その他の資料(4) 広義の電磁波関係


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1.可視光線の曝露限度値
2.日光も注意しなければならない。 
3.遠赤外線も電磁波

4.低線量の放射線
5.放射線ホルミシス
6.放射線ホルミシスの研究の例−1
7.放射線ホルミシスの研究の例−2 電中研報告2003
8.放射線ホルミシスの研究の例−3 電中研報告2003
A放射線ホルミシスの研究の例−4 酒井一夫 電中研報告2001
B放射線ホルミシスの研究の例−5 野村崇治 電中研報告2002
9.放射線ホルミシスの研究の状況 
A電中研の低線量の疫学研究2009
9B.劣化ウランによる健康影響
9C.コバルト放射による健康影響、ホルミシス効果か否か、台湾の事例 

10.草間著 放射線の本
11.フランス原子力施設と小児白血病2004
12.ホルミシス効果は放射線以外でも発見されている
13.電中研 2005年 ホルミシス講演会
14.自然界に存在する宇宙からの放射線
15.日光に含まれる紫外線(UVB)による白血病リスク
16.日光は多発性硬化症のリスクを減少 2003年の研究
17.日焼けマシンの発がん性最高レベルに 2009年
8放射線ホルミシスの参考文献 1997年の加藤幸弘論文
19.1997年の放射線医学研究所のホルミシス研究

20.宮尾らの広島原爆による癌の研究 2008
21.微量放射線による効果を謳った商品に関する東京都の調査結果
21B2004年原子力安全委員会での低線量放射線リスクの議論

22.蛍光灯電球と日光過敏症
23.蛍光灯電球による皮膚障害の事例
24.蛍光灯型電球に関するスイス公衆衛生局の公開文書
25.スイスのITISによる蛍光灯電球からの電磁界調査報告書
26.LED照明とフリッカー
26A.光源からの紫外線等 フィンランドの1990年の研究
26B.Hartmanらの蛍光灯の変異原性
26C.蛍光灯からの紫外線UVCの実測例
26D蛍光灯とLEDからの紫外線比較
26E.英国Health Protection Agency(健康保護庁)2008年の電球型蛍光灯に関する勧告


27.放射線、電離放射線に関連する情報−1 近畿大学原研ニュースから
28.放射線、電離放射線に関連する情報−2 宇宙飛行士の被曝
29.放射線、電離放射線に関連する情報−3 国際宇宙ステーションの宇宙飛行士の被曝
30.放射線、電離放射線に関連する情報−4 宇宙飛行士の弁
30A.1998年共同通信による宇宙空間での放射線被爆

31.放射線、電離放射線に関連する情報−5 航空機内での放射線実測
32.放射線、電離放射線に関連する情報−6 富士山頂での宇宙放射線の放射線実測
33.放射線、電離放射線に関連する情報−7 体内曝露 食品から摂取する放射性物質
4放射線、電離放射線に関連する情報−8 低線量被曝とECRP2003年報告

35.放射線、電離放射線に関連する情報−9 日用品に含まれる放射性物質
36.放射線、電離放射線に関連する情報−10 過去の放射線被曝量 降下した放射性物質
37.放射線、電離放射線に関連する情報−11 アメリカの1991年の研究にみるラドン濃度
38.放射線、電離放射線に関連する情報−12 世界の高い自然放射線地域
38A放射線の高曝露による染色体異常の発現 2018年北朝鮮の例

39.ブルーライトの殺虫効果2014
40.岐阜薬科大学のブルーライト研究2014
40A参天製薬のパンフレットにあったブルーライトと加齢黄斑変性の関係
40B.パソコンモニターからのブルーライト低減法
40C.台湾でのLEDの目への影響に関する研究2014
40D. 韮崎高校の実験2017年 
40E産業衛生2016年VDTとブルーライト
40FメディアコクショのLED記事2017年の内容は不十分


41.日光・紫外線と、放射線ホルミシスの研究論文の概要の紹介
42.「イオネージ」放射線ホルミシスを利用した日清紡の繊維

43.強い放射線による医療事故例2005
43A.強い放射線による医療事故例2001
43B.福島で被爆牛を対象とした世界初の実験
43C.福島での低線量被爆を考える 2016年2月16日の産経新聞より
43D.福島原発事故に関する安井論文2013
43E.福島民友2015年の記事から、福島曝露実態高校生調査


44.光刺激 映画での光の点滅


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1.可視光線の曝露限度値


目に見える光も電磁波です。 同じ電磁波でも携帯電話の電波に関しては非常に健康影響などに関心を持つことが多いのですが、目に見える光(可視光線)に関しては、全くといってよいほどに気にされていません。 「自然に存在する」光であっても、健康に無害という訳ではありません。 かといってさほど気にする必要もありません。

アメリカの産業衛生上の規定として有名なACGIHの「物理的因子とそのTLVs」には可視光線曝露に関する規定があります。 TLVとは許容基準(Threshold Limits Values for Physical Agents in Work-Environment )の意味です。

この規定「ACGIHの可視光線と近赤外線のTLVs」によれば、

1)ほとんどすべての労働者が曝露しても健康に悪影響を及ぼさない波長範囲(400 nm 〜 3,000 nm)の可視光線および近赤外線に関する許容基準である。

2)曝露のコントロール(管理や制限)の指針として用いるものであって、安全レベルと危険レベルの境界線を明示するものではない。

3)広帯域の可視光線と近赤外線に対する眼の18時間曝露に対して規定する。

4)光の波長によって眼の網膜火傷の程度が異なる。 強い青色光の長期曝露によって網膜の光化学的な損傷も考慮する。 しかし、白色光線のスペクトル放射輝度が10,000 cd/m2 を超えない場合は、詳細な評価は不要となる。 

このことから、詳細は割愛しますが、非常に明るい可視光線は、健康影響がある、ということができます。
網膜を保護するために、加熱用赤外線ランプなどの近赤外線についても、このACGIHは限度値を設けています。(詳細は割愛)。

参考文献: 労働科学研究所 「ワークサイエンスリポート」 2001年 

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2.日光も注意しなければならない


http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20020724-00001013-mai-soci
 にあった情報です。(2002724日のニュース)

日光に含まれる紫外線も広義の電磁波です。 

電磁波の健康影響を論ずる時に、「自然界に存在するものは問題がなくて、人工的なものは安全性が保証されていないので危険である」という論調がありますが。

このWHOの注意を見れば、 日光という自然界にあるものでも人類が誕生する以前から自然界に存在している日光に含まれる紫外線も場合によっては健康への影響がある ということから、 上記論調は必ずしも正しいとはいえない ことが判ります。

────────[一部 抜粋して 引用]──  
■<日光浴>皮膚がんや白内障の原因と自粛を呼びかけ WHO  

【ジュネーブ大木俊治】日光浴はお勧めできません――。世界保健機関

(WHO)は23日、日光の紫外線は皮膚がんや白内障の原因になるとして“日光浴自粛”を呼びかける報告書を発表した。 

 WHOのプロジェクトチーム「インターサン」がまとめた報告書は、70年代以降、ライフスタイルの変化による日光浴ブームとオゾン層の破壊進行との相乗効果で、白人を中心に皮膚がんの患者が世界で急増していると指摘した。

紫外線の浴びすぎは免疫機能の低下につながる恐れもあるという。 このため太陽光の強い夏の日中は外出を避け、出掛ける場合は衣服で皮膚を覆ったり、帽子やサングラスを着用するよう呼びかけている。

 ただし、実際の影響は人種や職業で異なり、黒人や、日常から炎天下で働く人たちにはある程度の抗力があるため、一概に基準を当てはめることはできないという。 (毎日新聞)[7241010分更新]  

 

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3.遠赤外線も電磁波


電磁波の中でも遠赤外線に関するものです。

研究者:  佐藤清ら 
タイトル: 常温遠赤外線放射シーツの生体に対する効果  
雑誌:医学・生物学サーモロジー 1998年 

概要: 
 
遠赤外線は‘光’エネルギーの一種,電磁波である。 普通,光または電磁波はその波長の長さから,可視光線(おおむね波長400700nm)より短波長のものを紫外線,また長波長域の電磁波を赤外線と呼び, さらに波長700nm3000nm3μm)の電磁波を近赤外線,波長が3000nm3μm)〜1000μmの電磁波(又は光)が遠赤外線と呼ばれる。

遠赤外線は太陽光にも10%含まれるが, 生体をはじめ衣類やあらゆる物体からも放射されているほか,吸収反射の現象が見られる。 

生体に対する遠赤外線の作用は生体による吸収と分子振動の励起が著しくなる場合,温度の急激な上昇に注意が必要であるものの非常に安全性の高いものである。

近年,遠赤外線の生体に対する様々な効果と効能が注目され医療分野においても遠赤外線の利用が目指されている。
医療分野における遠赤外線の利用はその放射条件と放射体や装置に基づき二種類が考えられる。

1
)何らかの加温(加熱)条件と装置を組み合わせその作用と効果を利用する, 局所照射式遠赤外線治療器や遠赤外線サウナボックスなど医療用または健康器具類などに代表されるもの。
2
)加温や加熱条件を必要としない常温下での遠赤外線放射を利用し,遠赤外線の生体への効果を期待するものである。

今回我々は医療分野で常温下における遠赤外線(以下,遠赤外線)効果について,その放射体が珪酸塩セラミックス粒子を主材料とする‘常温遠赤外線放射シーツ’を用い,遠赤外線の生体に与える影響と効果について,主に体表皮膚温度(以下皮膚温度)上昇の検証から,生体に対する温熱効果と保温効果についての検討をした。
結果は多くの場合、体温の上昇効果が得られた 

詳細は原典を読んでください。 

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4.低線量の放射線


X
線などの電離放射線は、遺伝子などの損傷を起こすので、どんなに微量でも危険である という一般論に対して、低いレベルの被曝は放射線に対する耐性を高める という研究が行われ始めています。 
これを放射線ホルミシスといいます.

Authers : 
生島隆治 
Title : 
低線量放射線に対する適応応答;免疫学からみた放射線治療 
Journal : 
癌の臨床 

研究では、事前に微量な放射線を浴びせておく. その後に大きな放射線に曝露する.
大きな放射線に対する影響度は、事前に微量を浴びなかった群よりも、微量を浴びた群が、影響を受けにくくなっている。 
すなわち事前の微量曝露で耐性ができてくる というものです。

この研究から、放射線(電磁波の一種)はどんなに微量でも危険である、という定説は覆るかも知れません.
興味のある方は、原著を読んでください.

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5.放射線ホルミシス 

 

2000/11/01の産経新聞朝刊に面白い記事がありました。

低レベルならば放射線も人体に有益? という記事で、
生物は低レベルの放射線ならば、それを刺激として受け止め、逆に有益な効果を得ることができる場合もある、という20年前のアメリカのラッキー教授の研究を受けて、日本でも研究を行う、というものでした。

この放射線ホルミシスは、学会などではまだまだ少数意見のようです。 
今でも、放射線はどんなに微量でも健康に影響がある、というのが学会の主流です。 

興味のある方は 藤宗平・著 人は放射線になぜ弱いか? 1991年 
講談社ブルーバックス   を読んで見てください。 

放射線や紫外線、可視光線、マイクロ波などの電波、低周波電磁界は全て電磁界(電磁波)です。 

「放射線は電磁波の一種、放射線はどんなに微量でも健康影響がある、だから、低周波電磁界といった電磁波は、微量でも健康影響がある。」という論があります。 という仮説があります。 
この仮説は正しくないことになります。
 

放射線ホルミシスはまだ学会では少数意見であるとして、除外しても電磁波の一種の可視光線が、どんなに弱くても人体に有害とは誰も考えないでしょう。 

紫外線は、強ければ健康影響があります。でも、完全に避ければビタミンDが作られず、健康を害します。 ある程度の紫外線は人体にとって必要です。 
ということから、上記の仮説は正しくない といえます。

 

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6.放射線ホルミシスの研究の例−1 


高い線量の放射線は生物に対して有害な作用を示すことが知られている。これに対し微量の放射線については、高い線量での放射線の有害作用からの類推に基づいて、どんなに低い線量であっても害があるとされてきた。

しかし、低線量放射線の生物作用を詳しく調べてみると、生物が放射線に対して実に巧妙な反応を示すことがわかってきた。
例えば、予め低線量の放射線を照射しておくと、細胞がその後の高線量照射に対して抵抗性を示すことがわかった。
これは放射線適応応答、放射線ホルミシスと呼ばれる。

電力中央研究所の研究(2000年)がある。
小核は、DNA(遺伝子)に生じた切断が修復されずに残るために生ずるもので、遺伝子損傷の残存量の指標となる。
これを指標として、培養細胞を用いて適応応答の解析を行った。

結果は、
1)
正常組織由来の培養細胞(V79細胞)においては、高線量(3Gy)の放射線(X線)を照射する4時間前に低線量(0.1Gy0.2Gy)の照射をしておくことによって出現する小核が減少した(下図)。
2)ところが、同じような条件で照射しても、がん組織由来の細胞(HeLa細胞)では図のような放射線適応応答は見られなかった。

      

       図 小核形成を指標とした放射線抵抗応答  引用:電力中研2000年報

 

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7.放射線ホルミシスの研究の例−2 電中研報告2003

 

もう一つ、放射線ホルミシスに関して、面白いというか興味の深い研究報告を見つけました。 
低線量の放射線暴露によって、寿命が延びる という報告です

電力中央研究所 2003年 報告 G03006から
タイトル:低線量率放射線による重症自己免疫疾患モデルマウスの寿命延長 −免疫機構正常化と脳を含む全身性の病態改善−
研究者:稲恭宏

主な成果
非照射の重症自己免疫疾患モデルマウス(MRL-lpr/lpr マウス)に比べて、137Csγ線を空間線量率 0.35 mGy/hr または 1.2 mGy/hr(腹腔内線量率 0.30 mGy/hr または 0.95 mGy/hr)の低線量率で照射した同系マウスにおいて、以下の現象が確認された。

1.
線量率依存性に顕著な寿命の延長が認められた(図1)。

2
. 以下 略

 

        
引用:電中研報告 2003年より


 興味のある方は、原著を入手して、読んでください。

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8.放射線ホルミシスの研究の例−3 電中研報告2003

 

タイトル:マウス放射線発がんの線量率依存性  ― 低線量率なら長期継続照射しても胸腺リンパ腫を生じない―
研究者:稲 恭宏

主な成果
空間線量率2.0 Gy/minの高線量率でX 線を10 週齢から13 週齢まで、1.8 Gy/週× 4 回照射したマウス(高線量率照射群)に比較して、137Cs γ 線を空間線量率1.2 mGy/hrの低線量率で、330 日間にわたって積算総線量では致死線量を超える線量を照射したマウス(低線量率照射群)において、以下の現象が確認された。

1.
高線量率照射群では 90 % のマウスで胸腺リンパ腫が発生したのに対して、低線量率照射群では一例も発生が認められなかった(図1)。

2.
高線量率照射群では、胸腺以外の臓器においても放射線障害によると思われる所見が認められたのに対して、低線量率照射群では一例も認められなかった。

. 高線量率照射群では、外見上も放射線障害と思われる立毛、呼吸不全等が観察されたのに対して、低線量率照射群では一例も認められなかった。

 

    

    引用: 電中研 報告 2003年より


BEMSJ
の注) 累積では致死量を超える放射線量を浴びても、それが微小で長期にわたる場合は影響がない という興味の深い研究成果です。
興味のある方は、原文を入手して読んでください。

 

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A.放射線ホルミシスの研究の例−4 酒井一夫 電中研報告2001


電力中央研究所2001年年報にあった研究 

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タイトル:低線量率放射線の長期照射における発がん抑制作用
主担当者: 低線量放射線研究センター 上席研究員  酒井 一夫 

背 景
放射線の発がんリスクについては、高い線量域で得られたデータからの低い線量域への外挿に基づいた評価が一般的であるために、どんなに微量であっても線量に応じたリスクがあると仮定されている。

近年、低線量放射線に対する生体の応答が詳しく解析されるようになった結果、わずかな量の放射線によって生体内で様々な機能が活性化されることが明らかとなってきている。

これらには、抗酸化物質の誘導、DNA修復能の活性化、アポトーシスの活性化、免疫機能の増強などが含まれる。
これらの機能の活性化は、発がん機構の各段階において、がんの発症に抑制的にはたらくものと考えられる。

低線量・低線量率放射線が発がんを抑制する作用があるか否かの検証は、微量の放射線に対する生体の応答を理解する上で、また、低線量域における放射線の発がんリスクを評価する上で重要な情報を提供することとなろう。

目 的
化学発がん剤を投与したマウスに低線量率のガンマ線を長期にわたって照射した場合に、発がん率にどのような変化が現れるかを検討する。

主な成果
一群35匹のICRマウス(広く研究に用いられる代表的な系統。雌、6週齢。)を、低線量率放射線長期照射設備のガンマ線源(セシウム137)から3m5m10mの距離に配置し、35日間照射を行った。

各照射における線量率は、新規に開発された小型蛍光ガラス素子をマウス体内に埋め込み、腹腔内吸収線量として評価した。

その後、右そけい部に発がん剤(メチルコラントレン0.5mg)を注射し、引き続き同じ線量率で照射を続けながら経過観察を行った。
同様の操作を行ったマウスを、厚さ60cmのコンクリート壁の裏側に配置し、非照射対照群とした。

発がん剤投与後216日目までのがんの発生の経過を図-3(割愛)に示す。
1)線源から10mの距離で照射した群では、非照射対照群との間に腫瘍発生率に差はなかった。
25mの距離に配置した群では統計学的に有意な腫瘍発生率の低下が認められた。
33mの距離に置いた群では、腫瘍発生率の低下する傾向が見られたものの有意差はなかった。
4)発がん抑制作用には1mGy/hr程度に至適線量率があり、それよりも線量率が高くても低くても、効果が小さくなることが示された。

今後の展開
1)種々の照射条件で発がん抑制作用の検証を行い、最も抑制作用の大きな線量、線量率を明らかにする。
2)化学発がん以外の、放射線発がんやウイルス発がん、あるいは遺伝性発がんについても同様の抑制作用が見られるかどうかの検討を行い、発がん抑制作用の一般性を確認する。
3)発がん抑制が認められる条件下で、マウス体内の抗酸化物質レベル、DNA修復能、アポトーシスの程度および免疫機能を解析して、発がん抑制作用の機構を明らかにする。

以上の研究を通じて、低い線量の放射線が発がんの過程におよぼす影響について理解を深め、放射線の発がんリスクの評価に資する情報の提供を目指したい。

<図は割愛> 

********************
関心のある方は、原文を読んでください。

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B.放射線ホルミシスの研究の例−5 野村崇治 電中研報告2002

 

電力中央研究所報告リーフレット 2002年1月 より

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研究報告:G02002
U型糖尿病モデルマウスに対する低線量の照射効果の検証
主担当者野村 崇治(低線量放射線研究センター)

背 景
U型糖尿病と言われる糖尿病は、過食による糖分の供給過剰が原因で、現代における生活習慣病の一つとして注目されている。
糖尿病には、若年性で膵臓の細胞が自己免疫的に活性酸素によって障害を受け発症するT型が存在し、これまでに我々は、低線量放射線によってT型糖尿病の発症が抑制されることを示してきた。

しかし、U型糖尿病に対する低線量あるいは低線量率放射線の照射効果を見た実例はなく、照射効果の有無は不明であり、マウスの個体を用いた確認試験の実施が強く望まれていた。

目 的
U型糖尿病のモデルマウスを低線量率ガンマ線で長期に渡って照射し、尿糖値の変化を調べ、低線量率放射線が糖尿病の症状の改善に及ぼす効果の有無を解明する。

主な成果
1
.セシウム137を線源とするガンマ線を線量率0.65mGy/hrで長期に渡って照射したマウスの一部(12匹中3匹)において、糖尿病の改善が認められた。
これに対し非照射群においては、症状の改善例は皆無であった。

2
.食餌量、飲水量、および体重の変化は、照射群と非照射群の間で差は認められなかった。
また、照射群の中でも症状改善群に固有な体重の変化は認められず、症状の改善が単純に照射による摂食障害と、それに伴う体重の減少によるものではないことが示唆される。

3
.照射群は非照射群に比べ死亡例の出現時期が遅く、また90週齢時の生存率も顕著に高かった。

また照射群では、加齢に伴う脱毛の程度が低く、皮膚や尾の柔軟性が保たれており、外見上の加齢現象の抑制を示唆する所見が認められる。

今後の展開
長期低線量率照射によって糖尿病の症状の改善する機構を解明するため、照射方法(線量、線量率の変化)、照射時期などを変えた実験を継続実施する。

<図は割愛>
***********************

 

関心のある方は、原著を読んでください。

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9.放射線ホルミシスの研究の状況   

作成: 2004−6−11

参考になる情報が以下のWEBにありました。 興味のある方は参照してください。
放射線と健康を考える会のWEB http://www.iips.co.jp/rah/index.htm    です。
このサイトでは、以下のような情報が公開されています。

*「放射線ホルミシスを考える」 東京理科大学 生命科学研究所 客員研究員 高橋希之
 放射線ホルミシスは、今では専門家でなくても放射線にかかわる人々や一般人の間でもかなり知られた言葉となっている。
その意味するところは、“少しの放射線は体に良い作用がある”というものだ。
少しの、弱い、微量の、少量の、低線量の・・・といろいろな言葉で表現される。

*「低線量放射線に対する生物応答:障害とホルミシス パート1:線量によって異なる応答」 Ludwig E. Feinendegen Myron Pollycove
低レベル放射線の有益な作用はその後も報告されたが、医学関係の分野ではあまり注目はされなかった。
しかし、ここ5-10年間で放射線ホルミシスは興味をもたれるようになり、2001520日のワシントンポスト誌では放射線ホルミシスはもっと研究される値打ちがあるとされた。

*「低線量放射線の生物影響‐寿命への影響」 財団法人 環境科学技術研究所
)環境科学技術研究所は、青森県からの受託業務として平成3年から「低線量放射線生物影響実験」を計画、平成7年度から低線量率長期連続照射実験を開始し、平成14年度に「低線量放射線の長期被ばくが寿命に及ぼす影響」について、一連の研究成果が取りまとめられた。

*「ヒトにおける低線量放射線ホルミシス」 Department of Physics, K.L. Mehta D.N. College for Woman, India K. Kant
放射線ホルミシスは低線量電離放射線による有益な作用のことである。
動物実験やヒトのデータから、がんの抑制においても同様なメカニズムが作用していることがうかがえる。
これまでの研究から、低線量電離放射線(LLIR)の全身照射ががんの発生を低減することが示唆された。
ここではLLIRに関する研究や報告のデータを包括的に示した。
これらから実験動物とヒトにおいて、LLIR全身照射ががんによる死亡率を低減するという結論を得た。

*「低線量放射照射による癌発生に関するデータベースの概観」
International Centre for Low-Dose
 Radiation Research, Institute of the Environment, University of Ottawa, Canada    Dr. Phillippe Duport 
現在低線量域での発がんリスクは、200mSv以上の線量におけるデータを外挿する形で見積もられる。
1
つの疫学データや動物実験データでは確かな判断はできない。
この論文では、これまで何10年にもわたって蓄積されてきた実験動物のデータをまとめた。
目的は、実験動物での低線量放射線照射と発がんの相関を明らかにすることだ。

*「ラドンによる外部被ばくと内部被ばくの慢性的影響 200mGy以下での線量―作用曲線」
Laboratoire de Radiobiologie,
 Universite Rennes/UPRES EA 2231, Centre Eugene Marquis, France K. Nourgalieva ら

人々が自然から被ばくする放射線源としては、ラドン-222がもっとも重要だ。
被ばく線量の50%以上を占め、ウラン鉱山での抗夫の放射線障害の最も重要な因子である。 
多くの疫学調査からラドン被ばくによる肺がんの誘発が明らかにされてきた。しかし低線量での被ばくの影響はあまり報告されていない。

*「放射線線量と細胞および分子レベルでの変化」 ノーマン・ベチューン医科大学教授(中国)  Shu-Zheng Liu 
放射線の生体影響の線量‐作用曲線は対象の様々な因子に依存するが、中でも線量域と線量率が重要である。
線量0.2Gy以下になると0.5Gy以上で見られる作用とは反対の作用が観察されることがしばしば報告され、UまたはJ型の線量-作用曲線が得られている。

*「放射線の危険性と論理」 ズビグニェフ・ジャヴォロフスキー
現在世界中で実際行われている放射線防護に関する規制には、年間数千億ドルもの費用を必要としている。
この高コストは世界のエネルギーシステムの将来さえ決定しかねないが、それは妥当なことなのだろうか?

