*レーダからの電磁界に関する特設ページ

 

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更新の履歴:最終更新2018年3月9日


*工学・技術的な情報、一般情報

A1レーダの開発から実用化への概史
A2
レーダのパルスに関する解説

A3青森に設置のXバンドレーダ関連の情報1
A4. 青森に設置のXバンドレーダ関連の情報−2
A5
青森に設置のXバンドレーダ関連の情報−3
A6
レーダからの電波測定の困難さ
A7
与那座のガメラレーダ
A8
佐渡のガメラレーダ
A9
京丹後Xバンドレーダ
A10韓国レーダの電波強度測定結果2016
A1
1.韓国レーダの電波強度測定結果2017年

A12青森県大湊のガメラレーダ
A13
レーダの諸元の例

A14GlobalSecurityというサイトにあったパトリオットミサイルとレーダの安全対応
A15WHOのファクトシートに見る軍用レーダ
A16
アメリカFCCのOETブレテンに記載されている注意事項から
A17
1962年アメリカ軍文書に見るレーダの立入禁止距離の例
A
18.レーダハンドブックに見るレーダの諸元
192001年レーダ基地での被曝事故例
20艦船搭載レーダで鳥が落ちる

*レーダからの電磁界に関する学術研究情報
B1
空港レーダからの電磁波:1992年徳重研究
B2
レーダ基地周辺の住民の発がん:レスター1984年研究
3艦載軍事レーダからの電波の直射を受けたノルウェー海軍の船舶事故の例

*レーダからの電磁界に関連する裁判

C1ケープ・コッドのPAVE PAWSレーダ紛争
C
2.ボーイング社でのパルス電磁界曝露による白血病に関する裁判結果
C
3.沖縄の与那国でのXバンドレーダに関する裁判
C4
裁判にもなったアメリカ・カリフォルニア州Ojaiでの気象観測レーダからの電磁波紛争

 

*レーダからの電磁界に関する裁判にはならないが、紛争の事例
D1
イタリアで、米軍衛星通信用アンテナ建設で紛争 
D2. チェコ軍事レーダ紛争



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A1.レーダの開発から実用化への概史

(1) 電離層の実証
マルコーニが大西洋横断無線通信に成功(1901年)した時、電波が直進するだけであれば到達できない距離に電波が届いたことから、電波伝播に関する研究が行われるようになりました。
1902
年には上空に電波を反射する鏡(電離層)があると予言されました。

この予言を確かめるために、1925年にワシントンのカーネギー研究所のブライト(Gregory Breit 1899-1981 ロシア生まれのアメリカの物理学者)とテゥーブ(Merle A. Tuve 1901-1982 アメリカの物理学者)がパルス電波(図1-22にあるように幅の極めて狭い、瞬間にだけ出す電波)を上空に向けて発射し、上空で何かに反射して地上にある一定の時間が経過してから弱くなって戻ってくる電波を受信しました。
この方法で上空に電波を反射する電離層があることが実証されました。

1-22a 1925年のブライトらが行った電離層の存在を実証した試験の原理

 

1-22b 受信機で受信した電波(パルスレーダの基本原理)

 

電波は光と同じ速度で伝播するので、何かに反射して戻ってくるまでの時間の半分が、電波の反射物体とアンテナのある場所との間を電波が走る時間となります。
光の速度は30km/秒ですから、電波を発信して2ミリ秒の時間遅れで電波が戻ってくるとすれば、電波が走る片道の時間は1ミリ秒となり、300km先に電波の反射物体があると計算できることになります。
こうしてブライトらは上空約100km300kmに電離層が在ることを実証しました。

使用したパルスの幅が0.5ミリ秒であったので、75kmより遠方にある反射物体しか検出できませんでした。
さらに近距離でも検出できるようにするためには、パルスの幅をもっともっと狭くする工夫が必要となりました。

電離層の状況はその後、今日でも継続して、研究されています。短波などの無線通信の礎となっています。

参考:レーダ(RADAR

Radio Detection and Rangingの略で、イギリスではRadio Locator、日本語では電波探知機とか略して電探(でんたん)と呼んでいました。
2次世界大戦後はレーダという言葉が一般に用いられるようになりました。

(2)
レーダの始まり
この電離層の存在を実証した手法は、レーダ技術の始まりとなりました。

電波を発射して何か電波を反射する金属で出来ている飛行機や船舶が離れたところにあれば、そうした物体の検出が可能となるからです。
この原理を用いてイギリスの物理学者ワトソンワット(Robert A. Watson-watt 1892-1973 イギリスの物理学者)は対空警戒用としてパルスレーダを防空科学委員会に提案し、1935年にはその開発に成功しています。

        

123 レーダの発明者ワトソンワットを称える郵便切手(イギリス1991年発行)

イギリスは風雲を告げる欧州で1938年までに25MHzの電波を利用した対空レーダ網を完成させました。
このレーダ網は対空警戒用としてはきわめて有効でした。
124には19399月にイギリス本土西岸に建設されていた20ヶ所のレーダ基地の場所とその探索可能範囲を示します。
この地図を見れば、ドイツからの爆撃機の侵攻をイギリスでは早期に検出できる体制が整っていたことがわかります。


図1-24 19399月にイギリス本土西岸に建設されていた20ヶ所のレーダ基地

(図では■で示す)とその探索可能範囲 「The Invention changed the world 1996」より

1939
年ヒットラー(Adolf Hitler 1889-1945 ドイツ ナチ党の総統)のドイツがポーランドに侵攻し、第2次世界大戦が起こりました。
レーダに関してはこのようにイギリスが一歩進んでいたのです。
ヒットラーが当初レーダは攻撃兵器ではないとして、認めなかったのでドイツでのレーダ開発は遅れました。

 125 ヒットラー


アメリカでもレーダの開発は行っていましたが、イギリスにはかないませんでした。
2次世界大戦の開戦後1940年に英米軍事協定が締結されて、レーダなどの電波兵器の開発に注力することにしました。

アメリカのマサチューセッツ工科大学(MIT)に放射研究所(レーダ等の新規開発をカモフラージュするためにこういう研究所名にした)をつくり、軍事プロジェクトとして大規模な開発体制がとられました。
1940
11月の時点では年間予算額815,000ドルで人員規模30ないし40名が、1945年の夏の段階では年間予算43,200,000ドルと5倍に増加し、人員規模は3,897名という大所帯にまで膨れ上がっていました。

アメリカだけではなく、イギリスとオーストラリアにも研究所の支所を設けていたのです。
そうした結果、19411月には陸軍用に、同年春には海軍用にレーダを開発という形になって現れました。

オーストラリア空軍では1942年にレーダを採用し始めました。
このレーダは初めてオーストラリアで設計され、そして製造されたもので、1942322日にオーストラリア北部のダーウィン地区で運用が始められました。

最終的には140のレーダ基地がオーストラリアの海岸にそって設置され、4,000名に上る軍人が働きました。
1-26はその50年を記念して発行された郵便切手付き封筒で、郵便切手印面に当時のレーダ、左の絵の部分には暗い部屋の中でレーダを操作する軍人が描かれています。
レーダ開発に当たっては米国と英国が主導していましたが、開発研究所の分室がオーストラリアにも設置されており、太平洋領域での電波戦争の一端を担っていました。


126 1942年オーストラリア空軍でレーダ採用: 50周年記念郵便切手付き封筒(オーストラリア1992年発行)

レーダ用のアンテナには鋭い指向性が要求されます。
反射物体から戻ってきた電波を解析するときに、よりこまかく分解して判定する(この細かさを分解能という)必要があるからです。
遠方に飛行機が1機飛んでいるのか多数飛んでいるのか、小さい船なのか大型の軍艦なのかを判定しなければなりません。
物を検索するときに太い棒でつついて探すのと、針のような細い物でつついて探すのでは、検出精度が異なることから。
針までは細くないがアンテナとしては最も指向性を細く狭めることができるアンテナとして八木宇田アンテナが利用されることになりました。

併せて、波長の短いcm波という非常に周波数の高い電波を発生させるマグネトロン(マイクロ波という電波帯域のための真空管の一種で、円筒形の陽極とその中心軸に陰極を持ち、マイクロ波の発振ができる。レーダや家庭用電子レンジなどに用いられています。)というイギリスの技術も導入されました。

こうしたレーダによってドイツ軍は自国の軍事施設や潜水艦を連合国軍の思うままに爆撃されるようになってしまいました。
この事情は日本も同様でした。

(3) レーダの実戦応用
対空警戒用としてのレーダの効用が認められた空中戦があります。
1940
8月から9月にかけて行われたドイツ空軍のイギリス本土爆撃です。

この戦いをイギリスではbattle of Britainと呼びます(図127)。
8
13日ドイツ空軍は1,485機でイギリス本土を空襲しました。
レーダで事前にこの空襲を感知したイギリス空軍は対抗してドイツの攻撃機を47機も撃ち落しました。
ドイツ軍の空襲は続き、915日の空襲でもイギリス側はレーダで検知し、ドイツの攻撃機を56機も撃ち落しました。
こうした結果を受けて、これ以上ドイツの空軍機を失ってはまずいと考えて、ヒットラーは作戦を変更したのです。

最初レーダはこのように軍事目的に開発されました。
その後は気象観測用レーダやスピードを測定するスピードガンなどが開発され、現在も多方面に利用されています。


 図127 ドイツの空爆に対抗

 

 

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A2レーダのパルスに関する解説

 

送信パルスと探知能力の関係

(1)レーダの送信波

レーダが発信するレーダ波は、CW(連続波)レーダなどの特殊なものを除き、基本的には次のように使用するレーダ周波数の電波で形作られるパルス波です。
τがパルス幅、Aの2倍が振幅、Tがパルス間隔(又は、パルス繰返周期)です。
パルス間隔の逆数、つまり1秒間に何回パルスを出すかをパルス繰返周波数(PPS)と言います。

また、パルス幅とパルス間隔との比率(=τ/T)をデューティ比(duty-cycle)と言います。

(2)パルス間隔

レーダでは、このパルスを送信し、目標に反射して再びアンテナに戻ってくるまでの時間を測定して距離を割り出します。
したがって、通常のレーダの最大探知距離はどんなに長くても、パルスを1回送信してから次に送信するまでの、このパルス間隔(T)からパルス幅(τ)を引いた残りの時間の1/2に相当する距離に限定されます。

例えば、パルス間隔を1ms(=パルス繰返周波数1000)の場合、3×10×0.001/2=150,000m(=150km)が物理的な最大探知距離になります。

(3) パルス幅と振幅

レーダパルスの強さはパルス幅と振幅の乗数(2A×τ)で表されます。
この値が大きければ大きいほど送信する電力の強いものになりますから、より遠距離で、より小さい目標を探知出来ることになります。

しかしながら、余りパルス幅が大きいとレーダエコー(受信信号)の解像度が悪くなります。
つまり、パルス幅の1/2以内の距離に2つ以上の目標が存在する場合には1つのエコーとしてしか受信できません。

したがって、目標が存在するのかしないのかを知ることが最も重要な捜索用や早期警戒用のレーダでは強いパルスを要求されますので、比較的このパルス幅が大きく、逆に目標の正確な距離や数の判別を要求される射撃用レーダでは、比較的このパルス幅が小さい、即ち鋭いパルスを使用することになります。

 

 

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A3青森に設置のXバンドレーダ関連の情報−1

記;2012−12−01

Xバンドレーダとは
波長2.53.75cm
周波数では8GHz12GHz)の電波を用いるレーダの総称。
防空用レーダや戦闘機搭載用レーダの波長30100cmと比べ、高い分解能が得られ、目標を点としてではなく形として把握できる能力から、弾道ミサイル防衛システムの目標(ミサイルや弾頭)捕捉、弾頭とオトリとの識別、追尾、迎撃ミサイルの誘導に使用される。
波長が短いために大気による減衰が大きく、遠方に到達させるには大出力が必要となる。

米国が弾道ミサイル防衛(BMD)システム実験用にクエジェリン島に設置した型(地上配備型Xバンド・レーダ:GBR)123平方メートルのレーダ面に81000個のレーダ素子を並べたフェーズド・アレイ型で、平均出力は170kWもある。
4000km
の遠方で弾道ミサイルの弾頭の探知ができ、2000km以内なら実弾頭とオトリの識別が可能とされる一方、周辺環境への影響を懸念する声もある。

GBR
を石油リグ型のフロートに載せた洋上配備型SBR(Sea-Based Radar)はアラスカ沖に配備された。
THAAD
終端迎撃システム用レーダTPY-2Xバンドを使用し、北朝鮮からの弾道ミサイルの早期探知と精密追尾のために20066月に青森県の航空自衛隊車力分屯地に配備した。

同型のレーダは九州、沖縄、グアム島などへの追加配備も検討されている。
また欧州方面ではチェコへの配備が計画されている。
日本も防衛省技術研究本部がFPS-5と呼ぶXバンド早期警戒用レーダを開発し、2011年度までに4カ所のレーダーサイトに配備する。


*衆議院質問主意書でのXバンドレーダからの健康影響に関する論議からの抜粋を以下に示す。

平成18228日提出
質問第116
航空自衛隊車力分屯基地への]バンドレーダ配備に関する質問主意書
提出者  高橋千鶴子

三 生活環境への影響について
1
 ]バンドレーダから生じる電磁波の影響について、例えば、米国防総省ミサイル防衛庁の情報資料(「FACT SheetX-Band Rader20006月公表)は、家庭のテレビやラジオへの影響が生じる可能性について指摘しているが、どのような被害が生じる可能性があるのか。
基地内及び周辺地域の人体・動植物への影響、テレビやラジオなどの家庭用電化製品、民間航空機の運航等への影響、大気汚染及び騒音発生の有無等について、具体的に示されたい。
また、その影響について、どのような対策をとるのか。

平成18310日受領
答弁第116
内閣衆質164116

  平成18310
衆議院議長 河野洋平殿
内閣総理大臣 小泉純一郎
衆議院議員高橋千鶴子君提出航空自衛隊車力分屯基地への]バンドレーダ配備に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。

三の1について
電磁波の影響としては、一般的には、電波干渉や発熱効果が考えられる。
]バンドレーダ・システムが我が国において展開される場合には、政府としては、他の無線局の運用を阻害するような混信を防止するとともに、人体に危害を及ぼすことのないよう、必要な措置をとる考えである。

 

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A. 青森に設置のXバンドレーダ関連の情報−2

Xバンドレーダの設置に関して、青森県では検討会を実施し、報告書をまとめている。
その中の一部を紹介する。

**************************
Xバンドレーダ検討結果報告書
平成18年3月
Xバンドレーダ検討会

はじめに
平成171029日に米国防総省で開かれた外務・防衛閣僚による日米安全保障協議委員会(2プラス2)において、在日米軍再編の中間報告が取りまとめられた。
その中間報告には、ミサイル防衛に関して、米軍の新たなXバンドレーダ・システムの日本における最適な展開地を検討することが盛り込まれた。
現在、日本における最適な展開地を検討するに当たり、青森県のつがる市に所在する航空自衛隊車力分屯基地が有力な候補地とされているところである。
これらの動きを受けて、青森県では、平成18年2月8日に、Xバンドレーダ配備と国民保護や被害対処との関連、Xバンドレーダ配備に係る技術的、設備的事項等に関する知見を得るために、県が委嘱した専門家によるXバンドレーダ検討会を設置した。
本報告書は、このXバンドレーダ検討会の検討結果報告書である。

D安全対策
Xバンドレーダの配備・運用に当たっては、電波照射における安全基準を守るため、レーダ周囲に立ち入り禁止区域等を設定する必要があるものの、その距離についてはレーダの性能に依存するところであり、正確な数値は把握し難いが、アンテナ前方で100m程度ではないかと推測される。
ただし、この立ち入り禁止区域等はその管理を徹底できるように基地の敷地内に収める条件で設定されるものと考えられる。

