高周波電磁界に関するコーナ（５）

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　このページでは、携帯電話の基地局からの電波の強さを中心に、解説を行います。

１．　英国・携帯電話基地局周辺にある学校での電波強度実測
２．　英国・携帯電話中継塔周辺にある100の学校の電波曝露強度実測結果に対する反響　
２Ａ．英国スチュワート報告に見る携帯基地局からの電磁波対応
３．　英国NRPBの報告書にみる無線塔からの電磁界強度　
４．　カナダ・トロント市提唱： 携帯電話中継塔からの電磁波暴露規定

５．　オーストリア・ザルツブルグ市提唱：　携帯電話中継塔からの電磁波暴露規定
　　　追記：ザルツブルグ訪問の記（電磁波）
　　　追記：ザルツブルグ規定の廃止

６．　パリ市の携帯電話基地局からの電波曝露規制　

７．　携帯電話の中継塔（電波塔）から発信される電波の強さの推定
７A．総務省「電波と安心な暮らし」パンフレットに見る携帯電話基地局のアンテナからの電波強度の検証
７B．携帯基地局の塔の地上高14.9ｍで十分？
７C．基地局アンテナは高い方が曝露は少ないというイタリアの2010年の研究
７D．アメリカのFAQにあった8m以内に近接の場合
７E．携帯基地局から発信される電波強度の空間分布の推定計算例

８．　携帯電話基地局（中継塔）周辺の電波の強さの実例　
９．　日経バイト誌2002年9月号の記事から
９A．電磁波市民研究会報にあった電界強度の例
９Ｂ．教えてGoo　にあった質問と回答：携帯基地局からの電波より他の電波の方が強かった事例2010年

１１．ある携帯電話基地局の疑問―１　京王線読売ランド駅前
１２．ある携帯電話基地局の疑問―２　京王線調布駅前
１３．まだある確認すべき？基地局　稲城市内

１４．まだある確認すべき？基地局　川崎市溝口　
１４A．まだある確認すべき？基地局　横浜のパシフィコ横浜
１４B．まだある確認すべき？基地局　国立市（ＪＲ南武線谷保駅）周辺
１４C．まだある確認すべき？基地局　JR中央線・南武線の立川駅北口
１４D．まだある確認すべき？基地局　新幹線新横浜駅のプラットホームから見えた携帯基地局
１４E．まだある確認すべき？基地局　JR中央線小金井市で見つけた携帯基地局
１４F．まだある確認すべき？基地局　東京・ゆりかもめ　台場駅付近で見つけた携帯基地局
１４G．まだある確認すべき？基地局　東京・JR中央線　三鷹駅付近で見つけた携帯基地局
１４H．まだある確認すべき？基地局　東京・渋谷駅前で見つけた携帯基地局
１４I．まだある確認すべき？基地局　東京・秋葉原駅前で見つけた携帯基地局
１４J．まだある確認すべき？基地局　東京・赤坂周辺で見つけた携帯基地局
１４K．また見つけた気になる携帯基地局　東京・板橋本町

１５．携帯電話基地局は大電力の集中局か小電力の分散型か？　
１５A．改めて携帯電話基地局のゾーンサイズを考察
１５B．学校などの近傍で基地局禁止は疑問とする解説の例
１５C．ニュージーランドにおける学校周辺の基地局規制
１５D．ギリシャでは学校周辺の携帯電話基地局に規制
１５Ｅ．学校などに携帯電話基地局設置を禁止するルーマニア
１５F．インドの見解に見る携帯基地局数の減少は効果がない

１６．総務省のパンフレットに疑問

１８．基地局の無線発信電力の大きさが肝要　
１９．携帯電話基地局のアンテナからの電波の強さの推定法　

２１．イタリアでの携帯電話基地局の電磁界強度測定
２２．イタリアでの携帯電話基地局の電磁界強度測定－２
２２A．イタリアでの携帯電話基地局の電磁界強度測定－３

２３．WHOの携帯電話基地局の電磁波に関する見解
２４．携帯電話の基地局に関するニューヨーク州議会の動き
２５．イギリスのWycombeでの携帯電話基地局からの電波の24時間モニタ
２５Ａ．イギリスの携帯基地局位置情報の公開
２５Ｂ．アイルランドで携帯電話基地局マップ公開
２５Ｃ．フランスの基地局マップ公開
２５D. ドイツで携帯基地局の位置情報だけは公開
２５E．携帯基地局の情報公開を行っていたが止めたチェコ

２０．フランス国立応用科学院の調査研究「Santiniの携帯電話基地局と愁訴の関係2002年
２７．エジプトでの携帯電話基地局からの電磁波と人の行動に関する研究2006年
２７A．携帯基地局の近傍に住む人の主観的な愁訴に関する2012年のポーランドの研究
２７Ｂ．オーストリアHutterらの2006年研究　携帯電話基地局近傍の住民と睡眠など
２７Ｃ．携帯基地局の距離と健康に関するドイツBreckenkampらの2009年研究その１
２７Ｄ．携帯基地局の距離と健康に関するドイツBreckenkampらの2009年研究その2
２７Ｅ．携帯基地局の距離と健康に関するドイツBreckenkampらの2010年研究
２７F．2014年イランの携帯基地局との距離と愁訴の研究


１０．盛岡市条例にみる携帯のアンテナ鉄塔規制　

２６．佐賀県有田町で携帯電話の基地局建設反対運動受け、トラブル防止へ条例制定
２９．疑問のある条例：　福岡県篠栗町
３０．疑問のある条例：　岩手県盛岡市
３０A．携帯電話基地局に関する条例などの例　2006年の千葉県白井市の指導指針
３０B．携帯電話基地局に関する条例などの例　2008年のつくば市の指導指針
３０C．携帯電話基地局に関する条例などの例　国立市の開発行為など指導要綱
３０D．北海道美瑛町の基地局美観で規制
３０E．長野県富士見町の情報公開
３０F．福島県いわき市携帯電話基地局等の建設に係る紛争防止に関する要綱
３０G．福岡県大木町携帯電話中継基地局の設置に関する要綱
３０H．鳥取市の景観条例に基づく携帯電話などの基地局の届け出義務
３０J．茨城県東海村の携帯電話等基地局の築造に関する指導要綱
３０K．三重県松阪市の携帯電話基地局の設置に関する景観条例
３０L．鎌倉市携帯電話等中継基地局の設置等に関する条例
３０M．鶴岡市は景観条例で携帯電話基地局を規制
３０Ｎ．多治見市では紛争の予防条例で規制
３０Ｐ．大宰府市での携帯基地局紛争に関する条例
３０Q．小林市携帯電話基地局紛争と条例

２８．また見つけた確認すべき？基地局　稲城市内　川崎街道沿いのマンション

３１ また見つけた確認すべき？基地局　港区六本木ヒルズ近傍
３２ 東京　ＪＲ市ヶ谷駅周辺で見つけた確認すべき？基地局　
３２A 東京　ＪＲ高田馬場駅周辺で見つけた確認すべき？基地局
３２B 東京　虎ノ門・愛宕下周辺で見つけた確認すべき？基地局
３２C 東京　新宿駅付近で見つけた確認すべき？基地局
３２D　川崎市武蔵小杉駅と、東京　築地駅付近で見つけた確認すべき？基地局
３２E.　東京　JR田端駅、王子駅駅付近で見つけた確認すべき？基地局
３２F　京王線下高井戸・桜上水駅付近で見つけた確認すべき？基地局
３２G　東京　大崎駅付近で見つけた確認すべき？基地局
３２H　東急・池尻大橋駅の近くにあった確認すべき携帯基地局

３３．ドイツでの基地局に関する疫学　2004年

３４. 東京　地下鉄東西線東陽町駅付近で見つけた確認すべき？基地局
３４A 東京　地下鉄東西線東陽町駅付近で見つけた確認すべき？基地局　その2　
３４B 東京　地下鉄東西線東陽町駅付近で見つけた確認すべき？基地局　その３
３４C 東京　JR目白駅付近で見つけた確認すべき？基地局　

３５　　秋田市駅前付近で見つけた確認すべき？基地局
３５A　東京　地下鉄有楽町線辰巳駅付近で見つけた確認すべき？基地局
３５B 東京　地下鉄銀座線外苑前駅付近で見つけた確認すべき？基地局
３５C 東京　有楽町前駅で見つけた確認すべき？基地局 –その1
３５D 東京　一ツ橋の学士会館の屋上に見つけた確認すべき？基地局　
３５E 東京　ＪＲ中央線荻窪駅周辺で見つけた確認すべき？基地局　
３５F 東京　小田急代々木上原駅上り線プラットホームで見つけた確認すべき？基地局　
３５G 東京　九段下周辺で見つけた確認すべき？基地局
３５H 川崎市　JR南武線稲田堤駅前で見つけた確認すべき？基地局
３５I　池袋付近で見つけた確認すべき？基地局
３５J　新宿南口駅付近で見つけた確認すべき？基地局
３５K　小田急　登戸駅プラットホームで見つけた確認すべき？基地局
３５L　京王線明大前駅付近で見つけた確認すべき？基地局　2例
３５M 東京　有楽町前駅で見つけた確認すべき？基地局　その２
３５N 東京　JR田町駅前で見つけた確認すべき？基地局
３５P　東京　ＪＲ浜松町駅周辺で見つけた確認すべき？基地局
３５Q　東京　有楽町前駅で見つけた確認すべき？基地局　その3
３５R．東京・内幸町付近で見つけた確認すべき？基地局
３５S．滋賀県　長浜付近で見つけた確認すべき？基地局
３５T．小田急線相模大野駅、藤沢駅付近で見つけた確認すべき？基地局
３５U．JR京浜東北線桜木町駅付近で見つけた確認すべき？基地局
３５V．東急目黒線奥沢駅付近で見つけた確認すべき？基地局
３５W．多摩モノレール高幡不動駅近くの確認すべき基地局

３６．携帯電話基地局からの電波の強さの実測　総務省2007年4月27日報告から
３６A．カナダ保健省の２００３年の報告にみる携帯基地局周辺の電波強度
３６Ｂ．総務省　東海総合通信局のＷＥＢにあった東海管内での電波強度の実測結果
３６Ｃ．オーストラリアの携帯基地局からの電波強度測定結果
３６D．世界の携帯電話基地局からの電波曝露レベル

３７．フランスで携帯電話基地局の制限に関する議員立法の動き
３８．携帯電話の通信方式による電波観測時の違い
３９．携帯電話基地局からの電波の強さの測定法
４０．ドイツの首相への公開書簡
４１．総務省H18年度海外基準・規制調査報告書にみる携帯電話関連情報
４２．家庭内や事務所にある電気・電子機器の外部からの電波（電磁波）に対する耐性
４２Ａ．ＮＴＴドコモの環境レポート2001年にあった電子機器への影響の考慮

４３．原発に関する論議の中にあったソフトバンク孫社長の見解
４４．景観に配慮した？携帯基地局
４４A．ポーランドでは教会の塔に基地局を設置

４５．疑問のある区議会議員によるPHS局アンテナの撤去
４６．PHS用アンテナの特性に関する解説

４７．携帯電話基地局アンテナの外観図の紹介
４８．無線局登録情報の読み方
４９．携帯基地局のアンテナの性能：指向性の実例

５０．携帯電話基地局の位置と電波曝露量の比較検討
５０Ａ．携帯基地局を幼稚園からさらに50ｍ離れた場所に変更してOKとした長野県富士見町境の事例
５０Ｂ．2002年の坂上らの基地局の集中化提案

５１．スペインBalmoriの2005年研究：携帯電話基地局と鳥の巣
５２．スペインBalmoriの2007年研究：無線周波数電磁界曝露とスズメの生息数
５３．スペインBalmoriの2010年研究：無線周波数電磁界曝露とカエル
５４．スペインBalmoriの2016年研究：携帯電話基地局と樹木の損傷
５５．2009年Balmoriの携帯基地局に関するレビュー論文



 

 

 

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１．英国の携帯電話基地局周辺にある学校での電波強度実測

以下のＷＥＢで詳細が公開されている。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

http://www.radio.gov.uk/　
Mobile Phone Base Station Audit – Results
At the beginning of the audit, it was agreed that the RA would complete 100 surveys at schools by the end of 2001. The 100th survey was completed on 21 December.

The audit started in December 2000 and was completed in December 2001.
The results from the surveys are published on the RA website. The audit recorded levels typically many thousands of times below the ICNIRP guidelines, with the lowest recorded level 1/825,764 and the highest value of 1/279 of the guidelines.

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

この報告は、携帯電話の電波の健康影響を調査するために、携帯電話の基地局が周辺にある学校における電波の強さを実測した結果である。2000年12月に開始し、100箇所の実測を2001年12月までに完了した。
その結果はICNIRPの電磁界曝露ガイドライン（一般公衆向け）の指針値に対して、少ないところでは825,764分の1、最大で279分の1であった。

この調査はスペクトラム分析で、各周波数の電波の強さを測定している。　わかりにくいので解説を行います。
ここでは800MHzの単一周波数であると仮定すれば、ICNIRPの指針値では、電力密度は0.4mW/cm2である。279分の1の電力であるから、1.4μW/cm2となる。　この電力を電界強度に換算すれば2.3V/mとなる。 この電界強度の値を通常のテレビ塔などから発信されている電波の強さと比較し見れば、携帯電話の基地局からの電波の強さがわかる。

 

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２．イギリスで携帯電話中継塔近傍にある100の学校で電波曝露強度実測結果に対する反響

上の報告の英国内での反響です。

イギリス政府の青少年大臣は「安心させる」と喜んでいる。　電磁波反対運動を行っている人に言わせると、　「何の役にも立たない。　低い強度の電磁界に長期にわたって曝露した場合のことがはっきりしていないから」と、厳しい論評となっている。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　
イギリスの首相官邸ニュースとでもいえる「10 Downing street Newsroom」のＷＥＢにあった内容　
http://www.number-10.gov.uk/news.asp?NewsId=3724　　

Phone mast emissions well below international levels　[4 March 2002]
Emissions from mobile phone masts are many hundreds of times below international exposure guidelines, according to results issued today. There has been public concern that the masts may have a harmful effect on health.　

A study carried out last year measured the electromagnetic emissions from 100 mobile phone base stations on or near schools around the UK.

Results show the level of emissions ranged from several hundred to many thousands of times below exposure guidelines set by the International Commission on Non-Ionizing Radiation Protection, which offers independent advice.　

Ivan Lewis, Minister for Young People, said:
"Base stations on or near schools can be a cause of real concern for parents and schools; the audit results are an important step in reassuring　the public that base stations do operate within the relevant international guidelines."　
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　

イギリスでは携帯電話の中継塔（電波塔）からの電磁波（電波）曝露による健康影響を気にする声があり、政府は100の学校で、それらの電波強度の実測を行った。　結果はＩＣＮＩＲＰ国際ガイドラインの値の数百分の1から数千分の１と低かった。
これに対して、イギリスの青少年担当大臣は「学校の近郊に建つ電波塔に対して不安をもつ両親に対して、安心させてくれる」と。　

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　
イギリス　ＢＢＣ放送のＷＥＢにあったニュース　
http://news.bbc.co.uk/hi/english/education/newsid_1853000/1853866.stm　
Monday, 4 March, 2002, 17:58 GMT
School phone mast emissions 'low'　

A campaigner against a phone mast next to a school in Essex, Danny McLaughlin, said: "This audit has nothing to do with the main reason why many people are opposed to sitting of masts near schools: We still do not know what effect such low-level RF radiation may have on the long-term health of children." 　
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　

首相官邸のニュースと同じ内容であるが、携帯電話中継塔建設反対派は、低い電磁界に長期に曝露した時の子供への影響がないことが確認されていないのであるから、この実測結果は何の役にも立たない」と厳しい論調。　

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２Ａ．英国スチュワート報告に見る携帯基地局からの電磁波対応

記；2014-2-12

以下の情報が、市民科学研究室　電磁波プロジェクト編集、2005年発行、「携帯電話と健康　2000‐2005」（ドイツのエコログ研究所の携帯電話関係の報告書の翻訳）に掲載されている。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊一部　引用　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
　　「携帯通信と健康　2000‐2005」

●携帯電話に関する独立専門家グループ（Independent Expert Groupon Mobile Phones）、
イギリス（スチュワート報告）、IEGMP、2000年
著者：議長W. stewaart以下、医者と科学者12人と非専門家2人
テーマ：高周波場によって生じ得る健康リスク
ベース：437本の科学論文を引用

科学的結論：さまざまな指摘を考慮すると、国際非電離放射線防護委員会（ICNIRP）の勧告値を下回る携帯電話や中継基地局からの照射によって、住民が健康リスクにさらされるとは言えない。
いくつかの暫定的な科学研究は、この勧告値を下回る強度の高周波に対する曝露で、特に脳で生体効果を引き起こす可能性があると指摘している。
国の基準値を下回る高周波照射によって、必ずしも健康が損なわれるわけではないが、その曝露によって健康に潜在的な悪影響をもたらさないとは断言できない。

住居や学校その他の建物の近くにある中継基地局が環境に及ぼす影響や、中継基地局のような設備が及ぼす影響に対する不安が、一部の人々の健康状態に悪影響を及ぼすことはありえる。　
自動車運転中に携帯電話を使用すれば、運転操作に望ましくない結果を招きかねない。

推奨：科学的に信頼できる詳細な情報が提示されるまで、携帯通信技術を使用するにあたって予防措置を適用すべきである。
これまで携帯電話による健康リスクは認められていないが、子供は成人よりもおそらく感受性が高く影響が出やすいので、16歳未満の子供は携帯電話を使用すべきでない。
おしゃべりに携帯電話を使用することが子供の間で広まっているが、これはやめさせるべきだ。
報告の補足解説では、成人が携帯電話を使用する際の助言をしている。

中継基地局からの主な照射領域から学校や校庭を除外すべきである。
中継基地局を設置した事業者は、適切な測定を行い、これらの場所が照射領域からはずれていることを証明すべきだ。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

BEMSJ注：
上記赤字の箇所は適切に翻訳されているとは言えない。「主な照射領域」の原文は「Beam of Great Intensity」である。
正しい意味は、携帯電話基地局のアンテナは、特定の方向に強く電波をだし、その他の方向には弱く出すという指向性がある。
「特定の方向に強く出す、その方向での強い電波曝露領域」のことが「主な照射領域」である。
主な照射領域はたとえば携帯電話基地局のアンテナから、100mから200m離れた場所である。
200m以遠には電波は強く出さない。
また100m以内、アンテナの直下方にも、電波は強く出さない。

こうしたアンテナの性能と、スチュワート報告の推奨を正しく読めば、基地局アンテナは、学校や校庭から100mないし200mの地点に建っていてはならない、ということになる。
したがって、200mより離れていれば、OKであり、学校の建物の屋根の上に建設した場合は、校舎や校庭は100m以内になるので、学校の校舎の屋根にアンテナを建てることを許容している、ということになる。

学校の校舎にアンテナを建てることに反対して、その結果、アンテナが校舎から100mないし200mの地点に建てられたとしたら、明らかに、このスチュワート報告の推奨に反することになる。

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３、英国NRPBの報告書にみる無線塔からの電磁界強度

作成：２００３－１－４　

文書：NRPB-W23　
タイトル：Radiofrequency Electromagnetic Fields in the Cookridge Area of Leeds　
著者：K Fuller, A D Gulson, P M Judd, A J Lowe and J Shaw　
発行：2002年8月　

概要　
英国のLeedにある無線塔からの電波の強度を実測で調査を行い、人の健康に影響するレベルか否かに関して、NRPBとICNIRPの規定値に照らし合わせて判定を行った。

Leedには近接して3つの無線塔がある。これらに近接して学校もある。合計8箇所で計測が行われた。　

電波の周波数は多岐にわたるので、個々の周波数毎にガイドライン値に対する割合を算出し、総和を求めた。　
結果は、ICNIRPの一般公衆に対する指針値に対して、最大でも０.１４％程度であり、　
Hazardous（障害、危険）レベルとはいえないことが判った。　

携帯電話の電波が最も強い暴露源であったのは、8箇所の測定点の中で2箇所であった。　
8箇所の測定地点の中では、3つの無線塔から離れているため、3つの無線塔からの電波ではなく、通常のテレビジョンやラジオ放送の電波が主要な暴露源となっていたケースもある。　

以上　詳細はNRPBのWEBで公開しているこの報告書をダウンロードして、読んでください。　
イギリスでは、こうした測定を行ない、データを公開しているのはよいことです。　　

　

引用：　NRPB-23文書から　　

補足：8箇所の測定点の中で、無線塔に近接している学校での測定例を、転記しました。
携帯電話の基地局からの電波と、その他の無線電波をまるで囲んであります。
また電波の強さは電力密度で表記されているので、参考までに電界強度のレベルを右に手書きで追加してあります。　
これらから、この測定点では携帯電話基地局からの電波の強さは0.2V/m程度とさほど強くはないといえます。

この例では携帯電話基地局からの電波の電力密度は100マイクロW/m2程度であり、換算すれば0.01マイクロW／ｃｍ２となり、カナダのトロント市の提唱やオーストリアのザルツブルグ市の提唱規定を満足することになります。

 

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４．カナダのトロント市提唱：　携帯電話中継塔からの電磁波規定


携帯電話等の安全規定はカナダ連邦政府が決定し、安全基準としてはSafety　Code 6が規定されている。

カナダのトロント市では、予防原則として、トロント市としては権限外であるが、以下の様に連邦政府が規定する電磁波暴露基準（電力密度規定）の100分の1にすることを、提唱しています。

報告書：　
City of Toronto　
Community and Neighbourhood Services、Toronto Public Health、Health Promotion and Environmental Protection Office　
HEALTH CONCERNS OF RADIO FREQUENCY FIELDS　NEAR BASE TELEPHONE TRANSMISSION TOWERS

筆者：　Dr. Sheela V. Basrur、　Medical Officer of Health　
発行：November 1999　

詳細はWEBで公開されている上記情報を入手してください。　PDFファイルで公開されています。　
(かなり以前にダウンロードしたので、ＵＲＬを覚えていません。) 　

この提案によれば、携帯電話の中継塔からの電磁界暴露は　
900MHzでは　電力密度　6マイクロW/cm2　　電界強度　4.7 V/m　
1500MHzでは　電力密度　10マイクロW/cm2　電界強度　6.1 V/m　となります。

この程度の電界強度は、従来のＴＶ放送塔等の近傍では観測された値ではないでしょうか。　
携帯電話の中継塔からの電界を、その程度に規制しようとしているのかも知れません。　

追記：

総務省「諸外国における電波防護規制等に関する調査」報告書2005年より

平成１７年３月総務省
以下は報告書からの抜粋

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
＊カナダ
( 3 )地方における EMF規制

カナダは連邦国家であり連邦、州および準州の管轄事項が決まっており、連邦政府管轄事項に関して州および準 州が基準・規定を制定することが出来ない。
したがってIndustry CanadaやHuman Resources Development Canada の基準と異なる基準を州および準州政府や地方の市町村が規定することは出来ない。

また州および準州管轄事項は連邦政府が規制することはない、したがって各州で規制内容が異なることもある。
一時期トロント市から携帯電話の基地局からの放射基準を厳しくする提案があったが、基地局の管轄は連邦政府であり、またトロント市の5箇所における実際の基地局での測定結果でも連邦基準値を大きく下回っており、更に基準値を下げる必要が無いと判断され、連邦基準のSafety Code6が滴用され現在に至っている。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
この情報は？？である。

追記：２００９－５－１５
総務省平成１８年度 海外基準・規制動向調査報告書「電波ばく露による生物学的影響に関する評価試験及び調査」発行：平成１９年３月　　に以下の関連する情報がありました。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
カナダのトロント市における電話基地局規制：

一時期トロント市において、携帯電話の基地局からの放射基準をSafety Code 6の100分の1にしたいとの提案が出されたことがある。

しかし、基地局の管轄は連邦政府であり、トロント市にある5ヵ所の基地局で実際に測定した結果では連邦のSafety Code 6の規制値を大きく下回っていたことから、これ以上厳しく電磁界の制限値を下げる必要はないとの結論に達し、現在に至っている。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
この情報には？が付く。

追記：２０１９－１０－２８
以下の報告書　2007年発行にも同様な記述がある。

電波ばく露による生物学的影響に関する評価試験及び調査

平成１８年度 海外基準・規制動向調査報告書

発行：平成１９年３月

財団法人 テレコム先端技術研究支援センター

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
カナダ連邦（Federal）は10州（Provincial）および3準州（Territorial）よりなる国家で、連邦、州および準州の管轄事項が決められており、連邦政府管轄事項に関して州および準州が基準の制定を行うことができない。
連邦産業省の「無線機器標準仕様RSS-102」や連邦人材開発省の「労働法第Ⅱ部10.26」と異なる規制を州、準州政府および地方の市町村が制定することはできない。
州および準州管轄事項を連邦政府が規制することはない。
従って、州および準州管轄事項に関しては、各地方政府で規制内容が異なることもある。

一時期トロント市において、携帯電話の基地局からの放射基準をSafety Code 6の100分の1にしたいとの提案が出されたことがある。
しかし、基地局の管轄は連邦政府であり、トロント市にある5ヵ所の基地局で実際に測定した結果では連邦のSafety Code 6の規制値を大きく下回っていたことから、これ以上厳しく電磁界の制限値を下げる必要はないとの結論に達し現在に至っている。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
この情報には？が付く。


追記：２０００９－５－１７
トロント市では、上記1999年の推奨に関して、2007年12月に、再確認の検討を行いました。　
その結果では、予防原則を適用することとして、継続して、上記の推奨を維持する　ことにした。
英文の原資料は　こちらに
この原資料は、2019年10月28日にトロント市のサイトを見たが、市内の基地局建設に有効な書類として掲載されていた。

追記：２０１９－１０－２８
トロント市では、上記1999年の推奨を取り下げることに失敗した。
2013年11月のニュースから

https://www.itworldcanada.com/article/torontos-cell-tower-radiation-guideline-to-stay/86625　にあった内容

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
Toronto’s cell tower radiation guidelines to stay　トロントの携帯基地局電磁波ガイドラインは維持
Published: November 12th, 2013

Health guidelines concerning the allowable level of radio frequency (RF) radiation emitted by cellular towers in Toronto will remain in place despite a recommendation from the city’s medical health officer to drop the existing safety policy.
トロントの携帯基地局から輻射される無線周波電磁波の許容レベルに関する健康ガイドラインは、現行の安全基準を取り下げることを市の健康管理官が推奨したが、これに反して、維持される。

The recommendation by Dr. McKeown, medical officer of health for Toronto to cancel the city’s Prudent Avoidance policy regarding wireless RF emissions from cell towers in the municipality, failed to garner the needed majority votes. (略)
区域の中にある携帯電話基地局から輻射される無線周波数電磁波に対する市の予防原則を取り下げるというトロントの健康管理官McKoewn博士による推奨は、必要な多くの賛成票を得ることに失敗した。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
　

 

 

５．オーストリア・ザルツブルグ市携帯電話中継塔からの電磁波暴露規定


ＷＥＢにあった内容の概要を紹介。　
この規定は調査した範囲ではもっとも低いレベルに規制しようとしている規定である。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　　*＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
PRELIMINARY STANDARD FOR PULSED EMF IN SALZBURG
G. Oberfeld, Ch. König　
Public Health Department Salzburg / Unit for Environmental Medicine　
P.O. BOX 527, A-5010 Salzburg, Austria

In 1998 we proposed a preliminary standard for pulsed EMF (GSM) emitted by mobile phone base stations.
　1998年携帯電話の中継塔からの電磁波曝露に関する規定を提案した。
             
The standard is based on the findings of a supression of the REM-phase seen in EEG under a pulsed EMF (f=900 MHz, pulse frequency 217 Hz, pulse width 580 µs, average power density 0,05 mW/cm²) [Mann, Röschke 1996].　
　この規定は1996年のMannによる研究、0.05mW/cm2の900MHz電波が心電図に影響を与えるという研究を根拠とした。

We used an uncertainty factor of 500 to close the gap of knowledge - a method that is widely used in toxicology and even used by WHO　 to extrapolate the standard for thermal effects of EMF from workplaces to the public. The gap of knowledge is due to the unknown dose-effect-curve and unknown long term effects especially in possible vulnerable subgroups. 　
　この研究に対して、WHO等が発ガン物質の規定を決める時に用いるような、500倍の安全率を導入した。
長期にわたる影響などまだわかっていないことがあるので、この様な安全率を導入した。

The preliminary exposure standard expressed by the power density (S) is 1 mW/m² (0,1 µW/cm²). This standard should be seen as a preventive strategy and not as a known cut-off for health effects. The standard is only used for risk assessment for pulsed EMF in the vicinity of mobile phone base stations.
0.05mW/cm2の500分の1の電力密度、すなわち0.1μW/cm2を携帯電話中継塔から発信される電磁波（電波）の曝露限度とする。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

この規定、最大0.1μW/cm2は、電界強度に換算すると、最大の電波の強さは０．６V/m（2006-12-15修正）となる。　

この規定に関して、ザルツブルグに問い合わせたところ、
Our proposed preliminary value is published in german - it is not by law, but it is a reccommendation on a voluntary basis.
この規定は法的な規定ではなく、自主的に行ってもらう推奨値である、との回答が来ました。

また、この規定はザルツブルグ市近郊にあるテレビ等やラジオ放送塔等から発信される電波に比べて弱すぎる、すなわち、0.6V/m　(2006-12-15 修正)　より強い電波がテレビ塔など発信されて、携帯電話の中継塔からの電波をこのように規制しても意味がないのでないかと、質問をしてみた。

回答は
Extensive measurements showed power densities from radio and television　transmitters in Salzburg  in the range from 0,001 to 0,1 mW/m². The transmitters are sited on the top of a mountain on the edge of the city of Salzburg．
ザルツブルグ市の場合は、テレビ塔は町のはずれにある山の頂上に立っており、市街には大きな電波強度にはなっていない。　それらの電波強度は0,001 から 0,1 mW/m² (0.0001μW/cm2から 0.01μW/cm2と十分に低かった。　という回答でした。

もし、テレビ塔が東京の様にザルツブルグ市内にあった場合には、この提案は大幅に変更になっていた可能性があります。

＊＊＊＊＊＊＊＊　　　＊＊＊＊＊＊＊＊＊


追記：　2007年テレコム先端技術センターの報告書に見るザルツブルグの概況

電波ばく露による生物学的影響に関する評価試験及び調査　平成１８年度 海外基準・規制動向調査報告書
平成１９年３月
財団法人 テレコム先端技術研究支援センター
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
2.4.2.2 ザルツブルグ州
（１）電波防護の概況
（ア）公衆ばく露規制値の提案
1993年にザルツブルグ州政府は、アナログ式携帯電話に関する電磁界の研究プロジェクトを立ち上げた。
1997年のザルツブルグ州議会の要請を受け、州公衆衛生局はGSM方式の携帯電話基地局から放射される電磁界の医学的な評価を実施し、1996 のICNIRP声明のレビュー、Klaus Mann, Joachim Röschke等のさまざまな研究結果を検討した。

1998年に州公衆衛生当局から電磁界ばく露防護基準に関する勧告が出された。
その勧告は、GSM携帯電話基地局からの放射電磁界の総和の規制値として、屋外1000μW/m2以下とするものであり、その基準はKlaus Mannらの論文を根拠としていた。
その後、著者から自分たちの論文が規制の根拠とされるのは迷惑との苦情があった。

規制の根拠が困難となったことから、電磁界規制について新たな勧告の基準を作成するために、2000年に「リスク･リダクション」の観点から、ザルツブルグ国際会議を開催し、1000μW/m2の規制値を提案した。

さらに2002年には、敏感な人々を考慮し、屋外10μW/m2、屋内1μW/m2の規制値を勧告した。

ザルツブルグ州によれば、ICNIRPガイドラインの制限値の10W/m2は短期的な熱作用の防護に対しては十分完全であるが長期的な非熱作用には不十分であり、予防医学の観点から、適用するよう勧告している。

（イ）ザルツブルグ・モデル
1998年4月、ザルツブルグ州の市民は、携帯電話通信事業者主導の基地局建設の阻止運動を展開した。
これを受けて、州政府では1998年5月に建築法の改正を行い（建築法は旧市街地の景観保護を目的とした規制であったが、法改正によって携帯電話基地局のマストの要件、設置手続き、審査等が規定された）、併せて携帯電話基地局の設置に関して市民参加による検討を行った。

1998年5月以降、基地局設置に際して市民と携帯電話通信事業者との間で合意が求められ、話し合いにより電磁界防護基準や防護施策が設けられることとなった。
市民と携帯電話通信事業者のConnect Austria（ONE）との合意を形成するため、ラウンドテーブル会議を開催し、携帯電話基地局の設置基準の設定に関し協議した。

1998年10月の合意に至るまでに、1998年4月より、1、2週間に1回の間隔で15名の市民参加によるラウンドテーブル会議を開催した。
当初は、市民と業界との対立が起きていたが、最終的には次のことが合意された。
(a) 建設地点のマストの自由見学
(b) 全てのマストの場所および大きさ等の情報開示
(c) 建設予定地の市民による視察
(d) 基地局の放射ばく露規制値は1000μW/m2（州政府勧告値）とする

合意に達したザルツブルグモデル（ラウンドテーブル会議方式）は、1999 年にオーストリア教育･科学･文化省 からPublic Relation賞を受賞した。
また、Connect Austria（ONE）およびプランニングを行ったコンサルティング会社も表彰された。

（２）電波防護規制の内容
（公衆ばく露規制）
2002年にザルツブルグ州では、UMTSサービス実施に備え敏感な人々にも対処するために、携帯電話基地局からの電磁界放射の総和について次の規制値を遵守するよう勧告した。
これは、あくまでも勧告であって、強制的なものではない。
・屋外で10μW/m2
・屋内で1μW/ m2

この根拠となる主な論文は2002年に発表されたR. Santini et al 、C. Gomez-Perretta de　Mateo et al 、Michael Kundy et al の3件であり、「建築生物学者」（Baubiologie）なども加わる委員会の意見を参考に勧告案としたものであり、強制ではない。

1998年に合意に達し、2000年の会議で提案した規制値1000μW/m2よりも100倍厳しい値に更新されたことになる。

（３）一般市民への情報公開
ザルツブルグ州環境衛生管理局では、一般市民向けに次の小冊子を発行している。
・「携帯電話のリスク、携帯電話とエレクトロスモッグに関する情報、危険にある健康！」（2003年3月）＜246＞
その中に、「GSM携帯電話送信では、屋外10μW/m2、屋内1μW/m2のザルツブルグでの用心のための値を遵守すること」と書かれている。

２４６：Risiko Mobilfunk, Informationen zu Mobilfunk und Elektrosmog, Gesundheit in Gefahr!

http://www.salzburg.gv.at/risiko_mobilfunk.pdf　＜2019年10月　リンク切れ＞


＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

追記：Overfeld氏の2000年講演にみる1998年、1999年当時の実態

2000年にザルツブルグで開催された携帯電話基地局などの電磁波に関する国際シンポジウムで、オーバーフェルドは以下の、ザルツブルグの予防原則に関する口演を行っている。

タイトル：The Salzburg Model: A Precautionary Strategy for Siting of Base Stations
発表者：Dr. Gerd Oberfeld, Dr. Christoph König

この中に、当時のザルツブルグにおける携帯電話基地局からの電磁波曝露の実態に触れた箇所がある。

その1：1998年頃はほとんどの基地局サイトは合致していた、と。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
The calculations showed that in almost all sites, due to the relatively height of the antennas over ground level of about 30-35 m, the type of antenna and the planned transmitting power (17 W with a gain of 18 dBi = 1073 EIRP), the evaluation value of 1mW/m² was complied with.
計算の結果は、ほとんどの場所で、地面から約30－35ｍの地上高差で、基地局の電力は１７Ｗ，指向方向の利得18dBi、等価電力1073Ｗの場合、評価値1ｍＷ/ｍ2を満足していた。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

しかし、上記の解説を検算してみると
例：地上高差30m　水平距離200m　この地点が主ビームの角度と仮定すると　　この地点のチルト角は0.003°
直線距離は202m　　　
電力密度S＝1073/（4π×202の二乗）＝2.1mW/m2

これは上記の数値と一致しない。
Oberfeldは何を計算したのか？

２．1999年の測定では満足していない。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
Furthermore, it was shown that at 10 out of 20 emission points, the GSM cumulative value of 1mW/m² was in part considerably exceeded.
In a presentation of the measured values made in July 1999, the citizens requested the network operators concerned to comply with the GSM cumulative value of 1mW/m².
The operators and the Forum Mobilkommunikation (PR agency for network operators and the relevant industry) then pointed out the lack of a legal obligation and left the negotiations with no further discussion.
GSM携帯の基地局の電波曝露を測定した場合では、20か所の測定のうち10箇所が規定に合致していなかった。
1999年7月の測定結果の説明会で、市民は通信業者にＧＳＭ携帯基地局からの累計曝露値を1ｍＷ/ｍ2になるようにと、対応を望んだ。
通信業者と携帯通信業界は法的な論拠がないとして、「これ以上の論議はしない」として協議から去った。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

ということで、2000年当時から、ザルツブルグ市での携帯電話基地局からの電磁波曝露は、ザルツブルグの予防原則値に一致していなかった　と言える。


追記１：ザルツブルグの規定に関する追記　　２００７－１－２２

電磁波研会報・第１７号　2002.7.21発行に掲載されたザルツブルグの携帯電話基地アンテナからの電波強度の実態を引用しながら、以下に実態をまとめた。

＞マイクロウェ-ブ･ニュ-ス2002年5～6月号より　
＞ザルツブルグ基準値の議論活発化
＞オーストリア・ザルツブルグ周辺の実測測定調査を巡って
＞
＞オ－ストリアの環境都市ザルツブルグはモ－ツアルト生誕地としても知られる町だが、高周波基準値｢０.１μワット／cm2｣でも知られている。
＞このザルツブルグ基準値はいわば紳士協定で法的強制力をもつものではない。
＞このたび、オ－ストリア調査センタ・ザイベルスドルフ（ＡＲＣＳ）とスイス通信局(ＢＡＫＯＭ)がザルツブルグの携帯中継基地局周辺の
＞高周波無線電波の曝露量を計測した。
＞その結果、13地点でザルツブルグ基準値をオーバした。
＞
＞だから「ザルツブルグの規定は現実的でない」という意見
＞
＞測定調査を依頼したスイス政府は｢ザルツブルグ基準をオーバしていることで、
＞ザルツブルグの基準値は都市エリアのアンテナ周辺に住む人には適合しない値だ」とした。
＞オ－ストリア通信業界を代表するＭＭＦ（携帯メ－カ会議）も「ザルツブルグ基準は政治的ＰＲではあっても、
＞現実的でないことを示した」と声明を出した。
＞
＞測定プロトコルの違いに過ぎないという主張
＞
＞ザルツブルグ公衆衛生局のゲルト・オベルフェルト(Gert Oberfeld）は今回の測定調査は役立たないものだ、と反論した。
＞オベルフェルトは「ザルツブルグ基準は法的強制力を持つものでなく、今回測定調査したアンテナの多くはザルツブルグ基準に
＞応じようとしていない携帯会社のアンテナであった」と説明した。
＞
＞今回の測定調査実施チ－ムの責任者ジョ－ジ・ノイバウア－は「測定はスイス通信局(ＢＡＫＯＭ)が取り決めた
＞測定プロトコル(実施手順)に拠ったものだ」と説明した。
＞このプロトコルではすべてのアンテナは最大出力で作動するとして測定するやり方である。
＞
＞ところが、ザルツブルグ基準は「通常の出力でアンテナは作動しているとの条件で設定されている。
＞今回の測定チ－ム責任者ノイバウア－は２年前、「高周波無線電波量はザルツブルグにおいて､大抵(すべてということではないが）
＞基準値を下回っている」と報告していた。
＞
＞実際、彼は「プロトコルの違いの下で直接比較しても意味がない」と私達の問に答えている。

以下はｂｅｍｓｊのコメント：
オーストリアのザルツブルグ州は、州の衛生局の指針として、携帯電話基地局から発信される電波による住民の曝露強度は、０．１μＷ/ｃｍ２（電界強度に換算すれば０．６Ｖ／ｍ）にすることを推奨していた。
２００２年にはこの曝露限度を0.001μＷ/ｃｍ２（電界強度に換算すれば０．０６Ｖ／ｍ）に引き下げている。

以上の報告は、２００２年の報告で、実測してみたら０．１μＷ/ｃｍ２を超えていた場所が多かったということである。
これは
１）紳士協定であるザルツブルグ基準を無視して、携帯電話通信社がアンテナから電波を出している、可能性もある。

２）ザルツブルグ基準の測定条件が、基地局アンテナからフルパワーで発信している場合ではなく、通常の電力を発信している時の電波曝露量である、ということがわかった。
当該のサービスエリア内にどの程度の人数のユーザが携帯電話を使用し、サービスエリアの中のアンテナの近くにユーザ多くいたのか、サービスエリアのフリンジに近い場所に多くのユーザがいるのかによって、極端に基地局からの電波発信量が異なる。
従って、ザルツブルグ基準の測定手順は実質的に再現性のない、ある意味では基準を制定しても測定・評価するプロトコルがあいまいで、実質的に意味のないことをやっているといえる。

厳しい規定を提案するのはやぶさかではないが、これではザルツブルグの規定はザル規定である。


追記２：　ザルツブルグの規定に関する追記　　２００７－５－１

上記マイクロウェーブニュースに紹介されえいるスイスのBAKOMの報告書全文を入手した。
ほとんどが英語、一部ドイツ語という300ページを超える報告書である。

この報告書にあった測定結果を以下の表に示す。　13箇所の測定で、8箇所がオーバし、最悪は規定値の40倍となっている。

測定番号

測定地点・住所

最大電力密度 （mW/m²）

最大電界強度 （V/m）

1

Liefering

0.356

0.366

2

Grazer Bundesstrasse

2.092

0.888

3

Gaisberg

0.0036

0.0368

4

Vogelweiderstrasse

2.654

1.00

5

Ernst - Greinstrasse

2.368

0.945

6

Ginzkeyplatz

8.307

1.77

7

Gaswerkstrasse

39.618

3.865

8

Friedhofstrasse

0.098

0.192

9

Bachstrasse

1.048

0.629

10

Hübnergasse

21.330

2.836

11

Berchtesgardenerstrasse

0.915

0.587

12

Maria-Cebotaristrasse

1.314

0.704

13

Makartplatz

0.164

0.248

赤字：ザルツブルグの規定（0.1μW/cm2）を超えている



追記３：ザルツブルグ訪問の記（電磁波）　2007-11-8　

2007年10月、家族旅行としてドイツへ行き、ミュンヘンを基点として周辺の観光地を巡った。
17日はザルツブルグにモーツアルトの生家などを訪ねた。
ザルツブルグの旧市街はユネスコの世界遺産にも指定されている古い町並みもある。
ザルツブルグは電磁波の健康影響に関しては有名な町である、携帯電話の電磁界強度を厳しく規制していることで知られている。
この点でも関心はあったが、家族旅行ということで、電磁波に関する活動はなく、町並みを見ながら、以下に気がついた点のみを纏める。

その1：ザルツブルグ市内へテレビ放送電波を発信するテレビ塔の確認

 

写真１：ザルツブルグ中央駅から北へ10分程度歩いた鉄道線路沿いの道から東をみた写真

どんよりと曇っていて鮮明ではないが、赤い楕円形で示した部分がザルツブルグの近郊の山「ガイスベルグ山」の頂にあるｵｰｽトリア放送ORFのテレビ塔である。
市街地にはTV塔はなく、こうした近郊の山頂にテレビ塔が建設されているので、市内のテレビ放送の電波はさほど強くない、とされる。
ザルツブルグで携帯電話の基地局アンテナからの電波の強さを規制しようとしたとき、規制案に比べてテレビの電波は弱く、問題にはならなかったとされる。
数年前に三浦が確認した「ザルツブルグ市の場合は、テレビ塔は町のはずれにある山の頂上に立っており、市街には大きな電波強度にはなっていない。
それらの電波強度は0,001から0,1mW/m2（電界強度に換算して0.019V/mから0.19V/m） (0.0001μW/cm2から 0.01μW/cm2)と十分に低かった。」ということが、これでうなずくことができた。

写真１には携帯電話の基地局アンテナも映っている、赤い四角で囲んだ部分である。
近づいて確認したわけではないが、このアンテナの地上高は決して十分に高いとは思えない。
もし、ザルツブルグにおける携帯電話基地局アンテナから発信される電波の強さを、ザルツブルグの規定として有名な値である2002年に改訂した曝露限度：0.01μW/cm2（電界強度に換算すれば0.06V/m）を満足させようとすれば、もっとアンテナの地上高を高くしなければならないと思う。

測定器を持参したりしていないので、もしかしてこの程度の地上高さでも十分に低い電波強度になっているのかも知れない。
もしくは、BAKOMの報告書にあるように、実際のザルツブルグの電波強度は、ザルツブルグの1998年の規定（0.1μW/cm2）すら満足していない、という報告書もあることから、ザルツブルグの携帯電話基地局の電波強度規制はザル法になっているのかもしれない。

その2：ザルツブルグ中央駅のプラットホームから見た駅前のOBB（オーストリア鉄道）の建物に屋上に設置された２基の携帯電話基地局アンテナ

写真2：

写真2の赤い○印はOBBのビルの屋上にある基地局アンテナである。
駅のプラットホームで、帰りがけに見つけたもの。
近接して高層の商用ビルがある。外に出て確認はしなかったが、アンテナと高層商用ビルとの間はさほど離れてはいない。50m程度いないかも知れない。

この場合、携帯電話アンテナからの水平方向に強く発信される主ビームの方向に、近接して、商用ビルがある。
ICNIRPなどの規定にある曝露基準には適合していると想定されるが、こうした主ビーム方向に50m程度の距離で、電波強度としてザルツブルグの規定値を満足しているとは、ちょっと思えない。
こうしたことから、ザルツブルグの携帯電話の電波の厳しい規定は、ほとんど遵守されていないと思わざるを得ない。

 

追記４：ザルツブルグの電波曝露の実態　200８-４－４　


ザルツブルグの屋外における携帯電話の電波強度をザルツブルグの2002年の規定、屋外における曝露限度0.001μW/cm2にするためには、例えば住宅地域に立てるアンテナ塔の地上高はどの位になるか？推定を行ってみる。

想定：電力　P=50W
アンテナの主軸方向の利得　20dBi
アンテナから45度の俯角方向での指向性減衰は-20dBi と仮定する。
給電線などの損失はないものとする。
大地での反射があり、電力密度に対する係数は2.56とする。
この状態で、アンテナから45度の俯角で、地上までの電波強度が0.001μW/cm2になる直線距離Ｒを計算する。
直線距離はなんと1000mとなる。これよりアンテナの高さは最低でも700mとなる。

追記３にあるように、ザルツブルグにはこのような超高層の携帯電話基地局は見られなかったことから、この0.001μW/cm2の規定は順守されていないと判断できる。

それでは、ザルツブルグの旧規定　電波強度0.1μW/cm2の場合の、同様なアンテナ高さを求めてみる。
計算結果は、直線距離で100mとなり、アンテナの地上高さは70mとなる。
このことは、日本の携帯電話基地局のタワーの高さ40mや50mよりも一回り高くした塔にしなければならない。
ザルツブルグでは厳密にはアンテナ塔の高さを測定したわけではないが、さほど高いとは思えなかったので、0.1μW/cm2の旧規定も順守されていない可能性が高い。


追記５．ザルツブルグにおける実態　２００８－４－４

 

「諸外国における電波防護規制等に関する調査報告書　平成16年3月」によれば、
「市民と携帯電話会社とのラウンドテーブル会議方式による1998年の合意はザルッブルグモデルとして、パブリックリレーション賞を1999年に受賞した。
しかし、その後携帯電話事業者側は勧告値を受け入れた判断は誤りであったとし、ザルツブルグの勧告規制値を無視し、2001年頃には結局1998年勧告以前の状態に戻っている。

ザルツブルグ州政府はプロジェクトチームを組んで勧告をつくる努力をしたが、携帯電話業界がそれを無視するのはあまり気にしていない。
ザルツブルグのEMF規制値は勧告であって法的拘束力はないが、今後も市民保護の観点から勧告は続けて行く。
携帯電話業界は、ザルツブルグ州のEMF規制値は厳しくUMTSネットワークを構築できないと言う。
これは政治家に対する圧力とも見られる。
これまでも勧告であって強制ではなかったので、実際にマストを設置し、アンテナも取り付けて来ている。」とある。


追記6.. ザルツブルグの規制の主導者に関する情報　　　２００８－８－７

　オーストリアの携帯電話フォーラムのサイトにあった内容です。

携帯電話基地局からの電波強度を低く規制しているザルツブルグ規制の主導者であるオーバーフェルド氏が、2008年2月25日にプレス発表した研究「オーストリアのHausmannstätten（グラッツの近く）の携帯電話基地アンテナからの電波によって癌が増えた（この研究内容は未確認）」は、正しい研究ではないと非難されている。
なぜならば、研究対象とした期間は1984年から1997年であるが、少なくとも1994年以前はその地に携帯電話のアンテナはなかったからである。
したがってオーバーフェルドの研究で、携帯電話基地局と関係するとした結論は誤りであるという非難がある。

この非難の内容は、以下のサイトにある。
＞http://www.fmk.at/content.php?id=222&cb=196_829
＞Scandal concerning incorrect cancer investigation and mobile phones
＞Mobile phone discussion needs to be more objective

さらに、オーバーフェルドは、この研究結果の撤回を求められて、ザルツブルグ地方裁判所に訴えられている。
詳細は以下のサイトにある。
サイトの記事には日付はないが、最近のことと推定できる。

＞http://www.fmk.at/content.php?id=222&cb=196＜リンク切れ＞
＞Oberfeld lawsuit: environmental doctor disregarded facts
＞the Oberfeld study is irresponsible in the way it deals with people’s lives


追記7．ザルツブルグに関する追記　　　　２００８－８－７

オーストリアの携帯・移動体通信フォーラムのサイトにあった情報です。
http://www.mmfai.info/public/docs/eng/070326%5FMMF%5FViewpoint%5FAustria%5FICNIRP%2Epdf＜リンク切れ＞

＞EMF policy facts: Austria
という2頁の文書「オーストリアにおける電磁波の政策」が公開されています。

この中に、次の2点に興味を感じました。

＞The political demand from the city of Salzburg to introduce a new limit of 1m W/m² (=0.1マイクロW/cm2) was brought before parliament but was rejected by a large majority on January 2002．

ザルツブルグの提案（0.1マイクロW/cm2の電力密度に規制する）はオーストリアの国会に提案されたが、2002年1月多数の反対によって、否決された。

＞UMTS expansion in Salzburg
＞In 2004, after local elections were held, the city of Salzburg and the network operators arrived at an agreement to ensure the installation of UMTS networks.
＞5. No further discussions about introduction of lower exposure limits between operators and policy-makers.

ザルツブルグにおけるUMTS携帯電話の進展
2004年の地方選挙の後で、ザルツブルグ市と携帯電話会社はUMTSネットワークに関して合意に達した。
＜その中の合意として＞5.携帯電話の会社と政策決定者間では、低い電波曝露限度値の導入に関して、さらなる討議は今後行わない。

関心のある方は、上記のサイトの原文（英文）をダウンロードして、読んでください。


追記8：ザルツブルグ規定の廃止

記：2017-2-26

＊ザルツブルグ市での携帯電話通信インフラ整備の遅れ

Microwave News の　September/October 2002号に以下の記事がある。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
The Austrian wireless industry’s feud with health officials in Salzburg continues.
In announcing the launch of the country’s first nationwide 3G system, service provider Mobilkom said that it cannot offer the service in Salzburg because of the city’s 1µW/cm2 precautionary limit, the September 26 Salzburger Nachrichten reported．
オーストリア無線工業会とザルツブルグの健康管理官との確執は続いている。
オーストリアにおける最初の国内統一第3世代の形態電話システムの立ち上げに関して、提供事業者のＭｏｂｉｌｅＫｏｍは次のようなアナウンスを行った。
「ザルツブルグでは予防原則値1μＷ/ｃｍ２の規制がある為に、サービスを提供できない」と、9月26日付けのSalzburger Nachrichtenという新聞で報じた。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊


ザルツブルグ2002年の状況に関して、上記Ｍｉｃｒｏｗａｖｅ　Ｎｅｗｓの元ネタと思われる記事がある。
オーストリアの新聞OBSERVERの2002年9月22日の記事であり、
原文のドイツ語（黒字）を機械英訳し（濃い緑）、それを和訳（濃い青）した。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
Grenzwert zu niedrig: Keine UMTS-Handys in Salzburg.
Limit value too low: no UMTS mobiles in Salzburg.
制限値が低すぎる：ザルツブルグではUMTSは利用できない。


SALZBURG．-Die "Zeit im Bild映像の時代“am Handy，jedes Bundes liga-Tor auf dem Mini-Bildschirm，vier Minuten nachdem es gefallen ist：UMTS macht's möglich．
SALZBURG.-the "Zeit im Bild" on the phone, every federal League goal on the mini screen, four minutes after it fell: UMTS makes it possible.
ザルツブルグ発：電話による「映像の時代」で、すべての連邦州では小さい画面で見ることができるが、4分後には停止してしまう、UMTSではそうしたサービスが可能になる。

Seit Donnerstag ist UMTS in allen　Österreichischen Landes－hauptstädten Realität-nur in einer nicht：in Salzburg．
Since Thursday, UMTS not is in all Austrian country capitals reality only in one: in Salzburg.
火曜日からオーストリアの各州の州都ではUMTSサービスが利用できるが、唯一できないのが去る津ブルグである。


Der　Grund：ln der Stadt Salzburg gibt es den l-Milliwat-Strahlungs-grenzwert，während überall sonst für UMTS die von der EU empfohlene 10-Watt-Grenze gilt．
The reason: the city of Salzburg there in the l-Milliwat-radiation limit's, while everywhere else, the 10-Watt limit recommended by the EU applies to UMTS.
その理由は、他の都市ではUMTSに対してEUが推奨している10Wの規定を採用していることに対して、ザルツブルグ市では1mWの放射規定があるからである。


”Damit ist UMTS in der Stadt Salzburg technisch nicht möglich“, sagt Thomas Barmuller vom Forum Mobilkommunikation, "wir haben da schon mit dem GSM-Netz Probleme."
"So that UMTS is technically not possible in Salzburg", Thomas Barmuller says of the mobile communication forum, "we have problems already with the GSM network."
「ザルツブルグではUMTSは技術的に不可能である」「我々はGSM携帯電話網でもすでに問題を抱えている」と携帯電話通信フォーラムのThomas Barmullerは言う。


Man brauche für ein lückenloses UMTS-Netz in Salzburg auch Mobilfunk-Antennen auf städtischen Liegenschaften, sagt Barmuller.” Wir haben zwar einige Antennen, aber mit einem lückenhaften Netz ruinieren wir nur unseren Ruf.“
You need for a complete UMTS network in Salzburg also mobile radio antennas on urban real estate, says Barmuller. "We have some antennas, but with an incomplete network we ruin just our reputation."
ザルツブルグでUMTS通信網を構築するためには、市街地の不動産（建築物）の上に携帯電話の基地局アンテナが必要となる。Barmullerは「我々はいくつかのアンテナは持っているが、我々の所望に対して破滅的な、不十分な通信網である」と言う。


Die Salzburger Stadt politik müsse dann eben zur Kenntnis nehmen, dass es in Salzburg UMTS　(”das ist quasi Internet am Handy“) nicht gibt.
The Salzburg City policy must take just to note there's no in Salzburg UMTS (“This is Internet virtually on the phone").
ザルツブルグ市の政策として、ザルツブルグにUMTS通信網（携帯電話によるインターネットの利用）がないことに注目しなければならない。


Auch wenn es derzeit UMTS-Netze nur in Japan und in Europa nur in Österreich gibt: Barmuller ist überzeugt, dass sich UMTS ähnlich stark entwickeln wird wie das GMS-Handy.  Schon in wenigen Monaten werde es preisgünstige Geräte geben.
Even though there currently are UMTS networks only in Japan and Europe only in Austria: Barmuller is convinced that UMTS will develop similarly strong as the GMS mobile phone.  Within a few months, there will be low-cost devices.
現在ではUMTSは日本・欧州・オーストリアでのみで利用されている。
Barmullerは「UMTS通信網はGMS携帯電話と同じように十分な発展を遂げるだろう。数か月以内に低価格の商品が出るだろう」と確信している。


Man werde deshalb das Gespräch mit dem Bürgermeister und mit ”Masten verhinderer“ Stadtrat Padutsch suchen, sagt Barmuller. Denn es gebe keinen Vernünftigen Grund, diese Technologle zu verhindern. Und Olympia 2010 in Salzburg könne man sich ohne UMTS nicht vorstellen.　　　Konnie Aistleitner
It should be therefore the conversation with the Mayor and with “masts preventer " City Council Padutsch are looking for, says Barmuller. Because there is no good reason to prevent this technology. And 2010 in Salzburg could not imagine Olympia without UMTS.
したがって、ザルツブルグ市長と「基地局反対運動グループ」は話し合わなければならない、市議のPadutschはその方向を求めている」とBarmullerは言う。
なぜならば、この技術を妨げる理由がないからであり、UMTS通信網サービスの実施のない2010年のザルツブルグのオリンピックは想像もできない。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊


また、以下のような事情もあった。

当時、ザルツブルグは2010年冬季オリンピックの招致に向けて、市内での通信インフラの整備が必須であった。
2010年冬季五輪開催地は2003年7月チェコのプラハで開かれた第115次IOC総会にて投票により決定された。
総勢126名のIOC委員のうち開催候補都市の国の委員7名と不参加の委員及びIOC会長を除いた113名が最終選考に残ったバンクーバー（カナダ）、平昌（ピョンチャン/韓国）、ザルツブルク（オーストリア）の3都市に投票。

1回目の投票では当初の予想を大幅に覆し平昌が51票を獲得してトップに立ち、以下バンクーバー40票、ザルツブルク16票と続いた。しかし1位の平昌が過半数の票を獲得できなかったため最下位のザルツブルクを除外しバンクーバーと平昌による決選投票が行われた。
決選投票ではバンクーバーにザルツブルクからの支持票が回り、結果56対53と僅か3票差でバンクーバーが逆転し2010年冬季五輪開催都市に決定した。

ザルツブルグがオリンピック開催地として選択されなかった遠因の1つに通信インフラの整備不足があったのかもしれない。

また、ザルツブルグはモーツァルトの生家などがあり、また音楽祭などで多くの観光客を迎える立場にあり、通信インフラの整備は大きな地方経済に直結する課題となったのでしょう。


＊2005年にザルツブルグの規定は廃止　という情報

http://www.kokusyo.jp/phone/10523/　に以下の記事がありました。

＞2016年10月31日 (月曜日)
＞携帯電話の基地局問題
＞NTTドコモが住民に対して説明会、住民の命よりも企業の利益を優先、
＞基地局設置工事の続行を宣言
＞
＞ザルツブルグ市：０．０００１W/cm2（室内目標値）について、どう思うかと筆者が質問したところ、２００５年に廃止されたと答えた。
＞「２００５年に廃止された」という話を筆者は初めて聞いた。
＞筆者が勉強不足なのか、さもなければNTTドコモ側が嘘をついたことになる。
＞少なくとも筆者は、そんな話を聞いたことはない。

この記事をきっかけに、「2005年にザルツブルグの規定廃止」に関する論拠を、この3か月間調査してきました。
ようやく、以下の、元ネタにたどり着きました。

＊2005年にザルツブルグ市はそれまでの厳しい規定にさよならをし、ＵＭＴＳのネットワークの構築に入りました。

2005年4月にザルツブルグ市は報道発表を行っています。
この報道発表のファイルを見つけました。
ドイツ語なので、まず機械英訳し、その英訳を和訳しました。

ザルツブルグでは1998年に厳しい規定を、さらに2002年にはもっと厳しい規定を定めています。
この為に、2002年、2003年頃にザルツブルグではＵＭＴＳの携帯基地局が建設できませんでした。

2004年にザルツブルグ市、携帯電話事業者、市民団体が共同で作業部会を作り、ＵＭＴＳ携帯電話のインフラを如何にするかを討議しはじめ、結果として、2005年4月に　ザルツブルグ市にＵＭＴＳ通信インフラの整備を行う、ただし、電波曝露はできるだけ低く抑える　ということになりました。
電波曝露は、1998年の規定を一部のサービスエリアでは超えます。
2002年の規定は、明らかに無視されました。

このザルツブルグ市の報道発表の原文は　こちらに

以下に対訳バージョンを紹介します。

ドイツ語から直接和訳したバージョンが、上田昌文さんの市民講座のＷＥＢで公開されています。　そのファイルは　こちらにも転載しました。

機械英訳からの和訳と対比すべく、追記をしました。

黒字；ドイツ語原文

赤字：機械英訳したもの
緑字：機械英訳を和訳したもの
青字：ドイツ語からの直接和訳したもの
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ザルツブルグ市オンライン情報

 

Extras > Presse > Presseaussendungen > 2005
プレス リリース＞2005


Letzte Änderung: 21.04.2005

Last updated: 21.04.2005

最終更新：2005年4月21日

 

UMTS-NETZE: FLÄCHENDECKENDE GRUNDVERSORGUNG MIT GERINGSTER TECHNISCHER SENDELEISTUNG UND OPTIMIERTEN
Do, 21. April 2005   
UMTS NETWORKS: BASIC COVERAGE WITH MINIMAL TECHNICAL POWER AND OPTIMIZED
Thu, April 21, 2005 
UMTS通信網: 最も低くなる技術による基本的なサービス範囲と最適化
UMTS通信網：技術的に送信電力を低くし最適化した、市全域を網羅する基本的サービス


In der Sitzung des gemeinsamen Arbeitsgremiums der Stadt Salzburg und der Mobilfunkbetreiber vom 12 April 2005 wurde im gemeinsamen Informationsprozess zum UMTS-Ausbau ein Ergebnisstand erzielt, der einen Zwischenbericht rechtfertigt.
In insgesamt acht zeitintensiv vorbereiteten Workshops dieses gemeinsamen Arbeitsgremiums wurde seit September 2004 über die geplanten Standorte für den Grundausbau des Mobilfunknetzes der 3. Generation　(Universial Mobile Telecommunications System, UMTS) informiert und beraten.

