太陽光発電に関連する電磁波

                              
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目次

1.はじめに
1.1以下に示すように、北海道新聞の2014年3月12日の記事が目についた
1.2 ガウス通信2006年、以下のような情報もある。

2.太陽光発電によって発生する電磁波とその概要

3.公開されている様々な情報から
3.1  2004年の電力中央研究所の富田誠悦論文
3.2 2011年電気学会発表論文にみる静磁界と商用交流磁界の実測値
3.2A レジナ社測定の例
3.3 疑問のある京セラのサイトにあった安全宣言
3.4.「年報 NTTファシリティーズ総研レポート」 No. 24 2013年6月掲載の論文より
3.5.EMCCレポート 平成20年度 第25号に掲載された報告
3.6.京セラの太陽光発電のサイトにあった注意書き
3.7 JETの2011年の報告書より
3.8.太陽光発電協会 公共・産業用太陽光発電システム手引書
3.9.アマチュア無線への電波障害対応例‐1 2012年
3.10.アマチュア無線への妨害対応例‐2 2013年
3.11.アマチュア無線への妨害対応例‐3 2008年
3.12.CISPRのドラフト
3.13.伊賀市のサイトにあった市民の声に対する市の回答
3.14.平成15年2003年のNEDOの報告
3.15.中間のまとめ

4.本日のまとめ

5.2016年Intereference Techに掲載された電磁波輻射の問題


6.太陽発電をめぐる裁判の例



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1.はじめに

 

1.1以下に示すように、北海道新聞の2014312日の記事が目についた。

 

*******一部引用 ******************************
札幌・真駒内メガソーラー 着工めど立たず 住民が電磁波懸念
03/12 06:20
定例札幌市議会は11日、予算特別委員会で2014年度各会計予算案に対する質疑を続けた。
市環境局は、プリンスホテル(東京)が昨年10月に北海道・札幌市南区の真駒内スキー場跡地で建設工事を始める予定だった大規模太陽光発電所(メガソーラー)について、住民の反対で着工のめどが立っていないことを明らかにした。

メガソーラーは、約28ヘクタールの敷地に太陽光パネルを3750枚設置する計画で、発電容量は1090キロワット。
一部住民から発電設備から出る電磁波による健康被害を懸念する声が上がり、話し合いを続けているという。
堀川素人氏(改革)への答弁。

(略)
<北海道新聞312日朝刊地方版掲載>
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さて、太陽光発電ではどのような電磁波の問題があるのか、まとめてみることにした。


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1.2 ガウス通信2006年、以下のような情報もある。

追記:2015−11−15

ガウス通信8120061010に掲載された記事から引用
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ソーラーシステムで冒磁波過敏症に

私は7月にソーラーシステムと電磁波について間い合わせした者です。
(略)
その後、ソーラーシステムは代理店のローン申し込み用紙に不備がある事が分かり、何とかクーリングオフが出来ました。
しかししぶしぶの代理店の対応で、まだ現状復帰までには到っていません。

結局メーカーは電磁波については間題なしの態度を変えず、消費生活相談の先生も「電磁波では難しいでしょう」と言われ、訪問販売上の書類の不備という形になりました。
たまたま私がソーラーシステムに合わなくて過敏に反応してしまったのなら、仕方がないのですが、環境に優しいと、国の補助金までついて推進されているものなのに、発電量ばかり心血が注がれ、それが人にもたらす作用など全くといっていい程研究されていないのには驚きました。

事前にそういう事に気がつかなかった自分もうかつでした。それからが電気(電磁波)が分かる体になってしまったので、世界が180度変わった様です。
そのおかげで身の回りの電化製品に気をつけて、情報を集めて家族を守ってあげられる様になったのですから、不幸中の幸いと思う様にしています。

(略)
全国で販売されているソーラー発電システムも決してよい事ばかりではなく、私の様にこれがきっかけで電磁波過敏症になる事もありうるのだという事を、購入前に考慮できる様になればよいと思います。
平成18913SN

パワーコンディショナから17キロヘルツの高周波音

以上いただいたお手紙ですが、以下、直接うかがったお話をまとめさせていただいた。
S
さんは今年6月に自宅の屋根にソーラーシステムを取り付け、その月の末には運転が開始。
すぐに、体が熱くなる、こめかみがしめつけられるような感覚と頭痛、動悸に悩まされるようになった。
このような体調の悪化はソーラーシステムが原因としか考えられないため、業者に解約を求めた。
しかし業者は応じなかった。
そこで市の消費生活相談部に相談、担当の先生は「電磁波問題で解約を求めることは難しい」ということだった。
ただ、よく契約内容をチェックしてみると、ローンの月額の記載が洩れていて、不備があり、クーリングオフが可能だとアドバイスしてくれた。

これによって業者はしぶしぶシステムを撤去した。
現状復帰にははずした瓦などを新たに設置するなど120万円ぐらいの費用がよけいにかかることになるが、このことについて折衝は続いている。
いずれにせよ、10月には完全に元の通りに戻すことになっている。
(略)

体調不良がなぜ起きたのか因果関係を証明することは困難だ。
一つ気になることとして、パワーコンディショナが屋内取り付け型で、説明書に「高周波音で影響があった場合には場所を移動してください」との記載があったとのこと。
この装置で直流を交流に変換するのだが、ここから17キロヘルレツの高周波音が発生しているという。
今回の事例以外にもソーラーシステム導入後体調を壊したとの訴えはいくつかある。
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2.太陽光発電によって発生する電磁波とその概要

 

1


1に太陽光発電に関する略図を示す。
大ざっぱに言えば、太陽光パネル、パワーコンディショナ、AC交流負荷と、それらを結ぶ線(配電線・送電線)から成り立つ。

太陽光パネルではDCの電力を発生させる。
DC
電力はパワーコンディショナでDC-ACに変換される。
AC
に変換された電力は、家庭内の電気供給の源になったり、電力会社の送電線・配電線に接続されたりする。

矢印A(輻射A)に示したように、太陽光パネル本体と、パワーコンディショナに接続される電送路には、直流電流が流れる。
この直流電流によって、直流磁界(静磁界)が発生する。
太陽光パネルで直流電圧が発生するので、直流電界も発生する。
後述するが、これらの電磁界輻射のレベルは実測などによって確認されており、BEMSJの観点からは、ヒトへの健康影響は気にするレベルではない。

矢印B(輻射Bに示したように、パワーパワーコンディショナーでは、直流電力を変換する。
変換する為に、直流から一度50kHzと言った中間周波数の電力に変換し、更に交流50Hz もしくは60Hz の電力に変換する。
直流を一気に5060Hzに変換することは不可能ではないが、困難さもあり、たぶん、こうした手法は実用化されていないと想像する。<詳しい方がおられれば、BEMSJまで連絡して下さい。>
従って、パワーコンディショナからは、中間周波数の電界・磁界が発生する。
またこの中間周波数の高次の高調波や、各種制御回路などからの高周波電磁界が発生する。

これらは、他の電気通信への電波障害を念頭においた遠方界の規定による電磁界輻射と、ヒトがパワーコンディショナに近接することによるヒトの健康への影響の、近傍界としての検討と、2面を検討しなければならない。
後述するが、これらの電磁界に関しては、輻射レベルなどが実測・確認されている事例もあるが、要確認という課題もある。