@立ち入り禁止区域
Xバンドレーダから照射する電波ビーム(電波を細く収束してエネルギを集中させたもの)の方向の周囲に弱いサイドローブ放射が起きて近くの人間に電波を放射する。
X帯電波の人体への照射によって起きる加熱作用に対する安全基準は、国際的に共通の医学的見地による基準である。
米軍の電波器材については、国防総省令により安全照射強度の基準値は10mW/cm2と定められており、この安全照射強度を超える範囲は立ち入り禁止区域を設定することが義務付けられている。

通常、立ち入り禁止区域は電波ビームとサイドローブ放射を受ける場合における人体の健康維持のために設けられたものであり、アンテナを回転させて全周に電波ビームを向けるレーダでは、送信出力によってアンテナの周囲の半径10m程度から50m〜100m程度と様々である。
Xバンドレーダの場合は、電波ビームが専ら日本海上空方向に向けて放射され、電波ビームの地上への直接の放射はないとみなされるので、近接する地上に対するアンテナからのサイドローブ放射について考慮すれば良いこととなる。

当該アンテナの構造から見てサイドローブ放射の影響はアンテナの前方で強まるため、立ち入り禁止区域は前方で広く設定され、アンテナの側方や後方は狭くなると予想される。
かような立ち入り禁止区域が基地内で十分収まるように、レーダのアンテナ・ユニットの位置が設定されると考える。

なお、ペトリオットレーダについても、操作する隊員の安全確保と周辺地域への影響を排除するとの基準や指令に従って設定されており、Xバンドレーダと同様の考えに基づいている。
******************************

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A5.青森に設置のXバンドレーダ関連の情報−3

 

*所在地
マーカの位置がXバンドレーダを運用している米軍通信所
周囲は何もなく、日本海に面している。

 

*京丹後市の調査報告書にあった車力Xバンドレーダ
https://www.city.kyotango.lg.jp/shigikai/xband/250411-12-sisatsuhoukoku.pdf
 

******一部 引用 ************
基地対策調査特別委員会視察報告書

視察目的:京丹後市の航空自衛隊経ケ岬分屯基地に設置が予定されている「Xバンドレーダ」について、国内に唯一配備されている青森県つがる市を視察する。
視察年月日:平成25411日(木)〜12日(金)

(4) 制限区域について
Xバンドレーダは、前方に信号を発信受信する固定式フェイズドアレイタイプで、後方に制限区域※を設ける必要は無い。
制限区域は国際的基準により設定され、人員をレーダの電磁波にさらされる可能性から保護するために必要な立入禁止区域と機材と航空機を保護するための区域がある。
Xバンド・レーダの出力は一定であるため、制限区域が変わるということも無い。
人員の立入禁止区域の125mは、Xバンドレーダの最も低い仰角2°から算定され、レーダから電磁波が放出される高さが4mの距離に設定されている。

※Xバンドレーダによる電磁波の影響を考慮して制限区域が設けられている。
レーダの前面に対して、水平方向に120°垂直方向に140°の範囲。
国際基準により、制限区域の半径は以下の通りとなる。
@ 軍用航空機:5500m  A 民間航空機 : 3400m
B 機材:500m  C 人員 : 125m
********************************

 

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A6レーダからの電波測定の困難さ

 

電波防護のための基準への適合確認の手引き 総 務 省
には以下のようなレーダ(パルス波電波)の適合確認法が規定されている。

レーダの性能指数を用いて計算を行う場合:
この計算は過剰なサイドに設定されているので、計算によって適合確認できれば、測定などは不要とされる。

********************
2)算出の基本式
電波の強度は最初に空中線入力電力P[W]、空中線からの距離R[m]、主輻射方向(指向方向)の利得G[]を用いて次式により電力密度S[mW/cm2]の値を算出することとします。

S=PGK
40πR2 

この場合の利得Gは、どの方向においても主輻射方向の利得を用います。
このため、算出結果は過大になることはあっても過小評価することはありません。
この算出結果で基準値を満たしている場合は、これ以上の評価は必要ありません。

3)指向性を考慮した基本算出式
基本算出式の算出結果は、指向性を考慮していないため指向性アンテナを用いている場合は算出結果が過大になる場合があります。
このため、基本算出式の算出結果が基準値を超えた場合は、指向性を考慮して算出します。

次式のように、(2)で求めた基本算出式の算出結果S0[mW/cm2]に、算出地点の方向に対する電力指向性係数D(θ)を乗じることにより算出します。
S = S0
D(θ) F [mW/cm2]

レーダ等、回転する空中線の場合は、補正係数Fに適切な係数を乗じます。



算出例3(レーダー
レーダ等に用いられる、パルス波や、回転するアンテナの場合の扱いについて、下記の諸元を用いて説明します。

無線設備の諸元
周波数        1300MHz
送信機出力    2000kW(尖頭値)
パルス幅      3μs
パルス繰り返し周波数 345pps
アンテナ利得  35dBi(絶対利得) 電力半値幅    1.3
アンテナ高    20m アンテナ長    長径 13.8m 短径   m
開口効率     0.15
アンテナは回転しているものとします。

この場合は、次の点に注意して算出します。
(1) 
空中線入力電力の算出
レーダ等のパルス波の場合は、時間平均値を求めます。
時間平均値は、尖頭値にパルス幅、パルス繰り返し周波数を乗じることにより求めます。

 

この場合は、
2x106   x 3x10-6    x  345         
   2070[W]
尖頭値   パルス幅  パルス繰り返し周波数   時間平均値
と計算されます。

(2) 空中線回転補正係数の算出
基本算出式による算出結果が基準値を超えた場合は、アンテナが回転している場合は、回転を考慮して算出を行います。
このとき用いる補正係数Fの求め方について、説明します。

@ 境界となる距離の算出
係数は、0.6D2/λ[m]を境にして変わります。まずこの距離を求めます。
Dは、アンテナの最大長です。この場合は、13.8mになります。
λは波長で、300/周波数[MHz]で求めます。この場合は、0.23mです。
以上より、0.6D2/λ=496.8[m]になります。

A 補正係数Fの算出
以上から、Fを次のように算出します
ア 距離Rが496.8mを超える場合
F=θBW/360(θBWは電力半値幅)ですから、θBW1.3[]を代入して、F=0.0036になります。

イ 距離Rが496.8m以下の場合F=φ/360(φ=2tan-1(D/2R))です。距離Rが式に含まれているので、算出地点により異なった値になります。
D=13.8
、算出地点の距離Rを代入にして、関数電卓等を用いてφを計算して下さい。

*********************

以上にあるように、計算で求めることはできるが、軍事レーダなどの場合は、性能指数が公開されない・軍事秘密となっていれば、部外者は計算ができない。
指向方向の適合確認法での計算結果として、適合する距離が公開されると、部会者は軍事秘密になっている指数としての「レーダのピーク電力値と指向方向の利得の積」が判明し、この積からレーダの探知可能距離などが想定されることにもなる。

指向方向外の方向に限定して適合する距離の計算結果を公表した場合は、この距離は「レーダのピーク電力値と指向方向の利得と指向方向外の利得減衰率の積」によって定まるので、部外者は軍事秘密である指数「レーダのピーク電力値と指向方向の利得の積」を推定することはできなくなる。

レーダからのパルス波電波の強さを測定する場合は、以下のことが肝要となる。

レーダからのパルス波電波は、非常に短い時間だけ電波を出すので、測定器が応答できない、針が振れる前に電波の発信が止まるので針が振れない、ということから、測定には格段の留意が肝要となる。

***********************
測定の注意
・パルス波の測定には、熱電対型の電磁界プローブ、周波数非同調型測定系又はパルスが占有する帯域幅に比べ広い周波数分解能帯域幅を持つ周波数同調型測定系を用いてください。

****************************

上記の測定では、電波強度の測定は、ピーク値での測定値となる。
電波防護指針に定める時間平均値を求めるのは、『レーダ等のパルス波の場合は、時間平均値を求めます。時間平均値は、ピーク値(尖頭値)にパルス幅、パルス繰り返し周波数を乗じることにより求めます。』とあるパルス幅とパルス繰り返し周波数の値が必要となる。

この2つの指数も軍事秘密とあれば、部外者は正確に測定することができたとし、ピーク値はわかっても、平均値を算出し、電波防護指針への適合性を厳密に評価することはできない。

 

 

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A7与那座のガメラレーダ

 

$1:琉球新報のサイトにあった与那岳レーダ
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-203942-storytopic-1.html
 にあった情報の抜粋

**********************************
電磁波「不安」7割 空自・与座岳新型レーダ2013314

与座岳に設置されている新型レーダ「FPS―5」。
国内に設置されているものでは住宅地から最も近い=2月21日、糸満市与座

$2:与那座分屯地のサイトにあったレーダ周辺の電波強度測定報告書
http://www.mod.go.jp/asdf/yoza/other.html
 にあった内容を抜粋

********************************
与座岳分屯基地周辺の電界強度測定結果説明
与座岳分屯基地
25.3.1(金)

測定用器材 東洋メディック株式会社製 電磁波強度測定器EMR−300

 

****************************

BEMSJ
のコメント:
1
.測定器について
「電磁波強度測定器EMR-300」という記述があるが、この測定器は様々な種類のプローブ(センサ:アンテナ)を選択できるので、この測定で、いかなるプローブを用いたかは、不詳。

熱電対式のプローブを用いる必要がある。

2.測定結果
上座原地区での測定を見ると最大値:0.0048 平均値0.0003とある。
この最大値/平均値の比は0.00480.000316である。
この比は、基本的にレーダから発信されるパルス波電波のDuty比と同じになるはずである。
与那座のレーダ波のDuty比は公開されていないが、16という数字は疑問である。

よって、最大値だけがおかしいのか、平均値だけがおかしいのか、それとも最大値と平均値がともにおかしいのか? いずれにしても、正確に測定されていない恐れがある


$3:糸満市与那座レーダ電波測定 

糸満市のサイトで、与那座の電波を主体に、周囲の電波を測定した結果が報告されている。
http://www.city.itoman.lg.jp/docs/2016063000015/


************一部 引用 **************

 

 

以下は部分拡大図


 

***********************

 

5の上与座での測定が最大で、時間平均値0.002365W/cm2 となっている。

上記のデータは使用した安立のスペアナ MS-8911Bでの測定結果である。
MS8911B
の仕様  周波数 7.1GHzまで  通過帯域幅 最大 3MHz とある。


与那座はガメラレーダで
L
バンド 12GHz Long wave
S
バンド 24GHz Short wave  を使用する。


J/FPS-5
は、日本の防衛省が主導して開発し、航空自衛隊のレーダーサイトで運用されている防空用の固定式警戒管制レーダ装置。
通称ガメラレーダ。
Wikipedia
では与那座のレーダが写真で紹介されている。

測定周波数としては、安立のスペアナは測定が可能である。

電波防護指針への適合確認の測定では、『パルス波の測定には、熱電対型の電磁界プローブ、周波数非同調型測定系又はパルスが占有する帯域幅に比べ広い周波数分解能帯域幅を持つ周波数同調型測定系を用いること。』となっている。
しかも、この測定ではピーク値の測定となり、時間平均値への計算にはレーダ波のDuty比がいくらであるかの情報が必要となる。

ガメラレーダのパルス幅は3μ秒程度と広いのであろうか?
そうであれば安立のスペアナで「帯域幅:3MHz」設定にすれば、電力密度のピーク値は測定可能となる。

この点を、測定調査を行った糸満市に問い合わせてみると
・測定は可能として行った。
Duty比はわからなかった。  
ということであった。

したがって、この糸満市の測定調査結果は、正確に測定されているとは言えない。

 

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A8佐渡のガメラレーダ

 

佐渡のガメラレーダからの電波強度に関する情報はほとんどなく、以下の「妙見山 森の「仲間たち」というブログに掲載されている程度である。
http://myokensan.jugem.jp/?month=200703
にあったブログから一部引用
このブログは20073月以降では全く更新されていない。

******************
妙見山森の仲間たち
妙見山は、毎年多くの観光客が訪れる大佐渡スカイライン中腹に位置し、可憐な高山植物も咲きます。佐渡島の豊かな自然と平和が保たれますように・・。

2007.03.22 Thursday
author : moriaogaeru
懇談会のご報告
10時から11時の予定が20分を超える盛会?でした。参加者28名で、内訳は、子ども1名、佐渡市からは市長、防災管財課課長、秘書課、防災管財課の方々で計5名、新聞記者2名、一般市民20名でした。
開始前に市長と最後の打ち合せをし、一般施政方針演説はなしとなり、始めの挨拶5分を抜かすと丸々1時間15分を高野市長ないしは防災管財課榎課長からの回答・説明と更なる質疑応答に費やすことができました。

内容のあるやりとりで、それなりの果実はありましたが、工事着手の延期にこぎ付けられそうな手応えはありませんでした。
今日、新潟日報と朝日に記事が載りましたが、電磁波に関しては、施設稼動後、佐渡市独自で測定をし、数値を公表すること、国が条件を守っていなければ、稼動を止めてもらうか出力を落としてもらう、との市長からの返答をもらいました。

(略)

森の仲間たち側で用意した資料のほかに、電磁波関係の説明のため佐渡市から航空幕僚監部による「電波に関する資料 H18.12.27」のコピーが配布されました。
この資料は、佐渡市が防衛庁(当時)にレーダの性能について詳しい情報が欲しいと再三言ってようやく出されたものだそうです。

本文は全6頁で、始めの3頁は一般的な説明、残りの3頁がFPS-5に関する情報。
・レーダの原理
・電波について
・電波の特徴および用途
FPS-5(FPS-XXを改称)の電波強度について (*)
・レーダの電波放射要領について
・朱鷺の放鳥区域の電波強度(概算)について (*)
(*)に関しては本文最後にご報告します。

(略)

(*)に載っていた数値の詳細は以下の通りです

FPS-5の電波強度について
アンテナからの距離 電力密度
40m
地点    0.62mW/cm2 
50m
地点   0.43mW/cm2 
100m
地点   0.2mW/cm2 


・朱鷺の放鳥区域の電波強度(概算)について
妙見山の標高1,042m地点から小佐渡丘陵の高度300m地点までの距離を約13Kmとした場合、FPS-5からの電力密度は0.00003mW/cm2
総務省の電波強度の基準値の上限は1mW/cm2ですから、以上の数値は安全であるという結果を導き出します。
ただし、海外の基準値に比べると、全く安全とは言いきれないことが分かります。
(略)

それから、
FPS-5本体から40m周囲に柵をはって進入できないようにするとのことですが、100m地点でもまだ恐ろしい数値だと私は思っています。
近くの白雲荘までの距離も気になるところですが、なにもしらないサドノウサギちゃんたちの繁殖がもっと心配です。
総務省の基準値の甘さは大問題です。
*******************

以下は建設された佐渡のガメラレーダ

 

 

 

BEMSJ注:

「アンテナからの距離 電力密度 40m地点  0.62mW/cm2」とこれまでにBEMSJが知りえた最も大きい電波強度が、航空幕僚監部からの説明資料として、入っていることに注目。

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A9京丹後Xバンドレーダ

 

*京丹後市作成のXバンドレーダに関する資料から一部引用

 

 

BEMSJ注:ここで注目すべきは「青森の車力通信所においては、レーダ前面以外には、立入禁止区域を設置していない」という点である。
本当にレーダの横1mに近接しても大丈夫?

