交通安全環境研究所のWEBにあった報告書「水間毅ら:鉄道の磁界に対するEMCについて」2003年にあった図を以下に引用します。
この図で、筆者が?をつけてありますが、電車への電源供給が直流(直流き電)であから、電車の架線から発生する磁界が直流磁界であるとするのは、誤りです。
電圧は直流ですが、どういう電流が流れているか、時間で変動する電流が流れていれば、それらの電流によって、交流磁界が発生します。
同じWEBにあった磁界の実測例です。 以下に引用します 。
この図を見れば、直流磁界だけではなく、60Hz交流磁界そして、360Hzや720Hzそして900Hzといった交流磁界が電車の中や、駅のホームにあることがわかる。 電車の中や、プラットホームでは、60Hzの磁界より360Hz磁界が大きいことに気がつきます。
電車の中での磁界を測定するには、こうした周波数を知り、それらの周波数を測定できる測定器を選択する必要があります。
韓国の新幹線というか高速鉄道はフランスのTGV方式です。
*この高速鉄道が開通してまもなく、以下のような報道がありました。
Digital
Chosunibo (日本語版)のWEBの2004年4月21日号によれば
http://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2004/04/21/20040421000004.html
2004−4−21のログ
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2004/04/21 07:48
「高速列車内の磁場、乗客の健康に脅威」
高速列車内の磁場が、健康に危険な水準だという測定結果が出た。
21日、漢陽(ハンヤン)大学・環境産業医学研究所内の電磁波生体影響研究チームによれば、今月3日と6日、高速列車を乗りながら磁場発生量を測定した結果、客車と客車の連結通路で最高400mG(60Hz)、平均100mGの磁場が測定された。
(略)
チョソン・ドットコム
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*同じチョソン・ドットコムにあった内容
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2004/04/27 13:44
鉄道庁「KTX内の電磁波、人体に無害」
鉄道庁は専門機関と合同で診断した結果、KTX車両内で発生する電磁波は人体に無害であることが再確認されたと、26日発表した。
鉄道庁によれば、韓国電気研究院、鉄道技術研究院と合同で、今月22日、ソ〜釜山(プサン)を運行するKTXで電磁波を精密測定した結果、客室は1〜50mG、客車の連結通路は10〜80mGと、国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)、世界保健機関(WHO)などの勧告基準833mGを大きく下回ったとした。
チョソン・ドットコム
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アブストラクトを仮訳 作成: 2005−1−28
タイトル:Flight deck magnetic fields in commercial aircraft
商用飛行機の操縦席の磁界
研究者:Nicholas J.S, Butler G.C, Lackland D.T, Hood W.C.
Jr., Hoel D.G. and Mohr L.C. Jr.
掲載誌:American Journal of Industrial Medicine 2000 38:5
(548-554)
Background: Airline pilots are exposed to magnetic fields generated by the
aircraft's electrical system. The objectives of this study were (1) to directly
measure flight deck magnetic fields in terms of personal exposure to the pilots
when flying on different aircraft types over a 75-hour flight-duty month, and
(2) to compare magnetic field exposures across flight deck types and job
titles.
背景:飛行機の操縦士は飛行機の電子機器システムから発生する磁界に曝露している。この研究の目的は1)月75時間にわたる飛行勤務時間に様々な機種に搭乗する操縦士が、操縦席で受ける磁界の個人曝露量を測定すること 2)操縦席の形式や職種間の磁界曝露量を比較する、ことである。
Methods: Measurements were taken using personal dosimeters carried by either
the Captain or the First Officer on Boeing 737/200, Boeing 747/400, Boeing
767/300ER, and Airbus 320 aircraft.
方法:ボーイング737/200、747/400、767/300ER、そしてエアバス320に搭乗する機長もしくはFirst Officerが個人曝露計を身に付けて、測定を行った。
Results: Approximately 1,008 block hours were recorded at a sampling frequency
of 3 seconds. Total block time exposure to the pilots ranged from a harmonic
geometric mean of 6.7 milliGauss (mG) for the Boeing 767/300ER to 12.7 mG for
the Boeing 737/200.
結果:約1008時間の測定が、3秒間隔で行われた。操縦士の磁界曝露の幾何学的平均は、ボーイング767/300ERにおける6.7mGから、ボーイング737/200における12.7mGの範囲であった。
Conclusions: Measured flight deck magnetic field levels were substantially
above the 0.8-1 mG level typically found in the home or office and suggest the
need for further study to evaluate potential health effects of long-term
exposure.
結論:操縦席における磁界は、家庭や事務所における典型的な値より0.8−1mG高い。長期曝露による健康への影響を評価するために、さらなる研究が必要である。
以下の研究がある。
論文名:Mortality
from Cancer and Other Causes among Airline Cabin Attendants in Germany,
1960-1997
ドイツの航空乗務員における癌とその他の死因
研究者:Maria Blettner, Hajo Zeeb, Ingo
Langner, Gael P. Hammer and Thomas Schafft
From the Department of Epidemiology and
Medical Statistics, School of Public Health-WHO Collaborating Center,
University Bielefeld, 33501
Bielefeld, Germany.
掲載誌:Am J Epidemiol 2002; 156:556-565.
Airline cabin attendants are exposed to
several potential occupational hazards, including cosmic radiation.
航空乗務員は、宇宙線(電離放射線)を含むさまざまな職業的な曝露を受けている。
Little is known about the mortality
pattern and cancer risk of these persons.
これらに関して、癌のリスクなどの状況は知られていない。
The authors conducted a historical
cohort study among cabin attendants who had been employed by two German
airlines in 1953 or later.
ドイツの航空会社2社に1953年以降に勤務した航空乗務員を対象としたコホート研究を行った。
Mortality follow-up was completed through
December 31, 1997.
死因の調査は1997年末に完了した。
The authors computed standardized
mortality ratios (SMRs) for specific causes of death using German population
rates.
ドイツの標準的な死亡率と比べて、航空乗務員の標準化死亡率比SMRを計算した。
The effect of duration of employment
was evaluated with Poisson regression. The cohort included 16,014 women and
4,537 men (approximately 250,000 person-years of follow-up).
対象となったコホート集団は、女性16,014名、男性4,537名で、約25万人年の規模である。
Among women, the total number of deaths
(n = 141) was lower than expected (SMR = 0.79, 95% confidence interval (CI):
0.67, 0.94).
女性の全死亡は、141名で、期待したより低く、SMR 0.78であった。
The SMR for all cancers (n = 44) was
0.79 (95% CI: 0.54, 1.17), and the SMR for breast cancer (n = 19) was 1.28 (95%
CI: 0.72, 2.20).
全癌(44名)では、SMRは0.79、乳がん(19名)はSMR 1.28(95%CI;0.72-2.20)であった。
The SMR did not increase with duration
of employment.
勤務年数の増加によってSMRは増加しなかった。
Among men, 170 deaths were observed
(SMR = 1.10, 95% CI: 0.94, 1.28).
The SMR for all cancers (n = 21) was
0.71 (95% CI: 0.41, 1.18).
男性では全死亡(170名)で、SMRは1.10(95%CI:0.94−1.28)であり、全癌(21名)のSMRは0.71であった。
The authors found a high number of deaths
from acquired immunodeficiency syndrome (後天性の免疫欠乏症?)(SMR
= 40; 95% CI: 28.9, 55.8) and from aircraft accidents among the men.
男性の間に、後天性免疫欠乏症による死亡が高い(SMR 40)ことがわかった、航空事故による死亡も多い。
In this cohort, ionizing radiation
probably contributed less to the small excess in breast cancer mortality than
reproductive risk factors.
電離放射線は、生殖への影響に比べて、乳がんのリスクをほとんど増加させない(もしくは増加させるとしても小さい)。
Occupational causes seem not to
contribute strongly to the mortality of airline cabin attendants.
職業的な環境因子は、航空乗務員の死亡率に大きな影響を与えていない。
BEMSJ注:
航空乗務員(特に操縦士)は宇宙線だけではなく、操縦席に満載されている各種電子機器からの電磁波による曝露を受けているので、何か電磁波の影響を受けているかもしれないと危惧する声がある。
東京新聞2004−3−19の記事にあった内容の一部を紹介します。
興味のある方は、以下のWEBを参照してください。
http://www.tokyo-np.co.jp/00/ken/20040319/ftu_ken_001.shtml <リンク切れ>
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愛・地球博 『リニモ』は大丈夫 ペースメーカ装着者
心臓の病気でペースメーカを埋め込んでいる人にとっては、電磁波が出る機器は、誤動作を起こさせる心配の種だ。「愛・地球博」(愛知万博)会場への主要な交通手段となるのは、国内で初めて実用化された磁気浮上式リニアモーターカーの「リニモ」。ペースメーカ利用者は乗っても大丈夫なのだろうか。
ペースメーカと電磁波・電波の安全性について愛知医科大循環器内科の水谷登助教授に聞いた。(稲田 雅文)
(略)
リニモの電磁石などがペースメーカ本体に影響しないことは分かっていたが、水谷助教授は昨年五月、「人体に装着した状態で影響がないか」を、生理食塩水で満たした心臓の模型を用意し、体内に埋め込んだ環境を再現して調査した。
名古屋市南区の実験線の車両内で、動力設備付近の座席での影響を調べたほか、浮上した車両付近や、目の前を車両が通過した場合などさまざまな状況を想定して影響度をはかった。
結果、心電図に問題となるような影響は認められず、誤動作も起こらなかった。水谷助教授は「今回調査した条件では、ペースメーカを装着している人が乗っても問題ないと考えられます」と話す。単極方式の古い機械は、あらためて実験する必要があるという。
〔略)
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記:2009−6−26
ペースメーカ友の会の会報「かていてる」Vol.35 No,6(2004年発行)に詳細な報告が掲載されています。
一部を引用します。
関心のある方は原文を入手して読んでください。
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タイトル:常電動リニアモーターカーが植え込み型不整脈治療機器に与える影響
研究者;愛知医科大学循環器内科 水谷登
近年ペースメーカ植え込み患者への電磁障害の懸念が話題に上ることが多い。
この会でも日常生活や病院さらには職場の環境下におけるペースメーカと電磁障害の可能性について述べてきた。
今回は近く交通手段として登場するリニアモーターカーがペースメーカ植え込み患者にどのような影響を与えるかに関して我々がおこなった調査の結果を報告する。
磁気浮上式リニアモーターカーはすでに上海で営業運転が行われているが、我が国でも2005年に名古屋市郊外で国際博覧会(2005年愛知万博)が予定され、この博覧会会場への交通手段のーつとしてリニアモーターカーが使用される予定である。
このリニアモーターカーは上海を走っているものと同じ方式をもつ常電動リニアモーターカーで東部丘陵線の名称で地下鉄藤ケ丘駅から万博会場の八草駅間を走る。
しかし、ペースメーカや植え込み型除細動器を装着した患者にリニアモーターカーが与える影響に関しての報告は極めて少ない。
そこで、我々は愛知高速交通株式会社、中部HSST開発株式会社、愛知県企画振興部交通対策課の協力を得て常電動リニアモーターカーが植え込み型不整脈治療機器に与える電磁障害の影響を検討したので報告する。
常電動リニアモーターカーの植え込み型不整脈治療器に与える電磁障害の影響を以下の機器で検討した。
対象となったペースメーカは6 社7機種、植え込み型除細動器(ICD)としては2社2機種を用いた。
いずれの機種も極性を双極と単極にそれぞれ変更して用いた。
電界の測定にはChase社EMC-20を、磁界測定は低周波帯にCombinova社MFM-10(周波数帯域:5Hz-2kHz)、高周波帯にCombinova社MFM-1000(周波数帯域:2kHz-400kHz)を用いた。
リニアモーターカーの電磁障害を次の条件 @着地状態で列車から4Ocm離れたホーム上、列車が浮上した状態で4Ocm、15Ocm離れたホーム上、 A 列車停車時ならびに走行時にVVVFインバータおよびフィルタリアクトル近傍の床から約5Ocm離れた座席上、 B列車通過時の4Ocm離れたホーム上、 C浮上している列車への乗降、D列車すれ違い時で測定した。
電界と磁界の測定結果:
|
低周波磁界(mT) |
高周波磁界(nT) |
電界(Volt/m) |
列車から40cm(着地) |
0.12 |
0.055 |
0.046 |
列車から40cm(浮上) |
0.20 |
0.165 |
0.054 |
列車から150cm(浮上) |
0.20 |
0.054 |
0.062 |
乗車 |
0.13 |
0.093 |
0.92 |
VVVFの近傍、座席(移動中) |
0.13 |
48 |
2.95 |
VVVFの近傍、座席(停車) |
0.04 |
110 |
0.36 |
Reactorの近傍、座席(移動中) |
0.09 |
48 |
2.45 |
Reactorの近傍、座席(停車) |
0.05 |
123 |
1.46 |
結果:
常電動リニアモーターカーが植え込み型不整脈治療機器に与える影響を検討した我々の試験は人体に限りなく近い状況で行なわれた初めての試験であった。
今回の試験結果をまとめてみると、試験対象機器を臨床使用と同様な設定で行った検討ではペーシング不全、センシング不全や不整脈の誤認は起らなかった。
また、各試験前後に行ったテレメトリーの結果から電磁障害によるプログラムの変更、不整脈誤認によるautomatic
mode switching の作動やICDの作動は認めなかった。
以上より、我々 の検討は限られた状況下、限られた機種を用いて行った試験ではあったが、植え込み型不整脈治療機器を装着した患者が常電動リニアモーターカーを安全に利用できることを示唆したものであった。
今回の検討結果は電界、磁界においては全く問題がなかった。
HSST とS Maglevでは全く異なった様式を採用しているので両者をリニアモーターカーという同一の概念で考えることは危険である。
当然ではあるが今回のHSSTを用いて検討した結果が、S Maglevに当てはまることはないと考えている。
********** ***********
また、同じ内容が、論文の形で、以下の雑誌に掲載されています。
関心のある方は原文を入手して読んでください。
掲載誌:J Artif Organs (2005) 8:154–160
タイトル:Influence of electromagnetic interference on
implanted cardiac arrhythmia devices in and around a magnetically levitated
linear motor car
研究者:Motoyuki Fukuta, MD ·
Noboru Mizutani, MD Katsuhisa Waseda, MD
BEMSJのコメント:
この研究の中に、実際の電磁界(電磁波)の測定結果として公開されている数字を見て、私は、驚愕しました。
誰も、2004年・2005年に発行された上記の報告を読んで、今まで、気がつかなかったのでしょうか?
