アセンション・バングルの効能に関する疑問 詳細レポート編
まとめ：２０１３−６−６
１．1998年に入手したアセンション・バングルのパンフレットなど
「このアセンション・バングルには宇宙に存在する体に良い微弱なエネルギー（特に放射光・光）」を強力に増幅する機能と、有害な電磁場を体に良い変動電磁場に変換する機能があります。これらの働きによって潜在能力が活性化され、運動機能、学習機能が向上します。」という記述がある。
メーカー希望価格23,000円となっている。
アセンション・バングルの写真
２．2005年より前に入手したとされるパンフレットの画像
「このアセンション・バングルには宇宙に存在する体に良い微弱なエネルギー（特に放射光・光）」を強力に増幅する機能と、有害な電磁場を体に良い変動電磁場に変換する機能があります。これらの働きによって潜在能力が活性化され、運動機能、学習機能が向上します。」という記述は大幅に変更されている。
「有害な電磁波・・・」という表現は消えている。
販売元がヨシナガからアルファに変わり、「在庫が少ないために、無くなり次第廃止」と記述されている。
３．効能に関するBEMSJと開発企画者とのやり取りの控えが残っていました。
その１：BEMSJから販売店への質問状 1998年11月14日
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前略
先日 新宿の貴社デパート８Ｆの健康・美容用品コーナーに立寄りました。
販売や置いてあるカタログに関して、以下の２点に大きな疑問を感じました。
１。カタログがあるが、商品は見つからなかったもので、ヨシナガ株式会社が製造販売しているアセンション・バングルに関して、その効能に疑義があります。
１）「有害電磁波を体に良いエネルギーに変換する」とありますが、これは具体的にどのような科学的な方法で検証されているのでしょうか？
基本的には、現在の科学ではこうした事は検証できません。
製造会社が、摩訶不思議な力があるはずと、思い込んでこうした効能を記載していると言えます。
２）「宇宙に存在する体に良い微弱エネルギー」の例として、「放射線」を上げられ、これをバングルは「増幅する機能」があると、記載されています。
宇宙に存在する放射線は、御存知でしょうが、人体にとっては危険なものです。
最近にスペースシャトルで宇宙体験した飛行士等は、通常の地上のレベルの１０倍以上の宇宙の放射線を浴びており、健康に影響がないかをチェックしているという報道も聞かれます。
そうした危険な宇宙放射線が地球の大気によって、弱められて地上に到達したものを、このバンドルは、増幅して、使用者に危険な宇宙放射線を浴びせるというのでしょうか？
宇宙放射線等は、きちんと科学的に測定が可能です。 どの程度の放射線増幅機能があるのか、放射線の測定器を使用したデータはあるのでしょう。
多分ないでしょう。
製造会社が、摩訶不思議な力があるはずと、思い込んでこうした効能を記載していると言えます。
従って、このバングルは、■■等のデパートの健康用品の売場等に置くべきものでは有り得ません。
下手をすれば、誇大広告・不当表示等の問題で公正取引委員会から排除命令が出てもおかしくないものです。
貴社の顧問弁護士や専門家の意見を聞いて、適切に処置して下さい。
２。電磁波防護グッズ「安心丸」のカタログはありませんでしたが、商品は置いてありました。
この安心丸は、同封の「ガウス通信」のコピーにもあるように、電磁波の防護効果は不当表示に当たるとして、公正取引委員会に告発されたことのあるものです。
告発後の状況は私もつかんでいません。
こうした告発されるような商品を、告発後１年も経過してもまだ販売しているという貴社の対応に、大きな疑問を感じます。
以上 草々
９８ー１１ー１４ ■ ■ ■ ■
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■■デパート 商品企画担当部門長殿
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その２：マックランドからBEMSJ宛の返信 1998年11月25日
