その他の資料(9) 電磁波の医療応用関連

 

電磁波の医療応用を主体に、職場環境問題、ペースメーカへの影響などに関しても、論及します。


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1.「磁気治療は駄目」はおかしい
2.交流磁気治療の安全試験
3.海外での磁界の医療応用
4.100KHzから200KHzの交流電界によるガン治療の研究 2007
5.京大の電磁波による高血圧治療の研究 2011
6.マイクロ波サーミアからの漏洩
7.電磁波の医療応用研究2003年から
8.電磁波で歯科治療2009
9.電磁波で癌治療1999
10.山本ら電気メスによるペースメーカ影響1992年研究
11.磁気刺激の医療効果1998年の研究
12.磁石でうつ病治療1998年の研究


 

 

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1.「磁気治療は駄目」はおかしい

 

かなり古いもので、ある電磁波の健康影響に関する会報に一行ですが、”高圧線や変電所付近に住む人は健康で結核にかからないといって磁気治療器を売っているのはけしからん” という趣旨の記載がありました。
この点について、小生はかなり前から詳細を知りたいと思っていました。

引用文献の引用文献の引用になりますが、小生の手元にある学術研究論文に以下のことが紹介されています。

「静電気学会誌 1984年発行 第8巻第3号に中央大学理学部の鈴木昭太郎氏が"静電気療法"に関する論文を発表されています。 この論文は鼠を使用した動物実験を行なって、電界を印加した時の血中の成分の変化を調査したものです。

この論文のなかに、過去の他の論文のことについて触れた序文に相当する部分に次のような記述があります。 

"
高圧送電線下に居住する人たちには、肺結核患者が少ないとの医学誌の論文に基づいて、1928年、原(引用文献17参照)が交流式の磁気治療器を開発した。
そして引用文献の欄には17)原敏之 著、"交流高圧電界療法"P46を参照、 
1978年婦人生活社発行"と紹介されています。 

このことから、詳細は不詳ですが、磁気治療器はそれなりの研究に(その研究が本当に正しいかは別として)基づいているようです。 

 

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2.交流磁気治療の安全試験


交流磁気治療器の安全性確認結果に関する安全試験報告書の内容です。

磁気ネックレスだけではなく、交流磁気も治療に用いられています。 以下の文献は、その安全性の確認を行なった結果の報告です。

論文名:全身性交流磁気治療用ベッドの安全性の再確認試験 
研究者:昭和大学医学部 山本竜隆ら 
掲載雑誌名:薬理と治療 1996年5月 

概要 
交流磁気治療器から発せられる交流(50Hzもしくは60Hz)磁界は発信機の表面では800ガウスであり、実際の体表面部では20ガウスから100ガウス程度となっている。

こうした交流磁界の影響で何らかの副作用がないか,医学的に確認を行なった。
交流磁気治療器は合計12個をベッドの使用、内3個は頭部に設置してある。
男女各8名、1日30分間3日間、このベッドで磁界の曝露をうけた。

結果:
血液検査:異常は見つからなかった。 
血清生化学検査:2名に中性脂肪の高値が出たが、これは食事の影響と判断.その他に異常はない。 
尿検査:ケトン2+、ウロビリノーゲン2+が各2例検出されたが、その他は異常は無かった。 
血圧検査:異常は無かった。 
心電図・脳血流検査:異常は無かった。 

このことから磁気治療器は安全と判定した。

ここからは私のコメント 
体の部分で20ガウスということは、送電線からの磁界との疫学調査の結果で、3ミリガウス以上もしくは4ミリガウス以上ではガンが増発といわれている。 

この治療器は1日30分と限定された時間であるが1000倍という強い磁界となる。
この強い磁界がガンを誘起しないという保証は無いが、こうした磁気が医療機器として使用されていることは事実である。

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3.海外での磁界の医療応用

電磁波の中の磁界を(交流磁界や磁気マグネットのような直流磁界であろうとも)を医療目的に使用しているのは日本だけかと思っていましたが、どうもそうではないようです。 

手元にある学術学会の開催案内によれば、 
アメリカで199911月 Potential Therapeutic Application of Magnetic Fields という磁気の医学への応用の可能性に関する会議が開かれています。 

