車内での携帯電話使用による電磁波暴露の増加に関するコーナ


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 作成開始: 2003−2−14    コーナとして独立させた。 :2007−5−11

1.本堂研究の報道 と反応

2本堂研究の論文

3電車内での電波の反射と減衰
4.フィンランドの研究
5
隙間と電波シールドの関係
6
日本物理学会の英文雑誌上での論争
7
本堂理論が正しいとすれば、鉄道車内で心臓ペースメーカへの障害事例が発生するはずである。
8
本堂らの最近の研究報告
9.野島らの研究
9A
野島らの最近の研究
10
総務省の20073月報告書から
11
200711月の医療電磁環境研究会で
12.EMCJ200711月の発表から
13
島田理化技報に掲載された野島解説
14
車内での携帯電話使用注意に対する逆切れの事例
15. 「食品と暮らしの安全」N0.174 2003101日発行に植田氏が書いた記事は正しいか?
16
野島らの2009年の研究
17
韓国での閉鎖空間での調査から



1.本堂研究の報道 と反応


2002年6月に東北大学の本堂助手は、携帯電話を電車の中で使用すると車内の電磁波暴露レベルが危険なレベルになると、学会雑誌に発表した。
この情報は海外にも日本発の研究として流された。

報道された内容 アサヒ・コムのニュースにあった内容です。
http://www.asahi.com/national/update/0603/013.html

*************  一部 引用  ***************
【科学・自然ニュース】
通勤電車は電磁波充満?携帯電話、電源オンで重複・反射
通勤客は日々、強い電磁波にさらされている−−。

列車内では多くの乗客が持つ携帯電話の電磁波が重なって反射し合い、その電磁波密度は国際的な安全基準値を大幅に超えうることが、東北大の研究で分かった。

金属で覆われた車両は電波が外に漏れにくく、複数の携帯電話が同時に発した電磁波は重複して反射する。
この研究者は「電源がオンなら、通話中に限らない」などと警告、このほど日本物理学会の論文誌で発表した。

車内では電磁波は一部窓から出ていくものの、多くは金属の車内壁で跳ね返ることに注目した。
各車両の窓の表面積や、車両全体の体積などを考慮し、列車内に携帯電話が複数ある場合、重複と反射によって発生する平均電力密度を求める計算式を導き出した。

仮にある車両で50人が0.4ワット(W)の電波を出す携帯電話を1台ずつ持つとすると、車両内の総出力は20W。携帯電話1台あたりの出力は最大でも2W以下と定められており、重複によって非常に強い電磁波が出力されることになる。

これを計算式に当てはめると、車内の電力密度は、世界保健機関(WHO)の協力機関が定める国際基準値の数倍にも達しうることがわかった。
                  
               (06/03 16:19)
*********  引用 終わり ************


追記1:2007−11−25

この情報は、以下のイギリスのBBCニュースでも流されていました。
Wednesday, 1 May, 2002, 19:01 GMT 20:01 UK
Trains 'trap mobile phone radiation' 

関心のある方は、以下のサイトを覗いてください。
http://news.bbc.co.uk/2/hi/health/1961484.stm


この情報は以下のメディアでも流されていました。 ほぼ同時です。
>New Scientist

10:24 02 May 2002
Cell phone radiation "trapped" in train carriages

関心のある方は、以下のサイトを覗いてください。
http://www.newscientist.com/article/dn2238-cellphone-radiation-trapped-in-train-carriages.html
 

追記2:2007−11−27

 

Mobile Manufacturers Forumからは、

MMF letters-to-the-editor
Japanese train exposure study

9 May 2002

として反論の声明が出されています。

 

The author begins with one fatally致命的に flawed欠陥 assumption仮定: that the train car is a closed metallic cavity from which little RF energy escapes and the rest somehow bounces around the walls without being absorbed by inhabitants or other contents of the car. The author wrongly assumes that you multiply the number of people by the power outputs from the phones to calculate the RF exposure level. ・・・・・」として

日本の研究は致命的に欠陥のある仮定に基づいている・・・・・と反論しています。

 

この声明は2002年頃にWEBで公開されていました。

200711月に当該のサイトを覗きましたが、この声明は見つかりませんでした。

追記3: 2008510
2008
5月に「Microwave News 2002MayJune号を読んでいて、ドイツの団体BITKOMは、この日本の研究に対して2002522日にプレスリリースを発表し、「本堂の解析には、Serious error(重大な過ち)が含まれている」と非難した、という記事を見つけた。
プレスリリースから6年も経過しているためであろうか、BITKOMWEBを見つけたが、該当するプレスリリースの原文は、見つけることはできなかった。

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2.本堂研究の論文


この研究は、以下の日本物理学会に英文で掲載されています。

掲載雑誌:Journal of the Physical Society of Japan  Vol.71, No-2, February. 2002, pp. 432-435
論文名:Rising Level of Public Exposure to Mobile Phones: Accumulation through Additivity and Reflectivity
研究者:Tsuyoshi HONDOU

この英文論文を読みましたが、理解できませんでした。 非常に高尚な理論解析です。
理論的な解析であって、実験などによる検証は全く行われていません。

単純に考えれば、マッチ一本を燃やしているとして、ある一定の空間で、その空間の壁からは外に熱がまったく逃げていかない、完全に熱の伝導がないという条件であれば、マッチ一本の熱でも、マッチ一本が燃え続ければ、やがては部屋の温度は異常に上昇し、100度でも200度にでもなる、 これは理屈上では問題はない。

これと同じで、電波が壁で完全に反射され、外に一切出て行かず、電波は100%反射し、反射による損失がない、と想定すれば、完全に電波を反射する密閉された空間では、携帯電話程度の小さい電力の無線電力が発信し続ければ、内部空間の電波は過大になる、といえます、 というのがこの研究者の言い分と思われる。

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3.電車内での電波の反射と減衰


上記本堂理論によれば、電車の中の携帯電話で反射によって大きな電磁界強度になる。
以下のようなことを考えた。
900MHzの携帯電話の電波を例にします。この場合は波長が33cmとなる。

今 携帯電話の電波が、3.3m離れた場所に位置して相対する金属との間で反射を繰り返す とする。
電波は10波長分の長さの片道の距離を進行し、ほぼ完璧に反射して、戻り、更に反射して・・・・・を無限に繰り返す。
900MHzの電波の場合、計算をすれば、1秒間に45百万回の往復があることになる。

金属の反射率が100%であれば、無限に反射を繰り返します。そうなれば、電車の中はエネルギーが蓄積していくかも知れない。

ところで、金属の反射係数を99.9999%であったとする。すなわち、100万分の1は金属が吸収するとする。
そうすると1回の反射の都度 100万分の1のエネルギーが減っていく、
とすれば、45百万回の往復の中で、エネルギーは減り続け、1秒後にはほとんどなくなってしまう ことになる。