低周波磁界の測定結果として、0.1mTを超え、0.2mTという数値が出ています。
測定器は、わたしも昔使用したことのあるコンビノーバ社の測定器で、対象周波数範囲は5Hzから2000Hzまでです。
ICNIRPの電磁界ガイドライン(1998年)の一般公衆の曝露基準値はなんと 50Hzの磁界に関しては、0.1mTです。
即ち、上記の報告は、心臓ペースメーカこそ誤動作させなかったものの、ICNIRPの基準値を超える恐れのある値を公開しているのです。
ICNIRPの基準値は、人体全身均等な曝露が条件なので、空間的に強度が異なれば、空間分布を測定し、平均値を求めなければなりません。
水谷報告書では局所、一箇所の値と思われるので、空間分布を再測定してみる必要があります。
また、リニモからの低周波磁界の周波数が不明です。
ICNIRPの限度値は周波数に依存しています。
リニモからの漏洩磁界の周波数を測定し、周波数に応じた限度値と比較しなければなんともいえません。
従って、水谷報告の数値だけでは、ICNIRPガイドラインに合致しているか否かは判定できません。
再度の検証は必要でしょう。
追記:2011-10-7
BEMSJが測定したリニモ(愛知万博を契機に開業した愛知高速鉄道のリニアモーターカーの路線)における測定結果を以下(5Bの項)に示します。
記:2011−10−7
所用で10月5日、6日に名古屋方面に出かけた。 その途中に磁界の測定を行った。
1)新幹線乗車時の磁界
新横浜で乗車。乗車後10分後から30分後の間、座席の膝の上に測定器を置いて磁界の大きさを観察。
座席は通路側、車両は新幹線N700系。
結果:トリフィールドメータ(以下トリメ)もEMDEXもほぼ同じ値で、通常走行時は0.5mGから2mG程度、2回ほど瞬間的なピークがあり4mGと8mGを記録。
考察:以上のことからN700系新幹線は交流50・60Hzのモータで走っていると推定できる。50−60Hzの磁界で最大でも8mG程度である。
2)愛知高速鉄道リニモ(藤が丘―八草間)
はじめてリニモに乗車した。
10月5日 藤が丘から八草へ、10月6日 藤が丘‐八草間を往復
10月5日の測定:
ホームのプラットホーム中央部 電車が入線していない。EMDEXともトリフィールドともにゼロ。
入線時:トリメ:10mG、EMDEX:1.9mGのピークを観測
座席に座った停止時:トリメ:ゼロ EMDEX:ゼロ
発車前の停止時 床の上に直置き:トリメ 5mG EMDEX 4.5mG
以降は座席で膝の上で測定:
発車後 トリメ:20mG EMDEX:9.1mG 直ぐ磁界は低下し、トリメ:2mG EMDEX:0.3mG
トリメ50mG EMDEX:23.5mGに上昇 その後トリメ:3mG EMDEX:0.7mGに低下。
駅に近くなり減速時 トリメ:30mG EMDEX:9mG
駅に停車時:トリメ:0mG EMDEX:0.1mG
カーブの時に大きくなる トリメ:30mG EMDEX: 16mG
駅に近くなり減速時トリメ:50mG EMDEX:20mG
駅に停車時 トリメ:1.5mG EMDEX:0.8mG
加速中 トリメ:100mG EMDEX:20mG
停車後の発車(加速時):トリメ:100mG EMDEX:25mG 加速完了後は低下し トリメ:3mG、EMDEX:1mG
隣の線路にもリニモが走り、相互にすれ違った時 トリメ:100mG以上 EMDEX:32mG
藤が丘に到着し、下車。
10月6日の乗車 藤が丘‐八草間を往復
停車時の座席の位置では トリメ:2mG EMDEX:0.4mG程度
発車時・坂を上る・加速時・減速時 トリメ:80−100mG、EMDEX:20−30mG
最大でEMEDEX:35mG程度 磁界の周波数は50−60Hzの4倍から5倍の周波数と推定
サードレール(駆動レール)の上の位置にある車両の床面に直に測定器を置く、 発車時・加速時に最大でEMDEX:145mG
プラットホームの中央にある椅子に座る、電車は入線していない:磁界値はほぼゼロ
終点の八草駅で下車し、駅の周囲で、線路に沿ったり、線路の下を交差する道路上で測定を行ったりしたが磁界値はゼロ、
線路をリニモが通過する時に交差する道路で測定しても磁界値はゼロであった。
以上の測定からの纏め:
*プラットホームで待っている場合の交流磁界は低い。
*乗車して座席の位置では、停車時や慣行時の交流磁界は低い。
*座席の位置での交流磁界は、発車時、加速している時、カーブを曲がる時、減速時は35mG(3.5μT)程度になり、磁界の周波数は200Hzから300Hzと想定できる。
また、床に人が倒れこんだと仮定した場合の、床面での値は145mG(14.5μT)であった。
但し、交流磁界の主要な発生源となるリアクターなどが車両のどこにあるか不明なので、今般の測定は最大値をとらえているとは言えない。
*線路の傍や下の道路上での交流磁界は殆ど検出できなかった。
*直流の磁界は測定していない。
*ホームに停車中の電車に近接した場合の交流磁界は、今回の測定では行っていない。機会があれば、次回には測定を行ってみたい。
3)名古屋鉄道 犬山‐名古屋間 特急に乗車
1号車 窓側の席に座り、座席の膝の上に測定器を置いて磁界を観察。慣行時の磁界
トリメ;10−20mG
EMDEX:2−2.5mG
以上の測定から、周波数は250Hz程度で、2.5mG程度の磁界と推定できる。
4)名古屋地下鉄 東山線
この地下鉄の給電は横からの給電方式であった。
藤が丘駅から名古屋駅まで乗車し、座席の膝の上で測定。
停車時は トリメ:0.9mG EMDEX:3mG、トリメ:0.2mG EMDEX:4mG、トリメ:2mG EMDEX:8mG
加速や減速時は、トリメ:100mG以上 EMDEX:40.3mG、 37.8mG、
46.7mG、 29.8mGなどを記録
以上のことから東山線の電車では50mG(5μT)程度の、周波数200Hz程度の磁界曝露となっていると推定できる。
1990年と少し古くなっている研究です。
掲載誌:心臓ペーシング6:585-590.1990掲載誌:心臓ペーシング6:585-590.1990
タイトル:大阪地下鉄リニアモータ力―のペースメー力に及ぼす電磁障害
研究者:南大阪病院胸部外科 柿本祥太郎、中尾圭一、森田雅文
概要
大阪地下鉄リニアモーターカーの試験走行に同乗し、ペースメーカにおよぼす電磁障害について検討した。
リニアモータ周辺では最大6.5ガウスの磁場が発生していたが、ペースメー力の固定レートヘの変化は認めなかった。
車両内で'最も強い磁場を発生した制御装置周辺では、座席の高さで最大45ガウスの磁場が発生しており、最低15ガウスで固定レートヘの変化がみられた。
この反応はペースメー力の機種や方向によってさまざまであった。
床面の高さでは最大145ガウスの磁場が発生しており、全機種で固定レートヘの変化がみられた。
しかし磁力線の方向によってはまったく変化を示さない機種もあった。
制御装置の取り付け方を改良することによって、車両内に漏洩する磁場を10ガウス以下に抑え、ペースメーカの固定レートヘの変化を回避することが可能であった。
BEMSJ注;
この研究者は、磁界の強さは直流磁界であるとして記述している。
使用した磁界測定器は横河電機のM11型で、DCから500Hzまでの周波数に応答する交流・直流両用型であり、上記の磁界が全て直流分で交流分が含まれていないいとは断定できない。
145ガウスというが示された箇所で、交流分はいくらか?関心は深い。
東京の大江戸線もリニアモータの地下鉄である。EMDEXで測定した範囲ではさほど大きな交流磁界の発生はなかった。
但し、研究論文にあるように、もっともおおきい磁界漏洩をおこす制御器がどこにあるかわからないので、最大の点で測定は行うことができていない。
興味のある方は、原著論文(全文)を入手して読んで下さい。
記:2015−1−6
*2009年の記事として、神戸の六甲・ポートライナーの車内での磁気漏洩が報道されている。
Yahooニュースからの一部引用
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六甲・ポートライナー 踊る「クリップ」の「怪」
2009年7月9日
兵庫県沖にある人工島への路線として知られる無人運転電車の六甲ライナー、ポートライナー。
この電車の床で、突如としてクリップが立ち上がる「怪」現象が報告されている。いったい、なぜなのか。
■神戸新交通「1000型」「8000型」で起きる
この現象は神戸新聞が2009年7月8日、取り上げた。
神戸新聞web版には、同紙が制作したYouTube動画「踊るクリップ」とあわせて報じられている。
動画は現在、1万回以上再生され、いったい原因は何かと話題だ。
六甲ライナー車内で撮影された動画を確認したところ、車内床に置かれた数枚のクリップが、電車の発進とともに立ち上がり、スピードが安定するとぱたりと倒れ込む。
神戸新聞によると、この現象は六甲ライナー、ポートライナー車内で確認されたという。
路線を管理している神戸新交通によると、クリップが立ち上がる現象は六甲アイランドを走る「1000型」と呼ばれる車両・11編成で事実が確認され、ポートアイランドを走る「8000型」と呼ばれる車両・1編成については確認を急いでいる。
ところでなぜ、こうした現象が起きたのか。独立行政法人交通安全環境研究所は、車両下部にあるモータに電流が流れる際、電流の波形を正す「リアクトル」と呼ばれるコイル状の装置が「磁界」を発生させたため、と分析する。
くわえて、車両下部には遮断版がなかったために、磁界が周囲にまで漏れ出したのではとみている。
そうして、装置のまわりに置かれたクリップは磁気を帯び、クリップが軽量だったこともあって、それにひきつけられるようにして立ち上がったらしい。
なお、加速するとき、ブレーキを踏み込んだときに装置が働くため、クリップは立ち上がったり、倒れたりを繰り返したというわけだ。
■どの車両でも同様の現象が起こるわけではない
(略)
なお、この現象は、人体への影響が懸念される電磁波とは別であり、磁石の仕組みが働いたに過ぎない。
そのため、人体への影響はないだろうとうする。
一方、精密機械やカード類も差し支えないようだが、しかし、カードや機械によっては一概にそう言えないため、注意が必要とのことだった。
神戸新交通総務課によると現在、人体や精密機械への影響を調査中といい、「調査結果はホームページを通じて、早めに報告したい。(磁気の)測定値を基に、しかるべき対処をとりたいと考えています」と話している。
**********************
以下は、クリップが踊っている場面
*新神戸交通は、磁界などの測定を行った。
その結果は、2009年に新神戸交通のWEBに掲載した。
しかし、この報告はその後の新神戸交通のWEBのリニューアルに伴って、削除され、現在は当該のファイルは入手できない。
2015年1月、BEMSJは新神戸交通に問い合わせたが、「当該のファイルはWEBのリニューアルに伴って削除されました。」という素っ気のない、回答で終りであった。
以下のサイトに一部だけ転載されている。
http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/weblog/の古いログから引用
大阪大学の菊池先生のWEB
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kikulog
門真市の白血病の件[追記8/13 8:00] 2009/8/10
183. YMN — August 19, 2009
@20:10:50
http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/0002102542.shtml
----神戸新聞「金具が踊りだす? 六甲ライナーで怪現象」より引用
電車内の床に落ちた金具が突然、動き出す-。そんな“怪現象”が、神戸新交通六甲ライナーやポートライナーで見られることが分かった。
(略)
きくち August 19, 2009 @20:38:14
この話は聞いたことがあります。見たことはないけど。
新型車両に入れ替えるということであれば、まあ理由はさておき、心配な人の心配が少しでも減るのではないでしょうか。
神戸新交通のサイトにある「車内磁気漏れ報道について」という文書
http://www.knt-liner.co.jp/contents/PDF/090807.pdf <リンク切れ>
・・・・・・
発生磁界が人体に及ぼす影響につきましては、国際的なガイドラインである「一般公衆における連続曝露限度」を大きく下回っており、また、ペースメーカなどの医療機器をご使用のお客さまへの影響につきましても、通常のご乗車においては、「有害な影響は受けないとされている値」の範囲であることから、ご乗車いただくにあたって問題はございません。
(略)
**************
WEBで検索したが、何処にもその実測値を転載した情報は見つからなかった。
*ポートライナーに使用されている車両のタイプ
Wikipediaの情報
*神戸新交通8000型電車は、神戸新交通ポートアイランド線(ポートライナー)に所属していた新交通システムの車両である。
1981年(昭和56年)2月5日のポートライナー開業時から運行を開始したこの車両は、製造元は川崎重工業である。
当初の予定より早く2009年(平成21年)11月8日に営業運転を終了することが発表された。
同年10月31日から11月7日までさよなら運転として三宮-神戸空港(もしくは中埠頭駅)間を臨時列車として運転し、11月8日に最後の1編成である8106Fが三宮-神戸空港間を臨時列車として運転し、営業運転を終了した。
*神戸新交通1000型電車は、神戸新交通六甲アイランド線(六甲ライナー)に所属する新交通システム用の車両である。
現在は4両編成×11本(44両)が在籍する。
開業当初から走っている01
- 09編成は1989年(平成元年)に、10編成は1993年(平成5年)に、11編成は1998年(平成10年)に、すべて川崎重工業車両カンパニーで製造された。
*BEMSJの中間の纏め
・車内でどの程度の磁界漏洩があったのか、具体的な数値は入手できなかった。
・この磁界は、車両の下部に設けられたリアクトルから漏洩する直流磁気と想定できる。
こうした直流磁気による健康影響としては、1mT(10ガウス)を超えると心臓ペースメーカが誤動作することを考えなければならない。
・新神戸交通の発表から、通常の乗車条件では、たとえば、座席に座った状態での床面から30cm以上と言った位置では、1mTを越えなかったことを確認した、と想像できる。
・しかし、床面ではどの程度の磁界強度になっているか?1mTを超える磁界になっていないかを、確認する必要がある。
確認されていないとすれば、心臓ペースメーカ着用者は誤っても床面に、現在も運行中の1000型乗車時に限定して、転ばないように注意しなければ、ならない。
記:2017−2−2 更新:2019−11−7
1)はじめに
「リニアモータ」を使った都営地下鉄が運航開始 ペースメーカに及ぼす影響はほとんどない」という記事が、心臓ペースメーカ友の会の会誌「かていてる」(1992年2月発行)に掲載されている。
その概要は以下、
・平成(1999)3から地下鉄大江戸線が運行開始。
・使用されるのがリニアモータ車両である。
JRが開発中のリニア新幹線と異なり、大江戸線のリニアは鉄車輪式リニアモータで、浮上式ではない。
採用している磁場は低く、漏れ磁力も小さい。
・東京交通局の談では、車内の床面上での漏れ磁力が10ガウス以下に抑えることを設計目標にしている。
現車試験での測定結果ではリニアモータ直上の床面上で最も強いところで7.3ガウスと報告されている。
・地下鉄リニアモータの漏洩磁場については、南大阪病院の柿本医師が調査を行った。
大阪地下鉄リニアモータの試験走行に同乗し、リニアモータ直上の床面においても最大6.5ガウスであり、10ガウス以下に抑えてあればペースメーカへの影響を回避できると結論づけている。
2)柿本論文を読んで
<この部分は前記6項と一部ダブり>
論文は以下のもの
タイトル:大阪地下鉄リニアモーターカーのペースメーカに及ぼす電磁傷害
掲載誌:心臓ペーシング Vol.6 No.5 1990
研究者:柿本祥太郎ら
磁界を10ガウス以下にすればよいという研究。
ただし使用した磁界測定器は、この論文を読んでから仕様を確認したら、DCから交流500Hzまでを測定可能なタイプであった。
周波数分析が行われていない。
従って、柿本らの実測値6,5ガウスは、周波数分析が行われていないので、DCなのか、交流の変動分なのか不詳である。
周波数を不祥にして、「東京交通局の談では、車内の床面上での漏れ磁力が10ガウス以下に抑えることを設計目標」は、要検討事項といえる。
リニア地下鉄の車両内で検知される磁界の周波数は?
