*無線塔や高周波電磁界の健康影響に関する研究論文

無線塔と電磁波の健康影響

無線塔などの周辺で、無線塔からの電磁波(この場合は電波という表現が適切)による健康影響を示唆する研究があります。
「問題がある」という報告と「問題はない」という報告で、ともに同じ研究者がまとめたものもあります。

携帯電話からの電磁波に関する研究情報などを紹介します。 随時情報を追加します。 
<ファイルの保存のミスがあり、一部の画像を削除してしまった。再構築の予定>

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1.英国無線塔と健康影響「あり」の論文
2.英国無線塔と健康影響「なし」の論文
2A:2001年のSutton ColdFieldでの継続した研究
3.Rothman(2000年)の論文概要
4.高周波電波に関する斉藤論文
5.Foster2000年携帯電話の研究
6.眼球内のホットスポット
7.携帯電話内臓アンテナとSAR
8.携帯電話に対する頭部のドシメトリ解析と安全性評価
9.携帯電話の電磁波に関する研究(Repaachili 1997年)
9A.Utterridgeのレパチョリらの研究(携帯電話の電波でラットの癌が増加)の追試
10.マイクロ波電波の人体吸収
11.頭部にホットスポットは現れるか?

11A郵政省H10年度(1998年)携帯電話の電波に関する研究
12.総務省の携帯電話研究報告H12年度から
13.総務省の携帯電話研究報告H13年度から


14.スウェーデンがアメリカの疫学者に依頼して作成させた携帯電話と癌の疫学報告書
15.Liesenkotterの携帯電話とテレビ放送の研究 
16.携帯電話と脳腫瘍の研究 Muscat 2000
16A.2001年のInskipの携帯使用と脳腫瘍の研究

17.SalfordのBBB研究 2003年 
18.SalfordのBBB研究に対する論評
19. アトピーと携帯電話の電波曝露 

20.SAR2W/kgでも脳関門BBBに影響があるとしたToreらの研究 
20B2009年スウェーデンの研究「携帯電話多用で血流中のタンパク質が変質」 
21.総務省の研究ではToreの研究の再現性はなかった。
21B.Wangらの2015年マイクロ波曝露によるBBB障害の研究

22.Hardellの唾液腺ガンと携帯電話使用
23.バチカン放送と白血病 
24.FM放送とガン
25. カロリンスカ研 携帯電話を10年以上使うと聴神経腫の危険が2
26.高周波電磁界の影響は熱作用
27.2005年のLonnlの携帯電話と脳腫瘍の研究
28.携帯電話と脳腫瘍に関するデンマークの研究2005
28B.携帯電話と脳腫瘍に関するデンマークの研究:2011

29.英国スチュワート報告2000
29Aウィーンの医師会が子供の携帯使用禁止を提唱
29B.トロント市 子供の携帯規制 2008年
29C.バングラディッシュで青少年の携帯電話禁止へ?
29D.ロシアで携帯電話の使用を規制
29E2008年ピッツバーグ大学の携帯電話使用に関する見解
29F.英国における子供の携帯電話使用の実態:2001年調査


31.AMラジオ放送塔からの電磁界の韓国疫学研究
32.UMTS携帯電話の電波による脳の認知への影響 TNO研究の追試結果 その1

34.藤原修らの携帯電話のSAR 成人と小児の違い 2004
35.デンマークの携帯電話と癌の研究

37. 短波放送と睡眠の関係 スイスの2006年の研究
38.マイクロ波照射による影響 野島研究2006
39.ベンゾプレンで誘発したラットの腫瘍は、GSM携帯電話の低電力マイクロ波の短期間曝露では影響なし」の1999年の研究
40.マイクロ波曝露でも強度が強いと影響が出る例

42.REFLEXで影響有りとした研究

43.インターホン研究 フランスの部の結果 2007年9月発表
44.2008年のウタ大学の研究


33.インターホン研究 ドイツ 携帯電話の使用と脳腫瘍
36.携帯電話使用と聴神経腫のリスクはないとする日本のインターホン研究の結果

45.携帯電話の使用と脳腫瘍の日本の研究:2005

45Aインターホン研究 日本の部の結果 2008
4
6.インターホン研究 イスラエルの部の結果 2008
46A.インターホン研究の総括論文2010
46B.メーリングに流れた携帯と脳腫瘍の豪州での2009年研究

47.携帯電話の電磁波による脳ミクログリアの活性化 2007年の工藤らの研究

48.メガネをかけた場合の眼球のSARの違い 2007年の研究
49.メガネをかけた場合の眼球のSARの違い1997年の研究


50.H20年度環境省電磁波報告書にみるRF周波数電磁界の発ガン
51.ボルコウらの2011年携帯電話による脳細胞活動に関する研究
52.携帯電話端末からの低周波磁界の漏洩
53.イギリスの携帯電話使用と脳腫瘍罹患率の研究結果2011年
54.クロアチアの2004年2450MHzでの研究
55.EMFactのメーリングに流れた2011年ヤキメンコの論文

56.INTERFERENCE TECHN誌 2009年2月号に掲載されたドイツの放送塔に関する疫学
56A.InterferenceTech誌2013年07月号のイスラエル携帯と甲状腺癌

58.Kheifetsらの2008年研究 携帯電話使用が子供の行動に影響
59.スイスの放送塔と小児癌に関する疫学調査2014年
60.オーストラリアのスマートメータと住民の愁訴2014年の研究
61.2009年スウェーデンの携帯電話と脳タンパク質の研究
62.1975年Kramerのウサギの目にマイクロ波の研究
63.Lerchl 2015年研究 携帯電話のSAR値の安全評価に新見解

64.サルフォードの「携帯電話によるアルツハイマー引き起こし」論
64A携帯電話の電磁波がアルツハイマー病を予防2010年の研究:ネズミで実験
64B携帯電話の電磁波がアルツハイマー病を予防2019年の研究:患者で実験

65.2007年Preeceによるキプロスの軍用アンテナと健康

30.高周波電磁界の非熱効果の実験結果 1991年の研究
41.非熱効果を実証できなかった野島研究2006
57.ニール・チェリーが「非熱効果を検証した研究」と紹介しているYaoの1982年論文
66.非熱効果を実証したという2002年の論文:曝露条件をみるとパルス性印加
66ASienkiewiczらの900MHz 低レベル曝露では影響なし2000年研究
66BBMC誌 2004年 Sommerらの研究、900MH電磁波は影響なし
66CBEMS誌2011年 Leeらの研究 携帯電話からの電磁波は影響なし

67.電子レンジのマイクロ波は危険と考えた外村のマイクロ波とショウジョバエの研究

68.北シドニーのテレビ放送塔と小児白血病の研究 Hocking とMackenzie
69.マイニュースジャパンの植田記事「サウジアラビアの携帯基地局と子供の影響」の研究
70.ギリシャPanagopoulosらの2004年携帯電話とショウジョバエの研究
71.ギリシャPanagopoulosらの2007年携帯電話とショウジョバエの研究
72.ギリシャPanagopoulosの2019年携帯電話の研究
73.2002年HallbergらのFM塔とガンの研究
74.2010年Elliottらの英国における携帯基地局と小児がんの研究
75.2010年Elliottらの英国における携帯基地局と小児がんの研究」に対するBithellのコメント

76.携帯電話の使用と有訴率 Hockingの1998年の研究
77.携帯電話の使用と有訴率 H-Mildらの1998年の研究報告
78.携帯電話の使用と有訴率 H-Mildらの2001年の研究論文

79.Erogulら2006年携帯と精子の研究
80.今井らの携帯電話による精子への影響の研究2006
81.Hardellらの2007年携帯と精子の研究
82.De Iuliisらの携帯電話による精子の影響2009年研究
83.榎本らの携帯電話による精子への影響の研究2013
84.2015年イスラエルのZilberlichtらによる携帯電話と精子の研究
84AAitkinらの2005・2009年研究、携帯電話電磁波曝露と精子
84BMostafaら2012年携帯電話と精子の研究


85.Fragopoulusらの2010年携帯電話とラットの迷路実験
86.Fragopoulouらの2010年携帯電話とマウスの胚の骨変異の研究
87.Fragopoulouらの2015年無線機器と線虫の研究
88.1997年 SchillingのTV放送電波への事故による急性高曝露
89.2014年Akbariらの携帯電話基地局の電波曝露で酸化ストレスに影響という研究
90.2005年Galloniらの 900MHz電磁波による耳の機能への影響
91.Bogaらの2014年 電磁波の毒性促進効果の研究
92.Yadavらの携帯電話による細胞の小核形成に影響ありなしの研究のまとめ

93 子供と携帯電話の使用に注目したMibi-kidの研究結果
94 Ha Minaらの2013年携帯電話と子供のADHDの研究
95.Haaralaらの2005年 携帯電話と子供の認知機能の研究
96.Bhattらの2017 携帯電話と子供の認知機能研究
97.Calventeらの2016年無線周波電磁界曝露と子供の認知機能などの研究
98.Karipidisらの2017年学校のWifi曝露強度測定
99.Redmayneらの2016 子供と携帯電話の研究

100.Eserら2012年の椎間板への影響研究
100AEserら2013年の研究
101.Sokolovicらの2008年研究、メラトニンの効果
102.Takahashiら、携帯電話と変異原性の研究 2002
102A Ramosらの研究:携帯でアツハイマーに効果2010


103.Gizmodeにあった携帯とガンの研究結果2024年9

104.Garaj-Vrhovacの1991年 7.7GHz帯研究
104AGaraj-Vrhovacの1992年 1GHz帯研究
104BGaraj-Vrhovacの1992年 7.7GHz研究
104CGaraj-Vrhovac Vの1999年 1GHz帯への職業的な曝露の研究
104DGaraj-Vrhovac Vの2011年 海洋レーへの職業的な曝露の研究


 


以下は情報コーナー
アメリカFDAから携帯電話の見解 2001
携帯電話の電磁波に関して国会議員からの要請によってまとめられたアメリカGAOの報告書 2001年6月発行
ニュース報道が正確ではない事例:カナダ保健省の見解2011


携帯電話ハンドセットのアンテナからの電波の強さの推定
携帯電話ハンドセットからの電波曝露研究
携帯電話ハンドセットからの電波曝露規定
TCOの携帯電話規定
中国の携帯電話SAR規制の動き
SAR値の相関 


*携帯電話の使用と有訴率
 

イヤホンによる電波曝露対策の効果 
携帯電話の電磁波を気にする人


自然界に存在するマイクロ波電波の強さ
空港レーダからの電磁波
ケープ・コッドのPAVE PAWSレーダ紛争
産業設備からの高周波電磁界漏洩 
航空機客室内の電磁環境
スカイツリー周辺の電波強度の測定

*技術資料 
 携帯電話から発信される電力の変化(制御)




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1.英国無線塔と健康影響「あり」の論文


論文名: Cancer Incidence near Radio and Television Transmitters in Great Britain. 1. Sutton Coldfield Transmitter
研究者: H. Dolk  et al
掲載雑誌: American Journal of Epidemiology  Vol. 145, No.1 1997

概要;
Sutton Coldfieldの放送塔は1949年にTV放送用として運用開始した。その後電力やチャンネルが増加していった。
近くには工場地区があり、鉱業工場、銅工場、鉛工場がある。
1974年から1986年に発生したがんを対象にして解析
*放送塔を中心として、半径10kmの円内に住む約41万人の住民を対象

*結果  15歳以上の成人がん

距離

0−2km以内

0−10km

症例数

O/E

症例数

O/E

全白血病

23

1.83 (CI 1.22-2.74)

304

1.01 (CI 0.90-1.13)

全急性白血病

10

1.86 (CI 0.89-3.42)

116

0.88 (CI 0.73-1.06)

慢性リンパ腫

8

2.56 (CI 1.11-5.05)

96

1.32 (CI 1.08-1.62)

 

放送塔との距離と成人がんの発生とは関連がある。
                             全白血病

距離

症例数

O/E

0-2 km

10

1.86

2-4.9 km

11

0.95

4.9-7.4 km

38

0.99

7.4-10 km

57

0.75

 

*このSutton Cold fieldでの結果は尋常ではない。

 

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.英国無線塔と健康影響「なし」の論文


論文名: Cancer Incidence near Radio and Television Transmitters in Great Britain. 2. All High Power Transmitters
研究者:H. Dolk  et al
掲載雑誌:American Journal of Epidemiology  Vol. 145, No.1 1997

概要;

英国のSutton Cold fieldにある無線送信塔の周囲には癌の発生が多かった。
そこで研究対象を全英の同様な無線送信塔の周囲に住む人に広げて、研究を行なった

20箇所の送信塔を対象。対象となる人口は339万人。癌登録から症例を抽出。
送信塔から10km以内に住む人を、送信塔からの距離との関係で調査。
15歳以下の子供、15歳以上の大人に別けて解析。

結果は 大人の白血病は、解析はSutton Cold Fieldを除いて行った。
10km以内に住む人に、3305例の白血病が有り、O/E 1.03  (95%CI 1.00-1.07)
2km以内に住む人に、79例の白血病が有り、O/E比 0.97 (95%CI  0.78-1.21)

子供の癌に関しては、 解析はSutton Cold Fieldを含めて行った。
10km以内に住む人に、317例の白血病があり、O/E 0.97 (95%CI  0.87-1.07)
2km以内に住むひ人に、10例の白血病があり、O/E1.12 (95%CI  0.61-2.06)  であった。

このことから、Sutton Cold Fieldでは特異な現象があったが、全英の放送局を対象とし考えれば、癌の増発はない。

推論:

この二つの報告から、Sutton ColdFieldでは特異な現象があったが、同じ研究者が研究の対象を全英の放送局に広げて検証した結果では、癌の増発はなかった。
このSutton ColdField地区には電磁波ではない何かの交絡因子があるか、何か地域特有の問題なのかも知れない。



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2A:2001年のSutton ColdFieldでの継続した研究

記:2013−4−8

1
に紹介したDolkの研究のフォローアップ研究が行われています。

掲載誌:American Journal of Epidemiology Vol. 153, No. 2 2001
タイトル:RE: “CANCER INCIDENCE NEAR RADIO AND TELEVISION TRANSMITTERS IN GREAT BRITAIN. ISUTTON COLDFIELD TRANSMITTER; II. ALL HIGH POWER TRANSMITTERS”
研究者:Duncan Cooper

Dolk
の研究ではSutton ColdFieldでの1974年から1986年までの癌発生を対象にした研究であった。

このCooperらの研究は、その後の、Sutton ColdFieldにおける1987年から1994年までの癌発生を対象にして、解析を行った。
結果、Dolkの研究のような、無線塔に近いから発がんが多い、という傾向はみられなかった。
以下に結果の表を示す。

 

 

関心のある方は、原著全文を読んでください。

 

 

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3.Rothman(2000年)の論文概要

Lancetの文献です。

タイトル Epidemiological evidence on health risks of cellular telephones
研究者 K. J. Rothman
雑誌名: The Lancet. Vol 356.
Nov. 25 2000 P1837-40

携帯電話の電磁界に関する疫学による健康影響の概況

この論文の中から、抜き出すと
*現在色々と研究中であり、仮に研究結果として発ガン等の健康影響があるとなったとしても、その危険度は、携帯電話使用中の交通事故の危険性に比べて、小さいであろう。

*ある研究によれば、携帯電話のハンドセットの使用による頭部の温度上昇は大きな送信電力のハンドセットの場合でも、0.1度Cを超えない。

*過去の類似の研究によれば
Lilienfield et alの研究:モスクワシグナルで有名な高周波電磁界暴露を受けた在モスクワアメリカ大使館関係者の調査では、脳腫瘍の増加は無かった。
 (但し期待値は0・9と小さい)、全癌で期待値19に対して観察値は17であった。

Hill (1988)の研究:第2次世界大戦の間、1940−1946年にレーダの開発に携わった人1492名の追跡調査、電磁波の強さ2−5mW/cm2の暴露を受けたと推定。
脳腫瘍、その他の癌の増加はない、リンパ腫に少し増加傾向がある。

Milham (1998)の研究:約68,000人のアマチュア無線家を対象。 全体として癌の増加はないが、脳腫瘍で死亡が期待値20・8人に対して、観察値28人と多い。

Szmigielski (1996)の研究:電磁波暴露の受けたポーランド軍人を対象。
脳腫瘍が2倍、全癌で2倍となっている。 他の研究と大きく傾向が異なる


Morgan et al (2000)の研究:モトローラ社の従業員約20万人を対象。

電磁波を浴びている人に脳腫瘍やリンパ腫の増加はない。
(モトローラは携帯電話を製造しており、自らの手で、疫学を行った模様)

 

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4.高周波電波に関する斉藤論文


論文の概要の紹介です。


研究者: 斉藤賢一ら
タイトル:ニワトリ有精卵およびマウス胎生期における高周波照射が鰐化率,諸臓器重ならびに遅延型皮内反応におよぼす影響  
雑誌: 成長 1989年  

ニワトリ有精卵に428MHzの高周波電磁界を4mW/cm2の電力密度で曝露しながら孵化させた。
結果は異常が多かった。 


マウス胎生期における高周波照射が諸臓器重ならびに遅延型皮内反応におよぼす影響も調べた。 
これには428MHzの高周波電磁界を1mW/cm2の電力密度で曝露。 
結果は高周波曝露の影響が見られた。 

これらは非熱効果であるとしている。 

参考までに 
ICNIRPの曝露基準で言えば、職業曝露最大10.6mW/cm2、一般公衆最大曝露2.1mW/cm2 であり、上記の実験における電磁波の強度は、曝露基準値を超えか超えないまでもそれなりに強い電磁波を当てています。


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5.Foster2000年携帯電話の研究

 

IEEEの携帯電話の電磁波に関する記事で、
http://www.spectrum.ieee.org/publicfeature/aug00/prad.html
にあった内容です。

タイトル:Are mobile phones safe? (携帯電話は安全?)
Research intensifies as the public grows wary of one of its favorite communications tools

という特集記事です。
研究者は Kenneth R. Foster, University of Pennsylvania John E. Moulder, Medical College of Wisconsin です。

記事の中で気がついた点は
*携帯電話の電磁波の健康影響に関して、アメリカでは1992年頃から騒ぎ出した。
 フロリダ州で女房が携帯電話の電磁波の為に脳腫瘍になったと裁判に訴えた。
 この裁判は1995年に十分な科学的な論拠がないとして、却下された。

*同様な裁判が継続して行われたが、電磁波が原因であると認められることはなかった。

*疫学研究や、動物研究が行われているが、いずれも携帯電話が脳腫瘍の原因とは確定していない。

1995年にH. Laiが発表した研究(鼠にSARW/kgの電磁界を暴露させた時にDNAに損傷が発生する)は、その後の研究、Roti Rotiの研究で再現しなかった。
ベルギーの研究でも再現しなかった。 
今では、H. Laiの研究は、何か実験手法に問題があったのではないかとさえいわれている。

*最近の話題にMuscatの研究がある。1999年の会議で公表されたが、まだ学術雑誌に掲載されていない。カナダのTVで一部報道された。
この研究では、携帯電話の使用で脳腫瘍は増加していないが、ある種の脳腫瘍に関してはあいまいさが残っている。
何か問題点が残っている。 カナダのTVでは、誇張されて報道された。


詳細は原文を読んでください。

 

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6.眼球内のホットスポット

 

電子情報通信学会論文誌B Vol. J82-B No.8 PP1605-7 1999年8月に掲載された論文の概要です。

研究者:牛尾剛ら、

論文:眼球内のおけるホットスポットの生成 

ヒトの目は熱の対流もなく、電磁界によって熱が発生すると影響を受けるので、ホットスポットが発生しないかFDTD法でシミュレーションを行った。

条件
一般公衆より5倍強い電磁界を受けても良い職業的暴露の限界値5mW/cm2の電磁界に暴露したとした。
目の重さは11gである。
周波数は、人体頭部が共振を起こさない高い周波数として、700MHzから6GHzまで、とした。

結果; 
平均SARが最大となる周波数は1.9GHZである。
これより高い周波数でも、低い周波数でも平均SARは低下する。 
この最大値は、10g当たりの平均SAR1.8W/kgで 指針値の10W/kgを超えない。 
このことから、職業人に許容される強い電磁界の暴露下で、目にホットスポットが発生しても、指針値を超えない。

という内容です。 

10g
あたりの平均ではないとなっているが、論文に添付された図を見れば、1mm刻みに分割して計算した結果では、3.4W/kg5.0W/kgという部分的に高い値を示している個所がある。

詳細は論文誌の原本か、電子情報通信学会のWEBで公開されている論文(http://search.ieice.or.jp/)を参照してください。

 

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7.携帯電話内臓アンテナとSAR

 

電子情報通信学会論文誌B Vol. J82-B No. PP1417-1419 1999年7月に掲載された論文の概要です。
研究者;王建青、藤原修、
論文名:1.5GHz携帯電話内臓アンテナと人体頭部との相互作用 

携帯電話に内蔵されている逆Fアンテナの位置によって人体頭部の受ける電磁界の強さをFDTD法によってシミュレーションを行った。

逆Fアンテナを携帯電話の筐体内部の上部に取り付けた時(T)と筐体のサイドに取り付けた時(B)の2種類計算。

頭部の受ける10g当たりの平均SARは 
T: 図から読み取ると最大で1W/kg程度 
B: 図から読み取ると最大で0.35W/kg程度 と 
アンテナの位置によって、頭部の受けるSARが3倍も異なる。

いずれの場合も、指針値2W/kgを超えていない。

アンテナの取り付けによって発信された電波は何処に吸収されるか図から読み取ると 
Tの場合 
電波として飛んでいく 40% 
頭で吸収される    40% 
手で吸収される    20% 


Bの場合 
電波として飛んでいく 30% 
頭で吸収される    30% 
手で吸収される    40% 


************** 

このことから、通話の目的からすればTの方がより通信に電波が使用されることになり、良いことになる。
しかし、頭部に受けるSARは、Tは大きく、Bは小さい。 
通話の為に電波をより多く飛ばすことと、頭部に電波を受けないようにすることは、このアンテナの場合は一致しないことになる。 

多分、こうしたことから、携帯電話の各メーカはどういうアンテナを設計したらよいか、頭をひねっていると思います。

詳細は論文誌の原本か、電子情報通信学会のWEBで公開されている論文を参照してください。

 

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8.携帯電話に対する頭部のドシメトリ解析と安全性評価

 

電子情報通信学会雑誌に掲載された内容です。詳細はPDFファイルで電子情報通信学会のWEBで公開されています。
熱的な影響に関しての研究です。 

Vol.J83-B No.5 pp.720-725  20005月 
●形式:論文 
●題名:携帯電話に対する頭部のドシメトリ解析と安全性評価 
●著者:藤原 修,城向 剛博,王 建青 

あらまし : 
携帯電話を対象とした局所吸収指針が1992年に米国,19961997年に欧州,我が国においてそれぞれ制定されたが,公衆に対する指針値は前者では1g当り 1.6W/kg以下,後者は10g当り2W/kg以下とされ,局所SARの評価法が国際間で異なっている. 

このような背景から本論文では,筆者らの製作になる頭部リアルモデルを用いて成人から幼児までのサイズの異なる5種類のモデルを新たに構成し,現用の携帯電話による頭部内のSARと上昇温度をFDTD法で解析した. 

その結果,頭部内のピークSARは,米国制定の評価法(1 g平均)では900 MHz でも1.5 GHzでも、指針値(1.6 W/kg)を超えるのに対し, 
欧州,我が国制定の評価法(10 g平均)では900 MHzで指針値(2 W/kg)程度であり,1.5 GHzではそれを下回ること,
しかしピーク上昇温度はアンテナ側の頭部表面で0.2℃以下であることなどがわかった. 

一方,頭部深部にある視床下部での上昇温度は頭部サイズが小さいほど増加するが,その値は成人サイズモデルで0.003℃以下,最小の幼児サイズモデルでも0.05℃以下であり,体温調節行動を誘発するしきい値(0.3)を大きく下回ることから,

現用の携帯電話による局所ピークSARが米国指針値を超えても熱ストレスの影響はないものと判断できる. 

 

 

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9.携帯電話の電磁波に関する研究(Repachili 1997年)   


論文の紹介です。
研究者:M. Repachili et al: 
論文名:Lymphomas in Eμ-Piml Transgenic Mice Exposed to Pulsed 900 MHz Electromagnetics Fields. 
掲載雑誌:Radiation Research 147 631-640 1997 

概要: 
*リンパ腫になりやすい様に遺伝子操作を行なったマウスを準備した。 
 このマウスは10ヶ月の飼育で5%から10%がリンパ腫になる。

*厚さ1mmのアルミで周囲を囲んだ電磁波シールドルームを準備した。
 
広さは幅2.2m(一つは1.8m)、奥行き2.6m、高さ2.45mである。
*側面の中央に長さ1/4波長のモノポールアンテナを設置。 
*携帯電話の電波を模した電波を発信させた。 周波数は900MHz。 

*電磁波曝露のマウスは、飼育箱に入れて、アンテナから離して、遠方界の電磁波になる様に配置。
*電磁波の強さは、測定器で実測。電力密度で2.W/m2から13W/2である。 
 アンテナからの距離によって異なる。 

 電界強度に換算しなおせば、19.4V/mから70.0V/mとなる。 

(参考までにヒトを対象つぃた電磁界曝露限度はICNIRPの一般公衆向けで 4.5W/2であり、明らかに曝露基準を超え、熱作用が発生しても良い強い電力を曝露している。)
 SAR0.008から4.2W/kgの範囲で大きく変動している。

*電磁波への曝露群は101匹、電磁波を浴びない対象群は100匹 
18ヶ月の長期にわたって観察 
*電磁波曝露群は、電磁波の強度が位置によって異なるので、週2回の飼育箱清掃の時に位置を交換し、均等に曝露するようにした。 

結果 対照群に比べて電磁波曝露群でのリンパ腫の発生は多く、 2.4倍(信頼性区間1.34.5)であった。 
*このことから、発癌に至るメカニズムは不詳であるが、 900MHzの電磁波はリンパ腫を増発する。


ここから私のコメント:
シールドルームということで電磁波の反射などがあるので、実験室内の電磁界強度の分布がどうなっているか心配である。 

飼育箱の位置を動かしているので、基本的には全てのマウスが最大である13W/m2の強い電磁波を浴びており、規定の4倍ということであるので、こうした異常が発生しても不思議ではない。(ヒトと鼠への曝露という違いはある)
継続して、電力を少し小さくした時にどうかを検証すべきである。

 

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9A.Utterridge のレパチョリらの研究(携帯電話の電波でラットの癌が増加)の追試

作成:2007−2−2 
レパチョリらの研究は再現しなかった という報告

この研究    鼠は姿勢拘束(ストレスの影響あり)     SARは一定
レパチョリら  鼠は姿勢拘束せず(ストレスの影響「なし)  SARはばらつきが大きい という差がある。

掲載誌:RADIATION RESEARCH 158, 357364 (2002)
タイトル:Long-Term Exposure of Em- Pim1 Transgenic Mice to 898.4 MHz Microwaves does not Increase Lymphoma Incidence
研究者:D. Utteridge at al:

 

概要
120
匹の遺伝子操作(癌の発生が多くなるように操作)を行ったラットと、120匹の野生種(遺伝子操作を行わない)のラットに、11時間、5日/週、140週まで、‘Ferris-wheel’曝露装置を使用してGSM携帯電話システムの898.4MHz電波を照射した。曝露強度はSAR(全身曝露)で0.25124W/kgである。
加えて、120匹の遺伝子操作を行ったラットと120匹の野生種のラットへの擬似曝露と、姿勢の拘束を行わない対照群での実験を行った。

4
群の曝露レベルは量―反応効果が見られるかを確かめるために設定した。
独立した検証の結果では、今回の曝露レベルは非熱効果の条件である。
結果は、全ての曝露レベルにおいて、擬似曝露群と比べて、リンパ腫の発生に有意な差異はなかった。

量―反応関係は見つからなかった。
今回のこの結果は鼠への長期曝露(894.4MHzGSM携帯電話で使用している周波数の電波に曝露)で0.25124W/kgSARでは、擬似曝露に比べて有意な差異はないことがわかった。

これまでのレパチョリらの研究(1997年)では、リンパ腫にかかりやすい遺伝子操作を行った鼠に、900MHzRF長期曝露を行った場合、擬似曝露群に比べて非リンパ芽球性リンパ腫の発生率が高くなったという報告がある。  この1997年の研究は追試では再現しなかった。

BEMSJ注:この論文を、ニール・チェリーは携帯電話の健康影響のリスクを見出した研究論文として、紹介していた。

 

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10.マイクロ波電波の人体吸収

 

日本の研究論文を紹介します。

研究者:西澤振一郎、橋本修  
論文名:誘電体損失シールドを用いただ円筒3層人体モデルのSAR低減に関する検討。 
雑誌;電子情報通信学会論文誌 B-U 1997年11月 

概要:
携帯電話等の発達に伴う電磁界曝露に関連して、人体の電磁界曝露SARを低減するための研究。
人体に電磁波シールド素材を置いた時に人体が受けるSARの削減の研究。 
数値シミュレーションを用いた。

結果はマイクロ波の電磁界によるSARは前面に置いたシールド材料でSARは低減する。

この論文を見ると、シミュレーションは人体を皮膚、脂肪、筋肉の3層構造と仮定してある。
1・3GHzで人体のSARを見ると1mm程度の皮膚でのSARが最も大きく、1.3W/kg程度(グラフから読み取っているので正確ではない)、
内側の2mm程度の脂肪でのSARは0.1W/kgに減衰、
筋肉では最も大きいところでSARは0.3W/kg程度になっている。
 

人体の前面に電磁波シールドを行なった時は、皮膚の部分でSARは0.9W/kg程度に減衰。 
脂肪、筋肉でのSARもほぼ比例して減衰。

というカーブがありました。 

ここから私のコメント。 
電磁波シールド効果はあるが僅か30%カット程度である。以外に効果が少ない。 
こうした高いマイクロ波という周波数、携帯電話で使用される周波数になれば人体で吸収される電磁界は殆どが外面の皮膚で吸収され、内部では以外に少ないことが判りました。 

このことは携帯電話等の電磁界の健康影響を考える時に大きな要素となるようです。

この論文誌は殆どの工学系の大学の図書館にあると思いますので、興味のある方は原著を読んでください。 

 

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11.頭部にホットスポットは現れるか


電子情報通信学会のWEBに公開されていた論文の内容。
http://search.ieijp.or.jp/jpa/2000/allsearch/j83-b1-81.htm
 
結構 興味の深い研究成果です。

***** 引用 ********************* 
ieicejps B 2000 1
 
携帯電話の電磁界による頭部内のホットスポット形成とSAR FDTD解析  
藤原 修 Osamu FUJIWARA Nagoya 王 建青 Jianqing WANG Nagoya 牛本 卓二 Takuji USHIMOTO Nagoya 野島 俊雄 Toshio NOJIMA NTT 

本論文では,携帯電話によるホットスポット形成の有無を明らかにするために,筆者らの製作になる成人,小児,幼児サイズの3種類の実形状不均質頭部モデル(以下,リアルモデルと呼ぶ)と, 
対照モデルとしてそれらの大きさに対応した均質球モデルを用い, 
携帯電話による頭部内SARを平面波曝露(ばくろ)の場合と併せてFDTD解析した. 

その結果, 
携帯電話の実使用状態ではリアルモデルでも均質球モデルでもサイズの大小にかかわらず局所ピークSARは表面上で生じ,内部にはホットスポットは形成されないことがわかった. 

一方,携帯電話を頭部から9.75cm離した状態では幼児サイズのリアルモデル及び均質球の両モデルにおいてホットスポットが現れることが判明し,このことは平面波曝露で顕著に確認できた. 

しかし,これらのホットスポット値は,携帯電話の実使用状態で頭部表面上に生ずるピークSAR値に比して十分小さく,例えば幼児サイズの首まで含めたリアルモデルでのホットスポット値は、900 MHzでは1g平均で41, 10g平均では36, 1.5GHzでは1g平均で16, 10g平均では11であることがわかった.

*****  *********** 

詳しくはこの研究の原著を読んでください。

 

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11A.郵政省H10年度(1998年)携帯電話の電波に関する研究


以下の様な報道発表があります。
概要を以下に示すので、関心のある方は、郵政省のサイトで公開されている全文、報告書全文を入手して読んでください。

*********** 一部 引用   ******************
99/09/03 
熱作用を及ぼさない電波の強さでは脳(血液-脳関門)に障害を与えず
         −生体電磁環境研究推進委員会の研究結果−

 郵政省では、平成9年10月より「生体電磁環境研究推進委員会(委員長:上野照剛 東京大学教授)」を開催し、電波の生体安全性評価に関する研究・検討を行っております。

 平成10年度研究においては、電波曝露により血液-脳関門に対して影響があったという実験報告に対し、ほぼ同様な電波の強さでの実験を実施し、熱作用(電波曝露によって全身が加熱されることにより深部体温が上昇する作用)を及ぼさない強さの電波曝露(1週間)では、「血液−脳関門(BBB)」に障害を及ぼすような影響は引き起こされないことを確認しました。

1 実験概要
携帯電話から発射される電波(1,439MHzPDC方式)の脳に対する影響を調べる ため、平成9年度研究においては、一般環境の電波防護指針値レベル(注1)で の2週間及び4週間の電波曝露の影響を調べ、BBBに対して障害を及ぼすような影響が引き起こされないことを確認しました。

注1 脳局所SAR2W/kg(携帯電話やPHSから発射される電波の強さはこの指針値レベルよりも低い。)
一方、海外において、より強い電波によりBBBに対する実験を行ったところ影響が生じるとの報告があったため(注2)、平成10年度研究においては、この実験条件を基に、下記の条件による影響の検討を行いました。

注2 ドイツのFritzeらは1997年に脳平均SAR7.5W/kgの時にBBBの透過性がこう進すると報告。

(1)
 熱作用の影響がない場合
熱作用を引き起こす閾いき値(全身平均SAR4W/kg)を超えない全身平均SAR1.4W/kgにおいて脳部に強い電波(脳平均SAR7.4W/kg)を曝露。
2) 熱作用の影響がある場合
上記条件の3倍以上(全身平均SAR4.5W/kg、脳平均SAR25W/kg)の電波を曝露。

2 実験結果
BBB
、脳組織の形態学的変化及び深部体温の変化について検討した結果、脳への曝露レベルが携帯電話よりも非常に大きな場合でも熱作用の影響がない場合には、電波曝露によるBBBに対する影響は認められませんでした。

3 考察
過去の研究報告のうち、電波曝露がBBBの透過性をこう進させるという報告のほとんどが熱作用によるものと考えられている。
今回の実験では、条件3(全身SAR4.5W/kg)のみにおいて、曝露直後にBBBの透過性がこう進し、深部体温測定により深部体温の上昇が認められた。


今回行った実験においては、脳平均SARFritzeらの実験とほぼ同じ強度であるが、Fritzeらの実験では全身平均SAR4.2W/kgと熱作用の閾値を超えてしまっているのに対し、今回の実験では1.4W/kgと熱作用の閾値を十分下回っていることから、本研究の結果は、熱作用に影響されない、電波の脳に対する精度の高い ものであると考えられる。


なお、BBBの透過性をこう進させる原因は、今回の実験により熱作用が考えられることから、何らかの原因により全身が加熱され、深部体温の上昇をもたらすものであればその原因になりうると考えられる。

************    ****************

 

 

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12.総務省の携帯電話研究報告H12年度から 


総務省のWEBで公開されている報告書です。
PDFファイルで合計90ページもあります。ページ数は多いのですが、データが並んでいる頁がほとんどなので、読むには時間はかかりません。

興味のある方は http://www.soumu.go.jp/s-news/2002/021112_1.html#01 にアクセスしてください。
この報告の結論の部分だけを紹介します。

******************* 引用 *************** 
脳高次機能への生物学的影響評価 研究報告書 <平成12年度> 

5. 結論 
高周波電磁波曝露がラット脳機能に及ぼす影響をT字型迷路により検討する実験において,全身平均SAR 1.7 W/kg,脳平均SAR 7.5 W/kgの電磁波を4時間曝露させたが,参照記憶保持に与える影響は認められなかった.

 

また上記の電磁波を1日1時間,4日間にわたり曝露させたが,参照記憶獲得に与える影響は認められなかった.

 

一方,全身平均SAR 4.5W/kg,脳平均SAR 25W/kgの電磁波を45分間,4日間にわたり曝露させたところラット体温の上昇と参照記憶獲得に与える影響が認められ,ラット学習能力の低下を認めた

 

携帯電話から発生される高周波電磁波のレベル(局所平均SAR<2.0 W/kg)を大幅に上回る曝露によっても,熱作用を生じる条件でなければ,ラット学習・記憶能力への影響はみられなかった.

 

 

***********************   *************

 

ちょっと解説:

この実験は、1439MHzの電波を鼠にあてて、鼠の脳の記憶機能に影響が出るかを調べたものです。

1日あたり1時間の電波の暴露で、通常の携帯電話のSAR2W/kgに対して4倍に近い電波を浴びても、影響は見られなかった。

しかし、12倍を越える25W/kgの暴露では、鼠の体温の上昇もあり、記憶作用に盈虚を与えていることが判った。

という研究です。 

 

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13.総務省の携帯電話研究報告H13年度から 


総務省のWEBで公開されている報告書です。
PDFファイルで合計80ページもあります。ページ数は多いのですが、データが並んでいる頁がほとんどなので、読むには時間はかかりません。

興味のある方は http://www.soumu.go.jp/s-news/2002/021112_1.html#01 にアクセスしてください。 

この報告の結論の部分だけを紹介します。 
この報告書は12年度では暴露期間が4日であったのが、4週間に延長し長期間の暴露による影響を見ています。
結果として4週間の暴露でも影響は見られなかったという報告です。


*********  引用 ********

高周波電磁波曝露による 脳高次機能への生物学的影響評価研究報告書  <平成13年度> 

第5 章結論  
高周波電磁波曝露がラット脳機能に及ぼす影響をT字型迷路により検討する実験において,全身平均SAR 1.7 W/kg,脳平均SAR 7.5 W/kgのTDMA,PDC方式の電磁波を1日1時間,4週間にわたり曝露させたが,空間参照記憶および空間作業記憶に基づくリバーサル学習に与える影響は認められなかった. 

一方,全身平均SAR 4.5 W/kg,脳平均SAR 25 W/kgの電磁波を45分間,4日間にわたり曝露させたところラット体温の上昇とリバーサル学習に影響が認められ,ラット学習能力の低下を認めた.  

携帯電話から発生される高周波電磁波のレベル(局所平均SAR<2.0 W/kg) を大幅に上回る曝露によっても,熱作用を生じる条件でなければ,ラット学習・記憶能力への影響はみられなかった. 

     

   ************** 引用  *****************

 

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14.スウェーデンがアメリカの疫学者に依頼して作成させた携帯電話と癌の疫学報告書 

 

サマリーの部分の英文と私の仮訳、私の感想などを以下に示します。

興味のある方はスウェーデンのSSIのWEBからPDFファイルをダウンロードして原文を読んでください。 A4で40ページあります。 

携帯電話と癌のリスクに関する易学研究のレビュー 
Epidemiologic Studies of Cellular Telephones and Cancer Risk - A Review 

SSI rapport: 2002:16
 
September 2002
 
ISSN 0282-4434
 
AUTHOR: John D. Boice, Jr., Joseph K. McLaughlin.
 

SUMMARY:
 概要  
Cellular telephones emit and receive radio frequency (RF) signals between about 450 and 2200 MHz which fall in the microwave region of the electromagnetic spectrum.
 

携帯電話はマイクロ波帯域の電磁波、450MHzから2200MHzを使用している。 

A RF wave from a cellular telephone contains billions of times less energy than an x-ray and is not capable of inducing ionizations or damaging DNA.  

これら携帯電話に使用している高周波電波はX線など10億分の1のエネルギーしかなく、電離作用やDNAに損傷を与えることはできない。

The rapid and widespread use of this technology, however, has raised concern over possible adverse health effects, in particular brain cancer.  

しかし、携帯電話の急速な普及は、携帯電話による健康影響の不安をもたらしている、特に脳腫瘍について。 

A few studies which addressed this concern in the United States and Sweden are non-informative, either because the follow up was too short and numbers of cancers too small (USA) or because of serious methodological limitations (Sweden).

これまでの研究の中で、米国Rothman 1996とスウェーデンHardel 1999,2000,2002の研究は参考にならない。
なぜならば、米国の研究は観察期間が短く、かつ癌の症例数も少ないので、スウェーデンの研究は研究手法に問題があるからである。 

In contrast, five well-designed epidemiologic studies have been conducted in three countries by investigators using different designs: three hospital-based case-control studies in the United States, a registry-based case control study in Finland, and a registry-based cohort study of over 400,000 cellular phone users in Denmark.  

一方、十分に吟味された疫学手法で5つの研究が行われた、3カ国で、異なる手法を用いている。 
米国で行われた3つは病院の患者を基本とした症例対照研究、フィンランドの癌登録を利用した研究、デンマークの40万人の携帯電話利用者を対象としたコホート研究で癌登録を利用した研究である。 

In our view, a consistent picture has emerged from these studies that appears to rule out, with a reasonable degree of certainty, a causal association between cellular telephones and cancer to date. 

今回のレビューはこうした研究の中から、携帯電話と癌の関係について、現時点で、確かなものを見出すことである。 

No consistent evidence was observed for increased risk of brain cancer, meningioma, acoustic neuroma, ocular melanoma, or salivary gland cancer, examined over a wide range of exposure measures, including type of phone (analogue or digital), duration of use, frequency of use, total cumulative hours of use, tumor location and laterality (concurrence of tumor location with hand normally used during phone conversations).  

脳腫瘍を増加数するという確かな証拠は見出せなかった、携帯電話の使用期間、携帯電話の種類、累積の使用時間、脳腫瘍の発生の位置との関係など。 

These methodologically sound epidemiologic investigations have limitations associated with any non-experimental study, and although they are not the same across each of the studies, the influence of bias, confounding and uncertainties in exposure assessment cannot be completely discounted.  

これらの疫学的な手法には限界がある。バイアスや交絡因子、暴露評価における不確実性などを完全に除去できない。

However, increased risks of 20% or higher can be excluded with a high level of confidence. 

脳腫瘍に関して20%もしくはそれ以上のリスク増大があるという研究も成果も無視はできない。 

Complementing the human data are the emerging results of experimental studies which have failed to confirm earlier reports of possible adverse outcomes from RF exposure.  

 訳? 

Moreover, there is no biologically plausible mechanism to support a carcinogenic effect of non-ionizing RF waves.
 

さらに、非電離放射線である高周波電磁波による発ガンを説明できる機序はまだ見つかっていない。 

While the current state of the science is reassuring, ongoing case-control studies being conducted in 13 countries using a shared protocol, and continued follow-up of cohorts of cellular phone users, should provide further evidence regarding any possible carcinogenic effect associated with long-term cellular telephone use. 

現在13カ国で進行中の疫学研究やコホート研究の継続などで、長期にわたる携帯電話使用による発ガンの可能性に関して更なる確証を提供することによって、現在の科学の状況は再確認されるであろう。 

内容を読んで 
*9件の携帯電話使用と発ガンの疫学研究をレビューしているが、携帯電話の使用で発がん性があるとしているのはHerdelの研究だけである。 

*Herdelの研究は、携帯電話を使用している耳に近い方の脳の中に脳腫瘍が発生するリスクが大きいといっている。脳腫瘍全体の発生のリスクはない。 

*Herdelの言う携帯電話の使用する耳の側と、脳腫瘍発生の部位の関係を他の研究者も調べているが、そうしたリスクの発生は検出されていない。 

*Herdelの研究では、携帯電話の無線電力に25-100分の1の微弱なコードレス電話の使用でも、携帯電話の使用と同じ程度の発がん性リスクが観察されている。 
(本来であれば、これらのコードレス電話の使用では発ガンは増加しないはずであるから、この研究は問題を抱えている。) 

また、アンケート調査を郵便で発送し、受取人が記入して返送しているので、アンケートの記入に際して記入者の思い込みや記憶による記入などにバイアスが入っている可能性がある。 (などとして、このHerdelの研究を信頼できないとしている。) 

以上 
作成;2003−1−7 

 

 

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15. Liesenkotterの携帯電話とテレビ放送の研究 

 

研究者より原著論文のリプリントを入手した。 
概要のみ英文があり、本文は全てドイツ語で読めないので、概要の部分のみを紹介します。 作成:2002−1−14  

論文名:Eine Analyse Zur haufig behaupteten Schdlichkeit digital modulierter Mobilfunkstrahlen
デジタル変調方式の携帯電話の無線周波数の健康影響 

研究者:Bernhard Liesenkotter  
FachhochSchule Augsburg, Fachbereich Elektrotechnik
 

掲載雑誌:Z. Med. Phys, 12 (2002) 198-203 

Abstract
 概要  
In the public discussion regarding the health risks of mobile phone system radiation, it is emphasized that the pulse slope of digital modulation, as defined in the GSM-Standard, will cause biological effects.
 
携帯電話システムからの電磁波の健康影響が論議されている。中でもGSM方式のデジタル変調の健康影響に注目が集まっている。 

In contrast, the high field strength of broadcasting and television radiation is not considered to be relevant.
This paper compares quantitatively the slope of the digital GSM pulses with that of the synchronizing pulse of the television signal.
 
一方、テレビジョン放送による強い電磁波暴露に関しては問題となっていない。 
この研究は、GSM方式のデジタル変調のパルスの鋭さと、テレビジョン放送の同期信号パルスの鋭さを定量的に比較したものである。 

The result shows clearly that the pulse spectrum of the television signal contains that of the GSM signal; in addition, the synchronizing impulse of television exhibits a much steeper slope.
 
結果は、テレビジョン放送信号のパルスは非常に急峻なパルス特性であった。  

Considering the countrywide normal radiation intensities of television and mobile phone systems, it can be stated that the worldwide exposure to the common television signals over more than 50 years can disprove the contention of adverse biological health effects of the pulse slope of digitally modulated radio frequency.
 

全国的なテレビジョン放送による電磁波暴露と携帯電話による電磁波暴露を考えると、テレビジョン放送による電磁波暴露を過去50年以上にわたって世界中で一般の人々受けてきているので、パルスの傾きがテレビジョン放送より甘いというこの研究結果は、デジタル変調の携帯電話の健康影響に関する論争に反証となる。

*********************

 

すなわちこの研究によれば、過去50年以上にわたって世界中で浴びてきたテレビジョン放送の電波(電磁波)の方が強いし、テレビジョン放送の電波による健康影響はほとんど論議されていないことから、携帯電話の基地局のアンテナから放射されている電波(電磁波)の暴露による健康影響はない という趣旨の論文といえます。

興味のある方はドイツ語の原著に挑戦してください。

 

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16.携帯電話と脳腫瘍の研究 Muscat 2000


アブストラクトのみ入手 仮訳をつけた。 作成: 2003−1−20 

掲載誌:Journal of American Medical Association,
Vol.284 No.23, December 20, 2000 

論文名: Cellular Telephone Use and Risk of Brain Cancer  
  
研究者:Joshua E. Muscat, MPH; Mark G. Malkin, MD, FRCPC; Seth Thompson, PhD; Roy E. Shore, PhD; Steven D. Stellman, PhD; Don McRee, PhD; Alfred I. Neugut, MD, PhD; Ernst L. Wynder, MD 

Context: A relative paucity of data exist on the possible health effects of using cellular telephones. 
背景:携帯電話の使用に関連する健康影響の可能性を示すかなり少ないデータがある。 

Objective: 
To test the hypothesis that using handheld cellular telephones is related to the risk of primary brain cancer. 
目的:携帯電話の使用が脳腫瘍に関係するという仮説を検証する。

Design and Setting: 
Case-control study conducted in 5 US academic medical centers between 1994 and 1998 using a structured questionnaire. 
研究計画:質問用紙を用いて1994年から1998年にかけて、アメリカの5箇所の医療センターでおこなった症例対照研究 

Patients: 
A total of 469 men and women aged 18 to 80 years with primary brain cancer and 422 matched controls without brain cancer. 
研究対象:18歳から80歳の男女、合計469の脳腫瘍の症例とマッチさせた脳腫瘍以外の対象群422名 

Main Outcome Measure: 
Risk of brain cancer compared by use of handheld cellular telephones, in hours per month and years of use. 
主題:携帯電話の使用、月毎の使用時間、使用年数と脳腫瘍のリスクを算出 

Results:
The median monthly hours of use were 2.5 for cases and 2.2 for controls. Compared with patients who never used handheld cellular telephones, the multivariate odds ratio (OR) associated with regular past or current use was 0.85 (95% confidence interval [CI], 0.6-1.2).
結果:携帯電話の月使用時間の中央値は症例群2.5時間、対照群で2.2時間であった。 
携帯電話を使用しない郡に比べて、使用(過去もしくは現在)のオッズ比は0.85であった。 

The OR for infrequent users (<0.72 h/mo) was 1.0 (95% CI, 0.5-2.0) and for frequent users (>10.1 h/mo) was 0.7 (95% CI, 0.3-1.4). The mean duration of use was 2.8 years for cases and 2.7 years for controls; no association with brain cancer was observed according to duration of use (P = .54).
 
余り使用しない群(月の使用時間が0.72時間以下)のオッズ比は1.0、よく使用する群(月の使用時間が10.1時間以上)のオッズ比は0.7、平均の使用継続年数は症例で2.8年、対照郡で2.7年、試用期間と脳腫瘍のリスクの関係は無かった。 

In cases, cerebral tumors occurred more frequently on the same side of the head where cellular telephones had been used (26 vs 15 cases; P = .06), but in the cases with temporal lobe cancer a greater proportion of tumors occurred in the contralateral than ipsilateral side (9 vs 5 cases; P = .33).
 
大脳の脳腫瘍に関しては、携帯電話を使用している側に脳腫瘍が発生するという割合が多かった。 
しかし、耳たぶの癌に関しては、携帯電話を使用している側より反対側に発生する場合が多かった。 

(私の注:もし携帯電話の電波によって癌が発生するのであれば、電波の吸収がより大きいと推定できる携帯電話を使用している側の耳たぶでの癌発生頻度が大きいはずである。大脳の癌では携帯電話を使用する側での発生頻度が高いが、耳たぶでの発生頻度が低いということは、何かおかしいといえる。) 

The OR was less than 1.0 for all histologic categories of brain cancer except for uncommon neuroepitheliomatous cancers (OR, 2.1; 95% CI, 0.9-4.7).
 
全ての脳腫瘍の組織学的カテゴリーに対するオッズ比は1.0以下であったが、神経上皮腫に関してだけはオッズ比が2.1であった。 

Conclusions: 
Our data suggest that use of handheld cellular telephones is not associated with risk of brain cancer, but further studies are needed to account for longer induction periods, especially for slow-growing tumors with neuronal features. 
結論:今回の研究は、携帯電話の使用と脳腫瘍との関係は無いことがわかったが、継続した研究が必要である。
なぜならば、より長期にわたる使用による影響や、成長の遅い癌への影響など関して研究しなければならない。
 

 

 

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16A.2001年のInskipの携帯使用と脳腫瘍の研究

記:2009−6−5

掲載誌;New England Journal of Medicine 2001;344:79-86.
タイトル: Cellular-telephone use and brain tumors.
研究者:Inskip PD, et al.

概要
研究グループは、ボストン、ピッツバーグ、アリゾナ州フェニックスの3病院に入院した脳腫瘍の患者782人(1890歳)と、良性疾患で入院した患者799人(対照群)を調査した。
入院中に面接をして、入院前の携帯電話の使用状況をたずねた。

その結果、携帯電話を入院前に定期的に使っていた人の割合は、脳腫瘍患者では22%、それ以外の対照群では18%で、差がなかった。

携帯電話の使用年数(5年以上)、1日の通話時間(60分以上)、累積の通話時間(500時間以上)が長くなっても、脳腫瘍のリスクは高くならなかった。

携帯電話を使っていたことのある脳腫瘍患者について、腫瘍が脳の左右どちらにあったかを調べたが、ふだん携帯電話を耳にあてている側に、腫瘍も多くあるようなことはなかった。

以上の結果から研究者らは、携帯電話の短期間の使用によって、脳腫瘍のリスクが上がるという仮説は支持されなかったと結論している。
ただし、長時間の使用を長期間(たとえば10年以上)使った場合の影響については、今回の研究からは分からないと留保している。


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17.SalfordのBBB研究 2003 


Wired NewsWEBに以下のニュースがあった

********************************
GSM
ケータイの電磁界が成長途上のラットの神経細胞を破損
2003
130 1:00pm JT  

携帯電話から発せられる電磁界(EMF)が成長中のラットの神経細胞を破損するという調査結果を、スウェーデンの大学の研究者チームがまとめ、29(米国時間)発行の米政府の学術雑誌『環境衛生展望』(EHP)のオンライン版で発表した。
研究チームによると、神経損傷を確認した初の報告という。

スウェーデンのルンド大学神経学科のリーフ・サルフォード教授を代表とする研究チームが発表した。
研究チームは、人間のティーンエイジャーに相当する生後12週から26週のラットを3グループに分け、それぞれ異なる強度のGSM携帯電話の電磁界に2時間ずつさらした。
その結果、電磁界が、脳の血液関門からのアルブミン(タンパク質)漏出とニューロン損傷とに有為に関連していることを確認したという。

研究チームは、実験のサンプル数が少ないことを認めながらも、結果は非常に重要だと説明。
生物の成熟プロセスではぜい弱性があり、「発育途上の若者が毎日携帯電話を使用していれば、数十年後に彼らが中年にさしかかった時、悪影響が出てくる可能性は否定できない」としている。

携帯電話の生体への影響については、世界保健機関(WHO)が、電話機や基地局の電波が健康に悪影響を及ぼすという科学的に確固たる証拠はない、との見解をまとめているが、同時に安全性を確証できるよう研究を進めることを推奨している。
***************************


*研究の詳細

低いSARでもマイクロ波暴露によって脳細胞がダメージを受けるというスウェーデンの研究です。
雑誌に投稿中でそのアブストラクトはWEBに公開されています。筆者に依頼したところ、投稿中の論文のファイルを送ってくれました。
 作成
 2003−3−25  

論文名Nerve cell damage in mammalian brain after exposure to microwaves from GSM mobile phones 

GSM携帯電話のマイクロ波暴露による哺乳類の脳の神経細胞の障害
研究者Leif G. Salford, Arne E. Brun, Jacob L. Eberhardt, Lars Malmgren, Bertil R.R. Persson

Depts of 1Neurosurgery, 2Neuropathology, 3Medical Radiation Physics and 4Applied Electronics, Lund University, the Rausing Laboratory and Lund University Hospital, S-22185, Lund, Sweden.

Abstract
概要
The possible risks of radio-frequent electromagnetic fields for the human body, is a growing concern for the society.

ラジオ周波数の電磁界暴露による健康影響は社会的な関心事になっている。

We have earlier shown that weak pulsed microwaves give rise to a significant leakage of albumin through the blood-brain barrier (BBB).
我々の過去の研究では、微弱なパルス性マイクロ波によって、脳関門をアルブミンが透過することを見出している。

Now we have investigated whether a pathological leakage over the BBB might be combined with damage to the neurons.
今回の研究では、脳関門の透過がノイロン(神経突起)に障害を与えるかを調査した。

Three groups of each 8 rats were exposed for 2 hours to GSM mobile phone electromagnetic fields of different strengths.
8匹ずつの3群のラットに異なる強度のGSM携帯電話の電磁界を2時間暴露した。

We found, and present here for the first time, highly significant (p<0.002) evidence for neuronal damage in both the cortex, the hippocampus and the basal ganglia in the brains of exposed rats.
そして、ここに、初めて示すように、暴露したラットの脳の中の海馬などで、ノイロンに有意に高い障害が発生していることがわかった。

Material and Methods 研究手法の中から

The peak output power from the GSM mobile telephone fed into two TEM-cells simultaneously for 2 hours were 10 mW, 100 mW and 1000 mW per cell, respectively.
2時間、GSM携帯電話の無線電力をTEMセルに印加した、ピーク強度は10mW,100mW,1000mWである。

This exposed the rats to peak power densities of 0.24. 2.4 and 24W/m2, respectively. This exposure resulted in average whole-body specific absorption rates (SAR) of 2 mW/kg, 20 mW/kg and 200 mW/kg, respectively.
これは、電力密度では、0.24、2.4、24W/m2に相当し、ラットの受けるSARは、全身暴露で、2mW/kg, 20mW/kg and 200mW/kgとなる。
2mW/kgの暴露でも影響が現れている。

BEMSJの追記:
ICNIRPの一般公衆に対する規定では、この携帯電話の無線周波数で、全身平均暴露SAR:80mW/kg、頭部への局部暴露SAR:2W/kgである。
この研究では、TEMセルで、遠方界とみなせる状況でマイクロ波をラットに浴びせている。

人が使用する携帯電話の場合は、頭部にアンテナが近接して置かれ、近傍界であり、局部的な暴露となっている。 ちょっと条件が異なる

興味のある方は、原著全文を入手してください。

 

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18.SalfordのBBB研究に対する論評

 

Micro Wave News May 2003には、この研究に関する論評が紹介されている。
仮訳をつけた。 作成:2003−10−2

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Swedish BBB Research Faulty, Says German Wireless Group
 
スウェーデンのBBB研究は疑わしい、と ドイツの無線研究グループは言っている

Reviews commissioned by FGF, the German telecom industry research group, cast doubt on the validity of the Salford-Persson experiments on the effects of RF radiation on the blood-brain barrier (BBB).

FGF
ドイツの通信工業会の研究グループによって行われたレビューは、高周波電磁界暴露による脳関門の影響に関するSalford-Perssonの実験の有効性に疑問を投げかけた。

FGF is now sponsoring in vitro studies of RF radiation and the BBB, according to Dr. Gerd Friedrich, FGF's managing director in Bonn.

FGF
は現在、高周波電磁界と脳関門に関するインビトロの研究のスポンサーをしている、ボンのFGFの管理者Friedrichは、語った。

Cells are being exposed to UMTS (3G) phone radiation; experiments with GSM signals are being planed. Results are scheduled to be released at the 2004 annual meeting of the Bioelectromagnetics Society.

細胞はUMTSの携帯電話での電磁界暴露にさらされ、GSM携帯電話での試験も計画されている、結果は2004年のBEMS総会で発表する予定である。

Friednch declined to say who is leading the study, but Microwave News has learned that the principal investigator is Dr. Florian Stogbauer of the University of Munster.

Friednch
はだれがその研究のリーダであるかを明確にしなかったが、本編集部ではMunster大学のStogbauerであることを知った。

Earlier this year, Drs. Leif Salford and Bertil Persson of Sweden's University of Lund reported that extremely low levels of GSM radiation can increase the permeability of the BBB and cause nerve cell damage in rats (see MWN. J/F03).

Lund
大学のSalfordPerssonは今年の初めに、GSM携帯電話からの低レベルの電磁界によって、ねずみの脳関門での透過が増加し、神経細胞の障害が増加することを報告した。

FGF is also hosting a workshop on RF and the BBB, to be held in Reisensburg, near Ulm, Germany, November 3 - 6 (see p.12). Salford has been invited, Friedrich told Microwave News, adding that Persson is also welcome.