すなわち、密閉された空間に熱が蓄積されるようにはいかず、大きなホールに音がこもるようには行かず、電波は、簡単には、空間に蓄積されにくい ということができる。
最近、1000万分の1秒間だけ、電波をある空間に閉じこめることに成功した という新聞報道はあります。

従って、本堂理論で行けば、
電車や密閉した空間での携帯電話からの電波による反射の繰り返しによる異常な電波の強さは、複数の電話機が時間的に同時に連続して使用している時間内に限定されることになる。

課題:
1.金属などの反射率は、本当はどのくらい? 
2.携帯電話から出ている電波は、時間軸で厳密に見た場合、どうなっているか?
  最近のデジタルは、同一周波数のチャンネルを複数の人が、時間で区切ってタイムシェアリングで使用していないか?
  タイムシェアリングで通信を行なっているとすれば、 同時に電波は出ていないことになり、重なり合う という現象が回避される。
がある。

この課題に関しては、私は、機会があれば、調べて見たいと思います。


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.フィンランドの研究


本堂研究を受けて、フィンランドのノキアの研究者が、以下の論文をBEMSに発表しました。

掲載誌;Bioelectromagnetios 24:63-65 (2003)
論文名;Human Exposure by Mobile Phones in Enclosed Areas 閉鎖された空間における携帯電話による電磁波暴露
研究者Anssi Toropainen*
所属Nokia Researeh Center, Espoo, Finland

概要  概要の部分だけに仮訳をつけた。
Human exposure by mobile phones in enclosed areas such as train carriages, elevators, and cars is considered.
電車、エレベータ、車などの閉鎖された空間における携帯電話からの電磁波の暴露について見当を行った。

Equivalent power density and whole body specific absorption rate (SAR) are estimated by applying multimode resonant cavity theory and a straight forward worst case approach.
マルチモード共鳴キャビティ理論を用いて、等価電力密度とSARを、最悪条件で、計算した。

The results show that exceeding the International Commission on Non-Ionizing Radiation Protection (ICNIRP) guidelines due to simultaneous use of several mobile phones in enclosed areas is highly improbabie.
結果は、閉鎖された空間で複数の携帯電話を同時に使用したとしても、ICNIRPガイドラインの規定値を超えるような暴露は考えられないことがわかった。

この論文の原著を読むと、以下のことがわかる。
この研究は、本道論文を意識して、研究が行われている。

EMC
の世界で用いられている電磁界の解析手法を採用した。
閉鎖された空間としては、完全に密閉されたアルミ製の箱を想定した。
空間には電磁波を吸収する人体が存在するとした。 
そして人体のSARを計算した。
そして、何台の携帯電話があれば、人体のSARICNIRPのガイドラインに規定する参考レベルと基本制限の値になるかを計算した。

計算の想定
空間    大きさ(m)   人の数

電車    3520       100

エレベータ 2.5X2.5X2.5   20

車     1.51.52    5

 

計算結果 参考レベルに達するに必要な携帯電話の台数

携帯電話の種類

電力(mW

電車

エレベータ

AMPS

600

160

30

7

GSM900

250

440

80

20

GSM1800

125

1770

350

90

 

この表から、車の場合 5人乗りの想定した車の場合は、AMPS電話の場合が最悪で、7名乗車して携帯電話を使用する場合は、人体のSARがガイドライン値となる。すなわち、一人が2台の携帯電話を同時に使用しなければならない。
エレベータの場合、20名乗ることができるエレベータを想定した場合、AMPS電話の場合が最悪で、定員オーバーで30名載るか、一人2台ずつ携帯電話で同時に通話しなければならない。
ということから、本堂理論はあくまでも最悪の条件を「想定」した場合の問題を提起しているのであって、現実にはそうした問題は起こり得ない、といえる。

以上の計算は、完全密閉の空間における値であり、実際は車などには窓があり、電波は抜けていくので実質的に閉鎖された空間での異常な電磁波暴露はありえない。

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5.隙間と電波シールドの関係     

追加:2004−11−26


電車の中の携帯電話に関するBEMSJのコメントです。
ガウス通信63号 20031020日発行には、関東鉄道17社の電車内の携帯電話使用に関する統一見解に関する論議として「公共性を忘れた関東の鉄道会社、その対応 携帯電話の使用容認に抗議して 」の解説が掲載されている。

この解説の中では、東北大学の本堂助手が発表した「電車の中での携帯電話の複数使用は、電車内での反射によって強い電磁界になるので危険」という論で展開されている。

これに関する疑問として、次のようなことがいえる。

先日関西電子工業振興センターを訪問したときの、電波シールド特性に関するデータを見直した。

1)アルミニウムの厚さ15ミクロンの箔のシールド特性は、900MHzでは100dBもある。すなわち99.99%遮断してくれる。
2)金属のシールドにスリットの穴が開いていたとすれば、どの程度シールド効果が劣化するかのデータもある。
5cmのスリットがあるとき、長さが波長の0.1程度もあればシールド特性の劣化は80dBとなる。すなわち、900MHzの電波の波長は33cmなので、5cmX3.3cm程度のスリットがあると、シールド特性としては20dB(90%遮断)しかないことになる。

こうしたスリットによる漏れをなくすためには、シールド効果の劣化を10dB程度にするためには,波長の1万分の1程度の長さに制限する必要がある。900MHzであれば限りなくゼロに近い長さ 0.033mmのスリットに制限しなければならない。
スリットの幅を10mm程度としても長さは0.1mm以下にしなければならない。

) こうしたことから、周囲の6面画が完全な金属に覆われている場所、上記のようなスリットが皆無な場所では反射による強い電磁会強度の発生があるかもしれないが、電車のようにそれなりに大きい穴が開いている場合は、車体の金属はシールド性能などはかなり劣化し、ほとんどシールド効果がない状態となっているといえる。

よって、電車内で電波の充満が起こる可能性は、こうしたシールド特性の話からも、ありえないといえる。

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6.日本物理学会の英文雑誌上での論争  2002年12月    追記:2007−5−11


2で紹介した本堂研究に関連して、以下の論争が行われています。

反論
掲載雑誌:Journal of the Physical Society of Japan Vol.71, No-12, Dec. 2002, pp. 3100
論文名:Toward Danger of Mobile Phone in Planes, Tran, Cars and Elevator
研究者:A. Kramer et al;

2の研究はおかしいのではないか? 最悪の解析でもICNIRPSARの25%を超えないのではないか?

