*電磁波による脳関門BBBへの影響に関連するコーナ

 

携帯電話などからの電磁波によって、脳関門BBBの破壊が起こっているという研究がある。
このテーマに関しては、様々な研究がおこなわれてきている。
それらの概況を紹介する。特殊なテーマなので、ここに別ページを設けます。

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編集中

1.郵政省H10年度(1998年)携帯電話の電波とBBBに関する研究
2.SalfordのBBB研究 2003
3.SalfordのBBB研究に対する論評2003
4.SAR 2W/kgでも脳関門BBBに影響があるとしたToreらの2003年研究
5.2003年総務省の研究ではToreのBBB研究の再現性はなかった。
6.2005年多氣らによるBBB研究の状況解説
7.Wangらの2015年マイクロ波曝露によるBBB障害の研
8.2015年Masudaらの携帯電話とBBBの研究
9.2017年Gannesらの携帯電話とBBBの研究


 

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1.郵政省H10年度(1998年)携帯電話の電波に関する研究


以下の様な報道発表があります。
概要を以下に示すので、関心のある方は、郵政省のサイトで公開されている全文、報告書全文を入手して読んでください。

*********** 一部 引用   ******************
99/09/03 
熱作用を及ぼさない電波の強さでは脳(血液-脳関門)に障害を与えず
        −生体電磁環境研究推進委員会の研究結果−

郵政省では、平成9年10月より「生体電磁環境研究推進委員会(委員長:上野照剛 東京大学教授)」を開催し、電波の生体安全性評価に関する研究・検討を行っております。

平成10年度研究においては、電波曝露により血液-脳関門に対して影響があったという実験報告に対し、ほぼ同様な電波の強さでの実験を実施し、熱作用(電波曝露によって全身が加熱されることにより深部体温が上昇する作用)を及ぼさない強さの電波曝露(1週間)では、「血液−脳関門(BBB)」に障害を及ぼすような影響は引き起こされないことを確認しました。

1 実験概要
携帯電話から発射される電波(1,439MHzPDC方式)の脳に対する影響を調べるため、平成9年度研究においては、一般環境の電波防護指針値レベル(注1)での2週間及び4週間の電波曝露の影響を調べ、BBBに対して障害を及ぼすような影響が引き起こされないことを確認しました。

注1:脳局所SAR2W/kg(携帯電話やPHSから発射される電波の強さはこの指針値レベルよりも低い。)
一方、海外において、より強い電波によりBBBに対する実験を行ったところ影響が生じるとの報告があったため(注2)、平成10年度研究においては、この実験条件を基に、下記の条件による影響の検討を行いました。

注2:ドイツのFritzeらは1997年に脳平均SAR7.5W/kgの時にBBBの透過性がこう進すると報告。

(1)
 熱作用の影響がない場合
熱作用を引き起こす閾いき値(全身平均SAR 4W/kg)を超えない全身平均SAR 1.4W/kgにおいて脳部に強い電波(脳平均SAR 7.4W/kg)を曝露。
2) 熱作用の影響がある場合
上記条件の3倍以上(全身平均SAR 4.5W/kg、脳平均SAR 25W/kg)の電波を曝露。

2 実験結果
BBB
、脳組織の形態学的変化及び深部体温の変化について検討した結果、脳への曝露レベルが携帯電話よりも非常に大きな場合でも熱作用の影響がない場合には、電波曝露によるBBBに対する影響は認められませんでした。

3 考察
過去の研究報告のうち、電波曝露がBBBの透過性をこう進させるという報告のほとんどが熱作用によるものと考えられている。
今回の実験では、条件3(全身SAR 4.5W/kg)のみにおいて、曝露直後にBBBの透過性がこう進し、深部体温測定により深部体温の上昇が認められた。


今回行った実験においては、脳平均SARFritzeらの実験とほぼ同じ強度であるが、Fritzeらの実験では全身平均SAR4.2W/kgと熱作用の閾値を超えてしまっているのに対し、今回の実験では1.4W/kgと熱作用の閾値を十分下回っていることから、本研究の結果は、熱作用に影響されない、電波の脳に対する精度の高い ものであると考えられる。


なお、BBBの透過性をこう進させる原因は、今回の実験により熱作用が考えられることから、何らかの原因により全身が加熱され、深部体温の上昇をもたらすものであればその原因になりうると考えられる。

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2.SalfordのBBB研究 2003 


1)Wired NewsWEBに以下のニュースがあった

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GSM
ケータイの電磁界が成長途上のラットの神経細胞を破損
2003
130 1:00pm JT  

携帯電話から発せられる電磁界(EMF)が成長中のラットの神経細胞を破損するという調査結果を、スウェーデンの大学の研究者チームがまとめ、29(米国時間)発行の米政府の学術雑誌『環境衛生展望』(EHP)のオンライン版で発表した。
研究チームによると、神経損傷を確認した初の報告という。