 

*防衛省のサイトにあった電波の測定報告書

http://www.mod.go.jp/rdb/kinchu/tpy-2/data/20150828-1.pdf

 

BEMSJ

1.測定器の条件が全く記述されていない。

2.この報告書では測定結果を有効数字小数点以下2桁で示している。このことは、小数点以下3桁目は四捨五入して小数点以下2桁目は0であること、小数点以下3桁目には0.000から0.004の値があるかもしれないことを意味する。
したがって、防護指針の100分の1以下であることは確かであるが、1000分の1以下であることを意味しない。
数μW/cm2の平均値を持つ電波が存在する可能性が高いと言える。

 

Xバンドレーダ基地の場所 

 

 

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A10.韓国レーダの電波強度測定結果2016

 

http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2016/07/14/2016071401843.html
******************  一部 引用 ***********
Chosun online
朝鮮日報
2016/07/14
韓国国防部 PAC2配備基地で電磁波測定を公開

【ソウル聯合ニュース】
韓国国防部は14、空軍が都圏地域で運するパトリオットミサイル(PAC2)の配備基地に記者団を招き、電磁波測定の様を公開した。
パトリオットミサイル砲台のレーダが安全基準に基づいて運されていることを強調し、国の最新鋭地上配備型迎撃システム「⾼⾼度防衛ミサイル(THAAD、サード)」の韓国配備をめぐる電磁波などの健康被害や安全への懸念を払しょくする狙いがあるとみられる。

電磁波測定はパトリオットレーダの正から20メートル離れた地点でわれた。
レーダビームの下部分は地とほぼ水平に発射される。
レーダが約3〜4メートルの台座にあることを踏まえると、間の頭上のさにレーダビームが発射されることになる。

電磁波測定はレーダビームが発射されている6分間、電密度の最値と平均値を測定する法で実施された。

レーダ前20メートル地点の電密度の最値と平均値はそれぞれ0.2826ワット毎メートル(=0.02828mW/cm2)、0.0735ワット毎平メートル(=0.00735mW/cm2)だった。

韓国の電磁波法で定められた電磁波の体への許容基準は10ワット毎平メートル(=1mW/cm2)だ。
パト
リオットレーダの正で測定された電磁波の最値は許容値の2.8%準にとどまることになる。

パトリオットレーダがある場所は海抜400メートルの頂だ。
レーダは北朝鮮のミサイ
ル攻撃に備え北側を向いており、の麓にはい建物が並んでいる。
レーダ正の電磁波が許容準の3%にも満たないため、の麓の住宅密集地域には電磁波による被害はないというのが軍当局の説明だ。

パトリオットレーダから40メートル離れた地点での電磁波最値と平均値はそれぞれ0.0877ワット毎平メートル(=0.00877mW/cm2)0.0313ワット毎平メートル(=0.00312mW/cm2)だった。

パトリオットミサイルの場合、⽴⼊区域は前の半径120メートル内だ。

120メートル地点での電磁波最値と平均値はそれぞれ0.0336ワット毎平メートル、0.0065ワット毎平メートルだった。

韓国軍はTHAAD配備をめぐる懸念を取り除こうとパトリオットレーダの電磁波を韓国メディアに公開したが、懸念は簡単に払しょくできないとみられる。
THAAD
のレーダの安全距離はパトリオットレーダよりも短いが、出はより強だとされる。

(略)
***********************

BEMSJ
のコメント:
この測定は正確とは思えない。測定器や測定条件が明確になっていないが、以下の点から信頼できるとは思えないデータである。
1.
「トリオットミサイルの場合、⽴⼊区域は前の半径120メートル内だ。前120メートル地点での電磁波最値と平均値はそれぞれ0.0336ワット毎平メートル、0.0065ワット毎平メートルだった。」とある。

立入禁止区域は、基本的に曝露基準値と一致する時間平均値になる距離として定める。
距離が120mであるならば、その箇所における電力密度の時間平均値は1mW/cm2になるはずで、それが測定結果として0.00065mW/cm2に過ぎないとは、まったく信じられない。
1500
分の1の電波強度とは・・・・・・
したがって、この記事にある測定値は、すべて、信頼できないことになる。

2
.最大値と平均値の比は、レーダからのパルス電波のDuty比に同じになるはずである。
120m
地点での測定値の比は5.240m地点での測定値の比は2.820m地点での測定値の比は3.8とまちまちであるだけでなく、レーダのDuty比とは思えない低さである。

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A11.韓国レーダの電波強度測定結果2017年

 

http://japanese.joins.com/article/278/232278.html?servcode=400 にあった情報

**********一部引用**********
中央日報/中央日報日本語版
韓国国防部「THAAD電磁波は基準値以下、騒音の影響もない」
2017
0813

慶尚北道星州郡(キョンサンブクド・ソンジュグン)の高高度防衛ミサイル(THAAD)レーダの電磁波は人体保護基準を大きく下回ることが明らかになった。
THAAD
による騒音もやはり専用住居地域の昼間騒音基準の50デシベル水準で、周辺の集落に及ぼす影響はほとんどないと調査された。
国防部は12日、慶尚北道星州郡のTHAAD敷地内で電磁波と騒音を測定したところ、こうした結果が現われたと明らかにした。

電磁波は基地内部で測定した6分連続平均値がレーダから100メートル地点で0.01659W/平方メートル、500メートル地点で0.004136W/平方メートルとなった。
700
メートル地点では0.000886W/平方メートル、管理棟周辺では0.002442W/平方メートルとなった。

電磁波瞬間最大値は0.04634W/平方メートルで、すべて関係法令で定めた基準値を下回った。
現行の電波法は電磁波人体保護基準を10W/平方メートルと定めている。
(略)
**********************

BEMSJ
注:測定器や測定条件が記載されていないので、何とも言えないが、これらの数値は低すぎないか?

 

 

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A12青森県大湊のガメラレーダ

 

青森県の下北半島を北上するにつれ、窓からはその名のとおり釜を伏せたような頂のえ始める。
下北半島の最峰、標879mの釜臥(かまふせやま)だ。
頂には異様なビルディングのようなものが建っている。
通称“ガ
メラレーダ”、航空衛隊の正式名称は、J/FPS-5.

 

 

大湊のガメラレーダからの電波強度測定に関する情報は未入手。

 

 

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A13.レーダの諸元の例

 

以下は、BEMSJがインターネットで検索して見つけた情報です。
Duty
比に関しては、得られたパルス幅と繰り返し周波数の情報から、BEMSJが計算した値です。

68ZPS3レーダ

68ZPS-3レーダは海上自衛隊の潜水艦に搭載し、海面上の目標に対する捜索および警戒を行ないまた航行にも使用するものである。
周波数:9.3459.045GHzの間
尖頭電力;40kW
指向方向の利得:不詳
パルス幅:0.5μS
パルス繰り返し周波数:600Hz
パルスのDuty比:3300


71式対空レーダ装置JTPS-P5
71
式対空レーダ装置JTPS-P5は主として陸上自衛隊において、対空監視に使用する。
周波数:Sバンド
尖頭電力;60kW
指向方向の利得:33dB
パルス幅:25μS パルス幅圧縮:1μS
パルス繰り返し周波数:400Hz
パルスのDuty比:2500


76式対砲レーダ装置
76
式対砲レーダ装置は陸上自衛隊において、主として野戦砲などの発射位置及び弾着位置の標定に使用する。
周波数:Xバンド
尖頭電力;250kW
指向方向の利得:46.5dB
パルス幅:2μS パルス幅圧縮:-0.17μS
パルス繰り返し周波数:3600Hz
パルスのDuty比:1600


65式艦船用レーダOPS-4D
65
式艦船用レーダOPS-4Dは海上自衛隊の艦船に搭載し、近距離水上測的用および航海用として使用する。
周波数:Xバンド
尖頭電力;30kW
指向方向の利得:不詳
パルス幅:0.1μS0.6μS
パルス繰り返し周波数:819.6Hz
パルスのDuty比:203512200


79式対空レーダ装置JTPS-P9
79
式対空レーダ装置JTPS-P9は主として陸上自衛隊の師団高射大隊に装備し、対空監視及び目標情報などの伝送に使用するものである。
周波数:Lバンド
尖頭電力;5kW
指向方向の利得:23dB
パルス幅:6.7μS
パルス繰り返し周波数:3125Hz/2500Hz
パルスのDuty比:4960


85式地上レーダ装置(JTPS-P11 JTPS-P12 )
85
式地上レーダ装置(JTPS-P11,JTPS-P12)は主として陸上自衛隊に装備し、車両に搭載して、地上における車両、人員などの移動目標及び海上における船舶を監視するために使用する。
周波数:Xバンド
尖頭電力;2kW
指向方向の利得:33dB
パルス幅:4μS  パルス幅圧縮:0.3μS
パルス繰り返し周波数:1875Hz
パルスのDuty比:1780


Xバンド可搬型気象レーダ 天頂観測用X-band レーダ
周波数:Xバンド
尖頭電力;20kW
指向方向の利得:38dB
パルス幅:0.21.0μS  
パルス繰り返し周波数:1200Hz
パルスのDuty比:4200840


*海上保安庁 海上交通センター用マグネトロンレーダ
周波数:13.65GHz
尖頭電力;40kW
指向方向の利得:36dBi
パルス幅:0.1μS  
パルス繰り返し周波数:3kHz
パルスのDuty比:3300


*島根大学のXバンドレーダによる降雨観測用
周波数:9.74GHz
尖頭電力;40kW
指向方向の利得:不詳
パルス幅:0.5μS  
パルス繰り返し周波数:750Hz
パルスのDuty比:2600


*羽田空港 気象観測用ドップラーレーダ
周波数:5.28GHz
尖頭電力;200kW
指向方向の利得:不詳
パルス幅:1μS  
パルス繰り返し周波数:1120/840Hz
パルスのDuty比:830


*羽田空港 航空路監視用レーダ
周波数:1.344GHz
尖頭電力;2000kW
指向方向の利得:35dBi
パルス幅:3μS  
パルス繰り返し周波数:345Hz
パルスのDuty比:970


*Haystack & HAX レーダ (アメリカの宇宙空間の宇宙ゴミの観測用レーダ)の仕様

 

 

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A14GlobalSecurityというサイトにあったパトリオットミサイルとレーダの安全対応

http://www.globalsecurity.org/space/library/policy/army/fm/3-01-85/appe.htm  にあった内容を一部和訳して、引用

ミサイルとレーダ装置の操作に関連する安全マニュアルである。


*******************************************
Appendix E
    補足E
Safety

This appendix describes the responsibilities of the commander and safety officer, and discusses procedures for identifying and assessing safety problems that may arise during training or operations.
It also describes general safety precautions that must be observed during Patriot operations as well as special hazards associated with Patriot system.

安全
この補足は訓練及び運用時に起こるかもしれない安全問題も抜き出しと評価の手順に関するもので、操作員と安全管理者の責任を記述する。
また、パトリオットシステムに関連する特異な危険性と同じく、パトリオットの運用時に観察されるべき一般的な安全に関する予防原則に関しても記述する。

Table E-1
Special Hazards 特異な障害

Hazard

RF Radiation

1)Rader site

2)AMG

障害

高周波電波曝露

1)レーダサイト

2)アンテナ群設置場所(訳者注;UHFアンテナ等)

Adverse Effects

RF radiation heats body tissues, and if sufficiently high will permanently damage tissues. Damage is NOT immediately apparent.

異常な影響

高周波電磁波は人の体を加熱する、もしその加熱が十分に大きい場合は、体組織に永久的な損傷を与える。この損傷は即座には現れない。

ActionsRemedial or Preventative

Rader Set:

Stay out of denied occupancy zone, the area is within 120m in front of the Rader set, and at least 2 m from sides and rear of Rader set. (See Fig. E1).

 

 

Observe safety precautions listed in RS operator manual (TM 9-1430-601-10-1).

 

 

Before placing RS in remote, conduct visual inspection of RS to ensure all crewmembers have vacated the area.

Post RF radiation warning signs at right/left side of limits of radar hazard area to warn personnel of required control measure.

 

AMG

Observe safety precaution listed in CRG operator manual (TM-9-1430-604-10)

If exposure occurred or is suspected evacuate affected personnel without delay to nearest medical facility for examination by physician. 

対応策(治療もしくは予防的に)

レーダ装置:

立入禁止区域に入るな。区域はレーダ装置の正面では120m以内の区域、レーダ装置の両サイドと裏側では少なくとも2m以内の区域である。(図E1参照)

 

レーダ装置の取り扱い説明書(TM9-1430-601-10-1)の中に記載されている安全のための予防措置の功を読むこと。

 

遠隔地でレーダ装置を設置する前に、すべての隊員が禁止区域にいないことを、目視でチェックすること。

対応策が要求されていることを人々に警告するために、レーダの危険区域の右・左の両側の境界に高周波暴露の注意を示す標識を立てること。

 

 

AMG:

CRG 取り扱い説明書(TM-9-1430-604-10)に記載されている安全に関する予防措置の項を読むこと。

もし曝露を浴びたり、疑いがある場合は、その区域から影響を受けた人を立ち退かせ、遅滞なく、最も近い医療設備で医師の診断を受けさせること。

 

AMD TASK FORCE SAFETY
The radar RF-radiation ground and "no-fly" danger zones are shown in Figure E-2.
Personnel should stay out of the ground danger zone, and friendly aircraft should be alerted to stay outside of the "no-fly" zone.
レーダの高周波電磁界暴露の地上と上空の飛行禁止空域を、E-2図に示す。
人々は地上における危険区域に立ち入ってはならない。
そして、友好的な航空機には、飛行禁止空域に入らないように警告を出すこと。

Figure E-2. THAAD Radar RF Hazard Distances
E-2 サーズレーダーの高周波危険区域

人が立ち入ってはならない区域は、レーダの電波が発信される正面の、左右65度の範囲で、レーダから100m以内の区域。
飛行禁止区域は、レーダの正面の左右65度で、レーダから4kmまで、上空は4kmまでの区域。


**********************************

BEMSJ
注:人の立ち入りを制限している区域は、アメリカの軍の電磁波曝露基準に従っていると思われる。
暴露基準値がいくらか?確認が必要である。
アメリカの軍での暴露規定としては、日本の電波防護指針値(一般公衆に対する規定値として1mW/cm2)ではなく、職業的な曝露基準値(一般公衆に対する基準値より大きな値)を採用しているかもしれない。

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A15WHOのファクトシートに見る軍用レーダ


以下の文書がある。
WHO
ファクトシート226
1999
6
電磁界と公衆衛生 レーダと人の健康

この中で、軍用レーダに関しては、以下の記述がある。

*******************
軍用レーダ は、数も多く、種類も豊富です。
大きなピーク電力(1 MW またはそれ以上)と平均電力(kW)をもつ大規模設備から、典型的には航空機に装備される小型の射撃統制レーダまで多様です。

大型レーダは、その周辺住民に関心を引き起こします。
しかし、広い表面から電力が放射されるため、
レーダシステムに関連した電力密度は敷地の境界の内側で10 から100W/m2 間で変化します
境界の外側のRF 電磁界レベルは精巧な測定器以外では測定不能なほど低いものです。

しかし、航空機に装備されている小型の射撃統制レーダは地上の軍人にとって危険となるかもしれません。
これらの装置は比較的高い平均電力(kW)をもち、アンテナの面積も小さいので、最大10 kW/m2 の電力密度を有することが可能です。
このレーダの地上テスト中、全ての軍人はテスト区域への立入を禁止されるため、一般の人々がこのような放射にばく露されることはありません。
この他に以下に述べられる種類のレーダのほとんどを軍用としても使用します。
****************************

ここで注目すべきは、「レーダシステムに関連した電力密度は敷地の境界の内側で10 から100W/m2 間で変化します。」という点です。
レーダ基地の敷地では、電波防護指針値1mW/cm 2を超えるか、その10倍の強さの電波曝露がある、ということです。
基地内では、隊員のために、レーダ装置の周囲に立ち入り禁止区域を設定しなければならない、ということです。


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A16.アメリカFCCOETブレテンに記載されている注意事項から

 

Federal Communications Commission
Office of Engineering & Technology
アメリカ連邦通信委員会 技術部門

Evaluating Compliance with FCC
 Guidelines for Human Exposure to Radiofrequency Electromagnetic Fields
無線周波数電磁界への人の曝露のためにFCCガイドラインへの適合確認

OET Bulletin 65
Edition 97-01
August 1997
OET
ブレテン65   9701版  19978

この文書の中で、レーダやパルス性電波に関する記述は以下の通り。

Instrument

(16) The instrument should respond to the average (rms) values of modulated fields independent of modulation characteristics.
With respect to measurements of pulsed sources such as radar transmitters, many commercially-available survey instruments cannot measure high peak-power pulsed fields accurately.
In such cases, the instrument should be chosen carefully to enable fields close to the antenna to be accurately measured.