FGF
は今年の11Reisensburgで高周波暴露と脳関門に関するワークショップを主催する。Salfordは招待されている、Perssonの参加も歓迎する、とFriedrichは本編集部に語った。

In the first of three sharply critical reviews published in the March issue of the FGF Newsletter, Dr. Roland Glaser contends
(断言する)that the Lund researchers made many errors and violated the rules adopted by the international scientific community to assure high-quality research.

FGF
ニュースレターの3月号に掲載された3つのするどく批評的なレビューの一番手として、Glaserは、ルンド大学の研究者は多くの間違いと高品質な研究を補償するために国際的な科学の世界で採用されている決まりに違反していると断言した。

Among the alleged shortcomings are: the exposure of a small number of rats; the lack of a double-blind protocol; poorly characterized exposures; and the failure to include appropriate controls in the study design.

疑われている欠点として、1) 暴露したラットの数の少なさ 2) 2重盲検法の欠如 3) 暴露に関するあいまいな記述、そして研究方法における適切な制御を含むことに失敗している ことである。

According to Glaser, who is a professor emeritus at Humboldt University in Berlin, Salford and Persson also fail to address previous research by other labs that failed to see effects.

ベルリンのHumboldt大学の名誉教授であるGlaserによれば、SalfordPerssonは影響が見られなかった他の研究所で行われたこれまでの研究に論及することに失敗した、と。

In the second critique, Drs. Helmut Franke, Frank Gollnick and Sheila Johnston contend that the Swedes' measurements of nerve cell degeneration and leakage through the BBB are unreliable. They argue that the type of degeneration observed is common and could be the result of aging rather than radiation.

2
番目の批判者は、Frankeらであり、神経細胞の
変質と脳関門の透過のスウェーデンの測定は信頼性がないと。
観察された変質のタイプはよくあることで、電磁界の輻射によるというよりは、加齢に伴っても起こるものである、と。

Johnston, a consultant based in London, states in a separate comment that the Lund team overreached in raising the possibility that the reported effects could have an impact on neurological health. Like Stogbauer, Franke is at the University of Munster; Gollnick is an advisor to FGF.

ロンドンのコンサルタントであるJohnstonは、個別にコメントを発表した、Lundの研究者は報告された効果が神経関係の健康に影響することができるという可能性を、度を越して言い過ぎており、だめである、と。(この部分の訳は??)
overreach
のように、FrankeMunster大学の研究者であり、GollnickはFGFのアドバイザーである。

In concluding his commentary, Glaser writes that it is "a pity" that such results are presented to the public without peer review.

コメントのまとめとして、Glaserは「査読前に公衆にこうした研究成果を公開することは残念なことである、と飽きている。

In fact, Environmental Health Perspectives stated on its Web site that Salford and Persson's paper "has been peer-reviewed, revised and accepted for publication." Their paper, which was first posted on the Web in January, is now in print in the June issue of Environmental Health Perspectives (111, pp.881 -883, 2003). '

事実、Environmental Health PerspectivesはそのWEBで「Salford and Perssonの論文は、査読を経て、書き直しを行い、承認されてから発行される」と明記されている。
この情報は1月にWEBに掲載され、20036月号のEHP誌に掲載された。

The March issue of the FGF Newsletter is available in pdf format at: <www.fgf.de>. It is currently only in German, but an English translation will soon be posted on the Web site, Friednch said.

FGF
ニュースレターの3月号はpdfファイルでWEBに公開されている。現在はドイツ語のみであるが、英語版もWEBに掲載する予定であると、Friednchは語った。

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19. アトピーと携帯電話の電波曝露 

 

原著を入手、その概要とアブストラクトを仮訳した。 作成 2003−8−12 

掲載誌lnt Arch Allergy lmmuno1 2002;129:348-350

論文名Enhancement of Al1ergic Skin Whea1みみず腫 Responses by Microwave Radiation from Mobi1e Phones in Patients with Atopic Eczema湿疹/Dermatitis皮膚炎. Syndrome 
アトピー性湿疹・皮膚炎症候群の患者における携帯電話の電波による皮膚のアレルギー反応の増進

研究者Hajime Kimata 
Department of A1lergy, Unitika Central Hospital, Uji, Kyoto, Japan
 

Abstract
 
Microwave radiation from mobile phones enhanced skin wheal responses induced by house dust mite
ダニand Japanese cedar pollen while it had no effect on wheal responses induced by histamine in patients with atopic eczema/dermatitis syndrome (AEDS).  

携帯電話の電波曝露は、アトピー性湿疹・皮膚炎症候群(AEDS)の患者に対して、ヒスタミンに対しては影響がないが、家ダニや杉の花粉に対する皮膚のアレルギー反応を増進させる。 

Microwave radiation also increased plasma levels of substance P (SP) and vasoactive血管に作用するintestinal腸を冒すpeptideペプチド(VIP) in patients with AEDS.

電波曝露はまた、AEDS患者の血液中の物質P(SP)とVIPのレベルを増加させる。 

These results indicate that microwave radiation from mobile phones may enhance allergen-induced wheal responses in association with the release of SP and VIP.

これらから携帯電話の電波曝露はSPやVIPに関連して、皮膚のアレルギー反応を増進していることを示している。

This finding may be useful in elucidating the pathophysiology病理生理学?) and treatment of AEDS. 

この知見は病理生理学的な解明とARDSの治療に有効かも知れない。 

詳細はテキスト全文を読んでください。 

本文を一読しましたが、 
1.これまで携帯電話使用とアレルギーとの関係を示す研究はなかった。
2.アトピーの被験者は26名、ともに家ダニと杉の花粉にアレルギー反応を示す。
3.研究は盲検法 被験者は携帯電話がCallingか否かはわからない。
4.携帯電話の電波曝露状況:携帯電話を保持するために首に巻きつけ、あごの下4cmに保持。
 (写真などがないので、状況は今ひとつわかりにくい、 耳の位置に保持していない。) 
  試験時間は、テレビの天気番組を見ながら1時間
 音声を出さない状態で携帯電話を使用。Callingとある。(どういう使用状況かも今ひとつ不詳)
 コントロールは;同上でcallingしないとある。 

5.1週間の期間をおいて、曝露とコントロールの実験を行った。 
6.1時間の試験の前後にアレルギー反応などのテストを実施。 

7.アトピーの26名での試験結果、ヒスタミンへの皮膚アレルギー反応には変化は見られなかった。 
 スギ花粉と家ダニへの皮膚アレルギー反応は電波曝露によって増進した、統計的に有意。

8.20名のスギ花粉に対して鼻炎を起こすアレルギーの患者は、この電波曝露では皮膚のアレルギー反応は増進しなかった。 

すなわちアレルギー性皮膚炎の20名では携帯電話の電波の影響は見られないが、アトピー皮膚炎の26名では影響が見られた、という研究。

 

 

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20.SAR2W/kgでも脳関門BBBに影響があるとしたToreらの研究 


タイトル:EFFECT OF 2 HOUR GSM-900 MICROWAVE EXPOSURES AT 2.0, 0.5, AND 0.12 W/kg ON PLASMA PROTEIN EXTRAVASATION IN RAT BRAIN AND DURA MATER.
2
時間のGSM携帯電話マイクロ波曝露(2.00.50.12W/kg)におけるラットの脳と硬膜における血漿タンパク質の浸出の影響

研究者;F. Töre, P.E. Dulou,E. Haro, B. Veyret, P. Aubineau.
CNRS UMR 5017, Universite Bordeaux 2, Bordeaux, France
掲載誌:BEMS 2003 meeting ABSTRACT

目的
これまでのGSM携帯電話のマイクロ波による脳関門の浸透性への影響に関する研究は相反する結果となっている。
今回の研究は、曝露中のストレスの影響(血圧のモニターや麻酔条件)の影響だけではなく、頭部のSARに関しても十分に配慮した実験条件となっている。
2
時間の曝露による血漿タンパク質の浸出は、頭部のSAR0.12から2W/kgで実権を行った。こ影響はラットの脳と硬膜で評価を行った。
網膜は最外周にある髄膜で、自律神経や敏感な神経誠繊維よって構成され、偏頭痛に関係していると信じられている。
実験には2種類の年齢をマッチさせたモデルを用いた。
一つは通常のラットであり、2つ目は両方の首の交感神経を神経節切除術によって急性硬膜神経炎症を起こさせたモデルであり、これは偏頭痛を起こしているモデルと考えられる。

実験方法
250g
の体重の70匹のSDラットを用いた。6群に分割した、1)コントロール、2)擬似曝露、3)曝露、4)交換神経切除術を行い擬似暴露 5)交換神経切除術を行い暴露 6)たんぱく質浸出が起こるようにしたポジティブコントロール群。ラットは飼育小屋で2ヶ月間飼われ、体重が400−450gになったときに実験を行った。

この時間は、交換神経切除術によって硬膜炎症を起すために必要であった。手術で二つの頸部の神経節を切除し、脳と硬膜の血管を発達させた。
2
ヶ月に引き続き、1週間の間、ロケットの形をした試験装置に慣らした。全てのラットには実験開始24時間前に大腿部動脈と静脈にカテーテルを挿入した。

ロケットの形をした試験装置に入れて、2時間、暴露もしくは擬似曝露をおこなった。
頸部の片側が良く曝露するように、体軸に対して5度傾けて、頭部の上にループアンテナを置いて曝露を行った。
動脈の血圧をマイクロ波暴露中にモニタした。

曝露開始前と実験終了15分前にBSA-FITCを静脈カテーテル経由で流し込んだ。
実験終了後に麻酔剤を大量に投与してラットを殺した。そして頭部には大動脈を経由して含塩下剤を流し込んだ。

硬膜と脳は病理学的な手法で取り出した。硬膜は直ちに、全体として蛍光顕微鏡試験にかけられた。


検査に先立って、脳は冷却ミクロトーメで顕微鏡標本を作製し、断面は、BSA-FITCの特性蛍光を増加させるために、BSAに対して間接的な免疫組織化学的な処理を行った。

結果
ロケットに似た試験装置に入れた全てのラットの血圧は100−130mmHgで正常範囲であった。
脳の脳関門に影響があるとされる170mmHgは超えなかった。
また、血圧の平均値と個々のラットにおける浸出のレベルとの相関はなかった。

顕微鏡観察では、硬膜と脳の主要部分(脳実質)ともに、コントロール群と擬似曝露群では、検出可能なBAS-FITC浸出は観察されなかった。

SAR
0.5W/kgと2W/kgのマイクロ波を曝露した群では、硬膜と脳実質の深層皮質の部分で、明らかな浸出が観察された。
この部分は、ループアンテナの直下であり、頭頂部と前頭部の大脳皮質でもっとも高い曝露を受けた部分である。

交換神経切除術を施し、擬似曝露を行った群では、浸出はマイクロ波曝露群より顕著であり、硬膜だけではなく、脳の各部でも見られた。
この浸出は交換神経切除術を施し、マイクロ波曝露を行った群では、著しい増加を見せている。

これらのラットに見られるアンテナの近傍の脳の部分と硬膜における蛍光は、浸透性刺激でポジティブコントロールとしたラットでの観察結果と似ている。
0.12W/kg
の曝露群では硬膜でも脳実質でも浸出は見られなかった。

CONCLUSION:
結論
At high and moderate SAR values (2 W/kg and 0.5 W/kg averaged over the brain), GSM microwaves induced respectively marked and discrete permeabilization of intracranial
blood vessels, both in the meninge and in the brain parenchyma.
高・中曝露のSAR(頭部平均SAR2W/kg,0.5W/kg)のGSMマイクロ波は、頭蓋骨内(硬膜及び脳実質)の血管の透過性に影響している。

This permeabilization is much more prominent in animals made inflammation-prone by the degeneration of their cranial sympathetic supply leading to complex trophic phenomena, which favor both the hyper-development of pro-inflammatory structures such as the parasympathetic and sensory inputs as well as mast cells, and changes in the structure of blood vessels themselves.
この透過性は、頭蓋内交感神経の退化による交感神経炎症の傾向にあるラットにおいて突出し、複雑な栄養上の現象を呈していた。
この現象は副交感神経のような前炎症性構造の過度の進展や、マスト細胞のような感覚受容器、血管そのものの構造変化に、見られた。

Permeabilization was not observed at the lower averaged SAR value presently tested, i.e., 0.12 W/kg.
0.12W/kgといった低曝露では、透過性の変化は見られなかった。

In the outer meninge, corresponding local SAR levels can be estimated respectively at around 20, 5 and 1.2 W/kg, the last two being unlikely to induce noticeable local increase in temperature.
外周の硬膜において、推定された局部SAR値20、5W/kgでは体温の局部的な増加があるとは思えない。

Experiments designed to measure possible temperature increases as a function of depth are in progress.
体温の増加があるかに着目した実験が進行中である。

 

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20B2009年スウェーデンの研究「携帯電話多用で血流中のタンパク質が変質」 

;2017-8-7 WEBに紹介

*Wired vision
に以下の記事があった。
http://wiredvision.jp/news/200911/2009111622.html
 にあった内容 

**********************
「携帯電話多用で血流中のタンパク質が変質」:スウェーデンの研究
2009
1116

携帯電話が出す電磁波に健康上の危険性があるのかという問題についてはまだ議論が続いているが、スウェーデンの研究チームによると、携帯電話の利用が脳に生物学的な影響を及ぼす可能性があることが判明したという。

Live Science』の記事などによると、スウェーデンのエーレブルー(Örebro)大学の研究チームは、携帯電話の利用によって、血流中のトランスチレチンというタンパク質の量が増加することを発見した。
トランスチレチンは(脳を保護している)脳脊髄液にも含まれている成分だ。
(トランスチレチンはレチノール等の輸送に関与する血漿タンパク)。

ただし、この変化が脳にとって良いものか悪いものかについては、研究チームは言及していないという。
(略)

****************   **************

*この研究は以下の研究である。

掲載誌:Toxicol Lett. 2009 Aug 25; 189(1):63-6. Epub 2009 May 7.
タイトル:Exposure to an 890-MHz mobile phone-like signal and serum levels of S100B and transthyretin in volunteers.
研究者:Söderqvist F, Carlberg M, Hansson Mild K, Hardell L.
Department of Oncology, University Hospital, School of Health and Medical Sciences, Orebro University, Orebro SE-701 87, Sweden

概要
Whether low-intensity non-thermal microwave radiation alters the integrity of the blood-brain barrier has been debated since the late 1970s, yet no experimental study has been carried out on humans.
低電力密度の非熱効果レベルのマイクロ波曝露が脳関門(BBB)機能を劣化させるか否かに関して1970年代以降、論争が続いている、しかも、この案件はヒトに対する実験が行われてきていない。

The aim of this study was to test, using peripheral markers, whether exposure to a mobile phone-like signal alters the integrity of the human blood-brain and blood-cerebrospinal fluid barriers.
本研究の目的は、末梢マーカーを使って、携帯電話からの電磁波を模擬した曝露が人の脳関門の正常な機能を変化させるかを試すことである。

A provocation study was carried out that exposed 41 volunteers to a 30 min GSM 890 MHz signal with an average specific energy absorption rate distribution of 1.0 W/kg in the temporal area of the head as measured over any 1g of contiguous tissue.
1
gあたりで測定した側頭部でのSAR1.0W/sになるようなGSM携帯890MHzの電磁波を30分、41人のボランティアに対して、曝露した。

The outcome was assessed by changes in serum concentrations of two putative markers of brain barrier integrity, S100B and transthyretin.
脳関門機能の状態を推定するマーカー、S100Bとトランスチレシンの血中濃度の変化で、判定を行った。

Repeated blood sampling before and after the provocation showed no statistically significant increase in the serum levels of S100B, while for transthyretin a statistically significant increase was seen in the final blood sample 60 min after the end of the provocation as compared to the prior sample taken immediately after provocation (p=0.02).
試験前と後で採血した血液は、血中のS100Bは有意な増加はなかった。
トランスチレシンは試験直後に採血した血液に対して、実験後60分後に採血した血液で、統計的に有意な増加がみられた。

The clinical significance of this finding, if any, is unknown.
Further randomized studies with use of additional more brain specific markers are needed.
この検知の臨床的な重要性は、あるとしても、まだわからない。
さらに脳に関連した様々なマーカーに関して追加の、無作為な実験が必要である。


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21. 総務省の研究ではToreの研究の再現性はなかった。

 

平成151212日に総務省が発表した「携帯電話の電波が脳微小循環動態に及ぼす影響は認められないことを確認−生体電磁環境研究推進委員会の研究結果−」によれば

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生体電磁環境研究推進委員会では、以前にも脳微小循環動態評価実験を行い、平成13年1月にとりまとめた中間報告において影響は認められないとの結果を公表しましたが、同実験では、ラットの頭部に加えて全身が比較的強い電波を曝露される条件となっていたため、全身曝露による影響を排除し、頭部への局所的な電波曝露のみによる影響を明らかにする必要がありました。

このため、ラットの頭部に従来よりも局所的な電波曝露を可能とする装置を開発し、それを用いて、人が携帯電話を使用している状況により近い曝露条件下で、同実験を行いました。

その結果、携帯電話の電波をラットの頭部に局所的に曝露しても、脳微小循環動態への影響は認められないことを確認しました。

 4 結論
長期埋込型cranial window法による実験の結果、携帯電話の電波については、ラットの頭部に電波防護指針の値を超える電波あるいは電波防護指針の値にほぼ等しい電波を曝露しても、熱作用を生じない範囲においては、脳微小循環動態には急性影響、慢性影響ともに認められないと結論された。

組織学的評価法による実験の結果、携帯電話の電波については、ラットの頭部に熱作用を生じるかなり強い電波を曝露しても、頭部温度が42℃未満である範囲においては、BBB機能の変化は認められないと結論された。
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そして この報告書の中に考察では
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4.4. 考察
脳平均SAR35W/kgとなる電磁波をループアンテナよりラット頭部に2時間照射し,曝露終了直後,2,24時間後の時点で,それぞれ異なった分子量を持つEvans blueFITC-BSAおよび内因性Immunoglobulin が脳実質に漏出していないことを組織学的評価法により確認した.

Toreらは2001年に,我々と同様のループアンテナを使用して,脳平均SAR2W/kgの電磁波をラット頭部に2時間照射することにより,BBB機能が破綻し静脈内投与したFITC-BSAの血管外漏出が認められたことを発表した.

そこで,我々も電磁波曝露時間を2時間とし,あえて電磁波曝露によるBBB機能破綻の陽性反応を期待し,我々の曝露装置での最大出力,脳平均SAR値で35W/kgの条件でラット頭部を曝露した.

しかし,FITC-BSAを含む3種類の分子の脳実質への血管外漏出は全く認められなかった.


本実験では,電磁波の特性,ラットの系統はToreらの実験とは異なる.
しかしながら,35W/kgという一般環境下における局所SARの防護指針値2W/kgの約18倍もの強さの電磁波によってもBBB機能破綻の陽性反応が見られなかったことは,Toreらの結果に電磁波以外の要因があることを示唆させる.


Goldman
およびLinらは,電磁波曝露によるBBB機能の破綻は,電磁波そのものではなく電磁波により脳内に生じる熱の影響によると報告している.
さらに,脳内でのEvans blueの血管外漏出を検討した結果から,BBB機能が破綻する脳内温度閾値を42℃としている.

我々の実験においても,電磁波曝露直後から頭部温度上昇が認められた.しかし,その温度は,脳内よりも高温になると予想される頭頂部皮下でも42℃に至らなかった.つまり,脳内の温度が42℃未満に保持されたままで,脳には平均SAR35W/kgの電磁波が照射されていたことになる.

したがって,本実験においてBBB機能の破綻が観察されなかったことは,GoldmanおよびLinらの報告により支持される.

本実験においては,我々の曝露装置で負荷できる最大の脳平均SAR35W/kgという条件下で,かつBBB機能破綻の温度閾値を下回る温度範囲内で,電磁波そのものによって惹起されるBBB機能破綻を期待したが,組織学的検査によっても陽性反応は観察されなかった.

今後は,さらに高出力電磁波曝露が出来るよう装置を改良し,電磁波そのものによって本当にBBB機能破綻が惹起されるのかをどうかを確認する必要がある.

***********   ********
となっており、明らかに厳しい条件で実験を行っても、Toreらの研究は再現しなかった。

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21B.Wangらの2015年マイクロ波曝露によるBBB障害の研究

 

以下の研究がある。
掲載誌;Mol Neurobiol. 2015 Aug;52(1):478-91.
タイトル:Activation of VEGF/Flk-1-ERK Pathway Induced Blood-Brain Barrier Injury After Microwave Exposure.
 VEGF/Flk-1-ERK経路の活性化は、マイクロ波曝露後に血液脳関門障害を誘導した。
研究者:Wang LF, Li X, Gao YB, Wang SM, Zhao L, Dong J, Yao BW, Xu XP, Chang GM, Zhou HM, Hu XJ, Peng RY.

Abstract
 概要
Microwaves have been suggested to induce neuronal injury and increase permeability of the blood-brain barrier (BBB), but the mechanism remains unknown.
マイクロ波は神経細胞損傷を及ぼすと考えられ、血液脳関門(BBB)の透過性を高めと考えられるが、メカニズムはいまだ明らかになっていない。

The role of the vascular endothelial growth factor (VEGF)/Flk-1-Raf/MAPK kinase (MEK)/extracellular-regulated protein kinase (ERK) pathway in structural and functional injury of the blood-brain barrier (BBB) following microwave exposure was examined.
マイクロ波に曝露によって発生する、血液脳関門(BBB)の構造的損傷および機能障害での血管内皮増殖因子(VEGF)/Flk-1-Raf/MAPKキナーゼ(MEK)/extracellular-regulatedプロテインキナーゼ(ERK)経路の役割を検討した。

An in vitro BBB model composed of the ECV304 cell line and primary rat cerebral astrocytes was exposed to microwave radiation (50mW/cm2, 5 min).
試験管内実験でのBBBモデルはECV304細胞系で形成し、そして、第一段階のラット脳の星状細胞は、マイクロ波に曝露(50mW/cm25分間)した。
BEMSJ注;電波曝露基準を1mW/cm2とすれば、50倍、温度が1度上昇するとされる曝露強度での実験>

The structure was observed by scanning electron microscopy (SEM) and the permeability was assessed by measuring trans-endothelial electrical resistance (TEER) and horseradish peroxidase (HRP) transmission.
構造物は走査型電子顕微鏡(SEM)によって観察され、透過性は経内皮電気抵抗(TEER)および西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)伝達を測定することによって評価された。

Activity and expression of VEGF/Flk-1-ERK pathway components and occludin also were examined.
VEGF/Flk-1-ERK
経路成分の発現と活性、そしてオクルディンを検討した。

Our results showed that microwave radiation caused intercellular tight junctions to broaden and fracture with decreased TEER values and increased HRP permeability.
我々の実験では、マイクロ波放射は、TEER値の低下と共に揺るぎと広域化のために細胞間タイト結合を起こし、HRP透過性を高めることが判った。

After microwave exposure, activation of the VEGF/Flk-1-ERK pathway and Tyr phosphorylation of occludin were observed, along with down-regulated expression and interaction of occludin with zonula occludens-1 (ZO-1).
マイクロ波曝露で、VEGF/Flk-1-ERK経路の活性化およびオクルディンのTyrのリン酸化は、小帯occludens-1(ZO-1)を伴ったオクルディンの下方制御発現および相互作用とともに観察された。

After Flk-1 (SU5416) and MEK1/2 (U0126) inhibitors were used, the structure and function of the BBB were recovered.
Flk-1(SU5416)
およびMEK1/2(U0126)阻害剤が使用された後、BBBの構造および機能は復帰した。

The increase in expression of ERK signal transduction molecules was muted, while the expression and the activity of occludin were accelerated, as well as the interactions of occludin with p-ERK and ZO-1 following microwave radiation.
マイクロ波曝露とp-ERKZO-1と共にオクルディンの相互作用と同様に、オクルディン発現および活動を加速した一方で、ERKシグナル伝達分子の発現の増大はミュートされた。

Thus, microwave radiation may induce BBB damage by activating the VEGF/Flk-1-ERK pathway, enhancing Tyr phosphorylation of occludin, while partially inhibiting expression and interaction of occludin with ZO-1.
このように、ZO-1によってオクルディン発現および相互作用を阻害する一方、マイクロ波放射は、VEGF/Flk-1-ERK経路(オクルディンのTyrのリン酸化を促進する)を活性化することによりBBB損傷を誘発する可能性がある。

BEMSJ注;曝露基準の50倍という強度のマイクロ波曝露で、BBB機能の損傷という研究、難解。

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22.Hardellの唾液腺ガンと携帯電話使用

 

概要の紹介です。 興味のあるかたは原著全文を入手して読んでください。

掲載誌:Occupational and Environmental Medicine 2004;61:675-679
タイトル:No association between the use of cellular or cordless telephones and salivary gland tumors
  携帯電話やコードレス電話の使用は唾液腺ガンに影響なし

研究者:L Hardell 1, A Hallquist 2, K Hansson Mild 3, M Carlberg 4, H Gertzén 5, E-B Schildt 6 and Å Dahlqvist 7
1: Department of Oncology, University Hospital, SE-701 85 Örebro and Department of Natural Sciences, Örebro University, SE-701 82 Örebro, Sweden

Aim: To investigate the association between the use of cellular or cordless telephones and the risk for salivary gland tumors.
目的:携帯電話やコードレス電話の使用と唾液腺ガンの関係を調査する。

Methods: Cases were assessed from the six regional cancer registries in Sweden. Four controls matched for sex and age in five-year age groups were selected for each case. A total of 293 living cases and 1172 controls were included.
方法:症例はスウェーデンの6つの地域間登録から選択した。それぞれの症例について、性別と5歳年齢階層をマッチさせた4人の対照を選択した。
293
の症例と1172の対照が研究対象となった。

Results: There were 267 (91%) participating cases and 1053 (90%) controls. Overall no significantly increased risk was found. Odds ratios were 0.92 (95% CI 0.58 to 1.44) for use of analogue phones, 1.01 (95% CI 0.68 to 1.50) for use of digital phones, and 0.99 (95% CI 0.68 to 1.43) for use of cordless phones. Similar results were found for different salivary gland localizations. No effect of tumor induction period or latency was seen, although few subjects reported use for more than 10 years.
結果:症例に関しては91%267名、対照に関しては90%, 1053名の協力が得られた。
リスクの有意な増加は見られなかった。
オッズ比は、アナログ電話の使用では0.92、デジタル電話の使用では1.01、コードレス電話の使用では0.99であった。
唾液腺ガンの発生の位置に関して解析しても同様な結果であった。
ガンの発病時期や潜伏期間との関係も見られなかった。
10
年以上も携帯電話を使用していた対象者いなかった。

Conclusions: No association between the use of cellular or cordless phones and salivary gland tumors was found, although this study does not permit conclusions for long term heavy use.
結論:携帯電話・コードレス電話の使用と唾液腺ガンとの関係は見つからなかった。長期の使用に関係する場合に関しては別途研究が必要である。

BEMSJ
注;このHardell という研究者は携帯電話の使用と脳腫瘍の研究で、「携帯電話を使用している側での脳腫瘍発生リスクが増大する。脳全体としてはリスクの増加はない。」という疫学研究を発表している。

 

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23. バチカン放送と白血病

数年前にバチカン放送局の周辺に白血病が多いという以下の論文が発表され、バチカン放送局を管理するバチカン市国とイタリア政府間で問題化した端緒となった。
バチカン放送は全世界に向けて信者のためのラジオ放送を行っており、送信塔の電力もかなり大きいと見られる。

掲載誌:American Journal of Epidemiology Vol. 155, No. 12: 1096-1103 2002
論文名:Adult and Childhood Leukemia near a High-Power Radio Station in Rome, Italy
研究者:Paola Michelozzi, Alessandra Capon, Ursula Kirchmayer, Francesco Forastiere, Annibale Biggeri, Alessandra Barca and Carlo A. Perucci

概要
Some recent epidemiologic studies suggest an association between lymphatic
(リンパ性の)and hematopoietic(造血器系の)cancers and residential exposure to high-frequency electromagnetic fields (100 kHz to 300 GHz) generated by radio and television transmitters.
最近の疫学では、テレビや無線送信塔から発信される高周波電磁界(100kHzから300GHz)の住環境での暴露とリンパ性・造血器系のガンとの関係が示唆されている。

Vatican Radio is a very powerful station located in a northern suburb of Rome, Italy.
バチカンラジオはローマの北の郊外にあって、強力な送信局である。

In the 10-km area around the station, with 49,656 residents (in 1991), leukemia mortality among adults (aged >14 years; 40 cases) in 1987
1998 and childhood leukemia incidence (eight cases) in 19871999 were evaluated.
送信塔の周囲10kmに住む住民49,656人(1991年の統計)を対象に、1987年から1998年の間の大人の白血病(14歳以上、症例数:40)による死亡率、1987年から1999年の間の小児白血病(症例数:8)を解析した。
BEMSJ注:小児白血病の症例数は12年間で8件)

The risk of childhood leukemia was higher than expected for the distance up to 6 km from the radio station (standardized incidence rate = 2.2, 95% confidence interval: 1.0, 4.1), and there was a significant decline in risk with increasing distance both for male mortality (p = 0.03) and for childhood leukemia (p = 0.036).
送信塔に6kmまで近づくと、子供の白血病のリスクは高くなり、SI標準化発病率は2.2CI:1.04.1)となる。男性と小児白血病のリスクは距離の増大によって減少する。

The study has limitations because of the small number of cases and the lack of exposure data.
この研究には、症例数が小さいことと、電磁界暴露データがないという制約がある。

Although the study adds evidence of an excess of leukemia in a population living near high-power radio transmitters, no causal implication can be drawn.
しかしながら、原因となる密接な関係として結びつけることはないが、大出力の無線塔に近接して住んでいる人に白血病の余剰リスクがあるという確証のひとつに加割ることになる。

There is still insufficient scientific knowledge, and new epidemiologic studies are needed to clarify a possible leukemogenic effect of residential exposure to radio frequency radiation.
十分な科学的な見識はなく、住環境での無線周波数電磁界への暴露と白血病の可能性を明確にするための更なる疫学調査が必要である。

以上 興味のある方は原著全文を入手して、読んでください。

 

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24.FM放送とガン


従来黒色腫は太陽からの紫外線が原因とされてきたが、それ以外の要素としてFM放送の電波による影響を示唆する疫学研究結果です。

タイトル:Malignant melanoma of the skin not a sunshine story!
研究者:Örjan Hallberg, Olle Johansson
掲載誌;Med Sci Monit, 2004; 10(7): CR336-340

結果:
悪性黒色腫との間でしっかりした相関関係が見出されたのは、FM/テレビ放送網が普及する時期に関してであった。
一方、チャーター機の飛行量の増加するのは、黒色腫が増加し始めた1955年より7年経過してからである。
FM
放送網が導入されていない地方では1955年以後数年の間は黒色腫による死亡数は安定した状態が続いていた。

以上 興味のある方は原著全文を入手して、読んでください。

 

図: 上記論文より引用 横軸:年  縦軸:1988年を1とした相対数
Death
:死亡  Inc:発症 AccFMFM放送の放送聴取可能地域 Charter:飛行機のチャーター便

 

 

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25. カロリンスカ研 携帯電話を10年以上使うと聴神経腫の危険が2

 

2004年10月の情報です。

スウェーデンのカロリンスカ研究所の報道発表で、アナログ携帯電話機と聴神経腫の関係について調査した結果です。
携帯電話機を10年以上使っていると、聴神経腫の発生する危険性が2倍になるという。使用期間が10年未満だと、発生率に差はなかった。
成人の発生率は1年間で10万人に1人未満。

調査は約150人の患者と約600人の健常者を対象に行った。
アナログ方式の携帯電話機を10年以上使用した人の場合、発生の危険性が通常の約2倍あった。
携帯電話機を片方の耳だけで使っていると、そちら側で発生する危険性が約4倍に高まる。反対側の発生率に変化はなかった。

原著論文はたぶん以下のもの
研究者:Lonn S et al.
論文名: Mobile Phone Use and the Risk of Acoustic Neuroma
掲載誌:Epidemiology 2004;15:653-9

 

 

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26:高周波電磁界の影響は熱作用

 

以下の研究があります。
*************   ******************** 
タイトル:高周波電磁場(2.45GHz)曝露による細胞学的影響の解析
研究者:高島良生ら
掲載誌:電子情報通信学会 EMCJ2003−131(2004−01)

あらまし
高周波電磁場の細胞レベルにおける影響を細胞の増殖、致死、細胞周期などを指標として検討を行った。
2.45GHz
の電磁場に細胞を曝露した結果、すべての指標においてSAR100W/kg以下の連続曝露では曝露の影響が認められなかったが、200W/kgにおいては、細胞増殖速度の遅延や細胞生存率の有意な減少が認められた。
200W
sの曝露においては顕著な培養液の温度上昇が認められるが、この発熱作用は曝露時間中に吸収される平均SARにほぼ依存すると考えられる。
そのため本研究で用いた電磁場は、細胞や培養液を加熱して温度上昇の影響が顕著になる強さまで細胞の基本動態に影響を及ぼさないことを示唆するものである。
************  ***********   ********

この研究は、高周波電磁界は一定以上の電力で、電磁界のエネルギーの吸収によって温度上昇がある場合に、健康影響が検出される ということを示すものである。
この研究で、連続暴露ではSAR100W/kgまでは影響が見られず、温度情報が認められるSAR200W/kgでは影響が見られた。
間欠的に暴露した場合は、平均SARは100W/kgと一定に維持し、ピークSARを変化させても、瞬間的に大きなSARになったとしても熱の発生が少ない場合は、影響が見られなかった、という研究である。


以下にデータの一部を引用する。
興味のある方は、原著全文を入手して、読んでください。

画像抜け

   

   連続暴露の場合の細胞への影響  引用:EMCJ
画像抜け

   引用:EMCJ

   平均SARは100W/kgであるが、間欠暴露として瞬間的に大きな電磁界に暴露した場合の細胞の影響

 

 

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27.2005年のLonnlの携帯電話と脳腫瘍の研究 

 

2005−4−19 アブストラクトに仮訳を付けた。

掲載誌:American Journal of Epidemiology 2005 161(6):526-535; 
タイトル:Long-Term Mobile Phone Use and Brain Tumor Risk   携帯電話の長期使用と脳腫瘍のリスク
研究者:Stefan Lönn1, Anders Ahlbom1, Per Hall2, Maria Feychting1 and the Swedish Interphone Study Group  

概要

Handheld mobile phones were introduced in Sweden during the late 1980s. The purpose of this population-based, case-control study was to test the hypothesis that long-term mobile phone use increases the risk of brain tumors.
携帯電話は1980年代にスウェーデンで導入された。
この症例対照研究(population-based)の目的は、携帯電話の長期使用が脳腫瘍のリスクを増加させるという仮説の検証である。

The authors identified all cases aged 20
69 years who were diagnosed with glioma [] 神経膠腫)、or meningioma[] 髄膜腫) during 20002002 in certain parts of Sweden.
スウェーデンのある特定の地域で、2000年から2002年の間に、神経膠腫もしくは髄膜腫と診断された20歳から69歳を症例とした。

Randomly selected controls were stratified on age, gender, and residential area.
年齢、性別、居住地域を階層化した対象をランダムに選択した。

Detailed information about mobile phone use was collected from 371 (74%) glioma and 273 (85%) meningioma cases and 674 (71%) controls.
371
(74%)の神経膠腫、27385%)の 髄膜腫の症例と、674(71%)の対照から、詳細な携帯電話の使用状況を収集した。

For regular mobile phone use, the odds ratio was 0.8 (95% confidence interval: 0.6, 1.0) for glioma and 0.7 (95% confidence interval: 0.5, 0.9) for meningioma.
通常の携帯電話使用に関しては、神経膠腫ではオッズ比は0.8(95%CI:0・6−1.0)、 髄膜腫ではオッズ比は0.7(95%CI:0.5−0.9)であった。

Similar results were found for more than 10 years' duration of mobile phone use.
10
年以上の携帯電話使用者に関しても、同様の結果であった。

No risk increase was found for ipsilateral
[] 同側の) phone use for tumors located in the temporal(側頭の) and parietal lobes[] 頭頂葉).
側頭と頭頂葉の脳腫瘍に関しては、発生部位と携帯電話の使用側が同じであっても、リスクの増加は見られなかった

Furthermore, the odds ratio did not increase, regardless of tumor histology
[] .組織学), type of phone, and amount of use.
さらに、脳腫瘍の組織学的、携帯電話の型式、使用料に関してもオッズ比の増加はなかった。

This study includes a large number of long-term mobile phone users, and the authors conclude that the data do not support the hypothesis that mobile phone use is related to an increased risk of glioma or meningioma.
この研究は大規模な携帯電話の長期使用者を対象とした研究であり、神経膠腫と髄膜腫が携帯電話の使用によって増加するという仮説は支持しない、という結論である。

 

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28.携帯電話と脳腫瘍に関するデンマークの研究:2005


概要を仮訳しました。 作成:2005−5−29

掲載誌:NEUROLOGY 2005; 64: 1189-1195
タイトル:Cellular telephones and risk for brain tumors  A population-based, incident case-control study
携帯電話と脳腫瘍のリスク  人口を対象とした症例対照研究。

研究者:H. Collatz Christensen, MD, J. Schüz, PhD, M. Kosteljanetz, DMSc, MD, H. Skovgaard Poulsen, DMSc, MD, J. D. Boice, Jr, ScD, J. K. McLaughlin, PhD
and C. Johansen, PhD, DMSc, MD
 

目的:
携帯電話の使用と神経膠腫及び髄膜腫の関係を評価するために、全国の人口を対象とした神経膠腫及び髄膜腫の発生率の調査を行なった。

方法:
2000
91日から2002831日までの間にデンマークで神経膠腫及び髄膜腫と診断された全ての発生例を確かめた。
それらは252例の神経膠腫、175例の髄膜腫であり、20歳から69歳の人であった。

そして、性と年齢をマッチさせて、882例の対照群を無作為に抽出した。
個別のインタビュー、診断とレントゲン検査結果を含む医学記録から情報を収集した。
一部の症例と対象からは、携帯電話の送信と受信の回数の情報を入手した。
メンタル状態の調査結果と、デンマークの国勢調査から社会経済的指標を評価した。

結果;
症例と対象の間でも、参加者と非参加者の間でも、実質的な社会経済的な差異はなかった。
携帯電話の使用は末期に近い神経膠腫にリスクはほとんど観察されなかった。オッズ比は0.58CI:0.370.90)である。

結果はほぼ1に近く、初期の神経膠腫との関係ではオッズ比は1.08CI:0.582.00)、髄膜腫ではオッズ比は1.00CI:0.541.28)であった。

結論:
この研究の結果は携帯電話の使用と神経膠腫及び髄膜腫のリスクを支持しない。

興味のある方は、上記の論文(原文)を入手し、読んでください。

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28B.携帯電話と脳腫瘍に関するデンマークの研究:2011

記:2011-10-22

28に紹介したデンマークの研究の、その後の研究報告です。

掲載誌:BMJ 2011;343:d6387
タイトル:Use of mobile phones and risk of brain tumours: update of Danish cohort study
携帯電話の使用と脳腫瘍のリスク:デンマークのコホート研究の最新状況
研究者:Patrizia Frei et al:

概要:
目的:デンマークの携帯電話使用者における中枢神経系の腫瘍のリスクを調査する。
研究手法:全国を対象としたコホート研究
場所:デンマーク

研究対象者:1925年以降にデンマークで生まれた30歳以上の人で、1995年以前に携帯電話の使用申し込み者かそうでない者

主要な研究目標:デンマークのがん登録から抽出した中枢神経系の腫瘍のリスクを導く、性別に、罹患率を求める。
年齢・カレンダーでの年代別・教育・支出可能な収入を調整する。

結果:
358
 403名の携帯電話使用者を得て、研究対象集団は3.8百万人・年となった。
追跡期間は19902007年とした。
10729
名の中枢神経系の腫瘍という症例が得られた。

腫瘍への罹患率は男女ともに、1に近かった。
13
年以上の長期にわたる使用申し込み者という長期の携帯電話使用者に限定してみれば、罹患率は男性では1.03(95%信頼区間;0.83−1.27)、女性では0.91(95%信頼区間;0.41−2.04)であった。

10
年以下の使用申し込み者の場合、髄膜腫罹患率は、男性で1.0495%信頼区間:0.85−1.26)、女性では0.93(95%信頼区間:0.46−1.87)
また、量反応関係も見られなかった。

結論:この全国規模の携帯電話に関するコホート研究の最新版によれば、携帯電話の使用は中枢神経系の腫瘍のリスクを増加させないし、因果関係の確証はない。

関心のある方は、この論文の原著全文(英語)を入手して、読んでください。

追記:2011−11−3
このデンマークの研究は、以下のサイトで報道されていました。

マイコミジャーナル
http://journal.mycom.co.jp/articles/2011/11/02/cellularphone/index.html
 にあった内容 
2011−11−2のログ
************************ 一部 引用 ************
【レポート】 携帯電話と発がんリスクは関連性なし - WHOと対立する調査結果が公開
2011/11/02
 末岡洋子

携帯電話の利用が健康に及ぼす影響については複数の調査結果や説が公開されているが、今年10月にデンマークから新たな研究結果が発表された。
同研究は、17年間のデータに基づき「携帯電話の利用により発がんリスクが増すことはない」という結論を導いており、今年5月に世界保健機関(WHO)が出した見解と対立する形となった。

この調査はデンマークのInstitute of Cancer Epidemiologyが行ったもので、1990年から2007年の間、デンマークの国民全体を対象にがん患者と携帯電話の利用とのデータを調べたもの。調査結果は、British Medical Journal1020日に発表した。

デンマークは国民背番号制をとっており、個人に固有のID番号が与えられている。
このID番号は、療機関はもとより、携帯電話サービスの契約などさまざまな場面で利用されている。
今回、研究者はこのID番号を利用して、がん患者として治療を受けた人と1995年以前に携帯電話サービスに契約した人のデータを調べた。

それによると、この期間に携帯電話サービスに加入していたのは358403人、電話の利用は約380万人、中枢神経系に腫瘍が認められた人は1729人だった。
10
年以上携帯電話サービスに加入している場合の罹患率比(携帯電話の利用により罹患率が何倍になったのかという割合)を見ると、神経膠腫は男女共に1.04、髄膜腫は男性が0.9、女性は0.93だった。

13
年以上携帯電話サービスに加入している場合でも、罹患率比は男性が1.03、女性は0.91だった。
いずれも罹患率比が1に近いことから、研究者らは「携帯電話の利用が中枢神経系の腫瘍のリスクの増加につながる様子はない」との結論を出している。
***************************    ***************

関心のある方は、上記の新聞を読んでください。

 

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29.英国スチュワート報告2000

英国のIEGMP Independent expert group on mobile phonechairman: Sir. William Stewart)は2000年に「Mobile Phones and Health」(携帯電話と健康)という報告書を発行した。
この報告書は「子供の携帯電話の使用を禁止した」報告書としてマスコミなどで報道されることが多いが、厳密には以下のような記述になっている。

In line with our precautionary approach, at this time, we believe that the widespread use of mobile phones by children for non-essential calls should be discouraged. We also recommend that the mobile phone industry should refrain from promoting the use of mobile phones by children.
「予防原則の観点に立てば、現時点では、子供の不要不急な携帯電話は使用しないようすべきと信ずる。
また、携帯電話の業会は子供の携帯電話使用を促進することを差し控えるべきと、推奨する。」となっている。
決して日本のマスコミなどで報じられるような「子供の携帯電話の絶対的な禁止」というニュアンスではない。

また、同時に、この報告書では、以下のような基地局からの電磁波の健康影響に関しても報告されている。
We conclude that the balance of evidence indicates that there is no general risk to the health of people living near to base stations on the basis that exposures are expected to be small fractions of guidelines.
「これまでの研究成果を評価すれば、携帯電話基地局の周辺に住む人の健康に影響することはない と結論した。
暴露量はガイドラインに比べて微小であると推定される。」
この英国報告を引用するのであれば、こうしたことも論及すべきである。

関心のある方は、160ページと分厚いが、全文を読んでください。

 

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29A.ウィーンの医師会が子供の携帯使用禁止を提唱

 記;2008−5−23
以下の様な提唱があります。

■ウィーン医師会の「携帯電話の使用に関する健康ルール10か条」

1)原則として、携帯電話の使用はできるだけ少ない回数で、短時間ですませること。
子どもと16歳以下のティーンエイジャーは絶対に使ってはいけない!

2)通話中、絶対に携帯電話を頭の近くで持ってはいけない!

3)絶対に交通機関の中で使ってはいけない(自動車、バス、列車・・・の中では電磁波が強くなる)!

4)メールを送る時は、携帯電話をできるだけ体から離すこと!

5)周囲の人を被曝させないため、通話中はいつも他の人から数メートル離れること。

6)絶対にポケットに携帯電話を入れてはいけない。電磁波は男性の生殖能力に影響を与えるかもしれない!

7)夜間は常に携帯電話の電源を切り、絶対に枕元に置かないこと!

8)ゲームをするために携帯電話を絶対に使わないこと!

9)イヤホン・マイクも安全とは言えないかもしれない。イヤホンコードがアンテナとなって電磁波を強くするおそれがある!

10)全ての無線ネットワーク、ローカルネットワーク、WiFi(無線LAN機器のひとつ)、UMTS(第三世代携帯電話システム)は高レベルの電磁波を発生させる!

 

この情報は多くのサイト(日本語、英語の)で紹介されていますが、元ネタが明記されたり、元ネタへのリンクが貼られているケースはありませんでした。
そこで、元ネタの探求を行ってみました。

結果、ウィーン医師会の
ドイツ語のサイトのニュースのアーカイブを探って、元ネタを見つけました。
ウィーンの医師会では、病院内(待合室内)での携帯電話禁止のポスターで、このポスターに関連情報として、掲載されていました。
英語版は http://www.aekwien.at/media/plakat_handy_englisch.pdf にあります。 関心のある方はアクセスしてください。


このポスターの作成日は医師会のWEBでは明記されておらず、不詳です。 
他のサイトでの情報などから2005年頃の作成と思われます。
ウィーンは国際都市なので、各国語のポスターを作成したようで、ドイツ語、フランス語、イタリア語、英語、ポーランド語、オランダ語・・・・バージョンが医師会のサイトにPDFファイルで公開されていました。

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29B.トロント市 子供の携帯規制 2008年

   まとめ:2009−5−20

カナダのトロント市では、子供の携帯使用の制限を・・・という情報がある。
そこで、日本語のネットにある情報から、元ネタを探求してみた。


トロント市の発表原文と、それを報じたトロントスター新聞の報道、さらにこの新聞報道を報じているネットの中のさまざまな電磁波の健康影響に関するサイトに紹介されている内容の間に、かなり大きな乖離があり、伝言ゲームになっている。

正確な情報を得るには、最初の原文に立ち返らなければならないことが、改めて判明した。

1)トロント市が発表した声明の原文

トロント市のサイトにあった内容
関連する箇所のみ引用、仮訳をつけた。

*******************   **********
Fact Sheet  July 2008
Children and Safe Cell Phone Use
子供の安全な携帯電話の使用

Toronto Public Health wants to make parents aware of how their children can take simple precautions to minimize exposure to radiofrequency (RF) waves if they use a cell phone.
トロント市公衆衛生部は、携帯電話をもし使用するならば、無線周波数電磁界曝露を最小限にするか、子供が如何に簡単な予防原則をとるか、両親が考慮することを望む。

(
)

Should children use cell phones? 子供は携帯電話を使用すべきか?

While cell phones are important for communication and for safety reasons, parents should be aware of what they can do to reduce any risks from their childs use of a cell phone.
携帯電話は通信と安全のためには重要であるが、両親は携帯電話の子供の使用に関するリスクを減らすことができるということを考慮すべきである。

The World Health Organization (WHO) suggests that if parents have concerns they can encourage their children to limit the length of phone calls, or use hands-free devices like headsets or ear phones, to keep the cell phone away from the head and body. The amount of RF energy absorbed decreases quickly with increasing distance between the antenna and the user. People can also use the speakerphone mode if appropriate, or use text messaging instead.
世界保健機構は、以下の提案を行っている。
即ち、もし両親が、関心があるのであれば、子供の携帯電話の使用の時間を制限したり、ハンドフリーキット(ハンドセットとイヤホン)を使用したりして子供の頭部と胴体と携帯電話の距離をとることを、促進することができる、と。
高周波エネルギー吸収は使用者とアンテナの距離が増すに連れて急速に減少する。
人々はもし適切であれば、スピーカー電話を使用し、もしくは、文字のメール通信で用を済ませることができる。

Parents who buy cell phones for their children should look for ones with the lowest emissions of RF waves.
両親は、携帯電話を子供の為に購入するとき、高周波電磁界の低曝露のものを探すべきである。

(略)

Are there certain times when children should avoid using cell phones?
特定の時に携帯電話の使用時を避けるべきか?

When cell phone reception is low (this happens when the bas
e station antenna is far away) and when a cell phone is being used during high speed travel (i.e. driving in a car) power being emitted from the cell phone must be increased in order to maintain reception. Cell phone use by children should be limited during these times in order to reduce exposure to RFs.
携帯電話の電波の着信が弱い場合(携帯電話基地局のアンテナが遠くにあった場合など)と、携帯電話を高速で移動しながら使用する場合は、携帯電話ハンドセットから輻射される無線電力は、通話を確保するために増加する。
こうした場合の子供の携帯電話の使用は電波曝露を減少させるために、制限すべきである。
**************   **************

このトロント市の声明では、1)受信状態が悪い場合の使用は制限すべき、2)低SARのハンドセットを選択すべき、とは言っている。
そして、3)WHOの論を紹介している(ハンドフリーキットの使用や使用時間の制限)。

2)トロントスター新聞の記事

トロント市公衆衛生部の報告を、以下のように報道している。

**************   **********
Dial back cell phone use, city officials tell parents
July 12, 2008

(略)

The report from the city's medical officer of health recommends "children, especially pre-adolescent children, use land lines whenever possible, keeping the use of cell phones for essential purposes only, limiting the length of cell phone calls and using headsets or hands-free options, whenever possible."
市の保健部の医学監理官からのレポートは以下を推奨した。
子供、特に青年期以前の子供はできるだけ通常の有線電話を用いること、そして、携帯電話の使用は重要な用事がある時のみの使用にすること、携帯電話の使用時間を制限すること、さらに、ハンドフリーキットやヘッドセットをできるだけ使用すること。

(略)

In Canada,
61 per cent of 12- to 19-year-olds have a cell phone, according to recent data from Solutions Research Group. There are no Canadian statistics on users under 12.
調査結果の最新データによれば、カナダでは12歳から19歳の子供の61%が携帯電話を使用している。
12
歳以下の統計データはカナダではない。

(略)
************

このトロントスターの記事では、4つの推奨事項の中で、2つには「できるだけ、できるならば」という条件がついている。
「できるだけ」の条件制限なしで推奨しているのは「有線電話の使用と、重要な用件があるときだけ携帯電話を使用」することである。
このことは、実質的に、子供の携帯電話の使用を制限することをトロント市としては推奨していると考えることができる。
whenever possible” という用後がどの部分を修飾しているかを、英文法として解釈すれば、もしかして4つの事項の全てを修飾している、と考えることもできる。

しかし、いずれにしても、トロント市の声明原文からは、かなり乖離した新聞記事になっていることは確かである。

3)イギリスの市民グループ Power Watchのサイトにあった内容
http://www.powerwatch.org.uk/news/20080715_toronto_health_cellphones.asp にあった内容

***********    ***********
15/07/2008 - Toronto Public Health advise children not to use mobile phones
トロント市公衆衛生部は子供が携帯電話を使用しないように忠告

"...children, especially pre-adolescent children, use land lines whenever possible, keeping the use of cell phones for essential purposes only, limiting the length of cell phone calls and using headsets or hands-free options, whenever possible..."
子供、特に青年期以前の子供はできるだけ通常の有線電話を用いること、そして、携帯電話の使用は重要な用事がある時のみの使用にすること、携帯電話の使用時間を制限すること、さらに、ハンドフリーキットやヘッドセットをできるだけ使用すること。

(略)

****************   ************

Power Watch
のサイトでは、トロントスター新聞の報道をそのまま引用している。

4)電磁波NAVIにあった当該のニュース

一部を引用して、紹介する。

**************   *********
カナダのトロント市公衆衛生当局が子供の携帯電話使用を控えるよう提言

カナダの新聞「トロントスター」によれば、トロント市公衆衛生当局が子供の携帯電話使用を控えるべきという見解を発表した。
子供も、とりわけ未成長の幼児は可能なかぎり固定電話を使用し、携帯電話の使用を制限すること、またやむをえない場合でも、ハンズフリーのヘッドセットを使用することが必要だ」。

(略)
*********   *********

この記事は、3)のPower Watchの記事を引用・翻訳したものと思われる。
但し、後半の部分の翻訳が?である。意訳したものかも知れない。

5)電磁波の健康影響に関するあるブログ 
部を引用して紹介する。

**********   *******
2008-09-21
カナダ・トロント市公衆衛生局が子どもの携帯電話使用を控えるよう提言
2008715日 Powerwatch 電磁波なび訳 )

カナダの新聞「トロントスター」によれば、トロント市公衆衛生当局が子どもの携帯電話使用を控えるべきという見解を発表した。
「子ども、とりわけ未成長の幼児は可能なかぎり固定電話を使用し、携帯電話の使用を制限すること、また、やむをえない場合でも、ハンズフリーのヘッドセットを使用することが必要だ」。

(略)

*******************   *******
このブログでは4)のサイトの和文をそのまま転用している。

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29C.バングラディッシュで青少年の携帯電話禁止へ?

記;2019−5−11

1)元ネタ探求の始まり

様々な電磁波の健康影響を危惧するサイトやブログでは、「バングラデシュでは16歳以下の携帯電話の使用が禁止になっています。」という表記が見られる。
2008年頃にこれは事実か?の探求と、元ネタの探求を行った。

この元ネタは以下に示す2)の2002年6月のWired Newsと思われる。

2)Wired News JPのサイトにあった記事、 英文本文へのリンクは切れている。
http://wiredvision.jp/archives/200206/2002061006.html
<2008−11−8の確認:リンクは活きている。2019−5−11 リンクは切れている。>

*************************
バングラデシュ政府、青少年の携帯電話使用禁止へ?
2002610
Elisa Batista 20020610

ガンの原因となる製品を生産したとして、携帯電話会社を訴えるのに十分な証拠はあるか――メリーランド州ボルティモアの連邦地方裁判所が、この問題に1つの結論を下そうとしている。
一方、バングラデシュ人民共和国の政府は、携帯電話は人体に有害だという結論をすでに下したようだ。

脳に損傷を与えるかもしれない電磁波から若者を守るため、バングラデシュ政府は16歳未満の青少年に対して携帯電話の使用を禁じる計画だという。
バングラデシュの環境森林大臣は、同国の首都ダッカで先ごろ開催された医師と科学者の会議に出席し、この政府計画の概要を述べた。
ただし、計画の正当性を科学的に裏付ける研究結果などは一切提示しなかった。

(略)
[日本語版:楠なおみ/高橋朋子]
WIRED NEWS 原文(English) < http://www.wired.com/news/wireless/0.1382.52966.00/html リンク切れ
**********************

この記事からは、青少年の携帯電話の禁止を検討している旨の表明はあっても、それが政府としての決定になり、実効になったか否かは、不祥である。

英文原文

***********************
No Cells for Bangladesh Kids
Elisa Batista
 06.05.02

While a federal judge in Baltimore, Maryland, is deciding whether there's enough evidence to sue cell-phone companies for making products that cause cancer, the Bangladesh government has made up its mind that mobile phones are harmful.

Bangladesh plans to ban mobile phones for children under 16 to protect them from what it says is exposure to radiation that could damage their brains.
The country's environment minister did not present any scientific research to support the ban when he outlined a plan at a recent conference of doctors and scientists in the capital of Dhaka.

*************************

Yahooのニュースコーナーにも同じニュースがありました。
2002−6−10のニュースから抜粋。

************** 引用 **********   **********
6月10日(月)17時50分

バングラデシュ政府、青少年の携帯電話使用禁止へ? 