*「被爆者の疫学的データから導いた線量‐量反応関係‐しきい値の存在についての考察‐ 」
 NPO
法人放射線教育フォーラム 事務局長 松浦辰男  財団法人体質研究会 理事長 菅原努 
筆者らは、被爆者の受けた放射線量は慢性的被ばくの影響を考慮に入れて再評価することが必要だと主張してきた。
(略)発がんに関する現在の線量−反応関係はこの線量だけ右側に平行移動すべきであり、低放射線領域における発がんのしきい値は、約0.37Svであるといえる。

*「低線量率放射線は人の寿命を延ばす」 Wisconsin大学名誉教授John R. Cameron 
20
世紀の後半、低線量率放射線は健康にとって良いことはないと考えられたが、ここ数十年の間に、高自然放射線レベルや職業被ばくの線量率が健康に良いことを示す立派な疫学的証拠が出てきている。
自然放射線レベルが最も高い米国の6つの州平均がん死亡率が、48すべての州の平均より15%も低いことは、1973(Frigerio)以来知られている。
Jagger(1998)
は、ロッキー山脈のまたがる州(山岳州)の自然放射線は、メキシコ湾岸諸州よりおよそ3倍高いけれども、3つの山岳州(アイダホ、コロラド、ニューメキシコ)でのがん死亡率は、3つの湾岸諸州(ルイジアナ、ミシシッピ、アラバマ)より25%も低いことを示した。
メキシコ湾岸諸州は放射線欠乏症に罹っているように思われる(Cameron 2001)

*「ラドンのリスクは課題評価されているか? −ウラン鉱山での肺がんリスク推定において見過ごされている線量‐」 Phillippe Duport 
ここでのもうひとつの結論は、ウラン坑夫のラドンのリスクを室内ラドンのリスクに適用する場合には、ウラン鉱山での調査では見過ごされていたような(他の線源からの)線量の作用を考慮すべきである

*「三朝ラドン温泉適応症の機構にかんする検討‐温熱効果とラドン効果の比較‐」 岡山大学医学部 山岡 聖典
温泉には「化学効果」、「温熱効果」、および「放射能効果」の三つの効果があり、比較検討することは重要である。
今回は化学効果(化学成分)を同じにし、血液中の活性酸素関連物質を指標に健常者に対しては温熱効果と放射能(ラドン)効果の比較を、患者に対してはその治療効果に関し、それぞれラドン吸入1週間における変化特性の検討を行った。 

*「放射線ホルミシス ‐低線量放射線の生体への有益な作用‐」 東京理科大学 薬学部 教授 小島周二
低線量放射線による生体()影響に関する現象の多くは、これまで再現性が得られず、かつ科学的根拠に乏しいものとして見なされてきた。
しかし、その後、低線量放射線が生体に及ぼす影響に関する過去の研究例の見直しが行われ、「放射線は例え少量であっても生体()に害をもたらす」とする従来の定説にとらわれない新たな視点からの研究が活発に行われるようになってきた。
この結果、放射線の高線量域での生態()影響からは推定できないような非常に興味ある現象が次々に見出されている。

*「米国原子力造船所作業者の調査結果 −少しの放射線は健康によい?‐」 放射線と健康を考える会 
重要な調査結果が、10年待っても学術誌に発表されないため、この調査の技術諮問委員会(Technical Advisory Panel)のメンバーであったWisconsin大学名誉教授のJohn Cameron博士は、他の科学者たちの注意を引かせるため、米国物理学会のForum on Physics & Society (200110月号)で紹介された。 
以下に米国の原子力造船所作業者について行われた調査の最終報告の結果とその評価について解説する。(略)

*「低線量の放射線生物学」 加・チョークリバー研究所 放射線生物学・保健物理学部門長 R.E.J.Mitchel 
放射線防護に用いられる考え方、例えば"可能な限り、被曝線量は低減するべき"とか、"予防的措置"という考え方は低線量放射線の生物学とは相容れない。
現実の生体応答をもとにした、新しい放射線防護のリスク評価が必要な時期だ。 

*「20世紀とその後の電離放射線」 Prof. Dr. Zbigniew Jaworowski ポーランド放射線防護中央研究所 
2次世界大戦後に急に起こってきた社会的風潮の変化は、放射線の新たな危険が発見されたことによるものではなく、放射線の実際の影響とも関係なく、政治的、社会的な理由から生じたものである。(Jaworowski, 1999)。 

*「英国放射線科医の100年にわたる調査結果 −1897年から1997年のがんおよびその他の病気による死亡率」 
Berrington, A., Darby, S.C., Weiss, H.A., Doll, R
 
放射線科医と放射線治療士は放射線利用の初期の頃に職業的に放射線被ばくした集団の一つであり、彼らの死亡率パターンは長期の断続的外部被ばくの影響についての知見を提供する。
1897
年から1979年の間に放射線医師学会に登録した英国の放射線科医について19971月まで追跡調査し、初めて放射線防護の勧告が公表された1920年以降の登録医における死亡率を検討した。

*「欧州におけるラドン療法の医学的研究に関する最近の動向」 
岡山大学医学部医用放射線科学研究室助教授 山岡聖典  岡山大学附属病院三朝分室講師 御舩尚志
本総説は、本邦で実施している三朝ラドン温泉の適応症に関する機構解明に資するために調査した欧州におけるラドン療法の医学的研究に関する最近の動向の概要についてまとめたものである。 

*「欧州におけるラドン療法の医学的研究に関する最近の動向」 
医療被ばく、放射能の放出、そして誤った情報:フランス医学アカデミーの意見 
X
線による医療被ばくや放射能の環境への放出、そしてこれらに関する誤った情報などに関して公衆において生じる問題に関して意見を述べたいと思う。 

*「高自然放射線地域住民の健康調査 (中国1979−95)」  ()体質研究会 理事長 菅原 努 
中国広東省の高自然放射線地域のことについては10年前の19909月発行の「環境と健康(Vol.35)」に“自然放射線と健康”と題して、中国の工業衛生実験所の発表を材料にして報告しました。
これが一つの契機になって日中共同研究の話が持ち上がり、翌19911月に京都で日中の専門家が集まり今までの成果を検討し、新しい研究計画の提案がなされました。
それを受けて1991年度に一年をかけて予備調査を行い、それに基づいて1992年から3年づつ26年の共同研究を行いました。

*「ドイツ原子力学会誌ATW20021月号より 放射線防護の進展に関するシンポジウム」 
放射線・科学・健康協会:副会長 クラウス・ベッカー(ベルリン)
放射線防護分野のベテラン・ステーツマンであるL. S. Taylor(NCRP会長、ICRP委員、等歴任)は、1957年にすでに次のようにいっている。
「放射線防護は、単に科学の問題であるばかりでなく、哲学、道徳、究極の英知の問題である」と。
45
年経った現在、LNTモデルは多くの場合適用できず、誤解を招いていることが明らかになっている。 

*「糖尿病と放射線の作用」 東京理科大学客員研究員 高橋希之
低線量放射線は細胞内に抗酸化物質の合成を誘導することが知られており、細胞内活性酸素の増加およびベータ細胞のアポトーシスを抑制し、結果として糖尿病の発症を抑制する可能性が考えられている。 

*「低線量の発ガン作用―しきい値なし直線相関の有効性―」 フランス科学アカデミー会員 Dr. Maurice Tubiana 
最近のUNSCEAR報告書は発がんの危険性(リスク)における「しきい値なし直線的相関」(LNT)の有効性についての議論を再燃させている。

*「低線量放射線の不思議な生体作用―ラドン温泉が効くわけを探るー」
岡山大学医学部 医用放射線科学研究室  助教授 山岡聖典 東京理科大学 薬学部 教授 小島周二 
ラドン温泉が種々の疾患に対して有効であることは、さまざまな調査でわかっていたが、なぜ効くかは不明だった。
最近、低線量の放射線を用いた実験から、その謎を解くヒントがみつかりはじめている。

 

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A.電中研の低線量研究2009

電中研ニュース451号  2009119日発行からの引用です。

低線量放射線の影響解明に挑む‐高自然放射線地域における疫学調査結果から−

私たちを含めた地球上の生物は、実は常に宇宙と大地、さらには空気中や食物中からの「自然放射線」を受けながら生活しています。
このうち大地からの自然放射線の強さの分布をみると、世界の中ではインドのケララ州をはじめ、イラン、そして中国・広東省にある陽江地区などが日本よりもかなり高くなっていることがわかります。

 

電力中央研究所では、自然放射線の影響を明らかにすることを目的として、高自然放射線地域(HBRA - High Background Radiation Area)で生活している人々を対象にした疫学調査研究に取り組み、その影響が従来の定説とは異なっていることを見出しました。

HBRA調査の有用性
高自然放射線地域(以下HBRA)の住民を対象とした調査は、男女両性の幅広い年齢層を含み、通常の生活を送っているために特殊なストレスを受けていない人々が対象であるという特長があります。
しかもこれは、低線量率で長期(生涯)にわたる被ばく影響の調査であることも重要なポイントです。
しかし反面、こうした住民調査では小さい影響に対しても統計的な正確さを維持するため、大規模な集団を対象とする必要があり、また健康リスク影響を判断するには長期間継続して観察する必要があります。

30年以上にわたる長期調査
HBRA
の疫学調査は1972年から中国政府により開始され、 1992年からは京都大学名誉教授の菅原努博士を中心に、日本の財団法人体質研究会と中国の研究グループとの国際共同研究という形で大規模に進められてきました。
1998
年からは、さらにインドやイランを含めた国際共同研究に発展し、2003年から当研究所もこの国際共同研究に参画し現在に至っています。
イランのHBRAでは人口が少ないため疫学調査には至っておりませんが、中国での調査は、HBRAと比較の対照地域とを併せ約200万人午(対象者数×追跡年数)、インドでは約74万人年という規模に達しており、現在これらの解析を進めています。
この中から、これまでの定説を覆す結果が徐々に得られています。

 

■中国の調査では死亡率には有意差なし
中国での疫学調査は広東省の陽江地区で行なわれてきました。
同地域は広州から200km程の所ですが、土壌や建築材料中にトリウムやウランが含まれ、自然放射線量が高くなっています。
また、比較のための通常の放射線レベル地域(対照地域)として隣の恩平地区を選び、それぞれの地域で住民の生活環境が似ている農村を選定しました。
さらに、その地域に二世代以上継続して居住している漢民族系の人に限定して調査を実施しました(1)
平均で約2.6倍線量率が異なる両地域での、1979年から98年までの死亡率を示したのが表1です。
まず、表中の死亡率(1000人に対する相対値)から明らかなように、両地域の死亡率には有意な差はないことがわかりました。

さらに、対照地域に対する相対的なリスク(相対リスク)について、被ばくした総線量あたりのがんリスクの増減をグラフにしてその傾きを計算すると、 1シーベルト(Sv)あたりで-0.11と、有意ではないもののむしろHBRAの方が、若干がん死亡率が低くなる傾向が観察されています。
この結果からは、 HBRAのレベルの放射線を生涯にわたって受けても有意な健康影響がみられることはないと考えられます。
今後、この地域のデータの交絡因子(放射線以外の諸要因)に関する解析などを継続し、より詳細に分析をしていく予定です。

■インドでも調査を実施
インド南西端ケララ州のアラビア海に面した海岸地帯にあるカルナガパリ地区も、高自然放射線地区として知られています。
この海岸には、放射性物質を含んだモナザイトという鉱物が混ざった黒い砂浜が広がっており、その中の放射性物質から出るガンマ線により自然放射線量が高くなっています。

1990
年にケララ州にある地域がんセンターがこの地方のがん罹患率などの調査を開始し、その後国際共同研究へと発展してきました。
カルナガパリ地区の高自然放射線地域4支区をHBRAとして、同地区内の2支区をその対照として設定し調査を実施しました(2)
これらの6地域にはカルナガパリ地区全体38万人の人口のうちの約半数が居住しており、その調査では中国で観察している「がん死亡」よりも詳細なデータで、精度も高いとされる「がん罹患」についても観察しています。

まずこの地域で、食物由来などを除く体外からの自然放射線による被ばく線量を測定した結果、世界での平均が0.9mSvのところ、対照地域の平均が0.77mSvであったのに対し、HBRAの平均は2.10mSvと約3倍高いことがわかりました。

 

 

■中・印で同様の結果を確認
インドでの健廉影響調査の結果、白血病については線量に伴う多少の増加傾向はあるものの有意差はみられず、それ以外のがんについては、被ばくした総線量あたりでも年間の線量率あたりでも、がんの相対リスクの増加はないことがわかりました。
さらに、総線量あたりのグラフの傾きを計算すると- 0.13と、有意ではないもののリスクの減少傾向が観察されており、中国と同様の結果がインドでも確認されました。

また、中国・インドともに、いくつかの特定部位のがんに対象を絞った詳細な検討も行ってきましたが、両者に一致して有意なリスクの上昇を示すデータはありませんでした。
さらに、がん以外の疾病を対象にして解析を行っても、有意な健康影響はみられていません

ただし、インドの調査規模は中国に比べると小さいことから、今後、調査対象をカルナガパリ地区全体に拡大し、これからもデータの蓄積と解析を継続していきます。

■継続した調査が重要
長年にわたる中国・インドのHBRAの疫学調査からは、通常の自然放射線レベルの3-5倍程度の放射線量であっても、人体に対する健康影響としては有意差が認められないことがわかってきました。
放射線は往々にして、どんなに少量であってもそれが発がん要因であるかのように言われていますが、本調査からはそれらの説を支持する結果は得られていません。

関心のある方は、この研究の全文を入手して、読んでください。

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9B.劣化ウランによる健康影響


以下は 食品安全情報blog http://d.hatena.ne.jp/uneyama/  にあった内容です。
一部を引用して紹介。

*******     ************
2010-06-16
[EU]劣化ウランによる環境と健康リスクに関するSCHERの意見
SCHER Opinion on: the environmental and health risks posed by depleted uranium
http://ec.europa.eu/health/scientific_committees/environmental_risks/docs/scher_o_123.pdf
パブリックコメント募集を経て2010518日の本会議で採択されたもの
PDF 41
ページ

天然の食品や水に含まれる放射性ウランはがんやその他の健康影響はないとNRCは述べている。
さらにウランの採掘労働者の累積内部線量200mSv以下でのウランの暴露と肺がんの関連は見られていない。
ウラン採掘労働者の場合肺がんの主なリスク要因はラドンで、大きな交絡要因は喫煙である。
放射線学的には劣化ウランや天然ウランによる放射線由来の健康ハザードはない。

また軍事的に劣化ウランが使用された地域の暴露量はウランの化学毒性閾値より低く、劣化ウランの化学的および放射線学的毒性による一般人の健康リスクはない。
この結論は全ての専門家委員会が支持している。

劣化ウランが使用された地域で従軍していた軍人の子どもに奇形が多いという主張がしばしばなされるが実証されていない。
イラク南部やクウェートでの奇形が増加しているという報告は科学文献には存在しない。

(略)
**************************

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9C.コバルト放射による健康影響、ホルミシス効果か否か、台湾の事例 

記:2016−1−30

*最初に

ダイヤモンドオンライン 2011521日配信に以下の記事があった。

**********************
やはり後手に回った放射能汚泥 建築資材で都内に15万トン流通か

週刊ダイヤモンド(416日号)が明らかにした下水汚泥の放射能汚染と、それが建築資材などとして流通する問題が今月、最悪のかたちで現実のものとなった。

(略)

1992
年に台湾で発覚したマンションの鉄筋にコバルトが誤って混入した問題では、1500世帯が長期間被ばくし、ガンなどの健康被害が多数確認された。
他国の教訓も生かせずに後手に回る対応は、まぎれもなく人災である。
***********************

この記事にある1992年台湾の事例を、まとめてみることにする。


*台湾におけるコバルト曝露の概要

Atomica
にあった情報
http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_Key=09-03-03-07


****************************************
3.スクラップ材の再利用による外国での事故例
1983
114日に台湾電力第一原子力発電所の燃料貯蔵槽の建設のため、製鉄業者が鉄筋をトラックに積載して第一原子力発電所のゲートを通過した時、ゲート付近に設置されていた放射線モニターがアラームを発したことにより放射能汚染の鉄筋が発見された。

その後の調査の結果、60Coによる鉄筋汚染の原因は、1982年に陸軍化学兵学校で紛失した60Co線源23.8Ci8.81×1011Bq)が、学校の出入規則の緩さのため、勝手に入り込んだ民衆に拾われ、それを金属スクラップとして古物屋に売り、製鉄会社に転売されて鉄筋として再利用されたことによるものと考えられている。

台湾の台北市で1984年に完成した「民生アパート」やその他多くのビルが、60Coで汚染した鉄筋で建設された。
そして、これらのビルに入居した多くの住民が外部被爆した。

「民生アパート」に入居した啓元歯科医院のレントゲン室およびその隣に入居した億昌音響会社事務所兼倉庫の線量率測定結果を図4<図は割愛>に示す。
「中国商銀天母社員寮」および「民生アパート」入居者の健康影響および被害状況を表1<表は割愛>に示す。
1983
年以後に建設された放射線汚染ビルの調査は、放射能汚染鉄筋事件が明るみになった1992年から民間の手掛かり、建築会社の資科、台湾放射線防護協会、原子力委員会等によりサーベイメータ、TLDで市内175のビルについて測定され、放射線汚染の程度が分析された。
放射線汚染家屋の居住者は1,600世帯におよんでいる。

結局、放射能汚染の鉄筋が市場に出回り、建築材料として使用され、10年以上の間に数千人が被害者となった。
*****************************


*コバルトを含む鉄骨の建物に住む人への健康影響

以下の研究では水晶体への放射線の影響を検出
掲載誌:Radiat Res. 2001 Jul;156(1):71-7.
タイトル:Lenticular opacities(水晶体の不透明) in populations exposed to chronic low-dose-rate gamma radiation from radio-contaminated buildings in Taiwan.
研究者:Chen WL, Hwang JS, Hu TH, Chen MS, Chang WP.

1998
年コバルト60を包含した鉄骨で建設された建物に住んで低線量―慢性被爆をうけた台湾の114名を対象にして、目の水晶体の定量的な検査を行った。
対象者は20歳未満、2040歳、40歳以上の3群に分けた。
台湾の累積曝露評価法によって、個々の対象者の累積曝露を評価した。
20
歳以下の群では、水晶体の損傷の有意な曝露量と関連した増加がみられた。他の2群では有意な増加は見られなかった。
この結果は、若い人の水晶体に、特に慢性的な低線量の曝露が損傷を与えることを示唆している。


以下の研究は被爆の甲状腺への影響を見つけたもの。
掲載誌:Int J Radiat Biol. 2001 Nov;77(11):1117-22.
タイトル:Effect of prolonged radiation exposure on the thyroid gland甲状腺 of residents living in 60Co-contaminated rebar buildings.
研究者:Chang TC, Chen WL, Chang WP, Chen CJ.

目的:コバルト60を包含した鉄骨製建物の住む住民の甲状腺に、長期間の低線量のガンマ線曝露が影響するか検討する。

方法:
1346
名の住民を対象に甲状腺の機能などを検査。
対象群は、15歳以下と以上、男女別、被爆量で階層化した。

結果と結論
男性の全年齢階層と、女性の15歳以下の年齢階層の群に、被曝量に関連する甲状腺異常の有意な増加がみられた。


以下の研究は、住民の染色体異常が有意に高かったというもの。
掲載誌:Int J Radiat Biol. 2002 Jul;78(7):635-9.
タイトル:Health examination and chromosome aberration analysis of residents living in 60Co-contaminated rebar buildings.
研究者:Liu RS1, Chen WL, Chen FD.

目的:
コバルト60を包含した鉄骨製建物の住む住民の染色体異常に、長期間の低線量のガンマ線曝露が影響するか検討する。

方法
被爆が判明して6ヶ月以内に、189名の住民対象とした。
対象者の年間被曝量は、台湾の一般的な被曝量を超えて、295ミリシーベルト/年であった。
136
名の住民の染色体を調査した。

結果
放射能物質を取り込んだ建物の住民に二動原体染色体が発生する頻度の統計解析結果は0.69で対照群の0.33に比べて、有意に高かった。

BEMSJ
注:二動原体;二動原体染色体が発生する頻度は、放射線をどのぐらい浴びたかという被ばく量に伴って増加し、二動原体染色体の発生頻度と被ばくの量には一定の相関関係がある事が知られています。



*ホルミシスを認めた研究―2

掲載誌:Proceedings of the 14th Pacific Basin Nuclear Conference, Honolulu, HI, Mar. 21-25, 2004
タイトル:Effects of Cobalt-60 Exposure on Health of Taiwan Residents Suggest New Approach Needed in Radiation Protection
研究者:W.L. Chen

この論文の概要:
コバルト60が鉄筋に混入したアパート住民の健康影響調査
2004
321日から25日に行われた第14回環太平洋国際会議(PBNC)で、台湾の研究者から、誤ってコバルト60が混入した鉄筋を使って建てられたアパートの住民に対する健康影響調査の結果が報告されました。

20年前(19821984年)、廃棄されたコバルト60線源が偶然リサイクル鉄鋼に混入し、それが、台北市とその近郊のアパートを含む約1700の建物の鉄筋に使われてしまいました。およそ1万人の人々が、これらの建物に920年間居住し、平均約400mSvの放射線を被曝しました。

調査結果によると、アパートの居住者のがん死亡率は、台湾の一般公衆の3パーセントにまで大幅に低下しました(図1)。
また、先天性奇形の発生率も、一般人の発生率のおよそ7パーセントに減少しました。

この発表は、同会議において大いに議論を呼び、米国エネルギー省(DOE)の仲介でカナダの疫学調査の専門家が研究に加わり、さらに詳しい調査が行われることになりました。

γ線の測定で、明らかにコバルト60によって汚染されていることがわかり、居住初年度の1983年には、最高で1年間1Sv(通常の1,000)近く被ばくをした住民がいたことが推測されている。

放射線レベルの特に高い部屋に住んでいる人は1,000名程度で、この人達の受けた初年度の平均年間線量は525mSv、つまり通常の約500倍であった。
このマンション居住者の1983年頃に受けていた平均年間線量率は約73mSv/年であった。
マンションの放射線レベルがこのように高いことが発見されたのは完成後10年も経過してからで、原因がコバルト60によることも確認されているので、完成直後はどのようであったかについてはコバルト605年あまりの半減期から逆算したものである。

もちろん、現在は年間の放射線レベルは1983年当時の1/10以下になっている。
さて、このマンション居住者のがん死亡者はわずかに7名であり、これは驚異的な値である。
なぜかといえば、この台北地域のがん死亡率は年間10-3あまりで、この死亡率から20年間にマンションの住民約10,000人のがん死亡者数を計算すると200名程度ということになるから、これに比べると7名というのはがん死亡者数が5%以下になってしまったということになる。

1 一般公衆とアパート居住者のがん死亡率の比較
一般公衆のがん死亡率は1983年から2002年にかけて徐々に増加している。
コバルトを含んだ鉄骨で建てられた建物で放射線に長期に被爆した人々の癌死亡率は、一般に比べて低く、年々減ってきている。

BEMSJ注:台湾のChenはコバルトからの放射線被爆の陰性効果と、陽性効果を共に見つけている。バイアスのかかっていない研究者と言える。>

BEMSJ注:このChen2004年研究は、かなり広く「放射線ホルミシスの効果が検証された事例として、様々な論文や解説書で引用されている。しかし、以下に示すように、この研究は否定されている。疫学研究の難易さを示す事例といえる。疫学研究だけで、判断できないことを示す事例とも言える。>


*ホルミシスを認めなかった後年の研究2007

掲載誌:International Congress Series 1299 (2007) 8797
タイトル:Cancer risk analysis of low-dose radiation exposure 線量被曝における発癌リスクの分析
研究者:Sulun Hwang

コバルト60に汚染された鉄筋をつかって建てられたアパートから約10年の長期にわたり低線量のγ線被曝を受けた台湾人住民における発癌リスクへの放射線の影響を調査した。
このグループの発癌リスクを、台湾における同じ時期、同じ地理的性格の住民と、年齢と性別で調整した標準化罹患比により比較した。

標準化罹患比は、男性の慢性リンパ球性白血病を除くすべての白血病でアパート住民が有意に高く、また、女性の甲状腺癌で有意傾向にあった。
すべての癌を合わせてみると、最初の被曝が30歳前の個人においては被曝に応じた有意な増加が見られたが、30歳以降の場合はそれが見られなかった。
Cox
比例ハザードモデルによる1シーベルトの過剰相対リスクはすべての癌を合わせた場合、そして乳がんと白血病において有意に高く、固形癌、すべての固形癌を合わせた場合、胃癌、肺癌において有意傾向にあった。

この結果は、長期にわたる低線量被曝が一般公衆の発癌リスクとりわけ白血病罹患リスクを高めること、および、そのリスクは急性放射線被曝の場合と同等であることを示している。


*ホルミシスを否定した2008年の研究

掲載誌:Radiation Research 170(2):143-148. 2008
タイトル:Estimates of Relative Risks for Cancers in a Population after Prolonged Low-Dose-Rate Radiation Exposure: A Follow-up Assessment from 1983 to 2005 長期的な低線量被曝による相対発癌リスク推定:1983年から2005年のフォローアップ
研究者:Hwangag, et. al.