測定器に関して、
測定器は変調の条件によらずに、平均値を測定できるものであること。
レーダのようなパルス性電波源の測定に関しては、多くの市販されている測定器は高いピーク電力のパルス性電波を正確に測定することはできない。
この場合、正確に測定できるように、アンテナの近傍の電波強度を測定できるように、注意深く測定器を選択しなければならない。

Measurement:
(5) For pulsed sources, such as radar, the pulse width and repetition rate and the antenna scanning rate.
測定に際して、レーダのようなパルス性電波源の場合、パルス幅、繰り返し周波数、アンテナの回転速度が重要となる。

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A171962年アメリカ軍文書に見るレーダの立入禁止距離の例


*軍文書からの抜粋

文書名:RM-TR-62- 1THE EFFECTS OF RADAR ON THE HUMAN BODY レーダの人への影響
発行年:21 March 1962  機密解除:1972
著者:John J. Turner
発行:U. S. ARMY ORDNANCE MISSILE COMMAND

この文書の中に、レーダから発信される電波曝露に対する立ち入り禁止距離の例が含まれている。

オリジナルの画像


TABLE I
DISTANCE IN FEET FROM RADAR ANTENNA TO BOUNDARY OF POTENTIALLY HAZARDOUS ZONE FOR SOME COMMON RADAR (ARRANGED IN DESCENDING ORDER OF DISTANCES)
1:幾多の一般的なレーダに関する障害可能性区域の境界距離(距離の大きい順に並べた)


1の数字を抜き出して、考察を加えた。

Radar type

Distance for

0.01 watt/cm2 ft

換算 0.01W/cm2

なる距離 m

0.001W/cm2になる
距離の想定 m

AN/FPS-16

 

 

 

Sig C Mod.

1020

310

980

Standard Mod.

590

180

570

AN/FPS-6

560

170

540

HERCULES Improved Acq.

 

 

 

HIPAR (Fixed)

550

168

530

AN/MPS-23

530

162

512

AN/MPS-14

472

144

455

HERCULES Imp TTR

400

122

385

AN/TPQ-5

350

107

338

AN/FPS-20

338

103

326

AN/MPQ-21 (10')

300

91

285

HERCULES MTR (AJAX)

270

82

259

AJAX Acq. (Fixed)

260

79

250

AN/CPS-9  

260

79

250

 

表では「フィート」で表記されているので、BEMSJは「m」に換算した数字付記した。
またこの危険区域は電波曝露限度値が0.01W/cm210W/cm2)という職業的な曝露での1962年段階での値に基づいて計算されているので、電力密度は距離の2乗で決まるという理論から、単純計算で一般公衆に対する電波防護指針値である1W/cm2の値に減衰する距離を、計算で求めた結果も付記した。

AN/FPS-16に関するBEMSJの検証
最も大きい禁止区域を持つレーダAN/FPS-16はどのようなレーダか?

Wikipedia

このAN/FPS−16は高精度の地上設置型、単一パルス単一追跡レーダ(SOTR)で、NASAの有人宇宙計画やアメリカ空軍、アメリカ陸軍で広範囲に使用された。

レーダの外観

 

AN/FPS-16 レーダ装置の技術データ
代表的な出力 ピーク値 1MW(固定周波数マグネトロン使用) 250W(周波数可変型マグネトロン使用)
周波数: 固定型: 5480MHz   可変型:5450−5825MH
パルス繰り返し周波数(内部) ;341, 366, 394, 467, 569, 682, 732, 853, 1024, 1280, 1364 or 1707 PPS
パルス幅: 0.25, 0.50, 1.0 µs

注:Duty比を計算してみる。
最大値は11700、最小値は586 中間値(パルス幅0.50μs 繰り返し853Hz)は2100 

レーダ地上設備の特性: AN/FPS-16
周波数 (MHz) 5400-5900  
ピーク出力電力 (MW) :1.3
アンテナの大きさ(meters) 3.9   
アンテナの指向方向の利得 (dB) 47  

以上のWikipediaの情報から、
Peak
電力1.3MW、アンテナ利得47dBDuty586として計算を行うと、以下のグラフでもわかるよに、電力密度1mW/cm2になるのは、アンテナの指向方向約1000mという結果が得られる。
この数字は、1962年のアメリカ軍の文書の中にあった数字と略一致する。

 

 

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A18.レーダハンドブックに見るレーダの諸元

 

Radar handbook
Editor in Chief
MERRILL I. SKOLNIK
Second Edition
 1990McGraw-Hill発行に以下のようなレーダの仕様例が紹介されている。

radar Parameters for Global Air Traffic Surveillance 一般的な航空管制用レーダ
Antenna Type: Corporate-fed active phased array
Diameter: 100m
Frequency: 2GHz
Directive gain: 66.42 dB
Peak power: 22.33 kW
Pulse width: 2000
μs
Maximum duty: 0.20

Cosmos 1500 Side-Looking Radar Parameters and Performance 人工衛星に搭載した地上観測用レーダ
Type
Real-beam side-looking radar (460-km swath)
Frequency/wavelength
9500 MHz/3. 15 cm
Antenna
Type
Slotted waveguide
Size
11.085m x 40mm
Gain
35 dB
Side lobes
-22 dB to -25 dB
Power: 100 kW peak, 30 W average
Pulse width: 3
μs
PRF: 100 pps
Duty: 3300

BEMSJ
注:ソ連のコスモス1500衛星は1983年に打ち上げ、搭載したレーダによって海面の状況を調べた。

SEASAT-Asynthetic aperture radar.  人工衛星に搭載した地上観測用レーダ
Antenna: Planar phased array (10.74 m x 2.16 m)
Gain: 34.7 dB
RF carrier: 1275 MHz
Peak power: 800 W (nominal), 1125 W (maximum)
Pulse length: 33.8
μs
PRF: 1463, 1540, 1645 pps
Duty cycle: 0.05 (maximum)
Average power: 44.5W (nominal), 62.6W (maximum)

BEMSJ
注:SEASATは以下に示すような人工衛星で、人工衛星に設置されたレーダからの電波で、海の状況などを観察する。

 

*その他に以下の紹介がある

 

BEMSJ注:
上記リストにあるレーダに関して調べる時間はないが、リストにあるMarconiMartelloには様々なタイプのレーダがあるようです。
S723
の場合は、移動型で、防空用3次元レーダとあり、周波数はLバンド、繰り返し周波数:255PPS、ピーク電力:132kW、平均電力5kWという情報がある。

 

MartelloS723レーダ

 

 

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192001年レーダ基地での被曝事故例

記:2017−10−28

いニュースであるが、以下に示す被曝事例がある。

*******************
基地従業員への電磁波問題で沖縄県が防衛施設局に申し入れ
登録日 :2001120

NHKニュース速報

去年5月、沖縄のアメリカ軍普天間基地のレーダ施設の周辺で作業をしていた日本人従業員が強い電磁波を浴びたとして、沖縄県は那覇防衛施設局に対し、日本人従業員の安全対策を徹底するよう申し入れました。

那覇防衛施設局などによりますと、去年5月、アメリカ軍普天間基地のレーダ施設の周辺で作業をしていた日本人従業員10人のうち2人が、この施設の屋上に上り、レーダ施設から出ている強い電磁波を浴びた可能性があるとして検査を受けました。

その結果、2人のうち1人は血液の血小板が正常の範囲よりも少なくなっていたため、その後再検査を受けたところ、血小板の数値は正常の範囲内だったということです。

2人が上がったレーダ施設には、「電磁波、高圧電流につき危険」と英語で書かれていましたが、日本語では表示されておらず、作業の前に特に注意は受けなかったということです。

これについて沖縄県は、こうした問題が二度と起きないよう日本人従業員の安全対策の徹底を、先月、那覇防衛施設局に申し入れました。

また、2人は検査にかかった費用およそ2万円について、それぞれ那覇労働基準監督署に労災申請をしましたが、労基署では症状が確認されていないことに加えて、電磁波による被害が科学的に立証されていないなどとして申請を退けています。
******************


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20.艦船搭載レーダで鳥が落ちる

記;2017−10−31

以下の古い情報が残っていた。
共同通信ニュース2003211

**********************
イージス艦従え洋上給油 対米支援オペを公開
2003/02/11
共同通信ニュース速報

【アラビア海洋上11日共同】
砂じんに曇るアラビア海上空。日の丸を付けた白いヘリが、並走する日米の艦上を舞うように警戒する。
海上自衛隊は11日、テロ対策特別措置法に基づくアラビア海での米大型補給艦への洋上給油を公開。
共同通信など取材団は、警護役のイージス護衛艦「きりしま」(7,250トン)から、対米支援のオペレーションを間近で見た。

「甲板への立ち入りを禁止する」。
イージスシステムの立ち上げとともに「きりしま」のハッチドアが次々と閉められ、艦内の赤色灯が点滅した。
500キロの探知範囲を誇る「きりしま」の全方位レーダが発する強い電磁波は、直接浴びれば人体に有害。
「艦に近づく鳥が衝撃で急に落ちることもある」と隊員。

(
)
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B1.空港レーダからの電磁波1992年徳重研究

 

空港などのレーダは、普通の人でも曝露する恐れがあるので、報告します。

空港にある電波レーダからの電波(電磁波)の強さに関して:に 郵政省通信総合研究所の徳重寛吾さんが発表された航空監視レーダ局近傍地域の電界強度測定と推定」がありました。

掲載誌:電子情報通信学会論文誌1992年2月 Vol. J-76-B-U No.2 PP145-149
タイトル:航空監視レーダ局周辺の電磁環境の測定と推定

研究者:徳重寛吾ら

 

一部を紹介すると

『航空路監視レーダ局(Air Route Surveillance RadarARSR)は,航空路を飛行中の航空機の安全航行と効率的飛行を支援するために国内の10数箇所に設置されている。

これらは空中線電力(尖頭値)2MWのパルス電波を発射しており,免許されている無線局の中で最大である。

またこれらの局の中には周辺地域に住民が居住していたり,通行者,自動車等がごく近傍まで近づき得るものもあり.その影響が懸念される。』

ということで、測定を行った。

 

また、重要なことであるが、測定は

『測 定 法

調査対象波のパルス幅の逆数に比べ十分広い通過帯域の増幅系をもつスペクトルアナライザ(以下スペアナと言う)を用い,包路線検波の波形振幅から電界強度を測定する。

受信アンテナは小型で取扱いが容易なダブルリッジドガイド型を用い,給電線はレーダ電波が漏れ入るのを防ぐため外導体が金属パイプ構造の同軸線を用いている。

パーソナルコンピュータは各部の制御,電界強度・波形観測データの記録に用いる。

スペアナを同調周波数f:1345MHz,通過帯域幅:3MHz,ビデオフィルタ帯域幅:3MHz,周波数掃引:OHz,掃引速度:500m秒,最大レベル保持機能ありに設定し,管面表示受信電力を読み取り,電界強度測定値(尖頭値)Em(dBμX/m)は次式で求める。

<式は割愛>』

とある。

レーダの発信パルス幅の逆数に比べて十分広い通過帯域の増幅系を持つスペアナで、尖頭値(ピーク値)を測定で得ている、ということが肝要である。

 

そうして、

『尖頭値に対する平均値のレベル低下KdB)は、受信尖頭電力の平均電力換算値10LOG((パルス幅)・(パルス繰返し周波数))とレーダアンテナの回転に伴う電力減少値10LOG((水平ビーム幅/360)との合計となり、今回の場合K=−529dBとなる。』

とあり、スペアナでの測定値から、発信パルスのDuty比(パルス幅とパルス繰り返し周波数から決まる割合)を基にして、時間平均値を得ている。

 

この測定法は、電波防護指針の適合法に沿っている正しい方法である。

空港監視レーダの場合は、パルスのDuty比が公開されているので、ピーク値(尖頭値)で得られる実測した電波強度の値から、電波防護指針に定める平均値での規制値への適合評価を行うことができる。

逆に言えば、パルスのDuty比が不明であれば、ピーク値は測定できても、そのままでは電波防護指針への適合評価は不可能となる。

 


結果は

『レーダ局の構内(350m以内)と半径2km以内の道路で電界を測定したという内容です。
最も強かったのはピーク値で 距離580mの所で 676V/m。
離れた場所では 17V/mとなる。』

人が通常 近づくことができる場所の範囲での測定と思います。 

『レーダーの場合は パルス電界であり、またレーダの回転を考えるとピーク値で人体曝露影響を考えるのか、時間平均値を取るのか考えなければならない』としてあります。 

ここから私のコメント: 
郵政省の電波防護指針によれば、一般の住民の曝露限度はこの周波数帯では、61・4V/m。
単純にピーク値を比較すれば、曝露基準を超えます。 
防護指針では6分間の時間平均を取ることにしているので、レーダの電波は瞬間しか電波をださないし、回転していて常に放射する方向が変化しているので、仮にこうした電波を受ける場所に住んでいたとしても、測定された値の100分の1以下とか1000分の1程度の曝露になるのでしょう。 
そして結果としては、多分 問題ないレベルになっていると 思います。 
但し、レーダのアンテナの直前に長時間たっていたりすれば問題にはなるでしょう。

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B2:レーダ基地周辺の住民の発がん:レスター1984年研究

記:2018−1−19

*週刊金曜日 1997627日号に以下の記事があった。

*********************
電磁波は壮大な人体実験 荻野晃也
「空港レーダ周辺住民にガン多発(1984年レスター報告)」、「ホノルル放送電波タワー周辺にガン多発(1986年ヘンダーソン報告)」、「レーダ基地周辺に乳児突然死多い(1989年オルアリー報告)」がありますが、いずれも原因解明があいまいなままになってしまいました。
********************

ここに紹介されている研究は、その詳細は?その後どうなったか?
「空港レーダ周辺住民にガン多発(1984年レスター報告)」、で検索。また、3件のトピックスでは、和文・英文での検索で、何もヒットせず。日本語でのネット検索では何も関連する情報は見つからない。

レスターの報告に関しては、元ネタは以下の文献であることが判明した。
オルアリーの報告に関しては、オルアリーのスペルなどが判らない限り、情報は見つからない。

*レスターの研究概要
1)研究者:Lester, J.R. and Moore, D.F.
タイトル:Cancer incidence and electromagnetic radiation 癌罹患率と電磁波曝露
掲載誌: Journal of Bioelectricity, 1(1): 59-76. 1982

Abstract
 概要
A neighborhood pattern of cancer incidence was found in the city of Wichita, Kansas with the suggestion of a time element in its appearance.
カンサス州Wichita市内で、発生の時間を考慮に入れた癌罹患率の地域傾向を見つけた。

Cancer tended to occur on leading terrain crests relative to radar transmissions and was less frequent in the valleys.

