家庭電気製品からの電磁界に関する情報を紹介　　　　　　　

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１．　ヘアドライヤからの磁界
２．　電気（交流式）シェーバからの電磁波
２Ａ．電気（交流式）シェーバからの電磁波　その2

３．　過去の報告書にみる家電製品からの電磁界漏洩の実態　　
４．　国民生活センターで受け付けた相談の内容

５．　ＩＨ調理機からの漏洩磁界の例　
５Ａ．IH電磁調理器からの電磁界漏洩がICNIRPの規定を超えていると明記してあるWEBの例
５Ｂ．日立のIH調理器からの電磁波漏洩レベル
５C．JEIC　News　No. 39（2015年6月発行）に掲載されたIH調理器からの電磁波測定結果

６．　産業労働衛生の観点から見たペースメーカ着用者への電磁調理器からの電磁界の影響
６Ａ．家庭用電気マッサージ器の心臓PMへの影響

７．　電気毛布の使用と乳がんリスクのＬａｄｅｎ研究　
８．　電気毛布の使用による乳がんリスクを否定するＭｃＥｌｒｏｙ研究　
９．　電気毛布の使用と子宮内膜腫瘍との関係
９A．2007年のAbelらの電気毛布と子宮がんの関係を示唆する研究

１．　ヘアドライヤからの磁界
　以下に紹介する引用文献のＰ４９に掲載されていた内容です。
ヘアドライヤは頭部に密着して使用しますので、電磁波（磁界）を気にする人もいるでしょう。　

この文献によれば、ドライヤからの磁界によって頭部にどの程度の誘導電流が流れるかを計算した論文が紹介されています。
ドライヤからの磁界は距離で急激に変化がするので、磁界の大きさを測定しても、その結果が頭部にどのように影響を与えるか判定が困難です。　そこで、頭部に誘導する電流を計算した研究が行なわれました。

ドライヤからの磁界は、頭部表面で最大２３．５マイクロテスラ（２３５ミリガウス）とした。　周波数を５０ＨｚｙとしたときのＩＣＮＩＲＰの参考ベルは１００マイクロテスラです。　この状態で誘導電流は局所的に、脳表面で０．１３ｍＡ/ｍ２という値が得られた。
ＩＣＮＩＲＰの基本指針によれば、この周波数の磁界に対しては最大２ｍＡ/ｍ２であるので、十分に規定を満足しています。

ここから筆者のコメント：
磁界の値で考えると１００マイクロテスラに対して局部的に２３．５マイクロテスラと、規定の約２５％に相当しているが、　誘導電流を計算してみれば規定値の６％程度となる。　機器からの磁界が距離によって急激に変化する場合は、磁界の評価では正確に評価できないことになる。

引用文献；　「電磁界の生体影響に関する現状評価と今後の課題」　：電気学会平成１０年発行（入手済み）
この引用文献に紹介されていたドライヤの研究論文：（　原著は未入手）
P. Baraton et al: Magnetically Induced Currents in the Human Body. IEC Technology Trend Assessment.1995

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２．電気（交流式）シェーバからの電磁波

電気シェーバに関しては、以下の論文がある。
　研究者：　中村英樹ら　
　論文名：　電気シェーバによる体内誘導電流の検討　
　掲載雑誌：　電子情報通信学会論文誌Ｂ－Ⅱ　１９９６年１２月　

概要は：　
　交流式電気髭剃りの距離ゼロでの磁界は１４ｍＴ（１４０ガウス）と大きく、１０ｃｍ離れた地点でも３０μＴ（３００ミリガウス）という報告がある。研究者はこの数字を基に、磁界源が１４ｍＴで距離の3乗に逆比例して減衰するという磁界条件を設定して。これによって体内に誘導する電流を計算した。
平板と球を想定したモデルで計算を行なった。　体内の誘導電流は体の誘電率に依存するが、ここでは誘電率を０．５Ｓ／ｍとした。　

結果は、最大で平板モデルでは電流密度のピーク値は約０．６３μＡ／ｃｍ２（図の表記では０．００６３Ａ／ｍ２）、球モデルでは約０．５３μＡ／ｃｍ２であり、ＩＲＰＡの指針の根拠値（１μＡ／ｃｍ２）を超えなかった。
よって、交流式電気シャーバの使用時に明らかな健康障害が発生する恐れはないと推察される、と結論。　

　そのデータの一部を引用します。

さて、ここからは筆者のコメントです。
ここで論拠として取り上げられている体内誘導電流１μＡ／ｃｍ２　＝　１０ｍＡ／ｍ２という数値は、ＩＣＮＩＲＰのガイドラインでは５０Ｈｚの磁界に対する職業的な曝露の基準値になっています。
従って、この値を超えなければ「明らかな健康影響」はないといえますが、ＩＣＮＩＲＰでは一般公衆に関しては、さらに安全率をみて、２ｍＡ／ｃｍ２になっています。

そうすると、単純に考えて、一般公衆の規定値を超えている、といえます。

興味のある方は、原著を読んでください。

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２Ａ．電気（交流式）シェーバからの電磁波　その2

記：２０１０－１－１５

交流式電気シェーバに関しては、研究の続報がありました。

掲載誌；電子情報通信学会論文誌 B Vol.J85-B No.5 pp.706-714 　2002年
タイトル：交流式電気シェーバの磁流源の同定とそれによる頭部内の誘導電流の計算
研究者：上村佳嗣小島勝哉山田芳文

あらまし:
日常，我々が使っている電気機器にはかなり大きな磁束密度を生じているものがある。
特に，交流式の電気シェーバの場合，局所的に10mT（100ガウス）を超える。
それらから発生する磁界による人体への誘導電流を評価するには，電気シェーバ内にある磁界の発生源を特定しなければならない。

本研究では，交流式電気シェーバの内部にある磁流源の向きと位置の同定をSPM（Sampled Pattern Matching）法を用いて行った。
その結果，磁流源は一つの磁気ダイポールで近似でき，それは電気シェーバの中心に位置し，使用時の向きは体表と平行に置かれることがわかった。
また，人体頭部を平板モデル，均質球モデル，多層球モデルで模擬し，磁流源から発生する磁界による内部の誘導電流密度を解析的に計算した。
更に，SPFD法，インピーダンス法の計算結果と比較し，相互の妥当性を検証した。

その結果，通常の使用状態ではICNIRP（国際非電離放射線防護委員会）ガイドラインの一般人に対する限界値である2mA/m2を超えないが，ワーストケースでは職業人に対する限界値を超える可能性があることもわかった。

関心のある方は、この論文の全文を入手して読んでください。

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３．過去の報告書にみる家電製品からの電磁界漏洩の実態　　

３－１．平成3年の電気協会の報告書から
平成3年5月、日本電気協会発行「電気用品の漏洩電波の安全性に関する調査研究報告書」がある。　
この報告書は1990年の郵政省（現在総務省）の電波防護指針の発行をうけて、資源エネルギー庁電気用品室が、家電製品からの電波漏洩が電波防護指針に合致しているかを見定めるために行った調査研究結果を纏めたものである。

この報告書の概要を紹介する。
この報告書では、4種類の製品が測定されている。超短波治療器と高周波脱毛器に関しては紹介を割愛する。
電子レンジからの電磁界漏洩は、使用した測定器の測定限界以下となっている。
興味のあるのは電磁調理器のデータである。

電磁調理器に関する調査概要：　
＊3社5モデルを測定、ともに動作周波数は22KHzで1200Wタイプ　
＊電磁調理器の外殻から、使用者が立つと予想される25cmのところで測定　
（直径5cmの磁界プローブを使用。プローブの中心までの距離）　
＊直径20cmの鍋を使用した。　
＊機器から漏洩する22, 44, 66kHz成分を測定した。88 kHzのスペクトラムも測定したが88kHz成分は十分に小さかった。

そして、判定結果として、報告書では　　
「電界は指針値が最大275V/mであるので、電波防護指針値を十分に満足する。
　磁界は、2.8cmの距離であっても電波防護指針値を満足する。」となっている。
確かに、この報告書を見れば、すべての測定値は、電波防護指針に合致している。　

しかし、これらの公表されたデータを最近のICNIRPの一般公衆への曝露限度値と比較して見ればBEMSJの目には疑問が発生した。
以下は複数のモデルの測定の中から、最大のものと最小のもののみを取り出した。

表１：測定結果の例1： 25 cmの距離で（通常の使用状態）磁界測定した結果

	測定値：	報告書　A/m			μTに換算
	22kHz	44kHz	66kHz	22kHz	44kHz	66kHz	実効値
最大	1.870	0.344	0.151	2.349	0.432	0.190	2.396
最小	1.000	0.201	0.061	1.256	0.252	0.077	1.283

表２：指針への適合：規定値に対して実測値の割合を計算

	電波防護指針値 μT				ICNIRP　指針値
	22kHz	44kHz	66kHz	磁界総和判定	22kHz	44kHz	66kHz	磁界総和判定
規定値	91.4	62.2	41.4		6.25	6.25	6.25
最大	0.026	0.007	0.005	0.037	0.376	0.069	0.030	0.475
最小	0.014	0.004	0.002	0.020	0.201	0.040	0.012	0.254

注：複数の電磁界（電磁波）に同時に曝露する場合は、それぞれの周波数の基準値に対する割合を求めて、それらの総和が1を越えないことになっている。

表３：　電界　周波数範囲では周波数によらず曝露基準は一定の為に　実効値で測定

	測定値	電波防護		ICNIEP
	V/m	指針値	割合	指針値	割合
最大	19.9	275	0.072	87	0.229
最小	11.5	275	0.042	87	0.132

表2と表3の結果では、25cmの位置で通常使用状態でICNIRPの規定に適合している。

22kHz以上の磁界だけを考えればICNIRPには適合している。しかし、この調査で行なっていない商用周波数の電界と磁界も総和に加えると、どうなるか？特に磁界に関しては、空間分布も考慮にいれた詳細な検証と判定が必要となる。

表４：結果の例2：25cmより筐体に近接し、近距離2.8cmまで測定を行っている。
その結果2.8cmでの測定値は　

	測定値	報告書　A/m			μTに換算
	22kHz	44kHz	66kHz	22kHz	44kHz	66kHz
最大	28.6	7.14	2.89	35.922	8.968	3.630
最小	11.2	2.35	0.668	14.067	2.952	0.839

参考までに10cmの距離（センサの先端と機器の外殻の距離は7.5cm）での22kHz磁界で、最大のモデルでは、8.09マイクロテスラが報告されている。

表５：指針値への適合　：規定値に対して実測値の割合を計算

	電波防護指針値 μT				ICNIRP　指針値
	22kHz	44kHz	66kHz	磁界総和判定	22kHz	44kHz	66kHz	磁界総和判定
規定値	91.4	62.2	41.4		6.25	6.25	6.25
最大	0.393	0.144	0.088	0.625	5.747	1.435	0.581	7.763
最小	0.154	0.047	0.020	0.222	2.251	0.472	0.134	2.857

となり、電波防護指針には適合しているが、22kHz以上の磁界成分だけでICNIRPには適合しなくなっている。機器に2.8cm（機器の外殻とセンサの先端までの距離はわずか0.3cm）まで近接することは、実際上考えなくてもよいのかもしれない。

表６：測定の例３：　鍋の位置をずらし、鍋検出回路が動作直前の位置で測定。　
調理器の外殻から20cmの距離で測定

	測定値	報告書　A/m			μTに換算
	22kHz	44kHz	66kHz	22kHz	44kHz	66kHz
最大	8.41	3.03	1.27	10.563	3.806	1.595
最小	4.23	1.13	0.27	5.313	1.419	0.339

表７：　指針値への適合：　規定値に対して実測地の割合を計算

	電波防護指針値 μT				ICNIRP　指針値
	22kHz	44kHz	66kHz	磁界総和判定	22kHz	44kHz	66kHz	磁界総和判定
規定値	91.4	62.2	41.4		6.25	6.25	6.25
最大	0.116	0.061	0.039	0.215	1.690	0.609	0.255	2.554
最小	0.058	0.023	0.008	0.089	0.850	0.227	0.054	1.131

電波防護指針には適合している。しかし、20cmの距離で鍋検出器の動作寸前という条件では、高周波の磁界成分だけを考えてもICNIRPには適合しなくなっている。

これらのデータは10年前のものである。　その後の10年間で、電磁調理器から漏洩する電磁界を抜本的に少なくする技術が開発されているかもしれない。
これらのデータにある古いタイプから、最近では、よりパワーがアップし、1.2kWではなく2.4kWのものや、さらに大型のものもある。　
動作周波数が22kHzから高くなると、ICNIRPの参考値はさらに厳しくなっている。
機器も小型化により、相対的に人体がより調理器の中の電磁界発信源に近接するようにはなっている可能性もある。厳密な再検証と判定が必要と考える。　

３－２．誘導電流の計算

ICNIRPも電波防護指針も、電界強度や磁界強度での規制は、あくまでも参考レベルとしての評価である。これらの測定が可能な電磁界による評価結果が、規定に適合していればそれで「よい」とする。仮に超えたとしても、基本制限に立ち返って誘導電流密度で再評価すればよいことになっている。

ICNIRPの基本制限は、一般公衆の頭部及び体幹（胴体の部分）に誘導される電流密度で規定されている。四肢（手足）には臓器などがないので、対象からはずされている。）　
誘導電流密度は　1KHzから100KHzに対して、最大f/500（単位：mA/m²）（fはkHzで表した周波数）となっている。
すなわち10KHzでは　10/500＝0.02 mA/m²　22kHzでは0.044mA/m²となる。

誘導電流密度Jは、J＝πRfσB　で計算される。　
R：誘導電流の流れるループの半径、　f：周波数　σ：人体の導電率、B：曝露する均一な磁束密度　　

体の導電率は、研究書によれば、人体を一様な物質とみなして大まかな推定を行なうときは　0.1S/mとしたり、0.2S/mとしたり、0.5S/mとしたりしている。研究者や研究機関によって異なっている。　導電率を０．５Ｓ／ｍとした報告もある。こちらへ
臓器によっても異なり、脳では0.06から0.75S/m、心臓では0.1から0.70S/m、　その他の部位では0.11から0.52S/mとなっている。

今、例として、22KHzの磁界10マイクロテスラに均等な磁界に曝露したとする（実際のIH調理器からの磁界は距離によって大きく減衰しており、この計算には厳密には即しない）。体を直径40cmの円柱と仮定する（半径R＝0.2m）、導電率を0.2S/mとすれば
誘導電流密度J＝3.14 x 0.2 x 22ｘ10^３ｘ　0.2 ｘ10ｘ10^－６　　　　　　　＝0.024A/m²　となる。
　
ここで導電率σを0.5S/m とすれば、　誘導電流密度 J＝0.060 A/m²となる。

すなわち、ICNIRPの参考レベル（22kHz対して最大6.25マイクロテスラ）を2倍近くに越える10イクロテスラに曝露したとしても、誘導電流密度を計算すれば、基本制限に合致しているということができることになる。

但し、その時に、計算する体の大きさや、人体の導電率σをどのように見積もるか、非常に難しい、議論を呼びそうなポイントがある。

３－３．平成7年度の日本品質保証機構の報告書より
平成8年3月日本品質保証機構発行の「平成7年度　製品事故未然・再発防止調査報告書　カラーテレビ等の家電製品から発生する電磁波に係る調査」という報告書がある。
これは、「電子レンジからの漏洩電波などにより耳鳴り、動悸がするなど体調をくずしたとの事故通知があり、また電磁波等に対する不安を訴える声もある」ことから、通産省製品評価技術センターからの委託で日本品質機構が調査を行なった報告である。

カラーテレビ、電気冷蔵庫、電子レンジ、電磁調理器、ヘアドライヤ、電気毛布が対象として調査されている。
この報告書の測定では、10Hzから5kHzの磁界測定における距離は「機器の外殻と測定センサの先端部分の距離」となっている。上記１の平成3年の報告とは異なっている。

その概要は：　
１）カラーテレビジョン受信機　3社6モデル　14インチから29インチまでを評価　
＊10kHz－5kHzの磁界：正面10cmでは1.50マイクロテスラから3.68マイクロテスラ　
　筐体から10cmの距離でその他の面では、上面や背面で大きく、最大で12.78マイクロテスラである。　
（この測定では60Ｈｚの垂直偏向回路からの漏洩が主要な要素と思われる。ICNIRPの60Hz参考レベル83マイクロテスラを超えない。）
＊10kHzから30MHzの磁界：　測定は1mの距離で実施　
　最大は15kHzの水平偏向回路からの漏洩で、3mA/m程度である。　
（1mの距離での測定ではなく、もっと近距離で測定を行ない、確認すべきである。　磁界が距離の3乗に逆比例するとして、30cmの距離で1000倍となったとしても、3A/m、3.6マイクロテスラとなり、ICNIRPの6.25マイクロテスラは超えない。）　

２）電気冷蔵庫　3社６モデルを測定　
＊10kHz－5kHzの磁界：距離10cmでは最大16.67マイクロテスラであった。これはモータからの漏洩と思われる。（ICNIRPの60Hz参考レベル83マイクロテスラを超えない。）　
＊10kHzから30MHzの磁界：測定は1m距離で実施。ほとんど検出されず。　

３）電子レンジ　3社６モデルを測定　
＊10Hz－5kHzの磁界：距離10cmでは最大44.2マイクロテスラであった。　
（ICNIRPの60Hz参考レベル83マイクロテスラを超えない。）　
距離ゼロのところで、最大213マイクロテスラという磁界漏洩が大きいモデルがあった、

＊10kHzから30MHzの磁界：測定は1mの距離で実施。
35kHzとその高調波が観測され、35kHzの磁界は最大のモデルでは6.7マイクロテスラであった。

周波数　kHz	35	70	105	140	実効値
磁界測定値μＴ	0.00675	0.0012	0.000038	0.00038	0.006866

ICNIRPの参考レベルは、3kHzから150kHzまでは6.25マイクロテスラである。従って測定で得られたデータの実効値ICNIRP値と比較すればよい。
1mの距離のデータから、磁界は距離の3乗に逆比例するとして推定すれば、10cmのところでは1000倍となり、6.9マイクロテスラとなる。ICNIRP値を超えるかぎりぎりの恐れがある。この周波数帯の磁界も、厳密な検証が必要と考える。

＊2.45GHzの電界　距離3mで測定
最大のモデルで約2V/mの電界が漏洩していた。
このデータから電界は距離に比例するとして30cmの距離では20V/m、10cmの距離では60V/m（電力密度換算では1mW/cm2）となり、法的に規制されている限度値にぎりぎりとなる。　

４）電磁調理器　3社6モデルを測定、それぞれ1300Wから1400W。
＊10Hz－5kHzの磁界：距離10cmでは最大28.8マイクロテスラであった。　
　距離ゼロでは最大312マイクロテスラと大きい。　
　このデータから10cmではICNIRPの参考レベルに適合するが、近接すると低周波磁界だけで適合できなくなる恐れがある。　

＊10kHzから30MHzの磁界：　測定は1mの距離で実施。
　この測定では動作周波数の約20kHzから7倍の高調波まで観測されている。　
　20kHzにおける最大は、20mA/mである。　
このデータから、磁界は距離の3乗に逆比例として10cmの距離での磁界を推定すれば20A/mとなり、24マイクロテスラとなる。距離に２乗として考えれば2.4マイクロテスラとなる。
10cmや20cmといった人が近接する恐れのある場所での再評価（実測）が必要となる。　

５）ヘアドライヤ　６社６モデル　1200Wクラスのものを評価　
＊10Hz－5kHzの磁界：距離10cmでは最大3.66マイクロテスラであった。距離ゼロでの最大は17.8マイクロテスラであった。（ICNIRPの60Hz参考レベル83マイクロテスラを超えない。）
＊200MHzなどの高周波電界のノイズを漏洩している。3m離れて3mV/m程度のノイズであり、これは他の電気通信に妨害を与えたりするかもしれない。　

６）電気毛布　3社６モデル　　
＊10Hz－5kHzの磁界：　距離ゼロでは最大6.82マイクロテスラであった。　
（ICNIRPの60Hz参考レベル83マイクロテスラを超えない。）　

３－４．電力中研報告T90054「家庭内電気製品からの磁界強度とその周波数分布」　平成３年
この報告では50Hzだけの磁界と、10KHzまでの広帯域測定を行なっている。　
１）テレビ　
画面から10cmで50Hz成分磁界は0.85マイクロテスラ。　

２）シーズヒータ　　

真上30cmの50Hz磁界は1.97マイクロテスラ。　
真横を広帯域で即定すると11.6マイクロテスラ。　
50Hz以外の周波数成分が漏れている。

３）VDT　

　画面から10cmでの50Hz磁界は1.1マイクロテスラ　

３－５．纏め

以上の過去のデータはかなり古く、再確認が必要であるが
少なくとも電磁調理器に関しては、かなり厳格な評価を行なわないと、現行の電波防護指針には合致していても、最近話題になっているICNIRPには、対応しきれない恐れがある。
電子レンジも、ちょっと重点的にチェックをする必要がある。

こうした家電製品からの電磁界漏洩に関して興味のある方は、上記３件の報告書を入手し、じっくり読みこんでください。　

BEMSJからの依頼：
以上の報告は過去の報告に基づいています。　最新の機器はどうなっているのか、もし公開でできる情報がありましたら、教えてください。　
関連する最新の情報がありましたら、このＷＥＢを修正して、紹介しますので、開示願います。

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４．国民生活センターで受け付けた相談の内容

作成：２００４－１０－２７のログ

WEBで公開されています。相談受け付けのデータベースとして「電磁波」というキーワードが設定されています。
http://datafile.kokusen.go.jp/wadai/denjiha.html にあった情報から家電製品と関係するものを抜き出しました。
興味のある方は、上記URLを見てください。　

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　　　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
消費生活相談データベース　　　電磁波　　　　2004年10月18日
電磁波の身体への影響を心配しての相談が寄せられています。　相談が多い商品・施設は、「電子レンジ」「電磁調理器」「携帯電話機」などです。
[最近の事例]

・ＩＨクッキングヒーターを取り付けたら頭痛、吐き気、関節痛、記憶障害等症状がひどくなり、医者にも行き診断されたが、メーカーが認めず不満。
・台所調理器が壊われ、新しい電磁調理器を設置。利用したら頭痛がひどく、元に戻した。
・ＩＨクッキングヒーターを使うと決まって頭が痛くなる。安全性が心配。
　（［最近の事例］は、相談者の申し出内容をもとにまとめたものです。）
＊＊＊＊＊＊＊＊＊　　　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　＊＊＊＊

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５．ＩＨ調理機からの漏洩磁界の例　

京都の電気屋「永田電器」のＷＥＢにあったＩＨ調理器に関するＱ＆Ａ集にあった情報です。　
作成；　２００３－３－１０　　
　　http://www1.odn.ne.jp/bellnagata/ih/q_a/q_a.html　　＜2015年2月の時点で、リンク切れ＞

＊＊＊＊＊＊＊　一部　引用　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　
Ｑ＆Ａ集　
東芝IHクッキングヒーターから発生する磁界強度は通常の使用状態で、約0.1G(約8A/m:本体から2Ocm横、東芝実測)と微弱なものであり、国内外の諸機関の指針と比較しても十分に低い数値になっています。
　　　　　　

郵政省電波審議委員会

　0.95Ｇ　　以下

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　　ここまでが引用　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　　　
このことは、郵政省電波防護指針（現在は総務省）には合致しているが、ＩＣＮＩＲＰの参考レベルの値は局所的には超えているということができます。　

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５Ａ．IH電磁調理器からの電磁界漏洩がICNIRPの規定を超えていると明記してあるWEBの例

記：２００９－１１－２９

有田電器情報（オール電化としてIHを販売、情報サービスなども行っている会社）のサイトhttp://aritadenki.com/jyouhou.htmlにあった情報です。
＜注：2015年2月5日にこのサイトにアクセスしたら、有田電器は業務を変更したらしく、ＩＨ調理器の販売は行っていない模様。＞

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　　一部　抜粋して転記　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
今回は　電磁界（電磁波）について・・・

　我々の周りにある電磁界は以下である。（カッコ内の数字は器具からの距離を表す）

☆ 地磁気 0.3～0.5G
☆ IHクッキングヒーター（20cm）　0.1G

　※以上の事でお判りのようにIHクッカーにおいても日本の基準の９分の１なのである。
　　しかし、世界で基準になりつつあるICNIRPの基準はなんと0.065です。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　　　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

日本の電波防護基準は、IH[調理器の動作周波数（22KHz等）の限度値は0.9ガウスなので、0.1ガウスという値は規定の9分の1である、
しかし、世界の基準値としてのICNIRPの値は0.065ガウスなので、超えている。　ということを明記しています。

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５Ｂ．日立のIH調理器からの電磁波漏洩レベル

2005年9月に日立家電のサイトにあった情報です。
http://kadenfan.hitachi.co.jp/q_a/kitchen_05_07.html#top　

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
Hitachi Home & Life Solutions Inc.のWEB　家電Q&Aの頁
IH調理器に関するQ&Aです。

Q2：電磁波が人体に与える影響はある？

A：電磁波が人体に与える影響については、科学的にも結論づけられていないのが現状です。
ただし、IHヒーター（100V）を発売してからすでに10年以上経っていますが、影響を受けたとの報告はありません。

電気通信技術審議会の答申案（平成2年）では、一般人の場合の電界強度（10～30kHzにおいての周波数）のガイドラインを72.8A/m（約0.95G）としていますが、IHヒータから発生する磁界強度は15A/m以下と微弱なもので、ガイドラインと比較してもかなり低い値です（製品から20cm横で測定、当社データによる。）。
当社は、このガイドラインに準拠したレベルとしています。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　　＊＊＊＊＊＊＊＊

ここでの問題は、「20cm横で測定し、15A/m（18.8μT）の磁界で、72.8A/m（91.5μT）の電波防護指針の値に比べて微小」という記述です。
確かに、電波防護指針値以下なのでOKといえばOKなのですが、よく考えるとICNIRPの参考レベル（1998年）はなんと5A/mなのです。

見る人にいわせれば、ICNIRP参考値（1998年）を超える磁界を出していると、日立が公言したことになります。
現在のICNIRP参考値（2010年改訂版）は21A/m(26.4μT）になっていますので、これには適合しています。

上記のサイトは、修正されたのか、2015年の時点では開くことはできません。

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５C．JEIC　News　No. 39（2015年6月発行）に掲載されたIH調理器からの電磁波測定結果

記：２０１５－１０－７

詳しくは、上記のニュース本文を読んでいただくことにして、概要とBEMSJのコメントを如何に纏めました。

【測定機器/ 測定環境】
IH調理器は日本製の市販されているものを使用しました。
測定は、IH 調理器のまわりに発生する磁界レベル、鍋の材質やサイズを変えた場合の磁界レベルの違い、鍋がコンロ中心からずれた場合の磁界レベルについて行いました。

２）測定器
Narda S.T.S 社　ELT-400　100cm2 磁界プローブを使用　・周波数帯域：10Hz ～ 400kHz
・国際非電離放射線防護委員会（ICNIRP）2010一般公衆ガイドライン対応

３）鍋
鉄製鍋/ アルミニウム製鍋　それぞれ110、145、180、210、300mmの5 サイズ

４．鍋の材質やサイズを変えた場合の磁界レベル
鍋の材質（鉄製鍋、アルミ製鍋）、サイズ（直径110、145、180、210、300mm）を変えて測定しました。
最大出力の設定（鉄製鍋3kW、アルミ製鍋2.5kW）で測定しています。
図7（割愛）のように、調理器より300mm離れた位置で、天板面より-500mm ～ 1000mm の高さの中で最大となるレベルを測定しました。

結果が図8になります。
鉄製鍋とアルミ製鍋で使用可能な最大出力は異なりますが、計測された磁界レベルは鍋の材質にはよらず、ほぼ同じになりました。
サイズの違いについては、小さいサイズほど磁界レベルが大きくなる傾向でした。
なお、直径110mmのアルミ鍋は、調理器が動作をしなかったためデータはとれませんでした。
直径110mmの鉄製鍋で最大3.7%となりましたが、鍋の材質、サイズによらずICNIRP ガイドラインに設けられた磁界の基準レベルより低いことが確認できました。

図8

BEMSJ注：鍋標準とした180mmに対して、小さい110mmの鍋の場合は、約4倍の曝露強度となる。

５．鍋がコンロ中心からずれた場合の磁界レベル
鉄製鍋（直径180mm）を調理器のコンロ中心から後方へずれた場合の磁界レベルの変化について測定を行いました。
測定位置は図7と同じ条件で実施しています。
図9が結果になります。60mmまでは、ずれの大きさに比例して磁界レベルが増加しましたが、60mm 以上では調理器が自動的に出力を低下させたため、磁界レベルは小さくなりました。
最大値は5.3%でガイドラインに設けられた磁界の基準レベルより低いことが確認できました。

図9　コイル中心からのずれと参考レベルとの評価

BEMSJ注：ずれが無い時は１％。ずれが60mmで最大で5.3％と約5倍の曝露となる。

３．IH 調理器前面の磁界レベル
調理時の立ち位置である前面については、さらに詳しく測定しています。
図5 のように調理器前面に平行で24mm、300mm離れた2面（測定面①、②）と、調理器に垂直な1面（測定面③）の計3面について、100mm間隔のメッシュ状に測定をしました。

なお、操作パネルが天板際より24mm出ているため、最も調理器に接近する面として24mmの位置での測定となっています。
鉄製鍋（直径180mm）を最大出力で加熱した際の、磁界レベルが図6になります。
天板より100mm高い位置の磁界レベルが今回の測定の最大となる19.0%になりました（測定面①、③）。

図5

図6：割愛　　＜関心のある方はJEICニュースを読んでください。＞

BEMSJ注1：図6にある最大値は19%である。
これはICNIRPの2010年ガイドライン値（27μT）の19％であることを意味し、磁界強度値で示せば5.13μTであり、ICNIRPの1998年ガイドライン値（6.25μT）に対しては、82%となり、それなりに強い曝露強度と言える。

BEMSJ注2：図5は鍋の位置が中心にあってずれが無く、鍋のサイズも180mmの標準の場合は適合比19％という結果であるが、もし、この状態で鍋のサイズを小さくすれば、4倍の曝露強度になるのであろうか？
さらに鍋の位置をずらした場合の更に5倍となり、単純計算で19％×4倍×5倍＝380％　というICNIRP2010ガイドライン値の3.8倍にもなるのであろうか？
条件が悪くなった時に、単純に加算されるとは思えないが、これは要確認事項ではないでしょうか？

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６．産業労働衛生の観点から見たペースメーカ着用者への電磁調理器からの電磁界の影響

アメリカの産業衛生に関する基準から、ペースメーカ着用者と電磁調理器からの電磁界に関して、考察を行いました。

ACG1Hの30kHz以下の低周波磁場の限度値TLVsに関する要旨：　
ほとんどすべての労働者が,毎日繰り返し曝露しても健康に悪影響を及ぼさない低周波磁場の磁東密度の大きさを示したTLVsである。　

1Hz.～300Hzの周波数範囲で、職業的な暴露のTLvs(天井値)は次式で表される。　
Ｂｔｌｖ＝６０／ｆ　（ｍＴ）　　なおfは周波数である。
300Hz～30kHzの周波数範囲の局所曝露と全身曝露の天井値は0.2mTである。　
また300Hz以下では四肢の曝露のTLVsは上記の値の5倍となる。　

天井値はたとえば60Hzでは1㎜T, 30kHzではO.2mTになる。　

定常磁場と同様に心臓ペースメーカを使用している労働者は,　6Hz以上の周波数ではTLVsの1/10, 6Hz以下では1.OmTを越える磁場に曝露されないようにするべきである。

**********************　

このことから、職業的に電磁調理器からの磁界に曝露しているペースメーカ着用者に対しては、20マイクロテスラ（200ミリガウス）が最大(瞬間的にも超えてはならない値）ということになります。　
このペースメーカ着用と電磁調理器への近接は、職業的な曝露も一般公衆の曝露も差異はないと考えられるので、一般の人にもこの数値は適用可能と考える。　

電磁調理器は最近では３０kＨｚを超える動作周波数のものがある。残念ながらACGIHの規定には３０kＨｚ以上の電磁界曝露でペースメーカ着用者への制限の規定はない。

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６Ａ．家庭用電気マッサージ器の心臓PMへの影響

記：２０１５－１０－１

平成23 年度第3 回医療・福祉における電磁環境研究会での報告です。　一部を紹介します。

タイトル：家庭用電気マッサージ器による植込み型心臓ペースメーカへの影響
研究者：吉田冴子

１．はじめに
家電量販店や通信販売などで容易に購入できる家庭用電気マッサージ器（以下、マッサージ器）はソレノイドコイルによって作動するものもあるため、同様にペースメーカへ影響を及ぼすことが考えられる。
しかし、実際の影響は検証されていない。
また、一方ではマッサージ器は管理医療機器に指定されているにもかかわらず、添付文書には「ペースメーカ植込み患者が使用する際には医師に相談すること」とのみ書かれており、ペースメーカヘの影響の有無は記載されていない。

２．目的　
マッサージ器がペースメーカに与える影響について検討することを目的とした。

３．方法
3.1 磁界強度測定
ループアンテナを使用し、マッサージ器から発生する磁界を測定した。
マッサージ器はソレノイドコイルを利用したもの（タイプA）とモータを利用したもの（タイプB）を使用した。
測定位置はマッサージ器内の電磁波発生源を中心に、上下、左右それぞれ8 cmずつを2 cm 間隔で、マッサージ器の前1 cm 平面と、8.5 cm で測定した。

3.2 電磁干渉実験
生体を電気的に模擬したIrnich の生体モデルを使用し、電磁干渉実験を行った。

４．結果
4.1 磁界強度測定
1）タイプA
タイプA ではマッサージ器の前1cm平面での磁界強度は、最大で約200（A/m）であった。
8.5cm平面では、最大で約20（A/m）であった。
また、電磁波発生源に近いほど磁界強度は大きく、電磁波発生源から離れると磁界強度は小さくなった（図1、図2）。

2）タイプB
タイプB ではマッサージ器の前1cm平面での磁界強度は、最大で約0.2（A/m）であった（図3）。
8.5 cm 平面は、磁界強度が小さくなり測定できなかった。

図1:タイプA の磁界強度（1cm）

図3:タイプB の磁界強度（1cm）

4.2 電磁干渉実験
1）タイプA
タイプA では、抑制試験で28cmの距離までペーシングパルスの不必要な抑制が見られた（図4の矢印の期間：割愛）。
また非同期試験では12cmの距離まで、擬似Ｒ波があるにもかかわらず不必要なペーシングパルスの発生が見られた（図5の矢印：割愛）。
このことから、最大干渉距離は28cmとなった。

2）タイプB
タイプB では抑制試験、非同期試験ともに電磁干渉は起こらなかった。

５．考察
タイプAは、ソレノイドコイルを使用して作動しているため、動作時に変動磁界を発生させ、ペースメーカに電磁干渉を及ぼした。
ペースメーカ植込み患者がマッサージ器を使用すると使用中長期にわたって影響が出ることが考えられ、このことは臨床的に問題があるといえる。
また、実際に使用する際、最大干渉距離よりマッサージ器を遠ざけて使用することは難しい。
このため、ペースメーカ植込み患者に対して、タイプAを使用する際の注意喚起が必要であると考える。
特に、添付文書や取扱説明書にペースメーカ植込み患者への使用は禁止事項として記載する必要がある。

関心のある方は、レジメ全文を入手して、読んでください。

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７．電気毛布の使用と乳がんリスクのＬａｄｅｎ研究　

アブストラクトに仮訳をつけた。　作成；　２００３－６－２９　

論文名：Electric Blanket Use and Breast Cancer in the Nurses Health Study　
　　電気毛布の使用と乳がん

研究者：Francine Laden（1）, Lucas M. Neas, Paige E. Tolbert, Michelle D. Holmes, Susan E. Hankinson, Donna Spiegelman, Frank E. Speizer, and David J. Hunter,
（1） Channing Laboratory, Department of Medicine, Brigham and Women's Hospital and Harvard Medical School, Boston, MA.
掲載誌：American Journal of Epidemiology Vol. 152, No.1 : 41-49 　2000　

Electric and magnetic fields (EMFs) have been hypothesized to increase the risk of breast cancer, and electric blankets represent an important source of exposure to EMFs.
電磁界が乳がんのリスクを増加させるという仮説があり、電気毛布はこの電磁界の発生源である。

The authors examined the relation between electric blanket use and invasive breast cancer in the Nurses' Health Study.
ナースの健康研究の一環として、電気毛布の使用と乳がんの関係を調査した。

On the biennial questionnaire in 1992, 87,497 women provided information on this exposure during three consecutive time periods.
1992年に、二年に一度の質問表で、87497名から連続した3期間の間に曝露した情報を入手した。

In a prospective analysis with 301,775 person-years of follow-up through 1996 (954 cases), the relative risk for any electric blanket use was not elevated (relative risk (RR) = 1.08, 95% confidence interval (CI): 0.95, 1.24) after controlling for breast cancer risk

factors.
1996年までの、前向きの追跡調査で（対象は301,775人年の規模）、乳がんリスク要因を調整した後の電気毛布使用による乳がんのリスクの増加はなかった、相対危険度は1.08、９５％信頼性区間は0.95－1.24であった。

There was a weak association between breast cancer and electric blanket use at least 16 years before diagnosis and long-term use in age-adjusted analyses but not in multivariate models.
しかし、乳がんと診断される前に16年以上電気毛布を使用していた場合と、年齢を調整した長期間の電気毛布使用では、乳がんリスク増加に弱い関係がみられた。

In a retrospective analysis of 1,318,683 person-years of follow-up (2,426 cases), the multivariate relative risk associated with use before disease follow-up began was null (RR = 1.05, 95% CI:0.95,　1.16).
1,318,683人年に対象規模を大きくし、後ろ向きの研究を行った、2,426の症例があり、乳がんと診断される前の電気毛布の使用の乳がんリスクの増加は見られなかった。相対危険度は1.05、96%信頼性区間は０．９５－１．１６であった。

Similar results were obtained in analyses stratified（層にする） bymenopause （月経閉止）and restricted to estrogen receptor-positive breast cancers.

月経閉止とエストロゲンレセプター陽性反応を持つ人に限定した場合でも、乳がんとリスクに関しては同様な関係であった。

While 95% confidence intervals for these estimates did not exclude small risks, overall, results did not support an association between breast cancer risk and exposure to EMFs from electric blankets.

今回の調査で、電気毛布の使用による電磁界曝露による乳がんのリスクとの関連は見られなかったが、９５％信頼性区間を考えた場合、小さいリスクの存在は除外しない。

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８．電気毛布の使用による乳がんリスクを否定するＭｃＥｌｒｏｙ研究　

アブストラクトのみ入手　仮訳をつけた。　作成：　２００３－４－１２

掲載誌：EPIDEMIOLOGY 2001;12:613-617
論文名：Electric Blanket or Mattress Cover Use and Breast Cancer Incidence in Women 50-79 Years of Age
女性乳がんと電気毛布やマットレスとの関係
研究者：Jane A. McElroy（1）; Polly A. Newcomb; Patrick L. Remington; Kathleen M. Egan; Linda Titus-Ernstoff; Amy Trentham-Dietz; John M. Hampton; John A. Baron; Meir J. Stampfer; Walter C. Willett
1：University of Wisconsin Comprehensive Cancer Center, Madison, WI;

概要：
Previous research has demonstrated inconsistent associations between electromagnetic radiation, especially from electric blanket use, and breast cancer.
これまでの研究では、乳がんと電磁界、特に電気毛布の使用との関係は首尾一貫した結果が得られていない。

Breast cancer risk according to electric blanket or mattress cover use was examined as part of a multicenter population-based case-control study.
電気毛布もしくはマットレスの使用とがんリスクとの関係の症例対照研究を行った。

Breast cancer patients 50-79 years of age (N = 1949) were identified from statewide tumor registries in Massachusetts, New Hampshire, and Wisconsin from the period June 1994 to July 1995.

1994年6月から1995年7月の間の50-79歳の乳がん患者を、マサチューセッツ州とその他の二州で、州がん登録から抽出した。

Women of similar age were randomly selected from population lists as controls.
対照群は住民登録からランダムに選択した。

Information regarding electric blanket and mattress cover use and breast cancer risk factors was obtained through telephone interviews.
電気毛布やマットレスの使用に関する情報は、電話インタビューで入手した。

After adjustment for age, body mass index, and other breast cancer risk factors, the risk of breast cancer was similar among ever-users (relative risk = 0.93; 95% confidence interval = 0.82-1.06) and lower among current users than among never-users (relative risk = 0.79; 95% confidence interval = 0.66-0.95).
年齢、肥満率（？）やその他の乳がんリスク要因を調整して解析した。結果は、「かつて使用した」群のリスクは0.93(0.82-1.06)、「かつて使用」群に比べて「現在使用」群の相対リスｋ巣は低く、0.79(0.66-1.06)であった。

There was no evidence of a dose-response relation with increasing number of months that electric blankets had been used.
電気毛布を使用した期間の長さとの「量―反応」関係はなかった。

This study provides evidence against a positive association between electric blanket or mattress cover use and breast cancer.
この研究は、電気毛布やマットレスの使用と乳がんのポジティブな関係に対する反証となる。

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９．電気毛布の使用と子宮内膜腫瘍との関係　

アブストラクトのみ入手、仮訳をつけた。作成：　２００３－６－３０　

掲載誌：Am J Epidemiol 2002; 156:262-267.
論文名：Endometrial Cancer Incidence in Relation to Electric Blanket Use
電気毛布の使用と子宮内膜腫瘍との関係

研究者：Jane A. McElroy（1）, Polly A. Newcomb, Amy Trentham-Dietz, John M. Hampton, Marty S. Kanarek and Patrick L. Remington
（1） University of Wisconsin Comprehensive Cancer Center, Madison, WI.

Endometrial cancer is associated with endogenous and exogenous estrogen　excess.