コバルト60に汚染された鉄筋をつかって建てられたアパートから長期にわたる低線量のγ線被曝を受けた台湾人住民のコホートにおける発癌リスクへの放射線の影響を調査し、放射線に被曝した他のコホートとリスクを比較した。
分析は、コホート集団のより包括的なフォローアップに基づいており、そこでは、1983年から2005年のあいだに、推定平均48 mGyの超過累積被曝を受けた6242人の中で117の発癌ケースが見られた。
ケースは、台湾の全国癌登録に基づき同定された。

発癌リスクに対する放射線の影響は、比例ハザードモデルを用いて推定され100-mGyの被曝増加に対する危険率(HR100mGy)によりまとめられた。
慢性リンパ球性白血病以外の白血病については、有意な放射線のリスクが観察された(HR100mGy 1.19 , 90%信頼区間 1.011.31)。
乳がんについてもわずかに有意な用量反応関係が見られた(HR100mGy 1.12 , 90%信頼区間0.991.21)。

この結果は、調査対象となったコホート集団において、とりわけ乳がんと白血病に関して長期的な低線量被曝と発癌リスクの間に関係があることをさらに支持するものである。

 

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10.草間著 放射線の本

 

草間朋子 著  放射能 見えない危険
読売科学選書 1990年 読売新聞社 を読んで気のついた点です。 

東大医学部の草間先生の著書、"放射線みえない危険"を読みました。 
低周波の磁界影響と直接的に関係が無いかもしれませんが、こうした放射線、いわゆる電離放射線の影響や研究の手法を学ぶ事は、低周波磁界等の非電離放射線の影響を調査する為には、それなりに有効です。 
興味のある方は、この本を探して、読んで下さい。 

この中で非常に興味を持ったことが2点有ります。 

1)人間は宇宙線や地球を構成している岩石からの放射線被爆を受けている。 自分の体の中にある骨の成分などのカリウムの一部が放射能を持っている。 
これによる自己暴露によって1)の被爆量の2ー3倍の放射線被爆を受けている。 
こうした電離放射線は細胞やDNAを傷つける事ができる。 

2)これらの外部及び内部の放射線によって、人間の体内の細胞等は毎日被爆し続けており、DNA等は損傷・影響を受けている。 
こうした放射線は人類誕生前から地球上に存在し、人間にはこれに耐える機能が備わっている。 

仮にDNAが損傷を受けたとしても、DNAの損傷を修理する機能や、損傷した細胞は自ら死んでしまう自己防護機能がある。
自己防護機能で対応仕切れないような大量の放射線被爆を受けると、当然 影響は生じる(原爆の例)。 
微量の時は、修復作用でまかなえる、 しかし修復モレ等の可能性はあり、そうした生き残った異常なDNA等が後で 健康に影響を与える可能性はある。 

この点から、放射線はできるだけ被爆しないようにする。 これは、放射線はどんな低レベルでも危険であるという現在の一般的な科学的な論拠になっていることです。 

1)にあるように、人間の体内に放射線源を持っていることは、変な言い方をすれば "もし、放射線はどんな低レベルでも危険であるとすれば、 そのためには人間の体に含まれている微量な放射線源を無くすために、その人間を殺さなければならない。 生きていく為には 自らを殺さなければならない。" という自己矛盾に陥ってしまいます。


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11.フランス原子力施設と小児白血病2004

 

掲載誌:  British Journal of Cancer 31 August 2004, Volume 91, Issue 5
British Journal of Cancer advance online publication 27 July 2004; doi:10.1038/sj.bjc.6602068

タイトル:Incidence of childhood leukemia in the vicinity of nuclear sites in France, 1990-1998 199098年のフランスの原子力施設周辺における小児白血病の発生率

研究者:M L White-Koning 1, D Hémon1, D Laurier 2, M Tirmarche 2, E Jougla 3, A Goubin1 and J Clavel 1

1:Institut National de la Santé et de la Recherche Médicale INSERM - U170-IFR69, 16 avenue Paul Vaillant Couturier, 94807 Villejuif Cedex, France

概要:

Overall, 670 cases (O) of childhood leukemia were diagnosed within 20 km of the 29 French nuclear installations between 1990 and 1998 compared to an expected number (E) of 729.09 cases (O/E=0.92, 95% confidence interval (CI)=[0.85-0.99]).

1990
年から1998年にかけて、フランスの29箇所の原子力施設から20km以内で小児白血病と診断された670の症例(O:観察)を対象とした。比較の対照は729.09例(E:期待値)である。

Each of the four areas defined around the sites showed non significant deficits of cases (0-5 km: O=65, O/E=0.87, CI=[0.67-1.10]; 5-10 km: O=165, O/E=0.95, CI=[0.81-1.10]; 10-15 km: O=220, O/E=0.88, CI=[0.77-1.00]; 15-20 km: O=220, O/E=0.96, CI=[0.84-1.10]).

距離を4階層に区分して解析した結果、統計的には有意ではないが、リスクの低下が見られた。
0-5km
では観察値=65 O/E=0.87, 信頼区間CI=0.67-1.10; 距離5-10 kmでは観察値=165, O/E=0.95, 信頼区間CI=0.81-1.10; 距離10-15kmでは観察値=220, O/E=0.88, 信頼区間CI=0.77-1.00; 距離15-20kmでは観察値=220, O/E=0.96, 信頼区間CI=0.84-1.10であった、

There was no evidence of a trend in standardized incidence ratio with distance from the sites for all children or for any of the three age groups studied.

全ての子供で解析しても、もしくは年齢階層を3階層に区分して解析しても、原子力施設からの距離と発生率の傾向は見られない。(近距離になっても増加の傾向はない)。

Similar results were obtained when the start-up year of the electricity-generating nuclear sites and their electric nuclear power were taken into account.

原子力発電所の稼動時期や、発電量などを考慮しても、同じ結果であった。

No evidence was found of a generally increased risk of childhood leukemia around the 29 French nuclear sites under study during 1990-1998.

199098年の29のフランスにおける原子力施設の周囲における小児白血病のリスク増加は見られない。

 興味をもたれた方は、原著論文を入手され、読んでください。

 

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12.ホルミシス効果は放射線以外でも発見されている

「日経サイエンス」200311月号に「少量の毒は薬にも 環境汚染物質は常に有害とは限らないようだ ホルミシスと呼ぶ奇妙な現象の研究が進みつつある」という興味深い記事があります。 

興味のある方は、バックナンバーを探して、読んでください。
この中で、以下の図に示す例も紹介されている。公害に関連して対応が必須になっているカドミニウムに関しても、ある一定以上の量の場合は害があるが、ある一定以下の量の場合は、逆に、カドミニウムに暴露したヒト卵巣細胞の生存率が上昇するという効果である。



 引用:日経サイエンス 200311月号



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13.電中研 2005年 ホルミシス講演会


電力中研の放射線ホルミシスに関する講演会が開催され、聴講した。 110名ほどが、会場にぎっしりと入り、盛況であった。
              作成:2005-12-15 

電力中央研究所 低線量放射線研究センター 平成17 年度「成果発表と講演の会」  
低線量放射線研究〜10年の成果と今後の展開〜
平成171215()  KDDIホール(東京・大手町)

■プログラム
◆開会挨拶 13:30 - 13:35  常務理事 岡本 尚武
◆電中研および連携研究の成果より
1. 10
年前の問題提起とその解決に向けての取り組み 13:35 - 14:05  低線量放射線研究センター センター長 石田 健二
2.
原爆被爆者の調査研究からみた放射線のリスク 14:05 - 14:35  長崎大学医歯薬学総合研究科 助教授 三根 真理子
3.
放射線適応応答 〜マウス個体の放射線抵抗性獲得〜 14:35 - 15:05  元大阪府立大学 教授 米澤 司郎
4.
低線量放射線による発がんの一次標的はDNA であろうか? 〜バイスタンダー影響と遅延型影響〜 15:05 - 15:35 京都大学原子炉実験所 教授 渡邉 正己

◆特別講演

5. 低線量影響研究への期待 〜放射線防護の立場から〜 15:55 - 16:25  京都大学放射線生物研究センター 教授 丹羽 太貫

◆総合討論 16:25 - 17:25  座長 低線量放射線研究センター 副センター長 酒井 一夫
◆閉会挨拶 17:25 - 17:30  原子力技術研究所 所長 横山 速一

 以下はBEMSJが残してきたメモをまとめたものである。 興味のある方は、詳細は、講演会のレジメを入手して読んでください。

10年前の問題提起とその解決に向けての取り組み   低線量放射線研究センター センター長 石田 健二
・放射線防護に関して、1950年までの勧告は放射線曝露とその影響には閾値があるとしていた。
・しかし、一部の遺伝学者からはショウジョバエを使った研究成果などに基づく批判があった。
1958年のICRPの勧告では、線量に注目した。
1977年に晩発性の影響を示すデータが出てきた。
1990年、ガンの誘発の着目し、閾値なし直線仮説LNTが定着した。
1990年頃はまだ低線量放射線に関する研究はほとんどなかった。
1982年のWolffの研究に関連して、電中研では低線量放射線の研究を、プロジェクトを始めた。
・研究によって、放射線の影響には、線量だけではなく、線量率が大きく関係しているように見える。
・自然界の高い放射線曝露を受けている地域(中国、インド、イラン)における疫学調査も進めている。
・中国の疫学調査によれば、対照群の曝露1.67mSvに対して、高曝露群の曝露は6mSvである。高曝露群に有意なガンの増加はない。遺伝子の突然変異発現の割合は高かった。
・今後は、疫学と生物・動物実験を組み合わせて、低線量放射線の研究を進めていく。

*原爆被爆者の調査研究からみた放射線のリスク   長崎大学医歯薬学総合研究科 助教授 三根 真理子
・広島の放射線影響研究所の研究データは、一部は公開されている。そのデータを再解析している。疫学の研究を行なっている。
・その結果、例として、白血病の発生・死亡リスクと曝露した線量との関係が直線ではなく、0.2Sv以下の曝露ではリスクがないという閾値が見られた。

予稿集から引用


*放射線適応応答 〜マウス個体の放射線抵抗性獲得〜 元大阪府立大学 教授 米澤 司郎
・定年になるまでこの研究を行なっていた。
0.45GyX線をマウスに照射した研究で、放射線適応特性(ホルミシス効果)が現れるが、その効果は照射後8日以降に発現し、13日後にピークとなり、21日後以降は効果がなくなるという関係があった。

*低線量放射線による発がんの一次標的はDNAであろうか? 〜バイスタンダー影響と遅延型影響〜  京都大学原子炉実験所 教授 渡邉 正己
・演題に示すように、低線量放射線による発がんは、DNAの損傷によるものではないとは断定できないが、かなり疑わしいというのが研究成果であり、そのために、「だろうか?」と?マークをつけた。
従来の「放射線(電離放射線)による遺伝子・DNAの損傷 → 突然変異の発生 → 発がん」という発がん仮説は疑わしい。
・インビトロでの研究結果と、この発がん仮説は、結びつかない。 何が影響?

・以下の図に示す例のように、線量を変えて、生存率を調べ、同時に突然変異の発現率と細胞のガン化発生率を調べているが、この2者の関係が一致していない。
突然変異の発現が少ないにも関わらず、細胞のガンの発生が多い。これは理屈では説明できない。何か、細胞のガン化を強烈に促進する機能・要素が別にないと、こうしたことは起こりえない。
・新しい知見として、バイスタンダー効果がある。放射線を浴びた細胞の近くにあって直接放射線照射を受けていない細胞に、間接的な影響を与えている可能性がある。何か照射を受けた細胞から受けない細胞に情報が伝わり、その情報によってそれらの細胞が変化をしている。 また遅延型効果もある。何代かの細胞分裂を繰り返した後に、影響が発現する。

生存率

 

突然変異の発生率

 

細胞のガン化率

 

予稿集から引用

細胞ガン化率

 
 


*低線量影響研究への期待 〜放射線防護の立場から〜 京都大学放射線生物研究センター 教授 丹羽 太貫
ICRPの委員も務めているので、放射線防護も念頭においている。
LNT閾値なし直線仮説は、放射線防護のために有効な仮説であると、ICRPでは考える。低線量の領域に関してはまだ判っていない。
よってあくまでもリスク管理の手法である。過剰な適用は好ましくない。

100mSv以下の線量の影響はまだわかっていない、フランスの科学アカデミーでは閾値ありと見ている。
ICRP
は直線と仮定している、もっときびしく見るべきという立場もある。

ICRPでは放射線曝露は発がんに関連すると考えている。昔考えていた遺伝的な放射線の影響は考えなくなってきた。
それば、長崎・広島の被爆者の追跡調査の結果、親が被曝した子供に何も影響があらわれていないという研究結果があり、仮に子孫に影響が残ったとすればそうした影響を受けた子孫の生存率は低くなり、遺伝的な影響は全体から見れば少ない、といえるからである。
・放射線の影響は、発育中の子供などが受け易く、大人になればそうした影響度は低くなる。そうした観点から18歳以上を対象とした職業的な曝露限度値は大きくしてある。

*総合討論  座長 低線量放射線研究センター 副センター長 酒井 一夫
Q(フロア):ICRPは国際的な権威である。設定した暴露基準値に対して、それより低い曝露に対しては、明確に、「大丈夫・OK・安全である」ということを宣言したり、宣伝したりすべきである。
AICRPの規定は、LNT仮説は、あくまでもリスク管理の規定である。

(その他の総合討論は割愛、内容が難しくメモを残せなかった。)

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14.自然界に存在する宇宙からの放射線

 

これは筆者が1991年10月に静岡県 浜岡の原子力発電所を訪問し、発電所内の広報館である原子力館に入り、そこにあった放射線カウンタの指示値をメモしてきた結果である。 

原子力館では、自然界に、宇宙から飛んでくる放射線の量をガイガーカウンターで常に測定を行っていた。
その数字は10−12μR/Hであった。

 

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15.日光に含まれる紫外線(UVB)による白血病リスクの増加

記;2009−8−19

以下は日本人による研究です。 

掲載誌:Environmental Research, Vol. 92, pp78-84. 2003
タイトル:Geographical correlation between ambient UVB level and mortality risk of leukemia in Japan,
研究者:Masamichi Uehara et al.,

概要:
日本人の研究者達がB紫外線(UVB)を浴びるとリンパ性白血病のリスクが高まることを発見した。

オゾン層が少なくなったために、太陽からの紫外線が近年増加している。
皮膚ガンの症例が同じく増加している。

これまで皮膚ガンが紫外線にさらされて起こると知られているがんのただ1つタイプであった。
しかしながら、最近の動物実験から紫外線にさらされたマウスは免疫力が抑制されて白血病を誘発することが実証されている。


日本の南西部では北東部よりT細胞白血病の症例がより多く発見されている。
この現象を説明するのに南部の人がより高レベルのB紫外線にさらされたためであることが考えられる。

従って、北九州市の産業医科大学の研究者達は推定したB紫外線レベルと日本での白血病による死亡リスクとの間に地理的な相互関係があるかどうか調査した。

研究者達は1961―1969年、1970―79年、1980―89年と1990年に46〜62ヶ所の気象観測所から11の地域と38の都市のB紫外線レベルに関する情報を集めた。
さらに1973年から1994年に亘ってこれらの地域で9つの異なったタイプの白血病による死亡率に関する情報を同じく集めた。

研究者達は北部から南部にわたってB紫外線レベルが高まり、2つのタイプの白血病による死亡率が同様に増えたことを発見した。

この正の相互関係は、特に40歳以上の人にみられた。このことはB紫外線の効果が累積的あるいは長い潜伏期間の後に現れる事を示している。

研究者達はB紫外線に多くさらされることが未知の発がん性ウイルスを活性化し2つのタイプの白血病を起こすという仮説をたてた。
しかしながら、この仮説は将来証明されなければならない。

関心のある方は、この論文の全文を入手して読んでください。

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16.日光は多発性硬化症のリスクを減少 2003年の研究

記:2009−8−20

研究者:I A F van der Mei at al.,
タイトル:Past exposure to sun, skin phenotype, and risk of multiple sclerosis: case-control study,
掲載誌:BMJ, Vol. 327, pp316-20. 2003

「多発性硬化症を避けるために日光を浴びるべき」

オーストラリアの研究者達は、6歳から15歳までに沢山日光を浴びることや日光による皮膚の大きな破損が多発性硬化症のリスクの減少に関連しているという新しい証拠を発見した。

多発性硬化症(Multiple sclerosis、MS)は自己免疫疾患でその病原ははっきりしないが、神経の炎症疾患である。手足の衰弱や麻痺、ぼんやりとした視覚、困難なバランス、そして嘔吐のようないろいろな症状をともなう。

そしてMSは(赤道からより離れた)より高い緯度においてより多く発症していることが知られている。
この事実を説明するのに考えられる1つの理由は、より高い緯度に住んでいる人々は一般により低いレベルの紫外線にさらされているということである。

この仮説を試すために、オーストラリアのタスマニア大学の研究者達はMS患者136人と性別と年齢が一致した健常人272人を調査した。
被験者達は赤道から最も遠いオーストラリアのタスマニア島の住民であった。

1999年3月と2001年6月の間に、研究者達は過去の冬と夏にどのくらい日光にさらされたか、日光をさけるためにとった処置、ビタミンDの使用、病歴と多発性硬化症と関連していると思われる他の要因(喫煙やメラニン濃度)についてMS患者と健常人からアンケートをとった。
また、研究者達は同じく皮膚の破損と皮膚の色を評価した。

研究者達は、6歳から15歳までの年齢により多く日光を浴びること(夏に1日平均 2―3時間日光を浴びること)が多発性硬化症のリスク70%減少に関連していることを発見した。
けれども、MS防止のためには(夏より)冬に日光により多くさらされることがより重要であるように思われた。

さらに、研究者達は皮膚がより白い人は多発性硬化症をより早く発症するリスクが高く、日光のためにより大きい皮膚損傷をした人はその反対にリスクが低くなることを発見した。

この研究は、紫外線をあまり浴びないことがMSの原因であるかもしれないことを示唆している。

関心のある方は、この論文の全文を入手して読んでください。

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17.日焼けマシンの発がん性最高レベルに

記:2009−9−23

日焼けマシンの発がん性に関する記事が、以下の朝日コムにありました。
http://www.asahi.com/health/news/TKY200907300398.html 

以下 一部を引用します。

************   ************
「日焼けマシン、発がんリスク最高レベル」 WHO
2009
7302330

世界保健機関(WHO)の国際がん研究機関(IARC)は、日焼けサロンやスポーツジムで使われ、人工的に紫外線を出す「
日焼けマシン」の使用は発がんリスクを確実に高めるとして、発がんリスク分類でもっとも危険性の高い「グループ1」に引き上げた。

IARCは、日焼けマシンと
皮膚がん(メラノーマ)との関係を調べた19論文を分析。
30歳未満で日焼けマシンを使った経験のある人は、使ったことのない人より75%もリスクが高いことがわかった。
日焼けマシンの使用による、眼球の色素細胞にできるがんのリスクも高かった。

以下 略
*****************    **********

関心の方は、上記のニュースの原典を読んでください。

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8.放射線ホルミシスの参考文献 1997年の加藤幸弘論文

記:2009−10−19 

放射線ホルミシスに関する判りやすい解説論文を見つけました。 1997年の医学雑誌に掲載されたものです。
関心のある方は、この論文を入手し、読んでください。

タイトル:放射線ホルミシスについて
掲載誌:日本放射線技師会雑誌(1997年5月号掲載)
研究者: 加藤幸弘   名古屋西クリニック病院 放射線室 

【要旨】
多くの診療放射線技師は、医療の最前線で放射線を取扱う業務に携わり、画像・放射線の専門職として幅広い知識・高い技術力が求められている。
なかでも放射線被曝に関するテ−マは重要である。
ICRPなどは放射線被曝における確率的影響については「しきい値は存在しない」と仮定した“仮説”を採用し、その直線モデルから「低線量においても放射線は危険である」としている。

しかし、1980年、Missouri大学Luckey教授による仮説「放射線ホルミシス」は、新しい概念「低線量なら放射線は生物に害を与えず刺激に働く。
放射線は生物に必須である」を打出している。
この仮説を認めるか否かではなく、放射線が生物におよぼす影響について関心持つ事、その中の[放射線ホルミシス]という概念を知る事が重要であると考える。


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19.1997年の放射線医学研究所のホルミシス研究

記;2009−11−4

放射線医学研究所ニュース1997年第4号に掲載された研究報告
http://www.nirs.go.jp/report/nirs_news/9704/hik3p.html にあった報告から一部抜粋して紹介。
関心のある方は、元ネタにアクセスしてください。

********** 一部 引用 **************
タイトル;低線量前照射による放射線抵抗性の誘導
研究者:大山ハルミ、湯川修身、能勢正子、中嶋徹夫、五日市  ひろみ

概要:

マウス個体の実験系で、X線50cGy前照射、2週間後に致死線量を照射し30日目までの生存率を観察すると、図のように前照射した群では高率の生存が認められ、すなわち著しい放射線抵抗性の誘導が確かめられた。