リニア地下鉄に関するWIKIPEDIAに以下の情報があった。
****************
車両の制御方式には、リニア誘導モータを使用するため三相交流を制御可能なVVVFインバータ制御を採
用している。
***********************
ということで、VVVF=可変電圧可変周波数でモータを稼働している。
周波数は不祥であるが、交流であることはたしか、「車内の床面上での漏れ磁力が10ガウス(1mT」以下」という規定は、周波数が直流であればICNIRPの曝露限度値を満足しているが、50HzであればICNIRPの曝露限度値(1998年)は100μT(0.1mT)であり、限度値を超える。
作成:2007−4−29
2007年4月27日に新横浜から新大阪に向かった時に、磁界の測定を行った。
測定器:EMDEXライト
新横浜から乗車 のぞみ 5号車 座席:14C 通路側
車両は700系新幹線
この5号車の上にはパンタグラフがついている。16両編成の新幹線の給電は2箇所のパンタグラフで行われている。
1.座席で、膝の上に磁界測定器を置いで 新横浜を出てから約30分間だけ観測。
磁界の大きさ
出発前(停車時) 0.2mG
発車後の加速期間でも大きな磁界はなく 1mG程度
最大の磁界値は6mG程度
運行時の磁界は0.8mGから3mG程度で推移
意外に低い磁界強度であった。
2.車両の連結部での磁界測定
手に持って測定器はおおむね腰の位置の高さ。
名古屋駅を発車後、京都までの間に車両の連結部付近の磁界を測定
時間変動がある。ちょっと場所を変えただけで磁界値が異なる。
測定結果:
デッキというよりは連結部では磁界が相対的に大きく、30mG、60mG、最大で112mGを記録。
この連結部の上部にはパンタグラフから取り入れた電流が連結されている全車両に供給するための電流ルートがあると思われる。
最も大きい電流が流れていると思われる箇所である。
作成:2007−6−10
2007年6月8日に大宮から秋田に向かった時に、磁界の測定を行った。
測定器:EMDEXライト
大宮から乗車 秋田新幹「こまち」 14号車 座席:5C 通路側 車両はミニ新幹線
盛岡までは「はやて」と連結、 盛岡から秋田間は在来線を走る。
1.大宮駅の新幹線待合室にて 磁界は0.1−0.5mG程度
2.大宮駅の新幹線ホームの中央のベンチに座って測定 磁界は0.5mGから6.5mG
3.車内での磁界測定
*通路側の座席で、膝の上に磁界測定器を置いで 大宮を出てから約30分間だけ観測。 磁界の大きさは発車後の加速期間でも大きな磁界はなく、運行時の磁界は0.5mGから3mG程度で推移、意外に低い磁界強度であった。
*窓際の座席の窓側の肘掛の上に磁界測定器を置くと、5mGから12mG程度
*窓枠に置くと、10mGから50mGから110mG程度の間を変動
*座席の下、足元の床面では 4−12mGと少ない
4.車両の連結部での磁界測定
手に持って、測定器はおおむね腰の位置の高さ。 仙台―盛岡間を高速で走っている時に、車両の連結部付近の磁界を測定、
測定結果:
デッキというよりは連結部では磁界がかなり大きく、80mG、120mG、200mG、最大で289mGを記録。
(注:BEMSJのこれまでの計測では最大の値、)
5.盛岡以降秋田までの間 スピードはかなり落ちている。
*通路側の座席で膝の上の磁界 0.5mGから2mG程度の間を変動
*大曲駅と秋田駅の間 連結部での磁界は 5mGから50mG程度
記;2023−5−30
電磁波研会報139号2022年11月27日 にあった情報から一部を紹介
**********************
新幹線車内の低周波磁場を実測
車両の種類による違い確認できず
JRの首都圏近郊通勤電車内の低周波磁場の強さについて元JR職員の方が、新幹線の車内についても測定し、その結果を教えてくださいました。
通勤電車とは違い、新幹線では先頭車両の磁場が弱いという傾向は見られませんでした。東海道新幹線は先頭車両のみモータがない車両ですが、モータがある車両より磁場が弱いという傾向も見られませんでした。
また、グリーン車の磁場は普通車よりも弱いという声を聞くことがありますが、そういう傾向も見られませんでした。
測定値は車両によって大きな違いがありましたが、モータの有無など車両の種類の違いによって測定値の違いが生じているのではなく、測定した時にたまたまどのような運転状況だったのかによるものと考えられる(加減速中は磁場が強くなる、惰行運転中は弱くなる、など)と、この方はおっしゃっています。 (略)
測定結果の一部を紹介。
東海道新幹線 停車時:1-2mG 加速時:10mG程度
山形新幹線 停車時;2mG程度、加速時:25mG程度
**************************
関心のある方は、電磁波研会報を読んでください。
BEMSJ注:東海道新幹線よりミニ新幹線の山形新幹線の方がやや磁界が高いのは、車体の大きさが小さく、車体に流れる電線というか電流の経路と座席との距離が小さいからではないかと、想像する。
古い資料が出てきました。
使用測定器はEMDIXです。
1)小田急ロマンスカー特急に乗車 4月9日 向丘遊園から本厚木迄の区間で測定 3号車 窓際の席。
*ピークは2マイクロテスラ(以下T)程度
2マイクロTを越えたのは反対車線の電車とすれ違う時に一瞬。 その他2回程度一瞬越えた。
*本厚木駅停車時、カーブで減速した時 100nT以下。
*通常運転時 200nTから500nT程度で低い。
*座席で100nTという通常運転時、40cm離れた窓の鉄枠に近づけると、200nTと少し大きい。
ロマンスカーは以外に少ないと感じた。
2)JR東海道線 小田原駅から横浜駅まで 快速アクティに乗車。 2号車 ダブルデッカーの2階席。
*通常運行時 50から100nT 駅に停車時も同じ。
窓際にもっていくと100nTと少し大きい、 床は50nTと低い。
時に何かの瞬間に1マイクロT。
*下車近くになって1階席を歩く。 通常運行時 100nTから200nTと2階席荷比べると少し大きい。
床面は1マイクロT。
アクティも以外に少ない。
3)東急バス 4月12日 あざみの駅からもみのき台まで 席は後方の席。 後部車輪のある近くで進行方向左側。
信号待ちで停止時、バス停 200nT この時の床面では2マイクロT。
通常運行時 50nT 程度
4)JR南武線 武蔵小杉から稲城長沼まで 4月16日
わざと最後尾の車両に乗車。 車両の中ほどに立っている。
進行方向右側のドアの近く、 床面 0.6マイロT
腰の高さ 0.8マイクロT
胸の高さ 1.0マイクロT
目の高さ 1.5マイクロT
進行方向左側のドアに行く 床から目の高さまで全て0.3〜0.4マイクロT。
この分布の違いは2回 確認。再現性が有った。
5)4月16日 東急東横線 立っている
腰の高さ 1.4マイクロT
胸の高さ 0.9マイクロT
目の高さ 0.7マイクロT 4項のJRと分布の傾向が逆。
6)新幹線 こだま号 4月17日 東京から小田原 7号車 通路側の席
出発前 0.1から0.2マイクロT
出発前 隣のホームから電車が発車 この時のピークが1.4マイクロT
発車後 0.1から 1.0マイクロT 5マイクロTまで上昇。その後は1マイクロT程度
横浜通過後にスピードアップ? ピークは8マイクロT。 平均的には2ないし3マイクロ程度で運行。
新幹線は区間と運行スピードによる?
7)小田急 各駅停車 4月17日 小田原からか 栢山迄乗車
通常運行時 0.05から0.1マイクロT程度。
あしがら駅の手前で瞬間的に0.2から0.3マイクロTに上昇。
8)小田急 急行 4月17日 栢山から登戸まで乗車
停止時 0.05マイクロT
停止から加速時 ピークで1マイクロT
時々駅の近くで減速 最大で1.4マイクロT
通常運行時 平均的には0.2マイクロT
但し 0.06から0.9マイクロTまで 変動はかなり激しい。
9)モノレール 4月18日
*浜松町から流通センター迄 比較的新車両
0.05から0.08マイクロTでほぼ一定。
*流通センターから浜松町の戻る 従来の車両
0.09から0.12マイクロTと少し大きい。 床面では0.14マイクロT
モノレールは停止時、加速時、運行時でも磁界には大きな差異はない。
10)新幹線 こだま 2号車 通路側 4月23日
小田原の駅に停車中 隣の線路で光が追い越していく時 その後のしばらくの間;1.6から1.0マイクロT
発車後 横浜停車まで 2、 6、 4、 1、 8、 4、 0.7とおおきく変動。
11)4月23日 東京駅八重洲地下街のメシ屋 0.01マイクロT
12)東急バス 4月26日 あざみの駅からもみのき台まで 最後部の席 左側
停止時 0.01マイクロT エンジン起動 0.06マイクロT
運行時 0.02から0.03マイクロT
加速時、減速時 0.05から0.08マイクロT
13)小田原工場の送迎大型バス 左側前から2列目の席
エンジン始動前 0.00マイクロT
エンジン起動 運行時 0.00から0.11マイクロTと変動。
狭い道を大型バスが走るので 路上の電柱等の磁界を測定していると推定。
14)新幹線 こだま 小田原から東京まで乗車 7号車 6cの席
小田原で停止時 0.4から1.2マイクロTと大幅に変動
動き出してから横浜に停車するまで 1、8、 0.7、 2、 0.7、 2、 1.0マイクロTと変動。
15)ゆりかもめ
*5月13日 比較的すいている 通路側の席 展示場に向かう
起動時 瞬時 2マイクロT 8マイクロTの大きい。
停止直前 1.5から2マイクロT
停止時 0.2から0.3マイクロT
運行時 0.3から1.0マイクロT
*5月14日 朝 展示場に向かう 9時AM 混んでいる。
運行時 0.3から2マイクロT ピークで11マイクロT
*5月17日 夕方 新橋に戻る 比較的すいている
運行時 1から2マイクロT
起動時 加速時 4マイクロT
*ゆりかもめは混んでいるとたくさんの電流をとるので磁界が大きくなる?
16)小田急 各駅停車 鶴川から登戸まで
最後尾野車両の最後尾の座席
駅と駅の区間が長い; 運行時 0.08から0.13マイクロT
0.06から0.16マイクロT
停止寸前のブレーキ時; 最大で0.3マイクロT
駅と駅の区間が短い:スタートからストップまで0.06から0.08マイクロT。
17)東急バス 5月24日 あざみの駅からもみのき台まで
後輪に近い進行方向右側の席
停止時: 0.08マイクロT程度
運行時;0.03から0.05マイクロT
18)5月28日 秋葉原 ヤマギワにて 展示品のアーム型のバイオライト 直流点灯式、の磁気を測定。
バイオライトの電源オフ 0.3マイクロT
電源オン ランプ及びその筐体・支持体から約10cm離れて測定
7マイクロTかた14マイクロTと大きい。
<直流点灯方式であるが、流れている電流が時間変動しているためか、低周波磁界が観測された。>
作成: まとめ:2007−7−19
古い実測メモをようやく纏めます。
2006年9月14日(木)所要があって、横浜へ行った、この時にトリフィールドメータ(以下トリメと略)とEMDEXライトを持参し、車内における磁界を測定した。
特記なき限りEMDEXライトの指示値。
結論:電車の中では瞬間的に50mGを越える曝露がありえる。
1.JR南武線稲城長沼駅のプラットホーム、黄色線がある場所に立つ。
0.5‐1.2mG (トリメ:3‐5mG) ホームに電車が入ってくる時、1.6mG
2.稲城長沼から武蔵湖杉へ 電車はモハ204 座席に座る。
8−13mGで変動(トリメ:50−100mGで変動) よって電車内の磁界は250Hzの500Hzの周波数と推定。
矢野口付近で高架線に上る付近で最大で36mGを記録
3.東急小杉駅構内の切符自動販売機の付近 4mG
4.東急東横線 小杉から横浜まで 急行 座席に座る
6mGから最大で20mGで変動(トリメ;35−100mG) よって電車の磁界は250Hzの500Hzの周波数と推定。
横浜駅に到着する少し前、トンネルに入ってから 45mG、56mGを記録
5.JR根岸線の横浜駅プラットホーム 1−5mG
6.JR根岸線 横浜から山手へ 車体はサハ209 座席に座る
6−8mG(トリメ:35−100mG) 電車の磁界の周波数は350Hz程度と推定
7.JR根岸線 山手駅のプラットホーム 電車が過ぎ去ってから 2mG
8.帰路 JR南武線 川崎駅から稲城長沼へ 車体はモハ204 座席に座る
1.2−6−9mGで変動
往路に検出した矢野口付近の高架線に登る場所では、9mGを超える大きな磁界は検出されず。
作成:2007−7−21
7月20日所要があり地下鉄東西線で東陽町まで出かけた。例によってEMDEXライトを持参し。低周波の磁界を測定した。
1.地下鉄東西線東陽町 プラットホームから改札口、地上への出口付近での磁界
プラットホームや改札口付近は概ね2−4−6mG程度の間を変動。
しかし、改札口を出た場所では35mGであった。
東陽町の駅はホームをはさんで両側にプラットホームがある。
改札口を出て、地上に出る地下通路の一部は、線路の上をまたぐようになっていると思われる。
この線路の上に相当する地下通路では、最大77mGを記録した。
したがって、線路の上の通路と両側の改札口付近では35mGから77mGの磁界といえる。
2.地上に出て永代通りの歩道上での磁界
東陽町駅前の永代通りの電力配電は地中化されている。
歩道と車道の境目付近の下に地下電力ケーブルが埋設されていると想定される。磁界の強度が境界で極大となる。
深川郵便局などのある側の歩道をゆっくり歩く。磁界は3−5−12mG間で変動。
車道と歩道の境目に東京電力の配電設備が設置されている。奥行きの狭いボックスで、変圧器が内蔵されているとは思えない、配電盤かも知れない。
このボックスに磁界測定器を近接させると35mG 1m程度離れと13mG
反対側の歩道(NTTドコモショップのある側)を同じように歩く。 磁界は1−3−5mG程度の間を変動。
同様に東電に配電設備のボックスがある。 近接して13mG、1m離れて4.3mG程度
永代通りから折れて 四ツ目通りを歩く。 この通りの配電線は地中化がされず、歩道に沿って架空の配電線がある。
路上での磁界は0.5mGから0.8mG程度
(配電線の地中化で道路を歩く人の磁界曝露が大きくなっている!!)