In the common work Panel of the city of Salzburg and the mobile operator of the meeting 12 April 2005 a result status was achieved in the joint information process for the expansion of UMTS, which justifies an interim report.
Prepared in a total of eight time-intensive workshops of the Joint Working Committee was informed in September 2004 about the planned sites for the basic configuration of the mobile network of the 3rd generation (Universal mobile telecommunications system, UMTS) and advise.

2005年4月12日の会合、ザルツブルグ市と通信事業者の合同作業委員会の会合において、UMTS携帯電話の拡張の共通情報プロセスに関する、正当であると位置づける暫定報告書の作成という成果が得られる結果となった。
この合同作業部会の合計8回の、時間を費やした研究集会は、第3世代の携帯電話UMTSの基本的な枠組みの為の配置計画に関する情報と助言に関して、2004年9月から行ってきた。
2005年4月12日のザルツブルグ市と通信事業者の合同作業委員会の会合において、UMTS拡張のための情報を共有することが目的として打ち出された。
そしてそれは、中間報告でも正当化された。

2004年9月から計8回集中的に執り行われたこの合同作業部会のワークショップで、第3世代の携帯通信ネット（UMTS）の基本的拡張のために計画された立地（設置場所）について情報が提供され、協議された。


Gemeinsames Ziel der Stadt Salzburg einerseits sowie der Mobilfunkbetreiber und des Forum Mobilkommunikation andererseits ist, eine flächendeckende Grundversorgung mit UMTS im Stadtgebiet Salzburg für alle UMTS-Anbieter gemäß deren gesetzlichem Auftrag zu ermöglichen, wobei die geringsten technisch erforderlichen Sendeleistungen bei angemessenem wirtschaftlichen Aufwand zu Grunde gelegt werden.
Der Erfolg dieses Vorgehens hängt also an einer optimalen Planung und punktgenauen Umsetzung, was nur gemeinsam mit der Stadt Salzburg erfolgreich sein kann.


Common goal of Salzburg on the one hand and the mobile operators and the Forum of mobile communication on the other hand is to enable a comprehensive primary care, using the least technically required transmission rates at reasonable economic cost basis Salzburg with UMTS throughout the city for all UMTS provider in accordance with its statutory mandate.
The success of this approach depends on so on an optimal planning and precise implementation what can succeed only together with the city of Salzburg.

ザルツブルグ市を一方とし、携帯通信事業者団体をもう一方としての共通目標は、法令に基づき、すべてのUMTS通信事業者にとって、ザルツブルグ市全域に、合理的で経済的な費用で、送信電力を技術的に最小にすることで、包括的な初期対応を可能にすることである。
このアプローチの成功は、ザルブルグ市と共に成功できる最適な計画と的確な実施に、依存する。

ザルツブルグ市、そして、携帯通信事業者および携帯通信フォーラムの、共通の目標は、すべてのUMTS通信事業者の法的契約に基づき、ザルツブルグ市全域に、基本的サービスを提供することであった。
但しそれは、経済的に妥当な費用で、送信電力を技術的に最低限に抑えることが前提とされた。
このアプローチの成功は、最適な計画とその正確な実行にあり、これはザルツブルグ市の協力があってこそ成し遂げられる。


In der Sitzung vom 21 September 2004 wurde versucht, alle an der Salzburger Mobilfunkdiskussion beteiligten Gruppen und Institutionen einzubinden, um eine möglichst breite Akzeptanz sicherzustellen.
Da aber gleich zu Beginn die Mobilfunkinitiative Salzburg als Vertretung der Bürgerinitiativen und die Landessanitätsdirektion das Ziel des Vorgehens, ein flächendeckendes UMTS-Netz zu errichten, ablehnten, wurde das Procedere von der Stadt Salzburg und den Mobilfunkbetreibern allein durchgeführt und nun in weiten Teilen erfolgreich abgeschlossen.

The meeting of 21 September 2004 has attempted to include all the Salzburg mobile radio discussion concerned groups and institutions, to ensure a broad acceptance.
But right at the beginning of the mobile phone initiative Salzburg rejected the target of action, to establish a nationwide UMTS network, as representation of citizens initiatives and the Landessanitätsdirektion, the procedure of the city of Salzburg and the mobile operators alone was performed and now largely completed successfully.

2004年9月21日の会合では、すべてのザルツブルグ携帯電話懸念討議グループと協会が、広範囲の許容が確立できるかが試行された。
しかし、当初は、自発的な市民の代表としての「携帯電話イニシアチブザルツブルグ」とザルツブルグ衛生管理当局は、国内中で使用されているUMTS通信網の建設ための活動目標を拒否したので、ザルツブルグ市と携帯電話事業者でのみ話を進め、最後は全体がまとまった。

2004年9月21日の会合では、ザルツブルグの携帯通信に関与する全てのグループをこのプロジェクトに巻き込むよう、試みられた。
しかし、最初から、市民のイニシアチブの代表者団体である「携帯通信イニシアチブ；ザルツブルグ」とザルツブルグ衛生管理当局が、ザルツブルグ全域で携帯通信サービスが使えることを目標に することを拒否したため、ザルツブルグ市と携帯電話事業者でのみ話し合いを進め、大部分をまとめた。


Im Verlauf der bisher acht Workshops wurde die Stadt Salzburg detailliert über die Planungen der Mobilfunkbetreiber informiert.
Gemeinsam wurde versucht öffentlich akzeptierte und funktechnisch geeignete Standorte zu finden, wenn es galt Versorgungslücken zu schließen oder seit Jahren umstrittene Standorte mit Hilfe der Stadt zu optimieren.
Dazu wurden auch öffentliche Grundstücke und Gebäude in Erwägung gezogen, die bis vor kurzem für Mobilfunkanlagen generell nicht zur Verfügung standen. Der überwiegende Ausbau wird aber über bereits bestehende Standorte erfolgen.

In the course of the eight workshops, the city of Salzburg was informed in detail about the planning of the mobile operator.
Together was trying to find publicly accepted and appropriate radio sites, if it was considered to fill supply gaps or to optimize controversial sites with the help of the city for years.
This public land and buildings into consideration were drawn, which were until recently for mobile radio system generally not available. The vast expansion will take place but already existing locations.

8回の作業部会の中で、ザルツブルグ市は携帯電話事業者の計画の詳細を知らされた。
まとめるべき意見の相違があるところや、物議をかもす場所に関しては、最適化するために市の数年間に及ぶ援助を得て、両者は公的な許容と無線通信システムとして十分な配置を見出す努力をした。
考慮に入れたこれら公衆の土地や建物としては、最近になって建設ができなかった通信設備に関しても含まれた。
サービスエリアの拡張は現存の設備がある場所で行った。

８回の作業部会の中で、ザルツブルグ市は携帯通信事業者の計画の詳細を知らされた。
住民に受容され、携帯通信技術的に適している立地を見つけること、また、電波が届かない地域があればそこを補い、ここ数年住民と合意のできずにいる立地については市の援助によって最適な立地を見つけること、が試みられた。
今回考慮された場所には、公有地や公共の建物では、最近まで通信設備の立地が不可能だったところも含まれた。
しかし、拡張の大部分はすでにある設備で可能となった。


Parallel wurden auch Ortsbildfragen sowie die mögliche gemeinsame Nutzung von bestehenden und neu zu errichtenden Standorten erwogen.
Auch konnten sich die Vertreter der Stadt Salzburg über die zu erwartenden Immissionen durch UMTS informieren.
Insbesondere wurde jenen Standorten Augenmerk geschenkt, die angrenzend an öffentliche Einrichtungen wie Schulen oder Kindergärten geplant sind.
Dort wurde die Mobilfunkversorgung sichergestellt, aber gleichzeitig auf eine möglichst geringe Immission geachtet.

Parallel were also townscape issues and the possible joint use of existing and newly to be erected locations considered.
Also could be the representatives of the city of Salzburg on to expected emissions by UMTS inform.
In particular was those locations attention paid to that adjacent to public facilities such as schools or kindergartens planned are.
There was the mobile coverage ensured, but at the same time on a possible low Susceptibility respected.

 

Parallel, also place image issues, as well as the possible sharing of existing and newly to be built sites were considered.
Also, the representatives of the city of Salzburg, via the emissions expected by UMTS could find out.
Particular attention was paid to those sites, which are planned adjacent to public facilities such as schools or kindergartens.
There, mobile coverage was ensured, but attention at the same time to a low emission.

都市計画も並行して検討し、既存の基地局への併設や新規の建設場所を検討した。
ザルツブルグ市の代表はUMTSによる予想される電波強度を見出すことができた。
学校や幼稚園などの公衆が利用する施設に近接している建設場所に関しては、特に注意を払った。
そうした場所では、携帯電話のサービスエリアを確実にし、同時にできるだけ低い放射になるように留意した。

これと並行して、景観の問題や、既存の基地局の共同使用および新規立地について考慮した。
ザルツブルグ市の代表は、予想されるUMTSによる曝露強度（Immission）に関する情報を得た。
学校や幼稚園などの一般市民が利用する施設に近接している建設場所に関しては、細心の注意を払った。
そうした場所では、携帯通信のサービスができることを確実にすると同時に、できるだけ低い曝露強度になるように留意した。


Stadtrat Martin Panosch hielt dazu fest: Für die Stadt war dieser gemeinsame Prozess sehr, sehr wichtig. Mit diesem Procedere ist es uns endlich gelungen, die bisherige Blockade – mit allen ihren bekannten Folgen - zwischen Stadt und Mobilfunkbetreibern aufzubrechen. 
Unser Ziel war es, einerseits dem Rechtsanspruch der Anbieter auf Errichtung eines UMTS- Netzes nachzukommen, andererseits den heimischen Wirtschaftsstandort nicht aus den Augen zu verlieren und gleichzeitig die gesundheitlichen Interessen der Salzburger Bevölkerung zu gewährleisten.
Es stand für uns von Anfang fest, dass dieses Ziel – und damit eine für alle zufrieden stellende Lösung - nur gemeinsam erreicht werden kann.

Councilor Martin Panosch wrote:
this common process was very, very important for the city.
With this procedure finally we succeeded, to break up the previous blocking - with all its known consequences - between city and mobile operators.
Our goal was, on the one hand to fulfil the legal claim of the providers on the establishment of a UMTS network, to lose the local economy not out of sight on the other hand, while ensuring the health interests of Salzburg.
It was clear for us from the beginning that this goal - and thus a solution satisfactory for all satisfied - can be achieved only by working together.

Martin Panosch市議（BEMSＪ注：1999年に市議会の都市計画環境委員会の委員長、2009年には市長となる。）は言う。：
市にとっては共有プロセスが非常に、非常に重要である。
この手順により、市と携帯電話事業者間の現在の閉塞（社会的重要性として知られるすべてで）を、最終的には解決した。
我々の目標は地域経済の損失から目をそらさないことであり、一方ではUMTS通信網の設立に適用する供給者の法的な権利であり、他方ではザルツブルグ市民が保証されるべき健康関心が担保されることである。
この目標は、すべてが満足する解決法として、作業部会によってのみ成し遂げることができる。

Martin Panosch市議は次のように述べる：市にとっては、共同プロセスが非常に重要である。
この共同プロセスによってはじめて、市と携帯通信事業者の間にこれまであった、すでにみなさんご存知の「壁」を最終的になくすことができる。
我々の目標は、UMTSネット供給者がUMTS通信網の設立する法的な権利を満たし、そしてザルツブルグが経済的に魅力的な立地であり続けることを忘れずに、かつザルツブルグ市民の健康に関する懸念にも対応する、ということである。
この目標、つまり、すべての人々が満足する結論は、共同作業によってのみ成し遂げることができることを、我々は最初から見定めていた。


Das Ergebnis hat uns Recht gegeben: Die einzelnen Gesprächsrunden haben gezeigt, dass ohne Emotionen und Polemik ein derart kontroverses Thema sachlich diskutiert werden kann.
Wir arbeiten gemeinsam an einigen alternativen Standorten, die eine Netzversorgung mit niedrigeren Immissionswerten ermöglichen.
In Salzburg wurde ein einmaliger Prozess gestartet, weil es uns nicht vordergründig um endlose Grenzwertdiskussionen gegangen ist, sondern um die Optimierung eines neuen Netzes im Hinblick auf eine flächendeckende UMTS-Grundversorgung mit geringster technisch erforderlicher Sendeleistung und daher auch mit möglichst geringen Immissionen.

The result has given us right:
the individual rounds of talks have shown that without emotions and polemic such a controversial subject can be objectively discussed.
We work together on some alternative sites, which allow a mains supply with lower emission values.
In Salzburg, a unique process was started, because it not ostensibly left us infinite limit discussions, but to the optimization of a new network in terms of on a UMTS basic coverage with the least technically required transmitter power and therefore also with the lowest possible emissions.

結果は我々に正しい状態を与えてくれた：
個々の様々な討議は、感情や議論好きを避け、論争となる主題は客観的に討議する。
我々は、より低い放射になるように、第2の場所での検討作業を共に行った。
ザルツブルグでは特異なプロセスが始まった、無制限な討議を我々に表面上残していないが、しかし、UMTSの基本的な範囲の制限における新ネットワークの最適化で、必要とする送信電力は技術的に最低になり、よって最も低い放射となる。

結果は我々が正しいかったことを証明した：個々の討論を通じて、感情的になったり、主観的に相手を非難するようなことを避け、議題を客観的に討議することが可能ということが示された。
我々は、より曝露強度 が低くなるように、立地代替案の検討を共同で行った。
ここに、ザルツブルグならではのプロセスがはじまった。
それはつまり、基準値にこだわらず、とにかく技術的に可能な限り低い送信電力で（したがって、最も低い曝露強度で）、市全域のUMTSの基本的サービスが可能になるように、新しいネットワークを最適化することを心がけたことだ。


Stadtrat Johann Padutsch erläuterte:
Von den fünf UMTS-Netzbetreibern sind mehr als 260 Sendeanlagen an ca. 170 Standorten innerhalb des Stadtgebietes geplant.
Davon wurden bisher rund 150 Sendeanlagen mit mehr als 400 Antennen bearbeitet, die 80 Prozent des Stadtgebietes abdecken.
Dabei sind von der Stadtplanung anhand der allgemeinen technischen Parameter seit Februar 2005 für mehr als 1,175 Millionen Punkte - davon ca. 162.000 Dachpunkte auf Objekten - Immissionsberechnungen durchgeführt worden. 

Councilor Johann Padutsch explained:
of the five UMTS network operators more than 260 transmitters at 170 locations within the metropolitan area are planned.
It processed around 150 transmitters with more than 400 antennas covering 80 percent of the city area.
While approximately 162,000 roof points on objects - have been carried by the town planning on the basis of the common technical parameters since February 2005 for more than 1.175 million points - of immission calculations.

Johann Padutsch市議は説明した。：
UMTSネットワーク事業者は都市圏内の170か所で260基以上の送信機を計画している。
150基の送信機で、400本以上のアンテナで、市内の80％をカバーする。
一方で、建物の約16200か所の屋根は、2005年2月以降に、共通技術要素に基づき、住宅計画課によって、1175百万点における電磁界強度の計算が行われた。

Johann Padutsch市議は説明する：UMTSネットワーク事業者5社は、市街地の170ヶ所で260基以上の送信装置を計画しているうち、これまで400本以上のアンテナを使い150基の送信装置で、市街地の80%をカバーしている。
2005年2月以降に、一般的な技術パラメータを使って、都市計画課が11億7500万地点（内、162万箇所は建物の屋根）に関して計算が行われた。


Dies wurde nur möglich, weil gemeinsam mit der städtischen EDV-Abteilung innerhalb kürzester Zeit unser Berechnungsprogramm in die digitale Stadtkarte implementiert werden konnte.
Drei Mitarbeiter der Stadtplanung, verstärkt durch Ing. Michael Klock, meinen persönlichen Mitarbeiter, haben mit einem bisherigen Arbeitsaufwand von mehr als 500 Arbeitsstunden, die Berechnungen durchgeführt. 

This was only possible, because together with the urban EDP Department our calculation program on the digital city map could be implemented within a very short time.
Three employees of city planning, increasingly have performed the calculations ing. Michael Klock, my personal staff, with a previous work by more than 500 hours of work.

この作業は、市街地電算機部門が短時間に適用すべき市内デジタル地図で動作するコンピュータプログラムを用意してくれたことによって始めて可能になった。
都市計画課の3人はMichael Klock技師の計算を行ってくれた。Klockは私の事務所のスタッフで、これまで500時間以上の作業を行った。

この作業は、市のデータ処理部の協力で、短期間の内にデジタル地図上で動作するコンピュータプログラムが用意されたことで、初めて可能になった。
都市計画課の3人とエンジニアMichael Klock氏（Klock氏はPadutsch氏の事務所のスタッフ）が、500時間以上を費やして計算作業を行った。


In einem zweiten Schritt wird nun der großzügig gefasste „Innenstadtbereich“ zur Bearbeitung kommen, in dem ca. 120 Sendeanlagen geplant sind.
Diese Arbeiten sollen bis Ende Mai abgeschlossen und Anfang Juni 2005 mit den Vertretern der Betreiber abgestimmt werden.

In a second step, the generously composed "Midtown" will come now for editing, approx. 120 transmitters are planned in the.
This work will be completed by end of May and early June 2005 with representatives of the operators voted.

第2段階は、甚大な量のミッドタウン地区の計算で、120基の送信機の建設が計画されており、現在計算作業中である。
この作業は、提案している通信事業者の代表と共に作業中で、2005年6月上旬には終わる見込みである。

二つ目のステップは、大まかに把握した市中心部に関して、さらに作業を進めることで、120基の送信装置の建設が計画されている。
この作業は2005年6月上旬までに終わる見込みである。


Bereits vor mehr als zweieinhalb Jahren habe ich den Mobilfunkbetreibern angeboten den UMTS Netzaufbau gemeinsam vorzunehmen, aus den bekannten Gründen kam dies jedoch damals nicht zustande. Ich bin sehr froh, dass es nun doch noch zu diesem gemeinsamen Prozess gekommen ist, obwohl er politisch für mich eine Grenzwanderung darstellt.
Es ist aber die einzige Möglichkeit, im Sinne des vorsorglichen Gesundheitsschutzes den Interessen der Salzburger Bevölkerung an einer möglichst geringen Immission Rechnung zu tragen.
Dies auch vor dem Hintergrund, dass wir bei ca. 80% der Sendeanlagen - weil sie nach dem Bautechnik- bzw. Ortsbildschutzgesetz bewilligungsfrei sind - keine Einflussmöglichkeit haben und auch beim Rest der Gesundheitsschutz, seit dem seinerzeitigen Gerichtsurteil, keine Rolle spielen darf. 

More than two and a half years ago I offered the mobile operators together carry the UMTS network construction, from the well-known reasons this did not come about but at that time.
I'm very glad that it has come now to this joint process although he represents a border hikefor me politically.
But it is the only way to take into account the interests of Salzburg at a lowest possible emission in terms of preventive health.
This also against the background that we approx. 80% of the transmitters - because they are license free after the building or place image Protection Act – have no possibility of influence, also the rest of health protection, may do not matter since the former Court ruling.

2年半以上前に、私は携帯電話事業者と共にUMTSネットワークの構築を提案したが、よく知られている理由でその当時は実現しなかった。
この共同作業により実現し、私にとっては政治的な経験を積み重ねることにつながっているので、私は大変嬉しい。
健康予防の為に可能な限り低曝露でザルツブルグの関心を考慮できたことによるものである。
これは、約80%の送信機（建築・景観保護法に許可不要で建てられた）が、影響の可能性がないこと、健康防護への安心、過去の裁判の裁定にも無関係であることといった背景とは対照的である。

2年半以上前に、私は携帯通信事業者と共にUMTS網の構築を提案したが、よく知られる理由で、その当時それは実現しなかった。
今回、私にとっては政治的に一線を越えることにはなってしまったが、この共同作業が実現し、私は大変嬉しい。
可能な限り曝露強度を低く抑えることは、ザルツブルグ市民の関心であり、予防原則に基づく健康保護の立場からできる、唯一の可能な方法だった。
というのは、約80%の送信設備については、建築・景観保護の観点から許可が不要であるため、我々は影響力を行使することができず、そして健康防護の討論は過去の裁判の判定からわかるとおり、影響力を発揮できないからである。


Basis für die Immissionsberechnung ist eine ca. 75-prozentige Auslastung der Sendeanlage (über 24 Stunden) ohne Dämpfungsfaktoren (wie Gebäude, Vegetation, Leitungslängen) und damit ein worst-case Szenario, welches, wenn überhaupt, erst ab 2008 (Vollauslastung der UMTS-Netze) eintreten könnte.

Basis for the calculation of the emission is an approximately 75 percent utilization of the facility (over 24 hours) without attenuation factors (such as buildings, vegetation, line lengths) and thus a worst-case scenario, what, if anything, might happen only from 2008 (full load of UMTS networks).

輻射の計算の基本は、建築物の利用（24時間以上）の約75%では低減係数（建築物、植物、ケーブル長などによる減衰度）を考慮しない、なにかあったとしても2008年以降のUMTSネットワークがフル稼働する時の最悪条件で行う。

曝露強度は、減衰係数（建築物・植物・ケーブルの長さ）を考慮せず、送信装置の稼働率の約75%（24時間）を計算した。

これによって、2008年以降、UMTS網がフル稼働した場合に生じえる最悪のシナリオを想定できる。


Im Gegensatz zur GSM-Technologie hat UMTS und damit die Netzbetreiber auch ein großes Eigeninteresse jede Sendeanlage mit möglichst geringer Leistung zu fahren, um die eigenen Nachbarzellen nicht zu stören, was z.B. auch bedeutet, dass in der Nacht nur etwa 10 bis 15 Prozent der errechneten Immissionswerte erreicht werden.
Die errechneten Immissionswerte sind daher temporär mögliche Spitzenwerte, die nicht als Dauerexposition auftreten.

In contrast to GSM technology, also a great interest has UMTS and thus the operator any transmitter with minimum power to drive, not to disturb the own neighboring cells, which also means that only about 10 to 15 per cent of the calculated Immissions values are reached at night.
The Immissions values calculated are therefore temporarily possible peak values that occur not as a permanent Exposition.

GSM技術と対象的に、UMTS技術には大きな関心がある。
UMTSは夜間には想定計算した輻射量の10から15%に低下することで、事業者やいずれの送信機も最低限度の電力で送信でき、自社の近隣のサービスエリア圏との混信もない。
この計算した輻射値は仮の可能性のある瞬間最大値であり、永久的な状態で発生しないものではない。

GSM技術とは対照的に、UMTSとそのネット事業者は、各送信装置を可能な限り低い送信電力で運行することを望んでいる。
これは近隣する、自らの送信施設を妨害しないためである。
例えば、UMTSは夜間には、想定計算した曝露強度 の10%から15%で稼動可能である。
従って、この計算した曝露強度値は、一時的に可能な瞬間最大値であり、続けて発生する状態ではない。


Der Prozess war in meinem Sinn bisher erfolgreich, bei ca. 70 Prozent der schon bearbeiteten Sendeanlagen (Innenstadtbereich ausgeklammert) liegt die Immission unter 1mW/m2 (ca. 85 Prozent unter 2 mW/m2), bei den restlichen darüber - und dies ist jedenfalls ein Wermutstropfen.

The process was so far successful in my mind, about 70 percent of already processed transmitters (excluded inner-city area) is the Immissions under 1mW/m2 (approx. 85 percent below 2 mW / m2) at the remaining in - and this is certainly a downer.

このプロセスは私としては成功とは言えない、既に処理済みの送信機の約70％（市中心部を除く）では曝露レベルは1mW/m2(0.1μW/cm2)以下であり、85％では2mW/m2(0.2μW/cm2)以下であり、そして残りはきっと滅入るような値であろう。

このプロセスは、現時点までは私としては成功していると言える。

既に処理済みの送信装置の約70%（市中心部は除く）では、曝露強度レベルは1mW/m2 以下であり（85%では2mW/m2以下）である。残りはいずれにしろこれ以上の好ましくない値になる。

（BEMSJ注：ザルツブルグの最初の規定（1998年の規定）は0.1μW/ cm2以下であり、70％のエリアでは規定を満足するが、その他のエリアでは満足していない。
基地局放射の予防的な勧告値(2002年)：・屋外 0.001μW/cm2 ・屋内 0.0001μW/cm2を明らかに超えている。）


Thomas Barmüller, Geschäftsführer der Brancheninitiative Forum Mobilkommunikation, resümierte seitens der Mobilfunkbetreiber: 
Die Betreiber anerkennen die konstruktive Atmosphäre in den Arbeitssitzungen.
Wir arbeiten derzeit an gemeinsamen Lösungen für wichtige Standorte, ohne die eine flächendeckende Grundversorgung nicht möglich wäre.
Trotz des schon bisher hohen zusätzlichen Arbeits- und Zeitaufwandes (rund 1.600 Arbeitsstunden) sind die Betreiber bestrebt, dieses gemeinsame Vorgehen auch für den noch offenen Innenstadtteil zu Ende führen

Thomas Barmüller, Director of the industry initiative Forum Mobilkommunikation, summed up by the mobile operators: operators recognize the constructive atmosphere in the working sessions.
We are currently working on common solutions for important locations, without which a basic coverage would not be possible.
Operators strive ｄespite already high additional labor and time (around 1,600 hours of work), this common approach for the remaining part of the inner city lead to end.

Thomas Barmüller（工業会が主導する携帯通信フォーラムの理事）は携帯電話事業者を代表して以下にまとめている。
事業者は作業部会おける建設的な雰囲気を評価する。
我々は、基本的なサービスが不可能になっている重要な配置に関する共通解決に関して、作業中である。
事業者は、既に追加の労働力と時間（約1,600時間の作業時間）を費やして努力している、市の中心部の残っている部分に関する共通取り組みは終了へと導いている。

Thomas Barmüller（業界イニシアチブの携帯通信フォーラムの理事）は、携帯通信事業者を代表して以下のようにまとめている：事業者は作業部会における建設的な雰囲気を評価している。
我々は、その立地場所なしには市全域の基本的なサービスが不可能になる重要な立地場所に関して、共通の解決法を探しているところである。
事業者は、すでにかなりの労働力と時間（約1600時間の作業時間）を費やしているが、さらに検討が残っている市の中心部に関しても、共同作業を通じて最後まで取り組むつもりである。

© 2005 Magistrat der Stadt Salzburg, Tel. +43 (0)662 8072-0, E-Mail post@stadt-salzburg.at
© 2005 Magistrate of the City of Salzburg, Tel. +43 (0) 662 8072-0, E-Mail post@stadt-salzburg.at
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊


＊ザルツブルグの2005年　オーストリアの新聞記事から
ザルツブルグ市の報道発表を受けて、2005年4月17日の新聞「ＯＢＳＥＲＶＥＲ」に以下の記事がありました。

新聞記事の画像ファイルを以下に示します。

 

この新聞記事、ドイツ語原文（黒）を機械英訳し（赤）、それを日本語訳（緑）しました。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
OBSERVER
Salzburg, 27.4.2005-Nr.14

UMTS:Vorsorgewert "kalt abgeschossen"
Umweltmediziner fordert Begleitstudie zu Netzausbau

UMTS: precautionary "cold shot"
Environmental medicine calls for accompanying study on network expansion

UMTS:予防原則は冷淡に撃墜される
環境医学者は通信網の拡張に関する共同研究を呼びかけ


Das Salzburger Mobilfunknetz wird bis Jahres-ende um 260 Anlagen erweitert.
Begleitende Forschung sei nun das Mindeste, was getan werden muss, meint der Salzburger Umweltmediziner Gerd Oberfeld.

Salzburg mobiles is until year end expanded to 260 units. 
Accompanying research is the least that needs to be done now thinks of Salzburg environmental medicine Gerd Overfeld.

ザルツブルグの無線網は今年度末までに260基拡張される。
ザルツブルグの環境医学官のオーバーフェルド氏は、今日では、共同研究が最低限度必要であると考える。


Jahrelang hat sich die Stadt Salzburg gegen einen Wildwuchs an Handymasten und das Überschreiten des "Salzburger Vorsorgewertes" (ein Milliwatt pro Quadratmeter) gewehrt.

For years the city of Salzburg against a proliferation of mobile phone masts and the excess of the "Salzburger precautionary value" (a mill-watt per square meter) has put up a fight.

過去数年間、ザルツブルグ市は携帯電話基地局の増加に対して、ザルツブルグの予防原則値（1ｍ平方当り1ミリワット）を超過しないように抑制してきた。


Doch die Mobilfunkbetreiber haben die Oberhand behalten: Bis Jahresende wird die UMTS-Technologle Zum Internet-Surfen am Handy problemlos im gesamten Stadtgebiet verfügbar sein.

But the mobile operators have retained the upper hand: end of year, the UMTS technology for surfing the Internet on the mobile phone will be available easily throughout the entire city.

しかし、無線通信事業者はより上手であった。年末に、インターネットサーフィンを行うＵＭＴＳ技術が市内全域で可能になるであろう。


260 neue Sendeanlagen werden dafür gebraucht,die aber grossteils auf den bestehenden Masten angebracht werden können.

260 new transmitters are needed for that but largely on the existing masts can be attached.

260基の新規送信等が必要とされるが、その大半は既存の塔に設置できる。



Landes-umweltmediziner Gerd Oberfeld hat die Bügerinitiativen gegen Handy-masten und Strahlenbelastung in den vergangenen Jahren mit seinem Fachwissen unterstüzt,Das Einlenken der Stadt hat für ihn rechtliche Gründen.
Denn für die Festsetzung der Grenzwerte sei der Bund zuständig.

Country environmental medicine Gerd Overfeld has the bug nitiatives against mobile phone masts and radiation exposure in recent years with its expertise supports, turn the city has legal reason. }
ecause the fixing of limit value for him was the federal jurisdiction.

ザルツブルグ洲の環境医学官オーバーフェルド氏は携帯電話基地局に対するイニシアティブと専門的なサポートをもって直近の年における電磁波曝露に関する鍵を握っているが、ザルツブルグ市は法的な判定を変更した。
なぜならば、限度値の設定は連邦政府の権限であるからである。


Der Salzburger Vorsorgewert sei eine "jahrelange Fiktion“ und ”immer wieder Überschritten“ worden, so Oberfeld. Mit Ausnahme des Ortsbildschutzes habe die Stadt kein Druckmittel gegen das Errichten neuer Anlagen.
”Die Umsetzung des Wertes ist bei einzelnen Netzbetreibern nie gelungen",erklärt der Mediziner.

The Salzburg’s precautionary level was a "long-year fiction" and "repeatedly exceeded" been, so Oberfeld. With the exception of local image protection, the city has no leverage against the building of new plants.
"The implementation of the value is never succeeded in individual carriers", the doctor explains.

ザルツブルグの予防原則値は長年にわたって仮想のものであり、たびたび超えることもあったと、オーバーフェルド氏は言う。地域のイメージの保護の為に、ザルツブルグ市は新規の工作物の建設に反対する効力を持たない。
予防原則値の適用は個々の通信業者に決して受け入れられなかったと、オーバーフェルド氏は言う。


Kopfschmerzen und sogar Depressionen
Headaches and even depression
頭痛とうつ病

Ausserdem hätten es die Netzbetreiber geschafft, Salzburg als isoliert hinzustellen, weil mit dem Vorsorgewert UMTS nicht möglich sei.

The operator had also managed to put Salzburg as isolated, because with the precautionary level UMTS is not possible.

通信業者はザルツブルグを「無線の僻地・隔離された地域」として扱ってきた。なぜならば、予防原則値を守りながらの、ＵＭＴＳ通信は不可能であるからである。


”Der Wert ist, auf gut deutsch, kalt abgeschossen worden.“ Doch schon das herkömmliche GSM-Netz berge gesundheitliche Risiken,　wie mehrere Untersuchungen belegt hätten.

"The value is, been shot down cold on good German." But already the traditional GSM network mountains health risks, as several studies have demonstrated.

適切なドイツ語でいえば、この予防値は停止（冷淡に撃墜する）となった。幾多の研究が示す様に、伝統的なＧＳＭ通信網は健康リスクを抱えている。


Die Symptome reichen dabei von Kopfschmerzen, Konzentrations-und Schlafstörungen bis zu Herz-rhythmusstörungen und Depressionen. Obelfeld:” Bei GSM gibt es unangenehme Erfarungen, besser wird es mit UMTS nicht werden.“
Der Mediziner fordert deshalb eine Begleitstudie zum Ausbau des Salzburger Netzes.
”Das ist das Mindeste,was man den Menschen schuldig ist“.

The symptoms range from headaches, concentration and sleep disorders to heart - rhythm disturbances and Depressionen.

Obelfeld: "GSM have unpleasant experience, better it will not be using UMTS."
Therefore, the physician calls a companion study to the expansion of the Salzburg network.
"It's the least one is guilty of the people".

その症状は頭痛、注意力散漫、睡眠障害から、心拍リズムの乱れやうつ病までに広がる。
オーバーフェルド氏は「GSMは不快な経験であった、UMTSを使わないよりはベターである。」と言う。
したがって、「ザルツブルグの通信網の拡張に関する共同研究をおこなうことを、医師に対して要望する。
これは最低限度の人としての義務である。」と言う。

   Stefan Tschandl

Schon bisher wurde der ”Salzburger Vorsorgewert” immer wiede Über-schritten, meint Umweltmediziner Gerd Oberfeld.
"Mit UMTS wird es nicht besser warden."

So far has been the "Salzburger precautionary" value was always recovery over steps, thinks environmental medicine Gerd Overfeld.
" With UMTS there will be no better".

「このようにしてザルツブルグの予防原則値は、踏み越された（修正された、書き直された）、UMTSは良いとは思っていないが」、とオーバーフェルド氏は言う。

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ドイツ語からの機械英訳が今一つです。
関心のある方は、ドイツ語原文を直接翻訳して、読んでください。


＊ザルツブルグの2005年　ザルツブルグの新聞記事から
以下の記事がザルツブルグの地方新聞に掲載されていました。

 

この記事（ドイツ語）をテキスト化（黒文字）し、機械英訳（赤文字）を行い、英訳文を日本語（緑文字）に翻訳してみました。

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Salzburger Nachrichten 22 April 2005

ザルツブルグ通信　2005年4月22日

Abschied vom Vorsorgewert
22 April 2005 
Goodbye to Precaution
予防原則にさよなら

Der Handy-Streit ist offiziell zu Ende. Die Stadt hat nachgegeben, Der neue Standard UMTS wird Ende 2005 in der Stadt Salzburg verfügbar sein.

The cell phone dispute is officially to an end, the city has given, the new standard UMTS will be available end 2005 in the city of Salzburg.

携帯電話の紛争は公式に終わった。ザルツブルグ市は「新しいUMTS方式はザルツブルグ市で2005年末には使用可能になると」語った。


Christian reschSaltzburg-stadt(SN), UMTS kommt, Und zwar bis Jahresende. Daran liessen die Stadräte Johan Padutsch(BL) und Martin Panosch (SPÖ) bei einer Presskonferenz am Donnertag keinen zweifel. Man habe sich in langen Verhandlungen mit den Mobilfunk-Firmen geeinigt.

Christian reschSaltzburg-stadt(SN), UMTS comes, until year end. Because they left town councils Johan Padutsch(BL) and Martin Panosch (SPÖ) at a press conference on the day of the Thunder no doubt. People have reached an agreement in long negotiations with the mobile phone companies.

SN（キリスト教頑健なザルツブルグの党）は年度末までのUMTSの建設を、雷のなった日の報道発表で、疑いなく、Johan Padutsch(BL党)とMartin Panosch (SPÖ党)に許した。人々は携帯電話通信会社と長い協議の末に結論を出した。

注；
SNは政党の名前？「キリスト教頑健なザルツブルグの党？」
SPO：オーストリア社会民主党（Sozialdemokratische Partei Österreichs, 略称：SPÖ）
BL：List of citizens (BL) というザルツブルグ市議会の会派か政党名


Das bedeutet, dass in der Landeshauptstadt Internet Surfen mit dem Handy in Zukunft schneller und grafisch schöner möglich sein wird. Es bedeutet aber auch, dass 260 neue Sendeanlagen errichtet warden müssen, um überall “ein Netz zu haben” 

This means that in the city will be the Internet surfing with your mobile phone in the future faster and graphically beautiful possible. It also means that 260 new transmitters built be need, anywhere "to have a network"

これは、ザルツブルグ市内で、携帯電話でより早く、より綺麗な画像でインタネットを回覧することができるようになることである。これはまた、どこでもネットワークに接続の為に、260基の新規の送信塔を建設する必要があることになる。


Das wiederum bedeutet den endgültgen Abschied vonn “Salzburger Vorsorgewert”.

That in turn means "Salzburger precautionary level" from the final farewell.

これは、言い換えると、ザルツブルグの予防原則値に最終的にさよならすることを意味する。


Die liegt bei einer Handystrahlen-Belastung von einem Miliwatt pro Quadratmeter -das ist ein Zehntausendstel des in Östereich gesetzlichen Höchstwerts. Denn mehr Sendeanlagen verursachen mehr Strahlung.

That is a mobile radiation load of a Miliwatt per square meter-a ten-thousandth of the maximum legal in Austria is. As more transmitters cause more radiation.

それは、オーストリアの法的限度値の1万分の1である平方メートル当たり1ミリワットの携帯電話からの輻射であった。
したがって、より多くの基地局建設は、より多くの電磁波曝露となる。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊



＊2006年12月29日のＯｂｒｆｅｌｄ氏からの連絡情報

以下はＯｂｅｒｆｅｌｄ氏からのＢＥＭＳＪ宛のメールである。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
thank you for your request.

The preliminary standard for the sum of GSM Downlink signals (GSM 900/1800) from the year 1998 of 0,1 µW/cm² (outdoor) had been reduced in the year 2002 to 0,001 µW/cm² (outdoor) and an additional indoor value of 0,001 µW/cm² hat been proposed by the Public Health Department of Salzburg.

携帯電話基地局からの電磁波曝露強度に関する1998年の0.1μＷ/㎝２の規定は、20002年にザルツブルグの公衆衛生部の提案で、屋外では0.001μＷ/ｃｍ２、屋内では0.0001μＷ/ｃｍ2に低減された。

None of the proposed standards is by law - which is a federal issue.
法律に基づく提案された基準は存在しない、それらは連邦政府の権限である。

Best regards
Dr. Gerd Oberfeld MD
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

ということで、2006年12月時点では、Ｏｂｅｒｆｅｌｄ氏はザルツブルグの予防原則値が無効になったとも、取り下げられたとも言っていない。


＊2006年にザルツブルグで発行された電磁波曝露に関するパンフレットには、ザルツブルグの予防原則値の記載がない。

以下はRisko Mobilfunk（携帯電話送信に関するリスク）というパンフレットで、2006年に
Salzburger Bürgerinitiativen zum Schutz vor Mobilfunkantennen（Salzburg citizens initiatives to protect mobile phone antennas：携帯電話の基地局から防護するためのザルツブルグ市民による活動グループ）が発行したものである。
全文ドイツ語であるが、このパンフレットにはザルツブルグの予防原則値に関する記述は皆無である。



＊2008年Ｏｂｅｒfeldが書いたザルツブルグの文書に見る予防原則値

以下はザルツブルグ洲公衆衛生官のＯｂｅｒｆｅｌｄ氏が執筆した「電磁波汚染に関する情報シート2008年」である。
以下に表紙を示す。
全文ドイツ語で書かれている。本文中にはザルツブルグの予防原則値に関する記述は見当たらない。
別表で、様々な曝露規定のリストがあり、その中に、1998年と2002年の予防原則値がリストされている。


＊2006年3月のテレコム先端技術支援センターの報告書

以下の報告書に、スウェーデンの状況の記述がある。


電波ばく露による生物学的影響に関する評価試験及び調査

平成１７年度 海外基準・規制動向調査報告書

平成１８年３月

財団法人 テレコム先端技術研究支援センタター

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
（３）付記：ザルツブルグ州の規制

ザルツブルグ州ではこれまで厳しいEMF規制値を勧告してきたが、UMTSの普及に備え、この厳しい勧告値は2005年末には撤廃されるであろうというニュースがあった（2005年初期）。
2005年末発行と見込まれていた上記予備規格E8850に沿って、ザルツブルグ州政府が新たなEMF基準を設定すると推定されたが、2006年3月の時点では、その確認情報は得られていない。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

＊総務省　平成22年度（2010年）　電波防護に関する国外の基準・規制動向調査に記載された情報

オーストリア　ザルツブルグ： 抜粋して、関連する部分だけを転載します。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

2002年UMTS機の導入に伴い、UMTS運営のライセンスをもつ携帯電話事業者が決まった。
これを機に州公衆衛生当局はこれらの事業主に対しても、電波ばく露に敏感である人々への配慮からより厳しい制限値、すなわち屋外で10μW／m2、屋内では1μW／m2を求めた。

しかし、2005年にUMTS携帯電話の基地260カ所新設されるに至り、ザルツブルグモデルの規定値1,000μW/m2は有形無実なものになってしまった。
それはこれらの新設基地局から放射される電波も合わせると、電磁界の総和は自ら1000μW/m2を超えてしまい、遵守することが不可能であることが分かったためである。
従って、現在ザルツブルクモデルでの勧告値は現在無効である。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

どのような論拠で「勧告値は現在無効である」と断言したのか？　関心がある。
どなたかわかる方はいらっしゃいますか？？


＊ザルツブルグ2010年発行パンフレットに見る規定
記：２０１７－２－２８

以下のパンフレットがある。
Risko Mobilefunk kinder und Jugend 携帯電話のリスク　子供と若者用　2010年
ザルツブルグの電気スモッグ自助グループの管理委員　発行


 


携帯電話に関する記述を抜粋して紹介
ドイツ語の原文を一部、機械英訳してあります。
日本語への仮訳は割愛

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
Die mobile Kommunikation hat sich in den letzten Jahren rasant verbreitet. Viele Menschen fühlen sich dadurch in Wohlbefinden und Gesundheit beeinträchtigt.
Mobile communication has spread rapidly in recent years. Many people feel compromised in health and well-being.


Dieser Folder bietet Informationen und gibt Anregungen zur Verringerung der persönlichen Elektrosmogbelastung. Damit kann Gesundheitsschäden vorgebeugt und das Risiko für die Entwicklung einer Elektrosensibilität reduziert werden.
This folder provides information and suggestions to reduce the personal EMF. To prevent damage to health and reduces the risk for the development of electrical sensitivity. This folder provides information and suggestions to reduce the personal EMF. To prevent damage to health and reduces the risk for the development of electrical sensitivity.


Auf Basis des heutigen Wissens ist es mehr als problematisch, speziell Kinder und Jugendliche der Mobilfunkbelastung auszusetzen. Die Langzeitfolgen für die Gesundheit werden immer deutlicher sichtbar.
On the basis of present knowledge, it is more than problematic, especially exposing children and adolescents of the mobile radio loading. The long term effects on health are increasingly apparent.


Es liegt an jedem Einzelnen, durch sein Verhalten das persönliche Gesundheitsrisiko und die Belastung seiner Mitmenschen zu verringern.
It is to each and every one, to reduce the personal health risk and the burden of his fellows by his behavior.

1µW/m2= von kritischen Wissenschaftlern und Medizinern empfohlene Gesundheits vorsorg wert (Sbg. Vorsorge richtwert 2002)
1µW/m2 = by critical scientists and physicians recommended health make above value (SBG. protection guide 2002)
1μＷ/m2 =厳格な科学者や医師が推奨する健康維持値 (SBG 防護ガイド 2002)

パンフレットの発行元は
Info & Impressum　情報・出版社

Selbsthilfegruppe Elektrosmog
Mitglied bei Dachverband Selbsthilfe Salzburg
電気スモッグ自助グループ
Member of governing body self-help Salzburg
ザルツブルグの電気スモッグ自助グループの管理委員

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊


この2010年にザルツブルグで発行されたパンフレットには、ザルツブルグの予防原則値として1998年の値である0.1μ7Ｗ/㎝2が引用されているようです。


＊2012年ザルツブルグ洲公衆衛生部のＯｂｅｒｆｅｌｄ氏（ザルツブルグの予防原則値などの規定の起草者・主導者）が書いた論文に見るザルツブルグの予防原則値の現状

記：２０１７－３－４

Ｏｂｅｒfeld氏は2012年にＢｉｏ　Ｉｎｉｔｉａｔｉｖｅ　Ｒｅｐｏｒｔの第22章「Precaution in Action – Global Public Health　予防原則に関する活動　全世界的な公衆衛生」の執筆担当者である。

この章の中で、国レベルや地方レベルでの厳しい電磁波曝露規定（予防原則値）を規定している例としてイタリアなどを挙げているが、肝心なザルツブルグの予防原則値に関しては、全く触れていない。

起草者であるＯｂｅｒfeld氏が、こうした地方レベルでの予防原則値・・・・・に言及する時に、自分が起草したザルツブルグ予防原則値のを忘れるはずはない。
したがって、この22章に記載がないことから、Ｏｂｅｒfeld氏はザルツブルグの予防原則値は、もはや存在しないことを認めているといってもよいのではないか。


＊平成25年度（2013年） 電波防護に関する国外の基準・規制動向調査報告書（総務省）の記述から
２０１７－２－２７

以下の記述がある。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
ザルツブルグ市と州では、電力密度1mW/m2を超えたら建築許可を出さないなど強制化の決議を試みたが、建築許可過程とは無関係とされ法的効力を持つものではなかった。
ザルツブルグ市は2005年3G設備投入に行き詰まり、市と携帯電話事業者との間で協同の「作業手引き」が制定され解決された。

その手引きに従い市内の新設3Gサイトを測定評価した結果、ザルツブルグ市所望のばく露制限値1mW/m2に対し、多くのサイトはこの値より低いが、他方では非常に多くのサイトがこの値を超えることが分かった。

ザルツブルグ州では2013年9月に無線診断ガイドを発行し、日常の電磁界ばく露を各個人が低減する方策を提示している。
曝露制限値はさまざま事例に対した数値を提示しているが、周波数対応の制限値は提示していない。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

「曝露制限値はさまざま事例に対した数値を提示しているが、周波数対応の制限値は提示していない。」とあり、引用されているザルツブルグ洲の2013年無線診断ガイドを読むと、携帯電話基地局からの電波曝露に関しては、ザルツブルグの予防原則値がリストの中に残っている。

2013年9月発行のザルツブルグ洲無線診断ガイドからの抜粋

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Elektrosmog im Alltag　　日常生活の電磁波汚染
黒文字：ドイツ語原文　　赤文字：機械英訳　緑文字：和訳

Dieser Ratgeber wurde auf Grundlage der 2008 von Dr. Gerd Oberfeld, Umweltmediziner des Landes Salzburg, veröffentlichten „Informationsmappe Elektrosmog“erstellt.
Im Mai 2010 hat Diagnose-Funk eine überarbeitete und erweiterte Version dieser Informationsmappe in seiner Reihe ´Ratgeber` herausgebracht.

This guide was based on 2008 by Dr. Gerd Oberfield, environmental medicine of Salzburg, published "information folder electro-smog" created.
In May 2010, diagnostic radio Advisor has a revised and expanded version of this information folder in its series ´' released.

このガイドは2008年にザルツブルグ洲環境衛生局のオーバーフェルド医師が「電磁波汚染情報」として作成したものを基本とした。
2010年5月に無線診断アソバイザーが再編集し、この情報集として拡張改版したものである。

 

ＰＣからの電磁波に関して、ＴＣＯの規定の紹介はある。

Baubiologische Richtwerte für den Schlafbereich (SBM 2008) Werte gelten für einzelne Funkdienste, Angaben beziehen sich auf Spitzenwerte (peak), nicht für Radar. Digitale, periodisch gepulste Signale sind kritischer zu bewerten als analoge und nicht gepulste Signale.
Building biological guidelines for the sleeping area (SBM 2008) values apply for individual radio services, refer to peak (peak), not for radar. Digital, periodically pulsed signals are critical to assess analogue and not pulsed signals.
翻訳割愛
ドイツの寝室における曝露規定の紹介はある。

Im Nahbereich von Mobilfunksendeanlagen (GSM,UMTS, LTE, TETRA), DECT-Telefonen, WLAN　Anlagen und WiMAX-Sendern kann es zu hohen Strahlenbelastungen mit gepulsten Mikrowellen kommen.　
Die Höhe der Belastung kann durch eine qualifizierte Messung festgestellt werden.
In the vicinity of mobile phone transmitters (GSM, UMTS, LTE, TETRA), DECT phones, Wi-Fi, any equipment and WiMAX transmitters can cause high radiation with pulsed microwaves.
The amount of load can be determined by a qualified measurement.
携帯電話基地局（GSM, UMTS,LTE,TETRA）、コードレス親子電話、WIFI、WiMAX、その他の送信機の近くでは、パルス性マイクロ波の高い輻射が起こる。
その量はきちんとした測定によって検出できる。
＜曝露限度・・・・に関しては数字などによる記述が見当たらない。＞

Grenz- und Richtwerte hochfrequenter Strahlung
Border and approximate of high-frequency radiation
高周波輻射に関する限度値、参照値

Grenz-und Richtwerte hochfrequenter Strahlung

 

V/m

μＷ/m2

ICNIRP/WHO, Deutschland (UMTS)

61

10.000.000

ICNIRP/WHO, Deutschland (GSM 1800 MHz)

58

9.000.000

ICNIRP/WHO, Deutschland (GSM 900 MHz)

42

4.500.000

Schweiz/Liechtenstein (je Anlage GSM 900 innen)

4

rd. 42.500

Schweiz/Liechtenstein (je Anlage GSM1800/UMTS in-nen)

6

rd. 95.000

Russland/China (Summe Hochfrequenz)

6

rd. 95.000

ehemalige Sowjetunion

2.7

20.000

Wien/Paris (Gemeindebauten GSM, innen u. außen)

2

10.000

Salzburg 1998 (Summe GSM Außen), BioInitiative 2007

0.6

1.000

EU-Parlament 2001, STOA, BUND Gefahrenabwehrstandard 2008

0.2

100

Salzburg 2002 (Empfehlung GSM / UMTS außen)

0.06

10

Salzburg 2002 (Empfehlung GSM /UMTS innen), BUND Vorsorgewert 2008

0.02

1

 

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊


＊追記9： 2014年Jamiesonにあったザルツブルグ値の他州での採用
記：２０１４－２－２８

ザルツブルグの予防原則値を他の州で採用した・・・・という情報があった。
その情報は、2014年11月3日にベルギーのブルッセルで開催された電磁波過敏症に関するシンポジウムでJamiesonによる意見陳述の中にあった。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
RF /MICROWAVE RADIATION RISK AWARENESS
高周波・マイクロ波放射のリスク認知
Prepared by Isaac Jamieson

Austria (Salzburg and Styria)
オーストリア（ザルツブルグとシュタイアーマルク）
As there are no explicit regulations by law regarding standards for the health protection of the general population at the federal level (i.e. for the whole Austria), there are non­binding recommendations from different Austrian Ministries, as well as State Parliaments (e.g. Salzburg and Styria), regarding standards for the health protection of the general population.