バングラデシュ人民共和国の政府は、携帯電話は人体に有害だという結論をすでに下したようだ。 
脳に損傷を与えるかもしれない電磁波から若者を守るため、バングラデシュ政府は16歳未満の青少年に対して携帯電話の使用を禁じる計画だという。 

バングラデシュの環境森林大臣は、同国の首都ダッカで先ごろ開催された医師と科学者の会議に出席し、この政府計画の概要を述べた。
ただし、計画の正当性を科学的に裏付ける研究結果などは一切提示しなかった。 
***************************   ************ 

3)以下のブログに、この件が紹介され、バングラデシュに駐在していると思われる方の書きこみがあった。 
バングラデシュでは、そのような規制は聞いたことがないと。

http://ameblo.jp/beauty-healthy/entry-10067055929.html にあった内容 2008−5−14のログ 
*********************
美しく健やかに
美と健康に欠かせない情報を発信します。

< 育む波と蝕む波 | 超低周波と規制値 >
2008-01-21
超低周波と規制値 その2
テーマ:電磁波の害

電磁波問題は、欧米では「21世紀の公害」「第二のアスベスト」と言われて政府主導で対策も立てられています。
(略)

バングラデシュでは16歳以下の携帯電話の使用が禁止になっています。

コメント
■バングラデシュで
通りすがりです。
>バングラデシュでは16歳以下の携帯電話の使用が禁止になっています。

住んでいますが、そのような発表ははじめて聞きました。
特にお店での通知や告知、新聞報道はないようですが???
あだち 2008-01-23 22:46:19

■バングラデシュのこと

2002年6月10日付けの記事で、バングラデシュ政府が16歳未満の青少年に対して携帯電話の使用を禁じる計画だということでした。
この計画が中止になったのかどうかを確認したいと思います。
http://wiredvision.jp/archives/200206/2002061006.html 
美しく健やか 2008-01-23 23:46:02
*********************

2019年5月に上記ブログにアクセスしたが、「この計画が中止になったのかどうかを確認したいと思います。」に対するその後の回答はなかった。

4)現地への問い合わせなど
・バングラディッシュの携帯電話会社「Grameenphone Ltd」の連絡先を見つけて、メールを出してみたが、何も返信はなかった。

・在日バングラディッシュ大使館への問い合わせのメールを発信したが、何も返信はなかった。

・日本語での検索、英文でのYahooのアメリカ・イギリスのサイトでも1件もヒットせず。
・no cell for Bangladesh kids」というタイトルがWired Newsの当該のタイトルのようで、数箇所のサイトでリンクが張られていたが、全て、リンクは切れていた。

・電磁波の専門的なサイト、Micro Wave Newsのサイトの検索でも何もヒットしない。
・Power Watch (イギリス)のサイトでも関連する記事は見つからない。
・EMF Factのサイトでも関連する記事は見つからない。

5)中間の結論

・バングラディッシュで青少年の携帯電話禁止を行おうとした案はバングラディッシュ政府内に2002年頃にあったことは確かであろう。
・しかし、たぶん、案は正式に採用されることはなく、政府としての規制も発動することはなかったと、想像できる。


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29D.ロシアで携帯電話の使用を規制

 

マイクロウェーブニュース 2003年3/4月号の記事から 

   仮訳をつけた。 作成: 2003−7−11  

Russian Panel on Mobile Phones: Take a Precautionary Approach
 
ロシアの携帯電話委員会は予防原則を採用

On September 19, the Russian National Committee on Non-Ionizing Radiation Protection (RNCNIRP) adopted recommendations on the use of mobile phones, which appear below.
2002
919目、非電離放射線防護ロシア国内委員会(RNCMRP)は携帯電話使用に関して下記に示す勧告を採択した。

They were translated into English for Microwave News by Dr. Vledimir Binhi of the Russian Academy of Sciences' (RAS) General Physics Institute in Moscow.
モスクワのロシア科学アカデミーの物理研究所(RAS)のビンヒ博士がマイクロウエーブ誌のために英訳した。

Binhi, a member of the RNCNIRP, is the author of Magneto-biology: Underlying Physical Problems (see MWN, MIJ02).
ビン博士はRNCMRPのメンバーで、「磁気生物学:裏に潜む物理的な問題」の著者である。

The RNCNIRP, which has 36 members, is chaired by Prof Yuri Grigoriev of the Institute of Biophysics in Moscow. Other members include: O.A. Grigoriev, director, Center for Electro-magnetic Safety; Prof V.N. Nikitina, Northwestern Center of Hygiene and Public Health; Prof Yu. P. Paltsev, Occupational Health Institute, Russian Academy of Medical Sciences (RAMS); and Prof N.B. Rubtsova, Occupational Health Institute, RAMS.
非電離放射線防護ロシア国内委員会は、36名の会員がいる。(以下 略)

In 1 999, the RNCNIRP hosted a conference in Moscow to discuss harmonizing the exposure standards of the
 former Soviet bloc countries with those of the U.S and Western Europe.
1999
年にRNCNlRPは旧ソ連圏と欧米の電磁波基準値との調和について話し合うための会議をモスクワで主催したことがある。

Russia's limits are currently on the order of 100 times stricter than those of ICNIRP.
現行のロシアの規制値はICNIRPの値より100倍も厳しい。

The meeting ended without reaching any consensus (see MWN, N/D99). Nor was any progress made at a follow-up meeting held in Moscow last September
その会議では双方の合意には至らずに終わった。昨年9月に開催されたモスクワでの2度目の会議でも合意は得られなかった。

以下は携帯電話に使用に関する勧告である。
1. The RNCNIRP offers the following advice on the safe use of mobile phones. These recommendations are based on the precautionary principle of the World Health Organization, published scientific and medical studies, reviews and recommendations by scientific groups and the expert opinions of members of the RNCNIRP.
RNCMRP
は携帯電話の安全使用に関して以下の勧告を行う。この勧告は世界保健機構(WHO)の予防原則や、医学・科学研究、専門家によるレビューと勧告、RNCMRPのメンバーの専門的意見などによって、まとめられた。

1.1. Children under the age of 16 should not use mobile phones.
16
歳以下の子供は携帯電話を使うべきではない。

1.2. Pregnant women should not use mobile phones.
妊娠している女性は携帯電話を使うべきではない。

1.3. Those suffering from neurological disorders, memory loss or epilepsy and those with a predisposition to epilepsy should not use mobile phones. [Abridged list of conditions]
神経性の疾患・記憶の喪失・てんかんの人、てんかん気質の人は、携帯電話を使うべきではない。(詳細は割愛)

1.4. The duration of calls should be limited to a maximum of three minutes, and after making a call the user should wait a minimum of 15 minutes before making another call.
The use of headsets and hands-free systems is strongly encouraged.
1
回の通話時間は最大でも3分間に制限すべきである。電話をかけ終わってから、次の電話をかけるまでに最低15分間の間隔をあけるべきである。
ヘッドセットやハンズフリー器具を使うことが肝要である。 

2. Manufacturers and retailers of mobile phones should include the following information together with the engineering specifications:
携帯電話の製造会杜や販売店は、取り扱い説明書とともに次の情報を提示すべきである

 2.. All of the above recommendations regarding use.
 携帯電話使用に関する上記勧告のすべて。

 2.2. All relevant health and epidemiological data on mobile phones, together with the radiation levels associated with the phone, and the name of the measurement lab.
 携帯電話に関して関連する健康情報、疫学的な研究データと共に、携帯電話の放射強度と測定機関の名前。

 

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29E2008年ピッツバーグ大学の携帯電話使用に関する見解

記:2009−10−28

2008
7月 アメリカのピッツバーグ大学は携帯電話に使用に関する見解を公表した。
CNN
ジャパンのサイトにあった内容を以下に示す。
警告の対象は研究所の職員・研究者である。

*********  一部 引用  ************
2008.07.28
米大学のがん研究所長、携帯電話めぐり所員に警告

米ペンシルベニア州ピッツバーグ(AP) 携帯電話が発する電磁波と脳腫瘍などのがん発生リスクとの関連をめぐり、米ピッツバーグ大がん研究所長のロナルド・B・ハーバーマン博士がこのほど、所員に携帯電話の使用をひかえるよう異例の警告を発した。

がんへの影響については「現在も意見が分かれている」ものの、「大事をとるに越したことはない」と説明している。
**********   **************

IT
メディアのサイトには、警告の内容が紹介されている。
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0807/26/news005.html

*************** 一部 引用   ****************
子どもには携帯電話を緊急時以外利用させない、成人が利用する場合でも身体からできるだけ離して使用するなど、具体的な10カ条のアドバイスが発表された。
2008
0726

病理学者、がん専門医、公衆衛生専門家らから構成される国際的なパネルはこのほど、携帯電話の使用で発生する電磁場を、健康にリスクを与える可能性があるものとして考慮すべきとの見解を発表した。

ピッツバーグ大学が提唱する10カ条の勧告の概要は以下のとおり。
1.児童には緊急時以外携帯電話を使用させない。胎児や児童の発達中の器官は、電磁場に影響を受ける可能性が高い
2.携帯電話を使う際、できるだけ身体から離して使う。スピーカーフォンやBluetoothヘッドセットを使えば、磁場の影響は100分の1以下となる
3.他人を電磁場にさらさないよう、公共の場での使用を避ける
4.常に身体に接触した状態で持ち歩かない。枕の下や枕元に置かない
5.持ち歩くときはキーパッド部分を身体側にむけ、背面を外にする

6.携帯電話で長話をしない
7.通話の際、携帯電話を当てる耳を交代する。相手が電話を取るまで耳から遠ざけておく
8.電波が弱い場所、また車や電車での移動時には使わない。携帯端末が繰り返し新しいアンテナに接続しようとするため、電磁場が強くなる
9.通話よりテキストメッセージやメールを使う
10.SAR値(Specific Absorption Rate。人体に吸収される電磁波の量を表す値)の低い携帯端末を選ぶ
*************    ***************

1
年後、このピッツバーグ大の警告はどうなったのか?
電磁波の健康影響に関する情報などを提供しているEMFactのサイトに以下のような記事が掲載された。

http://www.emfacts.com/weblog/?p=1181
#1144: SOMETHING SMELLS ROTTEN (堕落)IN THE STATE OF PENNSYLVANIA
Tuesday October 27th 2009,

これによれば、「ピッツバーグ大学の警告文書は大学のWEBから理由を明記することなく削除された。
また、警告文書の元になったエキスパートによる報告書作成に関連した(責任のある)人は、現在ではピッツバーグ大学にはいない。
」という情報である。

2009−10−28のBEMSJのサイトチェックでは、ピッチバーグ大学癌研究所のHerbermanは所長から現在では名誉所長になっており、新たな女性の所長が赴任している。

2008
7月からこの1年間で、ピッツバーグ大学で何が起こったのかは定かではない。
2008
7月の所長見解をめぐって、科学的な論拠や対応策に選択に関して、所内・所外で論争が起こったのかもしれない。

 

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29F.英国における子供の携帯電話使用の実態:2001年調査

記;2013−1−5

以下の報告を見つけた。 抜粋して一部紹介です。
**************************
土曜講座 イギリス・エコツアー
電磁波NGO「パワーウォッチ」会見記
上田昌文

携帯電話問題は英国でも深刻で、2000年の7月には英国政府が「16歳以下の生徒は、緊急時を除いて、携帯電話の使用をしないように」との指導の勧告が出されたことは耳に新しい(『ガス』通信446ページ参照)。
フィリップスさんもこの点を前進だとみなしていたが、「でも一方で“影響ない”といいながらもう一方で“使用を控えるべきだ”というのは矛盾しているよね」と皮肉っていた。

フィリップスさんたちは1000人の子ども(13歳〜15歳)を対象に聞き取り調査を行なってところ、「880人が携帯電話を持っていて、そのうち半数が平均して1日1時間は使用している」という事実が判明して、この先を案じていた。
政府の出した勧告も実際に子どもたちに使用を控えさせるという効力を発揮しているとは言えないようだ。

(ガウスネット発行の『ガウス通信』第502001年8月6日に掲載した原稿を一部修正して載せました。)
********************************************************

この2001年の調査報告を読むと、英国では「16歳以下の生徒は、緊急時を除いて、携帯電話の使用をしないように」との勧告が出ても、実効的な効果は出ていない、と言える。

 

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30.高周波電磁界の非熱効果の実験結果 


作成: 2005−12−10 

掲載誌:TERATOLOGY 43:609-614 (1991)
タイトル:Lethal and Teratogenic Effects of Long-Term Low-Intensity Radio Frequency Radiation at 428 MHZ on Developing Chick Embryo
  鶏卵の孵化における428MHz高周波電磁界の低電力・長期曝露による致命的・催奇性の影響

研究者斉藤賢一KENICHI SAITO, KATSUSHI SUZUKI, AND SHIGEKATSU MOTOYOSHI
Nippon Veterinary and Zootechnical College, 1 -7-1 Kyonan-cho, Musashino-shi, Tokyo 180, Japan

概要
鶏卵の孵化時に428MHzの高周波電磁界を5.5mW/cm2の電力密度で20日間、曝露した結果、胚の死、催奇性の結果、孵化の遅れが発生した。
これらの異常な生体結果は、高周波曝露による熱効果ではない。
高周波電磁化の長期・低レベル曝露の結果としての鶏卵孵化時の催奇性を報告する。

以下 詳細は英文の詳細を読んでください。

擬似卵で熱の発生の有無を調べ、熱の発生はないことは確認されているので、この研究は、非熱効果を示す報告になっています。

追記:  2008−4−17
上で紹介した斉藤賢一の他の研究の例です。
JST
の文献DBで検索 以下の4件がヒットする。  

和文標題:ニワトリ有精卵およびマウス胎生期における高周波照射がふ化率、諸臓器重ならびに遅延型皮内反応におよぼす影響
英文標題:Effect of RF exposure to fertilized chick eggs and pregnant mice an hatchability, organs-weight and local delayed hypersensitivity.
著者名:斉藤賢一、土田由佳理、山田浩一郎、杉山公宏 (日本獣医畜産大)、後藤信男 (神戸大 農)
資料名:成長
巻号ページ(発行年月日)Vol.28, No.2/3, Page67-73 (1989.09)
抄録:周波数428MHz、照射電力密度4mW/cm2の高周波で標題照射を実施。照射により胸腺重量の減少、胸腺単位重量当りの細胞数の増加を観察。
また遅延型皮内反応によりマウスTリンパ球減少を雌雄共に観察した。動物種の如何にかかわらず高周波照射が胎生期に影響を及ぼしていることが示唆された

和文標題:高周波照射が鶏はい に及ぼす生物学的影響について
英文標題:Biological effects of radiofrequency radiation on poultry lungs.
著者名:斉藤賢一、 鈴木勝士 (日本獣医畜産大)、 横山修一 (工学院大)
資料名:電気学会計測研究会資料
巻号ページ(発行年月日)Vol.IM-94, No.1-17, Page15-20 (1994.01.13) 
抄録:照射装置は自作し、周波数428MHz、最大出力10Wとした。妊娠しているラットの体温を41℃以上に上昇させると奇形発生効果と胎子致死効果がある。
電磁波の熱的影響は極めて少ない。
高周波の熱作用による催奇形性作用が報告されている照射電力よりもずっと低い値で発生中の鶏はい に悪影響が生じることを示した

和文標題:高周波照射が鶏はい におよぼす生物学的影響について (2)
英文標題:Biologicals effects of high-frequency radio waves irradiation on chicken embryo.(2).
著者名:斉藤賢一、 鈴木勝士 (日本獣医畜産大)、 横山修一 (工学院大)
資料名:電気学会計測研究会資料
巻号ページ(発行年月日)Vol.IM-95, No.1-7, Page29-34 (1995.01.19)
抄録:周波数428MHz、実効照射電力5.5Wの条件下でふ化期間全日照射した初期鶏はいについて、形態学的観察および体節数観察を行った。
実験結果より、照射群の体節数が対照群に比較して有意に減少していることが確認され、高周波が細胞の分裂、増殖に影響することが示唆された

和文標題:電磁エネルギーの有効利用 高周波照射の鶏はいに 対する致死および催奇形性作用
英文標題:Effective utilization of electromagnetic energy.Lethal - and teratogenetic - action of the high frequency irradiation on a poultry embryo.
著者名:斉藤賢一、 鈴木勝士 (日本獣医畜産大)
資料名:電磁環境工学情報EMC
巻号ページ(発行年月日)Vol.8. No.10. Page32-39 (1996.02) 
抄録:高周波照射による生体への影響を確認する為、照射量が固定できはいの発育が容易に観察できる鶏卵ふらん器中の高周波電力(425MHz6.8W)をかけた電極板中において調べた。
試験の結果、大幅なふ化率の低下、ふ化期間の延長、生まれた雛の脚弱を確認し、またこれらの影響が高周波電力による熱影響がほとんどない状態で起こったものであることを確認した。

上記研究に関心のある方は、原著全文を入手して読んで下さい。

 

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1AMラジオ放送塔からの電磁界の韓国疫学研究 

 

韓国の研究 概要を仮訳した。  作成:2006−5−22

掲載誌:International Archives of Occupational and Environmental Health Volume 77, Number 6 pp387394, August 2004
タイトル:study on residences in the vicinity of AM radio broadcasting towers and cancer death: preliminary observations in Korea
AM
ラジオ放送局の近傍に住む住民の癌による死亡に関する研究:韓国における中間報告
研究者Sue Kyung Park, Mina Ha, Hyung-Jun Im

概要
目的:一般公衆の高周波電磁界曝露の増加に伴って健康影響への関心が高まってきている。
本研究は韓国におけるAMラジオ放送塔からの高周波電磁界曝露による健康影響を評価するために行った。

方法:199495年の間の韓国の死亡診断書を利用して、10箇所の高周波曝露地域の国政調査データから、死亡率の調査を行なった、高周波曝露群は100kWを超えるAMラジオ放送塔のある地域とし、対照群はラジオ放送局のない、あったとしても2km以上離れている地域とした。

結果:全癌の死亡率は曝露群で有意に高く、標準化死亡率MPR1.29 95%信頼区間で1.12-1.49であった。
曝露群の地域別、送信電力別で見れば、全対象集団に関して2箇所の100kW1箇所の250kW,1箇所の500kW地域と、男性のみを対象にした1箇所の100kW,2箇所の250kWでは、電力の増加とは無関係に、統計的に有意にMPRは高かった。

白血病に関しては、曝露群で高く、MPR1.70 95%信頼区間で0.84-3.45であった。
特に30歳以下の若い年代では顕著で、0-14歳ではMPR2.2995%CI:1.05-5.98)、15-29歳ではMPR2.4495%CI:1.07-5.24

結論:本研究では、AMラジオ放送局に近い地域では全癌とある年代の白血病による死亡率が高いことを見出した。
この検出はAMラジオ放送塔からの高周波電磁界曝露と癌の関係を立証するものではないが、韓国においてこの種の解析研究が必要であることを示唆している。


追記:2007−12−23
同じ研究グループと思われるグループによる継続した研究報告がありました。
韓国の疫学研究、中波AM放送の電波によって小児白血病リスクが増加する という報告です。

 アブストラクトの一部を仮訳した。

掲載誌:Am J Epidemiol. 2007 Aug 1;166(3):270-9.
タイトル:Radio-frequency radiation exposure from AM radio transmitters and childhood leukemia and brain cancer.
研究者:Ha M, Im H, Lee M, Kim HJ, Kim BC, Gimm YM, Pack JK.

概要
研究対象は15歳以下の白血病と脳腫瘍患者、健康保険データから抽出。
患者の住所を利用し、韓国31局のAM放送局からの電波の強さを推定。
1928
の白血病、956の脳腫瘍の症例と対照3082を解析した。

もっとも近い放送局が2km以内にある場合、20km以遠にある場合と比較して、白血病のオッズ比は2,15CI:1.00-4.67)であった。
脳腫瘍は中波放送波との関連は無かった。

関心のある方は上記の論文を入手して読んでください。

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32.UMTS携帯電話の電波による脳の認知への影響 TNO研究の追試結果 その1 

作成:2006−7−19 
日本でもTNOの追試を行っている。

掲載誌:
Environ Health Perspect 114:12701275 (2006)
タイトル:UMTS Base Station-like Exposure, Well-Being, and Cognitive Performance 
UMTS
携帯電話基地局からの電波暴露による健康と認知への影響
研究者:Sabine J. Regel
Institute of Pharmacology and Toxicology, University of Zürich, Zürich, Switzerland

概要

背景:
携帯電話通信システムの無線周波電磁界は生活環境の中に広がってきている。
様々な研究論文が出ている割にはその人への影響はまだ未確定である。

目的:
UMTS
携帯電話基地局発信電波による健康と認知への影響を、高周波電磁界に過敏であると自己報告している人とそうでない人を対象にして、調査を行う。

方法:
暴露を制御して試験を行った。0、1、10V/mの電界強度に45分、被験者の45度左後ろから暴露、1週間のインターバルで)、無作為に、2重盲検法で、行った。
合計117名の被験者が(33名は電磁波に過敏と自称、84名は過敏ではない人)参加した。
健康状態、電磁界の感知、脳の認知活動に関する調査を行った。脳・臓器への高周波暴露量(SAR)も計算した。

結果:
二つの群ともに、暴露レベルと健康状態・電磁波感知との関連はなかった。
二つの試験で判定がマージナルな知見はあったが、暴露に関連する首尾一貫した関係は観察されなかった。
10V/mのテスト条件では、過敏者群では6試験の中のひとつで反応速度に軽微な影響が見られ、過敏でない群では別の試験条件で回答精度に影響が見られた。この二つは最終解析の中で消えてしまった。

結論:
最近のオランダのTNOでの試験に対比して、我々の試験では、UMTS方式の携帯電話基地局からの電波暴露による健康への短期影響は確認できなかった。
報告された脳機能への影響は判定がマージナルであり、偶然の結果であるかも知れない。
基地局からの電波暴露を模擬した今回の試験条件での脳組織におけるピークエネルギー吸収量は、携帯電話のハンドセットによる場合に比べて、十分に小さい。
携帯電話の電磁界暴露による短期影響、人への長期影響に関する結論はまだ出せない。

関心のある方は、原文(全文)を入手して、読んでください。

 

 

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34.藤原修らの携帯電話のSAR 成人と小児の違い 2004


作成:2006−11−28

掲載誌:電気学会誌C 12412号 2004
タイトル:成人と小児の頭部MRIモデルを対象とした携帯電語による局所SARの熱的尺度評価
研究者:藤原修ら

まえがき からその一部を紹介
********************   ****************
情報化杜会の到来で携帯電話が爆癸的に普及する一方、使用者の低年齢化が急遠に進んでいる。
それに伴い、小児頭部内でのドシメトリ(電磁波を浴びたときに生体組織に誘導される電磁吸収量を定量すること)に関心が高まっている。

Gandhi
らは、小児頭部に対しては成人頭部よりも局所ビークSARSpecific Absorption Rate、即ち単位質量当たり吸収される電力)は著しく増加すると主張しているのに対して、Kusterらは、成人と小児のいずれの頭部モデルに対してもSARの空間分布は類似し、小児頭部での局所SAR値の増加はないとしている。

この論争について、2002年にGuyらは、Gandhiらの計算をフォローした上でKusterらの結果を支持する論文発表したが、奇しくも同年に筆者らは、日本人頭部磁気共鳴像(MRI: Magnetic Resonance Imaging)データに基づく成人数値モデル及びそれを下に日本人年齢別計測統計データを参考に成人頭部モデルを部位毎に異なる比率で縮減して作成した小児頭部モデルを対象として、GandhiらとKusterらと同じ計算条件の下で携帯電話による頭部内局所SARを計算し、両グループの結果が共に正しいこと、小児頭部内局所ピークSARの増減傾向は実はアンテナの入カインピーダンスに依存して異なることを明らかにした

更に、児童に相当する12歳児・10歳児・7歳児・5歳児と幼児相当の3歳児の頭部モデルに対して、携帯電話の標準使用位置とされる「頬の位置」と「傾斜の位置」での頭部内局所SARを試算し、実使用状態での局所ピークSARの子供と成人との間での差異は小さく、成人と比べると子供のほうが逆に減少する傾向にあることも示した

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関心のある方は、原著論文を入手して読んでください。

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35.デンマークの携帯電話と癌の研究


アブストラクトを仮訳した。   作成:2006−12−18

 

掲載誌:J Natl Cancer Inst. 2006 Dec 6; 98(23):1707-13.

タイトル:Cellular telephone use and cancer risk: update of a nationwide Danish cohort.
 
携帯電話の使用と癌リスク:デンマークの全国コホート研究の状況

研究者:Schuz J, Jacobsen R, Olsen JH, Boice JD Jr, McLaughlin JK, Johansen C.
Institute of Cancer Epidemiology, Danish Cancer Society, Strandboulevarden 49, DK-2100 Copenhagen, Denmark. joachim@cancer.dk.

概要:
背景:
携帯電話の世界的な普及は健康影響の可能性に関する不安を高めている。
この研究の目的は、21年間まで遡って、携帯電話の使用者の間に癌のリスクがあるかを調査することである。

方法:
この調査は、1982年から1995年までの間に初めて携帯電話を使用した420095名のデンマーク全土のコホート研究の延長線上のフォローアップ研究であり、癌への罹患に関して2002年まで追跡を継続した。デンマークの一般平均の癌の率から計算した期待値とコホート集団の中の観察値を比較した。

結果:
男女合計して合計14249件の癌が観察された(標準化罹患率は0.95 CI0.93-0.97)。
携帯電話の使用は癌のリスク増加に関係していなかった。脳腫瘍(標準化罹患率0.97)、聴神経腫(標準化罹患率0.73)、唾液腺腫瘍(標準化罹患率0.77)、目の癌(標準化罹患率0.96)白血病(標準化罹患率1.00)であった。

10年以上の長期使用者の間では、携帯電話の使用は脳腫瘍(標準化罹患率は066CI0.44-0.95)のリスク増加には関係がなかった。
また使用開始の年代とも関連はなかった。

喫煙と関係する癌では、男性ではリスクの減少(標準化罹患率は0.88CI0.86-0.91)したが、女性では増加(標準化罹患率は1.11CI1.02-1.21)した。
収入と喫煙に関する追加のデータは、男性の場合、1980年代の中間に携帯電話を使用し始めた人は高い収入と、一般より低い喫煙率であることを示している。

結論:
今回の研究では短期でも長期の携帯電話の使用でも、癌リスクとの関連を示す確証は検出できなかった。
さらに、今回のデータは非常に狭い範囲の信頼性区間が得られているので、携帯電話の使用と癌リスクの関連は除外することができるといえる。

 

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37. 短波放送と睡眠の関係 スイスの2006年の研究

 

概要だけを仮訳した。 作成:2007−4−4 

掲載誌:Bioelectromagnetics. 2006 Feb; 27(2):142-50
タイトルEffect of short-wave (6-22 MHz) magnetic fields on sleep quality and melatonin cycle in humans: the Schwarzenburg shut-down study. 
     人の睡眠とメラトニンサイクルに対する短波放送(6−22MHz)による磁界の影響:シュワルチェンブルグにおける短期間放送停止時の研究
研究者Altpeter ES, Roosli M, Battaglia M, Pfluger D, Minder CE, Abelin T.
Department of Social and Preventive Medicine, University of Berne, Berne, Switzerland

概要
この研究は、短波放送6MHz-22MHzによる電磁界曝露が睡眠やメラトニンサイクルに、サンプリングで得た一般公衆に影響するかを調べたものである。

1998年に、54名のボランテイア(男性21名、女性33名)を対象に、シュワルチェンブルグ(スイス)にある短波放送送信局の一時放送停止の前後の1週間、調査を行った。

唾液中のメラトニンは一日5回のサンプリングし、1日あたりの全排出量とアクロファーゼ(?)はコシナール(?)解析を使用して推定した。
睡眠状況はアナログスケールを用いて、毎日記録を残した。

放送が中断する前は、放送電波の磁界が1mA/m増加するにつれて、睡眠状況は3.9ポイント減少していた。
関連するメラトニン排出量の減少は、10%であった。

放送が中断されてからは、放送電波の磁界が1mA/m増加するにつれて、睡眠状況は1.7ポイントの減少になっていた。
メラトニン排出量は元のレベルに比べて、15%増加し、反発効果と思われた。

階層化した解析では、よく眠れないと答えた群では曝露効果が現れ、よく眠ると答えた群では曝露の効果は見られなかった。
送信の中断による磁界曝露に関連した睡眠状況の変化とメラトニン排出量の変化は、よく眠れない群には関連しているが、よく眠る群には関連が無かった。
しかしながら、曝露状況をブラインドにすることはこの観察研究では不可能なので、この結果は直接もしくは間接的な心理的な効果であるかも知れない。

関心のある方は、原著論文を入手して読んでください。

筆者のコメント:
スイスではラジオ放送送信塔近隣で、電波(電磁波)による影響として睡眠に影響するという研究がある。
たまたま放送が中断する機会を捉えて、中断の前後の睡眠状態とメラトニンの量の変化を調査したのがこの研究である。
研究に参加した人は、電波の発信が中断することを知っている。
電波で眠れないと訴えていた人にとっては、電波が止まってよかったと思い、よく眠れるようになり、メラトニンも増えた。電波を気にしないでいつでもよく眠るという人にとっては、電波の中断は無関係なので、睡眠状態もメラトニンの量も変化しない。
 こうなると電波(磁界)の曝露の影響なのか、精神的なストレスの影響が大きいのか、この研究からは断定できない。

 

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38.マイクロ波照射による影響 野島研究2006

  作成:2007−4−5 

掲載誌:電子情報通信学会 信学技報, vol. 106, no. 224, EMCJ2006-49, pp. 29-34, 20069
タイトル:血球細胞におけるフリーラジカル発生に及ぼすマイクロ波照射影響の実験的調査
研究者:遠藤正隆真鍋剛章日景 隆野島俊雄北大

概要
生体ラジカル発生機序に及ぼすマイクロ波照射影響の実験的調査を行った.
ヒトから採取した血球細胞に対し,900 MHz2.45 GHzの変調および非変調のマイクロ波を照射し,細胞が産生するヒドロキシルラジカルの発生量を測定した.
細胞試料の温度は39 ℃以下を維持した.
ラジカル測定は蛍光イメージング法を用いた.
また,試料の個体差がラジカル発生量に及ぼす影響を考慮し,約600個のサンプルを用いた曝露実験を行った.

実験結果より,ラジカル発生量と細胞温度には相関が得られ,マイクロ波照射による明確な非熱影響は確認されなかった。

関心のある方は、上記論文の原文全文を入手して、読んでください。

 

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39.「ベンゾプレンで誘発したラットの腫瘍は、GSM携帯電話の低電力マイクロ波の短期間曝露では影響なし」の1999年の研究

概要を仮訳した。 作成: 2007−5−10 

掲載誌:International Journal of Radiation Biology, Volume 75, Issue 10 October 1999, pages 1251 - 1256
タイトル:No effect of short-term exposure to GSM-modulated low-power microwaves on benzopyrene-induced tumors in rat
ベンゾプレンで誘発したラットの腫瘍は、GSM携帯電話の低電力マイクロ波の短期間曝露では影響なし。
研究者:J. L. Chagnaud; J. M. Moreau; B. Veyret

概要:
目的:携帯電話の急速な発展による発生しているAM変調のマイクロ波の生体影響への関心から、低電力のマイクロ波によるガン発生の影響をラットの肉腫モデルを使って検討した。

方法:2ヶ月齢のメスSDラットにベンゾプレンを注射し、900MHzマイクロ波のGSM携帯電話の電波を、電波暗室の中で、55もしくは200μW/cm2(平均全身SAR75270mW/kg)の強度で、1日2時間、2週間曝露した。
ラットは発がん物質の注射後、20、40、75日間曝露した。
他に、擬似曝露群のラットを別の2つ目の電波暗室に置いた。
腫瘍への形質転換をモニタするために、リンパ液の中のAnti-phosphatidylinositol auto-antibody levelsを測定した。

結果:マイクロ波曝露は腫瘍の形成に寄与しない。ガンの促進や発ガンの遅延も観察されなかった。
ラットの生存率にも変化はなく、リンパ液の中のAnti-phosphatidylinositol auto-antibody levelsは曝露群・擬似曝露群間で同じであった。

結論:低電力のGSMマイクロ波曝露は、ベンゾピレンで誘発した腫瘍に対して、Anti-phosphatidylinositol auto-antibody levelsも、腫瘍の外形も、生存率にも影響しなかった。この低電力曝露はヒトに対して全身曝露として規定されているレベルである。

BEMSJ
の注;benzopyrene ベンゾピレン:タバコの煙にも含まれる発がん物質.

この研究に関心のある方は、原著全文を入手して読んでください。

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40.マイクロ波曝露でも強度が強いと影響が出る例


概要を仮訳した。 作成: 2007−5−11 

掲載誌:Occup Environ Med. 1997 Sep; 54(9):676-80.
タイトル:Effects of exposure to microwaves on cellular immunity and placental steroids in pregnant rats
 妊娠ラットにおける胎盤ステロイドと細胞免疫に対するマイクロ波曝露の影響
研究者:Nakamura H, Seto T, Nagase H, Yoshida M, Dan S, Ogino K.
Department of Public Health, Kanazawa University School of Medicine, Japan

目的:マイクロ波は、妊娠状態にある臓器への影響は一定ではないが、熱もしくは不特定なストレスによって引き起こされる様々な障害を引き起こす。 
本研究では、マイクロ波曝露による妊娠時の直居分泌及び免疫機能への影響を調査した。

方法:脾臓のナチュラルキラー細胞活性、ナチュラルキラー細胞の亜集団を測定した、同時に血中における内分泌の指標(ACTH、ベータ・エンドルフィンなど)も測定した。そして、6匹の非妊娠ラットと妊娠ラット(懐妊911目)におけるプロゼステロンを測定した。
マイクロ波曝露条件は2450MHzで10mW/cm2の電力密度で、90分間曝露した。
同様に対照群でも測定を行った。

結果:妊娠・非妊娠ラットともに、マイクロ波曝露によって急速に皮膚体温は上昇した。
非妊娠ラットでは、マイクロ波曝露と非曝露群間に、脾臓のナチュラルキラー細胞活性とモノクローナル抗体CD16CD57によって示された細胞亜集団に差異は無かった。
妊娠ラットの場合は、マイクロ波曝露群に脾臓のナチュラルキラー細胞活性とCD16CD57−に有意な減少が見られた。

マイクロ波曝露した妊娠・非妊娠ラットではCorticosteroneACTHは増加し、oestradiolは減少したが、マイクロ波曝露は妊娠ラットのおいてのみベータ・エンドルフィンとプロゼステロンを有意に増加させた。

結論:10mW/cm2の電力密度のマイクロ波は、視床下部―下垂体―副腎系の活動に影響を与え、妊娠・非妊娠ラットのoestradiolを増加させていることから、マイクロ波は妊娠ラットの臓器に大きなストレスを与えているといえる。

今回の妊娠ラットにおける検出は、マイクロ波曝露を伴う妊娠は免疫抑制(結果として妊娠を成功させる方向に機能する)を起こしているといえる
 (この箇所意味? 翻訳に自信なし)

妊娠を伴う熱ストレスへの順応性の亢進は、胎盤のプロゼステロンと下垂体か副腎のベータ・エンドルフィンの活性化によってもたらさせるのかもしれない。

BEMSJ
注)
*エンドルフィン:内因性モルヒネ様物質; 下垂体と視床下部の抽出液から得たペプチド; 疼痛を緩和する。
*プロゼステロン:子宮内膜の腺様増殖によって受精卵の発育を促進する黄体によって作られるホルモン。

BEMSJ
注)温度の上昇値はこの概要には記述されていないが、皮膚温度が上昇したと記述されている。
10mW/cm2
はヒト(一般公衆)への曝露限度値の10倍に過ぎないが、体長の短いラットにとってはかなり大きな全身曝露SARになっていると思われる。


この研究に関心のある方は、原著全文を入手して読んでください。

 

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41.非熱効果を実証できなかった野島研究2006

 作成:2007−7−5

概要を紹介します。

掲載誌:信学技報EMCJ200649 (20069)
タイトル:血球細胞におけるフリーラジカル発生に及ぼすマイクロ波照射影響の実験的調査
研究者:遠藤正隆 真鍋剛章 日景隆 野島俊雄

概要:
生体ラジカル発生機序に及ぼすマイクロ波照射影響の実験的調査を行う。
ヒトから採取した血球細胞に対し、900MHz2.45GHzの変調および非変調のマイクロ波を照射し、細胞が産生するヒドロキシルラジカルの発生量を測定する。
細胞試料の温度は39℃以下を維持する。
ラジカル測定は蛍光イメージング法を用いる。

また、試料の個体差がラジカル発生量に及ぼす影響を考慮し、約600個のサンプルを用いた曝露実験を行った。
実験結果より、ラジカル発生量と細胞温度には相関が得られ,マイクロ波照射による明確な非熱影響は確認されなかった。

関心のある方はこの研究論文の全文を入手して読んでください。

 

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42.REFLEXで影響有りとした研究

概要を仮訳した。  作成: 2007−5−6

掲載誌:Proteomics. 2006 Sep; 6(17):4745-54
タイトル:Gene expression changes in human cells after exposure to mobile phone microwaves.
研究者:Remondini D, Nylund R, Reivinen J, Poulletier de Gannes F, Veyret B, Lagroye I, Haro E, Trillo MA, Capri M, Franceschi C, Schlatterer K, Gminski R, Fitzner R, Tauber R, Schuderer J, Kuster N, Leszczynski D, Bersani F, Maercker C.
University of Bologna, Department of Physics, Bologna, Italy

概要:
携帯電話の電磁波の健康影響をインビトロで研究した。
この研究では、REFLEXプロジェクトの一環として、6種のヒトの細胞、不滅化した細胞、原発性の細胞に900MHz1800MHzの電磁界を曝露した。
曝露細胞・擬似曝露細胞からRNAを分離し、解析を行った。
結果は統計的に評価し、他の研究データベースとの関連性も確かめた。

NB69
神経芽細胞腫の細胞、Tリンパ球、CHME5微細神経膠の細胞では、遺伝子配列に有意な変化は無かった。
EA hy926
内皮細胞、リンパ芽細胞腫の細胞、HL-60白血病由来の細胞では12から34の上昇もしくは下降の変化が見られた。
この影響を受けた遺伝子群の解析はストレス反応とはいえない。
しかしながら、マイクロ波曝露によって、全てではないがいくつかの細胞は、遺伝子暗号化リボゾマール蛋白質の発現頻度の増加という形で反応している。

BEMSJ:この概要ではどの程度の強さのマイクロ波を照射したのかわからない。
Full
 TEXT入手し読む必要がある。入手して、読んでみた。かなり難解な論文である。
インビトロの研究で、曝露強度はSARで1W/kgもしくは2W/kgである。

 

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43.インターホン研究 フランスの部の結果 20079月発表

 作成:2007−9−2007年9月20日

掲載誌:Rev Epidemiol Sante Publique. 2007 Sep 10;
 タイトル:Cell Phones and Risk of brain and acoustic nerve tumours: the French INTERPHONE case-control study. 
携帯電話と脳腫瘍・聴神経膠腫:フランスのインターホン研究における症例対照研究
言語:Article in French
研究者:Hours M, Bernard M, Montestrucq L, Arslan M, Bergeret A, Deltour I, Cardis E.

以下は英文概要の仮訳です。

背景:
フランスに最初に導入された1992年以降、携帯電話の使用は急激に増加している。
低周波磁界は国際ガン研究機構によって発ガンの可能性ありと認定された。
携帯電話の技術に使用されている無線周波数は、急速な増加にあいまって、健康影響の不安をもたらした。
携帯電話と脳の発ガンとの関係を評価するために、国際ガン研究機構のもとにインターホン研究が、13カ国で行われた。
この報告はフランスにおける研究の部の報告である。

方法:
インターホン研究は脳と中枢神経系のガンに関する症例・対象研究である。
対象となる症例はパリとリオンに住む30-59歳の男女で、20012月から20038月までの間に、ガンと診断された(転移癌ではない)患者である。
診断は組織学的に確認されたか、明白にX線写真などで確認された。

対照は、住所と年齢階層、性別でマッチされた。対照は選挙権名簿から無作為に抽出した。
詳細な情報は、対面インタビューで、パソコンを用いて、収集した。
携帯電話に使用との関係はロジステック解析によって評価された。

結果:
定常的な携帯電話の使用との関係では、リスクの増加は無かった。
神経腫 ではオッズ比0.92CI:0.53-1.59)、髄膜腫 ではオッズ比0.74CI:0.43-1.28)、神経膠腫ではオッズ比は1.150.65-2.05)であった。
統計的に有意ではないが、ヘビーユーザ、長期間の使用者などの間では神経膠腫のリスク増加の傾向は見られた。


結論:
インターホン研究に参加した携帯電話使用者に、神経腫、髄膜腫、神経膠腫のリスクの有意な増加は無かった。
統計的な手法には限界もあるが、この結果は、ヘビーユーザにリスクの増加の可能性があり、国際インターホン研究としての解析による確認が必要である。


 

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44. 2008年のウタ大学の研究

作成:2008−1−31
掲載誌:J Neurooncol. 2008 Jan;86(1):71-8
タイトル:Cellular phone use and brain tumor: a meta-analysis. 携帯電話に使用と脳腫瘍:メタ解析の結果
研究者:Kan P, Simonsen SE, Lyon JL, Kestle JR
  Division of Pediatric Neurosurgery, Department of Neurosurgery, University of Utah, 100 N. Medical Drive, Salt Lake City, UT, 84113-1100, USA,

概要:
背景:携帯電話の使用の急激な増加は健康への影響に関する不安をもたらした、特に、脳腫瘍との関連について。
我々は携帯電話に使用と脳腫瘍のリスクに関する試験を行うべく、メタ解析を行った。

方法:我々はMEDLINEを使って、携帯電話の使用と脳腫瘍の症例対照研究を調査した。
全体のオッズ比と階層化したオッズ比を、特定の脳腫瘍との関連、長期使用との関連、アナログかデジタル電話に関連させて、オリジナルデータを使用して、それぞれの研究ごとに計算を行った。プール分析はrandom-effectsモデルを使用して、解析を行った。

結果:5,259例の症例、12,074例の対照からなる9件の症例対照研究がこの研究に含まれた。
全ての個別の研究で脳腫瘍のサブタイプ別のオッズ比が報告されており、5件の個別研究では10年以上長期の患者のオッズ比が報告されていた。
プール分析の結果、携帯電話に使用と脳腫瘍に関する全体のオッズ比は0.90(CI:0.81-0.99)であった。
5件の個別研究のプール分析結果として、10年以上の長期使用におけるオッズ比は1.25(CI:1.01-1.54)であった。
アナログかデジタル電話かの解析では、リスクの増加は見られなかった。

結論:携帯電話に使用と脳腫瘍のリスク増加に関しては、全般的には、関連性は見られなかった。
長期使用と脳腫瘍のリスク増加の可能性に関しては、将来の研究による確認を待つ。


この研究に関心のある方は、原書全文を入手して読んでください。

 

 

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33.インターホン研究 ドイツ 携帯電話の使用と脳腫瘍

 

概要を仮訳した。 作成: 2006−9−25 

掲載誌:American Journal of Epidemiology Advance  Access published online on January 27, 2006
タイトル:Cellular Phones, Cordless Phones, and the Risks of Glioma(神経膠腫) and Meningioma(髄膜腫) (Interphone Study Group, Germany)  携帯電話・コードレス電話と神経膠腫・髄膜腫のリスク(インターホン研究グループ:ドイツ)
研究者:Joachim Schüz at al;

概要
携帯電話の普及は健康への影響、特に脳腫瘍への影響に関する不安をつのらせている。
ドイツの3州で行われた症例対照研究では、2000年から2003年の間に、30-60歳の神経膠腫・髄膜腫患者を確認した。
年齢・性別・地域を調和させた対照を住民登録から無作為抽出した。
合計すれば、366の神経膠腫の症例、381の髄膜腫の症例、1494の対照者と面接を行った。

携帯電話の全使用と脳腫瘍のリスクとの関係はなかった。神経膠腫に対しては、オッズ比は0.98(CI:0.62-1.13)、髄膜腫に対してはオッズ比が0.84(CI:0.62-1.13)であった。
10
年以上の長期の携帯電話の使用者に関しては、神経膠腫はリスクが増加した、オッズ比は2.20(CI:0.94-5.11)。しかし、髄膜腫ではリスクの増加はなかった、オッズ比は1.09(CI:0.35-3.37)
神経膠腫・髄膜腫に関して、脳の片一方に発生するかを調査した、携帯電話の使用者と非使用者を比較して、関連はなかった。(BEMSJ注;Hardellらの研究と不一致)
神経膠腫・髄膜腫とコードレス電話の使用との関係はなかった 
結論として、携帯電話に使用は全体としてみれば神経膠腫・髄膜腫のリスクを増加させてはいないが、長期使用者に見られる今回の結果などから、最終的な結論を出す前に確認が必要である。

関心のある方は、原文(全文)を入手して、読んでください。

 

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36.携帯電話使用と聴神経腫のリスクはないとする日本のインターホン研究の結果


作成:2006−12−19  概要の部分だけを仮訳した。

この研究結果は、ほとんど日本のマスコミ・新聞には報道されていない。
スウェーデンの研究などでは携帯電話の使用と聴神経腫のリスク増加が報告されているので、日本もそれに絞った研究をまとめたものと推定。 

掲載誌:Occupational and Environmental Medicine 2006;63:802-807
Published Online First: 15 August 2006. doi:10.1136/oem.2006.028308
タイトル:Mobile phone use and acoustic neuroma risk in Japan 日本における携帯電話の使用と聴神経腫のリスク
研究者:T Takebayashi ら

概要
目的:日本では、急速な携帯電話の普及は健康への影響に関する不安を増加させている。
日本の携帯電話のシステムは信号伝送方式においてユニークな特性を持っている。
携帯電話の使用と聴神経腫の関係を調査するために、症例対照研究を行った。

方法:この研究は国際協調研究であるインターホン研究の共通・中心となるプロトコールに基づいた。
2000
2004年の間、日本で前向きの症例(新たに癌と診断されたケースの意味)を求めた。
東京地区に住み、3069歳の年代の合計101例の聴神経腫の症例と、年齢・性別・住所をマッチさせた対照群330名に、パソコンを使用した個別インタビューシステムを利用して面接を行った。
教育と婚姻を調節したオッズ比をロジステック解析で計算を行った。

結果:診断の1年前を参照時期として定めた。症例の51例(52.6%)と対照の192例(58.2%)は定常的に携帯電話を使用していた。
有意な聴神経腫のリスク増加は見られなかった。オッズ比は0.73(CI:0.43−1.23)であった。

累計使用期間の長さ(4年以下、48年、8年以上)で解析しても、累計使用時間(300時間以下、300−900時間、900時間以上)で解析しても、聴神経腫のリスク増加は見られなかった。診断の5年前を参照時期と定めて計算したオッズ比は1.09(CI:0.58−2.06)であった。

携帯電話を頭部のどちらかで使用するかによる解析でも関連はなかった。

結論:この研究から、日本における携帯電話の使用と聴神経腫の有意なリスク増加はないといえる。

関心のある方は全文原著論文(英文)を入手して、読んでください。

 

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45.携帯電話の使用と脳腫瘍の日本の研究:2005

記:2019−10−22

この報告は、36項の報告と同一の研究によるものかもしれない。


1)以下の研究がある。

*********************
平成19221
携帯電話使用と聴神経鞘腫との関連性に関する疫学調査結果
〜電波の安全性に関する生体電磁環境研究推進委員会の研究結果〜 の頁
に添付されていた2年前の研究報告 2007年にはDLした。201910月のアクセスではリンク切れ

携帯電話使用と聴神経鞘腫との関連性に関する疫学調査<研究報告書>
平成17年3月

日本における携帯電話使用の急速な増加に伴い、携帯電話使用と脳腫瘍との関連性について関心が高まっています。
そこで、頭部及び頚部の腫瘍のうち、その位置が携帯電話からの電波曝露が大きい聴神経鞘腫について、携帯電話使用との関連の症例対照研究※6を実施しました。
調査の進め方は、国際がん研究機関(IARC)が中心となって実施している携帯電話使用と脳腫瘍に関する国際共同症例対照研究(INTERPHONE STUDY)の基本的な研究計画(質問内容を含む。)に従いましたが、より多くの対象者を含めるため年齢範囲及び診断期間を拡大し実施しました。
調査にあたり次の基準を定め症例97人と対照330人の解析対象者を選定しました。

結果
・携帯電話使用者のリスクの有無について
症例と対照との間で携帯電話使用を比較したところ、オッズ比7(以下「OR」)が0.7395%信頼区間(以下「95%CI」):0.43-1.23)で聴神経鞘腫リスクの有意な上昇は認められませんでした。
加えて、既存の疾病の影響をさらに除外するために、聴神経鞘腫診断の5年前に基準日を設定したORの評価も行いました。
基準日を診断の5年前に設定したとき、19症例(19.6%)及び62対照(18.8%)が定常的に携帯電話を使用し、OR1.0995% CI0.58-2.06)で聴神経鞘腫リスクの有意な上昇は認められませんでした。

・携帯電話の累積使用のリスクの有無について
累積使用期間が1年延びたときのORは、0.998 (95%CI: 0.991-1.006; )でした。
諸外国では、10年以上の長期使用者のリスクが分析されていますが、我が国では、10年以上の定常使用は非常に稀で1症例(1.0%)及び8対照(2.4%)のみでしたので、累積使用期間をさらに非使用者、4年未満、48年未満及び8年以上の4クラスに分類し、上記の累積使用期間を症例と対照間で比較したところ、リスクの有意な増加傾向は認められませんでした。
累積通話時間が300時間延びたときのORは、1.000 (95%CI: 0.999-1.002)でした。
累積通話時間をさらに非使用者、0300時間未満、300900時間未満及び900時間以上の4分類に分類したとき、累積通話時間の増加による聴神経鞘腫の有意な増加傾向は認められませんでした。

・携帯電話の使用側のリスクの有無について
携帯電話使用の側性と腫瘍の側性が同じ場合(同側使用)の聴神経鞘腫のリスクを評価しましたが、有意な関連はありませんでした。
また、携帯電話使用の側性と腫瘍の側性が反対の場合(対側使用)の場合も有意な関連はありませんでした。
*********************:

2)この研究は、以下のサイトで批判的に紹介されている。

My News Japan
のサイト
*****************************:
ケータイ使用10年以上で脳腫瘍リスク 欧州5カ国調査で発覚も、日本は企業が安全宣言
植田武智 13:33 02/20 2007

◇日本の疫学調査は、8年・・・そしてシロ
日本もWHOのプロジェクトには参加しているので、同様の調査が実施されている。
現在、聴神経鞘腫瘍という脳腫瘍についての結果が 論文として発表されている。
以前myenwsjapanでも紹介した、総務省の生体電磁環境研究推進委員会のメンバーである東京女子医科大の山口直人教授や首都大学東京の多氣昌生教授たちが、総務省の研究費を使って行なったものだ。

東京近郊に住む患者97名と健康な人330名を対象にした調査で、結論はケータイによる影響は確認できなかった。
長期間の使用の影響については、10年以上の使用者が患者グループで1人、健康な人のグループで8人しかいなかったので、10年以上の影響を比べることはできなかった。
そこで8年以上の使用者と非使用者を比べたが、病気の発症率に差は見られなかった。
つまり、日本の研究結果だけでは、10年以上の使用でリスクが上がるかどうかは何も判断できないということだ。
日本で携帯電話が爆発的に普及したのが1994年以降なので、10年以上の使用者がまだ少ないことは仕方ないのかもしれない。
論文の中でも「今後の研究は、10年以上の長期使用者に焦点を当てるべきだ」と述べられている。
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45A.インターホン研究 日本の部の結果 2008


日本の携帯電話の使用と脳腫瘍に関する最近の報告 概要を仮訳した。
作成: 2008-2-23 

掲載誌:British Journal of Cancer (2008) 98, 652-659
タイトル:Mobile phone use, exposure to radiofrequency electromagnetic field, and brain tumor: a case- control study 
 携帯電話の使用、電磁界曝露と脳腫瘍:症例研究
研究者:T Takebayashi et al:

概要:
日本における脳腫瘍と携帯電話使用に関する症例対照研究において、腫瘍の発生部位と頭蓋内の無線周波数分布の空間的な関連性を考慮して、我々は腫瘍内のSAR評価の為に新奇な手法を用いた。

88例の神経膠腫、132例の髄膜腫、102例の下垂体腺腫(合計322例の症例)と683の調和した対照群に対して個人面談を行った。

全ての最大SAR値は0.1W/kg以下で、熱影響を起こすレベルより低かった。
調整した結果のオッズ比は、通常の携帯電話使用者では、
神経膠腫では1.22CI:0.632.37)、髄膜腫では0.70CI:0.42-1.16)であった。

曝露指標として腫瘍部位における最大SARを考慮した場合、全体のオッズ比は増加が見られず、曝露指標としてSAR値との関係でもオッズ比は増加しなかった。
過大な曝露群に見られた神経膠腫のオッズ比の有意ではない増加は、リコールバイアスによるものと思われる。

関心のある方は、この論文の原著全文を入手して読んでください。

 

 

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46.インターホン研究 イスラエルの部の結果 2008

  記:2008−4−29

掲載誌;American Journal of Epidemiology 2008 167(4):457-467;
タイトル:Cellular Phone Use and Risk of Benign and Malignant Parotid Gland TumorsA Nationwide Case-Control Study
研究者:Siegal Sadetzki et al:

全体としてはリスクの増加はない。
しかし、ヘビーユーザにはリスクの増加が見られた。
累積通話数と通話時間のもっとも長い群では、携帯を使用する同じ側の脳における腫瘍のオッズ比は1.58CI1.112.24)、1.49CI:1.052.13)であった。

携帯電話の使用する反対側の脳のリスクは1と大きな違いはなかった。
陽性の量―反応関係が見られ、我々のこの研究からは携帯電話の使用と脳腫瘍との関連はあるといえる。

関心のある方は、この論文の原著全文を入手して読んでください。

 

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46A.インターホン研究の総括論文2010

記:2010−5−28 

1)総括論文の概要は仮訳すると以下になる。
掲載誌;International Journal of Epidemiology 2010;120
タイトル;Brain tumor risk in relation to mobile telephone use: results of the INTERPHONE: international casecontrol study 携帯電話使用に伴う脳腫瘍のリスク;インターホン国際症例対照研究の結果
研究者;The INTERPHONE Study Group

Background
The rapid increase in mobile telephone use has generated concern about possible health risks related to radiofrequency electromagnetic fields from this technology.
背景;携帯電話の急速な増加は、この技術による無線周波数電磁波に関連する可能性のある健康リスクに関する懸念が発生させている。

Methods An interview-based case
control study with 2708 glioma and 2409 meningioma cases and matched controls was conducted in 13 countries using a common protocol.
研究方法:質問による症例対照研究で、13カ国の共同プロトコールによって、2708例の神経膠腫、2409例の髄膜腫の症例と、調和させた対照群を対象とした。

Results A reduced odds ratio (OR) related to ever having been a regular mobile phone user was seen for glioma [OR 0.81; 95% confidence interval (CI) 0.70
0.94] and meningioma (OR 0.79; 95% CI 0.680.91), possibly reflecting participation bias or other methodological limitations.
結果:携帯電話の定期的使用者群にオッズ比の減少が見られた。神経膠腫ではオッズ比は0.81CI:0.700.94)であり、髄膜腫ではオッズ比は0.79CI:0.680.91)である。これは、研究参加者の偏りか、研究方法上の限界によるものかも知れない。

No elevated OR was observed
10 years after first phone use (glioma: OR 0.98; 95% CI 0.761.26; meningioma: OR 0.83; 95% CI 0.611.14).
携帯電話の最初の使用から10年以上の群で、オッズ比の増加は見られない。進行膠腫でオッズ比は0.98CI:0.761.26)、髄膜腫でオッズ比は0.83CI:0.611.14)であった。

ORs were <1.0 for all deciles of lifetime number of phone calls and nine deciles of cumulative call time.
オッズ比は、携帯電話に使用回数のすべての群において、1以下であった。累積の使用時間との関係では9区分の群までは、オッズ比は1以下であった。

In the 10th decile of recalled cumulative call time,
1640 h, the OR was 1.40 (95% CI 1.031.89) for glioma, and 1.15 (95% CI 0.811.62) for meningioma; but there are implausible values of reported use in this group.
累積の使用時間で最大の10区分の群、累計1640時間以上の群では、オッズ比は神経膠腫では1.40CI:1.031.89)、髄膜腫では1.15CI:0.811.62)であった。しかし、この群ではもっともらしくない使用報告がある。

ORs for glioma tended to be greater in the temporal lobe than in other lobes of the brain, but the CIs around the lobe-specific estimates were wide.
神経膠腫のオッズ比では、脳の他の部位に比べて、側頭部でのオッズ比が大きい傾向にあったが、特定の部位に関する解析結果の信頼性区間は幅広かった。
BEMSJ注:側頭部でのオッズ比が大きいということは、側頭部で使用する携帯電話の影響があるように見えるが、信頼性区間が広いので、有意ではなかった、という意味であろう。)

ORs for glioma tended to be greater in subjects who reported usual phone use on the same side of the head as their tumor than on the opposite side.
携帯電話を使用すると同側に発症した神経膠腫は、反対側に発症した場合に比べて、オッズ比は大きい傾向にあった。

Conclusions Overall, no increase in risk of glioma or meningioma was observed with use of mobile phones. There were suggestions of an increased risk of glioma at the highest exposure levels, but biases and error prevent a causal interpretation. The possible effects of long-term heavy use of mobile phones require further investigation.
結論:概観すれば、携帯電話の使用による神経膠腫と髄膜腫のリスクの増加はなかった。
神経膠腫に関しては、最高曝露群にリスクの増加があると示唆があるが、偏りや誤りが確定的な解釈を妨げている。
長期で過大な使用者の影響の可能性に関しては、更なる研究が必要である。


)原文Full TEXTを読んで気のついたこと。
*脳腫瘍の発生部位で解析した場合、即ち、携帯電話の使用から側頭部でリスクがあるかを見ると、オッズが1を超え、CI区間の最低も1を超えている「有意な」オッズ比は、神経膠腫の使用時間の累計が1640時間以上のヘビーユーザの場合に限られている、オッズ比は1.87CI:1.093.22)。
その他の条件、即ち神経膠腫では、10年以上の使用者でも、携帯の使用回数が最大の群でもオッズ比の増加は見られない。
髄膜腫では全ての条件で、オッズ比の増加は見られない。

*携帯電話に使用と同じ側に脳腫瘍の発生が多いか否かも解析されている。
解析結果のデータを見ると、オッズが1を超え、CI区間の最低も1を超えている「有意な」オッズ比は、神経膠腫の使用時間の累計が1640時間以上のヘビーユーザの場合に限られている、オッズ比は1.96CI:1.223.16)。
その他の条件、即ち神経膠腫では、10年以上の使用者でも、携帯の使用回数が最大の群でもオッズ比の増加は見られない。
髄膜腫では全ての条件で、オッズ比の増加は見られない。

*携帯電話を頭部のどちらのサイドで使用するかをインタビュー(質問表)で確認しているが、この回答がどこまで正しいかの研究が行われた。
このサブ研究では、質問表で答えた回答と、実際に手に持って使用してもらい、質問質表での回答が正しいか否かを確認した。
研究の結果、脳腫瘍になっていない対照群では、95%が正しい結果であったが、脳腫瘍の患者の場合、神経膠腫の症例では72%しか正しくなく、髄膜腫の症例では66%しか正しくなかった。
bemsj注;こうしたことから、携帯使用と同じ側での脳腫瘍発生リスクが高まるという一部の研究結果に疑問を投げかけることになっている。

*(bemsj注:スウェーデンもこのインターホン研究に参加している。スウェーデンの研究者は低周波磁界と小児癌の研究で有意なリスクを見出したカロリンスカ研究所のAhlbomFeychtingである。携帯電話の使用と脳腫瘍でリスクを検出しているHardellは参加していない。)

Hardellの研究に関しては、この論文のDiscussionの項で論及している。
increased risks of malignant brain tumours at higher levels of accumulated use of analogue and digital mobile phones and cordless desktop phones were reported from a sequence of three casecontrol studies from the same authors with cases in the last diagnosed as late as 20031315. However, the methods of these studies have been questioned41.
アナログ携帯・デジタル携帯・コードレス電話の累積使用の最高位群で髄膜腫のリスクが増加するという3つの一連の同じ筆者による症例対照研究が報告されている。
の症例の最古の診断は2003年である。参照文献1315。しかし、これらの研究の方法に疑問があるとされる。参照文献41」と。
bemsj注:Hardellの研究をこのインターホン研究では否定している。)

 

関心のある方は、原著全文を読んでください。

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46B.メーリングに流れた携帯と脳腫瘍の豪州での2009年研究  

記:2013−1−3 

以下のメーリングが2009年に流れた。
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To:
From:
Date:Tue, 7 Apr 2009 18:48:16 +0900
Subject:
【携帯電話】10年以上同じ側で使うと脳腫瘍が倍増という結論の論文発表(豪州の研究)

携帯をお使いのみなさま、
長期、10年以上同じ側で使うと脳腫瘍が倍増という結論の論文がSurgical neurology誌に発表されていました。(2009 Mar 26

携帯電話と脳腫瘍: 長期の疫学データを含むレビュー。
Cell phones and brain tumors: a review including the long-term epidemiologic data.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19328536
以下 略
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このメーリングで紹介されている研究は、以下のものである。
掲載誌:Surg Neurol. 2009 Sep;72(3):205-14; discussion 214-5.
タイトル:Cell phones and brain tumors: a review including the long-term epidemiologic data.
携帯電話と脳腫瘍:長期使用を含む疫学データのレビュー
研究者:Khurana VG, Teo C, Kundi M, Hardell L, Carlberg M.