レーダ送信に関連する地形的な峰に沿って癌が発生する傾向にあり、峡谷部では頻度は少ない。

A formula is presented that relates the incidence of cancer, terrain, and the presence of microwave radiation.
癌罹患、峰、そしてマイクロ波放射に関連した数式を提示する。

2)研究者:Lester, J.R. and Moore, D.F.
タイトル:Cancer mortality and air force base 癌による死亡率と空軍基地
掲載誌: Journal of Bioelectricity, 1(1): 77-82. 1982

Abstract
概要
Nationally, counties with an Air Force Base were found to have significantly higher incidences of cancer mortality during 1950-1969 compared to counties without an Air Force Base.
空軍基地のない郡に比べて、空軍基地のある郡では19501969年間の癌による死亡率が有意に高いことが判った。

上記の2文献はPubmedにはリストされていない。
もう少し詳細な内容を知りたいが、2文献共に54ドルと極めて高額な有料DLなので購入はあきらめた。
EMF-Portal
のサイトでも内容は開示されていない。

以下はレスターの報告 ニール・チェリーのサイトにあった。
Residential cancer radar-exposure studies:
住民の癌のレーダ電磁波曝露研究
In 1982 Lester and Moore published a study of radar related cancers in residential populations in Wichita, Kansas, based on a hypothesis that radar could produce cancer.
1982
年にレスターとモーレは、カンサス州ウィチタにおける住民の中の癌に関連するレーダの研究論文を刊行した。これはレーダが癌を引き起こしているという仮説に基づく。

This was based on the evidence of chromosome damage and the Zaret (1977) evidence of cancer rates in radar repairing workers.
レーダ保守要員の癌の発生率に関する1977年のザレーの研究と、染色体異常という確証に基づいている。

Because there were airport and air force base radars to the east and west of Wichita they used geographic distributions of total cancer incidence on ridges exposed to both radars, sides of hills exposed to only one radar and valleys sheltered from both radars.
なぜならば、両方のレーダ電波を受ける山の尾根における全癌罹患率の地域分布として考慮したウィチタの西と東に空港と空軍基地があり、丘の側面では片方のレーダ電波のみ受け、峡谷部では両方のレーダからは遮蔽されているからである。

Mortality data was obtained from the period 1975-1977. 
死亡率として、1975年から1977年の期間のデータが得られた。

A significant linear trend (p=0.034) was found with incident rates (/100,000 p-yrs) of 470, 429 and 303 respectively from high to low RF/MW exposures, Figure 2.
2に示す様に、高周波・マイクロ波電磁波曝露の強さに応じて、10万人年の罹患率として、470429303という数字が得られ、有意な線形傾向を示している。

They concluded that their results established a correlation between radar exposure and cancer incidence, but that more research was necessary for causation.
彼らは、彼らの研究結果は癌罹患とレータ曝露は相関があるとみなしているが、因果関係がある立証するためにさらなる研究が必要であると、言っている。

Figure 2: Cancer rates in Wichita, Kansas, for the population not exposed to a radar, exposed to one radar and exposed to two radars, at their residences, Lester and Moore (1982a), Trend p= 0.034.
2 ウィチタにおける癌罹患率:レーダ電波の照射を受けない人々、片方のレーダ電波の照射群、二つのレーダ電波の照射群、それぞれ住居にて、レスターとモーレの1982年研究より引用、傾向率P=0.034

They then carried out their own follow-up study to test the hypothesis that cancer mortality is associated, in part, with the possibility of chronic exposure to radar.
そこで彼らは、可能性として、もしくは一部を占めているかもしれない慢性的なレーダ電波への曝露が癌による死亡率に関連しているとする仮説をテストするために。継続した研究を行った。

They studied the cancer rates in 92 counties associated with US Air Force Bases (AFBs) with radars, over the period 1950-1969.
彼らは、1950から1969年の期間の、空軍基地のレーダに関連する92の郡における癌の率を調べた。

They found that counties with AFBs (and radars) had significantly higher cancer rates for males (p=0.04) and females (p=0.02).
彼らは、空軍基地のある郡では有意に高い癌の率(男性ではP=0.04、女性ではP=0.02)を見出した。

Thus the hypothesis is strongly supported by this study with significant and dose-response increases in All Cancer mortality.

これは、この仮説は彼らの研究によって、有意に、強く支持されることになり、そして、量反応関係も全癌による死亡率で増加した。

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3.艦載軍事レーダからの電波の直射を受けたノルウェー海軍の船舶事故の例

記:2018−3−9

以下の報告がある。
***************
掲載誌:Int Marit Health 2013; 64, 4: 177182

タイトル:Accidental exposure to electromagnetic fields from the radar of a naval ship: a descriptive study 海軍船舶のレーダからの電磁波を事故で曝露:記述的な報告
研究者:Bente E. Moen et al;

ABSTRACT
概要

Part of a crew on a Norwegian naval ship was exposed to the radar waves for approximately 7 min from an American destroyer during an incident at sea in August 2012.
Information about the exposure was not given by the navy.
ノルウェー海軍船舶の乗組員の一部は20128月に海上で起こった出来事で、アメリカの駆逐艦から7分間、レーダ電波の直射を受けた。暴露の詳細な情報は海軍からは得られていない。

This is a description of what happened with the crew on board after this event.
14 persons had been on the ship bridge or outside on the deck during the exposure and the rest of the crew had been inside the ship.
本論は、この出来事が起こった後に乗組員に何が起こったかを、記述する。
14
名の乗組員は曝露が発生した時に船の艦橋か甲板の外にいて、その他の乗組員は船内にいた。

27 persons were examined at a hospital 6
8 months after the event, as they had developed a large number of symptoms from different organ systems.
27
名は、様々な臓器から多種な症状が発生したので、この出来事から6−8か月後に病院で診察を受けた。

They were very worried about all types of possible adverse health effects due to the incident.
彼らは、この出来事による健康への様々な悪影響の可能性に心配している。

All were examined by an occupational physician and an ophthalmologist, by an interview, clinical examinations and blood tests at the hospital.
全員は、病院における問診と臨床試験と血液検査によって、産業医と眼科医による診察を受けた。

he interview of the personnel revealed that they had not experienced any major heating during the episode.
個人への問診で、この出来事の時に彼らはおもだつような熱を感じなかったことを確認した。

Their symptoms developed days or weeks after the radar exposure.
彼らの症状はレーダ電波への曝露の1日から1週間後に発現した。

They had no objective signs of adverse health effects at the examination related to the incident. Long-term health effect from the exposure is highly unlikely.
彼らには、この出来事に関連する診察で、健康への悪影響の客観的な兆候は見られなかった。

The development of different symptoms after the incident was probably due to the fear of possible health consequences.
この出来事の後に様々な症状の発現は、健康への影響の可能性に関する不安から来るものと思われる。

Better routines for such incidents at sea should be developed to avoid this type of anxiety.
洋上におけるこうした出来事に対するこの種の不安を避けるために、より良い定期検査方法を開発すべきであろう。

本文から
The American ship passed with a distance of about 70
100 m from the Norwegian ship, and several of the crew was standing outside on the deck to watch the event. By mistake, the radar on the American ship was not turned off during the event.
アメリカの駆逐艦はノルウェーの船の70100mの所を通過して、乗組員は甲板の外に立ってこの遭遇を見ていた。誤って、アメリカの船のレーダはこの遭遇の期間、停波にしなかった。

The time for the ships to pass each other, and thus the assumed exposure period, was about 7 min.
船舶がお互いにすれ違う時間、すなわちレーダ電波の照射を受けたとみられる時間は、約7分である。

No one in the navy had any information on the exposure from the radar, they only informed about the name of the radar.
海軍の誰もレーダからの曝露に関する情報を持っていない。彼らはただレーダの型式を知るのみ。

However, we have deduced the following information: the radar was a SPY-1D (V), an S-band radar using frequencies 3
4 GHz, wavelength 7.510cm [16].
しかし、我々は以下の情報を推定した。レーダはSPY-1D(V)で、34GHzの周波数で、波長は7.510cmのSバンドレーダである。

The peak output power of this radar is 6 MW and the average power is 58 kW, which gives a duty cycle of about 1/100.
このレーダのピーク電力は6MW、平均電力は58kWで、これらからパルス比は約100となる。

The antenna gain can be calculated from the handbook formula G = 27000//(square of lobe width) [17]. With the lobe width given as 1.7
°, the gain will be 9300.
アンテナ利得は、ハンドブックにある公式G=27000/ビーム幅の二乗より計算できる。ビーム幅は1.7°なので、利得は9300となる。

With an estimated distance between the ships of 90m, r, we will have an estimated peak power density (S) of 550 kW/m2, according to the formula: S = G
× P/4πr2, where P is the peak output power.
距離r90mと推定すると、公式S = G × P/4πr2 Pはピーク電力値 とすればピーク電力密度は550 kW/m2となる。

Calculating the peak electric (E) field in the pulse from the formula S = E2/377, this will be about 15 kV/m.

公式S = E2/377を用いてパルスのピーク電界強度を計算すると約15 kV/mとなる。

Since the SPY radar has a pencil beam form and has a random search pattern, it is not possible to calculate the exact exposure of the personnel on board the Norwegian ship.
SPY
レーダはペンシルのようなビームであり、無作為な方向に電波を出しているので、ノルウェーの船舶上で人が受けた曝露量を正確に計算することは不可能である。

If the beam was located at the same spot for some seconds, the mean power density then would be of the order of 5.5kW/m2.
仮にビームが数秒間、同一の点に放射しているとすれば、平均電力密度は5.5kW/m2のオーダとなる。

Five of the crew on the bridge and 2 of the crew standing outside on the deck on the same side of the ship where the American ship passed, felt a slight sensation of warmth on the face during the radar incident. This sensation lasted for a very short period, not more than seconds or minutes.
艦橋にいた5人の乗組員とアメリカの船がすれ違う時にすれ違う側の甲板の外に立っていた2名の乗組員は、レーダ波の照射を受けた時に、顔にちょっとしたほてりを感じた。この感覚は非常の短い時間で消え、1秒以下か1分以下であった。

HEALTH PROBLEMS SOME DAYS AFTER THE EVENT
出来事のあった同じ日の健康問題

曝露直後には問題は発生せず。


They were to sail in the ocean and perform their normal work.
However, the ship journey was interrupted, as the crew started to report many different health problems.
彼らは大洋の中で航海を続け、正常な業務を行った。
しかし、乗組員が多様な健康問題を提起し始めたので、この公開は中断することになった。

参考情報:
SPY-1D(V)
はフェーズドアレイレーダで、アンテナの大きさは3.7m

フェーズドアレイアンテナの場合は、遠方界とみなせる境界はアンテナからどの程度の距離か?
それが判らないと、この論文にある曝露レーダ波の電力密度の計算式が適用できるかできないかが判明しない。

通常のパラボラアンテナの場合と同じ公式で境界を求めてみる。
境界値はR=0.6D2/λ  
D=3.7m
   λ=0.10m  とすると R=82m  
D=3.7
m   λ=0.07m  とすると R=96m 
距離90mでのこの論文における曝露強度の推定は、ぎりぎりセーフと言えるのかもしれない。


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C1.ケープ・コッドのPAVE PAWSレーダ紛争

まとめ:2013−4−30  更新:2017−10−5

1
1989年のブローダー著「死の電流」に紹介された紛争
1976年、レイセオン社(PAVE PAWSシステム建設の主契約者)は、ケープ・コッドのレーダ建設を急いでいた。
その結果ケープ・コッドの人々が、PAVE PAWSの電磁波の健康被害についての情報を得るよりもはるか以前に、レーダの建物(強化コンクリート製の核爆発にも耐えるように設計された105フィート〔約32メートル〕の高さの巨大などラミッド型建造物)が、
交通量の多いミッド・ケープ高速道路からわずか3500フィート(約1キロメートル)しか離れていない所にでき上がった。

・1月の終わり、公開討論会を開いたいくつかの環境グループがケープ・コッド環境連合を結成し、弁護士を雇った。
3
月、同連合は空軍長官ジョーン・ステットソンと数人の空軍職貞をボストンの連邦地方裁判所に告訴した。
彼らは空軍がPAVE PAWSプロジェクトの環境影響報告書を提出しないのは、1969 年の連邦の環境政策条例に違反していると訴えたのである。
ケープ・コッドの人々の中には、空軍は低レベル電磁場の生物学的影響についての情報以外にも、何かを隠そうとしているのではないかと疑い始める人もいた。

それはカリフォルニアの情勢に影響されたからでもあった。
1977
8月、カリフオルニア州ユバ郡の住民は、ビール空軍基地のPAVE PAWSの建設差し止め訴訟を起こした。
サクラメントの連邦地方裁判所での審問の直前になって、空軍はレーダから放出される電磁場をあるレベル以下に抑えることを条件に和解しようとした(空軍が法廷闘争を避けようとしたのは、環境影響報告書作成を避けようとしたのと、同じ理由によることは明らかである(どちらでも、マイクロ波の危険性についての質問に答えねばならず、空軍にその答えがなかったからである)。

しかし、原告がカリフォルニアのPAVE PAWSの電磁場レベルを連続的にモニタすることを求め、空軍がこれに同意しなかったので和解交渉は決裂した。

・レーダに反対して闘う住民の意志も衰えていき、197811月には、ケープ・コッド環境連合は訴訟を保留することに同意した。

その代わり、PAVE PAWSの環境影響の研究に参加する機会を同連合は得たのである(空軍にとっては、ほとんど痛みのない譲歩である。空軍は既に研究を他に依頼していたし、環境研究は何十万ドルもの税金を使って行なわれていたのだから)。
この合意によって空軍はレーダ建設を続けることを許可された。
住民グループに対しては、空軍が環境保護庁に最終的な環境影響報告書を提出した時に、告訴を再考するための12日間の期間が与えられた。
もし、この期間内に同連合が、報告書に不満であるという申し立てをしなければ、訴訟は却下されることになる。

関心のある方は、「死の電流」を読んでください。
この著では地元の新聞「ケープ・コッド・タイムス」の記事が何回も引用されている。

2)英文のWikipediaにあったPAVE PAWSレーダに関する概説
一部を抜粋して、和訳します。

PAVE PAWSはミサイル初期警報と宇宙探査のためのアメリカ空軍のレーダ装置である。
・アメリカのマサチューセッツ州のケープ・コッドその他にある。


1986年撮影 Wikipediaから

 

・環境と健康に関する心配
マサチューセッツのPAVE PAWSレーダはケープ・コッドでの健康への不安から、調査が行われた。
アメリカ空軍は、ケープ・コッドでのPAVE PAWS運用に先立って、アメリカ合衆国地方裁判所に、政府の環境影響に関する研究が非常に不十分であるとして、訴えられた。
裁判は国の安全保障の観点から拒絶された。

包括的な研究ではレーダ局による癌リスクの増加は見られなかった。

しかし、ケープ地区でのEWING‘s肉腫の増加の可能性のある要因として、挙げられた(2007年のCBSテレビ)。
アメリカ・アカデミーのナショナル研究機関によれば(20051月の発表)、入手可能なデータによれば、そうした可能性はないと。

地域のニュース報道によれば、「2005年一般公衆に癌増発の怖れはないと、結論付けた。しかし、その研究ではEwings肉腫には触れてはいなかった。」
「マサチューセッツ州公衆衛生部はケープ・コッドの癌発生率とPAVE PAWSレーダ基地との関連性の調査を行った。

州は、癌発生率と地域社会での電磁波のピーク強度との関連を見るために、ケープ・コッドの通りにおけるレーダ電波の強度を試験するために専門業者を雇った。

患者の一人の父親によれば、「全員とも、十分に長い時間をPAVE PAWSからの強い電磁波を受ける場所にいた」、現在ではこの苦情を立証する刊行された研究はなく、最終報告では曝露強度は強くないことが示されているけれども。

200712月に、マサチューセッツ州公衆衛生部は、ケープ・コッドのEwing腫瘍の主な原因には、PAVE PAWSは関与しているとは言えないように見られる、と発表した。

2005年のアメリカ空軍の研究には、この設備からの輻射強度の測定が含まれ、アンテナに近接を禁ずるロープが張られた15m地点の外側では、アメリカの職業的な曝露基準を超えていない。<すなわち、レーダの操作員であっても、15m以内に近接してはならない。


3)30年後の現地での状況
http://www.capecodonline.com/apps/pbcs.dll/article?AID=/20100516/NEWS/5160330
 
地元の新聞社のサイト
一部を抜粋して、和訳しました。
*****************************

 

PAVE PAWS30周年を迎える
By George Brennan
May 16, 2010 2:00 AM

過去30年間、アメリカの東海岸を、海からと敵のミサイルによる陸の攻撃を守ってきた。
昨日、このアメリカ最初で全国では4局の一つであるPAVE PAWSレーダシステムは、30週年を迎えた。
この設備の使命は冷戦時代のミサイル監視に始まり、宇宙空間にある物体と人工衛星の追跡が含まれている。
毎日、21550の物体を追跡している。人工衛星やスペースシャトルや国際宇宙ステーションの安全性を維持している。