連邦政府レベル（すなわちオーストリア全土）の一般公衆の健康保護のための法的な基準による明白な規制はない。
しかし、一般公衆の健康保護のための基準として、州議会（ザルツブルグ・シュタイアーマルク）といったように、オーストリア連邦の省庁とは独立した推奨値は存在する。

The Parliament of Styria in Austria has also adopted the Salzburg precautionary value as a recommended limit for electromagnetic radiation in Styria to minimize health risk (Landtag Steiermark 2008)．

オーストリアのシュタイアーマルク州議会は健康リスクを最低限にするために、シュタイアーマルク州における電磁界放射をザルツブルグ州の予防原則値を推奨値として採択した。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

Steiermark州議会の決議は以下である。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
Decision No.974 決議974号

from the 33rd Session of the XVth Legislative period of the Landtag of Styria from 11.03.2008
2008年11月3日からの第15期Styria州議会の33回目の論議

The Steiermärkische Landesregierung is called upon,
Styria地方政府は以下のことを要求する。

(1)　to appeal to the Federal Government and to demand that the precautionary value of Salzburg be fixed as a limit value for electromagnetic radiation in order to minimize the risk of health hazards;
健康影響のリスクを最低限にするために、電磁界曝露制限値としてザルツブルグの予防原則値を採用することをオーストリア連邦政府に請願する。

2. Inform the population about the dangers of mobile communications in an information campaign.
情報周知活動として、携帯電話通信の危険性について、一般公衆に周知する。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

ということなので、2014年のJamiesonのプレゼンにあるような「あたかもStyria州がザルツブルグの予防原則値を州の規制値・推奨値として採用し、州内の基地局建設を規制する・・・」ということではない。
この請願を受けたとしても、オーストリア連邦議会では、2002年に「提案されたザルツブルグの予防原則値を連邦の規制値として採用することを、否決している」ので、Styriaからの請願があったとしても、何も変わらないであろう。

参考：シュタイアーマルク州（ドイツ語: Steiermark、英語：Styria）は、オーストリア共和国を構成する9つの連邦州のひとつ。州都はグラーツ。


＊Ｏｖｅｒｆｅｌｄ氏はザルツブルグの環境衛生官を辞めた？

2017年4月22日に記録したザルツブルグ洲の環境医学のページです。
以下に示す画像にあるように、ＷＥＢを見た人がさらなる質問があれば、連絡できるようにと、Ｏｖｅｒfeld氏のメルアドがリンクされていました。

しかし、このメルアドにメールを入れても、「送信不可能」となって戻ってきました。
オーバーフェルド氏は1960年生まれです、2017年現在で57歳、まだ定年で引退する年齢ではありません。
ザルツブルグの環境衛生官を辞めたことは、たぶん、間違いはないでしょう。
修正：オーバーフェルド氏は、まだザルツブルグ洲の環境医学官として働いていることが確認できました。
送信不可能で戻ってきた私のメール発信では、メルアドのスペルを1か所間違っていました。



*　2021年に報じた電磁波問題市民研究会　　　

記：２０２１－８－１９

電磁波研会報第131号　2021/7/26　に以下の記事がある。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
ザルツブルグについて


オ‐ストリアのザルツブルク州・市の勧告値は、世界でもっとも厳しい屋外0.001μW／cm2、屋内0..0001μW／em2であると、かつてこの会報でも取り上げました。
しかし、ドイツ語ができる方に調べていただくなどしたところによれば、2005年に勧告値は廃止されていました。

ザルツブルク市による同年4月のプレスリリースによると、市と通信車業者が基地局の立地などについて協議を垂ね、「うわべだけの果ての無い上限値の議論ではなく、技術的に必要最小限の送信出力による最小限の曝露での全域的なUMTS（3G）の基本的供給という、新たなネットワ－クの最適化の道をたどる絶好のプロセスが開始された」とのことです。

勧告値は廃止されても、日本よりザルツブルクのほうが、はるかに先進的であることには変わりはないようです。
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６．パリ市の携帯電話基地局からの電波曝露規制　


Micro Wave　News　2003年３・４月号にあった記事です。
仮訳です。　作成；　２００３－７－１４　


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Paris Adopts 2 V/m Limit for Mobile Phone Towers
フランス・パリ市が携帯電話基地局からの電波曝露を2V/mに規制

パリ市は携帯電話基地局から電波曝露を、24時間平均で2Ｖ/m以下に規制することに関して、携帯電話通信会杜3杜と正式な協定を結んだ。
この規制値は900MHzと1800MHzの両方の周波数帯に適応される。

2003年3月20目携帯電話の通信会社（Bouygues Telecom, Orange、SFR）と、パリ市長（Bertrand Delanoe）はこの協定にサインした。

3月21目付けの新聞Liberationによれば、これら3杜の代表は「新しい規制値に伴う整備や調整が必要となる携帯電語基地局は１％以下であろう」と語っている。

パリ市の新規制は、スイス(4V/m)やイタリア(6V/m)の規制値より厳しい数値に見える。
これら両国の規制値が平均値ではなく、曝露の最大値に対する規制であるのに対して、パリは24時間の平均値である。

ICMRP(国際非電離放射線防護委員会)の規制値は900MHzで41V/m、1800MHzで58V/mである。
この協定はパリ市郊外にあるSaint-Cyr-1'Ecoleで、小児癌のクラスタ（集中的な発生）発生があったことに由来する。
このクラスタに関しては調査中である。

市民たちの不安を鎮めるため、オレンジ杜とSFR杜はその地域の携帯電話基地局の電源を切った、とフランスの主要新聞「Le Monde」は3月16目に報じている。

フランスのビジネス目刊紙「Les Echos」は、フランス人の41%は携帯電話基地局に関心をもっているという調査結果を発表した(3月27目)。
この新聞によると、パリだけで11000の携帯電語基地局が存在する。　

*パリ市の規制値に関する協定は、次のサイトで入手することができる。
www.paris.fr/fr/actualites/antennesre1ais/charte.htm＜リンク切れ＞　


コメント：
小児白血病はクラスタとして集中的に発生する場合がある。
調査しても原因が判明しない場合がほとんど、と小児白血病の医者から聞いたことがある。


追記：２００９－５－１５
総務省平成１８年度 海外基準・規制動向調査報告書
「電波ばく露による生物学的影響に関する評価試験及び調査」
発行：平成１９年３月　　に以下の関連する情報がありました。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
パリ市内に携帯電話基地局が高い密度で設置され、パリ市民の懸念が高まっていることから、パリ市（市長Bertrand Delanoë）と次の携帯電話通信事業者の間で「携帯電話基地局アンテナに関する協定」が2003年3月20日に締結された（有効期限は2年間であったが、2005年に更新されている）。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

同様な記述が以下の報告書にもある。

電波ばく露による生物学的影響に関する評価試験及び調査

平成１８年度 海外基準・規制動向調査報告書

平成１９年３月

財団法人 テレコム先端技術研究支援センター

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
（３）パリ市と携帯電話通信事業者の協定

パリ市内に携帯電話基地局が高い密度で設置され、パリ市民の懸念が高まっていることから、パリ市（市長Bertrand Delanoë）と次の携帯電話通信事業者の間で「携帯電話基地局アンテナに関する協定」が2003年3月20日に締結された（有効期限は2年間であったが、2005年に更新されている）。

 

協定書の主要な内容は以下の通りであるが、特にGSM（900MHz、1800MHz）の基地局アンテナについて、生活環境内におけるばく露量の24 時間平均値（計測値と情報流量から算出される）で2V/m 以下になるよう要求されていることが注目される。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊


追記：２０１７－３－４
総務省　平成25（2013）年度電波防護に関する国外の基準・規制動向調査報告書に、以下の情報が記載されている。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
パリ市と携帯電話通信事業者との間で2003年以来、協定が結ばれ更新されてきているので、その経緯と現状を以下に記す。

パリ市内に携帯電話基地局が高い密度で設置されパリ市民の懸念が高まっていることから、パリ市当局と携帯電話通信事業者（3社：Bouygues Telecom, SFR, Orange FT）との間で最初の「携帯電話基地局アンテナに関する協定」が2003年3月に締結され、第2次が2006年1月4日に更新された。

第3次協定は4社（Bouygues Telecom, SFR, Orange FT, Free Mobile）と2010年5月6日に締結され、最新版は2013年1月14日に更新され「携帯電話のパリ憲章」とも呼ばれる。

第1次協定ではGSM（900MHz, 1800MHz）の基地局アンテナからの生活環境内のばく露は2V/m以下と規定されたが、最新版では2G（900～1800MHz）と3G（900～2100MHz）に対し5V/m以下の制限値、4Gに対して7V/m以下の制限値を定めている。

4Gの展開配備はパリ市の重要課題であり、建物の内外での高品質の通信サービスを維持しながらも、しかし健康影響についてまだ科学的な不確定があることから、携帯電話からの電磁界ばく露を可能な限り低いレベルに制限したいとしている。

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追記：２０１７－４－３０
パリの電話規定に関する最新の情報が、電磁界情報センターのサイトにありました。

参考までに、引用します。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
パリ市議会が携帯電話ネットワークからの電磁界に関する事業者との新たな協定に合意

フランスのパリ市議会は2017年3月30日、携帯電話ネットワークから発せられる電磁界について、事業者との新たな協定に合意しました。
この協定では、電界強度の制限値が、従来の協定における7V/mから「900MHz換算で5V/m」とされています。
（JEIC注記： フランス政府は、国際非電離放射線防護委員会（ICNIRP）の1998年のガイドラインに基づく欧州連合理事会勧告（1999/519/EC）に従い、携帯電話ネットワークからの電磁界への一般公衆のばく露限度を、周波数に応じて37～61V/m（900MHzで41V/m、1800MHzで58V/m、2GHz超で61V/m）に規制しています。

これに対し、パリ市の新協定における限度値は、900MHzで5V/m、1800MHzで5×58/41＝7V/m、2GHz超で5×61/41＝7.4V/mです。
同市は、フランスにおいて同国の防護の枠組みよりも厳しい限度値を制定している唯一の都市です。）

また、この新協定には、保育園、学校及び公共スペースでの測定を実施する制度の創設と、一般公衆向けの情報提供が盛り込まれました。
加えて、市民が認定機関による測定をオンラインで依頼できるようになりました。
この新協定の原文（フランス語）ならびに関連情報は以下のURLから閲覧できます。
新協定原文のURL:　https://api-site.paris.fr/images/91022 　
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７．携帯電話の中継塔（電波塔）から発信される電波の強さの推定


これらの電波はサービス範囲をカバーする為に、アンテナの近傍には弱く、遠くの方向には強い電波を出している。　

そのアンテナから放出される電波の垂直方向の強さの分布（指向性）のデータはWEBなどには公開されていない。　偶然入手した部分的な数値から補間して指向性を推定した。　その指向性は以下の表のアンテナの利得（実数）に示してある。
水平方向に１００とすれはアンテナのタワーの直下方向には０．２３と非常に小さいパワーしか振り向けていないことが判る。
（BEMSJからのお願い：　どなたか正確な指向性データを開示してくださる方がおられましたら、お願いいたします。）

条件１：　地上１ｍにおける電波塔周囲の電波の強さの推定例　
アンテナは地上５１ｍの高さにあると仮定した。
地上高さ１ｍの地点の電波の強さを電界強度で計算を行った。
アンテナの利得（水平方向の最大利得は１７．６ ｄBd (＝１９．８５ｄＢｉ)で、実数では１００倍とした。
周囲には電波を反射したり、吸収したりするものが皆無として、計算を行った。　大地の影響を無視した。
アンテナへの供給電力は１００Wとした。　その他の損失は無視した。

計算結果は、以下の表とグラフで示した。

結果からは、アンテナの直下からサービス範囲と言われる２ｋｍ程度の距離の範囲では、　１V/m程度から０．５V/m程度と多少のぶれはあっても、ほぼ一定の電界強度（電波の強さ）になっていることがわかる。

表７－１

 

角度

俯角

角度

アンテナ

利得（実数）

直線距離

Ｒ　（ｍ）

水平距離　（ｍ）

電界強度

Ｖ／ｍ

アンテナ直下

0

90

0.23

50.00

0.00

0.554

 

5

85

0.26

50.19

4.37

0.587

 

10

80

0.30

50.77

8.81

0.624

 

20

70

0.42

53.21

18.19

0.704

 

30

60

0.63

57.73

28.85

0.795

 

40

50

1.00

65.25

41.92

0.886

 

50

40

1.74

77.75

59.53

0.981

 

60

30

3.16

99.91

86.50

1.028

 

70

20

6.31

145.94

137.11

0.995

 

80

10

13.18

286.79

282.40

0.732

 

84.5

5.5

23.99

517.65

515.23

0.547

 

87.2

2.8

74.13

1007.65

1006.41

0.494

 

88

2.0

100.00

1401.44

1400.55

0.412

 

89

1.0

100.00

2741.26

2740.81

0.211

水平方向

89.5

0.5

100.00

5252.98

5252.74

0.110


　　　　　


条件２：　電波塔から水平に２０ｍ離れた地点に高層のビルやマンションがある時の電波の強さの推定例
条件１と同じ条件で、隣に高い建物がある時に、その建物で受ける電波の強さを推定した。




携帯電話の電波塔からの電波は、直下には弱く、水平方向には強く放出するので、電波塔に隣接して比較的高い建物があれば、そこでの電波曝露に気を使う必要がある。

計算結果を以下に示す。

  図１

 

図２　図１と同じ結果を、ＸとＹ軸を交換し、すべての範囲を表示した

電波塔から水平方向２０ｍの地点に、隣接して１０ｍ以上の高い場所（例５階建ての建物の５階以上）があれば、そこでの電波の強さは電界強度１Ｖ/ｍ程度を超えることが予想される。


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７A．総務省「電波と安心な暮らし」パンフレットに見る携帯電話基地局のアンテナからの電波強度の検証

記：２００９－１０－４　　追記；２００９－１０－６

図１

 

図１は、総務省「電波と安心な暮らし」パンフレット（平成２１年７月１日改訂版）に見る携帯電話基地局のアンテナからの電波強度の説明図である。

この電波強度の値を、どのようにして算出されたのかを、検算してみた。
総務省データは、アンテナ出力３２Wとなっている。

電力密度は　電力密度＝PG／（４πR＊R）　　で計算を行った。　大地などからの反射係数は無視した。

 

表７A-１

水平

距離　m

垂直

距離　m

直線

距離　ｍ

俯角　  度

電力密度　ｍW/cm2

電力密度　W/m2

利得

実数

利得　

ｄBi

相対利得

指向性ｄB

0.0

10

10

90.0

0.016 

0.16 

6.28

 

-13.0

0.0

20

屋内　20

90.0

0.0003

0.003

0.47

 

-24.3

0.0

20

屋外　20

90.0

0.004 

0.040     

6.28

 

-13.0

45.8

20

50

23.6

0.00006

0.0006

0.59

 

-23.3

199.0

20

200

5.7

0.0008

0.008

125.60

20.99

0.0

499.6

20

500

2.3

0.00001

0.0001

9.81

 

-11.1

 

表７A-１に纏めてあるが、濃い赤字で示した「直線距離m」と「電力密度mＷ／cm２」が総務省パンフレットにあった数字である。
図１から水平距離、垂直距離、アンテナから見た角度（俯角）、を計算した、
アンテナの利得（実数）、アンテナの利得（dＢ）は、上記の電力密度の計算式を用いて、利得を逆算で得た、

逆算でえられた利得から、このアンテナの垂直面の指向性カーブとして、最大放射の指向方向の利得を基準とした相対利得も算出した。
直下20ｍの地点は、建物の内部、即ち建物による電波の減衰を見込んだものと推定できたので、直下２０ｍ地点での屋外（電波の減衰のない状態）での値も、推定した。

BEMSJの考察：
考察１：最大放射の指向方向の利得が、実数で１２５、DBで表示した場合に２０．９９dＢiとかなり大きい。

実際の基地局アンテナで、指向方向の利得が２１dＢもあるアンテナはあるのであろうか？　大きくても２０dＢ、大多数は１７とか１６dＢiではないだろうか？
実勢的なアンテナの利得の数字を用いれば、２００ｍの直線距離において、防護指針値との対比は１０００分の１ではなく、もっと小さい値になると想定できる。

考察２：
アンテナ直下方向の利得が、屋上と思われる１０ｍ地点では、実数で６．２８程度となっている。　この方向での利得が大きすぎると思われる。
「７．携帯電話の中継塔（電波塔）から発信される電波の強さの推定」の表７－１にも、あるアンテナの垂直面の指向性を示しているが、　直下方向の利得は実数で０．２３程度である。
総務省パンフレットにある直下方向の利得は実数で６．２８と、２０倍も大きい、
これば、想定しているアンテナの指向性が極めて劣悪であることを意味する、
こうした性能の悪いアンテナは本当に存在するのであろうか？
もしくは、この総務省のパンフレットの数字を算出したのは、非常の古い時代で、その当時は、そうした指向特性であったのであろうか？

直下方向の利得が、６，２８ではなく、０．２３程度であれば、直下方向１０ｍでの電波強度は２０分の１に低下し、防護指針への適合の割合は、３７分の１ではなく、３７×２０＝８００分の１程度になる。
３７分の１ではなく、７００分の１とか、８００分の１とか、１０００分の１程度が、実勢に近いのではないだろうか？？

追記：ある情報によれば、この直下方向への計算は、「アンテナのもつサイドローブが最悪で直下方向にある」と想定したもの、とのこと。
最悪のケースを考慮すればそうしたサイドローブの影響もあってもよいが、実際の基地局アンテナではほとんどありえない状況と推定できる。
パンフレットの別の表に、「携帯基地局2.1ＧＨz　３６０W」の例が示されている。　こうした大電力基地局が存在するのであれば、パンフレットにある「地上での電力密度の例」は、３２Wではなく、３６０Wとして最悪の状態での数値を提示すべきであろうか？？　もし３６０Wとすれば、３２Wの１１．25倍となり、１０ｍ直下の電力密度は大きくなり、防護指針への適合の割合は３．３分の１になる。　それでも坊護指針には適合している、とは言える。

考察3．
直下１０ｍと２０ｍ地点でのパンフレットの電力密度の数字から得られる垂直指向性を考慮した利得の数字が大きく異なっている。　即ち、直下２０ｍ地点は、パンフレットの矢印を良く見ると、建物の中を通って矢印がひかれている。即ち、建物による電波の減衰を見込んだ数字と推定できる。
そこで、直下１０ｍ地点の条件で得られた利得の数字から、直下２０ｍ地点の、屋外と想定した条件で、再計算を行った。　これらから、パンフレットの数字は建物による電波の減衰を１３，３分の１になるとして、算出していることが想定できた。
屋外における直下２０ｍ地点における電力密度は、0.004mＷ/cm２であり、９００ＭＨzと想定した電波の防護指針値への割合は約150分の１となる。

考察4：
アンテナ直下１０ｍの地点での電力密度が０．１６W/m2　であるとすれば、電界強度に単純換算してみれば、７．７V/ｍとなる。　これだけ大きいと電子機器などは誤動作を起こす恐れがある。
総務省のこのパンフレットは、電波防護指針への適合は、即ち人の健康への影響は大丈夫であることだけを主張しているが、生活環境を見る場合は、それだけではすまないことも考慮すべきである。

考察5：
アンテナ直下の２０ｍの屋外での電力密度は０．００４mＷ/cm2であることから、電界強度に換算してみれば、３．９V/mとなる。
これだけ大きいと電子機器などは誤動作を起こす恐れがある。　即ち、このパンフレットの数字は、アンテナ直下２０ｍの屋外では、電子機器の誤動作を起こす恐れがある電波強度であることを示している。

考察6：
このパンフレットの数字を検証してみれば、アンテナが設置されている建物の屋上（直下１０ｍ）を除けば、地上における電波強度の最大点は、パンフレットに言う「直線距離２００ｍ先」のアンテナのビーム方向」ではなく、「アンテナが屋上の端部に設置され、電波が下方の大地に向かって直進できる状態に設置されたとすれば、地上のおける電波強度の最大点は、アンテナ直下の屋外、この例では直下２０ｍである」ということを論証する資料となっている。
これは、多分に現実とは乖離していることであろう。
多分、アンテナの垂直指向性を見た時に、「過剰にサイドローブの影響」を採用したからと、推定できる。

 

追記：２０１０－３－２
総務省「電波と安心な暮らし」パンフレットは平成２１年７月１日版が改訂され、平成２１年１１月１日版となりました。
以下の図２）に示します。
そして、おおきな疑問であった「直下１０ｍにおける３７分の１」がばっさりと削られていました。

図２　改訂された図

 

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７B．携帯基地局の塔の地上高14.9ｍで十分？

記；　２００９－１０－２５

以下の新聞記事を読んで、ちょっと気になったので、検証を行ってみた。

きっかけ：朝日新聞2009年6月23日の記事
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　一部引用　　　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
公園の携帯基地「反対」趣旨採択
陳情、多摩市議会
多摩市議会は22日の6月定例会最終本会議で、「かけがえのない健康環境である公園緑地を携帯電話中継基地にさせないことを求める陳情」を趣旨採択した。
陳情は、市が管理する馬引沢緑地に予定されているソフトバンク携帯の中継基地（広さ12平方m、高さ14．9m）建設に対し、反対を求めるもの。
（略）
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　　　　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
関心のある方は、当該の新聞記事を読んでください。

この記事で気になったのは高さが１４．９ｍしかない　ということです。

そこで　検証：
垂直指向性を考慮して、最大の電界強度を求めてみると
当該のアンテナの無線電力は不詳なので100Wと仮定。垂直指向性も不詳なのでBEMSJの手元にあるデータを流用して、エクセルで計算しました。

アンテナ地上高１５ｍ　地上１ｍでの電界強度は

最大６０ｍ地点で３．７V/mとなる。
電波防護指針値には適合するが、電子機器などへの影響は大丈夫か？

さらに、アンテナ地上高１５ｍとし、近接して2階建ての家があるとしてその地上高（４ｍ）での電界強度は

最大は６０ｍ地点で４．７V/mとなる。電波防護指針値には適合するが、電子機器などへの影響は大丈夫か？


BEMSJのコメント：アンテナの地上高は１５ｍではなく、もう少し高くすべきではないだろうか？？？

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７Ｃ．基地局アンテナは高い方が曝露は少ないというイタリアの2010年の研究

記：２０１１－４－２６

BEMS Vol. 31 No. 8 2010年12月　に掲載された論文として、以下の研究がある。
タイトル：A numerical coefficient for evaluation of the environmental impact of electromagnetic fields radiated by base stations for mobile communications (pages 613–621)
研究者：P. Russo, G. Cerri and V. Vespasiani

この研究は、イタリアの法律に基づく携帯電話基地局から発信される電波曝露の数値計算による評価法に関する研究であるが、この論文の中に、面白い解析例がある。

事例１：周波数900MHz、電力100W、アンテナの高さ25m、放射する電波の主指向方向3度とした場合と
事例2：アンテナの高さを30ｍとし、その他の条件は事例1と比較した場合
どちらが周囲の住民の曝露が少ないかを見ると、事例2の方である、と、いう事例がある。

これは、アンテナからの電波曝露をより少なくするためには、アンテナの高さをより高くすることということである。

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７D．アメリカのFAQにあった8m以内に近接の場合等

記：２０１２－６－６

http://www.ifeng.or.jp/iftech_web/cellular/health.html　にあった内容の一部引用です。
＜この文書は２００５年時点で更新は止まってしまっていますが、なかなか有用な情報源です。読んでみることを勧めます。＞

携帯電話の基地局（アンテナ）と健康　(原題： Mobile Phone (Cell Phone) Base Stations and Human Health)
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
13）携帯電話の基地局アンテナが安全ガイドラインに適合できないような状況はありますか？
はい。不適当に設計された（即ち、安全性の不十分な）携帯電話の基地局サイトが安全ガイドラインに適合しないことが起こり得る状況はいくらかあります。
アンテナ自体の放射表面から（水平で）8m／25フィート以内の区域に公衆が立ち入ることができるように、アンテナが設置されたならば、管理されていない（公衆の）曝露の安全ガイドラインを超えることが起こるでしょう。
これは、建物の屋上や屋根の近くに設置したアンテナで起こり得ます。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　　　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

アンテナと同じ高さで水平距離8m以内はアメリカの公衆曝露基準を超える恐れがあると、指摘しています。

また、以下の図も紹介されています。　図のみの引用です。


この図の意味は、　アンテナの出力がERPで１０００Wの場合、　すなわち出力は２０Wであるが、指向方向の利得が17ｄBi（実数で50倍）の基地局の場合、水平方向に強い電波が発信される。
その強さが０．０１０ｍW／ｃｍ２となる範囲は、２５m程度の距離に及ぶ、という意味です。
０．０１ｍW／ｃｍ２の電力密度は、電波防護指針にも適合しますが、電界強度に換算すれば６．１V／ｍとなり、電子機器の誤動作を起こすレベル　と言えます。



また関連して、以下の情報も記載されています。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
さらに携帯電話の使用者がいる区域から基地局アンテナを遠ざけるように移動すると、次のようになるかもしれません。
1. ハンドセットからの使用者の曝露が増加する。
2. 基地局アンテナの電力を増す必要がある。
3. 基地局アンテナを地上上方のもっと高いところに設置する必要がある。
4. セルサイズが大きくなる。したがって、接続可能な使用者数が制限される。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

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７Ｅ．携帯基地局から発信される電波強度の空間分布の推定計算例

記；２０１３－７－２５

以下の想定条件のもとに、基地局から発信される電波の強度の空間分布を単純な計算で推定を行った。
条件：

＊基地局のアンテナの地上高は20ｍとする。
＊発信アンテナは2ｍ程度の長さのエレメントから構成されているが、中心点から集中して発信されると想定
＊電波伝搬は、自由空間とする、すなわち、周囲に電波を反射したり、吸収したりするものが全くないものとした。したがって、大地による反射は無いものとした。
＊電波の強度は　電力密度＝（送信電力Ｐ×アンテナの利得Ｇ）／（4π×距離の二乗）
　　として、　さらに　電界強度＝（電力密度×377オーム）の平方根　として　算出した。
＊アンテナの垂直方向の利得は、以下のような数値のものであると、想定した。
　　アンテナの主ビーム方向は水平方向に対して5度下向きとした。
　　一定以上の俯角の場合、サイドローブなどの影響を考慮して、一定の利得値と想定した。
＊電波の強度分布は、地上高さを０ｍから18ｍにわたって計算を行った。
　　またアンテナから水平距離を変えて、1000ｍの距離まで、　計算を行った。
＊送信電力はＰ＝１０Ｗとし、主ビーム方向のアンテナ利得はＧ＝100倍とした。
　　以下の計算結果は、ＰＧ＝１０００であれば、利得と送信電力が変化しても、摘要が可能である。
　　すなわち、送信電力Ｐ＝２０Ｗ　で　主ビーム方向の利得Ｇ＝50倍　の場合である。

　想定したアンテナの指向性カーブ

 

計算した空間分布
単位は 電界強度　V/m

アンテナからの水平距離　ｍ

地上

高ｍ

5

10

50

100

150

200

250

300

400

500

600

700

800

900

1000

18

9.28

8.06

3.46

1.73

1.15

0.87

0.69

0.58

0.43

0.35

0.29

0.25

0.22

0.19

0.17

16

5.53

4.64

3.45

1.73

1.15

0.87

0.69

0.58

0.43

0.35

0.29

0.25

0.22

0.19

0.17

14

4.53

3.03

3.44

1.73

1.15

0.87

0.69

0.58

0.43

0.35

0.29

0.25

0.22

0.19

0.17

10

3.16

2.50

1.61

1.72

1.15

0.87

0.69

0.58

0.43

0.35

0.29

0.25

0.22

0.19

0.17

8

2.72

2.26

1.43

1.72

1.15

0.86

0.69

0.58

0.43

0.35

0.29

0.25

0.22

0.19

0.17

6

2.38

2.06

1.20

1.43

1.15

0.86

0.69

0.58

0.43

0.35

0.29

0.25

0.22

0.19

0.17

4

2.11

1.88

1.13

1.14

1.15

0.86

0.69

0.58

0.43

0.35

0.29

0.25

0.22

0.19

0.17

2

1.89

1.72

1.04

0.88

1.15

0.86

0.69

0.58

0.43

0.35

0.29

0.25

0.22

0.19

0.17

1

1.80

1.65

0.99

0.81

1.15

0.86

0.69

0.58

0.43

0.35

0.29

0.25

0.22

0.19

0.17

0

1.72

1.58

0.93

0.81

0.95

0.86

0.69

0.58

0.43

0.35

0.29

0.25

0.22

0.19

0.17


＊地上高1ｍに相当する高さでは、直下方向の他では、水平距離150ｍの地点が極大値を示している。
＊アンテナの主ビーム方向は下方5度に設定してあるので、単純に主ビーム方向にだけ電波が発信されているとすれば、高さ20ｍにあるアンテナからの電波は水平距離230ｍ付近で極大値を示すはずであるが、主ビーム方向だけではなく、垂直指向性を持って発信しているので、伝搬距離のこともあってか、計算結果では水平距離150ｍ地点で極大値を示している。
＊電界強度２Ｖ／ｍを超える分布を赤字に示した。 電波防護指針には適合しているが、そうした場所に住居があれば、その住居における電子機器の誤動作を確認しなければならない状況と判断する。
　水平距離５ｍで地上高さ４ｍ以上に住居がある、すなわち2階建て程度の住居では、電子機器の誤動作の確認が必要となる。
　水平距離５０ｍで地上高さ10ｍ以上に住居がある、すなわち4階建て程度の住居では、電子機器の誤動作の確認が必要となる。
　水平距離100ｍ以上では、ほぼ問題はない。


以上の計算は、前述の想定条件下での計算例なので、もし、個々の事例にあてはめようとする場合は、個別の条件を再設定して、再評価を行う必要がある。

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８．携帯電話基地局（中継塔）周辺の電波の強さの実例　


下図に、九州のある基地局の周辺の携帯電話の電波の強さの実測例を示す。
基地局から同心円上に１００ｍ、２００ｍ、３００ｍと離れた地点で、地上１ｍから２ｍの間で最大の測定値が得られるように、また電波の強さはこの基地局のサービスエリア内でどの程度の携帯電話が同時に使用されているかの割合によって、送信される電波の強さは時々刻々と変化するので、測定地点において瞬間的に最大となる値を、電界強度の測定値として、表している。
　
各地点では、送信アンテナと測定点との間にビルなどがあって、電波が減衰している場合もあり、また近傍の金属材料や大地での反射によって大きくなっている場合もあり、必ずしも一定値ではないが、この図を見れば、基地局からの距離によらず、ほぼ一定の電波の強さになっていることがわかる。


 

９．日経バイト誌2002年9月号の記事から

 

日経BP社発行「日経バイト」では電磁波特集で、携帯電話の基地局から電波を測定している。
１）基地局の近隣で0.38V/m　
２）基地局から400mのところで0.43V/m　
３）基地局から650mのところにある14階建てのマンションの入り口で0.17V/m　
４）同　13階のベランダで11.66V/m　
５）同　13階の室内（リビング）で0.37V/mとある。

４）以外の数値はほぼ適切な値と思われる。

４）の数値はかなり大きいと思われる。

室内リビングでの電界強度は0.37V/mであったことから　室内の測定値は正しく、携帯電話の基地局からの電波であるかもしれない。

そこで、携帯電話の基地局からの電波であるかを見極めるために、もっとも電界強度が大きくなる条件として、
送信出力100Wとし、13階のベランダと全く同じ地上高さに送信アンテナがあるとして、　
送信アンテナの利得を100として計算を行なった。　
計算の結果は、水平距離を650mとすれば、その場の電界強度は0.89V/mである。　
従って、この11.66V/mという値は、近隣にある携帯電話の基地局からの電波（電磁波）ではないといえる。


日経バイトにあるベランダでの電界強度11.66V/mという測定値は何かおかしいというか、異常な値を検出（測定）していることになる。
ベランダでの測定は、携帯電話の基地局からの電波ではない、何か他の、大きな発信源からの電波を検出（測定）していることになる。

もしかすると　測定者が携帯電話を持っており、ベランダで測定を行なった時に、偶然に、その携帯電話から位置登録のための電波が自動発信されたのではないか？
電波の測定を行なう時に、携帯電話からの電波の影響を考えて、携帯電話の電源を確実にオフにしていたとすれば、この携帯電話の位置登録のための電波を測定したとはいえなくなる。

それでは何を測定して、こうした11.66V/mという電界強度を示しているか？？？
　
一つの解は、650m遠方にある携帯電話基地局からの電波ではない、第3の電波の発信源が、この13階のベランダの近くにあるということです。だれかアマチュア無線の電波を発信していたとか、隣にタクシー会社があって、タクシー無線の電波を出しているとか、何かあるのでしょう。

最終的には、電界強度の測定と同時に、周波数も測定できるような、電波測定の専門的な機材（受信アンテナと特定の周波数ごとに電界強度を測定できる電界強度測定器やスペクトラムアナライザなど）が必要となります。
そうすれば、この11.66V/mの電界の基になっている周波数が何かがわかり、それらの周波数の電波の発信源は何処にあるかを探っていくことになります。

 

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９A．電磁波市民研究会報にあった電界強度の例

記：２００９－６－２２

電磁波問題市民研究会の会報「電磁波研究報」No.58（2009年5月31日発行）に「家庭内から発生する電磁波は低周波から高周波へ」という記事があった。
「電磁波問題市民研究会では各地からの依頼で高周波、低周波の測定を行っている。
ここ1～2年はその依頼数が増加している。
そこで、これらの測定についての傾向と、それにどう対応すればよいか、また、測定から得られた発見などについて紹介する。」　　という記事である。

この記事の中で、
「そこで携帯基地局近くで測定をすると時間帯（数分単）で数値が大きく変化する。
低いときは非常に低い。この低い植だけみると影響がない様にも思える。
しかし、高い場合は非常に高い。一例を挙げると、アンテナからの距離が20mほどで、高周波は０．５～7.6V/mの幅のある箇所もあった。
ここはアンテナと同じ高さにマンションの部屋がある。つまり、マンションの目前に突然同じ高さのアンテナが建てられたのだ。　」　　と。

この例にある７．６V/mもあるとすれば、その住居にある電子機器の誤動作はないか、要確認といえる。

 

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９Ｂ．教えてGoo　にあった質問と回答：携帯基地局からの電波より他の電波の方が強かった事例2010年

記：２０１１－１１－１
関連する箇所のみを抜粋して紹介します。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　　　　　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
質問
携帯基地局で健康被害がないか不安に思っている、賃貸マンションに住んで
質問者：ＸＸＸＸ
投稿日時：2010/05/26 14:30

携帯基地局で健康被害がないか不安に思っている、賃貸マンションに住んでいる者です。
マンションの最上階に住んでいるのですが屋上に基地局ができました。
周波数は2.5ギガヘルツだそうです。
６月下旬くらいから電波を出すそうなのですが未修園児も居ますので不安に思っています。
携帯会社に問い合わせたところ、不安を解消するために電波の計測をしに来てもらえることになりましたが、担当者は「国の定めている基準より、何倍も下になりますから安心してください。」と言われます。

No.6
回答者：ＸＸＸＸ
回答日時：2010/05/31 01:48
NARDAのSRM3000は使ったこともあります。
良い測定器です。
電波の強さは測定可能です。

測定するのであれば、マンションの屋上のアンテナからの電波の強さだけではなく、ついでに、テレビやFM放送などの電波の強さも測定してもらえば、比較ができて、判りやすくなるでしょう。

この回答へのお礼
　測定にこられたときは、テレビやFM放送などの電波の強さも測定してもらいたいと思います。
また、結果がでましたら、ご報告してみたいと思っています。
　ありがとうございました。

No.7
回答者：ＸＸＸ
回答日時：2010/11/22 04:50
久しぶりに覗いてみました。

＞　測定にこられたときは、テレビやFM放送などの電波の強さも測定してもらいたいと思います。
＞また、結果がでましたら、ご報告してみたいと思っています。

測定の結果は如何でした？

この回答へのお礼
お返事が遅れて申し訳ございませんでした。
一番電波をキャッチしたのが、近所で使われているLANでした。この基地直の50倍。
ＴＶからのは、25倍ほどです。
あと、向かいに建つNTT基地局からのものが、２～３倍ありました。
ご報告までに
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　　　　　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

 

 

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１０．盛岡市条例にみる携帯のアンテナ鉄塔規制　

 

２００２－１１－２１の岩手日報には、以下のような記事が掲載されています。 詳細は岩手日報を読んでください。

＊＊＊＊＊＊　一部引用　＊＊＊＊＊＊
盛岡市、携帯のアンテナ鉄塔規制
盛岡市は２０日、携帯電話の基地局（アンテナ鉄塔）設置規制などを盛り込んだ住環境保全条例を１２月市議会に提案すると発表した。
携帯電話鉄塔を規制する条例は県内市町村では初めて。盛岡市内では１９９６年以来、３６カ所に設置申請が出され一部で電磁波の発生を懸念する住民との間でトラブルが起きていた。　条令は住環境形成建築指導要綱を基にした。

要綱の対象だったマンションのほか、条例には
▽携帯電話の基地局（鉄塔含み）で１５メートルを超える工作物－を新たに加えた。

要綱では留意事項だった
▽携帯電話基地局（鉄塔）は原則として第一種低層住居専用地域を避けてもらう
▽建物の屋上などに設置する携帯電話基地局は高さ１０メートル以内とする－を条例に盛り込んだ。

トラブルが起きた場合は専門家５人で構成する紛争調整委員会を設置し、当事者間の「調停」を行えるようにする。
住環境形成建築指導要綱は中高層建築物を対象に９２年に施行。建築主と近隣住民の紛争を未然防止するため建築計画を事前に公開し、紛争が起きた場合は市が当事者間の自主的解決を「あっせん」する。規制条例は来年４月施行予定。
船越義樹都市整備部長は「建築主への要請を条例化でさらに強めたい。強制力はないが住民とのトラブルが起こらないよう条例の趣旨を伝えていきたい」としている。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　

これは必ずしも正確に条例の内容を伝えているとはいえません。
新聞記事は必ずしも正確な情報を伝えているとは限らない　といえるケースです。　

以下に盛岡市役所から入手した条例の原文から、関連する部分を紹介します。　
＊＊＊＊　一部　引用　＊＊＊＊＊＊＊＊＊　
平成14年12月20日議決　平成14年12月26日公布　盛岡市条例第39号　
盛岡市中高層建築物等の建築等に係る住環境の保全に関する条例　

（目的）　
第１条　この条例は，中高層建築物等の建築等に関し，建築主等が配慮すべき事項，建築計画の事前公開の手続，紛争についてのあっせん及び調停その他必要な事項を定めることにより，良好な近隣関係の形成を図り，もって快適な住環境の保全に資することを目的とする。　

（定義）　
第２条　この条例における用語の意義は，次項に定めるもののほか，建築基準法（昭和25年法律第201号。以下「法」という。）及び建築基準法施行令（昭和25年政令第338号）に定めるところによる。
２　この条例において，次の各号に掲げる用語の意義は，当該各号に定めるところによる。　
(1) 中高層建築物等　次に掲げる建築物等をいう。　
ア　屋上突出物（避雷針を除く。）を含めた高さが10メートルを超える建築物　
エ　携帯電話の電波塔で高さが15メートルを超えるもの又は携帯電話の電波塔が附属している建築物で規則で定めるもの　
 (3) 紛争　中高層建築物等の建築等により生ずる日照，通風及び採光の阻害，風害，電波障害，工事中の騒音，振動等その他の周辺の住環境に及ぼす影響に関する近隣住民と建築主等との間の紛争をいう。

（建築主等の責務）　
第５条　建築主等は，近隣住民との紛争を未然に防止するため，中高層建築物等及びその周辺の住環境について十分配慮するよう努めなければならない。　

（建築計画上の配慮事項等）　
２　第２条第２項第１号エに該当する中高層建築物等（既存の建築物に附属して新たに携帯電話の電波塔を設けることにより同号エに該当することとなるものを含む。）の建築主等は，当該中高層建築物等の建築等に当たっては，地形その他の事情によりやむを得ない場合を除き，第１種低層住居専用地域を避けるよう努めなければならない。　

第３章　建築計画の周知の手続　
第10条　建築主等は，中高層建築物等の建築等をしようとするときは，規則で定めるところにより，当該中高層建築物等の敷地の見やすい場所に建築計画の概要を記載した標識を設置しなければならない。　

第４章　あっせん　
第14条　市長は，第11条に規定する説明会等の実施後において当事者の双方から紛争の調整の申出があったときは，あっせんを行う。


附　則
１　この条例は，平成15年４月１日から施行する。　
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　

この条例では、携帯電話の電波塔については、第1種低層住居専用地域（建築物でも高さの規制が10メートルと定められている都市計画地域）を限定して、計画を避けていただきたいという努力目標を定めている。

　『携帯電話の基地局（電波塔）』は、基本的に15メートルを超えるものを計画する場合には、建築基準法に定められる建築確認の申請を提出する30日以上前から現地に告知の看板を掲示すると共に、条例で定める範囲の市民に事前に周知し、不安などを少しでも解消してから、建築物などを建るべき　という趣旨で、必要ならば市長が斡旋などを行うということ定めている。

追記：　２００７－４－２３　　この条例に関する補足を以下の「３０．疑問のある条例：　岩手県盛岡市」に記載。

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１１．ある携帯電話基地局の疑問―１　

東京都稲城市矢野口２１７３－１　マンション「ファインヒル２」の屋上に建設された携帯電話基地局に関する疑問
　　　作成：　２００３－２－２７

１）背景　
基本的に携帯電話の基地局から発信される電波は、サービスエリア内でできるだけ均等な電波強度になるようにと、送信アンテナの指向性に工夫をこらし、水平方向に強く、アンテナの直下方向には弱い電波を出している。　

２）発端　
京王線を利用して新宿に行くことが多い、ある日、乗車して、新宿に向かう途中、京王線よみうりランド駅に停車時に、ふと外を見ると目の高さと同じ高さにある携帯電話基地局のアンテナを見つけた。アンテナの高さが、駅を利用するプラットホームの高さとほぼ同じ高さにあることが、非常に気になった。　

３）当該の基地局　
京王線よみうりランド駅の上り方向のプラットホームは山に隣接しているために地上高が高い。　当該の基地局は、京王線の線路、プラットホームから、隣接する道路を経て建っている3階建てのマンションの屋上にある。
プラットホームに立ってアンテナを見ると、ほぼ目線の位置にある。すなわち、アンテナの指向性から電波のもっとも強く発信される方向に、多くの人が利用する電車のプラットホームがある。　

４）最悪のケースの想定　
この基地局の送信電力が１００Ｗ程度、アンテナの利得が２０ｄＢ程度とし、アンテナとプラットホームの距離が１５ｍ程度（筆者の目測では１５ｍから２０ｍ程度）とすれば、プラットホームでの電波の強さ　電力密度は、単純な計算式で　
電力密度＝１００Ｗ　ｘ　１００倍／４　ｘ　３．１４　ｘ　１５ｍ　ｘ１５ｍ　
　　　　＝３．５Ｗ／ｍ２　　となる。　

総務省電波防護指針によれば　一般公衆の暴露限度は　９００ＭＨｚの場合は、電力密度で６Ｗ／ｍ２　であり、　
上記計算結果から、防護指針は超えないが、正確な距離、電力、利得やその他の周囲の条件などを勘案して、確認が必要と思われる。　

５）簡易測定　
そこで、私は非常に簡易的な測定器を持ち出して、当該の場所での電力密度の測定をおこなった。　
測定器は簡易的なものであり、マイクロ波電波を最大１ｍＷ／ｃｍ２（１０Ｗ／ｍ２）まで測定可能、最小測定可能目盛りは０．０１ｍＷ／ｃｍ２（０．１Ｗ／ｍ２、　電界強度に換算すれば約６Ｖ／ｍ）であり　手に持って計る測定器なので、測定している人体の影響もある。　

よって、意味のある測定はできないが、　　
2月22日午後五時半頃に、約10分間　プラットホームでもっともアンテナに近接した場所で測定した結果は、測定限界の０．０１ｍＷ／ｃｍ２を超えないレベルであった。
わずかに針は振れているので、低いレベルの電波が観測されてはいる。　

計測時に当該の基地局から、基地局の最大電力で電波が発信されていたかは、確認ができていない。　
したがって、最大の電力で発信された場合はもう少し大きな電波の暴露強度となるかも知れない。　

６）確認すべきこと　
当該の基地局の最大電力、指向性、アンテナの利得、プラットホームまでの距離などの正確な情報から、理論計算などでプラットホームにおける電波暴露のレベルを推定し、防護指針に合致していることを確認する必要がある。

 

　2003年2月の撮影　デジカメで撮影　アンテナは黒く強調してある。

追記：この中継塔は（株）KDDIのものであることが判明。


追記：２００８－５－１４

　　　　　

2008年5月13日の撮影です。

上記の3階建てマンションの屋上にあった携帯電話基地局が、いつの間にか撤去されていました。　

そして、京王線稲城駅の上り線プラットホームの若葉台方面の端に、携帯電話基地局のアンテナがあることを見つけました。
＜追記：2008－10－2　この4本槍のアンテナはＰＨＳ用かも知れない。もしそうならば、大きな問題にはならない。＞
ホームの屋根の端にあり、ほとんどの乗客は気がつかないと思われます。
ホームからアンテナまで５ｍくらいでしょうか、決して高い場所にあるとはいえません。
ホームにいる乗客や駅員の電波曝露による健康への影響は無いでしょう。　また、プラットホームの屋根が金属であれば、ホーム上での電波の強さは差ほどではなく、仮に電子機器を持ち込んだとしても、誤動作の可能性は低いでしょう。

　　　２００８－５－１３撮影

 

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１２．ある携帯電話基地局の疑問―２　

調布市布田1丁目４４の商業ビルの屋上に建設された携帯電話基地局に関する疑問

　　　作成：　２００３－３－２０

 

１）背景

基本的に携帯電話の基地局から発信される電波は、サービスエリア内でできるだけ均等な電波強度になるようにと、送信アンテナの指向性に工夫をこらし、水平方向に強く、アンテナの直下方向には弱い電波を出している。

 

２）発端

京王線を利用して稲城駅から新宿に行くことが多い、ある日、乗車して、京王線調布駅のプラットホームから目の前のビルの上にある携帯電話基地局のアンテナを見つけた。こうした駅前ビルの屋上に基地局があるのは不思議ではない。しかし、この6階建てのビルに隣接して、12階建てのマンションがあることが気になった。

 

３．確認すべきこと

当該の基地局の最大電力、指向性、アンテナの利得、そしてアンテナから隣接のマンションまでの距離などの正確な情報から、理論計算などで、隣接のマンションにおける電波暴露のレベルを推定し、防護指針に合致していることを確認する必要がある。直線距離で２０ｍ以上あるようなので、問題はないのかもしれない。

商業ビルの屋上には設備などがあるようで、アンテナから水平方向に直進して発信される電波は、マンションに届ないかもしれない。詳細は確認が必要。

 

　　2003年3月の撮影

 

アンテナが撤去された　　2008年11月3日の撮影

 

　調布駅のホームからデジカメで撮影　京王線の電車の架線があって見にくい。　アンテナの部分は黒く強調　

　＜追記：2008－10－2　この4本槍のアンテナはＰＨＳ用かも知れない。もしそうならば、大きな問題にはならない。＞


追記：　２００８－２－２５　　京王線の調布駅のプラットホームから見える範囲で、以下の2件、ちょっと気になる携帯電話の基地局を見つけた。
追記１：　

調布駅東口の南側にあった基地局　お米館という看板のある４階程度のビルの屋上に携帯電話のアンテナが設置されている。
そして道路を挟んで隣接して、比較的新しいビル（調布丸善ビル　という看板が見える）があり、このビルは8階建て程度の高層ビルである。
距離は２０ｍないし３０ｍ離れている。
したがって、基地局からの電波を高層ビルの住人が受けるとしても、健康に影響するほど強くはないと思われる。高層ビルの中で電子機器の誤動作などが無ければよいのであるが。　＜追記：2008－10－2　この4本槍のアンテナはＰＨＳ用かも知れない。もしそうならば、大きな問題にはならない。＞

　アンテナの部分は画像処理で強調させた。

 

追記２：
以下の写真は駅のプラットホームから取った写真、夕方5時を廻り、暗くなっているので、写真は鮮明ではない。
調布駅の西口の南側にある4階か5階建てと思われる調布グリーンホールの屋上に複数の携帯電話基地局のアンテナが設置されている。
ここも同じく、隣接して最近建設されたと思われる高層商業ビル（アフラックの看板が見える）があり、10階程度のビルと思われる。　
アンテナと高層商業ビルの距離は２０ｍないし３０ｍと推定される。したがって、基地局からの電波を高層ビルの住人が受けるとしても、健康に影響するほど強くはないと思われる。高層ビルの中で電子機器の誤動作などが無ければよいのであるが。　

<追記：2010年7月31日　所用で調布に行きました。
打ち合わせが終わってから、この基地局アンテナのあるビルの方に歩いて行きました。　
結果は、携帯基地局アンテナがあるのは調布グリーンホールではなく、ちょっと離れたアフラックの別館の上にアンテナはありました。　
そして、アフラック別館の近くには問題となる高層ビルはありませんでした。>

 

 

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１３．まだある確認すべき？基地局　


東京都稲城市の府中街道（川崎街道）沿いに建設されている携帯電話の中継塔を観察しました。
これらの基地局のアンテナに対して１５ｍ、２０ｍ、３０ｍ程度水平方向に住居部分がある、もしくは水平にかなり近い角度の近距離に住居部分がある。
これらの住居部分での電波の強さは、それぞれのアンテナを建設した通信会社によって、電波防護指針に合致していることが確認されていると、思われる。　
筆者としては、そうした確認情報があれば安心できるが、ちょっと心配なので、あえてこのページに掲載します。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　詳細、確認情報などが入手できれば、このページに追記します。
　調査：　２００３－３－２９　

１）東長沼交差点の前にあるサイクルショップタカノ（稲城市東長沼１０４０）がある3階建てのビルの屋上に中継アンテナがある。隣には同じ3階建てのビルがあり、少なくとも3階部分は住居として用いられている。アンテナと隣のビルとの距離は２－３ｍしかない。　アンテナの垂直方向の指向性などの確認が必要かもしれない。
＜追記：2008－10－2　この4本槍のアンテナはＰＨＳ用かも知れない。もしそうならば、大きな問題にはならない。＞

 

2003年3月の撮影　アンテナ有り　　　2008年5月11日の撮影　　アンテナは撤去されていました。

 

２）　5階建てビルの北浜ビル（稲城市大丸５７８）屋上に中継塔がある。北浜ビルの後ろに13階建ての稲城ハイコーポというマンションがある。アンテナとマンションの間の距離は３０ｍ程度　　３０ｍもあれば、大丈夫かもしれない。＜追記：2008－10－2　この4本槍のアンテナはＰＨＳ用かも知れない。もしそうならば、大きな問題にはならない。＞

　　  　

        2003年3月の撮影　アンテナ有り      2008年8月の撮影　　　アンテナが撤去された

 

３）　大丸交差点の路上にある電柱（稲城市大丸９４２の稲城タイヤのある付近）の上部に携帯電話中継アンテナがある。アンテナの地上高さは８ｍ程度。　このアンテナと道路を挟んで７階建てのマンションがある。マンションとアンテナの距離は２０ｍ程度。　２０ｍも離れていれば大丈夫かもしれない。

＜追記：2008－10－2　この4本槍のアンテナはＰＨＳ用かも知れない。もしそうならば、大きな問題にはならない。＞

　　　　

2003年3月の撮影　アンテナ有り            2008年8月の確認　　アンテナはそのまま存在

４）　東長沼８５６の3階建てクリスマンションの近くの路上の電柱の上部に中継アンテナがある。
アンテナの地上高さは８ｍ程度で、マンションの3階の屋上よりは高い。　マンションとアンテナの距離は１５ｍ程度。

これだけの距離があれば、大丈夫かもしれない。　でも、空き地にビルが立てば問題になるかもしれない。
＜追記：2008－10－2　この4本槍のアンテナはＰＨＳ用かも知れない。もしそうならば、大きな問題にはならない。＞

東長沼携帯　　

　　　2003年3月の撮影　アンテナ有り　　　　　　　　　2008年8月の撮影　　　アンテナが撤去された

　　写真はデジカメで撮影し、アンテナの部分は強調するために、画像を加工。　

 

５）追加：　京王線稲城駅の付近　東長沼３１０６番地付近の電柱に中継アンテナ、アンテナから１０ｍ程度のところに高層ビルがあり、アンテナの水平方向に建物の二階ないし３階の部分がある。子供クリニックがあり、医療機器に影響を与えることはないか？　医療機器は外来電波ノイズに弱い傾向にある。

 

　　　　夕方の撮影で暗い画像です。

追記：２００３－７－１１　この中継塔は（株）NTTドコモのもので、PHS用だそうです。
PHS用ということで電力も小さく、電波防護指針には適合している、ということでした。
但し、PHSとはいえこのアンテナから最大で何Wの電波が出ているのか、アンテナの利得はどの程度か、などの情報は得られませんでしたので、厳密な検証は不可能です。
後述を参照。
電波防護指針へは適合していても、医療機器や電子機器への影響は？？


  

 追記：２００７－３－１４　　　３月14日の昼頃に撮影　　アンテナが撤去された

　上記と同じ場所です。　５）で紹介したPHSアンテナ塔は、なぜか取り外されていました。　2007年1月頃にはたしか、健在だったと記憶しています。

この地域は現在、開発が進行中で、上の写真を比べてみれば判るように、後ろに新しい高層マンションが建設されています。

 

　

６）　追加：　京王線稲城駅ロータリーの前　ファミリーマートなどがある3階建ての建物の屋上にある中継塔
　　（稲城市百村1613番地の近く）　　駐車場を挟んで隣には６Ｆ建てのマンションがある。
　　アンテナとマンションとの水平距離は１５－２０ｍ。　これだけの距離があれば大丈夫か！　
　　電波防護指針には合致しても、電子機器の誤動作はないか？　
　　但し、将来、駐車場にビルが建つと問題になるかもしれない。

　

　　2003年5月頃の撮影　3階建てのビルの屋上にアンテナ　　　アンテナの部分は画像処理で強調

　

　　2008年5月12日の撮影　　3階建ての建物からアンテナは撤去され、代わって、隣のマンションの間の駐車場にアンテナがあった。
アンテナの水平方向の電波の発信を考えると、隣のマンションとの距離がより近くになっている。
マンションの住居で電子機器の誤動作さえなければよいのですが。

＜追記：2008－10－2　この4本槍のアンテナはＰＨＳ用かも知れない。もしそうならば、大きな問題にはならない。＞

 

7) 筆者の自宅の裏にもあった携帯電話アンテナ　
記：２００８－８－５

筆者の自宅の裏側、３０ｍ程度のところにも携帯電話中継局のアンテナはありました。
2003年5月に撮影した写真を以下に示します。


それが、いつの間にか、撤去されていました。
撤去後の写真も以下に示します。　いつなくなったのか、全く気がつきませんでした。
　　

　　　2003年5月24日撮影

 

　2008年6月28日　撮影

 

８）　京王線稲城駅前の携帯基地局アンテナ

記：２００９－８－５

左側のマンション「ガーデンピア樹光」の屋上に携帯電話基地局のアンテナが2基見えました。
隣にマンション「パストラムハイム稲城」があります。
アンテナの水平方向にパストラムハイム稲城があります。　アンテナとの距離は３０ｍはあるでしょうから、健康影響は大丈夫でしょう。
しかしパストラムハイム稲城の中高層階では、電子機器の誤動作がないか、心配です。

　　

 

 

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１４．まだある確認すべき？基地局　川崎市溝口　

 

先日、川崎市溝口のＫＳＰ神奈川サイエンスパークを訪問した。電車沿いの道路からわき道に入り、ＫＳＰに入る直前に、ちょっと気になるものを見つけた。

そこは、ある工場の敷地の中で、塀に沿って電柱があり、その電柱にＰＨＳ用と思われる中継アンテナが設置されていた。
多くのＰＨＳ中継アンテナは最大電力が２Ｗと、通常の携帯電話のハンドセットから発信される無線電波の強さの数倍程度と言うことから、２０ｃｍも離れれば、健康影響の観点から規定されている総務省の電波防護指針値には合致し、問題はないと思われる。
健康への影響の観点からの電波防護指針の最大曝露値は６１Ｖ／ｍといった電界強度となっている。

しかし、この場合、アンテナの高さと同じ地上高さに、水平方向に２ｍ程度の近距離で、３階と４階の部分の工場の建物があった。
２ｍも離れれば、人の健康には影響はないと思うが、それでもかなり強い電界強度になると予想される。
実際はどの程度の電界強度か不明であり、なんともいえないが、電界強度がそれなりに強い場合は、工場・建物の中にある機会や設備によっては、電子機器が誤動作する恐れがある。
工場として稼動しており、問題があれば騒いでいるはずで、偶然見つけたこのケースも、電子機器などへの影響も出ていないのかもしれない。

　　　　　 撮影：2003年9月2日

写真１４－１: 　アンテナの部分は強調してあります。　←の部分がＰＨＳ＜？＞の送信アンテナ

追記：2009年6月14日　所用で溝口に行きました。ついでに、写真１４－１にある場所を再確認してきました。
その場所のとなりの更地には大きな超高層マンションができていました。
そして、PHS＜？＞のアンテナは、みごとに撤去されていました。その写真を以下に写真１４－２に示します。

 

　　写真14-2：2009-6-14撮影

 

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１４Ａ．まだある確認すべき？基地局　横浜のパシフィコ横浜

 

記：２００９－５－２６

5月25日の夜、横浜みなとみらいにある横浜グランド　インタコンチネンタルホテルに一泊した。
ホテル内の通路から外を見ると、ふと下方に携帯基地局のアンテナ郡が見えた。、16階のフロアから撮った写真を以下に示す。


アンテナの数は数え切れなかった。1ｍ程度のパラボラアンテナも見えるが、携帯電話に基地局のアンテナが多数設置されている。
この設置されている建物はパシフィコ横浜の会議センターの屋上である。　会議センタは5階程度の建物である。

左側は、インタコンチネンタルホテルである。31階まである高層ホテル、建屋は隣接して建っている。
インタコンチネンタルホテルの7階部分は、これらの携帯基地局のアンテナからの指向方向の電波が直射する。　距離は３０ｍ程度以上はありそうなので、人の健康への影響は大丈夫でしょう。でも、部屋の中の電子機器の誤動作などはないか、要確認でしょう。

さらにこの屋上のアンテナから、桜木町駅方面に、広い道路を挟んで、パシフィック横浜ベイホテル東急がある。
このホテルの中層階にも指向方向の電波が直進する。
６０ｍ程度以上の距離はありそうなので、人の健康への影響は大丈夫でしょう。でも、部屋の中の電子機器の誤動作などはないか、要確認でしょう。

　


　　

 

 

 

１４Ｂ．まだある確認すべき？基地局　国立市（ＪＲ南武線谷保駅）周辺

 

記：２００９－５－３０

立川駅からの帰路、谷保駅で下車し、散歩しました。
以下の2点を見つけました。
　

　　

谷保駅前の商業ビル（コートービル）でしょか、6階建程度のビルの屋上に複数の携帯電話基地局アンテナが設置されています。
中央と右側のアンテナは屋上でも高い場所にあり、問題はないでしょう。　ちょっと気にすべきは左側のアンテナで、屋上にありますが、高さはさほどありません。
隣接して6階建程度のマンション「ラ　トゥール国立」があります。
アンテナの真横には住居部分はありません。健康への影響は大丈夫でしょうが、マンションの高層階での電子機器への影響がないか、要確認でしょう。

 

　　

谷保駅から北に5分程度歩いた道路沿いにあったものです。
1階が電化の店となっている6階建程度のマンション「ラフォーレ国立」の屋上に基地局アンテナがあります。隣接してこれも6階建程度の住宅「南国立社宅」があります。

アンテナの水平方向真横には南国立社宅の高層階は位置しません。　
健康への影響は大丈夫でしょうが、マンションの高層階での電子機器への影響がないか、要確認でしょう。

 

 

１４C．まだある確認すべき？基地局　JR中央線・南武線の立川駅北口

記：２００９－１０－１

本日、所用で立川駅に降りました。北口を出て、ふと駅ビルを見返すと、駅ビル屋上に携帯基地局アンテナが見えました。
このアンテナの水平方向、１０ｍか１５ｍ程度のところに、この駅ビルの高層階部分があります。
１０ｍ、１５ｍほどの距離があるので、高層階に住む人の健康への影響は大丈夫でしょうが、高層階での電子機器への影響がないか、要確認でしょう。