反論の反論:
掲載雑誌:Journal of the Physical Society of Japan Vol.71, No-12, Dec. 2002, pp. 31013102
論文名:Physical Validity of Assumptions for Public Exposure to Mobile Phones
研究者: Tsuyoshi Hondou

非熱効果や心臓ペースメーカ着用者への配慮も必要である。
こうした解析には物理学でいう境界条件をきちんと設定する必要がある。

と、かみ合っていません。 関心のある方は、上記英文文献を入手して読んでください。

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7.本堂理論が正しいとすれば、鉄道車内で心臓ペースメーカへの障害事例が発生するはずである。


心臓ペースメーカは携帯電話の電波によって、誤動作を起こすおそれがある。 22cm以上離して携帯電話を使用すべし、ということから、満員電車などで心臓ペースメーカ着用者と、携帯電話使用者が密着する恐れがあることなどから、電車内での携帯電話使用を避けるべしと、なっている。

本堂理論が正しいとすれば、そしてそれが現実の電車の中で、携帯電話の電波が車内に充満し、異常な強度になるとすれば、
22cm以上の距離だけではなく、車内ではどれだけ距離があっても、
電車の中に心臓ペースメーカの着用者が乗っており、誰かが携帯電話の電源をONにしてあり、携帯電話ハンドセットから電波が発信されたとすれば、
心臓ペースメーカは影響を受けてことになる。

携帯電話が使用されるようになり、東京都内の電車の中で、使用されて何年になるか? こうした期間に心臓ペースメーカ着用者は多数、電車に乗っているはずである。そうすれば、何らかのペースメーカに障害が出たという事例が、ニュースとなって報道されても良いはずであり、そうした事例があれば、心臓ペースメーカ着用者の主治医から厚労省に報告があがり、厚労省からも注意の勧告が出るはずである。
IH
炊飯器の電磁波による心臓ペースメーカへの影響の場合は、たしか、わずか1例の事例だけで、注意勧告の発令となったはずである。

電車の中での心臓ペースメーカの障害事例が報告されていないことから、考えれば、本堂理論は、現実には起りえない、ということもできる。


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8.本堂らの最近の研究報告


8-1.
本堂の2003年物理学会誌での解説

  作成: 20071125

掲載誌:日本物理学会誌Vol.58, No.6, 2003
タイトル:携帯電話による公衆被曝をめぐって
著者:本堂毅

はじめの の部分だけを紹介します。

はじめに:
「満員電車の携帯電話は安全か?」という仮題で本原稿の依頼を受けた。
しかし,筆者は統計物理学を専門とする物理屋であって、正直この分野は専門ではない。
そんな筆者にできることは、自らの実体験とそれによって抱いた、物理屋としての素朴な疑問(問題意識)を会員の皆さんにも共有してもらうことだと思う。
そのような視点で、ここでは電車内などの電磁気学的閉鎖空間が生み出す、携帯電話の安全性に関する『話題』を紹介しようと思う。
物理学の素朴な視点で眺めてみると、この新しい問題へは物理学の基本法則が必ずしも、正しく理解され用いられていないようだ。
国際機関(ICNIRP等)の定めた被曝基準の値についても、専門家の間に科学的根拠と妥当性(適用限界)に混乱(誤った認識)が見られる。
これらを、物理学の基本に立ち返って整理しながら、日常生活の中での物理学の大切さを考えてみたい。

 関心をもたれた方は、上記論文の全文テキストを入手して読んでください。


8
2. 物性研究 2004年 本堂 毅「マイクロ波の生体への相互作用 その議論の前提・枠組の妥当性と基礎物理学」の概要の部分の紹介

  作成:2009−1−29

概要
電磁場の生体への影響を考えるに当たって、欠かすことの出来ないものは電磁気学をはじめとする物理学の基礎に対する最低限の理解である。
仮にその理解が誤ったものであれば、その上に築かれる議論(の枠組み)と結論は真実と反する非科学的なものとなる。
本稿では、生物と電磁場の相互作用に関わる物理学の基礎を復習する。ここで取り上げるものは、エネルギー保存則、熱力学第2法則など、いずれも自然科学の根幹をなすものである。

環境電磁工学等の“専門家”の中に流布する、初等物理学(科学)に関する誤った理解(主張)を、具体例を挙げながら明らかにし、正しい議論の枠組みを考える。
身近な問題を通した、理科教育の教材にもなるよう解説を試みる。

関心がある方は、この論文の全文を入手して、読んでください。 


8−3. 本堂の2006年物理学会誌での論文

  作成:2008−8−18

掲載誌:Journal of the Physical Society of Japan Vol. 75, No. 8, August, 2006, 084801
論文名:Passive Exposure to Mobile Phones: Enhancement of Intensity by Reflection
研究者:Tsuyoshi HONDOU

コンテナモデルの研究では、密閉された20フィートコンテナを用いて、内部に一定の電波が出る無線器を持ち込み、電波強度計を持った人がコンテナ内を測定。
事前の検討ではこの測定者の影響は無視できることがわかっていると、あります。
結果は、コンテナ内の反射というか共振が起こるので、送信機から離れた地点でも、送信機の近傍と同じか以上の電波の強さになり、密閉していなければ距離に連れて減衰するはずであるが、密閉空間なので減衰はない という結果です。
この研究では人の電波吸収量ではなく、空間の電波の強さを測定しています。


またエレベータモデルでは、17人の利のエレベータに、携帯電話を持つ人と、測定器を持つ人の二人が乗り、ドアは開いた状態で、
エレベータ内の空間の電波の強さを測定し、人がいない空間の部分で大きな電波強度を測定しています。
 

 関心をもたれた方は、上記論文の全文テキストを入手して読んでください。

8−3A.臨床環境医学 第16巻第2号 2007年に掲載された論文
記:2-13--16

タイトル:生活環境中のマイクロ波曝露と生物・医学的影響
研究者:本堂 毅 ら

要約:
高周波領域の電磁波(マイクロ波)は、ペースメーカなどの医療電子機器への影響と共に、生体へも影響を及ぼす。
実験レベルでは、イオンチャネルや血液脳関門(BBB)、DNA損傷等、臨床レベルではアトピー性皮膚炎等との関連が示されており、電磁波過敏症との関連も指摘されている。
影響はマイクロ波の曝露強度に依存するため、曝露強度の正しい推定が必須である。
しかし、曝露強度は電磁波源から離れるにつれて、常に急速に減衰するとするドグマが、理論的にその誤りが指摘された2002年以降も推定に用いられており、公的安全指針の前提ともなっている。
そこで、本ドグマの真偽を実験的に調べ、マイクロ波受動被曝の影響が無視できないことを確認した。


関心のある方は、この論文全文を読んでください。

8
−4. 本堂の2008年物理学雑誌での解説

追記:2008−8−17

日本物理学会誌20087月号 Vol.63, No.7, p.537-541に、本堂は 「マイクロ波環境と受動被曝: 基礎物理の役割」 として解説を掲載しています。