しかも、この生残マウスは、体重、造血能低下、体毛の脱色などの異常があるが、長期生存した。
また、前照射により、高線量照射による造血能低下も抑制され、造血系での抵抗性誘導が起こっていることも明らかになった。

図 0.5Gy照射、2週間後に6.5Gy照射したC57Bl、オス、マウスの生存率変化

上記の系は、低線量照射が後続の高線量照射に対しきわめて抵抗性とすることを示しており、現在、その誘導機構の解析を進めている。


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20.宮尾らの広島原爆による癌の研究 2008

記:2010−1−22

毎日新聞 200884日の記事です。
********** 一部 引用  *************
低放射線量 癌死高率
広島原爆 非被爆者の27倍も

爆心地から2710km離れた場所で被爆し、原爆のさく裂に伴う放射線を直接浴びた量が少ない極低線量被爆者でも、被爆していない人よりがんによる死亡リスクが高いことが、名古屋大などの研究者グループの疫学調査で分かった。

放射線影響研究所(放影研)が寿命の追跡調査をしている広島被爆者の集団と、広島、岡山両県の住民データを非被爆者群として比較した。低線量被爆者と一般住民を比べた初めての本格的な研究で、「黒い雨」による残留放射線などの影響が表れた結果と分析している。
以下 略
***********   ************

この研究の詳細は以下の雑誌に掲載されています。
*************    ************
掲載誌:Environ Health Prev Med. 2008 September; 13(5): 264270.
タイトル:Hiroshima survivors exposed to very low doses of A-bomb primary radiation showed a high risk for cancers
研究者:Tomoyuki Watanabe, Masaru Miyao, Ryumon Honda, and Yuichi Yamada

概要
目的:本研究の目的は,寿命調査(LSS)の原爆被爆者のがんのリスクを,広島県の全人口からなる非曝露群(広島県全住民対照群(HPCG)),隣接する岡山県の全人口からなる非曝露群(岡山県全住民対照群(OPCG))と比較することである。

方法:調査対象は,寿命調査(LSS)12報で報告された広島の被爆者集団(LSS−Hグループ)と,広島県全住民対照群(HPCG)及び岡山県全住民対照群(OPCG)からなる比較対照群であった。
本研究では,寿命調査(LSS)12報における広島の被爆者集団の年齢構成を,原爆が投下された1945年に0歳から34歳であった広島・岡山県民の集団と同等の年齢構成に補正した上で,広島の被爆者集団が,観察期間中,前記広島・岡山県民の集団なみに死亡したとして,寿命調査(LSS)12報における広島の被爆者集団の全死因及び各種のがんによる死亡の期待数がどれほどになるか推定した。
そして,広島県全住民対照群(HPCG)および岡山県全住民対照群(OPCG)を基準とする広島の被爆者集団(LSS−Hグループ)の2つの標準化死亡比(SMR−H)と(SMR−O)を算出して比較した。

結果:低線量及び極低線量の被爆者分類にあっても,広島県全住民対照群に対する標準化死亡比(SMR−H)と岡山県全住民対照群に対する標準化死亡比(SMR−O)は,全死因による死亡,全がん,固形がん,男性の肝臓がん,女性の子宮がん,肝臓がんについて,それぞれ有意に高かった。
この結果は,仮に1986年線量推定方式(DS86)による線量推定が正しいとすると,極低線量被爆者にあってさえ,がんのリスクが有意に増加していることを示すものである。

結論:DS86による線量推定については,爆心地から遠距離の地域の線量を過小評価しているとの批判がなされてきた。
寿命調査(LSS)において無視されている残留放射線の寄与や,DS86によって過小評価された中性子線の寄与が,かなり高いのではないかと示唆された。

*****************   ***********

関心のある方は、当該の新聞や研究論文の原文(英文)を読んでください。


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21.微量放射線による効果を謳った商品に関する東京都の調査結果


http://www.shouhiseikatu.metro.tokyo.jp/hyoji/info/080522radium.html <
リンク切れ>にあった内容
東京都では以下の様な調査を行い、結果を公表しています。

************** 一部 引用   ****************
「ラジウム効果をご家庭のお風呂で」などの表示にご注意!〜「微量放射線による効果・性能をうたった商品」の表示を科学的視点からチェックしました〜

消費者の健康志向などを背景に、微量の放射線※1を発生させることにより「細胞を刺激して体の恒常性を高める」、「肩こりやだるさが和らぐ」等、一見、科学的な根拠に基づくかのような効果・性能をうたった浴用品や装身具などの商品が販売されています。
東京都では、こうした「微量放射線による効果・性能をうたった商品」について、不当景品類及び不当表示防止法(以下、「景品表示法」という。)の観点から調査を実施し、表示に関する科学的視点からの検討を行いました。
その結果等について報告します。

「微量放射線による効果・性能をうたった商品」とは
本調査では、放射性物質を含む鉱石やセラミック等を用いた浴用品及び装身具のうち、微量の放射線を放出することにより健康等への効果が得られることを表示し、微量の放射線による様々な効果・性能(ホルミシス効果をうたっている商品を、本調査では「微量放射線による効果・性能をうたった商品」とした。
なお、商品を浴槽に入れたり、身に付けるだけでホルミシス効果が得られるとした浴用品5商品及び装身具1商品を調査対象とした。

調査結果の概要
(1)
 商品から、微量の放射線が出ているとしても、販売事業者が提出した試験結果からは、「それが人体に効果がある」と結論付けることはできなかった。
したがって、広告の中で「ホルミシス効果がある」等と断定的に表示することは、客観的事実に基づくものと認めることはできない。

2)
 「北投石」や「ガスタイン鉱石」などの健康上の効果をうたった表示(例えば、「血流をスムーズにして、細胞を活発にします」等)と当該商品に「ホルミシス効果があること」との関連性については、表示の根拠として提出された資料からは不明確であり、客観的事実に基づくものとは認められなかった。

(3)
 今回の調査対象とした商品は、すべて通信販売によるものであったが、販売事業者の中には、販売商品に関する十分な情報や根拠を持たないまま、広告の表示を行っているものがあった。

消費者へのアドバイス
今回、調査した「微量放射線による効果・性能をうたった商品」の効果・性能表示は、客観的事実に基づくものとは認められないものでした。
事業者からの情報だけをうのみにせず、一見、科学的な根拠に基づくかのようにみえても、多角的に情報を収集したり、東京都消費生活総合センターに相談するなどしたりして、商品やサービスを合理的に選択するようにしましょう。
****************    ***************

関心のある方は、上記のサイトにアクセスしてください。

 

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21B2004年原子力安全委員会での低線量放射線リスクの議論

記:2012−11−30

原子力安全委員会・放射線障害防止基本部会・低線量放射線影響分科会報告書;低線量放射線リスクの科学的基盤‐現状と課題‐,20043月の資料が公開されていました。
関心のあるからは、ダウンロードして全文を読んでください。
様々な情報、議論が掲載されています。

以下は、纏めの部分をOCRでテキスト化して紹介します。(OCR化で文字化けがあるかもしれません。)

*********************************
参考資料5 低線量放射線リスクの科学的基盤一現状と課題−
平成163
低線量放射線影響分科会

まとめ

現行の公衆を対象とした低線量放射線に対する我が国の防護基準はICRP1990年勧告に準拠している。
ICRP
勧告は、ヒトを放射線の害から守るための腺源規制の側面からみた運用上の防護基準であって、その根底には、放射線の腺質、線量配分のほか、組織・臓器感受性、性差、年齢差などの生物学的変動要因を考慮した放射線リスクの数量化があり、それに基づく総体としての容認可能な線量域が勧告されている。

従って、勧告にある防護基準は必ずしも集団の個々人に対する放射線リスクの評価基準を示すものではない。
しかし、最近になり、その防護基準の基盤となる放射線リスクの数量化に直接関係するような新しい生物学的現象が次々と明らかになりつつある。

本分科会では、特に低線量域の放射線に対するこのような新しい生物学的現象に視点を置き、ICRP1990年勧告では取り上げられていなかったか或いはその後に明らかとなってきた生物学的現象が防護基準、安全規制にどのようなインパクトを与えるか、リスク評価の観点からその現状と課題について検討を行った。

高線量急性被ばくの場合、広島・長崎の原爆被爆者のデータは、その精度においてリスク評価の骨格をなすものであり、その線量効果関係は防護基準の基盤としても十分な説得力を持つものであるが、放射線防護上問題とされる低線量、特に100mSv以下の放射線のリスクにそれをそのまま直接適用できるかどうかについては、原爆被爆者のデータも含め、それを積極的に肯定あるいは否定するデータを得るには至っていない。

最近急速に関心の高まってきている突然変異性隣接効果、ゲノム不安定性の誘導、免疫監視機構の活性化等は低線量放射線発がんの修飾要因として注目されるが、現在のところ発がんに対する作用機構とその大きさは明らかでなく、急性被ばくにおけるLNT仮説を根本から問いただすまでには至っていない。

低線量率慢性被ばくや低線量反復被ばくのリスク評価には、線量・線量率効果係数として統一的に扱われているように、低線量急性被ばくのリスクの単純なる積分値がリスク係数となっている。
しかし、持続的放射線場における生体応答のダイナミズムを無視したこの物理学的一般化理論の正当性に関しては最近国際的にも議論の多いところである。
放射線に対する生体応答が次にくる放射線の生物効果を左右するという点で、急性被ばくの場合と事情は全く異なる。

低線量放射線に対する適応応答、適応的隣接効果、DNA修復能の活性化、アポトーシス監視機構、レドックス制御機構の活性化、逆線量率効果など低線量率放射線被ばくのリスクに直接関係する新しい生物現象が注目される。
さらに生体内では組織の細胞分裂と分化の動態が最重要であるが、これを考慮したリスク関連研究は皆無に近い。

低線量放射線のリスクは、種々の放射線利用や原子力開発に伴う安全規制と直接関係する重要な間趣であるが、利用開発の推進や公益性の論理とは分離独立した立場に立ち、その科学性と中立性から評価されなければならない。
その中から国民的合意に基づく合理的な安全指針が構築される。
低線量放射線影響の研究は、今や生命科学と深く係わり、一種の新しい型の巨大科学とまで言われている。

生物・生命原理の上に立った新しい総合的研究戦略が求められている。
低線量放射線影響に関係する上述の新しい生物現象の発見はいずれも研究のニーズからではなくシーズから生まれ、その展開研究が放射線防護に新しいインパクトを与えるようになってきている。
防護基準や防護指針など安全確保の科学的基盤の確立には、学術研究を申し、とする大学と研究開発を使命とする研究開発機関が連携・協力により総合的に取り組む必要がある。

安全指針が科学的合理性と国民的合意に基づいて決められるためには、放射線影響の研究が純正科学として社会に素直に受け入れられ、科学教育を通して正しく理解されなければならない。
世界で唯一の原爆被爆国である我が国では、原子力そのものに対する不信と不安があるといわれる。
しかし、我が国の放射線影響研究は、この不幸な出来事を原点として発展し、行政と科学者が一体となって線量と影響を定量的にとらえる科学的基盤の形成に貢献してきた。

最近では、マスコミ報道にも科学性を重視した報道が多くなり、線量と影響評価を正しく見つめる姿勢がうかがわれる。
放射線影響を科学としてとらえる国民的理解が醸成されつつあるといえる。
放射線の安全規制、容認レベル、防護基準の国民的合意の基盤として、低線量放射線影響の科学としての確立は重要である。

我が国では、放射線影響研究に関連する学会や団体、研究機関や研究組織の数、さらに研究者数の多さにおいて、世界に類例が無い。
このような状況で、さまざまな研究者の情報交換の組織を持ち、環境放射能研究、保健物理学研究、放射線生物学研究が一体となって放射線影響の研究では世界をリードする研究業績をあげてきた。
また、低線量放射線影響の研究でも、実証型研究・展開研究から基礎研究に至るまで幅広い分野で先端的研究が進められている。
それらは、目的、方法、規模、設置形態など様々であるが、得られた成果を科学として客観的に整理統合することによって低線量放射線影響の理解に活用することができる。

しかし、行政主導型の研究組織や行政機構・産業機構の一部として設置されている研究組織にくらべて、学術研究と人材育成を担う大学における研究体制は、その研究実績の高さに比してまことに弱体である。
我が国の財政事情や構造改革の方向性を考えれば、共同利用研究や総合研究機構など新大学法人の組織的枠組みを越えた有機的な研究・教育推進体制の強化などによるバランスのとれた取り組みが必要である。

我が国は、放射線影響研究の成果を科学的にレビューし、行政あるいは世界に発信する権威ある組織を持たない。
これは我が国の国民に不利益であるのみならず、国際的にも誤解を招く結果にも繋がりかねない。
原子力安全を支える学術的基盤をさらに堅固なものとするためには、社会的にも国際的にも認知された中立性と科学性の保証された独立の権能を有する諮問組織の設置が望まれ、それによってはじめて、世界をリードする原子力安全の基盤が確立される。
本報告の主旨が十分に生かされることを切に念願するものである。

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22.蛍光灯電球と日光過敏症

記:2011−2−3

*日光過敏症とは
メルクマニュアル家庭版
http://merckmanual.jp/mmhe2j/sec18/ch214/ch214c.html
 からの抜粋です。

********************************   **************
皮膚の光線過敏症
光線過敏症は日光アレルギーとも呼ばれ、日光によって引き起こされる免疫システムの反応です。
光線過敏症には日光じんま疹、化学物質による光感作、多形日光疹などがあり、太陽光にさらされた皮膚にかゆみを伴う皮疹ができるのが特徴です。

日光じんま疹は、日光にさらされてわずか数分で現れるじんま疹、つまり大きくて赤く、かゆみを伴う発疹です。
日光にあたって10分以内にじんま疹が皮膚に現れ、日光にあたらない状態になると12時間以内に消えます。
このじんま疹が広範囲にできると、頭痛、体力減退、吐き気などを伴うことがあります。

化学物質による光線過敏では、日光に短時間さらされた後に、皮膚に赤みや炎症、ときには茶色や青の変色が生じます。
この反応は日焼けとは異なり、ある種の薬や化学物質を服用、または皮膚に塗った後で日にあたった場合にしか現れません。
こうした化学物質には、一部の人を紫外線に対して過敏にする作用があります。

多形日光疹は、日光に対する異常な反応で、原因はわかっていません。
これは日光に関連する皮膚の問題として最も多いものの1つで、女性や、日にあたる機会があまりない人に多い傾向があります。
症状としては、日光にあたったところに複数の赤い隆起や不規則な形の赤い皮疹が生じます。

診断、予防、治療
光線過敏症を診断するための特別な検査はありません。
皮膚が露出した部分だけに発疹が出た場合は、光線過敏症を疑います。
その他の病気、服用した薬、皮膚に塗った薬や化粧品などを詳しく調べると、光線過敏症を起こした原因を特定するのに役立ちます。

原因が何であれ、日光に過敏な人は、紫外線を防止できる衣類を着用し、日光を極力避け、日焼け止めを使うべきです。
光線過敏を引き起こす薬や化学物質は可能ならば中止します。

*日光過敏症患者にとっては、白熱電球から蛍光灯電球への切り替えは問題であるとした2008年の英国皮膚科医学会の声明
http://www.bad.org.uk/site/1289/default.aspx
 <リンク切れ>にあった内容

*******************    ****************
THE BRITISH ASSOCIATION OF DERMATOLOGISTS 
Eco light-bulbs may cause reactions in patients with light sensitive skin diseases
エコー電球は日光過敏症患者に問題を呈する
For immediate release 03.01.2008

政府は2011年で伝統的な白熱電球を禁止しようとしている。
白熱電球光線過敏症患者にとっては、唯一の電気照明器具である。
政府は真にこうした影響を受ける患者のために、蛍光灯照明では生活ができない人に罰を与えることのないように、白熱電球の供給を維持することを望む。
**************************   *****************
関心のある方は、上記の声明の全文を読んでください。

BEMSJ注:蛍光灯電球、コンパクト蛍光灯電球とよばれる照明器具に関しては、紫外線の漏洩を抑える手段が肝要なようです。
ねじったパイプの形をした蛍光灯電球は、むき出しの状態ではなく、2重のガラスによる紫外線の遮断が必要かもしれません。
紫外線は石英ガラス以外のガラスは透過しませんが、コンパクト蛍光灯電球の場合は、ねじったりして成型することから、ガラスの厚さが薄く、紫外線が漏れてしまうのかもしれません。



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23.蛍光灯電球による皮膚障害の事例

記:2011−2−3

*電磁波市民研会報64号(2010−5−30発行)の記事
以下の小さな囲み記事が64号に掲載されていた。



*元ネタの探求
元ネタは何か? 市民研の大久保貞則氏に問い合わせたが、元ネタの資料は見つからなかったと。

そこで、2日ほどかけて、日本語と英語の関連しそうなキーワードで、ネットを検索した。
そして、上記の元ネタにある被害の画像を見つけた。

2009
1月にカナダのテレビ放送Global Television Networkで放映された番組the investigative television program 16:9 The Bigger Picture」の一連の番組の中の「Dirty Electricity - Part 1 - Rays of Rash」に元ネタがあった。
この番組は蛍光灯電球に関する番組で、以下に示すカナダ人の女性が、蛍光灯電球を使用したら20分程度で画像に示すような皮膚障害、極端な日焼けを起こした とい事例であった。
白人は太陽光や紫外線に弱く、日焼けしやすいのかもしれないが、画像を見るとかなりひどい日焼けである。
この番組の最後の方では、以下に示すように、紫外線の放射を少なくするために、ねじった形のガラス管をさらに、白熱電球と同じ形状のガラスで、2重に覆った形の蛍光灯電球の使用を推奨していた。

 日焼けの実例

 

 推奨されていた2重ガラスの蛍光灯電球

 

BEMSJ注:こうした蛍光灯電球から放射する紫外線は、どの程度か? どこかにデータがあれば、入手してみたいものである。
そして、ACGIHやICNIRPの光に関する曝露基準値と比較してみたいものである。

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24.蛍光灯型電球に関するスイス公衆衛生局の公開文書

記:2011−2−9
以下の文書が公開されている。英文報告書の中から気になるポイントだけを抜粋する。
関心のある方は、原文全文を入手して読んでください。

*************************   ************
Federal Office of Public Health FOPH
 スイス連邦公衆衛生局
発行 2010330日 30 March 2010
題 Fact Sheet Energy-saving lamps   ファクトシート エネルギー節約電球

 

むき出し型蛍光灯電球           2重ガラス防護型蛍光灯電球


抜粋:
・ランプの型式にもよるが、ランプの直近では誘導電流に関する曝露基準の10%から55%に上る曝露がある。
この曝露はランプからの距離をとれば、急激に減衰し、20cmの距離では曝露基準の2%から10%になる。

・紫外線の放射
むき出し型の蛍光灯型電球は、紫外線を完璧に防護することができないと思われ、少量の紫外線が漏れ出す。
20cm
以上の距離をとらない人は数時間の電球からの紫外線曝露で、紫外線の過剰曝露による皮膚の赤面化を経験するするかもしれない。
2
重ガラス防護型の電球では、紫外線の漏洩は非常に少ないか、紫外線の漏洩はない。

・推奨として、紫外線の曝露と電界曝露を最低限度にするために、長時間居ることになる作業場や休憩所などでは、エネルギー節約型電球から最低30cm離れるべきである。

25kHzから70kHzの中間周波数の電磁界への曝露
さまざまな蛍光灯電球からの電磁界を距離15cm30cmで測定した。
磁界は全ての電球でICNIRPの参考レベル(1998年)に比べると50分の1から100分の1と、非常に低かった。
対照的に、電界は距離15cmでは参考レベルの5倍までという強さであった。


・電界によって体内に誘導する電流は、計算の結果、距離2cmで、ICNIRPの基本制限に対して、最も悪かった電球では、55.7%に上った。
・エネルギー節約型蛍光灯電球は、日光過敏症の人に影響を与える恐れがある。

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25.スイスのITISによる蛍光灯電球からの電磁界調査報告書

記:2011−2−9
以下の報告書は、上記のスイス連邦公衆衛生局のファクトシートの元になった資料とされる。
この報告書もWEBで公開されている。
関心のある方は、全文英文の原典を入手して読んでください。

*******************************
発行:ITIS Foundation
題:Final Report: Assessment of EM Exposure of Energy-Saving Bulbs & Possible Mitigation Strategies
最終報告:エネルギー節約型電球からの電磁界曝露評価と可能な対応策
発行日:2010321日 March 21, 2010

抜粋
・最近発行されたIEC規格62493照明機器からの電磁界の測定評価法)は十分ではなく、再検討が必要である。
11種の蛍光灯型電球、2種の直管の蛍光灯、2種の白熱電球、2種のLED電球を対象として、放射する電磁界を測定した。
結果として、人の体内に誘導する誘導電流は、放射する磁界ではなく、放射する電界によるものであった。
蛍光灯電球の2cmの距離で、体内に誘導する誘導電流はICNIRPの基本制限に対して9%から56%であった。
その他の電球では十分に低かった。

蛍光灯電球は、ICNIRPのガイドラインに「自明で適合*」とは言えないことが分かった。
*注:個別の測定などを行わなくても、適合していると判断できるレベルであること

・電界の測定 ほとんどの蛍光灯電球から、15cmの距離では、ICNIRPの電界強度に関する参考レベル(87V/m)を超えていた。
もっとも強い電界は、433V/mで、参考レベルの5倍であった。

 

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26.LED照明とフリッカー

 

電磁波ではないが、最近使用され始めているLED照明では、光のちらつき(フリッカー)が問題になっている。
http://www.19inch.jp/led/news/led_flicker_trouble.pdf
 にあった内容から一部抜粋します。

*******************************    ********
LED
照明に「フリッカー」現象緊急レポート
2010/9/3
有限会社三晃電設

LED照明におけるフリッカー現象 「チラつきで体調不良」

□ 記事の内容
札幌市が市役所の蛍光灯9000本をLEDに取り替えたのは20103月のこと。
ところが。一部の職員が「目が疲れる」、「気分が悪い」と体調不良を訴えた。
市のアンケート調査の結果、「業務に支障がある」と訴えた職員の割合が7.4%に及んだ。
体調不良を訴えた職員の執務室のLED蛍光灯は細かく点滅していた。

□ 原因分析
これは「フリッカー」と呼ばれる、ちらつきが原因です。
LED
は直流で光るため、一般の交流電気(AC)を直流(DC)に変換させるための回路をLED照明に内蔵する。
問題になったLED照明器内蔵の整流器は、交流電圧をそのまま凹凸のある直流の波形に変換し、LEDを点灯している。
そうすると札幌市の周波数は50Hzであるので、この整流器を介した電気は1秒間で100回の頻度でONOFFを繰り返している訳である。
LED
は蛍光灯と違って残光時間がなく、明るさが瞬時に変わるものである。
その結果、ちらつきを感じやすくなる。

□ メーカの対策
全てのLED照明に対し、電圧が0に落ちず、変化も少ない回路を備えた別のLED照明を納入し直すことにした。

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26A.光源からの紫外線等 フィンランドの1990年の研究

記:2011−12−7

テレビジョンスタジオなどでの明るい照明器具に関する研究結果です。

タイトル:テレビジョンスタジオおよび劇場紫外線および光源からの紫外線おび青色光
Ultraviolet radiation and blue light from Photofloods in television studios and theaters

研究者:HIETANEN M T Ket al:
掲載誌:Heath Phys VOL59NO2 PAGE193198 1990

概要:
標記施設で一般に使用されている575から5000Wの写真用光源について、可視・紫外放射線のスペクトルと強度を、スペクトル放射計を用いて225 10mの位置で測定。
テレビスタジオでは網膜傷害防止のために電球の直視は1日に数分以内に限るべきことを勧告