スウェーデンのルンド大学神経学科のリーフ・サルフォード教授を代表とする研究チームが発表した。
研究チームは、人間のティーンエイジャーに相当する生後12週から26週のラットを3グループに分け、それぞれ異なる強度のGSM携帯電話の電磁界に2時間ずつさらした。
その結果、電磁界が、脳の血液関門からのアルブミン(タンパク質)漏出とニューロン損傷とに有為に関連していることを確認したという。

研究チームは、実験のサンプル数が少ないことを認めながらも、結果は非常に重要だと説明。
生物の成熟プロセスではぜい弱性があり、「発育途上の若者が毎日携帯電話を使用していれば、数十年後に彼らが中年にさしかかった時、悪影響が出てくる可能性は否定できない」としている。

携帯電話の生体への影響については、世界保健機関(WHO)が、電話機や基地局の電波が健康に悪影響を及ぼすという科学的に確固たる証拠はない、との見解をまとめているが、同時に安全性を確証できるよう研究を進めることを推奨している。
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2)EMF Portalのサイトにあった概要

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掲載誌: Environ Health Perspect 2003; 111 (7): 881-3
タイトル:Nerve cell damage in mammalian brain after exposure to microwaves from GSM mobile phones.
GSM
携帯電話からのマイクロ波への曝露後の哺乳類の脳における神経細胞の損傷
研究者: Salford LG, Brun AE, Eberhardt JL, Malmgren L, Persson BR

この研究は、著者の先行研究の知見(弱いパルスマイクロ波が血液脳関門からのアルブミンの顕著な漏出を引き起こした)を踏まえて、血液脳関門を透過する病理学的漏出がニューロンの損傷と結びついたものであるか否かを調べた。

それぞれ8匹のラットからなる3つのグループに、異なる強度のモバイル通信用グローバルシステム(GSM)携帯電話電磁界への2時間曝露を与えた。
その結果、曝露を受けたラットの脳の皮質、海馬、および大脳基底核における神経損傷について、非常に有意な証拠(p <0.002)を見出した、と報告している。
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3)研究の詳細

低いSARでもマイクロ波暴露によって脳細胞がダメージを受けるというスウェーデンの研究です。
雑誌に投稿中でそのアブストラクトはWEBに公開されています。
筆者に依頼したところ、投稿中の論文のファイルを送ってくれました。
 作成
 2003−3−25  

論文名Nerve cell damage in mammalian brain after exposure to microwaves from GSM mobile phones 

GSM携帯電話のマイクロ波暴露による哺乳類の脳の神経細胞の障害
研究者Leif G. Salford, Arne E. Brun, Jacob L. Eberhardt, Lars Malmgren, Bertil R.R. Persson

Depts of Neurosurgery, Neuropathology, Medical Radiation Physics and Applied Electronics, Lund University, the Rausing Laboratory and Lund University Hospital, S-22185, Lund, Sweden.

Abstract
概要
The possible risks of radio-frequent electromagnetic fields for the human body, is a growing concern for the society.

ラジオ周波数の電磁界暴露による健康影響は社会的な関心事になっている。

We have earlier shown that weak pulsed microwaves give rise to a significant leakage of albumin through the blood-brain barrier (BBB).
我々の過去の研究では、微弱なパルス性マイクロ波によって、脳関門をアルブミンが透過することを見出している。

Now we have investigated whether a pathological leakage over the BBB might be combined with damage to the neurons.
今回の研究では、脳関門の透過がノイロン(神経突起)に障害を与えるかを調査した。

Three groups of each 8 rats were exposed for 2 hours to GSM mobile phone electromagnetic fields of different strengths.
8匹ずつの3群のラットに異なる強度のGSM携帯電話の電磁界を2時間暴露した。

We found, and present here for the first time, highly significant (p<0.002) evidence for neuronal damage in both the cortex, the hippocampus and the basal ganglia in the brains of exposed rats.
そして、ここに、初めて示すように、暴露したラットの脳の中の海馬などで、ノイロンに有意に高い障害が発生していることがわかった。

Material and Methods 研究手法の中から

The peak output power from the GSM mobile telephone fed into two TEM-cells simultaneously for 2 hours were 10mW, 100mW and 1000mW per cell, respectively.
2時間、GSM携帯電話の無線電力をTEMセルに印加した、ピーク強度は10mW,100mW,1000mWである。

This exposed the rats to peak power densities of 0.24. 2.4 and 24W/m2, respectively. This exposure resulted in average whole-body specific absorption rates (SAR) of 2mW/kg, 20mW/kg and 200mW/kg, respectively.
これは、電力密度では、0.24、2.4、24W/m2に相当し、ラットの受けるSARは、全身暴露で、2mW/kg、20mW/kg and 200mW/kgとなる。
2mW/kgの暴露でも影響が現れている。