Abstract
BACKGROUND: 背景
The debate regarding the health effects of low-intensity electromagnetic radiation from sources such as power lines, base stations, and cell phones has recently been reignited.
In the present review, the authors attempt to address the following question: is there epidemiologic evidence for an association between long-term cell phone usage and the risk of developing a brain tumor? Included with this meta-analysis of the long-term epidemiologic data are a brief overview of cell phone technology and discussion of laboratory data, biological mechanisms, and brain tumor incidence.
電力線や基地局と携帯電話から発せられる低レベルの電磁界による健康影響に関する論議が再燃している。
今回のレビューでは、筆者らは以下の件を検討した:携帯電話の長期使用と脳腫瘍のリスクに関する疫学的な確証があるのか?長期の疫学に関するこのメタ解析に加えて、携帯電話技術の概観、実験室データ・生物学的な機序・脳腫瘍の発生率に関しても検討を行った。

METHODS:
方法
In order to be included in the present meta-analysis, studies were required to have met all of the following criteria: (i) publication in a peer-reviewed journal; (ii) inclusion of participants using cell phones for > or = 10 years (ie, minimum 10-year "latency"); and (iii) incorporation of a "laterality" analysis of long-term users (ie, analysis of the side of the brain tumor relative to the side of the head preferred for cell phone usage). This is a meta-analysis incorporating all 11 long-term epidemiologic studies in this field.
このメタ解析に含まれるべき手法として、研究は以下の判定基準の全てを満たす研究であること:1)査読付き学術雑誌で刊行された、2)研究対象者は10年以上の携帯電話の使用者を含んでいること、3)長期使用で携帯電話を頭部のどちらかで使用したかの解析(携帯電話の使用に関連して、脳のどちらの側部で脳腫瘍があるかの解析)が含まれていること。こうした分野の11の長期疫学研究を対象にメタ解析を行った。

RESULTS:
結果
The results indicate that using a cell phone for > or = 10 years approximately doubles the risk of being diagnosed with a brain tumor on the same ("ipsilateral") side of the head as that preferred for cell phone use. The data achieve statistical significance for glioma and acoustic neuroma but not for meningioma.

結果は、10年以上の携帯電話の使用で携帯電話の使用と同じ側の脳に脳腫瘍が発症するリスクは約2倍となった。
この結果は神経膠腫と聴神経腫では統計的に有意で、髄膜腫では統計的に有意ではなかった。

CONCLUSION:
結論
The authors conclude that there is adequate epidemiologic evidence to suggest a link between prolonged cell phone usage and the development of an ipsilateral brain tumor.
筆者らは、長期の携帯電話の使用と同側に脳腫瘍が発生することが関連することを示す十分な疫学的な確証があると、結論付けた。

Bemsj注:
この研究の全文を読むと、Hardellの研究と、その他のインターホン研究の結果とのメタ分析である。
インターホン研究での症例数は200程度であり、Hardellの研究の症例数は100程度である。
神経膠腫、聴神経腫はHardellの研究ではリスクは2.7とか2.9であり、インターホン研究で1以下の値と合算してもまだ有意なリスクとなっているだけの話である。
髄膜腫では、Hardellの研究でリスクが1.5程度しか見つかっていないので、インターホン研究の1以下の数値と合算した場合に1以下となり、有意なリスクはなかった、という結果になっている。
このメタ解析では、このようにかなりHardellの研究結果に引っ張られているといえる。
この研究にHardell自身も名前を連ねていることに着目すべき。


関連する研究として、同じ掲載誌に同時掲載として、以下もある。
掲載誌:Surg Neurol. 2009 Sep; 72(3):216-22; discussion 222.
タイトル:Cell phone use and acoustic neuroma: the need for standardized questionnaires and access to industry data.
携帯電話の使用と聴神経腫:標準化された質問票と産業情報へのアクセスの必要性
研究者:Han YY, Kano H, Davis DL, Niranjan A, Lunsford LD.
Center for Environmental Oncology-University of Pittsburgh Cancer Institute (UPCI), Pittsburgh, PA 15213, USA

Abstract
BACKGROUND:
背景
The capacity of radiofrequency from cell phones to be absorbed into the brain has prompted concerns that regular cell phone use may increase the risk of acoustic neuroma (AN) and other brain tumors. This article critically evaluates current literature on cell phone use and AN risks and proposes additional studies to clarify any possible linkage.
脳に吸収される携帯電話の無線周波数電磁波は、定期的な携帯電話の使用が聴神経腫やその他の脳腫瘍のリスクを増加させるかもしれないという不安をもたらしている。
この論文は、携帯電話の使用と聴神経腫のリスクに関する現在の文献を評価し、関連の可能性を明確にするための継続的な研究を提案する。

METHODS:
Through a PubMed search, we identified and reviewed 10 case-control studies and 1 cohort study of AN risks associated with cell phone use and a meta-analysis of long-term mobile phone use and its association with AN and other brain tumors.
Pubmedを検索して、聴神経腫と携帯電話の使用に関連する10件の症例対照研究と、1件のコホート研究、携帯電話の長期使用とそれに関連する聴神経腫・その他の脳腫瘍に関するメタ解析を抜き出してレビューした。

RESULTS:
結果
Most studies did not find association between the development of AN and cell phone use, but some studies that followed cases for 10 years or more did show an association. Among 10 case-control studies, odds ratios for AN associated with regular cell phone use ranged from 0.5 (95% confidence interval [CI], 0.2-1.0) to 4.2 (95% CI, 1.8-10). Cell phone use was not associated with increased risk for AN in the Danish cohort study, which excluded business users from their study.
The meta-analysis, which included 3 case-control studies, found that subjects who used cell phones for at least 10 years had a 2.4-fold greater risk of developing ipsilateral AN.
In general, retrospective studies are limited in the ability to assess cell phone exposure because of recall bias and misclassification.

殆どの研究では携帯電話の使用と聴神経腫の発症の間に関連性は見つかっていない、しかし、いくつかの研究では10年以上の症例を調べて、関連性を見つけている。
10
件の症例対照研究の中で、定期的な携帯電話の使用に関連する聴神経腫のオッズ比は0.5から4.2の範囲にある。
デンマークのコホート研究では、ビジネスでの携帯使用を研究対象から除外しているが、聴神経腫のリスク増加は見出してはいない。

3件の症例対照研究を含むメタ解析では、すくなくとも10年の携帯電話使用者の脳の同側に聴神経腫のリスク増加(2.4倍)を見出した。
一般的に後ろ向きの研究は、思い出しのバイアスと誤分類による携帯電話の曝露を評価する能力に限度がある。

CONCLUSIONS:
結論
The evaluation of AN risk factors is challenging due to its long latency. Some studies of longer term cell phone use have found an increased risk of ipsilateral AN.
Adopting a prospective approach to acquire data on cell phone use, obtaining retrospective billing records that provide independent evaluations of exposures, and incorporating information on other key potential risk factors from questionnaires could markedly advance the capacity of studies to evaluate the impact of cell phones on AN.
聴神経腫のリスク要因の評価は長期の潜伏期間との戦いである。
幾つかの研究では同側に聴神経腫のリスク増加を見出している。
携帯電話の使用に関するデータを得るために前向きの研究を採用し、曝露を独立した評価として可能なように電話料金の請求書を遡及できるようにし、質問票によってその他の鍵となる可能性のあるリスク要因に関する情報を取り入れることは、聴神経腫における携帯電話の使用の影響を評価する研究の能力を著しく向上させることができる。

関心のある方は、これら二つの原著論文を読んでください。

 

 

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47.携帯電話の電磁波による脳ミクログリアの活性化 2007年の工藤らの研究

作成: 2009−3−4  修正:2020-10-28

以下の研究がある。

掲載誌:東医大誌 651):29362007
タイトル:携帯電話の電磁波はラット脳ミクログリアを活性化する:その免疫組織化学的所見
研究者:工藤玄恵、藤田浩司、松山永久ら

【要旨】
GSM
携帯電話マイクロ波が照射されたラット脳のミクログリアを形態学的に観察した。
動物を3群に分け、各群に全身平均specific absorption rateSAR0.22.0,そして7.5WKg915MHzマイクロ波をそれぞれ一回2時間連続照射した。
照射後の各群をその24時間と72時間経過後に観察する2グループに分けた(各SAR値の各時間毎8匹ずつ)。
比較対照にsham群(各時間12匹ずつ)を作製した。

灌流固定後の脳前頭葉部分から100μm厚標本を作製し、抗ミクログリア特異抗体Iba lIonized calcium binding adapter molecule l)抗体を用い免疫組織化学的染色を行い、観察した。

その結果、Sham群のミクログリア基幹突起はしなやか感のある、全長ほぼ均一の太さで四方八方に分岐進展する、いわゆる静止型の形状であった。

一方、照射群は、例外なく、活性型へ変貌していた。24時間後の0.2Wkg群では、基幹突起はしなやか感を失い、不均一な太さとなり、増殖傾向を示した。
2.0W
kg群では突起の増殖がより目立ち、偏在化や双極化も見られた。

7.5W
kg群ではそれまでのSAR値とは明らかに異なる細胞形態やアメーバ遠慮細胞が見られた。
細胞分布にも不均等感があった。そして72時間時点、個体やSAR値により多少の程度差はあったが、各高いずれも活性型のままであった。

全体を俯瞰してみると、SAR値が高いほど反応も強い傾向があった。
したがって、携帯電話マイクロ波は脳に明らかに影響を及ぼし、その影響は照射量に依存し、かつある一定期間持続すると、われわれは結論する。
マイクロ波照射後の動物脳のミクログリアに明らかな形態変化を捉えた報告は、われわれの知る限り、これが世界最初と考える。


本文から
・超高周波マイクロ電磁波による脳への影響を調べた報告も数多い。
その中で現在最も関心が持たれているものは、Salfordらによるラット脳への照射実験であろう。
しかし、われわれはその一回照射で何度も繰り返されるアルブミン漏出をきたす血管壁破綻を起こしたと結論するSalfordらの論文には以下のような矛盾や疑問点があると考える。
一つは、アルブミン漏出を何度も繰り返す血管壁破綻があったという反面、グリア反応はなかったと言う点である。
これは病理形態学的常識からは納得できない話である。

なぜならば、もしも本当に高分子量のアルブミン漏出が50日間にわたって何度も繰り返し起こっていたら、少なくともその破綻血管周囲にはその名残であるグリア反応・疲淫心がそれ相応に形成されていなければならないはずだからである。

もう一つは、細胞障害の検索指標にDark neuronを選んだ点も解せない。
なぜならば、Dark neuronはさまざまな病態においてよく観察される所見であるが、それは必ずしもいつも病的な意味を持つ変化とは限らないことがCammermyerによって1960年代初めに実験的に証明されている。
すなわち、Dark neuronは固定不十分な状態の脳を摘出する際の機械的圧迫によって、つまり、人工的にも作り出せるのである。
したがって、Salfordらの論文には灌流固定後の比較的短時間内に脳摘出した様子が記述されているゆえ、もしかすると、彼らが検索したDark neuronは人工的な産物かもしれない、という疑問を挟む余地がある。

そこでわれわれは、病的判断材料として確実性のより高い指標を用いた検討が必要であると考え、その検索にミクログリアを用いるのが最適であると考えた。その根拠は以下の通りである。(略)

・群の動物をtransverse electromagnetic transmission line chamber (TEM cell)装置内で全身平均specific absorption rateSAR0.22.0、そして7.5WKg)の強さでglobal system for mobile communicationsGSMmobile phone915MHzマイクロ波を一回2時間連続照射した。
<
すなわち、この実験ではラットは全身曝露である。>

・携帯電話マイクロ波照射後の動物脳のミクログリアに明らかな形態変化を捉えた研究報告は、われわれの知る限り、これが世界最初であると考える。
その一方で、携帯電話マイクロ波照射後にもミクログリアに形態変化を認めなかったというin vitro結果が本稿執筆中にも発表された。

・いずれにしても、われわれの結果とともに今後の追試が必要である。

BEMSJのコメント:ICNIRPなどの全身平均SAR規定値(一般公衆への曝露)は0.08W/kgである。
この実験は、こうした曝露規定の2・5倍以上の強さで行われたものとなる。



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48.メガネをかけた場合の眼球のSARの違い 2007年の研究

記:2009−4−21

以下の研究が行われています。
関心のある方は、当該の論文を読んでください。

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掲載誌:平成19 年度電気関係学会東北支部連合大会
タイトル:メガネをかけた人体全身モデル内眼球の斜入射マイクロ波のS A R 特性
研究者:小林 誠ら

概要
この研究では,成人眼球内のマイクロ波SAR 特性へのメガネと斜入射の影響について, 米国VHPVisibleHuman Project)の解剖学的全身モデルを用いて解析した。
メガネ(導体フレーム付ガラス凹レンズ)をかけた成人全身近似モデルとかけないモデルで数値解析を行った。
周波数は1.5GHz 900MHzとし、マイクロ平面波で曝露されたメガネ近傍の成人眼球内SAR 分布を検討した。

結果は、メガネの有無によらない。
どの方向から電波が来るかという入射角の依存は大きいことがわかった。

 

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49.メガネをかけた場合の眼球のSARの違い1997年の研究

記: 2009−6−23

48の研究とは反対の研究報告がありました。

掲載誌:1997年電子情報通信学会総合大会
タイトル:金属装身具を装着した人体頭部モデルの電磁界シミュレーション
研究者:福田正樹、小暮裕明ら

概要:
解析により電磁界、電力、エネルギー密度等の分布を得た。
何もつけていないモデルに比較し、メガネモデル(完全導体による金属とした)は金属フレーム周辺の電界強度やエネルギー密度分布が上昇すること、へルメットモデルはヘルメットが電磁波の頭部侵入をかなり遮断することなどがわかった。
金歯モデルでは大きな変化は特になかった。

また眼球部に注目し、目の中心部のみのSARの比較を行った。
SAR
値は入射電力密度をANSI基準である5.0mW/cm2としたときの換算値として以下に記した。

眼球中心におけるSAR値(1.5GHz、平面波曝露)
  基本モデル:4.93W/kg
  メガネ着用:8.89W/kg
  ヘルメット着用:4.23W/kg
  金歯着用:4.84W/kg

BEMSJ
のコメント:
平面波曝露となる電波源が十分に離れた地点にある場合の目の中心部におけるSARは、メガネの着用によって、メガネのない場合に比べて2倍にもなることが判ったと、
この解析におけるボクセルサイズ(解析格子の大きさ)や、上記のSARは通常の曝露基準で定められている条件である体組織1g当たりの平均値や10g当たりの平均を算出しているか否か、レジメには記述はなく、不詳である。
もしかして、目の中心部の局部的な値なのかも知れない。
最大を示したメガネ着用時のSAR1g当たりもしくは10g当たりの平均値としての基準値10W/kgを越えていないので、OKといえばOKである。
基準値の設定時にはこうしたメガネの着用によって2倍にも増加することは考慮していないと思われるので、更なる研究が肝要と思う。

 

 

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50.H20年度環境省電磁波報告書にみるRF周波数電磁界の発ガン

記;2009−9−24

平成20 年度 環境省請負業務報告書 「一般環境中電磁界曝露に係る情報収集業務」 平成213
発行:社団法人 環境情報科学センター  の中に興味深い点があったので、紹介(引用)します。

*****************   ************
2. RF
(特に携帯電話の使用周波数900MHz2.4GHz)の生体影響
2.1
動物実験
2.1.1
がん

携帯電話周波数帯電磁界の慢性曝露と発がんに関して、20078年に7つの論文が発表された。
これらの研究は周波数や、比吸収率(SAR)あるいは使用した動物種が異なるなどの差はあるが、おおむね結果はネガティブであった。

以下に各論文の要点をまとめる。

Tillmann
らはB6C3F1マウスを用いて長期の曝露実験を行い大規模な発がんの検討を行った。
使用した条件は900 MHzGSM波)ならびに1,747 MHzDCS波)で全身平均SAR は、0.41.34.0 mW/kg およびシャムの異なる条件で12時間、週5日で2年間の曝露を行った。
曝露後に全身の臓器について検索したが、がんの増加はなく、その他の血液学的指標、免疫学的指標にも影響がみられなかったとしている。

名古屋市立大学のShiraiらは、Fischer344ラットを用いて、N-ethylnitrosoureaENU)誘発の中枢神経系腫瘍モデルで電波の影響を調べた。
使用した条件は1.95GHzW-CDMA)で脳平均SARが最大2W/kg で、曝露は190分で週5日最大104週間(2年間)行った。
その結果、腫瘍の発生率に関してはENUのみ投与群、ENU+電波曝露群では差がなく、影響は見られなかった。
したがって長期曝露が脳神経系の腫瘍の発生に関与するということはなかった。

Sommer
らは、リンパ腫頻発マウスAKRを用いて、電波の長期曝露を行った。
使用した条件は1.966GHzUMTS波)で、124時間、最大248日の連続曝露であった。SAR値は全身平均で0.4W/kgであった。
これらの長期曝露の結果、曝露の有無に関わらず、リンパ腫の発生には差がみられないと報告している。

Oberto
らは、リンパ腫を多発するPim-1遺伝子導入マウスを用いて、900MHzGSM波)の電波曝露の影響を調べた。
全身平均SAR値は、0.51.44W/kgであり、曝露は11時間、18ヶ月の長期曝露を行ったが、リンパ腫の発生率と電波曝露には関連が見られなかった。

Smith
らは、Han Wistarラットを使用して、902MHzGSM 波)、および1,742 MHzUMTS波)の影響を調べた。
全身平均SAR は、0.441.334 W/kg 3 条件で12時間、週5日で最大104週(2年間)の曝露を行い、曝露終了後には解剖して組織学的・形態学的検査も行った。
その結果、生存率、解剖学的検査によるがんの発生に関して、いずれも電波の影響を認めなかった。

Saran
らは、電離放射線の発がん研究で用いられているPatched1ヘテロノックアウトマウスを用いて、電波の長期曝露実験を行った。
このマウスは、高頻度で腫瘍を発生するが、本実験では、新生マウスに、900MHzGSM波)を1302回、週5日、最大6ヶ月の曝露(全身平均SAR 値は0.4W/kg)を行っても、腫瘍の発生率に有意な差は見られなかった。

Hruby
らは、SDラットの7,12-dimethylbenz(a)anthracene(DMBA)誘発乳がんモデルを使用して、902 MHzGSM波)の長期曝露影響を調べた。
曝露は14時間、週5日で期間は6ヶ月行った。
全身平均SARは、0.41.34 W/kgであった。
彼らの結果では、曝露によって、乳がん体積をはじめコントロール群よりも有意に高い項目がいくつかあったが、量反応関係がみられず、乳がんの発生、ならびに浸潤に対して、RF電磁界の影響を十分に説明できるものではなかった。

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51.ボルコウらの2011年携帯電話による脳細胞活動に関する研究 

記:2011−3−9

2011
2月下旬に新聞やネットで話題になったニュースである。
シカゴ発ロイター電が基になって、日本の新聞にも紹介された。

最初に見つけたのは、ヤフーのヘッドラインニュースでした。

携帯電話の電磁波、脳細胞の活動に影響=米研究
ロイター 223()1643分配信
[シカゴ 22日 ロイター] 
米国立衛生研究所(NIH)は22日、携帯電話を50分間耳に近づけて使用すると、アンテナの近くにある脳細胞の活動に影響を与えるとの研究結果を発表した。

 

毎日新聞の記事の一部転記です。

携帯電話の電磁波、脳細胞の活動に影響=米研究
2月22日、米国立衛生研究所は、携帯電話を50分間耳に近づけて使用すると脳細胞の活動に影響を与えるとの研究結果を発表。
[シカゴ 22日 ロイター]
米国立衛生研究所(NIH)は22日、携帯電話を50分間耳に近づけて使用すると、アンテナの近くにある脳細胞の活動に影響を与えるとの研究結果を発表した。

研究では、47人の被験者に携帯電話の電源を入れた状態と切った状態で50分ずつ耳に近づけてもらい、脳の状態の変化を比較。研究を率いた
ノーラ・ボルコウ博士は「携帯電話を使っている人の脳の、アンテナに最も近い部分では(脳が活動していることを示す)ブドウ糖代謝が活発となった」と説明した。 

ボルコウ博士はこの結果について、携帯電話から出る弱い電磁波が脳の活動に影響することが分かって驚いたと認めた上で、研究結果は携帯電話が脳腫瘍の原因になるという考えを裏付けるものではないとしている。
(略)
2011
223日 1640

 

こうした新聞やネットでの情報では十分な情報が得られないので、原典となる論文を読んでみた。

以下はその概要である。

掲載誌:JAMA, February 23, 2011-Vol 305, No. 8
タイトル:Effects of Cell Phone Radiofrequency Signal Exposure on Brain Glucose Metabolism
研究者:Nora D. Volkow, MD

実験方法に関して
・この研究は、脳のPETスキャン撮影を利用して、脳が活動していることを示すブドウ糖代謝の活発さを調べたものである。
PET
スキャンのためにFDGを注射した。
50分の携帯電話使用による累積の効果としてのブドウ糖代謝の活発さを測定した。
時間の経過にともなう時々刻々変化した脳の活動を調べたものではない。
・携帯電話の影響は近接して置かれた頭部の局所に現れると予想した。
200911日から20091231日までの1年間に、実験を行った。
・一般から48名の実験協力者を募った。
・それぞれの協力者は間に日をおいて、2回実験に参加した。

・携帯電話は右と左の両方に設置した。
2
台の携帯電話を利用した。片方だけに置いたのでは交絡因子となるかもしれないからである。
2台の携帯電話を共に電源オフとした場合と、左の電話は電源オフ、右の電話を電源オンとした実験を行った。
協力者には電源オフかオンか知らせないで、実験を行った。

・電源オンとした携帯電話は、他の電話機から録音したテキストを受信するように設定した。
音の影響をなくするために、音は出なくなるようにした。
2台の携帯電話機は
サムソンのSCH-U310である。変調方式はCDMAであり、最大のSAR0.901W/kgである。

・携帯電話機は耳に当て、固定した。
・電源ONに設定して20分後にFDGを注射し、30分の時間を置いた。
・この50分の間は、協力者は安楽な椅子に座り、薄暗い明りの部屋で、眼を開けて、静かにしていた。
動いたり、話をしたりすることは禁止されていた。目を閉じたり、眠ったりしないように看護婦がそばにいてみていた。

・携帯電話の電波の強さは、3フィート離れた場場所に測定器を置き、5分毎に測定した。携帯電話の周波数は837.8MHzであった。
BEMSJ注:この周波数は携帯電話から基地局へのアップリンク周波数と思うがアメリカの事情に詳しくなく、要確認です。
論文には測定値が記載されていない、携帯電話からのは発信電波が最大パワーで50分間発信されていたのか?要確認です。>

50分後、携帯電話は外され、
PETスキャンが行われた。
・電波曝露強度の推定:解析ソフトで、頭部の電界強度を推定した。

結果と考察
1名のデータは、携帯電話からの発信電波が途切れていたので、解析から除外し、47名の対象者のデータを用いて解析を行った。
2PETスキャン解析の結果の例を示す。
携帯電話オフに比べて、電源オン時の右側の色がより赤くなっており、携帯電話の電波の影響とみることができる。
3(原著の図3の一部を以下に示す。)推定した携帯電話の電波による脳内の電界強度分布と、PETスキャン解析で得た各部位のブドウ糖代謝の活発さのデータから両者の関連性をグラフにした。
図からわかるように、電界強度のおおきさに比例してブドウ糖代謝が活発になっている。


 図2

 

3

 

というのが、この論文の概要です。

さて、ここからは、BEMSJの感じた点を述べます。
2PETスキャンの結果をみてば、研究者のいうように、電源オフに比べて、電源オンで右側の脳における
ブドウ糖代謝の活発さが増していることはわかります。
でも、図をよく見ると、電源オフに比べて、電源オンでは、脳の各部が結構な割合で、ブドウ糖代謝が活発になっています。
携帯電話を置いたが電源オフになっている左側も、結構 ブドウ糖代謝が活発になっています。
これは、右側の電源がオンになっている携帯電話の影響だけではなく、他の要因もあると素人目にもわかります。


また、図3では、各部のブドウ糖代謝の変化率は、平均値だけを見れば電界強度と代謝の活発さは比例関係にあると見ることは不可能ではありませんが、標準偏差が大きくて、本当にこの平均値によって判定を行ってよいか疑問です。

 

また、研究者は携帯電話の電波による影響と断定していますが、使用した携帯電話をネットで調べると、この携帯電話の連続使用可能時間は4.5Hです。
4.5Hの使用でバッテリーはなくなります。
50
分も連続して使用し、もし、最大の無線電力発信で実験を行ったとすれば、携帯電話を耳に密接して取り付けたとすれば、携帯電話のバッテリーの温度上昇によって、脳の右側が温度上昇を感じるはずです。

もしかして、この温度上昇による影響かもしれません。
したがって、この研究は、さらに継続し、温度の影響ではなく、発信電波の影響であることを確認しなければならないでしょう。

 

 

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52.携帯電話端末からの低周波磁界の漏洩 

記:2011−4−16

以下の研究報告がある。

タイトル:Final Report: Assessment of ELF Exposure from GSM Handsets and Development of an Optimized RF/ELF Exposure Setup for Studies of Human Volunteers
BAG Reg. No. 2.23.02.-18/02.001778

研究者:Markus Tuor

発行:ITIS Zurich, January 2005


携帯電話端末から高周波の電波ではなく、低周波の磁界が漏洩しているかを調査した報告書である。
結果の一部を以下の図に示す。

 

 

 

結果は
・携帯電話端末のバッテリーから電波の発信に同期した負荷電流が流れ出す。 
・この負荷電流によって、携帯電話端末の裏側に局所的な217Hzとその高調波成分の磁界が発生する。

BEMSJ注:携帯電話端末としてはTDMSの方式のものを用いているので、このように電波は間欠的に発信し、電波の発信の間欠に応じて、バッテリーから電流も間欠するので

変化のある磁界が観察される。 CDMAといった方式の携帯電話では、電波の間欠発信はないので、こうした磁界の発生はないと思われる。)
・測定センサーは、900MHzといった電波を避けて、低周波の磁界だけを観測するために、測定センサー部には高周波電波を遮断する金属製ネットを取り付けた。

・この局所的な磁界を、端末の表面密着とした場合の磁界強度を測定値(測定はセンサーの大きさの制限から、端末の表面から5mm離れた地点での測定になっている)から想定した。
・端末表面での磁界を、旧ICNIRPガイドライン1998年の一般公衆向けの磁界の参考値に比較した。上記はその一例である。
・結果は、一部の高調波で、旧ICNIRPの参考レベルを超えた

というものでした。

ICNIRP
2011年ガイドラインでは、発生源から20cm以内の場合は、参考レベル(全身曝露、空間平均)を局所にも適用して、値を超えなければ良い。
超える場合は、基本制限に立ち返って、評価する ことになっています。

この2011年のガイドラインに照らして考えれば、ITISの結果は、現在のICNIRPガイドラインに適合しているといえるようです。

 

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53.イギリスの携帯電話使用と脳腫瘍罹患率の研究結果2011年

記;2011−10−31

以下の研究がある。

掲載誌:Bioelectromagnetics 32:334-339 (2011)
タイトル:Time Trends (1998-2007) in Brain Cancer Incidence Rates in Relation to Mobile Phone Use in England
英国における携帯電話使用に関連する脳腫瘍への罹患率の時間的変化の動向
研究者:Frank de Vocht et al;

概要:
Mobile phone use in the United Kingdom and other countries has risen steeply since the early 1990
s when the rst digital mobile phones were introduced.
英国及びその他の国では、最初のデジタル携帯電話が導入された1990年代以降、携帯電話の使用は急激に増加している。

There is an ongoing controversy about whether radio frequency (RF) exposure from mobile phones increases the risk of brain cancer.
携帯電話の電磁波が脳腫瘍のリスクを増加させているか否かの論争が継続中である。

However, given the widespread use and nearly two decades elapsing since mobile phones were introduced, an association should have produced a noticeable increase in the incidence of brain cancer by now.
携帯電話の普及と携帯電話が導入されてから20年が経過しているので、現時点でも携帯電話の使用による脳腫瘍の罹患率の検知可能な増加がみられてもしかるべきである。

Trends in rates of newly diagnosed brain cancer cases in England between 1998 and 2007 were examined.
1998
年から2007年の間の英国における新たに脳腫瘍と診断された症例の割合の傾向を調査した。

There were no time trends in overall incidence of brain cancers for either gender, or any speci
c age group.
性別や特定の年齢階層を見ても、脳腫瘍の全体の罹患率の時間的変化の傾向は見られない。

Systematic increases in rates for cancers of the temporal lobe in men (0.04 new cases/year) and women (0.02/year) were observed, along with decreases in the rates of cancers of the parietal lobe (-0.03/year), cerebrum (-0.02/year) and cerebellum (-0.01/year) in men only.
側頭脳の癌に関しては男性で年0.004症例の割合で、女性では年0.02症例の割合で、分類上の増加がみられた。
頭頂の癌に関しては年0.03症例の割合で減少が、大脳では年0.02症例の割合で減少が、小脳では年0.01症例の割合で減少が、男性にのみに見られた。

The increased use of mobile phones between 1985 and 2003 has not led to a noticeable change in the incidence of brain cancer in England between 1998 and 2007.
1985年から2003年の間の携帯電話の使用の増加は、1998年から2007年における英国の脳腫瘍罹患率に注目に値する増加をもたらしていない。

The observed increase in the rate of cancers in the temporal lobe, if caused by mobile phone use, would constitute <1 additional case per 100,000 people in that period.

本研究で見られた側頭脳での脳腫瘍増加は、もし携帯電話の使用によるものとしても、これらの期間における10万人当たり1名以下の増加となる。

 

These data do not indicate a pressing need to implement a precautionary principle by means of population-wide interventions to reduce RF exposure from mobile phones.
これらのデータは、携帯電話からの電磁波曝露を減らすために、全国的に介入する手段として予防原則を適用することに対しては緊急的な必要性を示していない。
画像抜け

  

Fig.1.Brain cancer incidence rates between 1998 and 2007 per 100,000 people in England and number of mobile phone subscribers in the UK between 1985 and 2003
図1:1998年から2007年における英国の10万人当たりの脳腫瘍罹患率と1985年から2003年の間の英国での携帯電話使用者数

関心のある方は、原著全文を読んでください。

 

 

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54.クロアチアの20042450MHzでの研究

:2013-2-16

以下の研究がある。

掲載誌:Mutagenesis vol. 19 no. 5 pp. 361--364, 2004
タイトル:Investigation of the Genotoxic effect of microwave irradiation in rat bone marrow cells: in vivo exposure
 ラットの骨髄細胞におけるマイクロ波電磁界曝露の生殖毒性の研究:インビボでの曝露
研究者:Ivancica Trosic, Ivana Busljeta and B.Modlic

概要:
An in vivo mammalian cytogenetic test (the erythrocyte micronucleus assay) was used to investigate the extent of genetic damage in bone marrow red cells of rats exposed to radiofrequency/microwave (RF/MW) radiation.
高周波・マイクロ波電磁界曝露したラットの骨髄赤血球細胞における生殖的な障害の程度を調べるために、インビボでの細胞学的実験を行った。

Wistar rats (n = 40) were exposed to a 2.45 GHz continuous RF/MW field for 2 h daily, 7 days a week, at a power density of 5--10 mW/cm2.
ウイスターラット40匹は、電力密度:5-10mW/cm2で、12時間、週に7日間、2.45GHzの電磁界を連続曝露した。

The whole body average specific absorption rate (SARs) was calculated to be 1.25 ± 0.36 (SE) W/kg.
全身平均SAR1.25W/kgと計算された。
BEMSJ注:ICNIRPの基準では一般公衆の曝露限度は0.08W/kgなので、16倍強い曝露条件である。)

Four subgroups were irradiated for 4, 16, 30 and 60 h.
4
郡のグループは4161060時間の照射を受けた。

Sham-exposed controls (n = 24) were included in the study.
疑似曝露群は24匹で、実験を行った。

 

The animals of each treated subgroup were killed on the final day of irradiation.

其々の実験に用いたたラットは、照射の最終日に殺された。

Bone marrow smears were examined to determine the extent of genotoxicity after particular treatment times.
骨髄は適切な処理時間後に、製直毒性の程度を決めるために試験を行った。

The results were statistically evaluated using non-parametric Mann--Whitney and Kruskal--Wallis tests.
結果は統計的に処理された。

In comparison with the sham exposed subgroups, the findings of polychromatic erythrocytes (PCE) revealed significant differences (P 5 0.05) for experimental days 8 and 15.
疑似曝露群に比べて、曝露群では、PCEは実験8日、15日後では有意に異なることが判った。

The frequency of micronucleated PCEs was also significantly increased on experimental day 15 (P 5 0.05).
微小核PCEの頻度は実験15日後では、有意に増加した。

Pair-wise comparison of data obtained after 2, 8 and 30 irradiation treatments did not reveal statistically significant differences between sham exposed and treated subgroups.
照射2日、8日、30日後に得られたデータの一対比較では、疑似曝露群と曝露群間には統計的に有意な差異は見られなかった。

Under the applied experimental condition the findings revealed a transient effect on proliferation and maturation of erythropoietc cells in the rat bone marrow and the sporadic appearance of micronucleated immature bone marrow red cells.
この実験では、ラットの骨髄の赤血球新生細胞の増殖と未熟に一過性の影響がみられたし、微小核を形成した未熟な骨髄赤血球の特異な発現が見られた。

関心のある方は、原文全文を入手して、読んでください。

 

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55.EMFactのメーリングに流れた2011年ヤキメンコの論文

記;2013−7−28

EMFact
という電磁波の健康影響に関するメーリングの中で、2013728日付の情報として以下のものが流れてきた。
http://www.emfacts.com/2013/07/long-term-exposure-to-microwave-radiation-provokes-cancer-growth-evidences-from-radars-and-mobile-communication-systems/#comment-333 にあった内容 2013−7−28のログ
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Long-term exposure to microwave radiation provokes cancer growth: evidences from radars and mobile communication systems.
JULY 28 2013
From Paul Doyon:

This study out in 2011 should really be enough for people to make the logical conclusion that be blasted with WiFi (and more than often many sources of multiple WiFi signals) 24/7 is probably not a good idea. We are literally drowning in a sea of EMFs as a result of other people’s stupidity.
paul doyon

Long-term exposure to microwave radiation provokes cancer growth: evidences from radars and mobile communication systems.
Exp Oncol. 2011 Jun; 33(2):62-70.
Long-term exposure to microwave radiation provokes cancer growth: evidences from radars and mobile communication systems.
Yakymenko I, Sidorik E, Kyrylenko S, Chekhun V.

Source

(略)
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2013
7月になって、2011年の論文の紹介がメーリングに、いまさらのように、流れてきている。
投稿者の意図は不明であるが、この論文は、2011年に既に、全文を読んであるので、概要の部分だけ、以下に英文和訳して紹介する。

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掲載誌:Exp Oncol. 2011 Jun;33(2):62-70. 実験腫瘍学・雑誌 201133262 70ページ
タイトル:Long-term exposure to microwave radiation provokes cancer growth: evidences from radars and mobile communication systems.
ガンの増殖を引き起こすマイクロ波・放射線の長期間被曝:レーダと携帯電話通信システムからの証拠
研究者:Yakymenko I, Sidorik E, Kyrylenko S, Chekhun V. ヤキメンコら

Abstract 概要

In this review we discuss alarming epidemiological and experimental data on possible carcinogenic effects of long term exposure to low intensity microwave (MW) radiation.
このレビューでは、低強度のマイクロ波電磁波の長期間被曝の発ガン効果の可能性に関して警告を発している疫学や実験研究のデータを評価する。
BEMSJ
注:レビューとはオリジナルな疫学や実験研究ではなく、他の様々な研究者の研究論文を集めて、解説や総合評価を行うこと。

Recently, a number of reports revealed that under certain conditions the irradiation by low intensity MW can substantially induce cancer progression in humans and in animal models.
最近、数多くの報告で、ある条件下での低強度マイクロ波が人間や動物のモデルにおいて、ガンの進行を促進することが出来るというが明らかになっている。

The carcinogenic effect of MW irradiation is typically manifested after long term (up to 10 years and more) exposure.
マイクロ波照射の発ガン効果は長期間(10年かそれ以上)の曝露の後に現れるのが典型的である。

Nevertheless, even a year of operation of a powerful base transmitting station for mobile communication reportedly resulted in a dramatic increase of cancer incidence
発生 among population living nearby.
それにもかかわらず、携帯通信の強力な基地局の年間の稼働は、それの近くに住む人々にガン発生が劇的な増加をしているという報告に有るような結果になっている。

In addition, model studies in rodents unveiled a significant increase in carcinogenesis after 17-24 months of MW exposure both in tumor-prone and intact animals.
加えて、げっ歯類のネズミなどの動物モデルの研究では、腫瘍の発生しやすくした動物であれ、健全な動物であれ、1724週間のマイクロ波曝露の後で、有意な腫瘍発生の増加を示している。

To that, such metabolic changes, as overproduction of reactive oxygen species, 8-hydroxi-2-deoxyguanosine formation, or ornithine decarboxylase activation under exposure to low intensity MW confirm a stress impact of this factor on living cells.
低強度のマイクロ波曝露で、8−ハイドロキー2−デオキシグアノシン形成や、オルニチン脱炭酸酵素の活性化といった活性酸素種の過剰生成のような新陳代謝の変化が、生きた細胞中での衝撃的ストレスであることが確認された。

We also address the issue of standards for assessment of biological effects of irradiation.
我々はまた、照射の生物的効果の評価に関する基準の作成にも言及する。

It is now becoming increasingly evident that assessment of biological effects of non-ionizing radiation based on physical (thermal) approach used in recommendations of current regulatory bodies, including the International Commission on Non-Ionizing Radiation Protection (ICNIRP) Guidelines, requires urgent reevaluation.
国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)のガイドラインを含む現在の規制当局が使用している物理的(熱効果的)アプローチに基づく非電離放射線の生物学的影響の評価法が緊急な再評価を要求することになる証拠が今や増加しているのである。(BEMSJ注:この文の意味が今一つ判りにくい)

We conclude that recent data strongly point to the need for re-elaboration of the current safety limits for non-ionizing radiation using recently obtained knowledge.
最近に得られた知識を使用して、非電離放射線の現行の安全限界値を再推敲する必要性を、最近のデータは強く示しているというのが我々の結論である。

We also emphasize that the everyday exposure of both occupational and general public to MW radiation should be regulated based on a precautionary principle which imply maximum restriction of excessive exposure.
職業人と一般公衆の日常的なマイクロ波電磁波曝露が、過剰曝露を最大限規制するという意味での予防原則に基づいて、規定されるべきであることを、我々は強調する。
*****************************

 

 

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56.INTERFERENCE TECHN誌 20092月号に掲載されたドイツの放送塔に関する疫学

記;2015−11−19

http://www.tuv-ohtama.co.jp/itj/index.html
 にあった内容

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ドイツの研究:強力な送信機の近くに住んでも小児白血病のリスクは増大しない

マインツにあるヨハネス・グーテンベルグ大学の科学者が、強力なテレビ・ラジオ送信機の付近に住む子供達は、他の子供達と比較して、小児白血病を発症する著しく高いリスクに曝されているわけではないことを示す研究結果を発表した。
研究結果は「Epidemiological study On Childhood Cancer and Proximity to Radio and Television Transmitters」で見ることができる。
この研究は、Federal office for Radiation Protectionのために、大学のInstitute at Medical Biostatistics, Epidemiology, and Informatics (医用生物統計学,疫学・情報学)で行われた。

研究対象は、16AM放送局と8つのFM放送局の送信機付近に住み、1984年から2003年のあいだに原発性白血病と診断された、幼児から14歳までの1959人の子供たち。
年齢、性別、送信機エリアに合わせた、症例ごとに3つの対照群が住民登録簿から選ばれた。
この研究の管理者であるDr . Joachimsch によると「ラジオ・テレビ送信機からの高周波電磁界への曝露(RF - EMF)と小児白血病の間に顕著な関連性はない)という。
(略)
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56A.Interference Tech201307月号のイスラエル携帯と甲状腺癌

記:2013−8−6
Interference Tech
日本語版20137月号に掲載された記事からの引用です。

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研究者が甲状腺ガンと携帯電話の電波との関連性を確認

イスラエルのテル・アビブ大学の研究者とラビンメディカルセンターは、西欧諸国において最近、携帯電話の放射電波と甲状腺ガンとの間にある潜在的な関係について予備調査結果を報告した。
この研究は、ペタク・チクヴァにあるベイリンソン院とテル・アビブ大学Sackler薬学部の一部であるFelsenstein 医学研究センターで実施された。

実験中、研究者は携帯電話が放射する電磁放射をシミュレートする設計でヒト甲状腺の細胞を放射に曝し、“照射された甲状腺細胞”は、対照群内の照射を受けなかった甲状腺細胞より「はるかに高い、統計的にも顕著な高率で増殖した」と断定した。

しかし、研究は初期段階であり、最終的な結論は得られなかった。
「調査結果は、電磁放射に対する甲状腺細胞の変化として最初の証拠である」と、ベイリンソン病院の耳鼻咽喉科教授Raphael Feinmesser主任研究員者は「しかし、携帯電話の電磁放射と甲状腺ガンの関係に関して全面的な結論を出すのは、まだ早すぎる」と言っている。
****************************

元ネタとなったイスラエルの新聞社の記事は、有料登録をしないと、読めない。

EMFact
のサイトには、英文の当該の記事が掲載されている。

この研究は、Pubmedには採録されていない。本日の検索ではヒットしなかった。
査読付き論文ではなく、イスラエルの医学関係の学会での発表論文である。

実験の曝露条件携帯電話の電磁波曝露を模擬した実験となっているいるが、曝露強度が書かれていない
よって、このニュースだけでは、何とも判断はできない。

 

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57.ニール・チェリーが非熱効果を検証した研究と紹介しているYaoの1982年論文

記;WEBに公開 2014−2−13

以下の論文がチェリーによって紹介されている。

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掲載誌:J Hered, 1982 Mar-Apr;73(2):133-8.
タイトル:Cytogenetic consequences of microwave irradiation on mammalian cells incubated in vitro
 
インビトロで培養された哺乳類の細胞へのマイクロ波照射における細胞遺伝学的な結果
研究者:Yao K T.

Abstract
概要
A 2450 MHz microwave oven was converted into a microwave incubator.
2450MHz
の電子レンジをマイクロ波培養器に改造した。
BEMSJ注:本文を見ると電子レンジへの交流入力電圧を通常120Vの所を、10Vに減じて、低出力にして実験を行っている。通常のマイクロ波出力W数と、低出力時の出力W数は本文の中では記述は見つからない。)

Rat kangaroo RH5 and RH16 cells were incubated in the incubator and were sub cultured
継代培養, every 5 to 7 days.
カンガルーネズミRH5RH16の細胞を培養器で培養し、5から7日間継代培養を行った。

The temperature of the cell cultures in the incubator was maintained at 37 degrees C.
培養器の中の培養細胞の温度は37℃に保った(BEMSJ注:本文の中では35℃から37℃に保ったという記述)。

The cells were incubated with direct microwave irradiation continuously for 50 passages and then returned to a conventional incubator and allowed to grow for another 30 passages.
細胞は直接マイクロ波曝露下で50代にわたる継代培養された。
その後、通常の培養器の中でさらに30代にわたる継代培養された。

Cell growth rate was significantly reduced after 7 or 15 subculture passages under irradiation.
マイクロ波照射下では7-15代の継体培養後に、細胞の成長率が低下した。

Chromosome aberrations emerged after the cells had been microwave-incubated for about 20 passages.
染色体異常はマイクロ波照射下の継代培養で、約20代以降で出現した。

The long-term irradiation caused 0.84 chromosome breaks per cell in RH5 cell cultures and 0.10 breaks per cell in RH16 cell cultures.
長期の曝露で、RH5細胞では細胞あたり0.84の割合で染色体切断が起こった、RH16 細胞では細胞あたり0.10の割合であった。

After the cell cultures had been returned to the conventional incubator and maintained for 30 passages, the number of chromosomes breaks was greatly reduced in both cell cultures.
通常の培養器に戻して、30代にわたる継代培養を行った後の染色体切断は両方の細胞で共に、大きく減少した。

The number of polyploid cells was increased to 35 percent and 31 percent during the irradiation, and was significantly reduced in the conventional incubator.
倍数体細胞の数は照射時では35%31%の増加がみられた。そして通常の培養器では有意に減少した。

Many RH5 cells lost one chromosome and became 10-chromosome cells.
多くのRH5細胞は染色体を失い、10本の染色体細胞となった。

The number of 10-chromosome cells increased during irradiation and continued to increase after being returned to the conventional incubator.
マイクロ波照射下で10本の染色体に減少した細胞数は増加し、通常の培養器に戻しても、増加し続けた。

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BEMSJ
注:
ニール・チェリーはこの論文を、非熱効果を証明した研究のひとつとして例示している。SAR15.2W/kgとし、熱の上昇はないとし、35-37度にコントロールしているとして、この染色体異常発生はマイクロ波の非熱効果としている。

しかし、原著を入手して曝露条件を見ると、細胞のSARは推定が不可能とみて、培養液のSARとしての値である。
ICNIRP
1998年ガイドラインでは一般公衆の曝露限度値は全身平均0.08W/kgであり、190倍である。

これだけの強い電磁波曝露下での実験なので、この研究結果は熱的な影響と言える。
50
倍で1度の温度上昇なので、この実験では4度程度の温度上昇があったかもしれない。

実験装置の図を本文から抜いて以下に示す。
この図をみて、空冷で如何にして細胞と培養液の温度が上がらないように制御しているか?疑問である。

Yaoの実験装置

 

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58.Kheifetsらの2008年研究 携帯電話使用が子供の行動に影響

記;2014−2−14

以下の研究がある。
学会での講演のレジメ集に掲載された論文

仮訳をつけた。

**************************
掲載誌:Epidemiology: November 2008 - Volume 19 - Issue 6 - pp S94-S95

掲載誌: ISEE 20th Annual Conference, Pasadena, California, October 12-16, 2008: Contributed Abstracts
タイトル:Prenatal and Postnatal Exposure to Cell Phone Use and Behavioral Problems in Children
   出生前・出生後の携帯電話使用と子供の行動への影響
研究者:Divan, H A; Kheifets, L; Obel, C; Olsen, J

 

Background: 

Exposure to radiofrequency fields is increasingly common, but the potential influence on health has not been thoroughly investigated, especially in children.
Between 2003 and 2008, there were more than 900 million new cell phone subscribers worldwide, with a total of more than two billion subscribers.
The World Health Organization has emphasized the need for research into the possible effects of radiofrequency fields in children.
We examined the association between prenatal and postnatal exposure to cell phones and behavioral problems in young children.

背景:

無線周波電磁界への曝露はますます一般化してきている。
しかし、その健康への影響は十分に研究されてきているとは言えない、特に子供への影響に関しては。
2003
年から2008年の間に世界では900百万台以上の新規の携帯電話使用者がおり、累計では20億以上の携帯電話使用者数となる。
WHO
は子供の無線周波数電磁界の影響を研究すべきと強調してきた。我々は、出生前と出生後の携帯電話使用による子供の行動への影響を調査した。


Methods:

This study was based on the Danish National Birth Cohort, which recruited women during pregnancy from March 1996 through November 2002.
A total of 101,032 pregnancies were enrolled in the cohort.
Mothers and live-born children constitute two fixed cohorts that are to be followed for decades in a life-course perspective.

方法:この研究は19963月から200211月の間に妊娠した女性による、デンマーク国家生誕コホート研究基づいた。
コホートの中から合計101,032件の妊娠を登録した。
母親と生きて生まれた子供は二つのコホートを形成する、10年間の追跡による方法と、ラフな予測である。

Detailed information on life-style factors, dietary habits and environmental exposures were collected in a series of four telephone interviews from pregnancy to when the newborn reached 18 months.
In 2005 and 2006, when the children of those pregnancies had reached 7 years of age, mothers were asked to complete a new questionnaire regarding the current health and behavioral status of children, as well as their cell phone during pregnancy and child's current cell phone use.

詳細情報として、生活スタイル要素、食習慣、環境曝露が、妊娠から子供が誕生して18か月後まで、4回の電話インタビューで、収集された。
2005
年と2006年に、子供が7歳になった時に、母親は子供の健康と行動様式に関して、妊娠中の母親の携帯電話の使用と、子供が現在携帯電話を使用しているかに関する質問と共に、新規の質問票に答えるように要請された。

 

Mothers evaluated the child's behavior problems using the Strength and Difficulties Questionnaire, which consisted of 25 questions with scaled responses regarding their child's behavior.
Based on the specific numerical score, children were classified as abnormal, borderline, or normal for overall behavioral problems as well as for the specific outcomes such as emotional, conduct, hyperactivity, or peer problems.

母親は子供の行動上の問題を、子供の行動様式に関するスケール評価と共に25の質問項目からなる強度・難易質問票を使って、評価した。
数値化によって、感情的、品行、過敏性、友達関係といった特定の目標とした結果に関するものと共に、行動に関する全般に関して、子供は異常、境界線上、正常に区分された。


In the analysis, comparisons were made between baseline characteristics and prenatal and postnatal cell phone exposure.
An ordinal logistic regression model was used to estimate the odds of the outcomes of behavioral problems in children according to combined prenatal and postnatal exposure to cell phones, prenatal exposure only, and postnatal exposure only.
To evaluate possible dose-response patterns, proxies of prenatal exposure intensity were considered.

解析の中で、基準と出生前・出生後の携帯電話使用とを比較した。
ロジスティク回帰モデルを用いて、出生前および出生後を合体した携帯電話使用、出生前の携帯電話使用、出生後の携帯電話使用に関して、子供の行動における問題点のオッズ比を推定した。
量―反応関係を評価する為に、曝露強度の代理指標を導入した。

 

Results:

Mothers of 13,159 children completed the follow-up questionnaire.
Thirty percent of children were using a cell phone at 7 years of age, and about 11 percent of children were exposed to cell phones both prenatally and postnatally.

結果:13159人の子供の母親は追跡調査の質問表に答えた。
7
歳で30%の子供は携帯電話を使用、出生前と出生後に共に携帯電話使用下にあった子供は11%であった。


Greater odds ratios for behavioral problems were observed for children who had possible prenatal or postnatal exposure to cell phone use.

「出生前の携帯電話使用」と「出生後の携帯電話使用」では、子供の行動に問題がある子供に大きなオッズ比が観察された。


After adjustment for potential confounders, the odds ratio for a higher overall behavioral problems score was 1.80 (95% confidence intervals = 1.45–2.23) in children with both prenatal and postnatal exposure to cell phones.

可能性のある交絡因子の調整後、「出生前かつ出生後の携帯電話使用」の子供の行動の問題指数のオッズ比は1.8095%信頼性区間1.452.23)であった。

 

Conclusions:

Exposure to cell phones prenatally–and, to a lesser degree, postnatally–was associated with behavioral difficulties such as emotional and hyperactivity problems around the age of school entry.
These associations may be noncausal and may be due to unmeasured confounding.
If real, they would be of public health concern given the widespread use of this technology.

結論:出生前の携帯電話の使用は、また程度は軽いが出生後の携帯電話の使用は、学校に入学する年齢の子供の感情・過敏性などの行動と、関連性がある。
この関連性は、因果関係ではないかもしれないし、測定していない交絡因子によるものかもしれない。
もし、本当だとすれば、この世界中に広まった技術によって与えられた公衆衛生上の関心事になるであろう。

 

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59.スイスの放送塔と小児癌に関する疫学調査2014年

記:2014−12−7

スイスはなにかとこの放送塔との関連を疑って、色々と研究が行われている。
以下は最近の研究の一つ。

関心のある方は、全文原著を入手して読んでください。

掲載誌:Am J Epidemiol. 2014 Apr 1; 179(7):843-51.
タイトル:Exposure to radio-frequency electromagnetic fields from broadcast transmitters and risk of childhood cancer: a census-based cohort study.
研究者:Hauri DD, Spycher B, Huss A, Zimmermann F, Grotzer M, von der Weid N, Spoerri A, Kuehni CE, Röösli M; Swiss National Cohort; Swiss Paediatric Oncology Group.Collaborators (22)

Abstract
 概要

We investigated the association between exposure to radio-frequency electromagnetic fields (RF-EMFs) from broadcast transmitters and childhood cancer.
我々は小児癌と放送塔からの高周波電磁波曝露の関係を調査した。

First, we conducted a time-to-event analysis including children under age 16 years living in Switzerland on December 5, 2000.
最初に、2000125日に、スイスに住む16歳以下の子供を対象とした時間・イベント解析を導入した。

Follow-up lasted until December 31, 2008.
2008
1231日で、追跡調査を完了した。

Second, all children living in Switzerland for some time between 1985 and 2008 were included in an incidence density cohort.
1985
年から2008年の間のいずれかの時に、スイスに住んでいた子供が罹患率コホート研究の対象となった。

RF-EMF exposure from broadcast transmitters was modeled.
放送塔からの高周波電磁波曝露はモデル化した。

Based on 997 cancer cases, adjusted hazard ratios in the time-to-event analysis for the highest exposure category (>0.2 V/m) as compared with the reference category (<0.05 V/m) were 1.03 (95% confidence interval (CI): 0.74, 1.43) for all cancers, 0.55 (95% CI: 0.26, 1.19) for childhood leukemia, and 1.68 (95% CI: 0.98, 2.91) for childhood central nervous system (CNS) tumors.

997
例の癌を対象に、0.05V/m以下の低曝露群と比較した0.2V/mの高曝露群の時間・イベント解析における調整障害率は、全癌で1.0395%信頼区間0.741.43)、小児白血病では0.55(同0.291.19)、中枢神経腫では1.68(同0.982.91)であった。

Results of the incidence density analysis, based on 4,246 cancer cases, were similar for all types of cancer and leukemia but did not indicate a CNS tumor risk (incidence rate ratio = 1.03, 95% CI: 0.73, 1.46).
4246
の癌例を対象にした発生密度解析の結果は、全癌と小児白血病では同様で、中枢神経腫では異なり、発生率比は1.0395%信頼区間0.731.46)であった。

This large census-based cohort study did not suggest an association between predicted RF-EMF exposure from broadcasting and childhood leukemia.
この大規模な国勢調査ベースのコホート研究は、小児白血病と予想された放送塔からの高周波電磁波曝露の関連性は示唆されなかった。

Results for CNS tumors were less consistent, but the most comprehensive analysis did not suggest an association.
中枢神経腫に関しては一定ではないが、包括的な解析は関連性を示唆しなかった。

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60.オーストラリアのスマートメータと住民の愁訴2014年の研究

記:20141211 

掲載誌:Altern Ther Health Med. 2014 Nov; 20 (6):28-39.
タイトル:Self-reporting of symptom development from exposure to radiofrequency fields of wireless smart meters in Victoria, Australia: a case series.
オーストラリアのヴィクトリア州における無線スマートメータからの電磁波曝露によっておこる自己申請の症状:症例研究
研究者:Lamech F.