**************   ***********
本堂は2002年,初等的な理論計算で,日常環境中のマイクロ波被曝レベルが現行の推定に比べ数桁高くなりうることを示し,受動被曝の問題を指摘した.
今回,実験と数値シミュレーションでその理論計算を確認し,空間的に局在した強い曝露領域(ホットスポット)が存在することを明らかにした.
本稿では,研究の背景と実験結果,数値計算上の課題を記し,環境科学と基礎物理学の関係および物理学の社会的役割について考えてみたい.
*****************   **************

 

この2008年の本堂論文には、特に新しい解析結果は含まれていません。 
関心のある方は、原著全文を入手して、読んでください。


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9 野島らの研究


9-1
2005年のEMCJでの発表
     追記:2008−8−13
以下の2点の研究報告があります。
あらましとまとめの部分のみを紹介します。
関心のある方は、原著全文を入手して読んでください。

研究その1:
研究者:川原悠輔 野島俊雄ら
タイトル:並列FDTD解析を用いた準閉空間モデルの電磁界解析 電車モデルと航空機モデル 
掲載誌:EMCJ−2005−30(2005年6月)

あらまし
電車車輌内や航空機内などにおいて携帯電話機あるいは無線LAN等のマイクロ波周波数帯デバイスを使用した場合の電磁界分布を明らかにするため,FDTD解析法に基づく大規模電磁界シミュレーションを行う,
電車車輔モデルでは内部に存在する複数の人体とその近傍に設置された携帯端末を考慮し,航空機モデルでは複数の人体とその上方に設置された無線LANを考慮する。
解析には,スーパーコンピュータを使用し,MPI(Message Passing Interface)ライブラリによる分散メモリ型並列処理を行う.
本報告においては,定式化および数値計算法について明らかにし,2種類の解析モデルの電磁界解析結果について報告する。

4.まとめ
本報告では,準閉空間内電磁界分布を正確に推定するための大規模FDTD解析法について検討した。
車輌内,航空機内のように大きな解析空間を必要とする場合,解析空間を複数ノードに分割し,各ノード間の電磁界を共有する並列演算を行うことで大規模な解析を正確かつ合理的な計算時間内で実行可能である。
分散メモリ型並列演算を適用したFDTD解析手法について説明し,電車車輌内および航空機内の電磁界分布について解析例を示した。
今後,複数の送信源が存在する場合等,より複雑な条件下での電磁界分布について検討を行う予定である。

研究 その2
研究者:鷲見勇紀 野島俊雄ら
タイトル: 携帯端末による電車車両内電磁界分布の詳細検討―複数波源モデルと内壁部材質の影響 
掲載誌:EMCJ−20053120056月)

あらまし
電車車輌内に設置された携帯端末による車輌内電磁界分布について明らかにする。
時間領域差分(FDTD)法は時間領域で電磁界の振る舞いを直接求める解析手法である。
解析アルゴリズムおよびプログラミングが容易なことから,高周波におけるアンテナおよびデバイスの解析・設計等に利用されている。
FDTD
法は周囲環境,損失性媒質および分散性媒質などを取り扱うことが可能であり,これらの検討要求に対して有効である。

本報告においては,車輌内電磁界分布の高精度な解析を目的として,電車車内に複数の壁部材質を適用したモデルについて検討する。
さらに,その解析結果を従来検討されている金属表面のみの解析モデルの場合と比較検討し,車輌内壁部材質の電磁界分布に対する影響を明らかにする。
車輌内には,複数の人体を配置し,その近傍に設置された携帯端末を考慮する。
また,電界強度分布の評価には,ヒストグラムを用いる。

4
.まとめ
本報告では,大型計算機向きの並列演算手法に基づくFDTD 法を用いて,電車車輌内電磁界分布の高精度な解析を行い,その解析結果について検討した。
電車車輌内壁部に異なる材質を用いた場合および複数波源モデルを仮定した場合について,電界強度分布のヒストグラムによる定量的評価を行った。
解析では,材質の違いによる電磁界の損失量および励振方法による電界強度分布の差違についてヒストグラムによる確認を行った。
検討の結果,得られた結果に有意な差は無いことが明らかになった。

9-2
.電子情報通信学会誌英文誌など2005年での詳細発表
   追記:2008−8−24
以下の2件の英文による発表があります。  この論文に関しては手配中です。 入手し、読み終わってから概要を紹介します。

研究 その1:

掲載誌:IEEE International Symposium on Electromagnetic Compatibility 2005 Vol 2 P628-631
タイトル:Estimation of the EMF Excitation by Cellular Radios in Actual Train Carriages with and without Passenger

研究者:T. Hikage et al;

研究 その2:

掲載誌;IEICE Trans. On Communications E88B、8 P3281−3286

タイトル;Electric Filed Distribution Estimation in a Train Carriage due to Cellular Radios in order to Assess the Implantable Cardiac Pacemaker EMI in Semi-Echoic Environments

研究者:T. Hikage et al;

 

93.大宮らの北大ワークショップでの発表

2009−1−29 

大宮学ら 「携帯電話により生じる構造物中の高周波電磁界分布の解析」 第4HSS(北大シミュレーションサロン)ワークショップ 20063月 には 以
下の紹介がある。

電車内の電磁界強度分布の解析
車輌全体の寸法は17.5m×2.78m×2.2mであり、車輌は完全導体とし、導体厚さは天井部分が400mm、それ以外が100mmとする。
図左側が前方で、そこには運転席が配置されている。人体ファントムを均一媒質で近似している、
送信は周波数800MHzの連続波とし、長さ190mmの半波長ダイポールアンテナを配置する。
120名の乗客を仮定。
図に解析結果の車輌内電界強度分布を示す。
図から、携帯端末ユーザから端末側、かつ端末装置給電点上部で電界強度分布が顕著であることが判る。一方、下部では低いことがわかる。
この研究では、同じ様な解析を路線バスでも行っている。


image005


関心があれば、詳細は、このワークショップのレジメなどを入手して読んでください。

 

 

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9A.野島らの最近の研究

  作成:2007−6−28

以下の研究報告があります。

掲載誌:EMC 2006105日号
タイトル:電車内での携帯電話電波による心臓ペースメーカへの影響
研究者:野島俊雄

概要は
携帯電話電波が多重反射するような電車内での複雑な電磁界分布とその心臓ペースメーカEMIリスクを評価する場合、大規模FDTD解析法が有効である。
携帯電話保持者や他の乗客による電波吸収効果を適切に評価することが重要であり、本研究の結果として、電車内での携帯電話電波発射について22cmの距離指針が一般的に成立し、その距離を外れる空問ではEMIが生じるリスクがないであろうことを確認した。