BEMSJの追記:
ICNIRPの一般公衆に対する規定では、この携帯電話の無線周波数で、全身平均暴露SAR:80mW/kg、頭部への局部暴露SAR:2W/kgである。
この研究では、TEMセルで、遠方界とみなせる状況でマイクロ波をラットに浴びせている。

人が使用する携帯電話の場合は、頭部にアンテナが近接して置かれ、近傍界であり、局部的な暴露となっている。 ちょっと条件が異なる

興味のある方は、原著全文を入手してください。

 

 

 

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3.SalfordのBBB研究に対する論評2003

 

Micro Wave News May 2003には、この研究に関する論評が紹介されている。
仮訳をつけた。 作成:2003−10−2

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Swedish BBB Research Faulty, Says German Wireless Group
 
スウェーデンのBBB研究は疑わしい、と ドイツの無線研究グループは言っている

Reviews commissioned by FGF, the German telecom industry research group, cast doubt on the validity of the Salford-Persson experiments on the effects of RF radiation on the blood-brain barrier (BBB).
FGF
ドイツの通信工業会の研究グループによって行われたレビューは、高周波電磁界暴露による脳関門の影響に関するSalford-Perssonの実験の有効性に疑問を投げかけた。

FGF is now sponsoring in vitro studies of RF radiation and the BBB, according to Dr. Gerd Friedrich, FGF's managing director in Bonn.
FGF
は現在、高周波電磁界と脳関門に関するインビトロの研究のスポンサーをしている、ボンのFGFの管理者Friedrichは、語った。

Cells are being exposed to UMTS (3G) phone radiation; experiments with GSM signals are being planed. Results are scheduled to be released at the 2004 annual meeting of the Bioelectromagnetics Society.
細胞はUMTSの携帯電話での電磁界暴露にさらされ、GSM携帯電話での試験も計画されている、結果は2004年のBEMS総会で発表する予定である。

Friednch declined to say who is leading the study, but Microwave News has learned that the principal investigator is Dr. Florian Stogbauer of the University of Munster.
Friednch
はだれがその研究のリーダであるかを明確にしなかったが、本編集部ではMunster大学のStogbauerであることを知った。

Earlier this year, Drs. Leif Salford and Bertil Persson of Sweden's University of Lund reported that extremely low levels of GSM radiation can increase the permeability of the BBB and cause nerve cell damage in rats (see MWN. J/F03).
Lund
大学のSalfordPerssonは今年の初めに、GSM携帯電話からの低レベルの電磁界によって、ねずみの脳関門での透過が増加し、神経細胞の障害が増加することを報告した。

FGF is also hosting a workshop on RF and the BBB, to be held in Reisensburg, near Ulm, Germany, November 3 - 6 (see p.12). Salford has been invited, Friedrich told Microwave News, adding that Persson is also welcome.
FGF
は今年の11Reisensburgで高周波暴露と脳関門に関するワークショップを主催する。Salfordは招待されている、Perssonの参加も歓迎する、とFriedrichは本編集部に語った。

In the first of three sharply critical reviews published in the March issue of the FGF Newsletter, Dr. Roland Glaser contends that the Lund researchers made many errors and violated the rules adopted by the international scientific community to assure high-quality research.
FGF
ニュースレターの3月号に掲載された3つのするどく批評的なレビューの一番手として、Glaserは、ルンド大学の研究者は多くの間違いと高品質な研究を補償するために国際的な科学の世界で採用されている決まりに違反していると断言した。

Among the alleged shortcomings are: the exposure of a small number of rats; the lack of a double-blind protocol; poorly characterized exposures; and the failure to include appropriate controls in the study design.
疑われている欠点として、1) 暴露したラットの数の少なさ 2) 2重盲検法の欠如 3) 暴露に関するあいまいな記述、そして研究方法における適切な制御を含むことに失敗している ことである。

According to Glaser, who is a professor emeritus at Humboldt University in Berlin, Salford and Persson also fail to address previous research by other labs that failed to see effects.
ベルリンのHumboldt大学の名誉教授であるGlaserによれば、SalfordPerssonは影響が見られなかった他の研究所で行われたこれまでの研究に論及することに失敗した、と。

In the second critique, Drs. Helmut Franke, Frank Gollnick and Sheila Johnston contend that the Swedes' measurements of nerve cell degeneration and leakage through the BBB are unreliable. They argue that the type of degeneration observed is common and could be the result of aging rather than radiation.
2
番目の批判者は、Frankeらであり、神経細胞の変質と脳関門の透過のスウェーデンの測定は信頼性がないと。観察された変質のタイプはよくあることで、電磁界の輻射によるというよりは、加齢に伴っても起こるものである、と。