眼の傷害は雪原など自然環境以外でも起こり得ることを述べた。
眼に適切な値の数倍である輝度についても計算した。

BEMSJはこの論文のフルテキストは読んでいません。
関心のある方は、原著全文を入手して読んでください。

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26B.Hartmanらの蛍光灯の変異原性

記:2011−12−8

蛍光灯からの紫外線による変異原性の試験結果です。

タイトル:サルモネラにおける白色蛍光の変異原性 Mutagenicity of coo white fluorescent light for Salmonella
研究者:HARTMAN Zet al
掲載誌:Mutat Res VOL260N01 PAGE2538 1991

概要:
家庭や職場で一般的に使用されている蛍光灯の変異原性をサルモネラにより調べた。
塩基置換変異をもつ株では高い変異原性があった。

370nm
以下の波長をフィルタで防ぐと,変異原性が除去され,蛍光灯から漏れてくる紫外線が変異原性に関与していると推定した。
最近導入されたソフトホワイト燈では変異原性が110だった。

BEMSJはこの論文のフルテキストは読んでいません。

関心のある方は、原著全文を入手して読んでください。

 

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26C.蛍光灯からの紫外線UVCの実測例

記:2013−11−28

古いメモを見つけました。
2001年7月のメモです。

フラットパネルディスプレィ製造技術展の結果

本日ビッグサイトに出かけ、この展示を見てきました。
出展しているとある会社の人間から、暇だろうから見にきてはと招待状を貰ったからです。

光源に関連して、光源からの紫外線関係の情報が得られないかとこの点に注目して見ましたが、特に有益な情報は得られませんでした。

一つだけ 情報がえられた。
トッパンの紫外線放射計 UVR-2(本体)とUD-25(中心感度254nmのUBC流域のセンサー)が実物展示をしていたので、 実測を試みました。

説明員は、こうした生活環境下ではUVCは測定できない位に低レベルだといっていたので、説明の展示パネル(明るくする為にかなり明るい多数の蛍光灯が入っている)の近くで測定をして見ました。
結果は3.6μW/cm2もありました。

ACGIHの規定によれは 8時間連続暴露可能なレベルは これらのUBCに対しては0.1μW/cm2であり、15分までの限定時間であれば3.3μW/cm2までとなっています。

この実測から、「ちょっと明るい」というか「かなり明るい蛍光灯」の場合は、蛍光灯のガラスで遮断され、プラスチックの説明展示パネルで更に遮断されるといっても、それなりのUBCが洩れているということが言えます。

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26D.蛍光灯とLEDからの紫外線比較

記:2015−3−28

会社名 株式会社ベストエコロジー(研究開発ベンチャー) のサイト
http://www.b-eco.com/LED.pdf
にあった内容です。
許諾を得て、以下に転載します。

「 ≪小論文≫ 蛍光灯とLED灯は何が違うか」より、蛍光灯とLEDの紫外線領域の発光スペクトラムの違いです。


 

 

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26E.英国Health Protection Agency(健康保護庁)2008年の電球型蛍光灯に関する勧告


以下の勧告が出ている。
Emissions from compact fluorescent lights
 電球型蛍光灯からの輻射
9 October 2008

電球型蛍光灯から紫外線が出ているので、注意する。

Fig.1. Typical designs of open (single envelope) fluorescent light bulbs for which HPA precautionary advice applies.
They should not be used where people are likely to be in very close proximity (less than 30 cm / 1ft) to bulbs for prolonged periods (more than 1 hr a day).
1:オープン型(1重ガラス)型の電球型蛍光灯の代表的な形式で、この形式のものは健康保護庁の予防原則に関する勧告を適用する。
この型の電球型蛍光灯は、長時間(1日にい時間以上)、電球に近接(約30cm以内)するような場所では使用すべきではない。


Fig.2. A typical design of an encapsulated (double envelope) compact fluorescent light bulb for which precautionary measures are not needed.
Ultraviolet radiation is absorbed by the outer glass container. They can be used anywhere in the home.
2:カバー付(2重ガラス)の電球型蛍光灯の代表的な形式で、この形式のものは健康保護庁の予防原則に関する勧告を適用する必要はない。
紫外線は外側にガラス被覆で吸収される。この方式は家庭内のどこでも使用することができる。

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27.放射線、電離放射線に関連する情報−1 近畿大学原研ニュースから


近畿大学 「原研ニュース」にあった記事からの抜粋です。
関心のある方は、当該のニュースを見てください。

2号 20045月発行から
*****************   *************
連載Quiz「環境とエネルギー」
Q
.スウェーデンでは1980年に脱原子力の方針が議決され、原子力発電所の数は徐々に減っている。
A
X
スウェーデンで脱原子力の方針が出された1980年当時の原子力発電所数は7基、現在は11基であり4基増加している。
正確には、1基が運転停止し、5基が新たに運転開始した。脱原子力政策の採択に当たって、@原子力に代わるエネルギー源が開発されること、A脱原子力政策によって経済・雇用に悪影響がでないこと、の2点が前提条件とされていたが、このいずれの条件も満たされなかったためである。

ノーベル経済学賞受賞者サムエルソンの著作「サムエルソン経済学」の共著者でもあるDrD.ノードハウスが行なった「原子力フェーズアウト」問題のエネルギー・環境・経済モデル(SEEP)解析で、脱原子力政策が非現実的であることが明らかにされたことも大きい。

スイスでは、20033月に議会で原子力モラトリアム(凍結)を解除する改正原子力法が決定され、これに対抗して5月に反原発グループが提出した2つの脱原子力政策案が国民投票にかけられたが、2案とも否決された。
スイスも脱原子力路線を歩んでいる国としてマスコミでは報道されてきたが、わが国のマスコミは、改正原子力法の採択も国民投票の結果もほとんど報道しなかった。
この国民投票の結果が「可決」であれば第1面トップ記事になったことはまちがいない。
この例に見られるように、わが国のジャーナリストの多数がポピュリズム路線をとり、反原子力派に歩調を合わせるようになった結果、その主張に沿わない事実はまったく報道されないのが常態になっている。報道の中立公正の原則はとっくに消滅した。
*******************   ************

3号 200410月発行
****************   ***********
「第6回高自然放射線地域とラドン国際会議」
2004
96日〜10日、近畿大学11月ホールにおいて「第6回高自然放射線地域とラドン国際会議」が開催された。

特別講演の中では、イラク戦争で話題になった劣化ウランのがん等の影響について、影響はないことが報告された。
また、宇宙線の影響については、飛行機によるフライト時間との関係で、長くなればなるほど宇宙線による被ばく放射線が増え、滞空制限が問題となることが報告された
*******************   ***************

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28.放射線、電離放射線に関連する情報−2 宇宙飛行士の被曝

記:2011−4−30

本日、浅草に出かけていました。
私の趣味の切手収集 この切手の展覧会というか、収集家の集まり・イベントが浅草の都立産業会館で行われていました。

このイベント(スタンプショー2011)では、宇宙に関する切手が企画展示として展示され、関連してJAXAの元職員の方が、宇宙飛行に関する講演を行っていました。
毛利、向井、山崎さんといった日本の宇宙飛行士の話がメインでした。

こうした宇宙飛行では、無重力に伴う骨の劣化、 筋肉の劣化、心肺機能の変化、 閉鎖空間に長期間滞在することによる精神的な苦痛などが問題になる という話に
加えて、

宇宙飛行では宇宙放射線の曝露があり、被ばく量は1日で1ミリシーベルトになるとのことでした。
1
ミリシーベルトといえば、一般の人間の1年間の被曝量です。

一般の人に宇宙飛行の話をする講演だったので、宇宙放射線にかんしては本当の一言 触れただけでした。
機会があれば、この宇宙飛行士の放射線被ばく量に関しても調べてみたいものです。


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29.放射線、電離放射線に関連する情報−3 国際宇宙ステーションの宇宙飛行士の被曝

記:2011−5−1

以下の論文があることが判りました。
一部を引用します。
*********************************   ***********
掲載誌:宇宙航空環境医学 Vol. 46, No. 1, 5-12, 2009
タイトル:国際宇宙ステーションと宇宙飛行士の健康管理
研究者:立花 正一

 地上に生活する我々は厚い大気の層に守られて宇宙からの放射線に直接暴露されることはあまりないが,宇宙環境に滞在する飛行士は直接銀河宇宙線(太陽系以外から飛来する宇宙線)および太陽放射線(太陽から放射される陽子を主体とした荷電粒子)に暴露されることになる。
地上400kmの軌道上を飛行するISSの場合,飛行士は平均1mSv0.31.5/日の被曝をするとされ,これは単純化すると胸部レントゲン写真を毎日23枚(最近のレントゲンは被曝量が少ないので比較枚数はもっと多くなっている)撮ることに相当する。
過剰な被曝は発癌のリスクを高め,眼に過剰に浴びると白内障を誘発する危険がある。
***********************     ************************

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30.放射線、電離放射線に関連する情報−4 宇宙飛行士の弁


ガジェット通信にあった内容の一部紹介です。
http://getnews.jp/archives/106127
にあった内容

*************************    *************
宇宙飛行士は1日で地球上の半年分の放射線を浴びる
2011.03.23 21:16:17

「宇宙飛行士が1日で浴びる放射線の量は通常の人の46か月分、しかし発ガンリスクは最大3%上がる程度」――宇宙航空研究開発機構(JAXA)の古川聡宇宙飛行士は2011322日、記者会見に登場し、放射線を浴びるリスクについてこのように述べた。

 古川氏は今年5月末にロシアの宇宙船「ソユーズ」に搭乗し、国際宇宙ステーションで約半年間滞在する。
通常、人が生活していて浴びる放射線の量は1年に23ミリシーベルといわれるが、古川氏によると国際宇宙ステーション(ISS)では1日で1ミリシーベルの放射線を浴びるという。
古川氏のようにISS6ヶ月程度滞在する場合、それだけで約180ミリシーベルの放射線を浴びることになる。

NASAでは宇宙飛行士が浴びる放射線の量を、最初に宇宙に行った年齢や性別によって厳しく管理するルールがあるという。
宇宙で浴びる放射線量の多さについて古川氏は、「3年の間を空けて2回、それぞれ半年ずつ宇宙に行った場合であっても、発ガンリスクは多くて3%上がる程度」とし、これは許容できる範囲のリスクだと話した。


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30A.1998年共同通信による宇宙空間での放射線被爆

記:2017−10−29

以下の古い情報が出てきた。

************************
1998
112

地上とけた違いの被ばく  科学的な評価に期待  宇宙放射
共同通信ニュース速報

【解説】
米スペースシャトルや国際宇宙基地が飛ぶ高度の地上約400500キロでは、宇宙飛行士の平均被ばく線量は、1日約0.3ミリシーベルト程度とみられているがはっきりしない。
飛行士の安全を見込めば、11ミリシーベルト程度と想定して対策を進める必要がある。

また、太陽表面で爆発的なフレア活動が起きた場合などは、一時的にさらに何けたも高い放射線を浴びる恐れがあるという。
一方、国際放射線防護委員会が定めた一般人の地上での被ばく線量限度は、1日ではなく1年間で1ミリシーベルトだ。
放射線作業従事者の基準でも1年50ミリシーベルトが上限なのに比べて、宇宙飛行士の被ばく線量はけた違いに高い。
さらに、地上と宇宙では問題になる放射線の種類や性質も違う。


原子力発電所や医療機関での被ばくは電磁波であるエックス線やガンマ線がほとんど。
これに対し、宇宙で被ばくする陽子線や重粒子線は高速で飛んでくる粒子がピンポイントで人体に衝突する。
がんの発生や脳、中枢神経系、生殖器への影響を引き起こさないかと心配されている。

重粒子加速器(HIMAC)での実験は、培養細胞に一定の強さの重粒子線を繰り返し浴びせたり、多様な粒子を交互に当てる実験が可能。放射線の生物への影響を解明する、という宇宙開発を離れた研究面でも、科学的な評価に結び付く成果が期待される。
**********************

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31.放射線、電離放射線に関連する情報−5 航空機内での放射線実測


航空機内で放射線を実測してくれた例がなんとネットにありました。
驚きです。
「宇宙飛行士 放射線」の2語で検索した結果です。

なんと、URLの中に漢字が入っています。

http://sutooffice.jimdo.com/自然科学調査-須藤技術士事務所/国外-県内科学調査の報告/ <リンク切れ>にあった例

****************   *********
 My
須藤事務所
国外・県内、自然科学調査の報告
欧州の放射線岩石の活用事例

2010年5月23日〜6月7日
5/23
から、欧州先進4ヶ国(イギリスは火山噴火により中止)で放射線の実態調査を行った。

(宇宙放射線)高度3万m :2.8μS/hr  〜 2万m:2.5   〜 1万m:2.0  〜 地上:0.08 
※高度飛行中の機内は地上の約35倍の放射線が測定されました。

なお国際基準によれば5μS/hr以下であれば健康に害はない。
宇宙飛行士は大気圏外で地上の約200倍近い放射線を浴び、その宇宙から感じ取ったものは何か?是非、聞きたいですね。


中国の活用実態調査
2010年11月6日〜9日 中国江南、蘇州・杭州・上海で放射線の測定

上海〜羽田 飛行高度8千m機内の放射線1.38μS/hrは 地上0.07μS/hrの20倍でした。
高度3万m 2.8μS/hr
×24hr(一日)=67μS/hr 960倍。

**********************  ********
予想以上に高い放射線強度です。

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32.放射線、電離放射線に関連する情報−6 富士山頂での宇宙放射線の放射線実測

記;2011−5−2

航空機での宇宙線被曝を少なくするために、
飛行機に乗らざるを得ない時は、夜に乗ったほうが宇宙放射線の影響がより少なくてすむそうです。 発信源は太陽が強いからということなのでしょうけれども」

という意見がありました。

そこで、ちょっと調べてみました。
以下に示すように夜間のフライトでも昼間のフライトでも、宇宙放射線への被曝は同じと言えるようです
宇宙線・宇宙放射線とは何かをWikipediaでひも解くと、以下になります。

****************   ********
宇宙線のほとんどは銀河系内を起源とし、超新星残骸などにより加速されていると考えられている。
これらは、銀河磁場で銀河内に長時間閉じ込められるため、銀河内物質との衝突で破砕し、他の原子核に変化することがある。
実際、LiBeBScVなどの元素の存在比が、太陽系内のものと宇宙線中とで大きく異なることが知られている。
このため、宇宙線の元素比や同位元素の存在比を測定することで、宇宙線の通過した物質量を推測することが出来る。

エネルギーの高い宇宙線の到来頻度は極端に低くなるが、そのエネルギースペクトルは冪関数 dI/dEE-α(α〜3)で近似できる。
このため、宇宙線の加速は熱的なものではなく、星間磁気雲や衝撃波との衝突を繰り返すフェルミ加速のような機構が考えられる。

地球大気内に高エネルギーの宇宙線が入射した場合、空気シャワー現象が生じ、多くの二次粒子が発生する。
寿命の短いものはすぐに崩壊するが、安定な粒子は地上で観測される。
このとき、大気中に入射する宇宙線を一次宇宙線、そこから発生した粒子を 二次宇宙線と呼ぶ。
一次宇宙線の大部分は陽子をはじめとする荷電粒子である。
それに対して、二次宇宙線は地上高度では大半がμ粒子である。
****************   ************

ということで、宇宙放射線の発生源は太陽だけではないようです。 発生源は全銀河宇宙です。
たぶん、太陽からも宇宙放射線は飛んでくるのでしょう。

さらに、航空機のフライトを想定して、高度の場所として富士山頂で宇宙放射線のリアルタイム測定を行った事例が見つかりました。
以下に図を引用しますが、これをみても、夜間に少なくといった日変化は観測されていません。


**********************引用  ************
2008
年度富士山測候所 研究報告書
氏 名 保田 浩志
所 属 独立行政法人放射線医学総合研究所
共同研究者 (所 属) 矢島 千秋(放射線医学総合研究所)、鳥居 建男(日本原子力研究開発機構)、東又 厚(三樹工業株式会社)
研究テーマ 高高度宇宙線被ばくのリアルタイム推定
研究結果
太陽フレアの発生により大気圏内の宇宙線強度が突発的に変動した時の航空機内での被ばく線量を正確に評価するため、できるだけ航空機の巡航高度に近い(大気厚の薄い)富士山頂において宇宙線をリアルタイム計測し、モデル計算との照合によって上空(1012km)の線量を推定する手法を確立することを目的とした実験を行った。
特に今夏は、高エネルギーの宇宙線中性子に重点をおいた観測データの連続取得とそのリアルタイム遠隔通信の実現を主な狙いとした。

 

   


*****************************    ********************

 

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33.放射線、電離放射線に関連する情報−7 体内曝露 食品から摂取する放射性物質

記;2011−5−2

最近の福島原発事故に関連して、空気中に存在する放射性物質による体外曝露の他に、体内曝露も考量する必要があると主張されている。
体内曝露の代表が商品から摂取するものではないかと思う。
少し古いデータであるが、過去の食品から摂取する放射性物質に関するデータがあったので、以下に引用する。

引用元:兵庫県立健康環境科学研究センター 発行の「健環研リポート」第13号 2007年1月発行の掲載された記事
人が一日に食事から摂取する放射性セシウムの量の過去からの推移を示しています。
以前は大気圏内核実験などの影響により、摂取食事に含まれていました。 最近(この記事の2007年)はそれらもほとんどなくなっています。 

      

 

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4.放射線、電離放射線に関連する情報−8 低線量被曝とECRP2003年報告

記:2011−5−3

以下の資料がサイト(京都大学)に公開されていました。
>第99回原子力安全問題ゼミ「低線量被曝リスクの諸問題
20041215
ECRR2003報告における新しい低線量被曝評価の考え方
山内知也ECRR2003翻訳委員会)

このECR2003年報告では以下の提言を行っている。
公衆の構成員の被曝限度を0.1mSv以下に引き下げること。原子力産業労働者の被曝限度を5mSvに引き下げること。
*放射線被曝線量は、最も優れた利用可能な技術を用いて合理的に達成できるレベルに低く保たねばならない。

この報告書は、以下に示す立場で作成されている。
*************   **********
本報告書の基礎と扱う範囲
2.2節本報告書作成の理由
本報告書には、審査付き学術雑誌に掲載された論文も取り上げるが、審査付きでない論文も取り上げる。
さらに、テレビのドキュメンタリー番組に始まり法廷闘争に発展したケースも取り上げる。
それは彼らの足で投票を実現させた人たちや、かつて原子力施設があったが放棄された土地についても考察する。
すなわち、最も貧しい人たちしか住まないような荒れ地に徐々になっていった土地、砂浜が行楽客に見捨てられ、さらに魚を捕まえるにしても、またそれを売るにしても著しく困難になった地域についての考察を行う。
インドにおいて、ナミビア、カザフスタン、ネバダ、オーストラリア、ベラルーシ、そして太平洋の島々において人造放射能の影響をこうむった市井の人たちの物語をとりあげる。
• 論争になっている内容(放射線リスクの権威筋からは被曝が原因ではないと言われている事件)を取り上げる。
***************  ************

この審査付きでない論文も取り上げるとしているところがECRR2003年報告の難点といえるでしょう。
これでは、このECRR2003年報告の提言内容がよほどのことがない限り、行政や規制・規格の論拠に採用されにくいでしょう。極論すれば、法規制の論拠には採用されないでしょう。


追記:2011−5−4
上記のECRR2003年報告書の紹介に合わせて、同じゼミで、以下の報告もなされていた。

>第99回原子力安全問題ゼミ
>2004年12月15日
>低線量被曝リスク評価に関する話題紹介と問題整理
>今中哲二

この今中哲二氏の講演の中には、以下の纏めがある。
************************    ************
まとめ
ECRRのリスク評価は、「ミソもクソも一緒」になっていて付き合いきれない.
ECRRに安易に乗っかると、なんでもかんでも「よく分からない内部被曝が原因」となってしまう.
湾岸戦争でのDU弾使用とその後のバスラ住民の「健康悪化との相関関係」に関するデータはたくさんあるが、「放射線被爆との因果関係」を示唆するデータはほとんどない.
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この今中氏の纏め「ミソもクソも一緒」というのが、ECRR2003年報告の実情なのかもしれない。
なお、BEMSJは上記のゼミの予稿集を読んだだけで、ECRR2003年報告の全文は読んでいません。
関心のある方は、全文を読んでください。 たぶん、どこかに日本語訳の全文があるでしょう。

 

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35.放射線、電離放射線に関連する情報−9 日用品に含まれる放射性物質

記:2011−5−8

以下の論文を見つけた。
日用品の中に天然の放射性物質が含まれていることを指摘する論文である。
論文の一部を紹介する。
関心のある方は、全文を入手して読んでください。

****************    *****************
掲載誌:化学生物総合管理 第4巻第2号(200812146153
タイトル:日用品に含まれる放射性物質のリスク評価と存在の問題点
研究者:古田悦子  お茶の水女子大学大学院

1
.はじめに
1896
年、放射線を放出する放射性物質(鉱石)がベクレルにより発見されて以来、放射性物質は種々の目的のために、生活圏内において使われてきている。
放射性物質を含む日用品は、放射性コンシューマプロダクトRadioactive consumer productRCP)と呼ばれ、長い歴史を持つ。
例えば、キャンプ・登山用晶のガスランタン用マントルはRCPであった。
マントルは、Carl Auer von Welsbach1885年に特許化したものである。
当時は成分の分析が完璧ではなかったが、後に天然放射性同位元素のトリウム(Th)が含まれていると判明した。
このThによる白熱光が有効であると長い間信じられてきたが、近年になり、他の希土類元素で代用できることが判明した。
現在ではイットリウム(Y)がThに変わって使われている例が多くなり、ガスランタン用マントルはRCPではなくなりつつある。

近年、この例のように放射性物質を使う必要がない場合、非放射性の物質に変えようという動きがある。
これは、国際放射線防護委員会(International Commission on Radiological ProtectionICRP)が提案した「放射線による被ばく影響は出来うる限り低くすべきである」とする「アララ」(As Low As Reasonably AchievableALARA)の理念に基づく動きである。
この考え方は、イギリス放射線防護庁(National Radiological Protection BoardNRPB,現在のHealth Protection Agency)の「1個のRCPからの被ばく線量は10μSv/年以下に抑えることが望ましい」とする指針に反映されている(NRPB1997)。
これに対し国際原子力機関(International Atomic Energy AgencyIAEA)は、1個のRCPからの数十μSvまでの被ばくは問題ないとする考えを示している(IAEA1988)。

一方、1978TDLuckeyは、ホルミシス効果の概念を発表(Luckey1982)し、生物に対して通常有害な作用を示すものが、微量であれば逆に良い作用を示す生理的刺激作用を提唱した。
これを受けて、電力中央研究所などが低線量被ばく影響評価に関する研究を多数行ってきている。
しかし、ここで用いられている研究手法は、小動物あるいは細胞にγ線(]線)を外部照射する方法である。
微量の放射性物質によるα線、β線などによる連続被ばくの影響は研究されてきていない。

放射性物質を人体に直接用いた例としては、治療を目的としたラジウム(Ra)の頭皮への塗布例があり、後に人体内部への浸透が認められ、この治療は中止された。
さらに、この治療を受けた人が50年後に皮膚癌になった報告例がある。

現在の日本では、健康に良いとする天然の放射性物質を含む日用品が相当数存在する
RCP
の中で特に、その放射線源が天然放射性物質であるものをNORMNaturally Occurring Radioactive MaterialsNORM)と呼ぶ。
これらNORMの中には、外見からは判断することが出来ないものの、放射線測定器に強く反応する量の放射性物質を含む日用品もある。
こうしたRCPまたはNORMの存在は、法的に問題ないのか、法的に問題ないとすれば、被ばく線量も問題ないのかといった疑問が生じる。