子宮内膜腫瘍は内因性と外因性のエストロゲン過剰に関係している。

Some investigators have posited that electromagnetic fields may influence cancer risk through estrogenic hormonal mechanisms; however, there have been no studies reporting on electric blanket exposure in relation to endometrial cancer.
研究者によれば、発情性ホルモンの機能により、電磁界曝露は発癌リスクに関連していると仮定している。
しかし、電気毛布の使用が子宮内膜腫瘍に関係しているという研究はない。

The authors examined this possible association between endometrial cancer risk and electric blanket or mattress cover use as part of a population-based, case-control study.
そこで、電気毛布・マットレスの使用が子宮内膜腫瘍に関係しているか、症例対照研究を行った。

This analysis included incident endometrial cancer cases 40-79 years of age, interviewed during 1994 (n = 148; response rate, 87%) and identified from the Wisconsin tumor registry.
癌登録から抜き出した４０－７９歳の子宮内膜腫瘍の発病症例に対して、１９９４年にインタビューを行った、症例数１４８名、応答率は８７％。

Female controls of similar age were randomly selected from population lists (n = 659; response rate, 85%).
女性の対照群は住民票からランダムに選択した。６５９名、応諾率８５％。

Information regarding electric blanket and mattress cover use and endometrial cancer risk factors was obtained through structured telephone interviews approximately 1 year after diagnosis.
電気毛布・マットレスの使用と子宮内膜腫瘍などに関する情報は、診断後１年で、電話によるインタビューで入手した

After adjustment for age, body mass index, and postmenopausal hormone use, the risk of endometrial cancer was similar among ever users (odds ratio = 1.04, 95% confidence interval: 0.70, 1.55) and among current users (odds ratio = 0.87, 95% confidence interval: 0.49, 1.54) as compared with never users.
年齢、肥満率、月経閉止後のホルモン使用の因子を調整し、電気毛布などを過去に使用した場合のオッズ比は１．０４（９５％信頼性０．７０－１．５５）、現在も使用している場合のオッズ比は０．８７（９６％信頼性０．４９－１．５４）で同じ程度であった。

Despite its small size and potential misclassification of exposure, this study provides evidence against an association between electric blanket or mattress cover use and endometrial cancer.
症例数が少ないこと、曝露の誤分類も可能性もあるが、本研究は電気毛布などの使用と子宮内膜腫瘍の関係に反する確証となる。

注：これらから、電気毛布の使用による子宮ガンの増加はない、といえる。

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９A．2007年のAbelらの電気毛布と子宮がんの関係を示唆する研究

記：２０１１－１１－１６
掲載誌：European Journal of Cancer Prevention: June 2007 - Volume 16 - Issue 3 - pp 243-250
タイトル：Use of electric blankets and association with prevalence（流行、はやり）endometrial（子宮内膜の） cancer
研究者：Abel EL, Hendrix SL, et al:
Departments of Obstetrics & Gynecology and Psychology, Wayne State University, Detroit, Michigan, USA

概要
この研究の目的は、女性の子宮内膜の癌の流行と電気毛布の使用との関係を評価することにある。
女性の健康情報観察データベース（対象：９３６９６名）に登録されている情報を利用して、子宮内膜のガンと関連する情報を得た。
電気毛布の使用は子宮内膜の癌の流行を、電気毛布を使用しない群に比べて、１５％高めることに関連していた、オッズ比は１．１５で９５％信頼区間は１．０３－１．２７であった。
子宮内膜の癌に関連する変数を調整した後は、２０年以上の電気毛布の使用者は子宮内膜の癌の流行を３６％高めていた、オッズ比は１．３６で９５％信頼区間は１．１６－１．５９である。

子宮内膜のガンと診断される前の電気毛布の試用期間を定めることはできないが、２０年以上の電気毛布の使用は女性の子宮内膜の癌を有意に高く流行させていることを見出した。

関心のある方は、原著全文を入手して読んでください。

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9B．電気毛布の電磁波と小児脳腫瘍の関係の症例対照研究　1996年

まとめ：　２００１－６－５

以下の様な研究があります。

研究者：Susan Preston-Martin et al;
原著：Brain Tumor Risk in Children in Relation to Use of Electric 　Blankets and Water Bed Heators
掲載雑誌：American Journal of Epidemiology. 　Vol. 143 No.11 1996

概要
1984-1991年間に19歳以下で脳腫瘍と診断された症例540とマッチさせた対照801を研究対象とした症例対照研究である。

母親が子供の妊娠時に電気毛布を使用した場合の脳腫瘍のリスクは　OR=0.90 （CI:0.6-1.2）
母親が子供の妊娠時に電気温水ベッドを使用した場合の脳腫瘍のリスクは　OR=0.90 （CI:0.6-1.3）
　
電気毛布を妊娠期間の何時使用したか等についても調査したが結果には変化は無かった

子供が電気毛布を使用していた場合の脳腫瘍のリスクは　OR=1.0 （CI:0.6-1.7）
子供が電気温水別途を使用していた場合の脳腫瘍のリスクは　OR=1.2 （CI:0.7-2.0）
（相対危険度ORが1.2倍となっているが、CIの下限が0.7と1以下であるので、結果は有意とはいえない。）

子供の性別、年齢、人種などで調査を行ったが、結果は変わらなかった。
このことから、結論としては電気毛布や電気温水ベッドから漏洩する50Hz/60Hzの低周波磁界が小児の脳腫瘍を増加させるとはいえない。

これらの電気毛布から漏洩する低周波磁界（4ミリガウスから２２ミリガウス）は、送電線由来の住環境下に存在する低周波磁界（１ないし２ミリガウス程度）より強い磁界である。（　）内の磁界は他の文献からの数字であり、この研究では直接機器からの磁界は測定していない。

特定の地域のデータに絞って見た時の特異点、
ロスアンジェルス地区で、母親が妊娠中に電気温水ベッドを使用していた時に、子供が脳腫瘍になるリスク　OR=2.1　（CI: 1.0-4.4）で　有意に高い。
しかし他のシアトルとサンフランシスコ地区のデータを合算して計算してみると、OR=0.7 (CI: 0.4-1.0)であった。

以下は私のコメント：
子供が電気毛布などからの低周波磁界が脳の癌（脳腫瘍）を増発するかに関して胎児の時に母親が暴露していた時と、生まれてから子供が電気毛布等を使用した時の2つの条件で検討している。特定の地域のデータを見た時には特異点があるが、全体としては、低周波磁界の影響は見られない　という結論となっている。
特定の地域の全住民を対象とした研究なので、症例の選択などにバイアスはない。

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９Ｃ．Ｗｉｋｉｐｅｄｉａの電気毛布に関する誤り

以下は２０１３－６－１０のアクセス

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

Ｗｉｋｉｐｅｄｉａ　

アメリカでは電気毛布から発せられる電磁波が人体に悪影響を与えるものと指摘され、妊婦への使用を禁止した事例がある。
また、心臓ペースメーカに悪影響を与えるとして、埋め込み患者が使用する場合はシールドカバーが必要である。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

このＷｉｋｉｐｅｄｉａの記事は明らかにおかしいので、「引用元もしくは論拠を明確にすべし・・・と」Ｎｏｔｅにメモを残した。

２０１７－６－８にＷｉｋｉｐｅｄｉａを覗いたら、上記の情報はバッサリ削られていた。
誤りとして、削除されたと推定。

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９Ｄ．電気毛布の電磁波と睡眠に関する検証

記：２０２１－３－３

１）電気毛布の電磁波危険説：寝具屋・菊屋のサイトから

菊屋のサイト
http://www.iwatanet.com/kikuya/jyoho09.htm にあった内容　２００１－２－１１のログ
２０１３－６－１３チェックでは同じ。
２０２１－３－３のアクセスではhttps://anmin.com/に移行、「電磁波・・・」の記載はなくなっている。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
冬のあったか大作戦
＜＜特集＞＞冷え性の貴方に伝えたい快眠情報電気毛布を使う人に危機迫る！
ついに重大発表
日本睡眠環境学会で電気毛布の危険性が発表されました。

（略）

電気毛布と電磁波電気毛布には最近問題になっている電磁波の問題が隠されています。
家電製品の発する電磁波は、人体に思いもよらない生体の細胞レベルで悪影響を与えているという報告も始まっています。

身体に密着して使用する電気毛布が心配です。
アメリカでは妊婦の電気毛布の使用が禁止されています。
便利で快適なはずの機器が私たちの健康生活に悪影響を与えているとしたら、これは見逃すことのできない問題です。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊：：

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
菊屋とのメール　2002年9月

>「電磁波対策としてはクーラーからは２m以上離れた方がいい。
>麻の蚊帳は電磁波の防壁としても高く評価されている」　ということは
>いかなる科学的な論拠に基づいているのでしょうか？

申し訳ありません。
よく分かっていないのですが天笠啓祐氏が作ったパンフレットのようなものに載っていた様な気がするのですが。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

このメールの他に、色々とメールのやり取りをした記憶がありますが、記録が残っていません。

２) 電気毛布は危険という通販サイト

http://www.yamato.ne.jp/~kagaya/top.htm　にあった内容２００１－２－１１のログ
２０２１－３－３のアクセスではリンク切れ

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
「電気毛布が危ない！」
日本睡眠環境学会で重大発表！！
最近、開かれた日本睡眠環境学会で発表された論文の中に、電気毛布の使用について次のような記述がありました。
"睡眠時の本来ならば、体温が低下すべき時刻に、体温の低下が軽微であることは、疲労の回復には、マイナスの効果をもたらす可能性が大きい。”

つまり、これは本来、睡眠中に体温が下がって身体や脳が休むはずなのに、外部から電気で温められ、体温が下がらず身体の回復機能が妨げられる為、疲れがとれないということです。

電気毛布と電磁波
電気毛布には、近頃話題になっている電磁波の問題が隠されています。
家電製品の発する電磁波は、人体に思いもよらない生体の細胞レベルで悪影響を与えているという報告もあり、本格的な調査も始まっています。
身体に密着して使用する電気毛布は特に心配です。
便利で快適なはずの機器が私たちの健康生活に影響を与えているとしたら、これは見過ごすことのできない問題です。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

３)電気毛布は危険という通販サイトアイショップ眠り

アイショップネムリとのやり取りの記録から
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
送信日時 2007/1/15 23:35:15
お名前 : bemsj
おたより : この頁にある心拍数などの違いは、
電気毛布使用による熱の効果なのか、それとも電磁波の効果なのでしょうか？
それらを厳密に判定する必要があるのではないでしょうか？？？

返信：
心拍数の違いは熱の効果かと思います、人工的に暖められることによって必要以上の寝返りなどの動きが生まれ心拍数が上がると考えられます。
その他疑問点がございましたらお気軽にご送信ください(^-^)
それではまた店長の竹田でした(^_^)/~
　羽毛布団枕快眠のアイショップネムリ
　URL：http://www.i-nemuri.com/　＜２０１３－６－１０のチェックでは開けず。閉鎖？＞
　日本スリープケア公認　睡眠環境アドバイザー　竹田

返信：
>おたより : この頁にある心拍数などの違いは、
>電気毛布使用による熱の効果なのか、
>このデータを示している論文を読んでみたいと思います。
>論文名、研究者名、掲載された雑誌の名称と発行年月　を
>教えていただけないでしょうか？
>こうした情報があれば、医学文献ＤＢなどで探し出すことができます。

このグラフは睡眠環境学会の物ですのでそちらをお探し下さい。

それではまた店長の竹田でした(^_^)/~
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

以下は２０１３－６－１０のネットでの再度の検索

４）Wikipediaにあった電気毛布の電磁波危険説

以下は２０１３－６－１０のログ　
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
アメリカでは電気毛布から発せられる電磁波が人体に悪影響を与えるものと指摘され、妊婦への使用を禁止した事例がある。
また、心臓ペースメーカに悪影響を与えるとして、埋め込み患者が使用する場合はシールドカバーが必要である。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

この情報はおかしい？と感じ、この情報の論拠は何か・・・・？とWikipediaのＮｏｔｅにメモを残した。

２０１７－６－８　Wikipediaを覗いたら、上記の情報はバッサリ削られていた。
Wikipediaの履歴を見ると、2014年12月10日に上記の文言は、削除された。

５）電気毛布の電磁波危険説：寝具屋のサイト

http://www.hi-ho.ne.jp/j-inagaki/nemuri/sonota.htm　にあった内容　2013年のログ
２０２１－３－３のアクセスではこのページはリンク切れです。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
電気毛布
日本睡眠環境学会の重大発表「電気毛布が健康を害する」と云うものです。
冬になると電気毛布の使用者が増えます。
特に冷え性の方は、ふとんの中に入った時の「ヒヤッ」とした冷たさを防いでくれるので手放せないようです。
そんな使用者の方々に伺ってみますと「疲れがとれないような気がする」「寝起きがスッキリしない」といった感想をよく耳にします。実は、この不快感は「生体リズム」の乱れに関係があるのです。

最近開かれた日本睡眠環境学会で発表された論文の中に電気毛布の使用について次のような記述がありました。
「睡眠時、本来ならば体温が低下すべき時刻に体温の低下が軽微であることは疲労回復にはマイナスの効果をもたらす可能性が大きい。本来睡眠中に体温が下がって、体や脳を休める筈なのに、外部から電気で暖められ体温が下がらず回復機能が妨げられるため、疲れがとれない」と言うことです。

又電気毛布を使うとウトウトした浅い眠りには早く入れますが、グッスリと深い眠りにはいることが難しいことが判ってきています。
アメリカでは販売は勿論、製造も禁止されていると聞いています。

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サイトにメールのメッセージと、ＢＢＳにもメモを残した。
このサイトの管理人は布団屋である。

ＢＢＳでの回答
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
[4968] Re: 電気毛布の危険性 june
bemsj様　ご訪問有り難う御座います。

書き込んでいただきました内容に関してですが今では、かなり前の物でこれを書いた本人が高齢になり
基になる資料が今では不明になっています。
そんな事で、ご希望にそえません、誠に申し訳ございません。
記事については削除することにいたします。
2181回目 [ 社長 ] 2013/06/11(Tue) 11:30
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６)電気毛布の電磁波危険説：寝具関係のサイト

http://blog.ko-blog.jp/sleep/archive/2008-04.html?page=2　にあった内容。2013年のログ
２０２１－３－３のアクセスではリンク切れ

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快眠日記～極上の眠りプロジェクト
創業120年のふとん屋「眠りのプロショップSawada」のオーナーが取り組んでいる「極上の眠りプロジェクト」。
快適睡眠を実現するための、ベッドや寝具への取組みをご紹介します。
時には辛口に、時には脱線して・・・

＝＝＝　＝＝＝＝　＝＝＝＝

金属フリーのマットレスを（電子スモッグの障害について）
テーマ：ベッドとマットレス、敷ふとんのお話
2008/04/12 11:48

今年1月にドイツ・ケルンでの国際家具見本市に行ったときの事です。
「電子スモッグのチェック」というサービスを行う会社があるのを見つけてきました。
1万円ぐらいで、電磁波障害や地磁気の乱れなどをチェックしてくれるそうです。

ヨーロッパのメーカーが、金属を使わないマットレスにほぼ100%移行した理由の1つが「地磁気や電磁波の影響を遠ざける」、ということでした。
私の店が取り扱っているプロナチューラやヒュスラーネストといった自然派マットレス系のメーカーは特にその点をアピールしています。

一昨日、日本睡眠環境機構の理事会の後に、日本睡眠環境学会の前会長である近畿大学の梶井先生が、電磁波の影響について「ヨーロッパは基準が2ミリガウスやのに、日本は1000ミリガウスやで、甘すぎる！」とおっしゃられていました。
日本のマットレスの多くが金属コイルを使ったものです。
コイルは電磁波を増幅したり、地磁気を乱したりと問題になるようです。
最近は600個以上の高密度ポケットコイルが増えていますから、電磁波に関しては余計に問題になると考えられます。

梶井先生は電磁波の卵子に対する影響などもお話しされていました。
IHクッキングヒーターなんて、もってのほかだそうです。
（略）

＝＝＝＝　　＝＝＝＝　＝＝＝＝＝

このページでは、電気毛布の電磁波・・・には言及していない。

７）電気毛布の電磁波危険説：寝具屋のサイトにあった内容

http://plaza.rakuten.co.jp/futonnokawanobe/diary/　にあった内容　２０１３－６－２５のログ
２０２１－３－３のアクセスでは、同じ内容が見える。

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快眠チャンネル
2009年12月01日

電気毛布の危険性
電気毛布は、－「身体を休ませない」「眠りを浅くする」「体調維持を難しくする」－

電気での加温は、ノドがカラカラになったり、皮膚をカサカサにしたりします。
それは皮膚の温度が上がり発汗が進むためです。
当然、肌にも悪く、老化を進めてしまいます。

さらに、通常、睡眠中は脳や内臓の温度が下がって休息するのですが、寝具の温度が高いと体内温度が下がりにくくなり、心拍数も増加してしまいます。
入浴中に寝ると危険と言われるのも、同じ理由です。

ある実験によると、電気毛布を使った場合、未使用時より１５％ほど心拍数が増えたといいます。つまり、心臓への負担が大きくなるということです。

日本睡眠環境学会で発表された論文の中に、電気毛布の使用について次のような記述がありました。

「睡眠時の本来ならば、体温が低下すべき時刻に、体温の低下が軽微であることは、疲労の回復には、マイナスの効果をもたらす可能性が大きい。」

つまり、これは本来、睡眠中に体温が下がって身体や脳が休むはずなのに、外部から電気で温められ、体温が下がらず身体の回復機能が妨げられるため、疲れがとれないということです。

（略）

また、その他にも「電気毛布を使うと、ウトウトした浅い眠りには速く入れるが、逆にぐっすりと深い眠りには、入ることが難しくなる。」とレポートされています。

最終更新日 2009年12月02日 00時49分51秒

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このブログにはコメントを残す機能も、連絡する手法も公開されていない。

このブログでは、電磁波・・・・には言及していない。

８)電気毛布の電磁波危険説：布団の川野辺　のサイト

以下は、７）と同じ内容が公開されている。
http://kawanobe.cart.fc2.com/?mode=userpage&page=46　２０１３－６－２５のログ

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電気毛布の危険性
電気毛布は、
　－「肌の老化を進める」「心臓に負担がかかる」「疲れがとれない」－

電気での加温は、ノドがカラカラになったり、皮膚をカサカサにしたりします。
それは皮膚の温度が上がり発汗が進むためです。
当然、肌にも悪く、老化を進めてしまいます。

そして、人は体温を下げないと「深い眠り」につくことができませんが、外部から電気で温められているため体温が下がらず、心拍数が増加してしまいます。
下記の実験結果によると、電気毛布を使った場合、未使用時より１５％ほど心拍数が増えているのがわかります。つまり、心臓への負担が大きくなるということです。

入浴中に寝ると危険と言われるのも、同じ理由です。
さらに、外部から電気で温められ体温が下がらないとわかっていても、脳と身体は体温を下げようと休息せずに働き続けるため、疲れがとれません。

疲れがとれないと、どうなるでしょうか？
その日の疲労を翌日に持ち越すどころかどんどんと蓄積してしまいます。
たまりにたまった疲労物質が、肩こりや腰痛を引き起こしてしまうのです。

下記の実験結果によると、電気毛布を使った場合、体温が下がらず、脳と身体が十分に休息できていないのがわかります。

また、電磁波の影響で身体に悪影響を及ぼしてしまいます。電気毛布は、約１００ミリガウスの電磁波がでると報告されています。

アメリカの研究所では「２ミリガウス以上の磁場で小児白血病が１．９３倍、小児筋肉腫瘍は３．２６倍」スウェーデンの研究所では「２ミリガウス以上の磁場で小児白血病が２．１倍、小児脳腫瘍は１．５倍」という結果が発表されました。低レベルでも電磁波にさらされることにより、小児白血病やガンの発生率が増加する恐れが指摘され世界に大きな反響を呼びました。ガンや白血病の他にも、白内障やホルモンバランスの乱れ、流産や障害児出産が多いとの報告も出ています。

しかし、日本国内では電気毛布の危険性が注意書きにも記載されていません。

その理由は、なぜかというと？

・ヨーロッパの電磁波の規制
　２ミリガウスと規制
・アメリカの電磁波の規制
　２ミリガウスを勧告、テネシー州やカリフォルニア州では４ミリガウスと規制
・日本の電磁波の規制
　５０ガウス（２ミリガウスの２万５千倍）を検討中だが、特に規制なし

近年、電磁波による人体への影響が注目されており、ヨーロッパやアメリカでは、いち早く人体への影響を考えて、電磁波防護基準の法制化がされ、電磁波測定方法の規格化が進められています。しかし、日本ではまだ取り組みが遅れており、規制もされていないため、大きな課題とされているのです。

これほど規制が甘いのは、先進国では日本だけ。

例えば、液晶テレビが約３．８ミリガウス、電子レンジが約８０ミリガウス、エアコンが約３ミリガウス、ドライヤーが約１０ミリガウス、電気コタツが約５０ミリガウス、ホットカーペットが約３００ミリガウス、電気毛布が約１００ミリガウス、掃除機、蛍光灯、洗濯機が約５ミリガウスと電化製品の中には電磁波が高いものがたくさんありますが、数値が高いものほど、身体への影響が強くなります。

離れて使用するものは、ほとんど影響がないのですが、電気毛布やホットカーペットのように、常に肌に触れながら使用するものは、長時間使用すればするほど、身体に悪影響を及ぼしてしまいます。

つまり、電気毛布やホットカーペットは、起きているときに使用していても注意が必要なのに、眠りにつくときに使用するのは、とても危険だということです。

起きている時でも使用しないで済むのなら、出来るだけ使用するのを控えましょう。

また、コタツを寝具の代わりにして使用されている方もおられますが、電気毛布やホットカーペットと同じく、とても危険ですので、すぐにやめましょう。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

どの論文からの引用か　メールで問い合わせた。　２０１３－６－２６　
返信はない。

以下は２０２１－３－３のログ
電磁波危険説は削除されている。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
電気毛布の危険性

電気毛布は、
　－「肌の老化を進める」「心臓に負荷がかかる」「疲れがとれない」－

電気での加温は、ノドがカラカラになったり、皮膚をカサカサにしたりします。

それは皮膚の温度が上がり発汗が進むためです。当然、肌にも悪く、老化を進めてしまいます。

また、下記の実験結果によると、電気毛布を使った場合、未使用時より１５％ほど心拍数が増えているのがわかります。

つまり、心臓への負荷が大きくなるということです。

入浴中に寝ると危険と言われるのも、同じ理由です。

人は体温を下げないと「深い眠り」につくことができませんが、外部から強制的に温められ続けると、体温が下がらないとわかっていても、脳と身体は体温を下げようと休息せずに働き続けるため、疲れがとれません。

下記の実験結果によると、電気毛布を使った場合、体温が下がらず、脳と身体が十分に休息できていないのがわかります。

（略）

疲れがとれないと、どうなるでしょうか？
その日の疲労を翌日に持ち越すどころかどんどんと蓄積してしまいます。
たまりにたまった疲労物質が、肩こりや腰痛を引き起こしてしまうのです。

電気での加温は、自律神経によって守られている活動時は特に問題もないのですが、眠りにつき身体が無防備となる睡眠中となると話は別。
使用しないで済むのなら、出来るだけ使用するのを控えましょう。
また、コタツを布団代わりに使用されている方もおられますが、電気毛布と同じく、身体への負荷がとても大きいです。
特に心臓の弱い方は、すぐにやめましょう。

健康的に温かく快適な眠りにつきたい方には、「電気での加温」ではなく、やはり「自然の温かさ」が一番です。
長く電気毛布に頼ってきた人ほど、自然の温かさを実感すると、いかに電気での加温が身体に負荷をかけているかが、よく分かるようになります。

布団に入った瞬間から温かいのが電気毛布の特徴ですが、電気による加温のように外部から強制的に温められ続けると、脳と身体は温度を下げて「深い眠り」に入ろうと働き続けてしまうため、疲れがとれないのです。
起床時に、「いくら眠っても疲れがとれない」「いくら寝ても寝足りない」と感じるのは、そのためです。

やはり布団は、朝まで自然の温かさが保てる『天然素材』が一番です。
特にその中でも、ひときわ優れている動物繊維が理想的。
天然素材を使用した天然繊維は、植物繊維と動物繊維に分かれます。

※年間の寒暖の差が±３０℃を超える厳しい自然環境でも、常に一定の体温を維持することのできる動物たちから生まれた動物繊維のほうが、同じ動物である人間にとって優れた効果を発揮します。

自分の体温による自然の温かさをうまく利用することで、最も上質の眠りを得ることができ、毎日、健康的で清々しい朝を迎えることができるでしょう。

多くの方は、身体のどこかに問題を抱えてから、健康のことを意識し始めます。
もちろん、それでも問題はないのですが、症状が重くなればなるほど、治療に長い年月が必要になってしまうため、健康なうちに予防し、未然に防ぐことが大切です。

健康なうちに一度、布団を見直してみてはいかがでしょうか？
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

９）電気毛布の電磁波危険説：催眠館のサイト

睡眠館という寝具屋のサイト
http://www.suiminkan.com/denkimoufu1.htm　　2013年のログ
２０２１－３－３のアクセスでは、このページは削除されたのか、リンク切れです。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
電気毛布の危険性

～身体にうける電気毛布の影響を表したグラフです～

体温の変化(直腸温）を表したものです。
スイッチが入っている　場合は、心拍数が下がらないので心臓への負担が大きく　　

心拍数の変化を表したものです。
スイッチが入っている場合は、体内の温度が低下しにくいので、エネルギーが余分に消耗し、身体が充分
休息していません。　
深い睡眠(ノンレム睡眠）が妨げられています。
　　　
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

このサイトでは電磁波に言及はしていない。

２０１７－６－８　論拠などの質問を管理者にメール発信した。
返信はない。

１０）寝具屋などのネット上の情報を纏めると、以下となる。

・電気毛布による睡眠への影響に関しては、睡眠環境学会の報告を引用している。
・電気毛布からの電磁波の睡眠への影響に関しては、論拠を明確に示してはいない。
・睡眠環境学会の中には、電気毛布などからの電磁波が危険という研究者がいる。
・電気毛布による加熱で、睡眠が影響を受けるという研究はある、ことは確か。

11）学術研究：久保らの研究

以下は科研費による研究の概要である。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
科研：2001年度研究成果報告書概要
高齢者のための寝室・寝床内温熱環境に関する研究-睡眠様態に及ぼす温熱環境の影響に注目して-
研究機関：奈良女子大学
研究代表者：久保博子　奈良女子大学, 生活環境学部, 助教授
研究期間 (年度)：2000 – 2001

研究概要：
高齢者の睡眠環境に関するアンケート調査を行い、高齢者が日常的におかれている睡眠環境・寝室の空調等と睡眠の実態を把握し、比較対照として、青年・中年群との年代的な比較考察を行った。
調査内容は、(1)日常生活行動(2)睡眠状況、(3)寝室実態、(4)寝具状況とし、回収率は84%、有効回収率は83%で、20歳代から80歳代までの男女の冬期627票、夏期1447票の有効回答を得た。

その結果、年齢により全体に朝型の者が増加するが、中途覚醒の増加などの睡眠様態も変化していることがわかった。
また高齢であるほど、女性の方が寝床内暖房を使用し、寝室を暖房しなくても寝床内が暖かいと評価しており、満足感も高かった。

しかし、中途覚醒等への影響は明らかでなく、必ずしも暖めていることが、睡眠に好影響を与えているとは言えなかった。
中年群の方が、仕事や家事育児により睡眠の充足感が得られておらず、余裕のない生活が睡眠にまで影響を及ぼしていることが伺われた。

実際の住宅での温熱環境および睡眠時の寝床気候の実測調査を行い、アンケート調査や人工気候室実験や実測調査の結果と比較検討し、睡眠度を推定した。

その結果、寝床内温度は、足部皮膚温の上昇にともない上昇し、睡眠中は33℃〜36℃程度である。
電気毛布を使用している者は、体動や心拍数より寝付きは速いと判断されるが、睡眠中に寝床内温度が36℃を越え、体動が増えて腕等を布団から出して寝床内温度を調節しているのが観察された。
また、靴下を着用している被験者も、足部の皮膚温が他の部位より高い状況が観察された。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

12）学術研究：鈴木らの研究

掲載誌：第16回睡眠環境シンポジウム. 16. 74-77 (2000)
タイトル：電気毛布による寝床内温度制御が終夜睡眠に及ぼす影響
研究者：鈴木有以子、久保博子

以下にこの研究の最初の頁を示す。

この研究では、電気毛布からの電磁波には言及していない。

13）学術研究：久保らの研究

以下の研究がある。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
掲載誌：日本家政学会第53国大会研究発表要旨集. 243(2Ja-2) (2001)
タイトル：寝床内温度制御が終夜睡眠に及ぼす影響に関する実験的研究。
研究者：鈴木有依子、久保博子

既往の研究で．電気毛布を用いて寝床内をあらかじめ暖めた場合の睡眠への効果が報告されているが、終夜の使用は寝床内が暑く発汗や不快感を伴うことがあるとの報告もあり、暖めすぎによる睡眠への影響も懸念される。
そこで、寝床気候の快適化をはかるため、電気毛布を用いて寝床内温度が終夜睡眠に及ぼす影響を検討した。

方法：実験は奈良女子大学人工気候室で青年女子8名に8時間睡眠をとらせた。
環境設定条件は住宅温熱環境の実態調査を参考に、冬期室温13°C・RH70%、中間期20°C-18°C・RH60％一定とした。
寝床内温度条件は電気毛布の温度制御で、①強：終夜設定５、②中：終夜設定3、③ａｕto1 :就寝時強一定90分後弱設定、④auto2 :就寝時強一定90分後弱設定、⑤off一通電無しの５条件とした。⑥中間期は電気毛布を使用していない。測定項目として、脳波、心拍数、環境・寝床内温湿度、皮膚温等を測定した。

結果：①寝床内温度はOffでは30°C以下と低く、その後上昇に時間がかかったが、電気毛布条件では入床時でも30°Cを越え高かった。強では入床後徐々に上昇し35℃を越える高温となり、体動の影響とみられる激しい上下動が認められた。auto1では入床直後から上昇するが、120分後に33°C+/-10℃に保たれ、中間期とほぼ同じ温度であった。②足背皮膚温は、Offで非常に上昇に時間がかかったが、他条件では比較的速く上昇を開始した。③睡眠経過ではauto1が前半に安定した深睡眠、後半にREM睡眠が多くみられる傾向にあった。Offは睡眠潜時が長く、冬期でも他の条件では入眠潜時が短かった。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
この研究でも電磁波には言及していない。

14）睡眠環境学会との連絡

＊2007年以降、睡眠環境学会のシンポジウムのレジメを入手しようとしてきたが、できなかった。

＊睡眠環境学会会長　日体大の井川氏からの連絡　２０１３－６－１０
「睡眠環境学会で発表された電気毛布の睡眠への影響は、電気毛布の電磁波を測定しての影響の研究ではない、近藤さんが勝手に電磁波と関連と言っていることかもしれない。」と。

＊睡眠環境学会の事務局から、第16回睡眠環境シンポ（2000年）での奈良女子大の研究発表のレジメを送ってもらった。
鈴木有以子ら「電気毛布による寝床内温度制御が終夜睡眠に及ぼす影響」である。

＊２０１３－６－１０ようやく奈良女子大の久保助教授と連絡がとれた。
1999年の鈴木有以子の卒論・修論のコピーを依頼したが、この研究では電気毛布の電磁波には論及していないとなり、博士論文は断念した。

15）BEMSJのまとめ

・寝具関係の販売サイトに「電気毛布の電磁波は睡眠に影響する」という論が展開されていた。
いずれのサイトも、その論拠を明確に示していない。
・色々と関連情報を探ってみたが、明確な論拠は見つからない。
・睡眠環境学会で発表された電気毛布による睡眠への影響は、電気毛布による加熱に伴う影響であり、それらの学術研究論文では、電気毛布からの電磁波には言及していない。電気毛布からの電磁波の測定も行っていない。

・睡眠環境学会の所属の研究者の中には、微弱な電磁波も健康影響ありとする説を唱える人がいる。
これらの電磁波の問題を、電気毛布の加熱による睡眠への影響への研究と結び付けて、強引に「電気毛布の電磁波は睡眠に影響するので、危険」という説を作り上げたものと推定される。

この論が、寝具屋などのサイトに転載されたものと。推定する。

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１０．電気温熱ベッドと妊娠　Ｌｅｅの2000年研究

アブストラクトを入手。　仮訳をつけた。　作成；　２００３－８－１９

掲載誌；Epidemiology 2000 Jul;11(4):406-15　
論文名：The use of electric bed heaters and the risk of clinically recognized spontaneous abortion.

電気温熱ベッドの使用と臨床的に認定された自然流産のリスク　

研究者：Lee GM, Neutra RR, Hristova L, Yost M, Hiatt RA.
Environmental Health Investigations Branch, Department of Health Services, Oakland, CA 94612, USA　

概要　
We conducted a prospective cohort study to evaluate the relation of spontaneous abortion and electric bed heater use during the first trimester of pregnancy. 　
妊娠最初の３ヶ月間に電気温熱ベットを使用した場合と自然流産の関係を調査するために、前向きのコホート研究を行った。

Compared with non-users, rates of spontaneous abortion were lower for　women who used electric bed heaters.
非使用者に比べて、電気温熱ベットの使用者の自然流産の割合は低かった。　

The adjusted odds ratio and 95% confidence interval (CI) for the two major devices used, electric blankets (N = 524) and waterbeds (N = 796), were, respectively, 0.8 (95% CI = 0.5-1.1) and 0.9 (95% CI = 0.7-1.2).
オッズ比と９５%信頼区間は、電気毛布の使用に対しては０．８（ＣＩ：０．５－１．１）、電気温熱水ベットの使用では０．８（ＣＯ：０．７－１．１）であった。　

An increase of risk with increasing intensity (setting-duration combination) of use was not observed. 　
曝露強度に伴うリスクの増加は見られなかった。

Users of electric blankets at low settings for most of the night (N = 171) had lower risks of spontaneous abortion than non-users (adjusted odds ratio = 0.5; 95% CI = 0.3-1.0).

電気毛布の設定を低くしてある場合（温度の設定を低くする、すなわち磁界などの発生量が少ない）は、非使用者に比べてオッズ比は０．５（ＣＪ：０．３－１．０）と低かった。対象とした症例数は１７１名。

Twenty women who used electric blankets at a high setting for 1 hour or less had an adjusted odds ratio of 3.0 (95% CI = 1.1-8.3), but we found no spontaneous abortions among the few women (N = 13) who used a high setting for 2 or more hours.

設定を高くして、使用時間が１時間かそれ以下の２０名を対象に計算を行うと、オッズ比は３．０（ＣＩ：１．１－８．３）と高かったが、設定が高く、使用時間が２時間もしくはそれ以上の１３名を対象にした場合には、自然流産は見られなかった。

We found that exposure rankings of the magnetic field time-weighted average and a rate of change metric did not correspond monotonically to the pattern of spontaneous abortion risks and that electric blankets contribute less to overnight time-weighted average magnetic fields than has been thought.　

時間加重平均の磁界曝露は自然流産のリスクと単調な関係にはなく、電気毛布は夜間の時間加重磁界曝露平均値に対して、考えていたほどには、寄与率は高くなかった。

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１１．電気温熱ベッドと妊娠　Ｌｅｅの2002年の研究　

アブストラクトを入手　仮訳をつけた　作成：　２００３－４－２３　
磁界への曝露が多いと流産のリスクが増す、という疫学研究。　

掲載誌：EPIDEMIOLOGY 2002;13:21-31　
論文名：A Nested Case-Control Study of Residential and Personal Magnetic Field Measures and Miscarriages
住環境および個人の磁界への暴露と流産のリスクに関する症例対照研究

研究者：Geraldine M. Lee; Raymond R. Neutra; Lilia Hristova; Michael Yost; Robert A. Hiatt　
From the Environmental Health Investigations Branch California Department of Health Services, Oakland, CA;　

概要：　
We conducted a nested case-control study (177 cases, 550 controls) to assess the relation between retrospective magnetic field measures and clinical miscarriage among members of the northern California Kaiser Permanente medical care system. 　
北カリフォルニアのメデカルケアシステムの会員を対象として、後ろ向きの磁界暴露評価と流産の官益を調査した、症例は１７７、対照は550であった。

We also conducted a prospective substudy of 219 participants of the same parent cohort to determine whether 12-week and 30-week exposure assessments were similar.
さらに、この研究対象集団から、219名の協力者を得て、前向きの研究を行った。12週間と30週間の暴露評価結果でどうなるかを研究した。　

We evaluated wire codes, area measures, and three personal meter metrics: (1) the average difference between consecutive levels (a rate-of-change metric), (2) the maximum level, and (3) the time-weighted average.
ワイヤーコード、地域の暴露レベル、そして個人暴露に関しては変動の割合、最大値、時間に重み付けした平均を評価指標とした。

For wire codes and area measures we found little association.
ワイヤーコードと地域の暴露レベルでは流産と磁界暴露との関連はなかった。　

For the personal metrics (30 weeks after last menstrual period), we found positive associations.
個人暴露（最後の月経から30週間後の暴露レベル）ではポジティブな関係があった。

Each exposure was divided into quartiles, with the lowest quartile as referent.
暴露強度を4分割し、最も低い暴露群を参照レベルとした。

Starting with the highest quartile, adjusted odds ratios and 95% confidence intervals were 3.1 (95% CI = 1.6-6.0), 2.3 (95% CI = 1.2-4.4), and 1.5 (95% CI = 0.8-3.1) for the rate-of-change metric; 2.3 (95% CI = 1.2-4.4), 1.9 (95% CI = 1.0-3.5), and 1.4 (95% CI = 0.7-2.8) for the maximum value; and 2.3 (95% CI = 1.2-4.4), 1.9 (95% CI = 1.0-3.5), and 1.4 (95% CI = 0.7-2.8)for the time-weighted average.

それぞれのオッズ比は、高い暴露群から低いほうに向かってそれぞればくろの変動の激しさでは3.1 (CI：1.6-6.0), 2.3 (CI：1.2-4.4), 1.5 (CI： 0.8-3.1)　最大値では、2.3 (CI：1.2-4.4), 1.9 (CI：1.0-3.5), 1.4 (CI：0.7-2.8)　時間で重み付けした平均値では2.3 (CI：1.2-4.4), 1.9 (CI:1.0-3.5), 1.4 (CI: 0.7-2.8)であった。　量―反応関係にある。

The odds ratio conveyed by being above a 24-hour time-weighted average of 2 milligauss was 1.0 (95% CI = 0.5-2.1).
24時間の時間に重み付けした平均暴露で２ミリガウスを超えていると、オッズ比は1.0（CI:0.5-2.1）であった。

Exposure assessment measurements at 12 weeks were poorly correlated with those taken at 30 weeks.
12週間の磁界暴露評価と、30週間の磁界暴露評価では相関がとれなかった。　

Nonetheless, the prospective substudy results regarding miscarriage risk were consistent with the nested study results.
しかしながら、この前向きのサブ研究で得られた流産リスクは、他の研究と同じ結果となっている。

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１２．電子レンジからのマイクロ波電波の漏洩　　　

作成：　２００３－５－７　　

１）　電子レンジからのマイクロ波漏洩に関する法的な規制　
電子レンジからのマイクロ波電波の漏洩は筐体から5cmの所で最大１mW/cm2（電界強度で61V/m）に電波法・電気用品取締法で規制されている。　動作中に誤って扉を開けた場合でも動作停止になる瞬間でも最大５mW/cm2．
これはICNIRPの規定、日本の総務省の電波防護指針値　10 W/m2 ＝１ mW/cm2に合致する。
（5cmにおける局所曝露の規定値に、全身曝露の規定を適用した例といえる。過剰かもしれないが安全サイドに立っている。）

２）　実測値の例　－１　
　「平成７年度　製品事故未然・再発防止調査報告書（カラーテレビ等の家電製品から発生する電磁波に係る調査）」日本品質機構・発行　によれば　６モデルの電子レンジの調査を行い、電子レンジから３ｍの距離で測定を行い、２４５０ＭＨｚ帯の漏洩は、１１５ｄＢから１２５ｄＢμＶ程度であり、正面方向が大きいことが報告されている。

これから単純計算で、１ｍの距離では１３５ｄＢμＶとなる。

３）　実測の例―２　
平成１３年度の石川高専の卒研報告、坂下泰裕ら「電子レンジにおける電磁波環境の測定」によれば１０モデルの電子レンジの測定を行った。　距離は１ｍ、正面が大きい傾向にあり、測定結果は１２０から１３５ｄＢμＶであった。　

４）　これらの実測値から、電子レンジから漏洩するマイクロ波電波の強さは、１ｍの地点で最大で１３５ｄＢμＶ（＝５Ｖ／ｍ）程度であると、言える。　　古いモデルでも最近のモデルでも漏洩のレベルは変わっていないといえる。

１ｍ離れても５Ｖ／ｍの電界があるということは、電波防護指針やＩＣＮＩＲＰのガイドラインに示される健康影響限度値には十分に低くなっているが、家庭内で２４５０ＭＨｚの無線LANなどを行えば、電波障害を起こすことになる。
また電子レンジに近接した場合は５０Ｖ／ｍといった大きな電界強度になり、これだけ大きいと簡易的な低周波磁界測定器などでは、マイクロ波の影響で誤動作する可能性もでてくる。

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１３．Hatchの家電製品と小児白血病疫学1998の研究　

アブストラクトのみ仮訳　　作成：２００３－６－１４　

論文名：Association between Chi1dhood Acute Lymphob1astic Leukemia and Use of E1ectrica1 App1iances during Pregnancy and Chi1dhood
研究者：E.E. Hatch et al;
掲載誌；Epidemiology 1998;9:Z34-Z45

概要
As part of a comprehensive study of residential magnetic field exposure in nine mid-western and mid-Atlantic states, we evaluated the use of appliances by 640 patients with acute lymphoblastic Leukemia, O-14 years of age, diagnosed between 1989 and 1993, and 640 matched control children.

アメリカの9の州で行われている住環境下における磁界暴露の研究の一環として、使用している電気機器との関係を調査した。急性リンパ性小児白血病（ＡＬＬ）の患者640名（1989年から1993年にかけて、0-14歳で白血病と紫診断されたケース）と640名の対照を対象として研究を行った。

Mothers were interviewed regarding use of electrical appliances during their pregnancy with the subjects and the child's postnatal use.
子供の母親にインタビューし、妊娠期間の電気機器の使用状態、子供の電気機器の使用状態を調査した。

The risk of acute 1ymphoblastic leukemia was elevated in children whose mothers reported use of an electric blanket or mattress pad during pregnancy [odds ratio (OR) = 1.59; 95%confidence interval (CI) = 1.11-2.29] but was reduced for use of sewing machines during pregnancy (OR = O.76; 95% CI = 0.59-0.98).

母親が妊娠中に電気毛布やマットレスを使用していると、ＡＬＬのリスクが増大する、オッズ比は１．５９（９５％ＣＩ：１．１１－２．２９）。しかしミシンの使用はリスクを下げている、オッズ比０．７６（９５％ＣＩ：０．５９－０．９８）。

The risk of acute lymphoblastic leukemia was Increased with children's use of electric blankets or mattress pad [0R = 2.75; 95%CI = 1.52-4.98) and three other electrical appliances (hair dryers, video machines in arcades, and video games connected to a television), but the patterns of risk for duration in years of use and frequency of use were inconsistent for most appliances used by children.

子供が電気毛布やマットレスを使用した場合のＡＬＬのリスクは2.75倍（９５％ＣＩ：１．５２－４．９８）であった。その他の電気機器（ヘアドライヤ、ゲームセンターでのビデオゲーム、家庭でのテレビジョンでのビデオゲーム）もリスクを増加、しかし、使用の頻度や使用年数との関係は明確ではなかった。

Risks rose with increasing number of hours per day children spent watching television, but risks were similar regardless of the visual distance from the television.

子供がテレビを見る時間が長いとリスクとなっている。テレビジョンの視距離は近くで見ても、離れてみてもリスクの程度は同じであった。

The inconsistency in the dose-response patterns for many appliances, reporting and selection bias, and the lack of an effect for measured 60 Hertz magnetic fields or wire codes in our companion study must be considered before ascribing these associations to exposures from magnetic fields.

多くの機器使用に関する量―反応関係の不確かさ、選択バイアス、機器からの磁界の実測が為されていないことなどは、この研究にとって、今後の課題である。

　興味のある方は原著を読んでください。

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１４．Hatchの論文に関連するNIH　Release 1998 家電製品　

NIH News Release
NATIONAL INSTITUTES OF HEALTH　　National Cancer Institute
EMBARGOED FOR RELEASE　Monday, April 20, 1998　6:00 PM Eastern Time　NCI Press Office　(301) 496-6641

1998年4月20日　アメリカ・国立がン研究所　報道発表

Magnetic Fields Associated With Electrical Appliances Are Considered　Unlikely　To Increase the Risk of Childhood Acute Lymphoblastic Leukemia
家電製品からの磁界は小児急性リンパ性白血病のリスクを増加するとはいえない。

Several investigators from the National Cancer Institute (NCI) released a report in the May issue of Epidemiology* concluding that it is unlikely that magnetic fields from household electrical appliances increase a child's chance of developing acute lymphoblastic leukemia (ALL).
5月号の疫学誌に、国立がン研究所の研究者は、家電製品からの磁界暴露による小児白血病（急性リンパ性白血病：ALL）のリスク増加は、ありそうもない、と結論付けた発表（注１）を行った。

ALL accounts for 70 percent to 80 percent of all childhood leukemias and one-third of all childhood cancers in the United States.
ALLは小児白血病の70-80%を占め、また、全小児がンの3分の１を占める。

Only a small percentage of cases of ALL have a known cause.
ALLの原因は、ほとんどわかっていない。

Beginning in 1979, some studies suggested that magnetic fields (EMFs) may increase the risk for ALL while others have found no evidence for risk.
１９７９年以来、ある研究は磁界（電磁波）がALLのリスクを増加させると、また一方では磁界がリスクを増加させるという証拠はないとしてきた。

EMFs are produced by power lines, electrical wiring and household electrical appliances.
電磁界は、送電線、配電線、家電製品から放射される。

Researchers from NCI in collaboration with the Children's Cancer Group (CCG), a network of pediatric oncologists and other researchers across the U.S., published an earlier report** in July 1997 that showed little evidence that the EMF from high current power lines or from high levels of magnetic fields measured in the home were associated with an increased risk of ALL in children.