矢印D(輻射D
に示すように、パワーコンディショナ内部から中間周波数・高周波の電磁界が、太陽光パネルに接続されている伝送路に、線に重畳するノイズとして、伝わっていく。
また同時に、矢印E(輻射Eに示すように、交流負荷側にも、交流の電気配線に重畳するノイズとして、伝わっていく。
これらの線に重畳するノイズは、電気通信などには影響が出るかもしれないが、BEMSJの観点からは、ヒトへの健康影響は気にするレベルではない。

矢印C(輻射Cに示したように、パワーコンディショナから交流負荷を結ぶ配電線・送電線からは、50Hz60Hz の電界・磁界が発生する。
これらからの電磁界に関しては、一般的な「送電線からの電磁界曝露」と同準に扱えば良い。


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3.公開されている様々な情報から

 

3-12004年の電力中央研究所の富田誠悦論文


EMCC電波環境協議会(旧不要電波問題対策協議会)発行「EMCC 15号」平成113月にあった内容。
直流電源のつもりでも、交流電磁界発生を念頭に置く必要がある。
以下の解説はEMCの課題であり、通信機器などへの電波障害の可能性はあり、そのための対応は必要とされている。
人への健康影響には訴求していない。 

*********一部 引用**********
インバータ内蔵機器からの電磁妨害
(財)電力中央研究所 富田 誠悦

1.
 はじめに
太陽光発電システムにおけるEMC(電磁両立性)問題の現状とその具体的な事例ならびに将来課題についての執筆要請を不要協より戴いた。
筆者は太陽光発電システムの専門家ではないが、EMCの観点からという要望にしたがい、電磁両立性を考慮すべき太陽光発電システムとして『系統連系を目的とするシステム、すなわち系統連系用インバータ』を対象に、電磁両立性に的を絞った記述を行うこととしたい。

3.
 太陽光発電システムからの電磁妨害の放射(エミッション)
3.1
 電磁妨害発生のメカニズム
PVでは、太陽電池から得られる直流の電力を電力系統(50/60Hz)に同期した交流に変換するインバ−タが不可欠である。
このため、
PVのインバ−タには高周波スイッチングによる電力変換が多用されている。
また通信分野でいう変調方式に似た呼び方のPWMpulse width modulation)変換が採用されている。
時間的に変動するパルス幅の連続が、電磁妨害の発生源のひとつでもあり、支配的な発生源である。

3.2 放射妨害の周波数分布
現在、工業技術院サンシャイン計画の下で普及助成金が提供され市販されているインバ−タから放射された電磁妨害の周波数分布を図5に示す。
このインバータは「VCCI準拠」と詠っている。
これはスペクトラムアナライザを用いたピ−ク検波による測定結果である。
横軸は周波数であり1MHzまで、縦軸は電界強度である。
測定場所はインバ−タ連系点(低圧電力系統との接続点)から配電線の方向に10m離れた、配電線の直下である。
背景雑音に見られる500kHz以上の鋭いスペクトルはAM放送波である。
周波数軸上に規則的にならんだスペクトルがインバ−タからの放射妨害である。

ここでは、スペクトルの様相を理解しやすくするため、50回の平均化処理を行っているので、妨害のスペクトルは滑らかに見える。
リアルタイムの観測では、妨害のスペクトルは放送波を上回るレベルとなることもある。



 

 

図5 200Hzから1MHzの放射性妨害波(配電線直下)

CISPR
規格などでは、放射妨害は主に30MHzを越える周波数領域において限度値を定めている。
そこで広い周波数範囲での観測結果を紹介する。
測定装置は同様であるが、周波数範囲を精密に検討するため、
測定箇所はインバ−タから1mと近い位置とした。
図6は200MHzまでの周波数帯域での測定結果である。
図6の120MHz近傍に見られる妨害の成分は、インバ−タの直流/交流の電力変換回路からの妨害では無く、計測制御回路のD/Dコンバ−タからの妨害である。

このように、系統連系用インバ−タからの電磁妨害の成分は、より低い周波数帯域で優勢であり、CISPR規格で定められた30MHz以上での成分は少ない。
すなわち規格は満足しているが、実際の電磁妨害は規格の対象外となっている。
先に記したように、インバ−タからの放射妨害はAM放送波のレベルを上回る場合もある、すなわちS/N0dB以下となることもあり、この状態ではAM放送の聴取は困難(全く聞こえないこともある)になる。
AM
ラジオが兵庫県南部地震時の有力な情報収集手段であったことを忘れてはならない。

 

 

 

 

図6 25MHzから200MHzの放射性妨害波(インバータから1m点)

5.
 太陽光発電システムの電磁妨害に関わる規格作成動向

太陽光発電システムから放射される電磁妨害の限度値を定める国内法も国際規格も未だ存在していない。
理由のひとつとしては、技術の進歩が著しい分野の製品に対しての規格・基準の作成が追いつかないことが考えられる。

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太陽光発電システムから放射される電磁妨害の限度値を定める国内法も国際規格も1999年の時点では、まだ存在していなかった、と判る。


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3.2 2011年電気学会発表論文にみる静磁界と商用交流磁界の実測値


以下は論文誌の一部引用です。

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平成23年電気学会基礎・材料・共通部門大会
タイトル:太陽光発電システムから発生する静磁界及び商用周波数磁界
研究者:塚田竜也ら 

1
.測定の目的
太陽光発電システム(PVシステム)は、地球温暖化防止の観点から、温暖化に寄与する二酸化炭素を発生しないクリーンエネルギーとして、普及しつつある。
一方で、電力システムや家電製品から発生する電磁界が「人の健康に何らかの影響を与えるのではないか」という不安や疑問を持つ人もいる。
そこで今回、PVシステム内の構成機器周辺から発生する静磁界及び商用周波数磁界を測定した。

2
.測定器と測定方法
測定対象周波数は静磁界(0Hz) (測定器: FM3010 (MTI) )及び商用周波数磁界(50/60Hz) (測定器: EFA-300(NARDA))とし、測定対象箇所は太陽光モジュールとパワーコンディショナとした。
各々の測定方法を以下に示す。

2.1
.太陽光モジュール
各モジュールの裏側で、垂直な方向に磁界測定器センサ表面までの距離om (接触) 0.05m 0.1m、及び0.2mの地点で静磁界を測定した。
測定点を固定して測定するため、アクリル製のセンサ支持治具を作製した。
地磁気をキャンセルするため、太陽光モジュールから発生する静磁界と地磁気との合成磁界を測定後、同位置で太陽光モジュールの電源をオフして地磁気を測定し、合成磁界の各軸成分から地磁気の各軸成分を減算した。

2. 2
.パワーコンディショナ
パワーコンディショナのすべての面について、表面に磁界測定器センサの表面に接触させて連続的に動かし、商用周波数磁界の指示値が最大になる位置を記録し、その位置で、表面と磁界測定器センサまでの垂直方向の距離om (接触) 0.05m 0.1m 0.2m及び0.3mの位置で測定した。