Johnston, a consultant based in London, states in a separate comment that the Lund team overreached in raising the possibility that the reported effects could have an impact on neurological health. Like Stogbauer, Franke is at the University of Munster; Gollnick is an advisor to FGF.
ロンドンのコンサルタントであるJohnstonは、個別にコメントを発表した、Lundの研究者は報告された効果が神経関係の健康に影響することができるという可能性を、度を越して言い過ぎており、だめである、と。(この部分の訳は??)
overreach
のように、FrankeMunster大学の研究者であり、GollnickはFGFのアドバイザーである。

In concluding his commentary, Glaser writes that it is "a pity" that such results are presented to the public without peer review.
コメントのまとめとして、Glaserは「査読前に公衆にこうした研究成果を公開することは残念なことである、と飽きている。

In fact, Environmental Health Perspectives stated on its Web site that Salford and Persson's paper "has been peer-reviewed, revised and accepted for publication." Their paper, which was first posted on the Web in January, is now in print in the June issue of Environmental Health Perspectives (111, pp.881 -883, 2003). '
事実、Environmental Health PerspectivesはそのWEBで「Salford and Perssonの論文は、査読を経て、書き直しを行い、承認されてから発行される」と明記されている。
この情報は1月にWEBに掲載され、20036月号のEHP誌に掲載された。

The March issue of the FGF Newsletter is available in pdf format at:< www.fgf.de>. It is currently only in German, but an English translation will soon be posted on the Web site, Friednch said.
FGF
ニュースレターの3月号はpdfファイルでWEBに公開されている。現在はドイツ語のみであるが、英語版もWEBに掲載する予定であると、Friednchは語った。

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4.SAR 2W/kgでも脳関門BBBに影響があるとしたToreらの2003年研究 


以下の研究がある。

掲載誌:BEMS 2003 meeting ABSTRACT
タイトル:EFFECT OF 2 HOUR GSM-900 MICROWAVE EXPOSURES AT 2.0, 0.5, AND 0.12 W/kg ON PLASMA PROTEIN EXTRAVASATION IN RAT BRAIN AND DURA MATER.
2
時間のGSM携帯電話マイクロ波曝露(2.00.50.12W/kg)におけるラットの脳と硬膜における血漿タンパク質の浸出の影響
研究者;F. Töre, P.E. Dulou,E. Haro, B. Veyret, P. Aubineau.
CNRS UMR 5017, Universite Bordeaux 2, Bordeaux, France

目的
これまでのGSM携帯電話のマイクロ波による脳関門の浸透性への影響に関する研究は相反する結果となっている。
今回の研究は、曝露中のストレスの影響(血圧のモニターや麻酔条件)の影響だけではなく、頭部のSARに関しても十分に配慮した実験条件となっている。
2
時間の曝露による血漿タンパク質の浸出は、頭部のSAR 0.12から2W/kgで実権を行った。
こ影響はラットの脳と硬膜で評価を行った。
網膜は最外周にある髄膜で、自律神経や敏感な神経誠繊維よって構成され、偏頭痛に関係していると信じられている。

実験には2種類の年齢をマッチさせたモデルを用いた。
一つは通常のラットであり、2つ目は両方の首の交感神経を神経節切除術によって急性硬膜神経炎症を起こさせたモデルであり、これは偏頭痛を起こしているモデルと考えられる。

実験方法
250g
の体重の70匹のSDラットを用いた。6群に分割した、1)コントロール、2)擬似曝露、3)曝露、4)交換神経切除術を行い擬似暴露 5)交換神経切除術を行い暴露 6)たんぱく質浸出が起こるようにしたポジティブコントロール群。ラットは飼育小屋で2ヶ月間飼われ、体重が400−450gになったときに実験を行った。

この時間は、交換神経切除術によって硬膜炎症を起すために必要であった。手術で二つの頸部の神経節を切除し、脳と硬膜の血管を発達させた。
2
ヶ月に引き続き、1週間の間、ロケットの形をした試験装置に慣らした。全てのラットには実験開始24時間前に大腿部動脈と静脈にカテーテルを挿入した。

ロケットの形をした試験装置に入れて、2時間、暴露もしくは擬似曝露をおこなった。
頸部の片側が良く曝露するように、体軸に対して5度傾けて、頭部の上にループアンテナを置いて曝露を行った。
動脈の血圧をマイクロ波暴露中にモニタした。

曝露開始前と実験終了15分前にBSA-FITCを静脈カテーテル経由で流し込んだ。
実験終了後に麻酔剤を大量に投与してラットを殺した。そして頭部には大動脈を経由して含塩下剤を流し込んだ。