Abstract
概要

Context:
環境

In 2006, the government in the state of Victoria, Australia, mandated the rollout of smart meters in Victoria, which effectively removed a whole population's ability to avoid exposure to human-made high-frequency nonionizing radiation.
2006
年に、ヴィクトリア州政府はヴィクトリア州におけるスマートメータの提供開始を命じた。
これは、人工の高周波非電離放射線への曝露を避けるための全公衆の努力を効果的に除去するものであった。

This issue appears to constitute an unprecedented public health challenge for Victoria.
By August 2013, 142 people had reported adverse health effects from wireless smart meters by submitting information on an Australian public Web site using its health and legal registers.
この指令はヴィクトリアにかつてない公衆衛生に関する挑戦をもたらすように見える。
2013
年までに、健康と法の登録制度を使って、オーストラリア公衆サイトに事例を報告する形で、スマートメータによる健康への悪影響を142名が報告している。

Objective:
目的:
The study evaluated the information in the registers to determine the types of symptoms that Victorian residents were developing from exposure to wireless smart meters.
本研究では、ヴィクトリア州民がスマートメータの電磁波曝露によって起こされている症状を決定する為に、登録された情報を評価する。

Design:
設計:
In this case series, the registers' managers eliminated those cases that did not clearly identify the people providing information by name, surname, postal address, and/or e-mail to make sure that they were genuine registrants. Then they obtained consent from participants to have their deidentified data used to compile the data for the case series. The author later removed any individual from outside of Victoria.
この症例研究では、登録管理者が氏名・郵便宛先住所・電子メールなどの情報がはっきりと確認できない症例を取り除いている。
そうしてから、症例研究の為のデータを編集する為に用いる身元をわからなくしたデータとして用いることに関して、協力者から了解をえた。
その後に、研究者はヴィクトリア州外からのデータを除去した。

Participants:
協力者:
The study included 92 residents of Victoria, Australia.
この研究はヴィクトリア州に住む92名の住民を対象とした。

Outcome Measures
:出力:

The author used her medical experience and judgment to group symptoms into clinically relevant clusters (eg, pain in the head was grouped with headache, tinnitus was grouped with ringing in the ears).
The author stayed quite close to the wording used in the original entries.
She then calculated total numbers and percentages for each symptom cluster. Percentages were rounded to the nearest whole number.
研究者は研究者の医学的な経験を生かして、症例群を臨床的に関連するクラスターに分別した。
例えば、頭部での痛みは頭痛に、耳の中に音が鳴り響くは耳鳴りはという例である。
研究者は元の表現にできるだけ忠実になるようにした。
そのうえで、其々の症例クラスターにおける累計数とパーセントを計数した。パーセントは数字を丸めた。

Results:
結果:
The most frequently reported symptoms from exposure to smart meters were (1) insomnia, (2) headaches, (3) tinnitus, (4) fatigue, (5) cognitive disturbances, (6) dysesthesias (abnormal sensation), and (7) dizziness.
The effects of these symptoms on people's lives were significant.
スマートメータからの電磁波曝露で最も頻度の高い報告された症状は1)不眠症 2)頭痛 3)耳鳴り、4)疲れ、5)集中力の乱れ 6)知覚異常(異常な感覚)、7)めまい であった。
人々のこれらの症状の効果は有意であった。

Conclusions:
結論
Review of some key studies, both recent and old (1971), reveals that the participants' symptoms were the same as those reported by people exposed to radiofrequency fields emitted by devices other than smart meters.
Interestingly, the vast majority of Victorian cases did not state that they had been sufferers of electromagnetic hypersensitivity syndrome (EHS) prior to exposure to the wireless meters, which points to the possibility that smart meters may have unique characteristics that lower people's threshold for symptom development.
:最近及び古い(1971年)などの主な研究をレビューすると、スマートメータ以外の他の無線周波数電磁界に曝露した人々の訴える賞状と同じであることがわかる。
興味深いことは、ヴィクトリアでの症例の大半は、スマートメータに曝露する前は電磁波過敏症に苦しんでいることを述べていないことで、これは、スマートメータは症状を発生させる人々の電磁波曝露の閾値が低いという特異な性質を持っているのかもしれないということを意味している。

関心のある方は、原著全文を入手して、読んでください。

 

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61.2009年スウェーデンの携帯電話と脳タンパク質の研究

;2015-1-11

Wiredvisionに以下の記事があった。
http://wiredvision.jp/news/200911/2009111622.html
 にあった内容 

********************
「携帯電話多用で血流中のタンパク質が変質」:スウェーデンの研究
2009
1116

携帯電話が出す電磁波に健康上の危険性があるのかという問題についてはまだ議論が続いているが、スウェーデンの研究チームによると、携帯電話の利用が脳に生物学的な影響を及ぼす可能性があることが判明したという。

Live Science』の記事などによると、スウェーデンのエーレブルー(Örebro)大学の研究チームは、携帯電話の利用によって、血流中のトランスチレチンというタンパク質の量が増加することを発見した。トランスチレチンは(脳を保護している)脳脊髄液にも含まれている成分だ。
(トランスチレチンはレチノール等の輸送に関与する血漿タンパク)。

ただし、この変化が脳にとって良いものか悪いものかについては、研究チームは言及していないという。
(略)

****************   **************

*この研究は以下の研究である。

掲載誌:Toxicol Lett. 2009 Aug 25;189 (1):63-6. Epub 2009 May 7.
タイトル:Exposure to an 890-MHz mobile phone-like signal and serum levels of S100B and transthyretin in volunteers.
研究者:Söderqvist F, Carlberg M, Hansson Mild K, Hardell L.
Department of Oncology, University Hospital, School of Health and Medical Sciences, Orebro University, Orebro SE-701 87, Sweden

概要
Whether low-intensity non-thermal microwave radiation alters the integrity of the blood-brain barrier has been debated since the late 1970s, yet no experimental study has been carried out on humans.
低電力密度の非熱効果レベルのマイクロ波曝露が脳関門機能を劣化させるか否かに関して1970年代以降、論争が続いている、しかも、この案件はヒトに対する実験が行われてきていない。

The aim of this study was to test, using peripheral markers, whether exposure to a mobile phone-like signal alters the integrity of the human blood-brain and blood-cerebrospinal fluid barriers.
本研究の目的は、末梢マーカーを使って、携帯電話からの電磁波を模擬した曝露が人の脳関門の正常な機能を変化させるかを試すことである。

A provocation study was carried out that exposed 41 volunteers to a 30 min GSM 890 MHz signal with an average specific energy absorption rate distribution of 1.0 W/kg in the temporal area of the head as measured over any 1g of contiguous tissue.
1gあたりで測定した側頭部でのSAR1.0W/kgになるようなGSM携帯890MHzの電磁波を30分、41人のボランティアに対して、曝露した。

The outcome was assessed by changes in serum concentrations of two putative markers of brain barrier integrity, S100B and transthyretin.
脳関門機能の状態を推定するマーカー、S100Bとトランスチレシンの血中濃度の変化で、判定を行った。

Repeated blood sampling before and after the provocation showed no statistically significant increase in the serum levels of S100B, while for transthyretin a statistically significant increase was seen in the final blood sample 60 min after the end of the provocation as compared to the prior sample taken immediately after provocation (p=0.02).
試験前と後で採血した血液は、血中のS100Bは有意な増加はなかった。
トランスチレシンは試験直後に採血した血液に対して、実験後60分後に採血した血液で、統計的に有意な増加がみられた。

The clinical significance of this finding, if any, is unknown. Further randomized studies with use of additional more brain specific markers are needed.
この検知の臨床的な重要性は、あるとしても、まだわからない。さらに脳に関連した様々なマーカーに関して追加の、無作為な実験が必要である。

 

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62.1975Kramerのウサギの目にマイクロ波の研究

作成: 2003-8-17 

掲載誌;Annals of the New York Academy of Sciences, Vol. 247, Issue 1 p155-165, 1975

論文名:The ocular effects of microwaves on hypothermic rabbits: a study of microwave cataract genic mechanisms
体温を下げた状態にしたウサギへのマイクロ波の眼への影響:マイクロ波の白内障発生へのメカニズムの研究

研究者:P. O. Kramar, A. F. Emery, A. W. Guy and J. C. Lin

Rabbits, irradiated by known cataract genic levels of 2.45 GHz radiation at 5 cm, did not develop cataracts if kept under general hypothermia
(心臓手術などで行う冷却法、低体温).
2.45GHzのマイクロ波で白内障を起こすとされる機知のレベルをウサギに5cmの距離で照射しても、もしウサギが低体温状態に維持されていれば、白内障は発生しない。

Radiation-induced temperature elevation appears to be essential for the cataract genic effect of microwaves.
マイクロ波による白内障発生には、マイクロ波によって誘導される温度上昇が大きな鍵を握っている。

注:この論文はマイクロ波による白内障発生は熱効果であるといっている。

 

 

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63.Lerchl 2015年研究 携帯電話のSAR値の安全評価に新見解

記:2015−5−13

*始まり
以下の情報がMedia Kokyshohttp://www.kokusyo.jp/)にあった。
一部を引用

*****************
2015
0317(火曜日)
携帯電話のSAR値の安全評価に新見解、被曝量が少なくてもガン化を促進、ドイツの大学が動物実験の結果を公表
(略)

政府や企業から独立して電磁波に関する情報を提供しているニューヨークの『マイクロ波ニュース』(Microwave News )は、3月13日、SAR値の安全基準に疑問を呈する動物研究の結果を報じた。
タイトルは、『高周波のガン化促進:動物実験が波乱を起こす――ドイツのアレックス・レーヒルがUターンした』である。

実験の主導者は、低レベルの高周波曝露効果は偽科学であると長年にわたり主張してきた、ドイツJacobs大学のレーヒル教授。同氏は、この説を自ら覆したのである。
ネズミの子宮に発癌物質として知られるENUを投与した上、第3世代携帯電話の電磁波を放射し、SAR値と発癌の関係を調べ、リンパ腫はもちろんのこと、肝臓と肺の腫瘍も有意に増えることを見出した。
(略)

実験で用いたSAR値は0.04 W/kg0.4 W/kg、それに2 W/kgであった。
あるケースでは、被爆量が少ないほどガン化が促進された。
例えば、日本の人体規制値である2 W/kg曝露より低い、SAR値(1/50, 1/5)曝露で、リンパ腫の発生率が増加することを見出している。
(略)
***************************

*原著論文は以下である。

掲載誌:Biochemical and Biophysical Research Communications  Available online 6 March 2015
タイトル:Tumor promotion by exposure to radiofrequency electromagnetic fields below exposure limits for humans
研究者:Prof. Dr. Alexander Lerchla ら

この論文は有料で全文を購入することが可能。

この研究のSAR曝露条件は全身均等曝露である。
局所曝露と全身均等曝露では5倍の差異があり、ICNIRPの一般公衆への全身均等曝露限度値は0.08W/kgである。
この実験条件のSAR値は其々、0.04 W/kg(限度値の50%)、0.4 W/kg(限度値の5)、それに2 W/kg(限度値の25倍)という曝露条件となる。

リンパ腫の増加の割合を示す結果 <BEMSJ注:量―反応関係がない。>

 

Hepatocellular Carcinoma(肝細胞癌)のリスク増大 <BEMSJ注:量―反応関係がない>

 

*電磁界情報センターによる評価

**************************
学術専門家 RRGの評価書の結論
この研究は、しっかりと実施されており、その結果は全般的にTillmannのパイロット研究に一致しているものの、量反応関係が全く見られないことについて、筆者らは詳しく議論していないが、これは研究結果を非常に説得力のないものにする。

また、RF曝露が局所的熱作用を引き起こし、それが母マウス及び/又は仔マウスの代謝又は血流に変化を起こし、その結果としてエチルニトロソ尿素(ENU)の体内動静に変化がもたらされた可能性を示唆しているが、この説明が正しいならば、最も高いSARを用いた場合に大きな影響が得られていたはずであるが、そのようなことは見られなかった。

現時点では、今回の研究結果についてはメカニズムに立脚した説明を提供することは不可能である。
また、なぜ0.4W/kgの曝露レベルで腫瘍プロモーションに対する一貫した影響があり、それより高い曝露レベルでは影響が見られないのかについて、説得力のある説明を行っていない。

全体的に言えば、Lerchl研究の結果は、RF曝露に何らかの腫瘍プロモーション作用があるか否かを明らかにするために、同様ではあるがより先進的な動物モデルを用いてこれから実施されるべき動物研究のために、一つの作業仮説を提供したに過ぎない。
今回の研究結果が脳腫瘍に対する影響を何も見出さなかったことを考えれば、携帯電話の激しい使用による脳腫瘍の増加を報告している少数の疫学研究に対する裏付けは何も提供していない。
************************

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64.サルフォードの「携帯電話によるアルツハイマー引き起こし」論

記:2021−3−22

1)BBCニュース2003年にあった「携帯電話の電磁波はアルツハイマーを起こす」
以下はBBCニュースからの一部引用

********************
5 February, 2003,
Mobile phones may trigger Alzheimer's
携帯電話はアルツハイマーを引き起こすかもしれない

Mobile phones damage key brain cells and could trigger the early onset of Alzheimer's disease, a study suggests.
携帯電話は重要な脳の細胞に損傷を与え、アルツハイマー病の早期発症を引き起こす可能性がある、と研究は示唆している。

Researchers in Sweden have found that radiation from mobile phone handsets damages areas of the brain associated with learning memory and movement.
スウェーデンの研究者は、携帯電話の端末器からの電磁波が学習記憶と活動に関連する脳の領域に損傷を与えることを見出した。

(
)
This latest study was carried out by Professor Leif Salford and colleagues at Lund University in Malmo.
この最新の研究は、マルメのルンド大学のレイフ・サルフォード教授らによって行われた。

(
)

Professor Salford said that there was also a chance exposure to mobile phone radiation could trigger Alzheimer's disease in some people.
サルフォード教授は、「携帯電話の電磁波曝露が一部の人々にアルツハイマー病を引き起こす可能性もある」と話しました。

(
)
**************************


2)この研究は、以下の研究のことである。

EMF Portal
のサイトにあった情報から

*********************
掲載誌: Environ Health Perspect 2003; 111 (7): 881-3
タイトル:Nerve cell damage in mammalian brain after exposure to microwaves from GSM mobile phones.
GSM
携帯電話からのマイクロ波曝露による哺乳類の脳内神経細胞の損傷
研究者: Salford LG, Brun AE, Eberhardt JL et al;

この研究は、研究者の先行研究での知見(弱いパルスマイクロ波が血液脳関門からのアルブミンの顕著な漏出を引き起こした)を踏まえて、血液脳関門を透過する病理学的漏出がニューロンの損傷と結びついたものであるか否かを調べた。

それぞれ8匹のラットからなる3つのグループに、異なる強度のグローバルシステム(GSM)携帯電話電磁界を2時間曝露した。
その結果、曝露を受けたラットの脳の皮質、海馬、および大脳基底核における神経損傷について、非常に有意な影響(p <0.002)を見出した、と報告している。
*************************

Full text
を読むと
・曝露条件は、周波数915MHzTEMセルを使い、ラットは全身曝露、曝露強度はSAR2mW/kg20mW/kg200mW/kg3条件。曝露時間は連続して2時間。
・曝露後50日間、ラットを飼育し、その後に屠殺して脳内を観察した。

結果の一部

 

この研究では、かなり微弱な電磁波曝露でも、ラットの脳内の細胞に影響を与えた、ことを見出している。
この研究論文では「アルツハイマーの発病・・・」には言及していない。
研究者は、BBCの記者に「この研究から、携帯電話の電磁波はアルツハイマーを引き起こす可能性がある」と話をしたのであろう。

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64A.携帯電話の電磁波がアルツハイマー病を予防2010年の研究:ネズミで実験

記:2015-11-8

*以下のニュースがありました。
*******************************
ヘルスデージャパンのサイト
http://www.healthdayjapan.com/index.php?option=com_content&view=article&id=2263:2010114&catid=20&Itemid=98

携帯電話の電磁波がアルツハイマー病を予防?(2010.1.14掲載)
携帯電話から発生する電磁波がアルツハイマー病を予防し、さらには回復させる可能性のあることがマウスの研究で示され、医学誌「Journal of Alzheimer's Disease(アルツハイマー病)」オンライン版で16日報告された。
研究者である米サウスフロリダ大学(タンパ)フロリダアルツハイマー病研究センターのGary Arendash氏は、予想とは正反対の結果に驚いているという。

この研究は予備的なものとはいえ、米国だけでも現在530万人が罹患するアルツハイマー病の予防および治療の可能性に期待を抱かせるものである。
しかし、携帯電話を使えば認知症の予防になると安易に考えてはならないと専門家らは指摘する。
携帯電話の電磁波に害はないとされているが、脳に対する長期的な影響に関するデータは不足しており、最新の研究でも携帯電話の使用と脳腫瘍の間にわずかながら関連が認められている。

今回の研究では、アルツハイマー病を発症するよう遺伝子操作したマウスを、高周波電磁波に12回、各1時間、79カ月間曝露させた。
その結果、健康な若いマウスにはアルツハイマー病の発症が全くみられなかったほか、すでに発症した老齢マウスには記憶や認知障害の改善がみられた。

また、正常なマウスでは電磁波曝露後に記憶容量の向上が認められた。
剖検からは、アルツハイマー病の原因とされるアミロイドβ蛋白が電磁波により減少することが判明した。
脳内の温度が電磁波を受けている間に上昇するが、それが原因ではないかと著者らは考えている。
(略)
*********************

以下は当該の論文の概要
****************
掲載誌:Journal: Journal of Alzheimer's Disease, vol. 19, no. 1, pp. 191-210, 2010
タイトル:Electromagnetic Field Treatment Protects Against and Reverses Cognitive Impairment in Alzheimer's Disease Mice
電磁波照射はアルツハイマー病のネズミにおける認知機能障害を好転させ、また防護する
研究者:Arendash, Gary W.

Abstract:
概要

Despite numerous studies, there is no definitive evidence that high-frequency electromagnetic field (EMF) exposure is a risk to human health.
様々な研究にも拘わらず、高周波の電磁波がヒトの健康へのリスクであるかの確定的な証拠はない。

To the contrary, this report presents the first evidence that long-term EMF exposure directly associated with cell phone use (918 MHz; 0.25w/kg) provides cognitive benefits.
これに正反対に、本研究報告は携帯電話使用時の電磁波(918MHz 0.25W/kg: BEMSJ注 この数値はネズミに対する全身均等曝露値である。ICNIRPの一般公衆に対する曝露限度値は0.08W/kgであり、この曝露基準値の約3倍の曝露条件となっている。)の長期曝露は認知機能を改善するという証拠を初めて示している。

Both cognitive-protective and cognitive-enhancing effects of EMF exposure were discovered for both normal mice and transgenic mice destined to develop Alzheimer's-like cognitive impairment.
電磁波曝露による認知機能の防護と認知能力の亢進の両方の効果を、普通のネズミとアルツハイマー病の様な認知障害を発生しやすくなるように遺伝子操作を行ったネズミの両方での実験で、見出した。

The cognitive interference task utilized in this study was designed from, and measure-for-measure analogous to, a human cognitive interference task.
本研究で用いた認知能力評価法は、定量的にヒトの認知障害の評価の為に用いられているものである。

In Alzheimer's disease mice, long-term EMF exposure reduced brain amyloid-
β (Aβ) deposition廃位 through Aβ anti-aggregation集合 actions and increased brain temperature during exposure periods.
アルツハイマー病のネズミへの長期電磁波曝露で、Aβ抗集合機能と電磁波曝露時の脳内温度上昇でアミロイドβ蛋白の(Aβ)の減少を減らしている。

Several inter-related mechanisms of EMF action are proposed, including increased A
β clearance from the brains of Alzheimer's disease mice, increased neuronal activity, and increased cerebral blood flow.
この電磁波の効果に関するいくつかの機序が提案されている、アルツハイマー病のネズミの脳からAβ排除機能の亢進、神経線維活性の亢進、大脳の血流の増加等である。

Although caution should be taken in extrapolating these mouse studies to humans, we conclude that EMF exposure may represent a non-invasive, non-pharmacologic therapeutic against Alzheimer's disease and an effective memory-enhancing approach in general.
このネズミの研究からヒトへの外挿に注意を払わなければならないが、我々は、電磁波曝露は非浸透的な、アルツハイマー病に対する非薬物治療的な、脳の記憶機能の増進に有効な方法であると結論付けた。

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関心のある方は、この論文の原著を読んでください。

 

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64B.携帯電話の電磁波がアルツハイマー病を予防2019年の研究:患者で実験

2021−3−21

掲載誌: J Alzheimers Dis 2019; 71 (1): 57-82
タイトル:A Clinical Trial of Transcranial Electromagnetic Treatment in Alzheimer's Disease: Cognitive Enhancement and Associated Changes in Cerebrospinal Fluid, Blood, and Brain Imaging.
アルツハイマー病における経頭蓋電磁治療の臨床試験:脳脊髄液、血液、および脳のイメージングにおける認知増強および関連する変化
研究者:Arendash G, Cao C, Abulaban H, Baranowski R, et al:

Abstract
概要
Background:
背景
Small aggregates (oligomers) of the toxic proteins amyloid-
β (Aβ) and phospho-tau (p-tau) are essential contributors to Alzheimer's disease (AD).
毒性タンパク質アミロイドβ(Aβ)およびホスホタウ(p-tau)の小さな凝集体(オリゴマー)は、アルツハイマー病(AD)に不可欠な貢献物である。

In mouse models for AD or human AD brain extracts, Transcranial Electromagnetic Treatment (TEMT) disaggregates both A
β and p-tau oligomers, and induces brain mitochondrial enhancement.
AD
またはヒトAD脳抽出物のマウスモデルでは、経頭蓋電磁治療(TEMT)Aβとp-tauオリゴマーの両方を分解し、脳ミトコンドリア増強を誘導する。

These apparent "disease-modifying" actions of TEMT both prevent and reverse memory impairment in AD transgenic mice.
これらの明らかな「疾患修飾」作用は、ADトランスジェニックマウスにおける記憶障害の予防および逆の両方を行う。

Objective:
目的:
To evaluate the safety and initial clinical efficacy of TEMT against AD, a comprehensive open-label clinical trial was performed.
AD
に対するTEMTの安全性と初期臨床有効性を評価するために、包括的なオープンラベル臨床試験が実施された。

Methods:
方法
Eight mild/moderate AD patients were treated with TEMT in-home by their caregivers for 2 months utilizing a unique head device.
8
人の軽度/中等度のAD患者は、特別製のヘッドデバイスを利用して2ヶ月間、介護者によってTEMTで、自宅で治療を受けた。

TEMT was given for two 1-hour periods each day, with subjects primarily evaluated at baseline, end-of-treatment, and 2 weeks following treatment completion.
TEMT
で毎日1時間の治療を2回行い、主にベースライン、治療終了直後、および治療完了後2週間で被験者の状況を評価した。

Results:
結果
No deleterious behavioral effects, discomfort, or physiologic changes resulted from 2 months of TEMT, as well as no evidence of tumor or microhemorrhage induction.
TEMT
2か月の治療では、有害な行動変化、不快感、または生理学的変化は生じなかったほか、腫瘍や微小出血誘導の証拠もなかった。

TEMT induced clinically important and statistically significant improvements in ADAS-cog, as well as in the Rey AVLT.
TEMT
は、レイAVLTにも加えて、ADAS-cogの臨床的に重要かつ統計的に有意な改善を誘発した。

TEMT also produced increases in cerebrospinal fluid (CSF) levels of soluble A
β1-40 and Aβ1-42, cognition-related changes in CSF oligomeric Aβ, a decreased CSF p-tau/Aβ1-42 ratio, and reduced levels of oligomeric Aβ in plasma.
TEMT
はまた、可溶性Aβ1-40およびAβ1-42の脳脊髄液(CSF)レベルの増加、CSFオリゴマーAβの認知関連の変化、CSF p-タウ/Aβ1-42比の低下、および血漿中のオリゴマーAβの減少レベルをもたらした。

Pre- versus post-treatment FDG-PET brain scans revealed stable cerebral glucose utilization, with several subjects exhibiting enhanced glucose utilization.
治療前と後処理後のFDG-PET脳スキャンは、安定した脳グルコース使用を示し、いくつかの被験者ではグルコース利用の増強をもたらした。

Evaluation of diffusion tensor imaging (fractional anisotropy) scans in individual subjects provided support for TEMT-induced increases in functional connectivity within the cognitively-important cingulate cortex/cingulum.
個々の被験者における拡散テンソルイメージング(分画異方性)スキャンで評価は、TEMTによる認知的に重要な帯状皮質/cingulum内の機能的接続性の増加を示している。

Conclusion:
結論
TEMT administration to AD subjects appears to be safe, while providing cognitive enhancement, changes to CSF/blood AD markers, and evidence of stable/enhanced brain connectivity.
AD
の被験者に対するTEMT治療は安全であるように見え、認知機能の強化、CSF/血液ADマーカーの変化、および脳接続性の安定した/強化された証拠を提供している。

Full Text
を見ると

実験条件 

頭部への曝露は、周波数915MHz217Hzのパルス、SAR:1.6W/kg 

BEMSJのまとめ:
・携帯電話の電波の人体曝露とほぼ同じ条件で、頭部に曝露させたらアルツハイマー病の治療に効果があったという研究である。


 

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65.2007Preeceによるキプロスの軍用アンテナと健康

記: 2016−1−31

掲載誌:Occupational and Environmental Medicine 2007;64:402-408
タイトル:Health response of two communities to military antennae in Cyprus キプロスにおける軍事アンテナによる近隣村落での健康影響
研究者:A W Preece, A G Georgiou, E J Dunn, S C Farrow

本研究は、キプロスにおける軍用無線通信アンテナ(周波数7-30MHz)による過去と将来の健康影響に関するものである。

方法:
2つの曝露村落と1つの不曝露村落を対象とし、経度と短時間の無線周波数強度の測定を行った。
健康状況に関するデータは、人口統計学的な数値、特定の疾患、一般的な健康状態などの情報(過去の妊娠状況、子供の疾病、リスク認知、死亡率)を含む質問票を利用して、収集した。データは解析を行った。

結果:
電界強度は、曝露村落では17.6MHz軍用通信周波数では最大0.30V/mその他に未確定電波源として(主に携帯電話周波数帯域)は最大1.4V/mであった。
不曝露村落における電界強度は0.01V/m以下であった。
対照群に比べて、曝露群では片頭痛(OR2.7)、頭痛(OR3.7)、目眩(OR2.7)と有意に高い報告が挙げられている。
曝露群の住民からの質問表では8項目にわたって、健康がすぐれないということが判った。

曝露群の住民はより高いリスクを感じている、特に騒音と電磁波曝露に関して。
不曝露(対照群)を含む3村落の住民は、英国の一般公衆より高いリスクを感じている。

婦人科・産科の履歴における差異や出産異常に関しては、何もなかった。
癌発生に関しては差異を示すには小さすぎる症例数えあった。

結論:
1-3km
の距離という近い場所に大電力無線送信所があったとしても、主要な電磁波発生源は携帯電話の電波や国内のラジオ放送電波であった。
発がん・出産異常・産科の問題では、過剰は見られなかった。
リスク認知の高揚があり、無線周波電磁波に比例して現れる過剰な片頭痛・頭痛・めまいが考えられる。
研究者はこの関連を報告するが、これは無線周波数による効果であるとは思えず、航空機の騒音かアンテナが見えることによるものであると提案する。

 

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66.熱効果を実証したという2002年の論文:曝露条件をみるとパルス性印加

記;2016−2−1

以下の非熱効果を見出したとする研究がある。

掲載誌:Differentiation. 2002 May;70(2-3):120-9.
タイトル:Non-thermal activation of the hsp27/p38MAPK stress pathway by mobile phone radiation in human endothelial cells: molecular mechanism for cancer- and blood-brain barrier-related effects.
研究者:Leszczynski D, Joenväärä S, Reivinen J, Kuokka R.

この研究の概要
・ヒトの内皮細胞株に非熱的な曝露として、900MHzGSM携帯電話のマイクロ波がストレス反応を活性化するか否かを研究した。
・結果として、内皮細胞株への1時間の非熱的な曝露が、多数の、ほとんどは未確定な蛋白質のリン酸化状態を変化させることが判った。
・影響を受ける蛋白質の1つは熱ショック蛋白‐27であることが判った。
・また、携帯電話の電磁波曝露は熱ショック蛋白hsp-27p38MARKの発現レベルを過渡的に変化させた。

・全ての変化は非熱効果である、なぜならば温度情測定で、照射は培養液の温度を変えなかった。実験中は37/0.3℃に維持されていた。
・この変化は脳腫瘍の促進や脳関門の破綻などに結びつくという仮説を提示することになる。

*曝露条件の確認

曝露条件は平均SAR2W/kg  但しパルス印加である。ピーク値は不詳。

EMF Portalにあった情報によれば、この研究の曝露条件はパルス幅0.577ms 繰り返し周波数217Hz とある。
繰り返し周期は4.61msとなる。Duty0.125である、 
これから単純に平均に対して、ピーク値は8倍と言える。

平均SAR2W/kgであるが、ピークは8倍の16W/kgとなる。

細胞の培養液の温度は上昇しなかったのであろうが、細胞には瞬間的に大きなパルス性の電力が印加されており、非熱効果と言いながら、この研究はパルス性電力の影響を示すものと言える。

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66ASienkiewiczらの900MHz 低レベル曝露では影響なし2000年研究

記:2020−11−1

以下の研究がある。
以下はEMF Portalのサイトにあった情報

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掲載誌: Bioelectromagnetics 2000; 21 (3): 151-158
タイトル:Low-level exposure to pulsed 900 MHz microwave radiation does not cause deficits in the performance of a spatial learning task in mice.
パルス状900MHzマイクロ波の低レベル照射はマウスの空間学習行動をさまたげな
研究者: Sienkiewicz ZJ, Blackwell RP, Haylock RG, Saunders RD, Cobb BL

この研究は、217Hzでパルス化された低レベルの900MHz無線周波(RF)電磁界への反復的な急性曝露が、食餌動機づけの空間学習タスクおよびワーキングメモリタスクに及ぼす影響を調べた。
実験には、成獣オスのC57BL/6Jマウスを用いた。

GTEMセル内での遠方界条件で、全身平均SAR 0.05W/kgの曝露を、10日間、毎日45分間与えた。
8
本の放射状迷路タスクの遂行成績を、擬似曝露対照群と比較した。
全ての行動の評価者は、マウスの曝露の有無に関してブラインド化された。

マウスは、曝露(または擬似曝露)の直後または15分後または30分後に迷路タスクの試験を受けさせられた。
その結果、選択の正確さ、またはタスクの完遂に要した総時間において、電磁界がタスク遂行成績に与えた有意な影響は見られなかった、と報告している。

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BEMSJ注:この実験は、全身曝露の条件で、全身曝露時の一般公衆の曝露基準値0.08W/kgに近い曝露量で行われている。

 

 

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66BBMC 2004 Sommerらの研究、900MH電磁波は影響なし

記:2023−2−4
以下の研究が「ある。

掲載誌: BMC Cancer 2004; 4: 77
タイトル:No effects of GSM-modulated 900 MHz electromagnetic fields on survival rate and spontaneous development of lymphoma in female AKR/J mice
AKR/J
メスマウスのリンパ腫の生存率と自然発達に対するGSM変調900 MHz電磁界の影響はない
研究者: Sommer AM, Streckert J, Bitz AK, Hansen VW, Lerchl A

携帯電話や基地局などからの電磁界はがんをプロモートすることをいくつかの報告書は伝えている。
そこで、900Hz電磁界曝露がAKR/Jマウスのリンパ腫発展に影響を与えるか調べた。

方法:320匹のメスマウスを擬似曝露と曝露(それぞれ160匹)として、平均の全身SAR0.4W/kgで、毎日24時間で1週当たり7日間900Hz電磁界に曝露させた。
動物は日々、視覚的にチェックし、1周毎に体重をはかった。

6
カ月令で始め、1ヶ月毎に血液サンプルを採取した。
疾病の兆候が見られた動物、または約46週間令で解剖した。
電磁界曝露は体重増加に大きな影響があった。曝露群で大きかったが、生存率とリンパ腫の発生率は両群で違いはなかった。

このようなことから、900MHz電磁界がリンパ腫の重要なリスク要因だとする仮説は支持できない。


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66CBEMS2011 Leeらの研究 携帯電話からの電磁波は影響なし

記:2023−3−4

以下の研究がある。

掲載誌: Bioelectromagnetics 2011; 32 (6): 485-492
タイトル:Lymphoma development of simultaneously combined exposure to two radiofrequency signals in AKR/J mice
2
種類のRF信号の組み合わせへの同時曝露によるAKR/Jマウスでのリンパ腫発症
研究者: Lee HJ, Jin YB, Lee JS, Choi SY, Kim TH, Pack JK, Choi HD, Kim N, Lee YS

【目的】リンパ腫のモデル動物であるAKR/Jマウスを対象に、RF電磁界信号の組み合わせ曝露による発がん性の影響を調べること。

【方法】2種類のRF信号(CDMAWCDMA)を組み合わせて、6週齢AKR/Jマウスに同時曝露した。
組み合わせ曝露は45分間/日、5/週とし、全体で42週間行った。
CDMAWCDMAの電磁界による全身平均比吸収率(SAR)はそれぞれ2.0 W/kgとし、合計4.0 W/kg とした。

【結果】最終的な生存個体数、リンパ腫発生率、脾腫発生率について、RF曝露群と擬似曝露群の間に差は見られなかった。
リンパ腫を発症したマウスにおける脳への浸潤性の転移発生率は両群で有意に異なっていたが、オスとメスで観察された相関関係は一致しなかった(一方は減少、他方は増加を示した)。
肝臓、肺、脾臓への浸潤発生率には曝露、擬似曝露間で差がなかった。

【結論】CDMA WCDMAの電磁界への同時曝露はAKR/Jマウスにおけるリンパ腫発症に影響しなかった。

 

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67.電子レンジのマイクロ波は危険と考えた外村のマイクロ波とショウジョバエの研究

記:2019-11-24

この外村の一連の研究は、電子レンジの中にショウジョバエを入れて、XX秒加熱するという実験であり、明らかな熱的な影響である。
研究者は、最後の報告で、熱的な影響であると、記述している。


$1:外村の1990年の研究概要

掲載誌:Science reports of Tokyo Woman's Christian University, Vol.40, No.3(19900315) pp. 1031-1049

東京女子大学 の紀要
タイトル:電磁環境特にマイクロ波や磁場のショウジョバエの生体に及ぼす影響  
研究者:外村康子ら

「マイクロ波は健康に極めて有害」という見出しで、198811月の“New Scientist”に次の様な記事が掲載された。キッチン用の電子レンジで化学実験を行う場合には十分な注意が必要である。

(略)

我々も1985年以来、電磁環境主として家庭用電子レンジ(マイクロ波周波数2.45GHz、出力550W)を用いてキイロショウジョバエ(Dorosophila melanogaster)やクロショウジョバエ(Drosophila virilis)に対する影響の研究を進めてきたが、この両種の翅の表現型の上に突然変異の発現を観察し、すでに報告済である(外村・島 1986、大野・島・外村 1988)。

マイクロ波は突然変異を誘起させる変異原性そのものであろうかということに疑問を持ち、1987年度から現在まで藤川ら(1984)が発表してきた隊細胞突然変異(ハエの翅毛スポットテストター)による変異原性の検出の研究を施行してきた。

(略)

実験の経過・成果および考察
実験はD. Melanogasterの多翅毛(mwh)および炎毛(flw)という劣性の標識遺伝子同志を交配させ、そのトラスヘッドF13令後期幼虫、蛹化1日以内、蛹化3日目の3段階の材料を用いて体細胞突然変異原生テストの検出を行った。その結果をTable1にまとめたところ、次のようなことが判明した。

1)3令後期幼虫を用いての実験では照射区の10秒区、30秒区、60秒区では翅毛スポットの出現頻度は少なく、対照区との比較から有意差も見られず変異原性はnegativeと見なされた。

2)蛹化1日以内の場合の実験においては照射時間の短い5秒区のものに翅毛スポットが高い頻度で出現し、その割合から変異原性はPositiveと見なされた。
しかしながら、10秒区、15秒区などの翅のスポット数も少なく、また羽化率が低い。
即ち、ダメージの大きさを示唆するものと考えられる。

3)蛹化3日目のものに関しては、翅毛スポットの出現は更に少なくなり、このことは先述したように翅の細胞分化がこの時期においてはすでに終えてしまっていることを明らかにしている。

 

(略)
マイクロ波によって今までに起こった突然変異型はマイクロ波それ自体によるものか、或いは他の実験などからも述べられているように単なる熱効果によるものなのかということが取り上げられた。
(略)

我々の熱ショック効果を解析する実験は岸が電気泳動法を用いて行った(Fig.3 )。
ここではDrosophilaの分子量30K(キロダルトン)でポリアクリルアミドゲル電気泳動(ライメイリ氏泳動法 70%Gel)での方法によった。
その結果から正常なハエにおいては分子量30万部位に2本のバンドがラベルされたが、マイクロ波照射より表現型が奇形バエにおいては正常なハエのものより1本バンドが少なくなり、また照射はしたが、表現型が正常なものでは1本のバンドが薄くなるということがFig.3から明らかとなった(Fig.3矢印)。

由良(1986)が大腸菌の実験から高温で一時的に合成された蛋白質があること、そしてそれを1次元の泳動で調べた結果、一時的に3種類のたんぱく質の成が促進されると述べている結果と相反するものであることを示した。
この事実から、マイクロ波照射による奇形の発現は熱誘因のみとばかりとは考え難い。

マイクロ波は周波数2.45GHz、出力500W(強)、出力200W(弱)の電子レンジを用い、そのレンジの中央部に発砲スチロールを据え、その上に3令期幼虫を乗せて、照射時間は翅毛スポットテストの実験と同様、30秒区、60秒区に分けて、出力500W200Wの両者を用いて実験を進めた。

照射区の熱エネルギーに関しては実験に入る前に、先ず、レンジの中央部に水100mlの入った紙コップをおき、出力500W(強)で30秒、60秒、または出力200W(弱)で30秒、60秒の通電実験を試みた(Fig.7)。鈴木の解析によればジュール(熱エネルギー量)=ワット×照射秒数の関係にあるので、同じ通電時間でも熱エネルギー量は異なる。

表の横軸はその時に100gの水が何度上昇したかを示したものである。

Bemsj注:100mlの水に500Wのマイクロ波を照射、照射エネルギーのすべてを水が吸収するとする。
500W
30秒のマイクロ波照射で水は20℃も温度上昇する。
実験に使ったショウジョバエは非常に小さい。同時に何匹のハエを電子レンジに入れたかは定かではないが、より少ない体積のものを電子レンジに入れたとすれば、体積当たりのマイクロ波吸収エネルギーは膨大になり、温度上昇も過大となる。
ということで、この実験は加熱実験と言える。 完全に熱的効果と言えるかもしれない。


また、上述の結果を使って、次の調査を行うことができる。
1)異なったレンジを使用して生体にマイクロ波を照射した影響は、公称エネルギー量に対する影響の差異として評価される。
2)マイクロ波照射電力(単位はワット)の差異による影響(パルス的な影響)を、レンジをかえて短い同じ時間の照射を行っても比較できる。
3)マイクロ波加熱による水と生体内の温度上昇は厳密には同じではないが、生体にマイクロ波を照射する時間を設定する際に、設定した時間は生体に熱的効果としての温度の上昇を伴うか否かのおおよその目安が得られる。

このことから非熱効果の影響のみを厳密にとるためには200W(弱)で、非常に短い時間(10秒以内程度)でマイクロ波を照射させて標本を作製し、その結果を観察することによって可能になるであろうということが明らかになった。

前述した“プラスα”なるものについて、我々はこれからの研究で更に追及していくことができるであろうと期待している。


$2:1994年の研究論文

掲載誌:Science reports of Tokyo Woman's Christian University,44(3),1233-1237 (1994-03-15)
タイトル:EFFECTS OF MICROWAVES ON GERM CELLS OF YOUNG AND OLD PUPAE IN DROSOPHILA MELANOGASTER AND AN ANALYSIS OF THE EFFECTS
研究者;外村泰子

into groups of 100 pupae each, and each group was exposed to micro­ waves for five seconds, 10 seconds, 30 seconds, 60 seconds and 90 seconds in a household microwave range with output powers of 200 W and 500 W.
100匹に群を分けた。それそれを5秒間・10秒間・30秒間・60秒間・90秒間、家庭用電子レンジ(出力200W,500W)に入れて、マイクロ波を照射した。

以下、実験で見つけたショウジョバエの変異の例を記述しているが、実験結果やその考察、結論は記述されていない。

学内の研究紀要で、研究内容を報告しているだけで、学術論文の体をなしていない。


$3.1995年の論文

掲載誌:Science reports of Tokyo Woman's Christian University,45(3),1305-1311 (1995-03-08)
タイトル:RELATION BETWEEN PUFFS INDUCED IN SALIVARY­ GLAND CHROMOSOMES OF THE DROSOPHILA MELANOGASTER AND HEAT PRODUCED BY MICROWAVE IRRADIATION
研究者:外村泰子


 

我々の1990年の研究は、熱ショック効果であると考えられる。

BEMSJ
注:上図にあるように、電子レンジで5秒以上加熱した場合は、生存率が低下する。わずか5秒の加熱でも、4-6%は死んでしまってる。

$4.1996年の論文

掲載誌:Science reports of Tokyo Woman's Christian University,46(3),1393-1397 (1996-03-15)
タイトル:キイロショウジョウパエの卵母細胞のマイクロ波被曝と高温度人工気象器処理による変異原性試験

マイクロ波の生体におよぼす影響が陽性であるか、陰性であるかを明らかにするために、著者はこれまで10余年間、種々の角度から研究をすすめてきた。
1996
年には、キイロショウジョウパエの卵母細胞へのマイクロ波被曝後のX−染色体不分離によって誘発される変異体についての論文を発表した。その後も、結果をより確実にするために1997年には上述の実験を再三繰り返し施行したので、追加研究として報告する。

(1) 5
秒間照射群、(2) 10 秒間照射群、(3) 15秒間照射群の3群の実験群をつくり、F1パエの総数、出生雌雄の比率、変異体数は表lに記載した。実験群(1)からはF1バエ26301個体中2個体雌、1個体雄の変異体が誘発されたが(2)と(3)の実験群、F1バエ8646個体、または3295個体のいずれからも変異体の誘発はみられなかった。

これに対して対照群でのFiバエ17782個体から3個体雌と1個体雄の変異体がみられ、マイクロ波被曝による卵細胞への性染体不分離誘発の影響は前年度同様陰性であることが示唆された(Table 1)

(II)
高温度の 人工気象器内で一定時間放置処理した時における処女雌パエ卵母細胞の性染色体不分離による異数体バエの誘発実験結果、1) 37 40分間処理群(この条件はマイクロ波出力500W5秒間照射群の場合に近似している)のF1バエ9285個体中、変異体はl個体の雌のみ、2) 4125分間処理群(マイクロ波 500W 10秒間照射群の条件に近似)のF1バエ5528個体中2個体雌と2個体雄、3) 50 15分間処理群(マイクロ波500W 15秒間照射群に近似)のF1バエ15901個体では雌雄ともに0個体、すなわち変異体の誘発は観察されなかった(Table 1)。

上述した(I)と(II)の実験群による誘発された性染色体不分離によるハエの変異体の出現頻度を実験群ごとに表2に示したが、人工気象器内の高温処理下のハエにおいても卵母細胞の性染色体不分離現象は陰性であった(Table 2)。

以上の実験をとおして、性染色体不分離現象のほかに、マイクロ波や高温人工気象器処理の結果に興味深い異常な現象が処理後のF1パエに誘発された。

著者はこれらの事実をやはり熱効果によるものであると考察する。

 

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68.北シドニーのテレビ放送塔と小児白血病の研究 Hocking Mackenzie

記:2019−12−28

研究者による論争がある。

その1Hocking1996年研究

EMF Portal
にあった内容
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掲載誌: Med J Aust 1996; 165 (11-12): 601-605
タイトル:Cancer incidence and mortality and proximity to TV towers.
がん発生率及び死亡率とTVタワーへの近接度
研究者: Hocking B, Gordon IR, Grain HL, Hatfield GE

【目的】TVタワーからのRF電磁界曝露された人口集団においてがんの発生率と死亡率の増加があるかどうかを明らかにすること。

【研究デザイン】1956年からTVタワーが稼働しているシドニー北部における生態学的調査である。
1972-1990
年間のがんの発生率と死亡率について比較したのは9の行政エリアのうち、3つのTVタワーを囲む内部エリアと、6つのタワーから遠い外部エリアである。
がんの発生率と死亡率、およびTVタワーの周波数、電力、送信期間は、それぞれ連法政府担当当局から入手した。

各エリアの高周波放射の電力密度計算値はタワー近くで8.0μW/cm2、半径4km0.2μW/cm212kmで0.02μW/cm2だった。

【結果】外周部エリアに比較した内周部エリアにおける白血病、脳腫瘍発生率と死亡率の率比は、全ての年齢での白血病発生率比で1.24(95%信頼区間 1.09-1.40)、小児の発生率比については1.581.07-2.34)、死亡率比は2.321.35-4.01)であった。

小児リンパ性白血病(最も一般的なタイプ)の発生率比は1.551.00-2.41)で、死亡率比は2.7495 CI 1.42-5.27)であった。
脳腫瘍発生率比と死亡率比の上昇はなかった。

【結論】 増加を示した小児白血病発生率比および死亡率比とTVタワーに近接することとの間に我々は相関を見出した。

研究の目的
TV
タワーからの無線周波放射に曝露された人口集団において、がん発生率及び死亡率の増加があるかどうかを判断するため、オーストラリアで生態学的研究を実施した。

詳細情報
TV
タワーのすぐ周囲の三つの自治体(内部地域)のがん発生率及びがん死亡率のデータを、隣接する六つの自治体(外部地域)のデータと比較した。

曝露集団

グループ

説明

参照集団 1

外周部地域:TVタワーから≥ 4 kmの距離の自治体;電力密度:< 0.2 µW/cm²

集団 2

内周部地域:TVタワーから< 4 kmの距離の自治体;電力密度:< 0.2 - 8.0 µW/cm²


結論(著者による)
脳のがんの発生率及び死亡率は上昇しなかった。
全ての年齢(RR 1.24CI 1.09-1.40)及び子ども(RR 1.58CI 1.07-2.34)について、白血病の発生率の上昇が認められた。
小児白血病の死亡率は上昇した(RR 2.32CI 1.35-4.01)。
TVタワーへの住居の近接度と小児白血病の発生率及び死亡率の上昇との関連が認められた。
*******************

以下は原著論文より抜粋

Figure 1: Municipalities in northern Sydney and the TV towers (numbered 1, 2 and 3). Lane Cove, Willoughby and North Sydney form the inner area, and Ryde, Kuring-gai, Warringah, Manly, Mosman and Hunters Hill the outer area, of the study. A radius of 4 km from the center of the towers is shown for reference only.
テレビ塔の位置は1.2.3で示す。


BOX 5 - Rate ratios (RR) and 95% confidence intervals (CI) for cancer incidence and mortality in childhood (0- 14 years) in the inner area compared with the outer area, adjusted for age, sex, and calendar period


その2Mackenzieによる再検討の研究1998

EMF Portal
の情報

*************************************
掲載誌: Aust N Z J Public Health 1998; 22 (3) Suppl: 360-367
タイトル:Childhood incidence of acute lymphoblastic leukemia and exposure to broadcast radiation in Sydney - a second look.
シドニーにおける子どもの急性リンパ芽球性白血病の発生率と放送電波への曝露‐再検討
研究者: McKenzie DR, Yin Y, Morrell S

【目的と方法】ホッキングらの論文(1996)が示唆したTVタワーに近い地域での小児白血病発生率上昇についての再検討を加えた論文である。
9
つの地方行政エリア(LGA)毎の発生率とTVタワーからのRF電磁界強度(RFR)の関連についてポアソン回帰レベルを用いて調べた。

その結果、内部エリアの3地方行政エリア(LGA)のうちレーン・コーヴのデータのみが異質性を示してリスク増加に寄与し、同様な曝露レベルである他のLGAではリスク増加が見られなかった。
これを分析から除外すれば、TVタワーと小児白血病との関連性は消失することを指摘した。

【結論】小児の急性リンパ芽球性白血病(ALL)TVタワーからのRF電磁界強度(RFR)について報告された見かけ上の相関は、LGAレベルでの分析の結果、弱くなることが示された。

研究の目的
シドニーにおける小児白血病の発生率とTV送信装置からの無線周波曝露との見かけ上の関連についての先行知見を検証するため、オーストラリアで生態学的研究を実施した。

詳細情報
この研究地域には、先行研究において内側の円と外側の円に分けられていた9の地方政府地域に対し、16の地方政府地域が含まれた。

結論(著者による)

Hocking et al. 1996のデータの再分析では、高曝露の地方政府地域の一つであるレーンコーヴが、全ての過剰に寄与していた一方、同様の曝露地域では子どもの急性リンパ芽球性白血病の発症率はノース・サウス・ウェールズの比率と同様であることが示された。

この過剰は、24時間のTV放送が開始される以前の、1972-1978の期間の最も若いグループで、より明白であった。
著者らは、TV放送設備からの無線周波曝露が関連している、または小児白血病の発症率を決定するという、人口レベルの証拠は弱い、と結論付けている。


その3Hockingによる反論1999

EMF
 Portalにあった情報から
*******************
掲載誌: Aust N Z J Public Health 1999; 23 (1): 104-105
タイトル:Childhood leukemia and TV towers revisited.
見直しされた「小児白血病とTVタワー」
研究者:Hocking B, Gordon I, Hatfield GE

マッケンジーら(1998)による我々の研究の見直しはデータの事後分析であり学問的に正当でない。
我々が調査を開始した当時は、レーン・コーヴでの高い発症率を予想する理由はなかった。
不均一性に関する統計的検定では、レーン・コーヴを除外する根拠は示されなかった(表1)。
我々の当初の仮説は、RF曝露の代用指標として距離を用いて、タワーを取り囲む3つの地方行政エリア(LGA)では、その外側と比較して白血病の発症率が増加しているかどうかを評価するというものであった。

事実、白血病は増加していた。

1.
 マッケンジーらの論文では、我々の分析におけるレーン・コーヴの役割が強調されている。しかし、我々が小児白血病の発症率及び死亡率に関する内側エリアと外側エリアでの不均一性を検定した結果は有意ではなかった。
2.
 先験的にレーン・コーヴを特別扱いする理由はなかったので、これを事後に除外するのは明らかに非合理的である。

3.
 マッケンジーらの論文の図4は、視覚的に誤解を招く。プロットを、各ポイントでの変動幅が等しい回帰線にフィットした通常のばらつきであると評価するように視線が誘導される。しかし、それぞれの観察値の精度が等しいと考えることは妥当でない。同様に、急性リンパ性白血病(ALL)の時間的傾向に関する彼らの論文の図5には、各ポイントにおける信頼区間が示されておらず視覚的に誤解を招く。もう一度言うが、時間的傾向に関して個別のLGAを調べるのは、演繹的仮説と矛盾する事後分析である。

4.
 我々は、我々のアプローチに従った生態学的研究が「見せかけの人騒がせな結果を生じる潜在的可能性がある」ということには合意しない。我々の論文のような仮説形成型の生態学的研究が他の疫学デザインより、見せかけの人騒がせな結果を生じることが多いということはない。

5.
 上述のように、レーン・コーヴを除外するのは非合理的である。重要な点は、データの特定のサブセットへの選択的注目は、その選択により、様々な解釈を可能とすることである。

6.
  マッケンジーらは曝露データの考察で、幾つかの間違った仮定を立てている。彼らは、実際には水平面で最大8dBの指向性を持つアンテナを、水平面で等方性であると仮定し、また、サイドローブは実際には余弦曲線から最大で1桁ずれるので小さいと仮定した。我々は、これらの因子を計算に含めていた。マッケンジーらは、建物と地形の影になることによって信号がほとんど消えるくらいに弱まるとしている。それによって信号は大幅に弱まるかもしれないが、この影響は局所的であり、全てのLGAに等しく影響すると仮定することはできない。このことは、症例対照研究の一環として住居での測定を実施することの更なる理由である。彼らはまた、単純な線形の曝露量−反応関係を仮定している。例えば、毒性メカニズムは特定の曝露レベルで飽和するかもしれない。あるいは、日光と悪性黒色腫との関連のように、間欠曝露の方が連続曝露よりも重要かもしれない。

7.
 我々は、症例と対照についての慎重なRF測定と、潜在的な交絡因子についての補正を盛込んだ、更なる詳細な研究が望ましいという点では、マッケンジーらに同意する。実際、我々はそうした研究に向けた予備的研究に関与してきた。

まとめると、(マッケンジーらによる)我々の研究の見直しには、データの事後分析に関する重大な欠点がある。彼らの分析は「小児のALLの発症率とTVタワーのRFとの見かけ上の関連に疑いを投げかけている」という結論は正当でない。
ともあれ、彼らの分析は、中程度の関連についての我々の知見を確認しており、この関連を更に研究するに十分な理由がある。

その4Makenzieによる反論 2000

EMF Portal
にあった内容
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掲載誌: Aust N Z J Public Health 1999; 23 (5): 553-555
タイトル:Childhood leukemia and TV towers: the debate continues.
小児白血病とTVタワー」:論争続く
研究者: McKenzie DR, Morrell S

レーン・コーヴが特異的に高いことの検定を試みた。
その結果、レーン・コーヴと同程度の曝露レベルであった内部エリアの他のLGAでは、白血病リスクの増加は示されなかった。
このため、TVタワー仮説を支持するのは困難である。
ホッキングらが、見せかけの不安を抱かせるような結果を公表したのは問題がある。

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その5Hocking2002年研究

以下の研究がある。

掲載誌:BEMS2002年総会予稿集
タイトル:P-59 DECREASED SURVIVAL FOR CHILDHOOD LEUKAEMIA PROXIMITY TO TV TOWERS.
テレビ放送塔に近接した小児白血病患者の死亡率の低下
研究者:B. Hocking, I. Gordon.
Camberwell, Vic, Australia 3124. 2Statistical Consulting Centre, University of Melbourne Parkville Vic Australia 3052.

OBJECTIVE:
In a previous study we reported an increased risk of childhood leukemia in municipalities proximate to TV towers in north Sydney compared with more distant ones (Hocking B, Gordon I, Hatfield G, Grain H, Cancer incidence and proximity to TV towers Med J Aust 1996; 165: 601-605).
我々は以前に、北シドニー地区のテレビ送信塔に近接する町は、より離れた町に比べて、小児白血病のリスクが増加すると、報告した(1996年の論文)。

The rate ratio for incidence, comparing the inner ring of municipalities to the outer ring, was 1.55 (95% confidence interval 1.00
2.41) and for mortality the rate ratio was 2.74 (95% confidence interval 1.42 5.27).
放送塔を中心として内側にある町では、外周にある町に比べて、罹患率比は1.5595%信頼区間71.00-2.41)であり、死亡率比は2.7495%信頼区間:1.42-5.27)であった。

The objective of the current study was to analyze the survival experience of the cases in detail, to determine whether there are differences between the two populations
本研究の目的は、症例の生存率を詳細に解析し、二つの集団間に差異があるかを見極めることにある。

METHODS:
方法
Survival data on cases diagnosed from 1972-93 were analyzed.
1972
年から1993年間に診断された症例の生存率を解析した。

Data on all cases who survived for less than one month were verified by the NSW cancer registry and one case diagnosed at autopsy excluded. Data were described by Kaplan-Meier curves.
少なくとも1か月以上の生存期間であったすべての症例をNSW州のガン登録データで確認した。

データはKaplan-Meier曲線で示された。

RESULTS:
There were 123 diagnosed cases of acute lymphatic leukemia (ICD-9 204.0) of which 29 (16 deaths) were in the inner ring of municipalities and 94 (34 deaths) were in the outer ring.
急性白血病と診断された123の症例は、内周部に住む症例は29(死亡16)で、外周部に住む症例は94(死亡34)であった。

We found a significant difference in survival (log rank: P = 0.03; Wilcoxon: P = 0.05).
生存率に有意な差異があることに気づいた。
The 5-year survival in the inner ring of municipalities was 55% and in the outer ring 71% (inner 23% worse); at 10 years the survival was 33% and 62% respectively (inner 47% worse).
5
年生存率は内周部で55%、外周部で71%(内周部23%劣化)、10年生存率は内周部33%、外周部62%(内周部は47%劣化)である。
After adjustment for the potential confounders using Cox
s model, the mortality rate ratio comparing the inner ring with the outer ring was found to be 2.1 (95% confidence interval: 1.1 4.0).
Cox
モデルを用いた交絡因子を調整後の外周部に比べた内周部の死亡率比は2.195%信頼区間:1.1-4.0)となった。

We were not able to control for cytogenetic abnormalities.
我々は、生理学的な異常を排除できない。

CONCLUSION:
結論
There was an association between proximity to the TV towers and decreased survival, among cases of childhood leukemia.
小児白血病に関して、テレビ放送塔に近接した生活と生存率の低下は関連していると言える。

 

 

<この関連研究は後日、紹介します。>

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69.マイニュースジャパンの植田記事「サウジアラビアの基地局と子供の影響」の研究

記:2020--16

1)はじめに 以下の記事がマイニュースジャパンのサイトにあった。

http://www.mynewsjapan.com/reports/2508
 

******************************
ケータイ・スマホ使用や基地局近くの学校通いで、子どもの認知機能悪化の研究増加:2020年5Gスタートで電磁波曝露リスク急増へ
23:12 12/02 2019
植田武智

(略)
◇学校近くに中継基地局で生徒の認知機能低下
学校の近くに立つ中継基地局の電磁波によって、学校全体の生徒たちの認知機能が悪化することを示す研究が、アメリカの「American Journal of Men's Health」の20191-2月号に発表された。
同誌は健康の分野に関する論文を掲載する査読付き学術誌である。

サウジアラビアのサウード国王大学のグループの研究だ。
その内容は、近隣に中継基地局のある学校を二つ選び、先ず両方の学校の教室の電磁波の強さを測定。
教室の中央と両端の3か所を2回測定して平均値をとった。
学校1の教室の電磁波が2.010μW/cm2に対して、学校2は10.021μW/cm25倍程度の開きがあった。


生徒たちは、16時間、週5日間、その電磁波を浴び続けていることになる。
身長や体重や、社会経済的状態などに偏りが出ないように配慮し、それぞれの学校から150名ずつ、参加者を募った。
病歴や、自宅の近くに中継基地局がないこと、自宅の寝室にWIFIルータなどが設置されていないことなどをチェックした結果、最終的な参加者は、学校1から124名、学校2からは93名になった。

ケンブリッジ大学が開発した、タブレットを使った子どもの認知機能テスト2種類を実施した。
テストは、視覚刺激への反応の速さと正確さを測るテスト(Motor screening test)、短期間のワーキングメモリーの機能を調べるテスト(Spatial Working memory test)。

そのいずれのテストでも、電磁波が強い学校2の生徒のスコアは、学校1の生徒のスコアより、統計的に有意な差がでた。
上記研究は、曝露と影響を同時に見る横断研究で、脳の機能に影響を与える他の因子の考慮が十分とは言えない限界はある。
単体の研究としては問題が残るが、下記のように、従来より、携帯電話の電磁波が子どもの脳の認知機能へ影響を与えるという研究がもともと存在しており、それを中継基地局の電磁波でも確認したという点が評価されるべきであろう。

(略)
**********************

関心のある方は、当該のサイト(全文を読むことは有料)をみて下さい。

同じ内容が電磁波問題市民研究会の会報122号(2020126日)にも転載されています。

2)同じ研究がEMF Portalのサイトに紹介されている。

********************
掲載誌: Am J Mens Health 2019; 13 (1)
タイトル:Mobile Phone Base Station Tower Settings Adjacent to School Buildings: Impact on Students' Cognitive Health.
学校校舎付近への携帯電学校校舎付近への携帯電話基地局タワーの設置:生徒の認知衛生へのインパクト
研究者:Meo SA, Almahmoud M, Alsultan Q, et al;

この研究は、2つの中学校の男子生徒217人(学校1124人、学校293人、13-16歳)のボランティアにおける認知機能に対する携帯電話基地局からの無線周波(RF)電磁界曝露のインパクトを調べた。
基地局はそれぞれの校舎から200m以内に設置されていた。

学校1では、RF電磁界は925 MHz2.010µW/cm2、学校2では925 MHz10.021 µW/cm2
行能力は自動化ケンブリッジ神経心理学試験で測定した。

その結果、基地局からの高いRF電磁界に曝露された生徒のグループでは、低曝露のグループと比較して、運動スクリーニング課題(p = 0.03)及び空間作業記憶課題(p = 0.04)における有意な成績低下が認められた、と著者らは報告している。
***************************

3)原著を読んで

上記の概要だけでは、わからないので、原著を読んでみた。
・対象となる子供として、自宅の近くに高圧送電線や携帯電話の基地局がある場合は、除外した。
・自宅の子供の寝室にWIFIルータがあったり、コードレス電話を多用したりする子供も除外した。
・学校の近くに他の無線設備や高圧送電線がないことを、目視で確認した。
・学校での電波測定は1日に2回、教室の中央と2か所の隅で測定した。
・電波測定器はNardaDRM-3006である。<注:適切な測定器と言える。>
・学校と基地局の位置関係 学校の200m以内に基地局があるとあるが、2か所の学校の違いなどは記述されていない。


ということはわかった。

ここで問題となるのは、
・携帯電話の曝露強度が、適切に測定・評価されているか、である。
携帯電話の基地局から発信される電波は、そのサービスエリアにいて携帯電話を使っている人がどの程度いるかに依存する。
誰も通話者がいなければ最低限度の電力発信となり、多数のユーザが同時に通話を行えば、その基地局の最大限度の電力発信となる。
したがって、2つの学校で複数回測定したとしても、偶然にそうした電力強度の違いが出た可能性がある。
常に片方の学校が強い電波を浴びているという保証はない。

これでは、研究としては不完全である。

「子供の能力に差異があった」、とされる。
この差異が基地局からの曝露によるものと、決めつけられるか?
たまたま、対象者となった子供の群に能力の差異があったのかもしれない。

基地局設置前に実験を行い、両群の能力に差異がないことが確認され、基地局が稼働して、1年でも2年でも経過後に2度目の能力の測定を行い、能力に差異が生じた、というのであれば、基地局からの電波曝露による影響・・・・と考えることもできる。
しかし、この研究ではそうしたベースラインの確認は行っていない。


・よって、この研究の手法は「品質が低く」、結果は「信頼できない」と言わざるを得ない。

4)研究者へのメール

2020
1月に研究者にメールを発信した「測定した携帯電話基地局からの電波曝露強度は、周囲にどの位の携帯電話使用者がいるかによって、大幅に変動するので、この研究の測定結果は、本当に曝露評価として正しいのか?・・・・」と。
3ヵ月以上経過しても、無視されたのか、返信は全くない。

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70.ギリシャPanagopoulosらの2004年携帯電話とショウジョバエの研究

記:2020−5−13

以下の研究がある。

掲載誌: Electromagn Biol Med 2004; 23 (1): 29-43
Effect of GSM 900 MHz mobile phone radiation on the reproductive capacity of Drosophila melanogaster
ショウジョウバエの生殖能力に対するGSM 900MHz携帯電話照射の影響
研究者: Panagopoulos DJ, Karabarbounis A, Margaritis LH

この研究は、一般般的なGSM携帯電話端末機から放射されるパルス化無線周波(RF)電磁界(搬送周波数900 MHz、音声によって「変調」)がオスおよびメスのショウジョウバエの生殖能力に与える影響を調べた。
ショウジョウバエは、オス・メス別々に、成虫期の最初の
25間、16分間、携帯電話端末機のアンテナからの近傍電磁界への曝露を与えた。

その結果、音声信号を乗せた放射の場合、生殖能力は50 60 %低下したが、音声信号を乗せない放射の場合、その低下は15 20 %であった。
GSM
電磁界は、オス、メスのどちらにも影響を与えた、と報告している。