　　

 

 

 

１４D．まだある確認すべき？基地局　新幹線新横浜駅のプラットホームから見えた携帯基地局

記：２００９－１０－13

2009年10月10日　米原へ行くために新幹線横浜駅に行きました。
大阪方面行き下りホームからふと外を見ると、携帯基地局アンテナが見えました。
下図にその写真を示します。
帰宅後にグーグルの地図で検索を行うと、新幹線ホームと、JR横浜線の間に建っている新横浜ビルでした。
この新横浜ビル屋上には多数のアンテナがありますが、気になったのは写真右端にあるアンテナです。
このアンテナのほぼ水平方向、１０ｍ程度でしょうか、そのビルの高層階部分があります。
高層階に住む人の健康への影響は大丈夫でしょうが、高層階での電子機器への影響がないか、要確認でしょう。

　

 

 

１４E．まだある確認すべき？基地局　JR中央線小金井市で見つけた携帯基地局

記；２００９－１２－５

2009年12月4日の午後、小金井市にある江戸東京たてもの園で開催中の特別展「甲武鉄道と多摩」を参観すべく小金井市に行きました。
そこで、2箇所の疑問のある基地局を見つけました。

＊東小金井駅内から南方をみた時、携帯電話基地局のアンテナが2基見えた。
右側にある携帯電話基地局のアンテナは、同じ高さに他のたてものは見当たらず、大丈夫でしょう。

左側にあって赤い枠で囲んだアンテナは、東小金井駅前郵便局に隣接する5階建て程度のマンション（マンションの名称は不詳です。グーグルの地図で見た感じでは、宮澤ビルと思われる）の屋上にある基地局は、同じ高さに道路を挟んで隣接して９F程度のマンション（ロイヤル武蔵野）があります。
距離は、４０ｍ程度はあるでしょう。
このマンションの高層階に住む人の健康への影響は大丈夫でしょうが、高層階での電子機器への影響がないか、要確認でしょう。

　　カリ３

駅の窓から撮影、窓が汚れていて、汚い写真になっている。　

 

＊江戸東京たてもの園に近いところで、梶野町3丁目でしょうか、以下の基地局を見つけました。
モンブルワールと書かれた看板のある3階建ての建物の屋上に携帯電話基地局のアンテナが3基あります。
このアンテナに近接して、7階建て程度のマンション（ナイスアーバン小金井公園）があります。
アンテナの高さと同じ高さに、このマンションの高層階部分があります。
距離は１０ｍはあるでしょう。
このマンションの高層階に住む人の健康への影響は大丈夫でしょうが、高層階での電子機器への影響がないか、要確認でしょう。

　　カリ４　

 

 

 

１４F．まだある確認すべき？基地局　東京・ゆりかもめ　台場駅付近で見つけた携帯基地局

記；２０１０－５－２２

２０１０年５月２０日　台場の未来館でのシンポジウムが終わり、ユリカモメで新橋に戻る車中で、台場駅から台場海浜公園駅の間で見つけた携帯基地局です。
ユリカモメの進行方向左側に、建物の屋上に５基程度の基地局が見えました。
急いでデジカメで撮影し、帰宅後に場所を確認しました。
アイランドモールでしょうか、屋上にアンテナがあります。 このビルに隣接して多くのビルがあります。　ユリカモメの線路をはさんで、ビルが林立しています。
アンテナからは２０ｍ、４０ｍは離れているでしょうから、健康への影響は大丈夫でしょうが、これだけ多くの中継基地局が集中していると、近隣のビルでの電子機器の誤動作がないか、ちょっと心配です。

 

 

 

 

１４G．まだある確認すべき？基地局　東京・JR中央線　三鷹駅付近で見つけた携帯基地局

記；２０１０－５－３１

2010年5月30日　趣味の切手の会合に出席の為に、JR三鷹駅南口に降りました。
そして、中央通を歩いていて、以下のアンテナを見つけました。

アンテナが設置されている建物は、エミネスイン三鷹というマンション（10階建て）です。
このエミネスイン三鷹に隣接して、ライオンズプラザ三鷹駅前というマンション（10階建て）があります。
マンションの案内サイトで共に10階建てと判りましたが、地上高さが同じであるかまでは定かではありません。

携帯アンテナの水平方向とちょっと低いところで、隣接のマンションがあります。
距離が１０ｍ程度と近いのが気になりますが、アンテナと同じ高さにはないのでしょう、健康への影響は大丈夫でしょうが、
電子機器への影響がないか、要確認　でしょう。

 

　　

 

 

 

１４Ｈ．まだある確認すべき？基地局　東京・渋谷駅前で見つけた携帯基地局

記；２０１０－７－４

2010年７月月１日　渋谷の「たばこと塩の博物館」で開催中の「阿蘭陀とＮｉｐｐｏｎ」の特別展を見に行きました。帰路、駅前で見ると以下に示す携帯基地局のアンテナが見えました。

アンテナが設置されている建物は、ＩＯ９－２のビルです。

携帯アンテナの水平方向に、この１０９－２に公園通りをはさんで、向かいには渋谷西武Ａ館があります。


広い道路を挟んで距離が２０ｍ程度はあるでしょう、渋谷西武Ａ館の高層部での健康への影響は大丈夫でしょうが、電子機器への影響がないか、要確認　でしょう。

１０９－２と一体化したように建設されている向こうに見えるより高層の商業ビル（グーグルの地図で見ると「榮來ビル」）の高層階部分とは同じく２０ｍ程度の距離はありそうです。この榮來ビルの高層階では、健康への影響は大丈夫でしょうが、電子機器への影響がないか、要確認　でしょう。

 

　　

 

 

 

 

１４I．まだある確認すべき？基地局　東京・秋葉原駅前で見つけた携帯基地局

記；２０１０－８－１１

 

8月11日　所用で秋葉原に行きました。　総武線で降りて、プラットホームからふと見上げると、以下に示す気になる携帯基地局アンテナが見えました。
持参のデジカメで撮影し、時間がなかったので、所在地などを確認せずに、帰宅しました。
帰宅後にグーグルの地図などで検索しました。
ブックオフの看板のあるビル（DankeAkihabaraビルと想定）の上にアンテナはあります。
このアンテナの真横、水平方向に、隣接してより高層の商業ビルがあります。　地図で見ると、この二つのビルは隣接して建てられています。
高層の商業ビルは、「アキバトリム」と上層階は「レム秋葉原」というホテルになっています。
アンテナと高層階の距離は不詳です。　かなり近接していることは確かです。

この「レム秋葉原」の高層階では、人の健康への影響は大丈夫でしょうが、電子機器への影響がないか、要確認　でしょう。

　

 

 

１４J．まだある確認すべき？基地局　東京・赤坂周辺で見つけた携帯基地局

記：２０１１－５－２７

2011年5月25－26日　赤坂にあるANAインターコンチネンタルホテル東京に一泊しました。
朝、2階の部屋の窓から外を見ると、遠くには国会議事堂が見え、そして、携帯基地局のアンテナも見つけました。

＊ホテルの隣のビルの屋上にあった携帯基地局アンテナ

　　　

　　

ホテルの隣のビルの屋上にあった携帯基地局アンテナ

基地局アンテナは、インターコンチネンタルホテル東京に隣接する赤坂1丁目森ビル（10階建）の屋上に2基設置されていました。
赤坂1丁目森ビルに密着して隣に14階建ての赤坂1丁目センタービル赤坂タワーがあります。
アンテナの位置から赤坂タワーアまでは２０ｍ程度ありそうです。
この「赤坂タワー」の高層階では、人の健康への影響は大丈夫でしょうが、電子機器への影響がないか、要確認　でしょう。

＊ホテルの間の前にあったNTT赤坂ビル屋上の携帯電話基地局アンテナ
NTT赤坂ビル屋上の鉄塔の最上部に携帯電話基地局のアンテナが窓から見えました。
この塔はかなり地上高さが高い位置に設置されており、水平方向に超高層の商業ビルやマンションは見当たりません。
　しいて言えば、以下の写真の矢印にしめす赤坂タワーレジデンストップオブザヒルがあります。アンテナから帰宅後にグーグル地図で調べると１５０ｍも離れており、問題はないでしょう。
インターコンチネンタルホテル東京の高層階も同じ水平方向にありますが、５０ｍ程度の距離があるので、これも問題はないでしょう。

カリ５

 

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１４K．また見つけた気になる携帯基地局　東京・板橋本町

記：２０１４－３－９

三田線の板橋本町駅の近くの写真を以下に示す。

カリ１

高速道路の片側にあるマンションと思われる高層建築の屋上に2基の携帯基地局アンテナがある。
そして、高速道路を挟んで右側にほぼ同じ地上高さと思われるマンションがある。
グーグルの地図でこの場所を検索すると、アンテナのある場所と相対するマンションの間の水平距離は50m程度ある。
これだけ離れていれば、アンテナからの発信電波による健康影響は大丈夫であろう。
しかし、右側のマンションの高層階の住居では、電子機器の誤動作が無いか、気になる。

偶然にも、ある右側のマンションに住む方が部屋の窓側から（基地局アンテナにもっとも近い場所）で簡易的な電波測定を行ってくれた。
BEMSJとしては、初の電波強度に関連する情報である。
その画像を以下に示す。

　

測定時の電波の強さは約14mW／m2となっている。　電界強度に換算すれば2.3V/mとなる。
この値は、携帯電話の利用状況（トラフィック）によって大きく変化する。
もしこの電波がさらに強くなり3V/mやそれ以上になると、住居内での電子機器の誤動作が心配になる。
測定器は簡易的な物なので、厳格な測定が望まれる。

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１５．　携帯電話基地局は大電力の集中局か小電力の分散型か？　


単純な計算を行って、携帯電話の基地局（中継塔）をあちらこちらに分散して建設した場合と、どこか1箇所にまとめて建設した場合を比較して見ます。
極端な例で比較します。

条件１．携帯電話の基地局から移動するハンドセットが受信するために必要な電波（電磁波）の強さを０．０１Ｖ／ｍとする。
条件２．健康への影響、電子機器への影響などの観点から、電界強度１０Ｖ／ｍより大きくなる場所を避けることになる。
条件３；電波の強さの計算は、大地も、電波を反射するものも何もないという「自由空間」で計算をする。

　したがって、アンテナの利得Ｇ、アンテナの電力Ｐ（Ｗ）、　距離Ｒ（ｍ）とすれば　
距離Ｒにおける電界強度Ｅ（Ｖ／ｍ）は、　ここではＧ＝１００とする。　
　　　　Ｅ＝（1/R）×（３０ＰＧ）1/2　　　　　（１）　である。

　　　　
想定１：基地局を1箇所に集中して、周囲１００ｋｍ先まで電波を届くようにする。すなわち、基地局は２００ｋｍ間隔で設置する。


基地局から発信しなければならない電力Ｐは　（１）式を展開して
Ｐ＝１０００００２ｘ０．０１２／（３０Ｘ１００）＝３３３Ｗ　となる。
Ｐ＝３３３Ｗのアンテナからの電波で　電界強度が１０Ｖ／ｍとなる距離は　同じく（１）式を展開して計算をすれば、Ｒ＝１００ｍとなる。
この基地局は１００ｍ以内に家のない場所に建設すればよいことになる。　周囲１００ｍの緩衝地帯が必要となる。

想定２．基地局からの電力を極力小さくして、分散して建設する。送信アンテナから１００ｍの範囲にしか電波が届かないようにする。　アンテナを２００ｍ間隔で建設する。　

この場合の基地局から発信する電力Ｐは

　Ｐ＝１００２ｘ０．０１２／（３０Ｘ１００）＝０．０００３３Ｗ　となる。
このアンテナに近接して１０Ｖ／ｍの電界になる距離は　Ｒ＝０．１ｍ　となる。
アンテナに１０ｃｍ以内に近接しなければ大丈夫となる。　緩衝地帯などは不要となる。

この単純計算によれば、強い電波を受けないようにするためには、大きな電力のタワーではなく、周囲にミニ電力のアンテナを多数建てたほうが、実質的に電波（電磁波）の影響を受ける割合が減ることになる。　

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１５A.　改めて携帯電話基地局のゾーンサイズを考察

作成；２００９－３－１　

白馬村に移住した教授による「私の市民運動」のサイトに電磁波に関する持論がありました。
http://www.k4.dion.ne.jp/~shimin/sub6.htm#06.1.14＜リンク切れ＞
＊＊＊＊＊＊＊＊＊　一部　抜粋して　引用　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
晩鐘40　(2006.2.9)
電磁波問題を考える(3)　　―ある専門家との問答―

電磁波市民研究会の事務局長は、『誰でもわかる電磁波間題』『電磁波過敏症』(ともに緑風出版)の著者で、電磁波問題に精力的に取り組んでいる大久保貞利さんです。最近その大久保さんにいくつかの質問をしたためて、ファックスで送りましたところ、翌朝には長文の回答をいただきました。

Q　:―中継塔はそれが発する電波の強弱とは無関係に潜在的に危険でしょうか。絶対的に安全な中継塔はありうるのでしょうか。

A:　中継塔からは24時間、間断なくマイクロ波が発信されるので「安全」ということはありません
　電波防護基準の世界で一番厳しい基準値は、オーストラリアのウロンゴン市のもので、日本政府の100万倍の厳しさです。
日本は数キロに1基中継基地を建設する「小ゾーン方式」で、米国が10キロに1基の「中ゾーン方式」、北欧が30キロ1基の「大ゾーン方式」です。
私は住宅や学校、保育園、病院、老人ホーム等から切り離す「大ゾーン方式」を主張しています。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊　　　　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　　

ここにある「大ゾーン方式」について、日本での実情を念頭において、実現性をBEMSJなりに、考えてみました。

北欧の３０ｋｍに1基のアンテナを建てることにします。
基地局アンテナからの電波は、発信電力を大きくすれば、幾らでも遠くに届くでしょう。しかし、ハンドセットの場合は、電池の容量などから発信電力には限度があります。
欧州のGMS携帯電話の発信電力は２Wです。
この２Wの場合、単純に四方に電波が伝播すると考えた場合、１５ｋｍ遠方での電波の強さ（電界強度）は、単純計算の結果では約0.5mＶ/ｍとなりました。
この程度の電波の強さがあれば、ハンドセットからの電波は１５ｋｍ遠方から基地局アンテナに届き、通信は可能でしょう。　
ということは、欧州のGMS方式はこうした大ゾーン方式を念頭においた携帯電話システムなのかもしれません。

ということで、大ゾーン方式にした場合の、ハンドセットから基地局へ、基地局からハンドセットへの電波の発信強度は、単純に1台あたり２Wとなります。
ハンドセットは夫々２Wの電波をだし、基地局アンテナからは２W×使用者数の電波を発信することになります。

半径１５ｋｍの円内（もしくは四角いエリア）に、同時に何名の携帯電話使用者がいるかが、重要な要素となります。
３０ｍ×30ｍのエリアに1名の割合で、携帯電話の使用者がいると仮定します。
そうすると、最大で1万人の人が同時に使用できるとします。
基地局アンテナからは、最大で２０,０００W（＝２０ｋW）の無線電力が発信されます。

ここで、電波による健康影響だけではなく、電子機器などの誤動作がないようにする、と仮定します。
健康影響の観点からは４０V/m程度の電界強度まで許容されますが、電子機器の誤動作を防止しようとすれば３V/m程度に抑えなければなりません。
そこで、基地局から最大２０,０００Wで発信した場合、３V/mになる基地局アンテナからの距離を、単純な計算で求めてみました。
計算の結果は、距離は２７０ｍとなりました。

この計算によって、基地局の周囲２７０ｍは、電子機器の誤動作を防止するために、避けなければならない領域となります。
誰もいない場所に基地局アンテナを建てて、住居は２７０ｍ以上の距離をとることになります。　
もしくは、アンテナの高さを２７０ｍと、東京タワー並みの高さにする必要があります。

ということは、日本の場合は、大久保氏が提唱するような、大ゾーン方式は不可能ということになるのかも知れません。

北欧が大ゾーン方式をとっているのは、人口密度が低い（例えば、スウェーデン一国での総人口は700万人程度　ということから）ので、1人あたり２Wでも、半径１５ｋｍ以内のサービスエリアで同時に使用する人が少なく、基地局アンテナからの発信電力はさほど大きくならない、ことからきているのではないでしょか。

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１５Ｂ．学校などの近傍で基地局禁止は疑問とする解説の例


「基地局周辺の電波強度には差異がないので、学校などの近傍にアンテナ建設を禁止する意味はない」　というアメリカのウィスコンシン大学 Moulder博士が作成したＱ＆Ａにかかれた内容
記：２００９－５－２３

http://www.iftech.or.jp/cellular/health.html で日本語訳が公開されています。
以下　当該の箇所のみ引用して紹介します。
関心のある方は、上記ＵＲＬにアクセスしてください。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　　　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
携帯電話の基地局（アンテナ）と健康

この英文FAQは、米国ウィスコンシン医科大学放射線腫瘍学教授 John Moulder 博士が、論文審査を通った学術研究論文に基づき、携帯電話の基地局（アンテナ）からの電波（または電磁波、電磁界など）による健康影響について平易に解説されたものです。

14F）携帯電話の基地局アンテナサイト周辺で、使用制限や「セットバック」が義務づけられていますか、また、「最短安全距離」とは何ですか？

ある人々は、基地局は「反応の敏感な」区域（学校など）から、ある距離を離しておくべきであると主張しています。
この論議の妥当性は、次に示すように、ほとんどありません。

１）Q12で述べ、また2000年のNRPB報告に記載されているように、地上レベルでの電力密度は、基地局から少なくとも数百メートル離れるまでは、通常は距離が離れても低下しません。

２）建物内で生活、仕事または勉強する人々は、建物上にある基地局から受ける曝露の方が、基地局から数百メートル離れたところにいるときよりも、少ないです。

３）RFエネルギーに対する地上レベルの曝露を確定するには、基地局からの水平方向の距離よりも、アンテナの高さ、アンテナ電力、アンテナパターンの方がもっと大きな要素になります。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　　　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊


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１５C．ニュージーランドにおける学校周辺の基地局規制

記：２０１９－１０－２８

以下の報告書2007年にあった内容です。

電波ばく露による生物学的影響に関する評価試験及び調査　平成１８年度 海外基準・規制動向調査報告書
平成１９年３月
財団法人 テレコム先端技術研究支援センター

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
ニュージーランド
さらに、学校、病院、老人ホームなどやその近隣では通信塔を設置すべきではない、ということは基準では一切規定されていない。
しかし、「環境ガイドライン」の7節には推奨事項として記載されており、これを無視して通信事業者が学校や病院等の近くに通信塔を設置しようとすると、市民から猛反対されることになる。
通信業界にとっても、そのような場所を避けることは常識的なこととなっている。

一方、市民や市民団体に対するガイダンスも存在する（8節（pp.50））。
安全ではないと思っているだけで、無線設備の設置に反対することは、正しい姿勢ではないという趣旨のことが記載されている。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

 

 

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１５D．ギリシャでは学校周辺の携帯電話基地局に規制

記；２０１９－１１－１４

以下の報告にあった情報です。

平成２２年度　電波防護に関する国外の基準・規制動向調査
平成２３年３月（2011年）
総務省

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
ギリシャ：
学校、幼稚園、病院及び老人介護施設の半径300m以内に基地局が設置される場合には、ICNIRP参考レベルの60％値に規定されている。
また、これらの施設構内での携帯電話基地局の設置は禁止されている。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

ギリシャに関しては、ネットで和文・英語で検索しても、Mast Victimのサイトでも、格別な情報はヒットしない。　　
報告書でも、引用元や詳細を記述していない。


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15E．学校などに携帯電話基地局設置を禁止するルーマニア

記：２０１９－１１－１５

以下の報告書にあった情報

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊：：
平成２２年度　電波防護に関する国外の基準・規制動向調査
平成２３年３月（2011年）
総務省

ルーマニア
・人体防護のために基地局からの安全距離の算定の有無、安全距離の計算方法、測定方法等

病院、学校、幼稚園、等の公共施設内における、携帯電話基地局の設置は不可であるが、そこからの距離に関する規制は無い。
アンテナを、町中のマンションに設置する場合にはそのマンションの住人の 51％の同意が必要であり、更に、屋上に設置する場合には、最上階に住む住人の同意が必要である。

なお、村でアンテナを設置する場合は、隣接する住人の同意が必要となるが、設置予定地からの距離ついての規制はない。

また、基地局の設置後 ANCOM によって、2006 年度に制定された公衆ばく露制限値を超えていないか測定する事になっており、基地局から半径 200m 以内の地域において 6 分間測定した際の平均値が 2.0（W/kg）を超えない事を規定としている。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

 

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１５F．インドの見解に見る携帯基地局数の減少は効果がない

記：２０１３－６－２８

INTERFERENCE TECHNOLOGY日本版 ２０１３年７月にあった内容です。
以下に転記します。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
健康理由から携帯電話基地局塔を減らすのは、効果に反する場合ありとインドのDOTが示唆

インド政府筋は、インドの人口密集地域で現在進行中の電磁波放射に関する懸念から強制的に携帯電話の基地局タワー設置を減らすのは、携帯電話機に送信パワーを増大して補正するようプレッシャーを与え、ユーザをより高い放射電磁波に曝すころになるかもしれないと述べた。

電気通信部門（DOT:Department of Telecommunications）の２０１２年１０月発行の報告書によれば「人体は、携帯電話から電話をかけた場合、基地局タワーからの放射と比較して、より多くのEMF（電磁界:electromagnetic field）放射に曝される」という。

携帯電話は弱い無線周波数信号源であるが、人体に非常に近い。
アナリストも、インドは“ほとんど独占的に”無線通信技術に依存しているので、基地局塔の数を減らすことにより、それぞれの塔が需要に応えるために、より多くの電力を放射するようになることを示唆している。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊


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１６．総務省のパンフレットに疑問

 

＊PHS基地局からの電波曝露に関して

総務省発行パンフレット「無線局を開設する際は、電波防護規制を遵守することが求められています」に関する疑問です。

このパンフレットによれば、PHS基地局で1.9GHz、2W、アンテナが垂直コリニアアンテナの場合は、電波防護指針の基準値を超える恐れのある領域はアンテナから0.03mとなっている。
電波産業会発行の電波防護標準規格への適合性の確認法（ARIB　技術資料TR-T11）に記載されているPHS基地局の計算例を参考にしながら、計算を行ってみる。

アンテナの利得をG=10dBi（実数で10倍）、アンテナの長さをD＝1.2mとすれば、アンテナの電力をP=2Wとすれば、周波数1900MHzで　波長=0.16m
遠方界と近傍界の閾値は、　0.6DD/λ=0.6 x 1.2 x 1.2/0.16= 0.054m　となる。

アンテナから水平方向に、アンテナの指向性の主ビーム方向に、遠方界とみなせるR=1mの距離での電力密度は
遠方界としての推定方式で計算をおこなうと

　S＝PG/（4πRR）＝10x2／（4 x π x 1 X 1）＝1.59 W/m２　となる。
　これからで電界強度E =　Root (120π x S )= 24.48V/m　
　反射係数で1.6倍すれば、39.17V/m　　
電波防護指針値は61.4V/mなので適合している。
電波防護指針値に合致する距離は、0.64m以上アンテナから離れた距離となる。　

この計算は、垂直に１．２ｍも長いアンテナに対して、水平に０．６４ｍの距離での電波の強さを推定する場合、アンテナを点とみなすことができなくなるので、過剰な方向に推定を行うことになる。


パンフレットでの数値は0.03mで、大きく異なる。　　どうして？？？　０．０３ｍであれば０．０５４ｍ以内であり近傍界とみなすことができる。
それともどこか、私の計算が間違っているのでしょうか？？？　　　このなぞが解けました。　以下に

さらに、もしPHS基地局の送信電力が2Wではなく、さらに大きいとなればどうなるか？
総務省のWEBで公開されている無線局の一覧によれば、稲城市内にあるPHS基地局で、1チャンネルの電力は0.5Wであるが、28チャンネル装備した基地局があった。
この場合は最大で14Wとなり、アンテナの主ビーム方向、水平に1mの距離では電界強度は84V/mとなり、防護指針を超える。現実には1m程度以内に主ビーム方向に、近接することは無いので、問題は無いでしょう。
　　　　　　これもなぞが解けました。　以下に

＊携帯電話基地局に関して　

このパンフレットによれば、携帯電話基地局で900MHz、96Wの場合、電波防護指針の基準値を超える恐れのある領域は、アンテナの指向性の方向の場合、アンテナから0.25m以内となっている。

このパンフレットに記載されている遠方界の電力密度の推定法によれば、アンテナから水平方向に、アンテナの指向性の主ビーム方向に、遠方界とみなせるR=10mの距離での電力密度は　
 P=96W アンテナの利得を20dBi(実数で100倍)と仮定すれば　
S＝PG/（4πRR）＝96 x 100／（4 X π x 10 X 10）＝7.64 W/m２　となり、　
反射係数を2.56倍とすれば、19.57W/m2となり、　
完全に電波防護指針値を超える。　

実際のアンテナの利得は20dBiではなく、17dBi程度で低いのかもしれない。　
それでもパンフレットでの数値0.25mとは、あまりにもかけ離れています。　
それともどこか、私の計算が間違っているのでしょうか？　

　　　これもなぞが解けました。　こちらに

以下の謎解き　作成：２００３－８－１８　　
なぞときーその１　ＰＨＳ基地局（中継局）
総務省のパンフレットの計算は、以下の方法で行っているようです。
アンテナ形式：垂直コリニアアレーアンテナとして計算。
　　距離Rが0.6DD/λ以下の場合　
　　　　S=P/(2πRD)　
　　　　　　S :電力束密度[W/m2]　
　　　　　　P :アンテナ入力電力[W]　
　　　　　　R :アンテナからの距離[m]　
　　　　　　D :アンテナ開口面の長さ[m]　
　大地面等の反射係数kについては、近傍（上記算出式の適用範囲内）のため考慮しない(k=1)　

この式に基づいて、以下の算出の条件を代入すると、　
<算出の条件>　電波防護指針に定める最大電力密度はS=10(=1mW/cm2)であるので　
ＰＨＳアンテナからの電力P=2Ｗ, アンテナの長さ　D=1.2ｍ　として防護指針を満たす距離を近傍界としての計算法で計算すると、　
　　R=P/(2πDS)=2/(2*3.14*1.2*10)≒0.03ｍ　となる。　0.０54ｍ以下なので　近傍界となり、この計算結果を適用できることになる。

ＰＨＳアンテナからの電波の強さを、アンテナの物理的な大きさを考慮しないで、遠方界としての推定計算法を使用すると、過剰になってしまう。


なぞときーその２　ＰＨＳ基地局（中継局）の最大放射電力　
ＰＨＳ基地局に使用されている無線送信機は、通信を行うチャネルが通信時の状況により変化（混信を起こすチャネルを避けて通信を行う）するため、一般的に複数のチャネルで通信可能なシステムとなっている。
しかし、一度に通信可能なチャネル数は１と決まっている。

通信には、通信を制御するデータの送受信を行う場合及び通話（若しくはデータ通信）を行う場合があり、制御データの送受信を行う場合の最大送信電力は２W、通話（若しくはデータ通信）を行う場合の最大送信電力は0.5Wです。これらは上述したとおり同時に送信することはないため、PHS基地局の送信電力の最大値は２Wとなっている。　

これらの情報から、ＰＨＳ基地局（中継局）として、電柱の上などに設置されているコリニアアンテナ（垂直の棒状アンテナ）の場合は、最大出力が２Ｗであり、３ｃｍといった距離に近接しない限り、健康影響の観点で電波防護指針に規定する値を超えない。
ただし、他の電子機器に対する影響の有無は、別に考慮する必要がある。


なぞときーその３　携帯電話の基地局のアンテナからの電波のつよさ
総務省のパンフレットに記載されている携帯電話基地局のアンテナは、棒状のコリニアアンテナで、長さは５ｍの場合である。　
この５ｍの長さのアンテナの場合、周波数を９００ＭＨｚ（波長：λ＝０．３３ｍ）とした場合、０．６ＤＤ／λよりアンテナに近い範囲が近傍界となる。

計算を行うと　０．６Ｘ５Ｘ５／０．３３＝４５ｍ以内が近傍界となる。
近傍界での電波の強さは、

主ビーム上で、アンテナ放射中心からの距離Rが0.6DD/λより近い領域の場合　
　　　　S=P/2πRD*(360/θbw)　　で計算される。
　　　　　　S :電力束密度[W/m2]　
　　　　　　P :アンテナ入力電力[W]　
　　　　　　R :アンテナからの距離[m]　
　　　　　　D :アンテナ開口面の長さ[m]　
　θbw :主ビーム最大利得から3dB利得低下する２つの方向で囲む角度[°]（電力半値幅）
　大地面等の反射係数kについては、近傍（上記算出式の適用範囲内）のため考慮しない(k=1)　

この式に基づいて、以下の算出の条件を代入すると、　
<算出の条件>周波数900MHz, 送信機総合出力=96W, 給電線損失=3dB, S=6Ｗ/ｍ２（=0.6mW/cm2), D=5ｍ　
PDC方式の携帯電話基地局は、水平面においてセクタと呼ばれる３つの領域に分けられている。従って、１つのセクタ（アンテナ）における送信機出力は、96/3=32W。アンテナ入力電力は、送信機出力-給電線損失であることから、3dBは電力比で1/2になるため、１つのセクタのアンテナ入力電力は32/2=16Wとなる。

　　よって、防護指針を満たす距離R[ｍ]は、以下のように算出でき、
　　　　R=(P/2πRD)*(360/θbw)=(16/2*3.14*6*5)*(360/120)≒0.25　
　　従って、防護指針を満たす距離Rは 0.25m以内となる。　
これは計算した４５ｍ以内なので、近傍界とみなすことができる。　

総務省のパンフレットにある携帯電話基地局の計算例はあくまでもアンテナの長さが５ｍというかなり大きいものであった。　もし、マンションの屋上などに設置されることがある１ｍ程度の長さのアンテナとすれば、単純に5倍となり、１．２５ｍ以上離れると、電波防護指針に合致することになる。
無線送信機と送信アンテナの距離が短く、給電線損失が少なければ、１．２５ｍではなく、さらい距離を取らなければならなくなる。　

すなわち、総務省のパンフレットに記載されている計算例は一つの例であって、この例ですべての携帯電話基地局からの電波の強さが、健康影響の観点から定めた電波防護指針に合致していると断定はできず、個別の評価が必要となる。
また、人の健康影響ではなく、電子機器などへの影響は、別に評価しなければならない。　


＊＊＊電子機器などへの影響＊＊＊＊＊＊　

以上に述べたように、ＰＨＳや携帯電話の基地局として設置されたコリニアアンテナ（垂直の棒状アンテナ）の場合、健康影響の観点から定めた防護指針に対しては、よほどアンテナに近接しない限り、合致していることがわかった。　

しかし、
ＰＨＳの１９００ＭＨｚの場合の防護指針の定める電波の強さは電力密度１０Ｗ／ｍ２であり、携帯電話の９００ＭＨｚの場合は６Ｗ／ｍ２である。
この電力密度は電界強度に換算すると、
　電力密度　　電界強度　

１０Ｗ／ｍ２　　　６１．４Ｖ／ｍ　
６Ｗ／ｍ２　　　４７．６Ｖ／ｍ　　　となり、これだけ大きい電界強度に対して電子機器などが誤動作を起こさないということを検証しなければならない。


厳しい条件で計算を試みる。
１）９６Ｗの携帯電話基地局のアンテナから水平方向に住居がある場合；　
電子機器などへの影響がない電界強度を３Ｖ／ｍと仮定する。
　電界強度３Ｖ／ｍは、遠方界における電力密度では０．０２４Ｗ／ｍ２となる。
この電界強度となるアンテナからの水平距離を計算する。

携帯電話の場合　周波数９００ＭＨｚ　
条件　コリニアアンテナの長さを１ｍ　
　　　送信機の出力　９６Ｗ　3本のアンテナに分割して給電　
　　　送信機とアンテナの間の給電線の損失３ｄＢ（５０％）とみなす。　
　　　反射を見込む　電界で1.6倍　電力では2.56倍とする。
　　　アンテナの利得を２０ｄＢ＝100倍とする。　

　離れる必要のある距離Ｒ（ｍ）は、
　Ｒ２＝２．５６Ｘ９６ｘ０．３３Ｘ１００ｘ０．５/（４Ｘ３．１４Ｘ０．０２４）　
　　これより　距離Ｒ＝１１６ｍ　
　携帯電話のアンテナの位置から同じ高さに、水平方向に１１６ｍ以内に住居があれば、その住居における電子機器が誤動作する可能性がある。　


２）９６Ｗの携帯電話基地局のアンテナから斜め下方向に住居がある場合；

　　１）と同じ条件で計算を行う。
　　アンテナの指向性から、その方向の利得が１００ではなく、10に低下しているとする。

そうなると携帯電話のアンテナから直線距離で３７ｍ以内に住居があれば、その住居では電子機器が誤動作する可能性がある。


３）ＰＨＳ基地局のアンテナのアンテナから水平方向に住居がある場合；
電子機器などへの影響がない電界強度を３Ｖ／ｍと仮定する。
　電界強度３Ｖ／ｍは、遠方界における電力密度では０．０２４Ｗ／ｍ２となる。
この電界強度となるアンテナからの水平距離を計算する。

携帯電話の場合　周波数１９００ＭＨｚ　
条件　コリニアアンテナの長さを１ｍ　　
　　　送信機の出力　２Ｗ　
　　　送信機とアンテナの間の給電線の損失３ｄＢ（５０％）とみなす。　
　　　反射を見込む　電界で1.6倍　電力では2.56倍とする。
　　　アンテナの利得を２０ｄＢ＝100倍とする。

　離れる必要のある距離Ｒ（ｍ）は、
　Ｒ２＝２．５６Ｘ２ｘ０．５ｘ１００/（４Ｘ３．１４Ｘ０．０２４）
　　これより　距離Ｒ＝２９ｍ　
　ＰＨＳのアンテナの位置から同じ高さに、水平方向の２９ｍ以内に住居があれば、その住居における電子機器が誤動作する可能性がある。

 

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１８．基地局の無線発信電力の大きさが肝要　

 

教えてGooでの質問とその回答の中にあった、興味のある回答の一部です。

 

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

回　答　No.6   

回答者：XXXpajp　03-09-29 21:37

 

私のマンションで携帯電話会社からアンテナを設置させてもらいたいと依頼あり、アンケートをする事にしました。その話が出ると不思議と匿名の文書がポストに投げ込まれ、子供を持っておられる主婦にターゲットを絞り、子供に有害であると言う怪文書が出回り大騒ぎになりました。

 

採決の日、子供会の主婦は大挙してこられ絶対反対と言われましたが、私がみなさんの自宅に携帯電話やコードレス電話がありますかとの質問をすると、当然ありますとの返事。

 

携帯電話の出力を知っていますかと聞いても当然回答はなく（私の電話は０．８Ｗ、屋上に設置するアンテナは１．２W）出力を説明し、１，２Wで反対なら、当然マンションにある全ての携帯電話やコードレス電話も禁止にするのでしょうねと問いかけるとみなさん無言になりました。

 

採決は出席者が足らなかったので結果的に成立しませんでしたが、私のマンションが断ったので隣のマンションにアンテナが立ち、今でもそこからの電波が毎日当たっています。

 

反対と言うとすぐにみなさんが賛同されますが、きちんと勉強して判断してください。ご参考になれば。

 

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

 

携帯電話の基地局のアンテナに関して、１W程度の小さい電力のものもあるでしょう。
そうしたアンテナの建設に反対する場合はこの意見を参考にすべきでしょう。



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１９．携帯電話基地局のアンテナからの電波の強さの推定法　

 

携帯電話の基地局からの電波防護に関する考察です。　　作成；２００４－３－６　

携帯電話の基地局の周囲の電波に強さの計算を、電卓で計算できることも狙ってこのメモを作成しました。

総務省から刊行されているパンフレットに書かれた判定例は、全ての携帯電話基地局のアンテナから発信される電波の強さによる人体防護を、保証している訳ではない、ことを論証する。
総務省発行（発行年月は記載されていないので不詳）の「無線局を開設する際には、電波防護規制を遵守することが求められています」というパンフレットがある。　下図にその表紙を示す。


　　　

この中に、
表１　代表的な無線局の基準を超える範囲の例　として
「携帯電話基地局（９００ＭＨｚ帯、９６Ｗ）の場合は
　基準値を超える恐れがある範囲は、アンテナの指向性方向に０．２５ｍ以内」と記載されている。

この表をそのまま、鵜呑みすれば、携帯電話基地局のアンテナから、水平方向に２５ｃｍ以上はなれていれば、電波防護指針値を満足していることになる。

９００ＭＨｚ帯域の電波に対する防護指針値は、電力密度で規定され、一般公衆の曝露限度は９００／１５００＝０．６ｍＷ／ｃｍ２＝６Ｗ／ｍ２となる。（電卓で計算するためには、電力密度の単位を、防護指針などで使用される単位のｍＷ／ｃｍ２ではなく、Ｗ／ｍ２に換算しておくと計算がしやすくなります。）

１．基本的な考え方　
・携帯電話の基地局のアンテナとして、垂直コリニアアンテナで代表させる。
・水平方向の利得は１５－２０ｄＢｉ（実数では１００倍、水平方向に強く電波を出す）とされる。
・コリニアアンテナの場合、以下に示す距離より近い場合を「近傍界」として、遠い場合は「遠方界」として計算を行なう。

　限界となる距離　
　ＲＬ＝0.6h2／波長　　　ｈ；アンテナの長さ　　　（１）式　

　周波数９００ＭＨｚの電波の波長は３３ｃｍ　
　アンテナの長さを５ｍとすれば、　ＲＬ＝０．６×５×５／０．３３＝４５．５ｍ　４５ｍ以内は近傍界として考える。


　もし、周波数９００ＭＨｚで、アンテナの長さが２ｍであれば　　ＲＬ＝０．６×２×２／０．３３＝７．３ｍ　


もし、周波数９００ＭＨｚでアンテナの長さが１ｍであれば、　ＲＬ＝０．６×１×１／０．３３＝１．８ｍ　となる。

　この距離ＲＬより近い距離での電波の強さの計算は、近傍界としてみなせる範囲では
　アンテナからの電波は円柱形状に広がっていく　とするので
　ある距離Ｒ（ｍ）における電力密度Ｓは　
　Ｓ＝Ｐ／２πＲｈ　　　で求められる。　　（２）式　
　　　ｈ：アンテナの長さ（高さ）　Ｒ：距離（ｍ）　Ｐ：アンテナの入力電力　

この式を展開すれば、一定の電力密度になる距離Ｒが得られる
　　すなわち　Ｒ＝Ｐ／２πＳｈ　となる。　　（３）式

この距離ＲＬより遠い距離では、電波の強さの計算は、遠方界としてみなし、１点から円球面状に放射していくとし、指向性と、電波の反射も考慮する。　距離Ｒ（ｍ）における電力密度Ｓは
　Ｓ＝ＰＧｋ／４πＲ２　　（４）式　　で求められる。
　　Ｐ：アンテナの入力電力　Ｇ：水平方向の指向性から来る利得　ｋ：反射係数で２．５６　　Ｒ：距離　
　この（４）式を展開すれば、離れる必要のある距離が求められる。　

２．９６Ｗのアンテナから、２５ｃｍ以上離れればよい、としたアンテナなどの条件を求めてみる。

１）周波数：９００ＭＨｚ　　アンテナの水平方向の指向性：２０ｄＢｉ　アンテナの入力電力：１６Ｗ　アンテナの長さ：５ｍ
　遠方界から近傍界への限界距離ＲＬ＝４５ｍ

　（３）式より　Ｓ＝６Ｗ／ｍ２となる距離は
　　Ｒ＝１６／（２π×６×５）＝０．０８ｍ　すなわち、アンテナに０．０８ｍ以内に近接しなければ、大丈夫となる。

　２）周波数：９００ＭＨｚ　　アンテナの水平方向の指向性：２０ｄＢｉ　アンテナの入力電力：９６Ｗ　アンテナの長さ：５ｍ
　アンテナの電力を少し大きくする。
　（３）式より　Ｓ＝６Ｗ／ｍ２となる距離は　　Ｒ＝９６／（２π×６×５）＝０．５１ｍ　
すなわち、アンテナに０．５１ｍ以内に近接しなければ、大丈夫となる

　アンテナへの電力は、ケーブルなどによって減り、実際のアンテナに給電される電力は半分程度になると見込めば、９６Ｗの無線局でも、実質的に半分の４８Ｗになり、この結果、２５ｃｍまで大丈夫という計算になる。

以降は、このケーブルの損失がゼロと仮定して、計算を行なう、　ちょっと過剰かも知れない。

３．２ｍ程度のコリニアアンテナで、送信電力が９６Ｗであるとすれば　
　電力密度が６Ｗ／ｍ２＝０．６ｍＷ／ｃｍ２となる距離は？
　（３）式から　　Ｒ＝９６／２π×２×６＝１．３ｍ　以上離れればよい　ことになる。

この距離は、２ｍの長さのアンテナに対するＲＬ＝７．３ｍ以内なので、（３）式の計算結果は妥当であると判断される。

４．もう少し、意地悪な計算を行なってみる。

コリニアアンテナの長さを１ｍと短くした。送信電力が９６Ｗであるとすれば、電力密度が６Ｗ／ｍ２＝０．６ｍＷ／ｃｍ２となる距離は？
　（３）式から　　Ｒ＝９６／２π×１×６＝２．５５ｍ　以上離れればよい　ことになる。

この距離は１ｍのアンテナに対するＲＬ＝１．８ｍより遠いので、（３）式の計算は妥当でなくなる。（数値だけでの判断では、こうなるが、現実に実測したらどうなるか？？？　ケーブルの損失があれば、もしケーブルで半分の電力に減少していれば、１．３ｍ以上離れれば良いことになる。）

したがって、遠方界としての計算が必要となる。（４）式を展開する。　距離は　Ｒは
　Ｒ２＝ＰＧｋ／４πＳ　に数値を当てはめる、　Ｐ＝９６Ｗ　Ｇ＝１００　ｋ＝２．５６　Ｓ＝６Ｗ／ｍ２　
　計算結果は、Ｒ＝１８ｍ　となり、１８ｍ以上離れれば電波防護指針に合致することになる。

果たして、１ｍの長さのコリニアアンテナで９６Ｗの送信を行なっている基地局があるか？
もしかしてないか知れない。以上の計算は理論計算を行なったものである。　

５．すなわち、総務省のパンフレットにある例は、あくまでも一つの例である。
送信電力や、アンテナの大きさ（長さ）によって、大きく変化するので、個別に検証する必要がある。
ケーブルの損失が非常に少ないように基地局を設営することができれば・・・・・となる。

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２０．フランス国立応用科学院の調査研究「Santiniの携帯電話基地局と愁訴の関係」


１）はじめに

「基地局の近隣は吐き気、頭痛、うつ傾向、睡眠障害・・・・を起こす」という内容の研究報告です。

タイトル：Study of health of peop1e living in the vicinity of mobi1e base stations: I.1nnuences of distance:
研究者：R.Santini et al.
この2002年の論文はフランス語で書かれている。
電磁波の健康影響を気にする運動家グループによって英訳されたものがWEBに公開されている。

興味のある方はこの英文約をWEBで入手してください。

また。この論文は、また「ガウス通信」2004年4月号に和訳されて紹介されている。
興味のある方は、ガウス通信を読んでください。

この研究では、フランスの携帯電話基地局の近隣居住者の健康被害についての調査報告で、携帯電話纂地局に近接して住んでいるかどうかを問わず530人(270人の男性、260人の女性)についてアンケート調査を用いて研究を行った。
そして、距離や性別で愁訴の率を比較した

結果は、携帯電話基地局の周囲に住む人には愁訴が多いことがわかった、というもの。

この報告では「ある距離において、また、いくつかの症状に関して、基地局を正面から見通せる場所で最も悪影響が出ることが分かった。
特に基地局から100m以内ではそれが顕著だった。

この結果は、アンテナの正面方向は、他の方向よりも高いレベルの電磁波が出ているという察実と合致している(Petersen and Testagrosa,1992)。」とある。

これは、以下の二つの可能性が考えられる。

（１）携帯電話基地局アンテナからの電波発信は、水平方向の強い指向性を持っている。
自宅の窓からアンテナが正面に見えるということは、ほぼ同じ高さにあることを意味し、アンテナとの距離にもよるだろうが、それなりに強い電波強度になるかも知れない。

しかし、この研究では、基地局との距離は被験者からの質問回答にのみで、基地局と被験者の居住地との水平距離、垂直距離が全く考慮されていないので、基地局との距離が近ければ曝露電波強度が高くなるとも、300m以遠は電波強度が無視できる状態（非曝露）とも、断定できない。

（２）窓からアンテナが見えるということは、アンテナや電磁波が気になる人にとっては、毎日毎日アンテナを目にすることになる。
これは精神的なストレスとなり、愁訴が多くなることが予想される。

このことから、「この研究で、基地局の近傍は危険」と結論付けることはできそうもない。

２）2002年のSantiniの論文

掲載誌: Pathol Biol (Paris) 2002; 50 (6): 369-373
タイトル：Investigation on the health of people living near mobile telephone relay stations: I: Incidence according to distance and sex
携帯電話基地局周辺居住のヒトの健康についての研究：その１　距離と性別の影響

研究者: Santini R, Santini P, Danze JM, Le Ruz P, Seigne M

概要：
A survey study using a questionnaire was conducted on 530 people (270 men, 260 women) living or not in the vicinity of cellular phone base stations, on 18 Non-Specific Health Symptoms. 
携帯電話基地局の近くに住んでいるか、もしくは住んでいない530人(男性270人、女性260人)に対して、18の非特異的健康症状に関するアンケート調査を実施した。

Comparisons of complaint frequencies (CHI-SQUARE test with Yates correction) in relation to the distance from base stations and sex show significant (p<0.05) increase as compared to people living > 300 m or not exposed to base stations, up through 300 m for tiredness, 200 m for headache, sleep disruption, discomfort, etc., 100 m for irritability, depression, loss of memory, dizziness, libido decrease, etc. 
基地局との距離と男女別での苦情頻度(CHI-SQUAREテストとイェーツ補正)の比較では 、距離300m以上の人と基地局が近隣にない人に比べて、距離300mまででは疲労が、200m名ででは頭痛、睡眠障害、不快感などが、100ｍまででは、いらいら、意気消沈、記憶喪失、めまい、リビドー減少などで有意な差が見られた。

Women significantly more often than men (p< 0.05) complained of headache, nausea, loss of appetite, sleep disruption, depression, discomfort and visual disruptions. 
女性は男性よりも有意に頻繁に、頭痛、吐き気、食欲不振、睡眠障害、意気消沈、不快感および視覚障害を訴えた。

This first study on symptoms experienced by people living in the vicinity of base stations shows that, in view of radioprotection, the of minimal distance of people from cellular phone base stations should not be < 300 m.
基地局の近くに住む人々が経験した症状に関するこの最初の研究は、電磁波に対する防護の観点からは、携帯電話基地局と人々の最小距離は300m以上である必要性を示している。

３）Santiniの2003年論文

掲載誌: Electromagn Biol Med 2003; 22 (1): 41-49
タイトル：Survey study of people living in the vicinity of cellular phone base stations.
携帯電話基地局の近傍に住む人々の調査研究
研究者: Santini R, Santini P, Le Ruz P, Danze JM, Seigne M

この研究では、
携帯電話基地局近傍居住と主観的症状の関連性について、質問票を用いた横断調査を実施した。
基地局近傍居住の人および近傍に基地局がない人を含めた530人（男性270人、女性260人）を対象に調査した。
高周波電磁界過敏症の症状としてよく挙げられている18症状（非特異的健康症状）について、Yates補正したカイ二乗検定を用いて評価した。

基地局から300m以遠に住む被験者を非曝露露群と定義した。

調査対象集団は、報道・ラジオ及びウェブサイトで本研究への参加を呼びかけ、応じた人。＜BEMSJ注：基地局の周辺に住む住民を包括的に調査対象とした研究ではない。＞

曝露評価は参加者が質問票に書かれたアンテナとの距離などを用いた。＜BEMSJ注：基地局からの電波の強さなどの計測は行っていない。＞

結果、
・被験者の20.7%は基地局から300m以遠に住んでいた。
・特定の愁訴（吐き気、食欲不振、視覚障害）は、基地局のすぐ近く（最大距離10mまで）の居住者のみが有意に多く報告した。
・イライラ感、抑うつ傾向、性欲低下は最大距離100mまでの居住者が有意に多く報告した。
・頭痛、睡眠障害、不快感は最大距離200mまでの居住者が有意に多く報告した

・200mから300mの区域の居住者は、疲労感のみを有意に多く報告した
・調査された症状のうちの7つについてみると、最大距離300mまでの居住者における訴えの報告頻度は、男性より女性の方が有意に高かった。

・調査参加者の年齢、アンテナやその他の電磁的要因との位置関係に関しても、有意差が観察された、

・基地局近傍での居住期間の長さによる訴えの頻度に有意差は認められなかった、
と報告している。


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２１．イタリアでの携帯電話基地局の電磁界強度測定

　　　作成；２００５－１１－２４


以下のような論文があります。
掲載誌：Radiat Prot Dosimetry.2001;97(4):355-8.
タイトル：Population exposure to electromagnetic fields generated by radio base stations: evaluation of the urban background by using provisional model and instrumental measurements.　
無線基地局から放射される電磁界への一般公衆の暴露：暫定モデルと実測による都市部の背景強度の調査
研究者：Anglesio L ら

概要：
放送や携帯電話の為に情報伝達として使用されている電磁波は市内環境に浸透している。
人々の電磁波暴露を適格に評価するためには、それらの強度と周波数スペクトラムに関する知識が必要である。
この報告では、イタリア北西部の大きな都市トリノで行われた無線周波数モニターの結果を示す。

電磁界強度の変化は地上からの距離を変えて、都市内の場所と周波数で、発信源を分離して（放送局と携帯電話の基地局）、評価した。
そして、トリノ市内にある全ての設備を合算し、計算で得られた電界強度分布を吟味し、平均的な高度（海抜ｘｘメータ）を考慮し、異なる高さで、無線周波数基地局の寄与率を理論的に評価した。
理論値は携帯電話基地局の周波数範囲で実測した値と比較した。

以上に述べるように、この概要には、肝心の測定結果が一言も述べていない。

この論文のフルテキストを入手。　それによれば、以下のような内容である。

トリノ市内38箇所で測定を行った。

・それぞれの建物で、1階、1-5階といった中間の階層、最上階（5-10階）で測定。
・広帯域測定器による測定と、アンテナとスペアナによる周波数解析での狭帯域測定を行った。
・狭帯域での測定結果、ラジオ／テレビの放送波と携帯電話の電波を分けた場合と合算値を示す。各地点での測定結果の平均値として、

 

1階

中間の階

最上階

放送波

0.38V/m

0.59V/m

0.69V/m

携帯電話

0.11V/m

0.32V/m

0.34V/m

合算

0.41V/m

0.71V/m

0.84V/m


ということで、携帯電話の基地局からの電波の影響よりも、一般のラジオ・テレビの放送波の方が大きかった。

・多くの地点では1.5V/mを超えないが、最大で2.5V/mという様に超えている場所は3箇所あった。
・結果はICNIRPのガイドライン値を超えず、イタリアの予防値（6V/m）も超えていなかった。

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２２．イタリアでの携帯電話基地局の電磁界強度測定－２

 

携帯電話の基地局からの電波強度を測定したら、ラジオ・テレビ放送波の方が大きかった　という研究報告。
2004年の研究報告　　作成：２００６－１－１７

掲載誌：G Ital Med Lav Ergon. 2004 Jan-Mar;26(1):19-27
タイトル：Evaluation of the levels of radiofrequency electromagnetic fields in the territory of the city of Bari in outside and inside environments
研究者：L'Abbate N, Pranzo S, Martucci V, Rella C, Vitucci L, Salamanna S.

研究の概要　原文はイタリア語
バリ市の9箇所で、非電離放射線の高周波電磁界（携帯電話の無線局、ラジオ・テレビの送信局）のレベルを測定した。測定は屋内と屋外で行った。
屋内では、電磁界の発生源を考慮し、ＶＤＴ・家電製品や携帯電話が動作中と非動作時、窓を閉めた時と開けた時に、測定を行った。
測定は、Ministerial Decree of 10.9.98 n.381の中に示されているイタリア法CEI ENV 50166-2 of May 1995に基づいて行った。

携帯電話基地局の近くの電磁界強度は、前述の法によって定められた限度値を超えることはないと考えられる低さであった。
一方では、ラジオ・テレビの場合は、より高い曝露源となっていた。
そのレベルは、ある1箇所の局所を除けば、法規定値は超えないが、携帯電話の送信局より大きかった。

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２２A．イタリアでの携帯電話基地局の電磁界強度測定－３

記：２００８－５－１８

イタリアは、携帯電話基地局アンテナからの電波の強さの実測を行い、熱心に報告書に纏めているようです。　この報告を含めて、この頁で、これで３件目の紹介です。
以下の文献（フルテキストは未入手）に、携帯電話基地局アンテナがある場所の隣家で、連続して電波の強さの測定を行った結果が紹介されています。

文献：
研究者：　A.M.　Silviら
掲載誌：　Radiation Protection Dosimetry 97(4) P387-390 2001
タイトル：　 Assessment of the Temporal Trend of the Exposure of People to Electromagnetic Fields Produced by Base Stations for Mobile　Telephones

この研究で、１週間の実測データが示されています。　以下に図を引用します。
これをみれば、夜半は携帯電話の使用者の数が激減するのでしょう、電界強度で０．９V/m程度になり、日中で多くの人が携帯電話を使用する場合は、多くの電波を基地局アンテナから発信することになり、その強度は、２．２V/m程度と、２倍強の電界の強さになっています。

　　

 

このことから、携帯基地局アンテナは、２４時間フルで電波を発信している訳ではなく、サービスエリア内に何人の携帯電話使用者がいるかに、大きく依存していることがわかる。

 

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２３．WHOの携帯電話基地局の電磁波に関する見解


以下のWHOの見解が公表されていました。　　作成：２００６－７－１３
なぜか、まったくといってよいほど日本のマスコミでは報道されていません。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　　　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

WHO Fact Sheet 304 携帯電話基地局　2006年5月

これまでに蓄積された全ての証拠からは、基地局からのRF信号によって短期的または長期的な健康悪影響が生じるということは何ら示されていない。
一般的に、無線ネットワークからのRF信号レベルは基地局よりも低いので、それへの曝露から何らかの健康悪影響が生じるとは思われない。

RF電磁界からの確立されている影響に対する防護を提供するため、国際的な曝露ガイドラインが、国際非電離放射線防護委員会（ICNIRP,1998年）及び電気電子学会（IEEE,2005年）によって策定されている。

各国当局は、RF電磁界からの悪影響に対して自国民を防護するため、国際基準を採用すべきである。
その曝露レベルを趨過する可能性がある場所への立ち入りは制限すべきである。

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２４．携帯電話の基地局に関するニューヨーク州議会の動き

 

ニューヨークで携帯電話基地局のアンテナを規制する法案を審議中で、可決する見込み・・・という情報が、以下のガウス通信に掲載されている。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　一部引用　　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
ガウス通信79号2006・6・12の記事から
アメリカ・ニューヨーク市で〔基地局は学校から500フィート離す〕法案可決か

ニューヨーク市全域で学校の近くに携帯電話基地局やアンテナを設置する場合は500フィーより外にする法案が可決する見込みだ。
基地局やアンテナが増えることに反対していた地元住民はこの朗報に大喜びした。
ニューヨーク州議員地方政治委員会でこの法案を提案したのは、ベイ・リッジ市議のマーティー・ゴルデン議員である。

議員は「携帯基地局からの電磁波による健康被害に関しては論争が続いているが、健康被害がないと結論つけられるまでは、ニューヨーク市の全域で学校の近くに基地局が建つのを許すことはできない」と言う。
＊＊＊＊＊＊＊＊　　　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

この記事の元ネタを探した。
Golden議員のWEBにあった政治活動の報告の中に当該の提案活動が掲載されていた。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊一部引用　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
SENATE COMMITTEE TO ACT ON GOLDEN BILL TO PREVENT INSTALLATION OF CELL PHONE TOWERS NEAR N.Y.C. SCHOOLS
Tuesday, March 14, 2006
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

この議員のWEBを見たが、3月以降7月に至るまでの政治活動報告に、この件が成功したとも失敗したとも何も報告は見当たらなかった。

そこで、Ｇｏｌｄｅｎ議員への問い合わせを行った。
議員の法律顧問からの返信を2006年8月7日に得た。

その内容は以下に示す。

・議員は提案を行った。しかし、州議会での投票は行われなかった。
・（The regular session for 2006 has ended, so it is unlikely that there will be further movement of this bill in the immediate future.） 州議会の2006年度の定例会は終了した。この提案に関して、近々に進展があるとは思えない。
・議員としてはこの件は重要な案件であると考えている。
・次の定例議会は来年の1月である。

ということで、ガウス通信を読めば携帯電話の基地局建設に反対している方にはこの情報が実現していれば朗報となっているが、現実的には、何も進展していないことが判明した。
関心のあるからは、ガウス通信の当該号、アメリカのニューヨーク州議会のＷＥＢの中にある当該の議員のページなどを読んでください。

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２５．イギリスのWycombeでの携帯電話基地局からの電波の24時間モニタ

 

以下の例はイギリスの場合で、地域の行政区域で、携帯電話の基地局の電波強度をモニタし、それをＷＥＢで公開しています。
厳密には「公開していました」と過去形です。

以下はhttp://www.wycombe.gov.uk/default.asp?step=2&id=578　にあった内容
Electromagnetic Field Monitoring from Mobile Phone Base Station

この携帯電話基地局からの電波の強さのモニタ調査プロジェクトは、英国では始めてのことである。
電波の強さを1日24時間、1週間7日、連続して調査を行い、それをWEBに公開する。

このモニタはどうなったか、以下は２００６－１０－２のログの結果です。
Monitoring electromagnetic fields from mobile phone masts
The Cassiopea Project, run by Vodafone and Wycombe District Council, ended in 2006.