3
.測定結果及びまとめ
太陽光モジュール周辺の静磁界は出力電流に比例することから、測定時の電流値から最大出力時の磁界レベルを想定することが出来る。
距離omおよび0.20mの最大出力電流における磁界想定値は地磁気と比較して低い値となった。
また、ヒトの健康影響を考慮して国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)がガイドラインを公表しておりその参考レベル(一般公衆に対し400mT) と比較しても低い値となった。 (1参照)

注)表1の「想定値」に『0.20m静磁界』が2つありますが、正しくは右の該当項目は『0.00m静磁界』となります。

パワーコンディショナ周辺の商用周波数磁界は、測定点が離れると急激に磁界レベルが小さくなる。
その大きさは、出力電流と内部の機器配置に依存する。
距離0.30mの測定値は、電気製品周辺の商用周波数磁界と同程度と評価でき、0mの測定値を含めてICNIRPガイドラインの制限推奨値(一般公衆に対し200μT)より低い値となった。(2参照)

注)表2の「0m低周波交流磁界」の単位は、『A』ではなく、正しくは『μT』となります。

(略)
**************************

パワーコンディショナに密接して、距離ゼロで5060Hzの磁界を測定すれば、最大で、61.9μT(=619ミリガウス)と言った値が観測されている。
同じく、距離ゼロでの太陽光パネルからの静磁界は、最大で、37.2μT372ミリガウス)と、地磁気の強さの静磁界並みの値となることが判っている。



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3.2A レジナ社測定の例


測定時期などは不詳ですが、ネットにあった測定の実例です。

 

磁界の周波数は5060Hz と想像します。


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3.3 疑問のある京セラのサイトにあった安全宣言


京セラの「太陽光発電Q & A」というサイトにあった内容です。20143月のログ。

***************
Q6.ソーラー発電システムから発生する電磁波はどのくらいありますか? 影響はありますか?

A
:主にパワーコンディショナのインバータ部分より発生する電磁ノイズが電磁波として発生しています。
パワーコンディショナは第三者認証機関(JET:財団法人 電気安全環境研究所)の認証試験において「電波障害試験」に合格した適合品です。
発生レベルは一般家電製品と同等レベルになっております。
健康への影響はリスクが全く無いとは言い切れませんが、電磁波の程度としては一般生活する上で周囲にあるような様々なリスクと比較して、
特に注意を払うべき大きさのリスクでは無いと判断しています。
***********************

上記の内容に関して、質問を出してみたら、以下の回答があった。

**************************

Q1)この電波障害試験は、どのような周波数帯を対象に、パワコンからどの程度の距離で測定を行うので、しょうか?
またその漏洩限度値はどの程度なのでしょうか?
簡単に教えてください。

A
1)パワコンの電波障害試験は電気安全環境研究所(JET)の系統連系保護装置等の試験方法通則JETGR0002-1-4.1(2013)によります。
周波数帯は0.15MHz〜30MHzで測定箇所はパワコンの交流出力端子および直流入力端子です。

許容値は交流出力端子では、
0.15
を超え0.5MHz以下で雑音端子電圧dB準尖頭値6656μV
0.5
を超え5 MHz以下で雑音端子電圧dB準尖頭値 56μV
5
を超え30 MHz以下で雑音端子電圧dB準尖頭値 60μV
となっております。

また直流入力端子では、
0.15
を超え0.5MHz以下で雑音端子電圧dB準尖頭値80μV
0.5
を超え5 MHz以下で雑音端子電圧dB準尖頭値74μV
5
を超え30 MHz以下で雑音端子電圧dB準尖頭値 74μV
となっております。

Q2
)パワコンのインバータ周波数帯域の電磁波の漏洩は、磁界と電界は、何らかの形で規制されているのでしょうか

A2
)磁界と電界の規制値はございません。

*************************

従って、京セラの安全宣言は、図1に示した輻射A、輻射B、輻射C、輻射D、輻射Eの中の輻射Dと輻射Cだけを対象として、規格に適合させているのであって、パワーコンディショナの近傍でのヒトの電磁界曝露の程度などには全く言及もしていない(たぶん、確認も検証も行っていない。)。
それで、大丈夫と安全宣言を行うには、疑問がある。


そして、健康影響に関しては、前述のQ&Aは誤解を招く恐れがあるとして、京セラのサイトからは削除された。
ただし、20152月のネットでの検索結果として、京セラの太陽光発電設備の販売を行っている会社のサイトに、そのまま問題のある内容を含む3「Q&A」が掲載されていた。


 

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3.4.「年報 NTTファシリティーズ総研レポート」 No. 24 20136月掲載の論文より


以下の情報がある。
一部引用。

*************************
太陽光発電システムからの電磁妨害波規制の技術動向
EHS&S
研究センター上級研究員 兼 エネルギー技術部担当部長 山根 宏

本稿では,太陽光発電システム用パワーコンディショナ(PCSPower Conditioning System)からの電磁妨害波に関して,課題,問題点や規格化の動向等について記述する。

2.2
 太陽光発電の電磁妨害波の規制動向
すべての電気・電子機器は,自ら電磁雑音を放出して周囲の機器に影響を与えるとともに,周囲の電磁環境に影響されて誤動作や性能低下を起こす可能性があるが,そのような状態にならないようにするのが電磁両立性(EMCElectromagnetic Compatibility)規格である。
EMC
分野の国際規格は,図5に示すように,国際電気標準化委員会規格とその特別委員会であるCISPRIEC)規格が基本となっている。

PCSの主要構成要素であるインバータは,高周波スイッチングによりDC􀀅AC変換するため,スイッチングノイズが発生する。
そのノイズが太陽電池モジュール側に伝導し,太陽電池がアンテナとして作用することにより電磁妨害波を放射し,周囲の電気・電子機器に影響を与える可能性がある。
また,配電線に接続されるAC側出力端子に発生する電源ノイズは,電源線伝導妨害波として規格が整備されている。
ほとんどの電気・電子機器やシステムから放射される電磁妨害波の発生量は,CISPRによって規定され,世界中の大部分の国で電磁妨害波の発生量が規制されている。
しかし,太陽光発電システムを対象とした電磁妨害波発生量に関するCISPR規格は現在のところ存在しておらず,比較的近年になって規格化のための検討を開始したところである。

国内では他の電気機器等に及ぼす可能性があるため,いち早く工業会規格として運用しているが,国際的にはCISPR 11で規格値を議論しており,2014年を目標に20kVA内のGCPC容量,20kVA以上75kVA未満のGCPCに関して決定する方向で検討している。
BEMSJ注:後述の312項参照。 20152月に入手した情報では、このCISPR規格は規格制定の最終段階にある。>

3
.大規模太陽光発電システムからの電磁妨害波
太陽光発電システムの導入量は,年々増加しているが,その実現には,大規模太陽光発電システム(メガソーラー)の導入が有効であり,NTT ファシリティーズが北杜市と受託した,NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)「大規模電力供給用太陽光発電系統安定化等実証研究」のメガソーラーにて,電磁環境を測定・評価しているので,その概要について述べる。

3.1
 10kW PCS
1
)放射妨害波
本来放射妨害波の測定は,シールドルームや電波暗室内等で測定するべきであるが,システムが大規模であるため,設置場所で,かつ当該のPCSからの直接妨害波を測定できるよう,10kW PCSから距離:1m,地上高:1.5mで周波数帯域に対応したアンテナにより測定している。
その結果を図14に示す。