本報告は、過去に行われてきている著者による研究をまとめたものであり、代表的なRCP (NORM)に含まれる放射性物質の種類、濃度を示すとともに、そこから受けるリスクの評価結果を示すことにより、これら放射性物質を含む日用品が示す問題を提起することにある。

4
RCPおよびNORMにおける問題点:正当性とリスク評価
生活圏内に相当数のRCPが存在する。先に示した試料N09のメタルマッチやテレビのブラウン管のように、原材料に天然放射性同位元素が含まれている元素を使用するために自動的にRCPとなったものもある。
これらは、避けようのない、または誤使用の起こり得ない商品であって、被ばく線量評価値が低いことが確かめられている場合、RCPであることを問題視する必要性はないと考えられる。

一方、ここに紹介したNORMの一部は、健康に良いなどの謳い文句のもと、意図的に天然放射性同位元素を添加したものである。
これらは、避けることが出来る商品であり、一般の使用法を逸脱した使用または誤使用が起こり得る商品である。
特に人体に密着した状態で使う健康効果を謳っているNORMは、添加の必要性に疑問が残る。
なぜならば、低線量放射線による被ばく影響については未だ不明な部分が多く、かつ、個々に被ばく線量評価がなされている商品が極めて少ない。
すなわち、添加の正当性が証明されていない。極めて科学的に聞こえる「効果」が、実は実証されていないという事実にも注目すべきである。

欧州原子力共同体(EURATOMの放射線防護指令書(EU1996)にはRIの添加を禁止する対象が6品目あげられており、ドイツを始め6カ国が憲法で添加禁止対象品目を指定している。
その対象とは、食品、飼料、飲料水、玩具、装身具と化粧品である。
これらは、一商品毎にリスク評価を行ったわけではなく、一般論として、添加する正当性がない、という考え方により指定されている。

一方、日本では一商品毎にリスク評価を行うこととされている。
日に見ることの出来ない放射線の放出は、放射線測定器による測定以外には感知できない。
NORM
を個々に被ばく線量評価する方法では、発見されないNORMであって放射性物質の濃度が高いものが存在する可能性を否定できない。
低線量放射線による被ばく影響が明らかとなるまで市場に放置するのではなく、EUのように添加することに正当性があるかないかの判断により、添加禁止リスト作成の法整備が望まれる。
**********************    ***************

 

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36.放射線、電離放射線に関連する情報−10 過去の放射線被曝量 降下した放射性物質

記;2011−5−12

過去の放射線曝露の実態を、空からの降下物における放射線量の実測・モニタリングデータで示す。
そのほかにもあるかもしれないが、とりあえず、見つかった国内の3例とニュージーランドの例を示す。

*気象研究所のデータ
タイトル:Artificial Radionuclides in the Environment 2007
発行:2007年(平成19年)12
編集兼発行者:気象研究所地球化学研究部

膨大な報告書の中の一部を紹介
*************************   ***********
気象研究所では、大気圏での人工放射性核種の濃度変動の実態とその変動要因を明らかにすべく、19544月に放射性降下物(いわゆるフォールアウト)の全βの観測を開始した。
核種分析は1957年に始まり、以降現在に至るまで50年間途切れることなく継続されている。
特に気象研究所での観測値は、現在でも検出限界以下とすることなく必ず数値化されている。
この時系列データは、ハワイマウナロアにおける二酸化炭素の時系列データ同様、地球環境に人工的に汚染物質を付加した場合、汚染物質がどのような環境動態をとるのかを如実に反映しており、実に5桁の降下量の水準変動が記録されている。
対象は重要核種である90Sr137CsおよびPu同位体である。

人工放射性核種は主として大気圏内核実験により全球に放出されたため、部分核実験停止条約の発効前に行われた米ソの大規模実験の影響を受けて1963年の6月に最大の降下量となり(90Sr170Bq/m2137Cs 550 Bq/m2)、その後徐々に低下した。
しかし、1960年代中期から中国核実験による影響で降下量は度々増大し、1980年を最後に大気圏内核実験が中止されたのでようやく低下した。
放射能の降下量が再び増大したのは、19864月の旧ソ連チェルノブイリ原子力発電所の事故による。

大気圏内核実験のように成層圏に大量に放射能は輸送されなかったため、この影響は長くは続かず、1990年代になると、90Sr137CsPuの降下量は大きく低下し、試料採取に4m2の大型水盤を用いている気象研究所以外では検出限界以下となって、降下量を容易に数値化できなくなった。
このため、気象研究所での観測記録は我が国のみならず、世界で唯一最長の記録となった。
1990
年代での90Sr137Csの月間降下量はともに数〜数10Bq/m2で推移して、「放射性降下物」とは呼べない状況に至った。
このように、人工放射性核種の投入は壮大な規模のトレーサー実験に例えることが出来、それは依然として継続されていると言える。
気象研究所では、投入されてからの期間における変化を降下物という形態で眺め続けてきた。

以下は月間のデータの推移である。 縦軸はミリベクレル/m2である。

  

 

*北海道立衛生研究所のデータ

掲載誌:道衛研所報Rep. Hokkaido Inst. Pub. Health, 57, 1-142007)

タイトル:北海道立衛生研究所における環境放射能調査50年の変遷

研究者:福田一義

 

縦軸はメガベクレル/km2 であり、ベクレル/m2と等価である。

  

 

*兵庫県のデータ

引用元:H20年度兵庫県立健康環境科学研究センター 講演会のレジメ 2009224日開催
タイトル:食品および環境中の放射能調査‐兵庫県における50年の変遷‐
研究者: 健康科学部 主任研究員 礒村公郎

縦軸はメガベクレル/km2 であり、ベクレル/m2と等価である。

  

 

 

*ニュージーランドのデータ

報告書名:Environmental Radioactivity in New Zealand and Rarotonga Annual Report 2009
編集者:N Hermanspahn
発行者: Published in June 2010 by National Radiation Laboratory Ministry of Health New Zealand

一部を以下に引用
************   ************
3.2 Radioactive deposition
No artificial radionuclides were detected in the deposition samples by gammaspectrometric analysis. The TBC deposition for 2009 at Hokitika was 529
± 19 Bq/m2 with 2900 mm of rainfall. The average weekly deposition was 10.4 ± 2.5 Bq/m2.
**********************  *************:
2009年のモニタリングで、大気中の放射性物質の量は、2900mmの降雨の時に529ベクレル/m2を記録した。
平均的な1週間での放射線量は10.4ベクレル/m2である(注:単純に30日を1か月として換算すれば45ベクレル/m2)。


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37.放射線、電離放射線に関連する情報−11 アメリカの1991年の研究にみるラドン濃度

記;2011−12−10

アメリカにおける大気中の放射線ラドンの濃度に関する1991年頃の研究報告です。
1992
年頃のメモが出てきましたので、このWEBに紹介します。

タイトル:Radon levels in a high-rise apartment. 高層集合住宅におけるラドンレベル
掲載誌:Health Phys Vol.61, No.2, Page263265 (1991)
概要:
米国エネルギー省(DOE)の研究計画の一部として開発した連続ラドンモニタを用いてのニュージャージー州Hudson郡の高層アパート室内のラドン濃度を測定し、屋外濃度より著しく高いかについて検討した。
1982
1985年の3.5年間で平均ラドン濃度は室内が40%高く、特に1982年は2.1倍であった。
各種の既報告から推定するとアメリカなどの室内ラドン濃度は10Bqm3以下で、屋外濃度より約50%高い

タイトル:Annual Average Radon Concentrations in California Residences.  カリフォルニアの住宅における年平均ラドン濃度
研究者:LIU KS et al:
掲載誌:J Air Waste Manag Assoc  Vol:41 No.9 12071212
概要:
全州にわたる310住宅について、受動サンプラーを用いて調査した。
室内濃度(寝室及び居間)は、0.116pCi/l(平均0.85pCi/l)で、カリフォルニアの68000住宅大気質基準(4pCi/l)を超えるのと推定した
高濃度の地域はSierre Nabade, Venture, Barbara郡で、海岸地域は少なかった。

 

ここでキューリーCiという単位が出てきたので、調べてみる:
curie.
 放射能の国際単位系(SI)の補助単位。歴史的には1gRa226の放射能量を基準にして定められた単位で、1キュリー(Ci)は、毎秒の崩壊数が3.7E10Bq(ベクレル)に相当する放射能の強さとして定義される。
したがって上記の4pCi/lは約0.15Bq/リットル=150Bq/m3 となる。


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38.放射線、電離放射線に関連する情報−12 世界の高い自然放射線地域

記:2011−12−10
1992年頃に調べたメモが出てきました。それを基に、最新情報に加工してこのWEBに公開します。

以下はhttp://www.taishitsu.or.jp/HBG/ko-shizen-2.htmlにあった内容です。
一部の引用。関心のある方はこのサイトにアクセスしてください。
*************   *****************

世界には大地放射線の量が日本の数倍以上の地域があります。
中国の広東省にある陽江県、インドのケララ州を含む西海岸、ブラジルのガラパリ(現在は再開発が進み海岸だけが自然放射線の高い場所として残っている)およびイランのラムサールが有名です。
下図は、近畿大学の森嶋彌重教授が 1993
国連科学委員会報告書よりまとめられた「世界各地の大地から受ける年間の自然放射線量」の分布図です。
大地放射線が多くなるのには、いろいろな原因があります。
中国広東省の陽江、インドの
ケララとブラジルのガラパリでは、放射線を出すトリウムという元素を含む砂が原因であり、イランのラムサールは温泉の噴出によってたまったラジウムという放射性元素が原因です。
    

   

  

********************   ************
以下の論文に詳細があります。関心のある方は読んでください。
掲載誌:近畿大学原子力研究所年報 Vol.42 (2005
タイトル:世界の高自然放射線地域の線源、線量測定および線量分布
研究者:森嶋禰重ら

以下は電中研ニュース451号(20091月)にあったものです。

   

 

1993年のデータ、2000年のデータから世界では高い自然放射線を受けている地域があることが判ります。

 

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38A.放射線の高曝露による染色体異常の発現 2018年北朝鮮の例

記:2018−1−12

以下の報道がある。

***********一部 引用 ************
毎日新聞201819
北朝鮮 核実験場近くで染色
体異常 住民被曝か

北朝鮮の地下核実験場=咸鏡北道(ハムギョンプクド)吉州(キルジュ)郡豊渓里(プンゲリ)=付近に住み、2度の核実験後に脱北した元住民2人に、原爆被爆者にみられるような染色体異常が発現している。

韓国の研究者が収集したデータを広島の専門家が確認し判明した。
推定される被曝線量は、
値の人では累積394ミリシーベルトに達し、核実験による放射線の影響が疑われる。
この数値は、広島に投下された原子
爆弾の爆心地から約1.6キロの初期放射線量に相当する。
豊渓里周辺では近年、核実験の影響が疑われる体調不良を訴える住民が増えており、被害の実態把握を求める声が上がっている。


(略)
********************

関心のある方は、元ネタの毎日新聞を読んでください。

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39.ブルーライトの殺虫効果2014

記:2014−12−13

以下の研究結果に関して、東北大学から報道発表がありました。
以下に、一部を引用して紹介します。
関心のある方は、東北大学のサイトにアクセスして下さい。

**********************
2014
129
東北大学大学院農学研究科
青色光を当てると昆虫が死ぬことを発見(新たな害虫防除技術の開発に期待)

<概要>
東北大学大学院農学研究科の堀雅敏准教授の研究グループは、青色光を当てると昆虫が死ぬことを発見しました。
紫外線の中でも波長が短いUVCUVBは生物に対して強い毒性をもつことが知られています。
しかし、比較的複雑な動物に対しては、長波長の紫外線(UVA)でも致死させるほどの強い毒性は知られていません。

ある種の昆虫では、紫外線よりも青色光のほうが強い殺虫効果が得られること、また、昆虫の種により効果的な光の波長が異なることも明らかになりました。
本研究成果は青色光を当てるだけで殺虫できる新たな技術の開発につながるだけでなく、可視光の生体への影響を明らかにする上でも役立つと考えられます。

2.研究内容:
様々な波長のLED 光を昆虫に当てて、殺虫効果を調べました。
最初に、378732nm(長波長紫外線〜近赤外光)に渡る様々な波長のLED光の下にショウジョウバエの蛹を置き、羽化できずに死亡した蛹の割合を調べました。
LED
の光の強さは直射日光に含まれる青色光の3分の1程度としました。
その結果、青色光を当てた蛹は羽化できずに死亡しました。

青色光の中でも効果の高い波長と効果の低い波長があり、440nm467nm2つの波長が高い効果を示しました。
そこで、卵、幼虫、成虫に対しても467nmの光の殺虫効果を調べたところ、いずれも照射により死亡しました。

次に、蚊(チカイエカ)の蛹に対する青色光の殺虫効果を調べました。
蚊も青色光を当てると死亡しました。
しかし、効果の高い波長は417nm1つだけで、ショウジョウバエと異なっていました。
また、蚊はショウジョウバエよりも青色光に強く、全ての蚊を殺すには、直射日光に含まれる青色光の1.5倍程度の光の強さを必要としました。
417nm
の殺虫効果は卵でも認められました。

青色光の殺虫効果を、小麦粉などの大害虫であるヒラタコクヌストモドキの蛹でも調べたところ、非常に高い殺虫効果が認められ、直射日光の5分の1から4分の1程度の光の強さで、全ての蛹が死亡しました。

3.明らかになったこと
青色光は様々な昆虫種に対して殺虫効果を示します。
また、その効果は卵、幼虫、蛹、成虫のいずれの発育段階でも得られます。
ただし、青色光であっても効果的な波長は昆虫の種により異なっております。
また、ショウジョウバエのように、ある種の昆虫にとっては、紫外線よりも青色光のほうが高い殺虫効果を示し、動物に対する光の致死効果は波長が短いほど大きいという従来の考えには当てはまらない動物種の存在が明らかになりました。

4.推測される青色光の殺虫メカニズム
昆虫の種により有効波長が異なることから、その殺虫効果はヒトの目に対する傷害メカニズムに似ていると推測しています。
すなわち、種によって吸収しやすい光の波長が異なり、これによって、種により異なる波長の光が昆虫の内部組織に吸収され、活性酸素が生じ、細胞や組織が傷害を受け死亡すると推測していいます。

**********************

BEMSJの感想:
卵でも殺虫効果があったことから、卵そして蛹、成虫の体組織の一部に光を感じる組織というか材料があり、その組織で光を感じるから、殺虫効果が出るのではないでしょうか。
ブルーライトを「怖いO−157」といった細菌に照射しても、0−157には光を感受する組織・材料がないので、たぶん、殺菌効果は出てこないのではないでしょうか?

 

追記:2015−10−9
ブルーライトの研究者の見解が、電磁波研会報No.962015927日発行)に研究の内容と共に、記載されていたので、以下に抜粋して紹介する。
*************************************
論文を書かれた東北大学大学院の堀雅敏教授に問い合わせた。

Q
:今回の虫の影響から、人間への影響を推定できますか?
A
:人間の場合は、直射日光を直接浴びる機会が多く、その分、光に対する耐性も、これらの虫に比べてずっと高いものと考えます。
強い青色光は細胞にとって必ずしも良いものではないかもしれませんが、人間の場合はプロテクト機能と修復機能により、青色光に対応できる仕組みが備わっているのではないでしょうか。

Q
:照明器異に使われる白色LEDからもブルーライトはでていますよね。
A
:確かに白色光にも青色波長は含まれます。LEDの場会は白色であっても、ブロードな波長を含む蛍光灯や自熱球などと違い、特定の波長しか含まないので、その分、特定の青色波長の光束度は高いかもしれません。
しかし、青色光は直射日光にも含まれており、そこに含まれる青色光の強度の方が、白色LED照明に含まれる青色光よりも強いです。

Q:
では今回の研究から白色LED照明の人への影響については?
A:
虫に比べ直射日光を浴びるリスクが高い人間の場合は、それだけ青色光に対する耐性も強いと考えられるのと、白色LED照明を浴びることによるリスクは直射日光を浴びるリスクから比べれば低いと言えるでしょう。


 殺虫作用が分かったブルーライトは、太陽光に含まれるほど強力なもの。
死んだ昆虫は直接太陽光を浴びないように生息している。
一方、人間は太陽光の下で暮らしている。
太陽光に紫外線で日焼けすることはあるが、虫のようにブルーライトを全身に浴びることのリスクはなさそうだ。
****************************************************

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40.岐阜薬科大学のブルーライト研究2014

記:2014−12−16

http://www.nhk.or.jp/tokai-news/20140723/3190031.html
にあった内容の一部引用です。
*************

NHK岐阜放送局
青い光が目に悪影響 仕組み解明
2014
07231228

岐阜薬科大学の研究グループが、スマートフォンなどの画面から出る青い光=ブルーライトが、目の細胞を死滅させる仕組みを、マウスを使った実験で解明したと発表し、ブルーライトの影響を防ぐ今後の対策に役立つことが期待されています。
岐阜薬科大学の原英彰教授などの研究グループが発表しました。

研究では、スマートフォンの画面などに使われるLED=発光ダイオードから出る青・緑・白の3色の光を6時間ずつマウスの目の細胞にあてたところ、緑の光をあてた細胞はあまり変化がなかった一方、白は約70%、青は約80%の細胞が死滅したということです。
また、これらの細胞を詳しく調べると、老化を進める活性酸素が、緑の光を当てた細胞で、通常の、1.5倍に増加したほか、白が2倍、青が3倍に増えたということです。

ブルーライトは、これまでも目の機能を低下させると指摘されていましたが、研究グループはブルーライトが活性酸素を急激に増やして、細胞を死滅させるという仕組みが解明されたとしています。
原教授は「今回の研究でスマートフォンなどのブルーライトによる目の影響を防ぐ対策が進むことを期待したい」と話しています。

*****************

この研究は以下の論文として公開されている。
掲載誌:Scientific Report published: 9 June 2014
タイトル:Damage of photoreceptor-derived cells in culture induced by light emitting diode-derived blue light
研究者:Yoshiki Kuse, Hideaki Hara

関心のある方は、上記の論文全文を読んでください。

BEMSJ
の関心は、この研究がどの程度の強さのブルーライトを当てた研究なのか、です。

論文を読むと、
Murine cone photoreceptor-derived cells (661 W) were exposed to blue, white, or green LED light (0.38 mW/cm2).
ネズミの円錐形光受光体由来の細胞(661W)にLEDの青、白、緑の光(0.38mW/cm2を照射した。

The 661W cells were seeded at a density of 3×103 cells per well into 96-well plates, and then incubated for 24 h under a humidified atmosphere of 5% CO2 at 37.
661W
細胞を96Wellプレートの3×103の密度で蒔いて、37度で5% 2酸化炭素の湿気のある雰囲気で24時間、培養した。

After 661 W cells were treated Nacetylcystein (NAC) (Wako, Osaka, Japan) or vehicle (1% FBS, DMEM), the cells were incubated for 1 h.
661W
細胞をNacetylcysteinか介在剤で処理をしてから1時間培養した。

Then, the cells were exposed to 0.38 mW/cm2 [equivalent to 450 lux for blue LED light (464 nm); 1,600 lux for white LED light (the wavelength peak is 456 nm and 553 nm); and 2,500 lux for green LED light (522 nm)] or alternately, to 2,500 lux of blue, white or green LED light from below the 96-well plates for 24 h.
それから細胞は0.38mW/cm2の光に曝露した。
この光の強さは、等価的に、464nmの波長の青色LEDによる450 Lux、白色LED(ピークの波長は456nm553nm)による1,600 Lux、波長522nmの緑色LEDによる2,500 Lux、もしくは青、白、緑のLEDによる2,500 Luxの光で、24時間、96Wellプレートの下から照射した。

青色光で450 Luxという条件は、かなり明るい、明るすぎてまぶしい位の光の量ではないかと、BEMSJは感じました。

さて、上記研究の照明条件が、一般的な光の曝露限度に対して、どの程度の割合になるのか、調べてみました。
可視光線に関しては、強すぎる光は有害であるとして、規定が設けられています

以下の文献に関連する情報がありました。
掲載誌:産衛誌 46巻 2004
タイトル:有害光線の衛生管理
研究者:奥野 勉

ACGIHの曝露基準によれば、波長400nmから500nmのブルーライトに対する、曝露時間が10,000秒(約3.3時間)を超える場合の実効照度の曝露限度値は1.0μW/cm2である。

このことから、岐阜薬科大学の研究は、規定のブルーライト曝露限度値の380も強い照射条件で行った結果であると、言える。
今後は、どこまで光照射を低くすれば、変化がみられなくなるのか・・・・という閾値を見つける研究を行うことが望ましい。


追記 2015−10−9
ブルーライトの研究者の見解が、電磁波研会報No.962015927日発行)に研究の内容と共に、記載されていたので、以下に抜粋して紹介する。
********************************
実験を行った岐阜薬科大学の原英彰教授に伺った。

Q
:我々が日常的に浴びる程度のブルーライトでも目に傷害を与える可能性を示唆している、ということでしょうか?
A
:細胞を使ったメカニズム解明のための実験なので、照射したのはかなり強い光であることは確かです。
人間で、日常的に浴びる照明などのブルーライトの光によってすぐに細胞に障害が起こるということまでは言えません。
しかし長期的に浴び続けた場合の影響については懸念があります。
白色LEDはスマートホンのバックライトにも使われています。
近年、高校生たちの間では、スマホを15時間以上見続けるような生活をしている人たちも多い。
その人たちが何十年後に何の影響も出ないのかが心配です。

A
:スマホのディスプレイや照明のLEDについて何らかの対策が必要だということでしょうか?
Q
:今すく規制せよというわけではありませんが、ブルーライトをカットするメガネや、ブルーライト成分を減らしたディスプレイなどの開発も進められている。
技術的に低減可能なものは低減しておいた方が良いと思います。

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40A.参天製薬のパンフレットにあったブルーライトと加齢黄斑変性の関係

記:2015−9−25

参天製薬のWEBにもパンフレットが公開されていますが、私は、先日定期検診を受けている眼科で以下のパンフレットをみました。

以下の問い合わせを参天製薬に送りました。
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「知っていますか? 加齢黄斑変性 監修 石橋達郎 パンフレット番号2087401 1A4SE 1A4SE
このパンフレットのP17に「太陽光のとくに青色光は黄斑の老化に関係するといわれています。また、パソコンやテレビなどの青色光も同様によくないといわれています。」とあります。

前半の太陽光に関しては、納得ができます。

パソコンとテレビに関しては、具体的にどのくらいの量の青色光が出ているので、黄斑の原因となるというような、具体的な論拠というか、研究論文などはあるのでしょうか? 教えてください。
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以下の回答が着信しました。
*********************
パソコンやテレビなどから発生する青色光は、380nm495nmの波長の可視光線で、通常、ブルーライトといわれています。
ブルーライトは可視光線の中で、最もエネルギーが高く、眼の角膜や水晶体で吸収されずに、網膜まで到達します。
網膜障害を惹起する分光特性は435nmが最も生じやすいといわれています。

ブルーライトの人体に対する影響については網膜に変性を与える影響(加齢黄斑変性症等を来す可能性)以外にピントのズレによる目の疲れや不定愁訴などの症状の発生の可能性や眼以外の影響としてサーカディアンリズム(生体リズム)への影響が考えられています。

ただ、ブルーライトを長時間見続けるライフスタイルはここ数年の間に広まったもので、サルを用いた青色発光ダイオード光による網膜障害(急性障害)については報告がありますが、人体への影響について実証されたものは今のところありません。