英国で最初に行われてボーダーフォンの携帯電話基地局からの電波の強さのモニタは2006年に終了した。
3年にわたるデータの集積、このプロジェクト（カシオペアプロジェクト）は電磁界曝露が一貫して低いレベルであることがわかり、良い成果を得た。
曝露レベルは基準値の数百分の１であった。

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２５Ａ．イギリスの携帯基地局位置情報の公開

記；２０１２－５－１０

イギリスでは2000年のStewart報告以来、携帯電話基地局の位置情報をWEBで公開しています。

http://www.sitefinder.ofcom.org.uk/ ＜2019年11月　リンク切れ＞です。


以下はそのTopページです。

 

以下はその検索例です。ロンドンのロンドン橋の近傍にある携帯基地局の例です。

 

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２５Ｂ．アイルランドで携帯電話基地局マップ公開

記：２０１３－８－３　　　更新：２０１９－１１－４

http://www.askcomreg.ie/mobile/siteviewer.273.LE.asp＜２０１９年１１月リンク切れ＞で公開されているアイルランドの携帯電話基地局マップの例です。
２０１３－７－２５のログ


２０１９年１１月のチェックで

https://www.comreg.ie/industry/radio-spectrum/site-viewer/　から

https://siteviewer.comreg.ie/　を選択　すればサイトの位置は判る。

 

この基地局マップでは、個々の基地局の電力値などは公開されていない。
通信会社の会社名と通信サービスの可否と基地局のＩＤのみです。

 

上は２０１３年のログ：ダブリン市内の基地局設置状況、　中央のH文字は病院を示す。病院の周囲100m以内にも多数の基地局が設置されている。

下は２０１９年１１月のログ：アイルランドのTipperary市の例。　学校から３００m程度のところにも基地局は設置。

 

 

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２５Ｃ．フランスの基地局マップ公開

記：２０１３－８－３

http://www.cartoradio.fr/cartoradio/web/#　から入ると以下のフランス語の基地局マップの情報などが得られる。

 

 

地図上に基地局の位置が表示され、その基地局の概要（通信会社名、使用周波数帯域等）が判るようになっている。

 

 

 

場所によっては、電波の強さの測定を行ってある場合があり、その場合は、基地局との距離と共に電波の強度の測定値が示されている。
この測定値は、携帯電話基地局だけではなく、近隣にあるその他のテレビ放送局などからの電波との合算値を示している模様。

 

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２５D. ドイツで携帯基地局の位置情報だけは公開

記：２０１９－１１－１４

以下の報告書にあった情報
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
平成２２年度　電波防護に関する国外の基準・規制動向調査
平成２３年３月（2011年）
総務省

ドイツ：
2004年より連邦ネット局は全国にある携帯電話基地局の場所をインタネット上で公開している。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

https://emf3.bundesnetzagentur.de/karte/Default.aspxにあった情報

下はLeipzig市の例

 

２０２０－５－１６にサイトを見ると、以下にしめすように、

基地局の１）地上高、２）どの方向に発信しているか、３）４）アンテナに近接しても良い安全距離　の情報もコ解されていました。

 

 

 

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２５E．携帯基地局の情報公開を行っていたが止めたチェコ

記：２０１９－１１－１５

以下の報告にあった情報です。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
平成２２年度　電波防護に関する国外の基準・規制動向調査
平成２３年３月（2011年）
総務省

チェコ
② 携帯電話基地局設置に対する規制について
チェコ国内大手携帯電話局3 社が一同に在籍する携帯電話事業協会によるサイト「Health and Mobile」によると、公衆衛生省が定める規定に基づき、携帯電話基地局設置は、設置予定地のある地方自治体の衛生局の許可なしでは施行出来ず、許可を受ける際には、設置予定地周辺での測定を実施し、いずれの場合も政府規則（1/2008）に示される限界値を超えない事を証明する必要がある。

また、設置後も定期的に衛生局による調査が行われ、限界値を超えたばく露が測定された際は、電話局へ指定期間内での運行の修正を義務づけ、場合によっては罰金を課す事も法律によって定められている。

各携帯電話局のサイトでも、この件については詳細を一般公開しており 449、基地局の写真、場所、測定結果と限界値の比較、国内全体の基地局数などを公表している。

449：http://extra.vodafone.cz/csr-vyrocni-zprava/vystavba-site.php　　
http://www.t-mobile.cz/web/cz/residential/ospolecnosti/nejlepsi-signal/rozhledny
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

２０１９－１１－１４のアクセス
2つのサイトともにリンク切れている。
また、当該の携帯電話会社のサイトのトップ頁から検索してもそれらしい情報はヒットせず。
現在は情報公開を行っていないと思われる。

 

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２６．佐賀県有田町で携帯電話の基地局建設反対運動受け、トラブル防止へ条例制定

 

毎日新聞の佐賀県版に掲載された記事かも知れない。　関心のある方は、新聞を捜して読んでください。　2006年9月29日の記事。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　　　　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

有田町は、携帯電話の基地局建設をめぐって住民の反対運動が起きていることを受け、建築主と住民のトラブルを未然に防止することを目的とした「中高層建築物等の建築に係わる紛争の予防及び調整に関する条例」を制定した。来年１月から施行する。

条例は、高さ１５メートル以上の建築物（携帯電話電波塔を含む）が対象で、建築主に建築計画の住民への事前説明、説明状況の町長への報告などを義務付けた。
紛争が起きた際、解決へのあっせんや調停を町長に要請できることや具体的に調停を行う町建築紛争調停委員会（５人以内）の設置なども定めている。
（以下　略）

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　　　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　　　　　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊


追記：　２００７－４－２３
この条例の具体的な内容は、報道されていない。
また当該の佐賀県有田町のホームページにもこうした条例は掲載されていない。

今般、有田町役場に依頼して、条例の全文を入手した。読んでみた。

この有田町条例の内容を見ると、いわゆる建築工事に関連する近隣住民との紛争を斡旋・調停する条例（この種の条例は各県市町村のレベルで制定されていると思われる）の中に、携帯電話の電波塔を含めるようにしたものと思われる。

この有田町条例では、斡旋や調停を町に申請できる紛争当事者は、建設側と、近隣住民である。
近隣住民に関する条例の定義は建物の高さの1.5倍の距離以内（建物から水平距離で）に近接する住民に限定される。

高さ２０ｍ程度の電波塔を建設するとすれば、電波塔（の建設予定地の敷地境界線から？）30m以内に住む住民となり、電波塔に隣接する住民に限定されることになる。
これはかなり限定された条件である。

以下、関心のある方は、条例の全文を入手して、読んでください。

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２７．エジプトでの携帯電話基地局からの電磁波と人の行動に関する研究

作成：　２００６－１０－２３

研究の概要を以下に示す。　関心のある方は原著全文を入手して読んでください。

掲載誌：Neurotoxicology（神経毒素学）. 2006 Aug 1
タイトル；Neurobehavioral effects among inhabitants around mobile phone base stations.
　　携帯電話基地局周辺に住む住民への神経・行動への影響
研究者：Abdel-Rassoul G, El-Fateh OA, Salem MA, Michael A, Farahat F, El-Batanouny M, Salem E.
Community, Environmental and Occupational Medicine Department, Faculty of Medicine, Menoufiya University, Shebin El-Kom, Egypt

概要：
背景：携帯電話の基地局から発信される電磁波に曝露することによる人の神経系への健康障害の可能性に関する関心がある。

目標：携帯電話基地局周辺の住民の間にある可能性のある神経・行動に関する欠陥を見出す。

方法：横断研究である。エジプトのメノウフイィヤ行政区にある携帯電話基地局の周辺にすむ住民85名が対象。37名は基地局アンテナのあるビルの中に住み、48名は基地局に面している。

対照群は年齢・性別・職業・教育歴などをマッチさせて選択した。
全ての対象者は質問表（個人情報、教育履歴、既往症）に応えた。
一般的な検査と神経・行動試験セットを用いて神経学的な検査を行った。
加えて、Ｅｙｓｅｎｎｃｋパーソナル質問表にも応えた。

対照群に対して、曝露郡では、有訴率が有意に高かった、頭痛は対照郡で１０％に対して曝露郡では２３．５％、同じく記憶力の変化は５％に対して２８．２％、めまいは５％に対して１８．８％、震えは０％に対して９．４％、意気消沈は８．８％に対して２１．７％、睡眠障害は１０％に対して２３．５％であった。

神経・行動試験セットを用いて神経学的な検査結果では、注意力と短期記憶テストにおいて、対照群より￥曝露郡は有意に低い結果であった。
曝露郡の中での比較で、基地局の直下に住む人に対して、アンテナに面している場所に住む人は、問題解決能力に低い結果であった。
曝露郡は対照群より優れた結果を示す行動試験項目もあった。
直近の計測では、これらの基地局からの発信電波強度は規格で許されるレベルより低かった。

結論と提案
携帯電話の基地局の周辺に住むことは、神経・精神医学的な問題を惹起し、神経・行動的に影響を及ぼすリスクがある。
したがって、携帯電話の基地局から発信される電磁波の規格の見直しと、定期的な評価の実施と、基地局周辺の住民の生体影響の早期発見が必要である。

ＢＥＭＳＪのコメント：
携帯電話の基地局からの電波の強さは、圏外になるサービスエリア外を除けば、おおむねサービスエリア内は一定である。したがって基地局に近い、遠いでは厳格な研究にはならない。対照群としては、携帯電話の圏外となる領域に住む住民を選択したのであろうか？？？もしアンテナの近く、遠いで曝露群・対照群を選択しているとすれば、この研究結果は？？となる。

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２７A．携帯基地局の近傍に住む人の主観的な愁訴に関する2012年のポーランドの研究

記：２０１４－３－２４

以下の研究がある。
概要に仮訳をつけた。

掲載誌：International Journal of Occupational Medicine and Environmental Health　March 2012, Volume 25, Issue 1, pp 31-40

タイトル：Subjective complaints of people living near mobile phone base stations in Poland

ポーランドにおける携帯電話基地局の近くに住む人の主観的な愁訴

研究者：Alicja Bortkiewicz, Elżbieta Gadzicka, Agata Szyjkowska, Piotr Politański, Paweł Mamrot, Wiesław Szymczak, Marek Zmyślony

 

Abstract

 

Objectives

The aim of our study was to assess the health conditions and subjective symptoms of the inhabitants living in the base stations vicinity and to analyze the relationship between the complaints and level of exposure to electromagnetic fields (EMF).

目的：この研究の目的は基地局の周辺に住む人の主観的な愁訴と健康状態を評価し、電磁界の曝露レベルと愁訴の関係を解析することにある。

 

Materials and Methods

Our study was performed in housing estates located in five regions of Łódź. The electric field measurements were performed in the buildings located closest to the azimuth of the antennas. Respondents were selected by trained interviewers using a uniform procedure. The number of the households to be examined was set at a minimum of 420. The questionnaire contained: demographic data, occupational and environmental exposure to EMF, health condition, subjective complaints. Results were adjusted for confounders (age, gender, EMF at the workplace and EMF emitted by household equipment) using multiple regression model.


方法：

我々の研究はLodzの5地区の住居を対象にして行った。
電界強度の測定はアンテナの方向に最も近い建物で行った。
質問への応答者群は一定の基準に基づいて訓練を積んだ質問者によって選択された。
検証の対象とする家庭数は最低420に設定した。
質問用紙には、人口統計学的な情報、電磁界への住居と職場での曝露状況、健康状態、主観的な愁訴を含ませた。
結果は交絡因子（年齢、性別、職場での電磁界曝露、家電機器からの電磁界曝露）を調整して、多変量解析を行った。

 

Results

181 men and 319 women from 500 households were examined.

Electric field above 0.8 V/m was recorded in 12% of flats.

There was no significant correlation between electric field strength and the distance of examined flats from the base stations.

To make possible comparison with relevant literature, we analyzed also the frequency of the reported symptoms vs. the distance.

Headache was declared by 57% people, most frequently (36.4%) living 100–150 m away from the base station compared to people living at longer distances (p = 0.013).

24.4% subjects, mostly living at a distance above 150 m, declared impaired memory.

Difference was statistically significant in comparison with people living at other distances (p = 0.004).


結果：

男性181名、女性319名の500名の家庭を対象とした。

0.8V/mを超える電界は12％の部屋で観察された。

電界の強さと、基地局からの距離との間には有意な相関関係はなかった。

関連する文献との比較検討のために、報告された愁訴の頻度と基地局との距離の関係を解析した。

頭痛は57％の人が訴え、より遠くに離れている（151mから250m）場所に住む人に比べて、100mから150mの距離に住んでいる人の頻度が36.4％と高かった。

150m以上離れた場所に住む人の24.4％は「物忘れ」を訴えている。これは他の距離（0-150m）に住む人に比べて、統計的に有意な差異があった。

 

Conclusions

The explanation why we did not find any correlation between the electric field strength and frequency of subjective symptoms but found a correlation between subjective symptoms and distance from base station needs further studies. Maybe new metrics of exposure assessment should be adopted for this purpose.


結論

この研究では電界の強度と主観的な愁訴の間には相関は見られなかったが、主観的な愁訴と基地局アンテナまでの距離との相関がみられ、さらなる研究が必要である。
この為には新しい曝露評価のための指標は必要である。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

 

この研究は、EMF Portalサイトでも紹介されている。

Groups of exposure:

Group 1:  distance between residence and base station: 50 - 100 m

Group 2:  distance between residence and base station: 101 - 150 m

Group 3:  distance between residence and base station: 151 - 200 m

Group 4:  distance between residence and base station: 201 - 250 m

 

の4群に分けて分析されている。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

 

BEMSJ注：　詳細は39ドルでフルテキストを購入しないと判らない。

 

 

 

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２７Ｂ．オーストリアHutterらの2006年研究　携帯電話基地局近傍の住民と睡眠など

記：２０２０－７－２２

以下の研究がある。　ＥＭＦ　Ｐｏｒｔａｌのサイトより

掲載誌: Occup Environ Med 2006; 63 (5): 307-313
タイトル：Subjective symptoms, sleeping problems, and cognitive performance in subjects living near mobile phone base stations.
携帯電話基地局近傍に居住しているヒトでの兆候､睡眠問題ならびに認知機能

研究者: Hutter HP, Moshammer H, Wallner P, Kundi M

この研究は、都市部および農村部で、ランダムに選択された10基地局の近くに1年以上に住む住民を対象に横断研究を実施し、被験者365人の認知テストの成績、健康、および睡眠の質を評価した。
このうちの336世帯の寝室において高周波電磁界（HF-EMF）の電界強度を測定した。

その結果、
１）モバイル通信に関連するHF-EMF測定値および曝露は、推奨レベル（最大4.1mW/m2）をはるかに下回っていた

２）基地局アンテナからの距離は、農村部で24〜600m、都市部で20〜250mであった
３）平均電力密度は、都市部（0.02mW/m2）よりも農村部（0.05mW/m2）でわずかに高かった
４）基地局からのHF-EMFへの曝露による悪影響への恐怖心を含む種々の交絡因子を調整したにもかかわらず、いくつかの症状と電力密度の測定値との間に有意な関係が示された
５）最も強い関連を示したのは頭痛であった
６）曝露レベル増加とともに、認知テストでの情報処理速度は上昇し、正確性は有意に低下を示した
７）睡眠の質に大きな影響は見られなかった、
と報告している。

・住居と携帯電話基地局の距離は、郊外・農村地区では24ｍから600ｍ、市街地では20ｍから250ｍであった。

・曝露強度の分布

カテゴリー1：<0.1mW/ｍ2　　平均：0.04mW/m2
カテゴリー2：0.1-0.5mW/m2　平均：0.23mW/m2
カテゴリー3：＞0.5ｍＷ/ｍ2　平均：1.3mW/m2

Full textを見ると、以下のようなデータが掲載されている。

 

Headaches (頭痛)は曝露強度に比例して、統計的に有意に、多くなっている。
Vertigo（めまい）とPalpitations（動悸）は増加の傾向にはあるが統計的に有意でなない。

ＢＥＭＳＪのコメント；
携帯電話基地局からの電波は、そのサービスエリア内ではほぼ均等な電力密度になる様に放射される。
したがって、基地局アンテナと同じ地上高に居住している場合を除けば、基地局との距離と曝露強度の関係はない。
基地局からの電波は、周囲にいる携帯電話端末の使用者の数によって変動する。
従って、これらの変動を考慮した曝露カテゴリーを設定しない限り、この種の研究は意味がないと言える。


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２７C．携帯基地局の距離と健康に関するドイツBreckenkampらの2009年研究その1

記：２０２１－９－３０

以下の研究がある。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
掲載誌: Occup Environ Med 2009; 66 (2): 118-123
タイトル：Mobile phone base stations and adverse health effects: phase 1 of a population-based, cross-sectional study in Germany.
携帯電話基地局と健康への悪影響：ドイツにおける人口ベースの横断的研究のフェイズ1
研究者: Blettner M, Schlehofer B, Breckenkamp J, et al;

目的:第一期調査の目的は、携帯電話基地局への住宅の接近と健康上の愁訴とが関連するか、またリスク認知が同じく健康上の愁訴と関連するかを調べること。

方法:ドイツ国内で民間研究機関が定期的に実施している大規模パネル調査の一環として、人口ベースの多段階横断研究を実施した。
第１期調査は、全国調査に参加している51,444人の中から、自分の健康に対する携帯電話基地局の影響に関する質問に郵送回答した30,047人を対象とした。
リストされた健康上の愁訴38項目について、それぞれ4段階（症状が“全く無い”から“強い”まで）で回答させた。
また、携帯電話基地局の健康への影響を懸念しているか、自分の症状全般は携帯電話基地局が原因であると考えるかの二つの質問にYes/Noで回答させた。
重回帰分析により、基地局への住宅の接近度およびリスク認知などを独立変数として、健康上の愁訴を予測した。

曝露評価は、住居から携帯電話基地局までの距離を地理データに基づいて計算することで評価した。

結果:30,047人の参加者（参加率58.6％）のうち、携帯電話基地局の健康悪影響について懸念を抱いていると回答した人は18.7％、自分の健康悪影響を基地局からの曝露が原因であると考える人は10.3％であった。
健康影響を懸念するまたは基地局が原因と考える人で、かつ基地局の近く（500m）に居住する人は、その他の人に比べ、愁訴の報告がやや多めであった。

結論：
ジオコーディング情報によれば、参加者の51.5%が携帯電話基地局から500m以内に住んでいた。参加者の41.6%が基地局からの距離を500m未満または500m以上に正確に分類した。
参加者の18.7%が携帯電話基地局からの健康影響について懸念しており、10.3%が健康への悪影響は基地局から発せられる無線周波電磁界のせいだとした。
懸念している、または健康への悪影響を基地局のせいにした参加者で、基地局の近傍に住んでいた参加者は、その他の人々よりもわずかに多くの体調不良を訴えた。
但し、この知見は懸念または基地局のせいにすることによっては十分に説明できない。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

 

注；BEMSJはこの論文のFull Textは未読です。

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２７D．携帯基地局の距離と健康に関するドイツBreckenkampらの2009年研究その2

記：２０２１－１０－１


以下の研究がある。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
掲載誌: Occup Environ Med 2009; 66 (2): 124-130
タイトル：Mobile phone base stations and adverse health effects: phase 2 of a cross-sectional study with measured radio frequency electromagnetic fields.
携帯電話基地局と健康への悪影響：無線周波電磁界を測定した横断的研究のフェイズ2
研究者: Berg-Beckhoff G, Blettner M, Kowall B, Breckenkamp J, et al;

目的:横断研究の目的は、携帯電話基地局から放射される低レベルの連続的RF電磁界に曝露露することが多様な健康上の障害に関連するという仮説を検証することである。
ドイツにおいて実施した横断的研究のフェイズ2の狙いは、健康への悪影響と、携帯電話基地局から発せられた電磁界への曝露の測定値との関連を調査することであった。

方法：2006年の全国調査（30,047人）の中から、都市部で生活する人を中心に選出した人（4, 150人）を対象に今回の調査を行った。
郵送した質問紙に対し、3, 526人から回答が得られた（回答率85％）。

曝露評価には、異なる周波数のRF電磁界が測定できる計測器を用いた。
最終的に計測値が得られたのは1326人であった。
そして、日中の参加者のベッドでの4つの異なる位置での75回の測定を行い、平均電界強度は0.1V/m (0.029mW/m2)以下は非曝露群、平均電界強度0.1V/m (0.029mW/m²)以上を曝露群とした。


携帯電話基地局がどのように自分の健康に影響を与えているかに関する質問紙を郵送し、①睡眠障害（18項目Pittsburgh Sleep Ouality Index）、②頭痛（6項目Headache Impact Test）、③心身的愁訴（von Zerssen list）、標準化質問紙（SF-36）による、④精神的および⑤身体的健康度などの情報が得られた。
ストレスに関する情報も収集した（Trier Inventory of Chronic Stress簡易版）。

種々の健康上の調査項目を従属変数として、重回帰分析を行った（n = 1326）。

結果：①から⑤の健康スコアの中央値に、曝露群と非曝露群による差異はなかった。
康悪影響の原因を基地局とする人は、①睡眠障害と③心身的愁訴の報告は顕著に多かったが、②頭痛と④精神的および⑤身体的健康度の報告は少なかった。
懸念を持つ人と持たない人で健康スコアに差異はなかった。

結論：全体として、携帯電話基地局から発せられた無線周波電磁界の測定値は、時間変化する電磁界への公衆の曝露の制限についてのガイドラインよりも遥かに低かった。
5つの健康尺度のいずれについても、曝露群と非曝露群の参加者の中央値に差は認められなかった。
但し、3つの群のリスク認知には差が認められた、健康への悪影響は基地局が原因だと考える参加者は、懸念していない人々よりも、睡眠障害及び健康不良を有意に多く報告した。
研究者は、携帯電話基地局から発せられた無線周波電磁界の測定値は健康への悪影響と関連していなかった、と結論付けた。　

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

関心のある方は、原著全文を読んでください。

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２７E．携帯基地局の距離と健康に関するドイツBreckenkampらの2010年研究

記：２０２１－１０－１

以下の研究がある。
内容に関しては、Breckenlampらの2009年研究と同じである

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
掲載誌: Umweltmed Forsch Prax 2010; 15 (3): 159-166
タイトル：Results of a cross-sectional study on the association of electromagnetic fields emitted from mobile phone base stations and health complaints
携帯電話基地局から放射される電磁界と不定愁訴との関連に関する横断研究の結果
研究者: Breckenkamp J, Blettner M, Kowall B, Schüz J, et al;

この研究は、携帯電話基地局から放射される電磁界と都市居住者の申告する不定愁訴との関連を調べた横断研究である。
都市部の住民4150人に質問票を送付し、基地局が彼らの健康に影響を与えたか否かについて質問した。

健康問題については、標準化された健康質問票を用いて、睡眠障害、頭痛、不定愁訴、精神的および肉体的健康が調査された。
結果として、3,526人（参加率85 %）が質問票に回答し、1,808人（51 %）が自宅における電磁界測定に同意した.

最終的に測定が実施されたのは1,500戸であった.
測定の大半は寝室で実施され、その測定値は非常に低い曝露値を示した。
測定器の感度限界を下回る事例が最も多かった。

曝露と健康上の苦情の発生との関連は見られなかったが、健康上の苦情の原因が基地局にあると信じることと健康苦情の発生との関連は見出された、と報告している。

結論：
寝室での電磁界の測定値は、ほとんどの症例において非常に低い値であることを示し、ドシメータの感度限界未満であることが頻繁にあった。
携帯電話基地局への曝露と健康不良の発生との関連は認められなかったが、健康への悪影響を基地局のせいにすることと、健康不良の発生との関連は認められた。
研究者らは、健康についての懸念と、健康への悪影響の原因と考えることを真剣に受け止めるべきであり、懸念する人々とのリスクコミュニケーションが必要である、と結論付けた。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

 

BEMSJは、原著全文は未読です。

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２７F．2014年イランの携帯と愁訴の研究

２０２１－１０－１

以下の研究がある。
この研究は一度学術誌に掲載されたが、内容に問題があるとして、取り下げられた。
従って、他の論文などに引用されない、なかったことにされた論文である。
現在では、掲載誌のサイトなどでは原文が削除され、読めなくなっている。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
掲載誌: Electromagn Biol Med 2014; 33 (3): 206-210
タイトル：Health effects of living near mobile phone base transceiver station (BTS) antennae: a report from Isfahan, Iran. (RETRACTED)
携帯電話基地局アンテナの近くに住むことの健康影響：イラン、イスファハンからの報告（取り下げ）

研究者: Shahbazi-Gahrouei D, Karbalae M, Moradi HA, Baradaran-Ghahfarokhi M

この研究では、2012年10-11月に、イラン、イスファハンの携帯電話基地局アンテナ近くの住民250人を対象に行った健康状態質問票調査の結果を報告している。
住民の心理学的および心理生物学的反応を調査することを主な目的として、基地局周辺に1年以上居住していることを条件に、250人を無作為に抽出した。
内訳は、女性133人（41±18歳）、男性117人（50±22歳）であった。

結果、遠方の居住者（アンテナまでの距離300 m以上）と比較して、近傍の居住者（300m以内）では、調査した症状の大部分（吐き気、頭痛、眩暈等々）が統計的に有意に現れた。

以下は、概要の部分の訳文である。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
背景：
近年、携帯電話通信の膨大な使用に伴って、潜在的な健康危害の懸念が、公衆と科学者たちの間で非常に高まってきた。
携帯電話の曝露は、免疫機能やホルモン刺激、哺乳類の脳、精子の運動性と形態、神経学的病態症候群に多数の影響を持つことが示されてきた。

目的：
イランのイスファハンにある携帯電話基地受信局（BTS）アンテナの近くに住む人々の心理学的反応と精神生物学的反応を調べること。

研究対象と方法：
無作為に選ばれた250人（女性133人、男性117人）の住民を対象にした横断研究が、2012年10月から2012年11月にかけて行われた。
住民は、関連する心理学的・精神生物学的反応の指標に関する標準化された調査票に回答することが求められた。イェーツ補正でカイ二乗検定を使う統計分析のためにコンピュータープログラムが使われた。全てのデータはp=0.05の判定レベルで検定された。

結果：
吐き気、頭痛、めまい、怒りっぽさ、不快感、神経過敏、うつ、睡眠障害、記憶喪失、性欲の低下等の症状のほとんどは、BTSアンテナから離れている住民（300m以遠）と比べて、BTSアンテナの近くに住む住民（300m以内の距離）の間で統計学的に有意である結果がでた。

結論：携帯電話BTSアンテナは、近隣住民の被曝を最小限にするために、人々の集団の300メートル以内に設置されるべきではないことが示唆される。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

Full Textにあった結果の一例

 

 

 

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28. また見つけた確認すべき？基地局　稲城市内　川崎街道沿いのマンション

　　　作成：２００７－４－２２


川崎街道を歩いて、見つけました。　以下の2件。

その1：矢野口駅に近い場所に新築になったマンション
このマンションは8階建ての高層マンションです。このマンションの建設前からあったのでしょう、マンションの横の電柱に携帯電話中継アンテナが設置されています。このアンテナの地上高と同じ高さに、マンションの住居部分があります。　アンテナと住居部分の距離は７ｍ程度（１０ｍ程度？）あるでしょう。したがって、健康影響の観点からは大丈夫でしょうが、住居にある電子機器の誤動作などが心配です。
＜追記：2008－10－2　この4本槍のアンテナはＰＨＳ用かも知れない。もしそうならば、大きな問題にはならない。＞

　　　写真２８－１

 


その2：川崎街道沿いに建設中のマンション

建設中のマンションの真横に既存の携帯電話基地局のアンテナがあります。　建設中のマンションも高層マンションのようです。
基地局アンテナと、建設現場の防塵カバーとの距離は１ｍもあるかないかの近距離です。
この至近距離に住居部分があるかは、防塵カバーが取れた段階で見に行くとわかるかもしれません。
１ｍは離れているので、健康影響に関する電波防護指針は適合しているとして、住居部分がもしあれば、そこでの電子機器の誤動作などが無いか、ちょっと心配です。

　

　写真２８－２　　2007年4月の撮影

防塵カバーのグレー色とアンテナの色が近いので、画像ではあまり鮮明に見えません。

　　　　

　写真28－３　　2008年8月の撮影（夕方で、逆光です、アンテナが判るように画像処理しました。）　　追記：２００８－８－１７

写真28－2と同じ場所です。建設中であったマンションは完成し、住居しているようです。　アンテナはそのままになっていました。

住居の部分に２ｍ程度の近距離です。　これだけ住居に近距離で、しかも、アンテナの指向方向である水平方向にある例は、これが最悪ではないでしょうか・・・・＜追記：2008－10－2　この4本槍のアンテナはＰＨＳ用かも知れない。もしそうならば、大きな問題にはならない？？？　＞

追記：２００８－３－６
稲城市内でさらにちょっと疑問なアンテナを見つけました。
以下に示す写真を見てください。　市役所の前の黒川街道にある通りです。　
車検場の一階屋上にＰＨＳ（？）アンテナと思われるものがあり、連結して、2階建てのアパートがあります。
　このアパートの2階住居部分はアンテナの指向方向にあたります。
アンテナと住居部分は５ｍ程度以上も離れているので電波による人の健康影響は無いでしょう。
でも、住居部分にある電子機器が誤動作したりしないかは、ちょっと心配です。

　　写真２８－３　アンテナの部分は画像処理で強調

 

 

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２９．疑問のある条例：　福岡県篠栗町

 

作成：　２００７－４－２２　　更新：２０１２－１２－１６　最終更新　２０１２－１２－１９

福岡県篠栗町のWEBには以下の条例が公開されている。

篠栗町携帯電話中継基地局の設置に関する条例

平成18年12月22日　条例第31号

前文
ここ十数年の携帯電話の進歩と普及はすさまじく、私たち篠栗町民の生活の利便性を高めています。
それに伴い町内にも多数の携帯電話中継基地局が設置されています。
近年、新世代携帯電話の普及により、新たに中継基地局が事業者各社の競争で建設されています。

この建設をめぐり、地域住民への事前の説明が行われず住民の合意がないまま建設が行われるため、紛争となる場合もあります。

紛争の主な理由は、基地局の発する電磁波による特にこどもの脳腫瘍・自血病などの発がん性のおそれやペースメーカーへの悪影響の可能性が指摘されているためです。
また中継塔や基地局の倒壊のおそれ、周辺環境・景観の破壊、落雷被害・電波障害の可能性などにもよります。
紛争を未然に防止し、町民にとって安心・安全なまちづくりのため、携帯電話中継基地局の適正な設置・改造及び管理運営に関する条例を制定します。

5　事業者は、基地局の設置・改造を行う場合、その計画地が保育園・幼稚園・小中学校・児童館・病院・介護施設から、また通学・通園路からなるべく離れた地点となるよう努め、周辺環境に十分配慮するとともに必要な措置を講じるよう努めます。

 

この条例をみて、携帯電話基地局のアンテナから発信される電波（電磁波）の健康影響に不安を持つがゆえに、このような条文を制定されたのだと理解はできる。
でも、この条文に関して、町議会としてきちんとした科学に立脚した調査・議論を行ったのでしょうか？

携帯電話基地局のアンテナから発信される電波は、基地局の近傍で強く、離れるにつれて弱くなると思われがちですが、けっしてそうではない。
この頁のこれまでの説明を見れば、明らかである。
サービスエリアとしてのアンテナから１ｋｍもしくは２ｋｍの範囲では多少の０．５か１かといった程度の違いはあるが、おおむね等しい電波の強さになるように、設定されている。

したがって、目の前に基地局アンテナがあろうとも、１ｋｍ先の遠方にあろうとも、電波に曝露するのは同じ程度の強度である。
学校の前に基地局があってもなくても、学校が携帯電話のサービスエリアに入っているのであれば、同じである。

ということから、この条例の上記文言は？？？？に満ちた　ちょっと恥ずかしい条例ということができる。

この条例制定に関して、篠栗町議会2006年12月定例会で審議された。　
この定例会の議事録は篠栗町のサイトには公開されていないが、公開されている議会だよりに制定のいきさつなどの情報が掲載されている。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
篠栗議会だより　No.150
携帯電話中継基地局設置条例
この条例案は村瀬議員の提出、松田・安川・大楠・草場各議員の賛成で発議され、賛成多数（賛成12反対2）で可決されました。
左記に条例の一部を掲載します。
町規模でこのような条例を制定したのは全国初と考えられます。

提案理由　提出者　村嶋秀樹　
（略）
反対討論　阿高紀幸　
（略）
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

このことから、この条例は議員提案によって行われたものと、判ります。
後述するように、この条例の廃止も議員提案によって行われています。
2006年の町会議員の名簿がありませんが、2012年12月現在の現職の議員名簿を見ると、提案者の村瀬議員は議員ではなくなっています。
賛同した松田議員は松田国守として（と想定して）、大楠議員は大楠英志として（と想定して）、草場議員は草場謙次として（と想定して）、現職のリストに有ります。
安川議員は現職リストに有りません。
反対した赤高紀幸は、現職議員として残っていました。
条例廃止に反対した議員は2名とのことなので、すくなくとも2006年の条例制定に賛成した太田・大楠・草場議員の中の1名は、条例廃止に賛成したと想定することができます。


追記：２０１２－１２－１６
この篠栗町で、観光地として多くの人が訪れる場所の一部が携帯電話の通じない区域になっていることは困るとして、携帯電話基地局建設の陳情が出されて、町議会で採択された。
そして、携帯電話会社３社に対して、建設の要請文書が出された。
以下は、篠栗町の町議会会議録にあった内容、一部抜粋です。
要請から８か月も経過した時に、この情報を見つけたので、その後、どうなっているかは不詳。　ＢＥＭＳＪとしても興味深いことです。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
平成24年3月　篠栗町議会第1回定例会　会議録　福岡県篠栗町議会

7番目の森林セラピー基地について、基本的なことから見直す必要があるのではとの御質問でございますが、まず、携帯電話が通じない場所があるとの御指摘ですが、最近は改善される方向にはございます。
そして、森林の中におきましては、どうしても携帯電話がつながらないところがありますので、森林セラピー体験をしていただくときには、森の案内人2名で実施いたしているところでございます。
＜ＢＥＭＳＪ注：森林セラピー基地という観光地で携帯電話がつながらないのは、観光客誘致という観点からも困ること　という認識かもしれない。＞

日程第24、陳情3号、携帯電話中継基地局の設置を求める陳情を議題といたします。
本案は、総務建設委員会に付託しておりましたので、委員長の報告を求めます。
松田委員長。

○総務建設委員会委員長（松田固守君）　報告いたします。
　陳情3号　　携帯電話中継基地局の設置を求める陳情書
本陳情の趣旨は、若杉山、米の山及び若杉楽園等において、登山者、居住者、現場の作業者等より、携帯電話がつながらない場所が多く、携帯電話の使用に不便であると不満の声が多く聞かれ、また森林セラピー基地や森林スポーツフェスタの開催等、利用者がふえている中で、登山途中でのけが、健康状態の急変悪化、交通事故の発生時における緊急連絡もできない状況であり、遥拝堂売店が閉まった時間であれば、全く連絡方法がないのが現状とのことです。

住民の生命及び財産等を守る観点から、緊急連絡等の対応が可能となるよう、早急に携帯電話中継基地局設置について、地方自治法第125条及び篠栗町議会会議規則第94条第3項の規定により、携帯事業者に対して要請していただくよう求められたものです。
当委員会において慎重審査の上、採決の結果、全員賛成にて採択することに決しております。

なお、委員会として携帯電話事業者に対しての発議第1号、携帯電話エリア区域外における緊急時の連絡手段として、携帯電話が円滑に使用できるよう通信環境の整備を求める決議を本定例会に提出いたします。以上。

○議長（今泉正敏君）　ただいまの委員長の報告に対し質疑を行います。
質疑はありませんか。質疑なしと認めます。
次に、討論を行います。
討論はありませんか。　討論なしと認め、採決を行います。
本案に対する委員長の報告は、採択です。
本案を委員長報告のとおり決定することに賛成の方は御起立願います。　（賛成者起立）
○議長（今泉正敏君）　全員賛成と認めます。
よって、陳情3号は、委員長の報告のとおり採択することに決定されました。
ここで、お諮りいたします。

お手元に配付のとおり、総務建設委員長から、会議規則第14条第3項の規定により、発議第1号、携帯電話エリア区域外における緊急時の連絡手段として、携帯電話が円滑に使用できるよう通信環境の整備を求める決議が提出されております。
これを日程に追加し、追加日程第1として議題にしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。
　（「異議なし」と呼ぶ者あり）

○議長（今泉正敏君）　異議なしと認めます。
よって、発議第1号を日程に追加し、追加日程第1として議題とすることに決定しました。
追加日程第1、発議第1号、携帯電話エリア区域外における緊急時の連絡手段として携帯電話が円滑に使用できるよう通信環境の整備を求める決議を議題といたします。
提案理由の説明を総務建設委員長に求めます。　松田委員長。

○総務建設委員会委員長（松田固守君）　説明いたします。
本決議案は、各通信事業者あて提出する要請決議でございます。朗読して提案にかえます。

貴職におかれましては、日ごろから篠栗町民の生活向上のため安定した情報通信サービス提供に御尽力されていることと深甚なる敬意を表するものであります。
さて、本町におきましては町域の70％が山林でありまして、平成20年に森林セラピー基地の認定を受け、若杉山、米の山及び若杉楽園等への登山者など、来町者が年々多くなっています。

しかし、この地域に携帯電話がつながらない場所が多く、登山者だけでなく地元住民や工事関係者からも不便さや不満の声が多く出ています。
登山途中でのけが、健康状態の急変・悪化、交通事故の発生時における緊急連絡もできない状況で、数少ない売店などに駆け込み、公衆電話を利用することがたびたびであります。

売店のないところや売店が閉まった時間では、全く連絡方法はないのが現状です。
以上のようなエリア区域外の住民の生命及び財産等を守るために、緊急時の連絡手段として、携帯電話が円滑に使用できる通信環境の整備が重要だと考えます。
つきましては、下記エリア区域外に携帯電話中継基地局を早急に設置していただきますよう、要請いたします。

1、携帯電話中継基地局設置要請区域、若杉山、米の山及び若杉楽園等の圏外区域。
平成24年3月23日、福岡県糟屋郡篠栗町議会。
提出先は、株式会社NTTドコモ九州支社　執行役員九州支社長、KDDI株式会社コンシューマ営業本部　コンシューマ九州支店支店長、ソフトバンクモバイル株式会社九州技術部部長です。

皆様方の御賛同をよろしくお願いいたします。　　以上です。

○議長（今泉正敏君）　ただいま提案理由の説明を受けました。
　これより、質疑を行います。
　質疑はありませんか。　質疑なしと認めます。
　次に、討論を行います。　討論はありませんか。　討論なしと認め、採決を行います。
　発議第1号について、本案に賛成の方は御起立願います。　　（賛成者起立）

○議長（今泉正敏君）　全員賛成と認めます。
　よって、発議第1号は原案のとおり可決されました。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

追記：２０１２－１２－１８

2012年12月16日に篠栗町のサイトで、町議会の会議録をみつけて、その結果を上にある情報を公開したが、なんと間髪をおかず、以下のような情報を見つけた。

2012年12月18日の西日本新聞朝刊に掲載された小さな記事である。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
携帯基地局条例　廃止案を可決　篠栗町議会
篠栗町議会定例会は17日、最終本会議を開き、携帯電話基地局を設置する事業者に住民説明会などを求める条例の廃止案を賛成9、反対2の賛成多数で可決した。
条例は、2007年から施行。
条例により、基地局の設置が進まず、携帯電話の使用が困難になる恐れが生じているなどの理由で同日、廃止案が議員提案された。
提案議員らによると、町内の利用者から通話状額が悪いとの苦情が年間数十件、通信事業者に寄せられているという。
このほか、5億9887万円を増額する本年度一般会計補正予算案など16議案を可決し、閉会した。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

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３０．疑問のある条例：　岩手県盛岡市


作成：２００７－４－２３

盛岡市の条例を入手している。

平成14年12月20日議決　平成14年12月26日公布　盛岡市条例第39号　

盛岡市中高層建築物等の建築等に係る住環境の保全に関する条例　

 

（建築主等の責務）　

第５条　建築主等は，近隣住民との紛争を未然に防止するため，中高層建築物等及びその周辺の住環境について十分配慮するよう努めなければならない。　

 

（建築計画上の配慮事項等）　

２　第２条第２項第１号エに該当する中高層建築物等（既存の建築物に附属して新たに携帯電話の電波塔を設けることにより同号エに該当することとなるものを含む。）の建築主等は，当該中高層建築物等の建築等に当たっては，地形その他の事情によりやむを得ない場合を除き，第１種低層住居専用地域を避けるよう努めなければならない。　

 

この最後の2行にある「携帯電話基地局は、第１種低層住居専用地域を避けるよう努めなければならない。」　はちょっと疑問のある条文である。

盛岡市内の第1種低層住居専用地域は、どの程度の広さであろうか？
地域によっては、２ｋｍＸ２ｋｍ程度の広さの区域があるのでない？

もし、そうした区域があるとし、区域内に携帯電話の基地局が皆無であるとすればどうなる？
その地域では携帯電話は使えない、圏外の区域になる。

したがって、
２ｋｍＸ２ｋｍ程度以上の広い面積を持つ第1種低層住居専用地域の住民が携帯電話の基地局の設置を、電波（電磁波）の健康影響に不安を持つがゆえに基地局アンテナの設置を望まないとすれば、
住民は、同時に、付近一帯が、携帯電話の不通区域にすることを望んでいる・望まなければならない　と言うことになる。

第1種低層住居専用区域の面積が５００ｍＸ５００ｍ程度に限定されていれば、区域内にアンテナを建てなくても、隣接地に建設し、そこから電波を出せば、その区域は携帯電話は使用可能で、アンテナのない区域になる。

さらに、
携帯電話基地局のアンテナから発信される電波は、基地局の近傍で強く、離れるにつれて弱くなると思われがちですが、けっしてそうではない。

サービスエリアとしてのアンテナから１ｋｍもしくは２ｋｍの範囲では、多少の０．５か１かといった程度の違いはあるが、おおむね等しい電波の強さになるように、設定されている。

したがって、目の前に基地局アンテナがあろうとも、５００ｍ以内に送信アンテナがあろうが、１ｋｍ先の遠方にあろうとも、電波に曝露するのは同じ程度の強度である。

したがって、住民の受ける携帯電話の電波の強さは、極論すれば、携帯電話が使用可能な場所に住むこと、すなわち、サービスエリアに入っているのであれば、同じである。

ということから、
盛岡市の携帯電話基地局に関する条例は、疑問があるというか、恥ずかしいレベルの条文を含んでいるということができる。

携帯電話のアンテナの真横、水平方向に、５ｍとか１０ｍの近距離に住居や学校の校舎があることには、私は、異議を持つ。
この場合は、アンテナから真横に強く電波を出しているので、避けなければならない。

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３０A。携帯電話基地局に関する条例などの例　2006年の千葉県白井市の指導指針

作成：２００９－２－１

千葉県白井市市議会の議事録DBからの抜粋、以下の様な携帯電話基地局に関する市議会で請願が採決された。
＊＊＊＊＊＊　　　　＊＊＊＊＊＊＊＊　　　＊＊＊＊＊＊
2002.09.19 平成14年第３回定例会（第８号）　本文
（略）
◯議長（矢野富子議長）　日程第５、請願第２号　携帯電話無線基地局の設置・出力増強等に関し住民に事前説明を求める指導要綱の制定等を求める請願書についてを議題とします。
環境建設常任委員会の審査及び結果について、環境建設常任委員長の報告を求めます。
(略)

◯環境建設常任委員長（江田健治議員）　おはようございます。
環境建設常任委員会に付託を受けました請願１件について、その経過及び結果についてご報告をいたします。
請願第２号　携帯電話無線基地局の設置・出力増強等に関し住民に事前説明を求める指導要綱の制定を求める請願書について。
審査の結果は、お手元に配付の常任委員会審査報告書のとおりです。

請願第２号については、採決の結果、賛成全員により採択すべきものと決定しました。
（略）

この２カ月間、総務省の担当から、総務省のスタンスやこれまでの取り組み、現在行われているＷＨＯの実験等の説明を受け、また、電磁波問題を取り組む住民団体の主張を調べたり、本日、午前中の協議で、市の検討したことや心づもりを聞き、一方、請願の趣旨が国立市の開発等指導要綱に準じてということから、市の宅地開発の変更ではなく、指針を設けることで対応できると解釈できるので、実現可能性があると思いますので、賛成いたします。
以上をもちまして、環境建設常任委員会の報告を終わります。
（略）

○１２番（松井節男議員）　賛成です。反対討論がなければ、賛成討論をさせていただきます。
（略）

◯１３番（永瀬洋子議員）　では、私も賛成討論をいたします。
（略）

◯１１番（柴田圭子議員）　私も賛成の討論をさせていただきます。
（略）

◯１５番（神田悦男議員）　反対がなければ賛成いたします。
（略）

◯議長（矢野富子議長）　これで討論を終わります。
これから請願第２号を採決します。請願第２号に対する委員長の報告は採択です。
請願第２号は、委員長の報告のとおり決定することに賛成の方は起立を願います。
　　　　　　　　　　　　　［起立全員］
◯議長（矢野富子議長）　起立全員です。
したがって、請願第２号は採択することに決定いたしました。
*＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　　　　　*＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　　　　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

この市議会の採決を受けて、白井市ではどのような条例を制定したのか、興味を感じ、白井市に確認をとってみた。

結果は、2006年（平成18年）3月に、「携帯電話用無線基地局（無線用鉄塔）に係る指導指針」を制定している。
内容は、「建設予定地の境界から１００ｍ以内の住民と、その地域の自治会の代表者」に対して、「事業計画を説明し、理解を得るよう努めなければならない」という程度のものであった。

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３０Ｂ．携帯電話基地局に関する条例などの例　2008年のつくば市の指導指針

記：２００９－５－２２

つくば市議会議員いがらし立青（たつお）の活動日記。
http://124.40.6.178/ ＜リンク切れ＞ にあった内容

「筑波山に大型携帯基地局」2006年11月3日（金）

現在筑波山のつくば道（臼井地区）のところに、携帯事業者が高さ４０ｍの基地局（電波塔）を建設予定です。
業者が持ってきたイメージ図を見ると、美しい筑波山の山並みに、非常に違和感を与える塔が立つ様子がよく分かります。

つくば市では、景観計画の策定を進めています。　　来年度には景観条例も検討中。

（略）

僕は基地局絶対ＮＧというわけではありません。　　携帯電話の便利さの恩恵を確実に受けている一人です。
ただ、周囲との調和を無視するものには明確に反対です。
（略）

 

この筑波市の条例は、どうなったのか確認してみました。
以下の指導要綱として発行されていました。

つくば市携帯電話基地局鉄塔に関する指導要綱
平成20年６月９日告示第341号

第１条　この要綱は，携帯電話基地局鉄塔の築造に関し，築造主等が配慮すべき事項及び築造計画の周知の手続きその他必要な事項を定めることにより，紛争を未然に防止するとともに，地域における健全な居住環境の保全に資することを目的とする。

第2条から抜粋　対象となる基地局
携帯電話基地局鉄塔携帯電話の電波塔で高さが15メートルを超えるものをいう。

第３条　築造主等は，当該携帯電話基地局鉄塔の築造計画を近隣住民に周知させるため，当該築造計画の概要を記載した築造計画のお知らせ（様式第１号）（以下「掲示板」という。）を敷地内の見やすい場所に掲示するものとする。

第４条　築造主等は，確認の申請を行う14日以上前までに築造計画届（様式第２号）に次に掲げる図書を添付して市長に２部提出するものとする。

第６条　築造主等は，説明会その他の方法（以下「説明会等」という。）により，当該携帯電話基地局鉄塔の築造に係る計画の内容について，次に掲げる事項を近隣住民に説明しなければならない。

といった内表です。

 

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３０Ｃ．携帯電話基地局に関する条例などの例　国立市の開発行為など指導要綱

記：２００９－５－３１　　追記：２０１０－４－２０　

国立市では、2001年の陳情の趣旨採択により、開発等指導要綱の第5条第3項に携帯基地局の建設について、「電磁波の影響が予測される範囲内の土地、建物の権利者及び居住する者に対して、当該施設等の設置に係る計画の内容について説明会等の方法で説明し、紛争が生じないように努めなければならない」という一文が入れられました。

しかし、2009年4月に同要綱では、説明会の範囲を以下に示すように変更になった。

国立市のサイトで、以下の指導要綱を見つけました。
「国立市開発行為等指導要綱」の中に、携帯電話基地局に関する規定がありました。

 

（適用範囲等）
第２条 この要綱は、次の各号に掲げる事業について適用する。
(6) 携帯電話の中継施設等で電磁波等を発生するもの

（説明会等の実施）
第５条
３ 第２条第１項第６号に規定する事業を行う事業主は、当該施設から水平距離で当該施設の高さ（当該施設を設置する地盤面からの高さをいう。）の２倍の範囲内における土地、建物の権利者及び居住する者に対して、当該施設等の設置に係る計画の内容について説明会等の方法で説明し、紛争が生じないように努めなければならない。

 

施行：2009年4月1日　



３０Ｄ．北海道美瑛町の基地局美観で規制

記：２００９－８－１７

以下の山陽新聞の記事にあるように、景観保護の観点から単独の基地局ではなく、共用の基地局にすることを求めることになったようです。

山陽新聞　2009年5月25日の記事　　　以下に一部を引用　
http://www.sanyo.oni.co.jp/newsk/2009/05/25/20090525010005921.html＜リンク切れ＞　

単独の携帯電話基地局は認めず　景観保護で北海道美瑛町

北海道美瑛町は２５日までに、丘陵地帯の美しい田園風景を守るため、携帯電話基地局の鉄塔建設は、数社が共同利用する場合に限って認め、単独利用の場合は原則認めないとの「景観配慮事項」をまとめ、ＮＴＴドコモなど携帯電話大手３社に文書で伝えた。

 

詳細は上記の新聞記事などを読んでください。

 

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３０Ｅ．長野県富士見町の情報公開

記：２０１０－６－７

始まり：信濃毎日新聞のサイトに以下の記事（2009年7月29日）があった。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　　　＊＊＊＊＊＊
長野県内ニュース　7月29日(水)

富士見の携帯基地局　ドコモが説明会
ＮＴＴドコモ（東京）が富士見町乙事で建設している携帯電話基地局についての住民説明会が２７日夜、町役場で開かれた。
建設予定地の地権者と同社は既に書面で契約を交わし、今月６日に着工しているが、電磁波による健康被害を不安視する住民が町を通じて同社に申し入れたため、工事は１３日から止まっている。
（略）
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　　　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

その後の動きは不詳。　
＜2012年12月17日　その後の情報が判明しました。　後述。＞

情報公開の始まり：

富士見町では、アンテナ建設が事前の情報もなく、突然始まったことが大きな問題であるとし、富士見町長は、携帯電話会社（ＮＴＴドコモ、ＫＤＤＩ，ソフトバンクなど）の協力（？）を得て、基地局アンテナの建設に関しては、情報の開示を行うことにした。
町としての条例などの制定などには至っていない。
可能な範囲での情報公開というスタンスである。
情報は、町のインターネットサイトと町の広報に掲載される。

富士見町のサイト　http://www.town.fujimi.nagano.jp/ ＜リンクは切れています。＞


富士見町のサイトにあった「鉄塔建設情報」のアイコン　の拡大図を以下に示します。

 

関心のある方は、上記のサイトにアクセスしてください。

以下は富士見町のサイトに公開されている鉄塔情報の一部です。

　



追記：２０１１－１－１８
富士見町の鉄塔建設情報の開示は、閉鎖されています。
久しぶりに上記のサイトにアクセスしてみましたが、アイコンが削除されていました。
どうやら、情報の開示は問題があるとして、閉鎖された模様です。

追記：　２０１２－12－17
ガウス通信１１８号　２０１２年１２月１０日発行の中に、その後の情報がありました。
この記事によると：
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
諏訪市富士見町　ドコモ携帯基地局撤退
富士見町で３年前に工事が始められたドコモの携帯基地局建設は、２０１２年１１月１５日　ドコモより「撤退」との知らせがあり、同月２１日～３０日の間の２日間、重機を入れて現状回復工事を行った。代替地は未定のまま、とのこと。
基地局建設工事が発覚したのは２００９年７月のこと、・・・・・（略）
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

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３０Ｆ．福島県いわき市携帯電話基地局等の建設に係る紛争防止に関する要綱

 

以下の条例がある。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　　抜粋　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
平成19年５月23日　制定　　平成19年６月１日　実施
（目的）
第１条　この要綱は、本市における携帯電話基地局等の建設について必要な事項を定めることにより、建設に係る紛争を未然に防止し、市民の生活環境の保全に資することを目的とする。

（定義）
第２条　この要綱において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
(１)　携帯電話基地局等　　携帯電話及びＰＨＳの基地局のうち、いわき市の景観を守り育て創造する条例（平成12年いわき市条例第70号。以下「条例」という。）第２条第３号アに規定する大規模建築物等（地盤面からの高さが13メートルを超える工作物）に該当するものをいう。
(３)　近隣住民　　携帯電話基地局等のアンテナの中心からの水平距離が地盤面から当該アンテナの上端までの高さの２倍に相当する距離の範囲内にある土地の所有者又は建築物の所有者、若しくは居住者（建築物に携帯電話基地局等を設置する場合にあっては、土地の所有者を除く。）をいう。
(４)　周辺住民　　前号に規定する水平距離が300メートルの範囲内にある建築物の所有者又は居住者のうち近隣住民以外の者をいう。

（説明会の開催等）
第５条　事業者等は、標識の設置後、速やかに、近隣住民及び近隣住民が属する自治会等の代表者（以下「自治会等の代表者」という。）に次に掲げる事項を説明するものとする。
ただし、敷地及び周囲の状況等により、市長が　必要がないと認めたときはこの限りでない。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　　　　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

この条例では、１３ｍ以上の高さの基地局を対象とし、３００ｍまでの範囲の住民を対象としている。
関心のある方は、いわき市のサイトにある条例文を読んでください。

 

ＢＥＭＳＪのコメント：１３ｍ以上の基地局に限定しているが、携帯電話会社がこの条例に定める追加の業務を嫌って、１３ｍ以下のアンテナの設置を行った場合は、どうなるか？
アンテナはアンテナの直下における電波曝露強度を考慮すると、１３ｍ以下のアンテナは、１３ｍ以上のアンテナより曝露強度が大きくなる。
したがって、アンテナの地上高さを制限することにつながる規制は、好ましくない　といえる。

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30Ｇ．福岡県大木町携帯電話中継基地局の設置に関する要綱

以下の要綱が規定されている。

一部を抜粋して紹介する。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　　　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
平成19年10月22日
要綱第18号

(目的第) 1条　この要綱は、携帯電話中継基地局の設置、改造及び管理運営について基本理念を定め、大木町(以下「町」という)、事業者の責務及び町民の役割を明らかにし、基本理念に係る施策の基本的事項を定め、良好な生活環境の実現に資することを目的とする。

第(定義) 2条　この要綱において「携帯電話中継基地局」(以下「基地局」という)とは、既存の電話網と携帯電話の間を中継する電波塔を含めた建築物の高さが15mを超える送受信兼用の設備をいう。
4 この要綱において「近隣住民」とは、基地局鉄塔の中心から当該基地局鉄塔の高さの1.5倍に相当する距離の範囲内に接する行政区の住民及び事業所の生活者をいう。

第(町の役割と責務) 4条　町は、事業者に基地局の設置、改造計画の事前協議書及び事業計画の提出を求め、事業計画を近隣住民に公表するものとする。
2 町は事業者に、近隣住民への説明会の開催について要請するものとする。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　　　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

ここも同じ状況にあるといえる。
関心のある方は、大木町のサイトにある条文を読んでください。

 

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３０H．鳥取市の景観条例に基づく携帯電話などの基地局の届け出義務

記：２０１１－２－１２　

鳥取市では基地局の規制を景観条例に基づく届け出義務として、規制を始めたようです。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　　　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
携帯電話の基地局設置に係る景観法の届出について

１．届出の規模について

鳥取市において、下記地域ごとの規模に該当する携帯電話等の基地局を設置される場合、景観法第１６条に基づく届出が必要になります。
◆市域全域（重点区域以外）：高さ １３ｍ超又は築造面積１０００平方メートル超（建築物に付設する場合は、高さ５ｍ超かつ地盤面から当該工作物の上端までの高さ１３ｍ超）

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　　　　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
関心のある方は、鳥取市のサイトを見てください。

 

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３０J．茨城県東海村の携帯電話等基地局の築造に関する指導要綱

記：２０１１－１１－１５

以下の案内が東海村のサイトにありました。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　　　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

携帯電話等基地局の築造に関する指導要綱を制定しました。

村では，携帯電話基地局・ＰＨＳ基地局を設置する場合の，住民への周知範囲や周知方法等のルールを定めた。
「携帯電話等基地局の築造に関する指導要綱」を制定しました。
施行は，平成２４年１月１日からです。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　　　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

内容は
＊基地局タワーの高さが１５ｍ以内であれば、高さの２倍の距離にある住民などに対して、建設の通知と必要であれば説明会の開催を
＊基地局タワーの高さが１５ｍ以上であれば、３００ｍの距離にある住民などに対して、建設の通知と必要であれば説明会の開催を
村として指導する、という内容です。

関心のある方は、東海村のサイトを見てください。

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３０K．三重県松阪市の携帯電話基地局の設置に関する景観条例