硬膜と脳は病理学的な手法で取り出した。硬膜は直ちに、全体として蛍光顕微鏡試験にかけられた。


検査に先立って、脳は冷却ミクロトーメで顕微鏡標本を作製し、断面は、BSA-FITCの特性蛍光を増加させるために、BSAに対して間接的な免疫組織化学的な処理を行った。

結果
ロケットに似た試験装置に入れた全てのラットの血圧は100−130mmHgで正常範囲であった。
脳の脳関門に影響があるとされる170mmHgは超えなかった。
また、血圧の平均値と個々のラットにおける浸出のレベルとの相関はなかった。

顕微鏡観察では、硬膜と脳の主要部分(脳実質)ともに、コントロール群と擬似曝露群では、検出可能なBAS-FITC浸出は観察されなかった。

SAR
0.5W/kgと2W/kgのマイクロ波を曝露した群では、硬膜と脳実質の深層皮質の部分で、明らかな浸出が観察された。
この部分は、ループアンテナの直下であり、頭頂部と前頭部の大脳皮質でもっとも高い曝露を受けた部分である。

交換神経切除術を施し、擬似曝露を行った群では、浸出はマイクロ波曝露群より顕著であり、硬膜だけではなく、脳の各部でも見られた。
この浸出は交換神経切除術を施し、マイクロ波曝露を行った群では、著しい増加を見せている。

これらのラットに見られるアンテナの近傍の脳の部分と硬膜における蛍光は、浸透性刺激でポジティブコントロールとしたラットでの観察結果と似ている。
0.12W/kg
の曝露群では硬膜でも脳実質でも浸出は見られなかった。

CONCLUSION:
結論
At high and moderate SAR values (2 W/kg and 0.5 W/kg averaged over the brain), GSM microwaves induced respectively marked and discrete permeabilization of intracranial
blood vessels, both in the meninge and in the brain parenchyma.
高・中曝露のSAR(頭部平均SAR2W/kg0.5W/kg)のGSMマイクロ波は、頭蓋骨内(硬膜及び脳実質)の血管の透過性に影響している。

This permeabilization is much more prominent in animals made inflammation-prone by the degeneration of their cranial sympathetic supply leading to complex trophic phenomena, which favor both the hyper-development of pro-inflammatory structures such as the parasympathetic and sensory inputs as well as mast cells, and changes in the structure of blood vessels themselves.
この透過性は、頭蓋内交感神経の退化による交感神経炎症の傾向にあるラットにおいて突出し、複雑な栄養上の現象を呈していた。
この現象は副交感神経のような前炎症性構造の過度の進展や、マスト細胞のような感覚受容器、血管そのものの構造変化に、見られた。

Permeabilization was not observed at the lower averaged SAR value presently tested, i.e., 0.12 W/kg.
0.12W/kgといった低曝露では、透過性の変化は見られなかった。

In the outer meninge, corresponding local SAR levels can be estimated respectively at around 20, 5 and 1.2 W/kg, the last two being unlikely to induce noticeable local increase in temperature.
外周の硬膜において、推定された局部SAR値は20、5、1.2W/kgで、最後の2条件下では体温の局部的な増加があるとは思えない。

Experiments designed to measure possible temperature increases as a function of depth are in progress.
体温の増加があるかに着目した実験が進行中である。

 

 

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5.2003年総務省の研究ではToreのBBB研究の再現性はなかった

 

平成151212日に総務省が発表した「携帯電話の電波が脳微小循環動態に及ぼす影響は認められないことを確認−生体電磁環境研究推進委員会の研究結果−」によれば

************  **********
生体電磁環境研究推進委員会では、以前にも脳微小循環動態評価実験を行い、平成13年1月にとりまとめた中間報告において影響は認められないとの結果を公表しましたが、同実験では、ラットの頭部に加えて全身が比較的強い電波を曝露される条件となっていたため、全身曝露による影響を排除し、頭部への局所的な電波曝露のみによる影響を明らかにする必要がありました。

このため、ラットの頭部に従来よりも局所的な電波曝露を可能とする装置を開発し、それを用いて、人が携帯電話を使用している状況により近い曝露条件下で、同実験を行いました。

その結果、携帯電話の電波をラットの頭部に局所的に曝露しても、脳微小循環動態への影響は認められないことを確認しました。

4 結論
長期埋込型cranial window法による実験の結果、携帯電話の電波については、ラットの頭部に電波防護指針の値を超える電波あるいは電波防護指針の値にほぼ等しい電波を曝露しても、熱作用を生じない範囲においては、脳微小循環動態には急性影響、慢性影響ともに認められないと結論された。

組織学的評価法による実験の結果、携帯電話の電波については、ラットの頭部に熱作用を生じるかなり強い電波を曝露しても、頭部温度が42℃未満である範囲においては、BBB機能の変化は認められないと結論された。
***************  **********

そして この報告書の中に考察では
*************   **************
4.4. 考察
脳平均SAR35W/kgとなる電磁波をループアンテナよりラット頭部に2時間照射し,曝露終了直後,2,24時間後の時点で,それぞれ異なった分子量を持つEvans blueFITC-BSAおよび内因性Immunoglobulin が脳実質に漏出していないことを組織学的評価法により確認した.