4
.まとめ
今後も,新たな太陽光発電システムが大量に導入される見込みであるが,これら太陽光発電システムが他の家電製品や無線通信装置へ影響を及ぼさないよう,妨害波低減に必要な対策を施すことが肝要になってくると思われる。

************************

この報告書では、輻射D,Eと輻射Cの中の遠方界での放射電磁界について論議を行っている。


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3.5EMCCレポート 平成20年度 第25号に掲載された報告


***************一部 引用 *************
太陽光発電システムに起因する電磁妨害波測定法の調査〜太陽電池パネルからの磁界放射について〜
社団法人日本電機工業会 分散型電源EMC標準化委員会 小玉博一

4-1
放射磁界強度測定試験の全体構成
4.1に今回実施した太陽光発電システムの放射磁界強度測定試験の機器構成を示す。
GCPC
が系統に連系され定格出力した状態にするために、直流回路に蓄電池を、交流回路は系統配電線に接続するとともにGCPC出力を消費するための抵抗負荷をそれぞれ接続している。
また、暗室外からの雑音除去を目的として、蓄電池とGCPCの間に直列にローパスフィルタ(今回はLISNで代用している)を接続している。

太陽電池パネルは、直列コンデンサを経由して、GCPCの直流端子に接続しておる、蓄電池と並列接続させている。
そして蓄電池を接続したことにより、太陽電池パネルに直流電圧が印加されないようにプラスとマイナスの端子の双方に直列にコンデンサを設けている。

4-2
 太陽電池パネルから放射される磁界強度測定結果
4.2に、太陽電池パネル及びGCPC設置前の状態での暗室の磁界強度測定結果、すなわち暗雑音の測定結果を示す。
次に、図4.1に示すシステム構成においてGCPCを定格出力で運転している状態で、太陽電池パネルから3m離れた地点における磁界強度を測定した。
さらに、図4.1に示す構成から太陽電池パネル及びそれに至る配線ケーブルを取り外して、同じ条件、同じ地点における磁界強度を測定した。
前者は太陽電池パネルを含んだ構成からの磁界放射を、後者は太陽電池パネルを除いた場合の磁界放射を測定し、この両者を比較することで太陽電池パネルからの放射量の推定を試みた。





***********************

この報告では、GCPCパワーコンディショナから3m離れた地点での放射磁界を測定している。
結果として、パワーコンディショナから150kHzから2MHz程度までの周波数帯で、磁界の輻射が観察されている。
43から読み取ると、周波数150kHz30dBμAmとあり、換算すると30μAmの磁界強度で、約0.030Tである。 

関心のある方は、原文の報告書を読んでください。上の概要は全ての図は引用していません。

 

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3.6.京セラの太陽光発電のサイトにあった注意書き


http://www.kyocera.co.jp/solar/es/prdct/powercon/index.html
 にあった内容
**************************
パワーコンディショナ
・運転時の高周波音はまれに、聴覚感度が高い方にとって不快に感じる場合があります。
聴覚感度が高いと思われる方がいらっしゃる場合には事前にご相談ください。 
・パワーコンディショナや配線から漏れる電気的ノイズが、近隣(目安として半径100m以内)のアマチュア無線やラジオ等の電波受信に影響を与えることがあります。
近隣にアマチュア無線等のアンテナがある場合は、購入される前に販売窓口へご相談ください。
・設置環境により、パワーコンディショナ上部の壁(屋内設置の場合は壁や天井)に埃が付着する場合があります。
**************************

以上のことから、アマチュア無線に影響の出ることがあると、これは輻射Bの電気通信への影響です。

「パワーコンディショナや配線から漏れる電気的ノイズが、近隣(目安として半径100m以内)のアマチュア無線やラジオ等の電波受信に影響を与えることがあります。」という表現は、あくまでも非常に低い電波を受信するアマチュア無線の受信に影響するということです。
100m以内に住む人の健康に影響する」ということではない、もしかして、そのように誤解している人もいるかもしれない。


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3.7 JET2011年の報告書より


JET Report Vol. 52 2011 Autumn
 に以下の記述がある。
一部を引用する。

*******************
太陽光発電システム((PVシステム))から発生する静磁界と低周波磁界の測定結果

昨今、電磁界情報センターにPVシステムから発生する電磁界の強さに対する問い合わせが多くなっているため、PVシステムから発生する電磁界を測定しました。

磁界測定方法
今回は、太陽光発電システムから発生する「磁界」について測定しました。
太陽光発電システムから発生する磁界の種類としては、太陽光パネルからパワーコンディショナに入力するまでの直流電流による直流磁界(静磁界)と、パワーコンディショナからの交流電流による交流磁界があります。

測定は次の箇所で行いました。
太陽光パネル(静磁界)
1パネル当たり最低3点(中心と周囲点)を抽出し、パネル裏側から0m0.05m0.1m0.2m 離れた位置で測定(1パネル3 点× 4 箇所= 12 箇所測定)

パワーコンディショナ(交流磁界)
すべての装置側面の磁界最大点を抽出し、その点から0m0.05m0.1m0.2m0.3m 離れた位置で測定(1装置で4 面× 5 箇所=20 箇所測定)

今回測定した100箇所以上の測定対象を全て計算した結果、磁界の最大値は、0mの位置で37.2μT(=372ミリガウス)、0.2m離れた位置で11.1μT(=111ミリガウス)でした。

なお、今回の実測値における最大値は以下のとおりです。(0.2m離れた位置を抽出)
○太陽光パネルから発生する静磁界  8.33μT(=83.3ミリガウス)(最大出力65W
○パワーコンディショナから発生する交流磁界 7.49μT(=74.9ミリガウス)(最大出力30kW
また、どちらの結果からも、距離が離れるほど磁界の強さは小さくなることを確認しました。

**********************

この報告では、静磁界と交流磁界(50Hz60Hz成分)のみを測定している。
関心のある方は、原文の報告書を読んでください。


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3.8.太陽光発電協会 公共・産業用太陽光発電システム手引書

 

以下の記述がある。
**************************
1- 5
 周辺環境に対する留意(電磁波)
(
)電磁波障害問題について
・太陽光発電システムから発生する電磁波の検証については、JET(一般社団法人 電気安全研究所)が磁界測定しており、人への環境影腎がないことのデータ()が示されています。
 
JET Report Vo1 52 2011 Autumn
・太陽電池モジュール、パワーコンディショナから、近隣住環境までの、距離は、すくなくとも20メートル以上離れています。
距離が離れることで、大幅に磁界が減衰(小さくなる)することも確認されており近隣住民への影響は全くないと考えられます。

●太陽光発電システムから発生する磁界の種類とその特徴

 

特徴

太陽電池モジュール

直流電流による直流磁界(静磁界)

静磁界の大きさは、モジユ−ルから発生する電流に依存

但し、周辺モジュールからの影響を殆ど受けない為、磁界の大きさは、システム全体の規模(総出力)には、殆ど依存しない(住宅用でもメガソーラーでも磁界の大きさは一緒)