記：２０２１－３－６

以下の条例というかガイドラインが松阪市のWEBにありました。
いつ制定かは定かではありませんが、WEBには2012年2月20日に日付があります。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
携帯電話基地局の設置に関する景観形成ガイドライン
都市政策部都市計画課
このガイドラインは、携帯電話基地局の設置に関して、松阪市景観計画に定める行為の制限における景観形成基準への適合のため、留意すべき基本的な事項を取りまとめたものであり、事業者が、このガイドラインに沿って設置計画を進め、良好な景観の形成を阻害しないよう設置場所を工夫すること。
(2)歴史的景観資源の周辺は避けること。
(3)国道や主要地方道、市道等の主要な道路からできる限り離して設置すること。
(4)住宅地やまとまりのある農地においては、目立たぬよう設置場所を工夫すること。
等が記述されています。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　　　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
関心のある方は松阪市のWEBを覗いてください。

 

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３０L鎌倉市携帯電話等中継基地局の設置等に関する条例

記：２０１２－３－２５

鎌倉市の条例が2010年4月に施行された。
1．条例の概要
平成22年4月1日、鎌倉市携帯電話等中継基地局の設置等に関する条例が施行されました。

鎌倉市携帯電話等中継基地局の設置等に関する条例
（目的）
第１条 この条例は、携帯電話等中継基地局の設置等に伴う住環境をめぐる紛争が生じていることにかんがみ、事業者が近接住民等に対し事前に携帯電話等中継基地局の設置等について説明する責任を明確にし、もって市民と事業者との紛争を未然に防止することを目的とする。

（定義）
第２条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

近接住民 次に掲げる区分に応じ、それぞれ次に定める者をいう。
ア 既存の建築物に携帯電話等中継基地局の設置又は改造（以下「設置等」という。）をするとき 設置等をする携帯電話等中継基地局からの水平距離が当該携帯電話等中継基地局の地上からの高さの２倍以内において、土地を所有する者又は建築物の全部若しくは一部を所有し、若しくは占有する者（以下「土地所有者等」という。）であって、当該建築物の敷地に隣接する土地の土地所有者等であるもの

イ ア以外のとき 設置等をする携帯電話等中継基地局からの水平距離が当該携帯電話等中継基地局の高さ（既存の電柱等に設置等をするときは、地上からの高さ）の２倍以内における土地所有者等

地縁団体 近接住民の属する地方自治法（昭和22年法律第67号）第260 条の２第１項に規定する地縁による団体をいう。

（近接住民等への説明等）
第７条 事業者は、前条の計画書の提出後、規則に定めるところにより近接住民及び地縁団体を代表する者に当該設置等の工事の計画の概要を説明し、周知に努めるとともに、近接住民等の理解を得るよう努めなければならない。

（施行期日）
１ この条例は、平成22年４月１日（以下「施行日」という。）から施行する。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　　　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

2．適用の状況
2012年3月24日に東京・渋谷で開催されたシンポジウム「携帯電話基地局の健康被害を考える」で配布された資料の中に、「鎌倉市携帯基地局条例施行2年を問う　2012年3月24日　電磁波を考える連絡会」という資料があり、その中に以下の記述がありました。

「施行後1年目（2011年3月まで）の計画届出書25件に対して、説明会開催5件という比率、2年目（2011年4月から2012年3月まで）では計画届出書45件に対して説明会開催5件で、届出書の増大に比して説明会開催比率が低減している。」　と。

 

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３０M．　鶴岡市は景観条例で携帯電話基地局を規制

記：２０１２－８－３１

以下は鶴岡市の条例の一部です。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
■携帯電話基地局の設置に関する景観形成ガイドライン
平成24年8月 　鶴岡市建設部都市計画課

このガイドラインは、携帯電話基地局の設置に関して、鶴岡市景観計画に定める行為の制限における景観形成基準への適合のため、留意すべき基本的な事項を取りまとめたものであり、事業者が、このガイドラインに沿って設置計画を進め、良好な景観の形成を促進するために定めるものです。

１ 市窓口への事前相談
設置場所等についての変更等が可能となる候補地選定段階で必ず市都市計画課に事前相談を行うこと。
その際、高さ・形状・色彩を踏まえた候補地に建設した場合のイメージ図などを提示すること。

２ 高さ
必要最小限の高さとすること。

（略）
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

 

関心のある方は、鶴岡市の条例を読んでください。

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３０Ｎ．多治見市では紛争の予防条例で規制

記：２０１４－２－２４
「多治見市中高層建築物等の建築に係る紛争の予防及び調整に関する条例」が制定されている。

詳細は：http://www.city.tajimi.lg.jp/kurashi/kaihatsu/chukoso.html


この条例では、

対象項目に「大規模工作物：高さが２０ｍ以上の工作物」がある。
「大規模工作物は、建築基準法第138条第1項第2号に示す鉄筋コンクリート造の柱、鉄柱、木柱その他これらに類するもの（旗ざおを除く。）」を示す。
携帯基地局として使用されるものは、鉄塔と思うので、鉄塔は「鉄柱」として扱いう。

よって、携帯電話基地局として使用される「鉄塔の高さが２０ｍ以上」になる場合が対象となる。
該当する場合は近隣説明が必要になります。
近隣説明範囲は、敷地境界線より水平距離30ｍの範囲又は高さの1.5倍に相当する距離の範囲で広い方までとなっている。

 

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３０Ｐ．大宰府市での携帯基地局紛争に関する条例

記；２０１４－３－３１

 

＊条例制定の提案と廃案

毎日新聞福岡都市圏版2011年12月1日に以下の記事がある。

 

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
太宰府市：携帯基地局設置条例、市議が制定を提案　「市の紛争防止策不十分」　／福岡

３０日開会の太宰府市議会に「市携帯電話中継基地局の設置等に関する条例」案が議員提案された。
市は「住民紛争等の防止に向けた実施方針」を７月に作ったが、「具体的手続きや結果に対する責任などの記述がなく、紛争防止には不十分」というのが条例制定を求める理由。
市は「国が義務化していないものを条例で定めるのはいかがなものか」と消極的で、議会がどう判断するか注目される。

提案したのは門田直樹市議。
条例は、紛争防止のため（１）着工６０日前までに事業計画書を提出（２）４０日前までに住民説明会を開き、住民は意見書を提出できる（３）計画書の未提出には市長が勧告できる－－などとしている。
（略）
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

毎日新聞福岡都市圏版2011年12月20日に以下の記事がある。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

携帯基地局設置条例：賛成多数で可決も、市長が阻止へ再議提案－－太宰府市議会　／福岡

 

携帯電話の中継基地設置を巡る紛争防止条例案について、太宰府市議会は１５日の定例会最終本会議で、賛成多数で可決した。
しかし直後に、井上保広市長が地方自治法１７６条に基づく再議を提案、条例成立を阻止しようとした。
議案は継続審査とし、特別委で審議するが、再可決には３分の２（１２人）以上の賛成が必要で今のところ成立は厳しい。
傍聴者らから「知る権利も通らないのか」「議員が提案し、多くが賛成した条例なのに自治をつぶすのか」といった声が出た。
（略）
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

毎日新聞福岡都市圏版2012年03月20日の記事で、大宰府条例廃案と
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

携帯基地局設置条例：「紛争防止条例」は廃案　再議で１票足りず－－太宰府市議会　／福岡


太宰府市の３月議会は１９日、昨年１２月議会で井上保広市長が再議にした議員提案の「携帯電話中継基地局の設置等に関する紛争防止条例」を採決した。
反対７に対し賛成は１１だったが、条例の再成立に必要な３分の２以上（１２）に１人足りず条例は廃案となった。
（略）

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

＊最終的に2014年3月になって紛争防止要綱決定し、施行

以下の西日本新聞に紹介されている。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
携帯基地局設置、紛争防止へ要綱　太宰府市、４月施行

2014年03月07日
太宰府市は４月１日、「携帯電話基地局の設置に関する指導要綱」を施行する。
同市では「基地局からの電磁波が健康に影響を及ぼす恐れがある」などの声を背景に、基地局設置への反対運動があり、要綱で業者に周辺住民への事前説明を求めるなどして紛争防止を狙う。
県内で同様の要綱を持つのは大木町のみで、太宰府市が２例目。５月１日施工分から適用する。

要綱では（１）基地局設置時は近隣住民に工事概要などを説明し、施工の１４日以上前にお知らせ（表示板）を掲示（２）掲示の日までに基地局設置届を市に提出－などと事業者の努力義務を規定。
紛争調整の要請があれば市長が調整を行うが、解決の見込みがなければ打ち切る。罰則規定はない。

大木町は高さ１５メートル以上の鉄塔建設で事業者に事前説明を求めているが、太宰府市は高さ制限は設けていない。
市は「基地局の鉄柱、鉄塔は１５メートル未満が多い。紛争防止が目的なので制限を外した」としている。

市議会は２０１０年、市東部の小学校近くへの基地局計画に対する反対運動を機に「基地局設置の適正化を求める請願」を採択。
１１年に議員発議で紛争防止条例案を可決したが、市長が再議に付して廃案となった。
以来、市は、市議会の特別委員会と共に紛争防止策の検討を進めてきた。
（略）

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

 

関心のある方は、上記の新聞記事全文、大宰府市のサイトに公開されている条例の本文を読んでください。

 

 

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３０Q．小林市携帯電話基地局紛争と条例

 

１）始まり

 

以下の健康問題が提起された。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

電磁波研会報・第90号(2014.9.28発行)

（ミニニュース）宮崎県小林市の保育園などを対象にした基地局疫学調査で統計学的有意の結果

2014/11/6 2015/4/20 携帯基地局, 報道, 調査研究

 

九州大学を中心としたグループが宮崎県と鹿児島県の７保育園・幼稚園を対象にケータイ基地局についての疫学調査を行った。

健康被害の訴えがある宮崎県小林市の朋保育園も対象に含まれた。

４～５歳児の有効回答１４８人を対象とした分析結果について６月の日本臨床環境医学会で中間報告され、自宅が基地局から３００ｍ未満の児童は、３００ｍ以上の児童に比べて「ふらふらする」「胸が苦しいという」などの症状が統計学的有意に多かった。

「肩などを痛がる」のオッズ比は６.２倍、「夜中に目を覚ます」は３.０倍だった。（9月19日週刊金曜日）

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

 

２）結末；市条例制定

 

宮崎県小林市の「小林市携帯電話等中継基地局の設置又は改造に係る紛争の予防と調整に関する条例」（２０１５年４月に施行）

 

「近隣住民」は、基地局の地上からの高さの２倍に相当する距離の範囲内にある土地または建築物の所有者および居住者と規定している。

この条例は、事業者は基地局を設置または改造（形状または出力の変更）するときは、近隣住民に計画の概要を書面で説明し、近隣住民から説明会の開催を求められたときは応じるよう努めなければならないことを規定している。説明会については努力義務となっている。

紛争当事者の双方から紛争の調整の申出があったときは、市長は調整を行うことを規定している。

 

 

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３１. また見つけた確認すべき？基地局　港区六本木ヒルズ近傍

　　　作成：２００７－５－２７

たまたま別件で六本木ヒルズに行きました。　そして、テレビ朝日の本社のある前の路上で、ふと見ると、ありました。　
そこは、「六本木６－８」と住居の表示板が電信柱に取り付けられている場所です。テレビ朝日本社前、けやき坂通りと環状３号線の交差点の近隣の建物、６階建程度のマンションです。そのマンションには、合計４基もの携帯電話基地局アンテナが設置されていました。

そのマンションの奥の方に、隣接して７階建て程度で、少なくともアンテナが設置さている建物よりは、高層の建物がありました。
写真を以下に示します。
本ページに紹介している他の例と同じで、基地局亜アンテナから１ｍも離れれば、電波防護指針に定める曝露規定は満足します。
でも、アンテナから水平方向にはそれなりに強い電波が飛んでいくので、人の健康には問題がなくとも、水平方向に、１０ｍといった近距離に住居があれば、その住居にある電子機器は誤動作するおそれがあります。＜追記：2008－10－2　この4本槍のアンテナはＰＨＳ用かも知れない。もしそうならば、大きな問題にはならない。＞


　六本木ヒルズの近くで発見


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３２. 東京　ＪＲ市ヶ谷駅周辺で見つけた確認すべき？基地局　

　　　作成：２００７－６－２７

6月26日に市ヶ谷で会合がありました。会合が終わり、ＪＲ市ヶ谷駅から戻ろうとしたとき、駅前の橋の上から見たときに、以下の携帯電話基地局を見つけました。
雨が降っており、きれいにデジカメの写真はとれていません。


　カリ２

　堀に面して建てられた高層マンションの屋上に3基程度の携帯電話基地局アンテナが見える。　
同時に、隣に建設中の高層マンションがある。もしかするとこの建設中のマンションの方が、より高層かも知れない。　

　そうなれば、水平方向に発信する主ビームの電波によって、隣のマンションの住民の健康影響は、距離があるので、大丈夫であろうが、住居にある電子機器などの誤動作に心配はある。＜追記：2008－10－2　この4本槍のアンテナはＰＨＳ用かも知れない。もしそうならば、大きな問題にはならない。＞

 

かり３　

　商業ビルの屋上に建設された携帯電話基地局のアンテナ、４ｍ程度の道路を挟んだ隣には同じ程度の高さの商業ビルがある。
水平方向に発信する主ビームの電波によって、商業ビルでは、人の康影響は、水平距離が４ｍ以上もあるので、大丈夫であろうが、事務所にある電子機器などの誤動作に心配はある。

 

 

32A: 東京　ＪＲ高田馬場駅周辺で見つけた確認すべき？基地局

　作成；２００７－１０－１０

昨日、定例の趣味の月例会に参加するために、ＪＲ高田馬場駅から目白の学習院の方向に歩いていった。そこで、見つけたのが下の写真、たまたまデジカメを持っていたので撮影しました。＜追記：2008－10－2　この4本槍のアンテナはＰＨＳ用かも知れない。もしそうならば、大きな問題にはならない。＞

　カリ４　撮影：２００７－１０－９

「宝印刷」という大きな看板のある建物（建物の階数は5階建て？）の屋上に携帯電話のアンテナが設置されている。
隣接の商業ビルは6階建てと見受けられる。アンテナの水平方向にもしかして隣の商業ビルの最上階が引っかかるかも知れない。　もしかしてかろうじて屋上をかすめているのかもしれない。
アンテナと隣のビルとの距離は１０ｍ程度と目測した。
隣接の商業ビルにいる人の健康には影響は無いと思われるが、商業ビルにある電子機器が誤動作したりすることはないか？　ちょっと気になる。

追記；２００９－１－１７
上記の場所の最新の状況です。　なんと、2007年の写真では工事用の塀に囲まれていた部分に高層マンションが完成していました。 この新しいマンションの中層の階ではPHSと思われるアンテナからの電波の直射を受けます。　距離は数メートルはあるので、健康には影響は無いと思われるが、住居にある電子機器が誤動作したりすることはないか？　ちょっと気になる。

カリ６　　撮影：２００９－１－１７　

 

追記：２０１２－１０－１４
上記のアンテナが撤去されていました。　
2012年10月10日　高田馬場駅から目白駅方面に向かう途中に、気が付いたので、撮影してきました。

撮影：２０１２－１０－１０

 

 

 

 

 

32B: 東京　虎ノ門・愛宕下周辺で見つけた確認すべき？基地局

 

作成：２００９－２－１８
2009年2月18日所要で虎ノ門に出かけました。用事が終わってから新橋駅方面に向かって歩きながら、歩道から見える携帯基地局アンテナを見ました。
そして以下の2箇所で、「確認すべき」基地局を見つけました。

　かり７　　かり８

屋上のアンテナの高さと同じ高さに高層マンションの中層階があるのが見えました。
アンテナAです。　このアンテナAは、近づいてみると愛宕1丁目付近にある愛宕イーストビル（14階建て程度の商業ビル）の屋上にありました。
そして、狭い道を挟んで隣には30階建ての高層マンション「愛宕山パシフィックタワー」がありました。
アンテナAからは水平方向に強い電波を出します。その電波はマンションの中層階に当たります。
距離は３０ｍ程度はありそうなので、人の健康には影響は無いと思われるが、住居にある電子機器が誤動作したりすることはないか？　ちょっと気になる。

また、アンテナBは、ユミエール小西新橋小西ビル（10階建て程度の商業ビル）の屋上に4本エレメントのアンテナがありました。
これは多分PHSアンテナと思います。

このアンテナBの真横に、愛宕イーストビルの中層階があります。
PHSアンテナであれば、愛宕イーストビルで働く人の健康には影響は無いと思われるが、事務所にある電子機器が誤動作したりすることはないか？　ちょっと気になる。

　カリ９　虎ノ門

西新橋1丁目の交差点の近くで、アンテナを見つけました。　帰宅後にグーグルの地図で所在地を確認しました。　
このアンテナはオフィス虎ノ門１ビルの屋上に建っていると思われます。

道路を挟んで、筋向いに高層のビル（12階建て程度：虎ノ門イーストビル）のがあります。
この場合も、アンテナから強く出された水平方向への電波は、虎ノ門イーストビルの高層階に当たります。
距離は４０ｍ程度はありそうなので、イーストビルで働く人の健康には影響は無いと思われるが、事務所にある電子機器が誤動作したりすることはないか？　ちょっと気になる。

 

32C: 東京　新宿駅付近で見つけた確認すべき？基地局

作成：２００９－２－２１
所要というか買い物で新宿へ出かけ、新宿郵便局で切手を購入した。　ついでに周囲のビルの屋上に見えるアンテナを見てみた。

以下は甲州街道沿いで見つけたアンテナ、NKビル（10階建て？）の屋上に携帯電話基地局アンテナがある。
地下鉄への入り口を挟んで隣のビル（新宿東京海上日動ビル、１１階程度の高層ビル）がある。　
アンテナの水平方向に隣のビルの最上階が、距離１０ｍ程度のところにある。

距離は１０ｍ程度はありそうなので、日動ビルで働く人の健康には影響は無いと思われるが、事務所にある電子機器が誤動作したりすることはないか？　ちょっと気になる。

 

　カリ１０　甲州街道に沿って

 

以下は、新宿郵便局の前の道路から撮った写真です。見上げると、青い看板のある小田急・明治安田生命ビルの屋上に携帯電話基地局アンテナがある。
このビルに隣接して新宿郵便局がある。アンテナの水平方向に新宿郵便局の高層階がある。　アンテナとの距離は１０mはありそう。

距離は１０ｍ程度はありそうなので、新宿郵便局で働く人の健康には影響は無いと思われるが、事務所にある電子機器が誤動作したりすることはないか？　ちょっと気になる。

 

　カリ１１　新宿郵便局の前から上を見上げた

 

 

32D.　川崎市武蔵小杉駅と、東京　築地駅付近で見つけた確認すべき？基地局

作成：２００９－２－２２

２００９年２月２２日は所要があって築地に行きました。JR南武線から武蔵小杉駅で東急東横線に乗り換えて、中目黒経由地下鉄日比谷線で築地駅まで行きました。
以下は、東急東横線の武蔵小杉駅の渋谷方面の上りプラットホームから見た携帯基地局のアンテナです。
商業ビルの屋上に携帯基地局アンテナがあり、その水平方向には、超高層のマンションが見えました。
帰宅後に、グーグルの地図検索などで、これらの建物を調べました。
アンテナが設置されているビルは。駅前の小杉ビルと思われます。
後ろの高層マンションは、武蔵小杉タワープレイスのようです。　
検索した地図上で、おおよそのアンテナからマンションまでの距離を見ると、５０ｍはありそうです。
マンションの住民への健康影響は無いと思われるが、中層階の住居にある電子機器が誤動作したりすることはないか？　ちょっと気になる。

　カリ１２　武蔵小杉駅ホームから


１２時頃に築地駅に到着。聖路加病院の前で、ふとン見ると以下の写真にあるアンテナを見つけました。
予定の時間が近かったので、写真だけ撮って、帰宅後にグーグルの地図などで確認しました。
アンテナが設置されている商業ビルは。日商エレクトロニクスのビル（８階建て）のようです・
そして、左手前に茶色いマンション（７階建てでしょうか？）があり、アンテナとの距離は１０ｍほどと思われます。

さらに左手前にあるビルは、望星築地薬局の看板のあるビル（６F建てでしょうか？）と思われ、アンテナとの距離は４０ｍはあるようです・
これだけ離れていれば、左手前のマンション・商業ビルのひとには健康影響はないでしょう。　電子機器の誤動作などは、確認が必要でしょう。

　カリ１３　聖路加病院の前から

 

 

32E.　東京　JR田端駅、王子駅駅付近で見つけた確認すべき？基地局

作成：２００９－３－２

本日、所要で、山の手線田端駅乗換えでJR王子駅で降りました。　
所定の時間にちょっと余裕があったので、王子駅の駅前を散歩して、携帯基地局アンテナを見てみました。　

その1：
JR山の手線　田端駅のプラットホーム（池袋方面、北改札口の登る階段のある付近で、西方向をふと見上げると以下に示す写真にあるアンテナが見えました。
このアンテナのある建物に隣接して、同程度の高さの建物がありました。
改札を出て、それらの建物の名称などを確認する時間はありませんでしたので、確認はできていません。
帰宅後にグーグル地図で検索しましたが、建物の名所などを断定することはできませんでした。
隣接の建物は、アンテナの水平方向の面よりは幾分地上高さが低いように見えます。　距離は１０ｍはあるでしょう。　
したがって、ひとには健康影響はないでしょう。　電子機器の誤動作などは、確認が必要でしょう。　

カリ１４　田端駅プラットホームから見た写真

 

その2：王子駅前です。　茶色いビルの屋上に2基の携帯基地局アンテナがあります。　
この建物は帰宅後のグーグル地図検索によれば長岡ビルのようです。
2階にアイフルの店舗がありました。このアンテナの水平高さに、目の前に「北トピア」がありました。　
アンテナの水平方向のビームが北トピアの中層階に当たります。　距離は広い道路を挟んでおり、４０ｍはありそうです。　
したがって、北トピアの中層階で働くひとの健康影響はないでしょう。　電子機器の誤動作などは、確認が必要でしょう。　

　カリ１５　王子駅前　

 

その３：　王子駅前から少し歩いた所に北区医師会館がありました。
その屋上にはかなり電力が大きい（もしくは、単にサイズがでかいだけ）の基地局アンテナが見えました。
そして、そのアンテナの高さ以上の高層マンションと思われる建物が、王子駅側にありました。　榎屋ビルでしょうか、10階建て程度です。

間に幾つかの建物があり、アンテナから榎屋ビルまでの距離は４０ｍでしょうか。　、

したがって、榎屋ビルの高層階のひとの健康影響はないでしょう。　電子機器の誤動作などは、確認が必要でしょう。　

カリ１６　北区医師会館屋上のアンテナ

 

 

３２Ｆ．京王線下高井戸・桜上水駅付近で見つけた確認すべき？基地局

作成：２００９－３－５

２００９年３月９日、京王線で新宿へ行き、帰路、駅から見えたちょっと気になる基地局を見るべく、２箇所で途中下車しました。

その１：　下高井戸駅周辺

 

　　下高井戸駅　甲州街道沿いのマンション屋上の基地局アンテナ

 

左から古河松原マンション（白い：１４階建？）の屋上にあるアンテナＡ、右隣は三菱東京ＵＦＪ銀行下高井戸寮（白い、９階建て？）の屋上のアンテナＢ、さらに右隣はヴェルピア松原（薄い茶色、１１階建て？）マンション屋上のアンテナＣ，　左端はクリオレミントンハウス明大前マンション（茶色、１４回建て？）です。クリオレモイントンの屋上にはアンテナは見えませんでした。
さて、アンテナＡは地上高さは高く、アンテナの水平方向には建物はないので、このアンテナＡは問題はないでしょう。

アンテナＢからの水平方向の電波は、１０ｍ程度の距離にある古川松原マンションの高層階に当たるでしょう。１０ｍもあるので、健康影響は大丈夫でしょうが、住居にある電子機器への影響は確認する必要はありそうです。
アンテナＣからのｌ水平方向の電波は、５ｍ程度の距離にあるキリオレミントンハウスの高層階にあたるでしょう。５ｍはあるので、健康影響は大丈夫でしょうが、住居にある電子機器への影響は確認する必要はありそうです。

その２：　桜上水駅付近

　　桜上水駅付近　甲州街道沿いのマンション

左のプラザローヤル５マンション（うすい緑色のマンション　１４階建て？）の屋上にアンテナＡがあります。
このアンテナＡは地上高さは高く、アンテナの水平方向には建物はないので、このアンテナＡは問題はないでしょう。
左側にアコール桜上水マンション（１階にマクドナルドがある、濃い緑色　８階建て？）の屋上にもアンテナＢがあります。

アンテナＢからの水平方向の電波は、道路を挟んで２０ｍ程度の距離にあるプラザローヤル５の高層階に当たるでしょう。２０ｍもあるので、健康影響は大丈夫でしょうが、住居にある電子機器への影響は確認する必要はありそうです。

 

32G: 東京　大崎駅付近で見つけた確認すべき？基地局

記：２００９－４－１１

2009年4月11日にＪＲ大崎駅前のＯ美術館に出かけました。　その時に駅の周囲で、以下の携帯電話基地局アンテナを見つけました。

１）大崎駅南口　　大崎ニューシティ3号館日精ビル屋上に携帯基地局アンテナがありました。　3段ほどのスタックになっているようです。
このビルに通路を挟んで、より高層と思われるビル（新大崎勧業ビル）がありました。
アンテナからの水平方向の電波は、新大崎勧業ビルの高層階に当たります。　広い通路を挟んでおり、距離は２０ｍ以上あると思われるんで、健康への影響は大丈夫でしょう。　しかし、新大崎勧業ビル高層階での電子機器などの誤動作はないか、陽確認と思われます。

　　拡大図　

 

２）　大崎駅北口　　8階建でしょうか、北口にトキワビルがあり、その屋上に、少なくとも4基の携帯電話基地局アンテナがありました。
道路を挟んで真向かいにトキワ第2ビル（8階建）が新築中でした。
トキワビルの4基のうちの低い位置にある2基の水平方向に、トキワ第2ビルの高層階があります。
広い道路を挟んでおり、距離は２０ｍ以上ありそうなので、健康影響は大丈夫でしょう、しかし、第2トキワビルが完成した暁に電子機器の誤動作がないことを確認すべきでしょう。　

　トキワビル屋上の4基のアンテナ

 

 

 

32H．東急・池尻大橋駅の近くにあった確認すべき携帯基地局

記：２００９－８－２２

 

2009年8月22日　研究会があり、池尻大橋駅から東邦病院に行きました。
　研究会の終了後、国道246号に沿って渋谷駅に向かうと、氷川神社の近くにちょっと気になる基地局のアンテナが見えました。
　氷川神社の境内から撮った写真です。

 

　

左は高層マンション「ソリッド大橋」です。　
氷川神社の参詣の階段を挟んで、右側にはビル名がわからない商業ビル（1階に早稲田アカデミー　マイスタ池尻大橋校が入っています。目黒区大橋2丁目16番地）があります。
この商業ビルの屋上に携帯基地局アンテナがあります。
携帯基地局アンテナの水平方向にマンション「ソリッド大橋」があり、アンテナからの電波は、マンションの中高層階に直接当たります。
距離は30ｍはあるでしょう、ヒトの健康影響は大丈夫でしょう、しかし、マンション中高層階での電子機器の誤動作がないことを確認すべきでしょう。　


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３３．ドイツでの基地局に関する疫学　2004年

 

　　　作成：２００７－８－２６　

タイトル：The influence of Being Physically Near to Cell Phone Transmission Mast on the Incidence of Cancer
携帯電話基地局の近傍に住む人への癌への影響
研究者：Horst Eager et al;
掲載誌：Umbellt-Medezon-Gasellshaft 17.4.2004

概要
ドイツ連邦放射線防護庁のウォルフラム・ケーニッヒ長官が行った携帯電話電磁界によるリスク評価に協力して欲しいとの医師達への呼びかけに答えて、我々は携帯電話基地局アンテナの近傍に住んでいる人々に癌のリスクが高くなるかどうかを調査した。

この調査で使用された基本データは、1994年から2004年の間の患者の病歴記録ファイルである。
データの秘密保持に留意しながら、この研究ではほぼ1000人の患者の個人データを評価した。
この研究は外部の資金援助なしに行われた。継続した記録をとりながら、この研究は続けられている。

この研究の結果は次の通りである。携帯電話基地局アンテナサイトから遠く離れた所に住んでいる人々に比べると、1993年から稼働していた無線アンテナ基地局サイトから400mまでの距離の場所に過去10年間住んでいた人々の間では、新規にガンと診断された症例の割合が著しく高かった。そして、それらの患者は平均して8年は早く病気にかかっていた。

無線アンテナに近接した地域の住民とその外側のナアイラ地区の住民とを比較すると、無線塔設備が稼働開始した後の、5年後である1999年から2004年においては、近傍に住む住民でガンになった相対リスクは3倍であった。

関心のある方はこの論文の原文全文を入手して読んでください。

ＢＥＭＳＪのコメント：
携帯電話の基地局からの電波の強さは、圏外になるサービスエリア外を除けば、おおむねサービスエリア内は一定である。したがって基地局に近い、遠いでは厳格な研究にはならない。
対照群としては、携帯電話の圏外となる領域に住む住民を選択したのであろうか？？？もしアンテナの近く、遠いで曝露群・対照群を選択しているとすれば、この研究結果は？？となる。

追記：　２００７－１０－１０
この「ドイツでの基地局に関する疫学」は、以下に示すオランダ保健協議会によって、かなり辛らつに評価されています。

文書のタイトル：Ｅｌｅｃｔｒｏmagnetic Fields: Annual Update 2005
発行元：Ｈｅａｌｔｈ　Ｃｏｕｃｕｌ　ｏｆ　ｔｈｅ　Ｎｅｄｅｒｌａｎｄｓ

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　　　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　　　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
4.1 ドイツのナイラにおける結果
評価を行う第一番目の研究はドイツの町ナイラで行われたものである。
この研究結果は査読付き科学雑誌には掲載されていない。
本委員会では通常はこうした査読付き学術雑誌に掲載されていない記事や解説に関しては言及もしないし、また論議も行わないことを3.2章で示してある。
しかしながら、この研究に関しては例外として扱う。
なぜならば、この研究はメディアで広く広まっており、GSM携帯電話基地局の近傍に住むことが健康に危険であると主張する論拠として、しばしば引用されるからである。

この研究はナイラの5名の一般開業医によって行われた
一般開業医は1994年から2004年の期間の健康保険で取り扱った診療に関する自分達の患者の記録を使用した。
1993年に運用開始となった携帯電話基地局から400m以内に住む住民の間で、新規にガンと診断された患者数と、400m以遠に住む住民における患者数を比較した。
全観察期間を通して同じ場所に住んでいた患者だけを研究対象にした。
しかし、観察機関の意味が厳格に示されていない、調査期間は1994～2004年とされるが、観察期間がその全体なのか、1994年からガンの診断までなのか、ガンの診断から2004年までなのか不明である。

データとして性、年齢、ガンの種類、診断期日が収集された。
両群では平均年齢はほぼ等しく、60歳以上の年齢層の占める割合もほぼ等しかった。
研究者らは送信施設から400m以内（内部エリア）では、それ以遠（外部エリア）と比較して、ガンを発症する年齢が低くなっているとしている。
この研究では、両群の年齢構成や社会経済的状態に関する解析が欠けている。
それらのデータはガンの研究には不可欠のものである。
なぜならば、喫煙や職業との関連など他のリスク因子にどのように曝されているかを示すからである。

この種の相関を求める研究手法は、リスク因子に関する詳細な情報が欠落するという重大な限界がある。
又、このデータを分析するに当たり、患者の年齢及び性別について調整を加えたか否かが明らかにされていない。
と言うのは年齢により、性別により、また一般にはガンの種類によって罹患率が異なるので、得られたオッズ比などに調整を加える必要になるからである。

更に注目すべきは、400m以内の内部エリアでは比較対象地域に比べガン罹患率が高いことである。
外部エリアでは比較対象地域より実際に低くなっている。
内部エリアと外部エリア間の直接比較は、参照領域との比較に比べて、大きく条件が異なっていることがわかる。
統計的に有意差があるか否かの検定もされていない。
比較対象地域は実際には連邦州の一つのザールランド州であり、この州はドイツの西側に位置する。
一方、ナイラはドイツの東側に位置するババリア州に属しており、ザールランド州とババリア州におけるガン罹患率に差異はないと見なせるか否かという疑問が残る。

さらに、どのようにデータを収集したのか不明である。
参加した一般開業医の実データから情報を収集して、研究対象として代表できるサンプルであるといえるとした方法に関しては疑問があり、もしかすれば、何らかの選択があった可能性がある。
例えば、400m以内の領域には大規模な退職者向け住居があるが、この入所者は調査対象とされていない。

更なる問題点は、送信施設からの距離は、送信施設から発信される電磁界の曝露の適切な指標とはならないという事実である（高い指向性をもつ携帯電話のアンテナの場合は明らかに適切ではない）。
さらに、1997年にナイヤで運用開始した第2アンテナのことがこの研究では考慮されていない。
2つのアンテナから400m以内のエリアは部分的に重なっている。
これは、一つのアンテナだけを念頭に置いた場合に比べて、住民の曝露をより複雑にしている（時間と空間の両方の観点からみても）。
こうしたことから、曝露データの欠如はより大きな問題となる。

これらの欠陥により、この調査論文から何らかの結論を導き出すことは不可能である。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　　　　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　　　　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

関心のある方は、このオランダの報告書の原文全文を入手して、読んでください。

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３4. 東京　地下鉄東西線東陽町駅付近で見つけた確認すべき？基地局　

　　　作成：２００７－９－１　　　追記：２００９－１－１７

　　8月30日、所要があって、東陽町へ行きました。　用事が終わってから、駅周辺を散歩しながら、ビルの屋上にある携帯電話基地局のアンテナを見て回りました。
そして、例によって、人の健康には影響しないであろうが、電子機器などの誤動作のおそれがあるような設置状況を見つけてしまいました。

１）　東陽町２丁目２－３（？）付近にある東陽タウンセンタービル（４－５FにNHK文化センターがあるビル）の屋上に設置されたアンテナです。　下図に示します。
この携帯電話のアンテナは道路からみて一番奥の方に設置されえいます。　そしてこのビルの奥はファミリータウン東陽というマンション群に接しています。帰宅後にグーグルの地図で検索してみると、マンションとの距離は２０ｍ、３０ｍ以上あるので、人の健康には影響は無いでしょう。でも、このアンテナの主ビーム方向（ほぼ水平？）には強く電波を発信するので、近接するファミリータウン東陽の高層階の住居では、電子機器の誤動作があるかも知れません。
このアンテナはPHS用かもしれません。もし、PHS用なら問題はないのかも知れません。

撮影：２００７－９－１　　（２００９－１－１７　変化はないことを確認）

屋上に携帯電話基地局アンテナ　　逆光になっていてはっきりと写ってはいないが、2基のアンテナが屋上に見える。

２）東陽町２丁目３－６（？）の近くにあるホテル「ルートイン」の屋上に携帯電話基地局アンテナが設置。
このルーとインに隣接して、11階建て（？）のマンション　東陽サニーハイツがある。　マンションの建物との距離は２０ｍ程度と思われる。このケースではアンテナの地上高がサニーハイツの最上階より高い位置にあると思われる。　このケースでは問題はないでしょう。

ホテル　ルートインの屋上に基地局のアンテナ　　撮影：２００７－９－１　　（２００９－１－１７　変化はないことを確認）

３）東陽橋の先に見えたオフィスビル屋上の携帯基地局アンテナ
橋を渡ってこのビルの前までは行かなかったので、住所はわかりません。　帰宅後にグーグルの地図で調べるとアンテナが設置されているビルは相互ビル、隣接のマンションは「都営塩浜2丁目アパート」のようです。　この場合も、アンテナから人の住むマンションまでは２０ｍ、３０ｍ程度の距離があるので、健康への影響はないと考えますが、主ビーム方向の強い電波が、隣のマンションの中間階の住居部分に当たります。　電子機器などの誤動作が無ければよいと思います。

　　

撮影：２００７－９－１　

塩浜の相互ビルの屋上の携帯電話基地局アンテナ　　主ビームが隣接のマンションの中間階に当たる。　テレビ受信アンテナなども設置。

 

　

　撮影：２００９－１－１７　

　屋上の右手にあるアンテナは変わらず、　左手手前にあったアンテナはなくなり。左手の奥に一基設置。　この状態でも隣のアパートとの関係は変わらない。今回は東陽橋を渡って、アパートの前まで歩いていきました。

これらのアンテナは、PHS用かもしれません。もし、PHS用なら問題はないのかも知れません。

 

３4A. 東京　地下鉄東西線東陽町駅付近で見つけた確認すべき？基地局　その2

　　　作成：２００９－１－１７

2009年1月17日、医療電磁環境関係の研究会に出席の為に、東陽町に行きました。
研究会開始の時間まで1時間もありましたので、付近を歩いてみました。
この地域は多くのマンションがあり、携帯電話の使用者も多いのでしょう、路上から見るだけでも、かなりの携帯電話基地局のアンテナが見えます。
その中で、気になったアンテナを以下に記します。

駅のすぐ側にあったNTT東日本の江東タワーとでも言うのでしょうか、このタワーのアンテナは地上高の高い場所にあり、周囲のマンション群の間にあるとはいえ、マンション群より高い場所にあるので、問題はないでしょう。

　

NTT東日本の江東タワー（？）


江東区文化センターの屋上に携帯基地局がありました。　7階建て程度のビルの屋上にアンテナがあります。
このアンテナに対して、道路を隔てて東陽町ハイホームという11階建て程度のマンションがあります。水平距離にして２０ｍから３０ｍでしょうか。
これだけの水平距離があるので、マンションの高層階の住居における健康影響は大丈夫でしょうが、電子機器などの誤動作がないか、ちょっと心配です。

 

　　

 

 

３4B. 東京　地下鉄東西線東陽町駅付近で見つけた確認すべき？基地局　その３

記：２００９－４－２２

2009年4月22日　東陽町で用事があり出かけました。
東陽町の駅の近くで昼食後、約束の時間までちょっと時間がありました。駅前を散歩し、以下の携帯基地局アンテナを見つけました。

四目透りに面して、小林ビル（９階建て商業ビル？）の上に基地局アンテナが3基ありました。
この小林ビルに狭い道路を挟んで、東陽町信栄ビル（10階建ての商業ビル？）がありました。
さらに隣接して超高層マンション（東陽町セントラルタワー）がありました。
アンテナの水平方向に、これら東陽町信栄ビルの高層階・東陽町セントラルタワーの中層階があります。
距離は少なくとも１０ｍ以上はあるので、人の健康影響は大丈夫でしょうが、電子機器などの誤動作がないか、要確認と思われます・

 



３4C. 東京　JR目白駅付近で見つけた確認すべき？基地局　

　　　作成：２００９－１－１７

目白には切手の博物館があるので、しばしばJR目白駅で降ります。　本日、ふと駅前広場から見上げると、携帯電話基地局のアンテナが見えました。
アンテナは、目白東洋ビルでしょうか、8階だて程度の商業ビルで、三菱UFJ銀行などが入っています。　このビルの屋上に携帯基地局のアンテナがありました。
そして、近接して、高層マンション（グランアビデ目白ステーションフロント　でしょうか、14階建て程度のマンション）が、あります。　携帯基地局のアンテナと同じ高さにこのマンションの高層階はあります。　水平距離は２０ｍから３０ｍはありえそうです。　健康影響は大丈夫でしょうが、電子機器などの誤動作はないか・・・・・ちょっと心配です。

 

またこのマンションの間の前に、目白コトブキビルしょうか、このビルの屋上にもアンテナがあります。8本のエレメントが見えることから、PHSアンテナではないかと思います。　PHSであれば、問題はないのでしょう。

　　

 

 

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３５. 秋田市駅前付近で見つけた確認すべき？基地局

　　作成：２００８－３－１８


2008年3月15日から16日にかけて、秋田に行ってきました。
駅前にあるホテルメトロポリタン秋田を見ると、ちょっと気になる位置に携帯電話基地局のアンテナがあります。
ホテルは低層部分は4階程度のビルです。　中央部は高層となり、客室部分となっている模様です。
低層階部分の屋上に基地局のアンテナがあり、水平に１０ｍ程度（厳密な確認はできていません）でしょうか、離れた場所には客室があります。
したがって、携帯電話基地局アンテナから水平方向に強く発信された電波は、客室に届きます。距離はあるので、健康への影響はないといえるでしょう。
でも、客室にある電子機器などの誤動作はないのでしょうか？　ちょっと心配です。＜追記：2008－10－2　この4本槍のアンテナはＰＨＳ用かも知れない。もしそうならば、大きな問題にはならない。＞


　　

　写真　アンテナ部分は背景のビルの色と類似のためみ難いので、画像処理で強調加工してあります。

 

３5A. 東京　地下鉄有楽町線辰巳駅付近で見つけた確認すべき？基地局　

追記：２００８－４－２８

所用で辰巳駅に行きました。　また携帯電話の基地局アンテナで確認すべき局を見つけました。
日本赤十字社の前そして、Wowwowのアンテナの前を通って東に歩いていたとき、辰巳港湾住宅（7階建て程度の住宅群）の屋上に携帯電話基地局のアンテナが見えました。　そしてその隣は、最近（2008年1月末）に竣工したばかりとされる賃貸マンション「パークアクシス　辰巳ステージ」（地上13階だて）でした。携帯電話のアンテナの水平方向に新築のマンションがあります。アンテナと新築のマンションとの間は、３０ｍ程度はありそうでした。
マンションにすむ住民の健康への影響はないでしょうが、マンションでの電子機器の誤動作がないことを確認する必要がありそうです。
＜追記：2008－10－2　この4本槍のアンテナはＰＨＳ用かも知れない。もしそうならば、大きな問題にはならない。＞

　　アンテナの部分は画像加工で強調してあります。

 

３5B. 東京　地下鉄銀座線外苑前駅付近で見つけた確認すべき？基地局　

追記：２００８－５－８

 

道を歩きながら、周囲のビルの屋上に建設された携帯電話基地局のアンテナを見ると、結構、確認すべきケースがありますね。
以下は、所用で外苑前駅で降りて、青山通りを歩いていた時に、見つけたケースです。
＜追記：2008－10－2　この4本槍のアンテナはＰＨＳ用かも知れない。もしそうならば、大きな問題にはならない。＞


　　アンテナの部分は画像加工で強調してあります。

 

青山通りに面する商業ビルの真後ろに隣接して、さらに高層のビルが建っている。　アンテナと後ろのビルとの距離は１０ｍや２０ｍはありそう。
したがって、高層ビルの人の健康には影響は無いであろう。　しかし、電子機器の誤動作などはないことを確認する必要があるかもしれない。
＜追記：2008－10－2　この4本槍のアンテナはＰＨＳ用かも知れない。もしそうならば、大きな問題にはならない。＞

　　アンテナの部分は画像加工で強調してあります。

 これも同じ、青山通りに面する商業ビルの真後ろに隣接して、さらに高層のビル（ビルにはCSKという大きな表示が見える）が建っている。
　アンテナと後ろのビルとの距離は１０ｍや２０ｍはありそう。　　したがって、高層ビルの人の健康には影響は無いであろう。
　しかし、電子機器の誤動作などはないことを確認する必要があるかもしれない。


３5C 東京　有楽町前駅で見つけた確認すべき？基地局　その１

追記：２００８－５－２２

先日、有楽町駅前にある有楽町電気ビル（20階建に行きました。　　11階のフロアの窓から外を見ると、隣のビル（有楽町ビル、11階建て？）の屋上にある携帯電話基地局のアンテナが見えました。
有楽町電気ビルの14階あたりが、アンテナの水平面（電波のもっとも強い面）にあたりそうです。　アンテナと電気ビルの距離は道路を挟んでおり、１０ｍや２０ｍはあるでしょう。　したがって、電気ビルの事務所での勤務者の健康への影響は無いでしょう。　でもそうした事務所の電子機器が誤動作しないことは、確認されているのでしょうか？＜追記：2008－10－2　この4本槍のアンテナはＰＨＳ用かも知れない。もしそうならば、大きな問題にはならない。＞


　　　屋上のアンテナの部分は画像処理で加工、強調してあります。

 

 

３5D 東京　一ツ橋の学士会館の屋上に見つけた確認すべき？基地局　


追記：２００８－５－２６

5月25日の午後、学士会館で開催された会合に参加しました、　その帰路、ふと学士会館を見上げると、屋上に2基の携帯電話の基地局アンテナがありました。
そして、その隣には、道路を挟んで、学士会館より数階は高層のビルがありました。
学士会館の屋上のアンテナからの水平方向の電波がこの高層ビルにあたります。 道路の幅などを見れば、２０ｍ程度以上の距離はあるのでしょうから、健康への影響は無いでしょう。　でもこの隣のビルで、電子機器が誤動作しないことは、確認されているのでしょうか？
＜追記：2008－10－2　この4本槍のアンテナはＰＨＳ用かも知れない。もしそうならば、大きな問題にはならない。＞


　曇天で暗い画像です。　アンテナは画像処理で強調加工　


追記：　２００９－６－７

およそ1年ぶりに学士会館に行きました。　予定の時間に少し余裕がありました。　神保町の交差点から学士会館に行く途中に、ちょっと気になる携帯電話基地局アンテナを見つけました。

　

　アンテナの方向にちょうど太陽があり、アンテナがよく見えません。

交差点に隣接する第1富士ビル（8階建？の商業ビル）の上に8本エレメントのPHS基地局のアンテナと思われるものが設置されています。
このPHSらしきアンテナに近接して、２ｍ程度の距離はありそうですが、隣によ高層の岩波ホールの建物があります。
このアンテナがPHS用だとすれば、岩波ホールの中層階での人の健康への影響は大丈夫でしょう。　でも、電子機器の誤動作などがないか？要確認でしょう。

 

　　　　　　

　　　救世軍本部のあるビル（9階建て？）の屋上に携帯電話に基地局アンテナが設置されています。
その隣には、５ｍ程度の道路を挟んで、集英社のビル（10階建て？）があります。
基地局アンテナの水平方向に、近接して高層階があります。

　　　距離は5mは有るので、集英社のビルの高層階で勤務する人の健康には影響はないでしょう。　でも、電子機器などへの影響はないか、様確認でしょう。


 

３5Ｅ 東京　ＪＲ中央線荻窪駅周辺で見つけた確認すべき？基地局　

 

記：２００８－１０－１
所要があって、ＪＲ中央線荻窪駅に下りました。そして、以下の基地局を見つけました。

その１：荻窪駅北口のあるタウンセブンという駅ビル（？）の屋上遊園地の周辺の基地局

７階建ての商業ビルで屋上が買い物客の幼児用の遊園地になっていました。
　この遊園地の周りを見ると、携帯電話基地局がたくさんあります。
合計４基の携帯電話基地局アンテナを確認しました。
これら４基はともに、屋上の床面から見て８ｍとか１０ｍ程度の高さにアンテナがありました。
これだけの高さがあれば、たぶん４基のアンテナの合算を求めても、電波防護指針に合致するでしょう。
以下にもっとも大きなアンテナとして、非常時は通れる通路で繋がっている隣の荻窪ルミネビル屋上に建設されたアンテナの写真を示します。

 

大きいが、高さが高いので多分ＯＫと思われるルミネビル屋上のアンテナ

しかし、よく見るともう１基ありました。
道路を隔てた北側の隣のビル（７階建て程度）の屋上に基地局アンテナが見えます。
隣のビルとの距離は２０ｍはありそうですが、遊園地とほぼ同じか１ｍか２ｍ程度高いだけで、水平方向に強く電波を出す、という携帯電話基地局アンテナの特性から、

果たして、大丈夫かと、ふと疑問に思いました。
２０ｍも離れているので、電波防護指針には適合しているのでしょう。
遊園地に電子機器を持ち込む人はいないでしょうが、孫を連れたペースメーカを着用した老人が屋上に来たときでも、ペースメーカの誤動作はないといえるのでしょうか？　確認が必要な場所と思いました。

 

＜追記：2008－10－2　この4本槍のアンテナはＰＨＳ用かも知れない。もしそうならば、大きな問題にはならない。＞

 

その２：ＪＲ荻窪駅南口を線路に沿って歩きました。　そして以下の状況を見つけました。

 

　

３階建てのビルに隣接して、より高層の商業ビルがある。　アンテナと隣接の商業ビルとの距離は４ｍか５ｍ程度。
健康影響はないでしょうが、電子機器の誤動作などが心配です。
＜追記：2008－10－2　この4本槍のアンテナはＰＨＳ用かも知れない。もしそうならば、大きな問題にはならない。＞


その３：Ｒ荻窪駅南口を線路に沿ってさらに歩きました。　そして以下の状況を見つけました。

５階建ての商業ビルの屋上に携帯基地局アンテナがあり、隣接して、１５ｍほどの距離で、９階か１０階立ての高層マンション（シェモア荻窪参番館）がある。
ここも健康影響はないだろうが、マンションの高層階の住居で、電子機器の誤動作などはないだろうか？
＜追記：2008－10－2　この4本槍のアンテナはＰＨＳ用かも知れない。もしそうならば、大きな問題にはならない。＞

その４：Ｒ荻窪駅南口を線路に沿ってさらに歩きました。　そしてまたも以下の状況を見つけました。

 

学習塾などがいっている８Ｆ建てのビルの屋上にある携帯電話基地局アンテナです。
その隣は建設中のマンション（グランフラッツ荻窪）です。看板を見ると現在９階の工事を行っており、最終的なこのマンションの階数は１１階となっています。
アンテナの位置と同じ高さにマンションの高層階があります。
アンテナとの距離は、２０ｍ程度はありそうなので、健康影響は大丈夫でしょうが、高層階の住居における電子機器の誤動作がないか、不安です。
＜追記：2008－10－2　この4本槍のアンテナはＰＨＳ用かも知れない。もしそうならば、大きな問題にはならない。＞


３5F 東京　小田急代々木上原駅上り線プラットホームで見つけた確認すべき？基地局　


記：２００８－１０－１１　

2008年10月8日　所要があり小田急経由で都内に地下鉄で行きました。　久しぶりの小田急乗車でした。
代々木上原駅で地下鉄千代田線に乗り換えるとき、プラットホームからふと見ると、上り線プラットホームの新宿より端の極近傍に携帯電話基地局アンテナが見えました。

一本　載る電車を遅らせて、写真を撮りました。　以下に示します。

アンテナは、プラットホームからみて６ｍくらい高いところにあり、帰宅後にグーグル地図検索で、このアンテナのあるミタニビルとプラットホームとの水平距離は２０ｍ程度はあることが確認できました。
プラットホームに多くの乗客がいても、このアンテナからの電波は、当然のこととして、総務省の電波暴露基準には合致していでしょう。
アンテナからの電波出力にもよるのでしょうが、電子機器への影響などは大丈夫か?　ちょっと気になる近さにあるアンテナです。

 

 

　代々木上原駅プラットホームから見えた基地局アンテナ

 

 

３5G 東京　九段下周辺で見つけた確認すべき？基地局　　　記：２００８－１０－１１　

 

所要で九段下に行き、５時以降に帰ろう思った時、ふと見ると携帯基地局群が見えました。
そこで、靖国神社方向に歩いていき、以下の確認を行いました。
靖国通りから内堀通りに入った場所、内堀通りからトヨタレンタリース東京九段下店のある場所の奥の９階建て程度の高層ビル（付近にあった街路案内図によればBCプラザ？）の屋上に携帯電話基地局アがンテナ多数あります。これをA群とB群とします。
A群のアンテナに近接して、これも高層ビルがあります。青葉第１ビルでしょうか。

A群のアンテナは青葉第１ビルの高さよりは４m程度（？）以上高い場所にあり、水平距離も２０ｍ程度（？）はあるので、電波による健康影響は大丈夫でしょうが、青葉第１ビルの高層階では、電子機器の誤動作がないか・・・・　ちょっと要確認です。
B群のアンテナに近接して、青葉ビル別館でしょうか、より高層のビルが隣接しています。
B群のアンテナからの電波で、青葉ビル別館の高層階での電子機器の誤動作は大丈夫でしょうかか・・・・・・・ちょっと　これも要確認です。

青葉ビル別館の屋上にはC群のアンテナが見えます。
このC群の高さは高く、周囲に同じ高さ程度以上のビルはないので、このC群のアンテナによる影響はないでしょう。

A
 

B
 
　　　　　　　

　　

B
 

C
 

A
 
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

 



３5H　川崎市　JR南武線稲田堤駅前で見つけた確認すべき？基地局　　　記：２００８－１０－２３　


上を向いて歩いていると良く見つけるようになります。

以下はJR南武線改札口のまん前にあるビル（グーグルの地図検索では下里ビル）の屋上に8本の角上のアンテナがあります。
その同じ高さに多分このビルのオーナの居住空間と思われる建屋があります。
アンテナから数ｍの水平距離（　このアンテナはPHSアンテナかもしれません。もしそうであれば程度は軽いのですが、）で、電子機器などへの影響はないのでしょうか？

さらに、隣接して、ほぼ同じ高さによこはたビルがあります。
このよこはたビルの屋上は物干しなどが見え、明らかに居住空間です。
アンテナから水平に１０ｍ程度の距離です。　防護指針には当然合致し、健康への影響は大丈夫でしょうが、電子機器などへの影響は大丈夫か。、心配です。


　　アンテナの部分は画像加工で強調してあります。

 

 

３5I　池袋付近で見つけた確認すべき？基地局

記：２００８－１１－３

その１：池袋駅前の大通りから見えたアンテナ　多数の角状の素子からなるので、PHS用かも知れない。そうなれば大きな問題ではないと思われる。
しかし、アンテナの指向方向に、真横に、１ｍ程度に近接して隣のより高層のビルがある。　健康への影響は大丈夫としても、高層ビルの中で電子機器の誤動作はないか?　ちょっと心配である。
アンテナが設置されている建物は、池袋東口にあるキンカ堂本館、隣のより高層ビルは、ＴｈｅSHone（商業ビル）である。

　　 2008年11月の撮影



追記；２０１０－１１－１４　サンシャイン文化会館での展示会に行くために。池袋駅で降りました。
そして、文化会館に向かう途中、ふと見上げると、以前みた基地局が撤去されたのか、なくなっていました。
その写真を以下に示します。

 

　 2010-11-14 撮影　アンテナが撤去されている。



その2：池袋のサンシャインシティに入る前に、道路の反対側のビル群の屋上にあった多数の角状の素子からなるアンテナ、これもPHS用かも知れない。
そうなれば大きな問題ではないと思われる。
しかし、アンテナの指向方向に、真横に、１ｍ程度に近接して隣に同程度の高さの高層のビルがある。　
健康への影響は大丈夫としても、隣の高層ビルの高層階で電子機器の誤動作はないか?　ちょっと心配である。

　　

 

 

３5J　新宿南口駅付近で見つけた確認すべき？基地局

記：２００８－１１－１９

新宿駅の南口で見つけた例です。
その1：新宿駅南口の甲州街道から、サザンテラスの方向を見た時に、大きなオリンパスの看板のあるビル（JR新宿ビルでしょうか？）屋上に携帯電話基地局アンテナ2基を見つけました。
隣により高層なビル（R東日本の本社ビルでしょうか？）があります。
携帯電話基地局アンテナは水平方向により強く電波を発信します。
JR新宿ビル屋上のアンテナと同じ高さにある中層階とは１０ｍ程度以上は離れているので、健康影響は大丈夫でしょうが、電子機器などの誤動作はないのでしょうか？

 

その2：さらに隣のビルびは8本のエレメントからなるアンテナがみえました。　これはPHSのアンテナでしょうか？
トヨタレンタリースの看板のあるビルの屋上にあります。このビルは東京南新宿ビルでしょうか？
このアンテナの水平方向にJR新宿ビルとビル名は確認できませんが、商業ビルがあります。　
もしこのアンテナがPHS用であれば、１０ｍ程度の距離はありそうなので、両隣のビルでの電子機器への影響は大丈夫でしょう。

 

 

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３5K　小田急　登戸駅プラットホームで見つけた確認すべき？基地局


記：２００８－１２－１２　　　

所要があり、登戸経由で小田急を利用、新宿へ向かう電車に乗ろうとして、ふと見ると携帯電話基地局アンテナが見えた。
下り線ホームの最新宿よりに近接して「プロムナード多摩川コープ」の看板の見えるビルがあり、その屋上に8本エレメントからなるアンテナがある。　
プラットホームとはほぼ同じ高さにあり、距離も近い。

それでも１０ｍか15ｍは距離がありそうである。　このアンテナはＰＨＳアンテナかもしれない。
ＰＨＳアンテナであれば、健康影響は問題ないと思うが、プラットホームの端における電波の最大値はどの程度か？　確認する必要がありそうである。


　

 

 

３5L　京王線明大前駅付近で見つけた確認すべき？基地局　2例


記：２００８－１２－２４

2008年12月22日　所要で京王線明大前駅で降りました。

その1：　明大の校舎のある道、首都高速4号新宿線があります。　この道に沿って歩いて以下の例を見つけました。
右側の商業ビル（1階にはファミリーマートがある）の屋上に携帯電話のアンテナがあります。
そして、その隣には東建ビル（商業ビル？）があります。　携帯電話基地局アンテナの地上高と同じ高さに、水平距離は１５ｍ程度でしょうか、東建ビルの高層階部分があります。
１５ｍも距離があるので、健康への影響は大丈夫でしょう。　でも、東建ビルの高層階部分では電子機器などの誤動作はないのでしょうか？

　　

写真３５L－１：道路上からの写真　全体像は撮れませんでした。

 

その2：　明大前駅の改札口からふと見ると携帯電話基地局のアンテナが見え、その地上高と同じ高さと見られる隣接したビルが見えました。
時間があったので、確認してみました。
近づいて見えた写真を写真３５Ｊ－２に示します。　多数のビルがあって道路からはアンテナの部分しか見えません。

写真３５L－２：　信和不動産という看板のあるビルの屋上に携帯電話アンテナが見える。

 

近づいてみましたが、高層のビル（商業ビル、マンション）の為に、道路上からは詳細は確認できません。　
アンテナが建っていると見られるビルは、首都高速4号新宿線に沿った道にあるビルで、アゼリア明大前の建物であろうと思われます。
そして、アンテナの地上高と同じ高さに、水平距離で１５ｍ程度離れて明大前グランツハイツがありました。
この場合も、１５ｍも距離があるので、健康への影響は大丈夫でしょう。　でも、明大前グランツハイツの高層階部分では電子機器などの誤動作はないのでしょうか？