ブルーライトの人体への影響を医学的に検証することを目的に設立されたブルーライト研究会(世話人代表:慶應大学眼科教授 坪田一男先生)に関連データが掲載されていますので、ご確認をお願いいたします。
ブルーライト研究会>ブルーライト  http://blue-light.biz/


参天製薬株式会社 お客様相談室
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BEMSJとしては、参天製薬とも言える会社であるからして、もう少し、厳格な、定量的なパソコンやテレビからのブルーライトの光の量のデータなどを含めた情報の公開があるかと、期待していましたが、完全に期待外れでした。


 

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40B.パソコンモニターからのブルーライト低減法

記;2017−2−21


以下の資料はナナオが2012年に制作したパンフレットの一部の引用です。

画面の色を青っぽい白(色温度が高い)ではなく、黄色みというかクリーム色に近い白(色温度が低い)に調節するとブルーの発光量が減る、ということです。


 

 

 

 

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40C.台湾でのLEDの目への影響に関する研究2014

記:2017−2−21

以下の研究がある、

タイトル:White LightEmitting Diodes (LEDs) at Domestic Lighting Levels and Retinal Injury in a Rat Model
家庭内仕様の白色発光ダイオード(LED)と実験用ラットでの網膜損傷
研究者:シャン・ユーマン(台湾大学)、ワン・ゲンシュー(台湾大学)、デビッド・スライニー(元アメリカ陸軍医療部)、ヤン・チャンハオ(台湾大学)、リー・リーリン(台湾工業技術研究所)
掲載誌:Environmental Health Perspectives ,volume 122, No. 3, March 2014
『環境健康展望』1223号、20143

概要:
背景:発光ダイオード(LED)は、在来の照明用光源よりも強い青色光を、網膜に到達させる。高強度光(2000から10000ルクス)への慢性曝露が網膜の損傷をもたらすことは以前から知られているが、比較的低強度の光(750ルクス)への慢性曝露が、齧歯類の動物実験により評価されたことはなかった。

目的:LEDにより引き起こされるSDラットの網膜神経細胞損傷を、機能学的・組織学的・生化学的方法を用いて調べた。

方法:青色LED(460ナノメートル)とフルスペクトルの白色LED、およびそれに相当するコンパクト蛍光灯を、照射のために使用した。
生理学的検査は電子網膜撮影、ヘマトキシリン・エオジン(H&E)染色、免疫組織化学(IHC)および走査型電子顕微鏡(TEM)をふくむ。
酸化ストレス水準を決定するために、網膜内のフリーラジカルの生成を計測した。

結果:H&E染色とTEMは光受容体の細胞死および壊死を示し、青色光が網膜の光化学的損傷を誘発することが示唆された。
LED
曝露集団においては、網膜内でのフリーラジカル生成も増加した。
LED
集団では重度の網膜損傷がみられ、一方コンパクト蛍光灯(CFL)集団では中度あるいは軽度の損傷がみられた。

結論:LED光への慢性的曝露は、青色光のより少ない他の光源にくらべて、網膜に悪影響を及ぼしやすいのではないかとの疑問が持たれる。
したがって、青色光の豊富な「白色」LEDを一般照明に使用する際には、予防的な措置が講じられるべきであることが示唆される。

詳細から
光源 単一波長青色LED460±10ナノメートル)およびPC白色LEDは、曝露実験のために特注されたもの(台北・ブルードッグテクノロジー社)である。
PCLED
の当該色温度(CCT)6500ケルビンである。
白色CFL(川世・中華工業社のESE27D-EX)のCCT6500ケルビンだが、黄色CFL(同社のESE27L-EX)のCCT3000ケルビンである。
それぞれの光源は、積分球において40の測定をなすように計画された。
すべての光源のスペクトル強度分布(SPD)および総強度は、試験認証機関である新竹の工業技術研究所で検査されたが、その結果は図2に表示されている。

 

2 (A)青色LED(B)白色LED(C)白色CFLおよび(D)黄色CFLの光源SPD曲線。
単一波長青色LED(A)のピークは460ナノメートル(出力0.1ワット毎ナノメートル)にあった。
白色LED(B)CCT6500ケルビンであった。
波長460ナノメートルで出力0.028ワット毎ナノメートルの最初のピークは青色成分を示しており、第二の鐘状のピークはより強力な黄色成分を示している。
CCT6500
ケルビンのCFL(C)は、スペクトル中に複数のするどいピークを示すが、青のピークは黄色ないし赤のそれに比較して短く、また全幅半最大値(FWHM)(A)(B)より小さい。
黄色CFL光のSPD曲線(D)(C)と類似しているが、CCT3000ケルビンであり、最大ピークも黄色にある。
試験されたすべての光源は青のピークをふくむが、曲線の形状がちがえば全体の強度もことなる。
各光源における目盛りのちがいにも注意。

 

 

5 TUNEL標識により検知された網膜細胞死(損傷した網膜細胞が陽性となる)

関心のある方は、原著全文を読んでください。

BEMSJのコメント

・この研究ではコンパクト蛍光灯(白色、黄味が非常に強い白色)に比べて、LED(青単色、白色)は眼に影響するという結果になっている。
これはブルーライトの影響であるとしている。
・実験に用いた光源のブルーライトの発光・スペクトラムを見ると、グラフからおおよその数字を読み取れば、青単色LED0.09mW/nm、白色LED0.03mW/nm、白色コンパクト蛍光灯は0.08W/nm、黄味が非常に強い白色コンパクト蛍光灯では0.07mW/nmとなっている。
もしブルーライトの影響であるとすれば、白色LEDの曝露群が他の曝露群に比して影響が少ない、という実験結果にならなければならない。
・実験結果はそのようにはなっていないので、この研究から「LEDは眼に影響が大きい、ブルーライトの影響である」とは断定できない。

・ブルーライトの発光スペクトラムの波長の幅も何か影響しているのかもしれない、
LEDは光源の輝度が非常の大きい、光源を直接見ると非常の明るく、まぶしい。
しかし、LEDは光源から発射される光束が小さく、周りを照らす時は床面などでは照度(ルックス)が小さい。
発光輝度・光束がそれぞれの光源で異なるので、照度が同じになるように、光源と飼育箱の距離を変えなければならない。
実験ではどのようにして、異なる光源からの光の照射量(照度)を一定にしたのかの、正確な記述はない。
実験で、ラットが光源を直接見るような状態であれば、コンパクト蛍光灯に比べればラットはかなりまぶしい状況に置かれたのではないかとも思われる。
これを避けるためには、光源を直視できないように、間接照明で実験を行う必要があるのではないかと、思われる。

・よって、この実験・研究はLEDから出るブルーライトによる目の影響としては、不十分なものと言える。

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40D. 韮崎高校の実験2017年 

記:2017−10−7

*以下の新聞記事があった

朝日新聞

http://www.asahi.com/articles/ASK9G3F4MK9GUZOB001.html より一部引用

******************
2017
927
ハエ、い光を当てるとなぜ死ぬ 梨の解明

宮城県で8に開催された全国校総合化祭(総祭)の然科学部門のポスター発表部門で、山梨県の韮崎高校生物研究部が文部科学大臣賞(最優秀賞)を受賞した。
韮崎物研究部の平匠部(3年)が「⻘⾊光によるハエの死亡原因は本当に酸化ストレスなのか」の題で発表した。
い光にはハエなどに殺効果があることが知られているが、詳しい仕組みは分かっていないという。

韮崎高は生物研究部の平田匠部長(3年)が「青色光によるハエの死亡原因は本当に酸化ストレスなのか」の題で発表した。
青い光にはハエなどに殺虫効果があることが知られているが、詳しい仕組みは分かっていないという。
さんはショウジョウバエを使い1年半がかりで実験。い光を当てると、体内の活性酸素が細胞を傷つける「酸化ストレス」が強まり、細胞が自ら死ぬアポトーシスを促すことを突き止めた。

実際の実験では、ショウジョバエのさなぎを使用 

 

***********************
実験装置を示す写真から、青い光は、青色のLEDによる発光とみることができる。

 

この記事を読んで、どの位の強さの青い光を当てたのか、関心を持った。

*韮崎高校のWEBに、以下の記事があった。

1
年前の2016年に、同様な研究発表を行っており、明るさは「青色10000ルックス、白色3000ルックス」ロいう照射条件であったことが分かった。
2017
年の発表の実験条件と、2016年の発表の実験条件は同じであろうと、推定した。

********************
12
2日(金曜日) 
39回日本分子生物学会年会 高校生発表(パシフィコ横浜)で発表してきました!
【演題】「青色光によるハエの死亡原因は、本当に酸化ストレスなのか」  韮崎高等学校生物研究部2年 平田 匠

【発表要旨】
東北大学の堀雅敏准教授らの研究によって、可視光である青色光の昆虫に対する高い殺虫効果があると発表された(2014)。
私は殺虫効果の検証と、まだ明らかになっていない死亡のメカニズム解明を試みている。
ショウジョウバエの蛹に対して、青色光10,000 Lux、白色光3,000 Lux光照射をしたものと全暗条件との比較から、青色光に高い殺虫効果があることが確かめられた。

さらにその関連分子は、ハエの全身に分布する青色光受容タンパク質「Cryptochrome(クリプトクロム)」ではないかという仮説を立て、クリプトクロム変異体(cryb)を用いて同様の検証を行ったが、その結果、野生型同様に高い死亡率を示し、クリプトクロムが光受容物質である可能性は少ないと考察した。

現在は、死亡の原因は酸化ストレスの上昇によるものではないかと考え、酵素SODの活性を測定するとともに、他の青色光受容物質を模索している。
今後は、単眼複眼に局在する色素「Rh(ロドプシン)が関係しているのか研究していく。
**********************

以下はBEMSJのコメント:
ここでブルーライト10,000LUXは光曝露量としてはどうか?

以下は一般的な照度の例である。当然白色光を対象にしている。

1)一般的な作業環境では白色光で300LUX程度以下
作業や室内における一般的な照度の目安は、視力の変化も考慮すると、オフィスフロアでは150300ルクスぐらいがよいと考えられています。また、デスク上で使用する電気スタンドの明るさは、同じく150300ルクスの間が適度とされています。
視力検査では、照度200ルクス下で視力表を見るのが標準とされていますが、視力は照明(照度)によっても大きく変化します。

2)JISに規定されている照度基準の例


非常に明るく照らしている場合も2,000ルックスであることが判る。
実験条件の3,000ルックスはかなり明るい白色光であると言える。

3)ICNIRPの光曝露規定では、光源の輝度を網膜上での照射強度という観点で記述している。

4)日本工業規格JIS C75502011ランプ及びランプシステムの光生物学的安全性 という規格では
「青色光による網膜傷害:青色光による網膜傷害の実効放射輝度又は露光許容時間」として、目の網膜への影響を評価する手段を規定している。
この場合は、青い光の波長、波長によって異なる係数、波長ごとの発光輝度、これらの積分値で評価することになっており、単純に10000ルックスがどうかは判定できない。

残念ながら、青い光に関する照度基準などに関しては、これ以上の情報は見つからない。
いずれにしても、10,000ルックスの青い光は、生活環境下では浴びることのないかなり強い光と言える。
「殺虫剤」ならぬ「殺虫ライトの研究」としては、この韮崎高校の研究は面白い。


前述の「40.岐阜薬科大学のブルーライト研究2014」では、波長464nmの青色LEDで450LUXとしている。
この岐阜薬科大学の照射はACGIHの曝露規定の380倍の量であった。 
もし、同じ波長の青色LEDで、10,000ルックスであるとすれば、単純計算で、ACGIHの曝露規定の380倍×22倍=8360倍も強い殺虫ライトでの実験7と言えるかもしれない。

 

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40E.産業衛生2016VDTとブルーライト

 

以下の研究がある。

掲載誌;産業衛生学雑誌  58(1):  41 -41 2016

タイトル:液晶モニタのバックライトとVDT作業一ブルーライトの測定と視覚実験一

研究者:吉村公美子ら 名古屋大学・院・医学系研究科

【はじめに】ブルーライト領域の光は,目の網膜を損傷するといわれている。
本研究では,視覚実験を行い,液晶モニタの見やすさについてパソコン用モニタと医用モニタを比較し.ブルーライト領域の光量との関連を検討した。

【方法】比較したモニタは4種類で,パソコン用モニタ(ブルーライト軽減機能:なし,あり)および医用モニタ(表示モード:医用画像,テキスト)であり,各モニタの分光輝度を測定した。
被験者17人(男8名,女9名,平均年齢317±108才)に,1モニタにつき480課題行い,正答率と反応時間を得て,各モニタを比較するためカイニ乗検定および分散分析を行った。

【結果】視覚実験の結果は,輝度が高いモニタの正答率が高く,反応時間が短いという結果だった。

【考察】ブルーライト領域の光は,網膜を損傷させるといわれているが,実際のVDT作業としてモニタのコントラスト差の認識には影響が無いと示唆された。

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40F.メディアコクショのLED記事2017年の内容は不十分

記:2017−10−10

http://www.kokusyo.jp/led/11912/ にあった内容の一部引用

20170817 (木曜日)

今世紀最大の公害・LED、危険な実体とメカニズム、研究者からメディア黒書へ情報提供

LEDの植物への影響を調査した際の具体的な写真なども多数掲載されている。LEDの影響を調べる実験も紹介されている。

サケとメダカの受精卵に4色のLEDを照射した実験報告があります。それによれば孵化三週間後のサケの死亡率は青色で78%、白色で11%。孵化二週間後のメダカの死亡率は赤色で36%、青色で78%、緑色で75%、白色で50%。受精卵に青色を照射すると孵化率は0%ということで、かなりの破壊力ではないでしょうか。(資料 ※a

(資料 ※ahttp://www.biol.tsukuba.ac.jp/tjb/Vol11No6/TJB201206IS.pdf つくば生物ジャーナル2012 より

 

この研究は、以下の内容
*************************
掲載誌: Tsukuba Journal of Biology (2012) 11, TJB201206IS  􀗉2012
タイトル:特集:SSリーグ研究報告「サケ・メダカの孵化・成長と光質の関係」
研究者:住谷 伊織(茗溪学園高等学校3年)

近年ではヒラメなどで光環境と成長速度の関係についても注目されつつあるが、研究例は多くない。
そこで本研究ではサケ・メダカ胚を用いて光環境に着目して実験を行った。

クリップライトの電源部分にタイマーをセットし、毎日12 時間ごとにスイッチがONOFF になるようにする。

【考察】
1.
光の照射時間について
サケでは、受精卵の際は恒暗群、仔魚には昼夜群がよい、という結果であった。
その理由として、親サケは自分が産卵した卵に土をかけ敵に食べられないようにする習性がある。
この土の中の受精卵は太陽の光が当たらない、“恒暗群”にあたる。その後孵化した仔魚は泳ぎだして太陽の光を浴びる、“昼夜群”である。
よってサケの成長には自然環境に近い形での照射時間がもっともよいということが考えられる。

それに対し、メダカは受精卵、仔魚時ともに昼夜群がよいという結果であった。
その理由は、メダカの受精卵は水草等の太陽光が当たる場所に産み付けられるため、常に“昼夜群”で育っている。
そのことからこちらも自然環境に近い形での照射時間がもっともよいということがわかった。

2.
光の色について
サケでは、孵化するまでの日数、孵化率、孵化直後の体長、孵化後の成長率、孵化後の死亡率ともに青色光照射群は悪影響を及ぼしていた。
逆によい影響を与えていたのは赤、緑色光であった。
青色光が悪影響を与えている理由は定かではないが、考えられることは、ホルモンやタンパクの分泌を抑えていて、それらが影響を及ぼしているのかもしれない。

また、別に行った実験より、青色光を照射した群には奇形率が高かったことからも、なにかしらの影響を受けているということが確実である。
さらに実験3、4から受精卵が孵化するまでの期間に青色光を浴びると、成長に必要な体内物質の合成、もしくは青色光により物質が変化する可能性が考えられる。

同様に、メダカにおいても青色光が悪影響を与えていると考えることができる。
同じような実験を行っている参考文献が非常に少なく、サケ・メダカを用いている例を見つけることができなかったので原因はわからない。
この結果をもとに今後の実験に役立てていきたいと思う。
***************************

高校生の実験ということで、照明条件が定かではない。
クリップライトは一般的には白色光のはずで、それをどのようにして、赤単色、青単色といった光源に加工したのか、その時の輝度というか照度はどの程度か? 報告書ではわからない。

メディアコクショのサイトでは「サケとメダカの受精卵に4色のLEDを照射した実験報告」とあるが、オリジナルの報告書には「4色のLED・・・」の記述は見当たらない。

また、アカゲザル6匹をつかった青色光照射による網膜破壊実験も行われており、40分で細胞が壊死します。(資料 ※b

 

(資料 ※b)… http://ameblo.jp/yudaganka/entry-10569082259.htmlきくな湯田眼科 青色光の網膜毒性 より

 

この研究の概要は以下である。
眼科医が、他の研究者の研究の概要を紹介している。
*********************
問題は青色ダイオードの光毒性についてです。

これについては小出らがサル眼を用いた実験を行っています。(日本眼科学会雑誌 2001;105:687-695

この実験は成熟雄アカゲザル6匹を用い、中心波長460nm、照射パワー1.2mWの青色LEDを使用、アトロピンで散瞳し、細隙灯顕微鏡と集光レンズを用いて網膜黄斑部に照射径が3mmになるようにして、それぞれ12分、23分、34分、40分、45分、90分間青色光を照射した実験です。
照射後30日目に屠殺し病理組織を見ています。
(大変力の入った研究です。なお実験に供されたサルは人のためとはいえかわいそう。冥福を祈ります)

この結果は23分以内の照射では何ら異常は生じなかった。
34
分照射したサルでは蛍光眼底造影でわずかな過螢光を認めたのみ。
40
分照射したサルで、蛍光眼底造影で30日目後期の過螢光を認め、組織学的検査で視細胞外節が崩壊、網膜色素細胞がほぼ壊死に陥っていた。

”と言うことです。

このことから彼らは28.8J/cm2 以上の照射で青色光での網膜障害が起こることを指摘しています。

いずれにしろ強い光を長時間網膜に当て続ければ光障害は避けられませんが、今回見られた実験系のように、散瞳状態で意図的に照射するようなことでもない限り、通常このような光が網膜に連続して当たることはありません。
逆に言うと、このような過酷な条件下でも23分程度であったら何ら網膜に影響を与えないと考えた方がよいと思います。
*****************************

以上のことから、強いブルーライトには、目の網膜への影響はあります。


「ブルーライトの波長を含むLEDを細胞に照射した際に活性酸素が増加したことによって細胞のエネルギー産生の場であるミトコンドリアが障害を受け、さらにタンパク質合成の場である小胞体に障害が起きることで、細胞障害が惹き起こされたと考えられます。」(岐阜薬科大学薬効解析学研究室)

 

(資料 ※c)… http://news.mynavi.jp/news/2014/07/25/304/ マイナビニュース より

 

資料Cにある情報は
******************
なぜLEDによるブルーライトが目に悪いのか? - 岐阜薬科大が仕組みを解明
[2014/07/25]

岐阜薬科大学は、青色発光ダイオード(LED)から発せられる青い光(ブルーライト)が、目にダメージを与えるメカニズムを解明したと発表した。
同成果は、同大薬効解析研究室の原英彰 教授らによるもの。詳細は英国学術誌「Scientific Reports」に掲載された。
**************************

岐阜薬科大学の研究の詳細は以下
**************************
掲載誌:Scientific Report published: 9 June 2014
タイトル:Damage of photoreceptor-derived cells in culture induced by light emitting diode-derived blue light
研究者:Yoshiki Kuse, Hideaki Hara

論文を読むと、
・ネズミの円錐形光受光体由来の細胞(661W)にLEDの青、白、緑の光(0.38mW/cm2)を照射した。
661W細胞を96Wellプレートの3×103の密度で蒔いて、37度で5% 2酸化炭素の湿気のある雰囲気で24時間、培養した。
661W細胞をNacetylcysteinか介在剤で処理をしてから1時間培養した。

・それから細胞は0.38mW/cm2の光に曝露した。

この光の強さは、等価的に、464nmの波長の青色LEDによる450 Lux、白色LED(ピークの波長は456nm553nm)による1,600 Lux、波長522nmの緑色LEDによる2,500 Lux、もしくは青、白、緑のLEDによる2,500 Luxの光で、24時間、96Wellプレートの下から照射した。
***********************

青色光で450 Luxという条件は、かなり明るい、明るすぎてまぶしい位の光の量ではないかと、BEMSJは感じました。

さて、上記研究の照明条件が、一般的な光の曝露限度に対して、どの程度の割合になるのか、調べてみました。
可視光線に関しては、強すぎる光は有害であるとして、規定が設けられています。

以下の文献に関連する情報がありました。
********************
掲載誌:産衛誌 46巻 2004
タイトル:有害光線の衛生管理
研究者:奥野 勉

ACGIHの曝露基準によれば、波長400nmから500nmのブルーライトに対する、曝露時間が10,000秒(約3.3時間)を超える場合の実効照度の曝露限度値は1.0μW/cm2である。
****************************

このことから、岐阜薬科大学の研究は、曝露規定のブルーライト限度値の380倍も強い照射条件で行った結果であると、言える。

さらに従来は安全とされていた青色以外のLEDにも、リスクがあることを指摘している。
カリフォルニア大学の教授の実験ではLEDから鉛、ヒ素などの多くの有害物質含まれている事を研究報告として発表しています。
(資料 ※)… http://www.su-gomori.com/2011/02/eco-led.htmlスゴモリ

 

この研究は、材料の問題で、蛍光灯の中の水銀・・・・と同じ。

以上の検証から、
「今世紀最大の公害・LED、危険な実体とメカニズム、研究者からメディア黒書へ情報提供」で、
「研究者からメディア黒書へ情報提供」から「今世紀最大の公害・LED、危険な実体とメカニズム」が判明したので、「LEDは危険」というのは、ちょっと論が合わないと考える。



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41.日光・紫外線と、放射線ホルミシスの研究論文の概要の紹介

記:2015−1−4


掲載誌:生物の科学 遺伝 VOL.53,NO.5 PAGE.2529  1999
タイトル:紫外線と皮膚 
研究者:上田正登

概要:
代表的な皮膚がんとして、基底細胞がん、有きょく細胞がん、悪性黒色腫があげられる。いずれの成因にも紫外線が関与している。白人種では皮膚がん患者の明らかな増加が問題となっている。日本人においても皮膚がん患者の増加を示唆する報告がある。
疫学研究の結果、皮膚がんの危険因子が明らかにされた。紫外線による発がんのメカニズムとして,宿主の免疫抑制効果に加えて、紫外線によるDNA損傷生成をトリガーとした細胞遺伝子の変異の誘導が重要である。
正常のp53がん抑制遺伝子産物は紫外線発がんの防御に重要な作用を有しているが、この遺伝子の変異が腫瘍のみならず、正常の日光曝露部皮膚にも見いだされる。
紫外線発がんのきわめて初期に生じたこの遺伝子変異がつぎのがん化過程を促進するのであろう。


掲載誌:Carcinogenesis
タイトル:COX-2 expression is induced by UVB exposure in human skin: Implications for the development of skin cancer.
ヒト皮膚においてUVB曝露によりCOX2発現が誘導される: 皮膚癌発生との関連
研究者:BUCKMAN S Y et al:

概要:
培養ヒトケラチン細胞をUVB照射に急性曝露すると、プロスタグランジンE2産生増加、COX2(シクロオキシゲナーゼ2)蛋白質増加、COX2mRNA誘導増加がみられた。
UVB
照射した被験者皮膚の生検ではCOX2蛋白質発現のアップレギュレーションがあり、ヒトへん平上皮癌の生検ではCOX2蛋白質の免疫染色が増大していた。