レーダ基地は論争に明け暮れた歴史を持つ。
1970
年代後半のレーダ基地反対の異常に大きいステッカーから、健康調査を要求する活動家まで、PAVE PAWSは非難の的であった。

元サンドイッチ運動の活動家で、若い家族の安全を気にして、レーダ設備は移動すべきと強調したS. Judgeは彼女と彼女の夫(元サンドイッチ運動の代表)はレーダ基地局に嫌気してケープから出て行った。彼女は「多数の人々が引っ越していった。」と語った。
Judge
らはPAVE PAWSの健康調査を「偽りだ」と叫んだ、なぜならば、それらは軍の費用で、軍によって動かされているからだと。百位万ドルの費用を費やしたとしても、安全であるという確証は得られていないからである、と。

2007
年に最後の研究を、州の公衆衛生部が発表した。
それは、レーダ基地局からの電磁波はEwings肉腫とケープの他の癌の高率発生の原因ではない、と結論付けた。
州による研究を働きかけた国会議員のM. PatrickD-Falmouthは、レーダ基地局のテスト結果に満足していると、語った。
「あなたはあなたの質問に完璧な答を得ることができない」、「常に幾らかの疑問は残るが、しかし、彼らは科学のレビューに十分な仕事をこなし、巨額の費用を費やした。」と語った。

レーダ基地の歴史から
19764月:Raytheon社はPAVE PAWSをケープ・コッドの2番目に海抜の高い地点であるFlat Rock Hillに建設することを受諾。
1979
1月レーダ基地建設差し止めを求める裁判は拒絶されたが、アメリカ空軍は環境評価研究に資金を出すことを要求された。
1980
4月  PAVE PAWSは運用開始

1998
10月 ケープ・コッド・シチズンと呼ばれるグループは健康不安の観点から設備の閉鎖を要求。
1999
2月 州政府はPAVE PAWSに関する研究を開始すると発表。 研究は199911月に専門家がレーダ基地からの電磁波が公衆の健康に害を与えるということを決定する十分な証拠はないと、結論付けた。

2005
10月 疫学研究結果として発表、レーダ基地と健康への悪影響を結びつける確定した論拠は無かったと。

2007
12月 州の公衆衛生部は1982年以来言われているEwings肉腫(珍しい骨の癌)になった14名とレーダ局は関連性がありそうもない、と結論付けた。
***********************************

 

4)PAVE PAWSレーダの仕様

*以下のブログにPAVE PAWSレーダの仕様が紹介されていた。
https://blogs.yahoo.co.jp/patentcom/10953289.html
*****************
軍事レーダとマイクロ波;PAVE PAWS
2014/2/26(
) 午後 0:07

レーダハンドブック第2版は、第5章で、PAVE PAWSに使われている送信機の詳細について記載しています。
PAVE PAWS
は、420450メガヘルツの周波数のマイクロ波を使っています。
パルス幅は、0.2516マイクロ秒になります。
*******************

BEMSJ
注:パルス幅の単位が間違っているようです。マイクロ秒ではなく、ミリ秒でしょう。

https://fas.org/spp/military/program/track/pavepaws.htmにあった情報から一部抜粋

**********************
AN/FPS-115 PAVE PAWS Radar
This refers to scanning at elevations between 3 and 10 degrees above horizontal over 240 degrees (the azimuth) of a 360 degree circle with the radar at the center.
中心にあるレーダの360度円周のうち240度以上にわたって、水平面に対して3度から10度の角度の空域を走査することになる。

The beam is directed at elevations between 3 and 85 degrees from horizontal, covering an azimuth of 120 degrees per face, for total coverage of 240 degrees.
放射するビームは水平面に対して3度から85度に向けて、1面あたり120度の方位角で、計240度方位角に囲まれた空域に向けて発信される。

The far-field region begins at 439 meters (1,440 feet).
レーダから発信される電波が、遠方界とみなせるのは439m以上先の空域である。

The exclusion fence at Beale AFB and former exclusion fence at Cape Cod AFS are at approximately 305 meters (1,000 feet). Restricting the lowest elevation of the main beam to 3 degrees above horizontal prevents anyone on the ground or in buildings or residences from being exposed to RF from the main beam,
Beale空軍基地とCape Cod AFSの以前の立入禁止を示す柵の位置は約305m地点にある。
この柵は、水平面から3度の角度で主ビームが放射された時に、主ビームからの高周波電磁波に暴露する地上のいる、建物や住居にいる人の保護のためである。

Peak Power 1,792 active elements at 325 watts = 582.4 kilowatts (kW)
Duty Factor 25% (11% search, 14% track)
Average Power 145.6 kW
Effective Transmit Gain 37.92 decibel (dB)
Active Radar Diameter 22.1 meters
Frequency 420 megahertz (MHz) to 450 MHz
Sidelobes -20 dB (first), -30 dB (second),-38 dB (root mean square)
**********************

BEMSJ注:
「立入禁止を示す柵の位置は約305m地点にある。」とされる。
以下の航空地図で、レーダの周囲に半径約300mの円周状に、柵らしきものが見える。

 

 


http://www.radartutorial.eu/19.kartei/01.oth/karte004.en.html にあった情報から一部抜粋

AN/FPS-123at Clear Air Base, Alaska


Search pulse lengths are 0.3, 5 (typical) and 8 ms. Track pulse length are 0.25, 0.5, 1, 2, 4, 8, and 16ms.
探索モードでのパルス幅は0.30.5(代表例)、8ms
追跡管制モードではパルス幅は、0.250.5、1、2、4、8、16ms.

Specifications
Frequency: 420 to 450 MHz
Pulse repetition frequency (PRF): 0.02 to 20 Hz
Pulse width (
τ): 250 to 16 000 μs
Peak power: 600 kW (per face)
Average power: 150 kW

***********************

5)2005年のアメリカ科学アカデミーの報告書から、曝露量に関する情報

アメリカ科学アカデミーの2005年報告書
An Assessment of Potential Health Effects from Exposure to PAVE
 PAWS Low-Level Phased-Array Radiofrequency Energy (2005)
Chapter: 4 Exposure Levels
低レベルのPAVE PAWSフェイズアレイ無線周波数電磁界エネルギーへの曝露による健康影響の可能性に関する評価(2005) 
4章:曝露レベル

OVERVIEW
 まとめ
This chapter summarizes the current data on exposure levels produced by PAVE PAWS.
It begins with an overview of the operating characteristics of the radar and then discusses the existing exposure data measured in terms of peak and average power density (in
μW/cm2).
本章ではPAVE PAWSレーダによる電波曝露量の現行データをまとめる。
レーダの動作原理に関する概説をはじめに、存在するピークと平均値で示される測定データについて考察する。

Recent measurements of PAVE PAWS power density recorded by census tract obtained as part of the current initiative to re-examine the potential health effects of exposure to low-level phased-array RF energy are included.
低レベルなフェイズアレイ高周波電磁波エネルギーへの曝露の健康影響の再検査に対する現在の論議の一つとして、地域調査によって記録された最新のPAVE PAWSレーダの電力密度の測定も本章の対象とした。

Discussion also considers exposure levels of the general population to other broadcast radiation sources of comparable spectral content.
考察では、匹敵する周波数スペクトラム成分の他の放送波等の放射源への一般公衆の曝露量も対象と考えた。

以下は各論からの抜粋

approximately 90% of the total transmitted power at the intended RF
 frequencies.
The remaining energy is distributed in side lobes.
全放射エネルギーのほぼ90%は目的とする高周波電波として使われる。
残りのエネルギーは、サイドローブとして、輻射される。

BEMSJ
注:放射エネルギーの約90%は本来の目的であるレーダ波として、指向方向に向けて発信される。
残りの10%のエネルギーが、サイドローブとして、指向方向外の、周辺に向けて漏れる電波のエネルギーとなる。

The peak transmitted power of PAVE PAWS is rated at 580 kW (320 W
×1792).
PAVE PAWS
レーダのピーク送信電力の定格は580kWである。

power is radiated does not exceed 25%, making the average transmitted power less than 145 kW (580 kW
×0.25).
放射される電力は定格値の25%を超えない。即ち、平均送信電力値は145kW以下である。

The maximum duty cycle does not exceed 25%.
Duty
比の最大は25%を超えない。

BEMSJ
注:PAVE PAWSレーダは遠距離まで探索するので、発信電波エネルギーが大きくなるように、パルス幅を広げ、その故にDuty比が1;425%といった値になっているのかもしれない。

Exposure levels on the ground from PAVE PAWS have been estimated and measured a number of times.
PAVE PAWS
レーダからの地上面での曝露レベルは、数多くの推定計算や実際の測定が行われてきた。

1979 NRC Engineering Panel Report
以下は1979年アメリカ国家研究会議の技術研究班の報告の部からの抜粋

resulted in average power densities of 0.38 to 3.26 mW/cm2, which when converted to equivalent 1 km, 25% duty cycle data, ranged from 0.64 to 0.98 mW/cm2 with an average (from the 4 locations) of 0.82 mW/cm2.
結果は、平均電力密度は0.38から3.26mW/cm2であり、これを距離1kmDuty25%の条件に当てはめて計算すると、4か所での平均は0.82mW/cm2で、0.64から0.98W/cm2となる。

BEMSJ
注:
指向方向外1q地点での平均電力密度が0.82mW/cm2=8.2W/m2)であるということは、指向方向外のアンテナ利得を1と仮定すれば、発信源のレーダの発信電力の平均値は 4×3.14×1000の二乗×8.2W/m2102MW となる。
レーダの平均発信電力は145kWであるというこれまでの記述と一致しない。
もしかして、この1km地点は指向方向内に含まれるのかもしれない。

the panel made its own estimation of nominal and worst-case estimates of average power density on the main axis of a secondary side lobe taking into account characteristics of the radar, and reported numbers of 8.2
μW/cm2 (nominal) and 11 mW/cm2 (worst-case) at 1 km.
研究班はレーダの特性を考慮して、指向方向の主ビームと、2番目のサイドローブ軸上での平均電力密度の推定を、典型例を最悪例で、行っている。
その結果として1km地点で8.2μW/cm2、最悪値で11mW/cm2と報告している。

BEMSJ
注:
主ビーム・指向方向のアンテナ利得37dB7000倍)、平均電力145kW、距離1kmとして計算すると電力密度は8.1mW/cm2となり、上記の最悪値と略一致する。
2
番目のサイドローブ方向のアンテナ利得を7dB(7)とし、平均電力145kW、距離1kmとして電力密度を計算すると、8μW/cm2となり、上記の値と略一致する。

1979 NRC Exposure Level Report
以下は1979年アメリカ国家研究会議の曝露レベル報告の部からの抜粋

This report (NRC 1979a) reviewed similar data measured by the Air Force in 1978 (August and October).
この報告書では、1978810月のアメリカ空軍による類似の測定データの吟味を行っている。

The
 committee concluded that average power density outside the Air Force base was not likely to exceed 1 mW/cm2, the average power density at the exclusion fence surrounding PAVE PAWS was approximately 5 μW/cm2, while the average measured intensity at locations where the public would most likely be exposed was 0.06 mW/cm2 (Route 6, 1.0 km from the radar).
この委員会は、アメリカ空軍基地の外での平均電力密度は1W/cm2を超えることはありそうもないと、人が立ち入ることができる箇所での測定した平均電力密度は0.06mW/cm2(レーダから1km離れた国道6号線の位置)である恐れがあるが、PAVE PAWSレーダの周囲の立ち入り禁止区域の柵の所での平均電力密度は約5μW/cm2であると、結論づけた。

1839 EIG Engineering Report (#86-33)
以下は1839 EIG技術報告(#86-33)の報告の部にある情報の一部抜粋

In the fall (September 18-30) of 1986, time-averaged power-density measurements were recorded to document the RF exposures in the lighting and security camera areas within and around the security fence surrounding the PAVE PAWS radar facility on Cape Cod (EIG 1986).
1986
年秋(918-30日)に、Cape CodPAVE PAW レーダ基地の周囲の安全柵(立入禁止区域の柵)の周辺と照明及び監視カメラ設置個所における高周波電磁波曝露を文書化するために、時間平均電力密度の測定が記録された。

The results showed that the highest time averaged power-density at 6 feet above ground level was 1850
μW/cm2 with a minimum of 38μW/cm2.
結果は最大の時間平均電力密度は地面から6フィート(=1.8m)上で、1850μW/cm2、最少は38μW/cm2であった。

The average was 529
μW/cm2 at the 33 locations comprising the lighting poles, security cameras, and selected positions in and around the security fence.
照明塔、監視カメラ設置場所、その他立入禁止の柵の選択された場所の合計33か所の平均値は529μW/cm2であった。

Data at the elevation of the 7 security camera locations (20 feet above ground) had a maximum power density of 745
μW/cm2, a minimum of 100 μW/cm2, and a mean of 273μW/cm2.
7
か所の監視カメラ設置点(地上高20フィート=約6m)の高さでは、最大の電力密度は745μW/cm2、最小が100μW/cm2 そして平均は273μW/cm2 であった。

Data at the elevation of the 17 lighting poles (40 feet above ground) had a maximum power density of 3716
μW/cm2, a minimum of 127μW/cm2, and a mean of 1190 μW/cm2.
17か所の照明塔(地上高40フィート=約12m)の高さでは、最大の電力密度は3716μW/cm2、最小が17μW/cm2 そして平均は1190μW/cm2 であった。


6)PAVE PAWSレーダ2005年アメリカ空軍測定概要

以下の報告書がある。

DEPARTMENT OF THE AIR FORCE
AIR FORCE INSTITUTE FOR OPERATIONAL HEALTH (AFMC)
BROOKS CITY-BASE TEXAS
23 December 2005
発行:
空軍部
運用時の健康のための空軍研究所
テキサス州Brooks city空軍基地
2005
1223

SUBJECT: Consult Letter, IOH-SD-BR-CL-2005-0093, Radio Frequency Power Density Survey for the Precision Acquisition Vehicle Entry-Phased Array Warning System (PAVE PAWS), Cape Cod AFS, MA
課題:協議文書 IOH-SD-BR-CL-2005-0093、マサチューセッツ州Cape Cod空軍基地のPAVE PAWSレーダからの無線周波数電磁界の電力密度の調査

Ground-level power density measurements were taken at approximately three meters from (inside and outside) the 60 meter security fence while PAVE PAWS operated in both manual and standard modes.
PAVE PAWS
レーダが手動モードと標準モードで運用されているときの、60mの安全柵の3m内側と外側のおける地上面での電力密度の測定を行った。

手動モードと標準モードの動作条件

 

Additional measurements were taken within the security fence and outside the 305 meter perimeter fence to ensure that PEL levels were not exceeded.
追加の測定を、安全区域(立入禁止区域)の柵の内と外、そして305mの基地境界線の柵の外側で行い、許容レベルを超えていないことを確認した。

420 MHz, with controlled and uncontrolled (whole-body) PELs of 1.40
 and 0.28 milliwatts per centimeter squared (mW/cm2),
周波数帯を最も厳しい420Hzとして、非管理区域(注;日本の電波防護指針でいう一般公衆を対象とした区域)では許容レベルは全身均等曝露で0.28mW/cm2、管理区域(注;同じく職業的な曝露を対象とした区域)では許容レベルは1.40mW/cm2を選択した。

The radar site is surrounded by a security fence (60-meter fence) and a perimeter fence (305-meter fence).
レーダ基地は、安全区域として60m地点と、基地境界線として305m地点に、それぞれ柵で囲まれている。

The one-minute, average power densities measured along the outside of the 15 meter rope and at the 305 meter fence during the two scenarios did not exceed the controlled and uncontrolled PELs, respectively.
結果は、1分間の平均電力密度は、レーダから15mBEMSJ注;60m?)のロープの外側では管理区域基準値を超えることはなく、305mの基地境界線の柵の外側では非管理区域の基準値を超えることはなかった。