自宅に戻り、グーグルの地図、航空写真を見て、アンテナと１５ｍ程度の距離にあるマンションを確認しました。 それを写真３５Ｊ－３に示します。

　

写真３５L－３　航空写真から抜粋　

 

 

３5M 東京　有楽町前駅で見つけた確認すべき？基地局　その２


追記：２００９－２－２

2009年2月2日　所要で有楽町へ、　午後の会議が早く終わったので、有楽町駅の周辺を、上を向いて、屋上のアンテナ群を見てまわりました。
さすがに多くの携帯電話のユーザがおり、その需要にあわせてでしょうが、かなりのアンテナを見ました。

　写真　３５M-1

東宝の看板の見えるビルの屋上に基地局アンテナ（アンテナ1）が見えます。　
アンテナ1の同じ高さで水平方向に、その隣のビルには読売新聞社の看板が見えるビルがあります。
５ｍ以上の距離があると思うので、健康影響は大丈夫でしょうが、ビル高層階での電子機器の誤動作は？　ちょっと要確認ではないでしょうか。

　写真　３５M-2

読売新聞の看板のあるビルの屋上に基地局アンテナ（アンテナ2）が見えます。
アンテナ2と同じ高さで水平方向に、近接してOIOIのショッピングビルがあります。
この間の距離は１００ｍ近くあるのではないでしょうか、健康影響も電子機器への影響も多分　大丈夫でしょう。　
発信電力は？　大きければ要確認でしょう。

 

　写真　３５M-3

高速道路を挟んだ道路から、交通会館の屋上にある基地局アンテナ（アンテナ3）が見えました。　
このアンテナ３と同じ高さで水平方向に０１０１のショッピングビルがあります。
この距離も５０ｍはあるでしょうから、健康影響も電子機器への影響も多分　大丈夫でしょう。
発信電力は？　大きければ要確認でしょう。

 

　写真３５M-6　駅の近くからの遠望

 

　写真３５M-7　建物に近接して

有楽町駅から、少し歩きました。　八重洲ふじやホテルの屋上に携帯基地局アンテナ（アンテナ4）が見えます。　
またその隣の東洋紡ビルの屋上にも基地局アンテナ（アンテナ5）が見えます。
これらアンテナ４と５と同じ高さで水平方向に、道路を挟んだ斜め前にパシフィックセンチュリーグループのビルがあります。
センチュリービルの高層階には、これらアンテナ４と５の電波（水平方向の指向性）が当たります。
距離は１００ｍ程度はありそうなので、健康影響も電子機器への影響も多分　大丈夫でしょう。　発信電力は？　大きければ要確認でしょう。

 

 

３5N 東京　JR田町駅前で見つけた確認すべき？基地局


作成：　２００９－２－４

２００９年２月３日　所要でJR田町駅に下りました。そして目的地の区立港勤労福祉会館の向かう途中で、以下の３件のアンテナを見つけました。

　写真３５N-1　　　拡大写真

JR田町駅で下車、改札口を出て、森永ビルの前の広場（？）からふと見ると、１２階建て程度の商業ビルの屋上に携帯基地局アンテナがみえました。　
写真３５N－１ではアンテナは小さくてよく見えません。
駅前の国道を挟んで、手前にみずほ銀行などの入った１６階程度の商業ビルがあります。アンテナと同じ高さの水平方向にこの商業ビルがあります。
道路は広いので、アンテナからこのビルまでの距離は４０ｍはあるかもしれません。
健康影響も電子機器への影響も多分　大丈夫でしょう。　発信電力は？　大きければ要確認でしょう。

　かり２３　写真３５N-2

森永ビルとJR田町駅改札口の間から、JR山の手線の線路の向こう側に見えたアンテナです。
リーブラという看板の見えるビル（後で調べると区立男女平等参画センター）の隣のビル（磯会館）の上に携帯基地局アンテナがあります。
その右となりに、より高層のビル（住友不動産田町駅前ビル）があります。
このアンテナと隣接のより高層ビルとの距離は１０ｍ程度ではないでしょうか？
健康影響は多分　大丈夫でしょう。でも住友不動産田町駅前ビルの高層階では電子機器への影響は大丈夫でしょうか？要確認でしょう。

カリ２１　写真３５N－３　

かり２０　拡大写真

区立港勤労福祉会館での会合ガ終わって、横断歩道の前で、道路の向こうにアンテナを見つけました。
サカイビルの屋上にある４本角のアンテナです。　多分、PHS用と思います。
アンテナ２基がありますが、その内の１基は隣のより高層のビル（三田ビルでしょうか）の高層階と隣接しています。
屋上に上がったりしての確認は行いませんでしたが、隣のビルとの距離は数ｍ程度ではないでしょうか？
健康影響は多分　大丈夫でしょう。でも三田ビルの高層階では電子機器への影響は大丈夫でしょうか？要確認でしょう。

追記：２００９－４－７
本日（2009年4月7日）所要で有楽町・浜松町に行きました。帰路浜松町駅に電車が止まったとき、ふと見ると気になる携帯電話の中継塔アンテナが見えました。あわてて下車し、写真を撮りました。
上記の３５Ｎ－２のアンテナです。プラットホームからのほうがより近くで観察することができました。　写真３５Ｎ－４として以下に示します。

かり１９　写真　３５Ｎ－４　
磯会館には携帯電話のアンテナとＰＨＳと思われるアンテナが共に設置されています。

 

３５Ｐ．ＪＲ浜松町駅周辺で見つけた確認すべき？基地局


記：２００９－４－８

2009年4月7日　有楽町・浜松町に所要で出かけた。　その時に、以下の携帯基地局を見つけた。

Ａ：　ホテルインターコンチネンタル東京ベイ
Ｂ：　ニューピア竹芝サウスタワー
Ｃ：　マンション　イトーピア浜離宮　　　Ａ，Ｂ，Ｃは共に超高層の建物である。　
Ｄ：　ＴＩＳ竹芝ビル
Ｅ：　鈴江竹芝ビル
Ｆ：　鈴江ベイディウム　　　である。

携帯基地局のアンテナは、Ｄ，Ｅ，Ｆの屋上に設置されていた。
Ｄの屋上のアンテナの水平方向にＡとＢの中・高層階部分ガある。　距離は広い道路を挟んでいるので、３０ｍ以上あるでしょう。　したがって、電波による健康影響は大丈夫でしょう。　しかし、中・高層階における電子機器などの誤動作がないか、要確認でしょう。
Ｅの屋上にあるアンテナの水平方向に、Ｃの高層階部分がある。距離は広い道路を挟んでいるので、３０ｍ以上あるでしょう。　したがって、電波による健康影響は大丈夫でしょう。　しかし、高層階における電子機器などの誤動作がないか、要確認でしょう。
Ｅの屋上にもアンテナがありますが、近い高層の建物（Ａ／Ｂ／Ｃ）との距離はかなりあるので、大丈夫でしょう。


　写真３５Ｍ－１　　Ｅ：鈴江竹芝ビル屋上の3基のアンテナ

 

　写真３５Ｍ－２　　Ｄ：ＴＩＳ竹芝ビル屋上の基地局アンテナ

 

　写真３５Ｍ－３　　Ｆ：　鈴江ベイディウム屋上の3基のアンテナ

 

写真３５Ｍ－４　　Ｅ：鈴江竹芝ビル屋上の3基のアンテナと隣接するＣ：マンション　イトーピア浜離宮

 

　写真３５Ｍ－５　　Ｄ：　ＴＩＳ竹芝ビル屋上の基地局アンテナと隣接するＡ：ホテルインターコンチネンタル東京ベイとＢ：ニューピア竹芝サウスタワー

 

３５Ｑ．東京　有楽町前駅で見つけた確認すべき？基地局　その3

記：２００９－３－８

ＪＲ有楽町駅前のビルの屋上にある基地局アンテナです。　ＪＲほプラットホームからみえました。
有楽町ビルの屋上に基地局アンテナがあり、その真横、水平方向に有楽町電気ビルの中層階があります。
距離は、２０ｍ以上はありそうです。健康への影響は大丈夫でしょうが、有楽町電気ビルの中層階では電子機器の誤動作はないのでしょうか？

 

　

有楽町ビル屋上の携帯基地局アンテナと真横の有楽町電気ビル　　　　　　別の角度から　アンテナ部の拡大　


 

３５Ｒ．東京・内幸町付近で見つけた確認すべき？基地局

記；２００９－８－４

 

所用で内幸町を歩きました。　以下の2点のアンテナが気になりました。

その1：内幸町2丁目付近　日土地内幸町ビル屋上に携帯基地局アンテナが2基見えました。
このビルに隣接して、間に低層階を挟んで、日比谷ダイビルがあります。
アンテナから日比谷ダイビルの高層階の距離は、２０ｍはあるでしょう。
健康への影響は大丈夫でしょうが、日比谷ダイビルの高層階では電子機器の誤動作はないのでしょうか？

 

　　

 

その２：　JR有楽町駅に向かって歩いていて、駅の近くで、見つけました。　日比谷マリンビルでしょうか、そのビルの屋上に2基の携帯電話基地局のアンテナがありました。　道路を挟んで、斜め方向に高層ホテルでしょうか、ザ・ペニンシュラ東京があります。

距離は５０ｍはありそうですから、健康への影響は大丈夫でしょうが、ザ・ペニンシュラ東京の高層階では電子機器の誤動作はないのでしょうか？

 

　　

 

 

３５S．滋賀県　長浜付近で見つけた確認すべき？基地局

記；２００９－１０－１３

2009年10月10日　米原と長浜を訪問、　11日の帰路はJR北陸線で長浜駅から米原駅に向かいました。
長浜から一つ先の田村という駅に列車が止まったとき、ふと窓から外を見上げると、携帯基地局アンテナが見えました。
「長浜バイオ大学」という看板が見えました。
この長浜バイオ大学の屋上にアンテナがあり、あした。　そのアンテナのほぼ水平方向、１５ｍ程度のところに、同じ大学の高層階がありました。
距離は１５ｍはありそうですから、健康への影響は大丈夫でしょうが、高層階での電子機器の誤動作はないのでしょうか？

 

　

 

 

３５T．小田急線相模大野駅、藤沢駅付近で見つけた確認すべき？基地局

記；２０10－4－28

2010年4月24日　所用で藤沢に行きました。 小田急線の利用です。
以下の3点が、気になりました。

＊相模大野駅プラットホームから見えて確認すべき？基地局
小田急の江ノ島線に乗り換えるために、相模大野駅で降りて、プラットホームからふと見ると、気になる基地局アンテナが見えました。
江ノ島方向に向かうホームで、江ノ島方向を向いて左手に見えました。
帰宅後に、グーグルの地図で、確認を取りました。
マンション「ジョイ相模大野」の屋上に基地局アンテナがあり、隣接してより高層なマンション「クリッター相模大野」があります。

アンテナとクリッター相模大野の距離は２０ｍはありそうです。

健康への影響は大丈夫でしょうが、クリッター相模大野の高層階では電子機器の誤動作はないのでしょうか？

　　

 

＊藤沢駅前にあった確認すべき基地局　
藤沢駅北口に降り立つと、目の前に基地局アンテナがありました。
アンテナはデパート「サイカヤ」の屋上にあり、かつ駅に近い場所に建っていました。
サイカヤと広い駅前の道路を隔てて、より高層の商業ビル「藤沢ルミネプラザ」があります。
アンテナと藤沢ルミネプラザの距離は、３０ｍはありそうです。
健康への影響は大丈夫でしょうが、藤沢ルミネプラザの高層階では電子機器の誤動作はないのでしょうか？

 

　　

 

 

＊藤沢駅前にあった確認すべきもうひとつの基地局　
藤沢駅北口に降り立つと、目の前のサイカヤの屋上に基地局アンテナがありました。また、目を左に転ずると、もう1基の携帯基地局が見えました。
パチンコスロットアプレイズ藤沢の屋上に基地局があります。
隣接して、より高層の商業ビル「日本生命駅前ビル」があります。
アンテナと日本生命駅前ビルの距離は２０－３０ｍでしょうか、
健康への影響は大丈夫でしょうが、日本生命駅前ビルの高層階では電子機器の誤動作はないのでしょうか？


　　

 

 

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３５U．JR京浜東北線桜木町駅付近で見つけた確認すべき？基地局

記；２０10－6－7

2010年6月6日　所用で桜木町駅で下車しました。
駅前で、ふと見上げると、気になる基地局を見つけました。

ＧＳプラザ桜木町というマンション（11階建てでしょうか）の屋上に基地局アンテナがあります。
２０ｍ程度の道路を挟んで、隣接してピオシティという商業ビルがあります。　この商業ビルも11階建て程度でしょうか？
下から見上げるとピオシティの方が高いように見えます。

健康への影響は大丈夫でしょうが、ピオシティの高層階では電子機器の誤動作はないのでしょうか？


　　

 

 

 

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３５V．東急目黒線奥沢駅付近で見つけた確認すべき？基地局

記；２０10－8－17

昨日（２０１０－８－１６）に所用で東急目黒線の奥沢駅で下車しました。　所用を済ませ、帰路につく時、ふと見上げると以下に示すアンテナが見えました。

アンテナは、東急奥沢社員アパートの屋上に立っています。
隣接して、ほぼ同じ程度の高さの住居（下層部分は奥沢区民センター）があります。
アンテナと奥沢区民センターの高層住居部の距離は２０－３０ｍでしょうか、
健康への影響は大丈夫でしょうが、奥沢区民センターの高層階（住居）では電子機器の誤動作はないのでしょうか？

 

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３５W．多摩モノレール高幡不動駅近くの確認すべき基地局

記：２０１７－７－２７

たまたま立川－多摩センター間を多摩モノレールに乗って、ふと外の景色で気になる基地局を見つけました。
多摩モノレールの高幡不動駅の近くで、「シティホテル高幡」の屋上のアンテナは隣接する高層マンションと思われるビルの高層部と近い。
ビルどうしは近接しており、高層部の居室との距離は10mか20m程度。

電波防護指針には適合しているであろうが、マンションの高層部の住居部で電子機器の誤動作などがないか、要確認である。

 

 

 

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３６．携帯電話基地局からの電波の強さの実測　総務省2007年4月27日報告から

　作成：２００７―９－４

　2007年4月27日の総務省報告は膨大な量の報告なので、ファイルはダウンロードしましたが、いまだに全文を見終わっていません。

その中に、以下に示す測定結果が含まれていました。
一つのグラフだけを引用します。
　関心のある方は、報告書全文を入手して読んでください。

この図の意味するところは、
１）最大で１．２Ｖ／ｍ程度の電界強度であること。
２）最も大事なのは、基地局アンテナからのｌ水平距離には無関係で、サービスエリア内は一定の電界強度であるということ。
　但し、個別のデータは、立地条件や建物の影になっているので、電波が弱い場所がある、
　アンテナから発射される電波は常に最大とは限らないので、変動している。測定はアンテナの稼働率をモニタしているとは思えないので、　実測をすると電波は弱かったり、強かったり、変動の幅が大きい。




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３６A．カナダ保健省の２００３年の報告にみる携帯基地局周辺の電波強度

記：２００９－５－１４

「Report on: Measurement of Cellular Base-station Emissions Using a Newly Developed RF Field Mapping System」
ではオンタリオ州の携帯電話基地局周囲の電界強度の測定を行っています。
以下にその実測結果の例を示します。
この報告書では結果として「基地局からの距離の二乗に逆比例して電波の強さがちいさくなるというような単純な分布ではない」と結論つけています。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　　　　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
Figure 6A, Analog-band power density map of Château Neuf, Orleans, Ottawa, ON.

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　　　　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
関心のある方はHealth　Canadaのサイトにあるこの報告書を読んでください。

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３６Ｂ．総務省　東海総合通信局のＷＥＢにあった東海管内での電波強度の実測結果

記：２０１２－５－２９

http://www.soumu.go.jp/soutsu/tokai/denpa/jintai/img/denpazyoukyou.pdfにあったデータの一部転載です。
総務省　東海総合通信局が管内で測定したデータですが、測定日などは不詳です。

テレビ放送電波強度１．１２Ｖ／ｍ　　ＦＭ放送電波強度２．５１Ｖ／ｍ　携帯電話２．１ＧＨｚ帯で０．１５８Ｖ／ｍ　という結果の例
この昭和区での測定例ではＦＭ放送の電波がもっとも強い。

テレビ放送電波強度０．０５６Ｖ／ｍ　、　携帯電話２．１ＧＨｚ帯で０．８９１Ｖ／ｍ
この名東区での測定では携帯電話の電波がテレビ電波より強い。


関心のある方は、東海総合通信局のサイトにアクセスしてください。

 

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３６Ｃ．オーストラリアの携帯基地局からの電波強度測定結果

記；２０１２－６－７

オーストラリアの基地局電波強度調査結果が以下のサイトに公開されている。
ARPANSA Base Station Survey 2007- 2012　（ＡＲＰＥＮＳＡ基地局調査２００７-２０１２）
http://www.arpansa.gov.au/RadiationProtection/BaseStationSurvey/index.cfm　

２１か所の測定結果が報告されているが、その中から、実際の測定結果のデータで合計が最も高い場所を抜粋して以下に紹介する。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　　　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
基地局の名称　Drummoyne NSW　

This table lists the range of RF EME values for each of the mobile phone downlink bands measured at location 1.
以下の表は携帯基地局アンテナから発信されている電波の強さの実測値である。
測定場所は「場所：１」で、基地局から１００ｍの地点。

Frequency　Band

周波数帯域

Services

方式

Measured　[mW/m2]

測定結果

Limit　[mW/m2]

基準値

Percentage of Limit　[%]

基準値への適合比

８７０　－　８９０　ＭＨｚ

ＷＣＤＭＡ８５０

０．１４５　－　０．８６３

４２５０

０．００３　－　０．０２０

９３５　－　９６０　ＭＨｚ

ＧＳＭ９００

２．３６３　－１４．９６０

４５００

０．０５３　－　０．３３２

１８０５　－１８８０ＭＨｚ

ＧＳＭ１８００

０．９１１　－　６．８３４

９０００

０．０１０　－　０．０７６

２１１０　－２１７０ＭＨｚ

ＵＭＴＳ２１００

０．６９２　－　１．９５９

１００００

０．００７　－　０．０２０

Ｃｏｍｂｉｎｅｄ　合算

 

８．４７６　－　２１．５６２

 

０．１２１　－　０．３８８

 

The measured range of RF EME values is shown in this column.
These values include the stable control channel or pilot signals and variable traffic signals present at the time of the measurements.
They can be thought of as typical levels of RF EME present at location 1 coming from all nearby base stations.
実測値は表に示す。
これらの値には、制御信号と測定時に通話が行われていた変動するトラフィックに応じた通話チャンネルの電波強度を含んでいる。
これらの値は、「位置１：基地局から１００ｍ地点」における典型的な高周波電磁波の曝露を示している。

 

　基地局アンテナは５階建てのビルの屋上に設置されている。

 

　位置：１　基地局アンテナから１００ｍの地点

 

ＢＥＭＳＪ注：

測定データには１４．９６０ｍW/m２（＝１．４９６μＷ／ｃｍ２）　という値がある。電界強度に換算すれば２．４V/mであり、フルパワー時はもっと大きくなるので、これでは電子機器の誤動作が出ると思われる。
　オーストラリアの携帯電話は大ゾーン（サービスエリア半径２ｋｍから１０ｋｍ）方式なので、この程度は通常か？？？？

 

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３６D．世界の携帯電話基地局からの電波曝露レベル

記：２０２０－１－７　追記：２０２１－３－１１

１）以下の研究がある。　　EMF-Portalにあった情報

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
掲載誌: J Expo Sci Environ Epidemiol 2012; 22 (3): 304-315

タイトル：Comparative international analysis of radiofrequency exposure surveys of mobile communication radio base stations.
移動体通信無線基地局の無線周波曝露調査の国際比較分析
著者: Rowley JT, Joyner KH

この研究は、5大陸の23ヵ国で2000年以降に実施された173000ヵ所以上のデータポイントにおける移動体通信用無線基地局からの曝露調査に基づき、曝露についての各国比較、年代順のトレンド、携帯電話技術別の比較を分析した。

重要な結果は、国、年、携帯電話技術に無関係に、地表面での無線信号への曝露レベルは人体曝露基準に比較して非常に小さいということ、さらに、3G携帯電話サービスの広範な導入以降、曝露レベルの有意な上昇は生じていないことであると述べている。

今後必要な作業として、その他の国々へ調査を拡大すること、累積曝露000000分布を作成すること、曝露レベル分布を人工のパーセンタイルで評価することを挙げている。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

２）以下は原著からの情報

掲載誌：Journal of Exposure Science and Environmental Epidemiology (2012) 22, 304 – 315
タイトル：Comparative international analysis of radiofrequency exposure surveys of mobile communication radio base stations
研究者：Jack T. Rowley and Ken H. Joyner

２１か国の携帯電話基地局からの電波曝露レベルを、まとめた報告書。
アメリカは屋根の上に登ったりして基地局からの電波強度を測定しているので、他の国より大きな「暴露レベルとなっている。
日本はかなり低曝露である。２１か国中でもっとも低曝露になっている。
ニュージーランドが比較的大きな曝露レベルである。
ニュージーランドは携帯電話の電波帯域の全てを合算している、論文にはニュージーランドの特殊性に関する記述はない。

 

 

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３７．フランスで携帯電話基地局の制限に関する議員立法の動き

作成：２００７－９－８

情報の始まり
この情報は、電磁波問題市民研究会のWEB　http://www.jca.apc.org/tcsse/kaiho/kaiho-39/kaiho39-16.html　にあったもので、
電磁波研会報・第39号　2006.3.21 発行　の記事です。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　一部引用　　　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
フランスで携帯電話と基地局の規制法案が提出される

欧州の中でもロシアと並んで電磁波問題に関心が高いフランスでは、様々な予防方 策が自治体レベルで論議されたり、実施化されている。
たとえばパリ市の基地局電磁波 基準は「2V/m」（電界強度）で、ICNIRP（国際非電離放射線防護委員会）のガイ ドライン値「58V/m」より
29倍も厳しい。
そのフランス国会で携帯電話と基地局 に関して画期的内容の法案が2005年7月13日に議員立法案で提出された。
以下、その提出趣旨説明と法案を紹介する。

議員立法案「携帯電話基地局と携帯電話に関する電磁波リスク規制に関する法案」（法案提出日　2005年７月13日）
＜法案提出議員＞　
Jean-Pierre BRARD　　　
以下　（略）

＜議　員　立　法　法　案＞
第１章「電磁波制限について」
第１条：携帯電話通信ネットワ－ク設備と基地局からの電磁波量は「0.6ボルト/メートル」を上限とする。
（訳注：電力密度換算0.0955マイクロW/cm2」）

第２章「携帯電話基地局について」
第２条：住宅や要注意施設（sensitive buildings）から300メ－トル以内に、第１条で規定する施設・設備は建設してはならない。
都市部や特定された地域では、要注意施設から100メ－トル以内に上記施設・設備は建設してはならない。
「要注意施設」には、学校・学校関連施設・保育園・病院・老人ホームを含む。
（以下　略）
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　　　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

議員立法の提案後8ヶ月経過してからの記事の紹介であるが、後日談は全く触れられていない。

この案件は現在どうなっているか？　この議員立法が提案後どうなったのか関心があった。
関係しそうなルートに情報提供を依頼したが、正確なその後の情報は把握できなかった。

フランス議会のWEBに公開されている国会議員の名簿・電子メールから、この議員立法の提案議員にメール（2006年10月）を入れたが、返信が無かった。　
ようやく、忘れた頃に、この議員立法の関係者から以下の返信が来た。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　　　　　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

Date: Tue, 21 Aug 2007 18:10:14 +0200
Subject: RE: question on Mobile phone mast

Sir,
My proposal on mobile phone mast has not been entered by the governement on the agenda,
and so has not been discussed in Parliament.

Best regards,
PO D Lesage
Collaborateur parlementaire
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　　　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

すなわち、議員立法として提案を纏めたが、議院の審議日程にも上がらず、国会では何も議論も行っていない、と。


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３８．携帯電話の通信方式による電波観測時の違い

作成：２００７－７－２０　

ある知人が携帯電話の基地局からの電波を、携帯式スペクトラムアナライザで測定を行った。
その知人から、ムーバとフォーマの基地局では、その電波の波形に大きな違いが見られるが、どうなのか、という質問をうけた。
BEMSJは携帯電話の通信方式には詳しくないが、わかる範囲でその違いを解説してみる。

1．入手したデータ（写真）

図1：ムーバの基地局での電波の観測

中心周波数：814MHz、　周波数スパン10MHz（よって横軸は1目盛り1MHz）　RBW：10kHz　　　　

この観測波形から、806MHzから約820MHzの範囲で、20個のスペクトラム（個々の周波数成分）が見られ、強さは最強から弱いスペクトラムとでは30dB(電界強度の差で約30倍、電力密度の差として換算すれば1000倍の差異）が見られる。

図2：フォーマの基地局での電波の観測
中心周波数：2150MHz、　周波数スパン50MHz（よって横軸は1目盛り5MHz）

周波数範囲が約5MHzの広帯域スペクトラムが4本観測される。

2．BEMSJの解説
2-1：ムーバ
ムーバはNTTドコモのPDC方式の携帯電話です。変調方式はQPSK位相変調となっている。
1チャンネルあたりの占有周波数帯域は25kHzである。
同じチャンネルを時間で3等分して3人の人が通話に使用することになっている（時分割という）。
したがって、スペクトラムアナライザで電波を観測すれば、個々の周波数チャンネル毎に独立した周波数スペクトラムとして、図1にあるように観測される。

使用する周波数は、隣接のサービスエリア（基地局）の使用する電波の周波数と混信などを避けるために、サービスエリア毎に使用する周波数を割り振っている。したがって、ある地点で観測すれば、図1にあるように個々の周波数スペクトラムとして独立しているように観測される。

PDCの場合、ハンドセットから基地局アンテナへの送信（上がり）と、基地局アンテナからハンドセットへの送信（下り）は別の周波数で行っている。図1は下り、基地局アンテナからハンドセットへの通信電波を見ていることになる。
周波数をずらせば、920MHz付近にハンドセットから基地局アンテナへの電波が観測されるはずである。

PDCのハンドセットから発信される最大の電波の強さはピークで800mW,　時間で3分割して電波が発信されるので、平均すると3分の1となり、266mWとなる。

ハンドセットからの電波は、基地局アンテナとの距離や電波の伝わりや易さなどに応じて、時々刻々発信電力を変えている。サービスエリアの外周に行けば、最大の電力を出す。基地局アンテナの近くではハンドセットからの電波の強さは小さくなる。

定かではないが、基地局アンテナから個々のハンドセットへの送信電力も相手のハンドセットがどこにあるかによって、送信電力を変えていると思われる。

図1で、基地局アンテナから同じ地点のある地点で測定した値であるが、周波数によって、強い電波があったり、弱い電波があったりするのは、相手のハンドセットがどこにあるかによって、発信電力を変えているからであると、いえる。

図1にある測定地点における携帯電話基地局からの電波の強さの最大を求めようとすれば、基地局アンテナの稼働状況を把握しなければならない。
稼働状況を勘案して、実測値から最大値を推定するか、他に適当な手段で、最大値を測定しなければならない。
例として。常に一定の電波を出していると思われる制御信号などを測定し、その結果から当該の基地局がフルパワーで稼動した場合の電波の強さを推定することになる。

2-2．フォーマ
フォーマ（W-CDMA）の場合は。周波数拡散方式という特殊な変調方式を用いる。占有帯域幅は5MHzである。したがって図2では5MHzの周波数の幅で、広い周波数帯域に渡って電波が出ていることが観測されている。

フォーマの場合、使用する多くのユーザがこの5MHzの帯域を共有する。共有するが周波数拡散方式という変調方式の為に、混信することはない。隣り合うサービスエリアとの混信も無い。したがって図2に示すように、5MHzごとに2つもしくは3つのバンドが同時に使用されている。

フォーマのハンドセットから発信される最大電力はピーク電力＝平均電力で200mWである。
ハンドセットからの電波は、基地局アンテナとの距離や電波の伝わりや易さなどに応じて、時々刻々発信電力を変えている。サービスエリアの外周に行けば、最大の電力を出す。基地局アンテナの近くではハンドセットからの電波の強さは小さくなる。
定かではないが、基地局アンテナから個々のハンドセットへの送信電力も相手のハンドセットがどこにあるかによって、送信電力を変えていると思われる。

基地局アンテナからの発信電力は時々刻々変化（1秒間に1500回も変化させている）をしているが、スペクトラムアナライザはこの時々刻々変化する電波の強さに応答していないので、変化する電波の中でピーク値を表示していると見られる。
したがって、図2にあるように、一見すれば常に大きな電力で送信しているように見える。

フォーマのようなスペクトラム拡散方式の無線電波の強さを正確に測定するには、それなりの知識を持って、それなりの測定器を使用しなければならない、と思われる。

2-3；相違
ムーバとフォーマの違いを言い換えると、ムーバは道路をそれぞれの携帯電話使用者が自転車に乗って走っているような状態です。
多くの人が使用すれば道路は自転車で埋まる。使用者が少なければ道路はすいている。
フォーマは、道路に大型ダンプを走らせる。携帯電話の使用者は使用する時は飛び乗り、終われば飛び乗る。傍から見れば、自転車対大型ダンプのように見える。

フォーマの場合は、音声通話では差異は出ないかも知れないが、データ通信の場合は、1名しか利用者がいなければ、大型ダンプを独り占めすることができ、高速のデータ通信が可能となる。同時に利用するユーザが増えれば、独り占めできず、当分に分割して利用するので、通信速度は遅くなる。

いずれにしても、携帯電話基地局からの電波に強さを気にする場合は、ムーバであれ、フォーまであれ、基地局アンテナがフルパワーで稼動している状況で、周囲での電波の強さの測定か、実測値からフルパワー時の値を推定することになる。

 

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３９．携帯電話基地局からの電波の強さの測定法

　　　作成：２００７－９－２９

以下の研究があります。　基地局アンテナからの電波の強さの測定法は単純ではないようです。

掲載誌：信学技報　EMCJ2004-138　〔2005・01〕
タイトル：移動通信基地局環境における電界強度測定
研究者：大下浩二郎、東山潤司、小山博昭、垂澤芳明

概要：
移動通信基地局周辺における電波環境を評価するための電界強度測定装置の試作を行う。
基地局環境では、エリア内のトラフィック量に応じて送信電力が変動するため、周辺の電界強度もまた変動する。

本試作装置は、基地局のパラメータを調べた後、PDC方式、IMT方式それぞれにおいて、トラフィック量に依存しないチャネル成分について電界強度を測定する。
得られたチャネル成分に関する電界強度から、基地局の最大送信電力の場合に換算し、測定点での電界強摩の最大値を推定する事ができる。
この装置を用いて、運用中のマルチバンド基地局(PDC方式800MHz帯、1.5GHz帯、IMT-2000方式2GHz帯)周辺の電波環境を測定する。

また、基地局周辺における電力密度は、基地局に設定された最大トラフィックの条件下においても、電波防護指針の参照値を下回ることを確認する。

関心のある方は、上記の論文を入手して、読んでください。

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４０．ドイツの首相への公開書簡

　　作成：２００７－９－３０　　更新：２０２０－８－８

「電磁波」をキーワードに検索して、以下の内容を見つけた。
　http://www21.ocn.ne.jp/~fur＊＊＊/＊＊＊.html　にあったものです。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
ドイツの医師たちが携帯電波塔から電磁波の健康影響に対して結束し、自分たちの行った調査例から評価した結果、「0.001μW/cm2以上の電磁場に曝されるような場所にある携帯電話基地局は止められなくてはならない」との公開書簡をドイツ首相であるエドムンド・ストイバー博士に送った。2005年7月22日
ドイツ首相への公開書簡と健康調査報告書の概要は こちら
* 0.001μW/cm2は日本の規制値の上限 1000μW/cm2(1mW/cm2)に比べ100万倍も厳しい数値です。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

この情報の元ネタは、Power Watchのサイトにあったニュースhttp://www.powerwatch.org.uk/news/20050722_bamberg.asp
のようです。

さて、これは何かと思い、チェックしてみました。
１）ストイバーというドイツの首相はいません。
調べてみるとドイツのババリア州の首相のストイバーの誤りのようです。

２）インタネットで首相宛の公開書簡の原文を探して見ました。
　原文はドイツ語ですが、英訳されてＷＥＢに公開されているバージョンを入手しました。
　それを以下に示すような日本語訳に仮訳してみました。
「0.001μW/cm2以上の電磁場に曝されるような場所にある携帯電話基地局は止められなくてはならない」などの文章は見当たりません。

ということで、ネットに公開されている上記の情報は、誤りということができます。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

ドイツの医師たちが携帯電波塔から電磁波の健康影響に対して結束し、自分たちの行った調査例から評価した結果、「0.001μW/cm2以上の電磁場に曝されるような場所にある携帯電話基地局は止められなくてはならない」との公開書簡をドイツ首相であるエドムンド・ストイバー博士に送った。2005年7月22日
ドイツ首相への公開書簡と健康調査報告書の概要は こちら

ドイツの医師たちは独自の研究を行い、
・・・・・・・
* 0.001μW/cm2は日本の規制値の上限 1000μW/cm2(1mW/cm2)に比べ100万倍も厳しい数値です。
・・・・・・　　であった。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

・州首相あてに公開書簡を出した。
・その元になったゼルサムらの研究は・・・・である　　と、二つの話をきちんと分ければよいのです

なお、ゼルサムらの研究は、きちんとした査読付きの学術雑誌には投稿していないのか、投稿しても内容が不十分として、査読に合格しなかったのか、Ｐｕｂｍｅｄなどで論文検索をしても出てきません。

英訳されてWEBに紹介されていた公開公開書簡の全文を日本語訳にしました。

Open letter to Edmund Stoiber, president of the federal state of Bavaria, Germany
ドイツ、ババリア州（訳者注：ババリアは英語表記、ドイツ語表記ではバイエルン）、エドムンド・ストイバー首相への公開書簡

Dr Edmund Stoiber
State Chancelry
PO Box 220011 80535 Munich
エドムンド・ストイバー博士

州政府事務所
P.O. Box 220011  80535 ミュンヘン

Urgent suspicions of serious health damage from pulsed high frequency electromagnetic fields (mobile phone base stations, DECT phones, W-LAN, Bluetooth etc.) at levels below exposure guidelines.
曝露ガイドライン以下のパルス性高周波電磁界（携帯電話基地局、DECT電話（訳者注：欧州のデジタルコードレス電話、日本のＰＨＳ電話に近い）、W-LAN、ブルートゥース等）が重大な健康被害を及ぼしていることに関する緊急的な提言

Dear Prime Minister,

首相閣下

Allow me to represent many doctors personally to you.
私が多くの医師を代表していることをご認識ください。

For eight months doctors in Oberfranken and another places have been making extremely worrying observations of patients, who live in the vicinity of mobile phone base stations. After initial suspicions at locations in Forchheim, Hirschaid, Walsdorf, Memmelsdorf and Bamberg survey measurements were made of 356 such residents in 40 locations, all in Oberfranken. Meanwhile 64 Hofer doctors, 30 Lichtenfelser, 61 Coburger, 20 from Bayreuth and countrywide, added their names to the Bamberger appeal.
八ヶ月に亘り、Overfranken (訳者注：ババリア州の一行政区)及び他の複数の場所で、医師達は携帯電話基地局周辺に居住する患者達が極めて憂慮すべき状況にあることを観察して来ています。Forchheim, Hirschaid, Walsdort, Memmelsdorf 及びBamberg(訳者注：何れも地名)で最初に疑念が惹起し、その後全Overfranken領域の40ヶ所で調査を行いました。一方で、Hoferの64名の医師達が、Lichtenfelserの30名、Coburger(訳者注：何れも地名)の61名、Bayreuth及び地方の20名の医師達がBambergerアピール（訳者注：2004年7月の電磁波に健康影響に関する医師達による宣言）に賛成し。署名を行いました。

The result all these medical findings is as follows：
医学的に判明したことの全てを以下に記します：

Many people have become ill with a characteristic combination of symptoms, which is new to us as doctors, at exposure levels far below the guideline limits, which apply only to thermal effects. Residents in the vicinity of masts have one or more of the following symptoms:
電磁界に関し熱効果だけを考慮して設定されたガイドライン規制値をはるかに下回るレベルの曝露で、多くの人々が複合的な症状で病気になっています。我々医師達にとって今まで知らなかった新しい症状です。基地局周辺に居住する住民達は、次のような症状の内の一つ又はそれ以上の数の症状を呈しています。

Sleep disturbance, tiredness, headache, restlessness, lethargy, irritability, inability to concentrate, forgetfulness, trouble finding words, depressive tendency, noises in the ears, impaired hearing, dizziness, nosebleeds, visual disturbances, frequent infections, sinusitis, joint and muscle pains, feeling deaf, palpitations, increased blood pressure, hormone disturbances, gaining weight, hair loss, nocturnal sweating, nausea.
睡眠障害、疲労、頭痛、運動不安、無気力、いらだち、集中力欠如、物忘れ、失語症、意気消沈の傾向、耳鳴り、聴力障害、目まい、鼻血、視覚障害、たびたび起きる感染症、副鼻腔炎、関節と筋肉の痛み、聴覚障害、心気高進、高血圧、ホルモン障害、体重増加、抜け毛、寝汗、吐き気。

The following statements strengthened our suspicions:
次に述べる事実関係は我々の疑念を強めました。

・Frequently, many residents become sick with these symptoms at the same time, when living near a base station （e.g. Schweinfurt: Eselshöhe, in Kulmbach: Senioren-Wohnanlage Mainpark, in Hof: Kösseinestraße, in Forchheim: Ortsteil Burk).
・基地局の近隣に住んでいる時、たびたび、多くの住民が同時にこれらの複数の症状を呈し病気になる。

・Many patients have reported rapid recovery when removed from exposure (by temporary relocation, removal of the source, screening, disconnection).
・多くの患者達は、曝露より逃れると（一時的な転地、発生源の除去、遮蔽物の設置、電源の切断によって）急激に回復すると回答しています。

・After relocation, doctors have proven during re-examination of the patients, among other things, that blood pressure, heart rhythm, hormone disturbances, visual disturbances, neurological symptoms, and blood profile have returned to normal.
・転地後、患者達を医者達が再検査すると、血圧、脈拍、ホルモン障害、視覚障害、神経症、血液性状等が通常の状態へ戻っていることが判明しています。

・Many doctors’ families have in the course of the last months removed their DECT phones and were thereafter free among other things from headache, concentration disturbances, dizziness, restlessness, tinnitus, and sleep disturbance.
・過去数ヶ月の間、医者達の家族がDECT電話の使用を中止したところ、その後は、頭痛、集中力の欠如、目まい、いらだち、耳鳴り、睡眠障害等の症状がなくなりました。

We therefore requested the responsible authorities (Federal Office for Radiation Protection, Federal Ministry for the Environment, Conservation and Nuclear Safety, members of the Radiation Protection Commission and the WHO) to organise local health surveys. Despite the serious, medical concern, all the authorities have refused to investigate the (to some degree) intolerable living conditions of those living locally.
従って、我々は責任ある当局が（連邦放射線防護局、連邦環境省、自然保護・核管理安全局、放射線防護委員会の構成メンバやWHO等)この地域の健康調査を責任もって行うことを要求します。重大な医学的問題であるにもかかわらず、どの当局もこういった住民の耐えがたい住環境を調査研究することを程度の差はあれ拒んでいます。

Not one official health survey has been made at any base station in Germany! The SSK and the BfS have thus no level of knowledge concerning the long-term effects on resident living in the vicinity. From a medical viewpoint is this unacceptable.
ドイツにおいては基地局に関する公式な健康調査は一度も行われておりません。SSK（訳者注：ドイツ放射線防護委員会）及びBfS（訳者注：ドイツ連邦放射線防護局）は近隣住民に対する長期的影響に関する知見を全く持っていません。この状況は医学的見地からとても同意できません。

I therefore turn to you to request your assistance for our patients who have no other recourse. We doctors from Oberfranken are ready to help. We urge you to immediately arrange local health surveys among people in the vicinity of base stations, at locations in Bavaria.
我々の患者達は他に頼るすべがなく、首相閣下の患者達へのご協力をここにお願いする次第です。我々Overfrankenの医師達は協力する態勢にあります。ババリア州にある携帯基地局の周辺に居住する人々の健康調査を直ちに実施されるよう強く要請致します。

Our concern is not that there are 'unfortunate individual cases', but that there is a medical disaster spreading to all parts of the population! To investigate our concerns, it must also be possible to switch transmitters off. From a medical viewpoint, we are seeing an emergency situation, which requires rapid action by all political means.
我々の関心は、単に不幸な個々人の症例に対してだけではなく、あらゆる人々に拡散している医学的災難が存在していることです。我々の関心を探求する為に送信機をオフにすることも可能とすべきです。医学的観点から判断し、全ての政治的手段を投入した迅速な行動が要求される緊急事態に直面しております。

I implore you to take action to avoid health damage among many children, young people and adults.
私は、多くの子供達、若者、そして成人への健康被害を回避するために首相閣下が行動を起こされることを懇願致します

Faithfully
敬具

Dr. Cornelia Waldmann Selsam
Karl-May-Str.48
96049 Bamberg
Tel:0951-12300 Fax:0951-2972506
Mail:peter.selsam@t-online.de　
バルトマン・ゼルザム博士

住所　（略）
電話番号・ファックス番号（略）
メールアドレス　（略）


追記：Selsam博士にメールを発信して見ました。
「この公開書簡に関して、ババリア州首相から何か回答はあったのか？　その回答の内容はどこかのサイトに公開されているのか？」という内容です。
でも、全くSalsemらの返信はありません。
こうした公開書簡の発信を公開するのであれば、その結果もきちんと公開して欲しいものです。

追記：２０２０－８－８
Ｓａｌｓａｍ氏の住所がわかっているので、郵送で同じ内容の問い合わせを出してみました。
何も返信がありません。
たぶん、Selsamらの意見は、州政府に無視されたのだと、思われる

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４１．総務省H18年度海外基準・規制調査報告書にみる携帯電話関連情報

 

「電磁波ばく露による生物学的影響に関する評価試験及び調査　平成１８年度 海外基準・規制動向調査報告書　平成１９年３月総務省」を読んで、興味深い点だけを抜き出した。
報告書全頁で437と膨大です。

＊カナダのトロント市における電話基地局規制
一時期トロント市において、携帯電話の基地局からの放射基準をSafety Code 6の100分の1にしたいとの提案が出されたことがある。
しかし、基地局の管轄は連邦政府であり、トロント市にある5ヵ所の基地局で実際に測定した結果では連邦のSafety Code 6の規制値を大きく下回っていたことから、これ以上厳しく電磁界の制限値を下げる必要はないとの結論に達し、現在に至っている。

＊スウェーデンの携帯電話
2005 年にスウェーデン放射線防護機関（SSI）は、携帯電話の使用に関して予防原則を適用すると決めたと発表し、携帯電話を使うときには不必要なばく露を避けるようにと、次のように勧告している。

・ハンドフリー装置を使う。
・携帯電話端末機を身体から離す。
・アンテナの周りを遮蔽しない。
・電波の受信の良好な場所で通話する。
・乗用車では屋外アンテナを使用する。
・SAR値の低い携帯電話端末機を選ぶ。

＊オランダの場合の携帯電話基地局建設に関する住民の同意に関する規定
オランダにおける携帯電話基地局のアンテナ設置は、現在、国家アンテナ政策に基づいて行われているが、それ以前は事業者と建物所有者との間の契約のみで、その建物の屋上にアンテナを設置できる制度であった。
従って、建物に居住している住民には一切の情報提供がなされないまま屋上にアンテナが設置されるという状況が多発し、多くの問題が生じた。

そこで、設置面からの高さが5mを超えないアンテナの場合は、その建物に居住する住民の合意を獲得することを条件とする携帯電話基地局アンテナ設置に関する契約を政府と携帯電話通信事業者で締結した。これはあくまで契約であり、法令ではない。

居住用建造物の屋上に設置面からの高さが5m 以下のアンテナを設置する場合については、住宅法上の建築許可は不要である（同5m超の場合は建築許可要）。ただし、所有者の承諾以外に当該建造物に居住する住民の承諾も得なければならない。

 

住民の承諾とは、賛同する世帯数ではなく、反対票数で決する（1世帯が1票を有する）。
即ち、50%超（過半数）の反対の場合のみ、承諾しないという形となり、反対が50%以下の場合は承諾となる。
実際に反対の意思表示がなければ賛成とみなされる「消極的合意」であるため、事業者側にとってソフトな規制となっている。
これまでのところ、データ上は8割以上が反対を表明していない（賛同＋中立･無回答）という結果が得られている。

＊オランダ政府の携帯電話アンテナ基地局に対する対応：　国家アンテナ局
携帯電話基地局アンテナの設置に関する国民の信頼を得るための一つの措置として、電気通信局が補助金を出し、国家アンテナ局が2001年10月に設置された。国家アンテナ局は、無線通信局に属している。

携帯電話基地局アンテナが非常に大きな社会問題になるのではないか、あるいは健康影響の懸念が大きくなり、多くの業務を処理する必要があるのではないかとの予想から、当初は大所帯であったが、徐々に規模が縮小されてきた。
現在のスタッフはわずか10人の小規模な組織であるが、広報的な役目を担う非常に重要な位置付けにある。

＊パリ市と携帯電話通信事業者の協定
パリ市内に携帯電話基地局が高い密度で設置され、パリ市民の懸念が高まっていることから、パリ市（市長Bertrand Delanoë）と次の携帯電話通信事業者の間で「携帯電話基地局アンテナに関する協定」が 2003年3月20日に締結された（有効期限は2年間であったが、2005年に更新されている）。

・ブイグテレコム社（Société BOUYGUES TELECOM）
・SFR 社（Société Française du Radiotéléphone ）
・オランジュ社（Société ORANGE France SA）

協定書の主要な内容は以下の通りであるが、特にGSM（900MHz、1800MHz）の基地局アンテナについて、生活環境内におけるばく露量の24時間平均値（計測値と情報流量から算出される）で2V/m以下になるよう要求されていることが注目される。
＜BEMSJ注：２V/mの平均　ということは電力密度に換算すれば1μW/ｃｍ２です。＞

＊ドイツにおける基地局サイト情報の公開
ドイツ全域の携帯電話基地局に関する情報を2004年1月23日に旧Reg TPのホームページで一般に公開を始めた。
現在は、連邦ネットワーク庁の提供するウェブサイトで公開されている。
管轄の地方自治体の管理者1人だけがパスワードを与えられ、ウェブサイトにアクセスできる。
居住地域の郵便番号を入力し、地名、通り名を選択するとその地域の基地局アンテナの情報が得られる。

郵便番号の市町村内の情報しか見ることができない。
他の地域の情報を公開するのは携帯電話通信事業者の競争に係わるので、全国を一覧するシステムはできない。
アンテナを設置した携帯電話通信事業者がどの企業か、という情報は一般市民には提供しない。
その情報を公開すると、企業のアンテナ占有率などが分かりビジネスの競争に介入することになる。

＊スイスにおける携帯電話基地局
スイスでは電磁界政令として「非電離放射線防護政令」（本節では電磁界政令と呼称）が1999年12月に連邦議会で承認され、2000年2月に施行された。
この電磁界政令は「連邦環境保護法」（1983年制定）および「連邦土地計画法」（1979年制定）に基づく公衆ばく露規制であり、「連邦環境保護法」に記述された用心（Vorsorge）の概念が取り入れられている。

連邦環境･森林･景観局BUWALでは、この電磁界政令の作成に際し、「連邦環境保護法」の関連部分を確認することによって極めて効率的に行うことができ、この「連邦環境保護法」がなければ膨大な作業量になったであろう、という。

 

また、後述する8種類の設備カテゴリーのばく露に関する「設備制限値」は妥協の産物で、環境保護団体はもっと厳しい値を要求し、携帯電話通信事業者はICNIRPガイドライン準拠で十分という議論の中で、その間を取って定められた、いわゆる政治的決着であったが、現在、問題は生じていない、という。

スイスにおける基地局アンテナの大きさは、当初、多くの小型アンテナ（低い放射電力）が設置されていたが、市場公開制になった後、最近は逆になり、互いに競合会社より勝る強い電力の少数の大型アンテナ（高い放射電力）を建設する方向に移行しつつある。
地理的な場所や周囲環境を選定することにより、強い電力で通信する方向に進んでいる。

＊ロシアは独自の電磁波規制を行っています。
その中で、携帯電話基地局からの電波による一般公衆の曝露規定の数値を見つけました。
規定値は10μW/cm2　でした。

＊イタリアの予防原則適用の理由と課題
「曝露限界」の20V/mは、ICNIRPガイドラインでの27.5V/mより多少厳しい設定である。
イタリアがICNIRPガイドラインを採用しなかった背景には、ICNIRPガイドラインが短期的な影響を中心に取り入れているのに対して、腫瘍等のような長期的影響についてはあまり考慮されていないことや当時、環境保護系政党が政権与党として連立を組んでいた等の、政治的な理由によるものがある。

イタリアの電磁界の法律は予防原則に沿って国民の保護のために作られたが、一般の人々は逆に、法律で電磁界について厳しく用心しているのは何らかの健康影響があるからだと一層不安に陥り心配する傾向にあるといわれている。このような問題の解決が今後の課題とされている。

＊チェコにおける電波防護政策の転換、旧ソ連版からICNIRPへ
2000 年末までの高周波（60kHz～1000GHz）に関する電磁界規制（No. 408/1990）は、旧COMECON圏で適用された基準を採用し、携帯電話基地局の送信機、TV放送等の周波数ではICNIRPガイドラインに比べ200倍厳しい制限値であった。

しかし、この従来規則を廃止し、ICNIRPガイドライン準拠の規則を導入することが検討され、次の新しい政府規則（480/2000）が2000年11月22日に制定され、2001年1月1日から発効した。

同規則は、ICNIRPガイドラインを全面的に採用しており、携帯電話からの電磁界だけでなく、レーザー等全ての非電離放射線を含む周波数範囲0～1.7PHzのばく露防護規則である。

＊ニュージーランドの携帯基地局ガイドライン
1990年の半ばには、全国で携帯電話の基地局を設置することに賛否両論が交わされ、それぞれの市町村議会が異なる基準を作り始めたため、異なるばく露基準値が存在するようになった。
このことは、携帯電話通信事業者にとっては、携帯電話の展開を困難なものにする要因であった。
市民にとっても、異なる基準値が多く存在するため、誰を、何を信用してよいのかわからないような状況に陥っていた。

そこで中央政府は、環境省に対して無線設備の影響管理に関するガイドラインを作成するよう指示し、また議論の中心が健康影響であったことから、同時に保健省に対しても健康影響に関するガイダンスを規定するよう指示した。
その結果、2000年12月に「環境ガイドライン」（environmental guidelines）と呼ばれる次のガイドラインが発行された。

「環境ガイドライン」における健康影響以外の内容：
「環境ガイドライン」は、健康に対する影響だけではなく、景観に関する影響も含めた内容となっている。
景観に関しては、「環境ガイドライン」の6節（pp.36）に記載されている。
この中に、健康への影響、景観への影響も含め、自治体がどのような形で扱うべきか、審査すべきかが記載されている。
また、通信業界に対しては、「環境ガイドライン」の7節（pp.47）で通信業界自身がもっと住民と対話し細かな対応をすることが必要である旨、記載されている。

さらに、学校、病院、老人ホームなどやその近隣では通信塔を設置すべきではない、ということは基準では一切規定されていない。
しかし、「環境ガイドライン」の7節には推奨事項として記載されており、これを無視して通信事業者が学校や病院等の近くに通信塔を設置しようとすると、市民から猛反対されることになる。通信業界にとっても、そのような場所を避けることは常識的なこととなっている。

一方、市民や市民団体に対するガイダンスも存在する（8節（pp.50））。
安全ではないと思っているだけで、無線設備の設置に反対することは、正しい姿勢ではないという趣旨のことが記載されている。

以上　　関心のある方は原本の報告書を入手して、読んでください。

 

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４２．家庭内や事務所にある電気・電子機器の外部からの電波（電磁波）に対する耐性


このページでは、携帯基地局アンテナと同じ高さで、近距離にあれば、電子機器の誤動作がないか要確認としてきた。
なぜこのようなことを気にするか　に関して、以下に説明する。

電子機器が外来の電波・電磁波を受けて誤動作するか否かの耐性のことをイミュニティという。
適当な日本語はないので、技術用語でイミュニティという。
どこまで強い外来の電波・電磁波に耐えられるかの規定などをネットで公開されている範囲で探ってみた。

１）平成20年の消防庁の報告書からの抜粋
表題：ＩＳＯ規格等のイミュニティ試験に関する実験報告書（平成１９年度）
発行：平成２０年１月　総務省消防庁予防課

この報告書によれば、消防庁は火災報知器が外来の電波などで誤動作しないかを試験しています。
火災報知機が勝手に誤動作しては困るからです。その調査結果は本題とは無関係なので割愛します。

この報告書の中に「放射無線周波電磁界イミュニティ試験 規格比較表」があります。
電子機器に携帯電話の電波などのいわゆる「無線周波電磁界」を照射（放射）した時のイミュニティの試験方法に関する国際規格IECの規定です。
IEC 61000-4-3：2006　という規格です。　
この規格は古くからある規格ですが、1995年に全電子・電気機器に適用できるように改訂されています。

一般に対する保護クラス選択の指針として、
「クラス１：低レベル電磁放射環境。1Km を超える地点に地域ラジオ/テレビ局がある、又は低電力の送信機/受信機があるような環境」では、１V/mの試験を行って、１V/mで問題なければその電気・電子機器は合格という規定が紹介されています。

すなわち、このIECの2006年の規格によれば、１V/mを超えると、電子・電気機器は誤動作する可能性があるのです。

このIEC規格は、家電製品にも適用できる規格と思われる。
しかし、このIEC規格が現在の日本での家電製品に適用されているか否かは不詳である。ネットで検索したが、適切な情報は見つからなかった。


２）ハザマという建設会社が建物の建設用に作成した資料の中にあった情報
建物を建築するに際して、設置する電子機器によっては外来の電磁波によって誤動作しては困るので、建物の設計にこれらの防護柵も含める場合がある。
このために、建設会社としても機器のイミュニティなどの情報を収集して、対処する必要があるのでしょう。

「簡易型電磁シールド空間の構築技術－ 技術資料編－」という資料で、作成・公開年月日は記載されていません。
http://www.hazama.co.jp/jp/newtech/denji/teian1.pdf　にあった資料です。

この資料の中に、外部からの電磁妨害波に電子情報機器がどの程度まで耐えることが可能かという基準に関しては、ＣＩＳＰＲ（Ｐｕｂ２４）の電子情報機器のイミュニティ特性に関する限度値として制定されていることが紹介されている。
「ここでイミュニティとは、耐性・耐力という言葉に訳さますが、最近の電子情報機器の内部回路はＬＳＩ化が進み、非常に低電圧で動作するものが多くなっているため、外部からの妨害も受けやすくなっています。
この国際規格を受けて国内での自主規格の制定等の動きはないが、メーカは欧州に輸出するため、ＣＥマーキングというさらに厳しい規格をクリアした製品化を行っており、この規格以上のイミュニティ性能は備えていると考えて問題はないと思います。

この規定では３V/mになっています。」　という紹介がある。

CISPR-24の詳細を調べてみる価値はありそうです。

３）医療機器に関する2003年の解説から

掲載誌：日本放射線技術學會雜誌 59(9), 1128-1132, 2003-09-20
表題：医用電気機器の電磁的両立性（EMC）性能の薬事法規制について　という解説記事があります。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
放射電磁界規格
機器が外部から電磁波のエネルギーを受けたとき、機器本来の意図した機能を維持できるかの耐性を定めたものである。
この規格では，26MHz～1GHzの帯域で 3V/mの放射電磁界に対しての耐性が要求される。
この試験の強さの電波は、携帯電話を 3メートル程離した距離で使用した場合に放射される電磁波の強さに相当する。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　　　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
とあります。

これが、実は、携帯電話で心臓ペースメーカや医療機器を誤動作させる根本的な要因なのです。

医療機器でも３V/mまでの耐性しかありません。
この資料は2003年のもので、最近は医療機器の耐性は改善され重要な医療機器は１０V/ｍ　一般の医療機器は３V/mという規制がかかり始めています。　
詳細は医療機器関係の規格書を読む必要があります。

４）船舶に搭載する電子機器の耐性
表題：船舶電子機器装備工事ハンドブック
発行：社団法人　日本船舶電装協会　平成10年度　がある。

このハンドブックの中に、以下のイミュニティに関する記述がある。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　　　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

＜図 12.4.2＞放射性イミュニティの測定法

　　　

被測定機器(EUT)に対応して10 kHz～1GHzの広い周波数範囲を測定する必要があるのでアンテナにはダイポールアンテナ、バイコニカルアンテナ、ログペリオディクアンテナ、ホーンアンテナなどが使用される。妨害波には連続波、変調波が用いられる。
EUTの場所で均一な一定電界(3V/mなど)を発生させる必要がある。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　　　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

これらから、船舶に搭載する電子機器も３V/mまでの試験を行っている、といえる。

５）事務機械の耐性
表題：情報技術装置および周辺機器のイミュニティ試験ガイドライン　改訂第１版
発行：　平成１４年４月　社団法人 ビジネス機械・情報システム産業協会　　がある。

