHODS: To assay the change of gene expression, we used UniGEM Human V Ver. 2.0 (IncyteGenomics) as a DNA microarray.
方法：遺伝子発現の変化を解析するために、我々は、DNAマイクロアレーとしてUniGEMを使用した。

Human glioma cell line MO54 after SMF-exposure or sham exposure (6 hours) were used as a mRNA source.
静磁場曝露もしくは疑似曝露後に、ヒト神経膠腫由来の細胞株MO54を、mRNAのソースとして使用した。

CONCLUSIONS: We found a little difference in gene expression by using DNA microarray analysis.
These data suggest that strong SMF, up to 10T, had a little biological effect in cultured cells.
結論：我々は、DNAマイクロアレー解析を使うことで、遺伝子発現に小さな変化を見出した。
この結果は、10Tに及ぶ強い静磁場は、細胞の培養の中で、小さな生体影響があることを支持している。

その4）　　
タイトル：7-3：FDTD DERIVED SAR DISTRIBUTIONS IN VARIOUS SIZE HUMAN HEAD MODELS EXPOSED TO SIMULATED CELLULAR TELEPHONE HANDSET TRANSMITTING 600mW AT 835ＭHz.

835MHzで600ｍＷの携帯電話端末から輻射される電波を模擬した電磁界曝露に対する各種人体モデルにおけるSARの分布のFDTDによる解析
研究者：A.W. Guy, C.K. Chou, and G. Bit-Babik.
University of Washington (Emeritus), Seattle,　WA 98195, USA.
Motorola Florida Research Laboratories, Fort Lauderdale, Florida 33322, USA.

INTRODUCTION: Gandhi et al. (1996) have shown higher peak SARs and deeper penetration in smaller head models exposed to cell phones.
Schönborn et al. (1998) found no significant differences between adults and children.
Gandhi and Kang (2001) reconfirmed their 1996 observations.
Gandhi’s results have been widely cited by the media and used by many as one of the reasons that children should minimize using cell phones.
Gandhiらは1996年に、携帯電話端末機からの電波に小さい頭の頭部モデルにおいて、より高いＳＡＲと、より深い浸透深さを報告した。
Schönbornらは子供と大人の間に、有意な差異はないことを見出した。
Gandhi and Kangは1998年、1996年の彼らの観察の再確認をおこなった。
Gandhiの結果は、メディアに広く引用され、子供の携帯電話使用を制限すべきという主張の理由の一つにもなっている。

RESULTS: Main results are summarized in the table (SAR in W/kg).
結果：主な結果を以下にまとめて示す、SARはW/kg

	Adult	10-year old	5-year old
Peak SAR in a voxel	7.66	9.78	7.97
1-g peak SAR in head	3.81	3.93	3.43
Penetration depth (cm)	4.58	5.14	4.77

CONCLUSIONS: 結論
There are small differences in the peak 1-g SARs (used for compliance limit) or depths of penetration for the three exposed heads.
3モデル間にピーク1gSARと浸透深さにわずかな差異はある。

From these results, we conclude that the 1-g peak SAR and penetration depth in head models exposed to 835MHz cell phones do not significantly differ in adult and child heads.
これらの結果から、頭部モデルに835MHzの携帯電話の電波に曝露した時、1gSARと浸透深さに、成人と子供の間に有意な差異はないと、結論付けた。

その5）
17-4: SLEEPING DISORDERS AND DEPRESSIVE SYMPTOMS IN WOMEN LIVING NEAR A 735KV LINE.
735kV送電線の近傍に住む女性の睡眠障害とうつ病
P. Levallois, M. Dumont, R. Boyer, D. Gauvin, S. Gingras.
Unité de recherche en santé　publique, Centre Hospitalier Universitaire de Québec, Beauport, (Québec) Canada

Recently, we found that aged and overweight women living near high power lines had lower sulfa-toxy-melatonin excretion (Levallois et al 2001).
The objective of this study was to compare symptoms of insomnia and depression in women living near and far away from a high powerline．
最近、我々は高圧送電線の近くに住む老齢で過体重の女性のサルファトキシメラトニン（BEMSJ注：尿中に排出されるメラトニンの代謝物）の排泄が少ないことを見出した（2001年の筆者らの研究）。
本研究の目的は、高圧送電線から離れた所と近い所に住む女性の不眠症とうつ病の比較をおこなった。

METHODS: 方法
In the Québec city area, 221 living within 200 meters of a 735kV line and 195 women living at least 400 meters from any power lines were recruited.
ケベック市内で、735ｋV送電線の200m以内に住む221名と、送電線から400m以上離れて住む女性400名を集めた。