国立がン研究所の研究者は、全米の小児がン研究者および関連する研究者のネットワークである小児がン研究グループ（CCG）と共に、1997年7月に研究成果（注２）を発表した。それは、送電線からの電磁界や家庭で測定された高い磁界強度は小児白血病ALLのリスクを増加させるという確証はない、というものである。

The current study, also a collaboration between NCI and CCG, is the first large study of childhood ALL and electrical appliances.
この研究は、国立がン研究所とCCGの協力で行われた、最初の、大規模な、家電製品と小児白血病ALLとの関係の調査である。

The researchers compared the exposure to household electrical appliances of 640 children diagnosed with ALL to the exposure of 640 matched controls・children of the same age, race and place of residence without the disease. (The same cases and controls were used in the two NCI/CCG studies).
640名のALLと診断された症例と、年齢・性・種・住居地域をマッチさせた640名の対照に対して、荷電製品の使用状況（曝露状況）を比較した。

The data are based on the mothers' responses to a detailed questionnaire about their appliance use during pregnancy as well as their child's use.
母親へのインタビューにより、母親の家電機器の使用状況と子供の使用状況を、入手した。

TVs, electric blankets, microwaves, hair dryers, stereo systems, heating pads and computers were some of the appliances included in the study.
テレビ、電気毛布、電子レンジ、ヘアドライヤ、ステレオ、パソコンなどが本研究の対象となった。

No measurements were taken of magnetic fields associated with the actual appliances used.
実際の磁界漏洩などは行わなかった。

The authors were unable to draw a clear conclusion from the data.
研究者はこれらのデータから明確な結論を出すことはできなかった。

Although the data showed some association between appliance use and leukemia, there was no consistent pattern of increasing risk with increasing exposures.
いくつかの機器使用は白血病との関連性があったが、使用（曝露）の増加とリスクの増加の一定した関連性がなかった。

The scientists speculate that the magnetic fields from electrical appliances are unlikely to increase the risk of childhood ALL.
研究者は、家電製品からの磁界が小児白血病ALLのリスクを増加するとは思えない、と推測した。

The contribution of home appliances to a person's total EMF exposure is thought to be small because most appliances are used for short periods of time and EMF exposures are elevated only close to the appliance.
家電製品からの磁界が、個人の全磁界暴露に占める割合は小さいと考えられる、なぜならば電気機器の使用は短時間であり、機器に近接した場合にのみ大きな磁界を受けるからである。

It is more difficult to assess the contribution of appliances to EMF exposures than that of power lines and building wiring.
送電線や配電線からの磁界暴露に比べて、家電製品からの磁界暴露の寄与率の評価は難しい。

This is because for each appliance, the magnetic field varies greatly with distance, and frequently neither the distance of the person from the appliance nor how often an appliance is on or off can be reconstructed accurately from interviews.
磁界は機器との距離で大きく変わり、機器との距離だけではなく、頻度も異なる、電源をどのくらいオン・オフするかなど、インタビューによる情報から正確に評価することは困難である。

These preliminary findings are part of a more comprehensive study being conducted by the CCG looking for possible causes of childhood ALL.
この予備的な成果は、小児白血病ALLの原因解明のためのCCGによって今後行われるであろう本格的な研究の一部となる。

In the larger study, many risk factors other than EMF are being evaluated in more than 1,900 children diagnosed with ALL between 1989 and 1993.
1989年から1993年にかけてALLと診断された1900名の症例を対象とした大規模な研究では、電磁界以外のリスク要因も評価されている。

These include exposures of children to infectious agents in the home or neighborhood, exposures of parents to radiation or chemicals at work, medications used by the mother during pregnancy, alcohol use, and lifestyle of the parents. Results are expected in two years.
これらの要因として、家庭や近隣での感染病（伝染病）の要因、親の放射線や職業的な化学物質の影響、母親の妊娠中の医薬品の影響、アルコール飲料、両親のライフスタイルの影響などであり、研究は二年度にまとまる予定である。

For more information about cancer visit NCI's Website for patients, public and the mass media at http://rex.nci.nih.gov or NCI's main website at http://www.nci.nih.gov.
さらに詳細な情報は国立がン研究所のWEBを見てください。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
注１：
*The study is titled "Association Between Childhood Acute Lymphoblastic Leukemia and Use of Electrical Appliances During Pregnancy and Childhood." The authors are Elizabeth E. Hatch, Martha S. Linet, et al: Epidemiology, May 1998.

注２：
**The study is titled "Residential Magnetic Field Exposures and Childhood Acute Lymphoblastic Leukemia." The authors are Martha S. Linet, Elizabeth E. Hatch　et al: NEJM, July 3, 1997.

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１４Ａ．Hatchの論文に関連するNIH　Release 1998 家電製品に関するＱ＆Ａ

14項で、NIHの報道発表の概要を報告しましたが、関連して、Q&Aとして　以下の文書も発表になっています。
長文なので、一部だけ　仮訳しました。
作成：２００３－７－４　

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
NATIONAL INSTITUTES OF HEALTH National Cancer Institute

For Response to Inquiries 　EMBARGOED FOR RELEASE
Monday, April 20, 1998　6:00 PM Eastern Time
　NCI Press Office　(301) 496-6641

Questions and Answers
About the NCI/CCG Study of the Magnetic Fields Associated With　Electrical Appliances and the Risk of Childhood Acute Lymphoblastic Leukemia

7. What conclusions can be drawn from the results?
この研究から何がわかるか？

Although the results from this study are preliminary, the authors tentatively conclude that magnetic fields from electrical appliances are unlikely to increase the risk of childhood ALL.
この研究は予備的な研究であり、著者は家電製品からの磁界は小児白血病ALLのリスクを増加させるとはいえない、を仮の結論としている。

Further detailed studies with measurements would be needed to determine whether the findings, if replicated, could represent any effects of magnetic field exposure.
機器からの磁界漏洩の実態調査も含めた詳細な将来の研究が必要である。
もしそうした研究が行われれば、磁界の影響がわかる。

This conclusion is based on several factors: A major factor is the failure to see a consistent pattern of increasing risk with increasing exposures for most of the appliances.

今回の研究の結論にはさまざまな要因が含まれている。大きな要因は、ほとんどの機器の使用（磁界曝露）に関して、使用（磁界暴露）の増加とリスクの増加に一定のパターンが見られないことである。

In addition, the results for television were similar regardless of the child's distance from the TV, suggesting that other factors associated with TV use (not magnetic fields) may have been responsible for this result.
加えて、テレビジョンとの関係では、子供がテレビを見る距離との関連がなかったことで、見る距離によって磁界の大きさは変化するはずで、テレビを見る（テレビからの磁界）ということではなく、他の要因が隠れている可能性がある。

Preliminary findings from a small study that measured actual magnetic field levels at varying distances from TVs found that magnetic fields are nearly the same as　background levels at distances of more than three or four feet from television sets.
テレビジョン受信機から漏洩する磁界を実測した研究によれば、テレビからの磁界は３ないし４フィート離れれば、背景の磁界強度と同じレベルになっている。

As the proportion of US households with a television increased from 9 percent to 95 percent between 1950 and 1970, whereas there was no corresponding increase in childhood leukemia rates during this time period, suggesting that television watching is unlikely to be a causal factor.
アメリカにおけるテレビジョン受像機の普及率は、1950年の9%から1970年の95%と増加している｡
この増加に関連して小児白血病は増加していないことから、テレビの視聴は原因となる要因とは思えない。　

Children's exposure to other electrical appliances has also increased dramatically over the last 50 years.
子供の他の電子機器からの磁界曝露に関しても、過去50年間、それらの機器の普及率の増加は著しい。

Finally, the companion study with the same cases and controls, failed to find consistent evidence based on measurements and wire coding (an indirect measure of magnetic fields based on the thickness, configuration, and distance from the home of nearby power lines) that high magnetic fields levels in the home (produced mainly by outside power lines) increase the risk for ALL.
最後に、他の症例対照研究は、家の外の電力線による家庭内の強い磁界暴露は、実測値でも、ワイヤーコードでの評価でも、小児白血病ALLのリスクを増加するという首尾一貫した証拠は得られていない。

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１４Ｂ．Ｋａｕｎｅの2000年の研究　ＴＶ受信機からの磁界と白血病

以下の研究が、上記１３に関連して行われています。

掲載誌；Bio　Electro　Magneticsの論文誌　Vol　21、No.3　2000
研究者：W. T. Kaune et al:
タイトル：Children's Exposure to Magnetic Fields Produced by U.S. Television Sets Used for Viewing Programs and Playing Video Games
　　　　　　テレビゲームとテレビの視聴に使用されているアメリカのテレビ受信機による子供の磁界曝露

概要
始まり：そもそもの研究の発端は、2つの疫学調査があった。
Londonの1991年の論文では「子供のTVを見ている時間と小児白血病の関係がある」という疫学調査、
Hatchの1997年の論文「TVゲーム機と関係」。
そこで、実際のTV受信機やTVゲームの状態での電磁波曝露を調査することになった。

方法：
そこでアメリカの家庭の協力を得て、電磁波の実態調査を行った。
VLFとELFの磁界を測定した。　電界は問題視されていないので割愛した。

結果：測定結果の平均値としては、　
　　TVの見ている場合　ELF磁界　0.0091μT　VLF磁界　0.0016μT
　　TVゲームの場合　　ELF磁界　0.023μT　VLF磁界　0,0038μT
　　TV視聴とTVゲームの時は、見る距離が異なるので、より近い距離で見るTVゲームの方が、大きく曝露している。

結論：
このことから、ELF磁界は　その他の環境磁界の大きさを考えると、小児癌との関係を支持できない。
VLFは、周波数が高いので、誘導電流の大きさを考えると、今後の研究の課題となる。

関心のある方は、原著全文を読んでください。

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１５．２００３年　家電製品からの電磁界報告書　

財団法人日本情報処理開発協会　のＷＥＢにあった内容（概要）の、概要です。
http://www.jipdec.jp/chosa/kiban/elema.html
作成：　２００３－７－１７　

追記：２０１２－１０－２３　上記のサイトから報告書掲載が終了したのか、開けなくなりました。
そこで、今までは一部引用として、紹介してきましたが、古いログを利用して、全文の公開を行います。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊　引用　　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　　＊＊＊＊＊＊＊
家電製品から発せられる電磁波測定調査(概要)

電磁界(電磁波)が健康に影響を与える可能性について懸念する声があり、それを受けて世界保健機関(WHO)による国際電磁界プログラムを中心に、世界各国で研究が進められている。
このような動きを背景として、身の回りの環境における電磁界についての関心が高まり、さまざまな測定事例が報告されるようになった。
そのような状況の中で、身の回りの電磁界の中でも関心の持たれている家電製品ならびに情報機器から発せられる低周波磁界の強さに関して､技術的背景の明確な測定データの収集整理が必要とされている。

そこでデータの収集を目的として財団法人家電製品協会に設置する「家電製品から発せられる電磁波(低周波磁界)測定調査委員会」において、関係各工業会をメンバーとして測定方法等について議論を行い、第三者測定機関による、電子レンジ、電磁調理器(IH調理器)、電気カーペット等２７品目についての発生電磁界測定を実施することとした。
測定は学識経験者による評価および助言によって客観性が保証される体制で行われ、報告書はその測定調査結果を取り纏めたものである。

１．測定対象範囲
家電製品の全てについて測定することは困難であるため、一般に家庭で使用するものとして電子レンジ、電磁調理器(IH調理器)、電気冷蔵庫等を始めとする代表的な製品を選定した。
また、IT技術の普及にともない情報機器が家庭内にも広く浸透していることから、家庭で使われる情報機器も測定対象とした。

２．測定結果の纏め
測定された家電製品および情報機器では、国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)のガイドラインを超えると推定される機器は概ね見られなかった。
ただし、一部の機器の近傍で局所的にガイドラインの参考レベルを超える磁界強度が測定される例があったが、国際電気標準会議(IEC)のIEC62233委員会原案に示されている測定位置での評価を適用すること、また、結合係数の考えを用いることにより、これらの機器もガイドラインを満たしていることが推定された。

３．測定結果の検討
本測定調査は「家電製品から発せられる電磁波(低周波磁界)測定調査委員会」で議論され実施された。
この委員会を構成する委員には工業会関係者も参画しており、測定結果に関して客観性を明示することが必要とされた。
そこで、測定は第三者機関で行い、結果の検討は第三者である学識経験者が行う体制とした。
これによって、測定結果に対する恣意的な選別や解釈の余地は排除されている
＊＊＊＊＊＊＊＊　　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

詳しくはこの情報処理開発協会もしくは、家電製品協会に問い合わせてください。

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１５Ａ．　家電製品からの電磁波測定結果　2007年度報告

以下のサイト（家電製品協会）に公開されています。
詳細は以下のサイト見てください。
http://www.aeha.or.jp/02/l01.htm

平成19年度　家電製品から発せられる電磁波測定（10Hz～400kHz）調査（概要）
・測定対象
家電製品の全てについて測定することは困難であるため、一般に家庭で使用するものとして、電磁調理器（IH調理器）、電気掃除機、家庭用テレビ、パソコン、照明器具等始めとする代表的な33製品86機器を選定した。

・測定方法
家電製品から発生する電磁界ばく露に関する測定方法については、国際規格IEC62233（人の曝露に関する家庭用及び類似用途の電気機器の電磁界の測定方法）に定められている。
本測定調査では、原則としてこのIEC62233の測定方法に従った。

・評価基準
低周波領域の電磁界の評価基準として、国際非電離放射防護委員会（以下「ICNIRP」という。）が平成10年（1998年）に示したガイドラインが広く利用されている。
本測定調査ではこのガイドラインを測定結果の検討のための指標とした。

・測定結果
本測定調査で選定され、測定された家電製品、デジタル家電、情報機器および照明器具では、IEC62233による方法に基づいた評価の結果、ICNIRPのガイドラインを超える機器は見られなかった。

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１５B．家電製品からの電磁波測定結果　2013年度報告

以下の報告が、家製協から出されている。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
平成25年度家電製品から発せられる電磁波測定（10Hz～400kHz）調査（概要）

1. はじめに
家電製品協会は家電製品から発せられる電磁波の測定を平成15年度と平成19年度に実施し、ホームページ等に公表をしてきた。
平成22年（2010年）11月に世界保健機関（ＷＨＯ）のタスクグループである国際非電離放射線防護委員会（以下「ICNIRP」という。）は、低周波電界および磁界の生物への影響についての数多くの科学研究、科学データ及び知見に基づき、平成10年（1998年）に示したガイドラインを見直して「時間変化する電界及び磁界へのばく露制限に関するガイドライン－１Hzから１００ｋＨｚ－」（以下「ガイドライン(2010)」という。）を公表した。

家電製品協会はガイドライン(2010)が公表されたことと併せ、前回の電磁波測定から７年近く経過しており、現在市場に供給されている家電電品は平成１９年度に測定をした家電製品と比較し新機種に一新されていることより、再度家電製品から発せられる電磁波測定を行うこととした。
測定に関しては、前回同様第三者測定機関（一般財団法人電気安全環境研究所および一般財団法人日本品質保証機構）により、代表的な家電製品について実施した。

2. 測定対象

家電製品の全てについて測定することは困難であるため、一般に家庭で使用するものとして、電磁調理器（IH調理器）、電気掃除機、液晶テレビジョン、ブルーレイレコーダ、照明器具等を始めとする代表的な29製品72機器を選定した。

3. 測定方法

本測定調査では、家電製品から発生する電磁界ばく露に関する測定方法として、国際規格IEC62233（人のばく露に関する家庭用及び類似用途の電気機器の電磁界の測定方法）に定められた測定方法に従った。

4. 評価基準

評価基準としては、平成22年（2010年）11月に公表されたICNIRPのガイドライン(2010)を用いた。

5. 測定結果

本測定調査で選定され、測定された家電製品、デジタル家電および照明器具では、IEC62233による測定方法に基づいた評価の結果、ICNIRPのガイドライン(2010)を超える機器は見られなかった。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

関心のある方は、この報告書全文を読んでください。

以下の表が、結果の纏めです。
この纏めで、1点、気になることがあります。

電気マッサージ器からの磁界漏洩値はガイドライン値の７０％弱となっています。
このICNIRPガイドラインは、最近になって、改訂され、周波数50Hz では2倍の磁界曝露まで許容されるようになっています。

報告書では電気マッサージ器のメーカー名も、型名も、いつから販売されているのかも不詳です。

もし、この電気マッサージ器を、数年前の、ガイドライン改訂前に測定を行ったとすれば、この電気マッサージ器はガイドライン値を超えていた　という報告になってしまいます。
ちょっと気になることです。

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１６．欧米でＩＨ調理器が普及始める？

　　作成：２００５－６－２３

ＩＨ調理器の普及は日本とフランスだけ・・・・といわれてきました。
しかし、以下のＷＥＢに見るように、2005年の国際見本市の報告を見る、かなりの速度で普及しそうです。
電磁波の問題は、どうなるか？？？関心事です。

http://allabout.co.jp/house/kitchen/closeup/CU20050224A/index.htm　にあった内容
一部引用します。　興味のある方は、このＵＲＬを参照してください。

＊＊＊一部　引用　　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　　　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

キッチンガイド
mm cuisinale 2005 に見るキッチントレンド　　　最新キッチン機器動向
ヨーロッパの最新キッチン機器動向 2005

2005年1月にドイツ・ケルン国際家具見本市で併催されたimm cuisinale 2005では、キッチン家具メーカーとキッチン機器メーカーが14号館1階の会場をほぼ等分して出展し、最新キッチン展示会の名に恥じないにぎわいを見せました。
（略）
今年のキッチン機器で一番目についたのが、IHクッカーの大隆盛です。
2年前のこの展示会ではほんの2社程度しか出展されていなかったのが、今年は全てのキッチン機器メーカーから出展されています。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　　　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　　

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１６Ａ．中国でもＩＨ調理器は普及

記：２０１０－５－１

「中国情報局」というＷＥＢにあった内容　
参照：http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2006&d=0102&f=national_0102_002.shtml　

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　　一部を転載　　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
電磁調理器：安全基準は「甘い」目安、しかも違反続出
　 2006/01/02(月) 16:48:01更新

エネルギー価格が高騰する中で、中国では電磁調理器（ＩＨ）が人気だ。
しかし、電磁波の放射による汚染を指摘する声もある。新華社などが伝えた。

新華社によると、２００４年におけるＩＨの販売台数は１１００万台。
関連部門は、５年以内に、市場規模が７０００－８０００万台に拡大すると予測している。

しかし、低周波の電磁波放射に関する安全基準は不備だ。
（略）
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　　＊＊＊＊＊＊＊＊＊

従来、ＩＨ調理器は日本とフランスが普及している国として挙げられ、その他の国はさほどではないという情報でした。
この中国情報によれば、中国でかなり普及しているといえます。

関心のある方は、上記のサイトを覗いてください。

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１６B．IH調理器の欧米における普及

記：２０１５－３－２３

＊はじめに

以下はしばしば耳にすることです。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
近年流行のIH調理器は身体に有害なのですか？

欧米では普及率ほぼゼロ
日本でのＩＨ調理器普及は、固際的には狂気の沙汰なのです。
アメリカでのＩＨ調理器普及率は、わずか０．４％。それもレジャーボートなどの湯沸かし用。
台所用のＩＨ調理器の販売台数はゼロです。
アメリカ人にとって「電磁波は人体に有害」は常識。
だから、普通のアメリカ人なら危ないＩＨ調理器を買うはずがないのです。
ヨーロッパでも、同じです。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

＊BEMSJの検証
さて、電磁波の危険性の論議は脇に置いておいて、上記の論にある欧米の事情に関して、情報を探ってみました。

その1：アメリカの状況：２０１０年のニューヨークタイムズの記事から
http://www.nytimes.com/2010/04/07/dining/07induction.html?pagewanted=all&_r=1&
にあった内容から一部抜粋

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
Is Induction Cooking Ready to Go Mainstream?　IH調理器は主流になるか？
２０１０年４月７日の記事

シンプソンはプロの料理人である。
キッチンの改装に当り、ガスでの料理の場合は、家の外に大きなガスタンクを設置しなければならない。
その費用は莫大だし、地震の恐れもある。
そこで、IH調理器を考え、気に入り、虜になった。

IH調理器は１０年前から売られているが、最近になって価格の低下で、売れるようになってきた。
過去２年間で、バイキング・GE・サムソン・ケンモアがIH調理器を売り始めている。

昨年夏の市場調査によれば、IH調理器の使用者は５％であった。
時期の調理器として買い替え時にIH調理器を選択する人は２２％であった。

レストランの厨房ではIH調理器が伸びていくであろう。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

「アメリカでのＩＨ調理器普及率は、わずか0.4％。それもレジャーボートなどの湯沸かし用。台所用のＩＨ調理器の販売台数はゼロです。
アメリカ人にとって「電磁波は人体に有害」は常識。だから、普通のアメリカ人なら危ないIH調理器を買うはずがないのです。」
は大きな過ちで、

「買いたいけど高い。「有害だから避けられている」とは書かれていない。」
というのが正確な情報となる。

＊アメリカ発行の2013年全世界の市場調査報告書から　　
http://www.benzinga.com/pressreleases/13/03/p3457434/induction-hobs-market-new-market-research-report-published-by-transpare
にあった内容から。一部を抜粋して引用

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
Induction Hobs Market – New Market Research Report Published by Transparency　Market Research 　
IH調理器の市場―Transparency Market Research社の新しい市場調査報告書が発行された。
March 29, 2013

“Household Induction Cook-tops (Hobs)Market - Global Industry Analysis, Size, Share, Growth, Trends and Forecast, 2012 – 2018　家庭用IH調理器の市場：2012-2018年の全世界における産業解析、規模、シェア、成長、傾向、展望"が刊行された。

この市場は、これは石油価格の高騰と環境保護に関する関心の高まりにより、欧州と太平洋に面したアジア地域におけるIH調理器の急速な採用によってもたらされている。
この二つの地域だけで、2012年における全世界のIH調理器の市場規模の50％以上を占めている。

欧州はIH調理器の最も大きい市場規模で、2011年の売上額では、全世界のIH調理器の3分の1を占めている。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

「ヨーロッパでも、同じです。」
はとんでもない過ちで、

「世界のIH調理器の1/3はヨーロッパで売られている。」
というのが正確な情報である。

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１７．電子レンジに関するＷＨＯの見解

ＷＨＯの国際ＥＭＦプロジェクトから「電子レンジ」に関する公開見解が出ています。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　　　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
情報シート 2005年2月　電磁界と公衆衛生：「電子レンジ」

電子レンジは安全か？
電子レンジは、メーカーの指示に従って使用すれば安全であり、かつ様々な食物を加熱および調理することができて便利です。しかし、マイクロ波への曝露、熱傷、および食物の取扱いに関してはいくつかの予防策を講じる必要があります。

（略）

マイクロ波エネルギーは、人体によって吸収され、曝露した組織内で熱を発生させる可能性があります。例えば眼球のように血液の供給が少なく温度調節機能の弱い器官、あるいは睾丸のように温度に敏感な組織は、熱による損傷を受ける危険性が高いのです。しかし熱損傷が起きるのは非常に高い出力に長時間曝露された場合だけであり、その数値は電子レンジの周囲での測定値をはるかに高いレベルであります。

（略）

誤解－誤解を払拭するには、電子レンジで調理した食物が放射能を持つことはないということを認識することが重要です。さらに、電子レンジのスイッチを切った後はレンジの庫内にも食物の中にもマイクロ波エネルギーが残存することはありません。この点でマイクロ波はまさに光線のように作用します。つまり明かり消した後、光は残らないのと同じです。

（略）
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　　　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

詳細は、ＷＨＯのＷＥＢで公開されている原文を読んでください。
この情報シートでは、電子レンジからのマイクロ波に関しては記述されていますが、電子レンジを稼動するための電源部からの低周波磁界に関しては、まったく触れられていません。また、電子レンジによって、食材が変性することに関しても、まったく触れられていません。

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１７Ａ．ロシアでの電子レンジ禁止の噂

記；２０１２－６－２２

＊始めに

以下の記事では、ロシアでは電子レンジの使用が禁止されているとある。

電磁波研会報・第２７号　2004.3.28発行　に掲載された記事
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　引用　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
ロシアでは電子レンジの使用を禁止
禁止の理由は電子レンジ調理の食物を食べるとガンになりやすい
英国『エコロジスト』誌が報じる

電子レンジ(Microwave Oven)はとても電磁波を強く出す電気器具であることは知られていますが、それだけでなく電子レンジで調理された食物を食べても害がある、というショッキングな内容を英国誌『エコロジスト』(2003年11月号)が報じました。

ロシアでは1976年に電子レンジ使用禁止
ロシアでは1957年から現在まで主に、マイクロ波研究はベラル－シのクリンスク(klinsk)にある無線技術研究所で行なわれてきました。

米国の研究者ウィリアム・コップ(William Kopp)によれば、ロシア法医学チ－ムは電子レンジの人体への影響を以下のようにみています。
(1)電子レンジで調理された食物を食べた人は統計学的に胃がんや腸がんなりやすいし、末梢細胞組織の変質や消化機能および排泄機能がだんだん悪化する。
(2)食物の中身の物質の化学変化やリンパ組織内に起こった機能不全により、腫瘍やがんの成長から身体を守る免疫能力を退化させるためだ。
(3)マイクロ波を浴びると食物の栄養価が著しく減ることが研究結果として出ているし、さらに重要なことはビタミンＢ群・ビタミンＣ・ビタミンＥ・必須ミネラル・抗脂肪性栄養物（病的蓄積脂肪を防ぐ物質)の生物学的利用能を減じてしまう｡

(4)加熱した肉は人間が活動する上で有効に作用するが、マイクロ波調理した肉はがん促進因子｢ｄ－ニトロソジサノラミン｣を増加させる。
(5)がん誘発の血管基(tree radicals）は特定の微量ミネラルや植物成分の分子構造内で形成された。とくに生の根菜類でより形成された。
(6)電子レンジで調理された食物を食べると血清内のがん細胞が増殖した。
(7)電子レンジで調理された食物は本質的に食物内の物質構成を変える。そのため消化器系統に障害をもたらす。

以上のことから、ロシアでは1976年に電子レンジは使用が禁止されました。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

＊さて、この話は本当か、今でもそうした規制がロシアで行われているのか・・・・・　関心があったが、なかなか関連する情報は得られなかった。

しかし、ようやく、以下のサイトで、ロシアでの規制状況に関する情報があった。
1次情報ではないので、本当に信頼して良い情報なのか、判断に迷う点はあるが、参考情報として掲載します。
2011年8月の情報です。

http://www.apparentlyapparel.com/2/post/2011/08/why-did-russia-ban-the-use-of-microwave-ovens.html 　のサイトにあった内容

＊＊＊＊＊＊＊＊＊　　部分的に引用＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

Why Did Russia Ban The Use of Microwave Ovens?　なぜロシアでは電子レンジの使用が禁止されたのか？

08/18/2011

In Russia, microwave ovens were banned in 1976 because of their negative health consequences as many studies were conducted on their use.
The ban was lifted after Perestroika in the early 90’s

ロシア（旧ソ連）では、1976年に電子レンジの使用が法律によって禁止されました。
理由は様々な研究で健康に陰性結果（悪い結果）が判ったからです。

この規制は、1990年代初頭のペレストロイカ後に解除された。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

ということで、とりあえずはロシアの電子レンジ規制は解除された、ということの様です。

追記1：ロシア語版Wikipediaの電子レンジの頁にあった内容から
2016-2-27

以下はロシア語版のWikipeidaの電子レンジの頁から、機械英訳し、それを和訳してあります。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
25 on October 1955 the year the American company «Tappan Company» for the first time introduced a domestic microwave oven.
1955年10月25日、アメリカの会社Tappanが家庭用電子レンジを初めて市場投入した。

The first serial domestic microwave oven was released Japanese firm Sharp in 1962. Initially, the new product demand has been low.
最初の、継続して売られた家庭用電子レンジとして、1962年に日本のシャープが販売開始したが、この新製品の需要は低かった。

In the Soviet Union since the early '80s microwaves produced in factories ZIL (model "ZIL") and Southern Machine Building Plant (model "Mriya CF"). Tambov plant "Elektropribor" ("Electronics" model): Dnipro Machine Building Plant, Lenin (DMZ) produced "Dnepryanka1" (1990, 32 liters, the magnetron M1051, the power consumption of 1300 watts, the microwave power is 600 watts, weight 41kg, the price of 350 rubles) and "Dnepryanka 2".
ソビエト連邦では、1980年代の初頭に、ZIL工場がZIL型電子レンジを、南機械製造工場がMriya CF型電子レンジを製造開始した。
Tanbov工場は「Elektropribor」を、Dnipro機械製造工業のレーニン工場(DMZ)がDnepryanka1（1990年、32リットル、マグネトロンはM1051形、消費電力1300W、マイクロ波出力600W、重量41kg、価格は350ルーブル）とDnepryanka 2を製造した。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

ソ連のペレストロイカと呼ばれる改革運動は、ゴルバチョフによって、1985年以降に行われはじめ、1987年のロシア革命70周年を記念する軍事パレードで、ペレストロイカが大きく取り上げられた。

従って、ロシア語版Wikipeidaの記述が正しいとすれば、ソ連のペレストロイカが始まる少し前の1980年代初頭には電子レンジが製造されていたことになる。

「1976年にロシアで電子レンジ禁止、ペレストロイカ以降に禁止が解除された」という説には、矛盾があることになる。

＊追記2：　ソ連の法規制はなかったとするアメリカの専門家の調査結果

記：２０１６－３－２１

以下はアメリカのマイクロ波に関する研究所のフォーラムにあった情報で、専門家が過去の履歴から判断して、ロシアが電子レンジの法規制を行ったという噂は真実ではないということを示している。

https://impiorg.wordpress.com/2012/06/13/did-russia-ban-microwave-ovens-at-some-point-in-the-past/　
にあった内容に仮訳を追加した。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
impiorg
INTERNATIONAL MICROWAVE POWER INSTITUTEʹS FORUM FOR MICROWAVE TECHNOLOGY DISCUSSION
マイクロ波技術に関する討論の為の国際マイクロ波電力研究所のフォーラム

Did Russia ban microwave ovens at some point in the past?
ロシアは過去のある時期に電子レンジを法規制したか？

2/27/2016

There Was No Ban on Microwave Ovens in the USSR.
ソ連での電子レンジの法規制はなかった。

In the last issue, Bob Schiffmann stated that the “Russians did for some short period of time ban the sale of microwave ovens”.
前号でBob Schiffmannは「ロシアではある短期間の間、電子レンジの販売を法規制した」と述べている。

I believe this is not true and in the following I present ample evidence supporting my belief.
私は、これは真実ではないと信じている。そして以下に私は私が信ずる十分な確証を示す。

I have been intimately involved with microwave ovens since 1968 and I have in my extensive historical coverage of the field cited evidence of development of microwave ovens in the USSR in the 1970’s, including a brochure on “A super-high‑frequency oven” in 1971, an ad for the “Electronika” oven in 1980 and discussions with Soviet scientists on ovens in 1977.
私は1968年以来、心の底から電子レンジにかかわってきた。
そして、1970年代のソ連における電子レンジの発展に関して引用される確証の広範な過去の記録を持っている。
それには、1971年の超高周波電子レンジの冊子や、1980年のElectronikaという電子レンジの広告、1977年に電子レンジに関してソ連の科学者との討論の記録が含まれている。

But the evidence is even much more extensive and so I present here a record of the many events that support the idea that microwave ovens never were banned in the USSR.
これらの確証はより広範であるが、ソ連に置いて電子レンジが決して法規制されなかったということを示す多くの出来事の記録をここに示す。

Key events:　重要な要素

1969: Dr Karel Marha, of Czechoslovakia, presents paper at the 1969 Richmond symposium on microwave bio-effects and visits Raytheon Co.

1969年：チェコスロバキアのKarel Marha博士は、1969年マイクロ波の健康影響に関するリッチモンドシンポジウムで講演し、Raytheon社を訪問した。

Ｈe prepared an affidavit that describes how leakage radiation is monitored near microwave ovens in Czechoslovakia, –at a horizontal distance of at least 25 cm. from the oven door and at the height of the head and gonads.
彼は、チェコスロバキアにおける電子レンジからの電磁波漏洩が如何に管理のドアから水平25cmの距離と、頭部と生殖器の高さで）について宣誓供述書を準備した。されているか（電子レンジ

He contributes a paper describing safety considerations in “Eastern Europe” for the special issue of the IEEE Transactions on Microwave Theory & Techniques in 1971 for which I was guest editor.
No mention of bans ever came from Dr. Marha.
彼は1971年に発行されたIEEEのTransactions on Microwave Theory & Techniques誌の特集号で、東欧諸国の安全管理について、記述した。
私はこの号の客員編集者であった。この記事では電子レンジの法規制には触れていない。

1973: At the IMPI symposium in Loughborough, in the U.K. there were extensive discussions on the safety of microwave ovens and Dr. P. Czerski, of Poland agreed with me at the podium that the U.S. “emission standard” for microwave ovens was compatible with exposure standards in Eastern Europe, and therefore there was no reason why ovens with leakage limits as in the U.S. would not be acceptable in the Eastern European countries..

1973年：英国のLoughboroughで開催されたIMPIシンポジウムで、電子レンジの安全性に関する広範な議論が行われた。
壇上でポーランドのP. Czerski博士は、電子レンジに関するアメリカの輻射規格は東欧諸国の曝露基準と等価であることに関して、私と意見の一致をみた。
そして、アメリカの輻射基準が東欧諸国で受け入れられない理由はない、となった。

These views were also included in a symposium in Poland which Dr. P. Czerski chaired. My contact with Dr. Czerski was extensive including a visit by him to my home with many hours of stimulating discussions.
この見識はP. Czerski博士が議長を務めたポーランドで開催されたシンポジウムでも紹介された。
私とP. Czerski博士の連絡は広範にわたり、私の家に彼が来て、何時間もの意見交換を行ったりしている。

1976: IMPI symposium in Belgium—no reports of a ban on microwave ovens in the USSR.
1976年：ベルギーで開催されたIMPIシンポジウムで、ソ連における電子レンジの法規制に関する報告はなかった。

1970’s: In the world of international frequency allocations it is known that in the USSR there is the ISM band at 2.375 GHz for microwave ovens. But at the 1979 World Administrative Conference the USSR agreed to move the ISM band to 2.45 GHz making the 2.45 GHz band recognized throughout the world.
1970年代：国際周波数配分の業務の中で、ソ連は電子レンジの為に2.375GHzをISMバンドとして使用していた。
そして、1979年の世界無線管理庁会議（BEMSJ注：各国で使用する無線周波数の配分を決める会議）で、ソ連は2.45GHzを世界共通のISMバンドに移行することに合意している。

1977: At the IMPI symposium (I believe in Minneapolis) I had extensive discussions with Drs. Los and Dumansky from the Ukraine. No mention of any ban on ovens.
1977年：ミネアポリスで開催と記憶しているが、IMPIシンポジウムで私はウクライナからきたLos博士とDumansky博士と広範な意見交換を行ったが、電子レンジの法規制に関しては何も論及が無かった。

1977; 1979; At conferences on microwave bioeffects in Airlie , Virginia and Seattle, WA extensive discussions are held with scientists and engineers from the USSR and no hint of an oven ban is ever mentioned.
1977年と1979年：バージニア州で開催、またワシントン州のシアトルで開催されたマイクロ波の健康影響に関する会議で、ソ連からきた科学者と技術者と広範な意見の交換を行ったが、電子レンジの法規制に関連するような話は皆無であった。

~1980: I had extensive discussions with a celebrated engineer, who had defected from the USSR, on microwave technology in the USSR—both at Raytheon and in Washington, D. C. where he lived.—no mention of a ban on ovens.
1980年以降：ソ連から離脱した有名な技術者と、レイセオン社で、また彼が住んでいたワシントンＤＣで、私は広範な意見の交換を行ったが、電子レンジの法規制に関しては、何らの論及もなかった。

1980’s –the present：I attended many meetings of the Bioelectromagnetics Society where scientists from Eastern Europe were often present. Never did I hear about a ban on microwave ovens.
1980年代から現在まで：私は東欧諸国からの科学者が参加する生体電磁波学会の幾多の会合に出席したが、電子レンジの法規制に関しては、何も聞くことはなかった。

~1995: At both the IMPI symposium and a conference on crossed-field tubes at the University of Michigan there was evidence of microwave oven development in Russia but no mention of a ban.
1995年以降：ミシガン大学で開催された交差電磁界型真空管に関するIMPIシンポジウムと会議の両方で、ロシアにおける電子レンジの発展に関する報告があったが、法規制には触れていない。

—1968 – the present; I have attended almost all of the IMPI symposia. Even though many of the attendees are from Europe—e.g. Per Risman, never have I heard at an IMPI meeting the rumor that ovens were banned in the USSR.
1968年から現在まで：私は殆ど全てのIMPIシンポジウムに参加している。
Per Rismanなどの欧州からは多数の参加者があるが、IMPIの会合でソ連が電子レンジの法規制を行ったという噂は、まったく聞いていない。

1980’s to the present; Many contacts with representatives of magnetron suppliers in Russia, including Istok/Svetlana; with no mention of an oven ban
1980年から現在まで：Istok/Svetlanaなどを含むロシアのマグネトロン製造会社の代表と幾多の接触があるが、電子レンジの法規制には言及していない。

In addition to my experience I asked two people who visited the USSR many times in the last 40 years and they both report never hearing of a ban on microwave ovens while in the USSR—cf. Prof. A.W. Guy who made at least 12 trips and Ric Tell (of EPA fame) who made several trips.
私の経験に加えて、私は、過去40年間にわたって数多くソ連を訪問している2名の方に聞いたが、両名共にソ連で電子レンジの法規制が行われたことは聞いていないと報告している、Guy教授は少なくとも12回、Tell氏は多くの回数、ソ連に行っている。

As cited above, we in Raytheon were able to procure and test the “Electronika” oven. It operated at 2.45 GHz and showed leakage values between 0.5 and 1.0 mW/cm2—i.e. good enough to pass the FDA emission standard even though never legally processed for imports. It is interesting to read the ad (translation) for this oven in the Russian “Economic News” in the Spring of 1980.
以上に述べたように、我々はアメリカのレイセオンに居て、ソ連製のElectronikaという電子レンジを購入でき、かつ試験することができた。
その電子レンジは2.45GHzで動作し、漏洩電磁波は0.5から1.0mw/cm2 の間にあった。
この値は、アメリカのFDAの規格に合致し、輸入を法的に差し止めることはないレベルであった。
1980年春号のロシアの新聞「Economic News」に掲載されたこの電子レンジに関する記事を読むことは興味深い。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

追記3：ロシア語のサイトにあった「ソ連では1978年に電子レンジの量産が始まった、価格は350ルーブルであった」という情報
記：２０１６－５－１７

http://www.yaplakal.com/forum2/topic1075080.html　にあった内容
ロシア語のフォーラムのサイトを、機械英訳したもの

『最初のソ連における電子レンジは1941年に登場した。しかし、第2次世界大戦の為に量産化は遅れた。
そして、電子レンジは1978年に量産が始まった。
量産が始まったとしても普及は進まず、非常に限定された少量の生産であった。
当時の平均月給が200ルーブルの時代に、この電子レンジの価格は約350ルーブルであった。』
という内容が紹介されている。

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１７B．電子レンジの加熱で変性という論の検証－１　食事での実験

記；２０１６－２－９

1）Hertelの実験の内容と、スイスの裁判での発表禁止命令
以下の情報がある。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
スイスの食品会社の食物科学者であるハンス・ヘルテル（Hertel）という人物が、こうした分子がひどく損傷を受けた食べ物は人間の血液と免疫機能に異常な変化を起こしている、ということを調べている。
ハンス・ヘルテルは人間の血液と生理学の観点から電子レンジの影響について調査し、電子レンジは食物の中の栄養素を変化させ、それを食べた者の血液にも人体組織の悪化を引き起こすということを突き止めている。

ヘルテルの行った実験は、被験者はアメリカ人１人，カナダ人１人、６人のヨーロッパ人で、スイスのキエンテルにある正食法の実践者で２０代から３０代とハンス・ヘルテル自身６４才で、８週間，同じホテルに泊まり実験を実施した。

実験はスイス連邦研究所と生化学大学研究所のバーナード・Ｈ・ブランクとともに進め、ジャーナリストであるのトム・バレンタインという人物が、この研究結果を「健康の追求」（Search for Health）９２年春号に発表。続く情報は同誌次号、または「エーカーズ」（Acres USA）で読むことができる。

＜BEMSJ注：これらは雑誌とみられる。Acresは最新号が購入可能、「Search for Health」は発行元などの情報も見つからない。

ヘルテルとブランクによる研究結果は、以下に示す1992年のスイスで発行されている一般雑誌に掲載されている。この記事の画像ファイルを入手した。また、エーカーズ誌の記事も入手した。＞

与えられた食事は、
　１．有機農場の生牛乳
　２．普通に暖めた生牛乳
　３．インターミルクバーンの低温殺菌牛乳
　４．電子レンジで暖めた生牛乳

　５．有機農場から取れた生野菜
　６．普通に料理された野菜
　７．凍らせてから電子レンジで解凍された生野菜
　８．電子レンジで料理された野菜
である。

電子レンジ料理を食べたあとに測定された血液検査の結果、貧血と同じ症状を示すようである。
コレステロール値は反対に増加している。
実験が繰り返されるに従い、血液の基準値の変化は統計学的にはっきりしてきた。

電子レンジで料理されたものを食べると、ヘモグロビンとその平均濃度、平均含有量は、際だって減少する傾向が見られる。
白血球は電子レンジ料理を食べたあと顕著な増加。
電子レンジ解凍生野菜を食べたあとでは、コレステロールが著しく増加。

白血球は通常、生命システムで細胞を傷つける病原の存在を知らせるサインで、本来、何を食べたかを表すものではない。
また、血液中のコレステロールの急な増加は本来強いストレスにより起きるものであるはずが、電子レンジにより解凍されただけのコレステロールを含んでいない野菜を食べたことにより起きている、ということが発見された。

バーナード・Ｈ・ブランクとハンス・ヘルテルが、これらの研究結果を発表すると、組合組織であるスイス電気製品販売連合（ＦＥＡ）がセフティゲン裁判所の所長、カントン・ベルンに対して、ヘルテルとブランクに対して「公表禁止令」を出すことを請求した。

しかし、ヘルテルは、すでに電子レンジ料理がもたらす血液の異常について認めた上で、研究の有効性について見解を書物におさめていたのである。

====裁判所の考慮内容====
（１）原告からの要求内容。原告（FEA）は被告（ハンス・ヘルテル博士）に対して次に記される内容の発表を禁止する。
内容：電子レンジで料理された食物が健康に対して有害であり、消費者の血液の変化を起こすとして、がん発生過程の前段階を示唆するような病的な難点に言及している部分。被告は法律で定められた罰則によって、出版物、そして公共の講話でこのような主張を繰り返すことを禁止される。
（２）裁判官の管轄件は法律に従って与えられる。
（３）原告の合法性は法律に従って認められる。
（４）被告の非合法性は当人が問題を引き起こした「研究発表」の著者であるという事実によって認められる。
特に訂正を受けた現在の新しい法律は、競合状態の必要性を除外することを認めているため、それ故に違法行為人も同業競合者だけとは限らない。
よって、ただ宣言をしただけでも、競合している他者の立場に損害を与えた者は違法行為人と見なす。
（明らかに、スイスの販売連合は、「製品をけなし、このような発言によって貿易に損害を与えるかもしれない違法行為人」を釘付けにするよう、法廷に圧力をかけていた。これまでのところ、合衆国憲法の場合は、まだこうした発表の自由を認めている。）

（5）被告の論争が大衆の支持を受けるか否かは問題ではない。
なぜなら、重要なことは、彼ら（大衆）自身が専門家ではないからこそ、このような陳述が支持を受けるという可能性が存在するからである。

また、人々に不安を与える内容を公の場で発表することは認められていない。
それらは常に法律によって違法行為とされる。性急な妨害活動の必要性は、競合の過程においてと同様に認められない。
基本的に被告はこのような非難から自分自身を守る権利がある。
しかしながらこの権利は、要求があった場合、原告の権利を害する恐れのある緊急の場合において拒否される。

====結論====
この切迫した原告の要求内容の理解の下、法廷は以下のように結論を下す。
本件において、被告による（電子レンジについての）特殊な憶測は、原告側を明らかに不利な状況に追い込み、そして、その状況は容易に回復され得ない。
また、被告がいつ大衆に対して、これに続く内容を発表するかは予測ができないゆえに、即座に脅威を与えるものと見なすことができる。

被告の反論を聞くまでもなく、以上のように、法廷は原告の要求内容が正当であることを認める。
同じく本裁判は、被告側の出版物が科学誌として発刊され、それ故、特に信憑性が高く見えるということにより、原告側に更なる不利益を与える可能性があると結論する。
加えて証明不能の疑似科学的発表によって公共の利益を生み出すことができないため、明らかにこの出版物には正当な理由がない。

被告は、５０００スイスフランの罰金、あるいは１年間の禁固刑の処罰の下、以下の内容の発表を禁止するものとする。
内容：電子レンジで料理された食物が健康に有害であり、がん発生過程の初期症状を含む病的障害を招くとする部分。
原告は諸経費を支払うこと。
　　　セフティンゲン・クレマー裁判所　所長。＜BEMSJ注：たぶん1992年の判決と推定＞

この後、当然ながら上告し、ヘルテルは今後も法廷で争うことになった。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

2）Hertelの実験の報告：Hertelら1992年Journal Franz Weber記事
記：２０１６－３－１６

Hartelと共同研究者Bernald H. Blancが1992年に発行された雑誌Journal Franz Weber（スイスで発行、ドイツ語版とフランス語版しかない。査読付きの学術雑誌ではない。）に“Vergleichende Untersuchungen über die Beeinflussung des Menschen durch konventionell und im Mikrowellenofen aufbereitete Nahrung”という論文ではなく記事を書いている。
この記事に対して、以下に示すスイスでの裁判が始まったとされる。

Journal Franz Weberの1992年発行　No.19に以下の記事がある。
当該の頁だけの画像ファイルは　こちらに　
表紙を以下に示す。

入手した画像ファイルからOCRでテキスト化し、ドイツ語を機械英訳し、BEMSJが英訳を元に和訳した。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
Der vollständige Rapport der Untersuchung
=The full report of the investigation
=調査の全文

Vergleichende Untersuchungen über die Beeinflussung des Menschen　durch konventionell und im Mikrowellenofen aufbereitete Nahrung
= Comparative studies on the influence of the people through food prepared in the microwave oven and conventional
=電子レンジでの調理と従来の調理による人々への影響に関する比較研究