「無線周波電磁界　周波数範囲：　80 – 1000　MHｚ　耐性：3 V/m　　基本規格：IEC61000-4-3」　とある。

事務機械（コピー機等）は３V/mの耐性といえる。

６）産業用情報処理装置の耐性

以下の業界の規定がある。
JEITA　IT－1004　産業用情報処理・制御機器設置環境基準
発行：電子情報技術産業協会　1979年制定　2007年改正　　　がある。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
5.2.1 放射無線周波電磁界（電界）（80MHz～１GHz）
放送アンテナ，レーダーからの電波や，トランシーバ及び携帯電話等の影響によって，電源ライン，信号ラインや筐体の隙間等から侵入するノイズで，機器の誤動作や誤差増大などの性能低下が生じる場合がある。
電界の環境に対し，次のクラス分けを設ける。
電 界 Class A ； １V／m（80MHz～１GHz）
Class B ； ３V／m（ 〃 ～ 〃 ）
Class S１ ； 10V／m（ 〃 ～ 〃 ）

各クラスは，おおよそ次のような環境を対象にしたものである。
Class A ；低レベルの電磁界環境

・ 例えば１km以上離れたところにあるラジオ／テレビ局の代表的なレベル及び低電力トランシーバの代表的なレベル
Class B ；中程度の電磁界環境
・ 例えば機器に比較的接近しているが，１m以内には近接していない携帯形トランシーバ（定格１W以下）。代表的な商業環境
Class S１；厳しい電界環境
・ 例えば制御機器のごく近傍（１m以内ではない）にある高電力トランシーバ（定格2W以上）の代表的なレベル。代表的な工業環境
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

非常に高い信頼性が要求される産業用情報処理装置の場合であっても、機器によって異なるが、耐性は１V/mとか３V/mといったレベルである。

７）一般のパソコンなどの耐性
以下の規定がある。
表題：JEITA　IT-3001A　情報処理装置及びシステムのイミュニティ試験方法と限度値　
発行：電子情報技術産業協会　2004年制定　2010年改正　

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　　　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
放射電磁界　周波数：８０－１０００MHｚ　　３V/m
　　　　　　　　　　　１GHｚ－６GHｚ　　　３V/m
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　　　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

この資料からも、パソコン機器の耐性は３V/mといえる。

８）結論
本日のネットの検索による調査では、電気・電子機器の外来の電波（電磁波）に対する耐性は１V/mから３V/m程度であり、これらより強い電波の照射があれば、それらの機器は誤動作する恐れがあるといえる。

すなわち、電波防護指針の規定（たとえば９００MHｚの携帯電話基地局からの電波の強さが47.5V/m ）に対して、１０％程度で十分に低いという状況であっても、その電界強度は4.75V/mとなり、その場所では電気・電子機器が誤動作する恐れがあるといえる。


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４２Ａ．ＮＴＴドコモの環境レポートにあった電子機器への影響の考慮

記：２０１１－９－１

NTTドコモの環境レポート2001年にあった内容　です。
http://www.nttdocomo.co.jp/search/（リンクは切れています）

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　　　　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

ドコモでは基礎技術、要素技術、そして応用技術を積み重ね、研究開発体制を構築しています。
「サービス」と「モノづくり」に関するマーケットの要望を迅速にフィードバックし、モバイル環境が直面するさまざまな問題に最良の解決方法を提供すると共に「グリーンR&Dガイドライン」に沿って、研究開発段階から環境への配慮を行い、地球環境にやさしい技術やサービス、製品の提供に努めています。

省資源端末機器の開発
（略）

電磁波に関する研究
（略）

ドコモでは、電磁波照射の強さ等の測定法を研究開発すると共に、総務省の提示した指針値を遵守して電波利用を行っています。
基地局は規制値を満足させるのみならず、周囲環境の電子機器等への影響を考慮し建設・運用しています。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　　　　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

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４３．原発に関する論議の中にあったソフトバンク孫社長の見解

記：２０１１－８－１０

http://news.nicovideo.jp/watch/nw97044　にあった内容　2011-8-8のログ　
長い対談の記録の中から、携帯基地基地局に関する見解を抜粋した。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　　　　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
ニコニコニュースのサイト

「脱原発を叫ぶ前に――」　孫正義×堀義人　対談全文書き起こし
2011年8月6日(土)22時24分配信

孫:　僕が聞いているのは、全然違う説の人も沢山いる。
ですからこれは両論あるわけですよ。
さっき「電磁波で危険だ」と仰いましたが、電磁波だって両論あるわけです。
携帯が電磁波が出てて、これがガンになると言ってる人もいるし、そうでないと言う人もいるし、携帯によるガンになるリスクは漬物とかコーヒー程度です（と言う人もいる）。
それも「まだ分かりません」という状況の中で言われてて、それもいろんな諸説がある。
携帯の時にいろんな諸説ある中で、堀さんは携帯を使うと頭が痛くなる。
堀さんがそうなら僕は相当敏感な人だと思うけど、イヤホンマイクを使えばいい、堀さんは。
頭が痛くなると自分が思う人はイヤホンマイクを使う選択肢がある。
それはいろんな説があって、どの説を信じるかによりけりだけれども、自分が危険だと思うならば、頭が痛くなるというセンシティブな方は、それはその人が正しいかも知れない。
その人は自分の身を守るために、イヤホンマイクをいくらでも使える選択肢がある。
でも原発は、そこに代々住んでいる農家の方、漁業の方、自分が代々そこに住んでいて、そこにいる子どもたちとか母親たちはなかなか選択肢が無いわけです。
そもそも反対しているのに、地元に勝手に（原子力発電所を）作られてしまったという人もいっぱいいるわけです。
そういう選択肢を提供してもらえない人々の苦しみと、自分の説でイヤホンマイクを使えると（いうのでは）、全然次元が違うと思います。

堀:　ただ孫さん、基地局はどうします？
孫:　基地局だって、これまたいろんな説がある。
堀:　基地局の周りの方は、選択肢が無いわけですよね。
孫:　我々が聞いている範囲では、これは「問題無い」と聞いているから、世界中基地局が建っているわけです。そうですよ。

堀:　孫さんは自分が･･･。
孫:　世界中、携帯の基地局は建っていて、東京タワーだなんだという基地局もあって、そういう中で我々は住んでいるわけですよね。
その基地局が、現に放射能を巻き散らかした人間の遺伝子にまで影響を与えたという話は、僕はあまり知らない。

■「電磁波のほうが怖いです。本当の意味で」
孫:　僕が言いたいのは、いろんな説の学者がいて、結局それは平行線の場合もあればいろんな（場合が）あると。それはそれで良いではないかと。
堀:　いや、良いと思いますよ。
孫:　それは今でも結論は、結局分からないのだろう。
10年後、20年後にもう少し時間を経て、実際に証拠が出てきた後に初めて、学者の皆さんの多くは後付けで言われる方もいっぱいいるんだけど。
後付けではなくて、早め早めに予知できる人というのは、余っ程優れた一部の学者ですよ。
大半の人は後付けで分析をするという人のほうが多いと。
だから想定外の事故が起きたではないですか。「想定外」と言ったこと自体が、もうすでに後付けではないですか。

堀:　孫さん。ただ私は、「何でも言っても良い」ということなので申し上げますが、電磁波のほうが怖いです。本当の意味で、本当に怖いです。
孫:　今日は電磁波のことを議論する場ではないでしょう。
堀:　もちろんそうなのだけど、何が怖いかというものをきちんとフェアに考えた上で話さなければ、二重標準、ダブルスタンダードと言われますよ、本当の話。従って･･･。
孫:　いやいや、だから僕が言っているでしょう。電磁波が怖い携帯を、従って使いたくない･･･。

堀:　基地局の問題があるではないですか。
孫:　基地局は世界中にありますよね。
堀:　だから、基地局の周りの人は選択権が無いんですよ。
孫:　だけど基地局は、それなりに全部検査をして、私が聞いている範囲では基地局の電磁波については「大丈夫だ」ということで、今まで国が定めた基準でそれこそやっているわけです。
もちろんそれが「違う」という説があるならば、それはそれで、そのテーマについてしっかり議論をすれば良いと思うのです。
その点について。全世界で基地局が建っているわけですから。
それは僕にだけ言うのではなくて、（NTT）ドコモとKDDIにも言ってくださいよ。

会場:　（笑いが起こる）
堀:　もちろん。孫さんに申し上げて･･･。
孫:　私だけ「やめろ」と言われたって困る。
堀:　孫さんに申し上げている理由は何かというと、私から見て危険ではないものを危険と堂々と言って、電磁波･･･。
孫:　（NTT）ドコモとKDDIも止めるなら私もやめますよ。
堀:　孫さんの場合には危険ではないものが、二重スタンダードになっているから申し上げているわけであって。

孫:　大体、危険だと言うならば、3社の鉄塔を共有化してと私はいつも言っているんです。
（NTT）ドコモとKDDIに「鉄塔は共有しましょう」と。
「そこに皆で機器を載せれば良いではないですか」といつも言っているんです。
彼らが乗ってこないだけで。だから、もし基地局の数を減らすべきだと言うなら、さっさと我々にも届く電波をくれと。その上で同じ鉄塔を使わせろと。
そうしたら「同じ土俵で勝負をしてやる」と、そういうことを言いますよ。
それを電磁波がどうのこうので、私の携帯の事業をやめなさいというのは、これまた変な話だと思うのです。
私はイコールフッティング（同一の条件）であれば、皆で世界中の携帯会社が「基地局の危険かもしれない」ということで、皆がミニマイズすると、皆が「共有化の鉄塔にしましょう、数を減らしましょう、届く電波にしましょう」とイコールフッティングでやるなら全然文句は無い。
堀:　すみません。私はその意見はフェアだと思
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　　　　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

関心のある方は、当該のサイトにアクセスして、全文を読んでください。

「孫:　だけど基地局は、それなりに全部検査をして、私が聞いている範囲では基地局の電磁波については「大丈夫だ」ということで、今まで国が定めた基準でそれこそやっているわけです。」と述べているが、本当にそれだけでよいのかは、ＢＥＭＳＪとしても疑問を感ずる。「携帯電話基地局は国の基準でやっていて大丈夫だ」　として、「国の基準でやってきた原発は駄目」というのは、論が合わないからである。

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４４．景観に配慮した？携帯基地局

記：２０１１－８－１７

中国は無錫での情報です。
携帯電話の基地局を街灯の形にした例です。
景観に配慮する　ということであれば、こうした形態の基地局も良い案と思います。
http://jp.wuxi.gov.cn/web101/fjzz/xw/xw/1038423.shtml　からの抜粋です。

 

　　

 

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４４A．ポーランドでは教会の塔に基地局を設置

記：２０１９－１１－６

以下の報告書にあった情報です。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
諸外国における電波防護規制等に関する調査報告書
平成１７年３月
総務省

ポーランドにおける携帯電話基地局
②教会の塔に設置したアンテナ
多くのアンテナは、見えないように教会の塔の中に入れて設置されている。
人々は教会の塔にある十字架がアンテナであることを知らない。

使用料は建物のオーナに支払われるが、神父側は教区に資金が入るメリットがあり、信者は教会ということで取り立てて特に抗議をしない。
携帯電話のオペレーターは使用料を支払う義務があり定価表も定められているが、プラスアルファの補償額をいくらにするかという交渉がある。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

本当に教会の塔に設置しているのか・・・・・疑った。
そこで探してみた。わずか10分程度の観察で、簡単に以下の例を見つけた。
2019年11月にグーグルのストリートビューで見つけたPoland Lodz 市の基地局、カソリック教会の塔に設置　　2019年の撮影

 



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４５．疑問のある区議会議員によるPHS局アンテナの撤去

記：２０１１－１１－１０

以下は井上やえ子品川区議会議員の活動報告にあったものです。
http://inoue.seikatsusha.net/にあった内容から一部を引用

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　　　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
2011 年 10 月 21 日
ゆたか保育園・児童センター屋上の携帯電話基地局が撤去されました～2011年決算特別委員会質疑報告から～

私は電磁波過敏症に苦しむ方の相談を受けて電磁波学習会を行い、特に子どもたちへの影響が心配されるという事実を知りました。
同様に携帯電話の中継基地局から常時発信される電波の影響も見逃せないと知り、公共施設の携帯電話基地局の設置状況を調べました。

ゆたか保育園・児童センターの屋上に中継基地局があることがわかり、2009年9月30日の決算委員会で撤去を求めました。
当時、保育課長はただちに健康被害を生ずるという認識を持っていないので撤去の考えはないと答弁しました。
しかし今年契約期限が終了したこともあり、同保育園・児童センターの改築にあわせて撤去をしたと報告がありました。
委員会で指摘しなければ問題意識もなく再び契約更新がされていたのではと思うとヒア汗が出ます。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　　＊＊＊＊＊＊＊＊

以下は撤去前の品川区豊町5丁目18-15にある区立ゆたか児童センター屋上にアンテナがあった時の写真です。
写真を見れば8本のエレメントからなるPHSの送信アンテナであることが判ります。
PHSアンテナの場合は、真横に近接できる場合は問題があるのですが、それ以外は送信電力も小さく、この場合に限定して考えれば撤去の必要性はなく、区議会議員が危険として問題視し、区議会で撤去を求める質疑を行うことは、大きな問題であると、BEMSJは考えます。

区議会議員であれば、最低限度は携帯電話とPHSの送信アンテナの特性の違いを理解し、科学的な見識に立って行動を行わないと、区民をミスリードすることになりかねません。

　　

 

 

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４６．PHS用アンテナの特性に関する解説

記；２０１１－１１－２８

携帯電話の基地局アンテナとPHS基地局のアンテナは、区別が判りにくい。
以下は　　　　にあった解説でしが、許諾を得て、転載します。
PHSアンテナの形式などの理解が深まるでしょう。

昔は東通工さんのサイトにあった内容です。
http://www.interq.or.jp/blue/rhf333/ANT-K.htm　　
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　　　　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

アダプティブ・アレイ・アンテナ

アダプティブ・アレイ・アンテナは、アレイ・アンテナのなかでも特にマルチパスによるフェージング除去用として、優れた効果を発揮する複合アンテナです。
無線家の方ならおわかりでしょうが、このアンテナは最大比合成のダイバーシティーアンテナの考え方を、発展させものです。

図1はPHSサービスで使用される、アダプティブ・アレイ・アンテナの一種です。
実際には、コリニアアンテナを複数本用い、アッテネータ（減衰器）および位相器（ディレイライン）を各素子間に挿入した構造となっています。

このアンテナの特徴は、なんと言っても指向性のヌル点（感度が急激に落ち込む点）を、任意の方向に作れるところでしょう。
感度はほとんどない、と言っていいほど落ち込みますので、その方向からのマルチパスはないことになり、マルチパスがそれ一つだけの場合は、原理的にフェージングは発生しないことになります。

しかし、都市部ではそういう単純な環境ではないので、その効果は希薄になってしまいます。
それでも、DDI-P（現在のウイルコム）の様なロケーションにアンテナを設置する場合、必須ともいえる機能だと思います。

なにしろ、地上高が高いと言うことは、遠方の基地局との干渉波、長周期の反射波など、悪条件が重なります。
見通しが伸びることは、V/UHF帯において重要ですが、デジタル通信ではむやみに、地上高をあげてもFER（フレーム誤り率:バーストエラー）が増えるのでこれがまた、やっかいなのです。

実際のものでは、まずビームチルティングが携帯基地局同様、行われています。
これは、アンテナの垂直面の指向性を下に向けることで、FERを改善しようとするものです。
特に、隣接セル干渉および、ビルなどの反射波（マルチパス）に有効さとれます。

 

図1　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　図2

 

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４７．携帯電話基地局アンテナの外観図の紹介

記：２０１２－１２－１

＊1.5GHｚ／２GHｚ共用アンテナ　

「日立電線」No.21　２００２－１　という雑誌からの引用です。
長さは2.50m　直径21.2cm　となっている。


　　

 

＊セクターアンテナの例

電気興業（株）の資料より

周波数は2.5GHｚ帯　長さ1.2m　直径約10cm

 

　少し傾けて取り付けられている。

 

 

＊無指向性アンテナ

RFワールド　No.2に記載の「携帯電話基地局用アンテナの実際」より引用。

長さや周波数に関する記述はない。

 

　　

　

＊基地局用アンテナ

アンテナ技研（株）の資料より

周波数は1.5GHｚ帯　長さは約2.2m　

 

円形リングの外周に取り付けられている棒状のものがアンテナ

　

 

＊2GHz帯簡易基地局用オムニアンテナ（W-CDMAに対応）

八木アンテナ（株）の資料より

長さ約1.6m　直径3.4cm

 

　2本のアンテナの組み合わせ

 

 

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４８．無線局登録情報の読み方

記：２０１２―１２－２３　　最終更新：２０１２－１２－２８

総務省の電波利用の頁を利用すれば、携帯電話基地局の情報が得られる。
以下はダウンロードした無線局情報の一例です。


この登録済み無線局の場合、
１）周波数帯域2132.6MHzから2142.4MHzの帯域の中に、任意の中心周波数で占有帯域5MHzの電波が最大で3波、各５Ｗで出力することができる。
そしてその合計最大電力は15Wである。
２）1877.4MHz、1872.4MHz、1867.4MHz、1862.4MHzと中心周波数が固定された占有帯域5MHｚの電波が、各3.98Ｗで、合計で4波出力することができる。
そしてその合計の電力は15.6Wである。
３）877.5MHzと中心周波数が固定された占有帯域5MHzの電波が、1波だけ出力することができる。その最大電力は10Wである。
４）2147.2MHzと中心周波数が固定された占有帯域5MHzの電波が、1波だけ出力することができる。その最大電力は5Wである。
５）したがって、この無線局からは、最大9波の電波が発信できる。それらの合計の無線電力は45.6Wである。
ということが判る。

 

この登録済み無線局がフル稼働したとし、アンテナと同じ地上高さで、アンテナから50ｍ離れた地点にマンションなどがあるとすれば、
そのマンションにおける電波曝露は、　アンテナに指向方向の利得を50倍と仮定すれば、

１）は　23.9mW/m2=2.39μW/cm2

２）は　24.8mW/m2=2.48μW/cm2　　1波あたりでは6.2 mW/m2となり、電界強度に換算すれば1.53V/mで　住居における電子機器の誤動作もたぶんないと思われる。、

３）は　15.98mW/m2=1.59μW/cm2　

４）は　7.96mW/m2=0.796μW/cm2　　　となり、合算すると7.25μＷ／ｃｍ2となる。　　　防護指針には十分に満足している。

個別の判定方法に関しては、以下に述べる。

その１：
登録情報で、周波数や送信電力は判るが
電波の形式としては、たとえば「5M00 G7W」とか　「５M00 X7W」という略号で表記されている。

この電波の形式の略号表記の読み方は、総務省の電波利用のサイトを見ても、見つかりませせん。
どこに情報があるのか、・・・・・
6ケタの符号の中の後半部3桁に関しては、「電波法施行規則第４条の２」に記載（総務省のWEBサイトに公開）されている。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊引用　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

(電波の型式の表示)

第四条の二　電波の主搬送波の変調の型式、主搬送波を変調する信号の性質及び伝送情報の型式は、次の各号に掲げるように分類し、それぞれ当該各号に掲げる記号をもつて表示する。
ただし、主搬送波を変調する信号の性質を表示する記号は、対応する算用数字をもつて表示することがあるものとする。


一　主搬送波の変調の型式 　　　       記号
(1)　無変調           　　　　　　　　         N

(2)　振幅変調       　　　       　
(一)　両側波帯      　　　       A
(二)　全搬送波による単側波帯          H
(三)　低減搬送波による単側波帯       R
(四)　抑圧搬送波による単側波帯       J
(五)　独立側波帯  　　　       B
(六)　残留側波帯  　　　       C

(3)　角度変調       　　　       　
(一)　周波数変調  　　　       F
(二)　位相変調     　　　      G

 

(4)　同時に、又は一定の順序で振幅変調及び角度変調を行うもの　　　        D

(5)　パルス変調    　　　       　
(一)　無変調パルス列         P
(二)　変調パルス列             　
ア　振幅変調        　　　       K
イ　幅変調又は時間変調     　　　       L
ウ　位置変調又は位相変調 　　　       M
エ　パルスの期間中に搬送波を角度変調するもの          Q
オ　アからエまでの各変調の組合せ又は他の方法によって変調するもの　　  V

(6)　(1)から(5)までに該当しないものであつて、同時に、又は一定の順序で振幅変調、角度変調又はパルス変調のうちの二以上を組み合わせて行うもの W

(7)　その他のもの X

二　主搬送波を変調する信号の性質
(1)　変調信号のないもの     　　　       〇
(2)　デイジタル信号である単一チヤネルのもの 　　　       　
(一)　変調のための副搬送波を使用しないもの 　　　       一
(二)　変調のための副搬送波を使用するもの    　　　       二
(3)　アナログ信号である単一チヤネルのもの    　　　       三
(4)　デイジタル信号である二以上のチヤネルのもの      七
(5)　アナログ信号である二以上のチヤネルのもの           八
(6)　デイジタル信号の一又は二以上のチヤネルとアナログ信号の一又は二以上のチヤネルを複合したもの        　九
(7)　その他のもの 　　　       X

三　伝送情報の型式           記号
(1)　無情報           　　　       N
(2)　電信 　　　       　
(一)　聴覚受信を目的とするもの        A
(二)　自動受信を目的とするもの        B
(3)　フアクシミリ     　　　       C
(4)　データ伝送、遠隔測定又は遠隔指令         D
(5)　電話(音響の放送を含む。)          　　　       E
(6)　テレビジヨン(映像に限る。)          　　　       F
(7)　(1)から(6)までの型式の組合せのもの　     W
(8)　その他のもの 　　　       X

２　この規則その他法に基づく省令、告示等において電波の型式は、前項に規定する主搬送波の変調の型式、主搬送波を変調する信号の性質及び伝送情報の型式を同項に規定する記号をもつて、かつ、その順序に従って表記する。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

従って、上記の例にあるX7W、G7Wという電波の形式を読み込むと
主搬送波の変調の型式、主搬送波を変調する信号の性質及び伝送情報の型式は
X7Wでは、その他のものX　デイジタル信号である二以上のチヤネルのもの：7　(1)から(6)までの型式の組合せのもの：W　となり、
G7Wでは、位相変調：G　デイジタル信号である二以上のチヤネルのもの：7　(1)から(6)までの型式の組合せのもの：W　となる。


その2：
記：２０１２－１２－２４　

登録情報で、周波数や送信電力は判るが、
電波の形式としては、たとえば「5M00 G7W」とか　「５M00 X7W」という略号で表記されている。
また、電波の形式としては、たとえば「1M48 G7W」とか　「10M0　X7W」という略号で表記されている。

前半部に関しては無線局免許手続規則別表第２号第１の注２０（総務省のWEBサイトに公開）に記載されている。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
20　18の欄の記載は次によること。
(1)　電波の型式の記載に際しては、占有周波数帯幅について、設備規則別表第二号第2から第4までの規定の適用がある場合に限り、必要とする占有周波数帯幅を次の表示方法により電波の型式に冠して記載すること。
ア　占有周波数帯幅を3数字及び1文字(H、K、M又はG)により記載すること。
この場合において、最初の記号として数字の0並びに文字のK、M及びGを用いないこと。
イ　占有周波数帯幅の記載に際しては、次の表の占有周波数帯幅の範囲の欄の区分に従い、記載方法の欄に示すように占有周波数帯幅の大きさに応じたH、K、M又はGの文字を小数点の位置に記載すること。

占有周波数帯域幅の範囲

記載方法

0.001Hz～999Hz

H001～999H

1.00kHz～999kHz

1K00～999K

1.00MHz～999MHz

1M00～999M

1.00GHz～999GHz

1G00～999G

 

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
以上のことから、「5M00 G7W」や「５M00 X7W」の場合は、5.00MHｚの占有帯域幅を持った電波が発信されていることが判る。
また、「1M48 G7W」では　1.48MHzの占有帯域幅を持った電波が、「10M0　X7W」では10.0MHzの占有帯域幅を持った電波が発信されていることが判る。


その3：

記：２０１２－１２－２６　　更新：２０１２－１２－２８

無線局登録情報として、以下の記述がある。

5M00G7W

2132.6 MHz から 2142.4MHz まで　200 kHz間隔の周波数 50波

出力　5W

 

5M00 G7Wとある。このことか5M00なので占有帯域幅は5MHzと判明。

周波数範囲は2132.6MHzから2142.4MHzまでの周波数範囲の中で、200KHzおきに中心周波数を選択して、その中心周波数を中心に5MHzの占有帯域をもつ電波を発信できる、ことになっている。

 

とすれば、認可された周波数帯域の中で、うまく割り当てを行えば、最大3波の電波を発信することが可能となる。

 

 

　

すなわち、認可された周波数の範囲と、認可された電波の占有帯域幅から、発信できる電波の数は定まり、最大発信可能電波の数は制限を受ける

結論からいえば、50波の電波は発信できず、この場合は、最大でも僅か3波の電波しか発信できない。


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４９．携帯基地局のアンテナの性能：指向性の実例

記：２０１８－１－２１

Andrew社製のアンテナの指向性の実例です。

kari 文書名 _ANDRS00468-1

 

 

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５０．携帯電話基地局の位置と電波曝露量の比較検討　

記；２０１８－３－２０

携帯電話基地局は自宅の近傍にあった方がよいか、限りなく遠方にあった方がよいか、一定の条件下で比較検討してみた。
自宅における電波曝露は、基地局からの電波曝露だけではなく、周辺の携帯電話利用者の端末からの電波曝露を合算して考えることにする。

条件
・基地局のアンテナ高さは地上11mと仮定
・携帯電話の端末は、地上1mにあると仮定
・これらの曝露を受ける人の位置は、地上1mと仮定

基地局の発信電波の強さに関する条件設定
１．基地局からの電波発信の強さは、遠方：例1kmにいる端末使用者に向けては1台当たり最大0.2Wとする。
２：基地局からの電波発信の強さは、近傍：例100mの地点にいる端末使用者に向けては、最大値の20分の1である0.01Wとする。
３．基地局の電波発信は、同時に最大100名が利用できるものとする。
４．基地局からの電波の垂直指向性は、遠方：例1kmに対しては利得100倍、近傍；例100mに対しては利得1とする。
５．端末機1台からの発信電力は、基地局が遠方：例1kmにある場合は最大となり0.2W、基地局が近傍：例100mにある場合は最大の20分の1で0.01Wとする。
６．端末機のアンテナの利得は1とする。また、全方向に等方に伝搬するものとする。
７．基地局からは、端末の利用者が皆無であっても、電力2Wで電波を発信しているものとみなす。

曝露の計算の設定
・曝露を受ける人の位置は、基地局から100mの場合と、1kmの場合とする。
・端末の利用者は皆無の場合と、端末の利用者が1か所に固まって100名が、基地局・曝露を受ける人から100mの地点にいる場合　と
・端末の利用者が１か所に固まって100名が、基地局・曝露を受ける人から1kmの地点にいる場合　を計算する。

即ち

設定条件１：基地局・端末・曝露を受ける人がそれぞれ100mの水平距離で、正三角形の関係にある位置にある。
設定条件２．基地局と曝露を受ける人の水平距離は100m、端末は基地局と曝露を受ける人から1kmの位置にある。
設定条件３．基地局と端末・曝露を受ける人がそれぞれ1kmの水平距離で、正三角形の関係にある位置にある。
設定条件４：基地局と曝露を受ける人の水平距離は1km、基地局と端末の水平距離は1km、端末と曝露を受ける人の水平距離は100mとする。

このようにして、曝露を受ける人の電波曝露量が、基地局からの電波と、端末からの電波の両方を受けるとして、条件による差異を計算する。

 

条件設定

 

端末と曝露を受ける人の距離100m

端末と曝露を受ける人の距離1km

端末0台

端末100台

端末0台

端末100台

曝露を受ける人と基地局の距離

100m

設定条件1

設定条件2

1km

設定条件4

設定条件3

 

 

基地局からの発信電波による曝露　対端末通信時　曝露量：W/m2

 

端末と曝露を受ける人の距離100m

端末と曝露を受ける人の距離1km

端末0台

端末100台

端末0台

端末100台

曝露を受ける人と基地局の距離

100m

 

0.01W×100人×利得1を距離100mで

 

0.2W×100人×利得1を距離100mで

0

0.000007883

0

0.000157659

1km

 

0.2W×100人×利得100を距離1kmで

 

0.2W×100人×利得100を距離1kmで

0

0.000159220

0

0.000159220

 

 

基地局からの発信電波による曝露　一定量常に発信分　　曝露量：W/m2

 

端末と曝露を受ける人の距離100m

端末と曝露を受ける人の距離1km

端末0台

端末100台

端末0台

端末100台

曝露を受ける人と基地局の距離

100m

2W×利得1を距離100mで

2W×利得1を距離100mで

0.000015766

0.000015766

0.000015766

0.000015766

1km

2W×利得100を距離1kmで

2W×利得100を距離1kmで

0.000000159

0.000000159

0.000000159

0.000000159

 

 

端末からの曝露　　　曝露量：W/m2

 

端末と曝露を受ける人の距離100m

端末と曝露を受ける人の距離1km

端末0台

端末100台

端末0台

端末100台

曝露を受ける人と基地局の距離

100m

 

0.01W×100人×利得1を距離100mで

 

0.2W×100人×利得1を距離1kmで

0

0.000007962

0

0.000001592

1km

 

0.2W×100人×利得1を距離100mで

 

0.2W×100人×利得1を距離1kmで

0

0.000159236

0

0.000001592

 

 

3つの電波曝露の合算値　　曝露量：W/m2

 

端末と曝露を受ける人の距離100m

端末と曝露を受ける人の距離1km

端末0台

端末100台

端末0台

端末100台

曝露を受ける人と基地局の距離

100m

0.000015766

0.000031611

0.000015766

0.000175017

1km

0.000000159

0.000318615

0.000000159

0.000160971

 

 

3つの電波曝露の合算値　　相対比較値

 

端末と曝露を受ける人の距離100m

端末と曝露を受ける人の距離1km

端末0台

端末100台

端末0台

端末100台

曝露を受ける人と基地局の距離

100m

99

199

99

1099

1km

=1

2001

=1

1011

 

 

本日の結論；
以上の例から
・自分及び近隣に誰も携帯電話の利用者がいないのであれば、基地局は自宅から遠方に立てる。
＜逆をいえば、こうした環境では利用者がないので、携帯電話の通信会社は基地局のアンテナは立てない。＞
・自分及び近隣に多くの携帯電話の利用者がいる場合は、自宅の近くに基地局を立てさせた方が、相対的に電波の曝露は少なくなる。
・自分及び近隣に多くの携帯電話利用者がいる場合に、基地局を遠方に設置させることは、電波曝露の観点からは、最悪の選択となる。

以上の解析は、あくまでも前述の条件下での結果である。
実際の携帯電話の基地局と端末の電波発信条件は、わからないので、厳密な計算比較を行うとなれば、携帯電話の通信会社の協力が必要となる。
したがって、上記の結論は、もしかして、修正する必要があるかもしれない。

現実の通信方式は、ここであげた前提条件より複雑で、単純な推定計算は困難かもしれない。

 

＊携帯電話基地局と携帯電話端末からの電波曝露以外のテレビ放送などの電波曝露の量との相対的な比較

テレビ放送電波の電波強度の実際の測定例はあるのかもしれないが、包括的なデータは、BEMSJの手元にはない。
ちょっとテレビ塔に近い場所で、すこし電波強度が強い箇所で、仮に1V/mという電界強度であったとすると、電力密度ではS=0.0026W/m2　=2.6mW/m2　=0.26マイクロW/cm2となる。

上よりは弱い電波、テレビ塔からはちょっと離れた場所でのテレビ電波強度を0.1V/mとすれば、電力密度はS=0.00026W/m2=0.2.6mW/m2=0.026マイクロW/cm2となる。
この値は、前述の携帯電話基地局からの電波曝露推定値の最大値である0.000318615W/m2とかなり近い値である。

こうなると、携帯基地局からの電波曝露ではなく、テレビ放送電波などの電波曝露の方が大きい可能性もある。
基地局からの電波曝露を気にするのであれば、それ以前に、テレビ放送などの既存の電波曝露を気にしなければ、意味はない。


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５０Ａ．携帯基地局を幼稚園からさらに50ｍ離れた場所に変更してOKとした長野県富士見町境の事例

記：２０２０－５－２２

＊以下の事例が富士見町議会議員のサイトにあった。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
http://www.angelchiyoko.net/mt/archives/000312.html　<リンク切れ>　

エンジェル千代子の「富士見に元気を連れてこよう！」
長野県富士見町の町議会議員　エンジェル千代子　の議員としての活動を報告したり、意見交換をしたりするためのウェブロッグ(blog)です。皆様のご参加を大いに期待しています！
2006年07月02日

電磁波の問題について

５月の上旬に境保育園・保護者の友達から
「携帯の電柱を建てる工事のために、通園路の通行止めのお知らせが来たけど、突然何の説明もなく！？おかしくない？」と連絡をもらいました。
保育園を通じて手紙が来たのは金曜日で、次の週の水曜日からの通行止めの知らせでした。

今、携帯電話の電波塔が、こうやってものすごい勢いで建っていることを、皆さんご存知でしょうか？
この道路は境小学校の通学路にもなっているため、小学校に確認したところ、「聞いていない」との返事でした。
役場にも確認しましたが、通行止めの許可を取っていないとの事で（呆れた話です！）とりあえず水曜日からの工事はなくなりました。

工事のお知らせ以前に、鉄塔を立てる説明会をするべきだと役場に要望しましたが、「電柱を立てるたびに説明会を開いたりしません」との返事でした。
でも、世界的に電磁波の問題については議論されています。

日本国内でも住民と携帯電話会社間のトラブルが全国でも急増しています。（2005年3月で200件。市民団体電磁波問題市民研究会の調べ）
その事を業者側が知らないはずはなく、保護者からの要望もあり摩擦を起こさないためにも事前の説明会を開いて欲しいと、役場を通じて要望しました。

その週の土曜日の夜に境保育園の保護者を中心とした住民に説明会が開催されました。
大まかな内容は・・・
2006年　　秋には番号を変えないで機種の変更ができる第3.5世代となる。
そのために急いでしまって、手順をきちんと踏まずに申し訳なかった、と言うようなことでした。
今後も2008年には 第3.9世代　スーパー3G　となり、（速度がもっと速くなる）2010年 第4世代 を迎える、との事です。

何世代と言われても分からないのですが、世代が進むにつれどんどん電波を送る基地局が必要になると言うことです。
しかも、この基地局は、それぞれのメーカによって必要になるので、そのうちに日本中、基地局だらけになってしまうんでしょうね。
その電波の届かない地域をなくすために、今回予定されている基地局はピンポイント、500~600メートルの範囲をカバーする物だそうです。

従って、富士見町の「環境審議会」の対象にもならず、どの規制にも掛かることなく建てられてしまう物だと言うことです。

（略）
その小さな子供たちが日中の大半を過ごす保育園のわずか200mに中継塔を建てることが本当にいいことなのでしょうか？
お母さんたちからは
「素人で何も分からないから余計に怖い。子供は親が守るしかない。」
「何年も経って結果が出るようでは困る。」
「地図を見れば保育園がすぐそばにある事は分かるはず。小学生の通学路でもあって考えると心配で仕方ない」
と言う内容の意見がほとんどでした。

この境保育園の説明会では結局、基地局を通学路と境保育園から離す事を持ち帰って検討する事になりました。
その返答がつい最近ありました。
「・・・検討した結果、不感地帯の解消が第一条件となるため、如何しても基本エリアを外す事ができない事から最大限努力して、現在の位置より東側に50m移動した場所しかないと判断いたしました・・・」
保護者のみなさんとの相談で、今回の基地局については、この案で承諾する事になりました。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

保育園から200ｍの地点に建設予定の基地局を、250ｍの地点に変更した事例です。

BEMSJのコメント：
保育園から200ｍでも250ｍでも、極端に言えば100ｍでも、基地局からの電波曝露強度は、基本的には変わらない。
保育園から、もしくは通学路から見えなくなる（見にくく）なれば、それで由、としているのであろうか・・・・？


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５０Ｂ．2002年の坂上らの携帯電話基地局の集中化提案

記：２０２０－5－19

＊以下の研究（大学の卒業論文？）がある。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

掲載誌：2002年日本オペレーションズ・リサーチ学会秋季研究発表会
タイトル：携帯電話基地局配置に着目した利用可能範囲と電磁波被曝範囲
研究者：筑波大学　坂上友紀ら

はじめに
近年の携帯電話の急速な普及により、多くの携帯電話基地局が都市内に設置されている。
一方で基地局から発せられる電磁波の人体影響への不安から基地局建設反対運動も起きており、迷惑施設としても位置づけられている。
そこで本研究では、携帯電話の利用可能範囲と電磁波被曝範囲の割合とのトレードオフ関係をモデル化し、ランダムな配置と比較して現状の配置パターンを特徴づける。
また、現在事業者が個々に設置している携帯電話基地局を、事業者間で共同利用することによってこのトレードオフ関係がどのように変化するのかについて論じる。

名古屋市の人口密度はつくば市の10.7倍であるので、利用者密度をも考慮し、名古屋市の利用可能範囲を基地局から1km、つくば市では3kmと設定する。
電波は基地局のアンテナ部分から200m離れれば十分減表するというE. Moulderの既存研究より、両市ともに基地局から200mの範聞を電磁波被曝地域と設定する。

現在4 業者が個々に配置している基地局を共同利用することによってサービスする基地局数を減らし、電磁波被曝地域を狭くすることを考える。
基地局の減らし方としては、事業者単位で減らすときのことを想定する。

おわりに
携幣電話利用可能範囲と電磁波被曝範囲とのトレードオフ関係に着目した。
事業者単位で共同化を進めた場合、サービス水準も高く、電磁波被曝の割合も低い共同化の組合せがあることを示すことができた、また、ランダムな配置との比較から、名古屋市では、総じて一様に基地局を配置しているのだが、複数の事業者がかたまって近くに配置していること、つくば市では、人口の多いところに集中して基地局を配置していることがわかった。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

この研究は、基地局からの電波曝露を減らすために、基地局を共同利用することで、基地局のある場所の数を減らすという提案である。

単純に言えば、基地局からの電波による健康影響を気にするがゆえに、目に見える基地局のある場所の数さえ減らせばよいということに結び付けている。
研究者は大学生であり、この課題を検討するにあたり、十分な基地局の状況を把握できていなかったのではないかと思われる。

検証１：坂上らは「電波は基地局のアンテナ部分から200m離れれば十分減表するというE．Moulderの既存研究より、両市ともに基地局から200mの範聞を電磁波被曝地域と設定する。」とある。
この200ｍの原典は以下である。

『12）携帯電話の基地局アンテナは、安全ガイドラインに適合させることができますか？
はい。
携帯電話の基地局アンテナは、適切に設計することによって、広い許容範囲を持たせ、全ての安全ガイドラインに適合させることができます。

アンテナサイト基底部から約200m（650フィート）以内でその基底部上方の高い所（例えば、建物の2階や丘の上）では、電力密度はもっと大きくなるかもしれません。
同じタワー（塔）に多数のアンテナがある場合でも、アンテナサイトから高さや距離で40m（130フィート）より遠く離れたあらゆる所で、電力密度はFCCガイドラインの5％よりも低くなければなりません。

アンテナサイトから約200m（650フィート）より遠く離れている所では、高さが増しても電力密度は上がりません。』

すなわち、基地局のアンテナからは水平（もしくはやや下方：5度や10度）に向けては強く電波を出し、下方には弱く出す。したがって200ｍ以内で危険なのは、送信アンテナと同じ高さにある高層住宅などである。
地上高2ｍと言った生活空間では、基本的にサービスエリア内ではほぼ同じ程度の電波の強さになる。

従って坂上らが「200ｍ以内が「電磁波被曝地域で、危険区域」と定義した意味が極めてあいまいとなる。

検証2：200ｍ以内の送信アンテナと同じ地上高の区域が危険としても、送信電力が大きくなればこの距離は比例して大きくなる。Moulderの説は、送信電力に無関係に200ｍと言っているのではない。

送信アンテナを共同化したり、同一の場所にアンテナをまとめて設置したりすれば、当然送信電力は増加する。

例として、今まで個別に1基ごとに分かれて世知されていて、それぞれが200ｍの「電磁波被曝地域：危険区域」があるとする。
それを3基一か所にまとめたとすれば、3倍の電力になり、危険区域は半径200ｍ（面積では0.1256ｋｍ2）の3倍、半径600ｍ（面積では1.13㎞2となり、面積比では2乗で9倍と直拡大する）になる。

これでは、坂上らの提案は意味がなくなる、3倍の電力になっても、危険区域は200ｍに収まると言う誤った考えを入れてしまっているからである。


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５１．スペインBalmoriの2005年研究：携帯電話基地局と鳥の巣

記：２０２０－５－１５

＊はじめに

以下の情報がある。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
『生活の中にひそむ電磁波被曝による身体への影響』
    2019.6.22  東京・板橋グリーンホール  荻野晃也の講演レジメより

「自然界で の影響を直接調べたバルモリ論文（スペイン05年）では、携帯電話基地局から200m以内ではシュバシコウ（コウノトリの仲間）の「つがいの巣」の内の40%にヒナがおらず、300m以遠では僅か3.3%だったそうです。
07年には家スズメの激減報告が2件あり、基地局の近くほど家スズメが減っています。
バルモリ博士は2010年には基地局から140m以内にいるカエルを調べ、オタマジャクシの多くが死んでいたことを報告しています。
その電力（束）密度は0.86～3.25μW/cm2でした。」
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊：


＊そこで、バルモリの2005年研究を調べてみた。

EMF Portalのサイトでは

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
掲載誌: Electromagn Biol Med 2005; 24 (2): 109-119
タイトル：Possible Effects of Electromagnetic Fields from Phone Masts on a Population of White Stork (Ciconia Ciconia
シュバシコウ（ヨーロッパコウノトリ）の個体数に対する携帯電話基地局アンテナからの電磁界の影響の可能性

著者: Balmori A

この研究は、スペインの都市バラリャリッドで、携帯電話基地局アンテナの影響可能性を調べるために、アンテナ近くでのシュバシコウ（ヨーロッパコウノトリ）の群れの個体数をモニタリングした。

その結果、全体の繁殖率は、アンテナの200m以内の全ての巣では0.86±0.16、300m以上離れた巣では1.6±0.14であり、マンホイットニー検定で有意差が認められた。

200m以内の巣の平均の繁殖率は1.44±0.16、300m以上離れた巣の平均は1.65±0.13であり、この差は有意ではなかった。
200m以内の巣のうち24個（40%）でヒナが生まれなかったが、300m以上離れた巣ではそれが１個（3.3%）だけであった。
電界強度は、200m以内の巣では2.36±0.82 V/m、300m以上離れた巣では0.53±0.82 V/mであった、などを報告している。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊：

＊EMF　Ｐｏｒｔａｌの情報ではわかりにくいので、Full textを読むと
・60個の鳥の巣を選択した。
・Valladolod市街地にある教会やビルの屋根に作られた巣を対象とした。樹木やその他の自然物にある巣と、郊外にある巣は研究対象とはしなかった。
・30の巣は、15－30ｍの高さにあり、携帯電話の基地局の200ｍ以内にあった。
・その他に、基地局から300ｍ以上離れた場所にある30の巣を対象とした。

・電波強度は巣に近接しての測定は不可能なので、近隣の類似の場所で測定を行った。
・結果は以下に示す。

 

＊ＢＥＭＳＪ注：
・電界強度の測定値を見ると、200ｍ以内では0.6－3.2Ｖ／ｍ、300ｍ以遠では０－1.40Ｖ／ｍとなっている。
重なり合っていて、とてもこれでは二つに分類しての評価は困難とみることができる。
それに、携帯電話基地局からの発信電波強度は、24時間一定ではなく、それぞれの基地局のサービスエリア内に何人の携帯電話使用者がいるかに依存している。
したがって、上記の測定値も信頼できる値ではない。

・しかし、基地局の送信アンテナと、今般の鳥の巣はほぼ同じ地上高にあると考えることができる。
基地局の主放射軸は。水平もしくはやや下向きである。
したがって、送信アンテナと同じような地上高では、基地局との距離に応じて、200ｍ以内であれは、300ｍ以遠に比べて、相対的に電波を強く受けることになる。
・このように考えると、この実験は、「基地局アンテナと同じような地上高で、アンテナに近い距離で、ヒトが住むことはリスクがある・・・・」という意味で、ある程度考えるべき陽性効果を示していると言える。


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５２．スペインBalmoriの2007年研究：無線周波数電磁界曝露とスズメの生息数

記：２０２０－５－１５

＊はじめに

以下の情報がある。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
『生活の中にひそむ電磁波被曝による身体への影響』
    2019.6.22  東京・板橋グリーンホール  荻野晃也の講演レジメより

「自然界で の影響を直接調べたバルモリ論文（スペイン05年）では、携帯電話基地局から200m以内ではシュバシコウ（コウノトリの仲間）の「つがいの巣」の内の40%にヒナがおらず、300m以遠では僅か3.3%だったそうです。
07年には家スズメの激減報告が2件あり、基地局の近くほど家スズメが減っています。
バルモリ博士は2010年には基地局から140m以内にいるカエルを調べ、オタマジャクシの多くが死んでいたことを報告しています。
その電力（束）密度は0.86～3.25μW/cm2でした。」
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

＊そこで、バルモリの2007年研究を調べてみた。

EMF Portal にあった情報
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
掲載誌: Electromagn Biol Med 2007; 26 (2): 141-151
The Urban Decline of the House Sparrow (Passer domesticus): A Possible Link with Electromagnetic Radiation.
イエスズメの都市における減少：電磁界放射との関連可能性
研究者: Balmori A, Hallberg Ö

最近数十年の間に、英国およびいくつかの西ヨーロッパの国で、イエスズメの著しい減少がある。
この研究の目的は、スペインにおいても個体数が減少しているかどうかを決定し、さらに、電話アンテナからの放射電磁界(マイクロ波)がスズメ個体数減少と相関するという仮説を評価することである。

2002年10月から2006年5月の間、スペインのValladolidに40回出向き、30地点での横断調査を行った。
各地点で、スズメの数を数え、電界強度平均値(無線周波数とマイクロ波：1MHz-3GHz範囲)を測定した。

時間とともに鳥密度平均値の有意な減少が観察され(P=0.0037)、高い電界強度の地域において著しく低い鳥密度が観察された。
電界強度平均値の各グループ(0.1V/m刻みとした)に対する鳥密度平均値の対数回帰係数はR=－0.87(P=0.0001)であった。

この論文の結果は、電磁界信号は観察されたスズメ個体数減少と関係するという仮説を支持する。
電磁界汚染は、それ自身によってか、あるいは、他のファクターの組み合わせによってか、近年ヨーロッパの都市で観察されたいろいろな生物種の減少の原因である可能性があると我々は結論する。

本研究による鳥密度と電界強度の間の明らかに強い依存関係は、この仮説を検証するための更なる対照研究に用いられるべきである。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

上記の概要だけではわかりにくいので、Full TEXTを読むと
・各地で、雀の数を計数し、同時に電界測定器で1MHz-3GHzまでの帯域の電波強度を測定した。

図1　原著より「引用

 

こうしたデータ（図1）で、電界強度が高い場所（電磁波曝露の多い場所）ではスズメの数が減っていると結論付けている。

電界強度が0-1V/mの地点20か所、1-2V/mの地点20か所、2-3V/mの地点20か所、3-4V/mの地点を20か所　というように、同数の地点でスズメの数を計数して、電界強度とスズメの数との関係をグラフにしたのであれば、意味のある研究データとなる。

図2：原著の図1をBEMSJが改作した「電界強度とスズメの数」の相関を示すために最低限度、必要な図


図2としてBEMSJが図1を改作したものを示すが、0-1V/mの地点でのスズメの数が、ゼロとか10と言った地点が皆無であり、3-4V/mの地点での観察点が十分にあって、それらが全て、スズメの数が十分に少ないと、明確に電界強度とスズメの数との間に相関関係があるのであれば、うなずけるが、この研究データ（図1）では0-1V/mの地点でもスズメの数がゼロとか、僅少の地点も多い。これでは、たまたま3-4V/ｍの地点でスズメが少なかっただけであろうと言われても、否定はできない。

よって、この研究データでは電波強度が強い箇所はスズメが少なく、スズメの現象は市街地での電波発信が増えたことによるという仮説は、立証できそうもない。


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５３．スペインBalmoriの2010年研究：無線周波数電磁界曝露とカエル

記：２０２０－５－１６

＊はじめに

以下の情報がある。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
『生活の中にひそむ電磁波被曝による身体への影響』
    2019.6.22  東京・板橋グリーンホール  荻野晃也の講演レジメより

「自然界で の影響を直接調べたバルモリ論文（スペイン05年）では、携帯電話基地局から200m以内ではシュバシコウ（コウノトリの仲間）の「つがいの巣」の内の40%にヒナがおらず、300m以遠では僅か3.3%だったそうです。
07年には家スズメの激減報告が2件あり、基地局の近くほど家スズメが減っています。
バルモリ博士は2010年には基地局から140m以内にいるカエルを調べ、オタマジャクシの多くが死んでいたことを報告しています。その電力（束）密度は0.86～3.25μW/cm2でした。」
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

＊そこで、バルモリの2010年研究を調べてみた。

EMF Portal にあった情報
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
掲載誌: Electromagn Biol Med 2010; 29 (1-2): 31-35
タイトル：Mobile phone mast effects on common frog (Rana temporaria) tadpoles: the city turned into a laboratory
カエル（Rana temporaria）のオタマジャクシに対する携帯電話基地局アンテナの影響：都市が実験室になっている
研究者: Balmori A

この研究は、携帯電話基地局から約140m離れた位置にある市中の建物の4階のテラスに水槽を置き、この水槽内に入れたごく一般的なカエル（Rana temporaria）をばく露群（n=70）とし、室内のファラデーケージ内に置いた水槽のカエルを対照群（n=70）として、両群を卵からオタマジャクシになるまで2ヵ月間観察して比較した。

その結果、対照群での発達が正常であったのに比べ、ばく露群では種々の発生異常が観察されたことを報告している。

＊この概要だけではよくわからないので、Full Textを読むと
・おたまじゃくしを、5階のベランダに置いた水槽に入れた。140ｍ遠方に携帯電話基地局がある。
基地局は8階建てのビルの屋上にある。

・対照群のおたまじゃくしはFaraday Gageの中に入れた＜到来電波をシールドした＞。

・Nuova Elettronica device Model LX 1435 (周波数範囲: 1 MHz–3 GHz)を用いて電波強度を測定。
・PCE–EM 29 (周波数範囲：50 MHz–3.5 GHz)を用いても電波強度を測定。
・測定結果、LX 1435では2.5–3.5 V/m、PCE–EM 29では1.847–2.254 V/m


BEMSJ注：

ベランダに置いて到来の電波（測定周波数範囲から推定して、ＦＭ放送・テレビ放送・携帯電話など）に曝露する場合と、シールドをかけて電波が暴露しないようにした場合で比較している。
シールドをかけることによって、太陽光や太陽光に含まれる紫外線などの影響が少なくなったともいえるが、通常のおたまじゃくしは自然界で太陽光・紫外線を浴びている。したがって、電波曝露群のほうが自然条件に近い、と言える。

この程度の電波曝露3V/mでおたまじゃくしの発育が影響を受けるとは思えないが、この研究では影響を見出している。
この研究は、ちょっと信じられない結果であり、他の研究者による確認・追試が望ましい。

水槽の中に携帯電話の電波は、その程度入り込むであろうか？



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５４．スペインBalmoriの2016年研究：携帯電話基地局と樹木の損傷

記：２０２０－５－１７

＊EMF Portalにあった情報


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掲載誌: Sci Total Environ 2016; 572: 554-569

タイトル：Radiofrequency radiation injures trees around mobile phone base stations.

無線周波電磁放射は携帯電話基地局周辺の樹⽊を傷害する

研究者：Waldmann-Selsam C, Balmori-de la Puente A, Breunig H, Balmori A

 

この研究は、ドイツのBamberg市およびHallstad市において、長期間（2006-2015年）の樹木モニタリング調査（観察と写真撮影）、2015年の無線周波電磁界（RF）測定調査（両市の多角形エリア内の144地点、地上1.5m）を実施し、樹木損傷とRF曝露との関連を調べた。

RF曝露については、144地点の測定値からの補間法により両市の多角形エリアでの電力密度マップが作成された（著者の記述による）。

樹木については、損傷の見られた樹木60本、無作為抽出された樹木30本、低曝露エリア（基地局アンテナが視野内になく、電力密度が50μW/m2を下回るエリアと定義）の樹木30本の合計120本を分析対象とした（JEIC注：調査の設計手順が不明である）。

その結果として、携帯電話基地局のアンテナがある方角に面した樹木表面（曝露面）とその反対側の表面で損傷に有意差が見られた；低曝露エリアの30本には損傷は見られなかった、等々の所見を報告している。

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筆者のSelsamは2010年頃にドイツの州の首相に電磁波に関して公開質問状を出した研究者である。

この論文は、５Ｇに反対する国際アピールで、森林に影響するとして引用されたものである。

 

＊上記の概要だけではわからないので、Full Textを読むと

・Bamberg市とHallstadt市内の65の携帯電話基地局のデータを入手した。

・2006年から2015年の間に、研究対象区域の樹木の観察と記録をとった。

・区域内で電波強度を測定した。強度は変化しているが、時間的には大きな差はなかった。

・測定は144か所で行い、地上高1.5ｍで測定した。

・測定器は広帯域測定器HF 59B (周波数範囲：27–3300 MHz)とアンテナUBB27_G3, (Gigahertz Solutions)を用いた。μW/m2の読みをV/mに換算した。

・樹木の観察範囲は地上高6ｍまでで、樹木のそれ以上の高さの状況は観察できなかった。

・選択した60本の樹木は、キノコの発生、昆虫などによる影響、その他の水・太陽と言った一般的な環境因子による障害ではなかった。

・60本の樹木は、特定の側だけが、特定の方角の面だけが障害を受けていた。

 

 

図１：測定に使用したアンテナ

 

 

図２：対象とした携帯基地局の位置

 

図３：調査地点のリストと、電波強度測定データの一部：　16920μＷ/ｍ2＝16.920mW/m2=2.5V/m

 

・各樹木で測定した電波強度と携帯電話基地局とを結びつけるために、地図上で近くにある3つの基地局との距離から最も影響を与えている基地局を特定した。

そして、損傷のある樹木の損傷している面は、その基地局のある方向と一致している、とした。

 

図４：選択した60本の損傷のある樹木、損傷のある面では電波強度が高く、反対側では低いという測定結果。

 

図５：144か所の測定を基に、補完して、対象地区の基地局からの電波強度の分布を推定した地図。

損傷のある樹木の損傷面は、最も近くにある基地局の方角と一致すると推定している。

 

 

図６：無作為に追加して30本の樹木を選んだ。電波強度が弱い場合は樹木の損傷はない。電波強度が強い場合は、樹木の損傷のある面は電波強度が高く、損傷のない面は電波強度が低い、という傾向にあるというデータの一部。

 

 

電波強度が低い所を30か所選択した。その場所には損傷を受けた樹木はない、というデータの一部。

 

 

ＢＥＭＳＪのコメント

・この研究は、「５Ｇは危険であるので、中止すべき」という国際アピールで、「森林にも影響する」という論拠として引用されている。

・電波強度の測定器は広帯域測定器である。研究者は「携帯電話基地局からの電波」にのみ着目しているが、この測定器では近隣に存在するＦＭ放送、テレビ放送なども一括して測定しているので、基地局からの電波に限定できない。

・144点で測定を行っている、地上高1.5ｍにて。もし携帯電話基地局からの電波であれば、その基地局のサービスエリア（例；半径1kmとか）では地上高1.5m付近では、基地局からの距離に依らず、完全に等しくはないが、ほぼ等しい電波の強さになる様に発信している。発信電波は、付近にいる携帯電話端末の利用者数に比例すると言える。付近に利用者がいなければ電波発信強度は最低限度の電力発射となる。

測定データ（図３）を見ると、場所によって、電波強度が大きく変動している。これはもし携帯電話基地局からの電波の占める割合が大きいとした場合には、たまたま測定時点において、周囲に携帯電話利用者が多いか、少ないか、ほとんどいなかったかによるものと推定される。

 

従って、樹木の損傷を携帯電話基地局からの電波輻射によるものとすることは合理的ではない。

 

 

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５５．2009年Balmoriの携帯基地局に関するレビュー論文

記：２０２０－６－２８

以下の研究がある。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

掲載誌：Pathophysiology 16 (2009) 191–199
タイトル：Electromagnetic pollution from phone masts. Effects on wildlife
携帯電話基地局送信塔からの電磁汚染：野生生物への影響
研究者：Alfonso Balmori

概要：
A review on the impact of radiofrequency radiation from wireless telecommunications on wildlife is presented.
野生生物に対する無線通信網からの電磁波の影響評価を述べる（レビュー）。

Electromagnetic radiation is a form of environmental pollution which may hurt wildlife.
電磁波は野生生物に危害をもたらすかもしれない環境汚染である。

Phone masts located in their living areas are irradiating continuously some　species that could suffer long-term effects, like reduction of their natural defenses, deterioration of their health, problems in reproduction and　reduction of their useful territory through habitat deterioration.
生存エリアに存在する携帯電話基地局は、長期的な影響（自然保護の低下、健康の劣化、生殖の問題、生存領域の現象に伴う利用可能な領域の現象等）の恐れのある種に連続して放射している。

 

Electromagnetic radiation can exert an aversive behavioral response in rats,　bats and birds such as sparrows.
電磁界輻射は、スズメといった鳥、コウモリ、ネズミの忌避行動反応に影響を与えている。

Therefore microwave and radiofrequency pollution constitutes a potential cause for the decline of animal　populations and deterioration of health of plants living near phone masts.
従って、マイクロ波と無線周波数電磁波汚染は、生物の生存数を減らすことになりかねず、基地局周辺の植物の健康状態も劣化させることになる。

To measure these effects urgent specific studies are necessary.
これらの影響に対応するために、緊急に特別な研究が必要である。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

Full Textを入手して、一読した。

この論文は、他の研究などをまとめたもので、レビュー論文であり、この論文の為に格別に何か特段の実験などを行った論文ではない。


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