掲載誌:地球環境研究総合推進費 平成7年度終了研究成果報告集1 PAGE.341346 1996
タイトル:紫外線の増加がヒトの健康に及ぼす影響に関する研究 紫外線の人健康への総合的影響に関する分子疫学的研究 
研究者:渡辺昌, 宗像信生 ら

概要:
1993
年度から1995年度にかけての検診にて各地域における日本人口10万人当りの皮膚癌の前癌症である日光角化症の有病率は、横手市では814、南佐久郡では654、過西市では480、清武町では744、沖縄県伊江村では1900であった。
その他の皮膚癌は基底細胞上皮種15例、有し細胞癌3例その他の皮膚癌7例が発見された。
この様な地理的差異は紫外線強度の違いよると思われ、高齢化と紫外線Bの増加が予想されるので、今後もモニタリングの必要がある。


掲載誌:Radiol Prot Bull.NO.183 PAGE.2628 1996
タイトル:Epidemiology of cutaneous malignant melanoma.
皮膚悪性黒色腫の疫学
研究者:SWERDLOW A

概要:
皮膚癌死の過半の原因である標記疾病について、疫学的知見をもとに考察した。
黒色腫の誘因は紫外線曝露とされているが、その因果関係は単純でないことを世界各地の住民・環境条件と発生率についてのデータから示した。
発生率の高い白人については色素性母斑との関係などが知られている。
黒色腫と太陽光曝露の関連はあるが多くの研究結果は決定的でない。
この関係の明確化に向けての進展と予防対策の確立には疫学的手法が役立つと結論した。


掲載誌:Radiol Prot Bull.NO.183 PAGE.34 1996
タイトル:Skin injury.
皮膚障害
研究者:MACKIE R M

概要:
近年紫外線などの非電離放射線によるリスクに関心が集りつつあることにかんがみ、電離・非電離の両放射線による皮膚障害に関する諸問題をとりあげた。
放射性ホットパーティクルの影響、皮膚放射線症候群、皮膚悪性黒色腫の疫学、公衆の健康問題・管理の対象としての皮膚癌、アフリカでの白子等に関する幾つかの報告について概略を示した。


掲載誌:日本皮膚科学会雑誌VOL.106,NO.3 PAGE.225238 1996
タイトル:光と発がん
研究者:市橋正光

概要:
地表太陽紫外線とオゾン層について簡単に触れた後,紫外線による非黒色腫型皮膚がんの疫学について述べた。
白人および日本人の皮膚がん発生率と太陽紫外線の関係の現状に触れ、動物実験の意義とその成果について述べた。
紫外線発癌の誘因には,紫外線の直接作用によるDNAの突然変異、活性酸素を介する遺伝子変異または転写活性への影響および免疫抑制が考えられる。


掲載誌:Environ Health Perspect VOL.103,NO.Suppl 8 PAGE.251254 1995
タイトル:Overview of Ultraviolet Radiation and Cancer: What Is the Link? How Are We Doing?
紫外線と癌に関するレビュー 何が関係するのか,我々はどうするのか
研究者:WEINSTOCK M A

概要:
太陽光線曝露は非黒色腫皮膚癌(NMSC)と黒色腫の原因である。
黒色腫発生と致死は、過去数十年間で急激に増加したが、現在の増加は遅く、15~45才の致死は減少した。
NMSC
の発生は増加したが、致死は減少した。
曝露の減少、皮膚癌を早期発見する技術の開発、癌発生と致死のモニタリング、オゾン枯渇影響のモニタリングを必要とする。


掲載誌:AMBIO VOL.24,NO.3 PAGE.153165 1995
タイトル:Effects of Increased Solar Ultraviolet Radiation on Human Health.
ヒト健康に対する太陽紫外線増加の影響
研究者:LONGSTRETH J D et al:

概要:
実験によるUVは眼の網膜と水晶体に障害を与えた。
成層圏オゾン減少の1%増加は0.6~0.8%の白内障増加を招くだろう。
動物実験によるとUV曝露は皮膚癌、感染症、抗原に対する免疫反応を減らした。
皮膚色の弱い集団ではUVB放射線は非黒色腫皮膚癌発達の重要なリスク因子である。
成層圏オゾンの持続的な1%減少は約2%の上記癌増加を惹起しよう。


掲載誌:地球環境研究総合推進費 平成5年度研究成果報告集(中間報告)1: PAGE.126129 1994
タイトル:紫外線の増加がヒトの健康に及ぼす影響に関する研究 紫外線の人健康への総合的影響に関する分子疫学的研究 
研究者:市橋正光ら

概要:
オゾン層破壊による紫外線増加は深刻な健康影響を及ぼすと試算されている。
紫外線曝露と直接関連する癌は皮膚癌である。予防のため癌発症に至る遺伝子レベルの変化を把握する必要がある。
日光角化症の生検材料を調査した。皮膚癌の前癌病変である日光角化症の遺伝子変化が把握できた。
今後のがん予防を目指した生体指標とすることができるようになった。


掲載誌:Pollut Atmos:VOL.36,NO.142 PAGE.5056 1994
タイトル:The International Research Program on Health, Solar UV Radiation and Environmental Changes.
健康,太陽紫外線および環境変化に関する国際的研究計画(INTERSUN
研究者:ARMSTRONG B K

概要:
WHO
の下部機関IARC(国際癌研究機関)の標記計画は、12~15か所のセンターの協力で地表の紫外線量と皮膚癌、白内障、免疫反応との関係を定量化するものである。
5
年ごとの調査を繰り返し、多数の人の疫学的傾向を明らかにする。
紫外線量のデータベースは既に作成中であり、解析の手順を定めた。皮膚の変異を累積曝露量のマーカーとする研究も始めた。


掲載誌:J Radiat Res:VOL.27,NO.2 PAGE.141150 1986
タイトル:An epidemiological investigation of mutational diseases in the high background radiation area of Yangjiang, China.
中国Yangjiangの高バックグラウンド放射線地域における突然変異病の疫学的調査
研究者:TAO Z, WEI L

概要:
中国Yangjiangの高バックグラウンド放射線地域(HBRA)で突然変異に基づく病気を疫学調査。
HBRA
のガンマ線レベルは対照地域(CA)の3倍、HBRAの家族の約90%6代以上生活しているが、がん死亡率にはHBRACAとの間に有意差がなく、HBRA住民の末しょうリンパ球の染色体異常はCAのものよりも有意に高かった。

 

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42.「イオネージ」放射線ホルミシスを利用した日清紡の繊維

記:2015−1−27

*古いニフティの化学の広場のフォーラムに以下の論議と言うか、紹介がありました。

******************************
フォーラム名:<化学の広場・本館>
会議室名    :( 19 )【疑似】化学のようで科学でないようなもの
題名        :放射線を出している繊維
登録日時    00/03/29 16:07

繊維機械学会3月号に「放射線ホルミシスとマイナスイオン」という題で、放射線を出すように加工した繊維の紹介があります。

ホルミシスとは、微量の放射線ならば、生物活性を上昇させるということを言うのだそうです。
で、「微量の放射線を放出する天然ミネラル鉱石を微粉末化して繊維に付着させ」・・・・空気中にイオンを作るのだそうです。
プラスイオンは・・・マイナスイオンは・・・・・・・・ということだそうです。
どこにも、放射線でイオンを発生させる繊維が「良い」とは書いていないところが、クールです。

(略)

フォーラム名:<化学の広場・本館>
会議室名    :( 19 )【疑似】化学のようで科学でないようなもの
題名        RE:放射線を出している繊維
登録日時    00/03/31 14:55

ご紹介の文献を読んでみましたが、通常の大気と、イオネージ加工した生地を導入した大気と比較して、大気中の小イオンが増したとの結果を示してありました。

イオネージ加工を施さない生地を入れた場合との比較がないので、静電気などの影響が不明な点と、発生放射線量が自然放射線量より一桁以上低く安全であるとの主張が、通常の使用での放射線の効果と矛盾しないかが疑問点として残ります。
(略)

*******************

*フォーラムに紹介されている論文を読みました。

繊維機械学会誌「繊維工学」5332000年 から抜粋
*******************
放射線ホルミシスとマイナスイオン
柳内 雄一
日清紡では放射線ホルミシスとマイナスイオン効果を特長とする「イオネージ」の名称の製品を上市している。
同様の商品として、大和紡「イオリナ」、カネボウ繊維「イオーネ」、富士紡「ステイヤーズ」、敷紡「ホーリック」等がある。
これらの効用の原理については,必ずしも検証十分とはいえない面か多いが、知り得る範囲で若干の解説を行う。

(略)

7.
イオネージ加工の効果と安全性
日清紡のイオネージ加工による空気中のイオン量の変化を測定したデータを表1に示すが、イオネージには、小イオンを生み出す効果がある。

イオネージ加工の放射線は低線量である。
イオネージ加工の生地から実際に出る放射線量を測定してみると、一般的な生地で、約0.003マイクロシーベルト/時間/m2 (地表からの放射線を含まず)であり、1着分の生地でも約0.014マイクロシーベルト/時間であった。
これは年間にすると約157マイクロシーベルト年になる。

法令で定められている自然放射線を除く放射線被ばく線量当量限度は、1000マイクロシーベルト/年であり(自然放射線は年間2.400マイクロシーベルト)、イオネージ加工の放射線当量はそれより低く安全である。
また、イオネージ加工に使用する天然ミネラル鉱石の経口毒性値は、LD50 : 2000mg/kg以上で、変異原性も陰性、皮膚刺激性も異常がないことがわかっている。
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現在(20151月)、この日清紡のイオネージはもう製造販売していないかもしれません。
低放射線の例として、紹介しておきます。


*ユニフォームナビのサイトにあったイオネージの紹介記事から一部引用して紹介
www2.uniform.co.jp/navi/home/nisshinbo/ionage.htm
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イオネージ
日清紡は人間の明日を考え、永年の研究から導き出された先進のハイテクと現代にマッチした商品開発で数種類の天然鉱石を独自のノウハウで精製、テキスタイルへ加工して、繊維に付着させる技術を開発しました。

波動分析器でも実証
「イオネージ」の健康への関連度を表す諸データ(傾向値)は波動分析器による測定でも相対的にプラスであることが認められます。
波動分析器は客観的に検体の状態を測定しようとするもので、病院、専門医療機関、食品、化粧品、住宅関連など、多岐の産業分野で普及しています。

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波動測定器で効果検証とは、日清紡という著名な繊維会社でも、誤った測定を行っていたことが判ります。
2000
年頃に波動測定は流行したのですが、まさか、日清紡でも使用しているとは思いませんでした。
これで、このイオネージのイメージは地に落ちたと言えます。

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43.強い放射線による医療事故例2005

記:2015−11−28

2005
1020日の共同通信にあったニュースから一部引用
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和歌山県を医療ミスで提訴 放射線過剰照射で 

和歌山県立医大病院で放射線の過剰照射を受け死亡した男性の遺族が19日までに、和歌山県に慰謝料や損害賠償など約5170万円を求め、和歌山地裁に提訴した。
訴えたのは、20045月に死亡した和歌山市の男性=当時(70)=の遺族4人。

訴えによると、男性は036月に咽頭(いんとう)がんと診断され、放射線治療として2.5グレイずつ4回の照射を受けるはずだったが、担当者が同年91922日にそれぞれ4倍にあたる10グレイを照射。
男性は、1度は退院したが、容体が悪化し045月に咽頭出血で死亡した。
(略)

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以下は朝日新聞2006923日の記事から一部引用
********************
誤照射医師ら書類送検へ 業過致死容疑 和歌山男性死亡
(略)
和歌山西署の調べでは、助教授らは03年9月19日と22日の2回、初期の下咽頭(いんとう)がんで入院中の男性患者(当時70)の患部に放射線を照射。
その際、本来は1回分の照射量が2.5グレイだったのに、過って2回とも10グレイを照射した。
助教授が間違った照射量を機械に入力し、技師らも見逃したという。

記録を見た別の技師が過剰照射に気づき、病院側が患者に事情を説明。
患者は退院後、通院治療を受けていたが、04年3月に再入院。
同5月に下咽頭にできた潰瘍(かいよう)から大量出血して死亡した。

同署と県警捜査1課は、助教授や技師から事情聴取。
さらに専門医に鑑定を依頼して、死因を詳しく調べた。
その結果、照射量を機械に誤入力した助教授と、誤った数値を見逃した放射線技師らの「過失の競合」によって過剰照射が起き、それで生じた潰瘍からの出血によって患者を死亡させた疑いが強まった、と判断した。

(略)
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43A.強い放射線による医療事故例2001


以下は産経新聞2001年12月22日の記事です。

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国立大蔵病院
作業員X線浴びる
最大、年間限度の千倍1シーベルトの可能性
気づかずテスト 命に別条なし

文部科学省に21日入った連絡によると、東京都世田谷区の国立大蔵病院で、医療用放射線発生装置(リニアック)の据え付け諷整作業をしていた男性作業員(34)が誤って大量のエックス線を浴びる事故がった。
今後、血液検査で正確な被曝線量を調べるが、最大で、一般人の年間限度の千倍にあたる一シーベルト(自然照射は除く)の可能性があるという。
被曝した男性は別の病院に入院したが、これまでのところ、特段の急性症状は表れておらず、文科省は命に別条はないとみている。

事故が起こったのは同日午前935分ごろ。
医療機器販売会社、東芝メディカル(東京都文京区)が大蔵病院でリニアックの据え付け調整作業を行っている際、天井裏に下請け会社の作業員がいることに気が付かないまま、天井方向に向けて放射線の照射テストを行った。
照射時間は約5分間だったという。
東芝メディカルでは「部屋から退出するよう声をかけたが、装置が発生する音で聞こえなかったようだ。何らかの確認を忘れた人的ミス」広報広告部)と話している。
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43B.福島で被爆牛を対象とした世界初の実験

記:2016−2−15

以下の記事が産経新聞2016213日の記事にあった。
参考になる個所だけを、一部引用して紹介する。

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福島から問う 被爆リスクの探求 5年 (中) 殺処分決定を拒否 牛160頭で世界初の実験

山本さんの牧場を含む浪江、大熊の両町の3カ所では、殺処分を拒否した被曝牛計約160頭の調査が続けられている。
「大型動物の被曝を長期的に調べるのは世界初。
実験室ではできない。
その研究が人間にとっても参考になり還元されていく」。
岩手大農学部准教授の岡田啓司さん(生産獣医療学)は力を込める。

原発事故があった平成23年の夏、岡田さんは原発から20キロ圏に入った。
24
9月には、山本さんらの牧場と協力し、獣医師や北里大、東北大などの研究者と団体を結成。
被爆した牛の採血、採尿、遺伝子変化の解析などを通して放射線の影響調査を継続してきた。


累積の被曝線量が、2千ミリシーベルトと推定される牛もいる。
人の年間目安量1ミリシーベルトの2千倍だ。 
  
しかし、これまでの調査では、白血球の減少など被爆による影響は確認されていない。
放射性物質に汚染されていない餌を与えていれば、3カ月ほどで体内の放射性物質が排出されることも分かった。
こうした活動に対し、批判的な声も多い。

事故当時、原発から20キロ圏では、農家約300戸が計約3000頭を飼育。
国現状の研究では、被曝の影響がないことが牛で実証されているが、その影響は長期にわたり、見極めには時間がかかる。

「本当だったら何も出ないで幸せな形で終わるのが1番いい。それが住民の帰還や復興にもつながる。しかし、私たちはストーリーも到達点もつくらない。純粋に科学者として中立的な立場で、何が起きて、あるいは何が起きていないかをきちっと整理することが大事だ」。岡田さんはこう言い切った。

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43C.福島での低線量被爆を考える 2016216日の産経新聞より

記;2016−2−22

産経新聞に以下の記事があった。
一部を引用する。

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福島から問う 被爆リスクの探求5年 (下)
上限20ミリシーベルトに懸念
低線量「理性的な判断を」

平成233月の東京電力島第1原発事故の影響で、福島に住むと放射線の危険にさらされるのではないか−という不安を払拭するデータがある。
生活協同組合(生協)の「コープふくしま」(福島市)の調査結果だ。
コープふくしまは264月、福島を含む12都道県の組合員102人に依頼し、日常的な外部被曝線量を調査。

放射線量の測定器を身に付けて生活してもらい、7日間の積算線量の違いを調べた。
その結果、福島では最大20.7マイクロシーベルトと全国で最も高い値が出たものの、東京=同17.6マイクロシーベルト▽広島=同17.4μシーベルト ▽奈良=同17.1マイクロシーベルト と全国的にそれほど違いはなかった。


 

(略)

低線量被曝のリスクについては最近、研究者も一つの結果を提示している。
放射線影響協会の放射線疫学調査センター長、笠原文善さん(66)らの研究グループは、原発など放射線業務務に携わる作業員らを対象に、1990年代から約20年にわたって追跡調査を行った。
調査数は約204千人。
うち的75千人は喫煙といった生活習慣との関連性も調べた。

累積線量は平均25.8ミリシーベルトで、一般の被曝線量の目安となる年1ミリシーベルトのおよそ26倍となったが、累積線量と死亡率のデータは関連を示さなかった。
むしろ、死亡率は喫煙など放射線以外の要因が影響を及ぼしていた。
「現状では低線量の放射線が、がんによる死亡に影響を及ぼしていると結論付けることはできない」。笠置さんはこう言い切った。

科学的根拠を聞き入れず不安ばかりに駆られる福島の現状について、コープふくしまの野中さんが一つの答えを示した。
「やみくもに怖がるのではなく、自分なりの物差しで理性的に判断しなければいけない」。
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43D.福島原発事故に関する安井論文2013

記:2018−3−18

以下の研究がある。

掲載誌:Journal of Risk Research Published online: 13 May 2013.
タイトル:An analysis of the argument over the health effects of low-dose radiation exposure caused by the accident at the Fukushima Daiichi APP in Japan 日本の福島第1原発の事故による低線量の放射線曝露に関する健康影響の論争の解析
研究者:Shojiro Yasui

概要:
Since the accident at the Fukushima Daiichi Atomic Power Plant last March, there has been a huge controversy over the potential health effects of low-dose radiation exposure.
去る3月の福島第1原発の事故以来、低線量の放射線曝露による健康影響の可能性に関する多くの論議がなされてきた。

This paper critically examines the argument between mainstream experts and non-mainstreamers, which is revealed as an interdisciplinary argument caused by the differences in the specialties to which the experts belong.
本論は、主流派と反主流派間の論議を批判的に検証し、それぞれの専門家が所属する専門性の違いによっておこる学際的な論議を明らかにする。

The concepts of confounding control and statistical significance, which are epidemiologically powerful tools that can disprove the argument that harm was caused by other causes, appeared to be less effective for denying the existence of a hazard entirely.
障害は他の要因によるという議論を論駁することができる疫学的に有力な手法である交絡因子の制御と統計的な優位性の概念は、障害全体の存在を否定するためには、有効ではない。

The concept of risk is the most significant cause of confusion related to low-dose exposure because the epidemiologists assume that risk is the incidence rate of diseases, but biologists believe that risk includes DNA damage that may cause cancer in the future.
リスクの概念は低線量曝露に関する混乱の最も有意な要因である、なぜならば、疫学者は「リスクは疾病の罹患率である」と仮定し、生物学者は「リスクは将来癌になるかもしれないDNA損傷を含む」と信じているからである。

This paper also reveals that public debate is useful to make collective choices and decisions rationally when inferential questions become the subjects of dispute.
本論では、また、推論上の疑問が論争のテーマになる時の合理的な討論と正しい選択を行うために、公開討論が有効であることを明らかにする。

関心のある方は、原著全文を読んでください。

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43E.福島民友2015年の記事から、福島曝露実態高校生調査

記:2018−3−20

以下の新聞記事がある。
********************
福島民友ニュース

被ばく量「国内外で差はない」 福島高生、英学術誌に論文
2015
1127

本県など国内とフランス、ポーランド、ベラルーシ各国の高校生の外部被ばく線量を比較研究してきた福島高スーパーサイエンス部は、被ばく線量について「ほとんど差はない」と結論づけ、論文にまとめた。
論文は27日、英国の学術専門誌「ジャーナル・オブ・レディオロジカル・プロテクション」に掲載される。

研究は、線量計の名前から「D−シャトルブロジェクト」と名付け、26校の生徒と教員211人を対象に昨年612月に実施。
1
時間ごとの外部被ばく量を計測できる線量計を2週間持ってもらい、集めたデータを比較した。
各校とも10人程度が協力、中間に位置した人の値を1年間分に換算して比べた。その結果、本県は年間0.630.97ミリシーベルト、本県以外の国内は0.550.87ミリシーベルト、海外は0.511.10ミリシーベルトだった。

また、放射線の遮蔽効果が高いコンクリート製校舎の福島高生は学校での数値が低く自宅の数値が高かつたが、放射線を出す花こう岩などが校舎に使用されている恵那高(岐阜)の生徒は学校での数値が高く、自宅が低いなどの傾向がみられたという。
数値に大差がなかつたことについて「福島は(自然界にもともとある)自然放射線が他の地域より低いため」としている。

論文は同部の生徒や専門家ら233人の共著として英文で掲載される。
同部の生徒が原稿をまとめ、東大大学院の早野龍五教授が翻訳して投稿した。

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この論文は以下である。
掲載誌:J. Radiol. Prot. 36 (2016) 49–66
タイトル:Measurement and comparison of individual external doses of high-school students living in Japan, France, Poland and Belarus—the ‘D-shuttle’ project—
研究者:N Adachi

関心のある方は、原著論文を読んでください。

 

 

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44.光刺激 映画での光の点滅

記:2015−12−13

古い産経新聞に掲載された記事からの一部引用
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映画館、「目をそらして」 「バベル」で体調崩す 点滅シーンに7人吐き気
5
1()   東京朝刊 

映画「バベル」を上映している名古屋市と三重県四日市市の映画館で、28日の公開以降観客7人が吐き気などの体調不良を訴えていたことが30日、分かった。
いずれも症状は軽く、館内で休んだ後に自力で帰ったという。
このうち、名古屋市の「ミッドランドスクエアシネマ」は、点滅を繰り返すシーンで注意するよう呼び掛ける文書を配布している。

映画では、開始から約1時間20分後に菊地凛子さんが演じる高校生がクラブで踊る場面で、クラブの照明が1分程度、速い点滅を繰り返す。
同館が配布した文書は「このシーンになりましたら、スクリーンから適度に目をそらされるか、直視し続けないことをお薦めします」としている。

同館では28日に女性5人、29日には男性1人が体調不良を訴えた。
配給会社に問い合わせたところ、「対応は劇場に任せる」との返答があったといい、同館は29日から上映前に文書の配布を始めた。

また、四日市市の「109シネマズ四日市」でも28日、夫婦で見に来ていた年配の女性が上映中に体調不良を訴えた。

バベルは、菊地さんが米アカデミー賞助演女優賞にノミネートされるなど話題を呼んでいた。

十分な検証必要
埼玉医大学長で名誉教授、山内俊雄氏(精神医学)の話 
「私自身、『バベル』は見ていないが、まず気分を悪くしたのが同じ映像、同じ時間か。
さらに発症者は光に敏感な14歳以下の子供なのか、スクリーンに近い観客席に集中しているのかについて検証する必要がある。
仮にそうであれば、映像と体調不良との関係が高いと推測され、『ポケモン・ショック』のような光刺激による健康被害といえるだろう。
映画館や配給元は文書配布だけでなく、もう少し踏み込んだ対応をしてほしい」

以下 略
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