Full Text
を読むと以下のことはわかる。
・この実験は、静かであるが、格別音声が遮断する機能を持った実験室では行われていない。
16分間、5日間の曝露(A/B試験は5日間、C試験は2日間)
・携帯電話端末のアンテナをショウジョバエが入った試験管に密着させ、音声モード(通話を行ってる)と無音声モード(端末のマイクには音声は入れていない)で実験。
・疑似曝露群の曝露では携帯電話端末の電源をオフにした。
・実験者は、6分間、携帯電話端末を頭に近づけて通話を行った。

・電波強度の測定は、NARDA 8718で行った。プローブの記述はない。
・測定結果は、平均値で、通話モードでは0.436mW/cm2 37.21V/m、無音声モードでは0.041mW/cm2 16.68V/m
<注;無音声になると端末からの電波発信強度は低下するので、このような低下はある。>
・ショウジョバエを入れた試験管内の温度上昇はない。

BEMSJの中間のまとめ
この研究では、欧州で使用されている携帯電話GSM(出力は日本の携帯電話より大きく、瞬時最大電力は2Wであり、周波数は900MHz帯である)を用いて、ショウジョウバエが飼育されていた試験管に、携帯電話の送信アンテナを密着させた状態で試験を行っている、その結果、試験条件にもよるが生殖に影響があることを見つけている。

論文によれば、曝露条件は電界強度で37.21V/m、電力密度では0.436mW/cm2であると記載されている。
この条件を日本の電波防護指針値に単純比較したとするとすれば(防護指針と比較する場合、厳密にはこの方法は正しくない。測定は局所的な場所の測定である。防護指針は全身均一曝露を想定している)、電波防護指針では電力密度は0.6mW/cm2、電界強度は47.55V/mであり、指針値は超えないが、電力密度では72.7%、電界強度では78.3%となり、かなりの高い曝露レベルでの実験であることがわかる。

携帯電話の送信電力は携帯基地局アンテナとの伝送条件に応じて、送信電力の増減(送信電力の制御)を行っている。
パナゴプラウスらの実験では、使用した携帯電話から発せられる電波の強さを一定になるような工夫は凝らしていない、したがって、論文に記載されて送信電力の値が使用されて携帯電話にとって最大の条件であるとは限らず、実験する時間や場所によって送信電力がことなり、上記の値より大きい場合もありえる。

また、アンテナの近傍では1cm2cmの距離の差でも大きく電界強度は異なるので、測定に当たってはセンサの大きさにも留意しないと正確な局部的な電磁界強度は把握できない。
パナゴプロウスらの論文にはセンサのサイズの記述がないので(論文に記載されているNARDA8718は測定器本体のモデル名で、この測定器にさまざまなセンサを取り付けて測定を行う。よってセンサのモデルの記載も必要となる。)、ショウジョバエが曝露する局所的な場所における電界・電力密度がどの程度になっているか、再度吟味する必要はある。

以下に示す図は、数値解析によるアンテナ近傍の電波の強さの計算結果である。
周波数は900MHz、出力は2W、アンテナの周囲には何もない理想的な空間と仮定、アンテナは直径1mm、長さは10.9cmのモノポールアンテナ(携帯電話に使用されているタイプ)とした。
GSM
携帯電話からGSM携帯の最大電力である2Wの出力が発信されれば、アンテナに密着したショウジョウバエを入れた試験管の周囲は100V/mを超える電界強度になる。

 


さらに、こうしたアンテナに近接した空間的に電磁界強度の分布が一様でない場合、局所的な曝露が問題になるようなときは、SARで評価するのが妥当である。
仮に1mm程度の大きさのショウジョバエにとっては携帯電話ハンドセットのアンテナの近傍で大きなSARとなり、全身が大きな電力の曝露となり、熱的な影響が発生するかもしれないレベルであった可能性もある。
パナゴプラウスらはこうしたSARの実測も推定も行っていない。
よってこの結果をヒトにそのまま当てはめることは合理的ではない。

 

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71.ギリシャPanagopoulosらの2007年携帯電話とショウジョバエの研究

記:2020−5−13

以下の研究がある。

掲載誌: Mutat Res Genet Toxicol Environ Mutagen 2007; 626 (1-2): 69-78
タイトル:Cell death induced by GSM 900-MHz and DCS 1800-MHz mobile telephony radiation.
携帯電話からのGSM 900MHzDCS 1800MHzの放射によって引き起こされた細胞死
研究者: Panagopoulos DJ, Chavdoula ED, Nezis IP, Margaritis LH

この研究において、TUNEL(Terminal deoxynucleotide transferase dUTP Nick End Labeling分析:様々なタイプの細胞内のDNA断片の検出に広く用いられるよく知られた技術)を用いて、キイロショウジョウバエの卵形成の初期および中期を生物学的モデルとして、細胞死(DNA断片)を検出した。

このハエは、インビボ(生きているハエに)で、共通のデジタル携帯電話からGSM 900MHz放射またはDCS 1800MHz放射に、成虫になった最初の6間、1に数分間曝露された。

この曝露条件は、携帯電話使用者が曝露されている条件と同様であり、我々の過去の研究と同じ条件とした[D.J.PanagopoulosA.KarabarbounisL.H.Margaritis、キイロショウジョウバエの生殖能に対する携帯電話のGSM900-MHz放射の影響、Electromagn.Biol.Med.23(1)(2004)29-43]

過去の研究では、GSM放射によって、同じ昆虫の産卵に大きな減少が引き起こされることが示されていた。
今回の研究結果によれば、以前に報告した産卵の減少は、二つのタイプの携帯電話放射によって引き起こされた構成細胞のDNA断片化の後に多数の卵室が変性することによるものであることが示唆された。

卵室を構成する全てのタイプの細胞(包卵被膜細胞卵胞細胞、栄養細胞および卵母細胞)について、プログラムされた細胞死が生理学的に発生しない期間において、卵形成の初期と中期の、形成細胞巣からステージ10までの全てのステージにおいて、引き起こされた細胞死が初めて記録された。

形成細胞巣およびステージ7-8は、GSMDCSによって引き起こされる電磁ストレスに対する反応においても、最も敏感な発達段階であることが見出された。さらに言えば、形成細胞巣はステージ7-8よりもさらに敏感であることが見出された。  

Full Textを読むと
・この研究では切り替えることでGSM 900MHzにも、DCS 1800MHzにも使える携帯電話を用いた。
・この携帯電話端末の電磁波の曝露は、端末の製造会社からの情報で、「ヒトに対してSARは0.89W/kg」である。<注:ショウジョバエのSARは推定していない。>
・GSMモードでの電磁波強度は、DCSモード時に比べて、大きい。

・測定した電波強度は、GSM 900MHzモードで0.402±0.054mW/cm2DCS 1800MHzモードで0.288±0.038mW/cm2であった。

3つの条件で実験

GSM900MHzでショウジョバエを入れた試験管に密着(モード:900)、GSM900MHzで試験管と1cmの距離をとった(モード:900A)、DCS1800MHzで試験管に密着(モード:1800)。
・結果は、細胞死はモード90063.01%、900Aモードで39.43%、1800モードで39.43%、疑似曝露で7.78%、対照で7.78%であった。

BEMSJ
のコメント;
2004
年に研究と同じで、1mmといった小さいショウジョバエが局所的な過大な曝露による影響と思われる。


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72.ギリシャPanagopoulos2019年携帯電話の研究

記:2020-5-14

以下の研究がある。

掲載誌: Gen Physiol Biophys 2019; 38 (5): 445-454
タイトル:Chromosome damage in human cells induced by UMTS mobile telephony radiation.
UMTS
携帯電話放射によるヒト細胞における染
損傷
研究者: Panagopoulos DJ

この研究は、健康なドナー6人から採取したヒト末梢血リンパ球を刺激して有糸分裂させ、市販の携帯電話端末から発せられるUMTSまたは第3世代(3G)マイクロ波電磁放射に曝露した。
その結果、細胞分裂のG2期に曝露したリンパ球を中期に観察したところ、曝露群では擬似曝露対照群と比較して、非常に有意な割合(最大275%)で染色分体型の異常(ギャップ及び損傷)が認められた。

それぞれの検体はマイクロ波曝露に対して異なる感度を呈した。
更に、対照群における染色体異常の割合は、遺伝的及び環境的要因のために異なっていた。
携帯電話の電磁放射は主に非染色性損傷(ギャップ)、次いでやや少なく末端部欠失(損傷)を生じさせた、と著者は報告している。

Full Text
を読むと
・市販されている携帯電話端末を使用した。
・この端末のSARは、製造会社からの情報で、0.66 W/kgである。
・実際の電波輻射は、高周波電磁波測定器Cornet ED85EXpluss と、スペクトラムアナライザSpectran HF-4040V3を用いた。受信アンテナには近傍界アンテナを用いた。端末から1cmの距離で測定。

・電波強度の測定結果は92 ±27μW/cm2であった。
<注:空間インピーダンス377オームとして仮に計算すると、電界強度は20V/mとなる。>
・血液サンプルは30tのフラスコに入れ、携帯電話は「通話モード」とし、フラスコの横1pの距離に置いた。15分間曝露、1回だけ。
・曝露による温度上昇は、温度計で測定して、0.1℃は超えない。よってこの効果は非熱効果と言える。

・結果は以下の図に示す。


 

BEMSJのコメント:
この実験曝露条件は、Full Textを読めば、血液を電波曝露基準の10分の1の約0.1mW/cm2の曝露で、実際の携帯端末を用いて、端末の1pの距離に血液を置いた時の、非熱効果の陽性効果の検出となる。
この結果をヒトにそのまま外挿できるか?


携帯電話端末の極近傍は「近傍界」であり、空間インピーダンスは377オームとはほど近いので、電界センサの電界強度測定値から空間インピーダンス377オームとして電力密度として指示される測定器の読みをそのまま信じて良いか・・・疑問である。

使用した測定アンテナは「近傍界用」とあるが、アンテナのサイズは不祥。局所的な電波強度を把握できているか?
端末からは時々刻々変化する発信強度を、きちんとは把握できているか?
血液は溶液などとともに試験管に入れられている。血液の温度上昇は?血液の温度は上がるが、溶液によって冷却され、結果として温度上昇がなかったのか・・・・

このように、色々と曝露評価に課題のある研究論文である。
きちんと曝露評価が可能になるようにした再現実験が必要と思われる。

 

73.2002HallbergらのFM塔とガンの研究

記:2020−6−9

以下の研究がある。

掲載誌:Archives of Environmental Health January/February 2002 [Vol. 57 (No. 1)]
タイトル:Melanoma Incidence and Frequency Modulation (FM) Broadcasting
黒色腫の発生率と周波数変調(FM)放送
研究者:ÖRJAN HALLBERGOLLE JOHANSSON

ABSTRACT.
概要
The incidence of melanoma has been increasing steadily in many countries since 1960, but the underlying mechanism causing this increase remains elusive.
黒色腫の発生率は、1960年以来、多くの国で着実に増加しています。
しかし、この増加を引き起こす根本的なメカニズムは依然として不可解である。

The incidence of melanoma has been linked to the distance to frequency modulation (FM) broadcasting towers.
黒色腫は、周波数変調 (FM) 放送塔までの距離に関連されているとされてきた。

In the current study, the authors sought to determine if there was also a related link on
 a larger scale for entire countries.
この研究で、著者は、国全体というより大きな規模で、関連性があるかどうかを判断しようとしました。

Exposure
time-specific incidence was extracted from exposure and incidence data from 4 different countries, and this was compared with reported age-specific incidence of melanoma.
4
つの異なる国からの曝露および発生率データから抽出された暴露-時間特異的な発生率は、既知の黒色腫の年齢特異的な発生率と比較された。

Geographic differences in melanoma incidence were compared with the magnitude of this environmental stress.

黒色腫発生率の地理的差異は、この環境ストレスの大きさと比較された。

The exposure
time-specific incidence from all 4 countries became almost identical, and they were approximately equal to the reported age-specific incidence of melanoma.
4
カ国の曝露-時間固有発生率はほぼ同じになり、既知の黒肉腫の年齢階級別発生率とほぼ同じであった。

A correlation between melanoma incidence
 and the number of locally receivable FM transmitters was found.

黒色腫発生率と、地域で受信が可能なFM送信塔の数との相関が見つかりました。

The authors concluded
 that melanoma is associated with exposure to FM broadcasting.
研究者らは、黒色腫はFM放送塔の曝露に関連していると、結論を出した。

Full Text
を読むと
・FM放送として用いている85−108MHzの波長は、大人の身長に共振する周波数である。

100MHz帯の周波数でFM放送を行っている国では黒肉種の発生が多く、低い70MHz帯の周波数でFM放送を行っている国では黒肉種の発生が低い。
・こうしたデータからFM放送電波が黒肉種の発生と関連していると、研究者は結論を出している。

注:悪性黒色腫(メラノーマ(malignant melanoma)とは、皮膚、眼窩内組織、口腔粘膜上皮などに発生するメラノサイト由来の悪性腫瘍である。正確な発生原因は不明であるが、表皮基底層部に存在するメラノサイトの悪性化によって生じる。また、皮膚に発生する悪性黒色腫は紫外線曝露と、足底に発生するものは機械的刺激と関連性が深いと考えられている。

BEMSJ注:身体の長さがFM放送の電波と共振しやすく、それゆえに黒肉腫というガンの発生が多くなると言うのであれば、黒肉腫という皮膚がんだけではなく、他の部位のガン、胃がん、脳腫瘍・・・・と言った他のガンの発生も同時に多くなっていると、考えるべきであろう。
FM放送の開始時期と、胃がんの増加の関連性はあるか?
この研究者は、そうした研究の拡張まで行っているのであろうか?

 

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74.2010Elliottらの英国における携帯基地局と小児がんの研究

記:2020−7−10

以下の研究がEMF Portal のサイトに紹介されている。

**************
掲載誌: BMJ 2010; 340: c3077
タイトル:Mobile phone base stations and early childhood cancers: case-control study.
携帯電話基地局と早期小児がん:症例対照研究
著者: Elliott P, Toledano MB, Bennett J, Beale L, de Hoogh K, Best N, Briggs DJ

この研究は、妊娠中の母親のマクロセル携帯電話基地局からの無線周波数曝露露またはその住居と基地局の距離に関連する初期小児がんのリスクについての症例対照研究である。
1999
年から2001年の英国がん登録から0歳児から4歳児の症例1,397人、出生登録から性別、誕生日をマッチした対照5,588人(1症例に4対照)について、脳腫瘍、中枢神経系腫瘍、白血病、非ホジキンスリンパ腫、全てのがんの発症率を、教育レベル、社会経済的困難度、人口密度、人口混合を調整して分析した。

マクロセル基地局から登録住所までの距離は1996年から2001年までの基地局アンテナ76,890本の国内データベースに基づき算出した。

その結果、平均距離・700メートル以内の全ての基地局についての出力合計値および電力密度のモデル計算値は症例群と対照群で同等であった;出生地住所でモ デル計算した電力密度については、最低曝露露カテゴリーに比較した全がんの調整オッズ比は、中間曝露カテゴリーで1.0195%信頼区間0.871.18)、最高曝露カテゴリーで1.020.88から1.20)であった(傾向性の検定のp=0.79);脳腫瘍及び中枢神経系腫瘍ではそれぞれ0.970.691.37)と0.760.511.12)、白血病及び非ホジキンスリンパ腫では1.160.901.48)及び1.030.791.34)であった、と報告し、
基地局と発がんの関連性は見られなかったと結論している。

***************

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75.2010Elliottらの英国における携帯基地局と小児がんの研究に対するBithellのコメント

2020−7−11

以下は、EMF Portalのサイトにあった情報
**************************************
掲載誌: BMJ 2010; 340: c3015
タイトル:comment Childhood cancer and proximity to mobile phone masts.
論説:小児がんと携帯電話アンテナへの接近度
研究者: Bithell JF

この論説は、本誌同号に掲載されたエリオット他の論文「携帯電話基地局と初期の小児がん:症例対照研究」 (doi:10.1136/bmj.c3077)に関するものである。
携帯電話電磁界とその健康影響に関する研究の動向を概説した後、エリオットらの研究の位置づけを行い、その結果について考察している。

エリオットらは、幼児期早期のがんのリスクと妊娠中の携帯電話基地局曝露との間に関連性は見られなかった、と結論している。
しかし、この論説の著者はこのような研究は重要であり、何らかの兆候を見落とすことがないようにする必要があるとして、研究方法の改善について、23の議論を行っている。

最後に、「当面、臨床医は、携帯電話基地局アンテナに近づくことを患者が心配しないようにと安心させることをお勧めする。アンテナから遠くに引っ越すことは、ストレスと費用を伴うことでもあり、健康を理由に引っ越すことは現在の証拠に照らして正当ではない。実験的証拠もこれまでのところ健康への影響について我々を心配させるような生物学的影響を示すことができておらず、そのようなことも疫学的証拠を支持している」
と結論している。


コメントがつけられた論文 •Elliott P et al. (2010): [携帯電話基地局と早期小児がん:症例対照研究]
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76.携帯電話の使用と有訴率 Hocking1998年の研究

記:2020−7−20

以下はEMF Portalのサイトにあった情報

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掲載誌: Occup Med (Lond) 1998; 48 (6): 357-360
タイトル:Preliminary report: symptoms associated with mobile phone use.
予備的報告:携帯電話使用に関連した症状
研究者: Hocking B

この研究は、携帯電話の使用に関連して報告されている症状について、構造化質問票に基づく電話インタビュー調査した結果を記述的に報告している。
多様な職業を持つ40人の回答者から、頭痛の部位、症状の特徴など不快な感覚についての説明がなされた;電話の使用との時間関係も様々であった(通話中、使用後など);ヘッドセット使用、機種変更との関係を述べた回答者もいた、などの知見が羅列されている。

結論(著者による)
40
人の回答者は、主に通話開始の数分後に生じる、不快な温感または頭部の鈍痛といった症状を記述した。

症状は通常の受話器使用時には生じず、通常の頭痛とは異なっていた。
症例の75%はデジタル携帯電話と関連付けられた。
三人の回答者は、携帯電話をベルトに保持することに関連した局所的な症状を報告した。
著者らは、症状の範囲とその機序を決定するため、更なる研究が必要であると結論付けている。
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BEMSJ:携帯電話の使用者に対するアンケート調査結果であり、携帯電話から発信される電波曝露に起因するとは断定できていない。


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77.携帯電話の使用と有訴率-Mildらの1998年の研究報告


論文の概要です。 携帯電話使用による症状の研究

アナログ式携帯電話からデジタル式携帯電話の時代になった時に、より強い電磁波を暴露する恐れがあるとして、デジタル携帯電話の使用者から、頭痛や耳が熱るといった症状が訴えられた。
以下の研究は、それらの実態を定量的に検証した研究である。

研究論文:Comparison of symptoms experienced by user of analogue and digital mobile phones: a Swedish-Norwegian epidemiological study 

研究者:K. Hansen-Mild et al
論文はWEBに公開されていたものをダウンロードした。
http://nile.lub.lu.se/arbarch/arb/1998/arb1998_23.pdf


概要:
1995年に携帯電話の使用者から携帯電話使用時の頭痛や耳の部分でのほてり等の症状が、訴えられた。 この訴えはアナログ電話(NMT)ではなく、GSM(デジタル電話)の使用者に多かった。

そこで、NMTよりGSM使用者に症状を訴える率が本当に高いのか、スウェーデンとノルウェーの共同研究を行なうことにした。
・研究の対象は、登録された電話使用者の中からランダムに抽出した。
 スウェーデンでは6373名のGSM使用者と5613名のNMT使用者、
 ノルウェーでは各2500人の使用者を対象にアンケート調査を行った。

・結果は、NMTGSMの使用者の間に差異はなかった。

 GSM使用者の方が訴える率が少ないという傾向も見られる。
 共に使用時間が長くなるにつれて、症状を訴える率は増加している。
 このことから、「GSM使用者に訴える率が高いのではないか」という当初の仮説は立証に失敗した。

 症状を訴える率のデータの一部  OR(オッズ比)

 

NMT使用者

GSM使用者

 

1日の使用時間(分)

2-15

15-60

60以上

2-15

15-60

60以上

ノルウェー

 

 

 

 

 

 

症状

 

頭痛

1.81

3.31

6.36

1.94

2.69

6.31

耳の後ろがほてる

2.42

4.29

18.1

1.68

2.93

16.0

スウェーデン

 

 

 

 

 

 

症状

 

頭痛

1.81

3.24

3.40

1.49

2.50

2.83

耳の後ろがほてる

4.28

10.7

30.3

2.63

9.00

21.9


以上  興味のある方は原著論文を読んでください。

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78. 携帯電話の使用と有訴率 H-Mildらの2001年の研究論文

記:2020−7−20

以下の研究がEMF Portalのサイトにあった。

***********************
掲載誌: Occup Med (Lond) 2001; 51 (1): 25-35
タイトル:Mobile phone use and subjective symptoms. Comparison of symptoms experienced by users of analogue and digital mobile phones.
携帯電話使用と主観的症状:アナログおよびデジタル携帯電話ユーザが経験した症状の比較
研究者: Sandström M, Wilen J, Oftedal G, Hansson Mild K

この研究は、携帯電話のGSMユーザとNMT900ユーザにおいて、携帯電話使用に関わる不定愁訴に違いがあるか否かを、スウェーデンとノルウェーで疫学調査した。
作業仮説は、「GSM(パルス変調電磁界を用いたデジタルシステム)ユーザの方が、NMT900(アナログシステム)ユーザより、不定愁訴が多い」と設定した。
スウェーデンのGSMユーザ6379人とNMT 900ユーザ5613人、ノルウェーのそれぞれのユーザ2500人を調査に含めた。

その結果、種々の症状についての調整オッズ比は、NMT900ユーザに比べたGSMユーザのリスクは上昇しなかった;すなわち、仮説は反証された;耳の温感については、NMT900ユーザと比較して、GSMユーザでの有意なリスク低下を観察した;ノルウェーの調査対象集団においては耳の温感、スウェーデンにおいては頭痛および疲労感についても同様の傾向が見られた、と報告している。

研究の目的(著者による)
GSM
ユーザはNMTユーザよりも多くの自己申告の症状を携帯電話使用時に経験するという仮説を検証するため、スウェーデン及びノルウェーにおいて横断的研究を実施した。
本研究の更なる結果は、publication 9860 に発表している。

結論(著者による)
NMT
ユーザと比較して、GSMユーザでは自覚症状のリスク上昇は認められなかった。
NMT
ユーザと比較して、GSMユーザでは耳での温感についてのより低いリスクが認められた。
GSM
ユーザはNMTユーザよりも多くの自己申告の症状を携帯電話使用時に経験するという仮説は否定された。

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79.Erogul2006年携帯と精子の研究

記:2020-7-25

*この研究はネットなどで以下のように評価されている。携帯電話の電磁波による陽性効果を示す研究であると。

Erogul O et al2006
これらのデータは携帯電話から出る電磁波によって精子の運動性が影響を受けていることを示している。
こうした急性の悪影響に加えて、長期間の曝露によってオス生殖細胞の行動や構造に何らかの影響が出てくるかもしれない。
これらの影響はずっと後になって現れるものであり、よりしっかりした研究がなされなければならないだろう。

*以下はEMF Portalのサイトにあった研究の紹介
**************************

掲載誌: Arch Med Res 2006; 37 (7): 840-843
タイトル:Effects of electromagnetic radiation from a cellular phone on human sperm motility: an in vitro study.
ヒト精に対する携帯電話放射の影響In vitro研究
研究者: Erogul O, Oztas E, Yildirim I, Kir T et al;

この研究は、900MHzGSM携帯電話からの電磁放射(EMR)が精液サンプルの精品質に与える影響を調べた
ボランティアの男性(n = 27)から採取した精液サンプルをそれぞれ2等分し、⼀⽅曝露露群、他を無曝露群とした。

曝露群は、電源を入れた900MHzの携帯電話が放出するEMRの5分間曝露を受けた。
影響評価項は精の濃度と運動性とした。

の運動性は、(A速直進運動、(B)低速直進運動、(C直進運動、(D)不動の4つのカテゴリーに分類して評価した。
その結果、曝露露群で観察された統計的に有意な変化は、速直進運動および低速直進運動のわずかな減少と不動の増加であった曝露群と無曝露群の間に、精濃度の有意な差はなかった、
と報告している。
****************************

Abstractを仮訳する。

********************
概要:
BACKGROUND: There has been growing public concern on the effects of electromagnetic radiation (EMR) emitted by cellular phones on human health. Many studies have recently been published on this topic. However, possible consequences of the cellular phone usage on human sperm parameters have not been investigated adequately.
背景:携帯電話の健康影響に関する公衆の関心は高まってきている。この件に関する様々な研究が刊行されている。しかし、携帯電話に電磁波による精子の活動度などに関する影響度の研究は十分に行われていない。

METHODS: A total number of 27 males were enrolled in the study. The semen sample obtained from each participant was divided equally into two parts. One of the specimens was exposed to EMR emitted by an activated 900 MHz cellular phone, whereas the other was not. The concentration and motility of the specimens were compared to analyze the effects of EMR. Assessment of sperm movement in all specimens was performed using four criteria: (A) rapid progressive, (B) slow progressive, (C) nonprogressive, (D) no motility.
方法:合計で27名の男性がこの研究に参加した。各人から提供された精液は2等分された。片方には900MHz携帯電話からの電磁界を照射し、片方には照射しなかった。
電磁界の影響は精子の濃度と可動性で比較した。可動性の評価は4段階評価とし、A)すばやい機敏性 B)遅い機敏性 C)機敏さがない D)可動性が無い。 

RESULTS: Statistically significant changes were observed in the rapid progressive, slow progressive and no-motility categories of sperm movement. EMR exposure caused a
subtle decrease in the rapid progressive and slow progressive sperm movement. It also caused an increase in the no-motility category of sperm movement. There was no statistically significant difference in the sperm concentration between two groups.
結果:統計的に有意な差異はすばやい機敏性、遅い機敏性、可動性性がないのカテゴリーで観察された。電磁界曝露ではすばやい機敏性と遅い機敏性に微妙な程度の減少があった。電磁界は、可動性がないのカテゴリーでは増加した。<BEMSJ注:この2つの文章は今一つ、すっきりしない。しかし、Full textで実験データを見ると、「微妙な程度の減少であるが、統計的には有意な減少が見られた」という意味に解釈すれば、よいのかもしれない。>
精子の濃度では両群に差異はなかった。

CONCLUSIONS: These data suggest that EMR emitted by cellular phone influences human sperm motility. In addition to these acute adverse effects of EMR on sperm motility, long-term EMR exposure may lead to behavioral or structural changes of the male germ cell. These effects may be observed later in life, and they are to be investigated more seriously
結論:この研究から携帯電話に電磁波は精子の運動性に影響を与える。この急性影響に加えて、長期の電磁界曝露は精子の運動性や精子の構造に変化を与えることになるかも知れない。これらの影響は人生の後半で現れるかもしれず、さらに厳格な研究は必要である。
******************************

Full Textを読むと

・携帯電話端末としては、GSM900形、最大出力2W,平均電力密度0.02mW/p2を用いた。精子と携帯電話の距離は10cm、曝露時間は5分。
Full textには、精子が受けた電磁波曝露の量の測定値は記載されていない。端末からの発信電波強度は近くの基地局との距離などで変動する。どの程度の電波発信強度なのか、不明である。>

・結果のデータは以下に

 

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80.今井らの携帯電話による精子への影響の研究2006

記:2010−10−24

1)電波産業会のサイトにあった内容
https://www.arib-emf.org/03report/report2006-2.html 

**************************
2006-2】携帯電話電波の生殖器に与える影響についての研究
研究目的
携帯電話を腰の付近で携帯(ズボンのポケット、キャリングケースでの保持など)しつづけることによって、精子の産生に影響を及ぼすとの研究結果が発表されています。
そこで本研究では電波が雄性生殖器に対する影響の有無を、実験的に検討しました。

研究方法
実験はラットを用いた動物実験により実施しました。
使用したラットは性成熟過程である
5週齢のラットを用い、SAR0.08W/kgおよび0.4W/kgの曝露群、および電波曝露をしない偽曝露群のラットを比較しました。
曝露群のラットに対しては、
1.95GHz帯のW-CDMA方式の電波を1日5時間、5週間にわたり曝露しました。

曝露終了後にラットの生殖臓器、精子数、精子運動率および精子形体異常について、偽曝露群のラットと比較して解析しました。

研究結果
雄ラットに
1.95GHz帯のW-CDMA方式の電波を性成熟過程である5週齢から10週齢にいたる5週間、曝露した結果、生殖臓器、精子数、精子運動率および精子形体異常において偽曝露群との有意な差は認められませんでした。
本実験結果からは電波の雄性生殖器への影響は認められませんでした。

本研究から派生した論文
Imai N, Kawabe M, Hikage T, Nojima T, Takahashi S, Shirai T. Effects on rat testis of 1.95-GHz W-CDMA for IMT-2000 cellular phones. Syst Biol Reprod Med. 2011 Aug;57(4):204-9. http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21204746 
****************************

2)第35回日本トキシコロジー学会学術年会 2008年で発表された研究の概要

*************************
セッションID: P-011
DOI https://doi.org/10.14869/toxp.35.0.123.0
タイトル:1.95GHz帯電磁波全身曝露の雄性生殖器(精子形成)への影響
研究者**今井則夫, 難波江恭子, 河部真弓, 安藤好佑, 戸田庸介, 玉野静光, 野島俊雄, 白井智之

抄録
【目的】携帯電話の利用者数は年々増加しており、精巣も携帯電話の長時間使用によって電磁波に曝露される対象臓器であり、精巣毒性が懸念される。
そこで、携帯電話で用いられている
1.95GHz電磁波の精巣毒性の有無について、ラットを用いて検討した。

【方法】曝露箱内の照射用ケージに
SD系雄ラットを入れ、曝露箱内上部に直交させたダイポールアンテナで、周波数1.95GHzW-CDMA方式の電磁波を全身に照射した。
電磁波曝露は、性成熟過程である
5週齢から10週齢に至る5週間、15時間行った。
照射レベルは全身平均
SARSpecific absorption rate)が0W/kg(対照群)、0.08W/kg(低曝露群)および0.4W/kg(高曝露群)の3段階を設定した。
なお、実験は各群
24匹を2回(1回に各群12匹)に分けて行った。

曝露終了後、剖検を実施して全身の諸器官・組織の肉眼的病理学検査を実施し、雄性生殖器の器官重量の測定を行うとともに、精子検査(精子の運動率、精巣および精巣上体の精子の数、精子の形態異常率)を行った。
また、雄性生殖器の組織について病理組織学的に評価するとともに、精巣のステージング(精子形成サイクルの検査)についても評価した。

【結果】曝露期間中に死亡例はみられず、一般状態においても著変は認められなかった。
体重、摂餌量、雄性生殖器系器官・組織の重量、精子の運動率、精巣上体の精子数、精子の形態異常率、精巣のステージ分析において、曝露群と対照群との間に有意な差は認められなかった。
また、肉眼的病理学検査および病理組織学的検査においても電磁波曝露に起因すると思われる変化は認められなかった。

【結論】
5週齢のSD系雄ラットに1.95GHz電磁波を5週間全身曝露した結果、電磁波曝露の影響と考えられる変化がみられなかったことから、電磁波曝露による精巣毒性はないと判断した。
(この研究は社団法人電波産業会(
ARIB)の支援によって実施した)
************************

3)2011年に英文で発表された研究の詳細

掲載誌:Syst Biol Reprod Med. 2011 Aug;57(4):204-9.
タイトル:Effects on rat testis of 1.95-GHz W-CDMA for IMT-2000 cellular phones.
研究者:Imai N, Kawabe M, Hikage T, Nojima T, Takahashi S, Shirai T.

論文の中にある実験状況の図を転載する。

 

 


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81.Hardellらの2007年携帯と精子の研究

記;2020−10−25

以下はEMF Portalのサイトにあった情報

*************************
掲載誌: Int J Androl 2007; 30 (2): 115-122
タイトル:Use of cellular and cordless telephones and risk of testicular cancer.
携帯電話及びコードレス電話の使用
と精巣がんのリスク
研究者: Hardell L, Carlberg M, Ohlson CG, Westberg H, Eriksson M, Hansson Mild K

精巣ガンの症例対照研究に携帯電話とコードレス電話の使用
を組み入れた。
結果は精上皮腫の症例54292%)、非精上皮腫の症例34689%)、対照87089%)からの回答に基づいた。
精上皮
腫について、アナログ携帯電話使用者ではオッズ比(OR)1.295%信頼区間(CI)0.9-1.6)、デジタル電話使用者ではOR1.3CI0.9-1.8)、コードレス電話使用者ではオッズ比OR1.1CI0.8-1.5)であった。

また、非
精上皮腫での対応する結果は、OR0.7CI0.5-1.1)、OR0.9CI0.6-1.4)、OR1.0CI0.7-1.4)となった。
-反応関係はなく、潜伏期に伴うORの上昇はなかった。

ズボンのポケットのような携帯電話のスタンバイ中の保管場所との関連性も見られなかった。

停留精巣は精上皮
腫(OR4.2CI2.7-6.5)、非精上皮腫(OR3.3CI2.0-5.6)の両方と関連したが、携帯電話やコードレス電話の使用との相互関係は見られなかった。
************************

BEMSJ
注:
この研究では精上皮腫にはORの増加が認められ、非精上皮腫にはORの増加は認められない。
この二つの腫瘍の違いは以下に示す。
携帯電話の電波が、特定の細胞にだけ選択的に影響するとは思えない。

注:精上皮腫(seminoma)とは精巣の胚細胞腫瘍の一種。セミノーマとも呼ばれる。
精上皮細胞100%で構成される腫瘍はセミノーマと分類されるが腫瘍内に精上皮細胞があっても精上皮細胞以外由来の腫瘍細胞が混ざっている場合、非セミノーマと分類される。


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82.De Iuliisらの携帯電話による精子の影響2009年研究

記:2020−10−23

以下の研究がある。

1)電磁波の危険性を訴えるグループにおける紹介記事から

*********************
De Iuliis et al. 2009
携帯電話からの電磁波はその周波数と電力密度(電波強度)の双方において、ヒト精子の中のミトコンドリアにおいて活性酸素種の生成を増加させ、DNA付加物の生成や、最終的にはDNAの断片化を促進させることで、精子の運動性や活力を低下させる。

こうした科学的知見は、生殖可能な年令に達した男性が頻繁に携帯電話を使用する場合に、安全性への懸念が出てくること、つまり潜在的に、本人が原因となる不妊や生まれてくる子どもの心身の健康に影響をもたらす恐れがあること、を明白に示している。
********************

2)EMF portalにあった概要

***********************
掲載誌: PLoS One 2009; 4 (7): e6446
タイトル:Mobile phone radiation induces reactive oxygen species production and DNA damage in human spermatozoa in vitro.
携帯電話放射はin vitroでヒト精子細胞に活性酸素種産生及びDNA損傷を誘導する
研究者: De Iuliis GN, Newey RJ, King BV, Aitken RJ

ヒトの男性の生殖機能に対する携帯電話放射の影響については議論されているが、関与するメカニズムが確立されていない。
ヒトの精子は特に酸化ストレスの影響を受け易いことを考慮して、1.8GHzで、SAR0.4W/kgから27.5W/kgの無線周波電磁界曝露の影響を調べた。

その結果、SARの上昇と共に、精の運動率と生存率が低下し、ミトコンドリアでの活性酸素種産生とDNA断片化が上昇したことを報告している。
***************************

3)原著を読んでの補足

・細胞を入れた容器を導波管の中に入れて実験している。

・実験結果の一例を以下に示す。

 

 

Vital Sperm(活性のある精子)の割合が、曝露強度の増加に伴って減少している。
曝露強度はSAR0.41.02.84.310.127.5W/kgである。黒丸は対照群(0 W/kg
統計的に有意な変化がSAR 1.0W/kg以上の曝露で検出されている。


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83.榎本らの携帯電話による精子への影響の研究2013 

記:2010−10−25

1)電波産業会のサイトにあった情報
https://www.arib-emf.org/03report/report2013-1.html

**********************************
2013-1】携帯電話由来の電波が精子に与える影響についての研究
研究目的
従来、ライフスタイルに関連した精巣機能障害が指摘されています。
その主要な要因として、精巣温度上昇をきたす生活スタイル(高温環境下での仕事、座業など)、喫煙、環境中に存在する毒物や内分泌攪乱物質、電離放射線などが考えられていました。
昨今、新しい誘因として、携帯電話の影響が指摘されるようになっています。
そこで本研究では、日本国内で使用されている携帯電話が発する電波と同一強度の電波が、ヒトの精子にどのような影響を与えるのかを調べ、その安全性を検討することを目的としました。

研究方法
正常男性の射出精子について、携帯電話で使用されるW-CDMAシステム類似の電波を用い、実曝露(実際に曝露した場合)と偽曝露(曝露しない場合)による照射をおこない、精子の運動状態および酸化ストレスマーカー(8-hydroxy-2'- deoxyguanosine, 8-OHDG:活性酸素種によりdeoxyribonucleic acid, DNAが損傷された際に生じる物質)について、曝露条件による両者に違いがあるか否かを調べました。

測定回数は、曝露前、曝露終了直後、曝露1時間後、曝露3時間後、曝露6時間後、曝露9時間後、曝露12時間後の合計7回(8-OHDGは、曝露前および終了直後の2回)です。

研究結果
いずれの測定項目についても、実曝露と偽曝露とで有意差は認められませんでした。
過去にW-CDMA類似のシステムを用いた同様の実験研究はなく、W-CDMAシステム類似の電波は精子に有意な影響を与えませんでした。

本研究から派生した論文
Nakatani-Enomoto S, Okutsu M, Suzuki S, Suganuma R, Groiss SJ, Kadowaki S, Enomoto H, Fujimori K, Ugawa Y. Effects of 1950
MHz W-CDMA-like signal on human spermatozoa. Bioelectromagnetics. 2016 Sep;37(6):373-81. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/m/pubmed/27288295/ 
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このサイトでは、曝露条件、曝露量が判らない。


2)EMF Portalのサイトにあった研究の概要

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掲載誌: Bioelectromagnetics 2016; 37 (6): 373-381
タイトル:Effects of 1950 MHz W-CDMA-like signal on human spermatozoa.
ヒト精子に対する1950 MHzW-CDMA様信号の影響
研究者: Nakatani-Enomoto S, Okutsu M, Suzuki S, Suganuma,  Ugawa Y et al;

この研究は、温度制御下での1950MHzW-CDMA様電磁信号(SAR2.0または6.0W/kg)の1時間曝露がヒト精子に与える影響(精子の運動および動力学的変数)について、コンピュータ支援精子分析装置を用いて調べた。
また、DNA損傷を評価するため、8-ハイドロキシ-2'-デオキシグアノシン(8-OHdG)陽性を示した精子の割合をフローサイトメトリで測定した。

その結果、精子運動性、動力学的変数、8-OHdG陽性レベルのいずれにおいても、曝露群と擬似曝露群の間に有意差は観察されなかった。

これまでの何件かの研究報告と今回の研究結果との不一致は、さまざまな曝露状況、湿度、温度制御、ベースラインの精子特性、精子提供者の年齢によって説明できるかも知れない、と報告している。

曝露装置:導波管の中に精子を入れた容器を置いて、精子全体を曝露。

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84.2015年イスラエルのZilberlichtらによる携帯電話と精子の研究

記:2020−10−24

1)エキサイトのニュースにあった情報
https://www.excite.co.jp/news/article/Mogumogunews_13083/
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スマホ使う男性の精子に問題多発 ズボンに入れる人47%で減少傾向
2016
32

スマホの意外な危険性!
スマートフォンを頻繁に使いこなしている男性ほど、その身体から思わぬ悲鳴があがっているようだ。

47%の男性にダメージが  
テクニオン・イスラエル工科大学が、不妊クリニックに通院する男性106人を対象に、1年をかけて綿密に研究を行った。その結果、ズボンのポケットなど、局部からの距離が50cm以内に携帯電話を入れている男性47%において、精子の数の減少及び、質の低下が判明。
電磁波が殺ってしまうわけです!


■長電話する男性もヤバイ
またスマホで11時間以上通話する男性は、1時間未満の男性に比べてソレに欠陥を持っている可能性が、2倍も高いことが確認されたのだ。さらに夜に眠るときも携帯電話を下半身近くに置いている男性にも、大きな影響が出ていることがわかった。

■電磁波が「子」を焼き殺す
研究チームの関係者によれば「よく言われているように、原因はスマートフォンから放出されている電磁波によるダメージによるものだと思われる」。
これまでにも指摘されてきた話だが、あらためて数字を観ると実に恐ろしい。同大学の研究者らはなるべく携帯電話を離しておくことや、使用時間を短くすることを警告している。
文/関本尚子
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2)EMF Portalのサイトにあった研究概要
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掲載誌: Reprod Biomed Online 2015; 31 (3): 421-426
タイトル:Habits of cell phone usage and sperm quality - does it warrant attention?
携帯電話の使用習慣と精子の質:この問題は注目に値するか?
研究者: Zilberlicht A, Wiener-Megnazi Z, Sheinfeld Y, et al;

この研究は男性106人に、質問票調査(人口学的データ、携帯電話の使用特性)と精子分析を実施し、携帯電話の使用特性と精子の質の間の関連を分析した。
その結果、 1時間/日以上の通話および充電中の通話を報告した群では、精子濃度異常の発生率の高さとの有意な関連が見られた、また、保持中の携帯電話の位置が鼠径部から50cm以内と報告した群では、有意ではなかったが精子濃度異常の発生率の高さとの関連が見られた、と報告している。
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3)これだけではわからないので、原著を見る、

Table3 Lifestyle and cell phone usage in relation to sperm concentration.

Characteristic

Categories

Sperm concentration

P-value

Abnormal

n = 34

Normal

n = 45

n (%)

n (%)

Smoking

Never

Ever (current/past)

13 (31.0)

21 (56.8)

29 (69.0)

16 (43.2)

0.021

Total daily talking time

>1h

1h

14 (60.9)

20 (35.7)

9 (39.1)

36 (64.3)

0.040

Talk while charging the device

No

Yes

21 (35.6)

12 (66.7)

38 (64.4)

6 (33.3)

0.020

Distance from groin when not in use

50cm

>50cm

33 (47.1)

1 (11.1)

37 (52.9)

8 (88.9)

NS

NS = not statistically significant.

 

携帯電話の使用時間が1時間以内では精子の異常は少なく、1時間以上では異常が多いという非常に大雑把な解析結果である。
携帯電話を使用している時は、通常耳の近くにあり、携帯電話の電波が睾丸に照射するレベルは低いと思われ、関連性に疑問がでる。

携帯電話を睾丸から離れた所に置くか否かでの解析では、有意な結論は出ていない。
喫煙者は精子の異常が多いということも示されており、携帯電話の使用と喫煙との組み合わせで解析を行わないと、喫煙の影響が大きいのか、携帯電話の使用による影響が大きいのか定かにはならない。

4)英国国立保健サービス(NHS)が「携帯電話使用と精子の質の低下との関連について」声明を発表2016年


以下はJEIC電磁界情報センターのサイトにあった情報
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2016.2.26
掲載

英国の国民保健サービス(NHS)は2016222日付で、不妊の問題があるイスラエルの男性の携帯電話使用と精子の質との関連の可能性についての最近の論文(Habits of cell phone usage and sperm quality - does it warrant attention? http://www.emf-portal.de/viewer.php?l=e&aid=27619)に関して、英国内で誤解を招くメディア報道が見られることから、この問題に関する声明を発表しました。

<ダイジェスト>
この声明の結論の要点は以下の通りです。
・この研究には、既に不妊の問題があり、不妊クリニックで精子の分析を受けたイスラエルの男性80人しか含まれていません。彼らは、携帯電話使用に関する質問にも回答しました。
・この研究は、精子濃度が異常値を示した男性の多くが、携帯電話で毎日1時間以上通話していた、また充電中に通話していたと報告しました。
・携帯電話使用と精子の量や精子の運動性との関連は認められませんでした。精子の形状が異常だった男性は僅か1人だったので、これについては評価できませんでした。
・この研究には幾つかの重要な制約があります。このことは、携帯電話電波と精子の質との間に関連があるかどうか、この研究が言えることは非常に少ないことを意味します。例えば、この男性らが携帯電話で毎日1時間以上通話していた、また充電中に通話していたと報告したとしても、それが時折なのか、何年間もそうしていたのかは不明です。
全体として、携帯電話使用と電波曝露が男性の不妊に悪影響を及ぼす可能性があるかどうかは重要な問題ですが、この研究はそれに回答することはできません。
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84AAitkinらの20052009年研究、携帯電話電磁波曝露と精子

記:2021−10−8

1)はじめに

Micro Wave News
のサイト にあった情報  2009Aug16のニュース
2009−8−17のログ
携帯電話の電波曝露によるヒトの精子の影響 インビトロの試験 

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Keep That Phone Out of Your Trouser Pocket!
Once Again, Australia
s Aitken Sees DNA Damage

あなたのズボンのポケットからその携帯電話を離せ!
オーストラリアのAitkenDNA損傷を再度検出した。

August 16
It's the strongest warning yet.
John Aitken, a well-known fertility researcher, is advising men who want to have children not to keep active mobile phones below their waists. This issue, he says, "deserves our immediate attention."
8
16日、それはいまのところ「最も強い警告」のレベルです。有名な不妊治療研究者のジョン・エイトケンは、子供を持ちたい男性に、電源の入った携帯電話を腰の下に置かないようにアドバイスしています。

この問題は、「我々が即座に注意すべき値がある」と彼は言う。

Aitken's research group at the University of Newcastle in Australia has found that human sperm exposed to mobile phone radiation (1.8 GHz) for 16 hours had reduced vitality and motility, two key indices of fertility.
オーストラリアのニューカッスル大学のエイトケンらの研究グループは、16時間携帯電話の電磁波(1.8 GHz)に曝露された人間の精子が、その活力と運動性を低下したことを見出した。

Notably, he has also confirmed his own previous
study, published in 2005, which showed that RF radiation could lead to DNA damage. In that earlier experiment, he had exposed mice to 900 MHz signals and then looked at the animals' sperm, in contrast to the new study in which he exposed semen collected from human volunteers.

注目すべきは、2005年に発表された「高周波電磁界曝露がDNA損傷につながる可能性があることを示した彼の以前の研究」を再確認したことである。

その以前の実験では、マウスを900MHzの信号に曝露し、動物の精子で見出した結果であったが、対照的に、今回の研究は人間のボランティアから採取した精液を曝露したものである。

The new data show striking dose responses for all three effects over a wide range of SARs
above 0.4 W/Kg and up to 27.5 W/Kg. The changes in motility and vitality became statistically significant at 1 W/Kg and the DNA damage at 2.8 W/Kg. In all cases, the statistical reliability of the effects became much more significant with higher SARs. These new results appear in a
paper published on July 31 in PLoS ONE, a Web-based, peer-reviewed journal.
新しいデータでは、0.4W/Kg以上、最大27.5W/Kgの幅広いSARにわたって、3つの効果すべてに対して顕著な量応答関係を示している。

運動性と活力の変化は、1W/Kg曝露で統計的に有意になり、2.8W/Kg曝露ではDNA損傷を受けた。

いずれの場合も、より高いSAR曝露では効果の統計的信頼性は高まった。これらの新しい研究は、731日にWebベースの査読付きジャーナルであるPLoS ONEに論文として掲載される。

2)原書を見る。2005年の研究

掲載誌: Int J Androl 2005; 28 (3): 171-179
タイトル:Impact of radio frequency electromagnetic radiation on DNA integrity in the male germline.
男性生殖細胞系列のDNA完全性に対する無線周波電磁界の影響
研究者:Aitken RJ, Bennetts LE, Sawyer D, Wiklendt AM, King BV

この研究は、900MHz無線周波電磁界に曝露させたマウスの精巣上体尾部から採取した精子のDNA損傷を調べた。曝露は導波管内で、SAR90mW/kgに、112時間、7日間行った。
精子のDNA損傷は、定量的PCR法およびアルカリ的パルスフィールドゲル電気泳動法で評価した。

その結果、RF曝露群において、精子の数、形態、生存率など全ての評価指標に有意な影響はなかった。
ゲル電気泳動法では、DNAの一重鎖および二重鎖の切断の証拠がなかった。
一方、定量的PCR法では、ミトコンドリアゲノムおよび核βグロビン遺伝子座の両方への有意な損傷が見られた,と報告している。

研究者は、この研究は、高周波電磁波曝露が男性生殖細胞の発達に劇的な影響を与えないが、精巣上体精子に対する有意な遺伝子毒性効果が明らかであり、さらなる調査が必要であると、結論付けている。

Full text1
を読む。
以下は曝露装置と曝露強度

・飼育箱が置かれた導波管内部の曝露強度は、9箇所の測定結果として、X:85V/m、Y軸:30V/mであった。
SAR
は全身平均で90mW/kgと推定。
BEMS注:合成電界強度は90V/mとなり、電力密度は21W/m2=2mW/cm2。曝露基準値は400mW/kgなので、基準以内の曝露>

3)原著 2009年の研究


掲載誌: PLoS One 2009; 4 (7): e6446
タイトル:Mobile phone radiation induces reactive oxygen species production and DNA damage in human spermatozoa in vitro.
携帯電話放射はin vitroでヒト精子細胞に活性酸素種産生及びDNA損傷を誘導する
研究者: De Iuliis GN, Newey RJ, King BV, Aitken RJ

ヒトの男性の生殖機能に対する携帯電話放射の影響については議論されているが、関与するメカニズムが確立されていない。
ヒトの精子は特に酸化ストレスの影響を受け易いことを考慮して、1.8GHzで、SAR0.4W/kg から27.5W/kgの無線周波電磁界曝露の影響を調べた。

その結果、SARの上昇と共に、精子の運動率と生存率が低下し、ミトコンドリアでの活性酸素種産生とDNA断片化が上昇したことを報告している。

Full text
を読むと
・ボランティアから提供された精子を試験管に入れて、曝露装置で曝露したものとおもわれる。
・以下のようなデータが示されている。2W/kg程度のSARの時も、影響が出ている。

 

 

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84BMostafa2012年携帯電話と精子の研究

記:202326

以下の研究がある。

掲載誌:Human Andrology 2012, 2:4955
タイトル:Possible impact(s) of cell phone electromagnetic radiation on human sperm parameters
ヒトの精子パラメータに対する携帯電話の電磁放射の影響の可能性
研究者:Rashad M. Mostafa, Eman A. Elmoemen, Manal S. Fawzy and Abeer M. Hagrasd

Purpose
To determine the hazardous effects of using a cell phone on semen quality in correlation with DNA damage and the release of ROS.
目的:DNA損傷とROSの放出との関連から、精液の質に及ぼす携帯電話使用の有害影響を明らかにする。

Patients and methods
The study was carried out at the Department of Dermatology and Andrology and Cleopatra-IVF center Ismailia, Egypt, on a total of one hundred with infertile men.
被験者と方法:この研究は、エジプトの皮膚科およびアンドロロジー部門およびクレオパトラIVFセンターイスマイリアで、不妊症の男性の合計100人を対象に実施されました。

They were divided into four groups according to their cell phone use: group A: no use (n = 15); group B: less than 2 h/day (n =30); group C: 2
4 h/day (n =25); and group D: more than 4 h/day (n = 30).
彼らは携帯電話の使用に応じて4つのグループに分けられました。グループA:使用なし(n = 15);グループB:2時間/日未満(n = 30);グループC:24時間/(n = 25);およびグループD:4時間/日以上(n = 30)

Semen analyses were carried out using computer-aided sperm analysis both dynamically and morphologically according to WHO.
WHO
の規定従って動的および形態学的にコンピュータ支援精子分析を使用して、精液分析を実施した。

DNA damage and ROS level were assessed using an alkaline comet assay and a thiobarbituric acid assay, respectively.
DNA
損傷およびROSレベルは、それぞれアルカリコメットアッセイおよびチオバルビツール酸アッセイを用いて評価した。

Results
The current study showed that the duration of cell phone usage correlated negatively with the proportion of grade A and grade B sperm motility, but correlated positively with the proportion of grade C and grade D motility. Group D showed an increased ROS level and altered DNA strands in the spermatozoa.
結果:携帯電話使用期間はグレードAおよびグレードBの精子運動性の割合と負の相関が認められたが、グレードCおよびグレードDの運動性の割合と正の相関が認められた。グループDは、精子のROSレベルの増加とDNA鎖の変化を示しました。

Conclusion
Prolonged use of cell phones could have hazardous effects on semen quality in men. Electromagnetic radiation can lead to breakage of DNA strands and elevation in the ROS level.
結論:携帯電話の長期使用は男性の精液の質に有害な影響を及ぼす可能性がある。電磁放射は、DNA鎖の切断とROSレベルの上昇につながる可能性がある。

Full Text
を見る。

データの一例:

BEMSJ注:
不妊症の男性の精子と携帯電話の使用時間との関連性を調べた報告である。
研究からはこの相関があることが判っても、因果関係の立証にはならない。

関心のある方は原著全文を読んでください。

 

 

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85.Fragopoulusらの2010年携帯電話とラットの迷路実験

記:2020−8−1

*以下はEMF Portalのサイトより

掲載誌: Pathophysiology 2010; 17 (3): 179-187
タイトル:Whole body exposure with GSM 900MHz affects spatial memory in mice.
GSM900 MHz
への全身
曝露はマウスの空間記憶に影響を及ぼす
著者: Fragopoulou AF, Miltiadous P, Stamatakis A, et al;

この実験研究は、マウス(Mus musculus Balb/c系統)にMorris
迷路試験(海馬依存性空間記憶作業)の試行を4間(4回訓練試行/日)訓練し、4日目4つ目の訓練試行の後2時間休憩して、空間記憶の評価試行を実施した。

曝露群および擬似曝露群は各6匹。
曝露/擬似曝露は、4
間とも訓練前の1時間、訓練中の試行の間の15分間×3回、訓練後の10分間(最終日は、テスト試行前の2時間)であり、曝露レベルはSAR0.41から0.98W/Kgの範囲のGSM900MHzパルス電磁界。
曝露、迷路実験ともニ
重盲検条件で実施した。

その結果、曝露群は擬似曝露群に比べ、訓練24日目の最初の訓練を評価すると、前日までに獲得した空間記憶能力の維持が弱く(脱出時間と水泳距離が大きい)、また最終評価試行でも目標への優先性を示さなかったと報告している

********************************

Full textを読むと

GSM携帯電話端末を通話モードにして、マウスに曝露
・マウスは6匹、飼育箱の中に入れられている。飼育箱の中でマウスは自由に動く。
・携帯電話端末は、飼育箱に取り付けた。


・実際の端末の使用状態での実験を行うことにした。ラジオ受信機から音を出し、この音で携帯電話を通話状態に維持した。曝露状態、通話モードにおける音声の量に応じて、出力の電界強度値は変化している。
平均値で見れば、0.05から0.2mW/cm2である。
飼育箱の中での電界強度は平均値で23から36V/mSARは実測した飼育箱の電界強度の値から計算して0.41から0.98 W/kgである。

BEMSJ
注;
・ここで36V/mを電力密度に換算すると0.34mW/cm2であり、論文にある0.2mW/cm2と一致しない。
Fig.1で、マーカーは45.51V/mとある、換算すれば5.5W/m20.55mW/cm2 グラフから読み取ると最大値は1.3W/cm2といった曝露電力値になる。
SARの計算は、ラットの体内に誘導する電界強度の値から計算するのが正しい。
空間での電界強度値ではない。よってこの研究者がSARの値は、信頼できない。
・携帯電話の実機を使用しており、電波の発信状態が厳密に制御されていないので、何とも言えないが、この研究は「実機による陽性効果を見出した」ものと言える。

 

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86.Fragopoulouらの2010年携帯電話とマウスの胚の骨変異の研究

記:2020−11−2

以下の研究がある。
EMF Portal
のサイトにあった情報から
***********************
掲載誌: Pathophysiology 2010; 17 (3): 169-177
タイトル:Cranial and postcranial skeletal variations induced in mouse embryos by mobile phone radiation.
携帯電話電磁界によりマウスの胚に生じた頭蓋骨及び頭蓋後部の骨の変異
研究者: Fragopoulou AF, Koussoulakos SL, Margaritis LH

この実験研究は、妊娠5日前から出産までの間、マウスに通常の携帯電話会話モードで発生する電磁界(ケージでの電界強度実測値は30±5V/m)を与えた。
曝露群は、1日当たり6分間の群(7匹)と30分間の群(7匹)であり、擬似曝露した対照群は5匹である。

出産した同腹の仔の一部は歯芽萌出時期まで母マウスの共に過ごさせたが、その他の出生仔(対照群7匹、6分間曝露群20匹、30分間曝露群20匹)はパラフィン固定して軟組織および骨格の異常を調べた。

その結果、曝露群は対照群に比べ、頭蓋骨と肋骨の骨化における変化やメッケル軟骨の変位が見られたこと、歯牙萌出後に調べた同腹の仔は正常な表現型を示したことから、曝露による軽微で一時的な骨化への影響の可能性を報告している。

*********************

Full text
を読むと

GSM携帯電話端末を通話モードにして、マウスに曝露

・マウスは飼育箱の中に入れられている。飼育箱の中でマウスは自由に動く。

・携帯電話端末は、飼育箱に取り付けた。

飼育箱の中での電界強度は平均値で30+/-5V/m

SARは測定した電界強度から計算して0.60.94 W/kgである。

 

BEMSJ注;

SARの計算は、ラットの体内に誘導する電界強度の値から計算するのが正しい。

空間での電界強度値ではない。よってこの研究者がSARの値は、信頼できない。

・携帯電話の実機を使用しており、電波の発信状態が厳密に制御されていないので、何とも言えないが、この研究は「実機による陽性効果を見出した」ものと言える。

 

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87Fragopoulouらの2015年無線機器と線虫の研究


以下の研究がある。
EMF Portalのサイトにあった情報
**************************
掲載誌: Int J Radiat Biol 2015; 91 (3): 286-293
タイトル:Response of Caenorhabditis elegans to wireless devices radiation exposure.
無線装置からの電磁界曝露に対する線虫
の応答
研究: Fasseas MK, Fragopoulou AF, Manta AK, Skouroliakou A, et al;

この研究は、GSM携帯電話・Wi-Fiルータ・DECT無線式電話などの無線装置から放射される電磁界(電界レベルでICNIRPガイドライン値を下回る)を様々な曝露時間で与えた線虫
Caenorhabditis elegans)における影響を調べた。
線虫
は、様々な発達段階での同期集団を用いた。
また、野生タイプ、加齢高感受性
変異タイプ、ストレス高感受性変異タイプを用いた。

結果として、
どの実験条件においても、寿命、生殖、成長、記憶、活性化酸素種、アポトーシス、遺伝子発現に、曝露群と対照群で有意差は見られなかった、と報告している。
*****************

この研究の曝露条件は
1)1900MHz帯のDECT電話機(コードレス電話)

2)2400MHz帯のWiFiルータ

3)1800MHz帯のGSM携帯電話 

510cmの距離に線虫を置く、曝露時間は0.5、1、3、6、24時間

15通りの曝露実験を対照群と比較しながら、実験を繰り返した。

 