Participants, aged between 20 and 74, were required to wear an EMDEX Lite meter for 36 hours to measure personal exposure to extremely low frequency magnetic field and residential exposure to extremely low frequency electric field was assessed by spot measurements.
協力者は年齢20歳から74歳、低周波磁界への個人曝露を測定するために、腰にEMDEXライトという磁界測定器を取り付ける様に要求された。また、住環境下における低周波電界強度はスポット測定で評価した。

RESULTS: 結果
Magnetic field exposure over 24 hours was three times higher for women living near a power line than women living farther away (p<0.001) and residential electric field intensity was nearly twice in those living near the line (p<0.001).
24時間以上の磁界曝露量は送電線の近くに住む人は、遠くに住む人の3倍であった。そして、住環境下の電界強度は、送電線の近くに人は約2倍の強さであった。

Sleeping disorders and particularly, <wake up feeling tired> was more frequent in the last month for those living near the line (OR=2.25, 95%CI:1.19-4.28) but no dose-response relationship was found with magnetic or electric intensity.
睡眠障害と特に「起床時にだるい感じ」が、送電線近傍に住む人では過去1か月間の頻度が多かった。
しかし、磁界と電界強度と「量−反応関係」は見られなかった。

This result was not explained by other variables taken into account.
この結果は、考慮に入れた様々な変数（要素）では説明がつかない。

CONCLUSIONS: No effect on depressive symptoms was found in association with exposure to electric　and magnetic fields.
結論：不眠症と電界・磁界への曝露との関連を示す効果は見つからなかった。

その６）
タイトル：P-37：10mW/cm2 LEVEL OF EMF IN STANDARDS OF RUSSIA AND 1000mW/cm2 LEVEL IN ICNIRP'S RECOMMENDATIONS (experimental studies for the characterising of these differences).
ロシアの電磁界規定の10mW/cm2とICNIRP推奨の1000mW/cm2 （これらの差異の意味付けに関する実験的な研究）
研究者；Yu. Grigoriev, V.S. Stepanov, L.A. Tomashevskaya, A.V. Shafirkin, A.L. Vasin.
State Research Center-Institute of Biophysics, Moscow, Russia.

OBJECTIVES and METHODS: 目的と方法
Presented results of two groups of base studies were used for standards establishing in the USSR.
以下に示す2群の基礎研究は、USSRにおける基準策定に使われたものである。

The first group: five experiments with chronic exposure of EMF 850-1750 MHz in anechoic chamber with the frequency modulation of 400 Hz and with continues wave (CW) were held.
第1群に5つの研究は、電波暗室で850-1750MHzの電磁界を、400Hzで周波数変調と連続波を用いた慢性曝露で行った。
Power density was 10, 20, 50, 100, 140 and 500mW/cm2.
電力密度は10、20、50、100、140、500ｍW/cm2である。

Time of exposure was 6, 12 and 16 hours in a day during 4 months.
曝露時間は、1日6、12、16時間で、4カ月間行った。
1150 rats were used in the experiment.
1150匹のラットが実験に使用された。

Physiological, biochemical, immunological methods were applied in the experiments; generative function was evaluated.
生理学的、生化学的、免疫学的な手法が採用され、生殖機能が評価された。

The second group: eleven experiments with chronic exposure of EMF 2375 - 2750 MHz in anechoic chamber with the modulation frequency of 400 Hz and with CW were held.
第2の研究グループ：電波暗室で、連続波と４００Hz振幅変調された2375-2750MHｚの電磁界への長期曝露に関する11の実験が行われた。
Power density was 1, 10, 50, 100, 500, 1000 and 2500mW/cm2.
電力密度は1, 10, 50, 100, 500, 1000と2500mW/cm2である。

Time of exposure was 6 -16 hours in a day during 1-4 months.
曝露時間は、1-4カ月にわたって、1日に6-16時間である。

Exposure has continued from 1 to 45 days for the evaluation of possible cumulative effects.
曝露は、蓄積されていく影響がある可能性も確認するために、1から45日間の連続曝露である。

The series of experiments was conducted to investigate EMF influence in rats' foetus development which were exposed during the whole period of pregnancy (from 1 to 19 days).
全妊娠期間中（１から19日目）に電磁波曝露したラットの胎児の発育における電磁波の影響を調べるために複数の実験が行われた。

注：Foetus;胎児 (妊娠８週間後から出産まで

2170 rats were used in experiments.
2170匹のラットが用いられた。
Methods used were the same as in the first group.
実験方法は、第1実験グループと同じである。