3.地下鉄乗車時の磁界
帰路 地下鉄東西線で東陽町から九段下まで乗車 座席に座る。
磁界は0・6mG程度 ただし瞬間的に1.3mG、2.8mGを記録
帰路 地下鉄都営新宿線で九段下から笹塚まで乗車 立っている。
磁界は2−5.3mG程度の間を変動
|
路線 |
区間 |
|
|
磁界 mG |
|
運行時 |
瞬時 最大値 |
|||||
4月27日 |
銀座線 |
浅草から渋谷 |
進行左手 |
座る |
0.4-2 mG |
11 mG |
4月27日 |
銀座線 |
渋谷から浅草 |
進行右手 |
座る |
0.6-3 mG |
5 mG |
6月25日 |
新宿線 |
笹塚から小川町 |
最後尾 |
座る |
1.3-7.7 mG |
|
6月25日 |
新宿線 |
小川町から新宿 |
最後尾 |
座る |
0.9-4.9 mG |
|
6月18日 |
新宿線 |
新宿から小川町 |
先頭 |
立つ |
3.0−9.0mG |
|
4月21日 |
新宿線 |
神保町から稲城 直通 快速 |
パンタ |
座る |
0.6-4 mG |
8 mG |
4月21日 |
新宿線 |
初台から神保町 |
パンタ |
座る |
3-6 mG |
|
4月28日 |
日比谷線 |
神谷町から中目黒 |
パンタ |
立つ |
6-11 mG |
|
4月28日 |
日比谷線 |
中目黒から神谷町 |
パンタ |
座る |
2-20 mG |
46 mG |
4月22日 |
丸の内線 |
新宿から大手町 霞ヶ関まで |
車両中央 |
立つ |
0.3-0.7 mG |
1.7 mG |
4月22日 |
丸の内線 |
大手町から御茶ノ水 |
進行左手 |
座る |
0.1-1 mG |
2 mG |
4月22日 |
丸の内線 |
新宿から大手町 霞ヶ関から |
進行右手 |
座る |
5-11 mG |
|
5月25日 |
横浜地下鉄 |
あざみ野からセンター南 |
進行右手 |
座る |
3.5-11 mG |
59 mG |
測定はEMDEXライト
地下鉄は磁界が低い傾向にあるが、路線や乗車位置によって異なり、最大は59mGを記録。
2007年9月27日 大阪出張時の磁界測定結果 作成:07−10−4
測定器:EMDEXライト 低周波磁界を測定
1)品川駅に新幹線ホームでの測定 ホーム中央のベンチに座る
通常時は0.2−0.4mG 電車が入ってきたり、出て行ったりする時 2mG程度
2)車内の座席での測定 のぞみに乗車 車両は700系 7号車の9C(通路側)
品川を出てから20分ほど観察 概ね1mG以下 時に3mG程度に上昇
3) 名古屋から京都間をフルスピードで運行中 出入り口付近のデッキでは10mG程度
同上 車両の連結部の付近 非常に大きい磁界を観察 最大で187mGを記録
作成:2000−02−08 WEB公開:2009−10−26
少し古い資料を見ていて、新幹線の磁界曝露量を測定し、公表している例がありました。
掲載誌; EMCJ91−29 1991年
研究者:竹下和雄、重光司
タイトル:「携帯電磁界曝露計の開発と曝露実測」
という電力中研の研究です。
これによれば 新幹線ひかりの座席での磁界曝露は 時間によって大きく変化し、1ミリガウスから100ミリガスの間を変動(取り込み周期は毎3秒,1990年の測定)、最大値は135ミリガウス、平均値は27ミリガウスとなっています。
この曝露は154KVクラスの変電所同程度との量と、研究者は結んでいます。
横浜 緑園都市往復時の磁界測定 結果です。
2007年12月6日 外出時にEMDEXライトで交流磁界を測定した。
小田急 登戸―相模大野まで 急行 座席に座る: 2.9mGから10.1mG間を変動
小田急 相模大野駅のプラットホームでは 0.3mGから1.3mG
小田急 相模大野から湘南台まで 快速急行 座席に座る: 1.1mGから2.0mG間を変動
相鉄線 いずみの線 湘南台から緑園都市まで 座席に座る:
駅で停車中(始発駅) 座席に座った膝の位置で6mGと大きい。 足元の床面では42.4mGと、この床の下に何か磁界発生源がある。
膝の上では、運行中は5から8mG間を変動
相鉄線 いずみの線 緑園都市から湘南台まで 快速 座席に座る: 0.3mGから1.5mG間を変動
小田急 湘南台から相模大野まで 各駅停車 座席に座る:
1.8mGから6mG程度の間を変動
但し、加速時に瞬間的に最大27.3mGを記録、また、停車前の減速時に最大20.0mGを記録
小田急 相模大野から登戸まで 急行 混んでいて立つ: 2.4mGから4.7mG間を変動
記:2009−3−31
山梨日日新聞 1997年04月02日(水)に以下の記事が掲載されていました。
********* ********* 一部 引用 **************
磁気、環境基準下回る 山梨リニア沿線 JR、総研が測定 見学所2.4ガウスが最大
山梨リニア実験線の沿線で事業主体のJR東海、鉄道総合技術研究所(鉄道総研)が磁界測定を行った結果、車両基地や高架下など五カ所の磁気の強さは0.02ガウスから2.4ガウスで、山梨リニア実験線・環境影響調査報告書に示された環境保全基準である20ガウスを大きく下回ることが、一日までに分かった。
測定場所はリニア車両基地(ガイドウエー端から4m)、実験センター前の高架(高さ7.8m)下、高架(同5m)下の見学者通路、桂川西側の大原B1高架(同20〜30m)下、県立リニア見学センター(ガイドウエー端から3.5m)の五カ所。
リニア車両を走らせ、通過時の磁気の強さを、地磁気(地球自体が持つ磁気0.5ガウス)分を引いた値で表した。
測定の結果、最も値が高かったのは見学センターで2.4ガウス。続いて車両基地の1.9ガウス、高架下の見学者通路1.4ガウス、実験センター前の高架下0.2ガウス、大原B1高架下0.02ガウスだった。
*************** ***********
関心のある方は、当該の新聞記事を読んでください。
記事では周波数は記述されていませんが、「地磁気を引いた値」とあることから、直流磁界を測定したのであると思います。
記:2009−3−31
古い論文ですが、以下の論文を読みました。
掲載誌:電気車研究会・偏 「電気車の科学」 1989年4月 42巻 第2号
論文名:鉄道車両と電磁波障害
研究者:水間 毅
この論文の中に、以下の記述があります。
******** *************
3.3 実際の測定例
3.3.1 在来車輌における測定例
在来のチョッパ車やVVVFインバータ車における正確な測定は行われていないが、車内で漏洩磁界が最も高いところはリアクトル直上部周辺である。
リアクトルの配置、電流値によって異なるが、概して力行時に最も高くなり、VVVFインバータ車では80G程度になるものもある。
********* ************ *********
この測定結果で80ガウスという条件は、磁界の周波数が明記されていないので、なんとも判断ができない。
また車輌の床面で測定を行ったのかも定かではない。
直流磁界の80Gと、60Hz磁界の80Gでは全く意味が異なってくる。
20年以上前の論文ということで、磁界の周波数の判明は不可能かも知れない。
関連する情報として、以下の情報を得た。
近畿車輛技報 第11号 2004年11月 に関連する比較的最新の情報がありました。
論文名:EMC問題への対応
筆者:西田輝幸
************ 一部引用 ***********
3)乗客への配慮
床下幾器、特にフィルタリアクトルと呼ばれるものから放射されるEMIの1種である漏洩磁界が、ペースメーカ等の医療機器に影響を与えるので、漏洩磁界を阻止するために、磁気遮蔽として肉厚の鉄鋼板を設置している(図3)。
これで、万一該当乗客が転倒して床下リアクトルとの距離が最も近くなった場合でも、十分な安全が保たれることとなっている。
図3
************** ************
こうした対策が、鉄道車両のリアクトルに施されている、ことがわかった。
ただし、全ての車輌にこうしたことが施されているのか? 何か法的な規制等を受けて、行っているのかは、定かではない。
どなたか情報を提示していただける方がおられれば、BEMSJに教えてください。
記;2011−4−28
中央リニアの建設に関する検討が進められている。
その検討課題の中に、リニアから発生する磁界の問題がある。
以下は国土交通省の小委員会の検討資料としてWEBに公開されている資料の一部である。
磁界測定の結果、超電導リニアの磁界は、ICNIRPガイドラインに適合している という趣旨の資料である。
これは、これで意味のある資料といえる。
しかし、1点、抜けている課題がある。
第2回小委員会資料によれば、以下に示すように、車内静磁場の最大値は1.3mTとなっている。
この値は、ICNIRPのガイドラインに適合しているが、考えなければならないのは、医療機器への影響である。
特に、ペースメーカは静磁界1mTを超えると、心臓ペースメーカは初期値に強制的に設定されるなどの影響を受ける。
よって、1.3mTとある静磁界の状態でリニアが運転されれば、心臓ペースメーカ着用者は影響を受ける恐れが出てくる。
したがって、この点を勘案して、さらに低い静磁場の漏洩に抑え込まなければならない。
たぶん、あと一歩の改善で可能とは思うが、必須の改善事項と思われる。
国土交通省のWEBにあった資料から転載
記;2011−5−9
思いがけないところに、日本のリニアモーターカーの磁界に関する情報がありました。
掲載誌:Health Physics Society2008
ICNIRP Statement:ICNIRP STATEMENT ON EMF-EMITTING NEW
TECHNOLOGIES
Superconducting MAGLEV—Superconducting MAGLEV systems
are currently under development in Japan.
While they have been technically approved, these systems have not been put into
commercial use.
They use superconducting magnets (SCM) for levitation, guidance and propulsion
of the vehicle.
Therefore, a unique alternating magnetic field in the form of an extremely
low-frequency, intermittent pulsed magnetic field is generated near the tracks
by the moving SCMs on the vehicle.
A few measurements of MAGLEV have been conducted so far.
One report showed that the magnetic fields were between 45μT (19.3 m from the SCM) and 268μT (7.5 m
from the SCM), outside the vehicle.
The frequency of the magnetic field can be up to 6.4 Hz at 500 km/h (Sasakawa
et al, 1998).
超電導方式のリニアモーターカーMAGLEV(JRが開発中)では、超電導磁石を使用する。
この超電導コイルの移動に伴って、変動磁界が生ずる。
報告によれば、磁界強度は超電導磁石から19.3m離れた地点では45μT(BEMSJ注:地磁気の大きさと同準)、7.5mの距離では268μTである。
車両が時速500kmで走った時の周波数は6.4Hzである。
BEMSJ注:この笹川らの1998年報告は、英文で書かれた報告書であるが、原著の複写サービスを行っているDBに所蔵されていなく、詳細は把握できませんでした。原文を読んでみたいものです。
たぶん、この報告は、静磁界のみに注目しているのだと思います。
HSST Trains—HSST uses resistive magnets for levitation
and propulsion.
The first commercial line, named “Linimo,” has been in operation since March 2005 in Aichi, Japan.
There is no report of magnetic field measurement inside a Linimo vehicle.