曝露の詳細(曝露強度など)が明確になっていないが、実機の近くに線虫を置いて、電磁波の影響は見られなかった、ということ。

 

 

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88.1997 SchillingTV放送電波への事故による急性高曝露

記:2020−10−27

掲載誌: Occup Environ Med 1997; 54 (4): 281-284
タイトル:Effects of acute exposure to ultrahigh radiofrequency radiation on three antenna engineers.
3
名のアンテナ技師に対するUHF
ラジオ周波数照射への急性曝露効果
研究者: Schilling CJ

Abstract
 概要
Three men were accidentally exposed to high levels of ultrahigh frequency radiofrequency radiation (785 MHz mean frequency) while working on a television mast.
3
名はテレビ送信塔で作業中に、UHF帯高周波電磁波(785MHz)に高曝露するという事故にあった。

They experienced an immediate sensation of intense heating of the parts of the body in the electromagnetic field followed by a variety of symptoms and signs which included pain, headache, numbness, and parasthesiae, malaise, diarrhoea, and skin erythema.
彼らは、事故の即座に身体の一部で熱を感じ、続いて、様々な症状が現れた。それらの症状と兆しは痛み、頭痛、しびれ、知覚異常、不快、下痢、皮膚の紅斑などである。

The most notable problem was that of acute then chronic headache involving the part of the head which was most exposed.
最も顕著な問題は、最も多く曝露した頭部の慢性頭痛よりは急性頭痛であった。

概要だけではどの程度の曝露量であったか不明である。

Full Text
を読むと、
・テレビ放送送信塔での作業で、作業は送信アンテナのある高さからは十分離れた低い場所で行っていた。
しかし、高所作業車のリフトの操作を誤って、作業者はアンテナの正面の高さにまで上がってしまった。
そして、高曝露となった。
曝露した時間は50秒から2.5分の間と推定。
曝露量は定かではない、持参していた電波測定器は最大20W/cm2であり、超えていた。
近傍界ということもあって、正確な曝露量は不明である。
ということが判った。


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89.2014Akbariらの携帯電話基地局の電波曝露で酸化ストレスに影響という研究

記:2021−1−9

以下は携帯電話基地局からの電波曝露は、一般的な曝露強度よりは大きいが、電波防護指針値等以下の曝露強度での実験結果では、ラットに酸化ストレスなどの影響があり、この影響はビタミンCによって打ち消されるという研究結果である。

以下はEMF Portalのサイトにあった情報から
*******************
掲載誌: Toxicol Mech Methods 2014; 24 (5): 347-352
タイトル:Vitamin C protects rat cerebellum and encephalon from oxidative stress following exposure to radiofrequency wave generated by a BTS antenna model.
ビタミンCは携帯電話基地局の無線周波の電磁波への曝露で生じる酸化ストレスからラットの脳と小
脳を防御する
研究者:Akbari A, Jelodar G, Nazi S

この研究は、無線周波の電磁波(RFW)が脳および小
脳に誘導する酸化ストレスの評価とそれに対するビタミンCの防御効果をラット(32匹の成獣雄SDラット)で実験した。
影響評価項目
は、組織のグルタチオンペルオキシダーゼ(GPx)、スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)、カタラーゼ(CAT)、マロンジアルデヒド(MDA)である。

ビタミンC投与の有無とRFW曝露の有無を組み合わせた4群(各群8匹)で45
間実験した後、組織標本の酵素活性を測定した。
その結果、RFW曝露群では、対照群に比べ、抗酸化酵素の活性が低下し、MDAが上昇した;RFW+ビタミンC投与群では、RFW曝露群に比べ、抗酸化酵素の活性が改善し、MDAが低下した、と報告した。

研究目的
(著者による)
ラットの精巣での酸化ストレスに対する900MHz電磁界の影響と、これに対するビタミンCの保護効果を調べること。

詳細情報(EMF-Portalによる注記:この論文
で用いられている "encephalon(脳)"は、恐らく大脳のことを意味すると思われる(小脳は別に調べられているため)。

ラットを4群に分けた (各群n=8):
1)RF
曝露群:電磁界曝露と毎日
の擬似投与 (経口、蒸留水),
2)RF
曝露+ビタミンC群:電磁界曝露と毎日のビタミンC投与 (経口200 mg/kg 体重),
3)
ビタミンC群::RF擬似曝露と毎日
のビタミンC投与、
4)
擬似曝露群:RF擬似曝露と毎日
の擬似投与。

曝露を受けた生物:物:ラット/SD 全身曝露

影響評価項目/測定パラメータ/方法
神経系への影響:ラットの小脳および”脳”の酸化ストレス:スーパーオキシドジスムターゼ(スーパーオキシドのテトラゾリウム化合物との反応の抑制)、グルタチオン(市販の検査キット)カタラーゼ(過酸化水素の分解速度)の酵素活性、過酸化脂質量(マロンジアルデヒドのチオバルビツール酸との反応、有量(ローリー法)(分光光度法)HPLC)、総タンパク質含

曝露条件
曝露周波数:900 MHz
RF
曝露時間:4時間/日、45日間連続曝露

曝露電波強度の測定値 電力密度:0.6789mW/cm2
***********************

原著full textを見ると
BTSとは「base transceiver stations (BTSs)」とあり、携帯電話の基地局送信塔のこととされる。
・曝露ゲージと電波発信源アンテナとの距離は、一般的な基地局と近傍の住宅との距離が17mという値があったので、実験では5mに設定した。
・電波発信源は当大学の工学部が自作したものであり、曝露電界強度の測定にはローデシュワルツ性のスペアナを用いた。

4群に分けて実験
1)対照群(疑似曝露:RF曝露なし、ビタミンCもなし)
2)ビタミンCを与え、疑似曝露(RF曝露なし)
3)RF曝露群(RFに曝露、ビタミンCはなし)
4)RF曝露に加えて、ビタミンCを与えた

・曝露後にラットを殺して、脳などの検査を行っているが、「盲検法で行った」という記述は原著には見つからない。

・実験結果のデータの一部

 

 

 

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90.2005Galloniらの 900MH電磁波による耳の機能への影響

記:2021−1−13

 

*以下はEMF Portalのサイトにあった情報

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掲載誌: Bio electromagnetics 2005; 26 (7): 536-547
タイトル:Effects of 900 MHz electromagnetic fields exposure on cochlear cells' functionality in rats: Evaluation of distortion product otoacoustic emissions.
ラットの蝸牛細胞に対する900 MHz電磁界曝露の影響:歪成分耳音響放射の評価
研究者: Galloni P, Lovisolo GA, Mancini S, Parazzini M, Pinto R, Piscitelli M, Ravazzani P, Marino C

この研究は、ラットの蝸牛の機能に対する携帯電話様のマイクロ波電磁放射の影響可能性を評価した。
蝸牛の外有毛細胞(OHC)の状態を表す指標として、歪成分耳音響放射(DPOAE)の振幅を選んだ。
実験プロトコールには、さまざまな周波数(ラットの蝸牛感受性スペクトルの低周波域)、強度、曝露期間を用いた。

DPOAE
検査は、マイクロ波曝露の前、最中、後に実施された。
その結果、マイクロ波曝露によってラット蝸牛の機能の有意な変動の証拠は得られなかった、と報告している。


曝露

パラメータ

曝露1: 936 MHz

Modulation type: CW

曝露時間: repeated daily exposure for 3 h per day for 5 days

 

SAR: 1W/kg average over mass (whole body)

曝露2: 923 MHz

Modulation type: CW

曝露時間: repeated daily exposure for 3 h per day for 5 days

 

SAR: 1W/kg average over mass (partial body)

曝露3: 960 MHz

Modulation type: pulsed

曝露時間: repeated daily exposure for 3 h per day for 5 days

 

SAR: 1W/kg average over mass

曝露4:900 MHz

Modulation type: pulsed

曝露時間:repeated daily exposure for 2 h per day for 5 days per week for 4weeks

 

SAR:2W/kg average over mass

 

***********************


注;耳音響放射とは何か?
以下はとある耳鼻科のサイトにあった情報です。

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耳音響放射:
内耳の聴覚機能を他覚的に評価する検査法です。

正常な内耳からは耳音響放射(OAE: Oto Acoustic Emissions)と呼ばれる微小な音が発生して外耳にエコーが返って(放射して)います。
聴覚に異常があるとOEAの出力レベルが減少したり、検出できなくなります。
1978
年英国のKemp博士により発見されました。

当院での測定法:歪成分耳音響放射検査(DPOAE: Distortion Product Oto Acoustic Emissions);特に内耳の外有毛細胞からのOAEを検出します。機種はダイアテックカンパニー社製タイタンです。
**************************


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91.Bogaらの2014年 電磁波の毒性促進効果の研究

2021−2−12

以下はEMF Portalにあった情報
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掲載誌
: Ecotoxicol Environ Saf 2014; 113: 378-390
タイトル: The effect of 900 and 1800 MHz GSM-like radiofrequency irradiation and nicotine sulfate administration on the embryonic development of Xenopus laevis
アフリカツメガエルの胚発生に対する900および1800MHz GSMの模擬的無線周波放射とニコチン硫酸塩投与の影響
研究者:Boga A, Emre M, Sertdemir Y, Akillioglu K, Binokay S, Demirhan O

この研究は、アフリカツメガエルの胚発生催奇形性)に対する900および1800MHz GSMの模擬的な無線周波放射(RF EMR:全身平均SAR1W/kg:曝露時間468時間)とニコチン硫酸塩(NS)投与の影響を調べた。
その結果、1)
1800MHz例外があったが、RF EMR単独曝露では発生異常が見られなかった: 2)RF EMRNSの組み合わせ曝露では、NS単独曝露に比べて重大な発生異常と胚の死亡が観察された、と報告している。
********************

この概要だけではわかりにくいので、Full Textを読む
1
)電磁波曝露は9001800MHz、計算上のSAR1.0W/kg、曝露時間は4・6・8時間
21800MHzでの曝露での繰り返し実験の結果の一部に影響と思われるデータが含まれているがこれを除けば、電磁波単独曝露による影響は見られなかった。
3
)電磁波単独曝露の影響はなく、NSと電磁波の同時曝露で、影響が見られた。<注:電磁波曝露によるプロモータ作用が見られた、という意味>

4
)実験手順:曝露条件

5)実験状況:

 

BEMSJ注:この写真からは、どの様なダイポールアンテナを、どの様に配置したのかは見えない。>


6)曝露強度:25V/m に設定。
電力計で電力密度を測定し、空間インピーダンス377オームとして電界強度を算出、25V/mとした。
BEMSJ注:ダイポールアンテナから2cmの地点は近傍界で空間インピーダンスは377オームではない。使用したダイポールアンテナが標準的な半波長ダイポールであるとすれば、377オームより低くなり、電波測定器が局所的な電界を測定し、377と仮定して算出した電力密度の指示値を基にしたとすれば、真値は25V/mではなく、数倍も高い値となる。>

7)embryos(カエルの卵)を直径6cmの皿に載せ、1時間毎に90度回転させて、曝露の均一化を図った。

注)硫酸ニコチンとは?
以下はWikipediaの解説

***************
硫酸ニコチンは殺虫剤の一種で、化学式は C10H14N21/2 H2SO4。特異臭のある微酸性褐色液体。有効成分はニコチン。不揮発性で、このままでは殺虫効果は望めず、使用に際して炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、石灰、石鹸などでアルカリ性にしてニコチンを遊離させる。殺虫力は強いが、植物には無害、一方で人畜毒性は高く毒物に指定されている。

速効性で殺卵効果もある。野菜、果樹のアブラムシ、グンバイムシ、スリップスなどの防除に用いられた。毒物で取扱いが難しいことなどから、近年余り使われなくなり、2006年に農薬登録が失効、使用禁止となった。
*********************:

BEMSJ
の中間のまとめ
この実験では、携帯電話の電磁波だけの曝露では影響は見られないが、硫酸ニコチンの毒性が電磁波曝露によって促進される、いわゆるプロモータ作用を見出している。
電磁波曝露条件に疑問があり、曝露電界強度は測定を行っているが、それが正しく行われておらず、研究者の記述にある値より数倍も高い曝露実験だったかもしれない。


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92.Yadavらの携帯電話による細胞の小核形成に影響ありなしの研究のまとめ

記:2021−2−25

以下3件はEMF Portalにあった情報

その1)携帯電話の使用者に影響ありとする研究:携帯電話の使用者か否かで区分

****************
掲載誌: Mutat Res Genet Toxicol Environ Mutagen 2008; 650 (2): 175-180
タイトル:Increased frequency of micronucleated exfoliated cells among humans exposed in vivo to mobile telephone radiations.
携帯電話放射に曝露したヒトにおける剥離細胞での小核頻度の上昇
研究者: Yadav AS, Sharma MK

この研究は、携帯電話放射の曝露を受けた被験者において、剥脱細胞での小核頻度へのインビボ影響があるか否かを調べた。
被験者は85人の携帯電話の規則的使用者と24人の非使用者(対照群)である。

規則的使用者群の携帯電話の一日の平均曝露期間は61.62分、平均使用期間は2.35年であった。
一人の被験者につき頬粘膜から1000個の剥離細胞を採取し、小核(MN)、核融解(KL),核崩壊(KH)broken egg(BE)、二核化(BN)などを検査した。

その結果、規則的使用者群では小核をもつ細胞の数は9.84±0.745、小核の総数は10.72±0.889であったのに対し、非使用者群ではそれぞれ3.75±0.7744.99±0.080であり、両指標とも、両群で有意差があった、などを報告している。

**********************
この論文のfull text読んでみたが、各別追記するようなことはなかった。


2)携帯電話の使用者に影響なしとする研究:携帯電話の使用者か否かで区分

************************
掲載誌: Toxicol Lett 2010; 193 (1): 124-130
タイトル:Micronucleus frequency in buccal mucosa cells of mobile phone users.
携帯電話ユーザの口腔粘膜細胞における小核形成頻度
研究者: Hintzsche H, Stopper H

このボランティア実験研究は、ヒトの口腔粘膜細胞のゲノム不安定性に対する携帯電話使用の影習慣の他に、携帯電話使用に関しては、1週間の使用時間、使用期間、ヘッドセットの利用など。)に回答した。
その結果、1)携帯電話使用歴無し:13名、使用時間が≦3時間/週:85名、> 3時間/週:33名であった;2)携帯電話使用と口腔粘膜細胞の小核形成頻度上昇には有意な関連はなかった、などの所見を報告している。
************************

この研究は1)の研究を受けて、再現性があるかを試みた研究である。


3)携帯電話の使用は影響なしとする研究:携帯電話を使用する側と反対側で電波曝露の影響の有無を調査
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掲載誌: Oral Dis 2012; 18 (8): 786-792
タイトル:Effect of mobile phones on micronucleus frequency in human exfoliated oral mucosal cells.
ヒトの剥離口腔粘膜細胞での小核頻度に対する携帯電話の影響
研究者: Ros-Llor I, Sanchez-Siles M, Camacho-Alonso F, Lopez-Jornet P

研究の目的:
健康な個人の口腔粘膜細胞に対する携帯電話の遺伝毒性作用を調査するため、コホート研究を実施した。

詳細情報:
50
人の被験者の左右の頬から頬粘膜の細胞サンプルを2つ採取した。
通話時に携帯電話を優先的に保持下側の頬を曝露側、反対側の頬を非曝露側と定義した。
細胞サンプルをDAPIで染色し、DNA損傷及び細胞質分裂の欠陥(小核及び二核細胞)、増殖ならびに細胞死を検出するため、顕微鏡下で検査した。

影響評価項目/リスク推定のタイプ
口腔粘膜細胞のDNA損傷及び細胞質分裂の血管(小核及び二核細胞)、増殖、細胞死

曝露集団:
集団 1 ;週当たりの携帯電話使用 0-3時間
集団 2 :週当たりの携帯電話使用 3-6時間
集団 3 :週当たりの携帯電話使用 6-9時間
集団 4 :週当たりの携帯電話使用 9-12時間
集団 5 :週当たりの携帯電話使用12-15時間
集団 6 :携帯電話使用全体 < 5
集団 7 :携帯電話使用全体 5-10
集団 8 :携帯電話使用全体 > 15
集団 9 :携帯電話を好んで保持する顔の側面 右
集団10:携帯電話を好んで保持する顔の側面 左

結論:健康な個人の曝露された頬粘膜細胞サンプルでは、曝露されなかった頬粘膜と比較して、統計的に有意な変化は認められなかった。
著者らは、携帯電話曝露による遺伝毒性作用は認められなかった、と結論付けている。

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93 子供と携帯電話の使用に注目したMibi-kidの研究結果

記:20221231

1)研究結果の公表

以下の発表があった。

*********************
バルセロナ国際衛生研究所(ISGlobal)が MOBI-Kids研究結果を発表
2022.1.17
バルセロナ国際衛生研究所(Barcelona Institute of Global Health: ISGlobal)は2022112日付で、同研究所が主導し、日本を含む14か国において実施した国際的な大規模症例対照研究 "MOBI-Kids" の結果を報道発表しました。

この研究では、子どもおよび若年者(1024歳)の脳腫瘍とワイヤレス電話(携帯電話およびコードレス電話)の使用、特に、これらの電話からの高周波(RF)および超低周波(ELF)電磁界へのばく露との関連を示す証拠はないと結論付けられています。

MOBI-Kids
研究についてのISGlobalからの報道発表の原文は、以下のURLから入手可能です。
https://www.isglobal.org/documents/10179/10088041/NdP+Moviles+y+tumores+cerebrales+120122+ENG.pdf/ff26b844-4194-46c6-a369-6b5e70b718d9

報道発表文
*****************************
-
プレスリリース -
携帯電話とコードレス電話の使用は青少年の脳腫瘍リスクの増加とは関連しない

14
か国のデータに基づく新しい論文は、無線電話(携帯電話および携帯電話)からの電磁界へのばく露と青少年の脳腫瘍との関係に関するこれまでで最大規模の症例対照研究の結果を報告しています。

バルセロナ、2022112- MOBI-Kids国際研究では、14か国の青少年における携帯電話とコードレス電話の使用と脳腫瘍のリスクとの関係を分析しました。
la Caixa」財団が支援するセンターであるBarcelona Institute for Global HealthISGlobal)が主導したこの研究では、脳腫瘍と携帯電話およびコードレス電話の使用、特に、これらの電話からの無線周波(RF)および超低周波(ELF)電磁界へのばく露との関連を示す証拠はないと結論付けました。

モバイル通信デバイスの使用が脳腫瘍のリスクを高める可能性は、特に青少年においてそれらのデバイスの使用の大幅な増加に照らして、ここ数十年で公衆衛生上の懸念が高まっているトピックとなっています。
MOBI-Kids
は、脳腫瘍(ほとんどが神経上皮型、主に神経膠腫)に罹患した約900人の1024歳の青少年のデータを使用して、この可能性のある関連性を研究するために開始された国際的な症例対照研究であり、14か国の1,900人の対照を地域、性別、年齢、診断日について症例にマッチングさせました。
十分な参加者を確保するために、対照は病院(虫垂炎の手術を受けた人々)から採用されました。

参加者は、ワイヤレスデバイスの使用履歴に関する詳細情報を含む質問票に回答しました。
両親はまた、妊娠前、妊娠中、および参加者の生後1年目に受けた可能性のあるばく露について質問票に回答しました。
収集されたデータの妥当性を評価するために、2つの妥当性研究を含むさまざまな方法論的サブ研究が実施されました。

1
つ目は、調査票で報告された通話回数と通話時間を、携帯電話事業者から取得した記録と比較する研究でした。
2
つ目の妥当性研究では、参加者にモバイルアプリケーションを自分の携帯電話にインストールするように求め、4週間にわたってデバイスの使用を記録して調査を行いました。

電話端末からのRFおよびELF電磁界へのばく露は、MOBI-Kidsで開発されたアルゴリズムを使用して計算されました。
Environment International
に発表された本研究は、青少年の携帯電話の使用と脳腫瘍と関連があるという証拠を提供していません。

全体的なデータは、ワイヤレス電話の使用が増えると脳腫瘍のリスクが低下する可能性があることを示唆していますが、「これらの調査結果がワイヤレス電話へのばく露の予防効果を表す可能性は低い」と、ISGlobalの研究者で本研究の責任著者であるGemma Castaño氏は述べています。

それよりも、それらは主に「質問票が、症例や対照自身ではなく、親によって記入されたとき、報告された使用に関する不確実性によって説明されているようです。
診断前のがんの症状も参加者の携帯電話の使用に影響を与える可能性があります。」と彼女は付け加えました。

「本研究はこれまでの青少年の脳腫瘍に関する最大規模の研究ですが、各サブグループの被験者数が少ないため、たとえば特定の期間、特定の年齢層、さまざまな腫瘍の解剖学的な部位については考えられる関連性を評価できない可能性があります。」と研究者は付け加えました。

「したがって、最善の努力にもかかわらず、リスクがわずかに増加する可能性があることを排除することはできません。」
MOBI-Kids
の重要な強みの1つは、腫瘍の位置でのRFによる比吸収エネルギーとELF磁界による誘導電流密度と関連づけて脳腫瘍リスクが分析されたという事実です。

腫瘍部位でのRFおよびELFのばく露量は、電話の使用期間と量だけでなく、腫瘍の位置、電話が放射する電波の周波数帯域、および無線技術にも依存するため、これは重要です。
結果は現在の知識と一致する。
「現在のところ、携帯電話から放出されるレベルの電波が脳腫瘍のリスクを高める可能性がある、という決定的な科学的証拠はありません。したがって、私たちの結果はこれまでに発表された知識と一致しています。」と、ISGlobalにおける放射線プログラムの責任者である研究代表者のElisabeth Cardis氏は結論付けました。

しかし、最近の動物と細胞の研究では、電話から放出される電波に関連する酸化ストレスの増加、および遺伝毒性と遺伝子発現への影響の可能性が報告されています。
2
つの大きな動物研究では、心臓神経鞘腫とグリア細胞腫瘍のリスクが高いことがわかりました。

RF
またはELFが癌のリスクに影響を与える可能性のあるメカニズムの1つは、腫瘍の促進(promotion)または進行(progression)によるものであり、したがって、そうでなければ後で発生したであろう腫瘍の出現を加速させる可能性があります。
「無線電話からの電波と腫瘍との関係を理解するにはさらなる研究が必要であり、これらの発見と移動体通信装置によって放出される無線周波数の考えられる生物学的メカニズムを理解するための研究が現在進行中です。」とCardis氏はコメントしました。
***********************

2)原著論文

掲載誌: Environ Int 2021; 160: 107069
タイトル:Wireless phone use in childhood and adolescence and neuroepithelial brain tumours: Results from the international MOBI-Kids study
小児および若年者のワイヤレス電話使用と神経上皮性脳腫瘍:国際研究MOBI-Kidsからの結果
研究者: Castaño-Vinyals G, Sadetzki S, Vermeulen R, Momoli F, Kundi M, Merletti F, et al:

概要
ここ数十年の間、モバイル通信デバイス、特にワイヤレス電話(携帯電話およびコードレス電話)の使用、とりわけ若年者による使用が大幅に増加していることから、それが脳腫瘍のリスクを高めるかもしれないという可能性が懸念されている。

ワイヤレス電話の使用(特に、その結果としての高周波(RF)および超低周波(ELF)電磁界へのばく露)が若年者における脳腫瘍のリスクを高めるかどうかを調べるため、14か国(オーストラリア、オーストリア、カナダ、フランス、ドイツ、ギリシャ、インド、イスラエル、イタリア、日本、韓国、オランダ、ニュージーランド、スペイン)での症例対照研究MOBI-Kidsが実施された。

2010-2015
年の期間に、10-24歳の脳腫瘍症例899人、および、診断日、研究地域および年齢で症例とマッチングした(虫垂炎の手術を受けた)対照1910人を採用した。
参加率は症例で72%、対照で54%であった。
症例および対照の平均年齢はそれぞれ16.5歳および16.6歳で、57%が男性であった。

大多数の参加者は、最も若い年齢グループでもワイヤレス電話ユーザで、相当数の長期間ユーザ(10年超)が含まれていた:全体で22%20-24歳で51%。大半の腫瘍は神経上皮型(NBTn = 671)で、主に神経膠腫であった。

NBT
のオッズ比(OR)は、特に15-19歳の年齢グループで、ワイヤレス電話の使用開始からの期間、累積通話件数および累積通話時間の増加に伴い低下するように見えた。

腫瘍部位での累積RF比吸収エネルギーおよびELF誘導電流密度の推定値の増加に伴うORの低下傾向も認められた。

更なる分析では、この研究における1未満のORの大多数は、携帯電話ばく露による未知の因果的予防効果を示すものではなさそうであることが示唆された:
これ[1未満のORの大多数]は少なくとも部分的には、近親者による記憶想起の差異、および症例の診断前の電話使用に影響を及ぼす前駆症状によって説明可能である。
但し、著者らが測定しなかった発生源からの残された交絡は排除できない。

全体として、この研究では、若年者におけるワイヤレス電話の使用と脳腫瘍との因果関係の証拠は示されなかった。
しかしながら、上述のバイアスの発生源のため、小さなリスク上昇を排除することはできない、と著者らは結論付けている。

3)この研究に関する論評の例

以下は市民グループの会報にあった事例

*****************
電磁波研会報・第136(2022.5.29発行)
携帯電話などの電磁波と青少年の脳腫瘍関連を調べた国際疫学研究の結果
網代太郎

[1]
の論文に付された図表


研究結果への批判
電磁波による健康影響などについてウェブサイト「Electromagnetic Radiation Safety」で情報発信している、Joel M. Moskowitz(ジョエル・モスコウィッツ)博士(カリフォルニア大学バークレー校公衆衛生学科)は、この研究について「私たちの意見では、データは解釈不能であり、この研究結果は却下されるべきものである」「これだけの資源と時間を費やしたにもかかわらず、若者の無線電話使用による脳腫瘍のリスクについて、MOBI-Kids研究からほとんど学ぶことができないのは残念なことである。

この研究は公衆衛生にとって重要な問題を扱っており、資金の大半が欧州委員会から提供されたものであるため、MOBI-Kidsのデータセットを科学界に提供し、異なる仮定や方法を用いてデータを再分析できるよう、二次分析に供するべきである」とコメントしています。

この研究の問題点として、Moskowitz氏は以下を指摘しています。

@対照群と症例群の参加率の差
研究の参加率は、対照群(54%)を症例群(72%)で大きな差がありました。
このことによって脳腫瘍のリスクの値に下方バイアスがかかっていると思われ、リスクの値の多くが1未満になったことは、これで説明がつくと、Moskowitz氏は述べています。

Moskowitz
氏はあまり詳しく述べていないのですが、たとえば、この研究のように対照群の参加率が少ない場合、携帯電話についてより不安が強い人が参加する傾向が強まり、質問に対して実際より「長めに通話した」と思い出す人の割合が高くなり、そして結果的に、長く通話しているのに脳腫瘍にならなかった対照者が多めに含まれるという偏り(バイアス)が生じた可能性があるというようなことが考えられます。

Aサンプルの少なさ
この研究は当初、患者2000人、対照者4000人を集める計画でしたが、実際は、その半分も集められませんでした。
未成年の脳腫瘍の発生率は、100万人あたり数十人程度のようです。
このような発生率が小さい病気については、それなりの人数を集めなければ統計的な「検出力」(ある影響(この研究の場合は、電磁波が脳腫瘍を引き起こす影響)が実際に存在する場合に、その影響を検出する検査能力)が低下して、はっきりした結果を導くことが難しくなります。
当然、大人数を集めるためにこそ、14カ国で協力体制を組んだのです。

B対照者の選び方
「虫垂炎と診断された若者を対照として用いることが、携帯電話使用者の研究に適した選択であるかどうか、我々は疑問視している。
なぜこの研究では、先行するインターフォン研究のように一般集団からの対照群を含まなかったのか」とMoskowitz氏は指摘しています。

Cより長期の追跡が必要か
この研究で解析された患者671人のうち、約8割の529人は携帯電話の使用期間が10年未満でした。
10年以下では、この若い集団で携帯電話に関連する脳腫瘍が診断されるまでに十分な時間とは言えないかもしれないと、Moskowitz氏は指摘しています。

また、この研究の問題点ではありませんが、携帯電話がスマートフォンへ移行したことが影響した可能性についてMoskowitz氏は言及しています。
以前の携帯電話は電話の上部にアンテナがありましたが、多くのスマートフォンは電話の下部に携帯電話の送信アンテナがあり、頭部ではなく首が強い電磁波に曝されます。
このため、脳腫瘍のリスクが減り。他の腫瘍、特に甲状腺腫瘍のリスクが増加したかもしれないという推測です。



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94.Ha Minaらの2013年携帯電話と子供のADHDの研究

記:20221231

以下の研究がある。

掲載誌: PLoS One 2013; 8 (3): e59742
タイトル:Mobile phone use, blood lead levels, and attention deficit hyperactivity symptoms in children: a longitudinal study
子どもの携帯電話使用、血中鉛レベル、及び注意欠陥多動性障害:縦断的研究
究者: Byun YH, Ha M, Kwon HJ, Hong YC, Leem JH, et al;

この研究は、子供の携帯電話使用と注意欠陥・多動性障害(ADHD)の関連を、鉛曝露による修飾を考慮しつつ調べた。
韓国の10都市の27つの小学校の2422人の児童を調査し(2006年)、その2年後にフォローアップ調査した(2008年)。

両親または保護者に、ADHD評価スケール韓国版、携帯電話の使用および社会人口学的要因に関する質問票への記入をさせ、また児童の血中鉛レベルを調べた。
その結果、ADHDの症状と携帯電話の通話使用に関連がみられたが、その関連は比較的鉛曝露が高い児童に限って見られた、と報告している。
なお、この研究は、韓国の子供の健康と環境の調査(CHEER2005-2010)の一環として実施された。

比較的低いレベルの鉛に曝露された子どもは不注意、認知喪失を有し、ADHDを発症することがあるため、共ばく露として血中鉛レベルを調査した。
子どもの症状を評価するため、2008年及び2010年に親または保護者にADHD評定尺度の韓国語版(K-ARS)を提供した。
18
の質問について0-3の評定(症状の重症度に依存)を用いて、結果を合計した。
スコアの合計が ≥ 19を、ADHD症状が陽性と見なした。

結論(著者による)
携帯電話の所有は2年間で約3倍(2008年には22.7% vs. 2010年には64.5%)、音声通話のための累積使用時間は約2倍(2008年には1.36時間 vs. 2010年には2.33時間)に増加した。
血中鉛レベルの幾何平均は2年間で僅かに減少した(2008年には1.64 µg/dl vs. 2010年には1.60 µg/dl)。
本研究におけるADHDの症状の有病率は、2008年には10.4%2010年には8.4%であった。
ADHDの症状のリスクは音声通話のための携帯電話使用と関連していたが、この関連は比較的高い鉛に曝露された子どもに限定された。
研究者らは、鉛と携帯電話使用からのRFへの同時ばく露が、ADHDの症状のリスク上昇と関連している、と結論付けたが、逆因果関係の可能性も排除できなかった。

BEMSJ注:逆因果関係とは
逆因果関係とは、未来の事象が過去の事象に影響を及ぼすという因果関係の概念である。
つまり通常の因果関係とは逆で結果が先行し、原因が後に起こることになる。

因果関係の有無は、次の3点でチェックできます。
1)まったくの偶然ではないか、(2)交絡因子が存在しないか、(3)逆の因果関係は存在しないか

「松岡修造さんが日本を出ると気温が下がる」などは(1)の典型例でしょう。
2)の交絡因子とは原因と結果両方に影響をもたらす「第三の変数」を指します。交絡因子がある場合に原因と結果の因果関係を正確に読み解くには、また別の手続きが必要です。
3)の逆の因果関係とは原因と結果の設定が逆になっている状態を指します。『「原因と結果」の経済学』では警官の数が多い地域ほど犯罪の発生件数が多いという例を挙げています。この場合に「警官の数が多いから犯罪が増える」と考えてしまうのが逆の因果関係です。

 

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95.Haaralaらの2005年 携帯電話と子供の認知機能の研究

記:2023−1−1

以下の研究がある。
掲載誌: Bioelectromagnetics 2005; 26 Suppl 7: S144-S150
タイトル:Electromagnetic field emitted by 902 MHz mobile phones shows no effects on children's cognitive function
902 MHz
携帯電話による電磁界は小児の認知機能に影響しない
著者: Haarala C, Bergman M, Laine M, Revonsuo A, Koivisto M, Hämäläinen H

この研究は、1014歳の子供の認知機能に対するGSM携帯電話の902 MHz電磁放射の潜在的な影響を調べた。
合計32人の子供(男児16人、女児16人)が、自身と親の同意を得て参加した。
年齢は10-14歳(平均12.1歳、SD 1.1歳)であった。

彼らは、一連の認知テストを、カウンターバランスさせて2回遂行した。
1
回はアクティブな携帯電話、もう1回は非アクティブな電話からのばく露を受けた状態でテストを遂行した。

テストは、成人を対象にした先行研究で使用したものから選択した。

その結果、すべてのテスト一括または個々のテスト単独での分析のどちらにおいても、反応時間および正確性は、携帯電話のオフ状態とオン状態の間で有意差を示さなかった、と報告している。

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96.Bhattらの2017年 携帯電話と子供の認知機能研究

記:2023−1−1

以下の研究がある。

掲載誌: Environ Health 2017; 16: 62
タイトル:Use of mobile and cordless phones and change in cognitive function: a prospective cohort analysis of Australian primary school children
携帯電話およびコードレス電話使用と認知機能の変化:オーストラリアの小学校児童の前向きコホート分析

研究者: Bhatt CR, Benke G, Smith CL, Redmayne M, Dimitriadis C, et al;

一部の先行研究で、子どもの携帯電話/コードレス電話使用と認知機能の発達との関連が示唆されていることから、この研究は、小学校児童のコホートにおいて携帯電話/コードレス電話使用と認知機能への影響との関連を調べた。
ベースライン(2010-2012年)および追跡期間(2012-2013年)に、子どもの社会人口統計学、携帯電話/コードレス電話使用、認知機能についてのデータを取得した。

一連のCogHealth検査およびStroop色文字検査で認知アウトカムを評価した。
携帯電話/コードレス電話での一週当たりの音声通話件数のベースラインから追跡期間までの変化を、「件数増加」と「件数減少/変化なし」に二分化した。

交絡因子について調整し、学校でクラスター化した多重線形回帰分析を実施し、認知アウトカムの変化と携帯電話/コードレス電話ばく露の変化との関連を評価した。

その結果、412人の児童のうち、携帯電話の使用率(ベースラインで31%、追跡期間で43%)よりもコードレス電話(ベースライン、フォローアップで76%)の使用率の方が高かった。
認知アウトカムにおける変化の比較26項目のうち、4項目に有意な関連が認められた。
携帯電話使用の増加は、応答阻害に対する応答時間の大幅な減少、空間的な問題解決に対する誤答の総数の小幅な減少、Stroop干渉課題に対する応答時間の大幅な増加と関連していた。
検出課題の精度における小幅な減少を除いて、コードレス電話使用の増加は認知アウトカムの変化に影響しなかった。
著者らは、小学校児童の携帯電話またはコードレス電話使用の変化が認知機能の変化と関連しているという限定的な証拠が認められた、と結論付けている。



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97.Calventeらの2016年無線周波電磁界曝露と子供の認知機能などの研究

記:2023−1−1

以下の研究がある。

掲載誌: Bioelectromagnetics 2016; 37 (1): 25-36
タイトル:Does exposure to environmental radiofrequency electromagnetic fields cause cognitive and behavioral effects in 10-year-old boys?
環境中の無線周波電磁界へのばく露は10歳の少年に認知的および行動的影響を引き起こすか?
研究者:Calvente I, Perez-Lobato R, Nunez MI, Ramos R, Guxens M, Villalba J, Olea N, Fernandez MF

この研究は、グラナダの「環境と小児期」コホートに属する123人の男児を対象に、住宅周辺での電磁界レベル(100kHz to 6GHz)のスポット測定値と神経認知的および行動的機能(質問紙法検査により評価)との関連を調査した。
男児は、20002002年に出生してコホートに登録され、今回の調査時点で911歳であった。

住宅周辺でのスポット測定値は、電界強度の二乗平均平方根(SRMS)および最大電力密度(SMAX)で表された。
全ての測定値はガイドラインの参考値をより低かった。

SRMS
およびSMAXの中央値で高ばく露エリア群と低ばく露エリア群に分け、神経認知的および行動的機能の各種パラメータの評価スコアとの関連を回帰分析した。

その結果、ほとんどの神経認知的および行動的機能パラメータはばく露と何も関連しなかった;高ばく露エリア群と低ばく露エリア群で多少の差が見られるパラメータもあった(「言語表現/理解力」、「内向化および全体に関する問題」など)が、パラメータが示す認知機能の優劣の方向性に一貫性はなかった)、と報告している。

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98.Karipidisらの2017年学校のWifi曝露強度測定

記:2023−1−1

以下の研究がある。

掲載誌: Radiat Prot Dosimetry 2017; 175 (4): 432-439
タイトル:Exposure to Radiofrequency Electromagnetic Fields From Wi-Fi in Australian Schools
オーストラリアの学校におけるWi-Fiからの無線周波電磁界へのばく露
研究者: Karipidis K, Henderson S, Wijayasinghe D, Tjong L, Tinker R

この研究は、オーストラリアの学校(23校)におけるWi-Fiその他の発生源からの無線周波電磁界(RF)の典型的レベルおよびピークレベルを測定した。

その結果、全てのRF測定値が、確立された健康影響からの防護のための国際的ガイドラインが推奨する参考レベルを十分に下回っていた;教室内の子供の居場所でのWi-FiからのRFの典型的レベルおよびピークレベルはそれぞれガイドライン値の10-4および10-2%であった;教室でのRFの典型的レベルを見るとでは、Wi-Fiとラジオは同等の大きさであり、他の発生源より高値であった;校庭でのRFの典型的レベルは、ラジオ、TV、携帯電話基地局の方がWi-Fiより高値であった、と報告している。


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99.Redmayneらの2016年 子供と携帯電話の研究
記:2023−1−1

以下の研究がある。

掲載誌: Environ Health 2016; 15: 26
タイトル:Use of mobile and cordless phones and cognition in Australian primary school children: a prospective cohort study
オーストラリアの小学生における携帯電話およびコードレス電話の使用と認知:前向きコホート研究.
研究者: Redmayne M, Smith CL, Benke G, Croft RJ, Dalecki A, et al;

この研究は、オーストラリアのメルボルンおよびウーロンゴンの小学校37校の4学年(8-11歳)の小児619人を対象に短い質問票調査、認知タスクおよびストループカラーワードテストを実施し、両親に子供の携帯電話(MP)およびコードレス電話(CP)の使用に関する質問票調査を行った。

回答された1週間当たりのMPおよびCPの通話回数から、非使用者群(通話無し)、少数回群(通話回数中央値以下)、多数回群(中央値を上回る)にばく露分類した。
通話回数中央値はMP2.5回/週、CP2.0回/週であった。

その結果、それぞれの電話使用との統計的に有意な関係が示された認知指標は78項目のうちの5項目であった;MPC Pの多数回群と非使用者群、少数回群との間において、認知タスクの反応時間や正答率に若干の差が見られた;全体的にはMPC Pの使用が認知機能に関連することを示す証拠はほとんどなかった、と報告している。

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100.Eser2012年の椎間板への影響研究

記:2023−2−22

以下の研究がある。

掲載誌:Journal of Neurological Sciences [Turkish]
29:(1) # 30; 092-100, 2012
タイトル:Biochemical Changes in The Intervertebral Discs After Electromagnetic Radiation: An Experimental Study
電磁波曝露後の椎間板の生化学的変化:実験的研究
研究者:Olcay ESER, Ahmet SONGUR, Veli CAĞLAR, Huseyin VURAL, Ergun KARAVELİOGLU, Hakan MOLLAOGLU, Fehmi OZGUNER

Summary
Objective: We investigated the intervertebral discs in a rat electromagnetic radiation (EMR) model to demonstrate that electromagnetic radiation is a cause of degenerative intervertebral discs.
目的:ラット電磁波曝露(EMR)モデルで椎間板を調査し、電磁波曝露が椎間板変性の原因であることを実証した。

Methods: Rats were randomly divided into four groups: group I consisted of control rats, and groups II-IV comprised electromagnetically irradiated with 900, 1800 and 2400MHz.
方法:ラットを無作為に4群に分けた。対照ラットからなるグループIと、9001800および2400MHzの電磁波曝露からなるグループII-IV4グループである。

The rats were placed into a specially designed mechanism, and their heads were exposed to 900, 1800 and 2400 MHz microwaves irradiation for 1 h per day for 2 months.
ラットを特別に設計されたメカニズムに入れ、頭部に9001800、および2400MHzのマイクロ波を11時間2か月間、照射した

The control group rats were placed into same system. The same procedure was applied to the control group while the rats were not exposed to the electromagnetic waves.
対照群ラットを同じ系に入れた。ラットは電磁波曝露がない以外は、曝露群と同じ手順を適用した。

Results: The intervertebral disc Interleukin-1
β levels as well as the total antioxidative capacity (TAC) and total oxidative capacity (TOS) values in the EMR groups (900, 1800, 2400 MHz) were higher than those in the control group (p<0.05).
結果:電磁波曝露群(900, 1800, 2400MHz)の椎間板インターロイキン-1β値,総抗酸化能(TAC)および総酸化能(TOS)値は対照群(p<0.05)よりも高かった。

In the EMR groups, group II intervertebral disc Interleukin-1
β levels and TAC were not significantly different from those in group III (P>0.05).
電磁波曝露群では、第II群の椎間板インターロイキン-1βレベルおよびTACは第III群と有意差はなかった(P>0.05)

Group II intervertebral disc TOS was significantly different from that in groups III and IV (P<0.05).
In the Oxidative Stress Index (OSI) comparisons, group II was significantly different from groups I, III and IV (P<0.05).
グループIIの椎間板TOSは、グループIIIおよびIVのそれとは有意に異なっていました(P<0.05)
酸化ストレス指数(OSI)の比較では、グループIIはグループIIII、およびIVと有意に異なっていました(P<0.05)

Conclusions: Electromagnetic radiation increased the intervertebral disc release of
 inflammatory cytokine IL-1β and oxidative radicals. This process can lead to degeneration of intervertebral disc.
結論:電磁波曝露は炎症性サイトカインIL-1βおよび酸化ラジカルの椎間板放出を増加させた。
このプロセスは椎間板の変性につながる可能性があります。

注:椎間板変性症とは:
腰椎(背骨)の間には「椎間板」と呼ばれる場所があります。椎間板は線維輪と髄核の2層構造になっています。線維輪は線維が交互に組み合わさっており、どの方向に動かされても衝撃を緩和できる構造になっています。髄核は水分で満たされておりクッション機能を助ける働きをしています。
その椎間板が損傷などにより本来の椎間板の形が保てなくなることで変形が始まり、椎間板の機能が低下し腰痛などの症状を引き起こすことを椎間板変性症と言います。
椎間板の症状は主に腰痛が多いとされています。しかし、椎間板に入った亀裂から、椎間板内の髄核が漏れ出して、椎間板ヘルニアとなり、神経を傷つけます。傷がつくことで神経に炎症が生じて、足の痛みや痺れなどの症状が発生します。

Full Text
を読む
・曝露条件:最大電力:2W, 平均電力密度:1.04W/cm2  推定平均SAR1.04W/kg
・送信アンテナはダイポールアンテナ
・プラスチックの筒にラットをいれる。

 

BEMSJ注:
椎間板変性に関する研究であるが、曝露装置の写真を見ると周囲が金属で覆っている。
これではラットの曝露電磁波は金属ケース内で定在波が発生する。
こうした金属ケースの中の電界強度を実測しようとしても測定器のセンサの周囲に金属があり、正確に測定はできない。
もう少しきちんとした曝露装置で、曝露強度を再確認して、再試験が肝要と思われる。

 

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100AEser2013年の研究

記:2023−2−20

掲載誌: Turk Neurosurg 2013; 23 (6): 707-715
タイトル:The effect of electromagnetic radiation on the rat brain: an experimental study
ラットの脳に対する電磁放射の影響:実験研究

研究者: Eser O, Songur A, Aktas C, Karavelioglu E, Caglar V, Aylak F, Ozguner F, Kanter M

この研究は、Wister雄ラットの頭部に90018002450 MHzの電磁界を11時間、2ヶ月間照射し、脳の組織への影響を調べた。
対照群と周波数の異なる3つの曝露群は、各群6匹であった。
曝露時には、ラットをプラスチック管(長さ12cm、直径5.5cm)に入れ、頭部に接近させたダイポールアンテナ(最大出力2W;平均電力密度1.04mW/cm2)を用いて曝露した(平均SAR1.04W/kgと見積もっている)。

その結果、1)曝露群では、前頭皮質および脳幹の組織に変性的変化、細胞質の収縮、暗色の濃縮核が見られた。 2)曝露群では、総抗酸化能が有意に低下し、前頭皮質・脳幹・小脳の総酸化能と酸化ストレス指標レベルが有意に上昇し、脳幹のIL-1βレベルが有意に上昇した、と報告している。

BEMSJ
注:
曝露指針値では全身平均SAR0.08W/kgであり、この実験条件では曝露指針値の13倍の条件下で影響を見出している。
電波防護指針値は900MHzでは0.6W/cm2 であり、指針値を超えている。


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101.Sokolovicらの2008年研究、メラトニンの効果

記:2023−4−2

以下の研究がある。

掲載誌: J Radiat Res 2008; 49 (6): 579-586
タイトル:Melatonin reduces oxidative stress induced by chronic exposure of microwave radiation from mobile phones in rat brain
メラトニンは携帯電話のマイクロ波放射への慢性曝露によりラット脳に誘発された酸化ストレスを減少させる
研究者: Sokolovic D, Djindjic B, Nikolic J, Bjelakovic G, Pavlovic D, Kocic G, Krstic D, Cvetkovic T, Pavlovic V

この研究は、携帯電話に慢性的に曝露されたラットの脳における酸化ストレスの強さを評価し、メラトニンに酸化ストレスおよび脳損傷を減少させる保護的効果の可能性があるか否かを調べた。

携帯電話のテスト機(SAR0.043-0.135W/kg)を用いて、Wisterラットに204060日間の曝露実験を行った。
各実験は、対照群(生食投与群)、メラトニン投与(Mel)群、マイクロ波曝露(MW)群、MW+Mel群の4群で行った。

その結果、1)MW曝露群では、MDAおよびカルボニル基群の著しい増加がみられ、4060日曝露後には、CATの減少とXOの活性増加が見られた、2)メラトニン処置は40日曝露後のMDAレベルとXO活性の増加を阻害したが、CATの減少とカルボニル基群の増加を阻害することはできなかった、と報告している。

Full Text
を見ると曝露状態
The animals were exposed by microwave radiation for 20, 40 and 60 days (4 h/day during light period). The microwave radiation was produced by a mobile test phone (model NOKIA 3110; Nokia Mobile Phones Ltd.) connected to a Communication Test Set PCDK with PC and appropriate software module.
動物をマイクロ波放射に2040および60日間(明期は4時間/日)曝露した。

マイクロ波放射は、モバイルテスト電話(モデルNOKIA 3110;ノキア携帯電話株式会社)PCと適切なソフトウェアモジュールを備えた通信テストセットPCDKに接続された。

Electrical field was estimated by EM field meter AARONIA SPECTRAN HF6080 with E = 9.88 V/m to 18.356 V/m and magnetical field B = 4.68μT to 8.69μT.
The whole-body specific energy absorption (SAR) rate was estimated as 0.043
0.135 W/kg using data for a rotating ellipsoidal model of a rat.
電界強度はEM電界計AARONIA SPECTRAN HF6080によって、E = 9.88V/mから18.356V/m、磁界B = 4.68μTから8.69μTと推定された。全身比エネルギー吸収(SAR)率は、ラットの回転楕円体モデルのデータを使用して0.0430.135 W/kgと推定された。

実験結果の一部を以下に示す。

 


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102Takahashiら、携帯電話と変異原性の研究 2002

記:2023−6−1

以下の研究がある。

掲載誌: Cancer Res 2002; 62 (7): 1956-1960
タイトル:Lack of mutation induction with exposure to 1.5 GHz electromagnetic near fields used for cellular phones in brains of Big Blue mice
Big Blue
マウスの脳での携帯電話用1.5 GHz近接場曝露による奇形の発症はない

研究者: Takahashi S, Inaguma S, Cho YM, Imaida K, Wang J, Fujiwara O, Shirai T

この研究は、1.5GHz電磁界(EMF)の近傍界への曝露に変異原性があるか否かについて、Big Blueマウス(BBM)の脳組織を用いて調べた。
オスのBBMの頭部領域へのEMFの局所曝露(頭部組織でのSARは、2.00.670 W/ kg)を、90/日、5/週で4週間行った。

その結果、1)脳組織に神経膠症または変性病変は病理組織学的に認められなかった、2)擬似曝露群および2つの曝露群の間で、グリア細胞でのKi-67ラベリングおよびアポトーシス指数に明らかな差はなかった、3)脳内のlacI導入遺伝子の独立的な突然変異の頻度に有意な変動はなかった、4)C:GからT:Aへのトランジションの好発部位であるCpG配列におけるそのようなトランジションは全ての群において、そして全ての時点において最も一般的な変異を構成した、5)欠失変異は、擬似曝露群に比べ、高および低EMF曝露群のどちらでもわずかに増加したが、その差は有意ではなかった、と報告している。

これらの知見から、1.5 GHz EMF曝露はマウス脳細胞に対して変異原性ではなく、脳腫瘍発生リスクの増加を引き起こさないことを示唆している、と結論付けられる。

Full Text
を見ると、以下の図のように、ラットの頭部のみが電磁波に曝露するようになっている。

 

 

 

 

 


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102ARamosらの研究:携帯でアルツハイマーに効果2010

記:22668

 

1) 以下の報道があっった。

ttps://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/article/news/14/2131/にあった内容の一部引用

****************

携帯の電磁波がアルツハイマーに効く?

2010.01.06

 

携帯電話が人間の脳に悪影響を与える可能性については何年も前から議論されてきた。

しかし、その携帯電話がアルツハイマー病の進行を抑える可能性があるとする研究が発表された。

何かの間違いではない。

遺伝子操作を施したマウスを利用した今回の研究によって、携帯電話から放射されるマイクロ波が、アルツハイマーの予防に効果があるばかりか、アルツハイマー病様の症状を改善する可能性さえあることが明らかになったのだ。

この研究は、16日付けの「Journal of Alzheimer's Disease」誌に掲載されている。

***************************

 

2)この研究は、以下のEMF-Portalのサイトでも紹介されている。

 

*************

電磁界処理はアルツハイマー病マウスにおける認知障害を防護・回復する

Electromagnetic field treatment protects against and reverses cognitive impairment in Alzheimer's disease mice

研究者:Arendash GW, Sanchez-Ramos J, Mori T, Mamcarz M, Lin X, Runfeldt M, Wang L, Zhang G, Sava V, Tan J, Cao C

掲載誌: J Alzheimers Dis 2010; 19 (1): 191-210

 

この研究は、正常マウス(NT)及びアルツハイマー病様遺伝子導入したマウス(トランスジェニックマウス:Tg)のに携帯電話電磁界ばく露(918 MHz250 mW/kg11時間の曝露を12回)を与え、曝露終了後に認知タスク(水迷路を用いた空間記憶や作業記憶タスク。なお、ばく露前にベースラインタスク実験)を行わせ、また海馬と皮質の組織を分析した。

 

NTおよびTgの幼若マウス24匹(ばく露開始時2月齢程度。ばく露期間は2.5ヶ月、4-5ヶ月、6-7ヶ月)、老齢マウス28匹(ばく露開始時5月齢程度。ばく露期間は2ヶ月、5ヶ月、8ヶ月)を用いた。

その結果、長期のEMFばく露は、Tgマウスの脳のβアミロイドを減少させた;NTおよびTgマウスでの認知タスクの成績を向上させた、などアルツハイマー病に対する非侵襲的、非薬理的治療法の可能性が示されたと結論している。

 

以下 略

******************

 

3)以下はPUBMEDにあった研究論文原文概要

 

*******************

J Alzheimers Dis. 2010;19(1):191-210. doi: 10.3233/JAD-2010-1228.

Electromagnetic field treatment protects against and reverses cognitive impairment in Alzheimer's disease mice

Gary W Arendash 1, Juan Sanchez-Ramos, Takashi Mori, Malgorzata Mamcarz, Xiaoyang Lin, Melissa Runfeldt, Li Wang, Guixin Zhang, Vasyl Sava, Jun Tan, Chuanhai Cao

 

Abstract

Despite numerous studies, there is no definitive evidence that high-frequency electromagnetic field (EMF) exposure is a risk to human health.

To the contrary, this report presents the first evidence that long-term EMF exposure directly associated with cell phone use (918 MHz; 0.25 w/kg) provides cognitive benefits.

Both cognitive-protective and cognitive-enhancing effects of EMF exposure were discovered for both normal mice and transgenic mice destined to develop Alzheimer's-like cognitive impairment.

The cognitive interference task utilized in this study was designed from, and measure-for-measure analogous to, a human cognitive interference task.

 

In Alzheimer's disease mice, long-term EMF exposure reduced brain amyloid-beta (Abeta) deposition through Abeta anti-aggregation actions and increased brain temperature during exposure periods.

Several inter-related mechanisms of EMF action are proposed, including increased Abeta clearance from the brains of Alzheimer's disease mice, increased neuronal activity, and increased cerebral blood flow.

Although caution should be taken in extrapolating these mouse studies to humans, we conclude that EMF exposure may represent a non-invasive, non-pharmacologic therapeutic against Alzheimer's disease and an effective memory-enhancing approach in general.

 

多くの研究にもかかわらず、高周波電磁場(EMF)曝露が人間の健康にリスクをもたらすという決定的な証拠はない。

むしろ、本報告書は携帯電話使用に直接関連する長期EMF曝露(918 MHz; 0.25 w/kg)が認知的利益をもたらすという初の証拠を示している。

EMF曝露による認知保護および認知強化効果の両方が、正常マウスおよびアルツハイマー様認知障害を発症する運命のトランスジェニックマウスの両方で発見された。

 

本研究で用いられた認知干渉課題は、人間の認知干渉課題を基に設計され、測定単位で類似している。

アルツハイマー病マウスでは、長期EMF曝露によりAbeta抗凝集作用により脳アミロイドβ(Abeta)の沈着が減少し、曝露期間中の脳温度が上昇した。

EMF作用には、アルツハイマー病マウスの脳からのAbetaクリアランスの増加、神経活動の増加、脳血流の増加など、いくつかの相互に関連するメカニズムが提案されている。

 

これらのマウス研究を人間に外挿する際は注意が必要であるがEMF曝露はアルツハイマー病に対する非侵襲的かつ非薬物的治療法であり、一般的に効果的な記憶力向上アプローチである可能性があると結論づける。

***********************

 

 

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103Gizmodeにあった携帯とガンの研究結果20249

記:2024−11−9

以下の情報がある

https://www.gizmodo.jp/2024/09/no-link-between-cell-phones-and-cancer.html
にあった内容

******一部 引用 *******

「携帯電話の長時間使用」と「頭部がん」に関連性はありません

2024.09.10 20:00

 

知ってたけど、科学的に証明するのは大事。

 

長らく一部の人によって大声でささやかれてきた「携帯電話の使用と頭部がんに関連性がある」という根拠のないうわさが、広範にわたる科学文献の検証によって「ない」と結論づけられました。

携帯電話と頭部がんに関連性なし

 

科学誌Environment Internationalに掲載された論文は、新たな研究や検証を行なったものではありません。

研究者らは、携帯電話が放出する非電離放射線の一種である無線周波数電磁界(RF-EMF)と一般的な頭部がんとの関連性について、1994年から2022年の間に発表された63件の科学文献の系統的レビューを実施しました。

論文はオープンアクセスのため、誰でも無料で読めます。

 

検証された一般的な頭部がんには、脳と保護膜、下垂体、唾液腺で発見されたものと、小児性の脳腫瘍と白血病が含まれています。

研究費の一部を負担した世界保健機関(WHO)の委託を受けた国際的な医師および医学研究者のチームによると、携帯電話が発する無線周波数電磁界への曝露は、先に挙げた種類のがんのリスク上昇にはつながっておらず、小児脳腫瘍や小児白血病との関連性も認められませんでした。

 

研究は22カ国を対象に実施され、人の頭部に近い場所や、携帯電話の基地局、携帯型トランシーバーや職場の機器から発生する放射線(注;電磁波)など、さまざまな無線周波数電磁界が検証対象になりました。

また、研究では放射線(注:電磁波)に曝露する時間との関連性についても検証しています。

 

その結果、携帯電話をほぼ1日中肌身離さず持っているケースでも放射線(注:電磁波)とがんリスク上昇との関連性は実質的に認められませんでした。

ただ、ひとつだけ例外だったのは、放射線(注:電磁波)を浴びてしまう職業に就いている人たちにおける、脳腫瘍または脊髄腫瘍の一種である神経膠腫でした。

しかし、その神経膠腫も「リスクの著しい上昇」があったわけではなく、累積被曝露線量が増えてもリスクは上昇しないそうです。

(略)

************

 

関心のある方は原文を参照してください。

 

 

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104.Garaj-Vrhovac1991年 7.7GHz帯研究

記:2024−11−28

 

以下の研究がある。

 

掲載誌: Mutation Research - Letters 1991; 263 (3): 143-149

タイトル:マイクロ波にばく露されたV79チャイニーズハムスター細胞におけるコロニー形成能、染色体異常および小核発生率の間の関係

研究者: Garaj-Vrhovac V, Horvat D, Koren Z

 

Abstract   概要

Cultured V79 Chinese hamster fibroblast cells were exposed to continuous radiation, frequency 7.7 GHz, power density 0.5 mW/cm2 for 15, 30 and 60 min.

The effect of microwave radiation on cell survival and on the incidence and frequency of micronuclei and structural chromosome aberrations was investigated.

培養したV79チャイニーズハムスター線維芽細胞を、周波数7.7GHz、電力密度0.5mW/cm2の連続放射線に15分、30分、60分間曝露した。

マイクロ波放射が細胞の生存、小核の発生率と頻度、および構造染色体異常に及ぼす影響を調査した。

 

The decrease in the number of irradiated V79 cell colonies was related to the power density applied and to the time of exposure.

In comparison with the control samples there was a significantly higher frequency of specific chromosome aberrations such as dicentric and ring chromosomes in irradiated cells.

照射されたV79細胞コロニーの数の減少は、適用される電力密度と曝露時間に関連していた。

対照サンプルと比較して、照射された細胞では、二心染色体や環状染色体などの特定の染色体異常の頻度が有意に高かった。

 

The presence of micronuclei in irradiated cells confirmed the changes that had occurred in chromosome structure.

These results suggest that microwave radiation can induce damage in the structure of chromosomal DNA.

