三浦正悦
著 「電磁界の健康影響 工学的・科学的アプローチの必要性」 発行:2004年6月20日
A5
288頁 定価3360円(本体+税) ISBN4-501-32400-7 C3055
表紙
●まえがきの部分を紹介
はじめに
電磁波(電磁界、電磁場)の健康への影響に関しては、世間でも色々な情報が錯綜しており、必ずしも適切な情報開示がなされてはいない。特に昨今のインターネット全盛の時代にあっては、様々な情報がインターネット上を行き交っている。
本書は、電磁界に関して単に不安を持つのではなく、ありのままに理解するための最低限度必要と思われる事項をまとめたものである。電磁界の健康影響に関する研究ではどこまでわかっているのか、世間で話題になっている研究に関しては新聞報道のレベルではなく、もう少し踏み込んで内容を知る必要がある。そして、今後どのような研究を行っていくべきかについても考えなければならない。
無知もしくは先入観からくる不安は、場合によっては冷静さを失わせ、誤った判断の原因となりかねない。電波を浴びたらどうなるのか、どのようなとき、どのような電磁界が危ないのか、生体効果には益あるいは害はあるのか、安全基準はどうなっているのか。しばしば、専門家は「根拠はない、まだ統一見解がない、継続した研究が必要」と言う。
本書は「なぜか?」と考えるきっかけになることを願う。電磁界、電気や電波は、われわれの五感ではとらえられない。だからこそ、その性質、その危険な側面を、また有益な側面を、本能ではなく知識と頭脳で理解すべきである。そう言いながらも電磁界の健康影響といえば、工学、医学、心理学、生物学、
社会学などにまたがる境界領域の学問であり、決して易しいテーマではない。
本書は、大学で工学や医学を学ぶ学生をはじめとして、このテーマに関心を持った学生のための入門書として、科学的な見地で、公正にかつできるだけ易しく、またできるだけ詳しく、電磁界の全般にわたって、最進の研究成果なども含めて概説することを主な目的としている。
第1章から第3章までは「総論」的にまとめてある。この部分だけでも最低限度の知識が得られると思う。そのために、用語集や用語に関連する解説は末尾ではなく、第2章に含めることにした。第4章以降は「各論」的に、主要なトピックを掘り下げてある。
筆者はこのテーマに関する探究者であっても、専門的に学究活動を行っているわけではない。先達の書かれた多くの研究論文、成書を参考にさせていただいたが、理解不十分や誤解、不知による誤りもあるかもしれない。叱正を賜りたい。
本書はあくまでも入門書である。また、このテーマは現在も研究が行われ、逐次その結果が学術雑誌などに公開されている。新しい知見もどんどん出てくる。最新情報を得るためにも、さらに深い知識を得るためにも、本書に引き続き、専門書や原著論文を読むことをすすめる。
第1章
電磁波に関する工学的・科学的な見方の必要性
第2章
基礎となる工学や科学知識
第3章
電磁界の健康影響に関する基礎
第4章
直流電磁界
第5章
低周波電磁界
第6章
高周波電磁界
第7章
その他の分野の電磁界
第8章
電磁界曝露規定の紹介
第9章
VDTからの電磁界漏洩
第10章 身の回りの電磁界
出版局の紹介: 東京電機大学出版局 http://www.tdupress.jp/index.html <リンク切れ>
この本が紹介されたケース
● 毎日新聞 2004年6月8日 「科学・技術に親しむ 理工系関連書企画」の中で、 東京電機大学出版局の広告として、本書が掲載。
● 2004年6月24日付けの日経新聞(1面下部)、日経産業新聞(2面下部)に,出版社の広告として掲載。
● JPS登戸支部会報「のぼりと」第193号2004年7月11日発行に、この本を紹介しました。
● JPS宇宙切手部会発行「コスモス158号」2004年7月31日発行で、この本が紹介されました。
● ティーエフエム・インタラクティブでは、インターネットを利用した放送というか放送のようなコンテンツを提供しています。
「iiVチャンネル」です。このサイトでは、日本大学出版部協会の推薦で、毎月4冊ほどの著著の説明というか宣伝が、著者自身が登場して、 10分程度の間、行われます。この企画の2004年8月第1週の紹介本として、本書が登場しました。
東京電機大学出版局から出した「電磁界の健康影響」の解説です。
以下の手順で、一度、覗いてください。
(1) インターネット上の、下記のURLにアクセスします http://www.iiv.ne.jp/booklounge<リンク切れ>
日本大学出版部協会の推薦図書コーナー 「iiV(アイ・アイ・ヴィー)ブックラウンジ」のページがあらわれます。
(2)「動画でコメントを見る」の部分をクリックします。
その際、ADSLや光ファイバー、ケーブルTVなどのブロードバンド環境で視聴の場合は「500k」を、一般の電話回線やISDNの視聴環境の場合は「56k」を選んでクリックしてください。
なお、2004年8月30日以降は http://www2.iiv.ne.jp/booklounge/index0408.html <リンク切れ>にアーカイブされる予定です。
● JPS人物切手部会発行「人物」172号2004年10月15日発行に、この本を紹介しました。
● 朝日新聞2004年11月3日付けの「大学出版部広告特集」の中で、出版社の広告として掲載。
● 読売新聞2005年5月24日付けの「大学出版部連合」の広告の中で、この本が出版社の広告として掲載。