Cytology results and data of progeny study were presented.
細胞学的な結果と、妊娠研究のデータを示す。

BEMSJ注；ロシアの厳しい規定の論拠が明らかになったが、この予稿には肝心の研究結果が示されていないし、引用・紹介されているUSSR時代の研究論文名などの情報は記載されていない。


その7)
タイトル：P-59　DECREASED SURVIVAL FOR CHILDHOOD LEUKAEMIA PROXIMITY TO TV TOWERS.
テレビ放送塔に近接した小児白血病患者の死亡率の低下
研究者：B. Hocking, I. Gordon.
Camberwell, Vic, Australia 3124. 2Statistical Consulting Centre, University of Melbourne Parkville Vic Australia 3052.

OBJECTIVE: In a previous study we reported an increased risk of childhood leukemia in municipalities proximate to TV towers in north Sydney compared with more distant ones (Hocking B, Gordon I, Hatfield G, Grain H, Cancer incidence and proximity to TV towers Med J Aust 1996; 165: 601-605).
我々は以前に、北シドニー地区のテレビ送信塔に近接する町は、より離れた町に比べて、小児白血病のリスクが増加すると、報告した（1996年の論文）。

The rate ratio for incidence, comparing the inner ring of municipalities to the outer ring, was 1.55 (95% confidence interval 1.00 – 2.41) and for mortality the rate ratio was 2.74 (95% confidence interval 1.42 – 5.27).
放送塔を中心として内側にある町では、外周にある町に比べて、罹患率比は1.55（95%信頼区間7：1.00-2.41）であり、死亡率比は2.74（95%信頼区間：1.42-5.27）であった。

The objective of the current study was to analyze the survival experience of the cases in detail, to determine whether there are differences between the two populations
本研究の目的は、症例の生存率を詳細に解析し、二つの集団間に差異があるかを見極めることにある。

METHODS: 方法
Survival data on cases diagnosed from 1972-93 were analyzed.
1972年から1993年間に診断された症例の生存率を解析した。

Data on all cases who survived for less than one month were verified by the NSW cancer registry and one case diagnosed at autopsy excluded. Data were described by Kaplan-Meier curves.
少なくとも1か月以上の生存期間であったすべての症例をNSW州のガン登録データで確認した。

データはKaplan-Meier曲線で示された。

RESULTS:
There were 123 diagnosed cases of acute lymphatic leukemia (ICD-9 204.0) of which 29 (16 deaths) were in the inner ring of municipalities and 94 (34 deaths) were in the outer ring.
急性白血病と診断された123の症例は、内周部に住む症例は29（死亡16）で、外周部に住む症例は94（死亡34）であった。

We found a significant difference in survival (log rank: P = 0.03; Wilcoxon: P = 0.05).
生存率に有意な差異があることに気づいた。
The 5-year survival in the inner ring of municipalities was 55% and in the outer ring 71% (inner 23% worse); at 10 years the survival was 33% and 62% respectively (inner 47% worse).
5年生存率は内周部で55%、外周部で71％（内周部23%劣化）、10年生存率は内周部33%、外周部62%（内周部は47%劣化）である。
After adjustment for the potential confounders using Cox’s model, the mortality rate ratio comparing the inner ring with the outer ring was found to be 2.1 (95% confidence interval: 1.1 – 4.0).
Coxモデルを用いた交絡因子を調整後の外周部に比べた内周部の死亡率比は2.1（95％信頼区間：1.1-4.0）となった。

We were not able to control for cytogenetic abnormalities.
我々は、生理学的な異常を排除できない。

CONCLUSION: 結論
There was an association between proximity to the TV towers and decreased survival, among cases of childhood leukemia.
小児白血病に関して、テレビ放送塔に近接した生活と生存率の低下は関連していると言える。

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4. BEMS 2012年　年次総会の予稿集から

記：２０１２−１１−１７

以下の年次総会が開催された。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
The Bio electromagnetics Society　34th Annual Meeting
June 17, 2012 - June 22, 2012
Brisbane Convention and Exhibition Centre　Brisbane, Australia
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

予稿集から、関心の深い研究報告を以下に抜粋して、紹介する。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
1. Session O1: Epidemiology
Mobile Phone Use and Incidence of Glioma in the Nordic Countries 1979–2008: Do incidence rates corroborate case-control studies?
北欧各国の1979−2008年における神経膠腫の発生と携帯電話の使用：発生率は症例対照研究の証拠などによって確定されるか？

Isabelle Deltour1, 2, Anssi Auvinen3, Maria Feychting4, Christoffer Johansen5, Lars Klæboe6, Risto Sankila7 & Joachim Schuz1
1：section of Environment and Radiation, International Agency for Research on Cancer, Lyon, France, 69008

We analyzed annual age-standardized incidence rates in men and women aged 20 to 79 years during 1979–2008 in Nordic countries (35,250 glioma cases).
Probabilities of detecting various levels of relative risk were computed using simulations.
No clear trend change in glioma incidence rates was observed.
Several of the risk increases seen in case-control studies appear to be incompatible with the observed lack of incidence rate increase in middle-aged men, pointing to biases and errors.