議題として上がっているものに 
*電磁界の免疫への影響 
Fibromyalgia(筋肉痛?)への直流磁界の応用 

*磁気の痛み止め 
*カルシウム・光と免疫機能の相互関係 
等があります。 

残念ながら会議の案内しか手に無く、詳細はわかりません。いずれにしても日本だけではないことだけは事実です。

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4.100KHzから200KHzの交流電界によるガン治療の研究 2007

概要を仮訳 作成:2007−11−25  

掲載誌:PNAS June12 2007 Vol.104 No.24
タイトル:Alternating electric fields arrest cell proliferation in animal tumor models and human brain tumors
交流電界による
脳腫瘍の動物モデルと人の脳腫瘍の細胞増殖の抑制
研究者:Eilon D. Kirson ら

低強度の中間周波数電界がインビトロでのがん細胞成長を抑制することを見つけた。
埋め込んだ電極を利用して、これらの電界はマウスの皮膚がんの成長を抑制する。
今回の報告は、これまでの研究の延長として、外部電極を用いて、追加の細胞株での実験とガンの動物モデルに関して、追加の研究を行ったものである。

再発神経膠芽細胞腫の10名の患者を対象に臨床実験を行った。
これらの患者の疾病進行の平均時間は26.1週であり、平均余命は62.2週であった、
疾病進行時間とOS値は過去に報告されている対照群の患者に対して2倍であった。
(この部分の翻訳は??? です。)

この手法に関連する重篤な副作用は、全ての患者の全累積治療期間70ヶ月後でも、検出されていない。
手法に関する副作用としては電極をあてた箇所の付近に軽度から中度の皮膚の接触障害が見られた。
この結果、この交流電界による治療は安全であり、人のがん患者の例に示すように、インビトロ・インビボにおける腫瘍の進行を抑制する治療方法であるといえる。

BEMSJ:フルテキストを読むと、この治療に用いている交流電界は100KHzから200KHzの中間周波数である。

関心のある方は、原著全文を入手して読んでください。

 

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5.京大の電磁波による高血圧治療の研究 2011

記;2011−9−15

京都大学のWEBにあった博士論文の査定結果です。
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京都大学  博士(医学)西 村 勉   
論文題目:A 1uT extremely low frequency electromagnetic field vs ShamControl for mildtomoderate hypertensiona doubleblindrandomized study
(軽症・中等症の高血圧症に対する1μT超低周波電磁場とシャム対照との比較:二重盲検ランダム化比較試験)

論文内容の要旨:
【背景】
超低周波電磁場の血圧に対する効果は十分には解明されていない。
そこで、本研究では、軽症・中等症本態性高血圧症患者を対象に超低周波電磁場の有効性、安全性について二重盲検ランダム化シャム対照試験により検討した。

【対象と方法】
軽症・中等症高血圧症を有する20名の被験者は、電磁場群とシャム群にランダムに割り付けられた。
被験者および医療スタッフは、各被験者がどちらの群に属しているかを知らされない、二重盲検法を用いた。
被験者は、超低周波電磁場の1015分の曝露を1週間に最低2回、4週間行った。

超低周波電磁場は、対になったコイル(長さ300cm;高さ170cm)からなる電磁場装置によって発生させた。
コイルの間は、300cmとした。曝露セッションの間、被験者は、コイルの間に置いた椅子に座った。
対になったコイルを用い、6Hz8Hzで、被験者が座る周辺でピーク磁場が1μT、ピーク電場が10Vmの電磁場を発生させた。
同じタイプのコイルからなるシャム曝露装置は、他の部屋に設置した。
シャム群に対する曝露も、超低周波電磁場発生装置が動いていないこと以外は、同じ手順で行った。

登録時の血圧測定は、被験者が軽症または中等症の高血圧症収縮期血圧140179mmHgおよび/または拡張期血圧90109mmHg)であることを評価するために行われた。
各曝露セッションで、被験者の血圧は、曝露前に3回、曝露後に3回測定された。それぞれ3回の平均値を解析に用いた。
測定には、自動血圧計を使用し、血圧測定は、午前8時から正午の間に実施した。

