その他の資料(10) 産業機器などからの電磁波曝露

 

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1電気溶接作業時の電磁波曝露
2.2002年Sobczakらの研究 鉄鋼所における電磁界曝露



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1.電気溶接作業時の電磁波曝露

 

http://www.nle.co.jp/home/Tech.Frame.htm<リンク切れ> にあった情報の一部引用です。

電気溶接ではかなりの電磁界曝露があるが、それを溶接機メーカとして「安全情報」として公開している。
2004−6−28のログ

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「リンカーン・エレクトリック社は、世界最大の溶接総合メーカです。
弊社は溶接のあらゆる分野で皆様のご要望にお応えします。」

安全作業  警告

 

 

電磁界は危険性があります

2a

導体を電流が流れると、導体の周りに局所的な電磁界(EMF)が発生します。
溶接電流も溶接ケーブルおよび溶接電源の周りにEMFを発生させます。

2b

EMFは、ペースメーカーに支障をきたすことがあるので、ペースメーカーを身につけている方は、溶接前に医師と相談して下さい。

2c

溶接で発生するEMFに曝されると、現在ではまだ知られていない健康上の問題を引起こす可能性があります。

2d.

全ての溶接作業者は、溶接回路から発生するEMFへの暴露を最小限にするために、下記の指示に従って下さい。

 

2d1

溶接ケーブルとアースケーブルは、一緒に配線して下さい。

 

2d2

体に溶接ケーブルを巻き付けた状態で溶接することは、絶対にしないで下さい。
巻いたケーブルの中では非常に強いEMFが発生します。

 

2d3

溶接ケーブルとアースケーブルの間に体を置かないで下さい。
もし、溶接ケーブルが体の右側にあったら、アースケーブルも右側にあることを確認して下さい。

 

2d4.

アースケーブルは、溶接箇所にできるだけ近い位置に接続して下さい。

 

2d5

溶接電源の近くで作業しないで下さい。

 

 

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2.2002Sobczakらの研究 鉄鋼所における電磁界曝露

記:2021−3−13

以下の研究がある。

掲載誌: J Occup Health 2002; 44 (4): 226-229(日本産業衛生学会の英文誌)
タイトル:Effects of Electromagnetic Field on Free-Radical Processes in Steelworkers. Part I: Magnetic Field Influence on the Antioxidant Activity in Red Blood Cells and Plasma.
鉄鋼所におけるフリーラジカルプロセスに関する電磁界の影響 その1:磁界が赤血球および血漿中の抗酸化活性に及ぼす影響
著者: Kula B, Sobczak A, Kuska R

Abstract
:概要
The purpose of the study was the evaluation of electromagnetic field (electric field strength of 20 V/ m, f=50 Hz and magnetic field strength of 2 A/m, f=50 Hz) effects on the antioxydative activity in steelworkers’ red blood cells and plasma.
鉄工所作業員の赤血球および血漿中の抗酸化活性に与える電磁界(50Hz電界20V/m、磁界2A/m)の影響を調査するのが本研究の目的である。

The plasma GSH
Px (EC 1.11.1.9) activity, MDA and ceruloplasmin levels as well as SOD (EC 1.15.1.1.), CAT (EC 1.11.1.6) and GSH Px (EC 1.11.1.9) in red blood cells were measured.
赤血球中のplasma GSHPx (EC 1.11.1.9)活性、MDAceruloplasminレベル、SOD (EC 1.15.1.1.), CAT (EC 1.11.1.6) GSHPx (EC 1.11.1.9)を測定した。

Statistically significant decreases in red blood cells
 SOD and GSHPx activities, a CAT activity increase and plasma MDA increase and a ceruloplasmin decrease were found in workers exposed for 310 yr and for longer than 10 yr to electromagnetic fields.
電磁波に310年間と10年以上曝露していた作業員に、統計的に有意な、赤血球細胞のSOD and GSHPx活性の減少、CAT活性の増加、血漿中MDAの増加、ceruloplasminの減少が見られた。

No statistically significant changes in the parameters evaluated were found among steelworkers employed for shorter than 3 yr.
3
年より短い鉄工所勤務者には、評価した各種指標に統計的に有意な変化は見られなかった。

All changes observed among workers exposed to electromagnetic fields result in adaptative responses by activating systems controlling the balance of body oxidative mechanisms.
電磁波に曝露による観察された変化は、身体の酸化メカニズムの並行を保つための活性化による順応反応の結果と思われる。

Full text
を読むと
・製鉄所の誘導電気炉からの電磁界曝露を想定している。
・誘導電気炉GSJ-50を使用している場所は仕切られている。
この場所で働く人を曝露群。同じ鉄鋼所で他の電磁波に暴露しないところで働く人を対照群とした。
・曝露基準は50Hz に対して電界20V/m 磁界2A/m
・「電磁界(50Hz電界20V/m、磁界2A/m)の影響を調査」とあるが、「工場で実際に電界磁界を測定した、その値は・・・・」という記載はない。

「20V/m・・・・・」は研究者のいるポーランドの曝露基準と思われる。
研究者は、国の曝露基準を対象とした工場は遵守していると想定している模様。
また、BEMSJが研究者に確認したら、磁界2A/m(約2.4μT)はタイプミスで磁界「2000A/m2.4T24ガウス)」が正しいということであった。

BEMSJ
注)
この研究では、誘導電気炉(と思われる)の作業者と非作業者を比較しているが、一般的にこの種の装置はかなり大きな電磁界を漏洩している可能性があり、実測などの磁界値が明白にならない限り、この研究を評価することは難である。