ノルディック各国の35250例の神経膠腫を対象に、1979年から2008年にかけて、20歳から79才までの男女における年間の年齢別標準化発生率を解析した。
相対危険度の様々なレベルの検出の可能性を、シミュレーションを用いて計算した。
結果として明確な神経膠腫の変化傾向はみられなかった。
症例対照研究で見られた幾多のリスクは、中年層の男性の発生率増加がみられなかったことから、観察された結果と不一致で、バイアスや誤差と言える。

Figure 1：神経膠腫の発生率の年別推移、北欧各国　1979年から2008年までの観察値

BEMSJ注：
インターフォン研究での症例対照研究と相関が取れない。
スウェーデンで携帯電話の使用開始は1987年、2008年までの追跡調査であるので、発がんまで10年かかるとしても、もし因果関係があれば、がんの発生率は上昇の傾向を示してもよいはずであるが、実態の発がん発生率とは相関していない。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
2. Session O1−2　Epidemiology
Use of mobile phones and risk of brain tumours: update of Danish cohort study　
携帯電話の使用と脳腫瘍のリスク：デンマークのコホート研究の最新情報

Aslak Poulsen1, Patrizia Frei1, 2, 3, 4, Christoffer Johansen1, Jørgen Olsen1, Marianne Steding-Jessen1 & Joachim Schuz1
1：Danish Cancer Society Research Center, Danish Cancer Society, Copenhagen, Denmark, 2100

We investigated the risk of brain tumors among all Danish mobile phone subscribers before 1996, followed up for brain tumors until end of 2007.
The 358 403 subscription holders accrued 3.8 million person years.
Neither overall nor when restricting to subjects with 13 or more years since first subscription did we see an increased risk of brain tumors.
This large nationwide cohort study provides little evidence for a causal association between mobile phone use and brain tumors.

1996年以前にデンマーク全土の携帯電話利用登録者の脳腫瘍リスクを研究した。
2007年末までの追跡調査を行った。
358403名の利用者で、3.8万人年の研究規模となった。
全体としても、また最初の登録から13年以上の登録者間にも、脳腫瘍のリスク増加は見られなかった。
このデンマーク全土を対象とした大規模な研究は、携帯電話に使用と脳腫瘍の因果関係を確立する確証にはならない。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
3. Session O3: In-vitro
DNA MICROARRAY ANALYSIS OF KERATINOCYTE　GENE EXPRESSION AFTER EXPOSURE TO 60-GHZ MILLIMETER WAVES UNDER NEAR-FIELD CONDITION　
DNAマイクロアレイ解析による近傍界としての60GHz電磁界曝露後の角質細胞遺伝子発現

Denis Habauzit1, Catherine Le Quément1, Maxim Zhadobov2, Ronan Sauleau2, Denis Michel1 & Yves Le Dréan1
1：Transcription, Environment and Cancer group, University of Rennes 1, Rennes, France, 35042

We have investigated whether human skin cells respond to high-power millimeter-waves (MMW) radiations under near-field condition.
Human skin cells were exposed 3 hours at 60.4 GHz with an average incident power density of 20mW/cm².
Using DNA microarray analysis we found 37 genes differentially expressed between the MMW exposure condition and the sham heat shock control.
These results suggest that MMW could significantly impact gene expression of cells submitted to a heat stress.