主要評価項目は、ベースライン値(登録時と最初1回の曝露前血圧の平均値)と試験終了値(最後2回の曝露前血圧と試験終了1週間後の平均値)の収縮期血圧の差における、電磁場群とシャム群の差とした。
副次評価項目は、ベースライン値と試験終了値の拡張期血圧の差における電磁場群とシャム群の差、収縮期血圧あるいは拡張期血圧の曝露前後の差における電磁場群とシャム群の差、および有害事象の発生であった。

【結果】
全披験者は、20082月に最初の曝露またはシャム曝露セッションを開始した。
電磁場群とシャム群の平均年齢は、それぞれ528歳と551歳であり、それぞれ平均99回(範囲:815回)と90回(範囲:815回)の曝露を受けた。

ベースライン値と試験終了値の収縮期血圧の差において、電磁場群とシャム群の間には統計学的に有意な差が見られたが(電磁場群−117±60 vs.シャム群−32±83P=0.02t-検定)、ベースライン値と試験終了値の拡張期血圧の差においては、電磁場群とシャム群の間には、統計学的に有意な差は見られなかった(P=023P=049t-検定)。

安全性については、電磁場曝露群2例の手のしびれ(20%)が報告されたが、感じるか感じないかのレベルで自然にすぐに消失した。
これ以外の有害事象は報告されなかった。

【考察】
周波数や磁束密度は異なるものの、超低周波電磁場によって高血圧症患者の血圧が下がったという結果は、2004年に、ロシアにおいて報告された、ChiuichOrekhovaの自己対照研究と一致する。
彼等の研究では、高血圧症の被験者は、額や首に1215分間、50Hz30mTの超低周波電磁場を10セッション受けた。
超低周波電磁場が血圧に対して影響を与えなかったという他の研究では、被験者は、正常血圧であったが、ChiuichOrekhovaの研究では、被験者は、高血圧症であった。
この点が、超低周波電磁場の血圧に対する影響を引き出すうえで、重要と考えられる。

【結論】
 本研究結果は、超低周波電磁場の曝露が収縮期血圧に対して効果があるという可能性を示唆した。

(論文審査の結果の要旨)
(
)
以上の研究は、超低周波電磁場の降圧効果の解明に貢献し、生体磁気学の発展に寄与するところが多い。
したがって、本論文は博士(医学)の学位論文として価値あるものと認める。
なお、本学位授与申請者は、平成23314日実施の論文内容とそれに関連した試問を受け、合格と認められたものである。

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この研究は2011年に高血圧学会の雑誌に掲載されています。

関心のある方は、学術雑誌に掲載された論文を入手して、読んでください。

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6.マイクロ波サーミアからの漏洩

 

掲載誌:理学療法学 第25巻 学会特別号 1998

タイトル:超短波治療器の磁界強度分布と電波強度分布

研究者:鈴木康友ら

この研究では、マイクロ波サーミア 動作周波数2450MHzからの電磁波(マイクロ波)の実測を報告している。

出力を80Wとし(医療器としてはO-200Wに調節可能)、腰背部への治療時に、側方に漏れるマイクロ波の強さは、1mの距離で2mW/cm2となっている。

 

ここからBEMSJのコメント:

・マイクロ波治療器から発信され、患者自身の曝露は医療目的が優先されるので除外される。

・療法士や看護婦の方へは職業曝露限度値が適用されるので、ICNIRP1998年の限度値5mW/cm2を超えないので、1m程度の場所にいても良い。
・マイクロ波治療を受けていない近傍の他の患者や、患者に付き添ってきた人への、一般公衆への曝露基準が適用されると考える。

 この場合、限度値は1mW/cm2である。

こうなると、左451mの距離で電波強度(電力密度)で2mW/cm2という測定結果は、見逃すことのできない問題であると考える。

 

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7.電磁波の医療応用研究2003年から


電磁波によって癌増発の話題がある中で、電磁波の医療応用が一方では進んでいます。

日経BP社のWEB SmallBiz経営羅針盤にあった内容です。
http://smallbiz.nikkeibp.co.jp/free/RASHINBAN/20020712/101584/

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技術INFORMATION [2002/07/15] 技術開発の話題 海外編

 