照射された細胞に小核が存在することから、染色体構造に生じた変化が確認された。

これらの結果は、マイクロ波放射が染色体DNAの構造に損傷を誘発する可能性があることを示唆している。

 

曝露:7.7 GHz マイクロ波 7.7 GHz

曝露時間: 10, 20, 30 and 60 min

電力密度: 5 W/m² (10 mW/cm² and 30 mW/cm²; culture irradiated in a logarithmical phase of growth)

 

 

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104AGaraj-Vrhovac1992年 1GHz帯研究

記:2024−11−28

 

以下の研究がある。

 

掲載誌: Mutation Research - Letters 1992; 282 (4): 265-271

タイトル:X-rays, microwaves and vinyl chloride monomer: their clastogenic and aneugenic activity, using the micronucleus assay on human lymphocytes

X線、マイクロ波および塩化ビニルモノマー:これらの染色体異常および異数体誘発性:ヒトリンパ球での小核アッセイを用いて

研究者: Fucic A, Garaj-Vrhovac V, Skara M, Dimitrovic B

 

Abstract  概要

Chromosome aberration assays, sister-chromatid exchange techniques and micronucleus assays are commonly used methods for biomonitoring genetic material damaged by chemical or physical agents.

染色体異常アッセイ、姉妹染色分体交換技術、および小核アッセイは、化学的または物理的要因によって損傷を受けた遺伝物質をバイオモニタリングするために一般的に使用される方法である。

 

On the other hand, their aneugenic activity, which can lead to hypoploidy and may also be associated with carcinogenesis, has not been thoroughly investigated.

一方、それらの動脈形成活性は、倍数性を引き起こす可能性があり、発がんにも関連している可能性があるが、十分に研究されていない。

 

In our study we chose the micronucleus assay with a new mathematical approach to separate clastogenic from aneugenic activity of three well-known mutagens (vinyl chloride monomer, X-rays and microwaves) on the genome of human somatic cells.

我々の研究は、ヒト体細胞のゲノム上の3つのよく知られた変異原(塩化ビニルモノマー、X線、マイクロ波)の染色体異常誘発活性と動脈形成活性を分離するため、新しい数学的アプローチで小核アッセイを行いました。

 

The comparison of frequencies of size distribution of micronuclei in the lymphocytes of humans exposed to each of these three mutagens showed that X-rays and microwaves were preferentially clastogens while vinyl chloride monomer showed aneugenic activity as well.

これら3つの変異原にそれぞれ曝露されたヒトのリンパ球における小核のサイズ分布の頻度の比較した結果、X線とマイクロ波が優先的に染色体異常誘発物質であり、塩化ビニルモノマーも同様に動脈形成活性を示すことが判った。

 

Microwave posses some mutagenic characteristics typical of chemical mutagens.

マイクロ波は、化学変異原に典型的ないくつかの変異原性特性を持っている。

 

曝露:マイクロ波

曝露1: 1.25–1.35 GHz

Modulation type: pulsed

電力密度: 10 µW/cm² unspecified (20 mW/cm²; at the working place of the subject.)

 

 

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104BGaraj-Vrhovac1992年 7.7GHz研究

記:2024−11−28

 

以下の研究がある。

 

掲載誌: Mutation Research - Letters 1992; 281 (3): 181-186

タイトル:The correlation between the frequency of micronuclei and specific chromosome aberrations in human lymphocytes exposed to microwave radiation in vitro

インビトロでマイクロ波に曝露したヒトのリンパ球における小核頻度と特定染色体異常との相関

研究者: Garaj-Vrhovac V, Fucic A, Horvat D

 

Abstract 概要

 

Human whole-blood samples were exposed to continuous microwave radiation, frequency 7.7 GHz, power density 0.5, 10 and 30 mW/cm2 for 10, 30 and 60 min.

A correlation between specific chromosomal aberrations and the incidence of micronuclei after in vitro exposure was observed.

ヒトの全血サンプルを、周波数7.7 GHz、電力密度0.51030 mW/cm2の連続マイクロ波放射に103060分間曝露した。

特異的な染色体異常とin vitro曝露後の小核の発生率との間には相関関係が認められました。

 

In all experimental conditions, the frequency of all types of chromosomal aberrations was significantly higher than in the control samples.

In the irradiated samples the presence of dicentric and ring chromosomes was established.

The incidence of micronuclei was also higher in the exposed samples.

すべての実験条件において、すべてのタイプの染色体異常の頻度は、対照サンプルよりも有意に高かった。

照射されたサンプルでは、二心染色体と環状染色体の存在が確立された。

小核の発生率も、曝露されたサンプルで高かった。

 

The results of the structural chromosome aberration test and of the micronucleus test were comparatively analyzed.

The values obtained showed a positive correlation between micronuclei and specific chromosomal aberrations (acentric fragments and dicentric chromosomes).

構造染色体異常試験と小核試験の結果を比較して解析した。

得られた値は、小核と特定の染色体異常(非中心フラグメントおよび二心染色体)との間に正の相関を示した。

 

The results of the study indicate that microwave radiation causes changes in the genome of somatic human cells and that the applied tests are equally sensitive for the detection of the genotoxicity of microwaves.

この研究の結果は、マイクロ波放射がヒト体細胞のゲノムに変化を引き起こすこと、および使用された試験がマイクロ波の遺伝毒性の検出に対して同様に感度が高いことを示した。

 

曝露:7.7 GHz マイクロ波 CW 連続波

曝露時間: 10, 30 and 60 min.

 

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104CGaraj-Vrhovac V1999年 1GHz帯への職業的な曝露の研究

記:2024−11−28

 

掲載誌: Chemosphere 1999; 39 (13): 2301-2312

タイトル:Micronucleus assay and lymphocyte mitotic activity in risk assessment of occupational exposure to microwave radiation

マイクロ波への職業曝露露におけるリスク評価時の微小核アッセイとリンパ球分裂活性

研究者: Garaj-Vrhovac V

 

Abstract  概要

 

The effects of radiofrequency electromagnetic radiation (RFR) on the cell kinetics and genome damages in peripheral blood lymphocytes were determined in lymphocytes of 12 subjects occupationally exposed to microwave radiation.

末梢血リンパ球の細胞動態およびゲノム損傷に対する無線周波電磁放射(RFR)の影響を、マイクロ波放射に職業的に曝露された12人の被験者のリンパ球で調査した。

 

Results showed an increase in frequency of micronuclei (MN) as well as disturbances in the distribution of cells over the first, second and third mitotic division in exposed subjects compared to controls.

結果:対照群と比較して、曝露した被験者の第1分裂、第2分裂および第3分裂における小核(MN)の頻度の増加、ならびに細胞の分布の乱れがあることが判った。

 

According to previous reports micronucleus assay can serve as a suitable indicator for the assessment of exposure to genotoxic agents (such as RFR) and the analysis of mitotic activity as an additional parameter for the efficient biomonitoring.

以前の研究報告によると、小核アッセイは、遺伝毒性物質(RFRなど)への曝露の評価や、効率的なバイオモニタリングのための追加パラメータとしての有糸分裂活性の分析に適した指標として役立つこと示されている。

 

職業的、全身曝露

曝露 1.25–1.35 GHz

曝露時間: 13.3 years

電力密度: 10 µW/cm² minimum20 µW/cm² maximum

 

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104DGaraj-Vrhovac V2011年 海洋レーダへの職業的な曝露の研究

記:2024−11−28

 

掲載誌: Int J Hyg Environ Health 2011; 214 (1): 59-65

タイトル:Assessment of cytogenetic damage and oxidative stress in personnel occupationally exposed to the pulsed microwave radiation of marine radar equipment

海洋レーダ装置からのパルスマイクロ波放射に職業上ばく露された要員での細胞遺伝学的損傷および酸化ストレスの評価

研究者: Garaj-Vrhovac V, Gajski G, Pazanin S, Sarolic A, Domijan AM, Flajs D, Peraica M

 

Abstract 概要

Due to increased usage of microwave radiation, there are concerns of its adverse effect in today's society. Keeping this in view, study was aimed at workers occupationally exposed to pulsed microwave radiation, originating from marine radars.

マイクロ波放射の使用量の増加により、現代社会ではその悪影響が懸念されている。

これを考慮して、研究は、海洋レーダから発生するパルスマイクロ波放射に職業的にさらされている労働者を対象とした。

 

Electromagnetic field strength was measured at assigned marine radar frequencies (3 GHz, 5.5 GHz and 9.4 GHz) and corresponding specific absorption rate values were determined.

電磁界強度は、割り当てられた海洋レーダ周波数(3GHz5.5GHz、および9.4GHz)で測定され、対応する比吸収率の値が決定された。

 

Parameters of the comet assay and micronucleus test were studied both in the exposed workers and in corresponding unexposed subjects.

コメットアッセイと小核テストのパラメータは、曝露した労働者と対応する非曝露被験者の両方で研究された。

 

Differences between mean tail intensity (0.67 vs. 1.22) and moment (0.08 vs. 0.16) as comet assay parameters and micronucleus test parameters (micronuclei, nucleoplasmic bridges and nuclear buds) were statistically significant between the two examined groups, suggesting that cytogenetic alterations occurred after microwave exposure.

コメットアッセイパラメータと小核テストパラメータ(小核、核小形橋梁、核芽)としての平均尾部強度(0.671.22)とモーメント(0.080.16)の差は、調査した2つのグループ間で統計的に有意であり、マイクロ波曝露後に細胞遺伝学的変化が起こったことが示唆された。

 

Concentrations of glutathione and malondialdehyde were measured spectrophotometrically and using high performance liquid chromatography.

グルタチオンとマロンジアルデヒドの濃度は、分光光度法および高速液体クロマトグラフィーを使用して測定された。

 

The glutathione concentration in exposed group was significantly lower than in controls (1.24 vs. 0.53) whereas the concentration of malondialdehyde was significantly higher (1.74 vs. 3.17), indicating oxidative stress.

曝露群のグルタチオン濃度は対照群よりも有意に低かった(1.240.53)。一方、マロンジアルデヒドの濃度は有意に高かった(1.743.17)、酸化ストレスが示された。

 

Results suggests that pulsed microwaves from working environment can be the cause of genetic and cell alterations and that oxidative stress can be one of the possible mechanisms of DNA and cell damage.

結果:作業環境でのパルスマイクロ波曝露遺伝的および細胞的変化の原因である可能性があり、酸化ストレスがDNAおよび細胞損傷の可能性のあるメカニズムの1つである可能性があることを示唆している。

 

 

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以下は情報コーナー

 

 

アメリカFDAから携帯電話の見解 2001

 

アメリカのFDA(医薬品や食料品等の安全性に非常にうるさい政府機関)が718日に携帯電話の電磁波に関して消費者向け案内をだしました。
「 Consumer Update on Wireless Phone」という文書です。

詳細は 下記URL開いてください。
http://www.fda.gov/cdrh/ocd/mobilphone.html
 

概要は 
*現在の科学的な確証から携帯電話の電磁波が健康に影響を与えているとはいえない。
しかし、100%完全に安全であるということもいえない。 


*中継塔からの電磁波の問題は、携帯電話のハンドセットからの電磁波の千倍の弱さである。
この見解は中継塔に関しては述べない。 

2000年に英国から「子供の不要な携帯電話使用を避けるべき」という報告が出されたが、これはあくまでも「予防措置」であって、健康影響があるという科学的な証拠に基づいている訳ではない。
英国の報告も携帯電話の使用が脳腫瘍やその他の疾病の原因となるという証拠は無いといっている。

です。 

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*携帯電話の電磁波に関して国会議員からの要請によってまとめられたアメリカGAOの報告書 20016月発行


原本:United States General Accounting Office発行
Report to Congressional Requesters
TELECOMMUNICATIONSResearch and Regulatory Efforts on Mobile Phone Health IssuesGAO-01-545 May 2001

このPDFファイル(40ページを超える)を一読して、興味を持った点を、以下に抜書きした。
    作成:2005−7−30

このレビューは携帯電話から発射される無線エネルギーによる健康影響に焦点を当てた。
携帯電話基地局からの電波に関しても、医療機器への影響も、車を運転中の携帯電話使用による安全問題には触れない。

FDA
、WHO、その他の健康関連機関の総意としては、現在までの研究では携帯電話から発射される無線エネルギーによる健康影響があることを示していない、しかし、同時に、リスクがないと結論付けるには十分な情報がない、となっている。

FDA
はWEBサイトに「携帯電話に関する消費者向け最新情報」という短い情報を掲示している。この情報の日付は19991020日であり、現在の科学的な確証では、携帯電話の使用に伴って異常な健康影響があることを示していない、と。

この「最新情報」は1999年以降、改版されていない。結果として、マスメディアで報じられたり、報告されたりしている重要で最新の研究の重要性に関して論及していない。

FCCの消費者向け情報サイトは改善すべきである。

結論:今日までの科学研究では、携帯電話から発射される無線周波数エネルギーによる健康への悪影響があることを示してはいない。
しかい、いくつかの研究結果では更なる研究が必要であることを示す疑問を呈している。
携帯電話の電波輻射が人の健康に影響を与えないという最終的な結論に達するには、数年先になるであろう。


GAO
事務局のコメント: FCCは健康と安全に関する官庁ではないということをここで強調しておく。

 関心のある方は、原本を入手して読んでください。

 

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*ニュース報道が正確ではない事例:カナダ保健省の見解2011

記;2013−4−18

1
)日本語のサイトにあったカナダの情報

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111007-00000006-xinhua-int
 にあった内容
********** 一部 引用 ***********
カナダ衛生省 携帯電話の電磁波対策を国民に呼びかけ
毎日中国経済 107()1225分配信
【新華社バンクーバー10月6日】

携帯電話から発せられる電磁波ががんを発病させる可能性があるという研究報告が発表されたことを受け、カナダ衛生省はこのほど、携帯電話を使用する際は電磁波の影響を抑える有効な措置をとるよう注意を呼び掛けた。特に子供を持つ親に対し、子供の携帯使用時間を制限するよう求めた。
(略)
これを受けてカナダ衛生省は、◆通話時間を控える、◆通話の代わりにメールを使用する、◆ハンズフリー機能を使用する――などの措置を携帯ユーザが行うことを推奨する。
また18歳以下の子供を持つ親に対し、子どもの携帯電話の使用時間を減らすよう指導することを特別に呼びかけた。
ただ同省は、「携帯電話が子どもの健康に影響を与える潜在的リスクがあるという論説は、科学的な論証に欠ける」と前置きしている。

同省は、人体が受ける無線電磁波の安全許容量に関するガイドラインを策定し、一般人が受ける電磁波を、人体の健康にマイナスの影響をもたらすとされる限界値の50分の1以下にとどまるよう提案している。
より確実なガイドラインを確定するよう、専門家がこの分野の研究を進めており、来年、ガイドラインの内容を更新する予定だ。
******************************

2
)同じニュースがカナダのCBCで報じられていた。 

http://www.cbc.ca/news/health/story/2011/10/04/cellphone-calls.html
にあった情報
2011−10−7のログ

*********** 一部 引用 ********************** 
Cellphone call limits suggested by Health Canada
カナダ保健省は携帯電話の使用制限を提唱
Posted: Oct 4, 2011 5:07 PM ET
  Last Updated: Oct 5, 2011 8:38 AM ET

Parents should encourage children under 18 to limit the time they spend talking on cellphones, Health Canada said Tuesday in new advice on mobile phone usage.
カナダ保健省は携帯電話の使用に関する新しいアドバイスで、親は18歳以下の子供は携帯電話の使用を制限することを促進すべきと、語った。

The guidance is a nuanced change from previous advice, which suggested that
people could limit their use of cellphones if they were concerned about an unproven suggestion the devices increase one's risk of developing brain cancer.
ガイダンスは、これまでのアドバイスからニュアンスを変更したもので、携帯電話によって脳腫瘍になるリスクは未確定な提案であるが、もし気にするのであれば、人々は携帯電話の使用を制限することができると、提唱した。
BEMSJ注:「できる」は、保健省が「行うべき」とか「行え)というのではなく、このアドバイスを受け取った一般の人々が、「自分の意志で選択することが可能」という意味である。)

Health Canada says more research needed
Health Canada says the data suggesting the link is far from conclusive and more research is needed.
カナダ保健省は、携帯電話と脳腫瘍の関係を示すデータは結論を出すには全く不十分で、さらなる研究が必要である、と語った。

But in light of the shift, the department decided it should tweak its advice on cellphone use, especially as it relates to children.
しかし、保健省は少しだけ方針を変えている、特に子供の携帯電話の使用に関しては。

(略)
"Not much has changed," McNamee added. "The advice to Canadians is largely the same.
The science hasn't really changed. Health Canada's just being a little more proactive on this, in a nutshell."
「大きくは変えていない」McNameeは続けて「カナダ人へのアドバイスは殆ど同じである。科学は本当に変わってきてはいない。カナダ保健省は、極めて簡潔に言えば、少し能動的になった」と語った。
************************
関心のある方は、原文を入手して読んでください。

このカナダのCBCの報道はかなり厳密と言える。

3
)カナダ保健省のアドバイスの原文から

そこで、カナダ保健省の原文を入手して読んでみた。
************** 一部 引用 ***********
Safety of Cell Phones and Cell Phone Towers
 携帯電話と携帯電話基地局の安全性
Updated:
 October 2011  改訂:201110

Health Canada is in agreement with both the World Health Organization and IARC that additional research in this area is warranted.
カナダ保健省はWHOIARCが継続した研究が必要であるということに合意する。

Although the RF energy from cell phones poses no confirmed health risks, cell phone use is not entirely risk-free.
携帯電話からの高周波電磁界が健康リスクはないように見えるが、携帯電話の使用がまったくリスクがないともいえない。

With respect to cell phone towers, as long as exposures respect the limits set in Health Canada’s guidelines, there is no scientific reason to consider cell phone towers dangerous to the public.
携帯電話の基地局に関しては、曝露はカナダ保健省のガイドラインに規定した制限値に合致しており、携帯電話基地局が一般公衆に危険であると考える科学的な論拠は存在しない。

Health Canada reminds cell phone users that they can take practical measures to reduce their RF exposure by:
limiting the length of cell phone calls
カナダ保健省は携帯電話の使用者に、高周波電磁界への曝露を減らす実用的な手法として、以下のことがあることを、注意する。
・携帯電話の使用時間を短くする。

Health Canada also encourages parents to take these measures to reduce their children’s RF exposure from cell phones since children are typically more sensitive to a variety of environmental agents.
カナダ保健省は、また、子供は様々な環境因子に対してより感受性が高いので、子供の携帯電話の高周波電磁界曝露を減らすために親が対応策を取ることを、奨励する。

Precautions to limit exposure to RF energy from cell phone towers are unnecessary because exposure levels are typically well below those specified in health-based exposure standards.
携帯電話の高周波電磁界曝露を制限するという予防原則は、不要である。なぜならば、曝露レベルは健康に基づく曝露限度値に対して十分に低いからである。

***********************
関心のある方は、原文を入手して読んでください。

1
)に紹介した日本語の記事が、かなりカナダ保健省の見解と、かけ離れた形で、報道されているかが判ります。
大事なことは、やはり、原文、1次資料にさかのぼることであると、言えます。


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携帯電話のハンドセットのアンテナからの電波の強さの推定

1部修正:2013−8−27

 

携帯電話のハンドセットから発信される電磁波(電波)は、発信電力が0.8W程度と微弱であっても、アンテナの近傍ではかなり強い電界強度となっている。
 

 EZNECというアンテナ数値解析ソフトを用いて、周波数900MHz、電力を簡便にするために1W、アンテナは10.7cmの長さで、直径は1mmとした。
モノポールアンテナとしての解析である。
アンテナの送信損失はないものと仮定、このアンテナは周囲に何もない自由空間に置かれたと設定して、アンテナからの距離1cmの地点から1mの地点まで電界と磁界を計算した。その結果を下の図に示す。E V/mと記した太線が電界強度を示し、M A/mと記した点線が磁界強度を示す。
 

 この計算では、1m離れても電界強度は7V/m程度の強さであり、6cmより近い距離では急激に大きな電界強度となる。
医用機器などは外部から3V/mを越える強い電界がノイズとして入ってくると誤動作する恐れが発生する。
医療機器の誤動作問題で社会が騒いだのは、この携帯電話のアンテナから発信される近距離で強い電波によるものである。
 

 アンテナから磁界も発信するが、磁界強度は距離に逆比例している。1pの距離では約1A/mの強さであり、換算すれば1.2μT(12ミリがウス)となる。
 

 この図はきわめて理想的な状態での解析で、実際のアンテナの時には損失分があってアンテナに供給する電力は低下し、またアンテナの近傍に人体があれば、アンテナの送信能力も変化し、人体に電波の一部が吸収されるので、かなり低い値の電界強度になると思われる。

  

電界強度: E V/m   磁界強度: M  A/m


上記図の中から、アンテナから10cm以内の電界強度と磁界強度、空間インピーダンス、電力「密度、そして空間インピーダンスを377オームと仮定して電界強度から計算を行なった電力密度の数値を以下の表に示す。

 

距離

電界 E

磁界 M

空間インピーダンス

電力密度

電力密度 E*E/377

cm

V/m

A/m

ZEM

P=EM (W/m2)

W/m2

1

2494.9

1.1155

2236.6

2783.1

16510.7

2

642.1

0.6278

1022.8

403.1

1093.6

3

289.5

0.4462

648.8

129.2

222.3

4

164.1

0.3513

467.1

57.6

71.4

5

105.2

0.2921

360.2

30.7

29.4

6

73.8

0.2512

293.8

18.5

14.4

7

61.2

0.2209

277.0

13.5

9.9

8

56.5

0.1974

286.2

11.2

8.5

9

53.0

0.1785

296.9

9.5

7.5

10

49.9

0.1630

306.1

8.1

6.6

近傍界で空間インピーダンスが377オームと異なっているので、電界の値から空間インピーダンス377オームと仮定して電力密度を求めることは正しくないことがこの表からも明らかである。

 

これらの計算は、ハンドセットのアンテナの周囲に何もない状態で行なっている。
アンテナに近接して人の頭部や体の一部があれば、ハンドセットのアンテナの送信機能は大きな影響を受けて、電波を発信できなくなる。
頭部がアンテナに近接することによって、電界強度は頭部表面部にエネルギーが吸収されて、頭の深部には大きなエネルギーは到達しない。
従って、上記の表のような電界強度の数値が実際の使用の局面では発生しないと思われる。


携帯電話のハンドセットだけを医療機器に近接させた場合は、上記の結果(自由空間での推定結果)に近い状態になると思われる。
10cm以内では50V/mと言った大きな電界強度となり、医療機器が誤動作する恐れが出てくる。

近傍における磁界強度も決して小さくはない。参考までに、ICNIRPの1998年ガイドラインでは、一般公衆への900MHz曝露限度は、0.11A/mである。
ICNIRP
の規定は、頭部がこうした曝露を受けるとすれば、空間平均をとることになっているので、局所値で比較することはできない。
近傍における磁界の影響は、要確認と思われる。

BEMSJ
のもつEZNECでは人体頭部と言った電波を吸収する物体を置いた状態では、解析できない。
アンテナに頭部が近接し、電界は頭部表面部でのみ大きくなり、エネルギーは吸収され、深部には到達しない。しかし、これらの状態は近傍界であり、この近傍界における磁界強度がどの程度か???? 要確認と思われる。

 

 

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携帯電話ハンドセットからの電波曝露研究


携帯電話からの電磁波の研究報告の中に面白いデータがありました。 


文献は
研究者: Q. Balzano et al:
論文名: Electromagnetic Energy Exposure of Simulated Users of Portable Cellular Telephones.
掲載雑誌名: IEEE Transaction on Vehiccular technology Vol 44,  No.3  Aug. 1995  です。

これによれば、携帯電話の送信アンテナをきちんと伸長した時と、中に畳み込んでしまったままで送信した時に、頭の部分で受ける電波の強さに違いがあるというものです。

アンテナを伸長した時  頭の部分の電波を受ける強さ 1.1mW/g 
アンテナをたたんだままでは 頭の分の電波を受ける強さ 1.8mW/
2倍近い差異があります。

いずれも現在の電磁波曝露基準には合致している と。

この例はアメリカの例なので、日本の携帯電話にそのまま当てはまるかは不詳です。

でも、アンテナはきちんと伸長して使用したほうが、電波の発信も良いでしょうし、正しい、好ましい使用法かも知れません。

この論文を読んでから、外出時に携帯電話を使用している人が、アンテナをきちんと伸ばしているか、いないかを見てみました。
二人に一人、もしくは3人に一人はアンテナを伸ばしていませんでした。

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携帯電話ハンドセットからの電波曝露規定

ICNIRPInternational Commission on Non-Ionizing Radiation Protection国際非電離放射線防護委員会の規定
(非電離放射線からの人体防護推進のために1992年に設立.世界的に認められている.)
各国の電波防護指針などはこれに基づくものが多い.

 


基本制限値 (basic restrictions

カテゴリー

周波数

全身平均SAR (W/Kg)

局所SAR

(頭部・体幹)

局所SAR

四肢)

職業Occupational

100KHz 〜 10GHz

0.4

10

20

公衆 Public

100KHz 〜 10GHz

0.08

2

4

 

多くの国で、携帯電話のハンドセットからの電磁波(電波)曝露規定として、SAR2W/kgという規定を設けているのはこの規定による。

携帯電話のハンドセットから頭部SAR規定

携帯電話ハンドセットからの電磁界による健康影響を不安視する声が多いことから、各国ではSARの規制を実施。 地域によって微妙な差異がある。

 地域・規格

SAR

アメリカ

1gあたり1.6W/kg

欧州・日本

10gあたり2W/kg

TCO 01

10gあたり0.8W/kg

     注; TCOはスウェーデンのTCO Developmentという民間会社が提唱している規格。
        その他は、国もしくは地域の規格

 

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中国の携帯電話SAR規制の動き 


中国では携帯電話ハンドセットからのSAR規制値をICNIRPの2W/kg、アメリカの1.6W/kg等に対して、
1W/kgというような厳しい規定を作るという動きがありました。

中国として、独自の立場で行くか、ICNIRP等の国際的な基準に調和を計るかもめたようで、欧州に調査団を派遣し、調査を行った模様です。
その調査報告書の英文を入手しました。
詳細は原文を読んでもらうとして、 興味のあるポイントだけを以下にまとめて見ました。
この報告書を見れば、国際的な水準に対して、闇雲に厳しい規定を作ることはやるべきではなく、中国も国際水準に調和することになりそうです。

   
*************          **************
Report on visit to observe European standards and regulations for electromagnetic radiation
 
   16 October 2002 

Nokia recognizes that the ICNIRP values should be followed in setting standards for electromagnetic radiation, and that integration and harmonization with the WHO standards should be achieved.
ノキアとしては、ICNIRPガイドリアン、WHOの規定に従うことを推奨。

The WHO at present completely accepts the ICNIRP standard limits, although there are some aspects can be improved.
WHOとしては、まだ改善の余地はあるが、現時点では完全にICNIRPのガイドラインを受け入れる。

According to the analysis by the ICNIRP experts, it is unlikely the limits will be revised within the next 2 to 3 years, 
ICNIRPの専門家の解析によれば、ICNURPのガイドラインの限度値を、この2、3年内に改正することは、はほとんどありえない。 

4. Recommendations 
The current national standard draft should be revised.  If any government department recommends against adopting the ICNIRP standards, that department should provide the relevant scientific data and evidence, and sufficiently explain its reasons.
 

の調査団の結論(推奨)
現行の国家規格は修正すべき。いずれの国家機関もICNIROの規定を受け入れることに反対する場合は、その国家機関は科学的なデータと確証を示し、十分な説明を行わなければならない。

詳細を読みたい方は、この原文の報告書を入手してください。

 

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 TCOの携帯電話規

TCOの携帯電話規定の紹介です。

TCO
はスウェーデンの労働組合総連合が設立した民間の会社ですが、規格を制定したりすることをビジネスとしています。
スウェーデンのTCOから以下の規格書が届いています。 
「TCO‘01 Certification of Mobile Phones」 です。 

電磁波の関係では、入手してまだこの部分しか読んでいないのですが 
携帯電話からのSARに関しては アメリカは1g当たりで1・6W/kg、欧州では10g当たりで2W/kgという2種類の規定があるので、 TCOとしては、より厳しい方を採用する事としてアメリカを採用したと、記載されています。

そして、アメリカの方法と概略が同じになるようにとして、10gあたり0・8W/kgという数値をTCOの規定としているようです。 

単純に考えれば、欧州の規定をTCOは単に数値を、いつものTCOのやり方で、欧州のSAR 10gあたり2W/kgを半分以下の0・8W/kgにした ということもできます。 

TCOは過去の規格制定方針を眺めて見ると、国際的な規定や流れを見て、それより厳しい数値を、より好ましい方にする という観点からいつも、厳しい方向に規定することを提案してきています。これがTCO会社の独自性を発揮する点でもあるようです。) 

また、携帯電話のハンドセットから本当に通信に有効な電波が十分に出るようにという趣旨のテストと数値が規定されています。 

携帯電話ではSARはできるだけ低く、通信に有効に使用できる電力はできるだけ大きく という要求の様です。

(この考えは正しいといえます。) 
詳しくはこの規定書を読んでください。

 

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* SAR値の相関

 アメリカの規定は、より局部的な場所でも電波を吸収して熱にならないように、日欧の規定は、熱の上昇はあまり局部的でも意味がないとして10gあたりのSARで規定している。 例: 10gの部位gがあり、1g目は2.0W/kg、その他の9gの部位が仮にゼロW/kgであったとすれば、10gの平均したSARは0.2W/kgに過ぎない。

さて、「英国2001年携帯電話電磁波防護グッズの評価報告書」では、防護グッズの評価に際して、SARを測定している。
同じ条件で1gあたりのSARW/g)と、10gあたりのSARW/kg)を測定し、それらのデータがすべて報告書に記載されている。 
このデータから相関データをとって見たのが、下の図です。
  

 

このカーブから 1gあたり2W/kgは10g当たり1.5W/kgに相当する。
アメリカのSAR 1gあたり1.6W/kgは、従って10gあたり1.2W/kgに相当する、 といえることが判った。

アメリカのSARは 日欧のSARを単純に比較すれば、2/1.2=1.66倍厳しい。
 TCOの規制はアメリカより1.5倍厳しいことになる。

 

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イヤホンによる電波曝露対策の効果 <イヤホン効果の頁に転記済>

英国の電磁波防護グッズ効果検証報告にもあるが、イヤホン・マイクを使用した場合の電磁波曝露対策の効果に関して、EZNECという数値解析ソフトを用いたシミュレーション結果を紹介する。

大地(数値解析ソフトの条件;Perfect Ground)上1.5mの所に耳があると想定、1.5mから鉛直に大地上90cmのところまで長さ60cmのイヤホン線(数値解析上は直径1mmの1本の線と想定)が下がり、携帯電話に接続、携帯電話のアンテナは大地上85cmの地点から75cmの地点までの10cmの長さ(直径1mm)と想定した。

解析の簡便法として、携帯電話にイヤホンを取り付けて、下にぶら下げた形式とした。
周波数は900MHzで代表させた。 携帯電話の送信電力は0.8Wとした。 
電波の強さは、イヤホン線と携帯電話のアンテナだけがあるという条件で計算した。 
傍に人体があると大きくこれらの電波の強さは影響を受けるが、解析ソフトはそうした影響に対応できていないので、現実とは若干 乖離している可能性がある。
アンテナ線などから10cm水平に離れた地点の電界強度を計算した。


イヤホン線がなく、大地上1.5mのところに携帯電話がある時、10cm水平に離れた地点での電波の強さ(電界強度)は45V/mである。

計算結果を下図に示す。
この結果から、イヤホンで耳から離せば、耳の位置では電界強度は4.8V/mとなり、約10分の1に低減する。 
すなわち頭部の電磁波曝露は大幅に減衰する。 
しかし、携帯電話の位置付近では、通常と同等に、大きな電波が発生している。 
従って腰の位置や胃などの内臓に近いところに携帯電話とそのアンテナがあれば、頭部での曝露の代わりに、そこらが曝露することになる。 

結論は。 イヤホン・マイクを使用しても、啓携帯電話とそのアンテナを、体から話さなければ、「頭を隠して尻を隠さず」の状況となる。



赤い四角の地点の説明:上から1.5mの地点:耳の位置を想定、イヤホンの上端、 
2
番目: 90cmの位置、 イヤホンの下端、
3
番目: 85cmの位置、 携帯電話のアンテナの付け根
4
番目: 75cmの位置、 携帯電話のアンテナの先端

 

 

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携帯電話の電磁波を気にする人


産経新聞に掲載されていた記事です。 20011128日の記事です。
「わしざき先生の診療日誌 ちょっと病気?だから健康? 第48回 どこにでもある電磁波シャワー 」より

相談室のT君はいまどき珍しいアンチ携帯電話派、会社から業務用に貸し出されたPHSの電源も切っているので、連絡が取れないと上司からしかられている。
彼は、読んだ本で携帯電話の電波で脳腫瘍になることを知ったので、そうしている。


ペースメーカなどの医療機器に影響を与えることは事実でも携帯電話の使用で脳腫瘍になるかはまだはっきりしていない。
明確な結論が出せないのは、日常生活の中で、電磁波を出す機器は携帯電話だけではないからです。
いまのところ、携帯電話だけに特に神経質になる必要はない、  云々」 という内容です。

この意見には反論もあると思いますが、こういう意見もあることは確かです。


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自然界に存在するマイクロ波電波の強さ

 

「無線百話」という無線通信の歴史の本を読んでいて、面白いことを見つけました。太陽から飛んで来る電波の強さがどの程度あるのか、記載されていました。

太陽の活動が静かな時 
200MHz
帯では、おおよそ6 X 10-22 W/m2Hz の電波の強さであると。
従って、この値に200 MHzをかけると、おおよそ 1.2 X 10-13 W/2となる。
地上で1m四方にこれだけの電波が飛んできていることになります。
 この電波は、利得が30倍程度のアンテナを使用すれば受信できるそうです。

3750MHz
帯では、おおよそ 72 X10-22 W/m2Hz 
  これに3750MHzをかけると、おおよそ 0.27 X10-10  W/m2 となります。

非常に微弱ですが、太陽から、携帯電話の電波と同じような周波数の電波が地球上に送られてきているということです。

携帯電話の中継局の近傍の電波の強さを 0.1 V/mとすれば、その1m四方当たりの電波の強さは 
おおよそ 2 x 10-5 W/2 となります。
太陽から飛来してくる電波は、人工的な地上の電波より100,000倍も弱いことになりますが、微弱な電波を人類は人類の誕生の頃から受けていたといえます

 

 

空港レーダからの電磁波

 

空港などのレーダは、普通の人でも曝露する恐れがあるので、報告します。

空港にある電波レーダからの電波(電磁波)の強さに関して:
1991年電子通信学会秋季大会 予稿集 B189に 郵政省通信総合研究所の徳重寛吾さんが発表された航空監視レーダ局近傍地域の電界強度測定と推定」がありました。

レーダ局の構内(350m以内)と半径2km以内の道路で電界を測定したという内容です。
最も強かったのはピーク値で 距離580mの所で 676V/m。
離れた場所では 17V/mとなる。
人が通常 近づくことができる場所の範囲での測定と思います。 

レーダーの場合は パルス電界であり、またレーダの回転を考えるとピーク値で人体曝露影響を考えるのか、時間平均値を取るのか考えなければならない。 
としてあります。 

ここから私のコメント: 
郵政省の電波防護指針によれば、一般の住民の曝露限度はこの周波数帯では、61・4V/m。
単純にピーク値を比較すれば、曝露基準を超えます。 
防護指針では6分間の時間平均を取ることにしているので、レーダの電波は瞬間しか電波をださないし、回転していて常に放射する方向が変化しているので、仮にこうした電波を受ける場所に住んでいたとしても、測定された値の100分の1以下とか1000分の1程度の曝露になるのでしょう。 
そして結果としては、多分 問題ないレベルになっていると 思います。 
但し、レーダのアンテナの直前に長時間たっていたりすれば問題にはなるでしょう。

 

*ケープ・コッドのPAVE PAWSレーダ紛争

まとめ:2013−4−30 

1
1989年のブローダー著「死の電流」に紹介された紛争
1976年、レイセオン社(PAVE PAWSシステム建設の主契約者)は、ケープ・コッドのレーダ建設を急いでいた。
その結果ケープ・コッドの人々が、PAVE PAWSの電磁波の健康被害についての情報を得るよりもはるか以前に、レーダの建物(強化コンクリート製の核爆発にも耐えるように設計された105フィート〔約32メートル〕の高さの巨大などラミッド型建造物)が、交通量の多いミッド・ケープ高速道路からわずか3500フィート(約1キロメートル)しか離れていない所にでき上がった。

・1月の終わり、公開討論会を開いたいくつかの環境グループがケープ・コッド環境連合を結成し、弁護士を雇った。
3
月、同連合は空軍長官ジョーン・ステットソンと数人の空軍職貞をボストンの連邦地方裁判所に告訴した。
彼らは空軍がPAVE PAWSプロジェクトの環境影響報告書を提出しないのは、1969 年の連邦の環境政策条例に違反していると訴えたのである。
ケープ・コッドの人々の中には、空軍は低レベル電磁場の生物学的影響についての情報以外にも、何かを隠そうとしているのではないかと疑い始める人もいた。
それはカリフォルニアの情勢に影響されたからでもあった。
1977
8月、カリフオルーテ州ユバ郡の住民は、ビール空軍基地のPAVE PAWSの建設差し止め訴訟を起こした。
サクラメントの連邦地方裁判所での審問の直前になって、空軍はレーダから放出される電磁場をあるレベル以下に抑えることを条件に和解しようとした(空軍が法廷闘争を避けようとしたのは、環境影響報告書作成を避けようとしたのと、同じ理由によることは明らかである(どちらでも、マイクロ波の危険性についての質問に答えねばならず、空軍にその答えがなかったからである)。
しかし、原告がカリフォルニアのPAVE PAWSの電磁場レベルを連続的にモニタすることを求め、空軍がこれに同意しなかったので和解交渉は決裂した。

・レーダに反対して闘う住民の意志も衰えていき、197811月には、ケープ・コッド環境連合は訴訟を保留することに同意した。
その代わり、PAVE PAWSの環境影響の研究に参加する機会を同連合は得たのである(空軍にとっては、ほとんど痛みのない譲歩である。空軍は既に研究を他に依頼していたし、環境研究は何十万ドルもの税金を使って行なわれていたのだから)。
この合意によって空軍はレーダ建設を続けることを許可された。
住民グループに対しては、空軍が環境保護庁に最終的な環境影響報告書を提出した時に、告訴を再考するための12日間の期間が与えられた。
もし、この期間内に同連合が、報告書に不満であるという申し立てをしなければ、訴訟は却下されることになる。

関心のある方は、「死の電流」を読んでください。この著では地元の新聞「ケープ・コッド・タイムス」の記事が何回も引用されている。

2)英文のWikipediaにあったPAVE PAWSレーダに関する概説
一部を抜粋して、和訳します。

PAVE PAWSはミサイル初期警報と宇宙探査のためのアメリカ空軍のレーダ装置である。
・アメリカのマサチューセッツ州のケープ・コッドその他にある。

1986年撮影 Wikipediaから

 

・環境と健康に関する心配
マサチューセッツのPAVE PAWSレーダはケープ・コッドでの健康への不安から、調査が行われた。
アメリカ空軍は、ケープ・コッドでのPAVE PAWS運用に先立って、アメリカ合衆国地方裁判所に、政府の環境影響に関する研究が非常に不十分であるとして、訴えられた。
裁判は国の安全保障の観点から拒絶された。

包括的な研究ではレーダ局による癌リスクの増加は見られなかった。

しかし、ケープ地区でのEWING‘s肉腫の増加の可能性のある要因として、挙げられた(2007年のCBSテレビ)。
アメリカ・アカデミーのナショナル研究機関によれば(20051月の発表)、入手可能なデータによれば、そうした可能性はないと。

地域のニュース報道によれば、「2005年一般公衆に癌増発の怖れはないと、結論付けた。しかし、その研究ではEwings肉腫には触れてはいなかった。」
「マサチューセッツ州公衆衛生部はケープ・コッドの癌発生率とPAVE PAWSレーダ基地との関連性の調査を行った。

州は、癌発生率と地域社会での電磁波のピーク強度との関連を見るために、ケープ・コッドの通りにおけるレーダ電波の強度を試験するために専門業者を雇った。

患者の一人の父親によれば、「全員とも、十分に長い時間をPAVE PAWSからの強い電磁波を受ける場所にいた」、現在ではこの苦情を立証する刊行された研究はなく、最終報告では曝露強度は強くないことが示されているけれども。

200712月に、マサチューセッツ州公衆衛生部は、ケープ・コッドのEwing腫瘍の主な原因には、PAVE PAWSは関与しているとは言えないように見られる、と発表した。

2005年のアメリカ空軍の研究には、この設備からの輻射強度の測定が含まれ、アンテナの前面で近接を禁ずるロープが張られた15m地点の外側では、アメリカの職業的な曝露基準を超えていない。

3)30年後の現地での状況
http://www.capecodonline.com/apps/pbcs.dll/article?AID=/20100516/NEWS/5160330
 
地元の新聞社のサイト
一部を抜粋して、和訳しました。
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PAVE PAWS30周年を迎える
By George Brennan
May 16, 2010 2:00 AM

過去30年間、アメリカの東海岸を、海からと敵のミサイルによる陸の攻撃を守ってきた。
昨日、このアメリカ最初で全国では4局の一つであるPAVE PAWSレーダシステムは、30週年を迎えた。
この設備の使命は冷戦時代のミサイル監視に始まり、宇宙空間にある物体と人工衛星の追跡が含まれている。
毎日、21550の物体を追跡している。人工衛星やスペースシャトルや国際宇宙ステーションの安全性を維持している。

レーダ基地は論争に明け暮れた歴史を持つ。
1970
年代後半のレーダ基地反対の異常に大きいステッカーから、健康調査を要求する活動家まで、PAVE PAWSは非難の的であった。

元サンドイッチ運動の活動家で、若い家族の安全を気にして、レーダ設備は移動すべきと強調したS. Judgeは彼女と彼女の夫(元サンドイッチ運動の代表)はレーダ基地局に嫌気してケープから出て行った。彼女は「多数の人々が引っ越していった。」と語った。
Judge
らはPAVE PAWSの健康調査を「偽りだ」と叫んだ、なぜならば、それらは軍の費用で、軍によって動かされているからだと。百位万ドルの費用を費やしたとしても、安全であるという確証は得られていないからである、と。

2007
年に最後の研究を、州の公衆衛生部が発表した。
それは、レーダ基地局からの電磁波はEwing‘s肉腫とケープの他の癌の高率発生の原因ではない、と結論付けた。
州による研究を働きかけた国会議員のM. PatrickD-Falmouthは、レーダ基地局のテスト結果に満足していると、語った。
「あなたはあなたの質問に完璧な答を得ることができない」、「常に幾らかの疑問は残るが、しかし、彼らは科学のレビューに十分な仕事をこなし、巨額の費用を費やした。」と語った。

レーダ基地の歴史から
19764月:Raytheon社はPAVE PAWSをケープ・コッドの2番目に海抜の高い地点であるFlat Rock Hillに建設することを受諾。
1979
1月レーダ基地建設差し止めを求める裁判は拒絶されたが、アメリカ空軍は環境評価研究に資金を出すことを要求された。
1980
4月  PAVE PAWSは運用開始

1998
10月 ケープ・コッド・シチズンと呼ばれるグループは健康不安の観点から設備の閉鎖を要求。
1999
2月 州政府はPAVE PAWSに関する研究を開始すると発表。 研究は199911月に専門家がレーダ基地からの電磁波が公衆の健康に害を与えるということを決定する十分な証拠はないと、結論付けた。

2005
10月 疫学研究結果として発表、レーダ基地と健康への悪影響を結びつける確定した論拠は無かったと。

2007
12月 州の公衆衛生部は1982年以来言われているEwing‘s肉腫(珍しい骨の癌)になった14名とレーダ局は関連性がありそうもない、と結論付けた。
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産業設備からの高周波電磁界漏洩 

 

埼玉県工業技術センターのWEBにあった内容です。
高周波利用の工場設備からの電界は以外に小さいようです。
興味のある方は以下のURLを覗いて見てください。
http://www.tech-lab.pref.saitama.jp/kenkyu/19970714.htm
 
この研究では旧ソ連の電磁界曝露基準とも比較しています。 

概要: 
高周波利用によるプラスチック成形加工に関する研究(Z) 
−成形装置近傍の高周波電界測定及び高周波作業用保護具の開発− 

2
 実験方法 
2.1
 電界強度測定 
バイコニカルアンテナ(EMCO3104)を10mの同軸ケーブルによりスペクトルアナライザ(アドバンテスト、R3361B)に接続して、高周波成形装置近傍の電界強度を測定した。
測定点の高さは1.5mとし、40MHzにおける電界強度を測定した。 

3
 結果及び考察 
3.1
 高周波成形装置からの電磁波漏れ状況 
高周波成形装置が稼働しているときの装置周辺の電界強度を表に示されている(WEBでは表1) 

装置から0.2mの至近距離における電界強度は、2.5V/mであったが、離れるとともに低下し、距離4mでは、1/10まで低下した。
また、10m以上離れると成形装置からの高周波発振の有無には関係のない程度の電界強度となり、高周波成形装置による影響はなくなることが示された。 

開発した高周波成形装置からの電磁波漏出は、0.2mの近接距離における電界強度にしても、 
表に示されている(WEBでは表2)日本の安全基準には全く触れず、世界で最も厳しい旧ソ連の非管理環境における基準よりやや低く、装置のシールドは充分なレベルにあると言える。


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航空機客室内の電磁環境


2001年航空宇宙学会「飛行機シンポジウム」で発表された論文です。
タイトル;航空機客室内の電磁環境
研究者:山本憲夫(電子航法研究所)ら

この論文を読むと、航空機内で、乗客が電源を切り忘れて機内に持ち込んだ携帯電話からの発信電波も捕らえています。
「図9の918MHz の電波は,携帯電話移動局に割り当てられ,短時間放射されたものである。
電源が入った状態の携帯電話は通話をしなくても位置確認等のため短時間電波を発射する設計となっている。
そこで,この電波は地上局からの電波に応答し,電源を切り忘れた客室内の携帯電話から放射された可能性が高い。」と。

興味のある方は、この論文の全文を入手して読んでください。

 

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*スカイツリー周辺の電波強度の測定

記:2022−12−28


1)スカイツリーからの電波の危険性の主張

電磁波問題市民研究会:電磁波研会報・第68号の記事
https://www.jca.apc.org/tcsse/kaiho/kaiho-68/kaiho68-2.html
より一部引用
******************
地上デジタル放送促進と東京スカイツリー騒ぎ

(略)

電磁波の影響が心配

なぜ人口密集地が心配かというと、スカイツリーのアンテナから発射される電磁波の周辺住民への影響が心配されるからです。
オーストラリアのシドニー郊外に建つテレビ塔とラジオ塔の電磁波影響を調べたホッキング論文では、周辺に住む14歳以下の子ども健康を1972年〜1990年の19年間調べたところ、小児急性リンパ性白血病リスクが2.74倍であり、統計的に有意であったとなっています。

また、最近イタリアのミラノ国立腫瘍研究所のミッチェリ教授が発表した研究結果によれば、バチカン放送タワー周辺に住む14歳以下の子どもたちの白血病とリンパ腫による死亡リスクは重大かつ首尾一貫して存在するとなっています。
現在の東京タワー周辺においても、10マイクロワット/平方センチ(電力密度)を超える地点がいくつかありますが、ベルギー、ギリシャなど欧州9カ国の高周波基準値である、2.4マイクロワット/平方センチ(同)を軽くオーバーする値です。

スカイツリーを建設する前に、東京タワー周辺の疫学調査を実施して、安全か否か調査すべきだと主張しましたが、それは現東京タワー周辺も安全ではないのではと危惧していたからです。
スカイツリーから発射される高周波電磁波は、テレビ地上デジタル波だけではありません。
スカイツリーには何本も携帯電話基地局アンテナが設置されることがわかっています。
さらに、マルチメディア放送用発信アンテナも今後つくると総務省は発表しています。
まさにスカイツリーは電磁波発生源の巣窟となるのです。

一定の期間を経てから周辺住民に健康被害が出てからでは遅すぎます。

(略)
********************************

2)スカイツリーの運営会社による周辺の電波強度の測定結果

運営会社のサイトにあった測定結果の一例です。
スカイツリーから電波放出以前の塔周辺の電波強度の測定や、電波放出開始後の塔の周辺地域での測定結果が公開されています。



3)以下は「電磁波研会報第136号 2022/5/29」にあった情報の一部です。

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スカイツリー開業10周年地デジ送信所移転9周年
9年後の電波測定、やはり高めの数値
網代太郎

9
年前と同じ場所で測定
今年51112の両日に、9年前と同じ場所で測定しました。
9
年前は8方向でしたが、今回は東と西の2方向、計56カ所で測定。
機器や方法は前回と同じです。
今回の測定結果でも、スカイツリーから0.7km付近が強い傾同は変わりませんでした。

特に西方向0.6kmでは0.998μW/cm2、前回0.448μW/cm2より大輻に高い値でした。




強くなった原因がスカイツリーかどうかは分かりません(受信障害の原因になるので、テレビ電波の強さを大きく変えることはないように思います)。
(略)

今回使った測定器で測定可能な電磁波の周波数は100kHz-3GHzなので、3.7GHz帯以上の第5世代移動通信システム(5G)や、5GHzWi-Fiは測定できません。
今回見られた大輻な上昇は、4G4Gと共用(4Gから転用)の「なんちゃって5G」、2.4GHzWi-Fiの電波が9年前より増えたからかもしれません。

**************************

 

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*技術資料: 携帯電話から発信される電力の変化(制御)


通話時の携帯電話ハンドセットと基地局から送り出される電波の強さの制御(変化):             
携帯電話の電波発信強度は、状況に応じて変化します。
どのようなときに電波が発信され、定められた最大の電力に対して、どの程度の電力になるのか、まとめてみました。

疑問1. ハンドセットから発信されている電波の強さはいつも一定ですか?いつでも最大の送信電力(例:0.8W)で送信されているのですか?
回答1;
いいえ、違います。
携帯電話のハンドセットと基地局(中継局)との間の無線通信は、その相互の距離や電波の伝播状況に応じてハンドセットからの発信電波の強さを制御しています。
中継塔との距離が近い時は途中での電波の減衰が少ないので、ハンドセットから発信する電波は小さくします。 

中継塔との距離が近くても何らかの事情で電波の伝達が悪く、途中での電波の減衰が多い時には、ハンドセットからの送信電波の発信は強くなります。 
特定の基地局のサービスエリアの末端になると、ハンドセットと基地局の距離が大きくなり、ハンドセットからはフルパワーで発信します。 

携帯電話などの無線緒元

 

PDC

PHS

CDMA

送信周波数帯域(MHz)

800,1500

1900

800

バースト出力 (mW)

800

80

200

平均出力 (mW)

266(フルレート)

10

200

      送信電力制御     

最大-20dB

なし

最大-73dB


この無線緒元にあるように、携帯電話で例えばPDC方式の場合は、ハンドセットからの送信電力は最大で20dB低くなります。
これは最大バースト出力が0.8Wに対して、 このバースト出力の大きさが100分の1になる、すなわち8mWになるという意味です。 
基地局(中継塔)の近くで、電波伝搬の状態のよい場所で携帯電話使用した場合は、送信電力の制御は行わず、常にバースト出力が80mWであるPHSよりも、小さくなる、場合があるということになります。
 

疑問2: ハンドセットの送信電力と使用者の健康影響は? 
回答2;
最近の携帯電話では、携帯電話の電波による頭部への電磁界影響を考慮して、最大のSARが規定されています。
測定の条件は、最大の送信電力の時で。アンテナを伸張した時としない時でSARは測定が行なわれています。 

アンテナをきちんと伸長しないとアンテナからの電波のとびも悪く、SARも大きい値になります。
 
頭部への影響を気にするのであれば、使用時は必ずアンテナを伸ばすことが肝要です。 
疑問1の回答にあるように、ハンドセットからは常に最大のパワーで発信しているとは限りません。 

疑問3: 回答1にあるハンドセットからの送信電力の制御は、いつから始まるのか? ダイヤル時から始まるのですか? 
回答3:
回答1のハンドセットからの発信電力の制御は、ハンドセットと基地局の間で通信回線が確立してから、行ないます。
ダイヤル後、通信回線が確立すれば、電波の強さに応じて、ハンドセットからの送信電力は制御され、送信パワーは小さくなるときがあります。 

この通信回線が確立して、ハンドセットからの送信電力が制御されるのは、ダイヤル後からおおよそ2ないし3秒後です。
ただし電波状況によって変動する場合があります。 

ダイヤルして開始ボタンを押し下げ後に最初に聞こえるダイヤル送出音(プップップッ音)は、ハンドセットから送り出しているので通信回線はまだ確立していません。
その後に聞こえてくる呼び出し音は通信ネットワークシステムから送出されるので、通信回線は確立しています。
従って、ダイヤル後に呼び出し音が聞こえるまでの時間が、通信回線が未確定で、送信電力の制御が行なわれていない時間の目安になります。 

ハンドセットからダイヤルしてどこかに電話をする時は、どの程度の電波の条件のところにいるか不明な為に、最初から最大のパワーで送信を行なう、ダイヤル時が最大のパワーとなると思われますが、そうではありません。
最初はハンドセットの受信電力の大きさから算出されるあるイニシャル値で送信します。
そして、電波が弱く基地局に届かなく、基地局から応答が帰ってこない場合には、段階的にハンドセットからの送信出力を大きくしながら、送信します。 

疑問4: 携帯電話ハンドセットについているアンテナバーは発信している電波の強さと関係があるのか?
 圏外に近いアンテナバーが1本やゼロのときは、電池の寿命が短くなるのでしょうか? 
回答4:
残念ながら関係はありません。 
アンテナバーは、明瞭に受信できるか否かの目安です。
 
アンテナバーが多いときは明瞭に通話ができますが、アンテナバーが1本とかゼロになると、雑音が多くなり、聞き取りにくくなります。  

アンテナバーは受信している電波状態からユーザが携帯電話を使用できる状態の目安として表示されているため、送信電力と相対させることはできません。 

アンテナバーはハンドセットで受信できた通話に必要な周波数の電波の電力と、ハンドセットが受信したその他の電波も含めた電波の全体量との比(Ec/Io)が基になって、表示させています。
すなわち色々な通話に必要のない雑音などが相対的に多ければ、通話は明瞭に行なえなくなります。
基地局から遠くで使用しても、相対的に雑音などが少なければ、明瞭に聞くことができるので、アンテナバーはたくさん表示されます。 

これに対して、ハンドセットからの送信電力は、基地局からの電波の受信電力の状態とハンドセットから発信されて、電波の伝播状態に大きく依存しながら、基地局に届く最小限な値に制御されています。 

このため、基地局が一つしか見えないような環境で、基地局との距離が大きい場合には、ハンドセットに届く通話に必要な電波の強さは弱くなります。
そのためにハンドセットから発信される送信電力も大きくなります。
でも、その他の雑音などが少なく、比Eo/Icがよいために、明瞭に通話ができるので、アンテナバーの表示は3本となります。 

反対に、基地局がたくさん見えてしまうような環境を考えます。
基地局との距離は小さく、ハンドセットからの送信出力は小さくなります。
 
しかし、その通話に必要でなない雑音などは相対的に多くなり比Ec/Ioが悪くなるために、アンテナバーが1本とか0本という表示になります。 

ハンドセットでは、明瞭に聞くことができるかということはアンテナバーで確認することができますが、どの程度の送信電力になっているのか(どの程度の電波を頭部が受けているのか)は、知ることはできません。

 バッテリーの寿命が短いと思い場合は、送信電力が大きい状態で使用しているという、ことが判る程度です。 

疑問5: 携帯電話ハンドセットの電源をオンにしておけば、通話しなくても基地局に対して電波を出していると聞きますが、どの程度の頻度で、いつ、そうした電波の発信が行なわれるのですか? 
回答5:
携帯電話の各ハンドセットが今どこにあるかが予め調べておく必要が携帯電話システムにあります。
そうでないと例:1234番の携帯電話に電話をかけた時に、日本中のすべての中継アンテナから1234番を呼び出す必要があるからです。
これは非常に不経済なことなので、1234番のハンドセットは今どこにあるか、各県程度の分割したエリアの何処にあるかを、予め携帯電話会社に登録するようにしています。 

従って携帯電話を使用していなくても、この目的の為に、ハンドセットから電波を出して、「今1234番は神奈川にいる」といった情報発信を行なっています。
これを「位置登録」といいます。 問題はこの発信の頻度ではないでしょうか? 

この位置登録は、時間などで定めた定期的な発信では、行なっていません。 
CSSC
単位(追記)で分割されたエリアをまたいだ時に位置登録を行ないます。 
受信電力が強くて安定した場所に止まっていれば、最初の1回しか位置登録を行ないません。
例えば自宅に帰ってくつろいだり、近くを歩いたりした程度であれば、位置登録の発信は繰り返して行いません。
もし、新幹線で高速移動すれば、煩雑に位置登録を行います。 

また、位置登録についても回答3と同様に最初から最大パワーで送出するわけではありません。 

追記: 「CSSC」は、「CBSC」の間違いでした。これは基地局の制御装置のことです。
このエリアは、数局〜数十局の基地局をカバーする範囲となり、基地局のサービスエリアより、多少大きい範囲(数百m〜十数km)となります。 


疑問6.着信時に着メロがなった時にはすでにハンドセットから自動的に電波が発信されているの? 
回答6:
そうです。 自分の携帯電話に電話が掛かってきたときはハンドセットからは自動的に電波を基地局に送り出し始めています。
このときも必ずしも最大の電力で送り出しているとは限りません。 

そして着信音がなったときは、すでに通信回線が確立しているので、送信電力の制御が行なわれていますので、最大の電力で送出しているわけではありません。  

疑問7; 着信時に着メロがなった時、もしユーザが「応答」しなければ電波の発信は停止するが、それはおおよそ何秒後ですか?

回答7: ユーザが応答しないで着信が終了となる時間は約60秒後です。 
電波産業会ARIBの規格STD-153で携帯電話ハンドセットの応答待ちうけタイマーは65秒に規定されています。 

疑問8; 携帯電話で電子メールを読んだり、メールの文章を書き込んだりしている時も電波は発信しているのですか? 
回答8:
いいえ、違います。 基本的にハンドセットからは電波の発信は行なわれていません。 
メールに関しては受信や送信の時だけ通信回線がつながり、ハンドセットから電波が発信されます。  

疑問9: ハンドセットだけではなく、基地局の送信アンテナからの送信電力も変化しているのですか? 
回答9: はいそうです。 
個々の回線が確立しているハンドセットに向けての中継塔からの電波発信強度も同様に制御されています。 

中継塔の最大電力値が100Wで、同時に使用できるユーザの数が200名であるとすれば、ユーザの全員が中継塔の近傍にいる時は、10W程度の発信強度となり、ユーザが全員サービスエリアの末端に近い場所で通話を行なっている時は最大の100Wになります。
同時に使用しているユーザの数が50名になれば、基地局からの送信電力は半分になります。 

従って、基地局の周辺での電波(電磁波)の健康影響を気にして、電波の強さを測定する場合は、時々刻々変化している基地局の送信電力の状況が最大値に近いのか、利用率が低いのかを見極めながら行なう必要があります。 

BEMSJからのお願い: この説明に関して専門家の目から見て、誤りや不正確な点がありましたら、教えてください。

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