近傍界条件下での高出力ミリは電磁波によるヒトの皮膚細胞の応答を調べた。
60.4GHzの電磁波（平均照射電力密度を20mW/cm2）を3時間曝露した。
ミリ波曝露・疑似曝露・熱ショックによる対照群の間で、37の遺伝子発現に差異がみられた。
これはミリ波が皮膚細胞に熱ストレスを与え、遺伝子発現に影響を与えている。

Long Abstract
Primary human skin cells were exposed 3 hours at 60.4 GHz with an average incident power density of 20mW/cm².
The average and peak SAR over the cell monolayer were 594 W/kg and 1233 W/kg, respectively.
皮膚細胞に60.4GHzの電磁波を3時間曝露した、平均照射電力密度は20mW/cm2。
細胞の1層への平均SARは594W/kg、ピークSARは1233W/kgである。

In this case, the exposure induces a significant increase of the culture medium temperature (from 35°C to 43°C).
この場合、曝露によって細胞培養液の温度は35度から43度まで上昇している。

Our results demonstrate that MMW radiation does not induce any significant modification in gene expression when the physiological cell temperature is artificially maintained at 35°C.
細胞の温度を35度に人工的に一定にした場合、ミリ波曝露で有意な遺伝子発現の変化は見られなかった。

Nevertheless, comparing MMW-induced increase of cells temperature, with heat-shocked sham (both at 43°C), 37 genes are detected as differentially expressed with a fold change above 2.
These results seem to evidence that MMW could impact gene expression when cells are under a heat stress.
一方で、熱ショックとして43度まで上げた場合、37の遺伝子発現に2倍以上の変化が見られた。
このことからミリ波曝露は皮膚の熱ストレス下で、遺伝子発現に変化が起こるといえる。

BEMSJ注：
温度が8度も上昇する条件では遺伝子発現に変化が現れる。
温度を上げないように冷却して電磁波に曝露した場合は、遺伝子発現に変化はない。
よって、遺伝子発現は熱的な作用と言える。
温度だけを上げて、同じ温度上昇にした場合は全く同じではないので、温度が上がるだけ大きな曝露があれば、電磁波の影響が現れるといえる。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
4. Session PA: Poster Session A
Comparison of Specific Absorption Rate (SAR) Induced In Brain Tissues of Child and Adult Using Mobile Phone
携帯電話の使用による大人と子供の脳内組織に誘導されるSARの比較

Mai Lu1 & Shoogo Ueno2
1：Key Lab. of Opt-Electronic Technology and Intelligent Control of Ministry of Education, Lanzhou Jiaotong University, Lanzhou, China, 730070

In this study, two children and one adult head models have been employed to calculate the specific absorption rate (SAR) in brain tissues by finite-difference time-domain method.
It was found that there is a deeper penetration of absorbed SAR in child head.
The induced SAR can be significantly higher in subregions of child brain.
この研究では、1つの大人の頭部と、二つの子供の頭部を用いて、脳内組織に誘導されるSARをFDTD法で解析した。
子供の脳では吸収されるSARは脳深部に達していることが判った。
誘導されるSARは子供の脳の局所において大きくなっている。

Long Abstractから一部引用
A generic handset (known as IEEE mobile phone) was modeled in this study.
The length of the monopole antenna is 38 cm at 1750 MHz.
The antenna is mounted on a conductive box with lateral dimensions 40 mm × 100 mm, and thickness 20 mm.
IEEE携帯電話として知られている携帯端末を用いた。
モノポールアンテナは1750MHzで長さは38cm。40X100mmで深さ20mmの導電性の箱に取り付けた。
＜ＢＥＭＳＪ注：38cmのモノポールとあるが、波長から考えて3.8cmの間違いであろう。どの程度の電力としたのか記述はない。＞

SAR10g in child brains are higher than the corresponding values in adult brain.
However in both child and adult brains, SAR10g is well below 2 W/kg, the safety level defined in IEEE standard.
大人の場合のSARに比べて、子供の10gあたりのSARは大きい。
しかし、IEEEの規定にある安全基準10gあたりのSAR　2W/kgに比べると十分に低い。

Figure 1：頭部モデル　 (a) 6才男児 (b) 11才女子 (c) 34才男性

Figure 2：SARの分布の違い　(a) 6才男児 (b) 11才女子 (c) 34才男性

Table 2：SAR10g (W/kg) の比較　

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
5. Session PA: Poster Session A 　ＰＡ２９　
Recall Accuracy of Laterality of Mobile Phone Call: A Validation Study Using Software Modified Phone in Japan
携帯電話で通話時にどちらの耳で使用するか、思う出しの正確性：日本におけるソフトウエアで改良した電話を用いた確認研究

Kosuke Kiyohara1, Kanako Wake2, Soichi Watanabe2, Takuji Arima2, 3, Daisuke Furushima1, Yasuto Sato1, Noriko Kojimahara1, Masao Taki2, 4 & Naohito Yamaguchi1
1：Tokyo Women’s Medical University, Japan

We evaluated the accuracy of self-reported laterality of mobile phone calls, using Software Modified Phones (SMPs) which can log the use of right or left ear during a call.
100 mobile phone users aged 18-24 were required to use a SMP for one month.
Subsequently, a questionnaire survey was conducted.
The agreement between SMP record and self-reported laterality was fair for both outgoing (κ=0.4) and incoming (κ=0.4) calls.
The results of the epidemiological studies based on self-reported mobile phone use should be carefully interpreted.