使用した測定器:
Narda meter, Model 8718
Probes: Model 8721

BEMSJ
注:プローブ8721型は、カタログ仕様を見ると熱電対のプローブで、レーダのパルス波の測定には適しているものである。

レーダの周囲60m地点は立入禁止区域、監視カメラや照明塔も設置されている。


測定結果の代表例を以下に示す。

305m
の基地境界線の柵の外側、一般公衆への曝露基準値への適合確認 

BEMSJ注:
報告書のまとめでは基地境界線の柵の外では、一般公衆の曝露基準値に全て適合している、との記述であるが、この表9を見ると、Perimeter face down A Trail (レーダの照射面Aに面する山の中の小道)で基準値0.28を超える平均電力密度0.58mW/cm2というデータが含まれている。

レーダの立ち入り禁止区域(60m地点)内の測定結果

 

 

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C2.ボーイング社でのパルス電磁界曝露による白血病に関する裁判結果

記:2009−5−2

エレン・シュガーマン著「電磁場からどう身を守るか」に電磁波に関する訴訟の例として紹介されているケースに関して、永野秀雄著「電磁波訴訟の判例と理論」(2008年三和書房発行)に詳細が紹介されていたので、当該の部分を抜粋して紹介する。

**************   ***********
ストローム対ボーイング(Strom v . Boeing)事件
このStrom v . Boeing 事件は公刊されている判例ではないため,ここでは簡単な紹介にとどめる。

この事件は,1988年にボーイング社の被用者であるRobert Stromが,MXミサイル製造業務に従事しているときに,同社がミサイルから生じる放射能(radiation)は安全であるという誤った情報を提供したことにより,電磁パルス放射(electromagnetic pulse radiation)に曝露した結果,白血病に羅患したとして,800万ドルの損害賠償を求める訴えを提起したものである。

1989
10月,裁判所は,業務の遂行上,電磁パルス放射にこれまで曝露してきた,あるいは今後曝露することが予想される約700名のボーイング社の被用者に対して,クラス・アクションにおけるクラスの認定を求める申立てを認めた。

しかし,事実審が開始される2日前に,ボーイング社は,@原告と50万ドルで和解するとともに,A会社から独立した地位にある医師により,他の700人の被用者の健康状態をモニタするために必要な費用をカバーするための20万ドルの基金を設立し,さらに,B今後約10年間にわたって当該被用者への特別健康診断プログラムの設立を約束して和解した。
また,同社は,その後,問題となったミサイル製造について,その業務遂行方法を変更しだ。

この事件は,電磁波による身体的損害賠償を請求する他の事件とは異なり,より強いレベルの電磁パルス放射が原因となった点で区別する必要がある。
しかしながら,そのような場合であっても,原告が,会社側から他の労働者に対するモニタリング等を含めた和解を勝ち取った意味は大きいと言える。

*************   *********

BEMSJ
のコメント: このストロームが受けた電磁波パルスの強度などはどの程度なのか、知りたいものである。
ネットで検索して以下のサイトに関連する情報があった。
http://healthycitizens.googlepages.com/ENVIRONMENTALEXPOSURE1.pdf
これによれば、ストロームらは、ミサイルが強烈なパルス電磁界の影響の試験を担当した。
この強烈なパルス電磁界に曝露した模様。

どの程度の強さかは不詳であるが、生活環境では考えられない強烈な強度であったことは想像できる。

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C3.沖縄の与那国でのXバンドレーダに関する裁判

記:2016−2−26

*始まり 

205
2月 与那国にXバンドレーダの配備に関する住民投票で、配備に賛成と決定

****************************
<与那国住民投票>陸自配備賛成が多数
毎日新聞 2015222()2117分配信

沖縄県与那国町で22日、陸上自衛隊配備の賛否を問う住民投票があった。
即日開票の結果、「賛成」が632票で「反対」の445票を上回った。
法的拘束力はないが、住民投票条例は町長と町議会に「投票結果を尊重」するよう求めている。
政府は計画通り配備を進める方針で、外間守吉町長も受け入れる意向だ。
順調にいけば、日本最西端の町に2016年3月、初めて自衛隊が配備される。
(略)

住民投票で、配備賛成派は町の人口流出と経済衰退が著しいことから、自衛隊員と家族の移住による人口増加や経済効果を主にアピールした。
反対派は有事に駐屯地が攻撃目標にされる危険性や、監視レーダの電磁波による健康被害の恐れなどを訴えていた。
(略)
*****************************

*裁判の始まり 那覇地裁 20156

琉球新報の記事から
***********************

「陸自工事差し止めを」 与那国住民、仮処分申し立てへ
琉球新報 61()1033分配信

【与那国】与那国島への陸上自衛隊沿岸監視部隊の配備をめぐり、配備に反対する住民らは1日、駐屯地整備に向けた工事の差し止めを求める仮処分を那覇地裁石垣支部に申し立てる。
申し立てでは、尖閣諸島問題で(日中の)軍事的緊張が高まる中、最前線である与那国島への軍事施設の建設は武力攻撃に巻き込まれる危険性が生じると指摘。
憲法が定める住民の平和的生存権が侵害されるほか、
監視施設のレーダが発する電磁波で健康被害が生じる恐れがあり人格権が侵害されるなどとして建設差し止めの必要性を訴える。
*************************

*地裁の判決 201512

沖縄タイムズ 2016111日の記事から
*****************************
与那国の陸上自衛隊施設 住民側の建設差し止め却下
2016
111

与那国町への陸上自衛隊沿岸監視部隊配備計画に反対する同町の住民30人が、建設計画中の施設によって憲法などが保障する平和的生存権や人格権が侵害されるとして、国に建設の差し止めを求めた仮処分申し立てについて、那覇地裁(森鍵一裁判長)10日までに、
申し立てを却下した.決定は昨年1224日付。
住民側は決定を不服として、今月7日付で福岡高裁に即時抗告した。


(略)

平和的生存権は、国民が政府に対して平和主義を実現するよう、政治の過程で求めるものと指摘.私法上の行為の効力を争う具体的な判断基準となるものではないとした。
レーダが発する電磁波について「電波法や自衛隊法などが定める基準を下回る」と判断。人格権の侵害はないとした。
********************

*高裁での判決
記:2016−3−21

以下の情報がある。
沖縄タイムズ 319()の記事から

*****************  

与那国の陸自基地 建設差し止め即時抗告は棄却
与那国町の住民が同町への陸上自衛隊沿岸監視部隊配備計画に反対している問題で、福岡高裁那覇支部(多見谷寿郎裁判長)は18日までに、基地建設差し止めの仮処分申し立て却下を不服とした住民3人の即時抗告を棄却した。棄却決定は2月19日付。

住民側は憲法の保障する平和的生存権などが侵害されると主張したが、多見谷裁判長は「具体的権利の保護を訴えるものではなく、理由がない」と判断した。
(略)
レーダ装置の電磁波が人体に悪影響を及ぼすとの住民側主張は、明確な根拠に基づかないとした。
*****************************

なぜか219日の判決が、319日になって新聞の記事になっています。

関係者からの情報では、「最高裁への上告はしない」とのことで、これでこの裁判は住民側の敗訴で確定です。


*与那国Xバンドレーダ裁判での電波強度の測定値に関する検証
記:2016−3−20 編集:2016−3−27

BEMSJ
としてこの裁判の争点の中で、関心を持つのは、レーダの指向方向外に漏れる電波の強度に関する情報である。
入手した資料12には、与那国に設置される予定のXバンドレーダと同一のものとして、羅臼に設置されたXバンドレーダの近隣での測定結果が記載されていた。

即時抗告申立に対する意見書 平成28212日 作成:債務者側(国)(資料1
************ 一部 抜粋して引用 ************
このことに加えて、本件沿岸レーダ装置と電波の強度が同一である羅臼レーダ装置について実施した電波の測定緒果においても、羅臼レーダ装置から37.5メートル離れた測定点(羅臼レーダ装置との標高差: 6.3メートル)での電力密度の6分間平均値(平均電力密度)1平方センチメートル当たり0.0004ミリワットと、法基準値の2500分の1程度の値でしかなく、6分間の当該測定において観測した電力密度の最大値(最大電力密度)は、1平方センチメートル当たり0.0236ミリワット、法基準値の40分の1程度の値にとどまった(疎乙第33号証)

さらに、本件移動式警戒管制レーダ盤置及び本件補完用レーダ装置については、これらと同型のレーダについて、既に本件訓令1 01項に基づき、電波法令の要件適合性が審査された上、要件に適合するものとして防衛大臣の承認が得られている。(疎乙第28号証及び第29号証)

そして、電波法令の要件適合性に係る審査を担当する担当者も、本件移動式警戒管制レーダ装置及び本件補完用レーダ装置について、電波法令を遵守している旨述べている(疎乙第2 6号証)
*************************

即時抗告事件決定書 福岡高裁那覇支部 平成28219日(資料2
*************** 一部 抜粋して引用 ***************
証拠(112、乙1427)及び審尋の全趣旨によれば、一般競争入札により、陸上自衛隊与那国駐屯地に納入すべき沿岸レーダ装置の品名はJTPS-P8であり、第302沿岸監視隊において無線局として承認されたレーダと同一であり、本件各レーダ装置が羅臼レーダ装置と同一であると一応認められ、これに反する疎明はない。

また、相手方の測定結果(3 3)によれば、羅臼レーダ装置から37.5m離れた地点における、告示300号が定める測定方法及び算出方法に従った電力束密度の6分間平均値が0.0004mW/cm2であるとしているところ、抗告人田里千代基が行った羅臼レーダ装置から65m離れた地点における電力束密度の測定値は、0.00123mW/cm2であったものの、同抗告人が行った測定方法及び算出方法は明らかとされておらず(43)、相手方の測定結果の信用性が否定されるようなものではない。
**********************

抗告人(原告)田里千代基が行った羅臼レーダ装置から65m離れた地点での電力束密度に関しては、どのような測定器で測定したのか、平均値なのか瞬間最大値なのか定かではないので、論評は行わない。
多分、レーダからなどのパルス性電波を正確に測定できる機能はなく、簡易的な測定器での測定であり、正確な平均値でもなく、正確な瞬時最大値でもない、その間の中間的な値を示しているのではないかと、想像される。

上記の2つの書類(資料1と資料2)に書かれた債務者側(国)の測定では、平均値0.0004mW/cm2、最大値0.0236mW/cm2であるとされ、測定器に関する説明はない。(疎乙33号に記載されている?)
この平均値と最大値の割合から、Xバンドレーダの電波のDuty比は約80と計算できる。

本当にレーダからの電波のDuty比が80であるかは、不詳である。
多分、レーダの性能を示す軍事秘密として公開されることはないであろう。

X
バンドは8
12GHzの周波数帯を用いる。
この周波数帯に関する1989年の電波防護指針値(電波法の規制値)は、6分間平均値のみを規定している。ICNIRPの様に最大値の規制はない。

参考までに、ICNIRP1998年ガイドラインでは、パルス性の電波に関しては、平均値での規制に加えて、瞬間最大値は電力密度で平均値の1000倍を超えないこと、と規定している。
すなわち、ICNIRPではDuty1000までは許容している。

レーダからの電波のDuty比に関する情報は、ネットの検索でもなかなか見つからない。
見つけた範囲では:
参考:レーダのDuty
・島根大学にある降雨観測用Xバンドレーダの仕様
周波数:9.74GHz
パルス幅:0.5μS
繰り返し周波数:750Hz(周期:1.33mS)   
これからDuty比=1.33mS/0.5μS2600

・軍用 自衛隊のLバンドレーダ JTPS-P9の仕様
周波数:Lバンド 0.5
1.5GHz
送信機出力:尖頭値で5kW
パルス幅:6.7μS
繰り返し周波数 2500PPS(周期:0.4mS
これから Duty比=0.4mS/6.7μS60

数日経過して、以下の資料を入手できた。
資料3:疎乙33号証 羅臼レーダ装置の電波強度の測定結果報告書

この報告書には、きちんと使用した測定器が明記されている。

使用測定器:本体 Narda EMR-200  プローブ Narda Type:9.2 

手持ちのNARDAの測定器のカタログによれば、この組み合わせでは
測定周波数:3MHz ‐ 18GHz
検波器の形式:ダイオード
測定強度範囲:1.2V/m1000V/m  電力密度に換算すると0.0004mW/cm2以上

さて、レーダなどのパルス性電波強度の測定に関しては、電波防護指針(総務省の電波防護のための適合確認の手引き)によれば、
パルス波の測定には、熱電対型の電磁界プローブ、周波数非同調型測定系又はパルスが占有する帯域幅に比べ広い周波数分解能帯域幅を持つ周波数同調型測定系を用いること。」となっており、
上記の羅臼レーダの電波測定は、この規定に反することになる。

ダイオード検波の場合は、パルス性電波への応答性が悪いので、測定結果はたぶん、かなり低い値として表示されるのではないかと、想像する。
「羅臼レーダ装置から37.5メートル離れた測定点(羅臼レーダ装置との標高差: 6.3メートル)での電力密度の6分間平均値(平均電力密度)1平方センチメートル当たり0.0004ミリワットと、法基準値の2500分の1程度の値でしかなく、」は
正確な測定を行えば「2500分の1」ではなく、「250分の1」とか「25分の1」、場合によれば「2分の1」になるのかもしれない。


きちんとした測定器での再検証が肝要である。


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C4.裁判にもなったアメリカ・カリフォルニア州Ojaiでの気象観測レーダからの電磁波紛争

記:2018−1−26

*紛争に関する情報
以下はすべて、Los Angeles Timesのサイトにあった情報です。

http://articles.latimes.com/1993-12-16/local/me-2455_1_weather-service

*******************
December 16, 1993
Neighbors Wary of Health Effects From New Radar Tower: Ojai Valley: Weather service calls system safe, but landowners say exposure to low-level radiation is too great a risk.
近隣の住民は新しいレーダ塔からの健康影響を危惧:Ojai Valley: 気象サービスは安全と言うが、土地の所有者は低レベルの電磁波曝露は大きなリスクであると言う。
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*アメリカの連邦議員が動き出している。
http://articles.latimes.com/1994-06-13/local/me-3699_1_ojai-valley

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June 13, 1994
OJAI VALLEY: Commerce Official to Discuss Radar Tower
 公の通商関係者がレーダ塔を論議
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*住民らが闘争資金を集めている。
http://articles.latimes.com/1994-06-27/local/me-9185_1_radar-tower

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June 27, 1994
Group Raises Funds to Fight Radar Tower: Ojai: At a barbecue, people who want the weather-tracking station moved get together some cash and some ways to continue their campaign.
住民グループはレーダ塔闘争資金を集める:気象レーダ局の移動を求める人々は、バーベキュー会を開催し、彼らの運動を継続するための方法や資金を集める。
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*反対運動は壁にぶち当たる
http://articles.latimes.com/1995-05-15/local/me-909_1_upper-ojai

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May 15, 1995
Upper Ojai Residents Face the Nemesis Next Door: Dispute: They have banded-and bonded-in fight against tower.
But the couple who allowed it to be built say they feel surrounded by enemies.
Upper Ojai
の住民は突破できない壁にぶち当たる:彼らは結束し、結束し、塔の反対闘争を行った、しかし、レーダ塔の建設を受忍する組と言う敵に囲まれた。
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http://articles.latimes.com/1999/sep/12/local/me-9297
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September 12, 1999
Tower Upgrades Are Premature
塔の更新は早計
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*公聴会の開催 
http://articles.latimes.com/2004/oct/15/local/me-vnradar15

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March 30, 2004
Hearing May Decide Ojai Radar Tower's Fate
After an 11-year battle, residents will have their say about the 750,000 watt weather service facility before a national science panel today.
公聴会で、Ojaiレーダ塔の運命は決まるだろう。
11年間の闘争の後、本日、アメリカ科学パネルの会議の席で、750kWの気象観測設備に関して、住民らは発言する。
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*研究報告が塔の建設を受忍
http://articles.latimes.com/2004/oct/15/local/me-vnradar15


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October 15, 2004
Study Hails Weather Tower
 研究報告は気象レーダ塔を認める