In a predecessor vehicle (H-200 type), the levels of stray magnetic fields were
up to 1μT for the static magnetic field at 10 cm above
floor and 100μT for 10–
20 Hz above its VVVF inverter (Mizuma and Kato 1999).
HSST方式のリニアモーターカーはリニモとして2005年に商用開始している。
リニモからの磁界に関する報告はない。
このリニモの開発段階で、H-200型での測定によれば、VVVFインバータの上の床上10cmで静磁界は1μT、10−20Hzの磁界としては100μTであった(水間と加藤による1999年報告による)。
BEMSJ注:この水間と加藤の1999年論文は複写DBに依頼済みです。
追記:2011−5−15
水間と加藤の1999年論文を入手。
掲載誌:交通安全公害研究所報告 第27号 1999年3月発行
タイトル:電気鉄道からの放射磁界測定法とその評価法
研究者:水間毅、加藤佳仁
*上記のICNIRP声明に引用されていた「このリニモの開発段階で、H-200型での測定によれば、VVVFインバータの上の床上10cmで静磁界は1μT、10−20Hzの磁界としては100μTであった(水間と加藤による1999年報告による)。」という記述が、見つかりません。
もしかして、ICNIRP声明の誤りかもしれません。
*HSSTからのデータは、以下の図(Fig 22)に示されるのみでした。グラフは対数目盛であり、縦軸が薄くて軸が読み取れません。
静磁界(DC)は0.5mT程度とどうにか読み取れます。
また、AC分(この論文では300Hzまでの交流分)は0.02mT(20μT)程度と、どうにか読み取ることが可能です。
*また、この報告書ではリニアモータ方式の地下鉄(鉄車輪による誘導方式、浮上しない)での磁界の実測値を紹介しています。
その図(Fig.18)を以下に示します。車両内のリアクトルの上の床面で測定したものです。リアクトルから大きい磁界の漏洩があります。
この図によれば、DC(静磁界)は床面で0.5mT程度である。床面から大きく離れると今度は架線からの影響が出てきている。
AC(300Hzまでの交流分)は、床面では0.05mT(50μT、500ミリガウス)となり、床面から離れると減衰し、100cmでは0.01mT(10μT、100ミリガウス)となっている。
関心のある方は、この原著を入手して読んでください。
記;2011−11−3
以下の記事が、読売新聞 中部版に掲載されていました。
http://chubu.yomiuri.co.jp/news_k/linear/linear111102_1.htmにあった内容
一部の引用です。
*********** *************
なるほど!リニア 車両編 (5)ペースメーカOK
東海道新幹線は、全ての列車が16両編成で運行している。
JR東海が2027年に東京と名古屋の間で開業を目指す「リニア中央新幹線」も新幹線並みの16両近い編成となる見通しだ。
(略)
山梨実験線(山梨県)では、リニアの実用化に向けた様々な試験が行われてきた。
例えば、心臓の動きを助ける医療機器「心臓ペースメーカ」は、車内で正しく反応するか。リニアの走行中は車両の周囲に磁界ができているが、試験では、ペースメーカに誤作動は生じなかった。
携帯電話やインターネット通信も、車内では磁界の影響は受けないといい、設備が整えば、乗車中の通話や通信もできるようになりそうだ。
(2011年11月2日 読売新聞)
記;2012−11−29
衆議院での議論の中に、中央リニアの電磁波に関する質問と、回答がありましたので、抜粋して紹介します。
******************************
平成22年10月19日提出
質問 第 70号
リニア中央新幹線計画に関する質問主意書
提出者 中島 隆利
(3)リニア山梨実験線において運転中のリニア車両の電磁界について、座席、通路など乗客の利用箇所での計測値を、強度と周波数の両方について、また、走行中の磁場の周波数の変動について、それぞれの速度に応じた数値を示していただきたい。
実用線において変化が想定される場合は、その数値も明らかにされたい。
また、リニアの駅のホームにおいて、線路際から近い位置の車両がある場合とない場合の電磁界の数値を明らかにしていただきたい。
さらに、実験線の乗務員の健康調査は行ったのかどうか。行っている場合には、その結果を明らかにしていただきたい。
平成22年10月29日受領
答 弁 第 70号
内閣衆質176第70号
平成22年10月29日
衆議院議長 横路 孝弘殿
内閣総理大臣臨時代理 国務大臣 仙谷 由人
衆議院議員中島隆利君提出リニア中央新幹線計画に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
一の(3)について
山梨実験線における超電導磁気浮上式鉄道(以下 「超電導リニア」という。)に係る電磁界の測定結果に関する資料は、国土交通省から、本年4月に開催された第二回の交通政策審議会陸上交通分科会鉄道部会中央新幹線小委員会(以下 「交政審小委員会」 という。)に提出し、現在、同省のホームページに掲載しているところである。
また、JR東海によると、山梨実験線で勤務しているJR東海社員については、年一回以上の健康診断を実施しており、その健康状況について、電磁界に関係する特記すべき事柄や医師からの指摘はないとのことである。
*************************************
記 2009−5−1
エレン・シュガーマン著 天笠啓祐ら訳「電磁場からどう身を守るか」(原著:1992年発行 訳本発行:2000年緑風出版)を読んで、気のついた点を紹介。
P154 送電線に近い住宅での磁界曝露だけではなく、アメリカでも通勤電車での磁界曝露が大きく、疫学で自宅での曝露だけでの評価では不十分であることが示されている。
以下に関連部分を引用して紹介する。
************
このような電気交通機関で通勤している人々 は、毎日極めて高い磁場に曝露しながら往復していることになる。
環境保護庁の電磁場グループのリン・ジレットとドリーン・ヒルは、同僚に測定装置を与えて、記録をつけさせて、彼らの環境磁場曝露を非公式に調査した。
曝露期間は、家庭、仕事、通勤、野外(就労時以外の)、屋内(就労時以外の)に分けた。
2人はこの調査結果を、1991年夏の生物電磁気学の会議に提出した。
驚いたことに、この人々(全員が主要都市で働く成人)が曝露量のほとんどを、家庭や職場以外の通勤時に曝露しており、しかも最大量を浴びていた。
ジレット本人もアムトラック(全米鉄道旅客輸送公社)を「週に5日間、片道1時間」利用している。
彼女は電車で500ミリガウスを測定した。
ジレットは、多くの調査におけるスポット(局所)測定が危険の増加と相関していないのは、「測定値が現実の人間が受ける曝露量と相関していないからである。家庭におけるある時点のスポット測定値のみでは意味がない」と考えている。
************
関心があれば、当該の文献を読んでください。
記:2009−7−7
1992年6月に発行された「Health Effects of
Low-Frequency Electric and Magnetic Field」という本があります。
この本は、「prepared by An Oak Ridge Associated University
Panel for The Committee on Interagency Radiation Research and Policy
Coordination」のために作成された分厚い報告書です。
この本の中に、アメリカの鉄道における磁界曝露の例が紹介されていました。
2時間の乗車の間に測定、9両の車輌が電気機関車に牽引された列車で、最後尾の客車に乗り、腰の位置で磁界を測定しています。
下図にその結果を示します。
平均で34.8mG、最大では260mGとなっています。
測定の為に乗車した客車には動力源としてのモータなどは無いはずです。それでもこれだけの磁界が発生しています。
関心のある方は、前述の分厚い英文の報告書を読んでください。
記;2009−7−26
アメリカのRAPID計画の一環として、交通機関での電磁界の曝露実態の調査が行われました。
1999年3月付けで「Survey and
assessment of Electric and Magnetic fields (EMF) Public Exposure in the
Transportation Environment」という200ページを越える報告書がNTISから刊行されています。
すべては読みきれませんが、ちょっと驚くべき情報を一部、以下に紹介します。
詳細なデータの欲しい方は、上記のNITS報告書を入手して、読んでください。
これらのデータを見ると、アメリカでも交通機関では、4ミリガウスを超える曝露が、多いといえます。
乗用車(6人乗りセダン)その1での磁界、市街地を走行中、後部座席右側の座席で頭部の位置で測定
結果は100Hz以下の成分で、10mGを超え、20mG程度の磁界が観測された。
公共交通機関としてのバスに乗車、後部左側の座席で腰の位置で磁界を測定
低い周波数で磁界が観測され、最大値は30mGを超えている。
電気駆動バスに乗車、足、腰、頭部の位置で測定結果の平均磁界の値
後部に電気駆動のモータなどがあるのでしょうか、最も大きい発生源となっている。後部座席の腰の位置では30mGといった値が観測されている。
通勤電車に乗り、腰の位置で測定。 0Hz(静磁界)成分は削除してグラフを作成してある。
60Hz付近での磁界も大きいが、低い周波数では175mGなどといった値が観測されている。
測定した10種類の交通機関での測定のまとめ。時間平均の最大値をグラフ化。
WEB公開:2009−10−27
BEMSの論文誌の中に 興味のある点を見つけました。
掲載誌; Bio ElectroMagnetics Vol.20.Nov. 1999
研究者: M. Repacholi et al;
タイトル: Interaction of static and extremely low frequency electric and
magnetic fields with living systems; Health effects and research needs.
この論文の中に、 電車に関連して、以下の記述があります。
************ *************
Nordenson et al 1997 studied Chromosomal aberrations (染色体異常) in electrical railway engine drivers and reported a fourfold
increase compared with controls.
The daily time averaged magnetic field strength in the engine was 5 to 15 μT, with occasional peak value up to 130 μT.
More research into their implication is needed.
1997年のNordensonらは、電気鉄道機関士における染色体異常を研究し、対照群に比べて、4倍の異常を報告している。
運転室における日々の時間平均磁界強度は5から15μTであり、時々130μTのピークを観測した。
継続した研究が必要である。
*************** **********
とあります。
ピーク値で130μT(1.3ガウス)という値はかなり大きいといえます。
このNordensonらの1997年の研究は、スウェーデン語で書かれたスウェーデンでの研究です。
記;2010−7−15
The Truth about CARSのサイトにあった情報
http://www.thetruthaboutcars.com/israel-preps-worlds-first-hybrid-car-radiation-scale/
>Israel Preps World’s First
Hybrid Car Radiation Scale
>By Tal Bronfer on March 1, 2010
と
http://www.fastcompany.com/1567588/do-hybrid-cars-emit-excessive-radiation?partner=rss
>Do Hybrid Cars Emit Excessive Radiation?
>BY ARIEL SCHWARTZ Tue Mar 2, 2010
にあった情報によれば
ハイブリッド車は大きな電磁波を放射するか
イスラエルの環境保護省(Ministry of
Environmental Protection)から補助金をもらっている調査委員会は、過去9カ月間にいろいろなハイブリッド車から放射される電磁波を調査し、今のプリウスは安全だと判定したが、ホンダのインサイト、シビックのハイブリッド車、旧型プリウス全モデルから余分な電磁波が発生していると発表した。
トヨタのプリウス、ホンダのインサイト、ホンダのシビック・ハイブリッドでは加速時に100mGまでの磁界を観測。
プリウスでは通常の運転時は座席の位置によって、14mGから30mGであった。
************ **********
詳細な測定結果や条件はこれらのサイトでは紹介されていません。
関心のある方は、イスラエルに基ネタを探しに行く必要がありそうです。
記:2012−2−29
電車の線路に沿って住宅などがある場合の、電車の架線からの電磁界はどの程度か?
以下はその一つの事例として、マスコミに掲載された例です。
http://www.j-shinpo.co.jp/day/2012/february/0207/index3.htm にあった内容
2012−2−25のログ
************* 一部引用 ****************
城南新報 2012年2月7日の記事
新園舎は採光配慮『F字型』 保護者説明会で内示 (城陽市の統合保育園)
新年度当初予算案に建設費が盛り込まれる予定の寺田西・枇杷庄統合保育園への保護者理解を得るべく、市は今月に入り枇杷庄(2日)・寺田西(4日)の順で説明会を開いた。
(略)
席上、市側は保護者の要望に応じて関電以外の専門機関(メディカル・エイド梶jに委託して行った電磁波再調査結果を示し、計画地内4角と中央部2カ所の6カ所はもちろん、鉄塔に近い場所でも「1.58μT」と国際的ガイドライン(200μT)を大幅に下回る結果となったことを説明した。
(略)
*********************** *************
どのような測定器で、発生している周波数は?
また近鉄京都線の給電が直流によるものか、交流によるものか、上記の記事では判りません。
調べてみると、近鉄京都線は直流1500Vの架線からの電力で電車は動いている。
磁界は架線に電流が流れている時に発生するので、保育所前の電車の架線に電流が流れていれば、それなりの磁界が観測できる。
また、この発生磁界は、電車に流れる電流は直流であるが、時々刻々大きさが変動する脈流なので、直流磁界と、低周波の変動磁界をきちんと把握できる測定器で測定したのか・・・・・要確認となる。
関心のある方は、上記の新聞を読んでください。
記;2017−10−17
以下の論文に、鉄道からの磁界の調査結果が掲載されていた。
掲載誌:電気設備学会誌 2006年10月
タイトル:病院施設における低周波磁界の低減対策
研究者:石川登
以上のデータから、距離が10m、20mの場合は、10μT、30μTの磁界が観察されることがわかる。
磁界の周波数などに関しては、この論文では詳細記述はない。
記:2012−12−1
ネットにあった「台鉄は電磁波の嵐?計測器メーター振り切れる]. 1日当たり台湾市民ら71万人が利用する台湾鉄路(台鉄)と台湾高速鉄路(高鉄)の6種類の電車内から、環境基準を大幅に超える電磁波が検出されたと、14日付蘋果日報が伝えた。」という情報から、元ネタを探ってみた。
元ネタは
http://www.appledaily.com.tw/realtimenews/article/life/20120814/137296/自強號電磁波超標直接破表 と
http://www.appledaily.com.tw/realtimenews/article/life/20120814/137358 にあり、
内容を機械英訳した。
関心のある方は、オリジナルの記事(繁体字の表記)を読んでください。
蘋果日報の記事
*********************************
自強號電磁波超標 直接破表
2012年08月14日08:15
Apple News measured electromagnetic
fields on 6 trains of Taiwan Railway and Taiwan High Speed Railway. And found
reading over the Standard in the passenger’s cabin when accelerated the train
after departure, on type-500 regional train of Taiwan Railway and EMU1200-type
Express train (Self-Strength-Go), slightly over the Standard of EPA, 1.4 times.
This is joint project done on Thursday with 新竹Hsinchu Engineering
student and teachers, from 板橋 station to 苗栗 station,
measured electromagnetic fields on Taiwan High-speed Railway and Taiwan
Railway, total 6 trains.
Lower reading compare with EPA Standard is observed before departure on all 6
trains, however over the Standard when train accelerated on all case, maximum is 970mGauss
reading on Taiwan Railway, 20% higher than Standard: maximum reading of 900mGauss through
1200mGauss, 44% higher than Standard is observed on Self-Strength-Go by EMU300
PP push-pull train and 700-type Regional train: maximum reading is over the measurement
limitation of equipment as 1999mGauss is observed on both 500-type Regional train and
Self-Strength-Go by EMU1200: magnetic fields is exceed the EPA standard at
least 1.4 times.
The Expert described as this is same as sitting in the substation.
**********************************
電磁波超標 台鐵:是加速瞬間
2012年08月14日13:45
Measurements of electromagnetic fields on the passenger-compartment of Taiwan
Railway’s train (500-type vehicle for Regional line and EMU1200-type for
Express train as Self-Strength-Go) in acceleration period found 1.4 times
higher reading than EPA’s limitation of Taiwan.