ソフトウエアを改良した電話機を用いて、携帯電話使用時にどちらの耳で（頭部のどちらの側面で）使用したかに関する自己申告の正確性を調査した。
携帯電話を右側で使うか左側で使うかを記録できる携帯電話を使用して、18歳から24歳の100名に1か月間のこの電話を使ってもらって、利用状況を調べた。
自己申告でどちらかで使用しているかの情報を得た。
結果は、改良電話に記録された実際の使用側面と、報告された使用側面との関係は、電話の受信時でも、送信時でも、ともに一致度は極めて低かった（相関係数：0.4）。
本研究では、疫学研究における自己申告に基づく疫学研究の報告を、注意深く解釈しなければならない、という結果になった。

BEMSJ注：したがって、携帯電話を左右どちらで使用したかと言う自己申告データに基づく疫学研究の結果には注意が必要である。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
6. Session PA: Poster Session A 　PA33
Exposure Assessment of the Low Frequency Magnetic Fields Produced by GSM Mobile Phones
GSM携帯電話による低周波磁界曝露評価

Carolina Calderon1, Darren Addison1, Terry Mee1, Richard Findlay1 & Myron Maslanyj1
1：Physical Dosimetry Department, Health Protection Agency, Chilton, UK, OX110RQ

The ELF magnetic flux density of 47 mobile phones transmitting at 30 dBm in GSM 1800 MHz has been measured as part of the MOBI-KIDS epidemiological study.
Peak resultant magnetic flux density values varied from 21nT to 1178nT (217 Hz component), and the mean peak resultant magnetic flux density was of 265 ± 180nT.
No obvious correlation was observed between the peak resultant magnetic flux density and specifications of the phone, although grouping phones on the basis of their magnetic flux density pattern may perhaps be possible.
子供と携帯電話の疫学研究Mobi-KIDsの一環として、GSM携帯電話1800MHz、30dBm（BEMSJ注：1W）出力の47台の携帯端末からの低周波磁界を測定した。
ピーク磁界強度は217Hz成分で、21nTから1178nTであり、平均値は265nTであった。
ピーク磁界強度と携帯端末の仕様値との間には明白な相関関係は見られなかった。
携帯電話を低周波磁界強度でグループ分けをすることができそうである。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
7. Session PA: Poster Session A 　ＰＡ４１
Exposure Levels from Smart-meters in Residential Settings
住居環境におけるスマートメータからの電磁界曝露量

Greg Gajda1, Eric Lemay1 & Art Thansandote1
1：Consumer & Clinical Radiation Protection, Health Canada, Ottawa, ON, Canada, K1A 1C1

Transmission rates and emission levels were measured from electric smart-meters in Ottawa Canada.
The mean total daily transmission duration was under 1 minute.
Worst–case outdoor power density levels 20 cm from the meters were 25 times below Canadian general public exposure limits while those indoors were more than one thousand times below the same limits.
Given the low transmission rates and weak strengths, emissions measured in this study were found to be a highly unlikely risk to health.
カナダのオタワで電力スマートメータからの電磁波の発信率と発信電力を測定した。
平均した1日あたりの累計発信時間は1分以下であった。
最悪の場合で、家の外で測定したスマートメータから20cmの距離での電力密度はカナダの一般公衆への曝露基準の25分の１であった。
そして、家の中で測定した場合は、カナダの一般公衆への曝露基準の100分の１以下であった。
発信の割合が低いことと、電力密度は弱いことから、今回の測定した発信は、健康リスクが高度に考えられないということが判る。

Figure 2：スマートメータがアパートなどで集合して取り付けられている場合の瞬間的な電力密度、機器から30cmの位置で測定。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
8. Session PA: Poster Session A 　PA47
Prenatal Whole-Body Exposure to Electromagnetic Field does not Influence Hematopoietic Activity in Rats
母体が全身電磁界に曝露した時の造血系の活性への影響、ネズミでの実験。

Koji Murono1, Kazuhito Sasaki1, Hironori Yamaguchi1, Hiroharu Yamashita1, Jianqing Wang2, Shoogo Ueno3, Hirokazu Nagawa 1 & Joji Kitayama1
1：Surgical Oncology, the University of Tokyo, Tokyo, Japan, 113-8655