020605 乳房X線写真撮影に代わるマイクロウエーブ検査法

乳がん検査のために行われるX線撮影は、1分以下ではあるが痛みを伴うことで問題があった。
Dartmouth
カレッジのKeith D. Paulsen教授と、Wisconsin大学のSusan C. Hagness氏は、それぞれ異なるやり方で、弱いマイクロウエーブを用いる方法を開発した。

Paulsen
氏は、うつ伏せにさせて、乳房をグリセリン溶液中に浸した状態で、あらゆる方向から解析するというもの。
一方、Hagness氏は、仰向けにして、アンテナが胸部の上を通過しながら腫瘍の存在を探るという方法で、理論的には、大きさが2mm以下のものまで映し出せるという。
これは乳房X線写真の半分以下の大きさ。
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関心のある方は、詳細な情報を探して下さい。

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8.電磁波で歯科治療2009

記:2015−12−6

徳島新聞2009412日の記事から、一部を引用
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進行虫歯、電磁波で治療 鳴門の歯科医開発、骨再生し抜歯回避
2009/4/12 10:22

進行した虫歯に電磁波を照射し、周囲の骨の再生を促進させることで抜歯せずに治療する方法を、鳴門市瀬戸町明神の歯科医師で徳島大学社会人大学院(歯科保存学)2年の富永敏彦さん(43)が開発した。
歯科医療関係者によると、電磁波を用いての再生治療は例がない。
富永さんは30日に米国で開かれる国際学会で、開発した治療方法を発表する。
(略)

歯の神経を抜く際、電磁波を照射する針状の器具を使用していた富永さんは、その殺菌効果に注目し、五年前から歯根周囲への利用研究を開始。
2年前、歯根の深い場所を殺菌するため器具を改良し、針先だけから電磁波が出るようにした。

この器具で、溶かされた歯槽骨周辺に500kHzの電磁波を一秒間、数回照射すると、殺菌効果とともに、歯槽骨の骨芽細胞も活性化。
1カ月で厚さ1−2ミリの歯槽骨が再生し、歯を支えることが分かった。
2年間の臨床では、42症例すべてで抜歯せず、虫歯の部分を削って金属やセラミックなどを詰める治療で対応できた。
電磁波は微弱で、照射も短時間なので健康面に影響はないという。
(略)

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Wikipediaでは
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再生医療EMATElectro-Magnetic Apical Treatment)とは、根尖病変に対し電磁波を照射することにより、殺菌及び骨芽細胞を活性化させ、歯槽骨の再生を促進させる治療法である。

従来、根尖病変に対しては、根管内を機械的、化学的に清掃して、根尖部の密封を図る感染根管治療や外科的歯内療法など歯内療法学が治療法として行われている。

しかし、従来の治療を施行したにも関わらず、症状の改善を示さない、いわゆる難治性症例がある。
その原因として、上記の治療では除去できない細菌が根管系に残留することや、それらの細菌の集まり(バイオフィルム)が、根尖外に存在することが知られている。
その結果、根尖部周辺の歯槽骨が大きく吸収されていくことになる。

そのような症例に対し、電磁波のもつ殺菌作用ならびに骨芽細胞活性作用により、歯根周囲組織の治癒を促進することで早期に病変を縮小させる「再生医療EMATは有用である。

治療時間は30分程度という短時間で終了し、術後は温熱感が数時間残る程度で、疼痛等の不快症状もほとんど認められていない。
その後、約1週間程度で歯の動揺も減少し、約3ヶ月で吸収された歯槽骨の改善が認められる。

再生療法EMATは、20057月、医療法人とみなが歯科医院理事長 富永敏彦によって考案され、現在、国際電磁歯科学研究会(ISEM)にて研究が進められている。
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BEMSJ注;どの程度の強さの電磁波を照射しているのだろうか!