一例として複数の同時送信について5人の場合を示したが、以上の結論は仮に120名の満員状態で1人おきに約半数が同時送信する場合でもほぼ同様に成立する。

本堂氏らは、EMIの懸念のほか生体防護指針についても電車内においてホットスポット形成によってそれを満足しない状況が起こるかもしれないと主張している。
この仮説に対して、欧米の研先者らによって実環境ではそれが成立しないことの反論が出されている。


本研究調査は、独立行政法人情報通信研究機構と協力して行った。さらに、電車に関する実験および情報については京浜急行電鉄株式会社の協力を得た。
作業班では、引き続きエレベータ内電波環境の実験測定・解析並びにEMIリスク評価を進めており、その結果については紙面を改めて報告したい。

関心のある方は、原著全文を入手して読んでください。
この野島研究では本堂研究を否定しています。


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10.総務省の20073月報告書から

   作成:2007−6−26

平成19年3月 総務省の「電波の医療機器等への影響に関する調査研究報告書」には以下の記述がある。
 一部を引用して紹介する。
 詳しくは、全文を、総務省のWEBからダウンロードして読んでください。

第W編 電車内での携帯電話の電波が植込み型心臓ペースメーカ等に及ぼす影響

1 背景
東北大理学研究科の本堂毅助手(統計物理学)が20022月の日本物理学会誌のレターにおいて、通常の通勤電車内やエレベータ内などの金属で囲まれた環境においては携帯電話電波が車内に蓄積してアンテナより遠い領域に高電磁界領域が形成されるため22cmの安全距離が必ずしも成立しない可能性があると指摘している。
その後、これに関連して 2006725日付の読売新聞の記事に局所的に強い電磁界領域(ホットスポット)が形成されたことが書かれている。
この実験結果の詳細は本堂毅助手によって日本物理学会誌に報告されている。

2 電波産業会電磁環境委員会での調査研究
電波産業会電磁環境委員会は独立行政法人情報通信研究機構(NICT)と協力して作業班を設置し、電車内やエレベータ内に人体が存在するような実際的な電磁環境の状況を詳細かつ定量的に評価するための調査研究を行っている。
まず電車内電磁環境について成果をとりまとめ、不要電波問題対策協議会(現電波環境協議会)が策定公表した指針が電車内でも成立することをシミュレーションにより明らかにしている。
調査研究は代表的な通勤用車両を用いて実験測定を行って計算解析法の妥当性を検証し、さらに実際の形状・特性に忠実な詳細パラメータによる大規模電磁界解析【FDTD】を実行した。

その結果、携帯電話保持者や他の乗客による電波吸収効果により局所的に強い電磁界領域(ホットスポット)の形成は見られず、電車内での携帯電話電波発射について22cm の距離指針が一般的に成立し、その距離を外れる空間では電磁干渉(EMI)が生じるリスクが無いことを確認した。

3 調査研究会の見解
電波産業会電磁環境委員会の調査研究結果より、電車内の携帯電話からの電波は窓からの漏洩、携帯電話保持者や他の乗客による電波吸収効果のため、植込み型心臓ペースメーカ等に影響を与えるような電磁界領域(ホットスポット)が形成されないことと判断した。

 

  と、この報告書では本堂毅の論は否定されている。

 

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11.200711月の医療電磁環境研究会で

作成:2007−11−25

医療・福祉における電磁環境研究会 平成19年度 第3回研究会が開催された。
●日  時: 平成191117日(土)14:001700
●会  場: 東邦大学医療センター大橋病院 教育棟講堂

この研究会で、以下の発表があった。
.「電車/エレベータ内における携帯電話電波による心臓ペースメーカ電磁干渉の推定」
 
野島 俊雄(北海道大学 大学院情報科学研究科)

この発表の中で、電車内、エレベータ内(いわゆる閉じられて金属に囲まれて空間)において、異常な電力の共振やホットスポットが発生するかを、スーパーコンピュータを用いて解析を行った結果が報告された。
それによれば、以下の図に示すように、異常なホットスポットなどの発生は認められなかった。 図のみ引用して紹介する。

image003図1

図1は、電車内に800MHzの周波数の送信機を持つ人が一人の場合、
アンテナから15cmの至近距離における電波の強さを基準(=0)とした場合の電車内の電波の強さの分布を表している。
即ち最も強い電波は発信アンテナの近傍であり、その他の電車内の空間にはそれ以上に強い場所は存在しない。

image005   図2

2は、エレベータ内に2GHzの周波数の送信機を持つ人とその他に送信機を持たない乗客が一人いると想定した場合、
アンテナから2cmの至近距離における電波の強さを基準(=0)とした場合のエレベータ内の電波の強さの分布を表している。
即ち最も強い電波は発信アンテナの近傍であり、その他のエレベータ内の空間にはそれ以上に強い場所は存在しない。



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12. EMCJ200711月の発表から

 

環境電磁工学研究会(EMCJ
日時 20071116日()開催で以下の発表があった、

タイトル:体の吸収影響を考慮した携帯電話利用時のエレベータ内電磁界評価 
研究者:安孫子友祐・廣野正彦・日景 隆・野島俊雄(北大)

あらまし
電車やエレベータ等に代表される金属導体で囲まれた電波の多重反射が生じるような空間内において携帯電話を使用した場合の植込み型医療機器(心臓ペースメーカやICD)への電磁干渉影響評価を目的として検討を行っている.

本稿では,エレベータ内電磁界分布における人体の吸収による影響を検討する.

乗客の数および位置の変化が評価結果に与える影響ついて明らかにするため,数値解析によりエレベータ内部のファントム設置条件をかえた場合の推定結果について統計的検討を行う.

解析の妥当性はヒストグラムを使った実験値との比較により示される.
著者等はこれまでに,ペースメーカへの電磁干渉リスクを数値解析により得られた電磁界分布から算出したヒストグラムにより評価する方法を提案し,反射空間内部に存在する人体(携帯電話使用者,非使用者等)を考慮することが干渉評価には必要であることを明らかにしている.