Prof. Bernard H. Blanc, Institut für Biochemie an der Eidgenösschen Techmschen Hochschule, 1015 Lausanne
und
Dr. Hans U. Hertel, Umweltbiologische Forschung und Beratung, 3135 Wattenwil

1.　Einleitung
＝1. Introduction
＝1. はじめに

Seit mehr als einem Jahrzehnt finden Mikrowellenöfen - anfänglich im den USA, heute auch in Europa - zunehmend Verwendung für die Aufbereitung von Nahrung im Restaurationsbetrieb, aber auch im privaten Haushalt.
= For more than a decade, microwave ovens - find initially in the United States, today also in Europe - increasingly use for the preparation of food in the restaurant operation, but also in the private household.
=十年以上にわたって、電子レンジ（当初はアメリカ合衆国で使用され始め、今日ではヨーロッパでも使用されている）はレストランでの食材の調理に使用することが増え、さらに、個人の家庭においてもしかりである。

Verkürzung und Vereinfachung der Mahlzeitenzubereitung, Bequemlichkeit und verminderte Kosten für die Elektrizitat dienen als Verkaufsargumente.
＝Shortening and simplifying the meal preparation, convenience and reduced costs for the electricity used as selling points.
＝短時間で、簡単に食事の準備ができ、利便性と電気料金の節約は機器のセールスポイントとなっている。

Zahlreiche Kochbücher sind zur unterstützung dieser Kochtechnik und der Verkäufe solcher öfen entstanden und sorgen zusammen mit wissenschaftlichen Empfehlungen für deren zunehmende Verbreitung.
＝Numerous Cookbooks are created to support this cooking technique and the sales of such stoves and ensure their growth together with scientific recommendations.
=この調理の技術と電子レンジの販売をサポートする為と、科学的な推奨を共にこの調理法を保証する為に、多くの料理本が刊行されている。

という序文から始まり、ドイツ語で5ページにわたって、様々なことが書かれている。
とても、全文をドイツ語から英訳・和訳はできない。
以下の箇所だけを翻訳してみた。

4　Analysen und Beobachtungen an den verschiedenen　Nahrungsmittel-Varianten
＝4 ：Analysis and observations on the different food
＝4：さまざまな食品の分析と観察

4.1　Die Milch
＝4.1　ミルク

Die im Mikrowellenofen aufgekochte　Milch änderte sich somit in einigen wesentlichen Kriterien, nämlich (siehe Tabelle l ):
＝The milk boiled in a microwave oven changed thus in some essential criteria, namely (see table l):
＝電子レンジでミルクを加熱したらいくつかの要素が変化した、重要な要素を表1に示す。

Talle 1 - Die 4 Milch-Varianten
= table 1 - the 4 milk options
=表1： 4種の牛乳の変化

テストの基準	生のミルク	従来の調理法でのミルク	加熱殺菌法でのミルク	電子レンジで調理したミルク
脂肪分　%	4.0	4.0	4.1	4.0
タンパク質 %	3.2	3.2	3.2	3.2
細胞数	524,000	520,000	540,000	523,000
非蛋白質窒素mg%	67.9	67.2	74.1	91.9
非カゼイン窒素　mg%	0.99	0.71	1.05	0.92
ビタミンA IU (Roch)	900	1,000	1,300	1,200
ビタミンC mg (Roch)	17.0	18.2	17.9	18.1
葉酸(Roch)	58.0	46.0	48.0	42.0
酸性度SH	6.16	6.14	6.20	6.30
pH	6.75	6.73	6.72	6.72
酸素　mg/l	7.70	4.60	7.70	4.80
粘度cp	162,471	171,135	164,951	測定不能
伝導率m.s.	5.03	4.95	5.04	5.00
堆積物g	0.003	0.004	0.002	0.008
顕微鏡での脂肪の構造	普通	普通	普通	巨大なフォーム

BEMSJ注）非タンパク質窒素：非タンパク質態窒素ともいう。タンパク質以外の窒素化合物の窒素の総称。アミノ酸、低分子量ペプチド、アンモニア、アミン、尿素などの窒素が含まれる。

これ以上のドイツ語の画像ファイルから、OCRでテキスト化、機械英訳は割愛する。
とりあえず、Hertelらは食事での8名の実験の他に、電子レンジでのミルクの加熱による変性に関して、何らかの定性的な実験は行い、何らかのデータは示していると言える。

3）Hertelらの研究をアメリカのジャーナリストが報道

ハーテルらの電子レンジ加熱に関する研究に関して、1994年にアメリカのAcres誌に掲載された記事を1995年にNEXUSという雑誌に転載され、その情報をとあるWEBが掲載していたのをBEMSJが見つけた。

ハーテルらの研究は、「不確実な情報によるもので電子レンジの販売に影響するので、さらなる発表は禁止」というスイスの裁判所の裁決があり、1992年のハーテルらによるJournal　Franz　Weber誌への投稿以後は、発表できなかった。

しかし、アメリカでは「報道の自由」があり、報道できるとして、アメリカのジャーナリストTom　Valentineがまとめた2本の記事の中の後半の1本である。
一読したが、何か判りにくい英文の箇所もある。
一部に、BEMSJのコメントや和訳を入れてある。
詳細は　こちらを

４）Hartelの論文を掲載している1999年の雑誌から
記：２０１６－５－２２

The　Journal of Natural Scienceの Vol.2 No.4 1999　に以下の記事が掲載されている。
タイトル：Microwave Ovens:　A Hazard to Health　ALARMING RESULTS OF A SCIENTIFIC STUDY
筆者：Dr. Hans U. Hertel　Bern, Switzerland

この雑誌の当該のページを入手した。　こちらに
関心のある方は、当該のページを読んでください。　英文です。

この記事の中には
・Hartelは、1980年代の終わりに、ローザンス大学と共同で研究をやろうとした。Swiss National Fund「スイス国家研究基金とでも訳す？」は、「この研究は不要である」として、資金の提供はなく、追試などは行えなかった。

・1992年に、HartelはJournal Franz Weberに記事を書いた。この記事は「科学的ではない」と批判された。しかし、筆者であるHartelは「電子レンジでの調理は危険である」と信じている。

・Hartelらの行った食事の実験には、３名の男性と、5名の女性が参加した。
・実験参加者は、どの食事を摂ったかはわからないように、Blindで実験を行った。
・摂った食事は、牛乳（生牛乳、普通に暖めた生牛乳、低温殺菌牛乳、電子レンジで暖めた生牛乳）と
生野菜（生野菜、普通に料理された野菜、凍らせてから電子レンジで解凍された生野菜、電子レンジで料理された野菜）だけである。
＜BEMSJ注：牛乳と野菜だけの食事、特殊は食事法で、一般的ではないと思われる。＞

そして、以下のようなデータもある。
一例を示す。

生の食事、通常の調理した食事、、電子レンジで調理した食事を摂った後の、15分後と120分後の血中ヘモグロビンの変化。

5）Hertelの実験に関する論評
https://www.metabunk.org/debunked-the-dangers-of-microwave-ovens.t1288/には以下の情報がある。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
・この実験で誰も病気になっていない。
・この研究は、査読付きの雑誌に掲載されたことはない。
・研究者Hertelはデータを提示していない＜Bemsj注；十分か否かは別として、1992年の一般雑誌にデータを含む研究内容を記事にしている・＞、
・この研究は、いまだに再現実験が行われていない。
・実験に使用したサンプル数は4件で、有意な情報を明示する条件にはなっていない。

この話はインターネット上にしばしば登場している。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

ということで、このHertelの研究は、不十分なものと言えるかもしれない。

Hertel Hの論文は、Pubmedでの検索では該当するものは見当たらないことをBEMSJも確認を行った。

6）Hertelは裁判を継続、1998年の結果
以下の情報もある。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
Hertelは裁判結果を無視

Hertelは「彼らは私を黙らせることはできない。私はこの判決を受け入れない」と宣言した。
「私はドイツでのセミナーで講演もし、講演は受け入れてもらえた。」と語った。

1998年8月、スイスの裁判所の判決はストラスブルグの欧州人権裁判所の判決で、「表現の自由に関する権利」が認められて、ひっくり返された。
欧州人権裁判所は、スイス政府はHertelに裁判費用を補填する為に4万スイスフランを支払うことを命じた。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

この欧州人権裁判所の判決文は、以下のサイトでみることができる。
http://www.iidh.ed.cr/comunidades/libertadexpresion/docs/le_europeo/hertel%20v.%20switzerland.htm　

7）纏め
このHertelの電子レンジ危険説は、インターネットなどでも散見される。

纏めると以下になる。
・極めて限定した試行的な実験で、電子レンジでの調理による悪影響を見出した。
・この実験結果は、査読付き論文誌などには掲載されなかった（限定的な試行実験であり、査読付き論文誌に掲載が認められるようなレベルの研究とは言えなかった？）が、1992年の一般雑誌には記事として投稿された。
この情報は様々なルートで公開された。
・この実験結果は、「不十分な情報で、商売などに影響を与えてはならない」とするスイスの法律にのっとり、Hertelは訴えられ、スイスの裁判所では「公表禁止」といった判決が下った。
・Hertelは納得せず、裁判を継続し、1998年欧州人権裁判所で、「表現の自由」が認められ、スイスの裁判判決はひっくり返された。
この判決は、表現の自由が認められたのであって、Hartelの研究が正しいことを認めたものではない。

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１７Ｃ．電子レンジの加熱で変性という論の検証－2　　母乳の加熱時の変性

２０１６－２－２５　

とあるサイトにあった情報です。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

機関誌「小児科」（Pediatrics)（１９９２年４月号）において、「電子レンジ放射線が与える母乳中の反伝染性因子への影響」という記事が載ったことがある。
リチャード・クワン医学博士がその研究の中心的な役割をはたしていた。
スタンフォード大出身のジョン・Ａ・カーナー医学博士も同じ研究チームにいたが、「科学ニュース（Science News)(１９９２年４月２５日号）に掲載された記事に彼の言葉が引用されている。

以下にその要約の抜粋を記します。
母乳の解凍では、体温（３７℃）以上にあげると病原菌と戦う抗体だけでなく、リゾチームあるいはバクテリアを消化する酵素をも破壊する。
ジョン・Ａ・カーナー・ジュニアとスタンフォード大学の彼の同僚は電子レンジで再加熱した母乳は３３．５度という低い温度でもリゾチームの活動性、免疫抗体という反伝染性物質の損失がおき，潜在的病原となるバクテリアの成長を促進するという。

これに反論するテキサス大学医学部のランドル・Ｍ・ゴールドブラムのコメントは、「電子レンジが害を与えるという絶対的な証拠はない。それはただの加熱による影響である」
また、ペンシルバニア州立大学のマドレーヌ・シグマ・グラントは、「低温状態のサンプルにおけるリゾチームと免疫抗体の低下は、電子レンジによって部分的に生じた摂氏６０度以上の温度の熱を単に反映しただけかもしれない。電子レンジによる加熱は本来的にむらがあり、カーナーの研究のように４ｍｌ以下の量でテストした場合には正しい結果を予測できない」
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

ここで紹介されているクワンの原論文は以下の研究である。

掲載誌：Pediatrics Vol.89 No. 4 April 1992
タイトル：Effects of Microwave Radiation on Anti-Infective Factors in Human Milk
研究者：R. Quan, J. A. kerner JR et al:

Abstract
In intensive care nurseries it has become common practice to use microwave thawing of frozen human milk for more rapid accessibility.
集中的な看護において、緊急対応の為に冷凍した母乳を電子レンジで回答することが一般的になってきた。

Twenty-two freshly frozen human milk samples were tested for lysozyme activity, total IgA, and specific secretory分泌の IgA to Escherichia coli serotypes 01, 04, and 06.
22の新鮮な母乳で実験を行い、リゾチーム活性、大腸菌（血清型01．04．06）に対する特異的分泌のIg Aと全IgAを調べた。

The samples were heated by microwave for 30 seconds at a low- or high-power setting and then reanalyzed.
サンプルは電子レンジで30秒間、低温と高温に設定し、加熱後に解析を行った。

One-mL aliquots of 10 additional human milk samples were microwaved at low (20 degrees C to 25 degrees C), medium (60 degrees C to 70 degrees C), and high (greater than or equal to 98 degrees C) setting before the addition to each of 1 mL of diluted E coli suspension.
各1ミリリットルに分割した部分標本10本の母乳サンプルを、低温（20-25℃）、中温（60-70℃）、高温（98℃以上）に設定した電子レンジで加熱し、その後に1ミリリットルの大腸菌混濁液を加えた。

E coli growth was determined after 3 1/2 hours of incubation at 37 degrees C.
大腸菌の繁殖状況は37度の培養器で3.5時間培養した後に、調べた。

Microwaving at high temperatures (72 degrees C to 98 degrees C) caused a marked decrease in activity of all the tested anti-infective factors.
高温（72-98℃）に設定した電子レンジで加熱した場合、全ての抗感染要因の活性が減少していた。

E coli growth at greater than or equal to 98 degrees C was 18 times that of control human milk.
98℃以上の高温設定した電子レンジで加熱した場合、対照の母乳に比べて、大腸菌の繁殖が18倍に増加していた。

Microwaving at low temperatures (20 degrees C to 53 degrees C) had no significant effect on total IgA, specific IgA to E coli serotypes 01 and 04, but did significantly decrease lysozyme and specific IgA to E coli serotype 06.
低温設定（20-53℃）した電子レンジで加熱した場合、全IgA、大腸菌（血清型01と04）に対する特異的分泌のIg Aに、有意な変化は見られなかった。
しかし、リソゾームと大腸菌（血清型06）に対する特異的分泌のIgAは有意に低下していた。

Even at 20 degrees C to 25 degrees C, E coli growth was five times that of control human milk.
20度から25℃に設定した電子レンジでの加熱でも、対照群の母乳に比べて、大腸菌は5倍増殖していた、

Microwaving appears to be contraindicated at high temperatures, and questions regarding its safety exist even at low temperatures.
電子レンジでの加熱は、高温では禁忌であることを示し、低温であっても安全か疑問である。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

この実験では1ミリリットル＝１ＣＣという微小な量を電子レンジで加熱している。
局所的な過熱があるのかもしれない。

以下は紹介されているゴールドバウムの研究である。

掲載誌：J Pediatr. 1984 Mar;104 (3):380-5.
タイトル：Rapid high-temperature treatment of human milk
研究者：Goldblum RM, Dill CW, Albrecht TB, Alford ES, Garza C, Goldman AS

Abstract
Increasing interest in feeding human milk to low-birth-weight infants raises concern about microbial contamination of milk that is pooled or stored.
低体重胎児への母乳授与の関心の高まりに応じて、貯蔵されたミルクの細菌汚染の恐れが増えてきている。

We examined the effect of rapid high-temperature treatment on bacteria and viruses and on the nutritional and immunologic quality of pooled human milk.
我々は貯蔵された母乳の免疫学的・栄養学的な品質とバクテリア・ウイルスに関する、急速高温処理にける効果を確認した。

Growth of endogenous bacteria and infectivity of added cytomegalovirus were undetectable after heating at 72 degrees C for 15 and 5 seconds, respectively.
内因性のバクテリアと、加えたサイトメガウイルスの伝染性の増加は、72℃で15秒間と5秒間の加熱後は、検出されなかった。

Folic acid and vitamins B1, B2, B6, and C were not affected, whereas bile salt-stimulated lipase was inactivated by these conditions.
葉酸・ビタミンB1 B2 B6とCは影響を受けず、胆汁酸塩で刺激した脂肪分解酵素はこれらの条件下では不活性であった。

The concentration of lactoferrin and secretory IgA, and SIgA antibody activity were not changed by heating at 72 degrees C.
ラクトフェリンとＩｇＡの分泌、抗体活性ＳＩｇＡは、72℃の加熱による変化はなかった。

BEMS注：ラクトフェリン：乳や、涙、唾液、血液などに存在する感染防御機能をもったタンパク質

Lysozyme concentration and enzymatic activity were increased significantly by heat treatment, suggesting that this component may be largely sequestered in milk.
リソゾーム濃度と免疫活性はこの加熱処理によって有意に増加した、これはミルクの中に隠れていた要素であるかもしれない。

Our findings suggest that rapid high-temperature treatment can reduce microbial contamination without destroying the unique nutritional and immunologic qualities of human milk.
我々の知見は、急速高温処理はミルクがもつユニークな栄養学的・免疫学的な品質を壊すことなく、細菌汚染を減らすことができると言える。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

ＢＥＭＳＪのコメント：
以上の情報の他に、他の研究論文も読まなければならないが、電子レンジでの母乳・ミルクの加熱への影響は、電磁波の影響ではなく、局部的にムラとして発生する局所的な過熱によるものかもしれない。

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１７Ｄ．電子レンジの加熱で変性という論の検証－3　　ビタミンＢ１２　に関する日本の研究

記：２０１６－２－２８

＊とある電子レンジは危険であるとする説のサイトに以下の情報があった。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
A Japanese study showed that just 6 minutes microwave heating turned 30-40 % of B12 in milk into inert form.
日本の研究で、電子レンジでの6分間の加熱で、ミルクのビタミンB12の30-40％が不活性化することが判った。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

このサイトでは、明確な論拠を示していないので、論拠を探してみることにした。

＊日本人の研究を少し詳細に紹介しているサイトがあった。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
Microwaving zaps milk vitamin
電子レンジ加熱はミルクのビタミンを殺す。

Dr. Fumio Watanabe of Japan’s Kochi Women’s University studied the effects of microwaving milk.
Heating samples for six minutes killed as much vitamin B12 as 35 minutes of boiling. In some cases 30-40% was lost.
日本の高知女子大学の渡辺文雄教授は、電子レンジでの加熱によるミルクの変化を研究した。
6分間の電子レンジ加熱されたサンプルでは、35分間の煮沸による加熱と同じ様に、ビタミンB12　を殺した。
場合によっては、30-40%のビタミンB12が失われた。

Microwaved milk was also compared to boiled milk (container in boiling water bath). While heating the milk up to 100 degrees C, microwaving caused greater B12 loss than boiling.
電子レンジで加熱されたミルクと、煮沸で加熱されたミルク（煮沸している水槽の中にミルクを入れた瓶を入れた間接加熱）と比較した。
100℃まで加熱した時、電子レンジでの加熱は煮沸で加熱した場合より、B12の破壊が多かった。

The longer the milk was boiled or microwaved the greater the loss but by six minutes microwaving or 30 minutes boiling the B12 loss was the same.　

ミルクを煮沸で長時間加熱や電子レンジでの加熱は、ビタミン12の破壊を進めるが、6分間の電子レンジ加熱と30分の煮沸加熱ではB12の損失は同じレベルである。

参考：Watanabe,F et al. Jnl. of Agricultural and Food Chemistry 1998; 46:206-10
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

＊以下の報告書にも、同様な記述がある。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
平成20年度厚生労働科学研究費補助金(循環器疾患等生活習慣病対策総合研究事業)
　　　日本人の食事摂取基準を改定するためのエビデンスの構築に関する研究
　　　　　　　一微量栄養素と多量栄養素摂取量のバランスの解明一
　　　　　　　主任研究者　　柴田　克己　　滋賀県立大学　　教授

Ⅳ.研究協力者の報告書
2.ビタミンB12に関する研究報告
研究協力者　　渡達　文雄　　鳥取大学　　教授

E.調理・加工処理における損失

日本人の中高齢者は、ビタミンB12を魚介類(77-84%)、肉類(5-13%)、牛乳および乳製品(3-6%)、藻類(1-6%)、卵(3-4%)、から摂取している。
若年成人においては、各食品からの摂取割合が若干異なるものの、同様な傾向を示している。

焼く・ゆでる・揚げるなどの加熱調理によるビタミンB12残存率は牛肉各部位で61-88%、牛内臓肉で54-98%、豚肉各部位で76-90%、豚内臓肉で68-100%である。
日本人の主要な供給源である魚肉においてビタミンB12の調理損失(85.2-97.7%残存)は非常に少ない。
また、調理に伴う食品の重量変化によるビタミンB12含有量の変化も少ないことが報告されている。

その他,牛乳中のビタミンB12は加熱調理により顕著に減少し、電子レンジ3分加熱および直火30分の加熱で約50%のビタミンB12が消失する＜BEMSJ注：参照文献は渡辺文雄の1998年論文＞。

また、光照射よる牛乳中のビタミンB2光分解に伴うビタミンB12の分解も報告されている。
ビタミンB12の加熱分解物が単離され、実験動物の静脈内に投与されたが、ビタミンB12の代謝系を阻害することはなかった。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

＊以下はPubmedにあった渡辺文雄の1998年論文である。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
掲載誌；J Agric Food Chem. 1998 Jan 19;46(1):206-210.
タイトル：Effects of Microwave Heating on the Loss of Vitamin B(12) in Foods.
研究者：Watanabe Fumio, Abe K, Fujita T, Goto M, Hiemori M, Nakano Y.
Department of Food and Nutrition, Kochi Women's University, Kochi 780, Japan, and Department of Applied Biological Chemistry, Osaka Prefecture University, Sakai 593, Japan
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

この論文のアブストラクトには、実験条件などは書かれておらず、アブストラクトだけでは理解ができない。Full Textは有料で入手できる。

＊纏め：
以上のことから、1998年の渡辺文雄の研究は、「電子レンジの電磁波が危険」という説の論拠の一つとして取り上げられているが、この研究は電磁波の直接影響を見たものではなく、加熱・局所的な過熱による効果と考えられる。

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１７E．電子レンジの加熱で変性という論の検証－4　　D-アミノ酸形成

記：２０１６－３－８

以下の研究がある、

掲載誌：Lancet. 1989 Dec 9;2 (8676):1392-3.
タイトル：Aminoacid isomerisation and microwave exposure. 電子レンジによる加熱とアミノ酸の異性化
研究者：Lubec G, Wolf C, Bartosch B.

この文献のアブストラクトはない。1ページにも満たない文章だけによる報告である。
化学に関する知識がないと、理解しにくい文章であるが、おおむね以下のことが書かれている。

『80℃の温水で間接加熱した場合と、電子レンジ加熱　ともに10分で、乳児用ミルクを加熱。
電子レンジでの加熱でのみ、Dプロリンが発生した（Dアミノ酸の1種のDプロリンが発生した、アミノ基が変性したという意味）』

どの位の量のミルクを、何度に加熱したかなどの記述はない。
電子レンジのマイクロ波による効果なのか、過熱もしくは温度上昇による効果なのか、記述はない。

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１７F．電子レンジの加熱で変性という論の検証－5　　D-アミノ酸形成を否定

記：２０１６－３－６

以下の研究がある。

掲載誌：International Dairy Journal　Volume 6, Issue 3, March 1996, Pages 231–246
タイトル：Heat treatment of milk in domestic microwave ovens　家庭用電子レンジによるミルクの加熱処理
研究者：R. Sieber, P. Eberhard, P.U. Gallmann

Abstract

This review deals with the “state of the art” regarding microwave heating of milk using household equipment with a frequency of 2450MHz.
このレビューは、2450MHzの周波数で動く家庭用電子レンジでミルクを加熱した時の最新の情報を纏めることにある。

The effect of microwave heat treatment depends on the quantity of the product and the geometry of the vessel used.
電子レンジによる加熱処理の効果は、温める食材の量と、食材をいれた容器の形状によって異なる。

Microwaves do not penetrate deeply into food which can lead to overheating at the surface or to insufficient warming of the total product.
電子レンジによる加熱は食材の奥深くまでは浸透しないので、表面部が過熱することになり、食材全体を十分に加熱できない。

In some cases, infant formulae heated to too high temperature by microwaves were found to be hazardous for infants due to scalding and burning.
場合によっては、電子レンジによって幼児用人工ミルクは異常な高温に熱せられ、幼児が火傷するほどの高温や焦げたりして、危険である。

The literature on the effects of microwave heat treatment on microorganisms and nutrients in milk, such as proteins, enzymes and vitamins, is inconsistent.
微生物学的・栄養学的（蛋白質、免疫機能、ビタミン）な電子レンジによる加熱処理の効能に関しては、一致した結果はない。

Reported values are combined in tabular forms.
報告されている研究結果は表にまとめた。

Different parameters are included such as the conditions of heat treatment, type and volume of product, the power of the oven, the temperature and time of exposure.
加熱処理方法の条件、食材の種類と量、電子レンジの電力、温度と加熱時間等様々な因子がある。

The formation of D-amino acids in microwave heat-treated milk, which was indicated some years ago, results from extreme heat.
数年前に報告された電子レンジによる加熱でのD－アミノ酸の形成は、加熱過ぎ（過熱）によるものである。

Household equipment does not use these conditions.
家庭用機器はこうした条件では使用されない。

Therefore, fears about the formation of D-amino acids in microwaved milk can be ignored.
従って、電子レンジ加熱されたミルクのD―アミノ酸形成に関する心配は、無視することができる。

Biological experiments showed no evidence for the hazards of microwave heat treatment of milk.
生物学的な実験では、電子レンジで加熱したミルクが危険であるとの確証はない。

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１７G．電子レンジの加熱で変性という論の検証－6　　D-アミノ酸形成を否定

記：２０１６－３－１０

以下の研究がある。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
タイトル：D-Amino acids in reconstituted infant formula: A comparison between conventional and microwave heating
　幼児用人工ミルクを、水を加えて元に戻す時のDアミノ酸：通常の加熱と電子レンジでの加熱の比較
研究者：R Marchelli,*, A Dossena, G Palla, M Audhuy-Peaudecerf, S Lefeuvre, P Carnevali and　M Freddi
掲載誌：Journal of the Science of Food and Agriculture　Volume 59, Issue 2, pages 217–226, 1992

Abstract

It was recently claimed that microwave heating of reconstituted formulas for infants could induce racemization of amino acids, in particular, of proline.
人工ミルクに水を加えて元に戻すために電子レンジで加熱した場合、アミノ酸、特にプロリンにおけるラセミ化が起こるという最近の研究がある。

In the present work we investigated the presence of D-amino acids in different samples of a reconstituted infant formula heated by a conventional heat-transfer way (oil bath), in a commercially available domestic microwave oven and in a wave-guide device.
本研究では、通常の熱伝達方法（加熱したオイルに入れた間接加熱）、市販されている電子レンジでの加熱と導波管を使った電磁波発生装置での加熱の方法によって、人工ミルクに水を加えて元に戻した時にDアミノ酸の存在を、調査した。

The analyses were carried out both by gas chromatography and by high performance liquid chromatography.
解析はガスクロマトグラフィとより高性能な液体クロマトグラフィーによった。

The presence of D-enantiomers was determined both in proteins after hydrolysis (6 M HCl at 100°C for 6 h) and in the free amino acid pool.
D型鏡像異性体の存在は、100℃6時間の加水分解とアミノ酸の無い状態で、両方の蛋白質の決定で行った、

＜BEMSJ注：エナンチオマー（Enantiomer）とは、D-グルタミン酸とL-グルタミン酸のように“重ね合わせることの出来ない鏡像体”のことであり、鏡像異性体とも言われる。＞

Regarding protein-bound amino acids, there is no evidence of racemization in all samples examined under the different experimental conditions (conventionally and microwave-treated samples).
アミノ酸に結合した蛋白質に関しては、異なる方法で加熱した全てのサンプルでラセミ化の確証はなかった。
＜BEMSJ注：加熱によるミルクの変性はなかった。＞

＜BEMSJ注：ラセミ化 (racemization) とは有機化学や無機化学においてある物質がキラリティーを持っているとき、量が多い方のエナンチオマーがもう一方のエナンチオマーに変わることによって系の鏡像体過剰率(ee)が減少、または消失するような化学反応。反応の要因は熱、あるいは酸や塩基などの反応剤である。＞

In particular, D-proline was not detected at least above 1 mg litre−1 in proteins and above 20 μg litre−1 in free amino acids.
特に、Dプロリンは蛋白質1リットル当たり1mgを超える量は検出できず、アミノ酸の無い状態で1リットル当たり20μgを超える量は、検出できなかった。

Although small percentages (D/D + L %) of D-glu and D-asp and higher percentages of D-ala were detected among free amino acids, in all samples, no significant differences could be found between untreated and treated samples.
僅かなD-gluとD-aspと、高い確率でのD-alaは全てのサンプルで、アミノ酸の無い状態では検出されたが、ミルクを加熱したものと過熱しないものの間に差異はなかった。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
以上は、電子レンジのよる加熱によるアミノ酸の変性を認めなかった研究。
加熱条件などの詳細は不詳、

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１７H．電子レンジの加熱で変性という論の検証－7　　牛乳の変性はなかった研究

記；２０１６－３－１１

掲載誌：International Journal of Food Engineering volume 8, Issue 1 (Jan 2012)
タイトル：The Effect of Microwave Pasteurization on Some Physical and Chemical Characteristics of Milk
ミルクの物理的・化学的な特性に関する電子レンジによる加熱殺菌法の影響

研究者：Afsaneh Dehghan / Jalal Jamalian / Asgar Farahnaky / Gholamreza Mesbahi / Marzieh Moosavi-Nasab

abstract:
In this research, cow’s milk was pasteurized using microwave (MW) or HTST methods and their effects on some milk components were studied.
本研究では、牛乳を電子レンジもしく一般的な高温短時間殺菌法で加熱殺菌を行い、牛乳の成分に関する影響を調べた。

＜BEMSJ注：牛乳など食品の殺菌方法HTST（High temperature short time method sterilization）は高温短時間殺菌法とも呼ばれる。概要通常、72 ～75 で15秒間、流体食品を加熱して殺菌する手法のこと。＞

The results showed no differences between some physico-chemical characteristics like protein, fat, acidity, and solubility percentages due to heat treatments with either MW or HTST and the control samples.
対照と高温短時間殺菌法および電子レンジでの加熱処理に因る可溶性、酸度、脂肪、タンパク質などの物理化学的な特性に関して、差異はないという結果であった。

The contents of six amino acids (aspartic acid, glycine, glutamic acid, histidine, arginine, and lysine in mg/L) and fatty acids (weight percentage) showed no significant differences using either MW or HTST pasteurization method.
6種のアミノ酸の内容と脂肪酸に関しては、電子レンジと高温短時間殺菌法で処理した牛乳間に差異はなかった。

There were slight but insignificant differences in trans-fatty acid and D-amino acid contents in the milk pasteurized with either MW or HTST method.
電子レンジと高温短時間殺菌法での殺菌処理した牛乳に、トランス脂肪酸とDアミノ酸の成分に、統計的に有意ではないが、少しの差異が認められた。

SDS-PAGE and HPLC analysis of milk proteins did not reveal any differences between the pasteurization methods.
牛乳の蛋白質のSDS-PAGE解析とHPLC解析では、加熱殺菌法間の違いを明らかにしなかった。

It was finally concluded that MW heating is a good alternative to HTST pasteurization.
結果として、電子レンジによる兼ねるは高温短時間加熱殺菌法の代用として有効であると結論づけた。

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１７I．電子レンジの加熱で変性という論の検証－8　　D-アミノ酸形成を否定

記；２０１６－３－１２

以下の研究がある。

掲載誌：J Am Coll Nutr. 1994 Apr;　13(2):209-10.
タイトル：D-aspartate and D-glutamate in microwaved versus conventionally heated milk.
　電子レンジと通常の加熱方法におけるD-アスパラギンとD－グルタミン
研究者：Petrucelli L, Fisher GH.

Abstract

OBJECTIVE:
It has been reported that microwave heating of infant formulae can isomerize and racemize amino acids in the milk proteins, causing toxicity or affecting the nutritional value of the milk formulae.
目的：人工ミルクの電子レンジでの加熱はミルクの蛋白質を異姓体化とラセミ化するので、発がん性を呈したり、人工ミルクの栄養価に影響したりするという報告がある。

Therefore, we investigated whether microwave heating vs conventional heating would produce any D- enantiomers of aspartic acid (Asp) and glutamic acid (Glu) in milk.
そこで、我々は通常の加熱方法に比較して電子レンジでの加熱処理がミルクのアスパラギン酸とグルタミン酸のD－鏡体異性化を起こさせるかを調査した。

METHODS:
Whole and skim milk samples were heated for 10 minutes in either a microwave oven at medium power or on a hot water bath at 80 degrees C.
D-Asp and D-Glu were determined by high performance liquid chromatography.
方法：ミルクの全成分とスキムミルクのサンプルを電子レンジの中火力か、80℃の温水漕の中で、10分間加熱した。
Dアスパラギン酸とDグルタミン酸は高性能な液体クロマトグラフィーで検定した。

RESULTS:
Unheated (control) samples were found to contain 0.40-0.45% D-Asp and D-Glu, inherent from the original pasteurizing process. Both conventional heating and microwave heating induce < 0.25% more racemization when compared to the control samples.
結果：加熱処理しないサンプルにはDアスパラギン酸とD-グルタミン酸が、固有のものとして、0.40－0.45％含まれていた。
通常の加熱方法（80℃の温水漕）と電子レンジで加熱した場合は、加熱処理しない対照群と比較して、ともに0.25％以下のラセミ化が増加していた。

CONCLUSION:
Within experimental error, there is no significant difference in the levels of these D-amino acids between the conventionally heated and microwave heated milks, thus having no significant effect on the nutritional value of the milk proteins.
結論：実験の誤差の範囲で、通常の加熱と電子レンジで加熱したミルクにおけるDアミノ酸化のレベルに差異はなく、ミルクの蛋白質の栄養価に有意な影響はない。

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１７J．電子レンジの加熱で変性という論の検証－9　レビュー論文

記；２０１６－３－１４

以下の研究がある。

掲載誌：Crit Rev Food Sci Nutr. 1982; 16(4):355-81.
タイトル：The effect of microwaves on nutrient value of foods.　電子レンジでの調理による食物の栄養価の変化
研究者：Cross GA, Fung DY.

Abstract

Microwave cooking has gained considerable importance as an energy-saving, convenient, and time-saving cooking method.
電子レンジによる調理はエネルギーの節約でき、簡便で、時間の節約出来る調理法として考慮に値する重要性を得てきている。

This article reviews the state of the art of microwave cooking and the existing publishing data on the effects of microwave cooking on nutritive values of moisture, protein, carbohydrate　, lipid, minerals, and vitamins.
本研究では、電子レンジでの調理によるビタミン、ミネラル、脂質、炭水化物、タンパク質。水分などの栄養価の変化に関する発行済みの情報と、電子レンジによる調理法の最新状況をレビューする。

Most reports indicated that microwave cooking resulted in higher moisture losses compared with conventional methods.
殆どの研究結果では、通常の方法に比較して、電子レンジでの調理ではより多くの水分の減少することが報告されている。

Overall, the nutritional effects of microwaves on protein, lipid, and minerals appear minimal.
概観すると、蛋白質、脂質、ミネラルに関する電子レンジでの調理による効果は少ないように見える。

There is no report on the effects of microwaves on carbohydrate fraction in foods.
電子レンジでの調理による炭水化物の変化に関する報告はない。

A large amount of data is available on the effects of microwaves on vitamins.
電子レンジでの調理によるビタミンの変化に関する報告は多い。

It is concluded that there are only slight differences between microwave and conventional cooking on vitamin retention in foods.
電子レンジによる調理と通常の調理による食物のビタミンの残留量の違いはほんの僅かであると結論付けた。

In conclusion, no significant nutritional differences exist between foods prepared by conventional and microwave methods.
結論として、通常と電子レンジによって調理された食物の間には、栄養価の違いはない。

Any differences reported in the literature are minimal.
これまでに刊行された文献で報告された全ての偏差は極小である。

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１７K．電子レンジの加熱で変性という論の検証－10　問題はないとする論文

記；２０１６－３－１４

以下の研究がある。

掲載誌：Pediatrics. 1992 Sep; 90(3):412-5.
タイトル：Microwave heating of infant formula: a dilemma resolved.　電子レンジでの幼児用人工ミルクの加熱：ジレンマの解決
研究者：Sigman-Grant M, Bush G, Anantheswaran R

Abstract

Microwave heating of infant formula is a common practice despite concerns of infant scalding.
電子レンジでの幼児用人工ミルクの加熱は、幼児の火傷の恐れがあっても一般的な実用法である。

Beyond the issue of physical safety, little is known about the effects on nutrient content of microwave heating of infant formula.
体の安全に関する課題として、幼児用人工ミルクの電子レンジでの加熱による栄養価の変化に関しては殆どわかっていない。

Casein-predominant infant formula in 120- and 240-mL glass and plastic nursing bottles of varying colors were heated for 40 seconds and 60 seconds, respectively.
カゼインを主原料とした人工ミルクを、120ミリリットルと240ミリリットルのガラスとプラスチックの授乳用ビン（様々な色のビン）に入れて、40秒もしくは60秒間、加熱した。

注：カゼイン：乾酪素《牛乳の中のたんぱく質；チーズの原料》.

Temperature profiling was monitored during the heating cycle.
加熱中に、温度上昇の分布を測定した。

Analysis of riboflavin and vitamin C was made prior to and after heating.
成長促進要素とビタミンを。加熱前と加熱後に解析した。

注；リボフラビンは成長促進要素

Topmost portions reached a mean temperature of 44.7 +/- 1.7 degrees C and 43.0 +/- 2.4 degrees C for all types of 240-mL and 120-mL bottles, respectively.
240ミリリットルと120ミリリットルのビンは、それぞれ、最も高い温度として、平均温度44.7+/-1.7度、43.0+/-2.4度に達した。

Topmost temperatures were significantly hotter than temperatures reached at other sites.
最も高くなった場所は反対側に比べて、有意に温度が高くなっていた。

Routine mixing resulted in formula temperatures which could safely be fed to infants (35.4 +/- 0.3 degrees C and 33.9 +/- 0.2 degrees C for 240-mL and 120-mL bottles, respectively).
人工ミルクを混ぜ合わせることによって、幼児に安全な温度にすることができた（240ミリリットルと120ミリリットルのビンでは、其々35.4+/-0.3℃、33.9+/-0.2℃）。

There was no significant loss of either riboflavin or vitamin C.
成長促進要素とビタミンに関しては、有意な減少はなかった。

Protocols for microwave heating are given.
電子レンジでの加熱に関する処理方法が明確になった。

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１７L．電子レンジに関するリタ・リーの研究の調査

記：２０１６－３－１９　

＊以下はとあるサイトにあった情報です。

電子レンジでの加熱で食材の変性があり、危険と主張しています。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
私は今までレンジを10年以上避けてきたのですが、今回この事を書くためにもう一度いろいろ調べていたら、もっと恐ろしい事を知ってしまいました。
私も正直調べていくうちに、びっくり仰天！
海外ではさまざまな臨床実験も行われていて、大変な事が分かってきています。

●ランセット誌1989年12月9日号に掲載されたリタ・リー博士の論文
乳児用ミルクを電子レンジ加熱すると、ある特定のトランスアミノ酸が合成シス異性体に変化した。
さらに、Ｌプロリンというアミノ酸の一種は、神経毒性と腎毒性があることで知られるD異性体に変化した。

●1991年ロシアのリタ・リー博士の臨床実験結果
電子レンジ調理をした肉に、Dニトロソディンタノラミンという発がん性物質が発生した。
電子レンジ調理された牛乳と穀物シリアルのアミノ酸の一部が、発がん性物質に変化した。
電子レンジで解凍した果物に含まれるグルコンドとガラクトシドが、発がん性物質に変化した。
生野菜、調理済野菜、冷凍野菜に短時間強いマイクロ波を照射したところ、植物性アルカロイドが発がん性物質に変化した。
実験された全ての食べ物の食品としての価値（ビタミンＢ複合体、ビタミンC、ビタミンE、ミネラル）が60%から90%低下することにつながる構造上の劣化現象が、顕著に見られた。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

＊さて、上記のサイトに紹介されたリタ・リーの研究に関して、元ネタを探ってみる。

Lancetのサイトで　Lita　Leeで検索するが、何もヒットしない。
Lancetでmicrowave cooking で検索してもLita　Leeが関係したと思われる論文は、ヒットしない。
Pubmedでは　Lita　Leeの関連する論文はヒットしない。

とあるサイトにあった情報で、BEMSJと同じことを考えた人がいた。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
さて、ではあのランセット誌に掲載されたというLita Lee博士の論文をご紹介・・・と思ったのですが、残念ながら発見できませんでした。
1989年のランセット論文を調べても出てきません・・・年代を絞らずに「Lita Lee」で調べてみても不発。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

とある英文サイトに
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
In another book entitled Health Effects of Microwave Radiation, author Dr. Lita Lee also expressed his concern over the use of microwaves.
その他に、Lita　Lee博士の著で“Health Effects of Microwave Radiation”という本の中で、電子レンジの使用による不安を表現している。

Dr. Lee observed that the symptoms listed above could be caused by certain observations shown below.
Lee博士は以下に示す症状は以下に示す特定の観察によって起こされるということを見出した。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

この情報ではLeeは電子レンジの効果に関する本を出している。
しかし、Amazonでチェックしたが、この本はヒットせず。
どの本屋から何時発行されたのかは判らなかった。
Lita　LeeはWEBサイトを構築しており、そのサイトでもこの本の販売に関する告知も紹介記事も見つからなかった。

また、以下の情報があり、なにやら健康に良いとする「癒しグッズ」を販売している。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
Further to this, the article relies on a 'study' for it's data on this by Lita Lee (Phd)...
Who's website you can find here, selling you 'healing enzymes' –http://www.litalee.com/shopexd.asp?id=182
これに加えて、リタ・リー博士による本件に関するデータの研究による記事は・・・・・
関連するリタ・リーのWEBとして以下のものがある、“酵素（エンザイム）癒し”を売っている。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

以下はLita　LeeのWEBにある自己紹介である。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
Lita Lee, Ph.D. is a chemist, enzyme therapist, nutritionist, author and lecturer and has been in private practice since 1984.
リタ・リー博士は化学者、酵素癒し屋、栄養学者、講演者であり、1984年から個人対応を行ってきた。

Her clients span the globe from the United States, Canada, Mexico, the Bahamas, Israel, England, Turkey, France, Ireland, Japan, South Africa, the Philippines and Australia.
彼女の顧客は世界中の、アメリカ・カナダ・メキシコ・バハマ・イスラエル・英国・トルコ・フランス・アイルランド・日本・南アフリカ・フィリピン・オーストラリアに広がっている。

People find out about Dr. Lee from her lectures, TV and radio shows plus her books, articles and newsletters as well as the Internet. Dr. Lee has an office in Portland, Oregon.
皆さんは講演・テレビ・ラジオ・著書・記事やニュースレターの他に、インターネットでリタ・リーを知ることができる。　彼女はオレゴン州ポートランドに事務所を持っている。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

＊Lita　Leeが販売している物品の例

何やらストレスを和らげるというグッズである。

＊BEMSJの結論
・WEBに広く流れている「リタ・リーのLancetの1989年の研究、1991年の研究」という情報は誤りであろう。
・電子レンジでの調理加熱に関連する実験研究などを行っている研究者ではないと思われる。リタ・リーは自ら研究した結果をそうした研究論文としては発表していない、と思われる。
・強いて言えば、リタ・リーは講演や著述で、他の研究者の結果を引用しているかもしれない。そうした引用を、彼女の研究として受取り、ネット上に流れているのかもしれない。
・リタ・リーは化学者として博士号は持っている。エンザイム（酵素）を強める・・・・といったセラピニストである。
・その為にWEBを構築し、物品を販売し、その一環として電子レンジの調理法の問題を指摘している。
・よって、「リタ・リーの研究・・・」は電子レンジの調理に伴う危険性の判断には、採用できない単なるネタであると言える。

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１７Ｍ．電子レンジの加熱で変性という論の検証－1１　問題はないとする論文

記：２０１６－３－２２

以下の研究論文がある。

掲載誌：. Agric. Food Chem., 1991, 39 (10), pp 1857–1859
タイトル：Evidence for the absence of amino acid isomerization in microwave-heated milk and infant formulas　
電子レンジで加熱されたミルクと幼児用人工ミルクにおけるアミノ酸の異性化は無いとする確証
研究者：Laurent Fay, Urs Richli, Remy Liardon

ABSTRACT
According to a recent paper (Lubec et al., 1989), microwave heating of milk or reconstituted infant formulas could induce the inversion of amino acid residues to a significantly higher extent than conventional heating.
最近のＬｕｂｅｃらの1989年の研究で、電子レンジで加熱されたミルク及び水を加えて元に戻した幼児用人工ミルクでは、通常の加熱処理されたものに比べて、有意に高いアミノ酸の変性が起こることが報告されている。

In this study, UHT milk and three different infant formulas were heated under two sets of conditions: 600 W for 3 min and 70 W for 20 min.
本研究では、ＵＨＴミルクと3種の幼児用人工ミルクを、2種類の条件（600Ｗで3分間、70Ｗで20分間）で加熱した。

When the proportions of D-amino acids were measured after acid hydrolysis, no significant difference could be found between untreated and treated samples.
加水分解してからＤアミノ酸の割合を調査した。結果は加熱処理しないミルクと加熱処理したミルクとの間に差異はなかった。

On the basis of these results, it is concluded that heating of milk or infant formula in a microwave oven under conditions corresponding to those normally applied for heating food does not induce significant inversion of protein-bound amino acids.
この結果から、食物の加熱法として一般的に利用されている条件下での、電子レンジによるミルク及び幼児用人工ミルクの加熱は、蛋白質・アミノ酸の有意な変性は無いと結論付けた。

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１７Ｎ．電子レンジの使用に関するアメリカ・カナダのNPO法人公益科学センター２００５年刊行物

記；２０１６－３－２３

Nutrition Action Health letter＜アメリカ・カナダのNPO法人「公益科学センター」の機関が発行＞
April 1, 2005
by Schardt, David

著者はCenter for Science in the Public Interest – Canadaに所属
原典のHealth Letter（英文）は　こちらに

以下に、必要と思われる個所を和訳した。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
Microwave myths　マイクロ波に関する作り話
Fact vs Fiction 事実と想像

It all started with Hans Hertel.
全てはHans Hertelから始まった。

The Swiss food chemist and seven fellow vegetarians confined themselves to a hotel for two months in the late 1980s.
There, they consumed milk and vegetables prepared in the microwave oven and in other ways.
スイスの食品化学者と、仲間である7人の菜食主義者は1980年代後半に2ヶ月間ホテルに自らを閉じ込めた。
そこで、彼らは電子レンジや他の方法で処理した牛乳や野菜を摂取した。

Hertel emerged with an astonishing pronouncement.
Eating microwaved milk and vegetables caused changes in the men's blood that "appear to indicate the initial stage of a pathological process such as occurs at the start of a cancerous condition."
Hertelは驚くべき主張をぶち上げた。
電子レンジで処理された牛乳や野菜の摂取は、人の血液に変化を引き起こし、「ガン性状態の開始時のような病理学的プロセスの初期段階を示す」。

Hertel didn't actually find that microwaved food caused cancer.
And his "study," which no researchers have tried to reproduce, was never peer-reviewed of published in a scientific journal.
Hertelは、実際には電子レンジで処理された食品がガンを引き起こす事実を発見できなかった。
そして他の研究者がだれ一人も再現してみようとしなかった彼の "研究"は、科学雑誌で公開するために査読されることは決してなかった。

"Without knowing more about how he conducted his study, what he measured, how he measured it, and what he found, it's impossible to　even begin to evaluate his findings," says Barry Swanson, a food scientist at Washington State University in Pullman.
「なにを測定したのか、どうやって測定したのか、そしてなにを見つけたのか。彼がどのように研究を行ったのか、もっと詳しく分からなくては、彼の研究結果について評価を開始することさえ不可能です」プルマンにあるワシントン州立大学の食品科学者、Barry Swansonは言う。

Hertel has dropped out of public view.
So has William Kopp, described only as a "U.S. researcher," who wrote an article in 1996 claiming that Cold War research in the Soviet Union had proven the dangers of microwave ovens.