Toreらは2001年に,我々と同様のループアンテナを使用して,脳平均SAR 2W/kgの電磁波をラット頭部に2時間照射することにより,BBB機能が破綻し静脈内投与したFITC-BSAの血管外漏出が認められたことを発表した.

そこで,我々も電磁波曝露時間を2時間とし,あえて電磁波曝露によるBBB機能破綻の陽性反応を期待し,我々の曝露装置での最大出力,脳平均SAR値で35W/kgの条件でラット頭部を曝露した.

しかし,FITC-BSAを含む3種類の分子の脳実質への血管外漏出は全く認められなかった.


本実験では,電磁波の特性,ラットの系統はToreらの実験とは異なる.
しかしながら,35W/kgという一般環境下における局所SARの防護指針値2W/kgの約18倍もの強さの電磁波によってもBBB機能破綻の陽性反応が見られなかったことは,Toreらの結果に電磁波以外の要因があることを示唆させる.


Goldman
およびLinらは,電磁波曝露によるBBB機能の破綻は、電磁波そのものではなく電磁波により脳内に生じる熱の影響によると報告している。
さらに、脳内でのEvans blueの血管外漏出を検討した結果から、BBB機能が破綻する脳内温度閾値を42℃としている.

我々の実験においても、電磁波曝露直後から頭部温度上昇が認められた。しかし、その温度は、脳内よりも高温になると予想される頭頂部皮下でも42℃に至らなかった。つまり,脳内の温度が42℃未満に保持されたままで、脳には平均SAR35W/kgの電磁波が照射されていたことになる。

したがって、本実験においてBBB機能の破綻が観察されなかったことは、GoldmanおよびLinらの報告により支持される。

本実験においては、我々の曝露装置で負荷できる最大の脳平均SAR35W/kgという条件下で、かつBBB機能破綻の温度閾値を下回る温度範囲内で、電磁波そのものによって惹起されるBBB機能破綻を期待したが、組織学的検査によっても陽性反応は観察されなかった.

今後は、さらに高出力電磁波曝露が出来るよう装置を改良し、電磁波そのものによって本当にBBB機能破綻が惹起されるのかをどうかを確認する必要がある。

***********   ********
となっており、明らかに厳しい条件で実験を行っても、Toreらの研究は再現しなかった。

 

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6.2005年多氣らによるBBB研究の状況解説


以下の文献にBBBに関する概説が書かれている。

掲載誌:生体医工学 433): 375―3872005
タイトル:解説特集:電磁環境の生体への影響と安全性:携帯電話の生体安全性
研究者:多氣昌生・渡辺聡一・和氣加奈子

6
3 血液脳関門
血液脳関門(blood-brain barrierBBB)は、脳組織に必要な物質のみを選択的に透過させる機能であり、この機能により、脳神経近傍の環境が一定に保たれている。強いマイクロ波によって温度が上昇すると血液脳関門の透過性が高まることが知られている。

Salford
らは、温度上昇のない弱い電波の照射でも血液脳関門の透過性が高くなることを報告した[301994]。携帯電話の使用により血脳関門の透過性が高まれば、頭痛などの症状や他の疾患の原因となる恐れがあるため、この結果が注目された。

Fritze
らは、GSM規格の波形をラットの頭部に照射した実験から、脳でのSAR3.5W/kg以下では影響がなく、Salford の報告が再現しないことを報告した。但し、7.5W/kgを超えるとやや影響が見られるとした[311997]。

この値は、局所SARについての一般公衆の指針値よりは高いが、管理環境(職業曝露)の指針値より低い。このため、わが国でもさらに研究がなされた。その結果、温度上昇に留意すれば7.5W/kgでも影響が見られないことが示された[32Tsurita 2000]。

Salford
らはその後も、0.02および0.2W/kgという携帯電話で生じるより小さなSARで血液脳関門をアルブミンが透過することを報告し、さらに、神経細胞の損傷を示す「ダークニューロン」の頻度が曝露の大きさに依存して増えると報告した[332003]。

他にも、査読された論文は未刊行であるが、ボルドー大学のグループが類似の結果[34Dulou 2001]を報告した例があり、また、核磁気共鳴装置の磁界曝露の影響によって血液脳関門の透過性が増加したという報告もある[35Frappier 1990]。

