補足資料-5 千駄木NTTサーバービル裁判 原告意見陳述20106


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記:201345

千駄木NTTサーバービル裁判 原告意見陳述の内容です。
http://yanesen.eizoudocument.com/01NTT/0101.html
 にあった内容
2012−5−1のログ

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意見陳述
2010年6月9日
原告ら代表

この訴訟を提起した地域住民を代表して、以下の通り意見を申し述べます。

私たちの住む千駄木は、谷中、根津、千駄木をあわせて「谷根千」(やねせん)と呼ばれ、下町情緒溢れる町として、また文豪が多く住んだ町として、この地域に住む人だけでなく、全国的にも愛され、日曜などは多くの観光客が訪れます。
ウィキペディアなどを見ても、「山手線内側にありながら、戦災を余り受けず、また大規模開発を免れたため、一昔前の町並みが残っている」と書かれています。

ところが、この町の真ん中に得体の知れない巨大な建物が建てられようとしており、この町に何十年も住む人や、この町が大好きで移り住んできた人たちが大きな不安に駆られています。

最初は、「地上8階建て、地下2階建てのビルを建てる」という話でした。
初めて聞いたときは、近くにマンションもかなり建っていることだし、かなり大きいようだが我慢するしかないのかなと思った住民が多かったと思います。
しかし、そのうちこれは普通のマンションで言えば地上16階、地下6階相当の巨大な建物だということがわかりました。
ここは向ヶ丘と日暮里から上野に至る二つの台地にはさまれた谷状の地形であり、もともと愛染川という川の流れていた余り地盤のよくないところです。
そこにこんなに巨大で地下の深い建物を建てれば、従来の地下水脈が変わり、木造家屋もかなりある千駄木、さらには谷中や川下に当たる根津の地盤に広い影響があるのではないかと、とても心配です。

また、最近になるまでわからなかったことですが、この建物には、1万kwの電力が引き込まれ、1000台を超えるサーバーが24時間365日稼動し、それを冷却するために屋上に160台以上の空調の室外機が設置されるといいます。

電力だけをとってみても、この建物の床面積の9倍ある、文京シビックセンターの使用する電力の2倍近くになります。
また、屋上の室外機が一斉に吐き出す熱風や低周波音も心配です。

周囲に住む我々が窓を空けられない状況になるのは間違いなく、ヒートアイランド現象の悪化にもつながるのではないかと危惧しています。
この他に、目に見えない電磁波や風の問題も心配です。
重大な健康被害があったらどうしようという声は地域のあちこちで聞かれます。

NTT
は建築計画の説明会を開くことは開きましたが、我々の質問にはまともに応えず、ただ回数稼ぎを行いました。
「電気通信用の設備です」とか「専門家が安全といっているから安全です」という形式的かつ一方的な話ばかりです。
質問に対する答えはその場限りだし、基本的には何でも隠そうとするので、我々にはこの建物が本当はどういう役割を果すのか未だによくわからない有様です。
何のために必要で、どうしてこの場所に建てられなければならないのか全く納得がいきません。

NTT
は当初、反対を押し切ってまで工事することはしないと言っていましたが、結局今年になって、建築協定も結ばないまま、強引に着工しました。

この地域は法的には商業地域及び近隣商業地域となっていて、広い面積の「工場」は建てられない地域です。
また、NTTの敷地の周囲は低層も含んだ住宅が多い地域です。
一方で、このNTTの建物の中身は殆ど機械で、人は保守点検要員が少数居るだけと聞いていますから、我々の感覚では「工場」です。
しかも、それを当初はNTT側も認めていました。
つまり、住宅地に建てられないはずの「工場」を建てるということなのです。

敷地の利用方法としても大きな問題があります。
この建物は、図面で見る限り、新しい独立した建物とみるしかありません。
しかし、NTTは、これを増築として申請し、容積率の規制を脱法的にくぐりぬけようとしています。
そして、民家の敷地境界から2mちょっとの所までぎりぎりに巨大な壁がそそり立つような敷地の使い方を計画しています。
どうして、この場所にこんな建物をこんなやり方で強引に建てねばならないのでしょうか。
国の法律はこんなことを許していいのでしょうか。
裁判所できちんとお調べ頂き、ご判断いただきたいと思います。

我々の反対で着工が伸びている間に、政府は二酸化炭素25%削減の温暖化対策を打ち出しました。
他方この間にサーバーの技術革新も進み、かなりの小型化、省エネルギー化が可能となっているようです。
例えば、本年3月18日付の日経産業新聞には、従来比で設置面積を4割、消費電力を13%削減できるサーバーが開発されたという記事が載っています。

住民は、電力消費1万kw、サーバー1000台、空調室外機160機を使用するような、このビル建設の当初案は、もっと省エネ、小型化の方向で抜本的に見直すべきであると主張しましたが、NTTは一言「それは出来ません」と言うばかりでした。

NTT
は日本有数の企業です。巨大な事業体でもあり、企業倫理や社会貢献にも人一倍敏感であるべき会社です。
千駄木の町の発展に役立たないどころかむしろ発展を阻害するような建物をなぜNTTは建てるのでしょうか。
千駄木の町のためにも、そこに住む未来の子ども達のためにも、このようなビルの建設をこのまま許してはならないと思います。
少なくとも会社は住民の不安に真摯に耳を傾けるべきです。

最後に、我々の主張が周辺地域住民のごく一部のエゴイズムに基づくものではないことをご理解いただくために、我々に賛同し、建設に反対する人々の署名が1400名にのぼり、東京都および文京区にこれを提出していることを付け加えさせていただきます。

以上