ハーテルが公衆の前から消えた。
そしてWilliam Koppは「アメリカの研究者」として唯一、この件を書き続けた。
彼は、冷戦時代のソ連は電子レンジの危険性を確認しているという記事を1996年に書いた。
＜BEMSJ注：この文書にはこの1996年文書の原典名などの紹介はない。＞

"People who ingested microwaved foods showed a statistically higher incidence of stomach and intestinal cancers, plus a generaldegeneration of peripheral cellular tissues and a gradual breakdown of the function of the digestive and excretory systems," Kopp wrote.
「電子レンジで食品を摂取した人は、胃や腸の癌の統計的に有意に高い発生率に加えて、周辺の細胞組織の一般的な変性、消化と排泄システムの漸進的な機能低下を示した」とWilliam Koppは書いている。

The Soviet research was never published and the institute where it was conducted, in what is now the Republic of Belarus, no longer exists. (The former Soviet Union may have banned microwave ovens for a short period, but no countries ban them today.) Kopp himself reportedly changed his name and vanished, believing that the appliance industry was out to persecute him.

ソ連の研究は決して公表されることはなかった。
現在のベラルーシ共和国にあってそれを研究した機関は、もはや存在しない（旧ソ連は短い期間電子レンジを禁止していたかもしれないが、今日では禁止している国などない）。
聞くところによるとKoppは改名し、なりを潜めてしまったが、それは家電業界が彼を迫害しようとしたためだと信じられている。

While Hertel and Kopp are no longer around, their unsubstantiated charges are all over the Internet.
ハーテルとKoppは現在では活動していないが、彼らの根拠のない告発はインターネット上に広がっている。

“The prolonged eating of microwaved foods causes cancerous cells to increase in human blood,” says “10 Reasons to Throw Out your Microwave Oven,” an article by Joseph Mercola, an Illinois alternative medicine physician who operates what he says is the “#1 Natural Health Site” on the Internet (www.mercola.com).
「電子レンジで調理された食材を長期にわたって食べれば、ヒトの血液中に癌性の細胞が増殖する」は、「電子レンジを捨てる10の理由」であると、イリノイ州の代替医学者であるMercolaは、彼が運営しているインターネットの「#1 Natural Health Site」というサイトの記事の中で述べている。（参照：www.mercola.com）

Foods cooked in microwave ovens are “a recipe for cancer,” adds medical journalist Simon Best on his Electromagnetic Hazard and Therapy Web site (www.em-hazard-therapy.com).
電子レンジで調理された食物は「癌への道」であると、医学ジャーナリストのBestは、彼が運営するElectromagnetic Hazard and Therapy Web site (www.em-hazard-therapy.com)というサイトで、述べている。

Hertel and Kopp aside, here’s what we know about microwave ovens.
ハーテルとＫｏｐｐはさておき、以下に、我々が知っている電子レンジについて述べる。

Inside the Microwave　電子レンジの内部

（中略）

"While X-rays, gamma radiation [though not irradiated food], and even sunlight can cause cancer, microwave radiation cannot because it simply doesn't pack enough power to damage your DNA," says Gary Zeman of the Health Physics Society in McLean, Virginia.
The Society is a nonprofit scientific organization that promotes radiation safety.

「X線、ガンマ線（照射されない食物であっても）、あるいは日光でさえ、ガンを引き起こす可能性があるが、マイクロ波にはその可能性は無い。
それは単純に、マイクロ波がDNAに損傷を与えるほどのパワーを有していないからだ」とバージニア州、マクリーンにある保健物理学会（放射線の安全を推進する非営利の科学的な組織）のGary Zemanはそう述べている。

（中略）

Cancer　癌について

Forget the charges floating around the Internet.
The “evidence” that microwaved foods cause cancer boils down to Hans Hertel’s and William Kopp’s claims.
インターネット上に流れている告発を忘れましょう。
電子レンジでの調理された食物が癌を起こすという確証はハーテルとKoppの意見に集約される。

“There is nothing solid,” says Lawrence Livermore’s Jim Felton, who is also associate director for cancer control at the Cancer Center at the University of California, Davis.
「信頼できるのもはない」とLawrence Livermoreの Jim Feltonは言う、彼はカルフォルニア・Davis大学の癌センターのガン管理の副監理官である。

That may explain why scientists haven't spent time and money looking for a link. "I can honestly tell you that I have never seen a valid scientific study--and I pay attention to most of the cooking research out there--that has given us reason to test whether microwaving food could cause cancer," says Felton.　"In fact, my research suggests just the opposite."
科学者は、時間とお金を費やして関連を調べようとしない理由を説明することがある。
「率直に言うと、私は、電子レンジで食品が癌を引き起こすことができるかどうかをテストするための理由になるような、有効な科学的研究を - 私はそのような調理に関する研究のほとんどに注意を払っているのだが - 一度たりとも見たことがない」とFeltonは述べている。

「実のところ、私の研究はまったく反対のことを示唆している。」

Grilling or frying meat and poultry can create heterocyclic amines, which may cause cancer.
When Felton and his colleagues briefly microwaved meats and drained off the juices before grilling, most of the precursors of those potential carcinogens were lost along with the juices.
肉や七面鳥を網焼きや油で炒めることは、発がん性があるかもしれない複素環式アミノ酸を生み出している。
Feltonと共同研究者が肉を電子レンジで調理し、網焼きの前に肉汁を外に出した時、発がん物質の先駆体のほとんどが肉汁とともに失われた。

“I generally recommend that patients microwave their meats for one to five minutes and discard the juices before grilling,” says researcher Cyndi Thomson of the Arizona Cancer Center at the University of Arizona in Tucson.
「私は、患者に網焼きする前に肉汁を捨て、それから１分から５分間、肉を電子レンジで調理することを常々に水推奨している」と、Tucsonのアリゾナ大学のアリゾナがんセンターの研究者Thompsonは言う｡

Nutrients 栄養

If you microwave your food, “you’re zapping away nutrients and risking your health,” charges physician Joseph Mercola, who recommends that consumers get rid of their microwave ovens and eat at least a third of their food raw.
もし食物を電子レンジで調理したら、「栄養素を殺し、健康にリスクをもたらす」と、医学者のMercolaは告発する、彼は、消費者は電子レンジを処分し、食材の３分の１は生で食べることを推奨している。

"Actually, microwaving retains more nutrients than other forms of cooking, if you don't use a lot of water and don't overcook the food," says food scientist Barry Swanson.
「実際には、水を多用せず、過剰に調理しなければ、電子レンジの使用は他の調理方法よりも多くの栄養素を保持する」と食品科学者Barry Swansonは言う。

"For some reason, people think heat breaks down vitamins, but most vitamins are really very stable to heat. Nutrients are mostly lost into the water, and there's no reason to add water to vegetables or anything else that already contains a lot of water."
「なんらかの理由で、人々は加熱がビタミンを破壊すると考える。しかし、ほとんどのビタミンは、実際には熱に対して非常に安定である。栄養素の多くは水に溶け出して失われる。そして野菜、あるいはもともと水分を多く含んでいるものすべてには、多量の水を追加する理由はない。」

Too much water was apparently the problem in a 2003 study in which European researchers reported that microwaving broccoli in a bowl of water destroyed nearly all of several flavonoids, while steaming had only a mild effect on them. (Flavonoids are plant compounds that may help protect against heart disease and cancer, though the evidence is scanty.)
2003年にヨーロッパの研究者が、ボウルの水の中のブロッコリを電子レンジで調理した時、数種類のフラボノイドのほとんど全てが破壊された（スチームによる調理の場合は、ごく軽い影響のみだった）と報告しているが、この結果は過剰な水に原因があったと見られる。（フラボノイドは、証拠は不十分ではあるが、心臓発作やガンから守ってくれるとされる植物の成分）

That research isn't relevant to household microwaving, says Swanson. "Basically, the researchers added far too much water and　microwaved the living daylights out of the broccoli."
その研究は家庭での電子レンジの使用と関係がない、とSwansonは言う。
「基本的に、その研究者はあまりにも多くの水を加えて、電子レンジで調理している。これはブロッコリの調理としては通常では考えられない」

Wrapps,Containers,& Packageng 包みや入れ物、包装

（中略)
（包装容器などから溶け出す恐れに関する記述：割愛）

Do microwave ovens leak radiation? 電子レンジから電磁波がもれることはあるのだろうか？

"The FDA discontinued field testing them in the early 1980s, in part because of budget cutbacks and in part because few ovens didn't meet federal safety standards," says George Kraus of the agency's Center for Devices and Radiological Health.
「FDAは1980年代初めに、電子レンジのテスト実施を中止した。理由のひとつは予算削減だが、別の理由は連邦の安全基準を満たさない電子レンジがほとんど無かったためだ」と、医療機器・放射線保健センター庁のGeorge Krausは言う。

In 2000, Health Canada (the Canadian equivalent of the Department of Health and Human Services) tested 60 new microwave ovens and103 used ovens. None of the new ones, and only one of the used ones, exceeded Canada's stringent leakage limits, which are similar to the U.S. limits.
The one oven that failed was 23 years old.

2000年には、カナダ保健省(保健社会福祉省に相当するカナダの省庁)が、60台の新品の電子レンジおよび103台の中古の電子レンジをテストした。
カナダの厳格な漏洩限度を越えたのは中古品のうちのたった1台で、新品では皆無だった。
この漏洩限度値は米国の規定とほぼ同順なものである。
限度を越えた1台は、23年前の中古の電子レンジだった。

"Leakage of microwaves can only occur if the cooking chamber--including the metal grid over the front window and the seals around the door--has holes in it," says the University of Virginia's Louis Bloomfield.
「マイクロ波の漏洩が生じる可能性があるのは、電子レンジの筐体(正面の窓を覆う金属グリッドおよびドアのまわりのシールを含む)に穴があいているときだけだ」とバージニア大学のLouis Bloomfieldは言う。

And even in the unlikely event that your microwave does leak, you're not going to be showered with radiation.
Microwaves lose intensity rapidly as they spread out.
By the time they've traveled a foot of so from a small leak, they've effectively disappeared.
また、マイクロ波漏洩というありそうもない出来事が起こったとしても、電磁波を大量に浴びるということにはならないだろう。
マイクロ波は拡散するとともにその電磁波強度が急速に低下する。
小さな漏れ口から1フィートの空間を伝搬する間に、それらは事実上無視できるレベルに低下してしまう。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

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１７NA．Koppの原典は？

１７Nで
「ハーテルが公衆の前から消えた。
そしてWilliam Koppは「アメリカの研究者」として唯一、この件を書き続けた。
彼は、冷戦時代のソ連は電子レンジの危険性を確認しているという記事を1996年に書いた。」　とある。

BEMSJ注：この17Nで紹介した文書にはこの1996年文書の原典名などの紹介はない。

原典はどこにあるか？

発行年は不詳で、以下の文書があることは、様々なWEBサイトで紹介されている。
この原文ファイルは、ネット検索では見つからない。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
FORENSIC RESEARCH DOCUMENT
Prepared By: William P. Kopp
R. E. C. Research Operations
TO617R10/1077F05
RELEASE PRIORITY: CLASS I ROO1a
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

以下の雑誌に転載されていた。　原文　PDFファイルはこちらへ

掲載誌：The Journal of Natural Science Volume 1 No. 1　April June 1998
タイトル：Effects of Microwaves on Humans
FORENSIC RESEARCH DOCUMENT T061-7RIO/10-77F05;
RELEASE PRIORITY: CLASS 1 ROOla
著者：William P. Kopp　Portland, Oregon, U.S.A.

1976年にソ連の法規制に関連する箇所のみを以下に引用する。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
BIOLOGICAL EFFECTS OF EXPOSURE
曝露による生物学上の影響

Exposure to microwave emissions also had an unpredictably negative effect upon the general biological welfare of humans.
マイクロ波に曝露すると、ヒトの生物学的な健康状態に予期せぬ有害な影響がもたらされる。

This was not discovered until the Russians experimented with highly sophisticated equipment and discovered that a human did not even need to ingest the material substance of the microwaved food substances: that even exposure to the energy-field itself was sufficient to cause such adverse side effects that the use of any such microwave apparatus was forbidden in 1976 by Soviet state law.
このことは、ロシアにおいて非常に高度な機器を用いた実験が行われるまでは判らなかった。そして、ヒトは電子レンジ調理された食べ物に含まれる物質を摂取する必要さえないことが判った。電磁波への曝露は、1976年ソビエト連邦の法律により禁止されたそのようなマイクロ波機器の使用が、マイクロ波の有害な副作用をもたらすには、十分である。

The following are the enumerated effects:
以下は、列挙されたその影響である。

1. A breakdown of the human "life-energy field" in those who were exposed to microwave ovens while in operation, with side-effects to the human energy field of increasingly longer duration;
稼動中の電子レンジにさらされた人の「生命エネルギー場」が破壊される。それは、生命エネルギー場の周期がより長くなるという副作用を伴う。

2. A degeneration of the cellular voltage parallels during the process of using the apparatus, especially in the blood　and lymphatic areas;
機器の作動中に、細胞の電位平衡性が、とりわけ血液とリンパ系において減少する。

3. A degeneration and destabilization of the external energy activated potentials of food utilization within the processes of human metabolism;
人の代謝過程の中で、食べ物を利用する外部活性化エネルギーの潜在能力が低下し、かつ、不安定になる。

4. A degeneration and destabilization of internal cellular membrane potentials while transferring catabolic [metabolic breakdown] processes into the blood serum from the digestive process;
代謝と分解の過程が消化器系から血清中に移行する一方、内側細胞膜の潜在能力が低下し、かつ、不安定になる。

5. Degeneration and circuit breakdowns of electrical nerve impulses within the junction potentials of the cerebrum [the front portion of the brain where thought and higher functions reside];
大脳（脳の前面に位置し、思考と高次の機能を司る）の連携電位の電気的神経信号パルスが弱体化し、かつ、回路が破綻する。

6. A degeneration and breakdown of nerve electrical circuits and loss of energy field symmetry in the neuroplexuses [nerve centers] both in the front and the rear of the central and autonomic nervous systems;
前部と後部双方の中枢神経と自律神経系の神経中枢のエネルギー場の平衡性が失われ、電気的神経回路が弱体化と破綻が起こる。

7. Loss of balance and circuiting of the bioelectric strengths within the ascending reticular activating system [the system which controls the function of consciousness];
上行網状系（高次の意識を司る）内において、生体電気的強弱のバランスと回路が失われる。

8. A long term cumulative loss of vital energies within humans, animals and plants that were located within a 500-meter radius of the operational equipment;
動作しているマイクロ波発生源より半径500メートル以内にいる人、動物、植物の生命エネルギーが、長期間にわたって累積的に減衰する。

9. Long lasting residual effects of magnetic "deposits" were located throughout the nervous system and lymphaticsystem;
磁気堆積の長時間消えない残留効果が、神経系とリンパ系にくまなく存在する。

＜BEMSJ注：residual effects of Magnetic Depositsという意味が不明。もしこれが「電磁波もしくは磁界が神経やリンパ系にある効果を持って残留するという意味であれば、マイクロ波といった電磁波は基本的に残留効果が無いので、この９項は明らかな誤りとなる。＞

10. A destabilization and interruption in the production of hormones and maintenance of hormonal balance in males and females;
ホルモンの生成とホルモンバランスの維持が、男性女性双方において不安定になり、阻害される。

11. Markedly higher levels of brainwave disturbance in the alpha, theta, and delta wave signal patterns of persons exposed to microwave emission fields, and;
マイクロ波電磁波を浴びた人の脳波のアルファ波、シータ波、デルタ波の信号パターンが、非常に顕著に妨害される。

＜BEMSJ注：この項も疑問である。マイクロ波曝露で脳波が変わるという研究はないのではないか。＞

12. Because of this brainwave disturbance, negative psychological effects were noted, including loss of memory, loss of ability to concentrate, suppressed emotional threshold, deceleration of intellective processes, and interruptive sleep episodes in a statistically higher percentage of individuals subjected to continual range emissive field effects of microwave apparatus, either in cooking apparatus or in transmission stations.
こうした脳波への妨害ゆえに、以下の陰性の心理的な影響が報告されている。物忘れ、集中力欠如、感情閾値の抑制、知的活動の減退、不眠などの症状が、変電所や動作中の電子レンジ等のマイクロ波機器の連続した曝露による効果として、個々の人々に、統計的に高い確率で、報告されている。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

以上の１２項目は旧ソ連時代の研究結果とされるが、１２項目全てが、非科学的で、超常的な「宇宙エネルギー」といった話に似ている様に見える。
これでは、この１２項目をもってして、電子レンジの使用を法規制することは明らかに非科学的であると言える。

このKoppの原文を見ても、1976年にソ連が電子レンジの法規制を行った元ネタは紹介されていない。

この雑誌に以下の編集者注記がある。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

KOPP GOT IN THE WAY OF　THE Microwave Oven Lobby

Koppは電子レンジ業界の邪魔をした。

The original of this forensic research document is to be found　in the Archives of the Atlantis Rising Educational Center　in Port-land, Oregon.

この法廷調査文書の原本は、オレゴン州ポートランドのAtlantis Rising Educational Centerの保管文書の中にある。

The autthor William Kopp worked there from 1977 to 1979.

筆者のW・Koppは1977年から1979年に、そこで働いた。

Already twenty years ago Kopp gathered all documents known so far concerning the scientific proofs about microwaves 'harmful effects on humans.

既に20年以上前の話であるが、Koppはマイクロ波電磁波がヒトに有害であることについて、科学的な論拠であるとされる文書を収集した。

By doing this he got in the way of a powerful lobby and was forced later on to even change his name and to disappear.

そうすることによって、彼は強力な業界を邪魔し、そして後日、名を変えて、世間から隠れなければならなくなった。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

このことから「Koppが1996年に書いた・・・・」の文書といのは誤りで、Koppは1977年‐1979年の間に、上記の文書をまとめたとされる。

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１７Ｏ．電子レンジ加熱水で「植物がかれた」の検証　捏造された2006年の報告

２０１６－３－２４

＊2006年頃に情報として、以下の実験報告がＷＥＢサイトにあった。

「Microwaved Water - See What It Does To Plants」（電子レンジで加熱した水：植物に何が起こるか？）という題で、
http://rense.com/general70/microwaved.htm　＜2016-3-23リンク切れ＞にあったものです。
電子レンジで加熱してから冷やした水(電子レンジ水)と、通常のストーブややかんで加熱してから冷やした水（通常加熱水）を植物にかけて、9日間の植物の状況を観察した結果、明確に電子レンジ水の法の植物が枯れた。
この実験は2006年に小学6年生の孫娘が、科学クラブでの発表の為に行った実験である、とこの情報の投稿主は解説している。
しかし、この情報は極めて疑わしく、孫娘・・・・と言いながら、大人が故意に捏造した実験と言わざるを得ない。

1日目の写真

左が電子レンジ水、右が通常加熱水をかけた植物（以下同じ）　

3日目の写真

5日目の写真

7日目の写真

9日目の写真

＊捏造した画像であると判定

http://www.snopes.com/science/microwave/plants.asp　という「噂などを検証する」サイトにあった内容を一部編集して紹介する。

アクマニア展示室のサイトにも同様な情報があります。

http://akumania.fc2web.com/2006/denshirengi/photo-anime.html　

1日目の電子レンジ水　拡大＜アクマニラ展示室のサイトより＞

5日目の写真

5日目の写真を左右に反転させた写真

5日目の電子レンジ水の写真に、5日目の通常加熱水の写真を左右反転させて、植物の部分を重ね合わせると、1日目の電子レンジ水の写真になる。

完成させた1日目の写真

このことから、この情報は捏造された報告と言える。

さらに、捏造と報告した方が、再現実験を行った。
まったく加熱しなかった水、電子レンジで加熱後に冷やした水、ガスストーブで過熱後に冷やした水の3種で、3種類の植物を育てた後の状況を以下の写真に示す。
これらをみると、まったく影響は受けていない、ことが判る。

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１７Ｐ．電子レンジでの加熱血液輸血で死亡したとして裁判になった事例　アメリカ1993年

記：２０１３－６－２７

電子レンジの利用は危険という説が垣間見られる。
その中に裁判になった事例を見つけた。

１）調査開始のきっかけ
http://www.mercola.com/article/microwave/hazards2.htm　にあった内容からの一部引用
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
The Proven Dangers of Microwaves　電子レンジの危険性の確認
A LAW SUIT 裁判

In early 1991, word leaked out about a lawsuit in Oklahoma. A woman named Norma Levitt had hip surgery, only to be killed by a simple blood transfusion when a nurse "warmed the blood for the transfusion in a microwave oven"!
Blood for transfusions is routinely warmed-but not in microwave ovens! In the case of Mrs Levitt, the microwaving altered the blood and it killed her.

1991年の初頭、オクラホマ州での裁判の話があった。
Norma　Levittという女性はお尻の手術を受けた。
看護婦が電子レンジで温めた血液を輸血したことで、死亡した。
輸血するための血液は温められる、しかし、電子レンジを使わない。
Levittさんの場合は、電子レンジによる加熱が血液を変性し、死に至らしめた。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

と言うことで、この裁判について、ネットで検索を行った。

２）最初に見つけた概要を示す情報
http://www.alive.com/articles/view/22971/cooking_up_controversy　にあった内容

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
Are microwave ovens safe?　電子レンジは安全か？
An unusual lawsuit　珍しい裁判

Norma Levitt’s death in 1991 resulted in a lawsuit against the Oklahoma hospital and staff who operated on her.
The lawsuit alleged that blood warmed in a microwave oven was used in a transfusion following a routine hip replacement on Levitt.
The hospital maintained the cause of death was from a blood clot and not from the microwaved blood. The court found the hospital and staff not guilty.

1991年のNorma　Levittの死はオクラホマ市の病院と手術を担当したスタッフを相手にした裁判になった。
Levittのお尻の手術に伴う輸血を行う時、電子レンジで温めた血液を使用したことが原因と裁判で主張した。
病院は死因を調査し、電子レンジ加熱の血液ではなく、血液のかたまりが原因とした。
法廷では病院とスタッフは無罪となった。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

３）オクラホマ州の現地の新聞社「Tulsa　World」のサイトにあった記事から詳細情報
http://www.tulsaworld.com/にあった内容

＊Published 6/8/1991　Suit Alleges Microwaved Blood Killed Woman
1991年6月8日の記事　「電子レンジで温めた血液が女性を殺したとして裁判」
＜詳細の記事は不詳＞

＊Published: 4/21/1993　
Warmed-Blood Suit Entering Courtroom
1993年4月21日の記事「温めた血液による裁判が法廷で始まる」

Jury selection is to begin Wednesday in the trial of a lawsuit that alleges a 73-year-old Bristow woman died in 1989 because she received a transfusion of blood that had been warmed in a microwave oven at Hillcrest Medical Center.
1989年に死亡した773才の女性は、Hillcrest病院で、電子レンジで温めた血液の輸血を受けたためであるとした裁判の実質事実審議Trialが水曜日に始まる。

＊May 8, 1993
Doctor Says He Didn't Hear Warming Order
1993年5月8日の記事「医師は温めるという指示を聞いていないと証言」

Mrs. Levitt's survivors have sued 20 individual and corporate defendants, seeking $15 million in actual damages and $15 million in punitive damages.

Levittの遺族は実損15百万ドル、懲罰的な罰金として15百万円を要求して、20の被告を訴えた。
＜合計で30百万ドル、1ドル＝100円として、合計で30億円の請求＞

＊May 12, 1993
Woman Eagerly Awaited Hip Surgery, Jurors Told
1993年5月12日の記事「女性は熱心にお尻の手術を待っていたと陪審員は語った」

Hillcrest contends the death is linked to the lungs being clogged by abnormal particles released in the blood during surgery.
Hillcrest病院は、手術中に肺に異物が詰まったことが原因として、争った。

＊May 14, 1993
15 Defendants Released From Microwaved-Blood Suit
1993年5月14日の記事「15の被告は電子レンジによる血液裁判から解放された」

A Tulsa judge Thursday dismissed 15 of the 20 defendants in a lawsuit linked to the 1989 death of a woman who was transfused with blood that had been warmed in a microwave oven.
裁判官は電子レンジで温められた血液が輸血された女性の1989年の死に関する裁判で、20の被告の中で15の被告を解放した（無罪と認定したという意味？）。

After the plaintiffs rested their case, District Judge David Peterson found insufficient evidence to hold four Hillcrest entities, two medical corporations, and nine physicians as defendants in the wrongful-death action filed by survivors of Norma Levitt.
地方裁判官D. Petersonは、Norma　Levittの遺族が提起した「不当な死に至らしめる活動」をしたとされた被告としてのHillcrestの4組織体、医療会社2社、9名の医師には、十分な証拠がないと認定した。

＊May 19, 1993
Defendants Win Blood Lawsuit
1993年5月19日の記事「血液裁判で被告は勝訴」

In a victory for the defense, a jury Tuesday awarded no money to family members of a woman who died in 1989 after receiving blood that was warmed in a microwave oven at Hillcrest Medical Center.
被告の勝訴で、裁判官は火曜日、Hillcrest病院で電子レンジを使って温められた血液を輸血された後に、1989年に死んだ女性の家族に補償金を与えなかった。

After five hours of deliberations(討議) over two days, 10 of the 12 jurors resolved all legal issues in favor of Hillcrest Medical Center．
2日間に及ぶ5時間の討議の後で、12名中10名の陪審員は、Hillcrest病院の法的な証言等に賛成した。

＊May 23, 1993
Levitt Family Members Seek New Trial in Microwaved Blood Suit
1993年5月23日の記事「Levittの家族は電子レンジ加熱の血液裁判で、再度の実質的な事実審議Trialを要求」

＊Jun 27, 1993
Former Advocate Sues Levitt Family Over Fees
1993年6月27日の記事「・・・・　うまく訳せず」

A Tulsa law firm, discharged after a courtroom defeat in the Norma Levitt microwaved blood case, on Friday sued its former clients.
The firm of Wilkinson & Monaghan sued three survivors of Mrs. Levitt to enforce an agreement on payment of costs and attorney fees incurred in pursuing two suits stemming from the 1989 death of Mrs. Levitt.

Norma　Levittの電子レンジ加熱血液裁判に関する法廷で敗北した後、原告から首を切られたTulsaの法律事務所は、かつての顧客である原告を、提訴した。
Wilkinson・Moaghan法律事務所はLevittの3名の遺族が、Levittの1989年の死亡から二つの裁判に至るまでに費やした費用と弁護士代の支払いに関する契約の実行を求めて、提訴した。

The suit filed Friday states that Wilkinson's firm, under a 1990 agreement with the family members, is to be paid one-half of any recovery（法：財産の回復）（補償金の意味？） in the case. If no recovery is made, no attorney fees are owed, that agreement said.
Wikkinson法律事務所が金曜日に提出した訴状では、遺族との1990年の契約書では、裁判で賠償金Recoveryを得た場合、半額が法律事務所に支払い、賠償金がない場合は弁護士代の支払い義務はないという約束である。

However, the family members are responsible for paying costs and expenses incurred by Wilkinson's firm in pursuing the suits linked to Mrs. Levitt's death, regardless of whether any money was recovered, the suit states.
しかし、原告の家族にはWilkinson法律事務所がLevittの死に関連した裁判の遂行で費やした経費と費用の支払いの義務があると、主張した。

＊Aug 26, 1993
Settlement Affirms Verdict In Microwave Blood Case
1993年8月26日の記事「和解で電子レンジ血液裁判の判決を確認」

A confidential settlement was reached Wednesday to eliminate any appeal of a Tulsa jury's sweepingverdict for the defense in the microwaved blood case.
A resolution was reached of two lawsuits - one alleging a wrongful death, the other an attempt to conceal the cause of death - filed by survivors of Norma Levitt.
水曜日に、電子レンジ血液裁判における裁判官の広範囲な判決に関する提訴を取りやめるという非公開の和解に達した。
Norma Levittの遺族が提訴した二つの裁判、不当な死を断言する裁判と、死の原因を隠すことを試みている案件に関して、決議案が完成した。

A suit filed June 25 by Wilkinson's law firm, against his former clients, is unresolved.
Wikinson法律事務所が6月25日に提訴した裁判、かつての顧客を相手にした裁判は未解決である。

＊Apr 13, 1994
Lawyer hit With Sanctions Over Heated-Blood Suit
1994年8月13日の記事「弁護士は温熱血液裁判で制裁金にぶち当たる」

In the largest sanction of its kind in memory, a judge ordered Tulsa attorney Bill V. Wilkinson to pay $200,000 in legal fees and costs to 16 defendants cleared in a lawsuit over microwaved blood.
記憶の中では最高額の制裁金として、Tulsaの裁判官はWilkinson弁護士（注：原告の最初の弁護士）に電子レンジ血液裁判で潔白になった16の被告に対して、法定費用と経費として。20万ドルの支払いを命じた。

The defendants had requested sanctions totaling more than $710,000.
被告らは合計71万ドルをこえる制裁金を要求している。

BEMSJ注：オクラホマ州法では、不適切に、論拠が明確でないにも関わらず、被告を裁判に引っ張り出したと認定されると、弁護士に制裁金を課すことができることになっている。

＊Jul 25, 1995
Lawyer, Ex-Clients Reach Settlement
1995年6月25日の記事「弁護士はかつての顧客と和解に達した」

A confidential settlement has resolved a lawsuit between a Tulsa law firm and former clients involved in a microwaved blood case.
非公開の和解が、電子レンジ血液裁判におけるTulsaの法律事務所とかつての顧客の間で、成立した。

＊Sep 9, 1995
Court Cuts in Half Attorney's Sanctions
1995年9月9日の記事「裁判所は弁護士への制裁金を半減」

An appeals court has cut in half the $200,000 in sanctions a judge ordered Tulsa attorney Bill V. Wilkinson to pay to 16 defendants cleared in a suit involving the death of a patient who received microwaved blood.
控訴審は、電子レンジ加熱の血液を輸血された女性の死に関する裁判で、潔白になった16の被告に、Wilkinson弁護士が支払うべき制裁金の20万ドルを半額に減じた。

BEMSJ注：新聞社の記事ではないが、この高裁判決文は公開されています。
http://wyomcases.courts.state.wy.us/applications/oscn/DeliverDocument.asp?citeID=4387　を参照

＊Apr 3, 1996
Court Won't Review Ruling Against Lawyer
1996年4月3日の記事「裁判所は弁護士に対する指示の見直しをしない」

The state Supreme Court on Monday, in a 5 to 4 decision, voted not to review a September ruling by the Court of Appeals.
州最高裁は、月曜日、控訴審による9月の裁定を、5人中4名の賛成で、見直さないことに決定した。

４）まとめ
以上の情報をまとめると
・手術を受けた女性が、手術中に容態が急変して死に至った。
・遺族は、電子レンジで加熱された血液を手術中に輸血したことが原因として、病院などを訴えた。
・電子レンジでの加熱で血液が変性したことをこの裁判で主張しているかもしれないが、裁判の全記録（訴状や原告側専門家証人の陳述等）を調べる必要があり、そこまでは情報開示されていないので、不詳である。

・原告は、実損と懲罰的な罰金を合わせて30百万ドルを請求した。
・原告の最初の弁護士は、この30百万ドルもしくはそれ以下の賠償金を得た時は、半額が成功報酬としてもらえることになっていた。
・予審（地裁・1次審）では、血液輸血による死は論拠が不明確として、原告の敗訴となった。

・予審後、原告の最初の弁護士は、裁判費用の経費の支払いを求めて、かつての原告を裁判に訴えた。　結果は、後に和解した。

・原告は、別の弁護士と、その後裁判を継続した。最終的には被告と原告は和解した。血液輸血が死因ではないことは確定した。

・オクラホマ州法では、不適切な方法で被告を裁判に引きずりだした場合は、弁護士に制裁金を課すことはできる。
・原告の最初の弁護士に、この制裁金が課せられた。控訴審で半額に減額。州の最高裁で控訴審の判決が認定されて、制裁金が確定した。

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１７Ｑ．電子レンジでの調理時の変性に関する2006年の大阪市立大学の博士論文から

記：2016－3－25

http://www.life.osaka-cu.ac.jp/g_school/doctorate/doc05_04.html　にあった内容の一部抜粋

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
[生活科学研究科] 博士号取得者の紹介
04　井奥　加奈

テーマ：野菜に含まれるフラボノイド配糖体を中心とした機能性成分の調理過程における含有量変化と消化・吸収過程における挙動

学位名：学術論文審査委員：主査　教授　西成　勝好
取得年月日：平成18年3月24日

・論文審査の結果の要旨
野菜には、食物繊維やミネラル・ビタミンなど不足しがちな栄養素とともに生体内脂質過酸化抑制作用やDNAの酸化的障害抑制作用などを有するフラボノイドが含まれている。ゆえに健康を維持するうえで、野菜は積極的に摂取したい食品のひとつである。
野菜に含まれるフラボノイドそのものの生理活性や活性発現機構に関する報告は多いが、日常的な調理過程におけるフラボノイド含有量の変化や吸収過程を検討した例はまだ少ない。

また,野菜類にはフラボノイドの配糖体が多く含まれていることを考慮すると、野菜に含まれるフラボノイドの配糖体に関して、調理の過程における含有量変化や吸収過程に関する検討を行う必要がある。
さらにフラボノイドの配糖体にも異性体が存在することから、異性体に関して吸収に対するアプローチが必要であるが、これに関してはほとんど検討されていない。
そこで野菜に含まれているフラボノイド配糖体のなかから異性体も含めてケルセチン配糖体に着目し、調理の過程における含有量変化や吸収過程へのアプローチとしてラット小腸由来のβ‐グルコシダーゼ活性について検討した。
（略）

第3章では,野菜中のフラボノイド含有量の季節変動に一定の傾向がみられないことを市販ピーマンで明らかにし、さらに、ピーマン、タマネギ、ブロッコリーに含まれるケルセチンを中心としたフラボノイド含有量に及ぼす調理操作の影響を論じている。
（略）
電子レンジで加熱調理されたタマネギのフラボノイド含有量も変動しにくいことを確認し、日常的に用いる主な調理においてタマネギのフラボノイドは大幅に変動しないことを明らかにしている。
（略）
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

電子レンジでの調理での変性に関しては、僅か2行だけであるが、参考になる情報として紹介する。

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１７R．2008年　生協の試験で、電子レンジ加熱は茹でるよりビタミンCの残存が多い

記：２０１６－３－１５

以下の実験報告がある。

生活協同組合連合会コ-プ九州事業連合　エフコープ「ふれあい」2008年3月号より
商品検査だより：電子レンジで加熱すると野菜のビタミンは壊れるの?

「ブロッコリーに火を通す時、いつも電子レンジを使っています。
手軽な方法ですが、茄でたものよりもビタミンが壊れているのではないかと心配です」(組合員A子さん)この質問に、商品検査センターが答えます。

加熱時間はできるだけ短く、野菜に含まれるビタミンには、熱に強いもの(ビタミンA、Eなど)と弱いもの(ビタミンC、 B1など)があります。
熱に弱いビタミンをできるだけ壊さないためには、加熱時間を短く抑えるのがポイント。
その点、電子レンジは、短時間で野菜を加熱できるメリットがあります。
では熟に弱いビタミン(ビタミンC)の場合、野菜を茄でた時と電子レンジで加熱した時で、その残存量に違いは出るのでしょうか?
ブロッコリーとほうれん草を使い、商品検査センターで検査してみました。

検査の結果から、茄でるよりも電子レンジで加熱したほうが、ビタミンCの残存量が多いことがわかりました。
これは、前述のように電子レンジは加熱時間が短くてすむこと。
また、ビタミンCは水に溶けやすいため、茄でるとその茄で汁に流れ出てしまうことが原因だと考えられます。

電子レンジでの加熱は効率の良い方法といえます。
ただし、一度に多量の野菜を加熱すると、加熱時間が長くなってしまい、あまり意味がありません。
電子レンジを使う時も茄でる時でも「少量ずつ短時間」が大切です。
また、ほうれん草のようにアクが強い野菜は注意が必要。
電子レンジで加熱する場合は、加熱後、冷水につけてアク抜きをしましょう。

ブロッコリー (1食80g)
電子レンジで加熱：ブロッコリーをラップで包み500Ｗの電子レンジで2分加熱
茄でて加熱：ブロッコリーを沸確した湯に2分間いれて茄でる。

ビタミンＣ残存量100ｇ中
加熱していない生の状態：143mg
電子レンジで加熱：119mg
茹でて加熱：82mg

ほうれん草　1食80g
電子レンジで加熱：ほうれん草をラップで包み、500Wの電子レンジで1分30秒加熱。その御、15秒間水にさらす
茄でて加熱：ほうれん草を沸騰した湯で、1分30秒茄で、5秒間水にさらす。

ビタミンＣ残存量100ｇ中
加熱していない生の状態：90mg
電子レンジで加熱：54 mg
茹でて加熱：40mg

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１７S．1979年の千葉大学研究紀要から電子レンジ加熱によるビタミンCの変化

記：２０１６－３－２６

以下の研究がある。
スイスのヘーテルらの実験の前に、日本ではこうした研究が行われていつた。
電子レンジでの調理の方が、ビタミンCの損失が少ない、という研究

掲載誌：千葉大学教育学部研究紀要. 第2部 28, 269-274, 1979-12-20
タイトル：電子レンジ加熱調理による野菜類のビタミンC含量の変化Changes of Vitamin C Contents in Vegetables by Electronic Range Cooking
研究者：長島和子

抄録
数種類の野菜について,電子レンジ加熱によるビタミンC含量の変化を,従来の加熱方法と比較検討した。
1)野菜の生からの電子レンジ加熱調理では,ほうれん草の総ビタミンC残存率が最も高く93%であり,従来の「ゆでる」加熱の2倍以上であった。
2)じゃがいもの電子レンジ加熱は,総ビタミンC残存率は80%で,「ゆでる」加熱よりも約10%低い値であったが,「ゆでる」加熱の7分の1の時間で調理可能であり,味覚的にもすぐれていた。
3)さつまいもでは,蒸し加熱よりも電子レンジ加熱が高い総ビタミンC残存率を示したが,味覚的には蒸し加熱におよばなかった。
4)冷凍野菜の電子レンジ加熱では,ビタミンCの損失は非常に少なく,総ビタミンC残存率は冷凍枝豆では100%,冷凍かぼちゃで92%であった。

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１７T．電子レンジでの調理は危険ポーリングが唱えたとする説の検証

記：２０１６－３－２６　

＊ネットにある情報

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
ノーベル化学賞受賞のポーリング博士は「電子レンジで調理されたタンパク質のアミノ酸が自然界にはないアミノ酸に変化しており、代謝不可能となる。それが原因となって極めて有害な活性酸素の発生が促進される」と警告しています。」
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

「ポーリング　電子レンジ」を日本語で検索すると、以上の情報しか出てこない。
これ以上も、これ以下も、元ネタになるヒントも何もない。

「Pauling microwave」英文で検索　　何も的確な情報は見つからない。

Pubmedで「Pauling L microwave(もしくは oben, amino, Protein」で検索しても、何もヒットしない。
従って、Paulingは関連した研究報告を書いていない。

従って、上記のサイトにある情報は、論拠を明確にしめされない限り、誤った情報・風聞と判定することになる。

＊以下はとあるサイトにあった内容であり、BEMSJの検証と同じことを行っている。

＊＊＊＊＊一部　引用＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
ノーベル化学賞受賞のポーリング博士は「電子レンジで調理されたタンパク質のアミノ酸が自然界にはないアミノ酸に変化しており、代謝不可能となる。それが原因となって極めて有害な活性酸素の発生が促進される」と警告しています。

ノーベル化学賞受賞のポーリング博士は「電子レンジで調理されたタンパク質のアミノ酸が自然界にはないアミノ酸に変化しており、代謝不可能となる。それが原因となって極めて有害な活性酸素の発生が促進される」と本当に警告しているのか。

ライナス・カール・ポーリング（Linus Carl Pauling, 1901年2月28日～1994年8月19日）は、アメリカ合衆国の量子化学者、生化学者。彼自身は結晶学者、分子生物学者、晩年は、医療研究者とも自称していた。
20世紀における最も重要な化学者として広く認められている。量子力学を化学に応用した先駆者であり（原理上、量子力学は化学と分子生物学の全情報を記述出来る）、化学結合の本性を記述した業績により1954年にノーベル化学賞を受賞した。

（略）

「Linus Pauling microwave protein amino acid reactive oxygen」　で検索しても該当する記事は出てこない。

（略）

ノーベル化学賞受賞のポーリング博士の「電子レンジで調理されたタンパク質のアミノ酸が自然界にはないアミノ酸に変化しており、代謝不可能となる。
それが原因となって極めて有害な活性酸素の発生が促進される」という警告の博士による研究報告を見つけることはできなかった。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

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１７U．1967年大阪成蹊女子短大　橋谷らの電子レンジ加熱に関する研究から

記：２０１６－３－２７

以下の研究がある。
電子レンジでの加熱によるビタミンB1の減少は、他の加熱に比べて同順とする研究。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
掲載誌：家政学雑誌 18(3), 131-135, 1967 The Japan Society of Home Economics
タイトル：電子レンジによる加熱とビタミンB1の分解　The Thermal Destruction of Thiamine by Electronic Range
研究者：橋谷義人ら　大阪成蹊女子短期大学

抄録
食品の加熱手段として電子レンジ (900W) とブンゼンバーナーを用い、B1の分解から両者を比較検討した。
すなわち被加熱試料として3%煎茶抽出液、2.5%肉汁、蒸ダイズ磨砕物およびブタ肉ミンチを選び、加熱によるB1の分解率を測定したが、両加熱方法の間に大差を生じなかった。

しかし同一調理温度を得るためには高周波処理による方が時間的にはるかに優れていることを明らかにした。
また生シイタケは高周波処理によって短時間で栄養学的にも合理的に加熱調理されることを知った。
他方、B1塩酸塩の結晶およびその溶液につき高周波 (2450Mc/sec) 誘電加熱による分解を実験検討したが、結晶状では安定で分解を起こさず、pH値の高い緩衝液に溶解する程著しく分解した。

しかしB1の分解時の挙動は、従来報告されている普通の加熱法による場合と同一経路を経るものと考えられ、溶液が沸点に達する迄に起こるB1の分解は電子レンジを用いた方が軽減されることを知った。

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１７V．1988年名古屋女子大・大庭の電子レンジ加熱研究から

記：２０１６－３－２８

以下の研究がある。
この研究では、ビタミンCの損失が少ないのは、電子レンジによる加熱　とある。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
掲載誌：日本家政学会誌 39(10), 1051-1057, 1988 The Japan Society of Home Economics
タイトル：貯蔵、切断および加熱調理に伴うジャガイモのビタミンＣ含量の変化
Changes in vitamin C content of potatoes during storage, cutting and cooking.
研究者：大羽和子ÔBA Kazuko　名古屋女子大学家政学部

抄録
1) ジャガイモの総ビタミンC量は春イモ19.3 mg %、秋イモ18.8mg%であったがイモの貯蔵に伴い減少した。
貯蔵1～2ヵ月の間の減少が最も顕著で、2ヵ月後には収穫時期の半分以下となった。

また、総ビタミンCの減少と発芽の間に密接な関連はみられなかった。

2)ジャガイモをスライスして放置すると、ビタミンC (AsA)量が増大することを、DNP法、TLC法、差スペクトル法で明らかにした。
総ビタミンC量およびAsA量は2日後に最大となり、以後減少した。

3) 加熱調理に伴うビタミンC量の変化を経時的に追ってみると、オーブン加熱と電子レンジ加熱では、加熱時間が長くなるにつれてAsA量が減少した。
ゆで加熱と蒸し加熱では、10分以内にAsA量が顕著に減少し、以後ほぼ一定の値を示した。
最適加熱時間で加熱した後の総ビタミンC残存率を比較すると、電子レンジ加熱が最も高く (96%)、ついで蒸し加熱(67%) とオーブン加熱(62%)が高く、ゆで加熱が最も低かった(28 %)。

4) イモをオーブンや電子レンジで加熱するさい、1個を丸のままで加熱すると総ビタミンCの残存率は高いが、切断して加熱すると低くなった。

5) 市販の冷凍ジャガイモの総ビタミンC量は製品ごとのばらつきが大きく、 4mg%から18mg%のものまであった。
夏以前に製造され秋まで保存されたものは全般に総ビタミンC量が少なかったが、秋以降に製造され、保存期間が5カ月までのものでは多かった。
また、秋から春にかけて貯蔵される場合には生イモよりも冷凍ジャガイモのほうが、総ビタミンC量が多かった。

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１７W．電子レンジ加熱で抗酸化作用増加　2013年大崎らの研究

記；２０１６－３－２９

以下の研究がある。
この研究によれば、電子レンジでの加熱は抗酸化作用を増加させるとある。

掲載誌：日本調理科学会大会研究発表要旨集 25(0), 23, 2013
タイトル：電子レンジ使用による加熱調理後のゴボウの抗酸化能の増大
Increase in antioxidant activity on burdock by kitchen microwave heating
研究者：大﨑宏樹ら　あじかん研開セAhjikan Co., Ltd.