血液脳関門への影響は、携帯電話機による健康リスクを評価する上で重要な問題であるとの認識から、200311月にこの問題を集中的に扱うワークショップが開催された。主催した欧州の研究プログラムCOST281では、その時の記録を公開している(http://www.cost281. org/)。

Leszczynski
らは、ヒト内皮細胞をin vitroで携帯電話の曝露と同程度の強さで曝露し、熱ショックタンパク27の発現を報告している。著者らはこのタンパクの発現が血液脳関門の透過性の増加に結びつく可能性を指摘している[362002]。
しかし、最近のMiyakoshiらの報告では、この現象は再現されていない[372005]。

 

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7.Wangらの2015年マイクロ波曝露によるBBB障害の研究

 

以下の研究がある。

1)EMF Portal
のサイトにある概要

*******************
掲載誌: Mol Neurobiol 2015; 52 (1): 478-491

タイトル:Activation of VEGF/Flk-1-ERK Pathway Induced Blood-Brain Barrier Injury After Microwave Exposure.

マイクロ波曝露後のVEGF/Flk-1-ERK経路の活性化が誘発した血液脳関門の損傷

著者: Wang LF, Li X, Gao YB, Wang SM, Zhao L, Dong J, Yao BW et al;

 

この研究は、ECV304細胞株とラットの脳星状細胞初代培養株で作成したインビトロの血液脳関門(BBB)モデルを用いて、マイクロ波曝露(50mW/cm25分間)後のBBBの構造的および機能的損傷における血管内皮細胞増殖因子(VEGF/Flk-1-ERK経路の役割を調べた。

構造変化は走査電子顕微鏡により、透過性変化は経皮内電気抵抗(TEER)および西洋わさび過酸化酵素(HRP)透過性により評価し、VEGF/Flk-1-ERK経路の構成物質およびオクルジンの活性および発現も検査した。

その結果、マイクロ波曝露による細胞間のタイトな結合の拡大と破壊が観察され、それにはTEER低下とHRP透過性上昇を伴っていた;また、VEGF/Flk-1-ERK経路の活性化オクルジンのチロシンリン酸化が観察された、などを報告している。
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2)少し詳しいAbstractの紹介


掲載誌;Mol Neurobiol. 2015 Aug;52(1):478-91.
タイトル:Activation of VEGF/Flk-1-ERK Pathway Induced Blood-Brain Barrier Injury After Microwave Exposure.
 VEGF/Flk-1-ERK経路の活性化は、マイクロ波曝露後に血液脳関門障害を誘導した。
研究者:Wang LF, Li X, Gao YB, Wang SM, Zhao L, Dong J, et al:


Abstract
 概要
Microwaves have been suggested to induce neuronal injury and increase permeability of the blood-brain barrier (BBB), but the mechanism remains unknown.
マイクロ波は神経細胞損傷を及ぼすと考えられ、血液脳関門(BBB)の透過性を高めと考えられるが、メカニズムはいまだ明らかになっていない。

The role of the vascular endothelial growth factor (VEGF)/Flk-1-Raf/MAPK kinase (MEK)/extracellular-regulated protein kinase (ERK) pathway in structural and functional injury of the blood-brain barrier (BBB) following microwave exposure was examined.
マイクロ波に曝露によって発生する、血液脳関門(BBB)の構造的損傷および機能障害での血管内皮増殖因子(VEGF)/Flk-1-Raf/MAPKキナーゼ(MEK)/extracellular-regulatedプロテインキナーゼ(ERK)経路の役割を検討した。

An in vitro BBB model composed of the ECV304 cell line and primary rat cerebral astrocytes was exposed to microwave radiation (50mW/cm2, 5 min).
試験管内実験でのBBBモデルはECV304細胞系で形成し、そして、第一段階のラット脳の星状細胞は、マイクロ波に曝露(50mW/cm25分間)した。
BEMSJ注;電波曝露基準を1mW/cm2とすれば、50倍、温度が1度上昇するとされる曝露強度での実験>

The structure was observed by scanning electron microscopy (SEM) and the permeability was assessed by measuring trans-endothelial electrical resistance (TEER) and horseradish peroxidase (HRP) transmission.
構造物は走査型電子顕微鏡(SEM)によって観察され、透過性は経内皮電気抵抗(TEER)および西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)伝達を測定することによって評価された。

Activity and expression of VEGF/Flk-1-ERK pathway components and occludin also were examined.
VEGF/Flk-1-ERK
経路成分の発現と活性、そしてオクルディンを検討した。

Our results showed that microwave radiation caused intercellular tight junctions to broaden and fracture with decreased TEER values and increased HRP permeability.
我々の実験では、マイクロ波放射は、TEER値の低下と共に揺るぎと広域化のために細胞間タイト結合を起こし、HRP透過性を高めることが判った。