BEMSJ注::電車やエレベータ内での携帯電話使用では、人体が電波を吸収するので、閉じられた空間内であっても、ホットスポットは発生しない、という研究

関心のある方は原著を読んでください。


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13.島田理化技報に掲載された野島解説

記:2009−4−2

以下の解説は、かなりわかりやすく書かれています。 一部引用しますが、関心のある方は、原文を入手して読んでください。

掲載誌;島田理化技報 No.202008
筆者:野島 俊雄
タイトル:電車内の携帯電話電波は蓄積して心臓ペースメーカに強く影響するか? ―閉空間電磁界問題とオルバースのパラドックス―

この解説に以下の様なことが書かれている、本堂の仮説を否定している。()内はBEMSJが補足した文章です。

********    **********
(閉空間で出力2Wの電波を発信した場合、本堂仮説では)閉空間内は無損失を仮定しているから2W出力には行き場が無くなる。
とすると閉空間内部に連続して電力が蓄積され続けるのだろうか?


本当のところはこうだ。
携帯電話が電波発射をスタートすると直ぐに(発射した電波と反射で戻ってきた電波でバランスが取れて)定常状態になり,携帯電話のアンテナからは電波が発射できなくなる。
アンテナ入力インピーダンスが純虚数となって,アンプ出力は全て反射されてしまう。
これは閉空間が無損失だからであり,閉空間内に蓄積されるエネルギーは電波発射スタートから定常状態までの間に供給されるから,数マイクロSec.×2W[J]程度である。
(すなわち、本堂仮説にあるように、閉空間で、周囲が無損失と想定すると、携帯電話のアンテナからは継続して電波を発信することはできない。
アンテナとはそういう仕組みになっている、よって閉空間に電力が蓄積されることはありえない。
アンテナから継続して電波を出すことができると仮定したところに本堂仮説の誤りがある。)


**************    **************

 

 

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14.車内での携帯電話使用注意に対する逆切れの事例


記:2009−6−7

以下の様な逆切れの例が報じられています。

1) 注意された女性が、注意した男性を痴漢とでっち上げた例、1999年 そして、裁判になっているケース。

1999年9月、JR中央線の電車内で携帯電話をしていた女性に止めるよう注意した男性(原告)が逆恨みされ、駅前歩道を歩いていたところを、女性の虚偽の通告を真に受けた警察官に「痴漢の現行犯」(都条例違反)で逮捕され、3週間立川警察署に留置、自白を迫る取調べを受けた。
事件は嫌疑不十分で釈放され、不起訴となった。

男性は、3年後、国、東京都、女性の3者を相手に損害賠償訴訟を起こした。
提訴の内容:
2002年4月19日東京地裁八王子支部に提訴。警察官の現行犯逮捕の違法、検事の勾留請求の違法、女性の虚偽申告等を訴え、慰謝料1130万円の賠償を求める。

結果;
20
06年4月10日に東京地裁八王子支部民事2部で請求棄却の判決、原告は敗訴。
2006
213日 高裁判決  原告の請求をいずれも棄却する。 原告は敗訴。
最高裁に上告
2008年7月29日最高裁決定。女性への請求だけを上告審として受理し、弁論期日を9月29日10時半に指定する。
その余の部分(国、東京都への請求)は上告審として受理しない。
現在 最高裁で審理中。

関心のある方は、原告のサイトhttp://homepage3.nifty.com/okita-m/ を見てください。


) 携帯注意し逆ギレされる 2004

2004年9月1日 共同通信で流されたニュース
一部 引用して 紹介

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仙台市のJR仙石線の車内で先月、優先席で携帯電話を使っていた男を注意した東北大理学部の男性助手(39)が「逆ギレ」した男に服を破られていたことが1日、分かった。
男性にけがはなかったが、仙台東署が暴行容疑で捜査している。
男性は理論物理学が専門で、携帯が出す電磁波の影響を研究しており「JRは携帯禁止の車両を設けるべきだ」と訴えている。

男性によると、8月31日午後7時前、帰宅途中、携帯電話を操作している50歳ぐらいの男に気付き、電源を切るよう注意した。
男が「通話してないからいいだろう」と居直ったため、男性は「通話しなくても電波は出る」と説明したが、男に胸ぐらをつかまれ、シャツが破れたという。
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) 
電車内ケータイ注意に逆ギレ/暴行の男を逮捕 2007

四国新聞にあった記事 一部 引用 
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2007/07/22
電車内で携帯電話の通話を注意した男性に暴行したとして、兵庫県警尼崎東署は21日夜、暴行の現行犯で兵庫県川西市久代、会社員森利光容疑者(29)を逮捕した。

友人が車内で携帯電話をかけ、それを同じ車両にいた千葉市の男性会社員(44)が「車内では駄目だぞ」と注意したことに腹を立て、午後10時50分ごろ、尼崎駅(同県尼崎市)で降りた男性を追いかけ、ホームで胸ぐらをつかみ振り回した疑い。
男性は鉄柱に当たって鎖骨を折り重傷。

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4)携帯逆ギレ男に有罪 通話を注意した男性にバス内で暴行 2008

産経ニュースにあった内容を一部引用

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2008.10.9 
バス内での携帯電話の通話を注意されたことに腹を立てて男性を暴行し、後に男性が死亡した事件で、傷害罪に問われたとび職、中田義一被告(59)=三重県大台町=に対し、津地裁は9日、懲役1年6月、執行猶予3年(求刑懲役3年)の判決を言い渡した。

判決によると、中田被告は3月26日、同県松阪市内を走行中の臨時バス内で、携帯電話の通話を無職、鈴木護さん=当時(61)=に注意され立腹。
約2分間、鈴木さんの首などを手で強く押さえつけて重傷を負わせた。
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15. 「食品と暮らしの安全」N0.174 2003101日発行に植田氏が書いた記事は正しいか?

以下の記事が掲載されている。 一部を引用して紹介すると:

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電磁波は反射して強くなる

簡単な実験をしてみました。大きなダンボール箱の内側にアルミ箔を張り、金属の箱である電車を再現。
箱の片側に電磁波測定器を置き、50cmほど離れた反対側に携帯電話を配置して通話状態に。
箱のふたを開けた反射が少ない状態では、離れた測定器は反応しません(写真1)。
しかしふたを片側だけ閉めて、電磁波の反射率を高めると測定器の針は振り切れましたく写真2)。
測定器の位置を変えると値も変化することから、箱の中で電磁波の強い部分と弱い部分が混在していることが分かります。

image005
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さて、上記の植田氏の実験を考えてみよう。

携帯電話のハンドセットから発信される電波は、常に一定ではない。上の蓋がない状態では、発信した電波は最寄の基地局まで届いているのでしょう。
そうなれば、発信出力は低くなります。低くなるというかこの発信状態を基本とします。

写真にあるように、蓋を半分閉めてしまうと、電波は通りにくくなり、多分、ハンドセットからの電波は最寄の基地局に十分な強さで届かないので、ハンドセットの電波出力を大きくなったのでしょう。
こうした電波の出力の制御は、携帯電話のシステムには必須のものです。

従って、電波がとおりのにくくなっただけ出力を上げたので、50cmの距離にある測定器は大きな電波であることを検知したのでしょう。

植田氏のこうした実験を行う場合には、携帯電話のハンドセットからの電波の出力を一定になるように特別な仕組みを施して、行う必要があります。
そうした特別の仕組みは電波法では、通常の携帯電話の使用法としては許可されていないので、簡単には実験はできません。
実験を行うには、電波暗室のような隔離された部屋で行う必要があります。

そうした電波の発信強度を一定にして、その上で、上の蓋を半分閉めた場合に、箱の中の電波の分布が変化するかを見定めれば、正しい結果を得ることができるでしょう。
本日のBEMSJの仮の結論として、植田氏の実験は、誤りであるとしましょう。


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16.野島らの2009年の研究

記:2009−6−28
以下の研究論文が刊行されています。
原著全文を入手したので、その概略を以下に示す。

********************   ************
掲載誌:IEEE Transactions on Microwave Theory and Techniques, 2009 Vol. 57, No.5, Part 1 p1250-1259
タイトル:Specific Absorption Rates of Anatomically Realistic Human Models Exposed to RF Electromagnetic Fields From Mobile Phones Used in Elevators
研究者: Simba, A.Y.  Hikage, T.  Watanabe, S.  Nojima, T.