抄録
【目的】ゴボウは和食の中でも抗酸化物質を効率的に摂取できる食材である。
しかし皮むきや水さらし、その後の調理方法によっては、ポリフェノールが減少し抗酸化活性が低下する。
そこで我々は、ゴボウをきんぴらごぼうに調理する下ごしらえで加熱調理した後も、抗酸化能を低下させず、かつ調理操作を簡単にできるかどうか検討した。

【方法】ゴボウ試料は青森県産の柳川理想ゴボウを用いた。
試料の実験区は、対照としての「皮なし・加熱なし・水晒し有り」に対し、4つの実験区「皮付き・加熱なし・水晒し有り」「皮付き・加熱なし・水晒しなし」「皮付き・加熱有り・水晒しなし」「皮付き・電子レンジ加熱有り・水晒しなし」を設定した。
加熱は蒸し加熱も電子レンジ加熱も、長さ20cmにカットしたゴボウの中心温度が50℃になるまで実施した。
試料抽出は70%エタノールで行い、抗酸化能はH-ORAC法を用いて測定し、抗酸化能の評価はORAC値（単位：µmolトロロックス当量（TE）/100g）で行った。

【結果】他の条件は同じで、加熱の有無で比較する「皮付き・加熱なし・水晒しなし」と「皮付き・加熱有り・水晒しなし」は、それぞれのORAC値が6,217.1と12,410.9であったが、有意差はなかった。
一方、「皮付き・電子レンジ加熱有り・水晒しなし」は、13,252.4であり、「皮付き・加熱なし・水晒しなし」と比較すると有意に（p < 0.05）に抗酸化能が増大した。

この結果は、ポリフェノール酸化酵素を加熱により失活させるブランチング操作が、蒸し加熱と電子レンジ加熱の両方で、未加熱と比べ抗酸化能を増大させ、なおかつ、調理の簡便性から、電子レンジ使用のほうが有効であると示唆された。

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１７X．1985年 Hoffmanらの電子レンジ調理に関する研究

記；２０１６－３－２９

以下の研究がある。
この研究によれば、電子レンジでの調理で、発がん性物質が減るという結果。

掲載誌：J Am Diet Assoc. 1985 Aug; 85(8):922-6.
タイトル：Effects of microwave cooking/reheating on nutrients and food systems: a review of recent studies.
研究者：Hoffman CJ, Zabik ME.

Abstract

Microwave-oven technology has been improved by the use of low power.
電子レンジの技術は、低電力化によって、改良されてきた。

With the utilization of low-power techniques, studies showed equal or better retention of nutrients for microwave, as compared with conventional, reheated foods for thiamin, riboflavin, pyridoxine, folacin, and ascorbic acid.
低電力の利用に伴って、研究結果は、チアミン（ビタミンB1）、リボフラビン（成長促進要素）、ビタミンB6、葉酸、アスコピン酸（ビタミンC）に関して、電子レンジでの加熱による栄養素の残留は、通常の方法で再加熱された食材に比べて、等価かよりすぐれていることを示している。

Beef roasts microwaved at "simmer" were comparable with conventionally cooked roasts in sensory quality, while vegetables cooked by an institutional (1,150 w) microwave oven were superior to those cooked in a domestic (550 w) microwave oven.
電子レンジで沸騰寸前の温度でとろとろ煮たローストビーフは、センサで検査した場合は、通常の調理法でのものと等価である。
一方で、 1150Wの産業用電子レンジで調理した野菜は、550Wの家庭用電子レンジで調理したものよりも、優れている。

Microwave-cooked bacon had lower levels of nitrosamines than conventionally cooked bacon; however, the use of a new alpha-tocopherol coating system has been found to be a safe N-nitrosamine inhibitor regardless of cooking method used.
新しいアルファ・トコフェロールでのコーテングの使用は、調理方法の如何によらず、安全なNニトロソアミンに抑制する為に考案されているが、電子レンジで調理したベーコンは、通常の方法で調理したベーコンに比べて、ニトロソアミンの含有量が少ない（発がん性物質が少なくなる）。

注：ニトロソアミン (nitrosoamine、nitrosamine) とはアミンの誘導体のうち、アミン窒素上の水素がニトロソ基に置き換わった構造をもつ化合物群のこと。中には発がん性などの生理活性が知られる物質がある。

注：焼き魚 + 醤油
焼き魚の焦げに含まれるジメチルアミンと、醤油に含まれる亜硝酸が融合し、ニトロソアミンがつくられる。

注：「ニトロソアミン」は、強力な発がん性物質で、胃がんの重要な危険因子となる。

注：チアミン：チアミン (thiamin, thiamine) はビタミンB1 (vitamin B1) とも呼ばれ、ビタミンの中で水溶性ビタミンに分類される生理活性物質である。

注：ピリドキシン：ビタミン B6，ピリドキシン C8H11NO3：ピリジン(pyridine)の誘導体；精白してない穀類，肉，魚などに含まれ，合成もできる；ペラグラ(pellagra)の予防，血色素の形成に必要。.

注：アルファ・トコフェロール：ビタミンEは脂溶性のビタミンで、天然にはα-、β-、γ-、δ-トコフェロールと、α-、β-、γ-、δ-トコトリエノールの8種類が存在する。

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１７Y．Grossらの1982年電子レンジでの調理影響に関するレビュー

記：２０１６－３－３０

掲載誌： Rev Food Sci Nutr 1982 ;16(4):355-81
タイトル：Efect of microwaves on nutrient value of foods.
研究者：G A Cross, D Y Fung

Microwave cooking has gained considerable importance as an energy-saving, convenient, and time-saving cooking method.
電子レンジでの調理は、省エネで、簡便で、時間の節約にもなる調理法として、重要性を得てきている。

This article reviews the state of the art of microwave cooking and the existing publishing data on the effects of microwave cooking on nutritive values of moisture, protein, carbohydrate, lipid, minerals, and vitamins.
本研究では、電子レンジでの調理法の最新状況と、水分・蛋白質・炭水化物・脂質・ミネラル・ビタミンの栄養素に関する電子レンジでの調理の影響に関する刊行済みのデータをレビューする。

Most reports indicated that microwave cooking resulted in higher moisture losses compared with conventional methods.
殆どの報告では、通常の調理法に比べて、電子レンジでの調理は水分の減少が多いという結果である。

Overall, the nutritional effects of microwaves on protein, lipid, and minerals appear minimal.
外観すれば、蛋白質・脂質・ミネラル・ビタミンに関する電子レンジでの調理の影響は、極めて少ない。

There is no report on the effects of microwaves on carbohydrate fraction in foods.
電子レンジでの調理で、食材の中の炭水化物が変動するという効果を見出した報告はない。

A large amount of data is available on the effects of microwaves on vitamins.
非常に多くのビタミンに関する電子レンジでの調理の効果に関するデータがある。

It is concluded that there are only slight differences between microwave and conventional cooking on vitamin retention in foods.
電子レンジでの調理と通常の調理では、食材の中のビタミン保留量に僅かな差があるといえる。

In conclusion, no significant nutritional differences exist between foods prepared by conventional and microwave methods.
結論として、電子レンジでの調理と通常の方法で調理された食物の間には、有意な栄養素の差異はない。

Any differences reported in the literature are minimal
文献で報告された全ての差異は、極めて少ない。

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１７Z．野島らの電子レンジの電磁波と熱の影響に関する研究

幾多の研究報告・論文がある。
これらの幾つかを紹介する。

その1：野島らマイクロ波とラジカル2004年EMCJでの論文から

記：２０１６－４－１

以下の研究がある。
一部を抜粋して紹介。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
掲載誌：信学技報　EMCJ 2004-22 (2004-06)
タイトル：2.45GHzマイクロ波を用いたラジカル発生影響調査のための実験系及び基礎実験
研究者：真鍋剛章　　日景隆　　野島俊雄

あらまし
生体ラジカル発生に対するマイクロ波照射影響について十分に検討された報告例はない。
本報告では、摘出組織サンプルを用いたISM帯周波数の照射実験を行い、生体ラジカル発生機序に及ぼすマイクロ波影響を明らかにするための基礎的な実験を行う。
開放系曝露装置の設計およびESRを用いたラジカル検出のための実験系を構築し、基本特性について明らかにする。

2.実験系
マイクロ波照射による生体ラジカル発生影響について検討するための実験系構築を行う。
はじめに、生体組織に均一なマイクロ波照射を行うための照射装置を設計する。
生体組織へマイクロ波を照射しつつ　ESRによりラジカルを測定することは困難なため、本調査研究の実験においては、マイクロ波照射部とESR装置によるラジカル測定部を分離して行う。
生体試料にマイクロ波を一定時間照射後、ESRでラジカル発生量を測定する。
ラジカル検出には、キーコム社製X-Band　ESR装置を利用する。
摘出組織に吸収された電力の評価は、サーモ・トレーサにより測定した組織の表面温度から算出する。
マイクロ波照射後の摘出組織をX-BAND　ESRにより測定し、得られたスペクトルからラジカル発生特性について検討する。

3.ラジカル測定
今回は動物の筋組織および臓器の2種類の組織を評価対象として選択した。
特に臓器に関しては、鉄分の含有率が高い肝臓の摘出組織を用いる。
また本研究では特に、マイクロ波による組織温度の上昇とラジカル発生の関係について明らかにするため、マイクロ波照射時の試料温度をサーモメ-タ(NEC三栄社製)により測定し、マイクロ波照射時間とラジカル発生の関係について検訂する。

はじめに、マイクロ波を照射しない状態の組織についてESRスペクトルの測定を行う。
次に、マイクロ波出力を一定とし、照射時間を変化させ組織のESRスペクトルを測定する。
得られたスペクトルから、試料におけるラジカル発生を調査する。

マイクロ波照射前の筋組織および臓器のESRスペクトルを図5に示す＜注：図は割愛＞。
また、マイクロ波照射後のESRスペクトルについて、図6から図8に示す。
筋組織および臓器いずれの場合にも、マイクロ波照射前あるいは照射時間が短い場合、ESRスペクトルにおいてラジカルの発生は確認されない一方、照射時間が200秒以上であり、組織温度が170℃以上と非常に高温になった場合にラジカル発生を示すスペクトルが観測される。

また今同の実験から、ラジカル発生において筋組織と臓器で特性の違いは観測されない。
筋組緒について、照射ドシメトリ(照射電力×時間)を変化させた場合の組織温度とラジカル発生の関係を図9に示す。
組織温度が約170度を超えた場合にのみラジカルの存在を示すスペクトルが観測される。
170℃付近の温度は生体組織の炭化がはじまる温度に相当するため、多種のラジカルが評価組織中に発生しているものと考えられる。

4.まとめ
本論文では、生体ラジカルに対するマイクロ波照射影響について基礎的な検討を行った。
本研究は、生体ラジカルの評価実験系の構築および基本特性を明確にすることを目的としているため、生体試料として摘出組織を用いてマイクロ波の照射およびESRによるラジカル評価を行った。
本研究で用いた生体試料は、動物の筋組織および臓器(肝臓)である。
これらサンプルに対し、一定強度のマイクロ波(周波数: 2.45GHz、連続波)を照射し、組織サンプルのESRスペクトルを測定した。
マイクロ波照射時間を0秒から300秒まで離散的に変化させ、評価組織の表面温度をサーモメータで観測することにより定量的な評価を行った。

ラジカルの発生は披測定組織の温度に依存すると考えられる。
今後、ラット等生体を用いたラジカル発生調査、定量的評価、ラジカル切分け等の詳細な検肘を行う予定である。

その2：野島らマイクロ波とラジカル総務省報告から2005年
記；２０１６－４－１

以下の報告がある。　一部抜粋して紹介。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
電波曝露による生物学的影響に関する評価試験及び調査
平成17年度　研　究　報　告　書
平成18年3月
総　務　省　　

に以下の研究が記載されている。

7.生体ラジカル発生へのマイクロ波影響の実験調査

要旨
生体防御機構の一つに生物ラジカルがある。
生物ラジカルとは、生体中において生成・消滅する不対電子対を有する分子のことであり、これは一方で発癌、老化などの多くの疾患に関与し得る毒性を持つものである。
本研究では、各種マイクロ波照射による生物ラジカル発生について実験調査を行い、基本的特性を明らかにすることを目的としている。

研究代表者等はこれまでに、マイクロ波照射が生物ラジカル発生にあたえる影響を調査するための基礎実験をおこなってきた。
平成15年度および16年度においては、マイクロ波照射が生体ラジカル発生機序に与える影響についての調査・研究を目的として、平成15年度ではISM周波数帯である2.45GHz連続波(CW)に対応した開放形マイクロ波照射装置、平成16年度には移動体通信に用いられる900MHz(CW)帯リッジド導波管型高密度マイクロ波照射装置の開発およびパルス変調波の照射実験系を構築してきた。
また、生体ラジカル評価対象組織として、平成15年度は動物の筋組織および摘出組織を、平成16年度は培養したヒト真皮由来繊維芽細胞を用いてマイクロ波照射および基礎的なラジカルの検出実験を行った。
この結果として、組織温度がタンパク質の凝固温度以下を保持したマイクロ波照射では、紫外線(UV-A)照射後のヒドロキシルラジカルが発生した組織と比較して、いずれの周波数帯でも明確なラジカル発生は観測されないことを明らかにしてきた。

本年度はISM周波数帯である2.45GHz連続波(CW)およびパルス変調波、 900MHz連続波(CW)に加え、移動体通信に用いられる900MHz帯の変調信号を用いたマイクロ波照射実験系を構築する。
被照射試料として平成16年度で用いた繊維芽細胞は、比較的紫外線等の影響を受けやすいためラジカル反応の検出に適しているが、さらに影響の受けやすい細胞として血球細胞(白血球、赤血球、血小板、リンパ球等)がある。
例えば、骨髄やリンパ節は造血細胞と支持細胞から構成されているが、前者は放射線に非常に感受性が高く、後者は比較的抵抗性があるとされる。
これら血球細胞に関して、変調も含めたマイクロ波照射に起因するラジカル発生影響についての詳細な検討、実験調査例はこれまで明らかにされていなかった。
そこで、平成17年度は、繊維芽細胞に加え、新たに血球細胞についてラジカル発生にマイクロ波照射が及ぼす影響について調査を行い、さらに、各周波数帯において、変調信号の違いによる影響についても詳細な検討を行った。

調査に関しては、SAR(比吸収率)および温度との関係に着目して測定を行う。
紫外線照射によるラジカル発生をコントロールとし、蛍光観察実験およびESR (Electric Spin Resonator :電子スピン共鳴装置)によるラジカル測定実験を行う。

本研究では、照射マイクロ波として、 ISM帯の2.45GHzでは連続波(CW)およびパルス変調波(Pulse)、移動体通信に用いられる900MHz帯においては、連続波およびGSM、PDC、 cdma2000、パルス変調波を用いる。

生体ラジカルの検出は、平成16年度までの研究においてその有効性および検出感度について検討を行った電子スピン共鳴装置(ESR)およびDCFH-DA蛍光観察法を用いて行った。

実験の結果は、いずれの測定においても紫外線の場合と比較して、マイクロ波を照射した場合では明確なラジカル発生は確認されなかった。
また、血球細胞におけるラジカル発生は、温度上昇が支配的であり、周波数帯および変調方式によらずマイクロ波照射による直接的な生体ラジカル発生影響は観測されなかった。

（略）

実験結果
（略）
次にマイクロ波照射条件について示す。
照射周波数は、 2.45GHzおよび900MHzとし、2.45GHz連続波の照射においては、照射装置の入力電力を500Wとして300秒間(5分間)の照射を行った。
ただし、照射中の細胞温度は36度以下となるように、温度コントロールを行っている。
なお、パルス変調波の照射ではPeak電力500W、 Duty比を1/10とし、同じく300秒間の照射を行った。

(1) ESR測定結果
図9＜本WEBでは割愛＞に照射周波数を2.45GHzとした場合のESRにより得られたラジカルスペクトルをまとめて示す。
紫外線照射した試料のスペクトルからは、ヒドロキシルラジカルの特徴を示す明確なシグナルが観測されており、 ESRによるラジカル測定の有効性が確認できる。

図10に、 ESRスペクトル強度からもとめた相対ラジカル量を比較して示す。
相対ラジカル量は、試料のシグナル強度とMn markerのシグナル強度の比により算出した。
また、グラフに示した範囲は、雑音による相対ラジカル量の誤差を表したものである。
紫外線照射の場合と比較すると、いずれも、非照射の細胞と照射後の細胞では有意な差は観測されない。

（略）

続いて、これまでの検討から、血球細胞のラジカル発生は、細胞温度が強く影響すると考えられる。
そこで、ラジカル発生と細胞温度の関係を明らかにするため温度をパラメータとしたラジカル測定実験を行った。
本報告で用いた温度制御装置は、恒温槽の水温を調整することにより単体で任意に細胞温度を変化させることができる。

マイクロ波を照射せず、温度制御装置のみで細胞温度を変化させたときの撮像蛍光画像を図23に示す。
左から、組織温度20度、 27度、 35度の場合の蛍光画像を示している。
同図より、組織温度が上昇するにしたがい、バックグラウンド(背景)輝度が上昇しておりラジカル産生量が上昇することが分かる。

図23　血球細胞の蛍光画像

（略）

（略）

結論
2.45GHzおよび900MHz帯のマイクロ波照射が細胞のラジカル発生に与える影響について実験調査を行った。
ヒト由来真皮繊維芽細胞および血球細胞を用いて、ラジカル発生影響について実験的調査を行った。
照射中の細胞温度上昇をコントロールしてマイクロ波照射を行い、蛍光観察およびESRでそれぞれラジカル測定を行った。
いずれの測定法においても、紫外線の場合と比較して、マイクロ波を照射した場合では明確なラジカル発生は確認されなかった。

また、血球細胞におけるラジカル発生においては、温度の上昇が支配的であり、周波数帯および変調方式に依らずマイクロ波照射による直接的な生体ラジカル発生影響は観測されなかった。

＊その３　野島らマイクロ波とラジカル2005年URSIでの論文から
記：2016-4-25

掲載誌：XXVIIIth URSI General Assembly at New Delhi, India on October 23-29, 2005
タイトル：Experimental investigations on the Biological Free Radical Production -2.45GHz & 900 MHz exposure systems design and estimation with ESR -
研究者：Takeaki Manabe, Takashi Hikage and Toshio Nojima

In this case, we performed three ways of irradiation to the cultured cells.
本研究では、培養した細胞に対して3種の方法で曝露実験を行った。

The first one was irradiation with UV rays (UVA).
最初の方法は紫外線Aの照射であった。

The second one was the irradiation with 2.45 GHz continuous wave by using the developed exposure system (the output power: 50 W, keeping the temperature of tissues under 40 degrees Celsius).
2番目の曝露は、開発した曝露装置（出力５０W、温度は40℃以下に維持）による2.45GHz連続波の曝露である。

And the last one was the case of irradiation with high power pulse wave (peak power: 1 kW, pulse width: 1 msec, the duty ratio: 10 %).
そして最後の曝露方法は、高電力パルス波形（尖頭値電力１ｋW、パルス幅１ｍS、Duty比10%）の曝露である。

In the case of irradiated with UV, the radical productions in the cells are clearly observed.
However, no radical excitation was observed in the cells irradiated by microwave both in the case of CW and pulse, provided that the temperatures of fibroblast cells did not exceed 42 degrees Celsius.
紫外線照射による曝露で、細胞中のラジカル発生が明らかに認められた。
しかし、マイクロ波曝露では、42℃を超えない線維芽細胞の温度条件下では、連続波でもパルス波曝露でも、細胞でのラジカル発生は観察されなかった。

＜BEMSJ注：この研究から、温度をある値以下に維持すれば。ラジカルの発生はないと、言える。＞

＊その４：野島らのマイクロ波とラジカル2005年ＢＥＭＳ総会での発表から

記；２０１６－４－２６

以下の研究がある。

掲載誌：A joint meeting of The Bioelectromagnetics Society (BEMS) and the European Bio Electromagnetics Association (EBEA), P-B-161, pp.423-426, at the University College of Dublin (Ireland) on June 19-24, 2005
タイトル：Experimental study on the Biological Free Radical Production due to microwave exposure
研究者：Takashi Hikage, Takeaki Manabe, Toshio Nojima

内容の抜粋

The calculated peak SAR of muscle tissue was 1.7kW/kg when the output power of the exposure equipment was set at 3 kW.
計算の結果、筋肉組織へのピークSARは、マイクロ波発生器の出力が３ｋWの時、1.7W/kgであった。

As a result, free radicals were clearly produced once the microwave exposure exceeded a certain level of absorbed microwave energy.
結果として、マイクロ波曝露が、マイクロ波エネルギー吸収がある一定のレベルを超えた時に、フリーラジカルの産生が明らかに観察された。

Moreover, the temperatures of tissues were estimated using the infrared thermal imaging camera. The temperature of tissues becomes high with increasing exposure time, and in the case of temperature above 170 degree Celsius, radical spectra were clearly seen.
更に、赤外線練熱イメージを用いて組織の温度を計算した。
組織の温度はマイクロ波の照射時間の増加と共に高温になり、温度が170℃を超える時にラジカル発生が明らかに観察された。

関心のある方は、この論文の全文を読んでください。

＊その５；野島らマイクロ波とラジカル2006年EMCJでの論文から

記；２０１６－４－３　

以下の研究がある。

掲載誌：信学技報, Vol. 106, no. 224, EMCJ2006-49, pp. 29-34, 2006年9月
研究者：遠藤正隆・真鍋剛章・日景　隆・野島俊雄（北大）
タイトル：血球細胞におけるフリーラジカル発生に及ぼすマイクロ波照射影響の実験的調査

概要

生体ラジカル発生機序に及ぼすマイクロ波照射影響の実験的調査を行う．
ヒトから採取した血球細胞に対し，900 MHzと2.45 GHzの変調および非変調のマイクロ波を照射し，細胞が産生するヒドロキシルラジカルの発生量を測定する．
細胞試料の温度は39 ℃以下を維持する．
ラジカル測定は蛍光イメージング法を用いる．
また，試料の個体差がラジカル発生量に及ぼす影響を考慮し，約600個のサンプルを用いたばく露実験を行った．

実験結果より，ラジカル発生量と細胞温度には相関が得られ，マイクロ波照射による明確な非熱影響は確認されなかった．

＊その６：2005年6月　電磁環境セミナにおける講演から

2005年6月13日に長野県松本市で、総務省信越総合通信局、社団法人　電波産業会、信越情報通信懇談会の主催で「電波環境セミナ2005（安心な電波環境に向けて）」が開催された。
その中で、北海道大学の野島教授の講演の中から、興味深い点を紹介する。

電子レンジによる食品の変化はあるか？：

英国で発行されている「エコロジスト」2003年11月号に、「電子レンジで調理を行なうと、活性酸素が増えるので、健康によくない・・・・」という記事が掲載された。
これに関して、検証すべく、総務省の資金で、研究を行なった。
結果はマイクロ波の影響ではなかった。
温度を170℃以上に加熱すると、活性酸素は増えることがわかった。
これはマイクロ波の影響ではなく、マイクロ波加熱でなくても、他の方法で170℃に加熱すれば活性酸素が増えることがわかった。

＊BEMSJの中間の纏め
これら野島らの研究を概観すれば、電子レンジの加熱によるフリーラジカルの発生は、電子レンジの電磁波による効果ではなく、電子レンジによる温度上昇に伴う効果であることが判る。

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１７ZA．電子レンジ調理での影響　オランダの1995年研究

記：２０１６－５－１６　

以下の研究がある。

掲載誌：Food Chem Toxicol. 1995 Apr;33(4):245-56.
タイトル：Human diets cooked by microwave or conventionally: comparative sub-chronic (13-wk) toxicity study in rats.
通常と電子レンジで調理した人の食餌：ラットを使った準慢性的な比較試験
研究者：Jonker D：1, Til HP
1：TNO Nutrition and Food Research Institute, Zeist, The Netherlands

Abstract
概要

To compare the possible effects of microwave and conventional cooking on a range of common dietary components, mixed human diets containing beef, potatoes and vegetables were fed to groups of 10 male and 10 female Wistar rats for 13 wk.
通常の食物の範疇で通常の調理と電子レンジでの調理による影響を比較する為に、牛肉・ポテト・野菜を混ぜたヒトの食餌を、13週間にわたってウィスターラット（10匹の雄と10匹の雌）に与えた。

The diet ingredients were cooked by either of the methods in a normal and an abused manner, the latter consisting of the normal treatment followed by two cycles of reheating to approximately 85 degrees C and cooling.
食餌の原料は一般的な方法と、悪用的な方法で調理した。悪用的な調理としては約85℃に加熱してから冷却し、再度加熱して冷却するという方法をとった。

The cooked ingredients were freeze-dried, ground and mixed with supplements of vitamins and minerals to meet the rat requirements.
食餌の原料は冷凍乾燥させた、ラットが必要とする要件を満たすためにミネラルやビタミンを補給した混合食物である。

An additional control group was fed a cereal-based rodent diet.
追加の対照群には穀物をベースにしたネズミ用の食餌を与えた。

Criteria to assess toxicity included clinical observations, ophthalmoscopy, growth, food and water intake, haematology, clinical chemistry, urinalysis, organ weights, micronucleated erythrocytes in bone marrow, gross examination at autopsy and microscopic examination of a wide range of organs.
臨床的な観察・検眼法・成長・食物と水の摂取量・血液学・化学的な臨床所見・検尿・臓器の重さ・骨髄の微小核化赤血球・解剖における全般的な検査・臓器の様々な顕微鏡による検査を含む毒性評価法で判定した。

The results indicate no adverse effects of the diets cooked by microwave compared with those cooked conventionally.
結果は、一般的な方法で調理した食餌に比べて、電子レンジで調理した食餌では異常な効果は見られなかった。

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１７ＺＢ．電子レンジは危険という新谷浩実論の検証

記：２０１７－２－１　

1）新谷理論がＷＥＢに引用されている事例

幾多のサイトで、新谷理論が引用されたり、電子でレンジでの調理の危険性の論拠として引用されたりしている。

http://microcook.exblog.jp/20509930/　にあった内容

＊＊＊＊＊＊＊＊＊一部引用＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
第１９日目：　長寿健康法「シンヤビオジマ」と電子レンジ

長寿健康法「シンヤビオジマ」でも電子レンジを使わないよう薦めている。
しかしこの健康法の提唱者である新谷弘実の輝かしい経歴から、「安全性がはっきりしない以上､電子レンジを調理に使うのはお勧めできません｡」と言っただけでも、多くの人は、電子レンジは危険と受け止めてしまうことになる。

新谷弘実（1935年－）は、福岡県出身の外科医。1960年、順天堂大学医学部卒業、1963年に渡米した。
1969年9月、コロノスコープ（内視鏡）を使って、開腹手術をせずに大腸ポリープを切り取ることに世界で初めて成功し、1971年のアメリカ胃腸内視鏡学会で発表するなどの業績を残す。
以後、日本とアメリカで35万人の胃腸内視鏡検査、11万例に及ぶポリープ切除を1例の合併症なく成功させている。
（略）

新谷弘美は、その著書「病気にならない生き方2 実践編」で、電子レンジを使わないよう薦めている。

●電子レンジ排除のススメ
私が現段階で言えるのは､電子レンジで加熱するとエンザイムは失われるということです｡
安全性がはっきりしない以上､電子レンジを調理に使うのはお勧めできません｡
我が家にも電子レンジはありますが､ごくたまにしか使いません｡
（略）
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

http://plaza.rakuten.co.jp/healthycyuunen/diary/200810220000/にあった内容
＊＊＊＊＊＊＊一部引用＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
新谷弘実医師は次のように述べています。

私が取り上げたいのは、外部に漏れる電磁波の危険ではなく、電子レンジで加熱された食品そのものの危険性です。
電子レンジで沸騰させた水と、普通にヤカンで沸騰させた水を同じ植物に与えると、電子レンジで加熱した水を与えられた植物は、数日で枯れてしまうそうです。
この実験結果は、電子レンジで加熱されたものには、もう『命を養う力』は失われているということを示すものです。
（略）
【出典】いまからでも、遅くありません。☆病気にならない生き方2☆
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

http://www.rui.jp/ruinet.html?c=400&i=200&m=276275　にあった内容
＊＊＊＊＊＊＊＊＊一部引用＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
健康と食と医　　276275　電子レンジの恐ろしさ
岡本誠　（　59　兵庫　経営管理　）
13/05/29 PM10　

電子レンジは、食品の分子構造を著しく傷つけ、栄養を破壊するばかりか、食品の中に放射線分解化合物と呼ばれる、自然界には見られない異常な核融合物質を形成する。
この物質が私たちの細胞の遺伝子に与える影響が、どのようにあらわれるかはまだわかっていません。調理に使うのはお勧めできない、危険な器具です。
（略）
～～～～～～～～～～～～（以下、引用）～～～～～～～～～～～～～
私が現段階で言えるのは、電子レンジで加熱するとエンザイム（酵素）は失われるということです。
安全性がはっきりしない以上、電子レンジを調理に使うのはお勧めできません。

医学博士　新谷弘実　病気にならない生き方　2（実践編）P175
～～～～～～～～～～～～（引用おわり）～～～～～～～～～～～～～
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

2）新谷著にある原文
新谷浩実著　病気にならない生き方2実践編　2011年サンマーク出版発行以下の記述がある。

「P10　
エンザイム　（酵素）」というのは、生物の細胞内で作られるタンパク質性の触媒の総称で、生命の維持・活動に欠かすことのできないものです。
植物の種が発芽し、成長するのにもエンザイムが働いていますし、私たちが食べたものを消化吸収するのはもちろん、手を動かしたり、ものごとを考えたりするのも、エンザイムの働きのおかげです。

エンザイムにはとても多くの種類があり、人間が生きるために必要不可欠なエンザイムは、五千種以上といわれています。
なぜこれほど多くの種類のユンザイムが必要なのかというと、一つのエンザイムは特定の一つの働きしかしないという特性があるからです。

生命体はそれぞれ、自分の体内で必要に応じてさまざまなエンザイムを生成していますが、細胞の中でどのようにしてエンザイムが作られているのかなど詳しいことはまだわかっていません。

生命を支えているさまざまな「ボディ・エンザイム（体内酵素）」には、特定の場所で特定のエンザイムが大量に消費されると、他の部分で必要なユンザイムが不足する傾向が見られます。
この事実から私は、エンザイムというのは、何千種類ものものが個別に生成されるのではなく、原型となるエンザイムが先に作られ、それが必要に応じて作り替えられ使われているのではないかという仮説を立てました。

そして、このさまざまなボディ・エンザイムの原型となるエンザイムを「ミラクル・エンザイム」と名付けたのです。

ＢＥＭＳＪ注；以上の記述から、ミラクル・エンザイムは仮説であり、まだわかっていないことであるといえる。

P137
「しかし現実には、私たちが食べているもののなかには、エンザイムが完全に失われてしまっている「死んだ食べ物」がたくさんあります。
なぜエンザイムが失われてしまうのでしょう。
要因は二つあります。一つめの要因は「時間」です。
食べ物の中のエンザイムは、新鮮であればあるほど多く含まれ、「時間」がたてばたつほど少なくなります。
そして、エンザイムが完全に失われると、その食べ物は腐敗が始まり、命を養うどころか、健康を害す毒になってしまいます。

食べ物からエンザイムを奪うもう一つの要因は「熱」です。
焼く、煮る、蒸す、炒める、揚げる等々、私たちはさまざまな方法で食べ物を加熱調理しますが、じつはこの「加熱」こそが、エンザイムを壊す大きな要因になっていたのです。
エンザイムの破壊が始まる温度は48度、熱が高くなるにつれ破壊は進み、115度に達すると、エンザイムは完全に失われてしまいます。
このように考えていくと、エンザイムをできるだけ多く摂るためには、新鮮な食材を牛で食べるのがもつとも効率のよい方法だということがわかります。
地球上の生物のなかで、食べ物を「加熱調理」して食べるのは人間だけです。
他の生き物はすべて、生きたまま、もしくは生のまますぐに食べます。

ＢＥＭＳＪ注；エンザイムは単純に加熱によって失われる。電子レンジのマイクロ波による電磁波の直接効果ではなく、食材が加熱することによってエンザイムは失われる、ということである。
これでは、電子レンジでの加熱調理でも、通常の加熱調理でも同じと言える。

P176
私が取り上げたいのは、外部に漏れる電磁波の危険ではなく、電子レンジで加熱された食品そのものの危険性です。
電子レンジで沸騰させた水と、普通にヤカンで沸騰させた水を同じ植物に与えると、電子レンジで加熱した水を与えられた植物は、数日で枯れてしまうそうです。
この実験結果は、電子レンジで加熱されたものには、もう『命を養う力』は失われているということを示すものです。

ＢＥＭＳＪ注；電子レンジで沸騰させた水による植物の生長に関する実験は、まがいものであることが実証されている。
「１７Ｏ．電子レンジ加熱水で「植物がかれた」の検証　捏造された2006年の報告」でも述べてある。
こうした誤った報告をそのまま新谷氏は鵜呑みしている。

電子レンジに使われているマイクロウェーブとは、放射線の一種です。
放射線は医療の現場でも『放射線治療』などで使われているので、使い方さえ間違わなければ怖くないと主張する人もいますが、安全が確保されているはずの放射線治療においても、激しい副作用があるのは広く知られていることです。

それに短時間で加熱できるというのは、電子レンジの最大のメリットでもありますが、なぜこれほど短時間で加熱できるのかというと、自然界ではありえない速度での振動が物質内部で生じているからです。
この自然界ではありえない状態に細胞や遺伝子が耐えられるという保証はありません。
放射能汚染が遺伝子を破壊するように、マイクロウェーブの照射を受けた食物の遺伝子が傷ついている危険性はかなり高いと考えられます。

私が現段階で言えるのは、電子レンジで加熱するとエンザイム（酵素）は失われるということです。
安全性がはっきりしない以上、電子レンジを調理に使うのはお勧めできません。
我が家にも電子レンジはありますが、ごくたまにしか使いません。
ごはんを温め直すときも蒸したり、密閉容器のままボイルしたりしています。
ちょっと時間はかかりますが、電子レンジよりふっくらとおいしく温まります。

もちろん、煮たり焼いたりしてもエンザイムは失われますが、たんなる熱で壊されたエンザイムと、分子レベルで損傷させられたエンザイムでは、その「情報力」が違うのではないかと私は考えています。

ＢＥＭＳＪ注；電子レンジの加熱による分子レベルで損傷されたエンザイムは情報力が違う・・・とは、何を言っているのか科学的ではない。

3）本日の結論
新谷理論は、現時点では信じることはできない。

電子レンジによるマイクロ波によって加熱効果ではないエンザイムの損傷があることを実証するために以下の手法を提案する。
電子レンジほどのマイクロ波電力ではなく、身近にある携帯電話を使い、適当な食材のエンザイムが携帯電話の端末から発信される程度のマイクロ波で、損傷を受けることを確認する。

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１７ＺＣ．Ｒａｓｏｏｌｙらの２０１４年マイクロ波加熱の研究

記：　２０１７－１０－２１

以下の研究がある。

掲載誌：J Agric Food Chem. 2014 Mar 26. [Epub ahead of print]
タイトル：Microwave Heating Inactivates Shiga Toxin (Stx2) in Reconstituted Fat-Free Milk and Adversely Affects the Nutritional Value of Cell Culture Medium.
マイクロ波加熱は還元無脂肪乳の志賀毒素(Stx2)を不活化し、細胞培養媒体の栄養価に悪影響をもたらす。
研究者；Rasooly R, Hernlem B, He X, Friedman M.

Abstract
Microwave exposure is a convenient and widely used method for defrosting, heating, and cooking numerous foods. Microwave cooking is also reported to kill pathogenic microorganisms that often contaminate food.
マイクロ波曝露（電子レンジ調理）は、解凍のため、様々な食品の加熱や調理のために、便利な方法として広く使用されている。電子レンジによる調理はまた、食品を汚染する病原性微生物を殺すことが報じられている。

In this study, we tested whether microwaves would inactivate the toxicity of Shiga toxin 2 (Stx2) added to 5% reconstituted fat-free milk administered to monkey kidney Vero cells.
この研究で私たちは、マイクロ波（電子レンジ調理）が、サル腎臓由来Vero細胞が投与された５％無脂肪乳に加えられた志賀毒素2(Stx2)の毒性を不活化するかどうかを実験した。

Heating of milk spiked with Stx2 in a microwave oven using a 10% duty cycle (cycle period of 30 s) for a total of 165 kJ energy or thermal heating (pasteurization), widely used to kill pathogenic bacteria, did not destroy the biological effect of the toxin in the Vero cells.
Stx2が投与されたミルクの加熱、病原菌を殺すために広くは使用されている方法である合計165kJエネルギーで10%デューティサイクル(30sの繰り返し周期)のマイクロ波曝露（電子レンジ調理）及び通常の熱的加熱(低温殺菌)は、Vero細胞の毒素の生体効果を破壊しなかった。

However, conventional heating of milk to 95℃ for 5 min or at increased microwave energy of 198 kJ reduced the Stx2 activity.
しかし、ミルクの5分間95℃の従来の加熱法、または198kJに増加させたマイクロ波エネルギー（電子レンジ調理）は、Stx2の活性を低下させた。

Gel electrophoresis showed that exposure of the protein toxin to high-energy microwaves resulted in the degradation of its original structure.
強力なマイクロ波へのタンパク質毒素の曝露が、基の構造の分解をもたらしたことを、ゲル電気泳動によるテストで判明した。

In addition, two independent assays showed that exposure of the cell culture medium to microwave energy of 198 kJ completely destroyed the nutritional value of the culture medium used to grow the Vero cells, possibly by damaging susceptible essential nutrients present in the medium.
さらに、198kJのマイクロ波エネルギーの細胞培養媒体への照射が、おそらく媒体中に存在する感受性必須栄養素を完璧に破壊することによって、Vero細胞が増殖するために使用される媒体中の栄養素が壊されたことを、二つの独立した分析の結果は、示している。

These observations suggest that microwave heating has the potential to destroy the Shiga toxin in liquid food.
この観察は、マイクロ波加熱には、流動食の志賀毒素を撲滅させる可能性があると、示している。

注：
ベロ毒素とは、一部の腸管出血性大腸菌（EHEC）が産生し、菌体外に分泌する毒素タンパク質（外毒素）で、VT (= Vero cell Toxin) の省略形。一部の赤痢菌（志賀赤痢菌）が産生する志賀毒素と同一のものであり、志賀様毒素とも呼ばれる。
真核細胞のリボソームに作用して、タンパク質合成を阻害する働きを持つ。
影響を強く受ける臓器は大腸、脳、腎臓で、出血性の下痢、急性脳症、溶血性尿毒症症候群(HUS)などのさまざまな病態の直接の原因となる病原因子である。
この毒素には志賀毒素1(Stx1)と志賀毒素2(Stx2)がある。

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１８．ＩＨ電磁調理器も問題？　

作成：２００５－８－１５

「夕刊三重」2005年5月12日木躍日に以下のような記事が掲載されました。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　一部　引用して紹介　　　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　　　　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

給食調理用のコンロ　　　小鍋専用にガス使う　　　松阪市　「電磁波が心配」の声で対応

昨年度に開園し、施設内を完全電化していた松阪市肥留町の三雲北幼児園と、小津町の三雲南幼児園で、電磁調理器(クッキングヒータ)の使用に一部制限を加え、ガスコンロの導入を考えていることが11日までに明らかになった。

市によると、小さい鍋を使用した際のみ鍋が接触していない部分から比較的高い電磁波が発生するとして、自治労県本郁から対応を求められたため。
市では現場の調理員と協議し、ガスコンロ導入を検討しているが、そうなると施設の大きな特徴だった完全電化はわずか１年で崩れることになりそうだ。

電磁調理器は多量のスープなどを作る際などに用いるずんどう鍋など大きな鍋に対心するタイプで、小さい鍋で調理した時のみ、鍋が当たっていない部分から電磁波が出ることが原因という。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　　　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　　　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

詳細は、この新聞記事を読んでください。

新聞記事だけではなんとも判断できませんが、新聞記事に掲載された写真から判断すると、かなり大型の鍋でも使用できる業務用の大型ＩＨ調理器を設置したようです。
この大型のＩＨ調理器に、幼稚園なので、ミルクを温めるために、小型の鍋（市販されている鍋では１４ｃｍくらいの直径？？）を使用したために、外部に２０ＫＨｚと言った磁界が、それなり大きな量で、漏れたのかも知れません。

こうなると、ＩＨ調理器で、小型の鍋を使用することは問題なのかも知れません。

今回のこの新聞記事のケースで、どのような測定器で、どのような周波数の磁界が漏れたのか、そのときの使用した鍋の大きさは････　など詳細なデータが欲ししものです。そうした詳細なデータがないと、正確な判断はできません。

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１９．ＩＨ調理器の関する工業会のＷＥＢの疑問

日本電機工業会のWEBにあったＩＨ調理器からの電磁波に関する見解です。
詳しくは以下のURLにアクセスしてください。
http://www.jema-net.or.jp/Japanese/kaden/ih/ih-08.htm　＜リンク切れ＞

（Q3）　IHクッキングヒーターの電磁波レベルはどのくらいなの？

このように、IHクッキングヒーターの電磁波は、昔からご愛用いただいている一般の電気製品と同レベルです。

ここで、上記のWEBの表現に対して、疑問があります。
50Hzや60Hzといった電力周波数帯に関しては、異存はありません。

「20kHzと言ったIHの動作周波数帯域で、2マイクロテスラ以下であるから、従来の家電機器と同レベル　と言い切ってよいのでしょうか？」

ICNIRPの参考レベル以下とは言えるにしても、ICNIRPの参考レベルは50Hzで100マイクロテスラ、20kHzでは6.25マイクロテスラということを勘案すると、
「このように、IHクッキングヒーターの電磁波は、昔からご愛用いただいている一般の電気製品と同レベルです。」と断言することには、疑問を感じます。　　　
記：2006-4-1

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２０．ＩＨ炊飯器は大丈夫？

ある報告書を読んでいました。　それは以下に示す磁界の測定器の開発に関するものでした。

掲載誌：第48回自動制御連合講演会　2005年11月25日，26日 JA長野県ビル
タイトル：人体曝露に関する磁界測定器の開発と関連規格
発表者：○中山淳渡辺英雄峯村和孝長沢広輝宮島貞敬（日置電機株式会社）