Pregnant SD rats were exposed to EMF (sham/ whole-body SAR = 0.08 W/Kg) from gestational day 7 to 20, 20 hours per day, and bone marrow were obtained from juvenile rats (19 day) and their components were quantitatively investigated. 
The number of hematopoetic stem cells and percentage of micronucleus in BM as well as blood cell counts in peripheral blood were not significantly altered by EMF. 
Gestational whole-body exposure to EMF did not affect the hematopoiesis of their off-springs.
妊娠したSD系ネズミに電磁界曝露した、疑似曝露と全身曝露でSARが0.08W/kgの場合、懐胎7日目から20日目まで、1日20時間。
19日鈴の若いラット骨の骨髄を取り、定量的に解析した。
造血系の基底細胞の数、骨髄における微小核の割合、末梢血液における血液細胞数は、電磁界曝露によって有意に変化しなかった。
妊娠時における全身の電磁界曝露は生まれた胎児の造血系に影響はしなかった。

Long Abstractからの抜粋
A 2.14 GHz (Downlink) W-CDMA signal was used.
2.14GHzの基地局から端末に向かって発信されるW-CDMAの信号電波を用いた。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
9. Session PA: Poster Session A ＰＡ６５
Effects of exposure to intermediate frequency magnetic fields on Neurite　Outgrowth in PC12VG Cells
PC12VG細胞における中間周波数磁界曝露の影響

Junji Miyakoshi1, Eijiro Narita1, Tomonori Sakurai1 & Naoki Shinohara1
1：Division of Creative Research and Development of Humanosphere, Kyoto University, Uji, Japan, 611-0011

In this study, we investigated the influence of a 23 kHz magnetic field at 100 μT, which is approximately 4 times higher than the reference level in the ICNIRP-2010 guidelines, on PC12VG cells neurite outgrowth in vitro.
The exposure to an IF magnetic field of 23 kHz at 100 μT for 7days has no significant effect on neurite outgrowth in PC12VG cells.
In the treated with 50 ng/ml NGF, the neurite length and the neurite-bearing cells demonstrated a significant increase of neurite outgrowth.
この研究では23kHz　100μTの中間周波数磁界の影響を調べた。
この条件はICNIRP-2010のガイドラインに規定する参照レベルに4倍以上の強度である。
細胞実験として、PC12VG細胞における神経突起の派生を調べた。
7日間のこの曝露条件では細胞突起の派生に有意な影響はなかった。
陽性対照としてNGFを50ng/mlを与えた場合は軸索突起の長さと軸索突起類似の細胞では、軸索突起の派生に有意な増加がみられた。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
10. Session PA: Poster Session A 　PA67
Effects of exposure to 21kHz magnetic fields on estrogen-regulated gene expression in MCF-7 cells
21KHｚ磁界曝露によるMCF-7細胞におけるエストゲンが関与する遺伝子発現への影響

Yuki Ogasawara1, Masateru Ikehata2, Sachiko Yoshie2, Yukihisa Suzuki3, Satoshi Nakasono4, Chiyoji Ohkubo5 & Kazuyuki Ishii1
1：Meiji Pharmaceutical University, Kiyose, Japan, 204-0004

To evaluate biological effects of intermediate frequency magnetic fields (IF-MF), estrogen-regulated gene expression under magnetic fields were studied using ERE-luc integrated MCF-7 cell.
Exposure to IF-MF (21 kHz, up to 3.9mT) for 24 hr did not affect luciferase activity.
Also, no significant difference in luciferase activity was observed by IF-MF exposure for 4 days although slight tendency of increase was observed.
These results suggest that IF-MF is unlikely to affect directly estrogen-regulated gene expression.
中間周波数磁界の生体影響を研究するために、磁界曝露下におけるエストロゲン関連の遺伝子発現を、ERE-lucを埋め込んだMCF-7細胞を使って、調査した。
21KHzで、最大3.9mT、24時間の中間周波数磁界曝露ではluciferase活性は影響されなかった。
さらに4日の曝露では、少しの変化は観察されたが、有意な変化は観察されなかった。
この結果は、中間周波数磁界曝露はエストロゲンが関連する遺伝子発現に影響するとは言えない。

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11. Session O8: Human & Clinical　O8-1
Perception of RF Fields Emitted from Smart Phones.
スマートフォンからの高周波電磁界の感知

Min Kyung Kwon1, 2, Joon Yul Choi1, 2, Sung Kean Kim1, 3, Tae Keun Yoo1, 4 & Deok Won Kim1, 2, 3, 4
1：Department of Medical Engineering, Yonsei University, Seoul, Korea, 120-752

In this double-blinded study, we investigated perception with sham and real exposures in 15 electromagnetic hyper-sensitivity (EHS) and 17 non-EHS subjects using a wideband code division multiple access (WCDMA) module inserted a dummy phone.
Experiment was conducted using the module with average power of 24 dBm at 1950 MHz and the specific absorption rate of 1.57 W/kg using a headphone for 32 min.
As conclusion, there was no evidence that the EHS group perceived the electromagnetic fields better than the non-EHS group.