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平成10年11月25日
■ ■様
株式会社 マックランド
代表取締役 松居 弘明
アセソションバングルについて（ご回答）
前略
貴殿におかれましては、益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。
さて、掲記の商品につき■■デパート商品企画担当部門長宛に、ご指摘のありました件につきまして、当社企画開発商品でございますので、当方より下記のとおりご回答申し上げますのでご考察賜りますようお願い申し上げます。
敬具
記
1）「有害電破波を体に良いエネルギーに変換する」という内容について、この商品は全ての有害電破被を防止するものではありません。
ご承知の事と存じますがPN型ダイオードは、光・熱・振動・電磁波等の外部エネルギーに反応してほんの微弱な電流を誘起してくれます。
又その時電流は半波整流され、方向性（一定方向の電流しか流さない）を持ったものになります。
この原理を利用したコイルサーキットを商品の内側に2コイル埋め込んであります。
この為、外部ノイズに反応したPN型ダイオード付きコイルサーキット内に、変動電磁場・0磁場を形成してくれます。
このエネルギーが血液の流を促進したり、皮膚のナトリウムボンビングの働きを起こし体に良いエネルギーとなります。
確かに電気通信大学や一部鍼灸治療院での実験や臨床（これは多数実施〉しか行っていない為、医療認可は取得しておりません。
その為ご指摘の通り、医療法に関わる表現は適切ではないかも知れません。
又、この商品が全ての有害電磁波を防止する効果と受け取られるのであれば、これも表現を変える必要があるかも知れません。
外部の電破ノイズ（体に良くないと言われている）を逆利用した商品とご理解いただければ幸いです。
一度 短絡（ショート）したダイオードサーキットを作り、痛い所に貼付けて見て下さい。
又第4指にはめて見て下さい。その効果は分かって頂けるはずです。
（この臨床結果は沢山ございます。）
ダイオードはSi．D＝3BZ61が適当かと存じます。
2）「宇宙に存在する体に良い微弱エネルギー」の件
この構造は紫水晶とその留め金である逆円錐型ピラミッド部品となっています。
宇宙空間には無限の空間エネルギー、自然エネルギーが存在するかどうかの「信義」の問題はございます。
ただ現在、電気に変わる無尽蔵なエネルギーとして研究されており、日本でも通産省の外郭団体、日本工業技術振興団体が中心となり21世紀のクリーンエネルギーとして研究しております。
宇宙エネルギーは中国気功でいう「気」であり、超心理学でいう「サイ」であり、ヨーガのいう「オーラ」であり、量子力学などの先端科学のいう「空間エネルギー」であり、「五次元エネルギー」であると言えます。
無限の宇宙空間エネルギーとは、光・放射線（これは体に害と言われている、アルファ線・ベータ線・ガンマ線・放射能線のことではありません。
誤解を招くとすれば放射線という表現は適切ではないかも知れません。）と言った空間エネルギーで「エネルギー」の粒子が大気中にあるときは、らせん状の無限の渦巻となって存在しております。
この生命の源ともいわれるエネルギー「高次元エネルギー＝宇宙空間エネルギー」を集積し増幅する作用が、この構造から生まれます。
このエネルギーが働くと蘇生化・活性化されるという「検証」は植物や細胞で行っております。
科学的にケイ素（Si）を含む物質に「空間エネルギー」が集まりやすい。
これは結晶内部が「らせん転位構造」になっており又その構造は52°付近の角度をもっているからであると推察されます。（これは実験で判明しております。）
以上のような理由でご指摘の魔可不思議な力ということで企画したものではございません。
詳細は「見えないもの」を科学する（サンマーク出版）佐々木茂美先生の著書をご一読頂ければ幸いです。
但し、ご指摘のように医療法に関わるような表現がある恐れもございますので、リーフレットを只今改版中です。
まだまだこの分野は現代科学だけでは解明されていない事柄もあり今後随時ご指摘ご指導賜れば幸いです。 以上
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その3：BEMSJからの再度の質問等 1998年12月6日発信