この報告書は磁界の測定器の開発の報告です、測定の一例としてＩＨ炊飯器の実例を測定として掲載しています。

ＩＨ炊飯器から３０ｃｍの距離で測定を行っています。

＞4.3 測定結果
＞測定結果を下記に記す．炊飯器の下方(180°)にセンサを配置した時，
＞レベルが最大となり73.5％となった．
＞これは100%よりも小さいため，規格に適合する．

この測定器はＩＣＮＩＲＰの曝露基準に対して何％に相当するかという値を示します。
報告書では１００％を超えなかったから大丈夫という記述になっています。

でも、これは、一般家庭で使用されているＩＨ炊飯器が大丈夫といえるのでしょうか？
この実例では１００％を超えず、７３．５％という数字ですが、これはたまたまあるモデルの1台を測定した結果です。
モデルによっても、１００％を超えるＩＨ炊飯器はないといえるのでしょうか？　確認が必要かも知れません。

関心のある方は、上記論文を入手して読んでください。

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２１．ガス関係会社もＩＨ調理器を製造・販売？

2005年11月　ヤフーのオークションで、変な出品物を見つけました。
「◆送料無料◆リンナイ IHクッキングヒーター RKT-30WIH-SV◆」　という売り物です。

オール電化を推進し、ＩＨ調理器の使用を推進している電力会社に対して、オール電化となれば困るとので、ＩＨ調理器の場合の電磁波漏洩が問題であるとする論調でオール電化に対抗しているのがガスの関係者（社）です。
リンナイはガスの器具の製造会社です。
ガス屋がＩＨ調理器を製造販売している？　まさかとおもいました。

そこで、購入する気持ちはさらさらないのですが、出品者に質問をして見ました。　そして、以下にその回答が来ました。

あなたが質問した商品に関する情報です。

1. 質問への回答
この商品について、次の質問が送られました。
「このＩＨ調理器はガスコンロで有名なリンナイの製品ですか？　写真ではブランド名がよく見えませんでした。」

この質問に対して、出品者から次の回答が送られました。
「リンナイの製品でございます。　製造元は「アールビーコントロール」　ですが、リンナイのブランドで発売されているモデルです。　よろしくお願い致します。」

さて、上記の情報は2005年11月の時点のものです。
その後も、継続してこの商品が売られているのでしょうか？　たぶん、販売は縮小の方向ではないかと、想像しますが・・・・・　　　どうなのでしょうか！！！

追記：２０１６－５－２２
以下の情報の提供を受けました。
『アールビーコントロール社は、石川県にあるリンナイの子会社で、ガス機器用の電子部品を製造している会社です。
３０年ほど前に、工場視察に行ったことがあります。』　　と。

念のために、この会社のWEBを見てみましたが、当該のIH調理器に関する情報は皆無でした。
たぶん、もう生産・販売は行っていないのでしょう。

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２２．Yahooの掲示板にあったIH調理器不採用の事例

IH調理器を電磁波が問題として採用せずに、ガスにした　という事例です。
Yahooの掲示板に書き込まれたTsuabaさんの了解を得て、コメントをこのサイトに転載します。
作成：　2006-4-15

Yahoo!　掲示板
トップ> スポーツ、レジャー > 旅行 > 地域別 > 都道府県 > 大阪府 > 50代友達広場へ来て～～～♪

台所　　2006/ 4/14 11:21　 No.5392 / 5392
投稿者：tsuaba

今日は台所のガスレンジ、換気扇の取替工事です。
24年間も使ってたから、もうボロボロです。
IHヒータにしようと思っていましたが、強力な電磁波が発生するというので、やはりガスにしました。

防犯のため、お隣との境の路地に出入出来ない扉を付ける工事もしてて、朝からバタバタですワ。

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２３．IH調理器に使用されている20KHzなどの中間周波数磁界の発がん性評価結果

作成：２００６－４－１８

以下は、第32回日本トキシコロジー学会学術年会　2005年で報告された研究結果です。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　　　　　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　　　　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

タイトル：中間周波磁界曝露装置の開発と微生物復帰突然変異試験による磁界の変異原性評価
研究者：中園聡, 池畑政輝, 西村泉, 重光司, 根岸正

その概要です

［背景］近年、様々な電気機器の発達により、中間周波数帯の電磁界の利用が増加しており健康影響に関する関心が高まりつつある。しかし、中間周波電磁界（300Hz～10MHz）の生物影響については、ほとんど研究されていない。
［目的］in vitro試験が可能な中間周波磁界曝露装置を開発し、微生物復帰変異試験により、2kHz、20kHz、60kHzの中間周波磁界の変異原性について検討する。
［方法］in vitro試験用の中間周波磁界曝露装置を開発した。
この装置を用い、６種類の試験菌株（サルモネラ菌４菌株(TA1535、TA1537、TA98、TA100)および大腸菌２菌株(WP2 uvrA、WP2 uvrA/pKM)）に対し、2kHzで910μT、20kHzでは、270μTおよび1.1mT、60kHzでは110μTの磁界を、それぞれ48時間曝露した。
［結果］t-検定で復帰変異コロニー数を評価したところ、いずれの菌株でも再現性のある有意な復帰変異コロニー数の変化は見られなかった。
また、各試験結果の平均値を用いたプール解析でも有意な差は見られなかったことから、本研究で検討した高磁束密度の中間周波磁界には、変異原性がないことが明らかとなった。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　　　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　　　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

　関心のある方は、全文原著を入手して、読んでください。

この結果によれば、IH調理器の動作周波数（２０ｋHz、オールメタル対応の場合は６０ｋHz程度）の磁界に２７０μT（ICNIRPの一般公衆に対する暴露基準地　参考値である６．２５μTの50倍）では、細胞実験では変異原性はなく、発がん性は否定されます。

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２４番欠番

２５．ＩＨ調理器からの磁界による人体誘導電流の研究

作成；２００６－６－６

掲載誌：電気学会論文誌Ａ　125巻5号　2005年
タイトル：誘導加熱調理器近傍の加熱周波数磁界の測定と人体誘導電流推定
研究者：鈴木畝久、多氣昌生

概要：まとめの部分から
家庭用の誘導加熱調理器による磁界の人体曝露に関する評価を行った。
人体が、誘導加熱調理器に50mmまで近づいた状態では、入射磁束密度が局所的にICNIRP防護指針の参考レベルを超える場合があった。
ICNIRP防護指針では、磁束密度で表される参考レベルを超える場合は、本来の制限である基本制限を満たすことを確認する必要がある。
本研究では、誘導電流密度を計算して基本制限と比較し、表3に示すように誘導電流密度が基本制限より十分に小さいことを示した。すなわち、測定対象とした誘導加熱調理器からの磁界は防護指針を満たしている。＜図表などは割愛＞

私が読んだ範囲で、この研究は
１）IH調理器として20KHz帯域で動作するものと、オールメタル対応のために60KHz帯域で動作するモデルを選択。
　　出力は2KW。（3kWのものは2kWでの結果から推定が可能としている）
２）鍋の大きさは13cmおよび15cm　（特記はないが、コイルの中心に鍋の中心を合わせていると推定）
３）人体としては腹の部分が調理器の外殻に5cmの近距離で、直立していると想定。
として磁界を実測（局所的な最大の磁界は10μTと16μT、センサのサイズは直径25mmの3軸）し、その結果に基づいて人体の誘導電流を計算したものです。

この研究によれば、ＩＨ調理器の発生磁界はＩＣＮＩＲＰの参考レベルを局所的に超えるが、誘導電流を計算すればＩＣＮＩＲＰの基本制限に合致している　という結果です。
関心のあるかたは、この論文の全文原文を入手し、読んで下さい。

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２５A．伊藤らIH調理器による誘導電流2005年の研究

記：２０１９－１１－５

以下の研究がある。

掲載誌：信学技報, vol. 105, no. 454, EMCJ2005-115, pp. 7-10, 2005年12月　EMCJ2005-115
タイトル：IH調理器近傍におかれた人体の磁界曝露評価に関する検討
研究者：伊藤邦彦・上村佳嗣・山田芳文（宇都宮大）

概要：
本研究では、IH調理器などから生じる磁界における、人体磁界曝露評価に関する検討を、SPFD法を用いて行った。
日本人成人女性モデル、アメリカ人成人男性モデルの2種類の解剖学的人体モデルを用いて、モデルの違いによる最大誘導電流密度の比較を行った。

また誘導電流密度の面積 1cm2での平均化を行い、ICNIRPのガイドラインとの比較を行った。
その結果、人体モデルによって最大誘導電流密度に大きな差異が生じること、ポータブル型IH調理器を用いた場合、鍋の種類や人体組織によってはICNIRPのガイドラインを超える電流が流れる可能性があることを確認した。

さらに人体モデルを波源の上下で分割したことによる計算負荷の低減について検討を行った。
その結果、人体モデル分割によって計算結果の差異がほとんど生じることなく、計算負荷の低減につながる結果が得られた。

原著を読むと、
・ICNIRPのガイドライン値
本研究で用いたIH調理器の周波数20ｋHzのおけるICNIRP一般公衆の曝露ガイドライン値（1998年）、人体内の電流密度は40ｍA/m2である。

・計算の結果の例

そして
「4．まとめ」として
本研究では数値人体モデルを用い、SPFD法を用いてシミュレーションを行い、人体モデル内誘導電流密度を求めた。
数値人体モデルとして日本人成人女性モデル、アメリカ人成人男性モデルを用い、モデルそれぞれについて波源を微小磁気ダイポール及び1ターンコイルとし数値シミュレーションを行った。

得られた最大誘導電流密度とICNIRPのガイドラインとの比較を行うために平均化処理を行った。
また、数値人体モデルを2分割することによる計算負荷への寄与について検討を行った。
平均化処理によってICNIRPのガイドラインとの比較が可能になった。
この結果ポータブル型IH調理器を用いた場合、アメリカ人成人男性モデル、日本人成人女性モデルそれぞれにおいて、組織によってはICNIRPのガイドライン以上の誘導電流が流れる可能性があることが判明した。
また、微小磁気ダイポール、1ターンコイル双方においてほぼ同様の結果が得られた。

次に日本人成人女性モデルを2分割した場合でも、分割前と非常に近いシミュレーション値を得ることができた。
また分割によりメモリ使用量を節約することができ、さらに計算時間も74.6％程度に低減することができた。
今後はアメリカ人成人男性モデル（セルサイズ2mm）との比較や、同－モデルでセルサイズを変更した場合の検討、IH調理器内部の螺旋状コイルから発生する磁界により近づけた数値シミュレーションを行う予定である。

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２６．ＩＨ調理器の磁界のワースト条件は？

ＩＨ調理器の使用法で磁界の漏洩は大きくなる？

条件１．鍋を使用中に持ち上げた場合
調理中に鍋を持ち上げた場合、ＩＨ調理器からの磁界発生は停止します。
その停止までの時間はどの程度でしょうか？持ち上げた瞬間に磁界の発生が止まるのでしょうか？
以下はその一例です。とあるＩＨ調理器の取り扱い説明書に記載されている部分です。

鍋をはずすと約1分後に通電が止まり、磁界の発生がなくなります、と。

鍋を手に持って持ち上げると、1分間は磁界が発生し続け、その間はそれなりの磁界を調理器の近傍にいる人は浴びることになります。　さて、どの位の量になるのでしょうか？確認してみる価値はあります。

条件２．鍋を揺り動かして使用する場合、
以下は同じ取り扱い説明書にあった例です。

炒め物をするときに、鍋を前後に揺り動かします。揺り動かす範囲はどの程度でしょうか？

あまり激しく揺り動かせば、「鍋がない」と検出し、通電は止まります。
鍋がないと判定しない程度に揺り動かすと、鍋は磁界発生コイルの中心に置くだけの場合と異なり、鍋がずれたときには磁界の人体暴露が大きくなると予想されます。

さて、こうした使用法の場合の磁界曝露はどの程度になるのでしょうか？
確認してみる価値はあります。

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２７．IH調理器用電磁波防護エプロンの効果？

最近のIH調理器からの電磁波に関心が高まっていることからでしょうか、とある会社が専用のエプロンを販売していました。
http://dennjiha.maXXX.XXX/　にあった内容です。

＞IH安心エプロン
＞IHクッキングヒーター（IH調理器）専用電磁波防護エプロンです。
＞IHクッキングヒーター（IH調理器）やIH炊飯器から発生する20kHz～60kHzの低周波電磁波（磁界）を、・・・・で99～99.9％カットします。

このエプロンの電磁波防護素材としての性能は30KHzといった磁界を99%カットしてくれるようです。
このWEBでは実際のIH調理器の前にエプロンを置いてその電磁波遮断効果も実測しています。

詳細の実測データ（IH調理器の前に人体ダミーを置いて、電磁界の測定を行ったデータ）を拝見すると、
IH調理器からの距離10cmで、人体のへその部分に相当する箇所では、エプロンなしで12.8マイクロテスラが、もっとも高価で遮断効果のあるエプロンでは、6.7マイクロテスラとなり、48%減となっています。30cmの距離では　4.7マイクロテスラが2.9マイクロテスラと、41%の減となっています。

素材としての99%という宣伝と、実際の使用条件では良くて40-50%という低減率の間に大きな乖離があります。

40%カットでも効果があると思う人は購入しても良いでしょう。
冒頭の宣伝にある99%カットを信じている人には冷や水です。注意が必要です。

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２８．IH調理器の電磁波が怖くて、オール電化をやめて、ガスにすれば、安全か？？？？

どうも安全とは言い切れないようです。

以下は経産省のWEBにあったガスに関連する死亡事故の例です。

*＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　　*＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
平成１８年７月１４日　　経済産業省
パロマ工業（株）製瞬間湯沸器による一酸化炭素中毒事故の再発防止について

パロマ工業（株）製の半密閉式瞬間湯沸器のうち４機種について、これまでに排気ファンの作動不良により一酸化炭素中毒事故が発生していました。経済産業省としては、パロマ工業（株）に対し、上記４機種に類似の３機種を含めた７機種の点検を行うことを指示しました。また、同様の指示を都市ガス事業者及びＬＰガス事業者に対しても行っています。当該７機種を使用する消費者に対して、点検が終了するまでの間は、排気ファンが確実に作動していることを確認して使用するよう注意喚起します。

パロマ工業（株）が昭和５５年４月から平成元年７月までに製造した半密閉式ガス瞬間湯沸器４機種（ＰＨ－８１Ｆ、ＰＨ－１０１Ｆ、ＰＨ－１０２Ｆ及びＰＨ－１３１Ｆ）につき、昭和６０年～平成１３年までの間に排気ファンの作動不良による一酸化炭素中毒事故が１６件発生し、合計１４名が死亡しました。更に、平成１７年１１月末に至り、新たに１件の死亡事故が発生しました。

*＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　　　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

関心のある方は、経産省のWEBや関連のマスコミの報道をチェックしてください。

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２９．もうひとつのＩＨ調理器からの磁界による誘導電流の解析

2006年6月のＥＭＣ－Ｊで発表された論文です。

研究者：太良尾浩生ら
タイトル：電磁調理器からの中間周波磁界による成人及び小児モデル内の誘導電流解析

概要：
電磁調理器から発生する中間周波磁界によって、それを使用するヒトの体内に誘導される電流を調査するために、人体数値モデルを用いてモデル内誘導電流の数値解析を行った。

解析には、電磁調理器周辺の磁界測定結果から得た磁気モーメントを組み込んだ。
また、人体モデルは日本人における男女の成人と小児の合計4モデを使用し、モデルの体形や大きさの違いによる体内誘導電流への影響を検討した。

この結果、男女の体形や固有組織の違いによる体内誘導電流分布への大きな影響はなかつた。

しかし,成人モデルと小児モデルでは、磁界源と人体モデルとの相対的な位置関係が異なるため、各組織における誘導電流が大きく異なることが分かった。

特に、神経系組織における誘導電流は、磁界源が近い小児モデルの場合が成人モデルの場合よりも2.4-7倍大きくなることが分かった。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　概　要　終　わ　り　＊＊＊＊＊＊＊＊

この論文を読むと、小児モデルの場合の最大の誘導電流は20mA/m2と計算されている。

この値は、この論文によれば「小児の誘電率が成人のそれよりも大きい可能性があることが報告されている。
したがって小児の場合、この20mA/m2という本報告の数値よりも大きくなる可能性がある。
今後も継続した検討が必要。」ということになっている。

ちなみに、ICNIRPの電磁界曝露ガイドラインによる制限値は20KHzの磁界に関しては40mA/m2である。

この結果は、ＩＣＮＩＲＰの基本制限に対して「５０％もしくはそれを超えるかもしれない」　という報告です。

詳細は、関心のある方は、原著・原文を入手して読んでください。

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30. 今　ひとつ正確ではない　ガウス通信81号のIH調理器の記事

　　　作成：2006-10-29
　ガウス通信81号　2006年10月10日発行には、IH調理器からの電磁波に関する記事が掲載されています。
　関心のある方は、詳細は、当該の冊子を入手して読んでください。

　その記事の概要です。
記事の見出し：　業務用電磁調理器の計測、家庭用よりは低かったが、オール電化が推し進められる病院、学校の調理室
＊東京近郊の病院の調理室にある業務用IH調理器からの電磁波を実測した。
＊調理器の出力は3KWのものと5kWのもの
＊使用した測定器は4090型
＊5kWのIH調理器からの磁界　距離10cmで19.8mG 30cmで5.2mG
＊3kWのIH調理器からの磁界　距離10cmで8.2mG 30cmで2.0mG
＊これらの結果は家庭用IH調理器より低い
＊ICNIRPのガイドラインの62.5mGは、距離10cmまで近接しても越えなかった。

　さて、この情報で、大きな誤りがある。
IH調理器からの磁界漏洩は、50Hz･60Hzなどの商用周波数の磁界の漏洩と、20KHzといったIHの動作周波数の磁界の漏洩がある。
50Hzの磁界にICNIRPの参照値は1000mGであり、20KHzの磁界の参照値は62.5mGである。
磁界測定器4090型の測定周波数範囲は30Hzから900Hzである。
したがって、上記測定の19.8mG云々は、50Hz･60Hzの磁界を測定しているだけである。　その50Hzの磁界の測定値を20KHzの磁界の参照値と比較することは正しくない。

IH調理器からの磁界で把握すべき電磁波は20KHzなどの磁界の量である。
　この肝心の磁界を測定していないのは、電磁波の測定・評価としては不十分であり、「距離10cmまで近接してもICNIRP参照値を超えなかった」というこのガウス通信の結論は正しくない。　

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３１．市民科学研究室からの報告「業務用IHクッキングヒーターからの電磁波 ICNIRPの基準値を超える強さ」

作成：２００６－１２－１
この報告書（報告書に発行日時は記載されていないが、計測日と本日までの間に発行されたと推定）によれば、以下のデータとなっている。

業務用IH機器を対象に、周波数別の磁束密度を精密に計測した。
■計測日：2006年10月3日（火）
■アンテナ設置の高さ：0.83m
■IH加熱部中心からアンテナまでの距離：32cm
■使用したなべの大きさ：なべ大（底面の直径30cm）、なべ小（底面の直径14cm）

ICNIRPのガイドラインでは、0.8kHz～150kHzの周波数帯域の規制値は磁束密度で6.25μT（マイクロテスラ）である。
図にあるように1軸のセンサ（本来は3軸であるべき）で調理器の外殻に密着して測定されている。

なべ1個（大：30cm）火力設定：最大レベル10 　29.41ｋHzの磁界は　1.01μT（１０ｍGと等価）
なべ1個（中：14cm）火力設定：最大レベル10　 24.79kHzの磁界は17.6μT （１７６ｍGと等価）

測定状況

関心のある方は、詳細は、市民科学研究室の報告書を入手して読んでください。

BEMSJのコメント：
このような測定を行うのであれば、3軸で測定を行うか、1軸ループアンテナの場合は、X・Y・Z軸方向で測定を繰り返して、その合成値を得るべきです。
写真で示す方向の軸に磁界が最大に漏れているとは限りません。
もしかして最大値の測定をもらしているかも知れず、３軸で測定を行えば、もっと厳しい値が出るかもしれません。
　

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32. 宇都宮大学のIH調理器に関する研究

EMCJのちょっと古い発表にあった内容です。
IH調理器からの磁界による誘導電流が、ICNIRPの規定を超える可能性がある　ということでちょっと重要な研究です。以下に示す概要しか入手できていませんが、原文（全文）を入手する必要があります。　
作成：　２００７－３－２６　

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　　　　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
掲載誌：信学技報, Vol. 105, No. 454, EMCJ2005-115, pp. 7-10, 2005年12月
タイトル：IH調理器近傍におかれた人体の磁界曝露評価に関する検討
研究者：伊藤邦彦・上村佳嗣・山田芳文（宇都宮大）

概要：
本研究では，IH調理器などから生じる磁界における，人体磁界曝露評価に関する検討をSPFD法を用いて行った。日本人成人女性モデル，アメリカ人成人男性モデルの2種類の解剖学的人体モデルを用いて，モデルの違いによる最大誘導電流密度の比較を行った．

また誘導電流密度の面積1cm²での平均化を行い，ICNIRPのガイドラインとの比較を行った．

その結果，人体モデルによって最大誘導電流密度に大きな差異が生じること，ポータブル型IH調理器を用いた場合，鍋の種類や人体組織によってはICNIRPのガイドラインを超える電流が流れる可能性があることを確認した．

さらに人体モデルを波源の上下で分割したことによる計算負荷の低減について検討を行った．その結果，人体モデル分割によって計算結果の差異がほとんど生じることなく，計算負荷の低減につながる結果が得られた．

＊＊＊＊＊＊＊＊　　　　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

＜この研究の詳細は、２５A項に記載しました。＞

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３３．2007年のＩＨ調理器に関する芳賀研究

作成：　２００８－１－１１　

掲載誌：電子情報通信学会信学技報 EMCJ-2007 - 6 (2007- 04)
タイトル：オールメタル対応型電磁調理器から発生する磁界測定（その2 )
研究者：芳賀昭　ら（東北学院大学工学部）

あらまし
3種類の最新のIH調理器から発生する漏洩磁界分布が測定され、旧型の前回報告と比較した。
最新の励磁周波数が20kHzと90kHz（オールメタル対応型）のIH調理器の漏洩磁界分布の特徴が比較され，その違いについて3次元磁界解析により検討した。
まとめられた測定結果は、ICNIRP の公衆防護針値と比較され、最新のIH調理器が発生する漏洩磁界のレベルの把握と、IH調理器に暴露された人体の体内誘導電流の検討に有用であると考えられる。

まとめ
励磁周波数がSUS鍋用では20kHz、オールメタル対応では90kHzに高周波化した最新の2種類のIH調理器と，他のメーカーのSUS鍋用の20kHzの励磁周波数をもつIH調理器から発生する磁界を測定した結果、以下のことがわかった。

(1)2種類の機種とも、AL製の小鍋を載せた場合はSUS製の小鍋を載せた場合に比べて漏洩磁界が小さい。
この結果は、数値解析の結果と傾向が一致しており、鍋がALの場合はSUS製に比べて、磁気抵抗が大きくなるため、鍋を通過する磁束量が少なくなった結果、漏洩磁界が小さくなったと考えられる。鍋がALの場合、熱効率が大きく下がることが確認できたが、熱効率と漏洩磁界の関係性は確認でできていない。

(2)SUS製の鍋を載せた場合、機種B・機種Cは機種Aに比べ漏洩磁界の範囲が広く、機種間に差が認められた。

(3)AL製鍋同士で比較すると、機種Bの方が漏洩磁界の範囲が広く、機種間に差が認められた。

(4)前回の報告と今回の測定結果を比較した結果、機種A・機種Bとも、今回のオールメタルル（新型90kHz）は、旧型60kHzに比べて漏洩磁界は、機種Aでは小さくなり、機種Bでは大きくなった。
SUS製の小鍋の場合（20kHz)の漏洩磁界の今回の測定結果を前回と比較すると、機種Aでは顕著な差が認められず、機種Bでは前回よりやや大きくなる傾向が認められた。

(5)今回の近磁界プローブにより測定した結果では、IH調理器から300mmの距離における漏洩磁界強度（IEC62233に準拠）はいずれの機種もICNIRPの公衆暴露レベルを下回っていた。

関心のある方は、原著・全文を読んでください。

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３３Ａ．IH調理器からの電磁界漏洩　スイスの報告

記：２０１０－１１－１７

Federal Office of Public Health (FOPH)（公衆衛生に関するスイス連邦事務局　とでも訳す？）が発行したInduction hobs（ＩＨ調理器）に関する報告書・見解にあった実測結果です。
この文書の発行年は当該のページには記載されていません。　２０１０年１１月のログです。
参照ＵＲＬ：http://www.bag.admin.ch/themen/strahlung/00053/00673/03156/index.html?lang=en

以下の図は、適正な鍋を調理器の中心に置いた場合と、不適切な鍋を調理器の中心からずらして置いた場合の、磁界曝露を距離を変えて測定した例です。
不適切な場合は、２５ｃｍ以内の距離ではＩＣＮＩＲＰ（１９９８年　全身平均曝露に関する規定）の一般公衆に対する限度値６．２５μＴを超えることがわかり、距離が１ｃｍと近接した場合は、６倍の曝露となることが示されている。

Figure 4: 　Stray fields were measured at a distance between 1 and 30 cm with appropriate, centered pans and inappropriate, off-centre pans.

関心のある方は、上記の報告書原文をダウンロードして読んでください。

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３３Ｂ．スイスのＩＴＩＳ財団の2007年報告書

記：２０１０－１１－１８
以下の報告書を入手しました。
タイトル：B-Field Exposure From Induction Cooking Appliances
研究者：Clementine Viellard, Albert Romann, Urs Lott, and Niels Kuster
発行：Zurich, July 2006 (revised July 2007)

スイスでもＩＨ調理器が用いられているので、この調理器からの電磁波に関する調査が行われ、74ページの報告書になっています。
様々な条件で調理器の近傍の磁界強度を測定しています。
結果は
・ＥＮ５０３６６に規定する測定法（距離30ｃｍ、鍋は中心に合わせて置く）によって測定すれば、ＩＣＮＩＲＰ（1998年）の限度値（一般公衆に対する価：6.25μＴ）を超えない。
・しかし、最悪の条件（鍋を中心からずらして置いたり、鍋のサイズや底面の状況が変化したり、３０ｃｍより近距離で測定）では、6.25μＴを大きく超える場合がある。

関心のある方は、上記の報告書を入手して読んでください。

以下に最悪の条件でのデータの一例を示します。
グラフが鮮明ではありませんが、　距離３０ｃｍでは6.25μＴ以下、１０ｃｍ、５ｃｍ、１ｃｍでは大きく超えていることが判ります。

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３３Ｃ．韓国でのＩＨ調理器からの電磁波測定結果2009年

記：２０１５－１１－３０

韓国デジタルタイムス社のサイトにあった情報　
http://www.dt.co.kr/contents.html?article_no=2009070802011032727004にあった内容の一部です。

韓国語を機械英訳してみました。
機械英訳は十分ではなく、どうにか意味をとれる範囲を、機械英訳から和訳したものを、以下に示します。

原題：Cooking Products Radiation Advisory：Induction Range and up to 3 times more than 10 products
Enter: 2009-07-07 21:01

最近一般的になってきているＩＨ調理器に近接すると、望ましいとされるヒトへの限度値を超える電磁界に曝露することになる。

４台のIH調理器と、６台のIH炊飯器を測定し、すべて30cmではICNIRP値を満足するが、10cmではICNIRP値の3倍にもなる。

韓国消費庁は、4台のＩＨ調理器と、6台のＩＨ炊飯器からの電磁波を測定した。
62.5ｍＧの基準に10台の機器は30ｃｍの距離では満足していたが、10ｃｍの距離ではＩＣＮＩＲＰの規定62.5ｍＧを超えて、最大では3倍の曝露であった。

（以下　略）

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34．電球型蛍光灯から高い高周波電界強度が測定、本当？

記：２００９－７－１７

http://next-up.org/Newsoftheworld/CompactFluorLamp.php にあった内容　
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　一部　引用　　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
Low-energy bulbs: a not-so-bright idea
1st Record : radiation level 192,3 V/m: "Great"!!

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　　　＊＊＊＊＊＊＊

電球型蛍光灯から最大で192.3V/mの電界を検出しています。

測定器は何か？
測定器の型式などはサイトには記載されていません。
このサイトにある他の写真からArnouxというブランド名が見えました。

そこで、この1－2時間かけて、測定器関係のサイトをサーフィンし、探してみました。
フランスの測定器会社のサイトで、Arnouxブランドの電磁界測定器として。CA-43という型名の電界測定器であることを見つけました。
このCA-43は、測定可能周波数範囲が100kHzから2.5GHzの広帯域電界測定器のようです。周波数分析などは不可能なもののようです。

100kHz以上の高周波電界測定器とうことから、192V/mという指示とが出ているので
もし電球型蛍光灯から100kHzから1MHzの間の周波数の電界放射があると仮定すると
ICNIRPの一般公衆に対する100kHzから1MHzの電界限度値は87V/mであるので、越えてしまいます。
（ICNIRPの規定は全身平均曝露なので、192V/mの局所だけではなく、全身に相当する空間分布を測定して、平均を出す必要があります。）

さて、それでは、電球型蛍光灯のインバータ周波数は、幾らなのでしょうか？
ネットでちょっと検索しただけでは、周波数は判りませんでした。
多分、100kHz以下なのではないかと、想像します。
どなたか、電球関係・照明関係の会社の方がおられれば、周波数を教えてください。

電球型蛍光灯のインバータ周波数が100kHz以下であるとすれば、このフランスの環境庁の測定と報告は、恥ずかしいレベルのものとなります。
192V/mという大きな値が出たのであれば、測定器の性能などを勘案して、正しく測定がなされているかを、周波数分析の可能な測定器で、再度、確認を行うのが、一般的な測定手順です。

この種の広帯域電界測定器は、測定保証周波数範囲外の電磁波も拾って、誤動作することが良くあるからです。

同じような情報が他にもあります。

暮らしの中の電磁波測定　　（電磁波問題市民研究会著）　緑風出版　では、
＞インバータ式蛍光灯　高周波　測定結果
＞＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝
＞直　 230－270V/m　（270V/m=19366μW/cm2）
＞30cm 48.0－70.0V/m　（70V/m=1299μW/cm2）
＞＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝

この測定にも疑義があります。
暮らしの中の電磁波測定の本の中に、使用した測定器の型名が記載されています。
高周波電界測定　NARDA社 EMR-300　と

このEMR-300の仕様は、手元のカタログによれは、使用するプローブによって異なりますが、低い周波数まで測定できるものを選択していると想像して、100kHzから3GHzです。
ダイオードを使用した検波方式で、広帯域電界測定器で、周波数分析はできないものです。
ArnouxのCA43と類似の機能です。

電磁波問題市民研究会が測定したインバータ蛍光灯の周波数は幾らでしょうか？
本の中には、周波数に関する記述はありません。
私も専門外で、インバータ蛍光灯のインバータ周波数がどの程度か判りません。

もしかして、100ｋＨｚは越えていないのではないかと思います。
もし、100kHzを越えていないとなると、100kHz以上の周波数を測定する測定器で、230～270V/m という想定結果は信頼できない値となります。
フランスの測定と同じで、正しく測定を行っていない　ということになりかねません。

追記：　２００９－７－２５
インバータ式蛍光灯のインバータ周波数はいくらか？　探ってみました。
ある情報源では、インバータ周波数は40kHzと明記してありました。
パナソニックや東芝の照明器具関係のサイトを見ました、インバータ周波数は明記されていませんが、低電磁波型インバータ蛍光灯照明器具の概要を示す頁では、電源線への伝導雑音の測定データが開示されていました。この開示データから、インバータ周波数は、40－50kHzの間、70kHz前後と読むことができました。
したがって、インバータ蛍光灯のインバータ周波数は100ｋHz を越えない　と言えそうです。
上記のフランス環境省のサイト、電磁波問題市民研の測定結果を述べた本の内容は、明らかに不正確であり、誤りといえます。

ただ、残念なのは、それではこれらのインバータ周波数の電界測定で、正しいデータはどの位か？　そうしたデータは見つかっていないことです。

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３４Ａ.インバータ蛍光灯照明器具の近傍の電磁界の実測

作成：2009－12－11

インバータ蛍光灯照明器具の電磁界、特にインバータ周波数帯域の電界はどの程度かに着目して簡単な測定を行った。
測定器で、EMDEXは手持ちのものを使用し、FD２は日本の代理店である東陽テクニカ社から借用した。

＄1．測定器
コンビノーバ社製Field Detector2（FD2）　（日本における販売代理店：東陽テクニカ）
測定周波数：2kHz－400kHz
電界：1軸センサ　最大値：1000V/m
磁界：3軸センサ　最大値：10μT
写真に示すように、LEDによる段階的な表示を行うもので、おおよそのレベルは測定可能であるが、細かい桁数字までは読み取れない。

センサーサイズは明示されていないが、測定器の大きさから推定して、数cm（1-2cm程度かも）程度である。
よって機器の近傍の局所的な不均一な電磁界の検出には好適なものである。

測定器　FD2　外観　　　　　　　　　　　FD2　表示部（取扱説明書から抜粋）

参考に、同時に低周波磁界も測定した。
Enertech社製　EMDEX-lite
測定周波数：40Hz－1000Hz
測定限界：700mG
センサ：3軸　
センサーサイズは公表されていないが、情報によれば直径7mm程度と小さく、機器の近傍の局所的な不均一な磁界の検出には好適なもの。

＄2．測定場所　測定条件
・BEMSJの自宅の居間、畳の部屋に30cm程度の高さの木製の座卓を置き､その上に供試機器を乗せた｡
・電源電圧は100Vであるが、特に電圧値は確認していない。
・機器の周囲4面と上面　約1m以内には金属などはない、測定を行ったBEMSJ以外の人はいない。
・電源ON後、3分程度の時間経過後に測定を開始した。特別に予熱時間が考慮しなかった。
・FD2の電界測定はグランドレファレンス機能があるが、グランドはとれないので、グランドレファレンス機能は利用していない。

＄3．被測定物
1）家庭用蛍光灯スタンド　コンパクト蛍光灯用　Y社製　定格：AC100V　27W　型名：明記なし　1年くらい前に購入
2）同上　S社製　定格：AC100V　17W　型名：KS-1524K　　15年程度以前の購入品　インバータ点灯スタンドであるが、蛍光ランプは従来タイプ15W　

＄4．測定結果
1）Y社製コンパクト蛍光灯スタンド
＊EMDEX Liteによる低周波磁界の測定
スタンドンの台座付近の測定　
前縁に測定器を密着　左右に動かして最大値を検出　中央よりやや左よりで最大 356mG、　　
最大点より左に3cm移動　　136mG
最大点より右に2cm移動 221mG

最大点において､前縁から距離を取る　2cm離す 99mG　、5cm離す 57mG、10cm離す 14mG、　15cm離す 5mG

スタンドの台座の上面（スイッチなどのある曲面部）付近の測定
測定器を密着して最大値を検出、中央よりやや左側で最大700mGを超えた。
この最大点からの距離減衰特性は、ランプ部を真上に設定し、最大点の箇所から上方に距離をとって磁界を測定した。
距離1cm 230mG、　距離2cm 160mG、　距離3cm 95mG、　距離5cm 40mG

ランプ部からの低周波磁界漏洩は、距離0cmでサーチしても、1mG程度

＜BEMSJ注：スタンドの台座の左部分にチョークコイルでもあって、60Hz低周波磁界を漏らしているのかも知れない。＞

＊FD2によるインバータ周波数磁界の測定
スタンドの台座の上面（スイッチなどのある曲面部）付近の測定
測定器を密着して最大値をサーチ、10μTを越えた。最大値の箇所から5cm距離をとると2μT

ランプ部　距離0cmでサーチする、最大で1μT程度

＊FD2によるインバータ周波数電界の測定
スタンドの台座の上面（スイッチなどのある曲面部）付近の測定
測定器を密着して最大値をサーチ、最大で600V/m。、最大値を得た箇所で5cm距離を取ると30V/m

ランプ部　距離0cm 　1000V/m以上、　距離5cm 　300V/m、距離10cm 　150V/m、　距離15cm 　100V/m

Y社製スタンド　EMDEXで前面で最大値　

Y社製スタンドEMDEXで台座の上部で最大値

Y社製スタンド　台座の上部をFD2で測定

2）S社製インバータ点灯蛍光灯スタンド
＊EMDEX Liteによる低周波磁界の測定
スタンドンの台座付近の測定　
前縁に測定器を密着　4面周囲で最大値をサーチ　右側側面やや後方で最大11mG

スタンドの台座の上面（スイッチなどのある曲面部）付近の測定
測定器を密着して最大値をサーチ、左側で最大140mG、この地点から5cm機器から離れて7mG

ランプ部　サーチするが、どこでも概ね1.3mG程度

＊FD2によるインバータ周波数磁界の測定
スタンドの台座の上面（スイッチなどのある曲面部）付近の測定
測定器を密着して最大値をサーチ、右側で10μTを越えた。　最大値の箇所から5cm距離をとると4μT　10cmの距離で1μT

ランプ部　距離0cmでサーチする、最大で2μT程度

＊FD2によるインバータ周波数電界の測定
スタンドの台座の上面（スイッチなどのある曲面部）付近の測定
測定きを密着して最大値をサーチ、最大で400V/m、　　最大値を得た箇所で5cm距離を取ると80V/m

ランプ部距離0cm 　1000V/mを越えた、　距離5cm 　150V/m　、距離10cm 　100V/m、　距離15cm 　50V/m

S社製スタンド　台座の左側面　EMDEXで最大値

3) 2台の卓上スタンドを同時に点灯した場合　1列に配列
台座部分からの輻射の合成
Y社製とS製の卓上スタンドを1列に並べて、台座の部分の中間地点に測定器を置いて、2台のスタンドをON・Offして電磁界の強度を測定した。

S社製	Y社製	EMDEX	FD2 電界	FD2　磁界
Off	Off	1.2mG	0.4V/m	6nT
On	Off	1.2mG	30V/m	150nT
Off	On	6.8mG	30V.m	150nT
On	On	6.8mG	40V/m	200nT

ランプ部からの輻射の合成
Y社製とS製の卓上スタンドを1列に並べて、ランプとランプの中間点から下方に約10cmの箇所に、測定器FD2を置いて、2台のスタンドをON・Offして電磁界の強度を測定した。

S社製	Y社製	FD2 電界	FD2　磁界
Off	Off	0.4V/m	4nT
On	Off	50V/m	80nT
Off	On	100V.m	100nT
On	On	100V/m	100nT

1列に配列　卓上にEMDEX　

同上　FD2　

同上　ランプの下方約10cmにFD2

4) 2台の卓上スタンドを同時に点灯した場合　対向して配列
Y社製とS製スタンドを対向させて配列、ランプ間の距離は約15cm　ランプの下方約10cmのところに測定器FD2のセンサ部を置く。

S社製	Y社製	FD2 電界	FD2　磁界
Off	Off	6V/m	4nT
On	Off	60V/m	80nT
Off	On	100-150V.m	150nT
On	On	100-150V/m	150-200nT

　　スタンドを対向配列　間にFD2

＄5．考察とまとめ
1）ICNIRPガイドライン
ICNIRPの1998年電磁界ガイドラインによれば、一般公衆の曝露限度（参照レベル）は以下である。
50Hz　磁界　100μT（1000mG）
3kHz～150kHz　磁界　6.25μT　電界　87V/m
ただし、これらの参照レベルは全身均等曝露という条件である。

今般の測定は局所的な測定であり、測定結果をそのままICNIRP限度値と比較することはできない。
今般の測定を、幅広い範囲で空間分布を測定し、その平均値を得ることができた段階で、ICNIRP限度値と比較することになる。
しかし、この報告では、簡易的に、過剰なサイドへの評価ということで、局所的な電磁界強度値をそのままICNIRP限度値と比較を行う。

2）低周波磁界（50-60Hz）
Y社製、S社製スタンド共に、インバータ点灯方式であるが、多分、AC50-60Hz入力部にチョークコイル（ラインフィルタ）でもあるのであろう、50-60Hz磁界が検出され、筐体に密着して最大点の探り、かなり大きい、局所的な磁界が観測された。

距離を数cm離せば減衰するので、大きな問題ではないと考えるが、卓上スタンドの場合、机上にスタンドを置き、頭部をスタンドに近づけて、居眠りするケースなどを考慮すると、Y社製のスタンドの低周波磁界の漏洩は小さいとは言いがたい。

3）インバータ周波数の磁界
Y社製：台座の部分から　10μTをオーバー、（5cm離れて2μT）、　ランプ部　1μT
S社製：台座の部分から　10μTをオーバー、（5cm離れて4μT）、　ランプ部：2μT
S社製・Y社製とも台座の部分で密着して測定した場合、共に測定限度値の10μTを超えた。ICNIRPの限度値を超えた。
距離減衰があるので、大きな問題ではないと考えるが、卓上スタンドの場合、机上にスタンドを置き、頭部をスタンドに近づけて、居眠りするケースなどを考慮すると、これらの卓上スタンドの台座付近から局所的に漏洩するインバータ周波数磁界の漏洩は小さいとは言いがたい。

蛍光灯のランプ電流はさほど大きいわけではないので、検出された磁界は、ランプに密着して測定しても、さほど大きい値ではなかった。

4）インバータ周波数の電界　　今回の測定の主眼であったテーマ
インバータ回路があると思われる箇所（台座など）からの漏洩電界は
Y社製：距離0cm　 600V/m 　距離5cm 　30V/m　（モールドキャビで筐体が小さいので、漏洩電界が大きい？）
S社製：距離0cm 　400V/m 　距離5cm 　80V/m

インバータ出力部の駆動電圧は2社ともに多分、同じレベルと推定できる。
出力部と筐体外部までの距離の違いや筐体のサイズの違いなどで、200V/mから600V/mとレベルが異なる、距離5cmになれば、ほぼ同じレベルになっている。
密着時はICNIRPの値を超えるが、距離減衰、空間平均をとれば、問題ないレベルと思われる。

ランプ部からのインバータ周波数電界

	距離　0cm	5cm	10cm	15cm
Y社製（二つ折り）	1000V/m以上	300V/m	150V/m	100V/m
S社製（直管）	1000V/m以上	150V/m	100V/m	50V/m

10cm程度の距離でもICNIRP値を2社ともに超える。
グランドレファレンス機能が生かせる測定場所での再測定が肝要かも知れない。

センサーサイズ10cmといった汎用の電磁界測定器で測定した場合でも、距離10cmでは100V/m程度の電界の値が観測されるかも知れない。
フランスで「インバータ蛍光灯から異常な電界192V/m」と騒がれたことがあったが、局所で測定した値が大きい、ICNIRPを超える　ということはどうやら事実といえる。

5) EMDEXの測定単位はmG,、FD2の磁界測定単位はμTである。この報告書では単位の換算・統一は行っていない。

6）卓上スタンド2台を近接して配列した場合に、2つの放射源からの電磁界が加算されるかを調べた。

・台座部分から漏洩する低周波磁界、インバータ周波数電磁界は極めて局所的であるので、それらが単純に加算されることはない。　総和は若干大きくなる程度である。
・ランプ部から漏洩するインバータ周波数電磁界も、単純に加算されることはなく、若干総和値が増加する程度である。

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３４Ｂ．経産省委託の報告書に見る省エネ電球の電界漏洩

記；２０１２－５－２１

平成２３年度電力設備電磁界情報調査提供事業（情報調査事業）調査報告書
平成２４年２月
株式会社野村総合研究所

経産省の委託によるという報告書に記述されている以下の報告書に、気になる記述がある。

電磁界曝露の健康リスク評価に関する欧州ネットワーク（EFHRAN: European Health Risk Assessment Network on Electromagnetic Fields Exposure）の「欧州連合における曝露水準についての報告書第2部：超低周波電磁界」（2011年6月）からの抜粋

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
③ 人々が接する屋外・屋内環境の典型的なELF曝露（Typical ELF exposures in the ambient outdoor and indoor environment of the population）

省エネ電球が生み出す電界の調査では、17種のうち9種が87V/mを超え、最大は216V/mとばらつきがあり、省エネ電球が最初からICNIRP勧告を遵守しているとはいえない。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

詳細は記述されていませんが、最後の「ICNIRP勧告を遵守しているとはいえない。」は重大な意味を持っています。

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３４Ｃ．ハロゲンランプも問題？　

古い産経新聞（１９９２－４－１６）にあった記事です。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　一部　引用　　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　
ハログンランプでがん　ジェノバ大動物実験　

家庭用の白熱灯や自動車のヘッドライトなどに使われているハロゲンランプが皮膚がんを引き起こす可能性があることが、イタリアのジェノバ大の研究者による動物実験で明らかになった。　

最も早いケースでは、３一４カ月後に皮膚に病変が表れ始め、いずれのマウスも病変の数、面積が増加、１匹で１５-２０個となり、大きいものでは直径３センチの皮膚がんが認められた。
しかし、組織検査の結栗は比較的良性のものだったという。　
この実験と並行して、自然光で飼育した４匹と、ハロゲンランプとの間に厚さ２ミリのガラスを置いて飼育した４匹の計８匹の対照群には、１年後も皮膚に変化は見られなかった。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　　　　　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　