Taiwan Railway Administration
told today that higher reading of electromagnetic fields over Standard measured
on the specific vehicles is only available closed to train’s floor and instant
peak reading.
And, there are no conclusive health effects. However Taiwan Railway
Administration will request to the manufacture increasing the floor barrier.
TRA said, TRA 500-type Regional train and EMU1200-type Express train
measured higher reading over limit has longer service period.
When purchase these vehicles, no special barrier device was provided the
electromagnetic fields.
Electromagnetic fields on train floor in the accelerated period is over the
EPA’s limits, however filed is in safety level at the passenger’s seat and/or
above position.
***********************************
記:2019−7−13
以下の情報がある。
ニコニコニュースのサイト
https://news.nicovideo.jp/watch/nw5636608
**************************
中国高速鉄道は放射線の影響が深刻?専門家「まったくのでたらめ」―中国メディア
2019/07/12 17:50 レコードチャイナ
ネット上でこのところまた中国の高速鉄道の放射線に関する文章が投稿されている。
「高速鉄道は確かに放射線の影響が深刻、未婚女性は乗車を控えるべき」というタイトルだ。
しかし中国中車集団の専門家である蒋莉氏は取材に対し、「実は2013年と2014年に、すでにネット上に『注意!高速速鉄道が人体に危害、未成年者は乗車控えるべき』という文章がアップされていた。
内容を見ると、タイトルが多少変わっている以外、内容はほぼ同じだ」と語った。
科技日報が伝えた。
2017年、「都市鉄道交通研究」雑誌編集長で同済大学教授の孫章氏はこのデマに反論していた。
孫氏は、「中国の高速鉄道で運行している列車で使用されている電力は一般的に25000V、50Hzの交流電流だ。
それと対応して、高速鉄道の高圧電力設備はこの周波数帯の電界と磁界を放射しており、『極低周波数の電磁放射』に属し、X線の電離放射線とはまったく異なる。
したがって、ネットで拡散している文章の中の『高速鉄道に乗車=X線を浴びる』という記述はまったくのミスリードである」としている。
電気のある場所には放射線があり、一般の列車や地下鉄にも、携帯電話やシェーバーにも、太陽光にも放射線がある。
放射線が安全な値以下であれば、人に対する影響は生じない。
では、安全な値とはどのくらいなのか?
国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)は、高速鉄道で発生する放射線について磁界の安全基準は100μT(マイクロテスラ、磁界の強さを表す単位)以下、電界の安全基準は5kV/m以下と定めている。
北京鉄路局の専門家が高速鉄道車両内の電磁放射線量を測定し、データを公開した。
それによると、異なる車種の1等車両、2等車両、車両連結部、運転席などの位置で、電磁放射線の値は11〜21V/mの範囲内におさまっていた。
データを比較すれば、中国の高速鉄道の電磁放射線量が国際基準よりもはるかに少なく、人体にダメージを与える可能性がまったくないことが容易に分かるだろう。
中国の高速鉄道の電磁放射線量が国際基準よりはるかに少ないということは、中国の高速鉄道では放射線対策の面でどのような措置を講じているのだろうか?
蒋氏は、「高速鉄道車両内部の電磁放射線は主に車両底部のけん引モータから放射されている。実のところ、電磁放射線を遮るのはそれほど難しいことではない。金属板1枚で効果が発揮できる」と明かした。
蒋氏によると、国産高速鉄道車両の金属枠は電磁放射線に対し一定のシールド効果があり、車両座席下にある厚い金属板も、けん引モータからの電磁放射線を効果的に遮ることができるという。
(提供/人民網日本語版・編集AK)
***************************
BEMSJのコメント;
上記の解説にある安全性の説明は不十分である。
「国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)は、高速鉄道で発生する放射線について磁界の安全基準は100μT(マイクロテスラ、磁界の強さを表す単位)以下、電界の安全基準は5kV/m以下と定めている。」と言いながら、測定は電界のみの測定であり、重要とされる磁界の測定結果が公開されていない。
「車両連結部」付近ではかなりの磁界が観測されるはずである。
記:2013−3−15
式部啓ら編「電磁界の健康影響」文光堂1999年発行に、参考になるデータがありました。
以下に転載します。
関心のある方は、紹介されているドイツの原典を読んでください。
グラフは、ドイツで開発中であった磁気浮上車両(リニア・モータカー トランピッド)の車内での磁気測定例で、車室で頭の高さの測定を行っている。
50−60Hzの成分はあまり大きくないが、運転の状況によって発生する磁界の大きさや周波数分布が変化していることが判る。最大でも6μT程度である。
交流電車で102マイクロテスラ(約1ガウス)もの磁界を浴びるケースがあることは驚きです。
産業衛生学会総会予稿集より
産衛誌 45巻, 2003
F016
日常生活における電磁場曝露について
○川島正敏、川島陽子、大里厚、吉積宏治、古木勝也、東敏昭
産業医科大学 産業生態科学研究所 作業病態学研究室
【背景】
溶接作業など電磁場曝露が高い職場において、その程度と健康影響との関連についての調査報告が散見される。
しかし、職場以外の日常生活における曝露レベルが様々であり、職業性電磁場曝露と健康影響の原因一結果系を充分説明するに至っていない。
【目的】
日常生活を中心とした環境での磁場の曝露の測定し、職業性電磁場曝露と健康影響との関連性を考慮する上で必要となる背景情報を資すること。
【対象と方法】
対象はオフィス職場に勤務する作業者5名。
EnviroMentor杜製の磁場測定器(ML1)を腰部に装着し、10または20秒間隔で個人曝露の24時間連続測定を行った。
測定周波数帯は30Hz〜2000Hz。測定期間は2001年10月から2002年12月で、期間中の計150日間に3287時問分の記録を収集した。
【結果】
測定期間中の曝露の最大値は102.3μT、中央値はO.05μTであった(表1)。
オフィス職場や家庭での曝露は、それぞれ最大値が13.10μTと30.OOμT、中央値がO.08μTとO.03μTであった。
最も高い曝露を認めた環境は交流区問での電車内であり、最大値が102.3μT、中央値が1.03μTであった。
【考察】
いずれの環境においても産業衛生学会の許容基準(50/f[mT]:f:周波数)よりは著しく低値であった。
このことから、日常生活における電磁場曝露は、従来指摘されているような職業性の大きな曝露による急性の健康影響を考慮する際の妨げにはならないと考えられた。
しかし国際がん研究機関(IARC: The International Agency for Research
on Cancer)は、超低周波磁界を発がんの可能性がある「グループ2B」に分類し、その中でO.4μ丁以上の曝露による小児白血病のリスクが約2倍と報告している。
本調査では、日常生活環境下においてこの値を超える電磁場曝露が認められたことから、長期間の電磁場曝露による健康影響を考慮する際には、それぞれの曝露背景について、綿密な測定が不可欠であると考えられた。
【まとめ】
職業性電磁場曝露の健康影響を考慮する際に問題となる、日常生活を中心とした環境での背景曝露についてオフィス作業者を対象に調査を行った。
概ね低い曝露値ではあったが、慢性影響を考慮する上では綿密な背景曝露の調査も必要であると思われた。
表は割愛。 興味のある方は原著を読んでください。
記:2016−1−9
http://www.kasetsu.net/EMFkenQ.htm の「電磁場研究」にあった内容の一部引用です。
サイトの管理人の許諾を得ました。
********************
◎電車での電磁場
以前から電車の電場や磁場が気になっていましたが,自動車を使う生活のためなかなか測定できないでいましたが「小樽たのしい授業サークル」へ参加することにして電磁場測定器を持って電車に乗り込むことにしました。
北海道の電車は交流電車で架線の電圧は2万ボルトですから高圧線と比べると電圧が低いものです。
電磁場の強さは距離の2乗に反比例しますから,ホームの線路よりの端で測定することにしました。
そこでの磁場は100mG以上ありました(メーターのフルスケールが100mG)。
これは大型テレビの近くと同じ強さです。
電場強度は6〜7kV/mでたいしたことなく,これでは蛍検電ドライバーも点灯しません。ちょっとがっかり。
電車に乗り込んでからは,ずっと測定値の数値を読んでいました。
まず電車は金属製ですので,内部に電場が入り込むことはできませんから,電場の測定値はゼロです。
《電子レンジと電磁波》での実験で,金網やアルミホイルで覆うようなものです。
磁場はほとんどのものを貫通しますので,電車内部でも測定できます。
************************
このサイトにある実測した電場(電界)強度6-7kV/mというのは、無視できない値です。
ICNIRPの一般公衆の曝露限度値は50-60Hzでは 5kV/mです。
記;2020−1−22
以下の研究がある、一部を引用。
掲載誌:T. IEE Japan, Vol. 116-D, No. 9,1996
タイトル:直流電気鉄道車両における漏洩磁界とその遮蔽対策
研究者:水間毅ら
本論文では電磁界のうち磁気機器への影響があり得ると言われている直流電気鉄道から発生する磁界を対象として、大きさ等を測定した結果を示す。
その上で遮蔽対策について検討を行い、鉄道車両に搭載する遮蔽材として適した材料、形状を開発する。
そして実車両による走行実験、シミュレーションを通してその効果を確認し、実用に至った結果を示す。
2.直流電気鉄道から発生する磁界
〈2・1〉磁界の種類直流電気鉄道車両から発生する磁界については以下のものがある。
(1) 電車線からレールへという直流電流の流れが周囲に大きな磁界を発生させ、それが電車走行により複雑な磁界変動を起こす一種の変動磁界
(2) WVFインバータ等車載機器の スイッチングや機器等のぎ装配線から発生する交流磁界
(3)電車線からの直流 電流を平滑化するためのリアクトルから発生する夜流磁界
このうち(1)については電車通過時の瞬間のみに発生し、大きさは0.1mT程度である。
(2)については磁界の大きさそのものは小さく、また電界として放出するものがアンテナ等により磁界として現れるものであるであるから電界遮蔽で対処が可能である。
(3)については数mH程度のインダクタンスを有するコイルから構成されるリアクトルが、1000A程度の電流を平滑する事により生ずる磁界であるので数mT程度の漏洩磁界を発生する場合がある。
またこうした磁界は高速化、電動機の容量、車両編成数等の増加による電車線電流の増加に伴いますます増加する傾向にある。
〈2・2〉磁界の測定
(1)制御方式別の漏洩磁界
図2に制御方式別の車両内における力行時の漏洩磁界の大きさを、床面からの距離で測定した結果を示す。
測定位置は抵抗制御車両では制御器の直上、界磁チョッパ制御車両ではチョッパ制御装置の直上、VVVFインバータ制御車両ではリアクトル直上とした。
いずれも各制御方式車両において最大の磁束密度を示した位置で測定を行った。
また、磁束密度は測定器の直流レンジで測定した。
これによるとVVVFインバータ制御車両の漏洩磁界が大きいことがわかる。
界磁チョッパ制御車両で車内床面から150cmの高さでの漏洩磁界が100cmの高さでの値よりも大きいのは、測定誤差あるいは車両を構成する材料や車両の形状等による影響が現れたものと考える。
また抵抗制御車両において床面からの距離による影響が少ないのは、車両上の空調機器や車両下の発電機等からの漏洩磁界が複雑に錯綜していることによるものと思われる。
(2)車両の走行モード別の漏洩磁界
図3にVVVFインバータ制御車両における力行時と制動時の漏洩磁界を車内床面からの高さで測定した結果を示す。
測定位置はリアクトル、VVVFインバータ制御装置の直上の車両内である。
インバータもリアクトルも車両床下10cm程度の位置に実装されており、インバータはアルミニウムの箱内に、リアクトルは鉄の箱内に収納されている。
これによると力行時の方が制動時よりも大きな漏洩磁界を生じることが確認された。
これは、リアクトルもVVVFインバータも力行時よりも制動時の方が流れる電流が大きいことによると考えられる。
以上の検討により、磁気遮蔽の必要性が判り、磁気遮蔽の検討を行った。
〈3・4〉実用車両への応用
これまでの実験結果により箱形形状のGシートで遮蔽を行うと磁界を集中させることなく車内の磁界低減が可能となることが確認された。
従ってこの箱形形状を基本に、図8(注:割愛)のような遮蔽構造をリアクトル上にぎ装した新京成電鉄8goe系車両が開発された。
空車状態、架線電流約960Aの力行時における車内での漏洩磁界の測定結果を図9に示す。