After microwave exposure, activation of the VEGF/Flk-1-ERK pathway and Tyr phosphorylation of occludin were observed, along with down-regulated expression and interaction of occludin with zonula occludens-1 (ZO-1).
マイクロ波曝露で、VEGF/Flk-1-ERK経路の活性化およびオクルディンのTyrのリン酸化は、小帯occludens-1(ZO-1)を伴ったオクルディンの下方制御発現および相互作用とともに観察された。

After Flk-1 (SU5416) and MEK1/2 (U0126) inhibitors were used, the structure and function of the BBB were recovered.
Flk-1(SU5416)
およびMEK1/2(U0126)阻害剤が使用された後、BBBの構造および機能は復帰した。

The increase in expression of ERK signal transduction molecules was muted, while the expression and the activity of occludin were accelerated, as well as the interactions of occludin with p-ERK and ZO-1 following microwave radiation.
マイクロ波曝露とp-ERKZO-1と共にオクルディンの相互作用と同様に、オクルディン発現および活動を加速した一方で、ERKシグナル伝達分子の発現の増大はミュートされた。

Thus, microwave radiation may induce BBB damage by activating the VEGF/Flk-1-ERK pathway, enhancing Tyr phosphorylation of occludin, while partially inhibiting expression and interaction of occludin with ZO-1.
このように、ZO-1によってオクルディン発現および相互作用を阻害する一方、マイクロ波放射は、VEGF/Flk-1-ERK経路(オクルディンのTyrのリン酸化を促進する)を活性化することによりBBB損傷を誘発する可能性がある。

BEMSJ注;曝露基準の50倍という強度のマイクロ波曝露で、BBB機能の損傷という研究、難解。

 

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8.2015Masudaらの携帯電話とBBBの研究


以下はEMF Portalのサイトにあった情報
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掲載誌: In Vivo 2015; 29 (3): 351-357

タイトル:No dynamic changes in blood-brain barrier permeability occur in developing rats during local cortex exposure to microwaves.

マイクロ波の局所的な皮質曝露を受けた発達中のラットに血液脳関門透過性の動的変化は生じない
研究者: Masuda H, Hirota S, Ushiyama A, Hirata A, Arima T, Kawai H, Wake K, Watanabe S, Taki M, Nagai A, Ohkubo C

 

この研究は、非熱的レベルの無線周波(RF)電磁界を脳皮質へ局所曝露することにより、幼若および若齢成獣のラットの血液脳関門(BBB)の透過性が変化するか否かを調べた。
皮質の標的部位の曝露には1457MHzを用い、標的部位でのSAR2.0W/kg曝露時間は50分間とした。
軟膜のBBBの透過性変化は生体蛍光顕微鏡法により直接測定した。

その結果、幼若、若齢成獣のいずれのラットにおいても、曝露群と擬似曝露群で、静脈注入した染料の血管外漏出に有意差はなかった。曝露直後の脳のあらゆる部位でアルブミン漏出の組織学的証拠は見られず、BBB破壊の痕跡は無いことが示された、と報告している。
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9.2017年Gannesらの携帯電話とBBBの研究


以下はEMF Portalのサイトにあった情報
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掲載誌: Sci Rep 2017; 7 (1): 15496

タイトル:Effects of GSM and UMTS mobile telephony signals on neuron degeneration and blood-brain barrier permeation in the rat brain.

ラットの脳におけるニューロン変性および血液脳関門の透過性に対するGSMおよびUMTS携帯電話信号の影響
研究者:Poulletier de Gannes F, Masuda H, Billaudel B, Poque-Haro E, et al;

この研究は、携帯電話の無線周波(RF)信号(GSM-1800およびUMTS-1950)への曝露後のラットの脳における血液脳関門(BBB)の透過性およびニューロン変性を、以下の二つのプロトコルを用いて評価した。

(1) 2時間の単回曝露の直後、1時間後、17または50日後にラットを屠殺;
(2)
反復曝露(2時間/日、5日間/週、4週間)、曝露期間終了の直後および50日後に影響を評価。

ラットの頭部を脳平均比吸収率(BASAR0.0260.262.613W/kgで曝露した。
その結果、単回曝露または反復曝露の直後にはBBBの透過性またはニューロン変性に対する悪影響は認められなかったが、例外として0.26W/kgUMTS曝露では一過性のBBB漏えいが認められた。

反復曝露の50日後のニューロン変性の発生率に変化はなかったが、どちらのRF信号でも13W/kgでアルブミン漏洩の有意な増加が認められた。
この研究では、最も強い遅発影響は13/kgGSM-1800によって生じた。
ラットの頭部における13W/kgBASARはヒトの頭部の4倍に相当することから、ヒトの脳での悪影響は50W/kgを超える反復曝露後に生じ得るかも知れない、と著者らは述べている。
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