エレベータの中で携帯電話を使用した場合、人体の曝露はどうなるかを、スーパーコンピュータを利用して数値解析を行った報告です。
エレベータは、天井に小さい窓があるだけ、周囲は金属。
携帯電話を持った人が1人だけエレベータの中にいる。
携帯電話の周波数は90015002000MHz、 出力は250mW
携帯電話のアンテナは、半波長ダイポールアンテナと設定。
体組織10g当たりのSARを算出。

エレベータではない、周囲に反射する物体のない、いわゆる自由空間での人の曝露は、SAR1.13W/kgであった。
エレベータ内での人の曝露は、周囲の金属製壁との距離(アンテナから最も近い側面の壁の影響が最も強い)によって変動する。
2000MHz
の場合の変動は大きい、周波数が低くなると変動のは異なる。
2000MHz
の場合の最大のSARは、距離が約25cmの時が最大で、SAR:1.56W/kgであった。
下図を参照。


  image005

 

エレベータの中で携帯電話を使用することによって、人体の曝露は1.561.13 = 138%となり、38%だけ増加する。
************************   *********:

この研究報告を受けて、Micro Wave Newsのサイトでは、2009515日のニュースで、「10g当たりのSARICNIRP78%(即ち1.56W/kg)という結果は、アメリカのFCCの規定(体組織1g当たりで規定)で考えれば、FCCの基準値を超えるといえる。」という論評を出している。
この論評は正しくない。

上記の野島らの研究は、アンテナとして最も電波を能率よく発信してくれ、かつ周囲に人体があっても影響を受けにくいとされる半波長ダイポールアンテナを用いた場合の解析である。従って、「もし携帯電話のアンテナとして半波長ダイポールアンテナを具備した場合は、日本の規定には合致するが、アメリカのFCC規定には合致せず、アメリカでは販売できない。」ということはできる。

多くの携帯電話では半波長ダイポールアンテナよりも能率が悪く、電波の発信が弱く、かつ、周囲に手や体があるとそれらの影響を受けて、電波の発信能力が低下するとされるモノポールアンテナであったり、内臓アンテナであったりする。そうした能率の悪いアンテナを用いている携帯電話は、日本の規定も、アメリカのFCCの規定も満足するのであろう。この様に考えれば、マイクロウェーブニュースの不安は不要である。

 

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17.韓国での閉鎖空間での調査から

記:2013−5−4

韓国で携帯電話の閉鎖空間で使用時に電磁波が増加するという報告があったとニュース報道にあった。20130501
http://www.xinhua.jp/socioeconomy/photonews/343467/
 にあった内容で、韓国の情報を中国の新華社が報道し、その新華社の報道の日本語版である。
以下にその一部を引用する。

*******************************
[新華社新華網ニュース]

携帯電話の電磁波、エレベータなどでの利用は7倍に増加=韓国研究報告
2013
0501

26
日付の韓国・中央日報は韓国国家環境科学院がこのほど公表した。
エレベータなど閉鎖された空間で携帯電話を使用する際、電磁波の量が開放された空間の7倍となるとの研究結果について報道している。
中国・環球時報が伝えた。

移動中に携帯電話を使用する際、電磁波の量は静止時の5倍となる。
閉鎖された空間にいると、携帯電話受信能力が弱まるため、作動するエネルギーが増し、電磁波の量も次第に増加、開放された空間の7倍となる。
移動中に携帯電話を使用する際にも信号を受信するための作動エネルギーが増大し、電磁波量の増加を招く。
走行中の地下鉄の車内で携帯電話を使用する際、その電磁波の量は静止時の5倍となる。
専門家によると、携帯電話を使用する際には、相手側が電話に出てから耳に近づけることが望ましく、これにより電磁波の量を減らす効果がある。
(略)
************************

このニュースを見て、**倍となっているが、絶対数は不詳で、これでは何も参考にならない。
限りなくゼロに近い微弱な電磁波が7倍になっても、大きな影響はないだろう。
でも、それなりの強度の電磁波が7倍になれば、課題となる。
そこで、この情報の元になるネタを探してみることにした。

・ネットで、日本語での検索ではこれ以上の情報は見つからない。
・韓国・中央日報の英語頁、日本語ページではこの報道の元ネタは見つからない。
・韓国国家環境科学院のサイトは、ハングルだけで、機械英訳もできず、何も見つからない。

・「携帯電話」をハングル訳し、「휴대 전화」として、韓国国家環境科学院のサイトで検索を行い、なんとか当該の報道のプレスリリースを見つけた。
2013426日の発表」とあるので、元ネタであると言える。
情報は、http://www.nier.go.kr/eric/portal/kor/nf/nier-nf-03.page?boardId=NIERNF03&bltnNo=13669538676950&command=READ にあった。
この原文を、ハングルを機械翻訳で和訳した。機械翻訳が判りにくい時は機械英訳を行い、機械英訳から和訳文を修正した。

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휴대전화에서 발생하는 전자파가 걱정된다면 통화 연결시에는 휴대전화를 멀리 떼고, 지하철 같은 이동 중이나 엘리 베이터와 같은 밀폐공간에서의 통화는 자제해야 한다.
携帯電話から発生する電磁波が心配される場合は、通話の接続時には携帯電話を離して、地下鉄の中などの移動中やエレベータなどの密閉空間での通信は控えるべきである。

환경부 국립환경과학원(원장 박석순) 국내에 시판되는 휴대전화 7종의 사용 환경에 따른 전자파 발생현황 조사 결과를 24 발표했다.
□環境省国立環境科学院 (院長泊石筍)は、国内で販売されている携帯電話7種の使用環境による電磁波発生状況の調査結果を24日明らかにした。

조사는일상생활 전자파 노출 영향 저감방안 연구 일환으로 2011 9월부터 1년간 생활환경에서 방출되는 휴대 전화 전자파의 실태를 조사해 노출 저감방안을 마련하기 위해 실시됐다.
この調査は、“日常生活における電磁波曝露の影響と低減策の研究”の一環として、20119月から1年間、携帯電話から放射される電磁界の生活環境における実態を調査し、曝露を低減する対応策を提供するために実施された。