これによると遮蔽材中央である測定点B と端部である測定点Cとも1mT以下に磁束密度が収まっていることが確認された。なお遮蔽板の厚さはGシート(コバルトアモルファス合金と珪素鋼板を張り合わせたアモリックGシート)で構成されている。
記;2020−1−15
以下の報告がある。一部を引用して紹介
掲載誌:鉄道総研報告 RTRI
REPORT Vol. 26, No. 5, May
2012
タイトル:鉄道関連における電磁界規制の動向
研究者:長谷川均 加藤佳仁 池畑政輝ら
鉄道関連における電磁界規制については、国交省通達により、平成24年度から鉄道における電磁界の数値規制が課されることとなった。
平成24年初に国土交通省は、電気鉄道の地上設備において、経済産業省令と同一の規制値を課すこととした。なお、商用周波数以外、鉄道車両、浮上式鉄道等においては適用範囲外である。
スイス連邦の例を表lに示す。スイスでは「非電離放射線防護政令」が2000年に施行されたが、環境保護団体と通信事業者の聞で見解が違い、政治的な決着をみたという背景がある。政令では0〜300GHzまでを範囲とし、送電設備、携帯電話基地局、放送局等の常設設備が規制対象であり、家電製品、医療機器、軍用機器等には適用されない。電気鉄道設備は、「鉄道・トラム」の項目があり、規制適用範囲に含まれている。
<BEMSJ注:50Hzの場合は、電界強度5kV/m 磁束密度100μTとなる。>
記:2013−4−20
以下の測定結果が学会で発表されています。
関心のある方は、全文を読んでください。
掲載誌:平成25年電気学会全国大会 予稿集
タイトル:定速走行時の自動車内における磁界の測定
研究者:加藤宏臣ら(一般財団法人電気安全環境研究所 電磁界情報センター)
概要
1.測定の目的
近年、電気自動車は徐々に普及し、またハイブリッド車においてはかなりの普及状況である。
一方で、電力システムや家電製品から発生する電磁界が「人の健康に何らかの影響を与えるのではないか」という不安や疑問を持つ人もいる。
そこで、今回は自動車内における磁界を測定した。
表1:磁界のピーク周波数[Hz]
EV |
5.81/11.63/16.95/23.25/29.06/34.39/43.11 |
HV |
5.81/7.75/11.63/17.44
/22.27/24.22/48.93/73.14/97.85 |
ガソリン車 |
6.29 |
6Hz付近の磁界は、全ての車種に存在する周波数成分である。
表1の下線周波数付近の磁界は、EVとHVに共通して存在する周波数成分である。
なお、どの車種においてもピーク周波数のうち6Hz付近の磁界が最も大きい。
各車種で測定された最大磁界レベルを表3に示す。
表3 各車種の最大磁界[μT]
EV |
HV |
ガソリン車 |
1.33 |
1.33 |
4.20 |
※周波数は全て6Hz付近である
表3から、3車種の間では著しい差は見られず、またICNIRPガイドラインの磁界参考レベル(一般公衆に対し1.11mT(6Hzにおいて)より低い値となった。
また、EV、HVは複数のピーク周波数を持つが、これらの値の磁界参考レベルに対する割合を加算した値(ICNIRPの評価方法)も、限度値より十分に低い値となった。
作成: 2002−7−8 WEB公開:2013−6−5
ボルボの車で電磁波大という話題がありました。
WEBなどからの情報を総合すると、またBEMSJの推測を加えると、車のバッテリーが後部にあり、バッテリーのプラスとマイナスの極にそれぞれ電線を接続し、この2本の線をバッテリーで動く様々な機器の電源入力端子に接続していけば良いのですが、プラスの電極からの電線だけで、接続したのでしょう。
マイナス極からの電線は無くし、マイナス側の電線の代わりに車の金属車体を利用したのでしょう。
こうした1本の電線の接続でも電気的な動作は全く問題がありません。
バッテリーから流れる電流は直流ですが、電流は一定ではないでしょう、電流の大きさは大きく変動するでしょう。これを脈流と言います。
脈流によって、低周波の電磁界が発生します。
プラスとマイナスの電極から2本の電線で配線を行えば、プラスとマイナスの電極に接続されている電線に流れる電流はお互いに逆向きなので、電磁波はお互いに打消しあいます。
しかし、今回のボルボは1本のプラス電極側だけで配線を行ったので、この配線から大きな電磁波が漏洩したのでしょう。
この発生した低周波電磁界は、0.2マイクロテスラ以下であれば良いが、ボルボからは12ないし18マイクロテスラが、運転席で検出された、というものでしょう。
騒がれたので、フォードも電磁波のことで追従すると。
バッテリーからの電線をより合わせてしまえば磁界は打ち消される。
直流の電流であるから何もしなくても良いと、ボルボは考えたのでしょうが、直流の電流でも負荷条件によって変動し、変動磁界が発生することに気がつかなかっただけかも知れない。
騒がれたので、対策として、マイナス側の電線の配線を追加する(アース側の配線工事の追加)という改造を行うことにボルボはしたのでしょう。
ボルボのこの程度の磁界は、直流電化されている電車の中でも発生しているレベルですが、直流であっても電流値が変動する場合は、きちんとマイナスとプラスの電線をより合わせておかないと、とんでもない大きな電磁波が発生する恐れはあります。
*WEBにあった情報―1:
http://auto.ascii24.com/auto24/issue/2002/0220/06rnp_si0220_02.html <リンク切れ> の内容
Auto ASCII のWEB
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ボルボ車から環境基準を超える電磁波検出!? 事実だったら大変だけど…
[2002年2月20日]
スウェーデンの大衆紙『エクスプレッセン』(EXPRESSEN)は、14日付けの紙面でボルボの各モデルが、他メーカーのクルマより88倍も高い電磁場を作り出していると報じた。この記事に対し、ボルボ側は翌15日の紙面や自社ホームページで反論を行っている。
報道によると、ボルボ『V40』、『S60』、『V70』、『S80』、『XC90』で運転席付近の磁界を測定する実験を行ったところ、いずれのモデルでも運転席左側付近で安全基準を大幅に超える電磁波が検出されることがわかった。
特にこの値が高かったのがV40で、安全基準の実に88倍もの電磁波が発せられているという。
ただし、ニューモデルのXC90ではこの値が低かったことから、ボルボ社が何らかの対策を講じた可能性があるとまとめている。
強い電磁波は人間に悪影響を与えると言われており、もしこの報道が事実だとすれば、こういった基準に厳しいスウェーデン国内で大騒ぎになることは間違いない。
このため、ボルボ社では翌15日付けの紙面で「測定方法に疑問が残る」として実験に疑問を投げかける反論を展開。
さらに「当社のクルマはあらゆる安全基準を満たしていると考える。
電磁波が人体に与える影響ははっきりしていないが、この点でも当社は注意を払っている」と主張したが、エクスプレッセン側は「言い訳に過ぎない」とバッサリ。
記事で提示された問題は重要だ。
しかし、もっと重要なのはこのエクスプレッセンという新聞が大衆向け夕刊紙であり、見出し勝負をすることで有名な新聞だということ。
そういえば日本にもそれとよく似た媒体があったような…。
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*WEBにあった情報―2:
http://auto.ascii24.com/auto24/issue/2002/0222/14nak_sh9999_14.html<リンク切れ> の内容
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ボルボの電磁波問題にフォードが動く---真偽不明だけと対策はやります
[2002年2月22日]
「ボルボ車の運転席周辺の電磁波は他のどのクルマよりも強く、ドライバーに“物忘れがひどくなる”などの症状を引き起こす可能性がある」という発表に、親会社であるフォードが早くも対策を決めた。
今回の電磁波問題の真義は不明で、フォードもこの論文に対し「具体的な裏づけがない」としながらも、現在のボルボオーナ、エンジニアと共にこの危険性に対処する方策を取るという。
問題の研究論文は、スウェーデンの雑誌が発表したものだが、それによるとボルボ『S60』、『V70』、『S80』の運転席で測定された電磁波はそれぞれ18マイクロテスラ。
ところが通常電磁波の数値として「危険」と考えられるのはなんと0.2マイクロテスラなのだという。
フォードでは今後、これら車種のリエンジニアリングを行うことで、マイクロテスラのレベルを現在の10分の1程度まで抑制する方針で、現在のオーナに対しても電磁波削減の修理に応じる、としている。
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*WEBにあった情報―3
http://bbs1.otd.co.jp/volvo/
VOLVO掲示板
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1687:電磁波問題について:2002/06/18 07:29
V70に乗っております。問題になっている電磁波問題ですが目に見えないものだけに後から「問題アリ人体に悪影響」なんて言われても困りますよね。
特に娘二人を乗せ妻も乗せ運転するんですから。
(略)
私がディーラーに確認した所「問題ないです、しかし気になるお客様の為に数万円で対策コードを7月に出します」との事でした。
(略)
電磁波シールドコードなるもので電磁波が防げるのかと言う私の問いに対する答えが下記です。
ボルボの電磁波問題は、ボルボS80を購入した電磁波の専門家リント・スカイマン氏が、走行距離が1万kmを超える頃、左足の先に奇妙な痛みを感じるようになり、医者に見せたが、痛みの原因がわからず、車内を測定したところ180mGもの磁場が計測され、医者に高レベルの低周波磁場を発するボルボ車が原因でないかと訊ねたところ医者は「その可能性がありうる」と答えたことが話題となり、その記事がスウェーデンの月間専門紙に掲載されました。
スカイマン氏は、ボルボ社に点検を申し入れました。
ボルボ社は科学的根拠を否定しながらも、電磁波の発生を抑える改造を施した新車をスカイマン氏に提供したと言います。
「電磁波シールドコード」がスカイマン氏に提供したのと同じ改造を施した新車に取り付けたものであるのかどうかが解りませんが、
磁場をシールドするには、かなり高額の費用が要ります。
「電磁波シールドコード」が磁場のシールドなのか、電場のシールドなのかを聞いて下さい。
電場のシールドは比較的可能ですが磁場のシールドは極めて困難と考えられます。
(略)
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*WEBにあった情報‐4
http://bbs1.otd.co.jp/volvo/
VOLVO掲示板
*********************
1604 Re:電磁場 CABIN 2002/03/22 21:26
(略)
以下にPAG日本の公式見解を記載します。
疑問に思われた点はディーラーではなく、下記の担当の人に問い合わせされた方が良いかと思います。
平成14年2月22日
ボルボ・オーナの皆様
謹啓
ボルボにとりまして、安全性は創業当初から今日まで、そしてこれから先も最優先される重要な分野です。
ボルボのお客様全員に、ご自分の車の安全性をご理解頂き、安心して運転していただくことは、ボルボにとりまして最も重要な基本的事項でございます。
先日よりマスコミでボルボ車内の電磁場についての報道がなされており、ボルボ・オーナ様のご心配はいかばかりかとお察し致しますと共に、私どもといたしましても本件をきわめて真摯に受け止めております。
・
オーナ様にご理解、ご安心いただくために、状況のご説明およびボルボ・カー・コーポレーションとしての対応をご案内させていただきます。
今日の近代的な生活環境には本来電磁場があふれており、電気・電子機器のある場所には必ず電磁場が発生しています。
様々な調査が行われておりますが、人体に対する影響については、科学的根拠に裏づけられた結果は未だございません。
この様に明白な事実がわからない現在、電磁場の発生を出来る限り最小限に抑制する事が、最良の対応策であるとされています。
自動車で発生する電磁場の周波数は非常に低く、ボルボ車に関しましては欧州連合(EU)の推奨する基準値(防護指針値)の10分の1から100分の1程度の数値でございます。
従いまして、現状のままでもオーナ様とご家族の方々にはこれからも安心してボルボにお乗りいただけると確信しております。
さらに、ボルボは現在の数値レベルをより低くするための研究開発も推進中でございます。
たとえば、車両後方にバッテリーを搭載した車種からの発生レベルについては、現在の10分の1まで低下させる対策の開発を進めております。
この新しい対策は、これから10週間程で、実施可能となる見通しです。
当対策にご関心をお持ちのオーナ様にはお手数ですがお近くのボルボ車販売店までご連絡をいただきますようお願い申し上げます。
更に本件に関するご質問やご意見につきましては、どうぞご遠慮なく私どもボルボ・カーズ・ジャパンまでご連絡を頂きますよう重ねてお願い申し上げます。
担当はお客様相談室(梅田・川原田03-5404-8755)でございます。
ボルボは創業以来75年間構築して参りました安全対策に関する知識と経験のすべてを結集し、これからもオーナ様とそのご家族に最高の安全と喜びに満ちたカー・ライフをご提供させていただく所存でございます。
最後に、以上の通りオーナの皆様にご説明・ご案内させていただきました状況を 十分にご理解いただき、今後とも引き続きご愛顧を賜りますようお願い申し上げます。
謹白
ネシップ・ソヤック 社長 ピー・エー・ジー日本(株)
サイモン・マン 代表 ボルボ・カーズ・ジャパン
***********************
*2002年11月にBEMSJがボルボから入手した資料
資料の中から、発生している磁界の強度に関する部分と、対策前・後の磁界強度に関すれ頁を、以下に転載します.