また、磁界の強さは、距離が離れるほど小さくなる

パワーコンデイシ∃

交流電流による交流磁界。1台あたりの出力に依存し、電流が大きくなれば、交流磁界の強さも大きくなる

静磁界と同様、磁界の強さは距離が離れるほど小さくなる

 

()電波障害問題について
■太陽光発電システム設置による、TVや、ラジオ、無線などの電波障害については、これまであまり問題になったことはなく、データの蓄積もありません。
・住宅用太陽光発電システムは、市街地を含め、平成244月現在、約100万戸程度の住宅に設置されているなかでも電波障害の報告はありません。
・集中的な設置では、400戸近く(1.2MW)の太陽光設置住宅は、大田市・バルクウンに4カ年にわたり実証設置されたが、電波障害の報告はありません。
■大規模、メガソーラーについても、電波障害の影響に留意する。
飛行場などへの設置事例も多くあるなかで、太陽光発電システムによる電波障害の報告はありません。

電磁波障害
JET Report Vol 52 2011 Autumn
より抜粋
■静磁界(太陽電池モジュ-)の測定結果
太陽電池モジュールの裏側から、20cm、離れた位置で測定した結果は、maxで、8.33μT(マイクロテラス)となり、国際非電離放射線防護委員会(INCNIRP)が定めた制限ガイドラインである400mTと比べ全く影響のない小さい値です。

■交流磁界(パワ-コンティショナ)の測定結果
パワ-コンディショナ(30kWPCS)から20cm、離れた位置で測定したした結果は、7.49μT(マイクロテラス)となり、INCNIRPが定めた、人体への制限ガイドラインである200μTに比べ十分に小さい値です。
また、メガソーラーで使用される250kW程度のパワコンで70μT程度と想定されますが、設置される場所と住環境までの距離を考慮すれば全く影響ないと考えられます。

●磁界被ばく露制限に関するガイドライン(国際非電離放射防護委員会(ICNIRP)
一般公衆における参考レベル 交流磁界(50Hz) 200μT 静磁界400mT
*************************

この手引書では「・住宅用太陽光発電システムは、市街地を含め、平成244月現在、約100万戸程度の住宅に設置されているなかでも電波障害の報告はありません。」とあるが、アマチュア無線の受信への電波障害の事例は、ネットでも紹介されているように、複数の事例が存在する。
そうした事例は、各太陽光発電設備の製造会社での個別対応に終り、そうした事例が「業界団体」としての太陽光発電協会に届いていないだけなのかもしれない。

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3.9.アマチュア無線への電波障害対応例‐1 2012


http://bwt.blog.so-net.ne.jp/2012-07-15
 にあった内容から、一部引用

*****************************
ノイズ源と思われるパワコン [アマチュア無線]

 

 

http://www.sharp.co.jp/sunvista/product/power_conditioner/ 


「受信障害の原因となりますので、ラジオ、テレビ、アマチュア無線等の電波を利用する機器とパワーコンディショナは3m以上離してご使用ください。購入される前に販売店にご相談ください」と注記があります。
確かに3m以上は離れていますが、設置条件によっては3mでは足りない事例が我が家のようです。

なにしろ、ソーラーパネルとアンテナがほぼ同じ高さですから、ビーム向けたらモロでしょう。
さらに、接続ケーブルにEMC対策が入っていなければ、パワコンの出すノイズはケーブルをアンテナにして輻射されますので。

EMC
対策を望みます。メーカーの対応に期待。

(略)
2012-07-16 14:49

********************

6
ヶ月後に、対策によって解決した模様。
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ソーラー発電ノイズ(8) 速報版:解決!

本日、対策工事2の効果確認をしました。
結果的に「成功」しました。

30dB
1/1000)のノイズ低減に成功!
アパート運営会社、パワコンのメーカー共に、とても親身になって対応してくれました。
本日より、運転再開をOKしました。

細かい話、裏話はたくさんあるのですが、整理してから報告しようと思います。
しばしお待ちください。

ソーラー発電ノイズ(8) ←イマココ
http://bwt.blog.so-net.ne.jp/2013-03-16-2

sawada at 2013-03-16 17:12
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3.10. アマチュア無線への妨害対応例‐2 2013


http://jp1lrt.asablo.jp/blog/cat/solar/
にあった内容 から一部引用

*********************
至近距離に太陽光発電が・・・ ― 20130712 013626

太陽光発電システムからのノイズ障害に関する記事を書いてきました。
その自分が極至近距離 (30m)に太陽光発電システムを備えた新築家屋ができる事態に遭遇しました。
問題解決まであえて記事にしていなかったのですが、竣工後特別問題が発生しなかったので記事にしたいと思います。

2013
年の2月初旬、近所のお宅が建て替えを始めました。
看板が立ち、施工主の表記があったのでメモを取り電話にて 「太陽光発電システムの有無」 を確認しました。
その結果太陽光発電システムを設置、しかも蓄電システム付きを設置するとの回答を得たため、当方がアマチュア無線局を至近で開設しており、ノイズ障害を受ける可能性について説明し対処を要請しました。

(略)

当方がお願いをした施策は以下の通りです。
1)パワコンを建物の対角位置に設置
2)ノイズを出しているケーブルをシールドして直下に等電位接地

施工主サイドから得た回答では
・今回のパワコンは屋内に設置されていて、屋外に対してノイズが出にくいであろう。
・当社の蓄電池ストッカー内の鋼製の棚板にパワコン及び蓄電池を納めることから、多少はシールド効果があると思われる。

(略)

先日竣工し、ほぼ同時に売電も開始したそうです。
仮住まいからオーナーも戻ってきて普通に生活を始められました。
数日間モニターをしてみましたが、太陽光発電システム化のノイズらしき物は確認できませんでした。

ノイズまみれになってしまうのではと恐れていましたが、その事態は避ける事ができました。

施工主のハウスメーカーには、今回の事例はグループ会社でノウハウとして共有して欲しいとお願いしました。
ちなみにハウスメーカーは積水ハウスです。
(略
*******************


 

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3.11.アマチュア無線への妨害対応例‐3 2008

 

http://jl1oxh.blog.so-net.ne.jp/2008-05-14 にあった内容 一部引用

************   **************
PLC
より怖い住宅用太陽光発電ノイズ その2 [電波障害]

(略)

ノイズ発生に思い当たる節があります。

お隣の広い土地に隣家の身内の方が新築の1戸建てを、建築されています。
ぼほ、完成状態になり引渡し目前と聞いていました。
また、23日前から電力会社からの電力供給が開始された様子でした。
隣の新築屋根には、太陽光発電のパネルが載っており、直感的に、太陽光発電からのインバーターノイズかも?と・・・

新築の家には、まだ引渡されてないようなので、身内の方は住んでいらっしゃらないようです。
翌日、以前から住んでいる隣家を尋ねて、新築宅から無線機への電波障害が発生しているようだとお話しました。
すぐに、建築施工会社の担当者が訪ねてこられ、確証があるわけではないが、太陽光発電からのノイズ可能性をお話しました。
検証をするため、一人の方がシャックの無線機の前で立ち会って頂き、もう一人の方に新築のメインブレーカーを切ってもらいました。
すると、今まで「ピロピロ」とバンド全体S7程度のノイズが、波が引くように、消えてくれたのです。