詳細は産経新聞を読んでください。　

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３４Ｄ．ハロゲンランプからの発がん性の研究報告-1

作成：2003-6-13 WEBに公開　2015-1-31

1000ルックスでも発ガン　という報告がありました。

掲載誌：CANCER　RESEARCH　54 P5081-5085 1994
論文名：Potent Carcinogenicity of Uncovered Ha1ogen Lamps in Hair1ess Mice
研究者：F. D'Agostini and S. DeF1ora

ABSTRACT 概要
Uncovered halogen quartz lamps, which are potently genotoxic both in prokaryotic（意味？）and human cells due to the emission of far-UV radiation (UVB and UVC), were assayed for carcinogenicity in three strains of hairless mice (SKH-1, MF-1, and C3H) of both sexes.
カバーのないハロゲンランプは、ＵＶＢとＵＶＣの紫外線を放射し、ヒトの細胞に変異原性を与える恐れがあるので、無毛ねずみ（3種類の種、雄と雌）を使用して発がん性の試験をした。

As assessed in 5 independent experiments, no spontaneous skin tumor was observed, even after more than 2 years, in 49 animals used as unexposed controls or in 29 animals exposed to halogen lamps equipped with a common glass cover.
5回の独立した試験の結果、ハロゲンランプを照射しなかった群およびハロゲンランプに一般的ナガラス製カバーをかけた場合は、49匹のねずみは、二年以上の実験期間を通して、異常な皮膚がんの発生は無かった。

In contrast, almost all of the 185 mice exposed to the light emitted by low-voltage (12 V) and low-power (50 W) tungsten bulbs, equipped with dichroic　Diffusers　(どのような拡散板？), contracted multiple skin tumors of various histological type, both benign and malignant.
一方、１２Ｖ５０Ｗのハロゲンランプに照射された185匹のねずみの総てに、良性・悪性の皮膚がんが見られた。

Tumors were induced over a range of illuminance levels (1,000, 3,333, 5,000, and 10,000 Iux) and daily exposure times (1.5, 3, 6, and 12 h).
腫瘍は1000ルックスから10000ルックスにわたる総ての照度で、日々の照射時間が1.5時間から12時間でも誘発された。

The tumor latency times were quite short and significantly correlated with the daily exposure times, as well as with the square of the distance (46-194 cm) from the illumination source.
腫瘍の潜伏期は短く、日々の照射時間と相関し、光源との距離の二乗に比例していた。

A carcinogenic effect was even observed when exposure was discontinued well before the appearance of skin lesions.
皮膚に障害が現れる前に光の照射をやめても、この発ガン効果は見られた。

Both in vitro genotoxicity data and animal carcinogenicity data support the view that the light emitted by uncovered halogen lamps, to which an enormous number of individuals are exposed, may pose carcinogenic risks to humans.
インビトロの変異原性データと動物実験での発がん性データは、カバーのないハロゲンランプからの光放射は人の発がん性リスクの可能性を支持する。

Without renouncing the benefits of this modern illumination system, UV-blocking devices should be compulsory.
現代の光源システムの良さを放棄しないで、紫外線防護は必須である。

興味のある方は、原著を入手してください。

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３４Ｅ．ハロゲンランプからの発がん性の研究報告-2

作成：2003-6-13 WEBに公開　2015-1-31

掲載誌；Mutation Research 441 (1999)p21-27
論文名：Genotoxic effects in bacteria of the 1ight emitted byha1ogen tungsten 1amps having treated quartz bu1bs
研究者：Anna Camoirano,Si1vio DeF1ora et al;

Abstract
Traditional halogen tungsten lamps, which are extensively used worldwide for the illumination of indoor environments, have a quartz bulb which transmits not only visible light but also ultraviolet (UV) light.
室内照明に世界中で使用されているハロゲンランプは、石英ガラスを使用しているために可視光線だけではなく紫外線も放出する。

Due to the output of far-UV wavelengths, halogen lamps were found in previous studies to be potently genotoxic in bacteria, clastogenic （意味は？）in cultured human cells, and carcinogenic in hairless mice.
ハロゲンランプからの紫外線は、バクテリアに対して変異原性の可能性を示し、培養したヒトの細胞に対して変異原性を示し、無毛マウスに対して発ガン性を示している。

This discovery prompted the launching of new halogen lamps, known as UV-Stop, UV-Block, or similar trade names, which have the quartz glass treated in such a way to reduce its permeability to UV radiation.
こうした研究は、石英ガラスの紫外線透過率を減らすことによって、ＵＶ－ＳＴＯＰなどの商品として売られているハロゲンランプの改良に結びついた。

Surprisingly, these lamps are advertised for attenuating discoloration of UV-sensitive materials, such as fabrics, paintings, works of art and furniture, whereas protection of the human skin from potential carcinogenic risks is overlooked.
しかし、これらの紫外線防護ハロゲンランプは、紫外線に弱い繊維、塗料、工芸工場、家具などの変色を防ぐためとして広告宣伝が行われており、ヒトの発がん性に関しては、見過ごされてきている。

We tested forty-seven 12 V-powered lamps with treated quartz bulb, which were made available by five producers as blind-coded samples.
5社から購入が可能な１２Ｖ用ハロゲンランプ47種類を、ブランド名などをブラインドで入手した。

After exposure to either 1000 lx for 30 min or 2500 lx for 60 min, the 50 W lamps from two producers were borderline mutagenic（訳語は？遺伝子変性？) in strains TA100 and TAI04 of S. typhimuriuln（意味は？）, and induced an evident and dose-related DNA damage in the E. coli strain CM871 (uvrA- recA- lexA-), as compared to its isogenic（訳語は？）, DNA repair-proficient counterpart WP2.
1000ルックスの照度で30分、2500ルックスの照度で60分照射したとき、二社の製品では、大腸菌に対する遺伝子変性に関して、ボーダーライン上にあった。（詳細の訳は？）

The 50 W lamps supplied by the other three producers also induced a significant genotoxic damage, but only after exposure for 60 min at illuminance levels of 2500 lx or higher.
他の3社のハロゲンランプでも変異原性は見られたが、それらは2500ルックスかそれ以上の照度で60分の照射した場合であった。

In calibration experiments, one of these three lamp brands was found to induce in 60 min a genotoxic damage which was equivalent to the one induced in just 55s by a traditional halogen lamp.
比較してみると、3社のランプの1つは60分の照射で変異原性が現れるが、これは従来のハロゲンランプを55秒間照射した時の変異原性発現と同じ程度であった。

Therefore, the new types of lamps with treated quartz bulbs provide an appreciable step forward in the safety of halogen lamps, but some output of genotoxic UV radiations does still occur.
これらの新ハロゲンランプはより安全な方向に改良されてきているといえるが、しかし、まだ紫外線漏洩による変異原性発現は残っている。

Moreover, the lamps manufactured by different producers are not equally effective to this respect.
ランプ製造会社によっては、こうした安全な方向への改良は効果があるとはいえない。

By comparison, the simple application of a glass cover to a traditional halogen lamp completely prevented genotoxic effects, even after 60 min of exposure at an illuminance of 10,000 Ix.
比較のために、従来のハロゲンランプでも簡単なガラスのカバーをかけるだけで、変異原性の発現を防止できる（10000ルックスの明るさで60分の照射試験結果）。

Suitable regulations are urgently needed for controlling the biological safety or artificial illumination systems.
生体への影響防止や人工照明システムのために、十分な法規制が必要である。

興味のある方は原著を入手してください。

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３４Ｆ．コンパクト蛍光灯の電磁界に関するHealth Canadaの報告2009年

以下の報告がある。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
タイトル：Executive Summary:　Report on Health Canada Survey　of　Ultraviolet Radiation　and　Electric and Magnetic Fields　From　Compact Fluorescent Lamps
発行元：Environmental and Radiation Health Sciences　Directorate　Health Canada
発行年：December 21, 2009

概要の概要
・コンパクト蛍光灯をELF(60Hz ‐2kHz)とLF(30ｋHz-300ｋHz)での電磁界を、距離20ｃｍで測定した。

・ELF帯の電界は、20ｃｍの距離での最悪値は、104V/mである。これはＩＣＮＩＲＰの1998年ガイドライン値の2.5%である。
・ＬＦ帯の電界は、20cmの距離での最悪値は280V/mとあり、カナダの規定には適合するが、ICNIRPの2010年ガイドライン値の80V/m、1998年のガイドライン値87V/mには適合しない。

・ELF磁界、20ｃｍの距離で、最悪値で116nTである。0.116μテスラ＝1.2ミリガウスと低い。
・LFの磁界は、同じく20ｃｍの距離で、最悪値として、16.5nTである。0.016μＴ＝0.16ミリガウスと低い。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

このカナダ政府の報告でも、30kHz‐300kHzでの電界が大きいことが報告されている。

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３４G．照明器具　特に蛍光灯からの紫外線の健康影響を考慮する必要

一部の研究ですが、以下のような研究がある。

＊研究１
研究者：Hartman. Z, et al：
タイトル；Mutagenicity of coolwhite fluorescent light for Salmonella.
掲載誌：Mutat. Res. Vol. 280 No.1 P25-38 1991

家庭用の蛍光灯の紫外線は大腸菌で調べた結果では、　変異原性を持つことが判った。

変異原性（遺伝子に影響する、従って発ガン性に関連）が家庭用の蛍光灯でもあるという論文です。　

低周波磁界はまだ変異原性があるという研究はありません。
低周波磁界が問題と指摘しているのは疫学調査だけといってもよい様です。
家庭用蛍光灯からの紫外線が変異原性を持つということは、低周波磁界以上に慎重に検討する必要があります。

研究2：
研究者：P. E. Hartman et al:
タイトル：Breakthough of Ultraviolet light from various brands of Fluorescent Lamps: Lethal effects on DNA.
掲載誌：Environmental and Moleculay Mutagenesis 27:306-313 1996

市販されている１５Ｗ蛍光体からの紫外線は国際基準を満足しているが、殺菌作用が見られたということから、一層の紫外線放射低減が望まれる。
１０ｃｍの距離で測定してＵＶＣはブランドによるが、０．４－１．５μＷ/ｃｍ２放射している。　

このＵＶＣの値はＡＣＧＩＨの規定などと比べる必要がある。　

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３４Ｈ．電球型蛍光灯に関する英国の勧告2009年

記；２０１５－１１－１９

ＩＮＴＥＲＦＥＲＥＮＣＥＴＥＣＨＮ　2009年2月号に掲載された記事の一部引用です。

http://www.tuv-ohtama.co.jp/itj/index.html　にあった内容

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　　　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
英国健康保護局が電球型蛍光灯からの放射に関して警告

英国健康保獲局（HPA : British Health Protection Agency) は、環境に優しい電球型蛍光灯を使用する際に何らかの予防策を講じるように求めた。
電球型蛍光灯は、場合によっては推奨曝露限度以上の紫外線に使用者を曝すこともあるという。

健康保護局の声明は、家庭からこういった電球を撤去する必要はないが、覆いのない電球に接近するのは制限すべきであるとも述べている。
使用者は、電球から少なくとも1 フィートは離れるべきであり、近くでの作業用に使用しないほうがよい。
健康保雄局と政府機関は、この製品に対する規格をどのように改善できるかを考えるよう、欧州連合、関係採準化団体、照明産業界に要求した。
（略）
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

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３５．北里大学によるテレビの電磁波による花粉症増悪の1994年研究

記：２００９－１１－１８

以下のちょっと疑問のある研究があります。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　　　　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
掲載：財団法人エム・オー・エー健康科学センター　研究報告研究報告集　第３巻（平成6年度）
タイトル：生活環境因子と花粉症
研究者：宮田幹夫、難波龍人、堀内浩史、中山智人、阿部充志、樋口裕彦（北里大学医学部眼科学教室）

概要
アレルギー疾患の著しい増加の原因として生活環境を考え、抗スギ花粉血清投与モルモットにスギ花粉を点眼して起きてくる実験的花粉症に対する環境汚染物質の関与を明らかにするために研究を行った。
その結果、飲料水中のトリハロメタンでは0.1ppm、大気中パラジクロロベンゼンでは3.2ppbで増悪作用が認められ、他微量な人工着色料タートラジン、アマランス、食品保存料BHA、タバコの煙でも増悪作用が認められた。

その他テレビジョン画面前にモルモットを置くと非常に症状が悪化した。
画面から放射される電磁波が原因となっていると推測して電磁波曝露を行ったところ、著明な増悪作用が認められた。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　　　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

関心のある方は、上記の論文（全文）を入手して読んでください。

ＢＥＭＳＪの関心は、上記の概要の最後の2行です。
テレビ受信機からの画面から放出される電磁波で花粉症が象悪するという点です。
報告書（全文）を読むと、厳格な実験の図は記載されていないので、不詳ですが、テレビ受信機2台の間にモルモットを飼育して、花粉症への影響を見た模様。

モルモットは病理学の実験動物としてよく用いられており、ジフテリアの病原体はモルモットを用いた研究によって解明された。
実験動物の主役はマウスやラットなど、より小型の齧歯類に取って代わられたものの、その生理学的な特性によってアレルギーに関する実験などには欠くことのできない動物種として存在している。
モルモットが特に実験動物として優れている点として、ヒトと同様にL-グロノラクトンオキシダーゼと呼ばれるブドウ糖をビタミンCに変換する酵素を持っていないため、ビタミンCを体内で生成できないこと、薬物に対する感度が高いことが挙げられる。

昔、ある獣医大学関係者から「ラットは、長い間人工飼育され、種としての保存のみに力点が置かれ、動物実験用としてのみ飼育されてきている。　
したがって、眼の機能は退化しており、眼の機能に関する動物実験としては適さない」ということを聞いています。
モルモットの眼はどうか？　これは聞いていないので判りません。

1970年頃に電子レンジからのマイクロ波漏洩による白内障発症のリスクに関する多くの研究が行われていますが、これらの研究では、「眼の構造がヒトの眼に近い」という理由で家ウサギ利用されています。
化粧品などの安全性を確認するために行われる動物実験の場合、眼への影響を検証する場合は、家ウサギを用いているようです。
したがって、上記の北里大学の研究は、モルモットで行われていますが、モルモットの眼の機能が大丈夫かの確認と、家ウサギで再度、きちんとした実験を行わないと、なんともいえない　といえます。

「超音波などの問題も残されており、今後、電磁波発生装置を作成し、同様に曝露して、検討を加えたい。」と1994年のこの北里大学報告は述べている。
鼠の種では、人間の耳には聞こえない著音波を聞くことができるとされます。
テレビ受信機からは１５．７５ｋＨｚの振動（音）が発生する可能性があり、モルモットはこれを嫌ってストレス反応を起こしている可能性もあります。

それから15年以上経過しているが、北里大学の研究による「電磁波発生装置による研究」は行われているのであろうか？　これまでの検索では見つかっていない。

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３６．ホテルにあった空気清浄器の磁界

記：２０１１－１０－７

2011年10月5日の夜、犬山市のホテルに一泊しました。
ホテルの部屋に置いてあった空気洗浄機の発生磁界を、持ち合わせた測定器で測定してみました。

対象とした機器：　空気清浄器　三洋電機製　モデル：ABC―R33（S）
モード：静穏に設定

正面から約１５ｃｍの距離で、上下左右に測定器を動かして測定しても　トリフィールドメータ（トリメ）でもEMDEXライトでも　ほぼ同じで１７ｍG程度。
正面に密着すると、EMDEXライトの最大測定可能磁界の700ｍGを超える磁界を漏洩している。

モード：急速に設定　
正面から約１５ｃｍの距離で、上下左右に測定器を動かして測定しても　トリフィールドメータ（トリメ）でもEMDEXライトでも　ほぼ同じで２４ｍG―29ｍG程度。

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３７．床暖房による低周波磁界2003年展示会で

作成：2003年6月　　ＷＥＢに公開：２０１５－１－３１

2003年6月に東京ビッグサイトで開催された「リフォームなどの展示会」で、床暖房による低周波磁界をＥＭＤＥＸライトで測定した。

ある会社の　ＡＣ１００Ｖの往復の配線を、発熱体のワイヤと戻りのワイヤを一体化した線材を開発して床暖房に採用している会社があった。
これは密着でも１ｍＧ程度以下と優秀。但し、配線のリードの部分は、一体になっていないのでひと工夫が必要。

他の２社では、電磁界にほとんど無負頓着で、測定して見せても、反応が鈍い、
最大のパワーで加熱しているときの磁界は測定できなかったが、通常動作では床暖房配線の上に木製の床材（厚みは１２ｍｍ程度）を介して、人が近接して、磁界源に接する。
１０ｍＧを超えている、　下手をすれは数10ｍＧ　
ＡＣ１００Ｖへの配線の部分は、二本のリードがペアとなっていないので、その上部の床面では６０ｍＧから１００ｍＧ　

床暖房も気をつける必要がある。

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３７Ａ．２４．床暖房システムからの漏洩

　　　作成：２００６－５－１０

1）E社の床暖房システムのカタログを入手した。
その中で、従来の床暖房に比較して低磁界である旨が記載されていた。
たしかに、使用されている発熱体の構造などから判断して、その部分では低電磁界になっていると思われる。
しかし、カタログに記載された図を（以下の図1を参照）引用して、少し意地悪なことを考えてみる。

図1

発熱パネルと発熱パネルを接続するコネクタの部分は2本の交流電流が流れる電線は、ばらばらになっている。この部分からは、磁界の漏洩が大きくなるおそれがある。

2）単線に電流が流れているとした場合の磁界の発生は

電磁気学の教科書にあるように、磁界の強さHと磁束密度Bは
H=I/2πr (A/m)　　　I：電流（A）　r：距離（m）
μ=4π×10^-7として
B=2I×10^-7/r　（テスラ）＝0．2I/r　（μT）＝2Ｉ/ｒ (mG)となる。

3）E社の発熱パネルに流れる電流から試算した磁界密度

あるパネル「1709」はAC100V用で最大の消費電力は320Wと規定されている。
流れる流は単純計算で3.2Aとなる。

供給電源からパネルへ接続される2本の電線が、ばらばらに離れているとすれば、これらの電線から5cmの距離での磁界（磁束密度）は
B=0.2×3.2/0.05=12.80μT　となる。かなり大きな磁界となる。

おなじく、10cmの距離では半分になり、6.40μTとなる。

この「1709」が複数枚使用して、縦続接続し、ある部屋に設置したとすれば、コントローラというかもっとも電源に近いパネルの入力端には、かなりの電流が流れる。
5枚のパネルを部屋に敷き詰めたとすれば、電流は16Aとなる。
この16Aが流れている電線からの磁界漏洩はさらに大きくなる。

実際は、2本のPとNの電線はそれなりに近接しているので、発生磁界はお互いに打ち消しあうことになり、5cm位の距離では、さほど大きな磁界にはならないと思われる。　でも確認が必要である。

記：計算式と計算の誤りがあり、訂正した。２００６－６－１２

4）8Aの交流電源が流れている並行電線の極近傍の磁界強度の測定の例
下図（図2）にその状態を示す。
AC100Vの交流電源に800Wの電気ストーブが接続されている。
電流計の挿入はないので、厳密に8Aの電流が流れているかは定かではない。

図の右側の測定器はEMDEXライトである（3軸、センサのサイズは直径7mm程度、先端の中央部にセンサがある）。
左側の測定器はトリフィールドメータである（3軸、センサのサイズは不明、センサは指針の根元に近い部分にあるとされる、このトリフィールドメータは問題があって、推奨できる測定器ではないが、この場合は使用できると判断）。

EMDEXのセンサ部と電線の距離は5mm程度、そして527mGを指示している。
トリフィールドメータの場合は、電線とセンサの距離がおおよそ5cm程度になっているので、50mG程度の指示値となっている。

図2

このように、通常の家庭にある電線（平行ビニール電線）の場合でも、電気ストーブなど消費電力が大きく、800W程度であれば、電線に8Aもの電流が流れ、平行電線なので、お互いに発生磁界は打ち消しあってくれるが、それでも、電線に図2に示すように近接し、小さいセンサーサイズを持つ磁界測定器で測定を行えば、かなり大きい磁界が観測される。

5）人体への曝露評価

床暖房システムの場合、意地悪試験としては、できるだけ小さいセンサをもつ磁界測定器で、コントローラの周囲、コントローラからヒータへの接続電線の部分、ヒータパネルとヒータパネルの接続電線の部分を、測定してみればよい。予想以上に大きい磁界が検出されるかも知れない。

最近発行された家電製品（冷蔵庫や電子レンジなどのいわゆるシロモノ家電）からの低周波磁界の測定法として、IEC62233がある。
この場合は、局部的な磁界、不均一な磁界分布を持つ場の測定は小さいループセンサではなく、ループ面積100cm²（直径約11cm）のセンサで、不均一な場を平均して測定することになっている。

これは、ICNIRPの電磁界曝露規定は、全身が均一な電磁界に曝露した場合の限度値として「参照レベル」が規定されていることからも、局部的に大きい磁界を検出するのではなく、ある程度の広さを持った場の平均で評価することが、適切であるとの判断に基づく。

したがって、電磁波を気にするが故に、磁界を実測するときに、小さいループセンサを持つ磁界測定器を使用した場合、かなり大きい値の磁界が指示されるかも知れないが、そうした場合は測定器の指示値だけで、一喜一憂しないことが望ましい。

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３８．セラミックファンヒータからの磁界測定値2003年

古い、2005年頃に以下のWEBで見つけた測定例です。

http://ktai-denjiha.boo.jp/bbs/にあった話題です。
セラミックヒータに付属のファンからの磁界漏洩が大きいようですが・・・・

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
タイトル：セラミックファンヒータの電磁波
記事No ： 278
投稿日： 2005/01/07(Fri) 13:37
投稿者：でん

セラミックファンヒータ（三洋電機株式会社　９６年製）の電磁波をMODEL4080で計ってみました。
0cmから3cmでOVER。
4cmの距離で500ｍGでした。
約1,5mで0,8ｍG程度でした。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

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３９．布団乾燥機からの低周波磁界が大きい？

以下の記事がある。
日刊工業新聞社：　1998年発行
トリガー　４月号別冊　まるごと一冊　電磁波問題　

Ｐ１５に　松下の布団乾燥器からの磁界漏洩が　１０ｃｍのところで、なんと９２８ミリガウスと実測されています。
記事ではこの磁界が大きいとか何かのコメントは一切無く、実測データをそのまま掲載しています。

既存の電磁波曝露基準では、一般公衆の曝露はICNIRP（1998年ガイドライン）では５０Hz で1000ミリガウス、６０Hz では833ミリガウスという規定です。　
実測９２８ミリガウスということは、機器の固体差等を考えると１ガウスの規定を越える可能性もあります。
機器の近傍での不均一磁界であり、測定値をそのままICNIRPの磁界の規定に当てはめることには難がありますが、これだけ大きいと、再確認の必要などがあるのではないでしょうか？

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４０．蚊帳の電磁波防護効果を主張していた蚊帳の販売店菊屋のサイト

＊蚊帳に電磁波防護効果ありと主張

11http://www.anmin.com/kaya/hakubutukan/kaya2.htmにあった内容
2001年頃のログから
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
蚊帳での電磁波対策
電気毛布は危ないついにこんな発表が日本睡眠環境学会でなされた。
問題は、睡眠中の体温の低下を妨げる電気毛布が心臓等、交感神経系の働きを休めないためでもあるが電磁波の問題も列記されている。
電磁波対策としてはクーラーからは２m以上離れた方がいい。

麻の蚊帳は電磁波の防壁としても高く評価されている。昔のカミナリ様が今は電磁波だろうか。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

＊蚊帳の電磁波効果を自ら否定

蚊帳の菊屋のサイトhttp://www.anmin.com/kaya/denjiha/kouen1.htm にあった内容
2008年頃に書かれたサイトの記事と推定
２０１３－６－１０のログ　
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
平成20年2月6日　大阪市の天満研修センターで、経済産業省関連の「電磁界と健康」という講演会に出席してきました。

蚊帳の中にはカミナリが落ちないとされていたようですが、もしかすると、電磁波を通さないのかしら？との質問をいただきましたので信頼できる調査機関に提出しました。
残念ながら、麻の蚊帳の電磁波を遮断する能力は見当たりませんでした。
カミナリさま同様に、迷信だったのでしょうね？
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

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５１．特記　マットレスのスプリングコイルによる電磁波

記：２０１９－１０－２１

１）はじめに
Yahooの知恵袋にあった質疑応答です。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
質問：コイルマットレスと電磁波　　prada_x_xxさん
ネットの記事でコイルマットレスは電磁波を発生させると詠んだのですが、本当でしょうか。
コイルマットレスを買おうと検討しているためすごく気になるのですが。
質問日時： 2010/9/18 13:19:16

回答：
takeuchis1さん
スウェーデンのカロリンスカ研究所のOlle Johanson氏が、今年６月に、Journal of Pathophysiology誌に寄稿した短信で、
・（欧米において）乳がんの比率は、左側が右側より１０%高い
と言う統計に対して、

・コイルマットレスのコイルが、ＴＶ電波に対するアンテナとして作用しているからではないかと述べている「だけ」です。
http://www.sciencedirect.com/science?_ob=ArticleURL&_udi=B6TBB-4WXB...

なお、この論文を噛み砕いて紹介しているサイエンティフィックアメリカンによると、
http://www.scientificamerican.com/blog/post.cfm?id=left-sided-cance...
・アメリカのＴＶ電波とアメリカのコイルマットレスは、ちょうど「アンテナ」になる関係にあるけど、
・日本のＴＶ電波はそうではない
としていますので、Johanson氏の短信を「本当」と信じるなら、むしろ日本では気にする必要無い、ってことになりますね。

もっとも、Johanson氏自身、スウェーデンでは Swedish Misleader of The Year に選ばれたことがある、不安を煽って研究費用を稼ぐタイプの、学者さんとしての資質に？マークの付く人なので、「本当」ではないかもしれませんね。
2010/9/18 23:36:53
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

そこで、元ネタなどを探してみた。

２）Johansenの原論文

掲載誌：Pathophysiology　Volume 17, Issue 3, June 2010, Pages 157-160
研究者：Hallberg O, Johansson O.
タイトル：Sleep on the right side-Get cancer on the left?　右側に寝ると左にガンができる？

Abstract：概要
Breast cancer frequently occurs in the left breast among both women and men [R. Roychoudhuri, V. Putcha, H. Møller, Cancer and laterality: a study of the five major paired organs (UK), Cancer Causes Control 17 (2006) 655-662; M.T. Goodman, K.H. Tung, L.R. Wilkens, Comparative epidemiology of breast cancer among men and women in the US, 1996 to 2000, Cancer Causes Control 17 (2006) 127-136; C.I. Perkins, J. Hotes, B.A. Kohler, H.L. Howe, Association between breast cancer laterality and tumor location, United States, 1994-1998, Cancer Causes Control 15 (2004) 637-645; H.A. Weiss, S.S. Devesa, L.A. Brinton, Laterality of breast cancer in the United States, Cancer Causes Control 7 (1996) 539-543; A. Ekbom, H.O. Adami, D. Trichopoulos, M. Lambe, C.C. Hsieh, J. Pontén, Epidemiologic correlates of breast cancer laterality (Sweden), Cancer Causes Control 5 (1994) 510-516].
乳がんは、様々な研究によれば（引用文献の翻訳は割愛）男女ともに、左側の胸に発症する頻度が高い。

Moreover, recent results showed that the left side of the body is more prone傾向にある to melanoma than the right side [D.H. Brewster, M.J. Horner, S. Rowan, P. Jelfs, E. de Vries, E. Pukkala, Left-sided excess of invasive cutaneous melanoma in six countries, Eur. J. Cancer 43 (2007) 2634-2637].
さらに、最近の研究によれば（引用文献の翻訳は割愛）、体の右側より左側が悪性黒肉腫に罹患する傾向にあることが知られている。

EMSJ注：
悪性黒色腫(malignant melanoma）とは、皮膚、眼窩内組織、口腔粘膜上皮などに発生するメラノサイト由来の悪性腫瘍である。正確な発生原因は不明であるが、表皮基底層部に存在するメラノサイトの悪性化によって生じる。また、皮膚に発生する悪性黒色腫は紫外線曝露と、足底に発生するものは機械的刺激と関連性が深いと考えられている。

Current explanations for left-sided breast cancer include handedness [L. Titus-Ernstoff, P.A. Newcomb, K.M. Egan, et al., Left-handedness in relation to breast cancer risk in postmenopausal women, Epidemiology 11 (2000) 181-184; M.A. Kramer, S. Albrecht, R.A. Miller, Handedness and the laterality of breast cancer in women, Nurs. Res. 34 (1985) 333-337; M.K. Ramadhani, S.G. Elias, P.A. van Noord, D.E. Grobbee, P.H. Peeters, C.S. Uiterwaal, Innate left handedness and risk of breast cancer: case-cohort study, BMJ 331 (2005) 882-883], size difference, nursing preference, and brain structure.
左側の乳がんの現在の説明には、利き手、サイズの違い、看護状況、脳の構造等がある。

However, men are affected even more by left laterality than women, thus many of these explanations are unconvincing.
しかし、男性は女性より左側が影響を受けているんで、これらの説明は不十分である。

Increasing rates of skin melanoma have been associated with immune- disruptive radiation from FM/TV transmitters [O. Hallberg, A theory and model to explain the skin melanoma epidemic, Melanoma Res. 16 (2006) 115-118; O. Hallberg, A reduced repair efficiency can explain increasing melanoma rates, Eur. J. Cancer Prev. 17 (2008) 147-152; O. Hallberg, O. Johansson, Melanoma incidence and frequency modulation (FM) broadcasting, Arch. Environ. Health 57 (2002) 32-40; O. Hallberg, O. Johansson, FM broadcasting exposure time and malignant melanoma incidence, Electromagn. Biol. Med. 24 (2005) 1-8; O. Hallberg, Radio TV towers linked to increased risk of melanoma, Report, available at: http://foodconsumer.org/7777/8888/C_ancer_31/120907442007_Exclusive_report_Radio_TV_towers_linked_to_increased_risk_of_melanoma.shtml, 2007 (accessed 2007)].
皮膚の黒肉腫の増加は、様々な研究によれば（引用文献の翻訳は割愛）、FM/TV送信塔からの発信される免疫を破壊する電磁波に関連するという研究がある。

Geographical areas covered by several transmitters show higher incidences of melanoma than areas covered by one transmitter.
1か所の送信塔からの電波を受ける地域に住む人より、複数の送信塔からの電波を受ける地域に住む人により高い黒肉腫の罹患がある。

Here we show that a high prevalence of breast cancer and melanoma on the left side of the body may be a logical consequence of sleeping in beds having mattresses containing wave-reflecting metal springs.
ここで我々は、左側の乳がんと黒肉腫の傾向は、電波を反射する金属製スプリングを含むマットレスのあるベッドで寝ることによるものという理論的な帰結を示す。

We found that people tend to sleep for longer periods on their right side, apparently to avoid disturbance by the heartbeat.
我々は、心拍の乱れを防ぐために、より長時間、右側で寝る＜右側を下にして寝ると言う意味？＞という人々の傾向を知った。

This puts the left side farther away from the field-attenuating influence of the metal springs in the mattress; thus the left side will spend, on average, more time exposed to stronger combined fields from incident and reflected waves.
これは、左側がマットレスの金属スプリングによって減衰された電磁界の場からより離れたところにある、すなわち、左側は平均して、外から入射してきた電磁波と反射波のより強い複合電磁波に暴露することになる。＜BEMSJ注：すなわち、体の左側が多くの電磁波に暴露する、ということ＞

This hypothesis may also explain why body parts farthest away from the mattress (trunk and upper arms for men; lower limbs and hips for women) have higher melanoma rates than the sun-exposed face area.
この仮説は、太陽光に暴露する顔面よりも、マットレスからより離れた場所の部位（男性の体幹と上腕、女性の四肢と腰）に黒肉腫が多いということの説明にもなる。

The implications of this study should promote a critical consideration of population exposure to electromagnetic fields, especially during the night.
この研究の意義は、人々の電磁波曝露の検討（特に夜間の曝露）を推進することにある。

Fig. 3：Breast cancer incidence vs. melanoma incidence in countries that used an FM-bandwidth of 100 MHz (squares) and in other countries that used lower frequencies (triangles). Included are linear regression lines for both groups.
図３：乳がんの罹患率と黒肉腫の罹患の相関図、■は100MHzのFMバンドが利用されている国におけるデータ、▲はより低い周波数を用いている国におけるデータ
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

この概要を読んでも、今一つ、理解ができない。
この研究の結論は、一つの仮説を作った、というだけのことかもしれない。
格別に実験などを行ってはいないようである。ベッドの上の電磁波強度がマットスプリングの有無によって、人が横になって寝た時の左側と右側の部位に相当する場所で、大きく変化することなどが実証されていれば、うなずけるが・・・・・。

BRMSJ注：上の図３は■に示すようにスウェーデン等の国においては乳がんと黒肉腫の罹患率は相関がある。
▲に示すデータは日本のデータで、日本は100MHzのテレビ電波を使っていないのと、布団で寝るので、ベッドに金属や金属製のスプリングがない。
100MHzのテレビ電波は、ちょうどベッドの長さに同調するので、ベッドが受信アンテナになって、100MHzのテレビ・FM放送を受信するので、ベッドに寝ると100MHzの電波により強く曝露する。
これから、金属スプリングの入ったベッドに寝ると、癌が増える・・・・という仮説を研究者は立てた。

ところで、日本は布団で寝ることは確かであるが、日本のアナログテレビ時代のテレビ放送の電波の周波数は1ch(90-96MHz)、2ch(92-102MHz)、3ch(102-108MHz)であった。
従って、この研究は、日本のアナログテレビ時代の放送周波数を知らずに、誤った仮説を立てたものと言える。

２A)　２）と同様な論文が書かれている、しかし、この論文はPubmedには採録されていない。

掲載誌：Medical Sciences, Vol. 2, 2014, no. 1, 1 – 15
タイトル：Cancer Incidence vs. Population Average Sleep　Duration on Spring Mattresses
研究者：Örjan Hallberg , Paavo Huttunen and Olle Johansson

概要などの翻訳・紹介は割愛。

３）2)の研究に対する論評の例

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
https://blogs.scientificamerican.com/guest-blog/left-sided-cancer-blame-your-bed-and-tv/
Guest Blog　ゲストのブログ

Left-sided Cancer: Blame your bed and TV?　左側の癌：あなたのベッドとテレビが関連する？
By R. Douglas Fields on July 2, 2010

Researchers Örjan Hallberg of Hallberg Independent Research in Sweden and Ollie Johansson of The Karolinska Institute in Sweden, writing in the June issue of the journal Pathophysiology, suggest a surprising explanation that not only points to a common cause for both cancers, it may change your sleeping habits.
Örjan Hallberg（スウェーデンのHallberg Independent Research）とOllie Johansson（スウェーデンのThe Karolinska Institute）という研究者は、journal Pathophysiology誌の6月号に、２つの癌の共通する原因を指摘するだけではなく、睡眠の習慣の変更という驚くべき説明を提示している。

（略）

When sleeping on the right side, the body's left side will thereby be exposed to field strength about twice as strong as what the right side absorbs.
右側を下にして寝た時、体の左側は、体の右側での電磁波吸収より約２倍強い曝露を受ける。
＜２）の論文の仮説をここでは否定している。＞
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４）２）の研究を否定しているもう一つのサイト

以下は様々な情報が正しいか否かの論評を下しているサイト
https://www.snopes.com/fact-check/coil-mattresses-cause-cancer-amplifying-radio-waves/　にあった内容

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
Claim；Coiled mattresses cause cancer by amplifying radio waves
課題：コイルの入ったマットレスは無線周波数曝露を増加させて、癌を増やすか？

Rating：False
判定：偽
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

２．電気（交流式）シェーバからの電磁波

２Ａ．電気（交流式）シェーバからの電磁波 その2

３．過去の報告書にみる家電製品からの電磁界漏洩の実態

４．国民生活センターで受け付けた相談の内容

５．ＩＨ調理機からの漏洩磁界の例

５Ａ．IH電磁調理器からの電磁界漏洩がICNIRPの規定を超えていると明記してあるWEBの例

５Ｂ．日立のIH調理器からの電磁波漏洩レベル

５C．JEIC News No. 39（2015年6月発行）に掲載されたIH調理器からの電磁波測定結果

６．産業労働衛生の観点から見たペースメーカ着用者への電磁調理器からの電磁界の影響

６Ａ．家庭用電気マッサージ器の心臓PMへの影響

７．電気毛布の使用と乳がんリスクのＬａｄｅｎ研究

８．電気毛布の使用による乳がんリスクを否定するＭｃＥｌｒｏｙ研究

９．電気毛布の使用と子宮内膜腫瘍との関係

９A．2007年のAbelらの電気毛布と子宮がんの関係を示唆する研究

9B．電気毛布の電磁波と小児脳腫瘍の関係の症例対照研究 1996年

９Ｃ．Ｗｉｋｉｐｅｄｉａの電気毛布に関する誤り

９Ｄ．電気毛布の電磁波と睡眠に関する検証

１０．電気温熱ベッドと妊娠 Ｌｅｅの2000年研究

１２．電子レンジからのマイクロ波電波の漏洩

１３．Hatchの家電製品と小児白血病疫学1998の研究

１４．Hatchの論文に関連するNIH Release 1998 家電製品

１４Ａ．Hatchの論文に関連するNIH Release 1998 家電製品に関するＱ＆Ａ

１４Ｂ．Ｋａｕｎｅの2000年の研究 ＴＶ受信機からの磁界と白血病

１５．２００３年 家電製品からの電磁界報告書

１５Ａ． 家電製品からの電磁波測定結果 2007年度報告

１５B．家電製品からの電磁波測定結果 2013年度報告

１６．欧米でＩＨ調理器が普及始める？

１６Ａ．中国でもＩＨ調理器は普及

１６B．IH調理器の欧米における普及

１７．電子レンジに関するＷＨＯの見解

１７Ａ．ロシアでの電子レンジ禁止の噂

１７B．電子レンジの加熱で変性という論の検証－１ 食事での実験

１７Ｃ．電子レンジの加熱で変性という論の検証－2 母乳の加熱時の変性

１７Ｄ．電子レンジの加熱で変性という論の検証－3 ビタミンＢ１２ に関する日本の研究

１７E．電子レンジの加熱で変性という論の検証－4 D-アミノ酸形成

１７F．電子レンジの加熱で変性という論の検証－5 D-アミノ酸形成を否定

１７G．電子レンジの加熱で変性という論の検証－6 D-アミノ酸形成を否定

１７H．電子レンジの加熱で変性という論の検証－7 牛乳の変性はなかった研究

１７I．電子レンジの加熱で変性という論の検証－8 D-アミノ酸形成を否定

１７J．電子レンジの加熱で変性という論の検証－9 レビュー論文

１７K．電子レンジの加熱で変性という論の検証－10 問題はないとする論文

１７L．電子レンジに関するリタ・リーの研究の調査

１７Ｍ．電子レンジの加熱で変性という論の検証－1１ 問題はないとする論文

１７Ｎ．電子レンジの使用に関するアメリカ・カナダのNPO法人公益科学センター２００５年刊行物

１７NA．Koppの原典は？

１７Ｏ．電子レンジ加熱水で「植物がかれた」の検証 捏造された2006年の報告

１７Ｐ．電子レンジでの加熱血液輸血で死亡したとして裁判になった事例 アメリカ1993年

１７Ｑ．電子レンジでの調理時の変性に関する2006年の大阪市立大学の博士論文から

１７R．2008年 生協の試験で、電子レンジ加熱は茹でるよりビタミンCの残存が多い

１７S．1979年の千葉大学研究紀要から電子レンジ加熱によるビタミンCの変化

１７T．電子レンジでの調理は危険ポーリングが唱えたとする説の検証

１７U．1967年大阪成蹊女子短大 橋谷らの電子レンジ加熱に関する研究から

１７V．1988年名古屋女子大・大庭の電子レンジ加熱研究から

１７W．電子レンジ加熱で抗酸化作用増加 2013年大崎らの研究

１７X．1985年 Hoffmanらの電子レンジ調理に関する研究

１７Y．Grossらの1982年電子レンジでの調理影響に関するレビュー

１７Z．野島らの電子レンジの電磁波と熱の影響に関する研究

１７ZA．電子レンジ調理での影響 オランダの1995年研究

１７ＺＢ．電子レンジは危険という新谷浩実論の検証

１７ＺＣ．Ｒａｓｏｏｌｙらの２０１４年マイクロ波加熱の研究

１８．ＩＨ電磁調理器も問題？

１９．ＩＨ調理器の関する工業会のＷＥＢの疑問

２０．ＩＨ炊飯器は大丈夫？

２１．ガス関係会社もＩＨ調理器を製造・販売？

２２．Yahooの掲示板にあったIH調理器不採用の事例

２３．IH調理器に使用されている20KHzなどの中間周波数磁界の発がん性評価結果

２５．ＩＨ調理器からの磁界による人体誘導電流の研究

２５A．伊藤らIH調理器による誘導電流2005年の研究

２６．ＩＨ調理器の磁界のワースト条件は？

２７．IH調理器用電磁波防護エプロンの効果？

２８．IH調理器の電磁波が怖くて、オール電化をやめて、ガスにすれば、安全か？？？？

２９．もうひとつのＩＨ調理器からの磁界による誘導電流の解析

30. 今 ひとつ正確ではない ガウス通信81号のIH調理器の記事

３１．市民科学研究室からの報告「業務用IHクッキングヒーターからの電磁波 ICNIRPの基準値を超える強さ 」

32. 宇都宮大学のIH調理器に関する研究

３３．2007年のＩＨ調理器に関する芳賀研究

３３Ａ．IH調理器からの電磁界漏洩 スイスの報告

３３Ｂ．スイスのＩＴＩＳ財団の2007年報告書

３３Ｃ．韓国でのＩＨ調理器からの電磁波測定結果2009年

34．電球型蛍光灯から高い高周波電界強度が測定、本当？

２Ａ．電気（交流式）シェーバからの電磁波　その2

３．過去の報告書にみる家電製品からの電磁界漏洩の実態　　

５．ＩＨ調理機からの漏洩磁界の例　

５C．JEIC　News　No. 39（2015年6月発行）に掲載されたIH調理器からの電磁波測定結果

７．電気毛布の使用と乳がんリスクのＬａｄｅｎ研究　

８．電気毛布の使用による乳がんリスクを否定するＭｃＥｌｒｏｙ研究　

９．電気毛布の使用と子宮内膜腫瘍との関係　

9B．電気毛布の電磁波と小児脳腫瘍の関係の症例対照研究　1996年

１０．電気温熱ベッドと妊娠　Ｌｅｅの2000年研究

１２．電子レンジからのマイクロ波電波の漏洩　　　

１３．Hatchの家電製品と小児白血病疫学1998の研究　

１４．Hatchの論文に関連するNIH　Release 1998 家電製品　

１４Ａ．Hatchの論文に関連するNIH　Release 1998 家電製品に関するＱ＆Ａ

１４Ｂ．Ｋａｕｎｅの2000年の研究　ＴＶ受信機からの磁界と白血病

１５．２００３年　家電製品からの電磁界報告書　

１５Ａ．　家電製品からの電磁波測定結果　2007年度報告

１５B．家電製品からの電磁波測定結果　2013年度報告

１７B．電子レンジの加熱で変性という論の検証－１　食事での実験

１７Ｃ．電子レンジの加熱で変性という論の検証－2　　母乳の加熱時の変性

１７Ｄ．電子レンジの加熱で変性という論の検証－3　　ビタミンＢ１２　に関する日本の研究

１７E．電子レンジの加熱で変性という論の検証－4　　D-アミノ酸形成

１７F．電子レンジの加熱で変性という論の検証－5　　D-アミノ酸形成を否定

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１７J．電子レンジの加熱で変性という論の検証－9　レビュー論文

１７K．電子レンジの加熱で変性という論の検証－10　問題はないとする論文

１７Ｍ．電子レンジの加熱で変性という論の検証－1１　問題はないとする論文

１７Ｏ．電子レンジ加熱水で「植物がかれた」の検証　捏造された2006年の報告

１７Ｐ．電子レンジでの加熱血液輸血で死亡したとして裁判になった事例　アメリカ1993年

１７R．2008年　生協の試験で、電子レンジ加熱は茹でるよりビタミンCの残存が多い

１７U．1967年大阪成蹊女子短大　橋谷らの電子レンジ加熱に関する研究から

１７W．電子レンジ加熱で抗酸化作用増加　2013年大崎らの研究

１７ZA．電子レンジ調理での影響　オランダの1995年研究

１８．ＩＨ電磁調理器も問題？　

30. 今　ひとつ正確ではない　ガウス通信81号のIH調理器の記事

３１．市民科学研究室からの報告「業務用IHクッキングヒーターからの電磁波 ICNIRPの基準値を超える強さ」

３３Ａ．IH調理器からの電磁界漏洩　スイスの報告

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５１．特記　マットレスのスプリングコイルによる電磁波