 

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9.電磁波で癌治療1999

電磁波による癌リスク増加に関する研究が行われている と同時に癌の治療に電磁波が利用されています。

医学書の案内に関する情報です。
健康保険の適用になっています。

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松田忠義、菅原 努、阿部光幸、田中敬正 編集
難治癌への挑戦 ハイパーサーミアの臨床
医療科学社 19991115日発行 ¥13,000+税

出版の目的 ―ハイパーサーミアの正しい理解と普及のために−

温熱療法(ハイパーサーミア)が悪性腫瘍の集学治療のひとつとして期待できる理由は、その生物学的根拠が確立しているからである。
わが国の長年にわたる臨床成績が認められて、19964月電磁波による局所温熱療法が全面的に健康保険に採用になった。
温熱療法単独、温熱療法と放射線ならびに抗癌剤との併用の有効性が認められた意義は大きい。
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10.山本ら電気メスによるペースメーカ影響1992年研究

記:2017−7−23

以下の研究がある。

掲載誌:J. Microwave Surg. VOL.10 1992
タイトル:心臓ペースメーカ植込み患者における電磁波障害― 電気メスとマイクロ波メス―
研究者:山本誠己ら

心臓ペースメーカ植込み術は本邦において年間15000例以上が施行されている。
これらペースメーカ植込み患者の一般外科手術を受ける機会が増加している。
それゆえ、一般外科医もペースメーカ植込み患者の手術について十分な知識を持つ必要がある。

特に電気メスの使用は時にペースメーカーリズムに干渉することがあり、一つの重要な問題とされている。
しかし、マイクロ波メスの心臓ペースメーカへの影響についての報告はない。
今回、著者らは胃癌手術に際して電気メスと従来よりの止血機能に加えて切開機能を有する新型マイクロ波メス(Blade型電極)を併用する機会を得たので、電気メスとマイクロ波メスの心臓ペースメーカへの電磁波障害について比較検討して報告する。

対象と方法
1980
年より199112月までに表1(割愛)のごとく14例の心臓ペースメーカ植込み患者に対して計16回の一般・消化器外科手術を施行した。

結果
電気メスの使用例は16例中症例911133(18.6%)でその内1(症例13)においてペースメーカへの干渉が認められた。
マイクロ波メスは肝切離に際して従来の針状型電極を使用した症例7を含め16例中2(症例713)12.5%に使用したがペースメーカへの干渉はいずれも認められなかった。

考察から
今回使用した電気メスは放電熱を、マイクロ波メスは内部誘電加熱を手術に利用するものであるが、その周波数は電気メスでは数100KHz〜 数MHzの短波であり、一方マイクロ波メスは2450MHzの極超短波であるので誘電物質に対する電磁波の伝わり方や電界の与え方が異なる。

関心のある方は、原著全文を読んでください。


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11.磁気刺激の医療効果1998年の研究

 

以下の情報がある。
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Medical Tribune

98.2.19

        うつ病患者に経頭蓋磁気刺激

        電気ショック療法の回避に期待

 

〔独ミュンヘン〕重度のうつ病患者に対して、これまでは電気ショック療法が実施されてきたが、この身の毛もよだつような方法に成績的に決してひけをとらない経頭蓋磁気刺激(TMS)というマイルドな方法が、最近、注目を集めている。
ミュンヘン大学精神科のClemenz Haag博士は『Der Nervenarzt』(68274-2781997)で、この新しい治療法について報告。
「麻酔の必要がなく、副作用もないことがTMSの最大の長所であり、その将来性が期待される」と述べている。

    大脳深部に誘導電流が生じる
同博士によると、神経科の診断領域ではTMSには既に10年もの歴史があるという。
頭に外側から強い磁気を当てると大脳皮質の運動野が刺激されて、大脳の深部にも誘導電流が流れるようになる。
この原理を応用すると、神経科医は例えば大脳皮質の特定領域に刺激を与えて、その支配下にある筋群(運動神経路)の運動応答を確かめることができる。

Haag
博士は、電気ショック療法の際にも運動ニューロンに対して刺激が与えられるという点に着目し、電気ショックの代わりに磁場を利用しても難治性のうつ病は治療できるのではないかと推測。
若干の症例報告はこの予測を裏づけるものであり、TMSの治療法としての適性に関して、現在では多くの研究が実施されている。

例えば、15例のうつ病患者を対象にプラセボ対照試験を実施したボン大学の研究グループは、磁気刺激の抗うつ作用を実証したが、非常に興味深いことに、磁気の強さが運動閾値以下、つまり筋肉がまだ応答することのできない弱い磁気のほうが優れた効果を示した。