同時に、どこに原因があるか個別のブレーカーを切って探ったところ、太陽光発電のブレーカーが繋がるとノイズが発生することがわかりました。
建築会社の担当者もノイズの原因が新築の太陽光発電にあることが、確認でき判明しましたので、メーカーに対策依頼をすることを約束していただきました。
また、当面の間、太陽光発電用ブレーカーは、遮断しますとなりました。

対策
太陽光発電装置は、京セラでした。
京セラの対応は、大変 紳士的でありました。
ノイズ発生直後、2,3日後に東京本社から担当者が来訪して、ノイズの発生状況に関して説明をしました。
京セラの担当の方は、なんらかの形で障害対策をする約束をして頂きました。

(略)

10
日後、京セラから連絡が入り、JARLとの共同実験での成果は、「パワーコンディショナ」と室内のコントロール(発電量の表示するパネル)接続するケーブルを取り外すとノイズレベルが若干下がることは判明したそうです。
また、京セラからノイズの発生元は太陽光発電の心臓部である「パワーコンディショナ」であり、その部品に使われている「IGBT」が主な原因であることも同時に判明したとのことでした。

最終的な対策

共同実験から1ヶ月後、京セラから連絡が入り、電波暗室等でデータ取りした結果、現在使用している最新パワーコンディショナとモデルの古いパワーコンディショナを比較したところ、古いモデルではノイズが下がったので、交換後の実験をしたいとの申し出がありました。

最終対策日 当日
まず、パワーコンディショナとRS232Cで接続されている室内端末機とのケーブルを切り離すと、S-2程度ノイズレベルが全周波数的に下がりました。
次に、メインの対策であるパワーコンディショナを古いモデルに交換して発電させると、嘘のようにノイズがなくなりました。
ノイズ帯域が変わった可能性もあるので1.950Mhz144430MHzと聞ける範囲のアマチュアバンド内を聞きましたがノイズは確認できませんでした。

以上のように4ヶ月かかって太陽光発電から発するノイズはなくなりました。
この対策により、隣家は古いモデルのパワーコンディショナの設置を快諾してくれました。
しかし、機器交換となりましたので電力会社との買電契約が再申請とのとで、太陽光発電の稼働はさらに1ヶ月後になったそうです。

以上の経緯で私の太陽光発電ノイズ対策は解決しました。
解決には、隣家、建築会社、メーカー、JARLと様々な方のご理解と対策に対する取組みがあって解消されました。
関係各位に感謝いたします。

(略)
2008-05-15 02
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3.12CISPRのドラフト


パワーコンディショナに関して、国際規格の制定作業が進行中である。
この国際規格CISPRは電気通信などへの妨害を規制することを目的としているので、周波数が30MHz以下の帯域に関して、輻射Dと輻射Eの規制として、DC端とAC端側の漏れる伝導ノイズで規制している。
また、30MHzより高い周波数に関してのみ、輻射Cとして、機器から10mと言った距離での、遠方界としての、電磁波輻射を規制している。

この国際規格には、機器の近傍における人の電磁波曝露の規定は含まれていない。
そうした人の電磁波曝露の規定策定は、CISPRの作業には入っていない。

関心のある方は、制定中の規格を読んでください。
規格:CISPR11 6.0FDIS(最終原稿)


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3.13.伊賀市のサイトにあった市民の声に対する市の回答


http://www.city.iga.lg.jp/sansei/quest/quest_130.asp?faq=72157423
にあった内容
その一部を引用

****************

Q
:ゆめがおかメガソーラー事業について
ゆめがおか住民の反対があるにもかかわらず何故住民の声を聞き間に入ってくれないのですか?
何故容認しているのですか?
市長のお考えの通り地区計画によるまちづくりを前提にすんでいる住民が多数です。
その住民の声を何故聞いてもらえないのですか?
納得のいく説明をしに来てもらえないのですか?
またメガソーラーに関して電磁波問題は避けては通れない問題です。
電磁波については一概に黒と断定し得ないが、疫学研究の結果、高圧線の近くの住民で、白血病は3倍、小児ガンは約2倍多い等の結果が出ているような物を伊賀市の住宅街に設置するのですか?

A
○地区計画によるまちづくり
今回の「ゆめがおかメガソーラー」事業計画については、近畿日本鉄道梶i以下「事業者」という。)が企業活動として取組んでいるもので、これまで三重県及び当市への説明もありましたが、国において太陽光発電事業実施にあたっての法制度等が整備され、法規制等の制約が無いことから、同社が主体的に取り組んでいる事業を中止させることはできません。

(略)

○電磁波について
電磁波は、送電線などの電力設備や、テレビ・冷蔵庫などの家電製品のまわりから発生するもので、人の健康に何らかの影響を与えるのではないかとの議論がありますが、日常生活で浴びる電磁波の強さは、国際的なガイドラインに基づいた規制値が定められており、さらに伝搬距離によってその強さが減衰する、距離減衰と言われる性質もあることから、電力設備や家電製品から発生する電磁波は、その規制値より十分低いものです。
また、WHO(世界保健機関)をはじめとする国内外の公的機関の見解では、短期的な影響は、科学的に確立されていないことから、国際的なガイドラインを採用すること、長期的な影響の可能性については、全体として小児白血病に関連する証拠は、因果関係とみなせほど強いものではなく、また、その他の病気への影響については、小児白血病に関連する証拠よりもさらに弱いとされています。
このようなことから、居住環境における電力設備からの電磁波は、人の健康に有害な影響を及ぼすこととは考えにくいですが、設置される周辺地域の皆様の健康に関わる問題であるため、事業者には、市民の皆さんの不安を解消するよう、国内外の状況や当該敷地内の電磁波の状況、メガソーラー事業の安全性について情報提供に努めるよう事業者へ要請いたします。

*************************

この質問を見ると、太陽光発電設備に関連して、機器などからどのような周波数の電磁波が問題か・・・問題にすべきか・・・・といったことを、質問者(住民)はきちんと理解していないように見える。


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3.14.平成152003年のNEDOの報告


以下の報告書がある。
「太陽光発電システム共通基盤技術研究開発」中間評価報告書
平成15年8月
新エネルギー・産業技術総合開発機構 技術評価委員会

この中に、電磁波に関連して、以下のような記述がみられる。
一部 引用。

*******************

太陽光発電システムの電磁環境性に関する研究開発 は平成13年度から平成15年度にかけて行われた。

4.
太陽光発電システムの電磁環境性に関する研究開発
太陽光発電システムの電磁環境適合性測定手法等に関する調査をもとに、IEC61000 シリーズを仮の指標として評価項目と基準を設定し、各種測定条件のもとでエミッションおよびイミュニティ測定を実施した結果、太陽光発電システムの電磁環境両立性に関する試験方法の一次案を作成した。

PV
システムにはインバータが用いられているため、PVシステムから放射される電磁雑音や他の電気製品等からPVシステムへの電磁雑音があり、今後の普及拡大時には、PVシステムからのエミッションによる受信障害や家電製品等、特に医療機器への異常・誤動作等の悪影響、他の電気製品からの電磁妨害によるPVシステムの誤動作(停止)の影響も懸念される。
しかし、現在までのところ、IECJISにおいて、PVシステムの電磁雑音に関する規格化は進められていない。