Ojai residents' efforts to remove a weather radar tower on Sulphur Mountain over health concerns was dealt another blow this week after an advisory group reported that the facility is properly located and is effective in forecasting flash floods.
健康への危惧からSulphur山の気象観測レーダの移設に努力してきたOjaiの住民は、施設は適切な場所に設置され、津波の予報に有効であるという勧告グループの報告を受けて、今週、もう一つの痛手を被った。

Since the tower's installation 11 years ago, neighbors have complained about the potential health effects of being exposed to the 750,000 watts of microwave energy emitted by the National Weather Service's giant golf ball-like equipment. They also consider it an eyesore that has driven down their property values.
11年前の塔の建設以来、近隣の住民は巨大なゴルフボールのような装置のアメリカ気象サービスにて放射される750kWのマイクロ波電力への曝露による健康影響の可能性を訴えてきた。
同時に、景観の劣化による不動産価値が低下することも念頭においてあった。

So when U.S. Sen. Barbara Boxer (D-Calif.) requested last year that the Research Council of the National Academy of Sciences study the tower's effectiveness, community activists were hopeful that it would be an opportunity to move the tower.
そこで、カリフォルニア州選出のBarbara Boxer上院議員は塔の有効性に関する科学的な研究をアメリカ科学アカデミーの研究委員会に、昨年、依頼した。地域の活動家は塔の移設のチャンスになることを願った。

But the study focused entirely on the tower's operations, rather than any health risks it might pose to residents of the sparsely populated mountain.
しかし、研究結果は、人口が希薄な山岳地帯の住民への健康リスクよりは、塔の運用に焦点をあてた。
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以上のことから、11年継続した反対闘争は、アメリカ科学アカデミーの報告で、幕を閉じた、と言える。

*現地を確認

2018年の写真  直径10m程度のレーダドームが見える

 

2012年の写真 

 

9150 Sulphur Mountain Road, CA.にあるレーダ塔は、山の中にあり、Ojaiの街とは10km程度と、かなり離れている。

*この紛争では、1994年に裁判も起こされた。しかし住民側の敗訴で終わった。

MICROWAVE NEWS March /April 1994
にあった情報
ここを一部 翻訳して紹介

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Opposition to Weather Radar in California Stirs Controversy
カルフォルニアの気象レーダの反対運動は論争を引き起こす

Homeowners near new NEXRAD Doppler weather radar in Ojai, CA, are trying to persuade the National Weather Service (NWS) to move the facility.
カルフォルニア州Ojaiの新NEXRADドップラー気象レーダ周辺の土地所有者は、設備の移設をアメリカ気象サービスに確認することを試行している。

A lawsuit to force the government to reopen the environmental review process has failed, but in the process, the opponents have stirred controversy over possible health risks from powerful radars.
政府に環境アセスメントのやり直しを命じる裁判は、失敗に終わったが、反対運動は強力なレーダによる健康リスクの可能性に関する論議を引き起こした。

The lawsuit, filed in federal court in Los Angeles,
訴訟はロスアンゼルスの連邦裁判所に提訴していた。

NEXRAD or WSR-88D radars
which operate at 2.7-3.0 GHz, with 750 kW peak output powerhave been controversial in other areas as well.
NEXRAD
もしくはWSR-88Dレーダは2.73.0GHzで、ピーク電力750kWで動作し、他の地域でも論争となっている。

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*参考情報:WSR-88Dレーダの仕様

Gain
45.8 dB at 2.85 GHz
Frequency range
2.73.0 GHz
Peak power output (nominal)
500 kW into antenna
Pulse width (nominal): 1.57 µs (short pulse); 4.5 µs (long pulse)
± 4%
RF duty cycle (maximum): 0.002 
First side-lobe level:-29 dB

以上の情報から、1km離れた地点で、レーダの主ビームから外れた方向での電波曝露値を計算する。
・電力密度はピーク値が約0.8W/m20.08mW/cm2)、平均値は0.0016W/m20.016μW/cm2)となり、規格値が平均値で1mW/cm2とすれば、規格値の5万分の1の電波曝露となる。
・アメリカの規定で、パルス波のようなピーク値の大きい場合の制限に関しては、不詳です。
ICNIRP1998年ガイドラインでは、ピークは平均値での規定値の1000倍を超えない電力密度であること、という規定がある。

以上の情報から、極端な例として、50mしか離れていない地点で、レーダの主ビームから外れた方向での電波曝露を計算する。
・電力密度はピーク値が320W/m232mW/cm2)、平均値は0.64W/m20.064mW/cm2)となる。
ICNIRP1998年ガイドラインではピーク値は規定値(1mW/cm2)の1000倍以下としてあるので、この場合でも「曝露規定の30分の1」以下となる。

以上の情報から、さらに極端な例として、10mしか離れていない地点で、レーダの主ビームから外れた方向(レーダ設備の横方向等)での電波曝露を計算する。
・電力密度は、平均値でも16W/m21.6mW/cm2)となり、曝露規定(平均値で1mW/cm2)を超える。
したがって、こうしたレーダ装置の場合、少なくとも装置の下や横方向に、10m以内に人が立ち入らないように柵などを設ける必要がある。


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D1イタリアで、米軍衛星通信用アンテナ建設で紛争 

記:2017−10−8

レーダ基地ではないが、大型のアンテナを設置し、衛星通信を行う基地の紛争の例として、ここに紹介する。

*最初に

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik12/2013-03-31/2013033101_04_0.html
 にあった内容
2013−4−1のログ

**********一部 引用**************************
新聞赤旗   2013331()
米国の軍事衛星施設建設 
シチリアが許可撤回 イタリア 住民反発うけ
イタリア南部シチリア州のロサリオ・クロチェッタ知事は29日、米国が同州内に設置する予定だった軍事衛星施設の建設許可を撤回したことを明らかにしました。
前州知事がイタリア政府と合意して許可していたものですが、健康への被害を懸念する住民の反対に押されて撤回に追い込まれました。

問題になっているのはMUOSといわれる米海軍が開発中の衛星通信システムです。
米国は、米軍と同盟国軍の通信能力を高めるとして、同システムの施設をシチリア州南部ニシェミに設ける計画でした。
地元住民らは、同システムから発射される電磁波が健康に悪影響を与える恐れがあるとして反発。
計画が明らかになって以降、繰り返し住民集会などを開いて抗議の意思を示してきました。
ニシェミでは30日にも数千人による抗議行動が予定されていました。
(略)
************************

Wikipediaの情報から一部抜粋

ニシュミの無線基地には、それまでに多数の無線通信アンテナがあった。
ここに、MUOSといわれる米海軍が開発中の衛星通信システムの通信アンテナを設置することに「なった。

2011
年から、地域の野生動物への影響と、電磁波の健康影響への懸念を表明して、ニシュミの無線基地の拡張に反対する住民運動が始まった。

2013
3月、地域行政府は、住民の反対運動を受けて、MOUSシステムの設置許可を取り消した。(赤旗に報道された記事)
地域行政はISSイタリア高級健康研究所に独立した研究を委託した。
2013
7ISSは「電磁波の健康影響があることを示す確証はない。しかし、継続した検証は必要」という報告を出したので、設置は再認可された。

ISS報告にあった情報から

1

 

イタリア語の説明の中から、MOUSシステムの送信アンテナの周波数は31GHz、送信出力1600W、アンテナの大きさは18.4mであることはわかる。

 

2


2の一部、イタリア語原文から機械英訳、そしてBEMSJによる和訳を以下に示す。

Tabella l.5 Valori della densita di potenza emessa dalle antenne MUOS in diverse Posizioni
 per una potenza di 1600 W.
Table l. 5 Values of power density emitted from antenna MUOS in various positions for an output of 1600 W.
1.5:出力1600W時のMOUSアンテナから発信される各区域における電力密度の値

Posizione  

Densita di Potenza

Position 

Power Density

位置   

電力密度

Di fronte allapertura della parabola   

24W/m2

 

In front of the opening of the parabola

パラボラアンテナの開口部の正面(指向方向)

Massimo valore in-asse in regione di Fresnel 

9.3W/m2

Maximum on-axis in Fresnel region

指向方向の近傍界における最大値

Massimo valore in campo vicino a 18.4m di distanza laterale dal fascio 

0.093W/m2

Maximum value in field near 18.4 m of lateral distance from the bundle

指向方向・主軸から側方に18.4mの距離での最大値

Massimo valore in campo vicino a 36.8m di distanza laterale dal fascio 

1mW/m2

Maximum value in field near 36.8 m of lateral distance from the bundle

指向方向・主軸から側方に36.8mの距離での最大値

 

このISSの報告書では、アンテナの主軸方向外に漏れる電波強度は、36.8m離れれば1W/cm2と明記している。

*結末

2017-9-21
の調査で、イタリアのニシュミNiscemiの近郊に、Googleの航空地図を見ると以下の軍用アンテナ直径20m程度のパラボラアンテナなどが見える。

2013
年の赤旗の記事に反して、いつ建設されたか、いつ運用が始まったかは定かではないが、建設されたとみることができる。

Naval radio transmitter facility (MOUS) Niscemi   2017年のグーグル航空地図

 

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D2. チェコ軍事レーダ紛争

記:2017−10−9

*初めに

産経新聞社のWEB 国際ニュースに以下の情報があった。
2007−3−24のログ

**********   ********
国際 :米ミサイル防衛 建設予定のチェコ小村で住民投票

米国がポーランドとチェコに計画するミサイル防衛(MD)施設の建設にロシアが反発する中、チェコ西部のレーダ施設建設予定地に近い人口99人のトロカベツ村で17日、建設の是非を問う住民投票が同国で初めて実施された。

同村のネオラル村長(65)は同日午後、有権者89人の過半数が投票を終えた段階で「施設建設反対は確実になった」と述べた。
地方自治体レベルでの住民投票は国政に法的影響力を持たないが、小さな村の決定は、国民の間に広がっている反対の声をさらに後押しすることになりそうだ。
投票は同日夕に締め切られ、即日開票に入る。
村長は住民の反対理由について「レーダからの電磁波による健康被害と、施設が攻撃対象となることへの不安」を指摘した。

同村の周辺地域では今後、ほかの複数の自治体でも住民投票が計画されており、反対が相次ぎそうだ。
米国はポーランドに迎撃ミサイル基地、チェコにレーダ施設の建設を計画。チェコ政府は受け入れ方針を表明し、昨年末の世論調査で反対は3割強だけだった。

しかし、今年1月末の米国の正式要請を機にロシアが計画に強く反対。
冷戦のイメージとも重なる地域情勢不安定化への国民の懸念が高まり、3月上旬の世論調査では反対が7割まで拡大した。(共同)

BEMSJ
注:この住民投票は反対71、賛成1という結果であった。
*************************:

さて、「人口99人のトロカベツ村での住民投票」の結果、このレーダ建設はどうなったか?
人口わずか99人の村での住民投票が、国際的なニュースになるとは、驚きでもある。

日本語でのWEB検索では、その後の情報や、関連した情報は見つからない。
トロカベツとかな書きされているので、村の名前のスペルが不明で、検索もできない。
色々な関連用語で検索をして、以下の情報を得た。

*以下はWikipediaの「東欧ミサイル防衛構想」の解説

*******************
東欧ミサイル防衛構想は、2000年代後半に推進されている東ヨーロッパでのミサイル防衛計画。
ジョージ・W・ブッシュ第43代アメリカ合衆国大統領は、イランと北朝鮮の脅威に対抗するため、東欧でのミサイル防衛の推進の必要性を唱えた。
そして、ポーランド、チェコと協定を結び、ミサイル防衛の設備を配備することとなった。

具体的には、チェコに大陸間弾道ミサイルの早期警戒レーダサイトを、ポーランドに迎撃ミサイル基地を建設しようとしている。

ロシアはこれに反発した。ロシアは東欧ミサイル防衛構想を「自国を対象としたもの」とし、「もし、ポーランド(もしくはリトアニア)にミサイル防衛設備が配備されれば、ミサイルの射程を欧州に向けざるを得ない」「脅威には脅威で応える」とアメリカに強く反発している(NATOの東方拡大もロシアの強硬な反発の一因になっている)。
ロシアは、アゼルバイジャンのレーダサイトの共同利用を代替案として提示したが拒否された。
以降、2008年のグルジア紛争もあり、米ロ関係は「新冷戦」と呼ばれるまでに悪化した。

2009
120日、「敵との対話」「国際協調」を掲げるバラク・オバマがアメリカ大統領に就任。
ロシア側はミサイル防衛計画の撤回を期待した。
しかし、オバマは「イランの脅威がなくなれば、ミサイル防衛を推進する必要はなくなる」と述べていたため、当初防衛計画の撤回は見送られるものと思われていたが、2009917日、オバマはイランの短・中距離ミサイルの脅威の方が高いとして防衛計画の見直しを決定。
ロシアはこれを歓迎する声明を発表した。
見直しによってポーランドに迎撃ミサイル、チェコにレーダ施設を配備する計画は中止された

新たな計画では2011年から2020年頃までの第4段階で構成される。
1段階でSM-3を搭載したイージス艦を配備し、第2段階では地上発射型SM-3をポーランドとチェコに配備、第3段階は日本とアメリカが共同開発しているSM-3 ブロックIIAを配備、最後の第4段階ではSM-3 ブロックIIBによって長距離ミサイル対処能力をもつ。
************************

BBCニュースのサイトに以下のニュースがあった。
http://news.bbc.co.uk/2/hi/europe/6720153.stm

***************************
Sunday, 20 September 2009 16:52 UK
タイトル:US President Barack Obama has cancelled plans to station an anti-ballistic missile system in Poland and the Czech Republic.

迎撃ミサイル基地としては、隣国チェコCzech RepublicBrdyにレーダ基地(大陸間弾道ミサイルの早期警戒レーダであるXバンド・レーダを設置する計画)も設けられ、これらはブッシュ政権時代に締結されていたが、2009年9月、オバマ大統領は計画見直しを公表した。
********************

ここでBRDYという地名が、スペルが判明した。

WikipediaにあったBrdyの解説

**************************
Brdy
はチェコの中では軍事用専用区域として長く、扱われてきた。
Brdy
山は軍用区域の中に地上設置中距離ミサイル防衛レーダ装置の設置に関して、アメリカとチェコ政府が合意したことで、注目を浴びた。
しかし、このミサイル防衛計画は、オバマ政権下で見直され、取り消された。
*************************

*チェコ語のWikipediaにあった情報から一部引用
****************
Radar in Brdy
  Brdyのレーダ

2006
年夏、レーダ建設の話が報道された。

レーダは、718.8m地点と言われるBřízkovec丘に建設される予定であった。
反対運動がおこり、20086月に軍事区域内から軍の憲兵によって排除されるまで、続いた。

2007
119日、チェコ政府とアメリカとが正式な協議を開始した。
チェコの首相は議会に、住民投票ではなく、レーダ建設の可否に関する提案を求めた。

2007
317日、Trokavec村で住民投票を行うと発表した。
この村は、当初から最も声高にレーダ建設に反対してきた。

レーダに関する地域住民投票を行ったその他の地域共同体は、Mirošov, Strašice, Hvožďany in Příbram (反対95%), Těna na Rokycansku (反対98%), Zaječov na Berounsku(反対98% ), Hits (人口30名全員反対であった。
Cinnamon in Rokycany
は投票を行い、すべての投票は反対であった。
************************

*トロカベツ村に関する情報
チェコ語のWikipediaから

****************
Trokavec
村はRokycany districtにある。
2007
年のレーダ建設に関する住民投票で、メディアに知られるようになった。
2017年現在での人口:98
*********************

マーカがトロカベツ村 緑の森林の区域が軍用の地域でBrdy レーダ建設が計画された。

*まとめ:
ブッシュ大統領時代に進められたチェコに建設するミサイル防衛レーダ基地建設は、地域の反対があったが、結果として、オバマ大統領の時代になって、ミサイル防衛計画そのものが見直され、チェコのレーダ建設計画は撤廃となった。


 

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