この2重盲検法による研究では、15名の電磁波過敏症者と17名のそうでない人に、W-CDMA方式の電磁波を模擬した電話を用いて、疑似曝露と電磁界曝露における電磁界の感知を調査した。
実験は模擬装置を用いて、1950MHz、平均電力は24dBm、SARは1.57W/kgの条件で、32分間行った。
結果として、電磁波過敏症のグループは非電磁波過敏症のグループに比べて、電磁界を感知するという確証は得られなかった。

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12. Session PB: Poster Session B 　PB46
Effects of abdominal local exposure of intermediate frequency (21kHz) magnetic fields on fetal development in rats
中間周波数電磁波の腹部への局所曝露による胎児の発育への影響、ネズミでの実験

Akira Ushiyama1, Shin Ohtani2, Machiko Maeda2, Yuki Hirai3, Yukihisa Suzuki3, Keiji Wada3, Naoki Kunugita1 & Chiyoji Ohkubo4
1：Department of Environmental Health, National Institute of Public Health, Wako, Japan, 351-0197

Due to the lack of science based evidences of exposure effects of intermediate frequency magnetic fields (IF-MFs), we teratologically evaluated them by using pregnant rats.
Using newly-devised in vivo exposure apparatus which can expose IF-MFs locally to the abdomen of rats being similar exposure conditions with pregnant women standing close to induction heating (IH) cooking hob.
Obtained data are currently under analysis.
中間周波数磁界の曝露による影響に関する科学的な確証が少ないので、妊娠ネズミを用いて、奇形学的に評価を行った。
妊娠女性がＩＨ調理器の前に立った条件と類似の条件になるように、ネズミの腹部が局所的に磁界に曝露するような曝露装置を新規に作成した。
得られたデータに関しては現在、解析中である。

Long Abstractから一部抜粋
We set MFs intensity to 10.3 mT at the center of abdominal surface. Exposure (or sham exposure) was done for 1hr/day from gestation day 7 up to 17.
磁界は腹部の表面中央部で10.3ｍＴの強度に設定した。
曝露・疑似曝露は懐妊7日目から17日目まで1日1時間の曝露とした。

We examined numeral dosimetry using a pregnant rat model of gestation day 16 rat. Under the exposure conditions described above, induced electric field of each fetus ranged between 0.611 to 5.74 V/m (mean 3.01V/m) depending on the relative position to the spiral coil.
The mean value is higher than the basic restriction to general public exposure (2.83 V/m at 21 kHz) of ICNIRP Guidelines [3].
懐妊16日目の妊娠ネズミをモデルに数値解析で曝露を調べた。
この研究での曝露条件ではそれぞれの胎児に誘導される電界強度は磁界コイルとの相対的な位置によって0.611から5.74V/mの範囲にあり、平均値は3.01V/mであった。
この平均値はＩＣＮＩＲＰガイドラインに規定する一般公衆への基礎指針値（21KHzでは2.83V/m）を超えている。

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13. Session ENA: ENA Workshop　　ENA-1
An Australian measurement survey of RF and ELF emissions from Smart Meters
オーストラリアにおけるスマートメータから放射される高周波・低周波電磁界の測定、

Chris Zombolas1 & Andrew Wood2
1：EMC Technologies, Keilor Park, Australia, Vic 3042

In response to a state government commission, the emissions from Smart Meters at 16 locations were measured and compared against relevant ELF and RF standards.
For RF, when adjusted for estimated worst case duty cycle and possible reflections, the meters were found to be less than 1% of the limit.
州政府委員会の要請で、16か所でスマートメータから輻射される低周波と高周波の電磁界を測定し、オーストラリアの規格と比較した。
高周波に関しては可能性のある反射や最悪の発信割合の推定によって調整を加えた。結果は規定の１％以下であることが判った。

Table 1：スマートメータから30cmの距離における曝露強度をARPANSAの規定値に対する割を示す。
最大の発信割合の条件。＊50cmでのみ測定　　＊＊複数のメータが設置された箇所　NM：未測定

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