(4)
太陽光発電システムの電磁環境性に関する研究開発:財団法人電気安全環境研究所 で行う。

2.4.2 EMC
に関する現状の定量的把握と許容限界の検討
EMC
測定手法およびその評価などに関する知見を得ることを目的として、IEC61000 シリーズを指標とした場合の現行パワーコンディショナのEMC測定を実施した。
(1)
エミッション測定
2.4-2 に示す条件で、9kHz1GHzの周波数範囲における放射妨害測定を実施した。
測定の結果、全ての供試機器で表2.4-3に示すIEC61000シリーズで定められている住宅環境の限度値を超過することが確認された(図2.4-1)。

 

伝導妨害測定は、9kHz30MHzの周波数範囲の測定を実施した。
測定の結果、IEC61000シリーズで定められている住宅環境の限度値を超過することが確認された(図2.4-2)。
なお、直流側の伝導妨害測定では、測定に使用するピックアップの対地間インピーダンスの影響によって測定結果が異なることがわかった(図2.4-3)。
また、基本波から第40次までの高調波測定では、IEC61000 シリーズの限度値を超過する供試機器が確認された(図2.4-4

(3) 実運用状態の太陽光発電システムのエミッション測定
実際の運転条件における太陽光発電システムからのエミッションを確認するため、財団法人電気安全環境研究所(JET)横浜事業所に導入したPVシステム(表2.4-5)からの放射妨害測定を実施した。
実測結果(図2.4-5)かJET横浜事業所では、通常無線や一般放送等によるバックグランドノイズが大きいため、確認できた放射妨害波は、低い周波(9kHz30MHz:特に9kHz50kHz付近)であり、パワーコンディショナの動作周波数(10kHz付近)であることが分かった。

(1)
太陽電池からの放射効果実験
パワーコンディショナで発生した電磁雑音が、太陽電池モジュールを通して空間へ放射するものであるか、また、太陽電池モジュールが外部からの電磁雑音を受けるものであるかを確認するため、外部からの電磁雑音等の影響を考慮し電波暗室にて、実際の太陽電池モジュールへ高周波信号発生器によって強制的に高周波を印加する太陽電池の放射効果の実験を行った(図2.4-6)。
実験の結果、周波数によって測定値は異なるが、図2.4-7に示すように太陽電池モジュールから電磁波が放射することが確認された。

(2)
電線からの放射効果実験
パワーコンディショナで発生した電磁雑音が電線を通じて空間に放射されるかを確認するため、パワーコンディショナに添付している設置工事書(製造側で推奨する電線)や実際のPVシステムで利用されている電線を考慮し、キャブタイヤケーブル(撚り線)とVVFケーブル(平衡線)を用いて電波暗室を利用し高周波信号発生器によって高周波を印加する実験を実施した(図2.4-8)。
実験の結果、電線からの放射効果が確認され、また、電線同士が平衡に配置されたVVFケーブルの方が、撚り線であるキャブタイヤケーブルと比較して放射量が大きいことが確認された。

(3)
パワーコンディショナ放射妨害測定における電線の影響
実際のPVシステムは、各製品が離れて設置されており、製品間を接続する電線の長さは設置状況等によって異なる。
このため、パワーコンディショナの放射妨害測定における電線の影響を確認するため、キャブタイヤケーブルとVVFケーブルの二種類のケーブル(長さ5m及び2m)を用い、電線の相違及び長さの相違による影響を確認した。測定状況を(図2.4-9)に示す。
測定結果から、電線の相違による放射妨害測定結果への明確な影響は確認されなかった(図2.4-10)。

(4)
パワーコンディショナ放射妨害測定における出力の影響
PV
システムの出力は、太陽エネルギーを利用しているため天候等によって左右される。
この運転出力の影響を確認するため、パワーコンディショナの運転出力を変化させ(100%50%25%)放射妨害を測定した。
測定結果からパワーコンディショナは、運転出力の相違による放射妨害発生量に有意な変化がないことが確認できた(図2.4-11)。
また、パワーコンディショナの運転出力を変化させ(100%25%)イミュニティ試験を実施した。
測定結果から運転出力の相違によるイミュニティ試験結果に影響するような有意な変化がないことが確認できた。

(5)
パワーコンディショナ放射妨害測定における電源種類の影響
PV
システムのパワーコンディショナのEMC測定には、太陽電池が必要であるが、設備の大きさ等から太陽電池を使用することは非現実的である。
このため、太陽電池に代わる電源として、太陽電池と蓄電池を用いて放射妨害等を測定比較した。
測定結果(図2.4-12)から、太陽電池と蓄電池ではパワーコンディショナの放射妨害の測定結果に大きな相違が確認されなかった。

各実験及び測定結果から、測定手法開発のために必要な以下の知見が得られた。
@太陽電池及び電線はアンテナ効果を有することが分かった。
このため、太陽電池や電線からのアンテナ効果による電磁妨害が、それぞれのサイトにおける環境許容値を超えないように、発生源であるパワーコンディショナから放射しないよう、また、外部からの電磁妨害等が太陽電池や電線を経てパワーコンディショナへ影響しないようにする必要があることがわかった。

A電線の種類の相違及び長さの相違による放射妨害への明確な影響は確認されなかった。
このため、イミュニティ試験の伝導性妨害試験では試験装置の設置条件から、電線の長さを極力短くする必要がある場合は注意する必要があるが、エミッション測定では、電線の種類及び長さを測定条件の要求事項として必要ないことが示された。
B運転出力の相違による放射妨害への明確な影響は確認されなかった。
このため、エミッション・イミュニティ測定の条件として、低出力時においても評価が可能であることが示された。
C太陽電池と蓄電池による放射妨害測定結果への影響は確認されなかった。
このため、EMC 測定への蓄電池の代替電源としての可能性が示された。

***********************

関心のある方は、原文を入手して読んでください。

また 同じNEDOのサイトにあった資料の一部引用です。

*********************
1回「太陽光発電システム共通基盤技術開発」(事後評価)分科会資料64から

 

<注:PCSパワーコンディショナから放射する電磁界が2003年頃に測定した国内メーカー1010機種(住宅用)で全て、目標とした規定値を超えていた、ということがわかる。

*****************

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3.15.中間のまとめ


3.1
から3.14項まで、入手できた範囲での太陽光発電・パワーコンディショナに関する電磁波の資料の概要を紹介した。
パワーコンディショナに人が近接した場合の、インバータ周波数の電界・磁界に関する情報が皆無であることに驚く。

 

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4.本日のまとめ

 

 

 

図に太陽光発電に関する略図を示す。

大ざっぱに言えば、太陽光パネル、パワーコンディショナ、AC交流負荷と、それらを結ぶ線(配電線・送電線)から成り立つ。
太陽光パネルではDCの電力を発生させる。DC電力はパワーコンディショナでDC-ACに変換される。
AC
に変換された電力は、家庭内の電気供給の源になったり、電力会社の送電線・配電線に接続されたりする。