これについて、同博士は「閾値以下のTMSであれば患者への副作用はないということになり、非常に画期的なことだ」と強調している。

  
症状が完全寛解した例も
さらに、米国の研究グループは、難治性うつ病患者6例のうち2例を、TMSによって持続的な完全寛解に導くことができた。
また、2例においては軽度の改善が得られた。
残りの2例はTMSに対して抵抗性を示したが、以前に電気ショック療法を実施した際にも反応性に乏しかったという。

ほかにも、約20例のうつ病患者を対象とした複数の研究が実施されており、TMSと従来の抗うつ薬との併用が有利なことや、磁場のon/off頻度を高くしたほうが低くした場合より効果的なこと、左前額面に刺激を与えた場合が最も効果的であることなど、治療に役立つ細かな事柄も次次と明らかにされている。

最近では、TMSの副作用の研究も意欲的に行われている。
強い磁気刺激を与えたウサギの脳では、MRIや組織検査でも構造上の異常は認められていない。
ヒトを対象に非常に強い磁気刺激を与えた際には、1例でのみ痙攣発作が誘発された。

このため、Haag博士は「痙攣を生じやすいことが明らかな症例に対しては、TMSは禁忌とすべきであろう」と述べている。
また、普通のイヤプロテクターを使用すれば、磁気刺激に伴う騒音(最大120dB)によって聴力障害が引き起こされる懸念はないとする研究データも得られている。
特に、電気ショック療法時に認められる短時間の記憶低下などといった認識能障害は、TMS実施時には観察されていない。

一方、TMS療法に批判的な意見もあり、こうした慎重派は「痙攣は起こるはずだ」としている。
最適な治療様式に関しても「高周波と低周波のいずれが適切か」、「最適な刺激部位はどこか」、「総エネルギー量をどの程度に設定すべきか」など、今後の研究課題は多い。
また、磁気刺激が他の疾患にも有効かどうかという点にも興味が向けられており、強迫神経症に対して有効であるとする最初の報告も既に寄せられている。
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12.磁石でうつ病治療1998年の研究


以下の情報がある。
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Medical Tribune
98.4.9

  
磁石でうつ病治療の可能性
〔ニューヨーク〕 古くから磁石が治癒力を持つと信じる人はおり、今日では運動選手が鎮痛のために磁石を利用した療法を用いることがよく知られているが、サウスカロライナ医科大学(サウスカロライナ州チャールストン)精神病学、神経学、放射線学のMark S. George准教授らは、磁気療法がうつ病軽減に役立つかもしれないという予備研究結果を『American Journal of Psychiatry』(1541752-17561997)に発表した。

なお、ドイツの研究者も同様の磁気刺激法を用いてうつ病治療に効果があると報告している(本紙 2 19日号掲載)。

     
効果の機序は不明
今回の報告によると、George准教授らがうつ病を有する成人12例に2週間の磁気療法を行った結果、時期を違えて2週間プラセボ療法を行った場合に比べ、著明なうつ症状の改善が認められた。

磁気療法は、「ヒトの細胞はそれぞれごく微弱な電磁場を有しており、その電磁場が疾患により乱される」との概念に基づいており、体の特定部分に磁気を適用することで人体の電磁場を整え直すことができると考えられている。
今回の研究では、2週間の試験期間中10日間以上にわたり連日、頭部の同一領域に磁石を当てる方法を磁気療法として用いた。

同准教授らは電磁場を活性化するため、磁石を通じて2秒間隔で電気パルスを送った。
うつ病鑑定に用いる標準的なスコア評価では、この磁気療法により抑うつの重症度が平均5ポイント改善、プラセボ療法時には逆に3ポイントの悪化が認められた。

同准教授らは、磁気による刺激がどのようにうつ病を軽減するのか、正確な機序は分からないとしている。
しかし、同准教授は「電磁場の迅速な発生と消失が神経細胞の脱分極化や興奮を引き起こす」と説明しており、「磁石直下にある皮質内の神経細胞を興奮させることで、神経細胞が脳のより深いところにある組織と回路を結び、この深いところの脳組織で“スイッチを入れたり、切ったり”することが気分の軽減につながる活動変化を引き起こすと考えている」と述べた。
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