조사 결과, 휴대전화에서 발생하는 전자파는 '대기' 0.030.14V/m, '통화 연결 0.110.27V/m, '통화 0.080.24V/m 나타나통화 연결 전자파 강도가 크게 증가하는 것으로 확인됐다.
V/m(볼트/미터) : 전기장(전자파) 세기를 나타내는 단위
□調査の結果、携帯電話から発生する電磁波は待機時0.030.06Vm、呼び出し時0.110.27Vm、通話時の0.080.24Vmであった。通話'中に電磁波強度が大幅に増加することを確認した。※Vm(ボルト/メートル): 電場(電磁波)強度を表す単位

이에 따라 휴대폰 전자파로부터 받는 영향을 줄이기 위해서는 상대방이 전화를 받기 전까지 휴대전화를 귀에서 가급적 멀리 떨어뜨리는 것이 좋다.
○これに伴い、携帯電話の電磁波から受ける影響を軽減するためには、相手が電話を受信するまで、携帯電話を耳からできるだけ遠くに落とすのが良い。

또한, 지하철과 같이 빠른 속도로 이동 중인 상태(0.101.06 V/m)에서 통화할 경우, 정지 상태(0.050.16 V/m)보다   5배가량 전자파 강도가 증가하는 것으로 나타났다.
また、地下鉄のような速い速度で移動している状態(0.101.06V/m)で呼び出す場合は、停止状態(0.050.16Vm)で呼び出す場合より平均5倍電磁波強度が増加することが判った。

 

이는 이동하면서 통화하면 가장 가까운 기지국을 수시로 검색해 기기 출력이 증가하기 때문으로 분석된다.
○これは、移動しながら通話すると、最も近い基地局を頻繁に検索して機器の出力が増加するために分析される。

엘리베이터 등과 같은 밀폐된 장소(0.155.01 V/m)에서 통화할 경우에는 개방된 공간(0.08~0.86 V/m)보다 평균 7   전자파 강도가 증가하는 것으로 확인됐다.

□エレベータなどの閉鎖された場所(0.155.01V/m)で呼び出す場合は、開放空間(0.080.86Vm)で呼び出す場合よりも平均7倍と、電磁波強度が増加することを確認した。

이는 밀폐된 장소에서는 전파 수신이 어려워 기기 출력이 증가하기 때문으로 분석된다.
엘리베이터는 저속이동으로 이동으로 인한 전자파 강도 영향은 거의 없음 
○これは、密閉された場所では、電波受信が困難なために、機器の出力が増加するためと分析された。
※エレベータは低速の移動で、移動に伴う電磁波強度の影響はほとんどない。

환경과학원 관계자는휴대전화 등과 같은 무선통신기기에서 방출되는 전자파는 낮은 수준이라도 지속적으로 노출되면 인체에 영향을 미쳐 해로울 있다. 밝혔다.
□環境科学院関係者は、携帯電話などの無線通信機器から放射される電磁波は低レベルでも連続して曝露している場合は、ヒトは影響を受けると、語った。

실제 세계보건기구(WHO) 산하 국제암연구소(IARC) 2011 5 휴대전화 무선통신기기에서 발생하는 전자파를 발암유발가능물질(2B 등급) 분류했다.
-
연구소는 매일 30 이상 장기간(10 이상) 휴대전화를 사용한 사람의 뇌종양(Glioma) 청신경증(Acoustic Neuroma) 발생 가능성이 일반인에 비해 40% 가량 증가할 있다고 발표했다.
-
특히, 어린이는 일반 성인에 비해 인체 면역체계가 약하기 때문에 전자파 노출에 각별히 주의하라고 권고했다.
○世界保健機構 (WHO) 傘下の国際がん研究所 (IARC)20115月携帯電話などの無線通信機器から発生する電磁波を発癌物質誘発可能 (2B 評価) に分類した。
-
この研究所は、毎日30分以上長い期間(10年以上)携帯電話を使った人の脳腫瘍 (Glioma) および聴神経膠腫(Acoustic Neuroma) が発生する可能性は、一般の人に比べて40%も高めまると発表した。
-
特に、子どもたちは通常の大人に比べて人体の免疫システムが弱いので、電磁放射線の曝露に十分に注意するようにと忠告した。

이에 따라 환경과학원은 환경부와 함께일상생활 전자파 노출 저감 가이드라인 마련해 2013 7월에 배포할 계획 이다.

□したがって、環境科学院は環境省と “日常生活の電磁波漏洩低減のためのガイドライン“を設け、20137月に発表する予定である。

가이드라인은 국민 누구나 있도록 생활환경정보센터 홈페이지 등에 공개할 예정이다.
생활환경정보센터 홈페이지 : http://www.iaqinfo.org
○このガイドラインは、国民誰もが見ることができる生命環境情報センターのホームページ等で公開する予定である。※生命環境情報センターのホームページ: http://www.iaqinfo.org

붙임 : 1. 휴대전화 사용 환경에 따른 전자파 강도 조사 결과. 1.
2.
휴대전화 무선통신기기 전자파 노출 저감 방법. 1.
3.
발암물질 분류기준 주요 물질(예시). 1. .
更なる情報:
1.
携帯電話の使用環境に伴う電磁波強度の調査結果。第1部。
2.
携帯電話などの無線通信機器の電磁波曝露低減方法。第1
3.
発癌物質の分類の基準および主要な物質 ()。第1. 終わり。

보도자료와 관련하여 보다 자세한 내용이나 취재를 원하시면 국립환경과학원 생활환경연구과 구진회 연구사
( 032-560-8323)에게 연락주시기 바랍니다.
このプレスリリースに関連して、より詳細な内容や取材をご希望の方は、国立環境科学院生命環境研究科丘疹回研究史( 032-560-8323) に連絡してください。
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BEMSJ
コメント:
詳細な報告書はハングルのワープロソフトで書かれた文書があるが、ソフトを導入してまで読み込む必要はないと思い、以降はやめた。

このハングルの概要を見ると、携帯電話ハンドセットから発信される電波強度をV/mという電界強度で測定を行っている。これらの電界強度はハンドセットからの距離によって大きく異なる。測定はハンドセットからどの程度の距離を置いて、その距離をきちんと維持して、測定したのであろうか?
「待機時0.030.06Vm」という記述は、疑義がある。携帯電話のハンドセットから発信される電波は、待機時は殆どゼロのはずである。
ハンドセットから発信される電波を、周波数分析を行いながら、ハンドセットからの電磁波発信強度だけを測定したのであろうか?
それとも広帯域測定器で、基地局からのダウンリンクの電波も合わせて測定したのであろうか?

関心のある方は、韓国の元ネタを探求して下さい。

 

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