・輻射A
矢印A(輻射A)に示したように、太陽光パネル本体と、パワーコンディショナに接続される電送路には、直流電流が流れる。
この直流電流によって、直流磁界が発生する。
太陽光パネルで直流電圧が発生するので、直流電界も発生する。
前述のように、これらの電磁界輻射のレベルは実測などによって確認されており、BEMSJの観点からは、ヒトへの健康影響は気にするレベルではない。
磁気コンパスを近づければ、直流磁界(静磁界)の発生によって、方角は狂うであろう。

・輻射B
矢印B(輻射B)に示したように、パワーパワーコンディショナーでは、直流電力を変換する。
変換する為に、直流から一度50kHzと言った中間周波数の電力に変換し、更に交流50Hzもしくは60Hz の電力に変換する。
直流を一気に5060Hzに変換することは不可能ではないが、困難さもあり、たぶん、こうした手法は実用化されていないと言える。
前述のように、太陽光発電システムにおける電磁波は、インバータを用いたパワーコンディショナが発生源であることが判った。

従って、パワーコンディショナからは、中間周波数の電界・磁界が発生する。
住宅用のパワーコンディショナに人は近接する。
近接した時に、インバータ周波数の電界曝露限度値は、ICNIRPの一般公衆向けの電界に関する限度値は、1998年版で87V/m2010年版で80V/mになっている。
BEMSJ
が調査した範囲において、この規定に適合していることを確認したデータ・情報は見つからない。大丈夫なのであろうか?
パワーコンディショナの外側が金属製筐体で覆われていれば、内部にあるインバータ部分に印加されている1000Vp-pかもしれない大きな電圧印加部分からの電界放射が、シールドされて、外部には漏れないかもしれない。
もし、パワーコンディショナがモールド・プラスチック製の筐体で覆われているとすれば、大きな電界漏洩となるかもしれない。

パワーコンディショナからのインバータ周波数の磁界漏洩も、近接した距離における、その漏洩の大きさに関する情報も、皆無である。
ただし、インバータ周波数の磁界が外に大きく漏れるということは、パワーコンディショナの性能を悪くすることに直結するので、たぶん、さほどの漏洩はないと、BEMSJは想像する。
出来れば、確認が欲しい。

またこの中間周波数の高次の高調波や、各種制御回路などからの高周波電磁界が発生する。
これは電磁波として、外に放射する。
この放射は、他の電気通信への電波障害を念頭においた遠方界の規定による放射規制として、行われるであろう。
こうした規制が行われれば、電気通信への妨害は避けられると同時に、ヒトの健康影響もないと言えるので、BEMSJとしては、これ以上の言及はしない。
アマチュア無線の受信にパワーコンディショナは妨害を与える。

・輻射C
矢印C(輻射C)に示したように、パワーコンディショナから交流負荷を結ぶ配電線・送電線からは、50Hz60Hz の電界・磁界が発生する。
これらからの電磁界に関しては、一般的な「送電線からの電磁界曝露」と同準に扱えば良い。

・輻射D 輻射E

矢印Dに示すように、パワーコンディショナ内部から中間周波数・高周波の電磁界が、太陽光パネルに接続されている伝送路に、線に重畳するノイズとして、伝わっていく。
また同時に、矢印Eに示すように、交流負荷側にも、交流の電気配線に重畳するノイズとして、伝わっていく。
これらの線に重畳するノイズは、電気通信などには影響が出るかもしれないが、BEMSJの観点からは、ヒトへの健康影響は気にするレベルではない。
この輻射D、輻射Eはアマチュア無線の受信に大きな妨害を与えると思われる。
仮にCISPRなどでこれらの輻射Dと輻射Eが規制されたとしても、アマチュア無線の受信に影響を及ぼさなくなる、とは断言できない。

・以上のことを勘案すると、BEMSJ
パワーコンディショナに近接した時のインバータ周波数の電界曝露に健康影響の観点からは危惧を抱き、アマチュア無線の受信への妨害は、永久に片付かない問題として残ると、思う。

ことわり:
BEMSJ
はこの太陽光発電に関する実務などの経験はなく、生の情報にも触れてきていない。
入手可能な情報でこのページをまとめてある。
関係者から見て、修正・補正・加筆すべきことがあれば、BEMSJ宛に連絡して下さい。

 

 

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52016年Intereference Techに掲載された電磁波輻射の問題

記:2016−11−17

以下の報道がある。太陽光発電設備からの電磁波輻射によるアマチュア無線への影響は、日本だけではない。
Interference Tech
のサイトにあった情報です。

******************
エミッションを発生するソーラーシステム

オランダのアマチュア無線連盟「VERON」は、住宅地での太陽電池パネル設備がスペクトラム汚染を引き起こしているというレポートを出した。
太陽電池パネル設備などEU内の電気システムは、EUEMC規格に適合しなければならない。
こういったソーラーシステムには太陽電池パネル、インバータ、周辺の配線などが含まれている。

ARRL.org
によるとVERONのレポートは、「このエミッション限度がほとんどの場合超過していることがわかった」というEU EMC Administrative Cooperation Working Groupが2014年に欧州14ヵ国で実施した調査を引用している。

太陽電池パネル設備が急増するにつれてインバータが発生するノイズもますます増えるだろう。
VERON
のウェブに掲載された報告書によると「太陽電池パネルに接続されているインバータの調査では、2014欧州EMCエミッション要求に適合していたのは33%だけだった。

アマチュア無線家が太陽電池パネル設備から発生する妨害を被ることが増えている事実からも、状況がほとんど改善されていないことは明らかである」という。

また、妨害が極端になりアマチュア無線スペクトラムの広範囲にわたる可能性もあると指摘されている。
(略)
2016/07/14
****************************

 

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6.太陽発電をめぐる裁判の例

記;2017−2−16
以下の裁判例を見つけました、電磁波は格別に論点にはなっていない様です。

*********************
毎日新聞 20151029日 
◇長野地裁伊那支部判決 反対住民が勝訴

長野県伊那市の大規模太陽光発電所の建設計画が反対運動で縮小を余儀なくされたとして、設置会社が住民男性(66歳)に6000万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が28日、長野地裁伊那支部であり、望月千広裁判官は請求を棄却した。
さらに望月裁判官は、男性が「反対意見を抑え込むための提訴だ」として同社に慰謝料200万円を求めた反訴について、「会社側の提訴は裁判制度に照らして著しく正当性を欠く」と判断し、同社に慰謝料50万円の支払いを命じた。

企業などが批判を封じるため乱用する訴訟は「スラップ訴訟」と呼ばれ、問題化している。
男性側弁護士によると、提訴自体の違法性が認められるのは異例という。
設置会社は伊那市の片桐建設。同社代理人は「判決文を見て、今後の対応を検討する」としている。
判決は、同社が「誹謗中傷に当たる」と主張した住民説明会での男性の発言について、「住民が反対意見や質問を述べることは当然で、違法性はない」と指摘。

同社が提訴した経緯について「男性は工事への妨害もしておらず、言動に不当性があるとは考えにくい。個人に多額の損害賠償を求めており、被害回復が目的の提訴とは考えがたい」と批判した。
判決などによると、発電所(約1メガワット)は20133月から3回の住民説明会を経て、144月に稼働した。
同社は同年2月、男性が客観的・科学的根拠がない情報で地元住民をあおり、計画の一部を断念させたとして提訴。
男性は同年8月に反訴した。
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