*追記 ボルボV50での実測の例
https://denjihakabinsho.com/report/volvo-denjiha にあった内容
*************
ボルボ車の電磁波がとにかく低い
2016/05/01
拝読した本によると、以前スウェーデンの自動車メーカーボルボ社は、電磁波がつよすぎて問題になったとか、しかし、現行のボルボ車は電磁波がほとんど測定できないレベルにまで対策が取られています。
TRIFIELD METER MAGNETIC(0-3range)において驚きのこの数値。つまり、ほとんどゼロです。
走行中もほとんど変わらず、この数値でした。
(略)
2017-07-08 追記:
ちなみにこちらのボルボの車種はV50です。
ボルボ車の電磁波で検索されてご覧頂いている方が多いので、追記しておきます。
トリフィールドメーター(電磁波測定器)をシートに置いてアイドリング時・走行中の電磁波を計測
******************
BEMSJ注:上の写真を見ると、3mGレンジで、指示は0.2mG(=0.02μT)程度になっている。
以下の記事がある、一部引用。
************
2013年3月21日
ペースメーカ利用者、EV充電器に注意 誤作動の恐れ
電気自動車の充電器が出す電磁波が心臓ペースメーカの作動を乱す恐れがあるとして、厚生労働省は、患者が充電器に近づかないことなどを医師向け説明書に記入するようペースメーカの製造販売業者に指示した。
種類によっては、53センチまで近づくと、どうきやめまいが起きる恐れがあるという。
電気自動車の充電器は、自宅で使う普通充電器と、高速道路のサービスエリアなどに設置され短時間で充電できる急速充電器がある。
業界団体の調べでは、急速充電器で53センチまで、普通充電器では12・5センチまで近づくと、電磁波の影響が出ることが確認された。
(略)
********************
ほぼ同じ内容が、産経新聞2013年6月27日の記事にもある。
記:2023−5−24
以下は、厚労省情報の一部転載です。
******************************
A.医薬品・医療機器等安全性情報No.32
平成25年(2013年)6月
厚生労働省医薬食品局
電気自動車の充電器による植込み型心臓ペースメーカ等への影響に係る使用上の注意の改訂について
1.はじめに
エネルギー制約の高まり、地球温暖化対策の観点から、エネルギー効率やCO2排出量に優れた性能を持つ、電気自動車やプラグインハイブリッド自動車※1(以下「電気自動車」という。)の市場導入が開始されており、電気自動車の国内普及に伴い、充電環境の整備が進められています。電気自動車の充電には、充電に8時間から14時間程度を要し、主に、長時間駐車する自宅、事務所等のプライベートエリアで設置・使用される普通充電器と、短時間での充電が可能で、高速道路のサービスエリア、ガソリンスタンド等のパブリックエリアに通常設置されている急速充電器があります。
これまで携帯電話、電子商品監視装置(EAS)、IH式家電等から発せられる電磁波による心臓ペースメーカ等の植込み型医療機器への影響が検証され、注意喚起が行われていますが、今般、電気自動車の充電器より発生する電磁波が植込み型心臓ペースメーカ等に及ぼす影響について検証試験が行われました。この結果を踏まえ、植込み型心臓ペースメーカ等の使用上の注意を改訂し、患者及び医療関係者等に対し、広く注意喚起することとしたので、以下にその内容を紹介します。
(略)
(4)試験結果
IPG及びCRT-Pで、急速充電器及び普通充電器によるペーシングパルスの抑制や非同期のペーシングパルスの発生等の影響が認められた。
一方、ICD及びCRT-Dでは、急速充電器及び普通充電器による影響は認められなかった。
IPG及びCRT-Pの試験結果の概要は以下の通り。
1)急速充電器によるIPG及びCRT-Pへの影響
IPG及びCRT-Pが単極設定の場合に、12機種に影響が認められたが、双極設定の場合には、影響は認められなかった。また、観測された影響は、充電器から遠ざかることでなくなる可逆的なものであった。最大干渉消滅距離の最大値は、53cmであった。また、最大干渉消滅距離の最大値を観測した機種において、同試験条件下で、さらに、試験機種の感度を最大感度から一段階低く設定した場合にも影響が認められた。
2)普通充電器によるIPG及びCRT-Pへの影響
Mode 2普通充電器、Mode 3普通充電器の両試験下で、IPG及びCRT-Pへの影響が認められ、IPG及びCRT-Pが単極設定の場合に、最大10機種で影響を確認。Mode 2普通充電器での試験下では、IPG及びCRT-Pが双極設定の場合でも、2機種で影響を確認。これらの普通充電器による影響は、いずれもIPG及びCRT-Pが最大感度設定の場合にのみ認められ、充電器から遠ざけることで影響がなくなる可逆的なものであった。また、最大干渉消滅距離の最大値は12.5cmであった。
(略)
3.安全対策
検証試験において、IPG及びCRT-Pについては、急速充電器並びに普通充電器による影響が認められ、最大干渉消滅距離として、急速充電器にて53cm、普通充電器にて12.5cmが確認されました。
この結果から、IPG及びCRT-Pの使用患者においては、急速充電器には可能な限り近づかず取り扱いを避けること、普通充電器を取り扱う場合には、充電器や充電ケーブルに密着した姿勢を取らないことで、これら充電器の電磁波による影響を回避することが可能と考えられました。
また、急速充電器、普通充電器による影響とも可逆的な影響であり、万一、急速充電器に不用意に近づいてしまった場合や普通充電器に密着する姿勢を取ってしまった場合でも、速やかに急速充電器から離れること、体から普通充電器を離すことにより影響を回避することが可能と考えられます。
厚生労働省は、IPG及びCRT-Pを取り扱う製造販売業者に対し、これらの添付文書の「使用上の注意」欄に以下の内容を記載し、電気自動車の充電器による影響について注意喚起するともに、既にこれらの機器を使用している患者に対しても、患者手帳への注意事項の追記や情報提供文書の配布等により注意喚起を図るよう指示しています。
「使用上の注意」欄の「重要な基本的注意」の「家電製品・周辺環境等に関する注意」への記載指示内容
電気自動車(プラグインハイブリッド車を含む。)の充電器が、本品のペーシング出力に一時的な影響を与える場合があるので、以下の点に注意するよう患者に指導すること。
(1)電気自動車の急速充電器は使用しないこと。
(2)急速充電器を設置している場所には、可能な限り近づかないこと。なお、不用意に近づいた場合には、立ち止まらず速やかに離れること。
(3)電気自動車の普通充電器を使用する場合、充電中は充電スタンドや充電ケーブルに密着するような姿勢はとらないこと。
また、経済産業省及び国土交通省の協力の下、充電器及び電気自動車の製造、販売等を行う事業者に対し、充電器がIPG、CRT-P等に与える影響について取扱説明書等により購入者に周知すること、市中で患者が容易に危険性を認識できるよう、充電器の分かり易い位置に注意喚起の表示を貼付するなどの対策を行うことを依頼しています。
記:2023−5−26
以下の実測データが公開されている。
https://www.jeic-emf.jp/public/assets/document/web_mag/report/jeic_research05.pdf にあった情報の一部
関心のある方は、上記サイトをみて下さい。
身のまわりの電磁界について:自動車用充電装置編
【概要】
電気自動車やプラグインハイブリッド車(PHV)の充電方式は、急速充電と普通充電の2種類あります。
急速充電方式は三相交流200ボルト(V)の電源を必要とし、充電器本体で直流に変換し自動車に充電します。
充電時間が短くすむので、高速道路のサービスエリアやショッピングセンタで設置が進んでいるようです。
一方、普通充電方式は単相交流100V又は200V電源を用いて、直流に変換することなく自動車に充電します。
急速受電方式に比べ充電に時間を要しますが設置費用の負担が小さくなるので、長時間駐車する事務所や住宅への設置が適しているようです。
=測定内容=
充電時の静磁界及び交流磁界を測定し、交流磁界については周波数も分析しました。
また、充電ケーブルに流れる電流の大きさも測定しました。
〔充電装置〕 急速充電2 タイプ・普通充電2タイプ
〔測定対象〕 充電器本体・車両充電口・充電ケーブル
=測定結果・考察=
○ 急速充電時に発生する静磁界及び低周波磁界、並びに普通充電時に発生する低周波磁界の強さは、いずれも人への健康影響を考慮して国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)が公表している『電磁界ばく露の制限に関するガイドライン』の磁界参考レベルよりも小さい値でした。
○ 急速充電時に発生する静磁界の強さは、充電開始時が最も大きく、時間が経過するとともに減少しました。
○ 普通充電時に発生する低周波磁界は複数のピーク周波数を有していますが、最も磁界の強さが大きい周波数は50ヘルツでした。
【測定結果】
<急速充電時の静磁界>
急速充電器タイプAの充電ケーブルから発生する静磁界の時間特性を図3に示します。
なお、充電時に測定される静磁界は、充電電流による磁界に地磁気が加算された磁界であるため、測定した磁界の各軸成分から地磁気の各軸成分を減算しました。
図3に示すとおり、静磁界は電流の変化と相関があり、充電開始時が最大で時間が経過するとともに減少しました。
<急速充電時の低周波磁界>
急速充電方式は充電器本体で商用周波電流を直流に変換しており、低周波磁界は50Hz以外にも複数の周波数成分がありました。
各測定位置における最大低周波磁界と周波数を表2に示します。
本体の最大レベル周波数はいずれの測定条件においても商用周波数の50Hzでした。
車両充電口及び充電ケーブルでは測定条件により高調波と思われる周波数の磁界が50Hzよりも大きいケースがみられました。
<普通充電時の低周波磁界>
普通充電方式は車両へ交流で供給し車両内部で直流に変換しています。
普通充電時に発生する交流磁界の周波数特性の一例(タイプD:SOC20%・充電ケーブル・ループ状態)を図4に示します。
普通充電時の低周波磁界は複数のピーク周波数を持つ磁界が発生していますが、他の測定条件でも最大レベルの周波数は50Hzでした。
次に、各測定位置における低周波磁界の最大値を表3 に示します。磁界の強さは
充電ケーブル>充電器本体>車両充電口 でした。
いずれの測定位置でも、ICNIRP ガイドラインの磁界参考レベル(一般公衆に対して200μT)より低く、複数周波数磁界の同時ばく露によるICNIRPガイドラインに対する割合も、最大27.3%でありICNIRPガイドライン以下でした。
*****************
関心のある方が、全文をJEICのサイトをみて下さい。
BEMSJ注:このJEICの調査・報告はヒトの健康影響の観点からまとめてある。
ペースメーカへの影響は対象外となっている。
この調査のデータからペースメーカへの影響を検討する必要があるとすれば、急速充電器のケーブルから漏洩する静磁界となる。
ペースメーカは、
『PMに対する静磁界への耐性(規格情報)
厚生労働省医薬食品局長通知 医食発第0302004号(平成19年3月2日)「植込み型心臓ペースメーカ等承認基準の制定について」にある記載事項
「27.6項:植込み型パルスジェネレータは、1mTまでの磁束密度の静磁界により影響を受けないこと」とは、「何も起こらない、如何なる影響も受けないこと」という意味。』とあり、
1mT(1000μT)以上の静磁界を浴びると影響がでる可能性がある。
上記のJEIC測定によれば、静磁界の最大は250μT程度であり、ペースメーカの誤動作はないと、推定できる。
ただし、JEIC測定の充電器の4倍以上の電流を供給できる大パワーの充電器が作られれば、もしくは漏洩静磁界が4倍以上漏洩するような充電ケーブルの動作条件となれば、ペースメーカへの影響が起こる。
記:2023−5−23
1)毎日新聞にあった記事から
https://mainichi.jp/premier/health/articles/20230502/med/00m/070/003000d
****************************
ペースメーカ使用者でも電気自動車の高出力充電器の悪影響はなし
2023年5月6日
近年、電気自動車の充電所要時間を短縮するために高出力充電器が普及しているが、それらは心臓デバイスが埋め込まれている患者にとって、安全なのか? この疑問に対する一つの答えが、欧州不整脈協会年次総会(EHRA2023、4月16-18日、スペイン・バルセロナ)で報告され、欧州心臓病学会(ESC)発行の「EP Europace」に論文が掲載された。
ペースメーカや除細動器を使用している人に対しても、高出力充電器の安全性は高いという。ただし、念のため充電ケーブルを心臓デバイスの位置に密着させない方が良いとのことだ。
論文の筆頭著者である、ドイツ心臓センターミュンヘン(ドイツ)のCarsten Lennerz氏は「我々は、電磁干渉のリスクを最大化して評価するため、最悪のシナリオを設定した。それにもかかわらず、高出力充電器の使用中に、臨床的な影響を生じ得る電磁干渉やデバイスの誤作動は見られなかった」と述べている。
以下 有料記事で読めず。
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2)上記の原論文は以下
掲載誌:EP Europace, euad042, Published: 17 April 2023
タイトル:High-power chargers for electric vehicles: are
they safe for patients with pacemakers and
defibrillators?
研究者:Carsten Lennerz , Claudia Schaarschmidt, et al
概要:
Aims 目的
Battery electric vehicle (BEV) sales and use are rapidly expanding. Battery
electric vehicles, along with their charging stations, are a potential source
of electromagnetic interference (EMI) for patients with cardiac implantable
electronic devices (CIEDs). The new ‘high-power’ charging stations have the potential to create strong
electromagnetic fields and induce EMI in CIEDs, and their safety has not been
evaluated.
バッテリー式電気自動車(BEV)の販売と使用は急速に拡大しています。バッテリー式電気自動車は、充電ステーションとともに、心臓埋め込み型電子機器(CIED)を使用している患者にとって電磁干渉(EMI)の潜在的な原因です。新しい「高出力」充電ステーションは、強い電磁界を放出し、CIEDにEMIを誘発する可能性があり、その安全性は評価されていません。
Methods and results: 方法と結果
A total of 130 CIED patients performed 561 charges of four BEVs and a test
vehicle (350kW charge capacity) using high-power charging stations under continuous
6-lead electrocardiogram monitoring.
合計130人のCIED患者が、6誘導心電図の継続的な監視下で、高出力充電ステーションを使用して、4台のBEVとテスト車両(350kW充電容量)の561回の充電を行いました。
The charging cable was placed directly over the CIED, and devices were
programmed to maximize the chance of EMI detection.
充電ケーブルはCIEDの真上に配置され、デバイスはEMI検出の可能性を最大化するようにプログラムされました。
Cardiac implantable electronic devices were re-interrogated after patients
charged all BEVs and the test vehicle for evidence of EMI.
患者がEMIの証拠を求めて、すべてのBEVとテスト車両を充電した後、心臓埋め込み型電子機器を再確認しました。
There were no incidences of EMI, specifically no over-sensing, pacing
inhibition, inappropriate tachycardia detection, mode switching, or spontaneous
reprogramming.
EMIの発生率、特に過剰感知、ペーシング抑制、不適切な頻脈検出、モード切り替え、または自発的な再プログラミングはありませんでした。
The risk of EMI on a patient-based analysis is 0/130 [95% confidence interval
(CI) 0%–2%], and the risk of EMI on a charge-based
analysis is 0/561 (95% CI 0%–0.6%).
The effective magnetic field along the charging cable was 38.65μT and at the charging station was 77.9μT.
患者ベースの分析におけるEMIのリスクは0/130 [95%信頼区間(CI)0%–2%]であり、充電ベースの分析におけるEMIのリスクは0/561(95%CI 0%–0.6%)です。充電ケーブルに沿った実効的な磁界は38.65μTで、充電ステーションでは77.9μTでした。
Conclusions 結論
The use of electric cars with high-power chargers by patients with cardiac
devices appears to be safe with no evidence of clinically relevant EMI.
Reasonable caution, by minimizing the time spent in close-proximity with the
charging cables, is still advised as the occurrence of very rare events cannot
be excluded from our results.
心臓デバイスを持つ患者による高出力充電器を備えた電気自動車の使用は、臨床的に関連するEMIの証拠がなく、安全であるように思われます。それでも、非常にまれなイベントの発生を結果から除外することはできないため、充電ケーブルの近くで過ごす時間を最小限に抑えることにより、合理的な注意を払うことをお勧めします。
記:2019−5−25
以下の報告がある。
http://gijutsu.numazu-ct.ac.jp/pdf/200703-2.pdf にあった内容からの抜粋
沼津高専の技術室の2007年3月発行の年報の一部と思われる。
スクールバス内部で低周波磁界が10μT、15μTとそれなりに大きい磁界が観測されている。
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タイトル:学生実験における環境電磁波の測定
筆者:増田博代 沼津工業高等専門学校 技術室
2.2.本学構内での測定結果
アイドリング時のスクールパス内部での測定(ACミリガウスメーターMODEL:UHS使用)の結果、中央の4列の座席だけが左右ともに他の座席の平均値より12.8倍も高かった(表1)。そこでパス中央の座席付近で磁界の強度を測定した。
垂直方向は床から20cmおきに天井(180cm)まで、水平方向は座席開通路の中心点から窓(100p)まで測定した。
磁界強度と中心点からの距離(r)の関係を図1に示す。
磁界強度がほぼr-2に比例していることから、発生源が小さな双極子(この場合はr-3に比例する)でも、直線電流(r-1)に比例)でもなく、適当な大きさを持ったものであることが想像される。
この中央座席部分の床下にはバッテリー、エアコン本体とそれを駆動するためのエンジン、コンデンサ等取り付けられており、エアコンン駆動用のモータ部分およびその付属装置から強い磁場が漏れていると考えられる。
この結果から、バスに限らず走行中の自動車内でも高強度の磁界が発生している可能性があることを指摘しておきたい。
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