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TO: F■■■
SUBJ:アセンション・バングルの効能
Date: 98-12-6
（株）マックランド 代表取締役 松居弘明 様
小生が■■デパートに郵送した手紙の回答が、企画・開発担当が貴社ということで、松居様からの１１月２５日手紙が、届きました。
普段はそれなりに多忙なサラリーマンですので、こうしたやり取りは週末の土日に限定されています。
という理由で、本日貴書簡に対する返信を行います。
１。「有害電磁波を体に良いエネルギーに変換する」「この商品はすべての有害電磁波を防止するのではありません」ということですが：
それでは、具体的にどのような周波数帯域もしくは、ガンマ線やＸ線といったいわゆる放射線の領域、紫外線、可視光線、赤外線、マイクロ波といった電波の領域、低周波の電磁界、静電界・磁界（直流の電磁場）という広い範囲の電磁波の中のどの領域に対して効果があるのでしょうか？
具体的に教えて下さい。 貴書簡では、この点が不明確です。
また、そうした効果のある電磁波の領域の電磁波は、どういう国際規格、もしくは国際的な規格やガイドライン、あるいは特定の国や地域の規定類に基づいて、アセンション・バングル等で防護しなければならないほどに、危険な量もしくは危険では無いが、防護したほうが好ましい量が、「生活空間に電磁波ノイズ（有害電磁波）」として、存在しているのでしょうか？ こうした点も、明確に教示願います。
尚、御存知かと思いますが、「ガンマ線やＸ線といったいわゆる放射線の領域、紫外線、可視光線、赤外線、マイクロ波といった電波の領域、低周波の電磁界、静電界・磁界（直流の電磁場）という広い範囲の電磁波」に関しては、少なくとも国際的なガイドラインや規格類は存在します。
２。私も一度、貴書簡の推奨に従って、短絡したダイオードサーキットを作り、効果を検証してみたいと思います。
推奨ダイオードがシリコンの３ＢＺ６１となっています。
秋葉原の電気街でも歩けば、このダイオードは入手できるかも知れませんが、できれば１ー２本、ダイオードを郵送して戴けないでしょうか？
よろしくお願いいたします。
取り敢えず、本日はここまでで終らせていただきます。
ダイオードを戴いてテストしてから、また、コメントをしたいと思います。
以上 草々
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その４：マックランドへの連絡 1998年12月19日発信
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（株）マックランド 代表取締役 松居弘明 様
１年経過しても音沙汰なし。 再送信、 ２０００−０３−１１
ＣＣ；■■百貨店営業推進部長 ■■■■様（郵送）
前略
１２月１１日付けの松井様からの手紙が届きました。ダイオードも届きました。
気のついた点を書いてみます。
１。ダイオードの整流効果
ダイオードは、片方向にしか電流を流さない特性を持っています。
これはあくまでも交流電圧を引加した時に、特定の片方にのみ電流が流れるという整流作用です。
ダイオードを短絡して閉じたループを作ります。
この場合はどこから電圧がかかるのでしょうか？電圧が引加されなければ、ダイオードに整流作用は発生しません。
電線で作った閉じた単なるループには、近傍のノイズ等を拾って、誘導電流が流れます。
ダイオードを短絡して閉じたループには、果たして誘導電流が流れるのでしょうか？（そうした誘導電流で果たして生体に影響するような磁界が発生するでしょうか？）それも方方向にのみに流れる様に？もし、誘導電流が流れるとすればダイオードの順方向電圧降下分を越える大きな誘起電圧が発生していなければなりません。
こうした誘導ループ電流が本当に流れていることを、貴社は検証済みと思いますが如何に？ できれば、実際の測定データのコピーでも送って下さい。
私も、機会をみて、そうした測定器を持っている人を見つけて、電流を測定して見ます。
電線で作った閉じたループには交流電流が誘導し、ダイオード短絡のループには貴社の理論通りの半波整流された誘導電流が流れていることを確認すれば、はっきりすると思います。
２。１の検証ができないので、取り敢えず以下の実験を行ってみました。
以下の３つのグッズを作成しました。
１）ダイオードを短絡させてループを作成。アセンション・バングルと同じ整流効果による効果を期待。
２）通常の電線を、１）と同じ程度の大きさの閉じたループを作成
交流電流が誘導するので、生体への効果はないはずである。
３）通常の電線で、２）と同じ大きさであるが、ループは作らない、電流が流れない様にした。従って全く効果がないはずである。
これらを、厚紙で二重に包み、外部からは、どれが入っているか判らない様に包みこみました。
私は、左肩が少し痛いので、そこにテープで止めてみました。
どれを使用したかは判らない様にしてテストを行っていますが、そうしたグッズを作ったのは私ですので完全に盲検法になっているという自身はありません。
４時−５時 ２）を取り付ける
効果はない、何か張り付けたという違和感を、３０分程度の時間に感じた。
５時−６時 １）を取り付ける
何か少し肩の痛みが良くなった気がする（感覚Ｂ）。
番号からこれがダイオードのものと高い確度で判ってしまった。
６時−７時 ３）を取り付ける
何か少し肩の痛みが良くなった気がする（感覚Ｂ）と同じ
７時−７時半 何も取り付けない
何か少し肩の痛みが良くなった気がする（感覚Ｂ）と同じ。
ということで、ある程度の時間 こうしたテストをしながら週末に休んでいたので、肩の痛みがやわらいだのか、何か効果があったのかは判然としません。
番号でダイオードのものと判った事によるブラシボ効果かも知れません。
そこで、再度、基の番号が判らない様に工夫して、番号を変更しました。
少し痛くなってきたので、テストを再開。これは時間の間隔を置いたので、番号と内容が全く判らない状態にしてテストを再開しました。
９時から１０時 アを使用。 肩に圧迫感はあるがほとんど変化なし。
１０時から１１時 イを使用。 同上
１１時から１２時 ウを使用。 少し肩の痛みが取れた様な、変わらない様なその程度の変化。
テスト後に、アイウが何かをチェック。
アは１）のダイオード短絡のもの。イは２）で電線をループにしたもの、ウは３）の電線で閉じないもの でした。
従って、ほぼ自分でも何か判らない盲検法に近い形で、テストしたが、全くダイオード短絡の効果は感じられませんでした。
私は、私がテストに使用したものと同じものを２組作成しました。
一組はマックランドへ、一組は■■王百貨店に送ります。
私以外はどれがダイオードか何かは判らない様にしてあります。
そこで。マックランドの薦める様に、どこか痛い個所にこのテスト品をテープで貼って、効果の程度をテストして下さい。
色々な人にテストしてもらい、非常に高い確率でダイオード短絡のもの、すなわちアセンション・バングルと同じ効果が得られれば、アセンション・バングルは、そうした効果があると言えるでしょう。
この方法は、被験者も試験を依頼する人もどれが本物か偽物か判らないでテストするので、２重盲検法と呼ばれます。
マックランドでのテスト結果と■■百科店でのテスト結果を、後日私宛に郵送して下さい。
結果を纏めて見ます。
３個１組みのテスト本品は後で送り返して下さい。
以上 草々
９８ー１２ー１９
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２０００−３−１３ 郵送したマックランド向けの手紙が転居先不明で戻ってきた。
２０００−３―１８にエンジェルラインの電話帳検索で調査、愛知県のマックランドでも愛知県の松居弘明でも 該当なし。 よってこの会社は少なくとも名古屋・愛知県からは消えた。
ということで、やり取りを行っている途中にマックランドという会社とは連絡が取れなくなってしまった。
４．最後の確認
2013年6月5日にネットで検索をしてみました。
このアセンション・バングルに関する情報は見つかりませんでした。
ただ1件、ヤフオクで、売りに出ていました。開始価格3800円 買い手はいないようです。
企画開発を行った「マックランド バングル」で検索しても、何も出てきません。
売れなくなり、完全に市場から消えたのでしょう。